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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
 第18回浄化槽専門委員会議事録

平成18年8月23日

午後 2時00分 開会

○浄化槽推進室長 定刻になりましたので、ただ今から第18回浄化槽専門委員会を開催いたします。
  議事に入ります前に、お手元の配付資料を御確認願います。資料一覧をお手元にお配りしておりますので、資料の不足がございましたらお申し付けください。
  それでは、これ以降の議事進行につきましては、加藤委員長にお願いしたいと思います。

○加藤委員長 どうも皆さんこんにちは。暑い中お集まりいただきまして大変ありがとうございます。また、オブザーバー席の皆様も暑い中大変御苦労様です。今日はなかなか素敵な会場で、日ごろと会場の雰囲気がちょっと違っていますけれども。中身は非常にいよいよ核心にだんだん迫りつつあるなということです。
  今日の議題は二つですね、もう既に皆様の議事次第の中にありますように、一つが浄化槽システムの構築。具体的に言えば汚泥の問題ですね。汚泥の処理、リサイクルの問題、それをまず議論願いたいと思います。それから、二つ目が浄化槽の確立。浄化槽についての、これは長い課題でありますけれども、浄化槽のシステムについてみんなによく理解してもらいたいという普及啓発とかそういった言葉でもよく言ってきましたけれども、そういった問題に関する議論をお願いしたいというふうに思います。
  それでは、早速資料の方、資料1と2になるのでしょうか、これを事務局の方からお願いいたします。

○浄化槽推進室長 まず「循環型社会で自立する浄化槽システムの構築について」でございます。
  資料1は、論点の例でございます。
まず中間取りまとめにもございましたけれども、浄化槽汚泥の処理施設に関する問題がございます。
  また、バイオマスのリサイクルシステム等を組み入れるなど有効利用を考慮した浄化槽汚泥の処理体制を構築することが重要である旨も指摘されています。
  さらに、輸送燃料の消費による温暖化の防止あるいは効率化によるコスト削減等を考慮することも重要である旨の御議論もございました。
加えて、浄化槽汚泥の処理についてPFI事業等により民間活力を活用することも重要であるとの御議論もあり得るかもしれません。
一方、廃止された浄化槽については、3Rの考え方に沿った有効活用等適正処理の方策を検討していくことが重要である旨の御議論もございました。
資料2は、関係する資料でございます。
1ページは、先ほど申し上げました中間取りまとめの抜すいでございます。
「3 浄化槽の維持管理に係る業務の在り方について」の「(3)の浄化槽の清掃に関する意見について」においては、「濃縮車の使用は、汚泥の処理及びリサイクルを行う上で好都合であり、また、処理水の張り水としての利用は省資源化と浄化槽の立ち上がりを早める効果が期待できることから、清掃作業の実施に濃縮車の使用を奨励する行政指導を行うべきではないか」との意見があったという記述がございます。
  また、「4 今後取り組むべき重要課題」の「(5)浄化槽汚泥の処理体制の確保について」においては、「浄化槽汚泥は、一般廃棄物として市町村がその処理全体を管理する責任を有しており、その処理計画に基づき適正な処理を行うこととなっている。また、浄化槽法においても、当該市町村の区域内で収集された浄化槽汚泥は当該市町村のし尿処理施設で処理することが努力義務化されている。さらに、現状を見ると、浄化槽の普及に伴い浄化槽汚泥の量が増加した結果、全国では浄化槽汚泥が計画収集量の約2分の1を占めるに至っている。しかし、一部のし尿処理施設では十分な対応ができず、浄化槽汚泥の受入れを制限するため、浄化槽の清掃を適切な時期に実施できないという指摘がある。浄化槽の適正な清掃は浄化槽の所期の機能を発揮させるために必要不可欠であることから、必要に応じて浄化槽汚泥をすぐに引き出し、運搬できるよう浄化槽汚泥の処理体制を整えることが必要である。さらに、循環型社会を構築する観点からは、浄化槽汚泥のリサイクル技術の開発などにより、地域におけるバイオマスのリサイクルシステムづくりに組み込んでいくことが求められる。」という記述がございます。
  2ページからは「日本の廃棄物処理 平成15年度版」の抜すいでございます。以前も提出しておりますので、かいつまんで御説明いたします。
3ページからのし尿処理の状況を御覧いただきますと、総処理量については、平成6年度において約3486万キロリットルであったものが15年度においては2882万キロリットル余りとなっております。ただ、内訳を見ますと、くみ取りし尿量については、平成6年度において約2156万キロリットル余りであったものが15年度において1362万キロリットル余りと減少しておりますが、浄化槽汚泥量については、1329万キロリットル余りであったものが15年度において1519万キロリットル余りと増加し、くみ取りし尿量よりも大きくなっております。浄化槽汚泥の多くは、し尿処理施設で処理されており、残りは下水道への投入等で処理されております。なお、6ページの注にございますとおり、海洋投入については、平成19年2月から全面禁止となりますが、調査時点においては行っているところもございます。
11ページからは、浄化槽汚泥の処理状況について市町村アンケートを行った結果でございます。
11ページにおいては、その概要が掲げてございます。
まず、処理施設における受入制限及び処理能力以上の搬入については、1日の搬入台数を制限するなど、受入制限を行ったり、制限は行っていないものの日処理能力以上の汚泥を受け入れたりしている市町村があり、なかには現状で問題ないなどとして改善策の検討を行っていない市町村もございます。これらの原因として、下水道の進捗状況を過大に見積もったこと、浄化槽の設置を過小に見積もったこと等が挙げられております。また、くみ取りであっても簡易水洗が増加していること等を挙げている市町村もございます。
次に、処理の状況についてですが、先ほども申し上げましたとおり、汚泥の多くは、し尿処理場で処理されており、残りは下水道への投入等で処理されておりますが、海洋投棄をいまだに行っている市町村もございます。
最後に、汚泥の有効利用についてですが、大部分が堆肥化で、製品について住民に無料で配布している市町村もございます。また、メタン等発酵を行い、そのエネルギーを処理場内で使用している事例もございます。さらに、汚泥処理後の残渣については、焼却している市町村も多く、焼却の際に発電を行っている市町村もある一方、スラグ化し建築資材としている市町村もございます。
  12ページからは、回答のうち4都道府県における市町村からの回答をまとめたものでございます。
28ページは、都道府県別運搬車等台数でございます。浄化槽清掃業者が所有する運搬車等について見ると、いわゆるバキュームカーは2万台余りとなっている一方、中間取りまとめにおいて御指摘がございました濃縮車及び脱水車はそれぞれ100台余りでございます。
29ページからは、浄化槽汚泥の資源化について「月刊浄化槽」から引用したものでございます。メタン回収設備、堆肥化設備、乾燥設備、炭化設備等が掲げられてございます。
31ページは、浄化槽に適用されている濃縮・脱水装置及び移動濃縮・脱水車についてやはり「月刊浄化槽」から引用したものでございます。
まず、「汚泥の濃縮・脱水とは」にございますように、汚泥の含水率を減じると、汚泥容積が小さくなり、運搬が容易になります。一般に含水率を90パーセント前後までに減じると濃縮と、更に含水率を下げると脱水と呼ぶようでございます。
浄化槽における濃縮として、沈殿分離室、汚泥濃縮貯留槽等で重力濃縮が行われてございます。
濃縮・脱水車技術については、浄化槽における濃縮より更に含水率を減じるために3の図に示すように、移動濃縮・脱水車により、濃縮・脱水し、脱離液は、張り水として、浄化槽に戻されています。
32ページからは移動式・濃縮脱水車の原理図が掲げられています。
また、35ページからは、濃縮・脱水機の原理、特性等が詳細に示されております。
37ページからは、PFI事業についてで、内閣府民間資金等活用事業推進室のインターネットサイトからの引用でございます。PFIは、民間が整備した施設を民間が運営するということで、安くて質のよい公共サービスが提供されること等が期待されるなどとされています。
39ページは、循環型社会と3Rについてで、廃棄物等の発生抑制と適正な循環的利用・処分により、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会を形成することが重要であるとされています。
40ページは、循環型社会に対応した浄化槽システムのイメージで、国安委員の論文を基に当省で加筆したものです。浄化槽からの処理水は、便器洗浄、散水、洗車、非常時用水として利用されるほか、健全な水循環の構築に資する放流、地下水の涵養、修景用水等に利用されます。浄化槽からの汚泥は、バキューム車に加え、濃縮車・脱水車により収集・運搬され、メタンガス等エネルギーとして回収されるほか、コンポスト、液肥、活性炭、飼料、軽量資材等として利用されます。
以上でございます。

○加藤委員長 どうも御苦労様でありました。毎回そうですが、大変わかりやすい資料をありがとうございました。
  時間の関係で室長さんが少し御説明を省略された部分についてちょっと私から補足しておきますと。12ページの例えば表なのですが、この12ページの表で行くと、A県というのがありまして、そこに1から35まで番号が振ってあります。この1から35までというのはA県の中の市町村の1という市町村、2という市町村、3という市町村というのがA県の場合は35あってその全体がこうだと、こういうことのようであります。それで、それぞれ有効利用、次に13ページとか14ページとか残渣はどうしていますかとか聞いてきたやつを先ほど室長が御説明になった11ページの方でAだけじゃなくて、もちろんBとかCとかというのも含めて、浄化槽汚泥の処理なりリサイクルに関して特に気の付いた点というものを出されたと、そういうものだというふうに御理解いただきたいと存じます。
  というわけで、冒頭にも私どもが1年前に出しました中間取りまとめの中でも浄化槽汚泥の処理体制というものをきちっとしないといけませんねということは既に指摘しているとおりでありますが、では、実際にどうしていくかということについて今日はまずは浄化槽汚泥の問題についてどういう順番でも結構です。資料1、資料2に則して、あるいはそれを離れても結構ですが、御意見を頂ければと思います。
  須藤先生。

