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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
 第13回浄化槽専門委員会議事録

平成18年2月17日

午前10時00分 開会

○松原浄化槽推進室長 失礼いたします。
 定刻になりましたので、ただ今から第13回浄化槽専門委員会を開催いたします。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料を御確認願います。資料一覧をお手元にお配りしておりますので、資料の不足がございましたらお申しつけください。
 それでは、これ以降の議事進行につきましては、加藤委員長にお願いしたいと思います。

○加藤委員長 どうもおはようございます。
 須藤先生、少し遅れられるという御連絡を頂いていますので、恐らく30分前後で須藤さんも到着されるんじゃないかと思います。
 もう皆さん御記憶のとおり、昨年の夏、8月末でしたか、専門委員会の中間取りまとめというのを行いまして、それが省令の改正といったものに即つながるということになりました。それ以降、約5か月ほど何を議論してきたかといえば、その8月末の時点では積み残していた維持管理の在り方、特にいろいろな諸問題について先生方に御議論いただき、また関係する団体からのお話も聞かせていただきました。
 それと、更に浄化槽の維持管理にかかわる非常に不可分だというわけで、普及啓発を更に進めると。特に、使用者にわかっていただくためにはどうしたらいいかということもかなり議論してまいりました。
 それからもう一つ、単独処理浄化槽の問題につきましても、これも議論を前回など致しました。こういうわけで、取りあえずこの半年近く議論してきたことを取りまとめて整理をしておこうと、そしてまた浄化槽の分野では課題はたくさんあるわけで、これは昨年8月の段階でも既に確認していますように、いろいろな技術開発の問題、海外展開の問題、調査研究を更に進めるべき問題、いろいろとありますので、そういう問題にも逐次移っていきたいと、こういうふうに思っております。そのためには、やはり一番当面の問題である維持管理の問題について、私どもの専門委員会としての見解をまとめておこうということです。
 それで、今日はその議論を中心にひとつお願いをしたいということです。
 それではそういう前提で、今日の本格的な議論に入ります前に、前回まで確か2回ぐらい出てきました資料1と2について、先生方からいろいろと意見を頂いて、必要な修正をしてまいりましたので、まずこれについて事務局の方から簡単に御説明ください。

○松原浄化槽推進室長 失礼いたします。
 資料1及び資料2について御説明申し上げます。
 まず資料1でございますけれども、都道府県や市町村の普及啓発についての責務といったものも見逃せないというような御指摘もございましたので、都道府県及び市町村からそれぞれ使用者の方に対します普及啓発という文言を加えております。
 それから資料2でございます。
 維持管理全般の[2]保守点検、清掃、法定検査の欄の最初のポツの部分でございますけれども、「連携を図り」という文言を入れております。
 それから保守点検、清掃、法定検査、行政他に共通した欄でございますけれども、浄化槽に関する信頼性を確保するというような文言を入れております。
 それから2ページの方に参りまして[7]の欄でございますけれども、法定検査について判定の理由等の維持管理に必要な情報を提供すべきではないかというような文言を入れております。
 それから、同じく保守点検、清掃、法定検査、行政他に共通した欄につきまして、先ほどと同様に信頼性を確保するという文言を入れております。
 それから3ページの方に参りまして、法定検査でございますけれども、[12]の行政他について、都道府県の検査機関への指導の強化が必要ではないかというような文言を入れております。
 以上でございます。

○加藤委員長 ただ今の御説明につきまして、何か御質問なりございましょうか。更に修正を要するとか、よろしいでしょうか。
 それでは、この資料1と2は繰り返し委員の先生方からもコメントがありましたように非常に貴重な資料ということで、今後ともいろいろな形でこれは使っていきたいというふうに思います。
 さて、本日のメーンのテーマというのは、先ほども冒頭に申し上げましたように、過去数回にわたって、半年まではいかないんですが、半年近くにわたって、委員の間で議論をしてまいりました浄化槽の維持管理の業務の在り方というものを中心とする問題につきまして議論が大体出尽くしたとはもちろん申しませんが、いろいろな貴重な御意見を頂いたということで、そろそろ整理をしておきたいということで、まず私の責任で事務局と一緒にこれまでの皆様方の御議論と若干の私の私見も交えて、一応整理をしてみました。
 言うまでもなく、これはたたき台ということでありますが、これをまず見ていただきまして、これまでの議論を思い起こしていただいて、どうもこれが抜けていたなとか、これはちょっと言いすぎじゃないかとか、あるいはこの方向はいいんだけれども、もうちょっと表現が何かないかとか、どうぞ御自由に御議論いただきたいと思います。
 まずは、事務局の方から私どもが用意いたしましたたたき台なるものの御朗読をお願いいたします。

○松原浄化槽推進室長 失礼いたします。
 それでは、朗読させていただきます。
 資料3でございます。
 前回の委員会までの議論の整理(委員長整理)(たたき台)。
 1、浄化槽の維持管理に係る業務の在り方。
 浄化槽の維持管理に係る業務の在り方についての検討は、平成17年の法律改正に伴う省令事項等の検討とともに、本専門委員会の設置に際して、急ぎ行う必要があるとした事項である。
 審議に当たっては、検討を行うための基本的考え方として、それぞれのバランスを考えつつ、浄化槽の設置目的である「環境保全性」とともに、浄化槽管理者・使用者(以下「使用者等」という。)が必要な情報を得ることができる「透明性・説明責任性」及び使用者等の負担軽減を図る「経済効率性」を採用した。これは、浄化槽の維持管理に係る業務の在り方について使用者等から「わかりにくい」との声もあり、このことが浄化槽に対する不信感や負担感につながっていることも否定できないと考えたからである。
 以下の整理についても、浄化槽に対する信頼や納得を確保するため、使用者等の立場に立って、これを行うこととした。
 (1)透明性・説明責任性の向上。
 ア、浄化槽全般に関する理解の促進。
 生活排水については、他の廃棄物とは異なり、住民自身が処理をしたり、直接運び出したりすることは極めて少ないことから、通常、住民は、浄化槽の維持管理等浄化槽にかかわる法令の内容についてのみならず、浄化槽がどのようなものかについても十分な知識を有していない。
 このため、浄化槽を設置する前に、行政や浄化槽関連業界等が連携して説明会等を実施するなど、浄化槽の役割、維持管理やその必要性を説明することが必要。
 説明会を実施するなどの際には、保守点検業者、清掃業者等とともに、住民等と初めて接する工事業者等の協力が重要。
 また、浄化槽に直接関係する事項のみならず、水環境保全の必要性、生活排水処理計画の内容等についても説明を行う方が住民の理解を得られやすいとの指摘がある。
 なお、行政は、浄化槽に関する諸手続を容易に行うのに必要な情報について、説明会のみならずインターネット等で常に公開することが必要。
 また、使用者等が浄化槽の適切な設置や維持管理に達成感を持つことにつながるように、使用者等に対する働きかけを行うことが必要であり、例えば、浄化槽について適切な設置、使用及び維持管理を行うことにより、水質保全に貢献している使用者等を表彰することなどを検討することが必要。
 イ、維持管理業者全般に関する情報の提供。
 住民が浄化槽を設置することを決め、維持管理の重要性を理解しても、どのような業者に委託すべきなのかについてわからないことが考えられる。
 このため、各業者は、業務内容、自らが関与した法定検査の結果等自らの情報を提供することが必要。
 また、行政及び浄化槽関係者は、質の高い業務を提供し、料金体系や会社の状態などを公開する透明性の高い事業者に関する情報を提供するシステムを構築することが必要。
 さらに、将来的には、浄化槽関係者が持つ保守点検の内容、清掃の内容、検査の結果等浄化槽に関する情報を一元化し、浄化槽に関する信頼性を確保するため必要な情報を公開できるシステムの構築を目指した検討も必要。
 加えて、料金が適正であるかどうか使用者等が判断できるように、料金について実態を調査し公表することが必要。
 ウ、委託後の維持管理業務に関する情報の提供。
 使用者等は、維持管理業者に委託を行った後においても、当該業者がどのように業務を実施し、それが適切なのかわからないことが考えられる。
 このため、委託を受けた各業者は、浄化槽の状態はもちろん、作業の内容及び必要性を説明することが必要。これらの説明が確実に行われるように法令等により求められている記録や各業者からの説明の項目を改めることが必要。
 また、保守点検や清掃については、法定検査の結果に応じて実施することが必要であることから、法定検査に当たっては、指定検査機関は、第三者性を保ちつつも、検査の結果のみならず適切な保守点検や清掃が行われるための情報を使用者等に提供することが必要。その際には、使用者等に対し、浄化槽が良好な性能を発揮できるように、判定の理由や不適正な場合の問題点など管理に必要な事項をわかりやすく説明すべき。
 さらに、清掃については、浄化槽の状態に応じて実施することが必要があることから、保守点検業者は、保守点検の結果のみならず適切な清掃が行われるための情報を使用者等に提供することが必要。
 加えて、使用者等が保守点検及び清掃の作業内容を容易に理解できるような情報を提供することも必要。
 一方、各業者は、使用者等に対し、どのような作業でどのような料金が発生するかなど料金設定について説明を行い、委託内容と料金との関係を明白にすることが必要。
 エ、業務の連携。
 保守点検、清掃及び法定検査の連携が不十分であるため、使用者等にとって、各々の業務の時期、内容、必要性やそれぞれの関係について理解しづらくなっており、使用者等の不信感を醸成することにもつながっている。
 このため、事業者間の十分な連絡を図ることはもちろん、法定検査や他の作業の結果に応じて効率的な維持管理を行える体制を構築することが必要。
 (2)経済効率性の向上。
 ア、保守点検。
 浄化槽の保守点検については、通常の使用状態において、処理方式や浄化槽の種類ごとに定められる期間ごとに1回以上行うこととされており、また、駆動装置又はポンプ設備の作動状況の点検及び消毒剤の補給は、前述の規定にかかわらず、必要に応じて行うこととされている。
 保守点検の業務については、必要にして十分な保守点検が行われているかどうかが重要であるが、使用者等から見てわかりにくいとの意見がある。
 定められた期間ごとに1回以上という保守点検回数の規定については、複雑な規定を設けるのではなく、基本となる回数を規定するとともに、個別の事情がある場合にそれらを網羅的に規定することは極めて困難であることから、「以上」という語を用いてカバーするとの趣旨であったと考えられる。この規定により定められる回数については、現在のところ、直ちに見直すべき根拠は見当たらず、また、事実上、国土交通大臣の認定や全国合併処理浄化槽普及促進市町村協議会の登録における前提として取り扱われていることから、現行の規定の下においても、「以上」という語は用いられているものの、標準とみなしても差し支えはないのではないかと考えられる。したがって、保守点検業者においては、これらの趣旨を踏まえて、定められた期間中に1回を超えて保守点検を行う場合には、使用者等の十分な理解を得られるようにその必要性と作業内容を詳細に説明すべき。
 イ、清掃。
 浄化槽の清掃については、その技術上の基準に従い、毎年1回行わなければならないと規定されている。
 どのような使用状態であっても同じに清掃しなければならないのか、料金が必要以上支払われている場合があるのではないかという意見がある。
 このため、使用人数に比べはるかに大きな人槽の浄化槽を使用している場合などにおいて、浄化槽の汚泥等がたまりにくい状況が法定検査等で確認できるのであれば、汚泥等の引き出しを全量とされているところを適正量とするよう見直すことが必要。また、必要に応じ、清掃を年1回以上行う理由を詳細に説明することが重要。
 また、清掃業の許可等に当たっては、使用者等に過剰な負担がかかることがないように、公正競争の観点にも留意することが必要。
 ウ、法定検査。
 法定検査は、浄化槽の保守点検及び清掃が適正になされているかを確認するものであり、総合的に勘案を行うとして、外観検査、水質検査及び書類検査の多岐にわたる内容を対象としているが、これにかかる手間や費用が大きいという意見がある。
 このため、法定検査の内容について、環境保全の観点を踏まえつつも使用者等の負担を軽減する観点から、前回の法定検査が良好であれば検査項目を減らしたり、透視度が一定以上であればBOD検査を不要としたりするなど、簡素化を検討することが必要。
 (3)環境保全を支えるための信頼性の向上。
 ア、指定検査機関。
 法定検査については、平成17年の浄化槽法改正において、都道府県等に対する検査結果の報告業務が定められるなど、法定検査の結果により都道府県等が使用者等への指導等の措置をとる体制が強化されたことから、指定検査機関の検査技術や体制を確保することが重要。
 このため、指定検査機関においては、精度管理などのシステムを導入するとともに、公正・中立を保つための内部チェックが働くような体制を整備することが必要。
 そのほか、指定を行う都道府県が、指定検査機関に対し、検査結果の信頼性を高めるとともに、全国的に整合的に判定ができるように、適切な指導を行うことが必要。
 イ、都道府県等。
 行政処分等の概況については、都道府県政令市ごとの実施件数とその内容に差が大きい。
 このため、行政が使用者等に対し指導等を行う際には、その内容の統一を図るとともに、単に改善を指導するのではなく、委託業者の義務の内容についても指導するよう配慮等を行うことが必要。
 2、国民への普及啓発の一層の推進について。
 使用者等を始め国民から浄化槽について十分な理解が得られておらず、これが法定検査の受検率が低迷する一因ではないかとの指摘があるなど、浄化槽の維持管理に係る業務の在り方と密接な関係があることから、あわせて「普及啓発の一層の推進」について審議を行うこととした。
 なお、普及啓発は、浄化槽に関するすべての課題に密接に関係することから、今後も他の課題の検討状況に合わせ検討を行うことが必要。
 ア、既存の使用者等への普及啓発。
 平成16年度末現在において、浄化槽は約230万基の浄化槽が設置されており、毎年、新規に設置される浄化槽よりもはるかに数が多い。
 このため、新規の設置者に対する説明会などに加え、既存の使用者等に対しての普及啓発も併せて充実させるべき。
 イ、NPO等との連携。
 NPO等による環境保全活動や環境教育等が近年、盛んに取り組まれてきているところ。
 このため、このような取組に浄化槽に関する事項が取り入れられるように教材やカリキュラム等を作成するとともにその存在を周知することが必要。
 3、単独処理浄化槽対策。
 単独処理浄化槽については、1日1人当たりの汚濁負荷が浄化槽の約8倍と推計される点からはもちろん、単独処理浄化槽以外の浄化槽の適切な維持管理の重要性に対する使用者等の疑問につながりかねない点からも、その対策は重要である。
 将来的な目標として、時限を切って単独処理浄化槽の全面廃止が望ましい。ただし、単独処理浄化槽が浄化槽に転換できないまま使用禁止となった場合には、その家屋においては便所が使用できない等の問題が生じることも考慮することが必要。今後とも、その時点ごとの単独処理浄化槽の設置状況や問題点を踏まえた、適切な施策が行えるよう検討を続けることが必要。
 ア、普及啓発。
 単独処理浄化槽の転換を進めるためには、単独処理浄化槽の使用者等に単独処理浄化槽について環境保全上の問題点があることを理解してもらう必要がある。
 このため、一般の国民でも簡単に単独処理浄化槽の問題点がわかるような説明と比較基準が必要。
 また、単独処理浄化槽の設置が違法と認識していても、単独処理浄化槽と浄化槽の区別がつかないことも考えられることから、区別方法の周知など対策をとるべき。
 イ、環境保全活動等との連携。
 地域住民の諸活動や学校教育において、環境保全のための様々な取組がなされている。
 このため、単独処理浄化槽についても、環境保全上の問題として、環境保全活動や環境教育等とも連携して対応することが必要。
 ウ、廃止される単独処理浄化槽の適切な処理。
 廃棄物の発生抑制(リデュース)、再利用(リユース)、再生利用(リサイクル)という、3つのRの推進を通じて、循環型社会の構築に向けた取組が重要。
 このため、単独処理浄化槽の廃止に当たっては、雨水貯留槽ヘの再利用等の廃止された単独処理浄化槽の有効利用を進めるなど、3Rの考えに基づき適切な処理を行うべき。
 以上でございます。

