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中央環境審議会循環型社会計画部会(第7回)議事録


○平成14年2月26日(火) 10:02〜12:10

○於:経済産業省別館8階第825会議室

<議事次第>

  1. 循環型社会形成推進に関する各審議会等の審議状況等について
     
  2. その他

午前10時02分開会

○企画課長 定刻を若干過ぎましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会計画部会を開催いたします。
 委員の皆様方には、大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、11名の委員からご出席の連絡をいただいておりますが、まだ3名の委員が遅れていらっしゃるようでございますが、出席ということで連絡をいただいております。
 では、まず、お手元の配布資料をご確認いただきたいと思います。
 最初に議事次第がございまして、資料1、これは経済財政諮問会議循環経型経済社会に関する専門調査会のビジョンとシナリオでございます。それから、資料2−1以下が産業構造審議会関係の資料で、2−1、2−2、2−3と続いております。それから、その後に、計画部会第6回の議事録が委員に配布されております。参考といたしまして、1月17日に策定されました「基本計画策定のための指針について」を添付してございます。それから、実は傍聴の方にはお配りしてございませんが、後でご発表いただく小宮山先生の方から2種類の資料が追加で先ほど配布されております。委員の先生方にはとりあえずお配りしてございます。環境新聞の記事とグラフをまとめたものでございます。
 資料の確認は以上でございます。事務局の方は部数が足りませんので、今、至急つくっております。
 本日は、循環型社会形成推進基本計画の策定の参考とするために、循環型社会の形成に関し政府内の会議及び審議会よりヒアリングを行いたいというふうに思っております。
 本日ご意見をいただく方々をご紹介いたします。
 昨年、内閣総理大臣を議長とする経済財政諮問会議に循環型社会に関する専門調査会が設置されております。その座長を務めていらっしゃいます、東京大学大学院工学研究科長の小宮山宏先生でございます。本日はその専門調査会のご議論についてご説明いただきたいと思います。それとあわせまして、同調査会を担当されております前原企画官でございます。
 それからもう一方、これは資料2−1以下の関係でございますが、経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課の田辺靖雄課長でございます。田辺課長からは、経済産業省に設置されております産業構造審議会 環境部会 廃棄物・リサイクル小委員会 企画ワーキンググループの審議状況をご説明いただきたいと思います。
 それでは、中島部会長、よろしくお願いいたします。

○中島部会長 それでは始めさせていただきます。
 当部会ではこれまで6回の審議と地域でのヒアリングを行いました。それを踏まえまして、前回の部会では「循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針」を取りまとめさせていただいたわけですが、これは審議会長より環境大臣に意見具申されております。このことをまずご報告しておきます。
 本日は、ただいま事務局からご案内のように、お二方よりお話をいただくことになっております。まず小宮山先生から30分お話しいただいて30分議論、それから、田辺課長より30分いただいて30分というような計画を考えておりますが、そうしますと、ご案内は12時までということでしたけれども、少し延びるかと思います、このような説明などが入りますので。
 それでは、小宮山先生、年度末でお忙しいところ恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。