○須藤委員 意見を申し上げる前に質問を、今の説明で質問をさせていただいてよろしいですか。

○加藤委員長 もちろん結構です。

○須藤委員 前回休みましたのであるいはもしかしたら御説明があったのかもしれませんが、もしそうでしたらお許しください。一つは、海洋投棄は確か来年2月からですかね、ロンドン条約で捨てられなくなりますよね。それなのですが、まだ今でも行っているというようなことだったのですが、これは間違いなくそれは間に合うのでしょうかというのが、それから見通しがあるのでしょうかということが1点目。
  それから、2点目は、先ほどA県、B県、C県といろいろ書いてあるのですが、もちろん約束ごとなのでこうなのでしょうけれども、全部どこであるかというのはわからないようにしてあるのですが、それはアンケートをとるときにそういう約束でそうなったのでしょうかということで。本来でしたらAがどこでBがどこだというのを知った方が我々としては考察がしやすいかなと思ったのですが。そういうことが2点目。
  それから、3点目は、先ほど汚泥の運搬のところでバキュームカーでどこかというのがありましたね。28ページですね。これ比率で結構なのですが、バキュームカーというのは原液を運ぶわけですよね。それで、濃縮車、脱水車、それぞれ濃縮したものあるいは脱水したものを運ぶのですが、原液に戻したときに濃縮車、脱水車が大ざっぱに言ったら何倍運べるのでしょうかというのを比率で結構ですから教えてください。それから、それに併せて、これも比率で結構なのですが、コストですね。コストが例えば何倍であるかということですか。この三つについて質問させてください。

○加藤委員長 それでは、まず海洋投入。海洋投入を来年2月でやめるのだけれども、本当に大丈夫かというのが一つですね。

○事務局 お答えさせていただきますと、まず、海洋投棄につきまして、昨年度の調査で対応を検討中というところはわずかにございました。現在、その後の対応については調査しているところでございますが、ほぼできるとの話を聞いております。

○加藤委員長 それならいいです。

○浄化槽推進室長 都道府県名や市町村名を伏していることについては、調査をそのような前提で行っております。

○須藤委員 わかりました。

○事務局 運搬量でございますが、脱水車の方はいろいろ種類があるのでわからないのですが、バキュームカーの1日の処理軒数が4軒ぐらいに比べ濃縮車が6軒ぐらいという資料や論文等もあると聞いております。
  値段の方でございますが、大体バキュームカーを1と致しますと大体1.7、それから、脱水車が3倍程度と、というような比率ぐらいではないかと聞いております。

○須藤委員 そうですか。ありがとうございました。

○加藤委員長 そのうちの1というのは大体バキュームカーの値段大体どのくらいですか、オーダーとしては。300万、500万、800万、どのくらいですか。約1000万、バキュームカーが。

○須藤委員 3000万ということですね、脱水車というのは。そういうことですか。

○加藤委員長 3倍というのはそういうことですね、簡単に言うと。

○事務局 そのくらいです。

○加藤委員長 A、B、C、Dというのは先ほど室長がお答えになったとおりだと思うのですが、ただ特徴のあるところを選んでいますので、何か同じようなところだけをA、B、Cで選んでいるところはないというふうに思っています。そういうふうに私は理解しております。ただ、お名前はちょっと伏せないわけにはいかないということのようです。
  さあ、御質問でも御意見でもどうぞ。河村さん。

○河村委員 濃縮車、脱水車を導入することは先ほどの燃料消費の削減ということで一つの方法かと思うのですけれども、逆にし尿処理施設側から見て余り濃縮されたものを、通常のくみ取りし尿なんかより濃縮されたものを持ってこられること対して懸念というか問題点というのは聞いておられないですか。

○事務局 現実的に濃縮車を使っているところに何件か聞き取り調査をしましたが、一応そこの導入を認めているところにおいてはうまくいっているというふうには聞いております。
  ただ、最初から先生の御意見のとおり、濃縮したものを持ってきていってその処理がうまくいくかという懸念を持っているところもあるという話もまた別途聞いております。

○加藤委員長 濃縮車であれ脱水車であれ、バキュームカーの数が約2万2000台に対して100台オーダーですから本当に1%にもならないと、こういうことですね。脱水車に至っては0.5%以下とこういうぐらいのことですので、まだまだ数は少ないということですね。県によっても全然ない県が、ともに何もない県が幾つもあるとこういうことですね。
  質問なり御意見なり。要は浄化槽、全体的にし尿処理は当然ながら少しずつ漸減していっていると、これは下水道の普及とかそういったことを考えればある意味で当たり前ということですが、その中で浄化槽汚泥自体はむしろ増えていると。それでそれをどう受け入れていくか、また同時に単に処理するだけでなくて最近はそれを有効活用していこう、バイオマスとして活用していこう、さらには3Rとかあるいは地球温暖化対策の一環としても考えなくちゃいけないと、そういうようなことが出てきて、浄化槽から出てくる汚泥をどううまく活用していくかというのが課題であると、こういうことなのですが。そういうコンテクストの中で何か。どうぞ、木曽さん。

○木曽委員 現状、平均的に見て浄化槽汚泥が50%をちょっと超えるぐらいだということなのですが、地域によっては80%を超えているようなところも聞いておりますけれども、そういうことを考えますと、将来的にはほとんどがもう浄化槽汚泥だけというような施設が必要になってくる。そういうときに、今までと同じように、これ浄化槽から離れますけれども、し尿処理という枠内で浄化槽の処理をやるのか、浄化槽の汚泥処理はやはり別の枠組みを考えた方がいいのか、そういうことも今後の課題ではないかなというふうには思っているのですが。これまではし尿がメインで浄化槽汚泥がおまけや添え物だったのが、もう既に逆転しつつありますので。そういう点での浄化槽汚泥に適した処理の仕組みといいますか、そういうものをまた考えた方がいいような部分もあるように思っておりますけれども。

○加藤委員長 そうですね。さらに浄化槽汚泥を下水処理場の方へ持っていくという手ももちろんありますよね、現実にやっている自治体もあると思うのですけれどもね。市町村さんから見れば、下水の方で使おうがし尿処理の施設で使おうが同じことですから、本来ならですね。実際は行政縦割りになっていますのでなかなか現実に難しい問題あると思うのですけれども。そういうトータルとしての浄化槽の処理と、それからそれをうまく有効利用していくというシステムをつくっていくというのはかなり重要だとは思いますけれどもね。
  国安さんなんかどうですか、この汚泥処理、何が一番問題でどういう方向でいったらいいかというふうに日ごろ多分考えていらっしゃると思うのですが、いかがでしょうか。

○国安委員 例えば資料の7ページ目にし尿処理施設数等の推移がありますが、先ほどの説明の中で、6年度から15年度にかけて施設数が100ぐらい減少していますが、処理能力はほとんど変わっていません。だから、1施設当たりの処理能力でみると90ぐらいであったものが100キロリットルと大きくなっており、清掃汚泥を持ち運ぶ距離が長くなってきています。さらに、今、委員長が指摘なさったように下水処理場へという話になれば、より輸送距離が長くなると思います。
そうなってくると、先ほど御説明があった濃縮車や脱水車を、今後より積極的に活用して効率化を図っていかなければ、浄化槽そのものが低コストで建設できるのだけれど、清掃という工程が非常にコスト高になる。例えば、今の汚水処理原価の中では汚泥処理という部分がきっちりカウントされていない部分もあり、汚水処理原価の高騰の要因になる可能性があります。
したがいまして、汚泥処理に関して一番の課題は、濃縮車や脱水車を浄化槽の清掃の工程で、行政上、どのように扱われていくのか。個人的には、積極的に活用するシステム、そういったものの構築を図る必要があると思っています。

○加藤委員長 なるほど。バキュームカーはこれだけの台数があればメーカーとしてもいろいろとつくる意味といいますかマーケットがあるということになるのだと思うのですが、濃縮車とか脱水車ということになるととにかく100台、日本全体で見ても100台とかというオーダーではなかなかつくる方が大変だと思うのですが。メーカー的には問題ないのですかね、何か、やろうと思えばできる体制というのはあるのでしょうかね。

○国安委員 既に、下水道や農集の分野では相当数使われていると聞いています。

○加藤委員長 そうか。

○国安委員 先ほど須藤先生から御指摘があった中で、含水率だけで計算すると99%の汚泥を濃縮し95%にすると5分の1に、更に80%まで脱水すると20分の1の割合となるのですが。先ほど足立さんから御説明があったように、腐敗している汚泥、浄化槽の流入部にたまっている汚泥などは濃縮し難い性状なので、そのままくみ出されています。そのままくむ部分と濃縮する部分があるので、結果的に従来のバキューム車に比べ2から3倍運べるということだと思います。もう少し積極的な導入を図れば、今使用されてもの以上の性能のものが開発される可能性もあるので、より輸送効率を上げることは可能だと思っています。

○加藤委員長 なるほど。汚水処理原価の中には輸送コストは入ってないのですか。

○国安委員 いや、清掃料金として入っていますが、最終的な処理、し尿処理場における処理コストが入っていません。環境省が公表されている日本の廃棄物処理の中で1人当たりのし尿処理事業費が6,500円程度であることから推算すると、汚水1立米当たり90円程度の経費がかかっていることになり、し尿処理場における処理コストを加算しても、汚水処理原価はそれほど高い値にはなりません。

○加藤委員長 はい、ありがとうございました。
  ほかの先生方、いかがでしょうか。浄化槽汚泥の問題というのはいくらシステムがよくても汚泥の処理のところでつまずけば、トータルシステム全体としては余りよくないということになりますからかなり重要な問題だと思うのですが。いかがでしょうか。
  吉田さん。

