本文へジャンプ

■議事録一覧■

産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルWG
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会自動車リサイクル専門委員会
第15回合同会議議事録


○荒井自動車リサイクル室長  定刻でございますので、これより産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルWG及び中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会自動車リサイクル専門委員会の第15回合同会議を開催させていただきたいと思います。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。本合同会議は、両審議会を合わせまして23名の委員で構成されており、本日の出席状況ですが、6名の委員のご欠席があり、委員14名及び委員の代理3名の計17名の委員にご出席いただいております。
 産業構造審議会自動車リサイクルWGにつきましては、13名の委員の出席をいただいており、定足数である過半数に達していることを報告させていただきます。
 また、中央環境審議会自動車リサイクル専門委員会につきましては、13名の委員のご出席をいただいており、定足数である過半数に達していることを報告させていただきます。
 本日の欠席委員の報告ですが、社団法人日本自動車販売協会連合会中古車委員会委員長の村瀬洋介委員が欠席され、同日本自動車販売協会連合会理事の伏見剛様に代理出席を、社団法人日本中古自動車販売協会連合会会長の小川逸樹委員が欠席され、同日本中古自動車販売協会連合会常務理事の武藤孝弘様に代理出席を、三重県環境森林部廃棄物対策室長の内藤良三委員が欠席され、同三重県環境森林部廃棄物対策室副室長の坂下輝之様に代理出席をいただいております。
 また、群馬県板倉町生活窓口課長の荒井英世委員、主婦連合会副会長の角田禮子委員、全日本自治団体労働組合副執行委員長の加藤孝二委員、社団法人日本自動車工業会環境委員会委員長の小吹信三委員、日本放送協会解説委員の嶋津八生委員、慶應義塾大学経済学部教授の細田衛二委員におかれましては、本日ご欠席となっております。
 それでは、これ以降の議事進行を永田座長にお願いいたします。

○永田座長  どうも皆さん、おはようございます。本日の合同会議の進行役を務めます永田でございます。皆様方には、活発なご議論とともに、議事進行につきましてご協力を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず、配付資料の確認からさせていただきます。事務局、どうぞ。

○荒井自動車リサイクル室長  資料でございますけれども、お手元に資料1から6までをとじております。ご確認ください。また、紙の下のほうには、ページを通して番号を振ってございますので、ご参照ください。何か欠けている部分とかございますでしょうか。

○永田座長  よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日の議題は、議事次第のとおりでございます。前回に引き続きまして、義務者・関係者等に対するヒアリング、2回目になりますが、それをさせていただきます。本日は、解体業者、それから破砕業者の2組に対するヒアリングでございます。
 ヒアリングの進め方といたしましては、説明者から20分程度でご説明をいただいた後、30分ぐらいディスカッションの時間を考えておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、資料3、「本日のヒアリングについて」、これに関しまして、事務局から説明してもらいます。どうぞ。