○加藤委員長 どうもありがとうございました。
 言うまでもなく、これは一応私の責任で事務局と一緒に、取りあえず皆様方、諸先生方から貴重な御意見を今まで頂いたこと、それからヒアリング等を通じて団体から伺ったこと、それに事務局が持っている情報を若干追加して取りまとめたものです。
 もとよりこれが完璧だなんていうわけではなくて、したがってたたき台ということですので、今日たっぷりと先生方から御議論を頂いて、追加したり、削除したり、必要な修正を施していきたいというふうに思っております。
 では、これがみんなでたたいていいものになって、これで大体いいですねと、これまでのところの議論としていいですねということになった場合に、これをどう使うのかということについては、あらかじめ事務局から聞いておいた方がいいなというふうに思います。
 と申しますのは、夏までは議論した結果を省令に反映すると、つまり省令に書き込むということで議論をして、さんざん御記憶のようにBODだけでいいかとか、N、Pを含めるべきかとか、そういう議論を含めてやってきました。
 では、これはどうなんだということ、そこをあらかじめ、今、室長が考えていることをちょっとお伝えください。

○松原浄化槽推進室長 この議論を確認いただいた後には、これを参考に致しまして法令の運用ですとかあるいは予算の要求といったような行政の様々な側面でいかしていきたいというふうに思っております。

○加藤委員長 というわけで、直ちにこの議論によって法律を改正するというのは出てこないけれども、浄化槽行政を地方公共団体と一緒になって進める際の貴重なよりどころにしていくと、こういうことですね。
 そして、もちろんこの考え方を地方公共団体に周知することはもとよりですけれども、業界団体などにも御理解、御協力をいただくと、そういうふうに理解していいですか。

○松原浄化槽推進室長 できるものはなるべく早くやっていきたいと思っておりますし、また将来的な課題については、着実に勉強していきたいと思っております。

○加藤委員長 というわけであります。
 さて、それではもうどこから御議論いただいてもいいんですが、一応順番としてまず大きく浄化槽の維持管理、それから普及啓発、単独処理浄化槽と3つに、大げさに言えば3章に分かれていますので、1章ごとに、第1章、維持管理に係る業務の在り方という部分について御議論をいただきたいと思います。
 どこからでもいいんですが、便宜上、(1)の透明性・説明責任性、リード部分ももちろんありますが、リード部分プラス透明性・説明責任性の問題が1つ、それから2つ目が経済効率性の問題、それから3つ目が信頼性の向上というふうに3つに分かれていますので、まず最初にリード部分及び透明性・説明責任性のあたりから、どうぞ、大きな問題でも小さな問題でも遠慮なく御指摘いただければと存じます。
 山本先生、口火を切ってください。

○山本委員 ここのところは私も重要だと思っておりますが、業務の連携に関して、これは経済効率性の向上にも関係するのではないかと思うんですけれども、実は昨日現場を見てまいりまして、特に感じましたのは、やはりそこで効率的な業務をするためには面的なサービスということを、浄化槽一個一個は個別であっても、効率的に清掃ないしは維持管理を行うためにやはり面的な形でサービスを組み合わせないと、なかなか効率性は向上できないということはよくわかりました。
 そういう点で言いますと、やはり清掃あるいは保守点検、すべて含めてある種のトータルサービスとしての面的なサービスをどう連携を強化しつつやっていくのかということが非常に重要ではないかなと思ったものですので、その辺のことに関しまして、少し表現を加えたらいいのではないかなと思われます。

○加藤委員長 単に連携という言葉だけではちょっと薄いと、もうちょっとそこに込めるもの、今の先生のお言葉だと面的なトータルサービスといったようなそういうことを、単に連携というだけでは軽いよという、そういう御意見と受けとめてよろしいでしょうか。
 わかりました。それでは、その点をまた文章修正なりなんなりして、もし山本さん何か具体的な文言が思いついたら後で教えてください。
 そのほか、北尾さん。

○北尾委員 先ほどのこの資料3をどう扱うかということにもかかわるんですが、先ほど都道府県等へ周知するというふうにおっしゃったんですけれども、もっと広く関係業界に公表するとか、そういうお考えはおありなのかどうかということが1点。
 それから、維持管理等の業者について、例えば優良な業者というのがよくわかるという意味で、例えばISOというのは非常に複雑でお金もかかるし大変かもしれませんが、例えば環境省の方では、もっとそれを簡易化したようなものをお考えのようですから……。

○加藤委員長 エコマークと言っていますね。

○北尾委員 そういうことで優良な管理業者が非常に見えやすくすると、そういうようなことについては、今のところどういうふうに考えていられるのかということをお伺いしたいんです。

○加藤委員長 どうも、それでは2点ほど北尾さんから御質問ありました。

○松原浄化槽推進室長 議論の整理については、関係の事業者の方々にも周知を図ってまいりたいと思っております。
 それから、優良な事業者については、別途詳細に研究していかなければならないと思っております。