○小宮山科長 小宮山です。
 資料は、最初からお配りいただいている資料1「循環型経済社会のビジョンとシナリオ」、これが今ご説明いただいた経済財政諮問会議の専門調査会での報告書です。それから、そのあと2つ、環境新聞の方はこの資料1があればほとんど必要ない資料ですけれども、新聞社等が疑問に感じるようなことに答えてありますので、これは資料1に対する補足というような位置づけです。
 それで、初めに、図が6枚ずつ載っている資料で話を10分ほどさせていただきたいと思います。これの意味は、何のために循環型社会というのをつくるのかというその背景を議論したものを並べてあるのですが、これの詳細は岩波新書の『地球持続の技術』という本に、1999年の12月ですから2年近く前に出しておりますが、それの中に大体きちんと書いてあるというものなのですが。
 まず、最初の4枚は、20世紀に人間の活動がいろいろふえたと、人口が 3.5倍、穀物の生産量が 7.5倍、鉄鋼が25倍、アルミニウムが 4,000倍といったように、ものすごく20世紀は膨張の時代だったと、これはご案内のとおりです。
 それでは、それに伴ってどういうことが起きるかというと、次のページを1枚めくっていただきますと、このままでいくと2050年ぐらいにはどんなことが起こるかというのは割合延長ではわかる。
1つは大量廃棄物の発生、それから、地球温暖化の顕在化、石油の枯渇化 ──今日は余り細かい説明はいたしませんけれども。
 この中でも大量の廃棄物の発生というのが非常に確実な話でありまして、それは20世紀の生産の膨張の軌跡をたどってみれば、量的には20世紀の後半に鉄・アルミニウムの生産のほとんどをしているわけで、鉄はヒッタイトの時代、1万年近く前からずっと人間は生産しているわけですけれども、もうその8割以上は20世紀の後半につくったんですね、そういうものが今世の中にあるわけです。これらの平均の寿命は大体30年ぐらいになっているわけです。そうしますと、30年、あるいは、寿命は長くても50年ぐらいだとしますと、20世紀の後半に大量につくったものが21世紀の前半に発生してくるということで、物質循環という問題が出てくるんですね。同時に、温暖化、石油というのは天然ガスあたりを含んでもいいのですが、そういうエネルギー資源の枯渇化というのが現実的なものに恐らく2050年にはなってくると、あるいは、なってくると考えるのが現在の延長で考えると妥当であると思います。
 それでは、それに対して答えはあるのかというのを一生懸命考えた結果がそこの「ビジョン2050」です。これは、2050年にこういう状況を実現していれば持続的な発展というものが可能であろうというそういうビジョンでありまして、予測ではもちろんありません。それは3つの骨子から成り立っておりまして、その1つが物質循環システムの構築ということ、それから、2050年までにエネルギー効率を3倍にするということ、それから、自然エネルギーを2倍に──これはちょっと説明が必要なのですが、現在、エネルギーの8割が化石資源です、石油、石炭、天然ガスですね、それぞれ大体3分の1ずつぐらいですね、それから、残りの20%のうちの10%がいわゆる薪ですね、途上国を中心に使われている薪で、残りの5%が水力発電、5%が原子力発電ということで、残りはもちろんあるのですけれども、風力とかもあるのですけれども統計には載ってこない程度の量です。今言った非化石資源、20%に相当するぐらいの自然エネルギーを2050年までに新たに開発するという目標といいますか、開発しているということが「ビジョン2050」の3つの基本的な仮定であります。その後はいろいろなことが書いてあるのですが。
 2050年にエネルギー消費が 4.5というのは、現在のOECD諸国が物質エネルギーに関して大体今と同じぐらいのレベルを維持するとすると 4.5ギガトンなのですけれども、45億トンですね、炭素換算で。それで、今後、途上国がどうなるのかということが一番問題なわけですが、日本とかヨーロッパぐらいなみの生活レベルに達すると今、日本、ヨーロッパというのは炭素に換算してエネルギーの消費が1人 2.3トンないし 2.5トンぐらいですね、大体80億人、8ギガぐらいの人口になるだろうというのが2050年ぐらいの大体の最近の予測ですので、そうしますと、23ギガトン、 230億トンの炭素換算のエネルギーが必要になる。現在、炭素換算で75億トン、化石資源が60億トン、残りが15億トンで、75億トンですので、大体現在の3倍ぐらいのエネルギーを使うと、途上国まで含めて現在の先進国なみのサービスが得られるということになるわけです。
 それで、その右側がエネルギーのシナリオとCO2で、現在、60、15というのがエネルギーの消費で、CO2濃度が 370ppmぐらいですね。Bというのは、途上国まで含めて現在の先進国なみというのを現在の効率で実現するとBぐらいのシナリオなので、これですと2050年に二酸化炭素の濃度は 600ppmになります。ですから、これはもう温暖化から言っても、エネルギー資源という立場から言っても、ほとんど破局的な状況になることは間違いない。Cが「ビジョン2050」でして、エネルギー効率を3倍にしますので、これはどういうことかというと、3分の1のガソリンで自動車が同じ距離を走るということでありまして、サービス当たりのエネルギー効率を3倍にするということを考えれば、現在と同じエネルギーの使用量でまかなえる。それから、白い部分、これが非化石系の資源、先ほど申しましたように、これを倍にすると。現在と比べるとこれでもCO2の濃度というのは 460ppmぐらいまでふえていますが、ただ、2050年にこれができていると、その後はその傾向をさらに、惰性といいますか、そういう形でさらに進めていくことによってDのような──幸いにして太陽エネルギーというのは今人間が使っている1万倍のエネルギーを注いでいますから、それをうまく使うシステムをつくればDのようなビジョンを描くことはできるということです。
 その基本的な「ビジョン2050」の仮定、物質循環システムを構築する、エネルギー効率を3倍にする、自然エネルギーを2倍にする、これが妥当な仮定なのかどうかというのをかなり詳しく議論したのがこの『地球持続の技術』の中身です。詳細は省略させていただきますが、エネルギー効率を3倍、要するに、3分の1のエネルギーで同じことを実現するということが可能なのかということで。そこの海水淡水化の例が1つ書いてございますけれども、理論というのがあるんですね、熱力学という理論でして、自然に逆らおうとすると必ずエネルギーを必要とする、そのときにどれだけエネルギーが最低必要かというのは理論で明確に出てまいります。
 それに対して現状というのがあります。今の海水淡水化の場合ですと理論というのは24で、非常に明確です。海水淡水化というのは、こちらに海水があって、こちらに真水がある、このとき真水が海水側に沁み込んでくるというのが浸透圧ですよね、この圧力が24気圧なんです。そうすると、真水が海水側に沁み込んできたのでは淡水化にならないわけですから、海水の側にうんと圧力をかけるわけです。24気圧の圧力を海水側にかけてやると真水が沁み込んでこれなくなる。では、もっとかけたらどうなるのか。今度は30気圧をかけてやると、海水側の水が真水側に沁み出てくる。これが膜法による海水淡水化の原理なんですね。
 理論の24というのは、もう24気圧ちょっと加えて海水を押せばいいんですよ。それだったらエネルギーが一番少なくて済む。それだけはどんなことをやっても、蒸留をやろうが、凍結融解というような方法をやろうが、何をやっても24気圧分に相当するエネルギーを必要とするというのが理論です。現実にはどうやっているかというと、80気圧で行っているんですね。なぜかというと、80気圧で押さないと使える分ぐらいのスピードで水が出てこないからですよ。80と24、この差56というのが人間が努力して可能な省エネルギーの最大値ですね。つまり、理論と現実というのは明確にあるんです。あとこの間どこまでいけるかというのが省エネがどこまでいけるかということで、これは技術屋が大体──今努力しているのが50気圧ですから、8分の5までは間違いなくいきますね、では40気圧までいくか、30気圧までいくか、そこに技術の予測という要素が入ってくるわけです。これは、具体的には、そこに書いてありますように、薄くて、強くて、選択的な膜を開発しなさいというのが技術課題になってくるわけです。
 こういうことで、理論と現状と技術的な予測を2050年までに対してやってみたというのが「地球持続の技術」で、それによりますと、ずばっと答えだけを2つの例で申し上げます。自動車の省エネルギーというのは2050年で現在のガソリンの4分の1で同じ程度の大きさの車が走るというのが妥当な目標ではないだろうかというふうに思います。エアコンですと、現在、理論値の約10倍のエネルギーを使っています、電力を、これを3分の1ぐらいの電気にするとここら辺が2050年の目標として妥当ではないかということです。そのほかに、断熱をよくすれば減るという効果を考えて、2050年には12分の1ぐらいになるだろうと。ただ、これは2年前に1998年のレベルのデータで議論して、「エアコンの省エネルギーの現状」のところに「4」と書いてある、「世界記録、日本」と書いてございますが、日本のエアコンの効率がもちろん一番いいです。それに対して、私はこの4という値が12まで行くだろうと、3倍の効率になるということは4というのが12までいくだろうというふうに想定したのです。しかし、今、現状は2002年ですが、今のカタログを見てみてみますと、カタログの成績係数というところをごらんになるといいんですよ。2年前には、1998年のカタログは4だったのが、ことし見たらば6にまで来ていますよね、もう既に4から6まで来たんです。2050年までに私は12になるというふうに予測したのですが、これも少し過小評価だったかもしれません。このように、さまざまな技術に関してどれぐらいまでいくかということを考えたのです。
 その次に、もう1つは、次のページをめくっていただきますと、人工物の飽和ということが私は起きて、これが1つ重要な循環型社会のかぎになるだろうというふうに考えております。これはどういうことかと申しますと、日本の自動車の例なんかが、先進国の自動車の例なんかがいいのですが、日本には今 7,000万台の自動車があるのはご案内のとおりかと思いますけれども、大体これは2人に1台ということですよね。それで、平均して、例えば14年と──話を少し単純化するために、14年と自動車の寿命をいたしますと、1年に 500万台が廃棄されて、1年に 500万台が売れていくという状態になるんですね。そこに向かってどんどん近づいていきます。ここ十数年、日本の自動車の国内での販売台数というのは 400万台〜 500万台の間にほとんど収まっております。2年ぐらい 500万台を超えたときがありましたけれども、もう 500万台は大きくは超えません。これはもう絶対に超えないんです。なぜかというと、2人に1台という保有台数が大体一定になって、それが飽和に達すれば廃棄されただけ買いかえになるということですよね。日本の建物もほとんどそうなってくるだろうと。丸ビルは建てかえるんだけれども、そのときには古い丸ビルを壊して建てるということになるわけだと思います。
 こういう人工物の飽和という状況ができたら循環型に行くのかどうか、それが分かれ目になるんです。それが「人工物の飽和」という左の上の図です、数字です。8=5+3というのは、現在世界で8億トンの鉄が生産されていて、ただそのうちの鉄鉱石でつくられている鉄というのは5億トンなんです。3億トンというのはスクラップを溶かしているんですね。これは何で3億トンのスクラップかというと、現在、人間がずっとつくってきた鉄の総量が 100億トンというふうに鉄鋼連盟が予測しております。それが30年でもって平均して回るとすると、1年に3億トン出るわけです。だからスクラップが3億トンなんですね。
 100億トンがもっとたまっていけば、スクラップの量はふえてくるわけです。現在の5億トンの1年間の鉄の生産量、高炉の生産量5億トンというのが2050年まで50年間続くとしますと、人間は 250億トン鉄鉱石を鉄に還元するわけです。そうしますと、トータルとして社会に船だの建物だという形でストックとしてたまっている鉄の量が 350億トンになるわけです。これが同じ30年間の寿命で回ったとすれば、11億トンなり12億トンのスクラップが 1年に発生することになるわけですね。現在の生産量の1.5倍です。
 これはもう2つしかないわけです。スクラップは出てくるわけですから、このスクラップを回すか、要するに、リサイクルでもって回していくか、あるいは、砂漠か海にでも捨てていくかしかないわけでございます。というのは、12億トンというのは現在の8億トンをもう既に上回っているわけですよね。 8億トンの鉄の生産量の総量というので 1.5倍にも達するスクラップが発生してくるということですから、これをうまく回す社会をつくっていけるかどうか。技術的には実は大変難しい問題がございます。今、鉄は回っていますけれども、実は自動車なんかのいい鉄が電動炉でもって溶かされて、建物をつくるような構造材として利用されているというのが現在ですが、やがて構造材が人工物の飽和によって飽和しますから、そうすると水平のリサイクルということを実現しなければならない。これはいろいろ問題がありますが、技術的には私は可能であると思っております。
 それでは、時間も30分ということなので少しはしょりますが、リサイクルにはいろいろな問題点がありますが、その中で、コストがかかる、手間がかかる、エネルギーがかかる、ろくなものができないというようなものが大体リサイクルに対する非難なのですが、このうち、エネルギーがかかるということがあるとすると、これは致命的なんですね。ただし、これはうまいシステムをつくれば、リサイクルというのはエネルギー的に得をするものです。そこに、金属の例、紙の例で書いてありまして、リサイクルというのは上手なリサイクルシステムを組めばうまくいきます。
 その次の5ページに行っていただきますと、さて、ここで、循環型経済社会ビジョンのシナリオを専門調査会でやった中で、幾つかポイントとなることが明らかになってまいっております。1つは、マテリアルとサーマルのリサイクルを等価に考えるということ。それからもう1つは、規模の効果というのを重要視するということ、これは技術的に重要であるということが出てきています。
 これは3Rにのっとってご説明をさせていただきますと、リデュースということ、これが一番大切であるということが言われております。これは、例えばペットボトルというあたりの問題を考えてみれば、リデュースというのは一回飲んでしまったやつをまた充填して何度でも個人が使う、これがリデュースですね。こうすると廃棄物の量が減っていく。これは個人の良識に従ってどんどん進めるべきであろうと、これはわかりますね。
 リユースというのは何かというと、また使うのだけれども、これは個人がどんどん使うということではないんですよね、排出することですね、排出してまた使うということになります。このときにどうやって使うかというと、ボトルとしてまた使うんですね。そうすると、工場なんかを頭に浮かべていただきますとよろしいのですが、たくさんのボトルがラインに乗って流れてきて、しゅっと水が入ってすっと行って、それでぺっと蓋をしてぱっと回っていくという、ああいうラインに乗るものが資源なわけですから、何が必要かというと、リユースのためには同じ種類のもの、同じ種類で同じ色の同じ製品が集まってくることが必要であって、こういうシステムができるかどうかというのがリユースの問題です。できないことはないので、一升瓶でありますとか、ビール瓶でありますとかはこのような形で回っているわけで、どういうものにまでそういうシステムをつくるかというのは社会の合意の問題です。
 次がリサイクルです、マテリアルリサイクル。このマテリアルリサイクルをリユースとかリデュースと混同するところに1つの大きな問題があるのだろうと思います。一回排出して、ボトルとして使うのではないのだから、原料に戻すということになるわけです。そうすると、ペットをつくるのに、ペットボトルが原料として優れているのか、ナフサが優れているのかという、そういう比較になってくるわけです。そうすると、例えば塩ビがプラスチックの中に混ざってきたりしたら、ペットの中に混ざってきたりしたら、これはもう原料としてはナフサの方がはるかにいいという状況になりますから、今度、マテリアルリサイクルをするときには物質として均一なものというようなことが要請されるわけで、そういうシステムを本当につくることができればマテリアルリサイクルの方がサーマルリサイクルよりいいという状況もあり得るし、そうでなければサーマルリサイクルの方がいいということも十分にあり得るわけであります。
 これは、右側の、マテリアルとサーマルは等価であるという書き方をしておりますが、まず燃やすのがもったいないというのがよく議論として出ました。しかし、これは、同じ燃やすといっても、燃やすということの中には野焼きをするというところから火力発電所で電気を取るというところの燃やすまであるので、燃やす内容を考えないと意味がないわけです。下に「化学工場>火力発電所」と書いた意味は、マテリアルリサイクルの方がサーマルリサイクルよりいいというのは、原料である石油を化学工場で使う方がよくて、火力発電所に持っていくというのが劣るのかという議論と同じ議論をしていることになるわけであります。これは間違いですよね。それから、どうしようもなくなったら燃やす、マテリアルで回しておけば、やがていつかは燃やすこともできるんだからという議論もかなり説得力を持つような感じなのですが、これも間違いです。これも何で間違いかというと、現在、60億トンの化石資源が炭素換算で使われておりまして、どれぐらいが物質に行っているかということはほとんどの人はご存じない。今、世界で生産されているプラスチックというのは 1.5億トンで、これが化石資源が物質になっている割合です。それを少し甘めに見て2億トンと58億トンというふうにしたのですが、58億トンというのはエネルギーを取るために燃やされているんです。これは、第1が火力発電所、その次が自動車。
 このことを考えれば、結局、排出されたプラスチックというのは原料にすべきか燃料にすべきか、これは石油を原料にすべきか燃料にすべきかというのと同じ議論で、石油を一回プラスチックにしておけばいつでも燃やせるからという理論と同じなんですね。58億トンのプラスチックをつくって、それをいつか燃やすようなことはできません。30年間分のプラスチックができてしまって、置いておくところもありません。こういう意味で、マテリアルとサーマルとは、リデュース、リユース、リサイクルのここに来たときに等価になるというのが我々の結論です。
 その次に、規模の効果。これは、ごみが自治体のボーダーを越えて越境するというようなイメージから大規模化ということが障害になっているわけですけれども、汚いごみを越境させてというようなことはもちろん避けるべきなのは当然でありまして、そういうことではなくて、きちんと分別された廃棄物というのは資源になるわけですね。それは、もちろんペットボトルはペットボトルだけで集めればユニクロの原料になるという意味で資源であります。こういう意味で、きちんとした形で大規模に集めるということが必ず必要になってまいります。
 例えば、規模の効果、「ガス化熔融とペット」というふうに書きましたけれども、左は、発電するのに、現在の規模というのは、目標がせいぜい年間3万トンとか、左側の2つぐらいの点なのですが、そうすると、1キロワットアワー当たり50円以上の価格になってしまいます。ところが、50万トン、あるいは 100万トン規模、これが実は産業の普通の規模なのですが、そういう規模まで持っていけばキロワットアワー11円という、現在の火力発電所に匹敵するようなコストまで持っていくことが可能になるわけです。右側はペットのマテリアルリサイクルの規模の効果を示すものでありまして、これもやはり左側の2点ぐらいが現在考えられている1万とか、せいぜい3万トンぐらいの話なのですが、これは効率が非常に悪いわけです。そうしますと、今でもペットが集まった状況で、プラスチックを工場まで持ってきてもらって1トン5万円だ7万円だともらわないと処理ができないというような現状になっているわけで、非常に効率が悪いわけです。ところが、今、日本では、70万トンのポリエステルが使われているわけで、例えば日本に二、三カ所といったような規模ですれば25万トンぐらい集めることはできます。そうなって初めて大きな工場のエネルギー効率に匹敵するような効率でマテリアルリサイクルというようなものが実現できるわけです。
 ですから、マテリアルリサイクルにしてもサーマルリサイクルにしても、これは循環型社会をつくるために非常に重要な要素なのだけれども、そこを基本的には等価に、イコールフッティングで考えること、それから、ものによっては大規模化ということができるようなシステム、例えば小規模拠点を、スーパーマーケットになるのか、昔だったらお米やさんだったりしたわけですけれども、そういうところに小規模な拠点をつくって、そういうところまでは例えばクリーンな電気自動車みたいなものでもって集めてきて、そこに適当な規模のトラックが来て、例えばJRの駅とか、隅田川の河畔とか、そういったような中規模の拠点に集めて、そこからは例えば船だの電車になればもうエネルギーなんてほとんどかからないと言っていいぐらい効率が上がりますから、船で例えばどこかの大きな拠点に運んでそこで処理するといったようなことが実現して初めて効率よい循環型の経済社会というようなものが成り立つんだというふうに考えたわけです。そういう意味から言うと、リデュース、リユース、マテリアル、サーマル、1、2、3、3というその中で、分別して大量に収集するということが今重要であろうと、特に強調したいと思います。
 そこで、資料1に行っていただきまして、大体今のでここら辺の議論の背景となります基本的な考え方をご説明したわけであります。最後の大きなこの1枚紙でまとまっているところでありまして、「循環型経済社会をめぐる情勢」。「ごみを資源・エネルギーに、環境にやさしく『美しい日本』を次世代へ」というような、これは皆さん一致できるスローガンであろうと。ごみは、ペットボトルは同じものが集まれば、全く同一のものが 100万個集まれば、それだけで売り物になるわけですし、ペットだけが集まればユニクロの原料になるということだし、また、プラスチックと紙ぐらいであれば化石資源に匹敵するエネルギー資源になります。ただし、そこに生ごみなんかが混ざってくるともういっぺんにごみになってしまうということでありますから、ごみを資源・エネルギーにしようというのは社会全体で取り組むべき課題なわけだと思います。
 左側に、「循環型経済社会をめぐる情勢」として、世界の状況、国内の状況をまとめておりまして、問題点をそこに列挙しております。1つは、産業界を中心に、循環型社会に向かうことが経済成長を制約するのではないか、それから、一般的にも生活水準の低下をもたらすのではないかといったような不安とか、埋立処分場がもう逼迫してきているとか、不法投棄の問題でありますとか、ダイオキシンに代表されるような微量有害物質の問題、また、再生品の過剰生産、何でもマテリアルリサイクルしろという話をすると、必要のない価格の安いものが過剰に生産されてしまっているというような、さまざまな問題、いろいろなステークホルダーからの問題が出てきているわけです。
 それに対してビジョンというのを提案したわけで、それは3つの基本理念で、天然資源の採取量再処理を抑制する、環境への負荷の低減を行う、持続可能な経済成長の実現。ここでなぜ大量生産、大量消費からの脱却というようなことを書かなかったのかというと、1つには、やはり現在60億人の人口、2050年には83億人とか85億人とか言われておりますが、そういったような巨大な人口を支えるのに大量生産というものはある程度避けられない問題だろうと私は考えております。これは、鉄の現在の8億トンの生産が本当に小さくなって、90億人の、80億人の人間が現在の生活レベルといったようなものを維持できるとは思いません。本当に何が悪いかというと、天然資源の採取量を増やすことが自然を劣化させ生態系を壊す、それから、環境へ埋立物を排出していく、ダイオキシンを排出していくという環境への負荷が問題なのであって、リサイクルで回していく、これが回る速度がどの程度が妥当かというのは人間の社会が判断することですが、それが本質ではない、天然資源、環境のここが本質であるということから基本理念はこういうふうに書いたわけです。
 国民共有の目標として、そこに書いてあるとおりです。そのときに、埋立処分量を減らそうということを掲げておりまして。
 それから、基本的な視点としては、効率性、公平性、安全性、この3つだと。効率を議論する1つのものとして、規模の効果というものの例がそこにあるわけでございます。
 もう1つは、効率を上げるためにも分別して排出するということが極めて重要だということは先ほど申し上げたとおりであります。
 それからもう1つは、素材毎の循環的利用。これは家電のリサイクルをお考えいただくと一番いいのですが、部品で回せるものもあるのですが、部品で回せない、原料として回さなければいけないというものがたくさん出てきます。このときに、家電から出てくる鉄の量、家電から出てくるプラスチックの量なんていうのは微々たるものなんですね。現在、廃棄の量は 2,000万台ですから、1つが10キロとしても20万トンにしかならないわけですよね。20万トンというのは、ほとんどが鉄でしょうけれども、20万トンの鉄なんていうものは本当に微々たるものですよ、鉄の総生産量は日本では1億トンというのからすると。 0.2%にしかならないわけですから。これをどうこうしたって、効率は物すごく悪いものになってしまう。そうすると、自動車から出てくる鉄と家電から出てくる鉄を一緒に処理するということが必ず必要になって、プラスチックでも全く同じ状況が生じてくるのは目に見えております。そうしますと、産業毎の処理ということだけにこだわっていてはだめで、産業間を越えた素材毎の循環的な利用といったようなことも視野に入れて考えていく必要があると思います。
 もう1つは、地域特性への配慮。都市でしたらゴミゼロ型の都市といったようなことが重要になってくるでしょうし、また、田園だとすると、森林を維持して、そのためには適正な間伐というようなことをしていく必要があるわけですけれども、間伐材というのをきちんとエネルギーとして利用していくといったようなこと。
 それから、国民の参加。今申し上げたように、どんなマテリアル、サーマル、リデュース、リユース、あらゆるものに対して社会全体でよいシステムを構築していくということが必要だと。
 シナリオとしては、経済社会システムの改革というものをここに入れて、そこは責任と費用負担のルールですとか、特に強調したのが静脈インフラの整備、先ほど申し上げたような、小中大規模拠点の形成ですとか、クリーンな電気自動車、鉄道、海運等の広域流通網、許可、手続きの簡素化といったようなものを挙げて。
 最後に、「情報ヘッドクォーターの創設」ということを提案いたしております。これは、私はこの専門調査会の途中で、個人で、 500名ぐらいの方にEメールを出して、循環型経済社会と言ったときに何を思い浮かべるかというのを1日で答えてくれと、考えると調べてしまいますから、とにかく1日で答えてくれというのをやったんです。それで、集計しましたら、キーワードにして 900出てきました。それはもちろんリサイクルというのが一番多かったですよ。リサイクルというのが多かったけれども、そのほかに、燃料電池とか、風力発電とか、エネルギーとか、CO2とかといったようなキーワードが、違うキーワードを探すと 900出てくるんですね、 500人のうち多分 300人ぐらいしか回答はくれていないと思いますけれども。要するに、循環型社会とか循環型経済社会とかと言ったときに、人間が考える切り口というのがいまやいかに多いかということです。ただ1つ報告書なんか書いたって、私が精魂込めて『地球持続の技術』なんていう本を書いたって、もう大して効果がないんですよ、はっきり言って。もっと効率のいい議論のツール、効率のいい情報のツールというのをつくらないと、もう合意が取れないんです。私はそういう時代に入っているんだと思います。
 ですから、議論を活発化して合意を形成していく、パブリックアクセプタンスのために情報を常にコントロールして、それを見やすい形で、個人の興味に応じてクリックして入っていける、個人の専門に応じて深く入っていけるといったような構造化された知識が入ったものを常に提供していく情報のヘッドクォーターといったようなものをつくる必要があるということを重要な提案としています。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