○荒井自動車リサイクル室長  それでは、資料3をごらんいただきたいと思います。「本日のヒアリングについて」という資料でございます。
 まず1のヒアリング対象者でございますけれども、解体業者の代表といたしまして、有限責任中間法人日本ELVリサイクル機構のほうからご説明いただきたいと思っております。それから破砕業者の代表といたしまして、社団法人鉄リサイクル工業会のほうからご説明いただきたいと思っております。
 2番目のヒアリング項目でございますけれども、まず、(1)といたしまして解体業者からのヒアリング項目でございます。[1]「法令上の義務を適切に履行しているか」という観点から、7点ほど項目を挙げてございます。まず1点目でございますけれども、使用済自動車の引取についての現状・課題ということで、使用済自動車の調達方法ですとか、調達価格、それから調達に係る費用等についてのご説明をお願いしたいと思っております。 それから2点目といたしまして、事前回収物品の回収・処理の現状・課題ということでお願いしたいと思っております。それから3点目、解体自動車の破砕業者及び解体自動車全部利用者への引渡についての現状・課題。それから4点目といたしまして、フロン類の回収実務及び自動車製造業者等への引渡についての現状・課題。5点目といたしまして、エアバッグ類の回収、自動車製造業者等への引渡及び車上作動処理についての現状・課題。6点目といたしまして、使用済自動車の再資源化に関する知識及び能力の向上に係る取組についての現状・課題。7点目といたしまして、電子マニフェストシステムによる移動報告についての現状・課題ということでお願いしたいと思っております。
 それから[2]といたしまして「役割分担の在り方」という観点から、3点ほどお願いしたいと思っております。1点目が、引取業及び破砕業等との兼業についてのメリット・デメリットについて。2点目が、引取業者、フロン類回収業者、解体業者、破砕前処理業者、破砕業者の役割分担についての課題。3点目が解体自動車全部利用における役割分担についての課題ということでお願いしたいと思っております。
 それから[3]といたしまして「3Rの推進状況について」という観点から、3点ほどお願いしたいと思っております。1点目が、有用部品の回収及び回収した部品のリユース・リサイクルについての現状・課題。2点目が、解体工程及び後工程での処理困難性を高める物品の回収についての現状・課題。3点目が、部品リユースの推進に向けた取組の状況。これは自動車製造業者等からの情報提供の状況ですとか、ユーザーへの情報提供の状況及びリユース部品の品質を保証する方法の検討・実施状況等についてお願いしたいと思っております。
 それから[4]といたしまして、「将来の自動車リサイクル制度のあるべき姿」という観点から、1点目、制度施行による効果と影響、2点目、制度検討時には想定されなかった新たな課題の発生状況、3点目といたしまして、他国における使用済自動車の解体、解体部品のリユース・リサイクル・適正処理の状況、4点目といたしまして、短期、中長期的な将来の自動車リサイクル制度の在り方についてお聞きしたいと思っております。
 続きまして、破砕業者からのヒアリングということで、やはり同じように、[1]「法令上の義務を適切に履行しているか」という観点から、6点ほどお聞きしたいと思っております。1点目が、解体自動車の引取についての現状・課題。2点目が、解体自動車の破砕前処理後の解体自動車全部利用者への引渡についての現状・課題。3点目が、解体自動車以外の廃棄物の受け入れについての現状。4点目が、シュレッダーダストの発生量、性状及び自動車製造業者等への引渡についての現状・課題。5点目が、使用済自動車の再資源化に関する知識及び能力の向上に係る取組についての現状・課題。6点目が、電子マニフェストシステムによる移動報告についての現状・課題。
 それから[2]といたしまして「役割分担の在り方」という観点から、1点目、引取業及び解体業等との兼業についての現状・課題。2点目、引取業者、フロン類回収業者、解体業者、破砕前処理業者、破砕業者についての役割分担の課題。3点目といたしまして、解体自動車全部利用における役割分担についての現状・課題についてお聞きしたいと思っております。
 それから[3]といたしまして「3Rの推進状況について」ということで、1点目、有用物の回収及び回収物のリユース・リサイクルについての現状・課題。破砕工程及び後工程での処理困難性を高める物品の回収についての現状・課題についてお聞きしたいと思っております。
 [4]といたしまして「将来の自動車リサイクル制度のあるべき姿」という観点から、1点目、制度施行による効果と影響。2点目、制度検討時には想定されなかった新たな課題の発生状況。3点目といたしまして、短期、中長期的な将来の自動車リサイクル制度の在り方についてお聞きしたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○永田座長  ありがとうございました。
 それでは、早速ヒアリングのほうに移らせていただきます。まず、解体業者として、有限責任中間法人日本ELVリサイクル機構、酒井代表理事に説明をお願いいたします。どうぞ。

○酒井代表理事  それでは、解体業界を代表しまして、私ども、日本ELVリサイクル機構のほうから、リサイクルの現場がどうなっているのかということを含めて、報告と、それから意見陳述をさせていただきます。
 資料、必ずしもヒアリング項目に沿った内容になってない部分もございますので、委員の皆様から後ほど質問いただいて、不足の部分は質疑の中で補足させていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

(パワーポイント)

