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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
 第19回浄化槽専門委員会議事録

平成18年9月22日

午後 2時01分 開会

○浄化槽推進室長 定刻になりましたので、ただ今から、第19回浄化槽専門委員会を開催いたします。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料を御確認願います。資料の一覧をお手元にお配りしておりますので、資料の不足がございましたらお申しつけください。
 それでは、これ以降の議事進行につきましては、加藤委員長にお願いしたいと思います。

○加藤委員長 どうも皆さん、大変お忙しい中ありがとうございます。やっと少し秋めいてきまして、少し気候もよくなりましたけれども、また南の方には大きな台風がいるとかということで、ちょっと気掛かりですが、今日、お手元にありますように、大きくは浄化槽の海外展開について、というのをやりますが、それとは別にもう一つ、前回の第18回専門委員会の終わりのところで、由田部長さんの方から、浄化槽とはこんないいものだと思うのに、どうして国民的な盛り上がりがなかなか出てこないのかなという、そういう悩みのようなお話がありまして、どうしたら浄化槽というものを国民に広くきちっと知ってもらうかという、そういう問いかけがありました。これについて、改めて少し議論もしてみたいというふうに思っておりますが、部長さんが、今、ちょっと副大臣と何か打合せをしている、簡単に言えば副大臣につかまっているということで、後でいらっしゃると思いますので、この1番目の議題は、そういうわけで、少なくとも部長さんがいらした方がいいかなというふうに思いまして、あえて2番目の議題を先に取り上げさせていただきたいと思います。幸い、きょうのプレゼンテーターである海外環境協力センターの専務理事であります片山さんが、既にスタンバイしていらして、いつでもいいということでございますので、議題の順番を変えて、最初に海外展開にしたいと思います。
 この委員会でも、当初の段階からずうっと海外の話は少しずつ出てきております。個人的には、私自身もかなりこの問題に関心を持っておりまして、要は浄化槽を、日本でこんなによく使われているわけで、システムとしても非常にいいシステムである。これは何も日本の我田引水ではなくて、海外の専門家から見てもいいものであるということで、では、これをもう少しいろいろな意味で、海外で浄化槽を使ってもらうためにはどうしたらいいか。これは、あっちこっちでいろいろな努力をされていますし、社団法人海外環境協力センターでも、ここ数年この問題を取り上げてしっかりと勉強もしていらっしゃるようですので、片山専務理事の方からお話をお伺いしたいというふうに存じます。この議題で大体1時間ぐらいというふうに考えております。
 皆さん方、この会場にいらっしゃるオブザーバーの皆さんも含めて、片山さんのことはよく御存じだと思うのですが、今、海外環境協力センターの専務理事さんでいらっしゃいますけれども、浄化槽の非常に大好き人間であります。若いときから浄化槽に非常に情熱を燃やして、実は、私なんか片山さんから随分発破をかけられた記憶があります。そういう意味で浄化槽に非常に深い理解と愛情を持っている片山専務の方から、海外での取組について、御説明いただきたいと思います。
 では、片山さん、お願いします。 〇片山専務理事 ただ今御紹介いただきました片山でございます。本日は、浄化槽の海外展開につきまして専門家の皆様の前でお話をさせていただくということ、大変光栄に存じております。ただいま、加藤さんからお話がございましたように、昔、浄化槽に取り組んだこともございますので、浄化槽は若干わかっているつもりでございますが、私、現在、海外環境協力センターというところで海外への日本の環境技術の移転という問題、特に途上国に向けて何かできないかということについて取り組んでおるわけでございます。
 この浄化槽、加藤三郎さんの言葉によりますと、日本独自で開発されたカラオケとか、回転すしに匹敵する優れものであるというお話でございます。私もそのとおりだと、全く同感でございます。
 本日は、大変専門家の皆様の前でございますので、釈迦に説法のところが多々あろうかと思いますけれども、その点はひとつ御容赦いただきまして、お話をさせていただきたいと思います。
 実は御承知のとおり、2003年でしたか、京都で第3回の世界水フォーラムがございました。それから、2004年にCSD、いわゆる持続可能な開発のための委員会というものが行われまして、そういう機運の中で、私どもOECCも浄化槽の海外展開ということについて検討し、そして、途上国における、あるいはその他の国々における水環境の保全のために、何か貢献できないかという趣旨で研究会を立ち上げました。
 2003年、2004年が元年になったのでありますが、本日、ここにお見えの北尾先生にこの研究会の委員長になっていただきまして検討を行ったわけであります。検討のポイントは非常に明確でございまして、合併処理浄化槽の普及戦略ということでございました。このためにはいろいろな地域研究をやる必要があるということで、特に都市インフラと法制度が整備されている国としまして北欧、それから都市インフラ、あるいは法整備のレベルが非常に不明確であるというところにおける浄化槽の導入の問題、これについては東欧を選びました。そして、汚水処理が未整備の開発途上国と致しまして、中国を選び、その浄化槽の普及に当たっての問題、あるいはそのいろいろな諸条件について調べたわけであります。
 今日お話し申し上げますのは、そういう中で、実はこの委員会、まだ途上の段階でございまして、本日、私は先に一応お話をさせていただくということでお願いしたいと思います。
 資料を御覧いただきます。まず浄化槽の海外展開を致します場合に、一体浄化槽の位置づけというのは世界的に見てどうであるかということであります。そのためには、まず世界に存在する水関連技術、1ページ目でございますけれども、後ろの方に図がございまして、図−1でございますけれども、浄化槽がどういう水関連技術の中で位置づけられるかということであります。ここにございますように、水資源とか、水環境保全、衛生あるいは治水といったような水処理技術がございますけれども、合併処理浄化槽はこの中で水資源、水環境保全、衛生という、そういった複合的な機能を有しているということがいえるのではないかということであります。
 次に浄化槽とは何かということでありますけれども、これは、外国人に紹介いたしましてもなかなか理解してもらえない。もちろん「浄化槽」という言葉は国際用語になりつつありますけれども、決して正しくは理解してもらえないということであります。いろいろありますけれども、結論的には浄化槽の正確な定義ということになりますと、浄化槽法の適用を受けるものが浄化槽というのに最も正確であろうということだと思います。
 それで、世界的には、では浄化槽と類似する施設があるどうか。これは世界には数多く存在しておりまして、図−2を御覧いただきますと、ここにございますように腐敗槽あるいはABR、BAF、エコサンといったような類似施設がございます。こういう類似施設に対抗いたしまして、浄化槽の比較優位性をアピールしなければいけないということで、それぞれの国々へ新規参入、ニューカマーとして参入します場合には、こういった既存のシェアに割り込むマーケット戦略が求められるわけであります。
 それから、その他の生活排水処理施設についても、実は大型の浄化槽に類似する施設として酸化池とか、あるいはオキシデーションディッチ、回分式ばっき法等々があるわけであります。
 次に、水の再利用という観点から浄化槽の位置づけをしてみると、どうであるかということでありますが、これは表−1にございまして、排水、再生水の適用範囲ということで、いろいろございますけれども、特に浄化槽はこの中でも修景用水とか、都市雑用水あるいは環境用水、こういった用途への利用の可能性を秘めているわけであります。
 それから、一方、アメリカのEPAでは、表−2にございますように、排水の再利用にかかわる基準をこのようにいろいろ設けております。御参考までにお示しいたしましたが、いずれにしましても、浄化槽の排水は再利用が可能でありまして、その点での浄化槽の有用性というものを強く訴えることができるわけであります。
 次に、浄化槽の持つ可能性であります。これにつきましては、まず、生活排水管理システムとしての浄化槽ということで、これは可能性というよりは、むしろ浄化槽の性格といった方がいいかと思いますけれども、図−3に示しましたように、それぞれ行政、住民、企業がそれぞれの役割と責任によって、本来の機能が発揮されるという性格のものでございまして、その総合的なシステムというところに特徴があるわけであります。
 それから、もう一つ、海外協力という点で見ますと、浄化槽の特質は国際協力あるいは開発援助の分野で、最近よくいわれますような参加型開発の典型的な事例でございます。下水道といいますと、住民の意識とは別の次元で整備が行えるわけでありますけれども、浄化槽の整備においては住民の参加が不可欠であるということであります。したがいまして、浄化槽は、いうまでもなく、装置単体ではなくて、システムとして普及させるべきものであるということであります。
 もう1点、コミュニティ浄化槽としての可能性。これは今、我が国では、なかなか論じられることがないわけでありますが、特に途上国あたりでは、こういったコミュニティレベルで住民が共同で所有する排水処理施設というものを、もし、実施することが可能だということになりますと、これまた違った適正規模、つまりこれは余り説明いたしませんが、図−4ですけれども、適正コストの概念図というところでおわかりになるかと思いますけれども、適正規模の浄化槽というものが当然あるわけであります。もちろん、これはそれぞれの国とか地方の状況により、その適正規模は様々でありますけれども、特に浄化槽でも中規模の浄化槽といったようなものになりますと、こういったコミュニティレベルでの浄化槽というものが可能になるのではないか。
 もう1点、公衆衛生から環境保全に向けてと。生活排水処理というのは、昔は公衆衛生の対象でありましたけれども、近年では水環境保全の視点から行うようになりまして、特にその点で合併処理浄化槽は大変優れたものであるということで、公衆衛生面の改善に次いで、現在は水環境保全へ進む段階で普及が進められている、ということになりますと、途上国で、例えば浄化槽を普及する場合にも、水環境保全への住民の意識というものを向かわせる、そういった推進力といいますかモチベーション、こういうものをつくる必要があります。したがって、環境意識を高めるとか、あるいは目の前の環境をよくしていくといったような、環境教育の実施というものを積極的に行っていくということが求められると思います。
 以上のようなことを踏まえまして、では、現在、浄化槽の海外展開において、国内でどのような努力が官民において行われてきているのか、この点についてもレビューしてみる必要があるわけでありますが、旧建設省、今の国土交通省、それから環境省、外務省、JICAで取組が行われてまいりました。旧建設省では、1991年から3年間、型式浄化槽協会、現在の浄化槽システム協会に委託して、小型合併処理浄化槽を5基設置して、機能・水質調査を実施してきたという事例があります。それから、環境省では、1994年から国際厚生事業団、それから海外環境協力センターに、2003年から2005年に委託されまして、浄化槽の技術移転事業を継続的に実施されてきておられます。その成果に基づきまして、既に英文の技術移転マニュアルというものを作成されておられます。ここにお見えの河村先生は、この点において非常に貢献されたということであります。
 それから、外務省では、草の根無償において、2002年にインドネシアのチレボン市で、特に低所得者層のアパート向けの浄化槽の導入について資金援助を行っています。
 それから、無償資金協力として、例えば研修センターのような居住施設、こういうものには、日本の法基準に従った汚水処理施設が計画されております。その資金供与は日本から相手国政府に行われたわけでありますけれども、その後の仕様変更に関しては、日本政府に通報されていないということで、実際に仕様どおりに設置されているかどうかは明らかでない。たまたま2004年に、私どもの方でインドネシアの国内11か所の施設で調査しましたが、現在も運転されているものもありますけれども、多くは適正な維持管理がなされていないという状況であります。
 それから、JICA、ここでは、パレスチナ農業学校への浄化槽設置を受けて、集団研修を東京の国際センターで2000年に、中東和平支援ということで行われておりますし、また中国の江蘇省の太湖におきましては、12基の浄化槽を据え付けまして、処理性能を実験的に行うということが行われておりまして、ガイドラインを策定する予定だと聞いております。あるいは既に作成されたのかもしれません。
 それから、次に民間による浄化槽の展開でありますけれども、もう既に1980年代後半から日本企業が中国、マレーシア、インドネシア、タイ、ルーマニアなどに進出した実績がございます。この進出の契機は、恐らく商社等の仲介を受けた事例が多いと思われるわけでありますけれども、製品の販売実績ということでは、アメリカあるいは中近東を含む広い地域に及んでおりまして、このようなこと以外に、海外からの引き合いというものがあるようでございます。浄化槽への関心は世界的に広まっているといえます。