○中島部会長 どうもありがとうございました。
 小宮山先生のお話は、50年後の物質エネルギーの収支を提示されて、その未来から現在取るべき姿、方策を補完的に述べられたと思いますが、その中でも特にサーマルリサイクルのあり方とか、処理の規模の問題、大量消費、大量生産のそれだけが本当に現況なのかというような問題も提起されました。それから、この審議会は情報交換の意義があったと思ったのですが、今のお話だともっといいヘッドクォーターを考えないと、確かにインターネット時代にふさわしい情報のマネジメントでしょうか、そういうことも大体ご提案いただきました。
 それでは、議論をいただきたいと思いますが、手を挙げていただけますか。

○浅野委員 どうも、先生、ありがとうございました。幾つかの点で非常に貴重なご指摘をいただいたと思います。特にこれまでの審議会での議論はどちらかというとある固定的なイメージの議論をするという傾向が強かったのですが、余りある事柄に固定的にこだわってしまわないでさまざまな角度から情報を弾力的に取り上げるべきということだろうと思います。その点は同感であります。
 それから、さらに、産構審の方では後で田辺課長もご報告をするわけですが、ものによりけりで、1つの原理をすべてのものに当てはめるのは難しい、だから、どういうものをどう扱うかというのはそのものの特性に応じて対応を考えなければいけないということをかねてから色々な場面で指摘をしているわけですが、ある程度は確かにそういうものもあるという気がいたします。
 先生のこの専門調査会の中間とりまとめは、循環型の政策策定に当たっては大きな示唆を与えてくれているものだと理解しておりますが、マクロのレベルでのこういう大きな戦略シナリオというものがまずあり、それから、環境新聞に先生が書いておられるように、これまでの個々の各省の施策というのはどちらかというと産業別であったり「物」別であったりという形で、割合細かいところでそれぞれその中だけで動かしているというような傾向が強い、これではどうにもならないのでもっと大きな流れをつくっていかなければいけないんだという認識は完全に一致しているわけですけれども、循環基本法のもとで循環計画が具体的に行政計画としてつくられていくという性格から言いますと、政策の大きなビジョンを示すものと、個々の割合に地べたを這いずり回っているような部分の話と、ちょうど真ん中のところで行政計画としてそれぞれ位置づけられるということで、接着剤のような役割を果たしていくということが期待されるのだろうと思うわけです。私もそういう認識を持って循環基本計画をつくらなければいけないと思っているわけでございまして、既に各省の個別法による計画があって、それをただホッチキスでつないでいく、これが循環計画であるというようなものにならないようにということは強く主張していきたいと思います。
 それから、大きな循環ということについての基本的な理念のような部分は法律そのものが環境基本計画に基いてと言っていますから、そちらの方で考えている国の環境政策の基本から外れてはいけないと思いますが、それを一方でおさえながら先生の専門調査会で提言しておられる内容をどう取扱っていくのかが課題になるのだろうと思います。
 一番のポイントになる部分は、私がお話を伺っていて思いましたのは、効率性というキーワードが先生のお話の中で非常に重要なキーワードとして出てきているわけですけれども、お話の中で同時に公平性ということが──安全性というのは少し別な話ですけれども、公平性という言葉が出てまいりました。やはり社会制度システムを考えるときには効率性のほかに公平性という要請がどうしても必要になるということと、それから、既に既存のシステムが社会に存在する場合には、その既存の社会システムと新たなビジョンとの間の整合性もしくはソフトランディングのための間のつなぎのようなものをきちんと考えておかないとなかなかうまくいかないという面がある。多分その辺も循環計画のポイントになるのかなと理解しております。
 公平性というのはどちらかというと工学、経済学の人というよりも法律の世界の方が強く主張するところですが、言い過ぎるとこういう制度に全く相反することになってしまうのですが、私はそこはうまく知恵を絞ればきちんとしたインターフェースはあるのだろうと思っていまして、それをどう上手に考え出すかということがポイントかなと考えております。

○中島部会長 そのほかの方も議論したいと思いますので、手短にお願いいたします。

○浅野委員 調査会の報告の全体の討論の中で、公平性という概念とか、あるいは、既存のシステムと先生が言っておられる大きな理想との間のインターフェースになるものをどう考えるべきかということについてご議論があったと思うのですが、その点をお聞きしたいのですが。私の質問にすぐにお答えいただくというよりも、他の委員がいろいろまたご質問申し上げると思いますから、ほかの委員の発言やご質問もあわせてお答えいただけたらいいかと思います。

○中島部会長 そういうことでよろしいですか。
 それでは、江口委員、お願いいたします。

○江口委員 きょうの先生のご説明は非常に明解で理解することができました。ただ、問題は、恐らく2050年の社会というのは相当国境を越えて物質の循環の移動ができているわけですけれども、それをどういう形で国際社会の中で仕組みをつくっていくのかどうかということでございます。
 2点目は、企業経営者の人が軸になりますけれども、さっきおっしゃったように、マテリアルの分類の仕方が変わってくるわけですね、例えば金属マテリアルとか、その辺の仕分けを先生の委員会ではどういうふうに議論されてこられたのかということがお聞きしたかったことです。
 第3点が、地方自治体との連携です。さっきおっしゃったように、最終的には大都市にマテリアルを集積して、それをどのように処理するかという問題です。
 この3点をお聞きしたかったのですけれども、お願いいたします。