――まず、本日のご説明項目ですが、ごらんいただいた項目に沿って報告させていただきます。
 私ども、日本ELVリサイクル機構の概要ですが、設立が平成12年。資料、4月になっておりますけれども、すみません。間違っておりまして、6月14日でした。訂正させていただきます。任意団体としてスタートいたしまして、平成17年4月には有限責任中間法人ということで法人化いたしました。全国、北海道から沖縄まで約 930社を網羅した、業界団体としては唯一全国網羅している団体で、会員数も 930社ということで、業界の団体としては最大の団体ということでご理解いただければ幸いでございます。
――これまでの主な活動ですが、まず、リサイクル法施行前に全国説明会が各地で行われましたけれども、これの私どもの業界に対する呼びかけとか、準備等々お手伝いをさせていただきました。
 それから平成18年ですけれども、リサイクル法施行後1年たった時点で、 305万台という引取報告が挙がったわけですけれども、どうも使用済自動車の流通が変わってしまって、なかなか従来の流通が維持できなくなったということもありまして、どうも一時抹消のままで放置されている車が非常に多いのではないかということを調査いたしまして、要望書を提出させていただきました。その結果、18年度、19年度、国のほうで調査をしていただきました。
 それと、19年度からは、後ほど説明いたしますけれども、インストラクターという、次世代を担う若い人たちの教育活動を行っております。
 この20年、本年度ですけれども、北海道において、自動車リサイクルと社会のかかわり方、あるいはその環境における自動車リサイクルの役割というようなテーマでフォーラムを開催させていただきました。
 このほかには、会員向けに、機関誌「日本ELVニュース」を隔月で発行させていただいておりまして、そのELVニュースが発行されない月に、JAERAニュースレターという形で情報を会員向けにホームページにアップして発信しております。
――先ほど申し上げましたJAERAインストラクターについて、ちょっと時間をいただいて説明させていただきます。
 目的は、先ほど申し上げましたように、次世代の人材育成ということと、それから業界内できちんとした技術と情報を会員各社に伝えられる人を育てたいという目的で、全国50名のインストラクターを地域団体から選抜していただきまして、それに対する講習を行ないました。講習については、自動車再資源化協力機構さん、あるいはリサイクル促進センターさん、それからメーカーさんのご支援をいただきながら、できるだけ正しい情報が正しく伝わるように、そしてその正しい情報を得たインストラクターの皆さんには、各地域の団体に戻っていただいて、自分の所属する団体の会員に対する講習を行なっていただきました。
 会員 930社が対象ですけれども、一部、会員でない方々も参加されていて、約 1,000人ぐらいの方がインストラクターによる講習に参加していただいております。
――このインストラクターの講習会を通じて、現場からいろいろな意見が挙がってきております。まず、フロン回収はほとんど解体業者の役割になっているわけですけれども、商用車のフロンについて、一種と二種という分類があって、違うルートで回収処理されるということは十分承知しておるわけですけれども、回収の現場からすると、この仕組み、もう少し何とかならないのか、我々が対象としているエアコンのガス、二種と同じような扱いを一種もさせていただけないかという声が非常に強く挙がっております。
 それともう一つは、特定フロンR12は最近では非常に数が少なくなっております。回収量が非常に少なくて、20キロボンベ1本満たすのに非常に時間がかかる。私どもの業界の平均規模が月に 100台程度の業者さんが多いものですから、 100台程度入ってくる車の中でR12を搭載している車はさらに少ない、数%というような状況かと聞いております。その数%から回収したR12を20キロボンベに満たすためには数カ月かかってしまうということで、遅延報告の対象になる可能性が非常に高くなっているということで、強く何とかしてくれというようなお話をインストラクターのほうからいただいております。
――それでは次に、リサイクル法施行以降の環境変化について、「法施行前後の経営環境の変化」というタイトルでグラフを挙げさせていただいておりますけれども、これは先月10月23日の回答期限でアンケートをとった結果です。約4割の会員さんから回答をいただきました。
 それによると、法施行後、60%の解体業者が入庫減になっている。ただ一方で、40%ぐらいの会員さんは従業員をふやしているというような結果が出ました。資料にもありますように、これはリサイクル法をきちんと守って仕事をするために、事務手続等で手間がふえた、工程がふえたというようなことが1つ要因としては挙げられるのかなと思っております。
 それと、非常に使用済自動車の獲得競争が激しくなっておりまして、その獲得のための営業担当員を増やしたところもあります。それから資源の高騰がありまして、この資源市況に応じて、より精緻なる解体をする業者さんが増えているということで、実際の分別工程も、以前よりもっと細かく分別するようになっているということで、そういった要因が重なって、入庫の台数が少なくなっているにもかかわらず、働いている人は増えているという結果が出たかと思われます。
――「法施行前後の流通の変化」についても聞いてみました。施行前の入庫割合といいますか、入庫先の割合ですけれども、新車ディーラーさん28%、中古車ディーラーさん、16%、整備・板金会社さんが31%ということで、それが施行後どうなったかといいますと、新車ディーラーさん16%、中古車ディーラーさんが11%、整備・板金が30%ということで、新車、中古車の販売店さんからの入庫が非常に減った。一方で、オークション、一般ユーザーさんからの入庫が増えたというような傾向がみられます。
――解体業者の現状ですけれども、現在、事業所ごとの従業員数をお尋ねしたところ、5人までの企業が48%、それから6人以上15人までを含めますと、全体で80%の解体業者がその程度の規模でやっているという結果が出ました。それから月間の処理台数ですけれども、50台までが43%、100台までが20%、合わせますと、63%が100台以下の規模だということがわかります。
――解体業者の業務形態は大きく2つの業務形態に分けられまして、主に資源回収を中心としたやり方と、それから部品回収、販売を中心としたやり方、2つのタイプに類型されるのですけれども、どちらかではなくて、両方やっているというのがほとんどでして、部品により力を入れているか、あるいは素材回収により力を入れているかといったような違いがみられるということでございます。
――次に解体業者の業務フローをみていただきます。まず、車両が排出事業者から入ってきますけれども、この運搬のところの仕事はほとんど解体業者がやっておりまして、解体業の役割としては、まず一時的な集荷。使用済自動車というのは、全国津々浦々薄く広く発生しますので、それをまず、数十台レベル、数百台レベルに集荷するという機能が解体業者としては大きいのかなと思います。前処理で、いわゆるエアバッグ、フロンガスを回収させていただきまして、あとバッテリー、タイヤ、廃油、廃液、それから蛍光灯等の法律で定められたものを回収した後に、販売可能な部品の回収とか、あるいは素材の回収とか行なわれるのが一般的な解体業者のタイプです。
 こういった業務の中で、移動報告等の入力の手間をもう少し簡素化していただければありがたいなということで、例えばICタグ等によってそれを読み込ませることによって自動的に入力できるような仕組みを考えてもらえないだろうかというような声が挙がっております。ということで、そういうシステムにすると誤入力の防止にもなるのではないかという意見が挙がっております。
――主な中古部品については、資料を御覧になっていただければわかると思います。