 それから、海外に浄化槽メーカーが進出いたしましたけれども、現在では、残念ながら撤退しているという状況であります。ただ、中国でもマレーシアでも、浄化槽は引き続き製造されておりまして、例えば中国では、大小取り混ぜまして約500社の浄化槽メーカーがあるようでございます。この資料の中で、最後のところを御覧いただきますと、中国地域情報参考資料としまして、(2)のところで中国の浄化槽メーカーの一部でありますけれども、こういった会社があるわけであります。
 そういうことからしますと、浄化槽も日本がまず進出して、現地でパートナーによって浄化槽を製造するということで、ただ、日本企業がそこから離れていったということは、一方でいえば浄化槽が現地に根づいたという評価も可能でありまして、これは立場によって違った評価があり得るだろうと思います。
 それから、韓国ですけれども、韓国は非常に浄化槽の普及については、私、「浄化槽」と言っておりますけれども、すべて「合併浄化槽」です、業界団体も非常にしっかりしておりますし、約60社程度のメーカーがございます。ほとんどが合併処理浄化槽を製造しておりまして、2002年現在、約9万台あると伺っております。韓国の浄化槽の関連法規あるいは基準の多くは、日本を手本にしているということで、今後連携を行う際の、技術的な障壁という点では最も少ない地域であるということです。
 それから、3番目に国際会議等による情報の発信でございますけれども、これはいろいろな団体で行われておりまして、例えば日本環境整備教育センターでは、1996年に創立30周年を記念して、浄化槽国際シンポジウムを開催して、国際浄化槽宣言を採択したわけであります。加藤三郎さんも、この宣言を作成する段階でお骨折りいただいたという歴史があるわけであります。
 それから、その他、環境省の浄化槽推進室でも、水フォーラムがありましたときに、世界各地から水行動集というものを募集したわけでありますが、その中で一つ、「短期間の設置なおかつ低コスト型の汚水処理技術の移転等」ということで公募されております。それで、登録されました。
 それから、よく御存知の柴山大五郎さんの研究基金、こういうものを駆使しながら、例えば環境文明研究所の加藤さんのところでは、その助成金を用いて、国際シンポジウムを企画されましたし、そのほかに海外からの後援者を招いて、海外の浄化槽事情というものが紹介され、いろいろ今後の浄化槽の普及に向けての戦略について議論されたということであります。あるいは2004年9月には中国の北京において、中国の汚水処理の課題と浄化槽の可能性についてのシンポジウムを同じく開催されておられます。
 それから、環境省ですけれども、2004年の3月に、東京で日本アラブ環境大臣セミナーというものがございまして、そこのセミナーで、浄化槽が日本の環境技術の代表的なものであるということで、浄化槽システム協会の方が発表されております。そして浄化槽の展示も行われたわけであります。
 等々、いわゆる浄化槽の海外展開を後押しするような、そういう形でいろいろな紹介が、最近、幾つも行われております。今後海外における浄化槽の認知、そういうものが一層高まってくるだろうと、このように思われます。
 そこで、最後になりましたけれども、今後の求められる方向性ということでちょっとまとめてみました。一つは、海外展開に当たっての五つの観点の検討が必要であるということでございます。まず、一つは各国の汚水処理事情というものについての観点があります。これは浄化槽の設置とか普及に大きな影響を与えるわけでありまして、日本で合併浄化槽が急速に普及していった、その背景というのは、国民の生活レベルが向上しまして、くみ取り便所の水洗化というものが進展していった。その中に合併浄化槽も開発されてきたわけであります。
 ところが、諸外国で、例えばインドネシアの場合を見ますと、もう既にトイレは基本的に水洗でございます。都市部の約8割が腐敗層で処理をしているわけでありまして、便所の水洗化というメリットは、とうにないわけであります。もちろん処理の方法では、質の程度は低いという点はありますけれども、いずれにしても住民にとってみれば、浄化槽も導入の便益というのをほとんど感じないということであります。
 したがいまして、こういうことからしますと、浄化槽メーカーは、購買力のある高所得国ないしは地域あるいは富裕層への進出を望むべきではないかと、このように考えられますし、それから、水環境改善というものが目標であれば、必ずしも日本製品を造らずに、現地の資材を用いた浄化槽の活用ということもあるわけであります。
 それから、2番目に、浄化槽普及の業務形態。これは一つは現地生産か製品輸出か、はたまたエンジニアリングサービス、いわゆる水処理メーカーが行っておりますような、そういうサービス業務形態を考えるかという、その三つの方法があるかと思われますけれども、現地で工場建築をして浄化槽を生産するという、これはリスクが大きいということでありますし、それから、製品輸出ということは工期と費用の点で問題があるという点で、現段階では、この第一歩の段階で、方向性を決めかねているという状況ではなかろうかと思います。
 それから、今申しました浄化槽の経済性については、十分検討する必要がある。特に工期と費用の点については、検討をする必要がある。例えば日本から製品浄化槽を輸出するということになりますと、海上輸送、通関、国内輸送、こういった手続を経る必要がありますし、この点は、日本の事情とは大きく異なるわけであります。
 それから、費用の点でも、例えば日本の数十分の一の、例えば最貧国、貧困国、こういうところでは、日本の浄化槽の1基分が、その値段が貧困国の家の1軒分に相当するということもあるわけであります。こういう点について考慮しなければいけない。
 それから、次に4番目に海外展開の推進力については、幾つかのビジネスモデルが考えられるわけでありますが、その観点の検討が必要である。一つは家電メーカーのようなマーケット拡大型で、海外で販売網を拡充していくというパターン、それから、例えば繊維メーカーに代表されるような日本の価格競争力の低下、これによって生産拠点が海外に移転していったというパターンです。それから、もう一つは、建設業界のように日本のODAを足掛かりとしまして、現地に根づいていくパターン、こういう三つのパターンが典型的であると思いますけれども、いずれにしましても、3番目のODAというものをよく使ってどうかということがありますけれども、ODAというのは大体5年間ぐらいで資金投入がなくなるということで、永続的なODAというのはあり得ないわけであります。したがって、持続可能な現地化ということになるということが、やはり必要がありますが、この場合、ローカルマーケットとの競争力というものを維持できるように、十分配慮しなければいけないという点であります。
 それから、最後に、特許問題あるいはコピー商品問題という点について考えなければいけないということであります。浄化槽のビジネスモデルはいずれでありましても、海外で浄化槽が普及される段階で、あるいはそのプロセスで、ローカル製のコピー商品というものが出回る可能性は十分あるわけでありますし、それから、浄化槽の価格破壊とか、あるいは粗悪品による悪評というものが、その場合懸念されるわけであります。
 いずれにしましても、日本におけるような型式認定とか、性能評価、こういった品質保証制度がない国、例えば中国の場合には、それ以前に浄化槽の法制度そのものがないわけでありますから、こういう点については大きな課題である。現在、中国では一品生産といいますか、そういった生産の方式で売られているということでございます。
 ただし、韓国では、先ほど言いましたように、日本の浄化槽法に当たる法律がありまして、認定制度もあるわけでありますので、この点は韓国については安心できるだろうと思います。
 それから、次に浄化槽の普及戦略。一体超えるべきハードルは何かということで、三つの観点があろうかと思います。一つは、高所得国への展開戦略、二つ目に低所得国への展開戦略、もう一つが、日本国内の浄化槽市場への波及の問題とか影響の問題、この三つの観点があろうかと思います。
 まず、高所得国への展開戦略につきましては、これはもう、浄化槽もコストが普及の妨げになるということはないわけでありまして、住民がニーズを持てば購買力は十分にある。したがいまして、問題は現地で使用されている汚水処理装置というものを十分に調査して、そして浄化槽との関連で選択すべきビジネス戦略を把握することができるのではないか、ということであります。ただし、その場合も日本の浄化槽法での法制度は存在しないわけでありますので、こういった法整備といいますか、その辺の企業の自助努力が要るだろうということであります。
 それから、低所得国の場合でありますけれども、これは日本と同じような工場生産をして、搬入して据え付けといったような、個人住宅中心のビジネス展開というのはなかなか難しいということになろうかと思います。ただ、そういった国でも、一部経済力のある階層とか、あるいは水環境が資産である観光地、あるいは日本企業の関連施設、こういうところでは、ニッチとして戦略は今後求められるのではないかと思います。
 その場合、ODAを一つの進出の足がかりにするということは可能であります。ODAは5年程度で完了いたしますので、その後はローカルマーケットでビジネスを行うということになってこようかと思います。
 それから、最後に世界経済です。これがグローバライゼーションで進んでまいっておりまして、今後ますます市場開放とか、貿易自由化の方向が進むわけであります。そういう意味からしますと、浄化槽技術の世界的な普及ということを実現していくためには、世界を対象とした市場戦略というものを立てることが重要であると思います。ただし、市場開放ということは、一般的には海外の資本が入ってくる。そして、今、いろいろ行われておりますような日本の企業が買収されるといったようなことも、全くないとはいえないということで、日本の浄化槽市場においても、海外からの進出を受けるという可能性はあるのではないか、ということであります。
 韓国の場合で申しますと、浄化槽メーカーが日本に完成品を輸出したい、といったような話がございますし、それから、部品に関しては、韓国は中国を始めとした海外に依存しているメーカーも多いわけであります。要は、市場が開放された場合に、浄化槽の製品だけではなくて、設置から始まって維持、管理、検査、こういった浄化槽関連事業についても海外からの進出のターゲットになる可能性は否定できないということであります。扉を開いて外に出ていくということは、同時にその扉から入ってくる者もいる、ということを十分に考慮しなければいけないということだと思います。
 それから、最後になりましたが、提言ということで、ちょっとお話し申し上げますと、海外展開の展望ですけれども、これは浄化槽を生産、設置、管理、こういうものにまたがる総合的なシステムとして導入して普及を図る、ということが必要だと思います。いわゆる総合システムの輸出化ということが大事でありますけれども、こういった地域というのは、可能な地域が限られているわけでありまして、先ほど申したような高所得国、あるいは途上国でも富裕階層をターゲットにするとか、あるいは観光地を目標にするとかいうようなことで、浄化槽の全体的なシステムというものを輸出するということであります。
 欧米には、御承知のとおり、浄化槽の型式認定と同じような性能ラベリング制度を持っている国がありますから、その認証を受けることによって、その国への進出は比較的容易にできるのではないか。成功のかぎというのは、よい現地パートナーを見つけて、協力して普及に当たっていくということであります。
 それから、今後の検討課題としては、更に技術開発を進めて、現地の諸事情、水道、電気、気温、降水量、経済レベル、こういうものに適合した浄化槽、特に低コスト化が重要であろうかと思いますし、それから、浄化槽関連技術者の養成とか、汚泥処理などのトータルなシステムの導入が必要であります。
 それから、2番目に、官民一体の普及戦略というものが重要であるということを強調しておきたいと思います。浄化槽は総合的なシステムでありますから、制度面あるいは技術、人材、住民参加、こういった他方面からのアプローチが求められるわけであります。とかくODAということになりますと、日本の行政サイドでは、海外展開について施設整備を中心としたODAの形態を考えがちですけれども、もっと広い視点で協力関係、例えば制度の構築というものを行うということが大事であろうと思います。
 例えば、環境省で行われております、毎年、日中韓の3か国環境大臣会合、TEMMというのがありますし、それから、日中韓環境産業円卓会議、あるいはもっと広くエコアジア、こういった様々なチャンスをいかして、浄化槽についての意見交換を深めるとか、あるいはアジアの水環境と生活排水処理に関する政策対話、こういった新しいプロジェクトを、ぜひとも立ち上げていただいて、官は官として、民は民として、それぞれの役割、あるいは関心事、貢献、その可能性を探って、お互い協力しながら海外展開を構築していくことが望ましいと、このように考えます。
 それから、これは、いろいろな団体、あるいはいろいろな企業、メーカー等々に共通することだと思いますけれども、優先度の高い国との連携戦略の作成を進める。そして、浄化槽普及に向けて相手国側との連携構築を行うということが必要ではないかと、このように思っています。またまたOECC、中国に、今度、海外事務所を開きましたので、中国あたりも対象になるのではなかろうかと思っているわけであります。
 以上、ちょっと雑ぱくな話でございましたが、失礼いたしました。