○中島部会長 余り質問を滞積させるとお答えにくいでしょうから、そろそろ処理していただきましょうか。簡単に1つずつ。

○小宮山科長 エクイティの重要性ということは何度も指摘されまして、調査会の中でも非常に重要なポイントと。ですから、効率性、安全性と並んで公平性という問題と。何が本当の公平なのかという問題は、余り突き詰めて考えてはおりません。ただ、ミクロにミクロにいって 3,000幾つある自治体で一つ一つが完結していることがエクイティではなかろうと。その1つの例として森林の間伐、エネルギーとしての利用というような、地域、都市、東京の再生の問題といったような仕組みでの重要性、それぞれの場所によっても違うでしょうから。ここら辺の議論は余り──これは時間も3カ月ぐらいでやった報告書でして、物事の間のインターフェースの中身については余り深い議論をしておりません。私は大体1つしか覚えられないものだから、あと3つの質問は何でしたっけ。

○江口委員 国際問題とマテリアルの分類についてです。

○小宮山科長 2050年の社会はどうなっているのかということで、バーゼル条約みたいなものはなくなっているかもしれませんし、相変わらずアメリカが京都に復帰してきていないわけですけれども──これはわかりませんよね、きっと早晩復帰するだろうと思いますけれども、少なくともやがて構造材用の鉄が、構造材をつくるスクラップが途上国に流れていって、鉄をつくるときの切れ端みたいないいスクラップがあるのですが、いいスクラップが先進国に来る、日本なんかは買っている。要するに、悪いスクラップを売って、いいスクラップを買うというのは実はもう既に起きているのですが、こういうものがしばらく加速すると思いますね、まだ中国あるいは東南アジアが建設需要を多く抱えていますから。だけれども、それはやがて飽和するわけですから、何か新しい物質の移動に対する取り決めみたいなものができていくだろうとは思いますね。それがどんなものになるかというのは、もう少し議論を詰めていかないといけない問題なのではないかなと思います。
 マテリアルをどういうふうに、例えばごみを考えていくかということに関しては、17ページに一応こんなふうに分けたということがございます。表1の「素材毎の特性に応じた利用」というので、一番左側に分類があって、金属、ガラス、建設系の鉱物、可燃物、分解性有機物、副産物というふうにしてありまして、10分の1に埋立量を減らすという目標で数字的な根拠をそこに並べていって、特性に応じて今後どういうような利用の仕方というのが考えられるかということは一応まとめてあります。ただ、これも非常に大くくりな分け方ですから、現実にはそれこそリユースですか……。リユースというのは、我々は、製品をそのまま、あるいは、製品の中に入っている部品を部品としてそのまま利用するというのをリユースというふうに考えようということにしたわけですけれども、家電リサイクル法とか自動車もできるわけで、それは恐らく進みます。そういう意味で言うと、そういうリユースが進んで、その次がマテリアル、サーマルなリサイクルということになってくるわけで、そのときの利用の仕方というのをここにまとめてみたと、試案として出したということでございます。

○中島部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、崎田委員。
 それから、11時が限度だと思いますので、大体この辺で質疑等は終わってしまうかと思うのですが、恐縮ですが。

○崎田委員 崎田です。私は生活者の視点で拝見させていただいているのですが、今お話を伺いまして、産業界の皆さんのお話し合いで、経済性をきちんと考えた上で、循環型社会づくりに主体的にかかわっていきたいというふうに先ほど来盛んにお話があって、それ
は大変これからすばらしい流れになっていくだろうと思って感動して伺っておりました。
 その上で感じていたのですけれども、2050年の社会を今と同じような暮らしをするためにというところで出発されているのがやはり私はちょっと気になっておりまして。具体的に申しますと、先ほどご説明のあった3Rのところなどで、例えばリデュースに関しては個人でいろいろ物を何度も使っていくというような例えでおっしゃっていたのですけれども、こういうところをどういうふうにシステム化していこうかというのが今社会では大きく抱えているところだと思うんですね。システム化といっても、技術革新とか商品開発、そういう産業界の皆さんと消費者のライフスタイルの転換と両方あるわけですけれども、そういうのが一緒になってどうやってリデュース、リユース部分を経済で回していけるような社会をつくるかという、その辺がかなり大きな問題となっているように感じているのですが、その辺のご議論はどんなふうにされていたか伺いたいと思います。

○小宮山科長 非常に明確にお答えしますと、分けようということを考えています。かなりの部分は独立で考えることができる。実は、私は石 裕之さんと対談をしたことがあるのですけれども、2人で、例えば自動車のエネルギーはどれぐらい減らせるかという議論をしたとき、やはり石さんは自動車を減らそうという思想ですね、自動車を減らそうというか、駐車をもっと取り締まれば流れがよくなって減るだろうと、あるいは、パーク・アンド・ライドとかいうような形で自動車を減らすこともできるだろうと。では、どこまで減らせますかねという質問をすると、石さんは7割ぐらいまでは減らせるのではないかというのが彼の意見で  もちろんほかの意見の方もおられるでしょうけれども。それで、私は、2050年の自動車は、現在の4分の1のガソリンでもって同じ走行距離を同じ人を乗せて走ると申し上げているわけですよ。そうすると、 0.7の4分の1になりますから、0.18、20%以下のエネルギーの消費量になると、ここの部分は完全に独立ですよと。要するに、ライフスタイルの議論でもって消費を減らしていこうという議論と、そのサービス当たりのエネルギー効率を上げていこう、これは相当部分独立に考えられると思うんです。
 もう1つ、さらにエネルギーとか物質の消費を減らすための方法として、例えば 100年住宅であるとか、あるいは、機能を売るのであって物質を売る必要はないんだといったような新しい生産の考え方とか、そういうものを今後考えていくべきだろうと、この重要性というのは審議会の中でも十分に認識しておりまして、それは当然考えるべきなんだろうと思っております。

○中島部会長 どうもありがとうございました。
 小宮山先生、まだ質問がもう少しあるようなのですけれども、先生もお忙しいと思いますが、あと5分ぐらいよろしいでしょうか。
 それでは、永田委員、あと、藤井委員、横山委員、その3人のご質問をお願いします。

○永田委員 お話を聞いていて、参考にできる部分と、考え方が違うなという部分がありました。循環型というものを考えたときにかなり幅広くそちらでは考慮されていましたが、ここでも同じような議論はされているのですけれども、言うなれば、サスティナブルソサイエティーという概念で持ってくると、それは先ほど言われたようなキーワードがいっぱい出てくるんですよね。そういう話なんだろうと。それに向かって我々は相当程度舵を切りました、過去にも、あるいは、今も舵を切っている最中です。その流れの結果として出てくるのが、産業構造の変革であったり、あるいは、社会システムが変わってくるという話になってくるんですよね。
 そういった中にあって、どうも最後のマテリアルとサーマルリサイクルの話で、まず、「等価」というのを先ほど「イコールフッティング」という言い方をされましたけれども、なぜマテリアルリサイクルをまず考えましょうという位置に置いたかというと、日本の場合は、ご存じのように、可燃物というのはこれまでの歴史の中でほとんど燃やしてきました、可燃物と言われるものの90数%はもう燃やしているわけですよね、そうした中にあって果たしてその流れをこれから先も継承していっていいのだろうかという話があったんですね、ですからそのとおりで、まず、燃やすだけではなくて、マテリアルにリサイクルして……。

○中島部会長 時間が……。

○永田委員 考えてみますと、我々はまだそういう意味では──小宮山先生も技術屋だからあれですけれども、我々のこの問題に関する技術というのはまだまだ日が浅いんだと思うんですよね。そういう意味では、これから変えていこうという中にはまだまだ考慮する話があって、ここで、現状の中で、どっちが有利だ、あっちが有利だという話ではなくて、恐らくトータルとして見たときに、「等価」という言い方の中にも、マテリアルかサーマルかの議論の中では、それをやるに当たって消費される資源だとか、エネルギーだとか、あるいは有害物質の問題とか、そういう点を含めてどちらが有利かということを見極めていきましょう、あるいは、その中で何を改善すればどちらが有利になるかということも考えていきましょう、そういう話だと思うんですね。そこら辺で若干……。

○小宮山科長 ついていけないのですが。

○中島部会長 私が質問を記憶しておきますので。今のはサーマルとマテリアルの等価性の問題ですね。
 では、藤井委員。

○藤井委員 質問というよりも、ちょっと最近新しい情報をキャッチしまして、2月の頭に、ワールドトレードセンターのテロのあのスクラップは鉄スクラップですが、インドに動いていると。3万トンが2月の頭に行ってというグリーンピースインディアの発表があって、今の物質収支で言えば、鉄だけが動いているといいのですが、そこの中にダイオキシンとかPCBとかカドミウムとかさまざまな有害物質が付属で動いている。今その量はグリーンピースのネットワークで調べています。理論的にきっちりと数値で合うという世界と、それから、現実は全く違う世界があるわけで、そこのところをわきまえないといけないなという、そのレビュエートをどうするかということを今のお話で印象を受けました。
 もう1つ、私は琵琶湖から来ていますが、水を処理するのに都市型と地域型、流域下水道がいいというので大量に金をかけて水の処理をつくってきました。それと同じスタイルを地方小都市にも広げてきたのが日本の現実で、この大きな形を高効率でやっていくというそういう形を全国的に広めてしまったときに、本当に循環系のこの社会が生まれるのか。水の処理で言えば明らかにノーでした。これをまたこの高効率でやったときにイエスになるのか、その辺の2つを感じました。

○中島部会長 大規模化、効率化ですね。
 横山委員。

○横山委員 簡単に2つ。
 1つは、報告書の9ページに、「取組の過程で得られた技術・製品・ノウハウ等は世界のモデルとなり、わが国産業の国際競争力の強化にもつながるものである」と、これは私もそう信じたいしそう思っています。温暖化の防止でも同じことが言われているわけですけれども、現実には産業界なんかが国際競争力で負けてしまうとかということでかなり抵抗を示していますので、これについては今度は産業界の理解もかなり得ていく必要があると思うのですが、その点をどう考えられているかということが1点です。
 もう1つは、私は報告書をいただいたときに一番興味があったのは「美しい日本」という言葉で、これがかなり書き込まれているかと思ったら余り書き込まれていなかったようなのですが、単に表現として出たのか、この「美しい日本」でも相当議論があったけれども、中身については余りなかったのか、その辺をお願いいたします。