――先ほど来申し上げているリユースの分野ですけれども、部品流通についての概要を示したのがこの16ページの資料です。解体業者が分別した部品について、主に整備業者さんを通じていろいろ整備業界に販売していただいているわけですけれども、その販売の仕組みは現在全国ネットでコンピュータネットを組みまして、部品の在庫共有化を進めているグループがおおむね10グループ程度あります。そこにはNGPグループ、JAPRAグループという形でお示しさせていただいておりますけれども、こういったグループを通じて整備業者さんに部品が流通する、整備業者さん通じてユーザーに部品を使っていただいているということが現在の状況でございます。
――次に、「中古部品の品質保証基準について」というタイトルで18ページに説明させていただいております。中古部品というのは、一般ユーザーさんは保証がないのではないかということでご心配される向きもあるのですけれども、ほとんどの中古部品、特に機能部品については保証をつけて販売しております。
――次に、「解体期間の実務上の制限」ということについて、ちょっと現状を報告させていただきたいと思います。重量税還付制度が自動車リサイクル法施行と同時に創設されたわけですけれども、重量税を早くお客様に返したいという要望から、最終処理までの時間を排出業者さんによって切られてしまうということがよく起こっております。
 ここにもありますように、平均7.2日という合同会議の資料から引渡報告までの期間が出ておりますけれども、本来 120日間、私ども、部品リユースのための時間を与えていただいているのですけれども、それが十分使えてないというところをどうにかしてくれという会員さんの声が非常に強くあります。アンケート調査でも7割以上の事業者が解体期間の短縮を要求されたというような回答を寄せてきております。したがって、部品取りに十分な時間が確保できないということになるかと思います。
――それと、「オートオークションからの入庫拡大」ということで、リサイクル法施行と前後して、オートオークションから使用済自動車が入るケースが非常に多くなっております。私どものほう、解体業界からみたオートオークション流通が増えた理由としては、引取業者さんが必ずしもきちっとした使用済なのか、中古車なのかという判断をしていただけてないというところ、オークションに全部投げてしまうというところがみられる。それからオークション会社に応札業者として入る人たちの中には相当数外人バイヤーさんが入っており、この辺のオークション会社の資格の管理というものがきちっとなされてない、名義貸し等で非常にだれでも入れるような状態になってしまっているという話が挙がってきております。
 と同時に、使用済自動車は2回流札すると自動的に使用済自動車とするというような申し合わせをオークション協議会さんがしていただいておりますけれども、2回流札しないように、オークション会社が自己落札してしまうというようなことも一般的に行なわれているということで、この辺もオークション協議会さんのほうには改善を求めたいところだと思っております。
――それからもう一つ、オークション絡みの問題ですが、この写真、非常に見にくいですけれども、この車、左のドア2枚ありません。リアゲートもない。バンパーもない。それからテールランプもない。しかも、リアの床が切り取られています。これが中古車としてオークションに流通するというような現状があります。中古車って何なのか、あるいはどこからどこまでが使用済自動車で、どこからどこまでが中古車なのだというところについて、もう少しガイドライン的なものを出していただければ、こういったことがなくなるのではないかと思っております。
 ここにありますように、引取業者さん、登録自動車数が7万 9,758事業所あります。そのうち実績ありの事業所が2万 9,021事業所で、36%の引取事業者さんしか実績がないということ。これについても今後何か考えていただきたい部分ではないかと思っております。
――それから次の23ページ、これはネットオークションですけれども、エアバッグが大量に出品されております。これは10月31日のヤフーオークションの画面ですけれども、そこにありますように、 3,154件出ているということで、しかも、右の写真にありますように、上の写真は助手席のエアバッグです。それから下の写真は、1台分そっくり、シートベルトプリテンショナーとか、あるいはエアバッグのコンピュータ、そういうものも含まれてセットで出ております。通常、整備過程で発生するエアバッグについては中古として販売するのもよしとされているわけですけれども、整備段階で助手席エアバッグが出てくるということはまず考えにくいし、それからシートベルトプリテンショナーが発生して要らなくなるということはまず考えられないということで、これは使用済自動車となる車から外されたエアバッグなのではないかと私どもは考えております。
――私どもの業界として、「将来の自動車リサイクルの方向性」について少しお時間いただきたいと思います。素材リサイクルの高度化とASRの発生量抑制という観点から、解体業界における精緻な解体をもっとさらに推進すべきではないのかということで、シュレッダーにかけないとASRとはいわないわけで、ASRにならないとリサイクル法の対象にならないというのが今の仕組みかと思います。
 その辺、少し考え方を変えて、ASRを少なくするための仕事を最初の分別工程、解体業者の分別工程ですると、もっと手前で分別するということに対する評価、システムの評価をきちんとしていただけないかと。そういうことになれば、もっともっとASR、シュレッダーに入るごみが少なくなるわけで、ごみにする前に、分ければ資源として使えるものも相当出るのではないかというところを私どもは訴えたいと思います。そのためには、マーケットの創設とかインフラ整備とか、関係業界間の情報の共有化等といった対策が必要になってくるのではないかと思います。
――次に認定全部再資源化、31条スキームですけれども、普及による最終処分量の削減。これも今申し上げたことと重なるのですけれども、現在、28条スキームといいますか、シュレッダールートと、それから全部再資源化ルートと2つの手法がリサイクル法で認められているわけですけれども、シュレッダーダスト、ASRの処理費用については、およそトン当たり3万円ぐらいの費用がシステムから支払われている。ところが、全部再資源化スキームに対しては大体2万円前後の予算しかみられてないというようなことがありまして、この31条スキーム、あるいは28条スキーム間の格差というか、不公平をなくしていただけないかという声が挙がってきております。
――次の資料、「直近のスクラップ市況」、こういうふうになってますというのは、後ほど鉄リの渡辺専務さんのほうから詳しいお話があるかと思いますので、省略させていただきます。
――最後に、自動車リサイクル産業の一番中核の部分を担う業界として、我々、もっともっとコンプライアンスレベルを向上させて社会的な役割を拡大していきたい。で、業界の地位の向上を図りたいと思っております。それと、ユーザーさんとの接点をもっともっと増やして、一般の皆さんからも業界としての認知度を高めていただきたいと思っております。
 それと、先ほどインストラクター制度についての報告をさせていただきましたけれども、確かな技術を修得して、正確な知識を業界内に広めることができるような人材を育成していきたいと考えております。
 それと最後に、情報ネットワークを充実させて、正しい情報が速やかに伝わるように、そういうネットワークの構築をしていきたいと考えております。
――直近のスクラップ市況については、後ほど、鉄リの渡辺専務からというお話をしましたけれども、現在でも廃車からの引取価格がゼロに極めて近づいておりますし、一部では引き取れないというような声が出てきております。そういった問題についても、今後この審議会のほうで、どうすべきかということについてご議論いただければありがたいなと思っております。
 以上で、私どもELV機構からの報告を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 それでは、質疑応答のほうに移らせていただきます。ご質問、ご意見がおありの方おられましたら、また名札を立てていただきましたら指名をさせていただきますので、どうぞ、いかがでしょうか。
 どうぞ、酒井先生。