○加藤委員長 どうもありがとうございました。大変詳しく浄化槽の海外展開の様子を、OECC、海外環境協力センターの目からお話しいただきました。ありがとうございました。
諸先生方、何か片山専務に対する御質問、ありましょうか。どうぞ、松田さん。

○松田委員 インドネシアの方は、都市部ではもう進んでいるというお話なのですけれども、具体的に日本のようなきれいな水を川とか海に流しているのでしょうか。
 あわせて、アメリカの方も、よく水洗が進んでいるというふうにおっしゃっているのですけれども、アメリカの実態なども、もし御存知であれば、日本のようなきれいな水になっているのか、それとも、どのあたりまでをよしとして排水されているのか、御存知だったら、興味があるので、お願いしたいのですけれども。

○片山専務理事 これは、河村先生にいろいろ調査を一緒にしていただきましたので大変お詳しいわけですけれども、浄化槽といいますか、水処理施設といいましても、腐敗槽が中心でございますので、多分おっしゃるような水の環境保全という面から見ますと、問題はいろいろあるのではなかろうかと思いますけれども、環境省の方でも、河村さん、状況を御覧になったと思いますが、どうなのでしょうか。

○加藤委員長 お願いします。

○河村委員 先ほど言われた水洗化というのも、日本的な意味での水洗化ではなくて、日本の、いわゆる和式トイレのようなところで、2、3リッターの水を流して、それで地下に落とし込むという形の水洗なのですね。地下というのが、下には、先ほど言われた腐敗槽というふうなものを持っているようなケースと、あとセスプールというコンクリートリングを重ねたような貯留槽みたいなものを置きまして、その多くは水を地下に浸透させるような形になっております。そういう意味では、日本の処理水を川に流すとかというふうなスタイルの水洗便所ではないのですけれども、ある種のトイレを水洗化するということについては、かなり普及しているというお話だと思います。

○加藤委員長 アメリカの話は、どなたかどうですか。片山専務に松田さんから御質問のあったアメリカではどうなっているか。

○片山専務理事 アメリカはどういう実態なのか、私は必ずしも詳しくないのです。

○加藤委員長 どなたか、アメリカについて、国安さんのところも時々アメリカに行っているのではないですか。教育センター、いかかですか、もしあれだったら……。

○国安委員 今月号、9月号の「月刊浄化槽」で、確か特集をしていまして、私の記憶では、そこはまだ詳しく読んでいないのですけれども、先ほど河村先生がおっしゃられたような形で、アメリカにおいてもセプティックタンク、そういったものが使われて、処理水が地下浸透されている。それによっての地下水汚染、特に硝酸汚染、そういった問題があるので、これからは、しっかりして処理をしなければいけない、そういった話を聞いています。ただ、そのあたりの最新情報は、北尾先生がより御存知だと思いますので。

○加藤委員長 では、北尾さん。それと、私の方から一つ北尾先生に、今、片山専務の方からどちらかというと業界といいますか、実務の世界の話があったのですが、学会では浄化槽というものに対する認識だとか、学者の世界では、北尾先生が御存知の会議ではどんな状況になっていますか。それと二つ併せてお願いします。

○北尾委員 余り的確な説明ができるかどうかわかりませんが、私が3、4年前にアメリカへ調査に行ったときは、アメリカもそのころまでは、大規模な下水道が中心で、ずうっと生活排水対策を考えてきたのだけれども、これ以上、幾らお金を使っても、もう下水道の普及率は上がらないということが、最近になってようやくわかって、それで、オンサイトシステムというふうなものを、もっと積極的に取り入れていかなければならないと。大体アメリカ全体でならしていえば、80%ぐらいは下水道でカバーできるけれども、それ以上は人の移動があったり何かして、幾ら下水道地域を増やしても、思うように下水道の普及率が上がらないで、これ以上、巨費を投じ続けることは無理だということから、オンサイトシステムを注目したいと。それまでは、いわゆるセプティックタンクというのがほとんどだったのですけれども、セプティックタンクというのは、出てきた水を地中へ浸透させて、土の中で浄化するというやり方なのですけれども、浸透方式です。ですけれども、それよりか性能のいい、ばっき型、日本に近いようなものを取り入れていった方が、例えば浸透地の面積なんかが少なくて済むから、結局安くつくというようなことで、最近ようやく、日本の技術から見れば、まだまだ幼稚なものなのですけれども、そういうオンサイトシステムに、ばっき型というようなものを取り入れるようになってきたというようなことで、これから徐々にアメリカでもそういうことが起こっていくのではないかと思います。
 下水道の方ですが、下水道に関してはアメリカは非常に早くから高度処理というのをやり出しまして、非常にきれいな水しか自然環境へ流さないというようなクリーンウォーターアクトというようなものが、ずうっと昔にできたわけですけれども、その後、オイルショックなんかがあって、そういうことをやるとエネルギーも使うし、お金もかかってしようがないということから、今はおしなべていえば、日本とそう変わらないような、それは諸事情によって非常にばらつきがあるわけですが、おしなべていえば、日本とそう変わらないような水を出しているというようなことではないかと思います。
 それから、もう一つ、学者の世界での浄化槽ですが、国内的には浄化槽を専門とするような学会というのは、まだございませんで、水処理の研究あるいは排水処理の研究をしている人が、その一部として浄化槽を扱っているというような実態だと思います。国際的にも、水の国際的な学会がございまして、その中の1セクションとして、スモールスケールといいますか、そういうものを非常に高く評価し、それらを大いに普及していこうというようなあれもありますし、それから、小さな規模の処理とか処理システムとか、そういうものに関して専門的に扱うような学会も開かれております。ですけれども、技術的なレベルとしては、まだまだ低い段階にある。日本の技術というのは、世界的に見れば突出しているというような感じがします。

○加藤委員長 ありがとうございました。
 松田さん、よろしいでしょうか。

○松田委員 私は、今の話を伺っていても、市民の立場からすると、まだわかりにくいところがあります。例えば腐敗槽とおっしゃっても、腐敗槽というのはどういうものなのかということがよくわからないし、オンサイトという言い方も、やはりどうなのか、では日本はオンサイトではないのかしらとか思ってしまいまして、勝手に想像すると、昔の日本のくみ取り式のぽっとん便所からすると、では、腐敗システムの場合は、腐敗臭とか、はえだとか、わかないのかしらとか、そういうふうになってしまって、どんどん迷路に入ってしまうのですね。ぜひ、私たち使用者側から見ると、合併浄化槽にしろ、単独浄化槽も捨てたものじゃないなと思い始めたのですけれども、普及していくときに、もっともっとそういうところをわかりやすく話す必要があるのではないかなと思いながら、質問させていただきました。

○加藤委員長 確かにオンサイトと専門家の間ではごく当たり前に使っていても、ごく普通の方で、オンサイトと言われてぱっとわかるかといったら、多分わからない。おっしゃるとおりだと思います。腐敗槽にしてもそうかもしれません。それこそ、由田部長のいう、何でこんなにいい浄化槽がなかなか普及していかないのかと、彷彿として国民から声が上がってこないのかというところは、一つはそういう難しさがあるのかもしれませんね。ありがとうございました。
 須藤先生、どうぞ。

○須藤委員 それほど、北尾先生、松田先生に付け加えるほどの意見はないんですけれども、水環境保全の立場からいろいろ調べていることは結構あるんですが、アメリカの場合は、地下水汚染が非常に著しくて、その大きな原因が生活排水の腐敗槽と地下浸透にあるといわれていて、それが正確な数字ではありませんが、全国の4分の1くらい、非常に莫大な割合が腐敗槽システムなのですね。要するに、大きなタンクの中に生活排水が貯留されたあと地下浸透されるのです。