○中島部会長 では、よろしいでしょうか。お願いいたします。

○小宮山科長 まず、マテリアルとサーマルの問題というのは一番たくさん議論したところで、どういう例を言うのが一番よろしいのかなのですが。例えば、紙のリサイクルの例で申しましょうか。紙のリサイクル、今は 3,000万トン日本で生産されていて、そのうち 1,500万トンが大体回収されて── 1,600という数字もありますけれども、 1,500万トンが回収されて古紙として利用されているわけですね。 1,500万トンの残りはどこに行っているかというと、これはごみ捨て場に行っているわけですよ、ごみ捨て場に行っているか、焼却場に行って燃えている。ごみ捨て場に行ったって、どうせメタン発酵か何かして、最後は、二、三十年たったら燃えますから、結局 1,500万トンは燃えているんですね。この 1,500万トン燃えているというのは、むだに燃えているんですね、完全に。だから、これを集めるべきなんですよ。埋立場がない問題と、もう1つは、集めれば 1,500万トンのエネルギー資源として使えるということなんですね。もちろん古紙として利用したっていいんですよ。
 それで、 1,500万トンの紙というのはどれぐらいの量かと申しますと、 3,000万トンというのは40%の石油と同じですよ。 1,200万トンの原油と同じです。日本の消費量3億トンの4%ですよ。今、京都議定書でもって言っているのは6%といった議論ですから、この4%というのは非常に大きいわけです。これをエネルギーとして考えるか、マテリアルとして考えるかという問題ですよ、 3,000万トン集めたときに。マテリアルとして回さなければいけないと言った途端に段ボールしかつくれなくなるんですよ。古紙でもできるんです。段ボールというのはほとんど古紙だけでできますから。だけれども、やはりクオリティーの議論抜きにして議論はできないわけです。そうすると、 1,500万トンは古紙として利用していて、原料として使っている3,000万トンのチップのうち、 1,500万トン、半分が主として紙になっているわけですよ。
 残りの1,500 万トンの部分というのは、リグニンといったような成分で、ご案内の方もおられると思いますが、これはエネルギーとして工場の中でもって電気になっているんです。このリグニンと同じように、焼却場で燃えていた紙がきちんと原資として回収されるという方が得なのだから、リサイクルはマストだと私は思うんです、捨てることができないし、資源なんだから集める。だけど、それを段ボールをつくるためにマテリアルリサイクルするのか、 1,500万トンはエネルギーとして使って、原木、チップの量を減らしていくのか、これはやはり原木のチップの量を減らしていくと考える方がトータルとして環境にやさしい。だから、永田先生のおっしゃるように、トータルで何がいいのかを考えていくべきだということはそうなのだけれども、相当部分は今でもわかる。これが技術的な答えだと私は思います。
 その次は有害物質の問題、実はこの中ではほとんど細かく議論していない問題です。では、どういう論旨だったかというと、ダイオキシンだとかPCBだとか今のSeptember,11thの例でおっしゃいましたけれども、2つの問題に分けて考えられるんだと思うんですね。1つはレイチェル・カーソンが警告した微量有害物質の問題と、もう1つはローマクラブが警告したマスとしてエネルギーと物質資源の有限性の問題と、この2つが問われているんだと思うんですよ。そのうち、こちらを議論して、この微量有害物質の問題はこのマスとしての流れに乗ったものから出てこないように──ダイオキシンが出ないようにするには、もう極論すると、塩素が入り込んでくるパスをどこかで止めるとかというようなことのわけですね、逆ではないだろうと、ダイオキシン問題をまず最初につくって、その上に大きな流れを乗せるのではないんだろうと、やはり60億トンの大きな流れというものを考えて、その中で微量有害物質をどうコントロールするかというふうに考えるのが順序なのではないだろうかということでこちらを先に議論いたしました。そういう立場の問題です。2つの重要な問題があるということには全く異論はございません。
 水の問題も、多分、サステーナビリティーを議論するときに、水、食料、生態系が重要だと思うんですよ。種の多様性とか、人間はどれぐらい自然の生態を維持すべきなのかとか、珊瑚礁をどうすべきかといった、エコロジーの問題、それから物質とエネルギー、少なくともこの5つぐらいはサステーナビリティーということを考えるときには必須の条件だろうと。その中でこの物質とエネルギーについて考えたということです。
 特に食料なんかは、20世紀に 7.5倍に食料の生産が増えてきております、人口が 3.5倍なのに対して倍以上ふえているわけです。そして、20世紀の後半の食料生産の伸びというのは、耕地面積というのはほとんど増えておりませんから、20世紀の後半は、あれはもう化学肥料を投入して灌漑設備をあれして緑の革命をやった結果、単位収量が上がっているんですね。そうすると、それがサステーナブルかどうかという議論は非常に重要なんだけれども、今のところはまだ有機農法にしていこうという話などしか出ていないわけですよ。有機農法にしてどれだけの生産性を上げられるかという議論は、私はちゃんと聞いたことがない。
 そういう意味で、食料のサステーナビリティー、サステーナブルな供給、魚の資源も含めて、そういうようなトータルの像というのも間違いなく必要なんだろうと思います。そういう意味で、食料と生態系と水の議論というのは少なくともどこかでやらないと、しかも、体系的に、定量的にやらないといけないだろうというふうに考えております。
 私は、この環境のサステーナビリティーという問題は、地球規模でのいわゆる物質とかエネルギーの制約もあるけれども、もう1つ地域の依存性ということも非常に大きいだろうというふうに思います。特にアメリカ、ヨーロッパというのは寒いところにあって、日本のようにモンスーンでもって、しかも都市が巨大であると、巨大な都市が連続している、ニューヨークだとかパリだとかロンドンというのは欧米では特殊であって、むしろ二、三十万都市が分散しているというのが欧米の基本的な構造だと思うんですね。それと、 1,000万都市がしかもつながっている日本とは全く構造が違いますね。だから、気候的にも都市の構造からいっても非常に違っていて、だけどこれは実はアジアには共通なんですね。これが環境問題が一番重要になってくる、アジアのモデルとしての先進的な取組を我々がするんだろうというふうに位置づけています。それはこれから産業が経済的に伸びざるを得ないところの先陣を切るんだというふうに位置づけることができれば、これは国際競争力の強化に結びつくことはその点だけから考えても間違いないだろうと。少なくともそういうふうに持っていくことはできるだろうと、うまくやれば、というふうに私は考えます。
 「美しい日本」というのは、いろいろな議論をいたしました。だけど、ここできちんと申し上げられるほど合意がなっているわけではございません。ごみ車が越境するようなものが美しい国ではなかろうと、そういうイメージではないというようなことは合意するわけですけれども、もちろんダイオキシンの問題であるとか、そういったような微量廃棄物がないとか、景観的に美しい、それから、そこで行われているライフスタイル自体が簡素であって美しいとか、さまざまな意見が出ましたけれども、もちろん専門調査会で統一見解の「美しい国」というのをつくれたわけではありません。

○中島部会長 どうもありがとうございました。
 まだいろいろとご質問はあるかと思いますが、時間が限られておりますので。
 それで、こういうさまざまなご意見を申し上げるようなそういうチャンネルはありますか。さっきの情報ヘッドクォーターはまだ先の話でしょうか。

○小宮山科長 予算が間に合いませんで、ことしは調査を。

○中島部会長 しかし、何かいろいろな意見があればそれはそちらにお伝えすれば耳を傾けてくださると。

○小宮山科長 ちょっと言葉足らずで。微妙なところを言い切ってしまったところもございますので。

○中島部会長 感謝しております。どうも本当にありがとうございました。
 それでは、田辺課長、大変お待たせいたしましたが、30分ぐらいでお話をしていただきたいと思います。