○加藤委員長 よろしいでしょうか、北尾さん。
 私も委員長としても、せっかくこれだけ先生方が相当なエネルギーと時間を使って議論をしてくださったもの、しかもそれに加えて幾つかの団体から非常に貴重な経験の御披露とか、そういったものがありましたので、そういったものを受けて整理をしていくものでありますので、是非広く浄化槽関係者あるいは浄化槽に関心を持つ一般の市民とか、そういう人たちにもこの専門委員会はこういう考え方でいるんですよと、またそれを受けて、行政としてはこういう施策をとろうとしているんですよということは、すぐできるもの、できないものもいろいろあると思いますけれども、いろいろな形で、単に環境省のホームページに載せましたというだけじゃなくて、積極的にできた暁には公表していただきたいなと思います。
 もちろん議論の途中もすべてオープンになっていますので、議論の途中そのものも御関心があれば知る機会はあるんですが、そのほかにもやっていきたいなというふうに思っております。ありがとうございました。
 そのほかどなたか、河村さん。

○河村委員 維持管理そのものではないので適切かどうかわかりませんけれども、我々ある種専門家でも、非常に多種多様な浄化槽があるのに十分把握していない。そのところで、一般の人がその辺をどういうふうにして理解したらいいのか、あるいはどういうものがあるかというのが、なかなかわからないかと思うんですよね。
 これは、ほかの家電製品なんかと違って、テレビコマーシャルするとかやっていない。そういうものではなくてインターネットということでメーカーさんは情報を出せるかもしれませんけれども、全体としての把握というのは非常に難しいかなというので、いいアイデアはないんですけれども、何かその辺のところももう少し考えていく必要があるのかなと思っております。

○加藤委員長 なるほど。今、おっしゃったのは、多種多様な浄化槽があると、専門家でもなかなかわかりにくい……。

○河村委員 家庭用のものにしても。

○加藤委員長 家庭用のですね。それは各メーカーごとにいろいろな名前をつけて、いろいろなブランドをつけて売っている。接触何とかだとか、やれ膜とかいろいろなことを言っている。

○河村委員 限定的なものはある程度いいんですけれども、製品数にすると物すごいものがあると思うんですよね。

○加藤委員長 なるほど。その辺は、国安さん、今、河村先生のどうですか。住民というか、使用者が混乱、情報がよく伝わっていないとか、そういう面はあるんでしょうか。伝えるとしたらどういうふうにしたらいいんでしょうか。

○国安委員 委員長の御質問についてですが、今、浄化槽の機種選定をされているのが必ずしも住民ではありません。市町村設置型の場合には、市町村が維持管理の作業性を考慮して機種を限定したり、複数、例えば後のクレーム対策などを考慮して、営業所が近くにあるメーカーのみをリストアップしてその中から住民に選ばせたりと、いうことがあります。
 一方、それ以外の大部分のものについては、工事業者の方が選んでいることが多く、必ずしも住民がそれぞれの製品の特徴を把握し、後の維持管理、保守点検や清掃の作業性、それで選ばれているようなことは余りないと思います。
 そういった意味では、もっと住民の方々が、例えば小さくても後の管理性に問題があるのかないのか、必ずしも1つの製品がすべての面で良いものではないと思いますので、良い面、悪い面、そういったものの情報を得て選択できるような場をつくるべきだと思います。

○加藤委員長 今、メーカーはそういう努力はしていらっしゃらないんですか。

○国安委員 されています。というのは、浄化槽システム協会のホームページを覗けば、そういった浄化槽に関する情報がありますし、会員メーカーのそれぞれのホームページに飛べるようなリンク集も設けられておりますので、興味のある方で、調べようと思えば調べられると思います。
 それ以外、全浄協のホームページにも、登録されている浄化槽に関するリストが掲載されております。
 ただ、それぞれの製品の特徴的なものを整理したものは、インターネットでは流されていないような気がします。

○加藤委員長 そうですか。そうすると、システム協会というものがそもそもあるということ自体を知らない人も多いわけですよね、一般住民といいますか、これから浄化槽をつくろうかなと、設置しようかなと思っている人ですね。だから、まずそこにアクセスするような、そういうことを教えてあげるホームページはここですよとか、電話番号はこうですよとか、それだけでも1つの進歩かもしれませんね。

○国安委員 そうですよね。当センターにも、電話がかかってきます、保守点検業者の方々や使用者から、古い浄化槽でそういった会社はどこにあるんですか、修理方法を教えてくださいと。そういった問い合わせには、我々もシステム協会を紹介しています。

○加藤委員長 なるほど。
 新美さん。

○新美委員 今のお話を伺っていて感じるのは、確か浄化槽の提供者の側の方としては、随分情報を提供しているんだろうというふうに印象は持っています。ただ、こういう問題の一番の問題は、ユーザーの方でそういうデータが一般的にあったとしてもほとんど関心を示さない。個々の消費者というのは、自分にとってこの情報が必要かどうかという観点で見ますので、そのシステムを構築しておく必要があるのではないかと思います。
 今、どういう状況にあるのか私よく知りませんけれども、例えば自分の浄化槽の管理状態がどうなっているかについての一件記録があるのかどうか、これは現在のユーザーにしてみれば非常に大きいことだと思うんです。ちょうど医療のカルテみたいなものですね。そこまで詳しくなくてもいいけれども、保守点検、清掃、法定検査ですか、それについてそれぞれどういう状況だったかという一件記録が使用者にあるのかどうかということ。
 そして、それが実はあるということは、今度はこれから使おうという人は、今、言ったサイトにアクセスするほかに知り合いから情報を得るということも非常に大きいですね。そのときにも、こういう状況だということで、そういったカルテみたいなものが提供できれば、情報開示ないしは説明責任というのは随分実質的な向上をするんだろうと思います。
 今の事業者のやっていることは、私は相当程度やっているんじゃないかという印象を持っていますが、それがより効率的にといいますか、有効に回るための一工夫をした方がいいんじゃないかと、そういう気がします。

○加藤委員長 ありがとうございました。
 浄化槽というのはテレビや冷蔵庫と違って、1回設置するとほぼ半永久的というとちょっとオーバーかもしれませんが、かなり長いこと使うわけですよね。5年や10年で取りかえましたと、A社の製品を今度はB社にかえますということはめったにないわけですね。ですから、それだけにやはり選ぶ段階で非常に慎重であってほしいなということです。
 そのためには情報がなければ選びようがないと、こういうことですかね。その辺も非常に大事なあれかなと思います。ありがとうございました。

○粕谷廃棄物対策課長 ちょっと私も国安さんにお伺いしたいんですけれども、例えば同じくらいの規模の浄化槽で、いろいろなメーカーがあったときに年間の電気代とか、そういうつけた後の保守点検の清掃だというのを別にすれば、電気代とか薬品がどの程度の速さで溶けるかとかいろいろあるんだけれども、そういう個人の財布に響くようなものというのは差が出るのかどうかということが、もしそれが出るならそれを教えてあげるというのは非常に大事な情報かなと思ったんですが、どんなものなんでしょうか。

○国安委員 私の知っている範囲でお答えしますと、例えば5人槽であってもブロワの定格消費電力が40~60ワット、高度処理型だと80ワットと開きがあります。ですから、課長からの御質問にお答えすると、機種によって電気代に差が認められます。ただし、浄化槽の使い方によってはブロワ能力が処理性能に影響を及ぼすことがありますし、使い方が少なければ消費電力の小さなブロワでも処理性能が十分に担保することができます。
 それと消毒剤については、全浄協で行われている登録制度で、薬剤筒はなるべく消毒剤の溶解量が調整できるような機能を持つように指導されています。調整機能があるものに比べ、溶解量の調整ができない場合には消費速度が速くなり、頻繁に消毒剤の補給をしなければならなくなる可能性があります。
 ですから、電気代とか消毒剤の補給量については、機種によって差が認められると思います。

○加藤委員長 山本さん。

○山本委員 電気代というのは家計に直結しますから大切ですけれども、やはり環境保全装置ですから、同時にそれを開示するのであれば、水質もちゃんとわからないとバランスのよい判断ができないんじゃないかと思いますので、やはりそれは先ほど新美先生がおっしゃったようなことも含めて一緒にやらないといけないかなと思います。
 それから今の話で言いますと、そこの維持管理に関する情報提供というのは非常に重要だと思いますし、ブロワのフィルターぐらいなら使用者だって取り外して洗うことなんかできるわけですし、それはもしかしたら電気代につながるかもしれません。そういうふうに参加していただくようなことで、より興味を持っていただくというようなことも大切なんじゃないかなと思います。
 さわれないところはさわれませんけれども、ブロワのフィルターぐらいなら掃除できるんじゃないかというふうに思いますので、その辺のところも普及啓発の一環じゃないかなと思います。

○加藤委員長 ありがとうございました。
 確かに、家庭の台所の空気の入れかえのものだって、すぐでもないですが、詰まれば洗わなければいかんわけですよね、年に何回かは。私もたまに洗わせられて、かみさんとけんかの種になるんですが、そういうのをやることによっては、なるほどということがわかるというのは、確かにおっしゃるとおりだと思いますね。
 そのほかどうでしょうか、この(1)の部分について。
 どうぞ、国安さん。

○国安委員 2か所ほど、言葉を少し足していただければと思っています。
 1ページ目の下から2段目の「説明会を実施するなどの際には、保守点検業者、清掃業者等とともに、」の「等」の中に含まれると思うのですが、具体的に指定検査機関を、いろいろな情報を客観的に説明できる立場なので、むしろ指定検査機関が最初に位置付けられる方が望ましいと思います。
 それと、2ページ目のイの維持管理業者全般に関する情報の提供の中で、2段落目の「このため、各業者は、業務内容、自らが関与した法定検査の結果等」の「自らが関与した法定検査」の部分、この記述だと勘違いされる可能性があると思います。必ずしも保守点検、清掃業者が法定検査に自ら関与するわけではないので、「自らが関与した施設の法定検査の結果等」と記述した方が間違いないと思いますので、御検討をお願いします。

○加藤委員長 どうもありがとうございました。
 特に、2番目の方の2ページのイの部分の2つ目の○で、「自らが関与した施設の法定検査の結果等」と、そういうふうにしてくださいということです。
 それからもう一つ、指定検査機関をむしろ頭に入れてくれと、説明会の。これは指定検査機関として、何でおれたちがそんなところへ一々出て説明しなければいかんのかと、そういう文句は出るということはないですか。むしろちゃんと積極的に出てくれますか。