○酒井(伸)委員  ちょっと教えてください。法の施行後、オークションルートと一般ユーザールートの入庫割合が非常に増えてきたというご説明だったのですが、オークションのほうは相当耳にしておりましたので今日のご説明でよくわかったのですが、もう一つ、一般ユーザーからの入庫が相当増えているというのは一体どのような取引なのかというところをもう少し実例を含めてご紹介いただけないかなと思いました。ユーザーからの、ある種、個人ユーザーからの飛び込み的な依頼なのか、あるいは営業的に何か、こういう努力をしてこのルートが増えているということなのか、その辺ちょっと実態を教えてください。
 それと、一番最後、今後の方向性ということで、素材リサイクルの高度化とASRの発生量抑制という点をご指摘されたのですが、これはもう全くおっしゃるとおりですし、ぜひこの方向で期待したいと思うのですが、それに深く関係するのが、事前回収物品もここに深く関係してくるかなと思っているのですが、ヒアリング項目で事前回収物品の回収・処理の現状・課題というところについてご意見があればということで要請があったかと思いますが、フローの中でちょっと簡単には書いてございましたが、この辺のところのかかわり方、この5年間の変化等々について少し現状を教えていただけたらと思います。
 以上です。

○酒井代表理事  まず、ユーザーさんからの入庫が増えた理由ですけれども、これは必ずしもアンケートで理由、背景について確認はしておりませんが、多分、既存の入庫先からの入庫が減ったということもあって、個人ユーザーさんに対する営業、ぜひ廃車を出してくださいというような営業行為が増えているのだと思います。その結果ではないか。ユーザーさんが自発的に持ち込む数が増えたかというと、それはそんなに増えたという感じはしておりませんが、どうですか。