○田辺課長 小宮山先生のように格調高く説明できる自信はないのですけれども。
 このような機会を与えていただきましてありがとうございます。私ども産業構造審議会でもこれまでも歴史的にさまざまな議論をしておりますが、最近も議論をしておりまして、その中でも、産業構造審議会での議論を政府内部のほかの役所であるとか中央環境審議会などにもよく情報発信をするようにというふうに産業構造審議会の委員の先生方からも言われておりましたので、このような機会を設けていただいたことをありがたく思っております。
 きょうご報告いたしますのは、最近行われました産業構造審議会の廃棄物・リサイクル小委員会の企画ワーキンググループというところでの議論の結果でございます。このワーキンググループは平岡先生を座長といたしまして、それから、ここにおられる永田先生を座長代理として、また、浅野先生にも積極的に議論に加わっていただき、あと、篠木さんにも入っていただき、そういう意味では多少ここのメンバーの方々とも重複のある構成で議論をさせていただきました。
 お手元に1枚紙のチャート図のようなもの、これがとりまとめのエッセンスでございます。それから、40ページのコピーの冊子がございます。これが報告書そのものでございます。それから、あと、パブリックコメントを行いましたその結果をとりまとめた3枚紙の資料をお配りいたしております。議論のエッセンスはこの1枚紙に要約されておりますが、少し1枚紙ですと言葉の足りない部分もございますので、ちょっとこの40ページの報告書の方をごらんいただきながら私のご説明をお聞きいただければと思います。
 それで、まず、報告書をめくっていただきまして1ページのところから、ここは、現状認識、スタート台のところなわけでございますが、もう既に環境制約、資源制約を克服するべく循環型の経済システムをつくっていこうということは万人の異論のないコンセプトになっていようかと思います。その中で新たな経済成長の要因と環境の問題を考えて、環境と経済の両立を目指していく、そして産業の環境化と環境の産業化という形で経済システムを変革していくということが基本的なスタートラインの議論でございまして、このような議論を産業構造審議会におきましては平成11年に「循環経済ビジョン」という形でまとめたわけでございます。
 それで、2ページに行きますと、私ども産業構造審議会側から見ますと、そういうような議論を受けまして、平成12年の通常国会におきまして、政府内部でもいろいろ議論を進めた結果、皆さんご承知の循環社会基本法を初めとする法体系ができ上がったわけでございまして、この法体系は私どもは世界最高水準のものであろうというふうに考えております。こうした法体系といいますのは、私ども産業構造審議会側から見ますと、平成2年にスタートいたしました廃棄物処理リサイクルガイドラインという形で議論が始まり、そして、やがて再生資源利用促進法という前身の法律、それから、今回できました資源有効利用促進法などの法体制へと進化を遂げてきたと、そういう流れにあるのではないかと考えております。
 この産構審のリサイクルガイドラインにつきましては歴史を重ねておりますが、これは最近のヨーロッパ流の言い方で言いますと、いわゆる行政・事業者・消費者などのステークホルダーの間の合意事項といいますか、自主協定といいますか、コグナントというのでしょうか、そういう性格を有するものではないかというふうに考えております。それから、新しくできました資源有効利用促進法というのは、非常に横断的な性格、あるいは上流から下流まで対応をカバーすることができる、あるいは事業者の自主的な取組を重視するという意味で、非常に世界でもユニークで先進的な法律の類型ではないかというふうに考えております。
 そういう法体系ができ上がってきた現状で、3ページにございますように、さはさりながら、基本的には正しい方向に向かっていると思われるわけですが、一部関係者の間にさまざまな迷いや疑問や不満といったものも見られるのではないか。それは、負担の公平感に関するものであったり、対象のカバレッジに関するものであったり、あるいはリサイクル手法の妥当性に関するものであったり、あるいは、4ページにありますような、事業者の意欲がちゃんと受け止められるような受皿制度になっているかといった問題であったり、あるいは国際的な取引の関係であったり、そういったところにまだ議論を整理すべきポイントがあるのではないかというふうに見られているわけでございます。そのプロセスで拡大生産者責任というキーワードが出てまいりますが、それは注2や注3のところに注意深く定義をさせていただいております。
 そして、このステージの議論といたしましては、いわば環境管理でいきますとプラン・ドゥーと来た段階でここらでチェックをしてみると、そしてそれをさらなるアクションにつなげる、そして循環型の経済システムの完成度を高めていく、そういうステージなのではないかという認識でございます。
 そこで、5ページ以降はこの課題の設定でございますが、大きく言いますと1つは、3つのRの取組の対象の拡大ということ、それから、3つのRの取組の実効性の向上ということ、それから、国際的な側面への対応ということ、これが審議会での大きな課題設定であったわけでございます。
 そこへのアプローチの仕方として環境コミュニケーションと、情報の共有、共通のビジョン化、対話ということで、相乗効果、シナジー効果を発揮していくというアプローチが必要であろうと。それから、国際的にも日本がイニシアティブを発揮して国際的な貢献をしたり、また、それが日本の産業の国際競争力につながっていくという立場が必要であろうと。そういう意味での経済協力のあり方なども関係するということであろうと思います。
 そして、6ページにございますように、昨年の7月から約半年議論をしてとりまとめたというのがこのレポートの性格でございます。
 7ページ以降、順次中身に入ってまいりますが。まず最初は、取組の対象の話でございます。これまで審議会での考え方は、排出量が多いこと、それから、資源の有用性が高いこと、それから、処理の困難性が高いこと、そういうようなクライテリアが取組対象を設定してきたという考え方があります。それから、よく言われます3Rの取組の優先順位、これは循環社会基本法の中でも正しくうたわれているところであります。それから、経済産業省の方では資源有効利用促進法を施行いたしまして69品目10業種をカバーした、それから、産構審のリサイクルガイドラインでも35品目18業種をカバーしているというふうに来ている段階でありまして、8ページの四角の中にございますように、この段階でこのクライテリア自身の意義を再確認して、これを行動化して、そして3Rの取組がなされるべき対象を拡大して、網羅的に取組が進展する必要があるのではないかという課題設定であります。
 EPR関係の法制の現状ですが、容器包装、家電などの個別法律ができ、今度、現在検討中であります自動車リサイクル法案というものが国会で成立いたしますと、ある程度のシステムというものが確立したことになるのではないかと。そうしますと、今後の課題はこうした法制度の運用を適正に評価して、必要に応じて見直しをしていく。そしてその中でこの目的が効率的、実効的に達成されるようにしていくということが重要であろうという認識をしております。注の5あるいは注の6のところにこれまでのリサイクル法制度ないしはリサイクルシステムのスキームのポイントが掲げられております。よくリサイクル費用の徴収時点とか徴収方法についての論議が起こりますけれども、その際に考慮すべき要素といったようなことが注の6に整理をされております。このような考慮要素を総合的に判断してリサイクル費用の徴収方法についてのルールができ上がるということであろうというふうに考えております。
 それから、EPRにつきましては、9ページにございますように、この事業者のみに 100%の責任をかけるというような極端な議論ではなく、役割分担の必要な議論であろうと。そして、個別のものの実態に則して個別な制度設計ということが必要であろうということが循環経済ビジョンのときから整備をされておると。そうした流れにのっとって循環基本法においても条文上考え方が整理されているのかなというふうに私どもは認識しております。
 そして、10ページは対象の拡大の必要性ということで、これまでの取組をさらに拡大していくことが必要ではないかと。その際に役割分担の考え方、あるいは、その個別の製品の実態ということをよく検証していく必要があろうということであります。
 それから、2番目の論点が3Rの取組の実効性の確保ということでございまして、まず1つは11ページにございます上流の対応でございます。これはいわゆる製品の設計の段階から対応するということで、資源有効利用促進法ですとか産構審ガイドラインでもカバーされてきております。それを受けて、業界ごと、あるいは、業種横断的な製品アセスメントのガイドラインというものもでき上がってきているところでございます。また、ガイドラインにつきましては国内でも多種のガイドラインがございますが、国際的なガイドラインもでき上がってきているというところでございます。とりわけこの上流段階の議論というのは、ISOですとか、あるいはEUにおいても同様な議論が進展しているというところであります。
 12ページですが、そうしたことも含めまして、よく事業者側と消費者側をつなげていくための情報提供の仕組みということが大事であろうということであります。それから、また、そうした上流対応も含めました事業者側の配慮がグリーン購入法において適切にエンカレッジされるような仕組みになっていくべきではないかということでございます。そういう意味で、その論点といたしましては、この上流対応の製品設計段階の製品アセスメント手法、これについての高度化が必要ではないかということでございます。
 それから次に、リサイクル率ですとか回収率ですとか、さまざまな数値的な指標の議論があるわけでございます。これは注の9にございますように、おおむね4種類ぐらいのものがあろうかと思いますが、これはさまざまなステージの切り方、あるいは、物事の捉え方で少しずつ違っているわけでございますが、13ページの四角にありますように、これらの指標について適正な評価ができるように、可能な限り共通化・類型化を図るべく考え方を整理すべきではないかという論点でございます。
 13ページ、次は国際的な問題でございますが、まず実態の方は、14ページのグラフをごらんいただきますとわかりますように、あるいは表がございますが、日本の中に多くの製品の輸入が入ってきている。例えばテレビですと96%は実は輸入品だというような実態があるわけでございます。こういう輸入品についてリサイクルという下流の義務は既に実はかかっておるわけでございますが、上流の設計対応の義務をどうするかという議論があるわけでございまして、EUにおいても同様の議論があるというところでございます。
 それから、国内でリサイクルをしますと中古製品や再生資源が国外に輸出されるという動きがございまして、15ページに中古製品の輸出の状況が推計として出ておりますが、多くの中古製品が輸出されている、あるいは、16ページにグラフがございますように、再生資源というものの輸出も近年は非常な勢いで増えてきているという動向があるわけでございます。こういう取引の関係。
 それから、17ページ、アジアにおきましてもリサイクルの機運というものが盛り上がってきて法制化が進んだり、あるいは、ライフサイクルアセスメントというような発想ということも少しずつしみわたりつつあるという状況でございますし、ヨーロッパではドイツなどを中心に国境を越えたリサイクルビジネスの国際的な展開ということもあるわけでございます。そうした状況を踏まえますと、日本で循環システムを構築していくというときに、この海外との輸出入の位置づけも含めた政策のあり方の検討の必要があるのではないかという論点でございます。
 そして、17ページ、18ページにございますように、解決のアプローチとしてはパートナーシップ、そしてコミュニケーション、そしてPDCAのプロセス、そうすることで関係主体みんなの満足感も高まる、そして、経済と環境も両立するWin−Win GAMEが成立するのではないかという基本ポジションで考えるべきであろうと。
 そして、19ページ以降は個別のアクションプランの論点になってくるわけでございますが、まず最初の基本的な考え方の整理というところでございまして、まずこの拡大生産者責任と役割分担の考え方を整理する。その前に、そのアクションプランにつきましては19ページの冒頭にございますように、主に事業者の取組という意味でのアクションプランの整備でございまして、タイムスパンとしては中長期的な方向も視野に置きながら、今後一、二年程度の期間内で順次早急に取り組むべきであるというふうに言われております。また、その進捗状況は定期的に産構審に報告すべきであるというふうに言われているところでございます。
 そして、最初の基本的な議論の整理ですが、まずEPRというものは民間活力や市場原理を最大限に活用して循環型経済システムをつくるという大目標に向かうためのツールとしてのコンセプトであろうということでございます。こうしたツールを生かすことで産業の環境競争力が重要になるという面、それから、その静脈分野でのビジネス機会が拡大する、そして静脈分野が効率化するということに向かうというとらえ方であります。それから、拡大生産者責任は全部生産者責任ということではなく、排出者責任とのセットの議論であって、個別のシステム設計に当たってはより実効的、効率的な費用分担、役割分担、こういう分担が必要であるということでございます。
 それから、20ページ、生産者といった場合にはさまざまな主体がこの中に含まれるべきであると、さまざまな主体にそれぞれの役割があるということでございます。そして、EPRを導入する際には、よくその制度の導入に伴う費用対便益の分析をした上で関係者の理解を得るべきだということであります。それから、事業者の役割として重要なことは、既に家電のシステムあるいは現在検討中の自動車のシステムで体言されていますような、この回収リサイクルシステム全体の構築・運営に主体的な役割を果たしていただく、いわば統括的な役割ということが重要なのではないかということであります。それから、地方公共団体の役割というのも重要でありまして、一般廃棄物の処理責任ということもあります。それから、地域のコーディネーター役ということもあるわけでございまして、地方公共団体の方々にも重要な役割を担っていただきたいということであります。
 それから、21ページ、これまで容器包装あるいは家電といった形でリサイクルシステムをつくってまいりました。こうしたことを既存のインフラ資産として考えて、これを活用していくというような考え方が必要であろうかと思います。ただ、その際に、物ごとに役割分担や費用分担のアプリケーションのバリエーションということがあってももちろん当然なことであろうと思います。ただ、そのためにもこういう回収リサイクルシステムをなるべく類型化して統合化するというような考え方が必要であろうということであります。それから、EPRを導入するに当たっての手法としては、一般的に法規制による、あるいは、産構審ガイドラインのような自主協定的なものによる、あるいは、全くの自主的な対応による、あるいは、それらとの組み合せもあり得ますが、さまざまなインセンティブを付与していくといったような手法があろうかと思います。基本的には事業者の自主性ということが大事ではないかなと。そういう意味での柔軟な法律である資源有効利用促進法ですとか、あるいはリサイクルガイドライン、あるいはインセンティブといったものの組み合わせが基本パターンではないかということであります。
 それから、21ページの下以下は、EPRで事業者に責任を担っていただく際にさまざまな障害となり得るような規制の環境があるわけでございまして、その代表例が廃棄物処理法でございます。廃棄物につきましては、対象物によって廃棄物処理業の許可ですとか廃棄物処理施設の設置の許可というものが求められます。また、このほかにも建築基準法などの実際の障害になるような内容あるいは運用もあるわけでございます。
 注の14には、そのような非常に事業者の側からしますと大変困っている、苦労しているというような事例が紹介されております。セメント製造メーカーがセメント製造装置に廃棄物処理法の設置許可を求められてみたり、あるいは、製鉄メーカーが高炉に還元剤として利用する仕組みをつくるときにやはり廃棄物処理法の許可に大変な労力を強いられているということ、あるいは、現在議論をしておりますが、パソコンについて、業務用のパソコンの仕組みができ上がっても許可の体系が産業廃棄物と一般廃棄物の体系の区分に分かれているために、業務用のパソコンの回収リサイクルはできても家庭からのパソコンの回収リサイクルはできないといったような事態が生じているわけであります。あるいは、個別の品目になりますが、スプリングマットレスについて、適正処理困難物であるということで、市町村からはいわば受取拒否をされたようなもので、事業者側が体制を組もうとすると、現実には一般廃棄物の処理業の許可ということが、不要になるはずの手続きがなかなか進まないといったような事態が生じておるわけであります。
 こうしたこと等が容器包装リサイクル法や家電リサイクル法においては法律上それなりの手当てがなされているというのが現状であります。こうした意味で、規制改革ということが、廃棄物処理法であれ、建築基準法であれ、さまざまな現実の運用のところまで下がってみて必要な話ではないかということであります。同じように、独占禁止法といったものも事業者が共同で取り組むような場合に問題になり得るわけでございます。それなりに公正取引委員会の方でも指針を出すなど努力はされているという現状であります。
 23ページは具体的なアクションプランでございますが、まず第1に、拡大生産者責任と役割分担の考え方について、この基本計画の議論の中央環境審議会にこのような形で情報発信をさせていただいているというところはありがたく思っております。それから、これまでルール化されていないようなものについてもなるべく網羅的な検討をしまして、必要に応じまして自主的な取組、リサイクルガイドライン、あるいは法律といったようなことでの措置を講じていくと、その際に、なるべく自発的な発意を尊重してサポートしていく。それから、廃棄物処理法ですとか建築基準法の各種法制度について適切な見直しが行われるように、政府の総合規制改革会議ですとか、中央環境審議会──これはここの場ではないのかもしれませんけれども、廃棄物処理法の見直しの議論を提起していくと。
 その見直しの一案といたしましてはそこに例示がされておりますが、廃棄物の定義につきまして、各種リサイクル法の対象になるものについてはこのリサイクル法で適正なリサイクルがなされるように担保すべきであって、廃棄物処理法上の廃棄物としては対象としないということがあり得るのではないかと。あるいは、一般廃棄物と産業廃棄物の区分ということが効率的に行う障害になっている場合、これはその区分をなくすべきではないかと。あるいは、現行法でもありますような再生利用認定制度というものをより柔軟に運用していただく必要があるのではないかと。こうしたことが見直しの一方向として議論されたわけでございます。
 それから、地方公共団体に関しましては、廃棄物処理に関しまして、EPRで事業者側がいわばコストベースでやっているところとパラレルになりますので、有料化ということを一層導入していただきたい、そして、そのコストも含めた実態の情報公開を進めていただきたい、そして、ここはEPRの導入によって事業者側にいわばルートが転換されたようなときには市町村側にそのコストの低減効果があるはずでありまして、その部分についての還元・活用の方法の──これは家電リサイクルが典型的な事例なわけですが、メーカールートのリサイクルに物が回ることで市町村のごみ処理費用というのは節約効果があるわけでして、1つの試算では日本全体で 300億円の節約効果があるのではないかという見方もあるわけでございますが、そうした部分の還元・活用方法の議論というものが必要であろうと。あるいは、自治体側でリサイクル施設の立地を促進する、あるいは、ステークホルダー間の調整に向けたコーディネーター役といったこともぜひ積極的に行っていただきたいということであります。それから、公正取引委員会に対しても意見を述べていくということであります。
 それから、24ページ以降はこのクライテリアの高度化の議論でございますが、ちょっと時間の関係もありますのではしょりますが、25ページ、まず、他の品目についても省庁間の連携をよく図れという議論がございました。それから、これまで排出量の多いものというふうに見てきたわけですが、資源の有用性ですとか処理困難性といった質的な観点からの必要性ということを見るべきであると。それから、有害物質についても議論がありまして、ここは国際的な整合性ということも考慮しながら進めるべきであるというような議論がありました。それから、3Rの取組の優先順位の話でありますが、これは基本的にはLCA的な観点から環境負荷の低減と資源の有効利用に資するような適切な手法の選択がなされるべきであると。これは循環法の中にも書いてあるわけですが、いわゆる順序によらない方が環境負荷低減に好ましい場合もあるということに留意すべきであるということであります。
 26ページには、リデュース、長期使用することよりも、リユースしたりリサイクルしたりすることの方が好ましいようなケースもあると。これは省エネルギー効率が高まるような製品については長期使用するよりも切りかえた方がいいというようなことがあるという事例でございますし、マテリアルリサイクルよりケミカルリサイクルやサーマルリサイクルをした方がいいといった場合も、これもLCA的な観点、あるいは経済性の観点から、そういうような場合もあり得るということであります。
 そして、また、この3Rの関係につきましては、実はどのボタンを押すとどの方向に進むかということに複雑な効果がありまして、その辺は、例えば容器包装リサイクル、家電リサイクルでも、リサイクルというボタンを押しているわけですが、現実にはリデュースの効果もあるといったようなこともよく見極めるべきであるということであります。
 そして、27ページ以下は具体的なアクションプランでございますが、先ほど申し上げましたような観点からの見直しによりまして、法律やガイドラインの品目対象の追加ということが必要であろうということをうたっております。27ページの参考には、さまざまな議論の対象となり得る具体的な品目の例というものが挙げられております。
 28ページは有害物質の関係でございますが、これは、現在、上流の設計段階での判断基準としてカバーされているわけですが、それをさらに確実なものとするべく産構審のリサイクルガイドラインに具体的な削減目標を盛り込んでいくべきではないかということであります。もちろん国際的な整合性に配慮していくということであります。それから、ケミカルリサイクルやサーマルリサイクルの扱いについて、やはりそれぞれの条件や基準というものを設定した上で、一定水準以上のものを進めるという立場が必要であろうと。具体的には資源有効利用促進法や容器包装、家電などの法律の実際のリサイクル率の運用の中で今後検討がなされるべきではないかということであります。そういうような事例として、容器包装リサイクルで既にマテリアルリサイクルなどでの収率の基準ですとか、あるいは、紙のリサイクルについて燃料化する場合の一定の水準というのも設定されているところでございます。28ページでは、やはり情報提供でのコミュニケーションが重要であるということであります。
 29ページからは製品アセスメントに関する、製品設計に関する議論でございます。ちょっと時間の関係もありますので急ぎます。
 30ページのアクションプランでございますが、製品アセスメントガイドラインを高度化して業種横断的なものをつくりJIS化していくということが必要である、それから、JISマークや環境ラベルといったことを活用して情報提供方法を確立していく、そして、そういったようなことがグリーン購入法に反映されるように促していく、それから、国際的な規格化を働きかけていくということであります。
 31ページは指標の話でございますが、指標を考えるときに重要なのは、やはり、わかりやすさ、信頼性、正当な評価、国際的な整合性、こうした基準から指標がつくられるべきではないかということでございます。
 そこで、ちょっと飛ばしまして、33ページのアクションプランでございますが、各種リサイクル法やガイドラインの中で、可能な限りリサイクル率や回収率の指標を盛り込んでいくと。この指標をなるべく段階的に引き上げていくようなアプローチで考える。そして、こういう指標についてはガイドラインをつくって、定義ですとか、算定方法ですが、指標の確認の方法といったことについての指針をつくっていくということが必要であろうということでございます。
 それから、33ページ以下は国際的な論点でございますが、これはちょっと急ぎまして、まずアクションプランといたしましては、35ページにございますように、まずこれは出て行く方ですが、国際的なマテリアルフローの実態把握をすると。基本的には国内リサイクルシステムの確立を基本としながら、その確立状況と合わせたパターンの類型化をよく見た上で、必要に応じた国際マーケットの整備ということを考えていくべきではないかと。その際には、品質ですとか需給に関する情報の流通ということが国際マーケット整備には重要になってくるということでございます。
 それから、35ページ、これもアクションプランですが、日本企業がアジアなどに進出、展開しているときに、その日本企業を取り巻く上流や下流の環境で循環型のシステムをつくっていくということを目標として経済協力などを活用していこうということでございます。
 それから、36ページは製品輸入につきまして、下流のリサイクル義務は義務づけられているわけでございますが、上流の設計段階の配慮義務につきましても、WTOルールとの整合性などに気をつけながら、輸入事業者にこれを義務化していくという方向性が検討されるべきであろうということであります。
 それから、37ページは少し残された論点で、まず1つは消費者の役割でございますが、排出者としての消費者の役割、これは排出の抑制ですとかリサイクル料金の支払いといったことで重要であるわけですし、あるいは、製品の選択権を持つ消費者という意味では、購入に当たってそういう選択権を行使するという役割が重要であろうということでございます。一方、国や地方自治体ではそうした消費者向けの情報提供の仕組み、あるいは、環境やリサイクルに関する学習の機会ということが重要になろうと思います。
 それから、もう少し残された視点は循環ビジネスを振興・育成していくという視点でございまして、やはりこのシステム、制度、法制化ルールはできたというところであろうかと思いますが、これからはそうした中で担い手となる事業者、産業、ビジネスがこのマーケットメカニズムの上でちゃんとやっていけるということが必要ではないか、そのための規制改革あるいは支援制度についての議論がもう少し必要ではないかと。あるいは、資金調達環境の議論、エコファンドですとか環境格付、こうしたものについての考え方の整理も必要になってこようというところでございます。
 駆け足で、最後の方は、「失われた10年」と言われるわけですが、必ずしもそうでもないと。新しい動きになってきて、これは世界に誇る動きになり得るのではないかという問題意識でございます。
 駆け足で恐縮ですが、パブリックコメントを行いましたところ、3枚紙をごらんいただきたいのですが、70件ぐらいの意見が寄せられております。おおむねこの拡大生産者責任と役割分担の議論については賛同が得られたかなと。ただ、個別の役割についてはいろいろ個別の立場の方々からは言いたいことがあるというような意見がございました。それから、やはり廃棄物処理法の規制改革を推進すべきだという議論が多く寄せられております。その例は、リサイクル目的のものは廃棄物とすべきではない等々、この本文で言われたことと大体同等な意見が多かったように思います。それから、3Rに関することでは、やはり、一部、サーマルリサイクルには慎重に対応すべきだという意見もございました。一方、対象のクライテリアの資源有用性や処理困難性といったようなことごとについては大体賛同が得られたかというふうに考えています。リサイクル率ですとか国際的な問題といったところも大体賛同が得られたかなと。それから、ビジネスの振興に関するところでは、消費者の動機づけですとか、あるいは法人税の問題ですとか、あるいは雇用制度の問題ですとか、あるいは課税の問題とか、いろいろな意見が出されております。全体としてはおおむね、方向性の議論としては賛同が得られたのかなというふうに思っております。
 駆け足になりましたが、以上でございます。