○国安委員 私が知り得ている指定検査機関の中では、そういう扱いをしていただければ喜んで協力していただけると思います。これまでも、7条とか11条検査の際に設置者に対して、なぜ受検しなければいけないのかを含めて説明する時間が非常に長くなりやすいですよね。
 そのため、設置者に自分たちの仕事を含め機会があればできるだけ早めに顔を見せ、説明することが検査の効率化にもつながりますので、基本的には喜んで参加していただけると思います。

○加藤委員長 そうですか、それは大変心強い話ですね。どうもありがとうございました。
 河村さん。

○河村委員 何か所か「行政」という言葉が出てくるかと思うんですけれども、それを国とか都道府県とか市町村というふうに言いにくいのかもしれませんけれども、何か漠としすぎた感じがしないでもないんですけれども。

○加藤委員長 なるほど。だれが何をやるかということを明確にした方がいいということですね。その辺は……。

○河村委員 資料1とも関連すると思うんです。

○松原浄化槽推進室長 全部書き分けると煩瑣になるかなと思ったことと、法令に明確に位置づけられていない事務につきましては、都道府県と市町村の方で話し合ってお決めいただく部分もあるのかなというふうに思ったことから、全部を書き分けるということはしなかったものでございます。

○加藤委員長 ただ、確かに書き分けていった方がいい場合もありますね。誰のことを言われているのかと、おれのことかなと市町村の人は思ったり、いや、県の人はこれは市町村の仕事だろうとか、あるいはこれは国だろうとか勝手に思われてもという、それが要は河村先生の御指摘はだれが何をするのかというのを明確にした方がいいんじゃないか。
 もしできないものがあれば、県とか市町村というふうに言えないというものがあるのだったら、県又は市町村とか、いろいろな書き方があるとは思うんです。それからもちろん国がやるべき部門もあると思うんですけれども、その辺はできるだけ主語を明確にした方がいいという感じは私も少し受けますけれどもね。

○松原浄化槽推進室長 もう一度読みかえしてみたいと思います。

○加藤委員長 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、また後で戻っていただくのは一向にかまわないので、次の経済効率性のところ、もちろん環境保全性だとか透明性とか、そういったものとのバランスの上でというのが前提ですが、経済効率性、2ページから3ページにかけていかがでしょうか。
 当初の段階から、何度も何度も議論になった保守点検の回数とか、それから清掃の回数の問題、あるいは法定検査も場合によっては簡素化してもいいのではないかというのが早い段階からこの委員会で出ておりましたけれども、一応これまでの議論をまとめると、こんなことになるのかなということなんですが、ここまで言うのは言いすぎだとか、いや、言い足りないとか、ちょっとこれはおかしいんじゃないのとか、そんな簡単に法定検査の内容を簡素化しちゃっていいのかとか、様々に御疑念があるかもしれませんけれども、どうぞ遠慮なく気になるところがございましたら。
 北尾先生にちょっとお伺いしたいんですが、北尾先生、前から検査の中身をいいものについては簡素化してもいいのではないかという、これは研究者の間でも大体そういう御意見なんでしょうか。それとも北尾先生の意見がかなり強いんでしょうか。大体、研究者仲間ではどんな感じになっているんでしょうか。簡素化していいというのだったら、どうやって簡素化するのかとか、そういう方法について何かある程度研究者の間では、かなりコンセンサスのようなものがあるんでしょうか。

○北尾委員 BODと透視度の問題だと思うんですけれども、従来いろいろなところで測定されたデータによりますと、大体透視度30センチ、つまり30センチ底まで透けて見えるというのが大体BOD20に対応するというような結果になっていると私は理解しております。ですから、私が申し上げた50センチというのは、それよりはるかにきれいな状態ですので、そうなれば大概BODは1けた以下になっていると。だから、そういうようなものは透視度だけで判断して、わざわざBODを計らなくてもいいんじゃないかというふうに、かなり安全を見た提案をしたつもりです。
 ついでに申しますと、今、透視度というのはわざわざ現場に行かなくてもテレメーターシステムみたいな方法で、簡単にデータベースでもって集中管理できるぐらいなんです。ですから単に試験が簡単になるというだけではなくて、わざわざ人間が現場まで行かなくていいと。問題のありそうなものだけ集中的にきちっと丁寧に法定検査するというようなことも簡単に可能になると思います。もし、行政的にそういう要請がなされれば、浄化槽メーカーはそんなシステムというのは1年もかからずに開発するんじゃないかと思います。

○加藤委員長 それは大変興味ある御見解なんですが、私がちょっと心配するのは、そうすると、料金が安くなるのは使用者側からも見ると大変結構だということになるんですが、一方、業者から見ると収入が減るということにもつながりかねないということなんですが、一方で、だからもっと検査をどんどんやればいいじゃないかと。今、10%前後の検査率なんていうんじゃなくて、もっともっと検査をどんどんやれば、別にトータルの収入が減るわけでもないと。まして、今、先生がおっしゃったようなテレメーターシステムみたいなもので、遠隔的に確認ができる部分があると。そうでないところだけきちっとやるというようなことになっていけば、一種の合理性が出てくるし、積年の課題である11条検査の検査率が余りにも低いというものに対する一種の回答といいますか、チャレンジになるというふうに思うんですが、その辺は国安さんどうなんですかね。国安さんなんかは、今の北尾さんのお話を聞いていてどういうふうにお考えでしょうか。

○国安委員 今、言われたテレメーターシステムを含めて、ある一定規模以上のものではそういうものがどんどん導入されてきているし、特に……。

○加藤委員長 もうきているんですか。

○国安委員 はい。集落排水施設では農水省の補助制度を活用して、地域的にはそういうシステムを整備されているということを聞いております。また、一定規模以上の合併処理浄化槽においても、人件費を含めて考えた時に経済的にあう施設の場合には、保守点検業者自らが遠隔監視システムを組まれているということを聞いております。ただし、規模的には数千人単位です。
 今、我々も研究段階ですけれども、戸建ての住宅の浄化槽の遠隔監視として、流出部に濁度計のようなものを設置し、例えば24時間連続、あるいは汚水のピーク流入時間帯における透視度の変化を明らかにするため、濁度変化を現場から遠く離れた場所で把握する実験を行っております。
 ただし、規模が小さい場合、どれだけの経費をかけられるのか、機械設備を付けると、そのものの点検も必要となりますから、必ずしも人が行かなくてもいいというわけでもなく、点検間隔が開くだけであって、トータルの経費がどうなるかによって、一気に普及するかもしれないものだと思っております。今はまだ、戸建て住宅の規模では人件費の方が安いのでは。遠隔監視システムの設備投資と維持費が安くなれば、当然、適用規模はどんどん下がってくると考えております。

○加藤委員長 なるほど、大変おもしろい、かつ重要な問題だと思います。
 時代がIT技術を使っていこうという時代になっていて、インターネットバンキングだとか、そういったものももちろん現実にある時代に、確かにある部分はそういったもので非常に簡便化していくと。そして、コストも引き下げていく。一方で、法定検査を受けていないところがたくさんあるわけですから、そういったところにもっともっと強力に促していくと、そういうビジネスを展開してもらうというのは一方でまた重要だなというふうに思います。
 これは、こういうまとめになっていったら、室長さん、これはどういうことになるんですかね。もうちょっと方法論的に詰めなければいけないと。それは専門的に、例えば簡易測定をする場合にはどうするかとか、それから、今言ったようなテレメーターステムを導入できる場合にはどういう条件が必要かとか、そういうものを検討するのはこの委員会でやるのか、それとももうちょっと専門的なところでやるようになるのか。今すぐ結論は出ないかもしれませんがどんな可能性があるんでしょうか。

○松原浄化槽推進室長 法定検査につきましては、都道府県、指定検査機関等関係者もいらっしゃいますし、実務的にも細かな問題もあろうかと思っておりますので、御提言を頂いた暁には、別途検討させていただきまして、節目ごとにこの専門委員会で御議論いただくということも考えられるのではないかと考えております。

○加藤委員長 なるほど、わかりました。
 今お聞きのとおり、もし今ここに書いてあるようなことになるとすれば、次回ぐらいにある種結論を出していただくということになると思うんですが、そうしたら幾つかの課題については専門的に検討して、そしてそれをまたここに3か月後か半年後か1年後かにフィードバックされて、この専門委員会として最終的に確認をしていくと、そういうプロセスを経るということのようであります。
 ほかにいかがでしょうか、この経済効率性の問題。どうぞ、新美さん。

○新美委員 法定検査の点は今の方向でぜひ御検討いただくのがいいんじゃないかと思いますが、それとの絡みで、簡素化をする場合には前回の法定検査だけではなくて、やはり清掃業者がどういう清掃をしたのかというような情報も必要ですので、清掃と法定検査のところがちょっとリンクが足らないので、もう少し法定検査のところに情報が一元化していけるようなシステムを構築した方がいいんじゃないかという気がするんです。
 これは先ほどの業務のお話とも絡むんですけれども、法定検査というのはやはり最終的にチェックしていくわけですので、そこに情報が集まっていって、法定点検をどういうふうに簡素化するのかというような仕組みを考えたら、より経済効率性が高いのではないかという気が致します。

○加藤委員長 ありがとうございます。
 清掃の点についてのあたりはどうでしょうか。大体、こういうところでよろしいでしょうか。
 どうぞ。

○河村委員 こういう業界の人にはよくわかっていることなんですけれども、普通の人からいうと清掃という言葉の中に、例えば汚泥を搬出するとか、そういうイメージというのはあるのかどうかというのがありまして、清掃という言葉を残すのは当然いいんですけれども、ある種の説明をした方が、中身的なことになるんですけれども、幾つかのキーワードを入れた方がいいのかなという気がします。
 どうしても清掃となると、掃除、掃いたり、拭いたりみたいな感じがあるんですけれどもね。

○加藤委員長 今、河村さんがおっしゃったのは、このタイトル自体に、例えば汚泥引き抜き等の清掃とか、そういうのを書いた方がいいんじゃないかということですか。それとも清掃という言葉を……。

○河村委員 やめることはもうできないと思いますので、清掃の中身を少し具体化した方がいいのかなと。清掃という言葉は多分もうとれないと思うので、これだけにかかわらず今後の話として。