○吉田委員 技術的な面では素人なのですけれども、循環型ということが今日はテーマですので、私が知っている例ですと、汚泥の堆肥利用というのではこれは下水道の汚泥の堆肥利用を私の札幌の近くの厚別の処理場の横でやっているのですけれども。これ一番問題なのはやはり焼却した方が安いということで、下水道汚泥の堆肥利用が非常にコスト高になっているというのが一つ指摘、私が調べた例ではあるわけです。
  それから、もう一つは、これは御存知だと思いますけれども、水俣のチッソの子会社がRBSというのを造ってし尿の堆肥利用のシステムを造っていて、これは今日のテーマでもあるPFIでやっているわけです。それで、私は経営の方の関心で、一番のポイントはどこかと聞いたら、やはり処理水を下水道に流せるというので非常に排水コストにものすごくかけなくてもいいので成り立っているということと、PFIはやはり事業者側にリスクをかなり背負わせているので、相当いろいろな計算をして長期的にどうなるかとか、海洋投棄の規制がどうなるとかいろいろなことを考えてやったということと、それから、あそこは特殊な事情があって、チッソが地元に対して貢献しなきゃいけないということで相当技術開発をやってそれでやったということで、私もそこでできた堆肥を北海道まで私のところまで送ってもらって家で使いましたけれども、それなりの効果があると。それでこの前も行きましたら、やはり地元にかなり安く使ってもらうということで地元の農業に使ってもらうということで、それなりの循環を考えたシステムをつくっていて。基本的にはし尿処理場なのですけれども、一部浄化槽の汚泥も入っているようなことを言っていましたけれども。
  ポイントは要するにいかに安く、排水を下水道に流せるので安くしているということと、それから地元にできるだけ循環利用してもらうようなシステムをつくるということで、それはそれなりに水俣の環境再生事業としても位置づけられていて、私自身は非常に感銘した例があるのですよね。これはちょっと参考までに。

○加藤委員長 ありがとうございました。そのPFI事業はもう既にやっているわけですか。

○吉田委員 やっているわけです。もう3年ぐらい動いているのではないですかね。

○加藤委員長 そうすると、PFIというのができてまだ間もないですが、できてすぐくらいに取り組んだということですかね。

○吉田委員 すぐやったのだと。

○須藤委員 先ほどは質問したのですが、少しあるべき姿を今度は申し上げてよろしいですね。吉田先生おっしゃるそういう地域的に、この問題は地域によって非常に需要が違うので地域の特性に合わせて、これをまずはバイオマスとして活用するというのはよろしいですね。この汚泥はまずバイオマスであるということで活用するのならば、ここは全国版での議論を恐らくしなくちゃいけないのでしょうが。そのときに方向性としてやはりこれをバイオマスとしたら堆肥にするのか、それからバイオマスとしての例えばエナジーソースにするのか、大きく分ければそんなもんでしょうね。そうなると、今まで大体堆肥化なのですよね。堆肥化は計算してみると、今畜舎の廃棄物ぐらいで日本の堆肥は全部まかなえるのですよね、窒素、リン酸、カリを言うと。そうすると、何となく食品廃棄物であれ何であれ、みんな堆肥、堆肥と言ってるのは、もしそう実現したら日本中堆肥だらけになっちゃいますよ。そうなると何が大切かといったら、それをどういうふうにエネルギーに変えていくか、変換していくかということで、それがやはり私は再生可能なエネルギーとしての重要な問題なのです。
  浄化槽の問題は一番問題なのは小さいやつがいっぱいあるわけですよね。結局、バイオマスエネルギーの一番問題は何かと言ったら、要するに面的に発生して、運搬と収集に金がかかりすぎると、あるいはエネルギーもかかっちゃう。それをやるのがすごく大変じゃないですか。それなので、そこをどうするかというところが非常に問題なので、小規模分散のエネルギーの生産と消費を考える。要するに地産地消と言ったらいいのですかね、地産地消を考えていくということで。余り堆肥に偏りすぎるというのは全国版の議論としてはよろしくないのではないですか。

○加藤委員長 チッソ型になってしまいますからね。

○須藤委員 そうなのです。それで、結局は下水汚泥もそうなのでしょうけれども、最終的にこれを再生利用するとしたら、まあ、例えばメタン発酵と言っても後の廃液の問題があるし、水素で、最終的には水素電池か何かの水素の供給源にするとかいろいろ将来の問題としてはあると思うのですね。あると思うのだけれども、余り堆肥にこだわらないで、エネルギー問題の方にシフトしていくのが全国版の議論としては大切なのかなという気はしますが。ただ、小規模分散なのでそこをどうエネルギーの、エネルギーというのはできれば集約した方がいいのでしょうが、そこがちょっと大きなポイントなのだろうなという気がしています。
  というので、バイオマスとして活用するのですから、それは混合して使うとか。例えば、私今地球環境のことをいろいろお手伝いしているのですけれどもね。石炭の火力発電所での利用がものすごく増えているのですね、その中に混焼するとか。エネルギーがありますから若干はプラスになるでしょうから、いろいろなことを考えて少しエネルギーの方の問題にとらえていったらいかがでございましょうかというのが私の意見です。

○加藤委員長 なるほど。ありがとうございます。
  山本先生、今、須藤先生からお話になったような問題というのは廃棄物学会あたりでは何かシステム的に議論とか検討はされているのでしょうかね。

○山本委員 廃棄物学会としては答えにくいのですけれども。個人的なのでよろしいですか。

○加藤委員長 はい。

○山本委員 私も須藤先生のおっしゃるとおりだと思います。やはりこれからエネルギー利用ということを考えるときに大規模集約して運搬するということと別の道もつくらなきゃいけない。ただし、今ある施設の有効利用ということもありますので、全部が全部取り替えとかそういうことはないはずなので。今ある施設の有効利用、それはし尿処理施設の有効利用プラスもしかしたらほかの下水道等関連の施設の有効利用かもしれません。そういうのを幅広くとらえながら、次のほかのパスを造り出すということがやはり必要だろうと。エネルギーを有効に利用していく場合にはそういういろいろなパスを造っていくことが必要だろうと私も思いますので、須藤先生の御意見には賛成です。

○加藤委員長 ただ、そのエネルギー利用の技術的な可能性といいますか、非常に水分が高い汚泥をエネルギーとして有効に活用していこうという技術的なめどというのは大体できつつあるのでしょうかね。

○山本委員 ですから、いろいろなパスと申し上げているのは、例えばメタン発酵の場合には付随する窒素の問題というのがあります。特に小規模なところでの窒素除去の問題というは今はかなり厳しいところであると思います。ただ、技術というのは進歩しており、窒素除去にしても本当に好気性のものでいわゆる硝化をしてから脱窒しなきゃいけないのかということになると必ずしも今そうでもないわけです。濃度の薄い方でも新しい窒素除去技術がものすごい勢いで開発されているのですね。ですので、そういう技術の進歩とあいまってそういうものを解決しながらメタン発酵系でエネルギー回収するという技術は、当然水ものですからむしろそっちの方が得意なはずで、水ものは水で勝負するということはいいはずなのです。別に技術的に特段の問題がその面では発生するはずがない。ただ、附帯的にいろいろなことを考えなきゃいけないということだと思いますが。

○加藤委員長 なるほどね。
  北尾先生。

○北尾委員 毎度同じようなことを申し上げているようでどうも恐縮なのですが。

○加藤委員長 いやいや、何でも。

○北尾委員 私はこの浄化槽汚泥のし尿処理施設への搬入制限とか、それから受入拒否とかそういうことが実態としてあるということを私も耳にしておりますが、その一方では、以前から申し上げているように、清掃というのが過剰に行われるというのが私の意見なのですよ。ですから、そのあたりの適正化を図ればこの受入制限の問題というのはかなり緩和されるというかほとんど解消するのではないかというふうに思いますので。要するに一言に言えば言いたいことは、必ず年に1回清掃する必要はなかろうということです。
  そういうことをやってどのくらい効果があるかということはある程度定量的に見当をつけた上でさらにそういうことではどうにも対処しきれないものがあるのなら、それはそれとして施設の新設なりあるいは新しい処理体系なりということへ進むべきでしょうけれども。実態としては結局水ばっかり運んでいるというようなこともあるので、それが結局は燃料消費とか地球温暖化とかそういうこと、あるいはコストの問題、いろいろなものにつながっているわけですから。やはりそこのところを見直すということが一番根底にあるべきだと私は思います。

○加藤委員長 つまり、適切な清掃回数というものを、何か全国一律的だとかそういう画一的なとかではなくて非常に考えるべきだということですかね。

○北尾委員 地域的な問題よりもやはり個々の浄化槽の使用の実態に応じて清掃があるべきだというのが私の意見です。

○加藤委員長 なるほど。これはまた非常に重要な問題ではありますね。今の法律では清掃年1回と法文上書いてありましたかね、確かですね。そこに関係する話でもありますので。これはまたゆっくりと議論しないといかん問題の一つですね。ありがとうございます。
  ほかにどうでしょうか、この浄化槽の汚泥について。先ほど木曽先生がおっしゃったのは、し尿処理場に今までは持って、今も持っていっているわけですね、大部分が。下水処理場の方へ持っていっているのも多分あると思いますけれども。だけれども、もう量的に言うとむしろ浄化槽汚泥の量が増してきている地域がたくさんあるということになると、今までのし尿処理施設での処理というのが適切かどうか。それを浄化槽専門の受入施設みたいなのを仮につくっていく、あるいはもちろん先ほど山本先生おっしゃったように、既存の施設は使いながらうまく利用しながらということですが、技術的には何かプロセスを変えなくちゃいけないとかそういうことは発生するのでしょうかね。