○加藤委員長 昔の肥だめみたいなものですね。

○須藤委員 それよりはもっと水で薄まっているのですけれども、それをためておいて、その上澄みをトレンチという管で浸透させるのですね。ですから、どこに行ってしまったかわからないのですね。スーッと地下に入っていくのですね。その上は大体が芝生になっているのです。
 それで、今度は地下水を利用するときに硝酸性窒素が高くなってしまって、これは検証しなければいけない、これが一番問題なのだということは、もう20年以上前から大きな課題だろうと、EPAについては、私はそう考えています。
 例えば、先ほどもおっしゃったのですけれども、私も多少好きだったので、回転板システムを小さな村に入れるとか、幾つか、要するに個別の浄化槽ではなくて、小さな集落に、それを見に行ったこともあるのですけれども、30戸とか、40戸とかの小規模下水道のようなのは結構あって、それはごく最近はわかりませんけれども、そんなのもありまして、水処理システム全体としては、日本は最先端にいます。昔の余り下水道がないときは別だけれども、今でいえば、まあ技術屋も最先端だし、システムも最先端かな。ただ、幾つかの省庁に分かれていて、いろいろな複雑な部分で御理解いただけないと言われるものは、これはやむを得ないので、制度が悪いのでしょうけれども、要するに全体として私は最も進んでいるかなと。
 この前、私がまだ東北大にいたときの最後の方ですが、オーストラリアから研究者が来ました。いろいろお勉強したいので教えてください、と。そのときに、「ガッペイジョウカソウ」と言われたのです。あと全部英語なのですよ。そこのところだけ「ガッペイジョウカソウ」で、「何で合併浄化槽って知っているの」と言ったら、「それは合併浄化槽と習いました」と言われて、ああ、そうかと感激しちゃって喜んじゃって、その日一日楽しかったのだけれども、要するに、そのぐらい日本のシステムは、「浄化槽」というのは日本環境整備教育センターの努力もあるのでしょうけれども、英語になっている。今、ディクショナリーにも載っているのですね。確か登録されている。「浄化槽」で載っているのですか、「合併浄化槽」ですか。英語の単語ですよね。

○加藤委員長 ツナミとか、ジュウドウとか、カラオケとか。

○須藤委員 そういうようなわけで、下水道の普及率を、よく日本は30%、40%で、アメリカが80だ、90だ、イギリスも95だとか言っているじゃないですか。だから、日本は後れていると。あのときにデータを見ますと、今の腐敗槽システムまでみんな入れて、向こうは下水道普及率なのです。そうなのですよ。ですから、日本で言ったら、あのとき単独浄化槽があったのだから、そのときは80かな、90かな。そうなのだけれども、要するに、あのときは作戦だったのでしょうね。日本の下水道が30%、あっちが90%というから、これは大変だということになったのでしょうけれども。あのときの下水道の普及率というのは、そんなものを全部入れて、外国は下水道と言っていたのです。我が国は本当の下水道。浄化槽も入っていないのです。それで30%。私、当時記憶があるのだけれども、まだ日本は3分の1しか下水道が使えないということで進んできたのですね。そういうことでございましたので、これが答えになっているかどうか知りませんけれども、地下水汚染が非常に著しいということだけはそうだし、それから、イギリスへ行ったときも、そう感じました。処理水質は、イギリスも日本より散水ろ床が非常に多いので悪かった。同じ下水道を比較しても、処理水質は悪かったというふうに思いますので、日本はそういう意味では事実上も、水処理技術としては進んでいるということは、欧米と比較しても間違いないと思います。

○片山専務理事 言い忘れたことがございました。各国の浄化槽事情調査集計がお手元にございますけれども、北欧と東欧、中国……

○加藤委員長 A3のこの表ですか。

○片山専務理事 そうです。ここに、今、話題になっております下水道の整備率等をいろいろ調べてございまして、例えば北欧ですと、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、人口2400万人なのですが、汚水処理の現状のところの欄を見ていただきまして、下水道が未整備の人口が約500万人となっております。ですから、約2000万人は下水道なり、オンサイト、オンサイトという言葉はわかりにくい言葉ですけれども、オンサイトシステムで処理がなされておりますよ、ということです。
 それから、東欧、ブルガリアから始まりまして何か国かございますが、人口が1億200万人ございまして、下水道が未整備の人口が約5500万人あるということです。オンサイトシステムの割合はわかりません。
 それから、中国は、人口が12億8100万で、下水道が未整備の人口が約10億人ということになっていまして、最後の欄に、それぞれ投資戦略をまとめてございます。北欧は個別式分別トイレ、最近、エコサンといったようなエコロジカルサニテーションの思想から、し尿の中の栄養源を有効利用するという考え方が強いものですから、個別式の分別トイレ、あるいは個別式分別トイレと中央コンポストの装置をつくるとか、あるいは日本式の高度処理対応型の個別浄化槽というものが有効だろうと。
 それから、東欧ではルーマニア、今、日本のアステックが組立工場を既に持っておりまして、現地生産を行っておりますが、ここを足がかりにしまして欧州全体の展開を目指してはどうかと。コスト競争力が問題だといったようなことですね。
 それから、中国では、下水道の未整備地区の大規模開発が、今、相当行われておりまして、こういうところでの大規模浄化槽、中規模を含めてどうだろうかと。それから、水道水源の周辺の水環境保全を考えてはどうかと。それから水需要が逼迫している地域で、浄化槽の再生水、再利用するということ、あるいはコスト面での現地企業との合弁による競争力の確保、あるいは法制度面の整備のために関連行政機関に働きかけるといったような、こういったこと……。

○加藤委員長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かありますか。実は私個人としても非常に関心を持っているのですが、短い時間で、三つだけちょっとだけ、委員長ではなく私個人として、一委員としてごく簡単に申し上げますと、浄化槽というのは、かつては非常に途上国向けの技術、要するに安いから途上国で、当時は安直にできるというふうに思われていて、途上国向けの技術だというふうに思われていたんですけれども、私はこれは間違いだと思います。むしろ一番ふさわしいのは先進国。そして、例えば中国のようなところでも、沿海部とか、経済開発が非常に進んでいて、生活水準が非常に高いところ、例えば上海とか、そういうように物すごく生活水準が高いところ、そういうところに向いている技術かなというふうに思っています。あんまり、電気もろくろく来ないようなところとかというのは、なかなか難しい。むしろ浄化槽というのはローテクではなくて、極めてハイテクニカルなものだと、非常にハイテクそのものであって、決して浄化槽というのは途上国向けだけの技術ではない。途上国だって別に構わないのですけれども、むしろ先進国向けだと。私は、だから、アメリカとか、東欧とか、西ヨーロッパにマーケットを求めるというのは、もし進出しようと思うと、それは非常にいいことじゃないかなというふうに思うのです。
 現に私のアメリカの友人が、これは浄化槽の専門家でも何でもない人が日本に来て、たまたま浄化槽を見て、「何でこんないいものを、例えばハワイとか、ボストンとかに持ってこないのだ。ハワイとかボストンだったら、これはすごく使われるぞ」ということを言っていまして、正に先進国向けの技術でもあるということだと思います。
 それから、2点目は海外展開というときに、何も日本の製品を、日本の企業が輸出して、そして日本の人が向こうで維持管理をやるというふうに考えなくてよくて、日本でいいものは世界でいいと、逆に日本だって、世界でいいのを日本で幾らでも使っている。ゴルフにしても、野球にしても、スキーにしたって、別に日本でつくったわけではなくても、よければ日本人は喜んで使う。それと同じように、浄化槽というのはどう考えたって、いいものですから、浄化槽のメーカーがよそにあったって構わない。それから、維持管理をやる人が外国人であっても一向に構わない。外国人だから維持管理ができないということはない。外国の企業では浄化槽が造れないということは全くないわけですから、ちょうどカラオケが世界に普及していったように、回転すしが世界に普及していったように、やがて浄化槽も普及していく。そのとき、日本企業もいろいろな形で関与すればいい。別に丸ごと関与しなくてもいいというふうに思っています。そういうのも海外展開かなと思っています。
 それから、三つ目としては、片山専務がおっしゃいましたけれども、こうやって海外に展開していけば、また日本にも、いい意味ではね返ってくる。いい意味で日本の浄化槽のシステムを改良するきっかけにもなるし、刺激も受けるし、安い技術が海外から入ってくるということもあり得ます。現に私が聞いている範囲だと、中国で、膜というものについて非常に安くいいものを造っている。その中国の膜を使って日本でやる。単に浄化槽だけではなくて、いろいろな水処理の過程に使っていくとか、そういうことが幾らでもあり得るかなと思っています。
 要は、よければ自然と世界が使う。ただ、知ってもらう努力はしなければいけない。こんなにいいものがあるのですよ、ということを知ってもらう努力はしなければいけない。そんなふうに思っています。
 さて、海外の、もう一つ、実は事務局の方でも大変素敵な資料をつくっていただいています。私もさっと見た限りではとってもいいなと思っていまして、この方もちょっと御説明いただけますか。