○加藤委員長 つまり、業界関係者はもちろん全然問題なくわかっているということですね。ですから、一般のユーザーなり一般の方々に、浄化槽でいう清掃とは何かということを少しわかるようにしておくと。
 私の理解といいますか、要するに浄化槽の汚泥の引き抜きというのを清掃だと私は思っているんですが、これは国安さん、どういうふうになっていましたか。浄化槽法に定義がありましたね。

○国安委員 あります。引き出しとか、洗浄、調整、水張りなど。

○加藤委員長 洗浄、調整も含むんですね。
 そういうことを常に一般の方にきちっと理解していただくように、いつも清掃と言ったらもうわかるだろうというアプリオリに決めるのではなくて、ややくどいかもしれませんけれども、常に、今おっしゃった引き抜きだとか調整だとか洗浄だとか、そういうことをする清掃というふうに書いておくというのはいいのかもしれませんね。別にどこもかしこも全部書くという意味では全然ないけれども。
 山本さん、どうぞ。

○山本委員 今の河村先生の意見に私も賛成でして、汚泥の管理のような言葉が清掃のところにくっついているといいんじゃないかと思います。
 きのう見学しました全ばっ気方式の清掃過程で、全量を引き抜いてしまうというのが、要するにユーザーは清掃だと思っているので、全部引き抜くことを要求するというようなこともあるようですので、きっちりそういうところがわかるような言葉が入っていた方がいいんじゃないかと思います。

○加藤委員長 そうですね。確かに言葉が普及啓発の重要な点かもしれませんね。まさにそういうことがわからなくて、一般のユーザーの方々にはいろいろと誤解が発生したりするんでしょうね。わかりました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 そうしたら(3)の信頼性の向上、環境保全性との絡みで、特にこの法定検査というのは、例のヒューザーの建築基準法違反のような話が出てきたりしまして、確かに法定検査の公正・中立性が保てるようにちゃんとなっているのかとか、そういうのは恐らく一般の方々からはかなり厳しい目で見られるようになってくるんじゃないかなというふうに思っておりますが、そういったことも含めていかがでしょうか。
 北尾さん。

○北尾委員 信頼性の向上に関して指定検査機関と、それから都道府県という内容になっていますが、やはりここにも市町村に関する記述が必要なんじゃないかと思うんです。
 必ずしも浄化槽に関する市町村の役割というのがこれまで明確には挙げてこられなかったかもしれませんけれども、実際、住民と直接かかわるような形で行政をやるのは正に市町村の役割ですし、浄化槽というのは非常に数が多いとか地域性があるとか、いろいろな意味で市町村とのかかわりがこれまで以上に求められるというような存在であると私は思うので、やはり市町村についても、しかるべく何か書き込みが必要じゃないかと。具体的に何かと言われると、ちょっと今即断できないんですが、考えていただけないでしょうかと思います。

○加藤委員長 なるほど。原案では「都道府県等」というふうに「等」となっているわけですね。今の北尾さんの御意見に対して室長さん、どうですか、取りあえずのコメントとして。

○松原浄化槽推進室長 ここに掲げられているような事項については、中間取りまとめやその後の御議論の中では、都道府県に関してはいろいろと出たので書かせていただいたんですが、市町村に関しては、私の勘違いかもしれませんが、見当たらなかったので、特に掲げなかったものです。

○加藤委員長 ただ、このヒアリングのときでも、埼玉県の飯能市の方が非常に積極的に管理組合をつくっている話とか、それからあとその前でしたか、市町村の全浄協の事実上佐久市の課長さんが来て、いろいろと努力をしていらっしゃる、そういうこともありますので、信頼性の向上という点では確かに北尾先生がおっしゃるように、法令上の権限が都道府県というふうになる場合が多いんですが、かなり市町村に移譲されていく面もあると思うので、やはり書いた方がいいかもしれませんね。

○粕谷廃棄物対策課長 今、加藤委員長がおっしゃったように、浄化槽法上、直接市町村がどうこうというのはなかなか出てこないんですけれども、一方で、一般廃棄物処理計画の一つとしての生活排水の処理計画というのは市町村がつくるという立場もございますので、そういう観点から環境保全ということに関して、何らかの市町村の役割なりというものがあろうかと思いますので、少しそこは検討させていただきたいと思います。

○加藤委員長 ぜひお願いいたします。
 新美さん。

○新美委員 今のは非常に重要なことで、市町村をぜひ入れていただきたいと思いますが、それとはちょっと違った観点で、指定検査機関相互の情報交換とか技術研修の機会みたいなものはあるんでしょうか。

○加藤委員長 これはあるんじゃないかと思いますが、国安さん、どうでしょう。

○国安委員 今、指定検査機関は東北や関東などのブロック単位、県内に複数の機関がある場合には県単位でグループを作って、定期的にその中で、検査の方法や行政との連絡・連携とか、検査結果の活用などについて検討されています。
 さらに年1回、教育センターが開催している全国浄化槽技術研究集会の中に検査員分科会を設けまして、情報交換とか技術研修を行っております。

○新美委員 ありがとうございます。なぜそういうことを申し上げたかと申しますと、今、流動性が非常に高いものですから、別の地区で浄化槽を使っていて、新たな地区に来たときに技術基準とか何かにずれがあると、使用者の方は戸惑うことがしばしばあるものですから、できるだけその辺の平準化と申しますか、そういうことができるようなシステムをきめ細かくつくる必要があるんじゃないかということで質問した次第です。

○加藤委員長 ありがとうございました。
 国安さんに重ねて御質問しますけれども、今御披露のあったのは、これは国からの要請のようなものがあってやっているのか、それとも財団法人日本環境整備教育センターの自主的な活動としてやっているのでしたか、これは何でしたか。

○国安委員 私の理解では自主的に。

○加藤委員長 自主的にやっていらっしゃる。

○国安委員 というのは、教育センターは検査員養成の講習会を実施していますので、養成した検査員に対して講習機関としての業務の一環として情報提供、それが非常に大事だと思っておりますので、継続してやっております。
 ただし、先程の新美先生の御指摘の中で、新しい色々な浄化槽に関する情報伝達方法としては、資料を配付しておりますが、具体的に検査員の方々と同じ場で議論しながら、検査のやり方を含め細かく情報伝達をするような形のものまでは出来ていないのが現状です。
 最近、高度処理化で色々な構造の製品が普及し始めたので、1年くらい前に、新しい浄化槽の検査方法に関する研修会をブロック別に開催したのですが、他の先生からも御指摘があったように、毎年、新しい構造のものが出てきているので、やはり何らかの形で検査員の方々に対して新しい浄化槽の検査のやり方に関する情報伝達をルーチン化する必要があると、個人的には思っています。

○加藤委員長 ありがとうございました。
 市町村のところは何人かの先生が非常に重要だということですので、先ほど課長や室長からのお答えのように、ひとつ次回までに市町村についても、確かに信頼性を高めるという意味では市町村が果たす役割はかなり大きいと思うんですね、法律上の権限とは別に。現実に努力もしていらっしゃるので、そういったものを書き込んでいただければと思います。
 それでは、次のセクション2といいますか、国民への普及啓発、これも既に出ておりますけれども、いかがでしょうか。

○河村委員 アのところの1行目のところで「浄化槽は約230万基の浄化槽」となっていますけれども、後半の方は合併処理浄化槽の意味合いかと思うんですけれども、前半は今までの全てを含めた浄化槽かと思うんですけれども、ちょっと文章として気になります。

○加藤委員長 要は、「浄化槽」という言葉で合併と単独とがあってと、そういうことですかね。そして、合併の……。
 それでは、そこのところ室長。

○松原浄化槽推進室長 こちらの方は既に設置されている浄化槽が多いので、新規のものについてだけ行っているのは不十分ではないかというような御意見があったことを踏まえています。この部分の御意見では、合併と単独の別はあまり重視されていなかったのではないかと思います。
 ただ、今の書き方ですと、「浄化槽」という言葉が同じ文で2回出てくるので、ちょっと紛らわしいので工夫したいと思います。

○河村委員 浄化槽全体だと230万基よりはるかに多いですよね。ですから、これは合併の数かなと思ったんです。

○松原浄化槽推進室長 数については合併でございます。

○加藤委員長 ほかにいかがでしょうか。
 それとあと、私は先ほどの市町村のところでもちょっと思い出したんですが、この委員会で市町村の方に来てもらってお話を聞いていますよね。例えば、普及啓発で言うと、この前宮崎県の方に来てもらって、宮崎県ではこんなことをやっていますよという、そういう情報を囲みか何かの形で残しておいたらどうかなという感じはしますね。
 例えば、維持管理についても飯能市ではこういうふうにやっているという御報告があって、委員の先生方も。飯能市がやっているからほかも全部やれとか何とかという意味ではないですけれども、そういう情報を何か囲みとか、ボックス的に紹介しておくというのはどんなものでしょうか。何かバイアスを与えてまずいとか、そういう御意見ありますでしょうか。
 宮崎の普及啓発の努力なんてなかなか大したものだとは思うんですけれどもね。そういうのは、室長、やはり個別の事例を載せるというのは、余り役所の立場ではおもしろくないと。

○松原浄化槽推進室長 先生方に特に御異論がないようであれば、差し支えないのではないかと思います。

○新美委員 私も見ていて非常に適切な普及啓発をやっている事例については、紹介するという方がいいと思いますし、それと併せてやはり普及啓発の仕組みをつくるべきだというのはわかりますが、もう少し普及啓発についての情報交換が可能になるといいと思います。
 確かに、市町村とか都道府県ではそれぞれ情報交換しているでしょうけれども、その情報がもう少し円滑に流れるような場を提供してもいいんじゃないかという気がいたします。

○加藤委員長 それでは、せっかくここへ来てもらって御発表いただいた事例については、最近のはやりでいえばボックス的な、参考情報的な扱いで専門委員会としては載せておくと。そして、この専門委員会の私どもの議論のまとめというものを皆様方が見ていただくときの一つの参考にしていただくというふうにしたいなと思います。
 ほかに何かよろしいでしょか。
 それでは、7ページ目の単独処理浄化槽対策ということですが、これは特に山本さんが非常に早い段階から単独というのは重要じゃないかということを言っていらしたんですが、ここに書いてあるようなことでいいんでしょうか。それとも足りないよということなんでしょうか、どうでしょうか。

○山本委員 この書き方ですと、単独処理浄化槽の全面廃止は望ましいが、実際上の問題として、便所が使用できない問題も生じることも必要なので、それはなかなか難しいから今のような施策を継続して行うというふうに読めなくもないんですけれども、それよりはもう少し、時限を切ってというところが難しいという御判断だと思うんですけれども、やはり年次計画ないしは明確なビジョンの下に、全面廃止に向けた施策の展開ということをもう少し打ち出してもいいんではないかなと思います。