○木曽委員 例えば窒素だとか燐だとかの負荷に関して考えてみますと、やはり浄化槽汚泥は圧倒的にし尿に比べて低いですから、やはり窒素除去だとか燐除去に対する施設、現状の施設は過剰でありますし、またそこで燐回収を試みようとしている部分では逆に非効率になってしまう、浄化槽汚泥が入れば入るほど。だから、そういうところはむしろ浄化槽汚泥を外して浄化槽汚泥単独の処理をした方が、し尿そのものの量が減るという問題あるのですけれども、そういうふうに浄化槽汚泥が入ることによって若干不合理になっている部分もありますので、そういう部分をもう一度区分けをして、どういう処理の方法があり得るかというようなことを考えてみるのも一つの課題ではないかとは思っております。

○加藤委員長 それから、先ほど何人もの先生がお触れになっていらっしゃるように、その処理する場所に運んでいく距離のことを考えなくちゃいかんですね。余りものすごく遠いところまで持っていくと、しかも数が多いですから、小さなバキュームカーで何十台でもって遠い距離を運ぶというのは別の問題が発生しますわね。コストの問題、エネルギーの消費の問題。ですから、やはり適当なところにきちっとなければ、地産地消という言葉ややそれに近いようなイメージもまた必要になるかもしれませんね。かなりシステム的に設定、地域的に設計していかなくちゃいけないという問題がありますね。
  ただ、これは一般廃棄物だから地域間は余り移動させるということもまた難しいと、廃棄物処理法上の規定もあるということでなかなか難しい問題があるやに思いますけれどもね、制度に絡む問題が。
  その辺は国安さん、この業界の人たちというのは大体どういう懸念を持ってらっしゃるんですかね。こういう問題を実際やってらっしゃる皆様方からすると。

○国安委員 輸送の効率化に関して、非常に関心を持たれていると思います。

○加藤委員長 その効率化をどうしようということですか。

○国安委員 具体的には濃縮車や脱水車の導入。

○加藤委員長 を使っていこうと。

○国安委員 ただ、その場合、これまでの浄化槽汚泥の収集運搬の中での位置付けというものが、下水道の分野ほど明確にはなっていない部分があると思います。そういった部分をもう少し制度上どう扱っていかれるのか、きっちりと示していく必要があるのではないでしょうか。

○加藤委員長 今の制度上きっちりするというのは、例えばどんなことですか、具体的に。例えばです。

○国安委員 濃縮車を用いて現場で余り濃縮しすぎると、し尿処理場で、従来の浄化槽汚泥受入槽だと、汚泥濃度が高すぎてポンプアップできないという問題が生じることがあります。それならば受入槽ではなく、処理工程の途中、例えば汚泥の濃縮工程に放り込めば問題がないのではとの指摘があるように、要は収集運搬方法に見合った受け皿が用意されていないという問題があること。
さらに、現場で濃縮作業をすることについて、汚泥処理施設なのか清掃機具なのか、そういう部分の取扱いが市町村によって違っている話を聞いています。そういったあたり、どういう取扱いをされるのかがポイントだと思いますが。
これからも浄化槽の清掃をしっかりとやっていこうと考えられている業者の方々は、輸送の効率化を考えて濃縮車や脱水車を導入したいのだけれども、行政側の対応が適切でなければ、先ほどお話があったように決して安いものではありませんので、躊躇されています。導入したいのだけれど、行政が明確な方針を打ち出さない、そういうジレンマを抱えている業者の方々が最近増えていると思います。

○加藤委員長 なるほど。制度に係る問題がもしあれば、それはまた変えていかなくちゃ、今日はもちろん部長さんも関課長さんもいらっしゃるから必要に応じてそれこそ変えていかなくちゃいかんと思うのですが。それが本当にネックであって、浄化槽のスムーズな処理なりリサイクルを阻害しているものがもしあればそれは変えていかなくちゃいけないと思うのですけれどもね。ですから、そういったことも含めてそれこそ浄化槽ビジョンの中に書き込んでいかなくちゃいけない問題かもしれませんね。
  その辺についての情報を少し収集してくださいますかね。

○北尾委員 浄化槽汚泥は必ずしもし尿と抱き合わせでなくても独立した処理体系が場合によってはあってもいいのではないかという意見とちょっと関係するのですけれども。大分以前に浄化槽汚泥の中継基地のようなものを造って、要するに薄いまま遠くまで運ぶのはもったいないですからね、中継基地のようなものを造ってそこで例えば濃縮とか脱水をやって、それをもう一つ大きな処理施設へ運ぶというような構想を打ち出したことがあるという私は記憶があるのですけれども。あれは実施に移されてないのでしょうか。どなたか御存知の方があったら教えていただきたいのですけれども。

○加藤委員長 ちょっと聞いてみましょう。どうですかね。浄化槽に詳しい部長さん、何かそういう話は。

○廃棄物・リサイクル対策部長 私は知らないです。

○加藤委員長 そうですか。議論はあったけれども構想倒れに終わったのかどうか。足立君あたりはどうですか。聞いてらっしゃいますか。聞いてない。
  そうすると、何人かの先生が議論はあったということですので、議論はあったけれども、残念ながら。仮に今、北尾先生としてはそれは検討に値するというふうに思ってらっしゃるわけですね、もちろん。

○北尾委員 少なくともそういう案を出したときはそれは価値があると思って出したはずなので。やはり輸送燃料とかそういう問題というのが大きくクローズアップされるようになってきましたから、もう一度そういうものを考えてみるのも一つの方策じゃないかというふうに思っております。

○須藤委員 もう一つ質問していいですか。

○加藤委員長 どうぞ。

○須藤委員 これも私が聞き漏らしているのかもしれませんが、今汚泥を循環するという議論をしているわけですが、現状で全体の発生量のうち、今し尿と浄化槽汚泥が混ざっているのですが、リサイクル率というのは何パーセントぐらいなのでしょう。それがそれぞれ多分エネルギーは余りないのだろうと思うのですけれども、堆肥に何パーセント、エネルギーに何パーセント、それから最後多分埋立てか何かに使っているのだろうと思うのですが、埋立てのうち、焼却してから埋め立てているのか、あるいはそのまま埋め立てるのかという割合は今まで教えてもらったのだったでしょうか。それともそれ全体をつかまないと今後の展望どうするなんていうのは。

○加藤委員長 おっしゃるとおりですね。

○須藤委員 その辺のところをもし、不勉強であるならば教えていただきたいし。それから、新たにまたデータを収集しなくちゃいけないのだったら、それこそ大ざっぱでいいのです、こういう値は。そうすると我々が今度何をすべきかというのがわかるので。それがわからない話でこうあるべきだ、あああるべきだと言ってもしょうがないので、そこだけもう一回、すみません、質問させてください。

○加藤委員長 大変結構な質問ですね。どうでしょうか、それは足立さんあたり。今の須藤先生からの御質問。今はないと。ただ、それは非常に大事なことではありますね。今現在し尿汚泥なり浄化槽汚泥が年間何万トン発生していて、そのうち有効に利用されているもの、例えば堆肥に回っているものはどのくらいで、あるいはエネルギーに使われているものはどのくらいで。それからあるいは焼却した後埋立てになっているものがどのくらいとか、そういう数字ですね。事務局が今すぐ、わかりますか。

○浄化槽推進室長 把握できておりません。

○須藤委員 トータルとしてつかまないといけないのではないですか。

○浄化槽推進室長 ええ。

○加藤委員長 そうですね。

○浄化槽推進室長 アンケートにおいても照会しているところですので、まとまれば御報告いたします。

○須藤委員 その上でまたこの議論しないといけませんよ。これは将来の方向ですから。

○加藤委員長 そうですね。重要な議論だと思いますね。確かにおっしゃるとおり、全体像をつかむ必要は大いにありますね。
  そのほかいかがでしょうか。
  私が理解する限り、先生方の御意見を聴いている限りは、やはりこの汚泥の問題というのは一つの重要な今後浄化槽がどう発展していくかということの非常に大きなボトルネックというよりはむしろ場合によっては使い方いかんによっては正にジャンプ台になるものでもあると思うのですね。下水道だって下水道の発生汚泥の処理をどうするかというのは非常に長年苦労してきておられて、今でも苦労していて、単に技術的な問題よりもむしろコストの問題かと、それから最近の有効利用とかそういった資源化とかそういった観点で非常に苦労されていて、先生方おっしゃったように、例えば石炭火力発電所と混焼しようとかいろいろなことが現になされているわけですね。試みがされている、私が知る限りでもそういうことがあると。
  この浄化槽から発生する汚泥ないしはし尿処理場から発生する汚泥をどう活用していくかというのも非常に重要で、単に安全に処理するというだけでなくて、有効活用という点からかなり重要だと思いますね。そういう意味で、繰り返しになりますけれども、先ほど須藤先生の御質問にあった、今現状で大体大きくどういう状況にあるのかというのを、大きくつかんでおくというのはどうしても必要ですね、確かにですね。これは事務局の方に何らかの形でそういうデータを取りあえず現状でわかる範囲でいいから次回ぐらいまでに出していただければと思いますね。
  ほかに浄化槽汚泥に関連して何か御意見なり。はい、部長さん。