○浄化槽推進室長 失礼いたします。
資料4は、浄化槽の海外展開に関する論点の例で、これまでの海外展開の経緯と問題点、海外展開による国際貢献の可能性、海外展開をするために支援できる事項等が考えられるのではないかと思います。
 資料5の1ページは、浄化槽の海外転換に関する経緯の概要でございます。
既に御議論があったところですので、簡単に御説明申し上げます。
まず環境省による取組については、1994年度から浄化槽技術移転事業を実施したところでございます。具体的には、インドネシアにおいては、浄化槽を設置するとともに、専門家を派遣し、現地スタッフのトレーニング、セミナー等を実施しました。また、中国及び韓国に対しても専門家を派遣しました。さらに、ベナン共和国、ルーマニア、サモア及びベトナムにおいて、現地の汚水処理事情に関する調査及びセミナーを実施しました。これらの成果に基づき、技術移転マニュアルを作成し、2004年度をもって環境省における予算の計上は終了したところでございます。
次に民間企業による取組については、1980年代後半から、日本の浄化槽メーカーが中国、東南アジア等に進出しましたが、現在その多くは撤退されています。また、2003年から、先ほどのヒアリングにございまいましたとおり、海外環境協力センターを事務局として、浄化槽メーカー等が集まって「合併処理浄化槽の海外展開に関する研究会」を開催し、浄化槽の海外展開について検討なさったと聞いております。
最後に国際会議等については、国内においては、第3回世界水フォーラムにおいて、浄化槽のセッションを運営し、講演・意見交換が行われるとともに、同フォーラムでまとめられた「水行動集」に「短期間設置、低コスト型汚水処理施設技術の移転等」が登録されました。また、日本アラブ環境大臣セミナー及び第12回アジア太平洋環境会議においても、浄化槽が紹介されました。さらに、海外においては、アジア水環境パートナーシップワークショップ及び国連持続可能な開発委員会第12回会合において、日本の浄化槽が紹介されました。このほか、1996年に日本環境整備教育センターが、2003年及び2004年に委員長も参画されている柴山大五郎記念合併処理浄化槽研究基金運営委員会が、それぞれ、浄化槽国際シンポジウムを開催されました。最近では、第4回世界水フォーラムの水エキスポにおいて、日本の浄化槽が展示され、紹介されたところです。
2ページからは、海外における浄化槽の普及可能性に関する調査結果でございます。これは、浄化槽システム協会が先ほど申し上げた第4回世界水フォーラムにおいて浄化槽展示ブースの来場者にアンケート調査を行った結果でございます。
質問1については、浄化槽を知っていたかという質問に対して知っていたと答えた人は、20パーセント程度であったとのことでございます。
質問2については、自宅から発生する汚水はどのような施設で処理されているかという質問に対して、下水道施設との回答が50パーセント程度と最も多く、次いでセプティックタンクによる処理であったとのことです。
質問3については、浄化槽を設置したいと思うかという質問に対して、設置したいとの回答が80パーセント以上を占めたとのことです。
質問4については、設置するのに100万円程度の費用及び年数回の点検・清掃が必要であるとしても、浄化槽を設置したいと思うかという質問に対して、設置したいとの回答が半数近くを占めたとのことでございます。
質問5については、浄化槽を設置したいと思わない理由に関する質問に対して、最も多かったのが「費用が高い」であり、全体で62パーセントを占めたとのことでございます。また、メキシコ居住者で、同様の回答を行い、かつ、希望額を記入した方については、希望額が40万円未満と記入した方が半数を超えたとのことでございます。
6ページから10ページまでは、同アンケートの詳細でございます。
11ページからは、浄化槽システム協会が会員にアンケートを行った結果でございます。
12ページからの記述に沿って御説明申し上げますが、7月末時点において海外に営業展開を図っていると回答された会員は、1社でございました。また、過去に海外に営業展開を図り、撤退したことがあると回答された会員が2社ございました。さらに、これまでに海外進出を考えたが計画を実行しなかったと回答された会員が1社ございました。加えて、これまで海外進出を考えなかったと回答された会員が12社でございました。なお、今後新たに海外展開を行いたいと回答された会員は3社であり、考えていないと回答された会員は14社でございました。
13ページからは、浄化槽に関連する海外情報の文献について日本環境整備教育センターにまとめていただきましたが、時間の都合で説明は省略いたします。
 以上でございます。

○加藤委員長 どうもありがとうございました。時間の関係で、今、室長さん、簡単に説明されましたけれども、非常にいい資料ではないかなと、私、思って、見ました。先ほどのメキシコでの100人に対するアンケートも、貴重だなというふうに思います。もちろん、ここにいらしている方は、そもそもこういう会場に足を運ぶ方ですし、こういうアンケートに答えてくださるという方ですから、一定レベル以上の方というふうに理解しなければいけないと思いますけれども、それにしても、知らない割には、よく聞くと「やってみたい」とか、そういう人がいるなということ。それから、日本のメーカーに対するアンケートも、なかなか興味深いなと思うのですが、全般的に、11ページの表などを御覧になると、「×」がほとんどなんですが、それでも「新たに海外展開を行いたい」という会社が、E社、H社、I社というふうに3社あって、まあまあ日本のメーカーも海外に目を向け始められたかなというふうに思っております。
 私、これまた個人的な感想で恐縮ですが、最近、よく私の耳に入ってくるのは、浄化槽というのは未来がない、マーケットはサーキュレートしちゃって、下水道普及率が日本ではほとんど進んでしまって、もうマーケットは余りない。もしあるとしたら、単独を合併に変えるぐらいしかマーケットがない。だから、浄化槽なんてつまらないよと、そういうことを言う人がいるのですが、私なんかにすると、世界はこんなに浄化槽を必要としている。浄化槽といいますか、オンサイトの処理、日本のものだけというのではないですけれども、そういう中で、なぜ浄化槽に未来がないなんて思うのかなと、むしろ全然逆ではないか、洋々たる未来があるのではないか。世界60億の人口のうち、半分以上がちゃんとした処理をしていない生活をしていて、汚水まみれの生活をしていて、しかも、水に対する需要が非常に増えてきて、「21世紀は水の世紀だ」というふうに言われているのに、こんなにすばらしい技術を我々は持っていながら、浄化槽に未来がないなんていうのは、よっぽどおかしいのではないかなと、私なんかは思っているわけですけれども、やっとメーカーも何社か、そちらの方に目を向けてくださった。何も出かけていって造らなくても、いろいろなかかわり方があると思いますので、いろいろな意味で幅広く戦略を練ってもらいたいなというふうに思います。
 それから、浄化槽というのは、清掃、維持管理が伴わなかったら話にならないのですね。あのドンガラだけあったって水はきれいにならないわけで、保守点検とか、清掃とか、そういうシステム。ですから、清掃会社も外でやることができるわけで、直接やるか、いろいろな形でやるか、技術を指導するとか、いろいろなやり方があると思いますけれども、いろいろな形でかかわり合いがあるはずだなと思っております。
 何か、先ほどの室長からの資料の説明などを含めて、海外関係で何かありますか。どうぞ。

○松田委員 私も加藤委員長と全く同じ印象を、今日のレクを受けて思いました。それで、各国の浄化槽調査集計表はよくまとまっていますけれども、日本のところに、課題というところで、こういうふうに書かれてしまっているのです。加藤委員長のお話と同じことが書かれていて、事業者さんがこんな気持ちで仕事をしていたら、うまくいくはずないよなと思って、もし私たちが書くのだったら……

○加藤委員長 どこの部分ですか。

○松田委員 これです。前の方の片山先生のところですけれども、書き換えていただきたいと思うぐらいなのですが、日本のところで、「国際競争力に欠けている、浄化槽関連資料が閉鎖的で」というのは、私は閉鎖的であれば、閉鎖的の原因は何かを書かなければいけないし、「将来的な人口減少に基づく需要の減少に対する有効な措置が明らかでない」と書いているんですけれども、これも書き方が違うだろうと。恐らく5万人規模のところでの日本の浄化槽の対策としては、十分にやっていける。ただ、そこに対する政策的な支援だとか、普及啓発がないから利用がないだけの話であって、これは書き方が課題ではないのではないかな。それで、ニーズは単独浄化槽から合併浄化槽への転換支援と書いていますけれども、この委員会に参加して、今までのお話をずうっとレクを受けながら聞いておりますと、日本の浄化槽技術のすばらしさというのを、まず国民に伝えること。そして、単独浄化槽についても、私たちは合併浄化槽に変わると言い続けていたのですけれども、単独浄化槽は、ユーザーの使い方によっては各国のものに比べてまんざらでもなくて、いいものであると。ただ、生活排水の処理については不十分なので、そこのところについては、もっと使い方が、消費者の方が賢くなれ、というようなことを書いていくことで、この課題というのは、現実そうなのであれば、こういうふうな政策転換だとか、啓発活動をすることによって、問題解決は可能であるというふうに書かないといけないのではないかなと思ったのですけれども。

○加藤委員長 いかがでしょうか、片山さん。

○片山専務理事 そのとおりですね。

○松田委員 じゃないと、ユーザーと私たち素人の人たちから見えないと、何か浄化槽は日本ではだめなのだと、ユーザーの私たち自身が自信をなくしてしまうというか、と思いました。

○加藤委員長 この紙は、委員会でおつくりになったのですか。

○片山専務理事 いや、私の方で……。

○加藤委員長 そうですか。わかりました。

○松田委員 応援をしているだけです。

○加藤委員長 応援ということでね。

○松田委員 私は浄化槽の委員会に入って、すっかり応援団になっちゃったのですよ。すみません。

○加藤委員長 非常に頼もしい応援団。北尾さん。

○北尾委員 私は片山さんとずうっと一緒に勉強してきた立場ですから、これに対する反論とか意見を言うとか、そういう立場にはないのですけれども、一つだけ抜けているところがあるような気がするのです。それは、3ページのところに、環境教育が大事だということを書いておられるのですけれども、私から見れば、環境教育どころか、衛生教育がまず大事だという気がするのです。例えばタイのバンコクなんかへ行きますと、チャオプラヤ川というのは、周りにクリークがいっぱいあって、その周りに家が建っていて、ほとんどそのまま流しているのに近いようなし尿が流れ込んでいて、メタンガスがブクブク立っているというようなところで子供が泳いでいるし、子供だけではなくて、大人が顔を洗ったり歯を磨いたりしているのです。私が見てきたのは20年近くも前だったと思うのですけれども、最近行っても同じようなことをしているのです。だから、あれだけ経済発展しても、そういう方は一向に変わっていないので、それは決してタイだけではなくて、あのあたりの国にずうっと共通したことだと思うのです。ですから、日本の親だったら身震いするような状況が、日常茶飯事で行われているようなところでは、浄化槽だ、トイレだと言ったってどうにもならないなという感じがしますので、その点、余りこういうことを強調すると、「お前、国粋主義者か」と言われるかもしれませんけれども、日本ですと、百数十年前に汚物掃除法ができ、下水道法ができ、非常に衛生教育というのが行われたし、それから、コレラで1年で10万人以上の人が死んだというような非常に悲惨な年もあったけれども、それとても何人死んだということが、1のけたまでちゃんと統計に挙がっているわけですけれども、さっき言ったような国へ行きますと、感染症研究所のようなところを訪ねても、感染症でどのぐらい1年間に人が死んでいるのかも何もわからない。だから、浄化槽を付けたって、それがどれだけ改善されるのかも、何もわからないというんですね。それで、一方では、日本と変わらぬような近代の生活の利器がじゃんじゃん普及しているという、日本人から見ると非常にアンバランスなことが平気で行われているわけで、そこら辺の意識を変えてもらわないと、浄化槽を付けるといったって、日本人と同じような金銭的な評価というのがあるはずがない、というふうに私は思うのです。

○加藤委員長 ありがとうございました。
 今日は、ほかにまだ議題がありますので、そろそろ終えたいかなと思うのですが、何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、どうも片山専務、お忙しい中、非常に御丁寧な資料と御説明、ありがとうございました。