○説明補助者  そうですね。

○酒井代表理事  と思います。事前回収物品についてのお尋ねですけれども、私どもとすれば一番懸念するのは、やはり流通が止まってしまうということです。もちろん処理費用がかかる、例えばタイヤとか、あるいはLLCとか、廃液ですね。この辺は処理費用かかっております。それをできるだけ安く処理していただきたいという要望ありますけれども、それ以上に、そういったものが流れないということが一番困るかなと。今はそういうことはありません。
 ということで、お答えになりますかね。

○酒井(伸)委員  直近のスクラップ市況が低下していることとのことの関係で、今の事前回収物品等への現状としての影響は何もないという理解をしておいていいですか。

○酒井代表理事  まだ出ていないということだと思います。

○永田座長  よろしいですか。

○酒井(伸)委員  はい。

○永田座長  それでは、どうぞ、鬼沢さん。

○鬼沢委員  従業員を増やしてまでも手間がやはりかかっているというのは、今、酒井先生がおっしゃったように、オークションから入ることが多くなったからとは限らなくて、やはり細かく分ける作業いろいろあるということから手間がかかっているということなのでしょうか。それとも、入ってくる割合が変わったということでの作業量が増えたということなのでしょうか。
 それから部品の流通の部分で、一般ユーザーに販売されているというのはどの程度のものがあって、それが増えているのか、あるいはそこの広報はどんなふうにされていて増えているのかということですね。それから、この部品流通に関して、今、海外への中古車の輸出がすごく多くなっていると思うのですが、海外からの需要もすごく多いのでしょうか、そこをお聞きしたいと思います。

○酒井代表理事  まず、なぜ従業員が増えたかというお尋ねについては、一番大きな理由としては、7月まで非常に高い素材市況がありました。より細かく分別することによってより多い売り上げにつながっていくということが、これは私は一番大きな要因かなと思ってます。そのほかに、電子マニフェストという作業というのは従来全然なかった仕事でして、そのために人を1人2人雇っているという会社も結構あります。そういったことも大きな要因なのかなと。部品に関して。

○大橋説明員  一般ユーザーの方が部品をということですね。それほど急激に増えてはおりません。ただ、インターネットオークション等で中古の部品の流通は活発になっていることは確かです。その中で問題となるのは、ノークレーム、ノーリターンというような、そういった保証のない部品も流通しているということが今後問題になってくるのかなと。部品の流通団体は、長い、20年以上にわたって品質保証しながら流通してきたのですけれども、インターネットオークションによって、ノークレーム、ノーリターンの部品が流通することに非常に危惧を感じております。
 ただ、ユーザーの関心は高まっているところから、そういった保証もきちっとした保証の業者がインターネット上でも販売するようになっていくことが望ましいと考えます。
 あと、海外に関してですけれども、これも非常に活発に、部品としての輸出ということは非常に昔から活発になっていると思います。最近ではさらにその傾向も強まっていると思っております。

○永田座長  よろしいですか。

○鬼沢委員  はい。

○永田座長  それでは、どうぞ、伏見さん。

○伏見氏(村瀬委員代理)  業態の中で部品の再資源の業態と、それから資源の業態と2つご説明ありましたけれども、そのほかに中古車の販売とか、兼業でやられている解体業者さんもあるやに聞いておりますが、法施行前後で、その業態の変化、あるいはその規模、先ほどのご説明では、5~6人とか、15人以下で8割ぐらいの解体業者さんというご説明がありましたけれども、そういう大規模化、あるいは集約化というのがこの解体業界の中で進んでいるのかどうかですね。もしおわかりであればお話しいただければと思います。
 それから、その大規模化の中で、採算ベースというのですかね、損益分岐で、月 500台未満の解体業者さんが多かったと思いますが、解体業者さんでどのぐらい月に入庫すれば、その従業員の数にもよるでしょうけれども、どのぐらいの損益分岐台数がめどというのですか、そういう採算ベースの話を聞かせていただければと思います。

○酒井代表理事  正確なデータがないので感覚的なお答えになってしまいますけれども、まず、何を兼業としているかということについては、私ども、あまりデータがありません。でも、伏見委員がおっしゃったような、中古車業を兼ねたりということは十分あり得る話で、整備業も兼ねている人もいますし、確かに解体業専業でない方もかなりいらっしゃるとは理解しております。
 それと、集約化というお話がありましたけれども、確かにリサイクル法施行を契機として、集約化というか、大規模事業者が相当進出してきたということは事実だと思いますが、何台あれば採算に乗るのかというのは非常に難しい質問でして、私、この自動車のリサイクルというのは、1カ所で大量にやればもうかるかというと、そういう商売ではないのではないかと思ってます。
 さっきちょっと申し上げたのですけれども、廃車は一人一人のユーザーさんから一台ずつ発生するというのが基本的なルーツですよね。それをある程度の数に集めて、それでそこからいろいろな分別すべきものを分別していくというのが我々の仕事ですから、多分、1カ所にたくさん集めようとすると、集めるだけでかなり負荷がかかってしまうという仕事になってしまいますね。ですから、伏見さん仰るように、例えば2人3人でもできるやり方があるし、 100人投入してもできるやり方があるしということで、どれがいいかというと、その仕事をやる方の考え方によって変わってくると思います。ただし、全体としては大きい人もいて小さい人もいて、これがバランスよく地域に散在しているという形が理想的なのではないかなと思っています。