○廃棄物・リサイクル対策部長 ちょっと一つ木曽先生に御質問させていただきたいのですが。さっきの浄化槽汚泥とし尿とをそろそろ別に処理をしてはどうかという御提案のように承ったのですが。ちょっと今私も現状の状況それほど詳しいというわけではないのですが。かつてし尿処理施設を整備するときにもともとの姿が20倍希釈からスタートをしまして、それから10倍希釈法に変わってきたと。それで、その10倍希釈からさらに低希釈法に向かっていったはずなのですが、技術は。いずれにしましても20倍ということはないにしましても、近年の整備されている、大体し尿処理場15年から長くて20年ぐらいで更新をしてきていますから、私の承知しているし尿処理場はかなり更新がされて新しいもの、承知していないものが多いのかもしれませんが。そうしますと、希釈水としてかつては浄化槽汚泥が増えてくるにつれて、希釈水の希釈度合いを減らしながらそこをうまくコントロールして、いわゆる維持管理の問題として確かし尿処理場側は対応してきたというのが確か、若干用いている技術によって違うのかもしれませんが、そうだったと思うのですが。今はそこは浄化槽汚泥を例えば過半数を占めると、前は希釈水がわりのようなことにはもうならなくて、根本的に改めてないといけないというようないわゆる室内実験学的、実験的な研究の成果として何かそういうものをお持ちかどうかということをお聞きしたいのですけれども。

○木曽委員 私自身がやっているわけではなくて、むしろ河村先生の方が最近のし尿処理施設の設計等についてはお詳しいだろうと思うのですが。私が少し聞き及んでいるところでは、最近の新しいタイプは非常に希釈率が低い。むしろ無希釈で、膜を導入しているところなんかは無希釈で処理をすると。そういう中にも浄化槽汚泥の割合が70%を超えるというような施設もあるように聞いております。
  そういう点では浄化槽、本来的にし尿の無希釈処理に近い状態でも浄化槽汚泥が入って来る限りは受け入れざるを得ないと、こんな状況で実は設計がされているように思っておりますので。むしろ従来の希釈倍率の調整という観点が必ずしも今は入らずに浄化槽汚泥を受け入れているのが現状、新しい施設設計ではそういうことになっているのではないかというふうに感じておりますけれども。

○廃棄物・リサイクル対策部長 すみません、しつこくてごめんなさい。いわゆる浄化槽汚泥も予測しているはずですから、し尿処理場側ではですね。そうすると、7割、8割あるいは実質的に9割ぐらい浄化槽汚泥になりそうだという場合には無希釈法をやる場合もいわゆる浄化槽汚泥側に合わせて設計しているというのが普通の私は常識だと思っていたのですが、そこは違うのですか。河村先生、教えてください。

○河村委員 私も詳しくは知りませんけれども、一つは浄化槽汚泥が非常に多くなったときにはいわゆる固形物を先に取って、その後を水処理の方に回すというような形の浄化槽対応型の膜分離を入れたような施設もあります。そういうところでは恐らくプロセス用水だけが希釈水だということであえて希釈のことについては検討してないのかなと思います。
  それとちょっと話がずれますけれども、最初私が御質問したことにかかわるのですけれども、その浄化槽汚泥を主体にしたときに、一つは濃縮車とか脱水車というのを仮にかなりの部分に導入すると、恐らく今度は数%の固形物を入れなきゃならなくなる。今のし尿処理施設は基本的に固形物1%とかBOD1万をベースにして造っていますけれども、濃縮車なんかかなり入って来てそれが2万、3万とかいうものが出てくるようになると、恐らく今のし尿処理施設の技術では多分対応しにくいだろうと思います。そこで希釈をして従来のし尿処理施設でやるのか、あるいは完全に濃くなった濃度の汚泥を対象とするような汚泥対応施設を造るかですね。ちょっとその辺のところは将来的には濃縮車とか脱水車が導入してきて、なおかつくみ取りし尿の量が減ってくると、施設のシステムを考え直さなきゃいけないことと、社会のシステムということがリンクするような、リンクさせなきゃいけないような時代が来るのではないかというのがちょっと懸念されます。

○加藤委員長 北尾さん。

○北尾委員 ちょっと余計な口出しするようですけれども、浄化槽汚泥の非常に多いところではもう既にその一つのし尿処理場の中で浄化槽汚泥の専用ラインというのがあるのです。つまり数字で例えて言いますと、仮に浄化槽汚泥が9割としましても、し尿と混ぜちゃうとBODが数千というようなものになっちゃうわけですね。ですから、一とおりずっと処理をしていかなきゃならないわけですけれども。浄化槽汚泥だけを専用のラインで固液分離しましたら、もうそれは数百以下の汚れになっているわけですから、1工程飛ばせるわけですよ。つまり、1次処理、2次処理とあるうち2次処理から行けるという意味で非常に分けて収集することができればそれだけの合理性があるわけですね。分けて持ち込めない場合については先ほど来話が出ている膜処理とかいろいろな考え方があるのでしょうけれどもね。あるいは固液分離してとかいろいろあるのですけれども。分けて持ち込めるということであれば、やはり最終的な受入れの側でも合理性があるわけです。
  ですから、それが同じ場所でたまたまやっているというだけのことであって、別の場所でやっても一向に不思議はないわけで。それによって非常に処理の合理性というのが生まれてくるわけですね。ただ、現状のし尿処理施設というのは以前からあるものを有効にそのまま使っているからある施設で無理やり入れなくてもいいようなものをまで入れているというようなことになるのではないでしょうか。

○廃棄物・リサイクル対策部長 ありがとうございました。

○加藤委員長 はい、ありがとうございました。いずれにしましてもこの汚泥の問題……、山本先生。

○山本委員 今、北尾先生と須藤先生のお話、前に出てきたところで言うと、汚泥に関する技術としてまとめるときに、汚泥を何とかしなければいけないからということで濃縮、脱水を入れたり、あるいは施設を別に考えたり、あるいは有効利用の施設を既往の施設を改善したりということは議論が出てくると思うのですけれども。それともう一つ並行して、場合によっては汚泥を出さない技術も大切ですね。収集するのが合理的ではない、そういうような浄化槽も別に考えなきゃいけないことであって、すべて同じような議論で全部の浄化槽を扱うということ自体少し危険だと思いますので。そういう部分も一つ入れて議論していくべきだと思いますね。

○加藤委員長 いろいろと汚泥の処理の問題ないしはさらにリサイクルの問題、リサイクルといいますか有効利用の問題ですね、バイオマスエネルギー、多分エネルギーとして、須藤先生おっしゃるように堆肥ばっかりでは日本は窒素過多、燐過多になってしまいますのでエネルギー利用ということに。まして地球の温暖化のことなどを考えるとなおさらエネルギー利用ということになっていくのだろうと思うのですが。いずれにしてもどういうシステムでやっていったのが一番いいのか。
  それから、それをやろうとした場合に、例えば北尾先生がお触れになったように、そもそも浄化槽の清掃というのは年1回必ずやらなくちゃいけないのですかという問題もあるし、これは制度に係る問題でもありますし。それから、濃縮車だかと脱水車というものを、これは一体処理施設と見るのかどうかとか、そういう廃棄物処理法の想定問答みたいな世界かもしれませんけれども、そこはきちんと整理をしなくちゃいけない問題もあるかもしれませんね。そういうことをきちっとやっていかなくちゃいけないかなというふうに思いますね。これはなかなか深い問題で、きょうはとてもここだけで結論出ませんけれども、浄化槽ビジョンを暮れぐらいにかけてまとめていくときにはもうちょっときちっと整理をするなり、場合によっては更に専門的にこの問題をもう少しきちっと検討必要になるかもしれませんね。そういうような印象を受けました。
  汚泥の問題いろいろとあると思いますが、きょうはもう一つテーマがございますので、そちらの方に取りあえず移っていただいて、また後で時間があったらもし汚泥の問題でコメントなり質問があったらまたそちらに帰るとして。資料3と4になるのでしょうか、今度は。それについて室長の方から御説明ください。ついでに資料5についてもちょっと触れておいてくださいますかね。5はちょっと違う問題ではあるかもしれませんけれども。

○浄化槽推進室長 資料3及び4は、環境保全活動における浄化槽の確立についてでございます。
資料3は、論点の例でございます。
まず、一連の御審議に当たって部長から申し上げましたとおり、地域住民が参加できる汚水処理システム、地域住民一人一人が環境保全に取り組む手段としての浄化槽という位置付けをどのように考えるかということがございます。
また、浄化槽の適正使用が環境保全へ貢献するということに関する普及啓発について御議論があり得るかもしれません。
さらに、ボランティア、NPO等の環境保全活動と連携を強化すべきではないかという御意見もございました。
加えて、行政のみならず浄化槽関係者自身の取組についても御議論があり得ると考えます。
資料4は、関係資料でございます。前回までに提出した資料もございますので、かいつまんで御説明申し上げます。
1ページからは、環境問題への意識についてでございます。
1ページは、日ごろどの程度環境問題を意識していますかという質問に対する回答で、16パーセント余りの方が強く意識していると、更に62パーセント余りの方が意識していると回答されています。
3ページは、家庭における環境保全の取組で、73パーセント余りの方がリサイクル、分別収集に協力すると、56パーセント余りの方がてんぷら油や食べかすを排水口から流さないと回答されています。
4ページからは、ボランティアについてです。
4ページ及び5ページは、社会福祉協議会が把握している全国のボランティア活動の状況で、社会福祉に関するボランティア以外のボランティアも対象としております。ボランティア団体数、団体所属ボランティア人数、個人ボランティア人数、ボランティア総人数ともに増加しております。
6ページは、同様に主なボランティア活動の内容で、環境に関する活動は、福祉活動に次いで多くなっております。
7ページは、参加したいボランティア活動で、内閣府が調査したものです。環境の保全に関する活動については、参加したいと回答した人が最も多くなっております。
8ページからは、浄化槽管理者に対するアンケートで、埼玉県浄化槽協会が平成17年度にアンケート用紙500枚を下水道供用開始区域外の住民及び「浄化槽設置者講習会」の出席者に配布して回収した結果です。
浄化槽全般についての意見を見ると、環境を守るために小型浄化槽は有効な装置だと思うかという質問に対して「はい」と回答した方は、一般住民で33パーセント余り、講習会出席者で72パーセント余りとなっています。また、環境を守るためには、浄化槽よりも公共下水道が優れていると思うかと質問に対して「はい」と回答した方は、一般住民で73パーセント余り、講習会出席者で40パーセント余りとなっています。さらに、なぜ浄化槽を使わなければならないのか理解できないと回答した方は、一般住民で約40パーセント、講習会出席者で3パーセント余りとなっています。このほか、9ページの9を見ると、浄化槽の維持管理は業者に任せているのであまり関心を持っていないと回答した方は、一般住民で43パーセント余り、講習会出席者で7パーセント余りとなっています。
11ページからは、普及啓発に関する取組の例でございます。環境省はもとより、教育センター、全浄協、全浄連、システム協会等においても、多様な取組が行われているところでございます。
また、13ページにございますように、浄化槽の日においては、各団体により協力した取組が行われているところであり、14ページからございますようにございますように、これは、全国各地においても同様でございます。
一方、浄化槽の使用については、16ページにございますように、環境省関係浄化槽法施行規則に準則が定められております。
これらを含めた留意点については、17ページにございますように、地方公共団体、指定検査機関等のインターネットサイト等に掲載されております。ただ、専門家との密接な連携、専門的な知識や経験が必要でない部分における確認や清掃等については、あまり周知されていないようであります。
18ページからは、一部の地方公共団体、指定検査機関によるインターネットサイトの例を掲げてございます。
なお、資料5は、前回の委員会において、維持管理の変遷についてお尋ねがあったことを踏まえ、基準等の変遷を御紹介したものでございます。
以上でございます。