○片山専務理事 どうもありがとうございました。

○加藤委員長 というわけで、海外展開、これは非常に大事なものでありますけれども、いったん終えたいと思います。
 ただ、未練があるものですから、一つだけ、先ほどの北尾先生のお話から、私もここ1、2年、中国で浄化槽をどうかなということで、これは河村先生なんかも御一緒に、中国でちょっとやっているのですけれども、正に、今、北尾先生がおっしゃったようなことなのですが、最近、私が受けている印象は、汚水を処理するというところに金をそんなにかけたくない。正に北尾さんがおっしゃったようなことです。ただし、水を造ってくれる、中水以上のもの、むしろ、よほど原水よりもきれいな水を浄化槽は造ってくれる、それなら金をかけてもいいと。要するに、汚水を浄化する機能というよりも、むしろ新たに水を造る機能、あえていえば造水機能というのでしょうか、それなら金をかけてもいいですよと。それは当然ながら、水が非常に不足している地域が中国の半分くらいありますので、そこなら水を造る機械として金をかけて整備してもいいという、そういう動きも出てきています。これは先ほど、北尾先生が御心配になった衛生思想とは全然違ったところから出てきているわけですが、そういう浄化槽に対する見方というのもあり得るのかなというふうに思っています。
 いろいろな面で、この海外展開に、少しずつみんなでやっていきたいなと。いいものですから、放っておいたって、多分、時間がかかれば世界に広がっていくに違いないと私は思っていますけれども、ただ、そうはいっても、知ってもらう努力とか、役所としてできる努力、民間は民間としてやってもらう努力、いろいろとあると思いますので、その辺については、後でまた、ビジョンをつくるときに整理したいと思います。
 どうぞ。

○企画課長 すみません、前職で水全体を見ていたものですから、その感覚で一言だけちょっと情報提供させていただきます。私は第4回の世界水フォーラム・メキシコにもずうっと張り付いておりましたけれども、あのときの状況を見ても、浄化槽は物すごく関心が高かったというのを実感しています。それが一つです。
 それから、もう一つは、ずうっと国連水と衛生の諮問会議の議長を故橋本元総理がなさっていた関係で、そちらのサポート要員としてずうっと出ていたのもですから、国際的な議論の動向を熟知しているつもりですけれども、その流れの中で言いますと、先ほど先生方がおっしゃった衛生の観点の部分について北尾先生からおっしゃった、それは徹底してやらなければいかんなという感じになっておりまして、もう既に仕掛けとして2008年を国際衛生年にしようということで、もう相当力を入れて走り出しているという状況があるということでございますし、あと、水全体に関して日本が相当リーダーシップを発揮できるのではないかということで、故橋本元総理がおられたときに、アジアでフォーラムをもっと強化してやろう、場合によったらアジアでサミットを、とにかく早くやろうという話になっているわけでございまして、その範疇の中には、水管理の話だけではなくて、浄化槽とかそういった衛生の部分も含めた議論ができるような素地にあるということだけ、ちょっと一言申し上げます。

○加藤委員長 ああ、そうですか。大変貴重な、かつ非常に我々にとってもうれしくなるような情報、ありがとうございました。
 さて、先ほど来、冒頭にも言いましたように、議題の1番は由田部長からの問いかけに対する答えという意味で、残念ながら由田さん、まだ現れていない。そこで、この議題は少し後に延ばしてもいいので、次に(3)、前回の委員会までの議論の整理というところに入りたいと思います。場合によっては、由田さんがどうしても時間内においでになれない場合には、あるいはおいでになったとしても、非常に時間が限られている場合には、改めて次の回に、この問題は、せっかく由田さんからのお問いかけですから、由田さんがいるときにやりたいなと思っております。
 (3)の議題は何かというと、前回までの当委員会での委員の先生方のおっしゃったことを、機械的にまとめたものという位置づけでございます。これはどういうことかというと、言うまでもなく、12月をめどに、場合によっては1月にずれ込むかもしれませんが、私としては12月をめどに、いわゆる浄化槽ビジョンというものをまとめたいということで、過去数回、大きな項目ごとに、先生方の御意見を聴いてきました。それを事務局の方で議事録の中から、機械的に抽出したものだそうであります。これをちょっと思い出していただいて、もちろん、今日の海外展開なんかはここに入っていませんけれども、そういったものも入れて、まだあと1、2大きな課題は残っていますけれども、そういったものを次回にまたカバーをしながら、最終的には2、3回、先生方にもんでもらってまとめたい。できたら非常に野心的なビジョンにしたいと思っているのですが、この回自体は先生方が御発言になった議事要旨からの抜き書きということだと思いますけれども、では、室長、お願いいたします。

○浄化槽推進室長 失礼いたします。資料6でございます。趣旨は、先ほど委員長からお話があったとおりでございます。
 1の浄化槽と健全な水循環の構築については、まず健全な水循環の構築における浄化槽の位置付けについて、次のような意見がございました。
健全な水循環の構築に求められる浄化槽の役割が非常に重要。
環境基本計画については、健全な水循環の確保について、小規模分散型の施設が大型の施設に比べ貢献が大きいとの視点でまとめられている。
河川の健全な流量については、自然な状態において一番弊害が少ないのではないか。水の循環は、本来土壌を介して行われるものであり、水は、地中の生物等により浄化され、正常になって河川に戻ってくる。浄化槽の場合は水が汚れたその場で浄化を行うことで、自然に生態系と汚水が触れ合える機会が多く、水循環に寄与していると言える。BODを90パーセント除去し、きちんとした形で浸透させれば、ほとんど自然水に近い状況ででてくる。また、浄化槽の効果は、汚水の浄化とともに、自浄作用の効率性を高めるという効果が二重にある。浄化槽は、人口密度を薄めるような効果がある。土壌には浄化だけでなく流量を平均化する貯留機能もあり、水の循環を良好な状態にする。処理水の土壌への浸透を考え、もっと土の浄化能力と連動させるような考え方があれば、一つ一つの浄化槽に神経質にならなくてもいいのではないか。
ポンプアップすれば水量を確保できるとの話もあるが、その場合においても点と点でしか循環は行われない。浄化槽で取水したところに水を戻すとポンプアップしたものと違った効果が出てくる。
浄化槽は単に汚水処理装置ではなく、水環境創造装置としてあるいは造水装置としても位置付けられるのではないか。
これは、2ページの指標及びモニタリングに関する方向性において掲げた方が適当なのかもしれませんが、浄化槽の処理性能について安定化がこれからも重要。
浄化槽は、集合処理に比べ、産業排水が入らないことから、汚染強度が下がる可能性が高く、安全性の高い処理水等が期待できるシステムではないか。
また、小規模事業場への浄化槽技術の導入に関する方向性については、次のような意見がございました。
家庭以外からの排水の問題にどのように対応するかも重要な問題。
小規模事業場に浄化槽が設置されることになれば、特に汚泥の取扱いについて周知徹底が図られるはず。
浄化槽技術を小規模事業場排水の対策に利用していくという方向性は正しい。浄化槽部局と水質規制部局が連携して行う必要がある。
浄化槽が小規模事業場について十分耐えられることを示すことが重要。
対象枠を広げていくのではなく、生物処理に支障を及ぼさないように取り除いてからという姿勢にする方がすっきりする。
工場排水を受け入れることは合理的なことであるが、一般系の廃棄物に産業系の廃棄物が入ることとなる危険性もある。
さらに、窒素及び燐の対策に関する方向性について、次のような意見がございました。
場所によっては、窒素・燐問題もあるので、窒素・燐対策も重要。
浄化槽の考え方として、地域に応じた水質を求めるような考え方があってもよい。
今の段階で規制は難しいので、優先度が高い地域を中心に助成での対応を進めるべき。
燐型が社会的なシステムとして普及していくために、ソフト面で考え議論していくべき。
浄化槽による排水の規制を考える際には、他の排水規制も考慮した対応が必要。
水質を簡易に評価できる技術が必要。
燐型については、しっかりした管理体制を構築しながら普及を図らないと効果はない。
加えて、浄化槽に関する指標及びモニタリングに関する方向性について、次のような意見がございました。
浄化槽に適した有期汚濁指標の検討も重要。
社会的なコストを考えた合理的な検査を考えるべき。
モニタリング数が多くなれば費用もかかるので、そういった面も議論すべき。
水生生物に関するデータを活用できないか。
最近、生態系に影響を及ぼす可能性が指摘されている汚染物質の影響についても検討課題。健全な水循環自体について、指標に関する結論が出なかったので、今後ともフォローアップをしていくべき。
2の浄化槽と循環型社会の形成について、まず循環型社会の形成における浄化槽の位置付けについて、次のような意見がございました。
最大の問題はコストの問題。
いかに再生可能なエネルギーにするかが大切。
メタン発酵等によるエネルギー回収などに対しどの程度貢献できるか議論すべき。
生ごみについて、浄化槽の中に入れ、エネルギーを回収するシステムがあり得るのではないか。ただ、これについては、生ごみについては、別の回収システムが進んできているので、浄化槽に入れることが適当か議論が必要という意見もございます。
また、浄化槽汚泥の処理体制に関する方向性について、次のような意見がございました。小規模分散のエネルギーの生産及び消費を考えるべき。
全国的な展開としてはエネルギーにシフトしていくことが大切。メタン発酵だけでなく、石炭と混焼させるなどいろいろなことを考えていったらどうか。
脱温暖化も重要な課題。
バイオマスの有効活用等汚泥処理システムの中で、脱温暖化対策につながればよい。
し尿がメインで浄化槽汚泥が従であったのが逆転している。
濃縮車・脱水車を活用し効率化を図っていかなければ、コスト高になってしまう。
濃縮車、脱水車等について、積極的に導入を図れば、今開発されているもの以上の性能のものが出てくる。
し尿処理施設で対応ができないといった受け皿の問題と濃縮車・脱水車について対応に関する違いの問題がある。
中継基地を造って濃縮や脱水を行い、大きな処理施設に運ぶといった構想を考えるのも一つの方策。
大規模集約して運搬する以外の道もつくるべき。
し尿処理場について、浄化槽汚泥を専門に処理する施設、最終的な処分及び再資源化を含めてその在りようを議論すべきではないか。
BODが2万、3万等で入ってくると、施設のシステムを考え直さなければならないのではないか。
浄化槽汚泥単独の処理を考えることも課題ではないか。ただ、これについては、既に浄化槽汚泥専用ラインがあるし尿処理場が存在するという意見もございます。
清掃自体が過剰に行われているのではないか。
汚泥を出さない浄化槽の議論も大切。
汚泥の処理あるいは利用についての技術開発を促進させるような仕組みも含めた議論が必要。
3の浄化槽と住民による環境保全については、まず住民による環境保全における浄化槽の位置付けについて、次のような意見がございました。
「生活・環境実感型施設」という言葉は、良い言葉。
浄化槽の処理水を見える水にしたり、モニタリングができるようにしたりすることにより、皆が参加できる形になる。
浄化槽も身近な水として見える水、使える水とすることによって守る気持ちも深まっていくと考えられる。
浄化槽の優れている点を目で見える形で見せていくべき。
浄化槽の使い方について、理屈を含めながら広報をしていくことが必要。
アンケートの中で下水道の方が良い、法定検査の必要性が理解できない、維持管理費が高すぎるといった回答があることに留意しなければならない。
雑排水対策は常にやらないといけないという意識啓発をしなければならないのではないか。
自治体の広報誌において浄化槽を取り上げるようにすればどうか。
小学校から大学院の水環境工学まで、浄化槽が取り入れられるよう働き掛けるべき。
きれいな水が出ても個人に対するメリットにつながらないことが問題。
ボランティアを志している人材をどのように浄化槽にいかしていくかが重要。
4の浄化槽と汚水処理施設の効率的整備については、まず効率的な汚水処理施設における浄化槽の位置付けについて、次のような意見がございました。
人口が5万人未満の市町村では浄化槽のコストパフォーマンスが公共下水道より良い。浄化槽は、人口減少や高齢化の問題に対応しやすいのではないか。
また、浄化槽の整備に関する方向性について、次のような意見がございました。
面的な整備が特に重要。
浄化槽の面的整備においては、既存単独処理浄化槽の転換が不可欠。
単独処理浄化槽の問題についても、市町村と連携してモデルをつくっていくべきではないか。
 高度処理型浄化槽を付けようとしても個人の負担が高くなるので、個人の負担が通常型と同程度になるような検討をお願いしたい。
5の技術開発については、次のような意見がございました。
維持管理費を消費者に歓迎される水準にしていくことが大事。例えば、汚泥の量を減少させる技術の導入等も考えられる。
方向性は民間に任せるべきではないか。
テーマを絞って競争すべきではないか。また、先導的な開発も必要ではないか。
メーカーを含めて議論する機会を設けることがメーカーにとってもプラスになる。
市場規模を想定した政策や安定性を示すことが研究開発の促進になる。
エンドユーザーがだれなのかを明確にした上で製品開発が必要。
維持管理と製造というソフトとハードが一緒になっての研究開発が望ましい。
IT等を活用できる状況の中で、ソフト部分の技術開発が必要。
地球環境負荷を考えて浄化槽を開発していくべき。
以上でございます。