○加藤委員長 山本先生の御意見は非常に強い御意見ですが、いかがでしょうか、ほかの委員の先生方で。
 新美さん。

○新美委員 私も山本先生の意見に近いんですが、例えば時限を切ってというときに、耐用年数とか、あるいはこれは税法上どういう処理になっているかわかりませんが、減価償却の期間なんかを考慮して、それが切れたときには廃止ということをわかっているわけですので、いわゆる違法化される前の時点、違法化させた時点から何年後というのに明確なタイムスケジュールを設定しておいた方がいいと思うんですね。それ以降はやはり絶対に認めないし、あったら撤去させるというくらいの強い姿勢を示してもいいんじゃないかと思います。
 財産権の侵害とかそういうお話が出てくるんでしょうけれども、今申し上げましたように、もう耐用年数を過ぎているというのは、ある意味でこれは使用すること自体が問題だということになってきますので、そういうことを含めて将来的な目標としてというような優しい表現ではなくて、もう少し一歩前に出たような表現の方がいいんじゃないかという気がします。

○加藤委員長 強い御意見がお二人から出されましたけれども、どうですか、他の先生方。
 地方へ行って単独浄化槽の話を聞くと、いや、もう老人夫婦しかいなくてとても直せませんよという話もよく聞いたりなんかするものですから、もう息子たちもこの家には帰ってこないし、じいさん、ばあさんがいる間はこれでいくけれども、というのを聞くとなかなかそれを変えろというのは大変だなという思いも、実は私個人はそういう思いももちろんある。一方で、もちろんこれはもうつくらないという政策を決めた以上、また環境保全性という観点から見ると、言うまでもなく雑排水は出ていくわけですから望ましくないと、時限を切ってやると。
 山本先生もおっしゃったように明確なビジョンを持ってやっていくというか、それは非常に重要なことかもしれませんね。やみくもに5年後には廃止だというのではなくて、もうちょっと明確なビジョンを持って、それは地方のいろいろな状況、例えば高齢化率が40%、50%なんかになってきたとき、過疎部落であるとかそういうところでどうするかとか、それぞれ自治体にある程度任せるということも含めて考えてもいいのかなとか、いろいろと思ったりしますが、その辺はいかがでしょうか。例えば、北尾先生なんかはどんなふうにお考えですか。

○北尾委員 単独処理の年限を切っての廃止というのはかなり難しいというのは私が言い出したことだということなんですが、先ほど耐用年数を過ぎて使っていること自体が問題だと。確かにそうなんでしょうけれども、実は浄化槽の耐用年数というのはいまだにわからないんですね。
 つまり、一番初期に設置されたものでもまだ正常に動いているという状況で、もちろん部品は耐用年数がありますから10年に一度とか取りかえなければならないわけですけれども、実は本体自身の耐用年数というのは、どこまでもつかまだよくわかっていないという面がございますし、それからもう一つは、私、やはり気になるのは、同じように生活排水を垂れ流している人たちとして小規模事業者というのがあるということと、それからもう一つは、トイレが水洗になっていないというものとの公平性というか、整合性というか、そういうことをどういうふうに図りながら、全体として非常に公正な進め方をするかというところについて一定の整理ができれば、私も山本先生が言われるように、ただ減っていけばいいというだけじゃなくて、計画的に展望を持って減らしていくということは非常に大事なことではないかと思いますので、皆さんのおっしゃっていることとそう違う意見を持っているつもりはないんですけれども。

○加藤委員長 よく理解できます。
 河村さん。

○河村委員 この場でも御紹介あったかもしれませんけれども、現実問題として単独処理浄化槽から合併への切り替えとか、そういう実態というのは把握しておられるんでしょうか。

○松原浄化槽推進室長 設置基数の推移については、いろいろ御批判はありますけれども、把握してございます。

○加藤委員長 数字はどのような数字ですか。

○松原浄化槽推進室長 20万基ぐらいずつ減ってきています。

○加藤委員長 年間20万基も減っているんですか。
 ただ、減っているのがすべて合併に置きかわったというわけではもちろんないんですね。

○松原浄化槽推進室長 すべての減少数でございますので、単なる廃止、下水道への接続等も入っています。

○加藤委員長 ありますね。

○河村委員 そういうことの数字を見ていますと、かなり強力なことをしないと、なかなか難しいなということで、今までお話のように何かそれなりの方針を立てる必要があるのかという気はします。

○加藤委員長 国安さんどうですか、この問題について。

○国安委員 非常に難しいと思っています。要は、浄化槽も基本的にはユーザーが家の増改築の時でない限り、なかなかそういったところにお金を出されない。特に、単独と合併の違い、新設ならば水洗化という利便性があるのですが、単独を使われているお宅だと、合併に切り替えても目に見える利便性の向上ということがないので、設置費用に対する上乗せ補助があったとしても、市町村なりが住民に対する啓発を十分やっていくという体制が出来ない限り、既設の単独の切り替えということはなかなか進まないような気がしています。だから、利便性だけでなく、必要性ということを住民の方々が理解してくれるか。
 あとは先程、委員長がいわれた高齢化に関しては、出来ることならば高齢化対策を含めて他の事業を活用しながら、切り替えていかなければ。特に、汲み取りの場合には、他の事業の活用もお願いしたいと思っています。

○加藤委員長 この問題、一応重要な問題で、今日この場ですぐに結論が出るかどうかわかりませんが、次回までに今まで寄せられた先生方の御意見を踏まえて少し書きかえなり、あるいはチョイスを示すなり、そんなことをしてみたいなというふうに思っています。
 ちょうど須藤先生がいらして、多分、須藤先生もこの部分はかなり御関心の深い部分だと思いますが、今、何が議論かいうと、ちょっと復習しますと、これまで数回にわたって維持管理、それから普及啓発、単独問題、議論をしていただき、それからそのほかに幾つかの団体の方に来ていただいて御披露いただいたりして、そういったものを踏まえて、一応今までの議論のたたき台をつくりしまて、一わたりずっと委員の先生方から御意見を頂いてきたと。
 もちろんいろいろな意見を頂きましたけれども、概ねこういう線で大筋はいいのかなという印象を私は実は持っているんですが、たった今、議論になっているのは単独処理浄化槽のところの書きぶりで、7ページの2つ目の○ですね。「将来的な目標として、時限を切って単独処理浄化槽の全面廃止が望ましい。ただし、単独処理浄化槽が浄化槽に転換できないまま使用禁止となった場合には、その家屋においては便所が使用できない等の問題が生じることも考慮することが必要。今後とも、その時点ごとの単独処理浄化槽の設置状況や問題点を踏まえた、適切な施策が行えるよう検討を続けることが必要。」というふうにこの案としてはまとめてあるんですが、それに対して山本先生あるいは新美先生から、これではちょっと弱いのではないかと、もう少し明確なビジョンを示して将来的には単独を全面廃止というのをもう少し強く出した方がいいのではないかという意見。
 それに対して、例えば浄化槽だけ単独はだめよといったときに他の施設、浄化槽以外の施設でいわゆる水濁法上のすそ切り以下の小規模施設については別におとがめも何にもないのに、なぜ浄化槽だけやるのかという公平性の問題が起こり得ますねと。
 それから、例えば汲み取り便所ももちろんまだ単独以外にもあるわけで、そういう問題でここだと生活雑排水が汲み取り以外のところから垂れ流しの状況が続いていますねと、こことの公平性の問題がありますねなど意見が出ていまして、そこはかなり重要な点かなというふうに思っていまして、今日ここですぐに結論を出すのは、むしろもう一回少しみんなで考えて、次回ぐらいに出した方がいいかなというふうに思っていたところなんですが、ちょうどこういう問題に一家言も二家言もある須藤先生がいらしたから、須藤さんはどうお考えになるかというのをとりあえず伺っておきたいなと。

○須藤委員 どうも、ちょっと至急の問題がありましたので、遅刻いたしまして大変申しわけございません。
 今、委員長の御質問のところに限って、それでは私の考えを簡単に申し上げさせていただきますが、私自身も湖沼水質保全計画やら、様々なところで負荷源の割合等も見ていますと、生活排水の中でも単独処理浄化槽の割合というのは、BODももちろんのこと窒素、燐も含めて、著しく高いということは事実でございまして、最近は面源―面源というのは流出水と湖沼法ではよばれるようになったんですが、それにしてもそれほどすぐに効果があるということにはならないだろうと、思っております。そういう意味で単独浄化槽を、ある時期というのが5年なのか10年なのかという年数は今後議論が必要だと思いますが、やはりそれだけの負荷源を持っているということについては、全面禁止のような処置がとれれば望ましいだろうと、こういうふうに思いますが、ただ現実を考えたときに、いろいろな障害になる部分はあるだろうと思いますので、それは今後議論をしていただきたいと思います。
 それから、2番目の質問の公平性の問題ですが、小規模排水あるいは事業所のすそ切りの分、それから未規制の事業所の分、まだまだ浄化槽どころではなくて、水量からいえば、すそ下げもありますので50トン以下が全部ではございませんが、それにしても10トン、20トン、30トンぐらいのところが、指導はあるものの未規制であるということは事実であります。
 これについては、私も水環境部会の方もお預かりしていて、総量規制にしても、それから湖沼水質保全にしても常にそのことを取り上げておりまして、すぐ水濁法の改正というところまでにいくまでには時間がかかるとは思いますけれども、かなり地方によっても進んでいるところもございます。こうなるといつもどこでも公平というような、1、2、3で一緒というのはかなり無理です。
 ですから、私は浄化槽が先に進んでどうして悪いのかというふうにいつも思うんですね。負荷源が大きい、それからやりやすいとは言いませんけれども、わかっていること、できることということで、もしも事業所排水よりも少し先に進んでもそれはいいんじゃないかと。これをやれば事業所排水は進みます、必ず。
 ですから、お互いに牽制し合っていたのでは、これはよくないので、いいことをどこが先に始めるかということも大切なので、私は自分で約束はできませんけれども、未規制の事業所排水については、必ずやるようにしますということは言いすぎかも知れません。しかし、水環境部会長でもございますので、常々、水・大気管理局の幹部とも話をしておりますので方向は見えているように思います。ただ、どういうふうな問題があって、やはり法律で規制するというのはかなりこういうものとまた違いますよね、水濁法を改正するというのはかなり大変だし、環境基準との問題もあって、この辺は全面的に見直しの検討にも入っていますので、もうちょっと時間をいただきたいと。私がこの分野の仕事をやっている間はその方向を目指したいということだけは申し上げておきたいと思います。