○加藤委員長 ありがとうございました。
  というわけで、浄化槽、この2番目の議題につきましては少し幅広いのですが、要は浄化槽のシステムとしてみんなによく理解されて、そしてここに下水道なんかと違って、間違いなく各使用者が、簡単に言えば各家庭がとかそういったところが浄化槽の維持管理にも、程度の差こそあれ参加をすることが期待されているわけですし。その関係で、やはりなぜ浄化槽というのはどんなものなの、なぜ処理ができるの、うまく処理するためにはどういうことをしたらいいのか。例えば家でどういうことをやっちゃまずいのとかそういうような知識なりそういったこともまた知ってもらわなくちゃいけない。さらにそれを役所と業界だけでやるのは大変ですから、ボランティアとかNPOとかそういう方々の積極的な参加といったものも期待されると。そういうトータルとして浄化槽というものが国民に理解され、そして非常にユニークな生活排水処理システムとして発展をしていくのではないかと、こういうことなのですけれども。
  これに関して今後も私ども更にこの分野を強化するために、過去も何度も議論してきていますけれども、重要な課題が何かといったようなことについて御意見いただければと思います。
  須藤さん。

○須藤委員 意見はまた後に述べるとして質問をまずさせてください。

○加藤委員長 どうぞ。

○須藤委員 浄化槽についての環境保全活動というのはほとんどというか全く十分でないということはそう思ってはいるのですが、ボランティアというかNPO、NGOでもいいのですが、浄化槽に直接かかわるNPOなりNGOなりの団体の数というのは全国でどのくらいあるんでしょうかということが1点目ですね。ないのかもしれませんので。水環境のことについていっぱいあるのはよく知っているのですが、浄化槽のことを中心に何かやってみようというNPOももしかしたらあるのかなという気もするので、それをお伺いしたい。
  それから、2番目は、3ページの家庭における環境保全の取組で2番目の項目で生活雑排水対策のところが黒い方が下がっちゃっているというのが、多分浄化槽や下水道が普及したら余り雑排水対策したら発生しなくなったという意味ですよね。黒いのが下がっちゃっているということはそういうことでしょう。

○加藤委員長 上から2番目ですか。

○須藤委員 はい、2番目。てんぷら油や食べかすを排水口に流さないというので、流さないのも下が下がるというのはそういうことでしょう。

○加藤委員長 だと思いますね。

○須藤委員 雑排水対策をしなくなっちゃうのですね。だから、処理施設ができちゃうと人間はもう流しちゃってかまわないやとこういうふうになるような傾向があるので、雑排水対策というのは常にやらなくちゃいけないのだという意識啓発をしなくちゃいけないのではないかと。これを私見て、この辺のところを水濁法の改正のときも一生懸命やったので、そのときはいいのだけれども、できちゃったら余りやらなくなっちゃったということを意味しているのでは。これ多分有意性ありますよね、統計学的にも、5%ぐらい違いあるので。これもっと伸びなくちゃいけない、本当は。と思ったので、その2点の指摘をまずさせていただいて質問と。後であるべき姿はまたこれから述べます。

○加藤委員長 はい、わかりました。なかなか難しい質問ですが、どうでしょうか。

○浄化槽推進室長 浄化槽に関することを主な事業としているいわゆるNPOについては、把握してございません。

○須藤委員 調べる方法ってないのですか。

○浄化槽推進室長 内閣府が作成している統計においても、そこまで調査していないのではないかと思います。

○須藤委員 わかりました。

○加藤委員長 確かに最初の質問というのは、要するに須藤先生の質問の趣旨は、浄化槽だけの……

○須藤委員 だけじゃなくてもいいのですけれども。

○加藤委員長 主体においたNPOがあるかと。いわゆる水問題じゃなくてね、きれいにするとか。

○須藤委員 川をきれいにとかそれはいくらでもあるのですけれどもね。

○加藤委員長 ということですね。それは多分室長がお答えになったようなことだろうと思うのですが。だれか御存知の方いらっしゃいますか。少なくともこういうのはあるよと、全国は知らないけれども、この前○○県に行ったら○○川の浄化槽を考える会とかいうのがあったとか。普及させる会とかがあったとかと。
  国安さんも御存知ないですか。

○国安委員 はい。

○加藤委員長 そうですか。国安さんが御存知ないのではなかなかないのかもしれませんね。あるかもしれませんけれども、多分余り。
  わかりました。

○山本委員 質問よろしいですか。

○加藤委員長 はい、どうぞ。

○山本委員 使う人が、使用者が管理をするということは非常に大切ですし、後ろの方の17ページから20ページ、ここにかけてさまざまな公的機関、検査機関等でホームページ等々利用されていてこれは非常に重要なことだと思うのですが、新規に、新たに設置されたり、合併処理の浄化槽に転換されたりしているようなときに、その設置されたときにそういうインストラクションがついて使用者の方に何かパンフレットのようなものでついていくような例というのはあるのですか。このホームページだけでは見ない人結構多いと思うのです。

○加藤委員長 それは使用者を事前の、補助金の申込みがある人たちに研修をさせるというのは幾つかありましたですね。ちょっとその辺について、室長。

○浄化槽推進室長 維持管理を中心に御議論いただいたときにも御指摘がございましたけれども、幾つかの地方公共団体では研修会を開催されています。パンフレット等を配布している地方公共団体はもっと多いのではないかと思います。

○山本委員 今は事例の段階だということですね。そういったことが制度化されているとかいうことではなくて。

○浄化槽推進室長 一部の地方公共団体においては、講習会を条例に位置付けていると聞いています。

○加藤委員長 そのときの議論で確か既存の、実際ずっと10年ぐらい使っていますという人も、そういう人に対する手当が比較的少ないという話が出たと思うのですけれどもね。10年使っていたって全然関心がなければ全く素人と同じですからね、10年使っていようが何しようが。だから、本当はそういう人も含めてもう一回浄化槽というのはそもそも何なのだとか、それから法令上の要請事項というのは何なのか、何のために7条検査をやり、何のために11条検査があるのかというのを本当は知ってもらう必要があるのだろうと思うのですよね。ただ、今のところ、今室長がおっしゃったように、この専門委員会でも事例が幾つか出たと思うのですが、新規にやろうという人に対する説明が始まったということですね。

○吉田委員 私ちょっと最後までいられないものですから、すみません。ちょっと感想で、浄化槽管理者に対するアンケートというところで、8ページのところなのですが。これで印象的なのは一般の人たちに対しての小型合併浄化槽処理装置が有効な装置だと思うというのが30で、講習会に来る人は70だと。それから、浄化槽よりも公共下水道の方が優れているというふうに思う人が一般の人は7割であるということで。これは前々回か何かにも議論した点だと思うのですけれども、やはり下水道が引けるならそっちがいいというふうに思う人はかなり多いというのと。
  それから、もう一つは、途中で出てきている法定検査の問題で、やはり業者に保守点検を委託しているのにその上なぜ法定検査を受ける必要があるのか理解できないというのが6割一般の人はいて、さらに浄化槽に必要な維持管理経費が高すぎると思っているというのが7割と。これは先ほど加藤さんの御指摘のあった問題でもあって、要するに一般の人にアンケートをとるとやはりこういうパターンで返ってくるということに留意しなければいけないと。だから、これを啓発するかどうするかも含めて、これはやはり考えなきゃいけないことだと思います。

○加藤委員長 そうですね。ありがとうございます。この辺は実は浄化槽というものを知ってもらう努力というのは、私が二十数年前に浄化槽担当だったときも同じようなことを言っていたし考えていたし、しょうがない、歌でも作って普及でもさせようかとかそういうこともちょっと考えた、実際恥ずかしながらやった時期もあったわけですが。二十数年たっても相変わらずやはりまだ浄化槽というものに対する理解が必ずしも行きわたっていないというのは、これは浄化槽の世界だけではないのですが、実はほかだって大体そういうものなのですけれども、あるなという感じはしますね。
  ですから、ここを何とか。先ほど吉田先生がお触れになった、保守点検を委託しているのに何で法定検査を受けなくちゃいけないのというのはむしろごく普通の人だったらそういうふうに考えたとしても不思議じゃないですよね。それから、何だか維持管理経費が高すぎますねというのも常に聞く苦情の一つだと思うのですが。だけれども、下水道だって実際は実は払ってはいるわけで、それとの比較だとか。また、なぜこういうお金が必要なのかということをきちっと理解してもらうということが必要だとも思いますね。確かにきちっと説明すれば見事に数字は減りますものね、コンプレイントの数字は。研修を受けた方とそうでない方との差というのは歴然としているわけですから。やはりこれは必要だなというふうには思いますね。何とかこれをどうやって制度化していくかですね、こういう普及啓発活動をですね。その辺が一つのポイントだと思いますね。
  河村さん。