○中島部会長 どうもありがとうございました。
 循環型経済システムの構築という観点から、大変具体性の高い取組についての現状をご紹介いただき、また、アクションプランもいろいろ示していただきました。
 どうぞ、委員の方々からのご意見をまずお願いいたします。

○江口委員 大変明解な説明であることは事実なのですが、2点お伺いしたいのですが。
 1点は、産業界の方がもろ手を挙げまして環境政策の推進についてはネガティブな意見が多いので──すべてではないのですけれども、国際競争力を減殺するという意見なのですけれども、田辺課長のご意見ですと、その辺の経済産業省サイドの政策誘導はうまくいきそうな感じはするんでしょうか。これが1点です。
 2点が、アジアとの関係で、先般、日本とシンガポールを結んだFTA、あそこでは環境がありましたよね。ディーテールをどのぐらい詰めて議論したのか。日本とシンガポールだけでもって環境政策の整合性を議論されたかどうかちょっとお伺いしたいのですけれども。

○田辺課長 私どもの立場は、やはり環境面の対応が産業の国際競争力に適切に反映されなければいけないという考え方であり、日本はそれができるのではないかというふうに考えております。ですから、全体の仕組みがそういう方向に向かうようにしていかなければいけないと思っております。
 それから、産業界は、まずこの循環型のシステムに関する限りは、基本的にはやらなければいけないことだというふうに認識していると思います。そのために必要な手当てをしてほしいという議論は多くあるわけであります。
 それから、ちょっとこれは私の直接の担当ではないのですけれども、CO2の地球温暖化の議論になりますと、これは恐らく公平感の議論ではないかと思うんですね。これはこの中でも出てくるわけですが、やはりどこかの主体に余りにしわ寄せといいますか負担を押しつけ過ぎますと、いや、おれよりもあいつの方がやるべきなのではないかという不公平感が出てくると。そうしますと、これは社会システムとしても定着しないですし、結果的には社会システムの運営コストに反映されてくるということなのではないかと思うんですね。ですから、その辺はやはり多分コミュニケーションの必要なところではないかと思います。
 それから、日本とシンガポールの間では、正直申し上げまして、環境面について余り突っ込んだ具体的な議論はしていないと思います。ただし、今後さまざまな展開、これは設計段階での対応ですとか、あるいはラベリングですとか、あるいはISOのタイプ3ですとか、いろいろな思考方法で日本とシンガポールが協力してアジアをリードしていくというようなアプローチはあろうかと思います。今後の課題だろうと思います。