○加藤委員長 大変心強い御発言ありがとうございました。
 山本さん。

○山本委員 すごいですね、よろしくお願いします。
 未規制の小規模事業所対策も進めなければいけないことでしょうから、やはりトップランナーをつくりながらお互いに刺激をし合うのはいいのではないかと思います。

○加藤委員長 北尾さん。

○北尾委員 余り水かけ論的になりたくはないんですけれども、実は大分以前に単独処理浄化槽の廃止のアクションプログラムなどをつくりましたときに、確か全国一律に単独を廃止するというか、法律で禁止するというのは無理だから、できる地域から順にやっていくことが大事だというような趣旨のことを盛り込んだわけです。
 それでたまたま私、そのときに滋賀県の環境審議会の水質部会長もやっておりまして、滋賀県が早速その提案に乗ってきまして、滋賀県では単独浄化槽を条例で禁止するという措置を打ち出したわけです。
 そのときに、やはり一般の方に聞きますと、自分たちが単独処理というか、わずか1立米ぐらいの水を一生懸命きれいにしても、お隣の豆腐屋さんなりなんなりが町内全体分ぐらい流していると。だから、できるところから先にやるということはあるかもしれないけれども、どこから先にやるべきかというと、むしろそういうところからやるべきだというのが私の考えです。
 やはりそれで、実は水環境部会でいろいろ議論しまして、滋賀県は一挙に全県すそ切りを10立米まで下げました。それは案外簡単にできたんです、実は。調査してみたら、下水道対応のところとか、あるいはもう既に浄化槽で取り込めるというようなところも結構ありまして、それほど難しい問題ではなかったと。もちろん2年間の猶予期間とか県が補助を出すとか、そういういろいろな措置はとりましたけれども。ですから、私はむしろプライオリティーはどちらにあるかというと、反対にあるという認識を持っているんです。

○加藤委員長 いずれにしても、両先生方のおっしゃることは私は痛いほどよくわかります。これにつきましては、私としては今ここですぐに結論を出すというよりも、次回、今日このペーパーについていろいろと御示唆を頂きましたので、そういったものを踏まえて、もう一度議論する、必要なら二度でも三度でも議論しますけれども、ただいつまでもたらたらやっているつもりはもちろんありません、ほかにも重要課題たくさんありますので。少なくとも次回にはもう一回今日の議論の確認をしたい。そのときの1つの重要な点かなというふうに思います。
 そういう意味で、また事務局と今日の先生方の非常に強い、熱い思いを、非常に大事だと思います。いずれにしても、どちらが正しいとか正しくないとかという問題では全然なくて、ともに正しくて、ともに重要な問題だと思っていますので、しっかりと事務局と私たち頑張って、次回に先生方の熱い思いが正確に反映できるようにしたいなと思っております。

○新美委員 浄化槽でどんどんとこういうふうに厳しくしていくというのは、確かに技術の進展というのは非常に大きな要因だと思います。水濁法における未規制というのはどの程度の技術レベルを想定してすそ切りをしているのか。これは何十年も前の技術レベルなのか、現在の適用可能な技術からいったらどこまで、どの辺ですそ切りしなければいけないのかということを少し考えた上で、比較検討をする必要があるんじゃないかというふうに思います。

○加藤委員長 その辺は、須藤さん、どうなんでしょうか、今の新美さんの。

○須藤委員 先ほどからのすそ下げというか、50トンのところを20トンにする、10トンにするといったら50トン以上と同じですよね、技術上も、水質基準も。若干違うところ、緩い基準のところがあるかもしれませんが、要するに普通だったらああいうもので生物処理をやってということで、そんなにすごく簡易な緩い基準ではないはずです。
 ですから、浄化槽の方の問題の放流水の水質基準というのと、若干水濁法の―水濁法というのは御存じのとおり直罰をかける法律なので、規制という点からすれば水濁法の方にかかったらものすごくきついわけですよね、違反したら直罰にかかりますので。そういう意味では、ちょっと浄化槽とは性質の違う、ここは倫理規定とは言いませんけれども、比較的目標のようなものですよね。
 ですから、ちょっと性格は違うんですが、技術上では―今1つの大きな議論というのは、ちょっと横道それますが、今の型式の浄化槽のようなものを小規模な浄化槽にも使っていって、それを1つの構造基準にしたいという案ぐらいはできているわけなんで、やり方とすると、小規模事業所というのは90万ぐらい多分あると思うから、それを全部水濁法と同じような体系にしてしまうと、それこそ水質調査、排水調査だけだって容易でなくなってしまうから、今の10倍以上になってしまうので、とても今の水質規制の体制ではできないから、10トン以下になったらもちろん変えなくてはいけませんけれども、北尾先生がおっしゃるように10トン以上だったらそれほど、今の50トン以上と施策としても大きな違いは、私はないのではないかと。20トンのところもありますし、30トンのところもありますし、全部ちゃんと理解していませんから、50トン以下じゃないところですそ切りというか、すそ下げをしているところ結構ありますので、その辺は一度、事務局から水環境課に聞いていただいたらいかがでしょうか。ちょっと私も全部にかかわっていませんので、申しわけございません。

○加藤委員長 ありがとうございます。
 この単独の2番目の○のところの議論は、これは非常な重要な議論で、先ほど申しましたように次回もまた引き続き検討したいと思いますが、それ以外の点で何かどうでしょうか。
 どうぞ。

○須藤委員 これももしかしたら御説明があったのかもしれないんですが、私もあらかじめ事務局から3Rの議論に基づいて単独処理浄化槽の利活用というんですかね、下から2番目の問題なんですが。思想としては大変よくわかるんだけれども、書かれている以上はある程度の見通しがあっての話なのかなと思うんですけれども、あれだけの―あれだけってそんなに大きくはないかもしれませんけれども、大きさのものが一遍に600万基出てくると思いませんけれども、これを最終的にどう3Rに乗せていくかというようなアイデアなりなんかはあった上でこれをお書きなのかどうか。
 基本的には、すべてのものが3Rの姿勢というのはこれからの社会で必要なんだけれども、あのもの自体がそれになじむかどうか。例えば逆にそのためにものすごくエネルギーコストをかけてしまったら、これこそCOの増大にもつながるので、その辺の見通しについて、そうかといって、そこに埋め戻していいのかどうかもわかりませんので、もし書かれている以上に何か見通しがあるのでしたらお教えいただきたいと思います。

○松原浄化槽推進室長 こちらの方は、過去に幾つか先行的に調査をされた例というのがあるのでそこに書いているということでございますけれども、恐らく先ほどおっしゃったようにフィージビリティーみたいなものまでを精査したものというのがまだどれぐらい確立しているかというのはよくわかりませんので、今後、研究していくというような感じだと思います。

○加藤委員長 その過去の調査というのはどんな調査をやったんですか。

○国安委員 環境省で毎年実施されている行政調査、その資料の中に実施市町村数や事業内容などが出ていますし、我々も調べてみると下水道関連の新たな事業として、下水道への接続によって使われなくなった単独処理浄化槽、合併処理浄化槽、そういったものをできるだけ雨水貯留槽なり、雨水浸透層に活用する場合には補助金が出ています。この制度の活用例として、確か、愛知県の市町村で実施されている事例が多かったと記憶しております。

○加藤委員長 実は、私も須藤先生が御心配になるように、単独をまた掘り出すというのはなかなか大変ですよね。ボリュームも大きいだけではなくて、もちろんし尿などの処理として長年使われていたものですから、そういった衛生上の問題、景観上の問題様々に、産廃処理の1つということになるんでしょうけれども、なかなか大変だねということですが、あれも全部引き出してあれするというだけではなくて埋め戻しをするとか、そういうのがいろいろとあるわけですね。もちろんそれ以外に雨水の貯留槽として使っていくとか、積極的に活用していくとかたくさんあって、そういうこと全体を含めて3Rの考え方に基づき適切な処理と書いたのだと私は思っていたんですが、そんなに深い意味があるというわけではなかったと思うんですが、その辺はどうですか、室長。特に「3Rの考えに基づき適切な処理を行うべき。」と、適切な処理について何かきちっとした確たる見通しがあるのかと、こういうことです。

○松原浄化槽推進室長 先行事例があるというお話でございましたけれども、一律にこういうふうにしなさいというところまでにはまだ至っていないのではないかと思いますので、勉強が必要かなと……。