○永田座長  よろしいですか。

○伏見氏(村瀬委員代理)  はい。

○永田座長  どうぞ、大塚先生。

○大塚(直)委員  3点伺わせていただきたいのですけれども、第1点でございますが、こちらの21ページのところで、31条スキームに関して、28条スキームとの格差があるというお話でございましたが、31条スキームの場合に、処理委託費用が安価であるという現状があるということですけれども、この最大の理由は、スキームの管理が28条の場合厳しいとか、運営費の取り扱いが不平等とかいうところにあると考えてよろしいでしょうか。というのが第1点でございます。
 それから第2点でございますけれども、使用済自動車の引き取りについてですね。調達にかかわる費用に関してでございますけれども、リサイクル費用を解体業者さんがほかの業者さん、例えば販売業者さん等々ですけれども、に負担を強いられている問題があるということを聞いておりますが、それについていかがでしょうかということが第2点でございます。
 それから第3点でございますけれども、将来的な課題として、プリウスのようなものが増えて、ハイブリッド車が増えてきたような場合に、今までと違った何か問題がないかということについてお伺いしたいと思います。
 以上でございます。

○酒井代表理事  先生、今の最初の質問はどういう、もう少しやさしくいっていただけませんか。

○大塚(直)委員  要するに、31条スキームの場合、安くなっているということでお困りだ、不公平だというお話だったのですが、その原因はどこにあるかということをお伺いしたい。

○酒井代表理事  原因については、私ども、よくわかりません。これは31条で、精緻なる解体に対する対価というのはメーカーさんがお決めになることですから、メーカーさんが何らかの理由で安くしているのではないのかなと思うのですけれども。
 それとリサイクル費用の転嫁ということですけれども、これは必ずしも現実ではないと考えておりまして、オークション流通で使用済自動車を取得するためにはリサイクル費用を別建てで払わなければいけないという現実があります。これはいわば、払わされているというような部分になるかと思いますけれども、しかし、払いたくない人はオークションに行って買わないわけで、そこはどう考えるのかの問題なのかなと私は解釈しております。
 それからハイブリッド車の今後増えてくるであろうリサイクルについて、今年度のインストラクター講習でトヨタ自動車さんのご協力をいただきまして、ハイブリッド車の扱いについても講習項目に加えまして、できるだけ早めに現場にそういうハイブリッド車に関する知識を広めていきたいと考えておりまして、今それを実施しております。

○大塚(直)委員  最後の点についてはどういう違いが何か出てくるのでしょうか。新しい問題というのはあるのでしょうか。ハイブリッド車の場合。

○酒井代表理事  詳しく私ども承知しておりませんけれども、使われているマテリアルが違いますから、その辺の扱いについてどうすればいいのかということについて、これからまだもっともっと勉強していかなければいけないと思います。とりあえず、一番ハイブリッド車の肝といいますか、バッテリーの扱いについて、今年度は講習をやっております。

○永田座長  よろしいですか。

○大塚(直)委員  はい。

○永田座長  では、どうぞ、浅野さん。

○浅野委員  2点ほどお願いします。
 自動車リサイクル法では、解体業者は使用済自動車の引取義務がございますけれども、異物が混入している場合ですとか、あるいは保管能力を超えている場合、こうした正当な理由があれば引取を拒否することができるという規定になっているわけでございますけれども、このような理由で使用済自動車を引き取らなかった場合というのはあるのかないのか、また、あれば、その頻度ですとか、あるいはその理由ですとか、教えていただければと思います。
 それから2点目は、この資料の法施行前後の普通車の入庫状況というのがございますけれども、これによりますと、約6割の解体業者が入庫減となっているとうたってあるのですけれども、実質の台数ですけれども、法施行前と施行後、どの程度減っているのか、あるいは横ばいなのか、そこら辺おわかりになったら教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○酒井代表理事  台数については、10ページの月間解体処理台数というグラフが……

○浅野委員  先ほどいわれた資料のページと、我々がみているのとちょっと違うみたいなので。

○酒井代表理事  違いますか。ごめんなさい。資料が違ってましたね。8ページで、絶対数といいますか、どのぐらいの数を処理しているかという台数が出てますけれども、浅野委員お尋ねは、何台ぐらいやっているかということですよね。