○中島部会長 ありがとうございました。
 では、篠木委員、お願いいたします。

○篠木委員 私も、ここのグループで議論していただきましたとおり、基本的には全く同感なのですけれども。したがって、感想で、意見ではないのですが。
 きょう2つの報告を聞いてさまざまな問題点が見えてきたように思いますので、一層これから議論が必要だろうと思っているのですが、2つだけ感想を申し上げさせていただきたいのですけれども。
 1つは、この報告に出ているとおり、廃棄物についての定義とか区分、それから、許認可制度のあり方というのはやはりこれからの循環型社会づくりを進めていく上ではかなり重要なのだろうと思いますので、この議論はさらに進めていく必要があるなという点が1点。
 それからもう1つは、EPRの中で方法論というのがかなり大きなウエートを占めているのですけれども、専門調査会の方では、費用負担のルールのあり方とか、適正な費用負担法制の導入ということで、ざっくばらんに申し上げて、販売価格の内部化の問題まで踏み込んだ提言をされているわけです。このワーキンググループでもそこまで議論をやったと思っていたのですが、この報告書の中では議論が煮詰まったというふうに受け止めるべきかどうか十分記述されていなかったわけですけれども、この部分は現在議論されている自動車にしても家庭系のパソコンにしてもかなり重要な問題だと思いますので、この企画ワーキンググループでもさらに議論を進めてコンセンサスをつくる必要があるのかなという感じを持っているところでございます。
 以上でございます。

○田辺課長 おっしゃいましたように、廃棄物の定義ですとか区分ですとか廃棄物処理法に関する議論は非常に重要な議論だと思っております。この場ではないのかもしれませんが、議論が進行しているというふうに理解をしておりますが。私のやや個人的な感想を申し上げれば、産業界のこういうEPR責任をいわば担わされている立場の意見が果たしてちゃんと反映されているのかどうかという思いを産業界が持っているというところは適切に──これはちょっと部会が違うのかもしれませんけれども、ご配慮いただけたらというふうに思います。
 それから、EPRの議論でよく費用の問題になるわけですが、ご指摘の点は、家庭用パソコンについてのリサイクルの仕組みに関する議論は、今、永田先生にもご指導いただいて、ほぼまとまりつつある段階でございますし、自動車リサイクルにつきましては、基本的な考え方はまとまって、これを法案化する作業をしているところでございます。これらを踏まえた上で、私ども考え方といたしましては9ページの注6に考慮要素を列挙させていただいておりますが、これの総合判断から、今の仕組み、さまざまな物ごとの費用の制度があるわけですが、説明できるのかなというふうに思っております。

○中島部会長 ありがとうございました。
 では、崎田委員、お願いいたします。

○崎田委員 私のも今の篠木委員とほとんど同じことだったので簡単にいたします。
 私もこれを拝見して、本当に循環型社会のいろいろな法律が出てきたことで、市民生活の現場では結構いろいろな法律のことで不安に……、法律によって違ったりとか、そういうことで大変不安に思っているような人も大変多いんですね。そういう意味で、産業界の方が3Rをきちんと見据えた細かい状況を是正していくということで、これだけ細かい点をまとめてくださったというのは私は大変うれしいと思います。
 それで、実はこのパブリックコメントには私も出したのですけれども、そういう意味で、お願いというか私の感想かもしれませんが、こういうことをきちんと実施していくということがすごく今は早急に求められているのですけれども、特にこういうふうに環境に配慮することで新しい雇用を創出するとか、新しいビジネスチャンスがあるとか、世の中のこの不況感の消費者に明るい展望を与えるということがすごく必要なのではないかと思うので、その辺の印象を明確に打ち出しながらこういう施策をどんどん進めていただければうれしいなというふうに感じています。

○中島部会長 特によろしいですか。

○田辺課長 はい。

○永田委員 私もこの原案づくりに参加した人間なので余りこんなところで意見を言ってもどうしようもない感じもありますが。
 ただ、私の視点から見ていったときに、まず循環型の問題の中で重要な点は、先ほど申し上げた物質だとか、あるいはエネルギー資源だとかというようなたぐいの従来からやってきたような流れだけではなくて、有害物質を取り上げていますよということをここでは申し上げていると、これは非常に重要な点であります。
 それからもう1つは、やはり循環型社会というのは結局主役はだれかというと、消費者と事業者なんですよね。この視点をはっきりさせて、その間をうまくつないでいく、あるいは、どちらかといいますとここでは上流対策ということで、事業者にいろいろやっていただくことが書いてありますが、それを消費者の人たちに伝えるということ、あるいは消費者に理解していただく、あるいは商品選択していただくというような流れの中での環境ですね、それをきちんとお示しできたのかなと。そういう中には、数値目標であったり、あるいはやっていることの評価であったり、その消費者の人たちに使っていただくにはグリーン調達なんていう国の施策、あるいは地方自治体に波及するような施策というのが非常に重要なんだよというところが書いてあります。
 国際的な視点でもいろいろ問題が、日本のような、そういう意味では、資源の輸入国、石油も輸入国みたいな形になっている中で、逆に再生資源が海外に出ていくような、今度は資源の輸出国になるかもしれないという状況に変わっていくような国として、これからどういう形で国内の循環型整備を進めていくか、あるいは、海外との連携を考えたらいいかというようなことが将来展望も含めて書いてある。
 それから、もっと重要なのが、この話が出たときに、日本の経験というのをもっと世界に伝えるという議論がある。ここには直接書いておりませんが、これをまとめたレポート、それから、このバックにくっついている資料、これをぜひ英訳して、国のホームページなり、あるいは海外にいろいろな機会にそういう情報を流していく。恐らく、いろいろな制度もことも含め、あるいは実態としてのリサイクルの状況を含め、あるいは設計の取組、費用の方の取組も含めて、きっと日本が一番進んだ国になりつつあるのではないかと。その状況を出さないのはもったいないという議論がありました。

○中島部会長 ありがとうございました。
 それでは、横山委員。

○横山委員 「循環型経済システム」の言葉でちょっと考え方をお伺いしたいのですが。経済システムは社会と密接に結びつくし、これは多分中身も、事業者、消費者、行政のパートナーシップとか、あるいは消費者の持っておられる役割ということで、「循環型経済社会システム」と全く同じ意味で使われているのかなと思うのですが、しかし、「経済社会システム」にすると中環審とダブってくるからというようなことで、経産省としては経済だけに限ったのかなとちょっと思ったのですが、何でこの言葉が出てきたのか簡単にお願いいたします。

○田辺課長 平成11年に産業構造審議会で「循環経済ビジョン」ということで、「循環型経済システム」というふうに、もともと通産省は経済産業省ですからそういうふうにとらえたと。その後、法律などの名称では「循環型社会形成推進基本法」というふうになっていったということであろうと思います。意味するところは同じであろうと思います。産業構造審議会の議論のこれまでの流れで「経済システム」、そこに我々の基本的な立場が込められていると思うわけですが、社会システムの構造改革でもあるわけですが、それをなるべく経済化するということが必要ではないかというポジションがこの概念に込められているのではないかと思います。

○中島部会長 ありがとうございました。
 では、藤井委員、お願いします。

○藤井委員 崎田委員がおっしゃったように、本当にこの仕組みは早く急がなければと思います。琵琶湖で言えば水源地のあたりに非常にたくさんの廃棄物が不法投棄されるようになっているのですが、この法律、循環及び六法が施行される前と後と各市町村が不法投棄の回収に当たってどれだけの予算と人をかけているかというようなサンプリング調査をしたことがあるでしょうか。つまり、もしどんどん増えているのであれば、これは社会の仕組みに対して現場からこれでは非常に合っていないという声だと思いますので、少しでもそのサンプリングをぜひしていただきたいことと、それから、現場主義からの問い直しは常にこのことを含めて回す中できっちりとしかと押さえていただきたいなという思いがします。

○中島部会長 よろしいでしょうか、特にご要望ということで。
 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ、古市委員、お願いします。

○古市委員 循環型経済システムという題できょうお話をいただいて非常によくわかりました。ただ、ちょっとお聞きしたいのですけれども、こういうアクションプランを実施していただくに当たって、そのビジョンの共有だとかコミュニケーション、パートナーシップというものが大前提であると、これはもう間違いなくそうだと思うんですね。ただ、コミュニケーション、パートナーシップをするために、国、事業者、消費者、地方公共団体、これが必ずしも本当にコミュニケーションなりパートナーシップをうまく実施していけるのだろうかということで。
 18ページのところでも「Win−Win Game」ということになっていますけれども、みんな勝つようなゲームで、こういういいことだったらなぜもっと早く進まないのだろうと、何かそういう疑問が非常に……。ばら色に書かれているのですけれども、本当にWin−Win Gameなんだろうかと。こういう環境問題の負荷の問題というのはあらゆる意味で傷み分けする部分もあるのではないかと。その辺のところで、なぜここで「Win−Win Game」というような言葉で──夢を持たせるという意味では大変結構なことだと思うのですけれども、その辺の背景をお聞かせいただけないでしょうか。

○中島部会長 では、お願いします。

○田辺課長 これは議論の中で委員の先生方から、やはり目指すべき姿というのは環境と経済の統合、各主体の満足感の高まりというポジティブな方向を打ち出すべきではないかということで、こういうワーディングを使ってみたということであります。もちろん現実のシステムの新たな導入には費用や痛みを伴うというのは事実であります。そこはやはり傷み分けの手法というのは一般ではありますけれども、そうした中でやはりコミュニケーションを深めることで満足感が高まったり、逆の言い方をすれば、不満の度合いが収まったり、そうすることでまさに「Win−Win Game」というのは確立するのではないかと、そういうふうに考えております。

○中島部会長 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、大分貴重なご報告とご説明をありがとうございました。ヒアリングはここで一段落させていただきたいと思います。
 それでは、今後の予定等を企画課長の方からご説明いただきたいと思います。

○企画課長 次回でございますが、本日のヒアリングの後ということで、4月ごろを予定しております。
 中身につきましては、1つは数値目標の議論がございますが、それに関連しまして、国立環境研究所の方からお話が聞けないかということと、それから、これはまだ各省と具体的な相談をしておりませんが、各省が循環型社会形成に向けどのような取組をしているかというあたりについて、資料作成が間に合えば、そういったもののヒアリングをお願いできればというふうに思っております。
 それから、出欠の予定表を後日大体そういった準備ができた時点でお送りしますので、またその際にはご出欠のご連絡をお願いしたいと思います。
 以上でございます。

○中島部会長 どうもありがとうございました。

○江口委員 警察庁のサイト……、今、藤井委員からもありましたように、不法投棄云々の問題ですね、これはどういうようなプロセスでどうやって不法投棄を取り締まっているのか。現場は、マニュフェストを持ったような人をキャッチしてしまうと、俗に言うと、交通取り締まりに近い形のキャッチをしてしまうと、それで、罰金や何かで15万ぐらい取られると聞いていますね。そして、その辺のところはどうなっているのか、あるいは、国土交通省サイドで言えば、国境を越えたそういう輸入のチェックですね、これを徹底しないと非常に不平等になってしまうと思いますので、そういうテーマがいいのかどうかは知りませんけれども、ちょっと聞きたいところですね。

○企画課長 ご要望という形で。

○江口委員 全体を知りたいんですよ、警察庁のスタンスを。

○中島部会長 我々が理解する機会をつくっていただければと思います。
 それでは、これでお開きにいたしますが、どうも長時間にわたってありがとうございました。

午後 0時10分閉会