○河村委員 今御指摘ありましたように、このデータを見ますとやはり講習をすることの意義というのは非常に大きいという感想がまずあります。
  それともう一つ感想ですけれども、最後の方の各市町村のホームページ等で使い方とか書いてあるのですけれども、この前の部分に何か別の情報があるのかもしれませんけれども、ただこれだけを見るとなぜそうしてはいけないかというふうな書き方がしてないので、見た方はしてはいけないということしかわからないというようなイメージを受けますので、その辺もちょっと広報するときに注意すべきかなと。恐らく講習会でこうなったというのは理屈も含めて多分教えられたと思いますので、理屈を含めながら広報していく必要があるなというのが感想です。

○加藤委員長 なるほど。ありがとうございました。
  木曽先生。

○木曽委員 感想を私の方も申し上げさせていただきたいと思いますが。一つには、下水道と比較していつでも浄化槽の方に情報が足りないという、市民にとって情報が得にくいという部分があろうかと思うのですが。それは一つは下水道の場合は行政が主体となって建設をするということで、下水道に対しては行政サイドからいっぱい情報があるわけですよね、ある意味で。ところが、浄化槽は基本的に今まで個人設置だということで行政サイドからの情報提供が積極的にはないという、そういう状況がまず基本的にあったのだろうと思うのですね。そういう結果としてこういうふうなアンケート、先ほど来8ページ以降のアンケート結果が反映されているのではないかと思うのですが。
  もう一つは、これまでも古くはやはり下水道というのは環境保全云々ということで地方選挙等では一つのリップサービスに近い部分もあろうかと思うのですが。そういうふうな課題としてかなり宣伝されてきましたので、そういう点浄化槽は名前負けをしていると言いますか、そういう印象がやはりあります。
  例えば、多分北尾先生が既に本に書かれていたタイトルで、個人下水道というふうなことでおっしゃっていたかと思うのですが、そういうふうな別の名称も併せて、下水道と言うとほかからクレームが出るかもしれませんけれども、使用者にとってわかりやすいイメージというのは言葉もそうであろうと思いますので。そういうふうな、下水道と同等のもの、又はとって代われるものというふうなそういうイメージづくりというのが大事ではないかなという印象を持っておりますけれども。

○加藤委員長 ありがとうございました。
  北尾先生。

○北尾委員 その8ページ、9ページあたりのアンケートの結果について、私はまた、同じことももちろん感じていますけれども、ある意味では逆のことも感じているのですよ。というのは、8ページの一番下の欄、8というところに自分の使っている浄化槽からきれいな水が流れているか関心を持っているというのが、講習を受けた結果の方がむしろ数字の上では悪い。悪くなることはないでしょうから、多分これは効果がなかったと判断すべきなのだろうと思うのですけれども。実際例えば家電製品だとかそういうもので性能が悪ければすぐにクレームがいきますよね。ところが、浄化槽というのはそれ以上の巨費を投じて個人の施設としてつけておきながら、これほど性能に無関心な製品というのはないのですね、はっきり言って。これがすべての問題の根底にあると思うのです。要するに性能の悪い浄化槽があれば浄化槽管理者からどんどんクレームがいくというような状態になれば、やれ維持管理の仕組みはどうするだとか、性能の審査をどうするだとかそんなこと一々やらなくても悪いものは必ずどこかでペナルティーを受けるという結果になるのですね。
  現に同じ排水を処理する施設でもビル排水なんかの再利用施設ですね、これなんかですと水質が悪いと再利用に使えませんから、その日は水質が悪いのでかわりに水道水を使わなきゃならない、必ずそれだけの経済的な損害を被るからビル側としては非常に水質に敏感なのですよ。
  ですから、私はこの結果を見るとやはりそうかというふうに、非常にがっかりした面もあるので。せっかく浄化槽の講習の効果というのを言っておられるところに水を差すようで恐縮なのですけれども。ここら辺をどう解きほぐしていくか、そこら辺がどうも浄化槽の今後の発展のキーポイントのような気がしてならないわけなのです。

○加藤委員長 そうですね。今、北尾先生がお触れになった8ページの(8)について言うと、水が流れているか関心を持っているというのは一応43と46ですから大差はないけれども、一応研修を受けた方がちょっとだけはよくなっているわけですね。ちょっとだけですね。これは43と46ではほとんど同じと言ってもいいかもしれませんけれども。そういう見方も一つできるかなと。今、北尾先生おっしゃったようなですね。
  むしろそれよりも本質的な問題は、家電製品との比較でおっしゃいましたけれども、家電製品だと非常に価格とクオリティに対して使用者がすごくセンシティブになるのに、なぜ浄化槽はセンシティブにならないかというところですね。これは確かに一つの課題だなと思いますね。水道だとこの水はおいしくないとかおいしいとかかなりクレームは出るのですね、水道だと。

○北尾委員 要するにきれいな水が出ても自分個人の直接的なメリットにつながらないということですよね。ですから、先ほどのように再利用水を使うという場合は直接個人のメリットにつながりますからね。
  ですから、いい浄化槽を設置していれば何か……

○加藤委員長 メリットがあると。

○北尾委員 ええ。たとえ金銭的ではなくても表彰とか何かそういうことでもやむを得ないと思うのですけれども、何か糸口を見つけないとという気がしてならないのです。

○加藤委員長 固定資産を少しまけてあげるとか、そういうことも考えられるかも。それはちょっと冗談ですけれども。そういうことも含めてですね。
  ほかにいかがでしょうか。いずれにしてもこれは大きな課題ではありますけれども、浄化槽のシステムをどうやってみんなに理解してもらいながら、かつできるだけ多くの人に参加してもらいながらやっていくかというのは大変。
  はい、山本さん。

○山本委員 今のに関連して、やはり川の水だけではないと思いますけれども、身近な水として見える水になっていると、本当にそういう意味で使える水といいますか、実際に直接利用するだけじゃないと思いますけれども。そういうことがあって初めて守るという気持ちももっと深まっていくのだと思います。それはそういう方向に向かっていってほしいと思いますし、いくのではないかとも思います。
  さきほど、個人下水道というお話がありましたが、私は下水道という名前をつけること自体は個人的には反対です。下水を流すだけではなく、ここはやはり浄化する場だということですね。水をつくり出す場だということのイメージの方が重要だと私は思いますので、下水道が必ずしもいいイメージであるとは思いませんし、流せばいいというだけでは決してないということも含めて、浄化槽という言葉のアイデンティティーを消し去ることはないと思います。

○加藤委員長 はい、ありがとうございます。
  須藤さん。

○須藤委員 私も今の山本先生の御意見賛成なのですが。それともう一方、浄化槽はやはり今のような話でこんなにいいものだと、あるいは水循環の中でこんなに役割が大きいのだということを示さなくちゃいけないですよね。それを例えば私足立さんにも前に言ったのですけれども、タウンミーティングとかいろいろそういうところに連れ出されて行ったこともあるのだけれども、平たく言ってしまうと、その集まっている方というのはそこら辺みんな知っているのですよね。違う人に、住民に来てほしいのだよね。それなのにかかわらず、関係者ばっかりいて、やあやあというのではこれは余りよろしくないので。意識啓発というのはその意識のない人にどう啓発をするかなので。環境省も人数が集まればいいのじゃなくて、ぜひ意識を啓発したい人が集まれる仕組みをつくっていただきたいというのが1点目ですね。
  それから、2点目は、例えば前もこれ申し上げているのですけれどもね、小学校の教科書なんかにも浄化槽って出てこないのですよね。出てきたら教えてほしいのだけれども、下水道というのはいっぱい出てくる、水道もいっぱい出てきますよね。それで、要するに教育の中で浄化槽という言葉は多分先生も知らなければ教科書でも取り上げられていない。まして私は環境のコースの中の大学院や非常勤講師いろいろなところも含めていろいろな大学に行ったりしているのだけれども、教育の中、あるいは大学院の教育の中でそこにいる先生方はそれはもう浄化槽のことをよくわかられているから当然ですけれども、やられている。一般の先生ですよ。環境の、例えば水でもいいのですが、一般の先生は多分普通下水道の話はしますよ、水道の話もしますよ、水環境工学であればね。だけれども、浄化槽の話をできる先生あるいは興味を持って講義の中に入れてくれる方はそんなにいないと思いますよ、多分。そういう中で、今度はそういう方が世の中に出てくるわけでしょう。そして、当然それがお役所に入ったりいろいろなところに来たりするわけですね。そうしたら、浄化槽のことに関心は余りなくなってしまいますよね。なので、もう少し教育機関、小学校から大学、大学院まで含めて、もう少し浄化槽が対象になるような講座でもいいし教育科目でもいいし、それから教科書でもいいし、取り上げられるように何とか働きかけていくというのが、意識啓発の中でも私は大事じゃないかなと常に思っているのですけれども、いかがでしょうか。