○加藤委員長 どうも御苦労様でした。委員の先生方も、今、さっと室長の方からの御説明をお聞きになって、なるほど、こんな話があったな、あんな話があったなと、過去数回分の議論を改めて思い起こしていただけたと思います。先ほども申し上げましたように、これをそのまま何かビジョンにするという意味ではなくて、ビジョンをつくるための素材といいますか、そういう位置付けであります。したがって、先生方の御発言になったことを議事録の中から事務局において引き出したというものです。並列的に、いわば機械的にといいますか、並んでいますので、ウェートをつけるもの、それから最終的にビジョンの取りまとめ方の、つまらない非常にテクニカルなことでいえば、見出しのつけ方とか、だれに読んでもらうかといえば、一般の国民の方、政策当局の方に読んでもらうために、専門家のためにつくるというよりは、一般国民や政策当局者、ちょっと簡単に言えば、水をやっている地方公共団体の職員とか、市会議員さんとか、町会議員さんとか、町長さんとか、市長さんとか、それから、もちろん浄化槽関係業界にいらっしゃる方々、そういった方々に、なるほど浄化槽というのは、将来、こういうビジョンといいますか、こういう世界が考えられるんだなということで元気になってもらう、そういう趣旨であります。
 そういう意味で、何か先生方から、この段階で、例えば今日あった議論なんか、この中に、もちろん入っていませんけれども、この段階で少し、あれ、この部分が抜けているのではないかとか、そういうものがあったら、現段階でお気の付く段階で結構ですので。

○須藤委員 本来でしたら、由田部長にお聞きいただきたいと思っていたのですが、今日いらっしゃらないから、ここに関係する部分です。地方行政は、こういうところでいろいろ議論されて、実際にそのことを実現するには時間がかかるのですよね。国よりもっと、5年、10年、うっかりすると20年かかってしまう。必要性はわかってもそのくらいかかるのですね。その一つが、私、いつも言って恐縮ですけれども、窒素・リン除去型の浄化槽なんですね。
 実は、神奈川県は最近、水源環境税を導入しましたね。
 その水源環境税を、全部ではありませんが、窒素・燐除去型の浄化槽の不足分、費用がかかるという、その費用の部分、いらっしゃったからちょうどよかったのだけれども、その費用に充てんするということで、特に津久井湖とか、相模湖、丹沢湖とか、富栄養化して困っているところが随分あるわけです。それに、19年度からは全部窒素・燐除去型浄化槽をやる。その費用は、その税金を使う。環境税を使う。汚濁負荷は山梨県から大体95%ぐらい入ってくるのですが、山梨県の部分も神奈川県の費用を持っていく。どのぐらい正しいかは、私は直接の担当者に聞いたわけではないのだけれども、そうだそうでございますので、詳しくは調べていただきたいのですが、山梨県まで費用を渡してやっていく。そうなると、窒素・燐除去型浄化槽というのが、その湖沼周辺では普及する。
 同様なことを福島県でも同じに考えているのですね。いつも、私、霞ケ浦の話をしているのですが、茨城県も、ただ、税金を徴収してどれだけ賄えるかまで行っていないのですけれども、福島県は多分環境税のような話も、水源森林税ですか、そういうものを使って浄化槽の方にもそれをつぎ込んでいくというような話になっているので、要するに、どこでまとめるかはともかくとして、お金さえ、住民の負担が不公平にならない限りにおいては、必要性というのはわかるし、前回、由田部長は「こんないいものが、どうしてみんなわかってくれないのか」と。わかってはいるのです、本当は。だけど、きっかけになるときの費用が余りにも負担が大きいとか、そういうことがあって、なかなか着手していないというので、今の世の中で起これば、サッサッサッと行ってしまうのですね。そうなると、前からお願いしているように窒素・燐の放流水の水質基準も必要だと、実はこういうような段取りになるのではないかと思って、ちょうど、この18年度、19年度、次ぐらいの年は、その辺の話というのが徐々に出てくるし、先ほどから言っている単独の話なんかも出てくると思うんですが、地方の行政は、最初に申し上げたように、考え出してからいろいろなことをやっていかなければいけないので、システムと制度をつくっていくには、5年とか10年とかという時間を頂かないと、なかなか今の状況ではできないのではないかなというふうに思うのです。そのいい例が、今のような問題ではないかと思いましたので、ここで最近の情報をお話しました。

○加藤委員長 先生のおっしゃりたいことは、早目にいろいろな方向を早く出さないと。

○須藤委員 そうです。繰り返し言っていれば、必ず、正しいことであるなら、みんな言うことを聞きますよ。ただ、費用の問題になると駄目なので、要するに、繰り返し、繰り返しやっていくことが必要で、費用はだれかが考えてやらないといけないですね。それは環境税がいいかどうかはともかくとして、そうなれば、全員がそこへ入れるというのでだからハッピーだと。それで水がきれいになって水道水はおいしくなる。問題がなくなる。こういうことになるのではないでしょうか。

○加藤委員長 なるほど。

○須藤委員 ですから、その必要性を常に強調していくことが必要なんじゃないでしょうか。

○加藤委員長 わかりました。松田さん、それから北尾さんの順序で、どうぞ。

○松田委員 私はごみのリサイクル運動の、さっきみたいなサポーターとしてやってきて、ごみの問題については各地域で、自ら問題解決をしようという方たちが増えてきたのですけれども、どうも、この浄化槽の問題というのは、まだ市民の方たちにも、目がとまっていないので、育て始めたグループを何人か知っていますから、その方のお一人にここへ来ていただいて、実際に市民の声というのを聴いていただきたいなと思うのですけれども。

○加藤委員長 とってもいいアイデアです。

○松田委員 これがきっかけで、ワーッと浄化槽サポーターみたいなものができてくるといいなと思っております。

○加藤委員長 大変いいお考えだと思います。次回ぐらいに、事務局にお願いして、私の知る限りは、確かに浄化槽を使って、かなり頑張っているところとか、正に市民団体とか、そういうのがあると思いますので、そういう方々の御意見を、ここに来ていただいて、お話をお聞かせいただくと、私どものビジョンをつくるときに、バランスのとれた、かつ、先ほどの須藤さんのお話なんかにも合うような、そういうことになっていくんじゃないかなと思っていまして、ぜひ、次回、事務局にそういうことをお願いしたいなと思います。
 北尾さん、どうぞ。

○北尾委員 4ページ目の4、浄化槽と汚水処理施設の効率的整備について、というところの最初に書いてあるところですが、「浄化槽は人口が5万人以下の市町村ではコストパフォーマンスが公共下水道よりよい」ということと、それから、「人口減少や高齢化の問題を考えると、浄化槽はこれらの問題に対応しやすいのでは」というふうな指摘がしてありますが、この5万未満でどうして安いかといえば、5万ぐらいでちょうど下水道と浄化槽の汚水処理原価が同じぐらいだということで、こういうふうな記述がされているわけです。それから、その二つ目の記述というのは、要するに、下水道というのは規模の伸縮というのが機動的にやりにくいけれども、浄化槽はその点、非常に実態に敏速に対応しやすい。そういうことから、人口減少とか高齢化に対応しやすいというふうな評価がされているわけですが、私は逆に、全く反対のことも言えると思うのです。
 というのは、浄化槽の汚水処理原価というのは、たしか二百三、四十円ぐらいで、特環下水道とか、あるいは農業集落排水施設なんかになると、五、六百円もする。だから、半分以下じゃないかということになるわけです。しかし、それは日本の世帯構成が、大体平均3人ぐらいだということですから、平均3人で使っているとすれば、その値段になるとすれば、実は浄化槽というのは一人で使おうが、3人で使おうが、5人で使おうが、全く支出する費用が変わらない。建設費も同じであれば、維持管理費も全く同じ、電気も同じように流しておかなければならない。そうすると、浄化槽を一人で使っているお宅では、1立米700円ぐらいかかっているわけですから、決して特環よりも、農集よりも安いとはいえないということになるわけです。つまり、人口の減少や高齢化が進んでいく中で、平均値としてほかのものより安いからということで安閑としていていいのかということを、私は非常に心配するわけです。
 今まで言ったのは前置きで、それで、一人や二人で使うと非常に高くなるコストのうちで、特に大きな部分を占めているのは維持管理費だ。しかも、維持管理費に関しては、一部の市町村を除けば、設備費のように、公的関与、公的補助というようなものがないというような実態を考えますと、同じことの繰り返しで恐縮なのですが、維持管理費を制度的にも、あるいは技術的にも、もっとコストダウンして、だれもが喜んで浄化槽をつけるというふうな状態に持っていかなければ、この少子高齢化の時代に、私は非常に懸念要素として大きくクローズアップされていくのではないかという心配をしているわけです。