○加藤委員長 なるほど。事例を集めていって、こういう使い方がありましたよとか、こういうおもしろい、どこかの自治体でこんなことをやっていますよとか、そういうのが非常に重要だということですね。
 そのほかにいかがでしょうか。
 そうすると、私の勝手な理解かもしれませんが、この資料3について言うと、もちろん様々に御意見も頂き、修正するところは修正するとかいろいろなことがあったんですが、大筋としては大体こういうようなまとめ方をして、取りあえずまとめて、これまでの約半年に及ぶ議論をまとめて、そして次の課題にだんだん移っていくということで、ではまとめたものをどうするんだということについては、先ほど冒頭にも申し上げましたように、まとめてすぐに法改正を何かやりましょうとか、省令にすぐ書き込みましょうというところは、夏までの議論のように今直ちにというのはないけれども、夏までの議論の場合には省令を改正するために議論をしていただきましたけれども、今回はそういうのはないけれども、いずれも非常に重い課題で、普及啓発1つとってみても営々としてやっていかなくてはいけないし、もちろんいろいろなことで、先ほど室長の方からこの使い方はどうするんだと聞いたときには、浄化槽行政を推進していくときの非常に大きな支えにしていきたいと。
 それから、この内容がまとまれば、そのまとまったものに応じて、次なるアクションが出てくる。例えば、簡易測定、法定検査の簡素化とか、そういった問題が大体方向として出てきたわけですが、そうなれば次回に改めて確認していただければ早速そういうものを検討するための専門的な検討の場をつくって、そしてそれを、その検討にどのくらい時間がかかるかは別ですが、例えば半年後にまたこの委員会にフィードバックしてもらって、確認をしていただくとか、そういうことをしていくということで、大筋はそういうことでよろしいというふうに理解してよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では、そういうことで、もう一回改めて次回に修正したものを御説明して御確認いただくというふうにさせていただきたいというふうに思います。
 次回は、この後すぐに室長の方からあると思いますが、3月末を予定しているようですが、そのときまでに議論をもう一度整理するとともに、次なる課題に少し議論を移していきたいということで、次なる課題とは何かということですが、課題はたくさんあるわけですね。もう既に、この夏の段階でまとめたときに、まだまだこういう問題がありますよといってずらっと幾つか課題を挙げています。そういうものもあるし、例えば私どもずっと終始気になっているのは、須藤先生から前からずっと言われているN、Pの問題とか、取りあえず省令の段階でN、Pは一種の先送りをしているわけですが、こういった問題もあれで終わりだよというわけではないわけですよね。どうやってN、Pなんかを取り入れていくかとか、どういう手順といいますか、どういうふうにして調査研究を更に進めていくかとか、そういう問題ももちろんありますよね。
 そのほかに8月の段階での課題としてずらっと挙がっているのは、例えば浄化槽の調査研究だとか、それから汚泥の処理体制だとか、浄化槽の海外展開だとか、技術開発の促進だとか、そういう課題が出ています。
 それからそれ以外にも、恐らく新しい課題もまたあり得ると思うしということで、次回3月末の議論ではたたき台を確認するだけではなくて、次なる課題について、少しファーストディスカッションみたいなものを始めていきたいと思うんですが、事務局としてはだんだん予算要求の時期になるわけですね。皆様、諸先生方、よくよく御存じのとおり、予算要求は恐らく4月、5月ぐらいから来年度は何を要求しようかという議論が始まって、そして8月末に環境省としてほぼ最終的な決定をすると。それに向けて、簡単にいえば予算のネタをつくっていくというのもこの委員会の一つの仕事だと思うんです。別に私ども予算をつくるための委員会ではないわけですけれども、要するに我々の施策を反映してもらうためには予算にも当然反映されなければいけないというわけで、予算の議論もなんかも少し、予算のネタになるようなことも含みながら、次回、次の課題を少し議論をしていきたいなというふうに思っております。
 仮に、どうなるかわかりませんが、単独浄化槽について先ほど来議論があったような議論がいけば、それも一つの予算のネタになるかもしれないし、あるいはそれとは別にむしろ調査研究でやってもらうべき研究課題があってぜひやってもらいたいとか、そういうような議論に入りたいと思うんですが、その辺、大体、先生方がこの方向で、大筋はこれでよろしいということなものですから、次回について何か室長の方から。

○松原浄化槽推進室長 次回、3月30日を予定してございます。それで、先ほど委員長からもお話がございましたけれども、もしこの議論の整理というのが終了しますれば、新たな課題ということで、また御意見をちょうだいできればというふうに考えています。

○粕谷廃棄物対策課長 ここの議論、委員長整理として示していただいたたたき台の中でも、例えば情報提供をどうやっていくかとか、それは具体の施策として我々取り組まなければいけない話でありますので、予算がなくてできるような話はもちろん検討に入りますけれども、予算要求すべき事項というのはやはり整理してまた御意見賜りたいと思っておりますし、今後の話ということであると、浄化槽が全体のシステムとして独立できるために、やはり清掃した、引き抜いた汚泥をどうするかという話まで含めて議論をしておかないと、なかなか下水道などとの比較も十分できないということもありますので、できればそういったような大浄化槽システムというんですか、何と言ったらいいのかわかりませんけれども、そういった御議論を是非お願いしたいなというふうに思っている次第でございます。

○須藤委員 今後の議論の中の一つとして、今、室長や課長がおっしゃっていただいたこととも関係をするんですが、御案内のとおり、環境基本計画が答申をされて、まだ閣議では決定されませんけれども、新たな環境基本計画は決定されますよね。
 その中で、水の分野というのは健全な水循環の確保ということ、これは5省庁でかなりけんけんがくがくの議論があったんですが、要するに一言で言ってしまうと、私が読めば浄化槽にしなさいよというふうに読めないことではないんですよね、今後の排水対策については。ただ、そう書いてしまったらまずいので、小規模分散型なのか、あるいはとったところにまた同じような水の量を返しましょうとか、表現ぶりは浄化槽とは必ずしも書いていないんだけれども、極めて水循環のためには排水対策というのは小規模でなければだめなんだよというふうに読み取れるんです。
 そういう中で指標がないんですよ。ずっと課題が書いてある、これは御覧になっていただければわかるんだけれども、健全な水循環といっても水がどう回っているかよくわからないわけですよね。そういうので、いろいろ課題があるわけですね。浄化槽はいいんですよと言ったって本当にいいかどうかも、観念論的にはそれでいいんですけれども、そういうようなことが浄化槽が分散してあったときに、例えば大規模なシミュレーションでもいいんでしょうし、実際の実地の調査でもいいんですけれども、本当に浄化槽が健全な水循環で、しかも自浄能力も入れて、前にもいろいろなお話があった吸収もされるとか、そういう自然の活用もあったりして、本当にいいんだということをどこかで一回実証しておかないと、観念論的な議論だけで小規模分散がいいんだよというだけでは何となく。それで、それを計れと言われているんですよね、仕様を計れということもあるので、さっき予算とおっしゃられたんだけれども、何か調査研究でもよろしいし、実際の浄化槽の現場でもいいんですけれども、健全な水循環に浄化槽が大きな貢献を果たしているという証左をとっていただけると、今までの具体的な浄化槽自身の問題ではなくて水環境保全の中でどうなのかということを、あるいは循環の中でどうなのかということを入れるといいのかなと思っておりました。
 これからの5年間の環境基本計画なんで、その間にそういうものが実行していただけるとよろしいのかなと、こういうふうに思います。

○加藤委員長 大変結構ですね。

○山本委員 私も概念的には、常々自律分散持続型の水循環システムということを言っているものですから、非常にそこは浄化槽が絡んでくると思います。浄化槽だけの問題ではないと思いますけれども。ただ、浄化槽のシステムから考えたときに、これからは水だけではなくて、やはりエネルギー回収というようなことも考えて、バイオマスの回収、その辺も考えて議論していったら面白いのではないかと思います。

○加藤委員長 先ほど、粕谷課長が浄化槽一つが独立した一つの立派なシステムとして、汚泥の処理とか、今、汚泥は例えばし尿処理場へ持っていくとか、あるいは下水道に入れているとか、そういうことを多分していると思うんですが、浄化槽自体のシステムとしてきちっと確立させておく必要があると。
 それで、今、山本さんがおっしゃったように、その中にエネルギーも含めて考えたらどうか。それから、今、正に須藤先生から環境基本計画の中で、健全な水循環を確保するというのは、簡単にいうと、浄化槽的な分散型個別処理、そういったものを更に今後やっていくということだと。ただし、それが観念的にいい、いいということになっていっても、本当にそれがいいのかという実証が少しまだ弱いと。そういうことを含めてあれしたいと、こういうことですね。
 そうすると、来年度の予算要求のためみたいなものだけではなくて、そういう次元の話だけではなくて、もうちょっと広く、いわば浄化槽システムというものの更に進化というもののためのいろいろな基礎的な数字をきちんと確保していくということにもつながるという、そういう議論ができると大変いいですね。
 そうしたら、須藤さんから御披露のあった環境基本計画についての関連部門というのはもう審議会レベルでは確定している。

○須藤委員 この間、取りまとめしましたから。事実上閣議の決定を待っているだけですので。

○加藤委員長 それはいいですから、審議会レベルで決まったもの、それは是非委員の関係部門だけでも結構ですので、どうせほかの部分を見たければダウンロードできるはずですから、少なくとも水循環のところだけでも全員の委員の先生方に別途事前にお送りいただけますでしょうか。これは、やはりそういったものを見た上で議論をしたいなというふうに思いますので、私も含めて、ぜひきちっと見ておきたいなというふうに思います。
 ほかに、どうぞ。

○北尾委員 ちょっと乱暴な言い方をするかもしれませんが、以前から私は申し上げていたんですけれども、どういうような制度とか法令とか、あるいはどうあるべきだとかというような議論をしても、結局それが実行されるとか、法令なら法令で守られるということが私は大事だと思うんですけれども、浄化槽の場合、唯一どの程度実行されているかということが統計的にはっきりしているのが法定検査で、しかもあの始末ですよね。
 ですから、そういうチェックシステムというのが、今日議論したような問題についても、あるいは今後の検討課題としても決めたことがどのように実行されているかとか、あるいは法令がどの程度守られているかというようなチェックシステムというのをどうやってつくっていくかということを考えないと、やはり決めっ放しになるような気がしますので、そのあたりもやはり行政的に考えて、何か打ち出していただければ、非常に有効なんじゃないかと思うんです。

○加藤委員長 わかりました。それも一つの議論の俎上にのせるということですよね。
 ほかに何かありましょうか。
 それでは、ちょうど予定の時間にもなりましたし、今日はどうもありがとうございました。
 繰り返しで恐縮ですが、昨年の夏からまた半年近くたって、この半年間、今日は専門委員会として13回ということですから、1年足らずの間に13回も議論したということですよね。そしてその後半部分、4、5回あったと思うんですが、浄化槽の維持管理の業務の在り方、それから普及啓発、単独浄化槽、それについて大変御議論いただいたものを一応整理してみましたが、その整理を更に修正版を次回出すと。その中で単純な修正もありますし、それから単独浄化槽の扱いみたいにかなり今後のポリシーにもかかわるものもあります。それは、また議論をしていただくとともに、次なる課題に向けて、もう既に幾つかの案が出ていますが、例えばチェック体制をどうするかとか、健全な水循環の立証の問題だとか、それから汚泥の適正な処理を含む、あるいは浄化槽にエネルギーが使われているわけですが、そのエネルギーとの問題、バイオマスとしてまたエネルギーを回収していくとか、いろいろな問題があり得ると思うんですが、そういうことを含めて全体的な浄化槽システムの確立に向けた更なる展開といったようなことを議論いただいて、そのうち18年の予算に反映できるものは反映していく。さらに、予算とは別の観点で検討していくと。最終的にずっと先の話かもしれませんけれども、必要ならばまた浄化槽の法の改正をお願いするとか、そういうことにもつながっていくかもしれませんが、それは先の話ですから、どういうふうになっていくかわかりませんが、いずれにしてもこの浄化槽システムというものの前進に私ども専門家としても是非意見を申し上げていきたいというふうに思っておりますので、ひとつ引き続き御協力、御指導、御支援のほどをお願いしたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。
 それでは3月30日、場所はまだ決まっていないそうですが、別途御連絡します。

午後0時00分 閉会