○加藤委員長 全く恐らく皆様今の須藤先生のお話、御同意だと思いますけれどもね。第1点目の、確かに私もタウンミーティングにもよく呼ばれて年に数か所行っているわけですが、どうしても集まる方が浄化槽関係者ばっかりなのですよね。それがすべてというわけではなくて、県なり努力はして、例えば水環境をやっているNGOを呼んだりしてかなり努力はしてらっしゃるのですが、お集まりになる方の多くは浄化槽関係者なのですね。どうしても県の浄化槽協会とかそういったところにいろいろな設営とかそういったものをお願いすると、結局同じ仲間が集まって来るとこういうことですね。ですから、今須藤先生おっしゃったように、そうでない方、浄化槽なんて余り知らないないしは浄化槽なんて困ったものだと思っている人たちにむしろ来てもらいたいわけですよね。そういう人たちには、何だ、浄化槽というのはこういうものなのかということを知ってもらいたいなというふうに思いますね。そういう努力は今も続けられていると思うのですが、ぜひ私もそういうことを期待したいと思います。
  それから、確かに大学なりそういうところで、今日ここにもほとんどの方が大学で教えていらっしゃる方々ばっかりですけれども。確かに浄化槽についての講義というのは多分少ないと思うのですね。私もかつて40年ほど前、土木工学科の衛生工学というところで勉強していた人間ですけれども、浄化槽の講義なんて全くなかった。当時は40年前だからしょうがないとは思うのですが、合併処理浄化槽もない時代での話ですから、全くなかった。したがって、私も偏見を持って浄化槽なんていうのはとんでもない施設だと思っていたわけなのですけれども、それがやがていい施設だということを知ることになったのですけれども。確かにそれは非常に問題。
  今はどうなのですかね。どうですか、木曽先生のところなんかでは。大学教育の中でどうされていらっしゃいますか。

○木曽委員 私は自分の講義の中では水処理の部分の講義の中では触れるようにしておりますし。もう一つほかの……

○加藤委員長 そうでしょうね。ただ、先生方以外の御同僚だとどんな感じになりましょう。

○木曽委員 私どもの大学は人数が少ないものですから、ほかの先生は分野が違いますので、私が生活排水系統の処理は私の方が講義しているものですから、それでやっております。

○加藤委員長 東京大学ではどうですかね。

○山本委員 私の講義のところに1こま浄化槽を入れていますけれども。浄化槽という講義はもちろん起こしてないですけれどもね。

○須藤委員 それはそれでいいと思う。

○山本委員 そういう意味では水処理システムの一つとして位置づけております。

○加藤委員長 私の四十数年前だとそれすらなかった、相当な進歩だと思いますけれどもね。
  単に大学だけじゃなくて、確かに須藤先生おっしゃるように、小学校、中学校の教科書の中に下水道があってももちろんいいと思いますけれども、それと並んで個別の処理としてはこういう施設があるということを言わなくちゃいけないかなと思いますね。そういう働きかけというのはどうしたらいいのですかね。文部科学省に働きかければいいのか。その辺はどうなのですかね、室長、何か、教科書に書いてくれというのは不可能なことなのでしょうかね。

○須藤委員 執筆者に。

○加藤委員長 執筆者にお願いしなくちゃいけない。文部科学省で別に書いているわけじゃないからですね。

○北尾委員 学校教育のことじゃないのですけれども、あらゆる機会を利用してPRをするという意味で、よく自治体が発行している市民新聞だとかああいうものがありますね。ああいうものは国から浄化槽を積極的に取り上げるように働きかければ、ある程度対応してくれるということにはならないのでしょうか。

○加藤委員長 その辺はどうでしょう。なかなか難しいかなという印象ですが、どうですか。

○浄化槽推進室長 地方公共団体の広報誌については、私も何紙かは定期的に拝見していますが、浄化槽に関することも意外と頻繁に載っているという印象があります。ただ、法令上必要な事項以外の事項やその背景までは掲載されていないようですが。

○加藤委員長 そのほかに何か。
  これは毎回議論をしてきたことの延長でもありますから、いずれにしても理解をできるだけ広げていってもらうと、これは大事だと思うのですね。
  それから、先ほど木曽先生と山本先生のお話がありましたけれども、私が少なくともしばらく前の話ですけれども、やはり下水道もあれだけ頑張ってもまだ下水道に対する理解が足りないということで相変わらず苦しんでらっしゃるし、予算規模はもう浄化槽の10倍以上の予算規模を持っていながらなかなか大変だと。それとあと、下水道という言葉がやはり一種の余り市民になじむ言葉、なじむといいますか親しく受けとめられない、何か言葉がほかにないかとか、たしかそんな探していたような気がするのですが。今現在のことはわかりませんが。
  ですから、いずれにしても浄化槽にしても下水道であれ何であれ、やはり市民の中にずっと入っていくためにはかなりの努力を繰り返し繰り返しやっていくしかないのかなという思いはいたしますね。いずれにしても。
  それでは、先ほど須藤先生、質問はする、後で意見はというその後の部分はもういいのですか。

○須藤委員 先ほど述べましたから結構です。

○加藤委員長 それでいいですか。はい。
  というわけで、取りあえず今日の2項目、すなわち汚泥の処理リサイクルの話、それから浄化槽をいかに私たちのものに、国民のできるだけ多くの人の理解の下に浄化槽システムというものを普及していくという課題について御議論いただきました。これは前回、前々回から議論していることと同様、それぞれで今日の段階でまとめというのは致しませんけれども、この秋ぐらいから出てきますビジョンの項目の中、秋ぐらいからそういったビジョンについての中身について皆さん方と御相談をしていきたい、御審議をお願いしたいと思いますけれども。その中の1項目になっていくものだという御理解でひとつお願いしたいと思います。
  これまで過去数回やってきましたけれども、まだ残っていますし、一つか二つ確か残っていると思います。その課題について議論をしてもらった上で最終的に浄化槽のビジョンという形で、できるだけパワフルでかつ中長期的に通じるビジョンを提示していきたいなと思っておりますが。
  次回について、室長の方から何かありますか。

○浄化槽推進室長 次回は9月22日です。当初午前中に開催する旨を御連絡しておりましたが、午後から開催する方向で変更いたします。申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。
  それから、参考資料2として平成17年度末の汚水処理人口を配布してございます。全体の汚水処理人口普及率が80.9%、浄化槽による汚水処理人口普及率が8.6%などとなってございます。
  以上でございます。

○加藤委員長 次回はどんなテーマになりそうですかね。

○浄化槽推進室長 国際的な展開をお願いできればと考えております。

○加藤委員長 どうぞ。

○廃棄物・リサイクル対策部長 また一つお願いなのですが。今日委員長から御議論をしていただいたいわゆる環境保全活動、地域住民が参加できる云々の後半のテーマでありますが。実は恐らく年末を目途におまとめいただくことに関しまして、多分原点になるテーマのような私も気がしておりまして。なぜ浄化槽が今以上に、今でも結構選択される地域の方々いらっしゃるのですが、なぜこれ以上選択をされないのかというところ。つまり地域の、今まさしく中山間地が中心になろうとしておりますけれども、そういう地域の方々が浄化槽に関してある意味ではふつふつとしたいろいろな活動の中で浄化槽やろうじゃないかというような一般的な市民の声が聞こえてこないということに関して、先ほどからの御議論は、啓発という形で上から下に対するものが足りないということが随分御議論にあったのですが。それも一つだろうとは思っておりますが。それから、タウンミーティングその他いろいろな活動もやってきております。そういう反省もあるのでありますけれども。
  なぜ、そのように浄化槽はすばらしいというふうに多くの方々がおっしゃられて、私も十数年前加藤座長のちょっと後ぐらいに中心的にこの問題を自分で少しやろうとさせていただいたのですが、そのころとどうも現場の感じが結構啓発を上から下へという形の啓発というのをずっと続けてきているにもかかわらず、なぜそういうことが起こらないのだろうかと、どうもよくわからないところがございまして、自分で疑問に思っております。名前が悪いのかとさっきありましたけれども、決して浄化槽という名前、かつてひどい時代がございました。下水道という名前と字だけ比べますと、山本先生おっしゃるように、浄化槽の方が普通いい名前なのですが、ある時期下水道と比べて浄化槽というのは非常に偏見、この字そのものに、漢字3文字に偏見が大変あった時代がございますが、恐らくここは今克服できているのだろうと。十数年前にもはや克服してしまっているだろうと思っていますが。そこからさらに浄化槽はすばらしい、我々で水環境を守るために、あるいは我々の地域の生活と一体となってこれをやるのだという何かエネルギーがなかなか地域住民というレベルで見えてこないということが、ここをどういうふうに考えればいいのか。それが現実なのか、そういうふうなものなのか、それとも何かが間違ってそのようになっているのか。そこのところをぜひとも、次回は国際的な問題ということでありますが、冒頭にでももう一度今日の話を少しお聞かせ願えればと思いますので、よろしくお願いいたします。

○加藤委員長 どうも。今正に部長さんのお悩みないしは疑問は必ずしも浄化槽だけではないと思うのですね、環境全体について何か言えるような気もしまして。私も長いこと環境をやっていて、今浄化槽とはちょっと違ったことをやっていますけれども、なかなか理解してもらえないという問題があります。例えば風力発電なんかなかなか大変ですし、バイオマスのエネルギー利用というのもまたまた大変です。そういうことを考えると、浄化槽はまだむしろいいのかなというぐらいに思うけれども、もっともっと我々としては浄化槽というものをもっと私たちの生活の中に有力な水環境を守る、水環境を改善していく有力な手段としてもっと腰を据えてもらいたいなという思いはありますから。それはどうやったらいいのか、皆さん方にまた考えてきてもらって、次回の冒頭にでも少しやって、その上でそれを更に海外に発展させていくというそういうテーマについて議論をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  それでは、9月22日、まだ場所は決まっていないようですが、おそらくこの都心付近だと思いますが、そこでやりたいと思います。
  どうもありがとうございました。

午後 4時01分閉会