○加藤委員長 ありがとうございます。今、先生から御指摘があった点も、ビジョンの中にどう書き込むか、また後で検討したいと思います。
 では、先に国安さん、その後、河村さん。

○国安委員 先ほどの説明で、健全な水循環の構築における浄化槽の位置付けに関する各意見の最後から2番目に、小規模であるが故に、流量の変動が大きく、安定性がこれからも重要、とあります。例えば、浴槽排水を流した時とか、洗濯のゆすぎ排水の時など、ピーク流入時における放流水質に問題ないのかという指摘は、これからもつきまとうと思います。このような課題に対し、前々回かに確か説明があったと思うのですが、浄化槽の技術開発の方向性として、ハード、装置上のものの他に、管理につながるような製品の開発も必要なのではとの提案があったと思うのですが。その代表が、例えば濁度計を用いた放流水質の常時監視、数百人とか数千人規模以上の集落排水施設ではもう導入され始めているものを、戸建て住宅規模の浄化槽に。汚泥の流失状況については濁度の変化、さらに消毒剤の有無や接水状況については残留塩素計で、監視し、必要に応じて保守点検業者の方が現場に行かれるようなシステム、集中して常時監視できるようなシステムを構築することが、今後、浄化槽の処理性能の信頼性の向上につながると思います。方向性として、このような記述が欠けていると思いますので、追加していただければと思います。以上です。

○加藤委員長 ありがとうございました。河村先生。

○河村委員 これは質問なのですけれども、1ページ目の下から二つ目に書いてある文意が、ひとつよくわからないのです。今後、どういうふうな形で、これがビジョンとか何かにかかわるのか分かりませんけれども、この辺のところが、ちょっと趣旨がわからないということで明確に。

○加藤委員長 それは具体的にいうと、どこですか。

○河村委員 「有害物質でも対処できるならばそれでもよく」云々と書いてあるのですけれども、これは、多分、浄化槽に小規模の許容された産業排水、あるいは事業所排水が入ることは、今現在、可能ですよという議論の中で出てきた話かと思うのですけれども、「有害物質」というふうな表現はどういうことを指しているのかなと思いまして。

○浄化槽推進室長 これは、事業系排水について、現行においては、流入させても差し支えないものを限定列挙する形になっておりますけれども、流入させると差し支えあるものを列挙するいわばネガティブリスト化を行うべきではないかという意見であると理解しております。

○河村委員 もし、委員の中で、この発言をされた御記憶があって、趣旨がわかれば、確認しておきたいのですけれども。

○浄化槽推進室長 事務局から確認いたします。

○加藤委員長 ほかにはいかがでしょうか。木曽委員。

○木曽委員 幾つか、おまとめいただいた中に、特に、これは法定検査とも絡んでくると思うのですが、浄化槽の水質のモニタリングという点では、もっと簡易な指標の導入といいますか、そういうことも、これは法定検査だけではなくて、例えば維持管理をする上でも必要だと思いますので、そういうふうな、その方法の開発も浄化槽の分野でしかできないかもしれないという気がしています。
 それから、最後の技術開発につきましては、前回、多分、汚泥の発生量を抑制するような浄化槽という話も出ていたような気もするのですけれども、それが実際、汚泥の再資源化ということと絡めると、少し矛盾の関係にはあるのですけれども、日本の特殊事情というのも考えれば。

○加藤委員長 維持管理のコストを安くするとか、そういうこととも絡みますよね。

○木曽委員 ええ。そういうのがあったのではないかというふうに思っているのですけれども。

○加藤委員長 ありがとうございました。
 今、木曽さんがおっしゃられた最初の点ですが、これは終始、特に北尾先生から出ているわけなのですね。一体こんなにフルコースで検査をしなければいかんのか、しかも、非常によく維持管理されているものとして、もっと簡易な読み方ができるのではないかとか、これは繰り返し、繰り返し御指摘をいただいて、更に言えば、清掃回数だって、非常にいいものだったら、何も年1回やらなくたっていいじゃないか、省略するといいますか、そういうことだってあり得るのではないか。もちろん、それは制度とも絡みが出てきますので、ああ、そうだ、そうだというわけにはいかないわけですけれども、例えばそういう問題が、さらに皆さんがちょっと議論していく過程で重要な問題が出てくれば、そういった問題の、法制度も含む技術的なあれを、更に別途検討してもらって、そういうものをこの委員会で改めて検討するということもあり得るかなというふうに思っております。それが12月までに間に合うかどうかという問題はちょっと別ですが、そういうのを、とにかく指摘しておいて、新しい、もう少し合理的な検査体制をつくっていく。そうしないと、特に11条検査の相変わらずの低受検率というのは、これは決していいことではないですから、そういうものの改善につながっていくということにもなるかなというふうに思っています。
 部長さん、おいででいらしたのですが、実は、我々、長いこと、部長さんのおいでをお待ちしていたのです。待ち人はなかなか来なくて、結果的に、今何かというと、きょうの議題の1に、この前、由田部長から、我々投げかけられた、これについて、皆さんどう思われますかという、一口で言ってしまえば、浄化槽というのは、こんなにいいものだと思っているのに、ほかの分野に比べて、どうして国民的な盛り上がりが出てこないのか。そういったものについて改めて議論したいなと思って、一応議題を構えていたのですが、たまたま部長さんもいろいろと御用があって、そうかといって、もう時間が過ぎた段階で、これから何か数分で、というのも何ですから、次回ぐらいに、また由田さんがいらっしゃる間に議論を改めてしたいなというふうに思っておりますが、大体それでいいですか。待っていると、なかなか恋人は来ないものでして、待たないとやってくるのですよね。

○廃棄物・リサイクル対策部長 申しわけございませんでした。今、内閣もバトンタッチをしようとしておりますもので。すみませんでした。誠に申しわけございません。今、私のせいで議論ができなかったということになっているようでございますが、御容赦をお願いしたいと思います。今、ちょうど政権も交代しようとしておりまして、現政権下で様々な分野、少し最終的段階にありまして、いろいろ呼び付けられたりしながら、少し調整している身でありまして、宮使いの身ということで、御容赦願いたいと思います。
 前回もお願いしましたように、私自身も浄化槽は20年ぐらい前よりも、更に性能もよくなったように思いますし、ただ、思うだけであって、本当の、どこまで上がるのかという確信を、もう少し持ちたいなという気持ちもしております。是非とも、改めて先生方にも、特に技術を中心の先生方が多いわけでありまして、確信を持たせていただければと思っておりますが、その前提として、特に現在の生活排水処理施設のいろいろな整備というのは、都市部から中山間地へ、はっきり移っております。その中で、なかなか浄化槽を選択するという彷彿としたような状況は、なかなか手ごたえが、私自身が余り感じていられる状況ではありません。実は今年度、昨年度からですが、汚水処理施設整備交付金という、いわゆる下水道と集落排水事業と浄化槽と、予算を集めまして、どれでも使える。とにかく効率がいいと思ったものに切り替えて、それを三つ、予算を出しているのですが、はっきり申し上げて、本当に浄化槽が効率がいいと私も思っておりましたので、残念ながら下水道でたくさんの予算をそこに拠出していただいているんですが、浄化槽で使わせていただいてと、私も少しある意味では心の中でニヤッとしておったのでありますが、結果は今、全く逆になっておりまして、国民的人気がいかにないのかということを、実はなぜなのだろうかと、私は再び自分に問いかけている事態になっておりまして、やや。
 それから今の時代、上から下に、とにかく徹底して物を言っていくという時代ではございません。正直言って、国が自治体に対して、こうせいというような、そういう時代ではなくて、こういう分野に対しても、浄化槽であれ、下水道であれ、同じようなことだろうと思います。いわゆる、国民の中から、特に地域住民あるいは消費者の方々から、ふつふつとして水環境は大事だ、浄化槽はすばらしい、これで行こうという、こういう動きというものが、なぜないのだろうかというのが、私の、いや、本当はあるのかもしれません。是非ともあれば、先生方にも、普段、いろいろな立場からかかわっていらっしゃいます先生方であります。是非とも、ここで披露もしていただけたらと思っておりますし、そうでないなら、なぜそうなっていないんだろうかということを、これまで、特に浄化槽に取り組んでこられた方々が多うございますし、松田先生のように、特に市民活動に随分造詣の深い方もいらっしゃいます。是非とも次回、お聞かせ願えたらと思います。よろしくお願いします。
 すみませんでした、今日は。

○加藤委員長 いいえ、全然。公務ですから何とも。特に小泉内閣、あと数日で変わっていくということですから。
 皆様も、部長の問題意識を改めておわかりいただけたと思います。せっかく、昔風にいうと3省庁から予算を集めてきて、汚水処理の交付金ということでやろうとしたら、部長さんの先ほどの表現でいえば、下水道からお金をたくさんもらって、それを浄化槽に使えたらいいなと思ったら、実はそうではなくて、むしろ逆になりつつあるということで、それは一体どうしてなのだと。別に市民が十分に情報を得て、その中で選んでいるというわけでは、必ずしもないと思うのです。いろいろな行政的な、あるいは政治的な力学によって選ばれているという面もあると思うのですが、しかし、それは、少なくとも初年度における現実だとすれば、もうちょっと変えていく努力といいますか、そういったものをする知恵を頂きたいということだと思います。
 もう予定時間を15分も過ぎていますので、この問題について、改めて、次回以降にしたいと思いますが、次回は、先ほど松田さんの方から御提案のあった、もう少し浄化槽を実際に使用している人の意見も改めて聴いてみたいということで、幾つかの団体ないしは個人も含めて、事務局も考えてくださるに違いないと思っていますので、それも含めて、室長、次回のスケジュールをお知らせください。

○浄化推進室長 次回は10月26日を予定しております。

○加藤委員長 ということで、是非先生方の日程と合わせてやっていただきたいと思います。それで、26日はヒアリングをして、先ほど部長から出ましたような問題をみんなで議論したい。そうすると、大体、一応、私の感じだと、おおむねビジョンに書き込む素材といいますか、材料は出てきたから、それをどういうふうにしてビジョンにまとめ上げていくか、表現の仕方とか、タイトルの付け方とか、小見出しの出し方とか結構大事ですから、多くの人に見てもらうためには、そういうことも少し工夫しながらやっていきたいと思います。
 それでは、今日はどうもありがとうございました。部長さん、お忙しい中、ありがとうございました。それでは、26日にまたお目にかかります。

午後 4時17分閉会