○浅野委員  ええ。資料の、多分これは7ページになるのだと思いますけれども、そこで法施行前後の普通車の入庫状況というのがございます。左にグラフがございますけれども、これで見ますと、60%以上の解体業者の方が入庫減となっているということを業者数でいっているのですけれども、実際の台数というのは増えているのでしょうか、減っているのでしょうかというお尋ねでございます。

○酒井代表理事  すみません。何%減っているかというデータは、私ども、もってないのですが、減っていると思います。それは、なぜ減っているかというのは、多分、新規参入も含めまして参入業者数が増えたということも一つの原因だろうと思いますし、新車市場が小さくなっている。新車販売台数が少なくなりますと、使用済自動車の発生台数も少なくなるということで、そういったことも影響しているかなと思います。確かに、自リ法上は引取台数増えているのですけれども、現場ではそういうような感覚で受けとめてます。
 それと、最初にお尋ねの異物があった場合なのですが、異物が入っていることによって、引取拒否というのはなかなか実際の現場では難しい。いわゆる引取先の業者さんとの関係とかお客さんとの関係上なかなか難しいことで、余程ひどい場合を除いては受け入れざるを得ないというのが現状だと思います。

○浅野委員  わかりました。ありがとうございます。

○永田座長  それでは、大慈弥さん。

○大慈弥委員  私も3点ほど教えていただきたいのですが、日ごろ業務をしていて不思議だなと思ったことを純粋に聞かせていただきたいと思います。
 1番目は、今、浅野先生からもありました、引取のときの量とその入ってくるルートなのですが、もう車検時の預託も終わって、99%はもうカバーができているという情報を得ているのですけれども、どうも三十数万台毎月入るうちの数万台、5万台ぐらいでしょうかは、その段階で預託をする。つまり、引取時預託がまだ発生していると。これは非常に不思議なことで、いったいどこにその車が存在していたのか、まだ路上放置が多いのか、受け側で実際に仕事をしていて、これはどこかに捨てられていたんじゃないかと思われるか、それともオークションか何かからとってきているのか、その形状からみると、なぜそういうのがまだ出てくるのか、それから今後の見通しはどうかなというのをちょっとお伺いしたいのが第1点目でございます。
 それから2点目については、先ほどICタグ化をしようという動きについてご報告ありました。いわゆる引取のマニフェストの記入についてですけれども、最近、誤記が多いということで、これはリサイクルセンターのほうから、あとは経済産業省、環境省のほうから間違い事例というのをパンフレットで出しておられるようですけれども、実際、記入ミスや何かに対して指導を業界全体でしているのか。道としてはやはりICタグ化みたいなことしかないのか。何か解決する方法がないのか。実際にそれで困っている消費者がいるということなものですから、2点目については、今の引取報告マニフェストの記入ミス、誤発行、この問題をどうやって解決していくかといことについてご意見を伺いたいと思います。
 最後は、これもユーザー、消費者のお立場からだったと思いますけれども、いわゆる自分で手放してELVになったと思っていたらまた中古で流れたりするということにならないように、使用済の自動車処理状況というのを今年からJARCのホームページで見られるようになったと思うのですけれども、先ほど、ユーザーとの接点を増やしたいということで、信頼されるリサイクルシステムというのをやはりもっておかないと、それが先ほどのオークションに出ているというのは、やはりこのリサイクルシステムに対する信用というのを非常に落とすことになると思いますので、実際にユーザーから皆さんに問い合わせがあった事例とか、早く重量税返してもらわないと困るんだよとか、何かそんなユーザーとのコミュニケーションというのが本当に解体業者との間であるのか、あったのか、その辺についてちょっと聞かせていただくと助かります。ありがとうございました。

○酒井代表理事  まず1点目の引取時預託の問題ですけれども、これは私の推定といいますか、想像にすぎないのですが、多分、預託期間内は車検がとられてなかった車がほとんどなのではないか。それ以外に余り考えにくいのですけれども。

○説明補助者  考えられるのが、車検時預託の車でもって、そのときに、本来であれば、エアコンがついていればフロンの料金も払わなくてはいけないのですけれども、それが払われてないと。ですから、フロンの処理費の部分だけを払っているというのがかなりの数に上っていると思います。それが台数で出てきているけれども、金額的には数千円という単位、二千数百円ですか。その預託がいまだにずっと続いてますから、車検時のフロンの預託ができてない車はまだ世の中にたくさん残ってますので、かなりの期間、これは継続していくだろうと思います。

○酒井代表理事  それと2点目、マニフェストの誤入力についてですけれども、先ほど、インストラクター制度のご報告を申し上げさせていただきましたけれども、今年度のインストラクター研修の中で、この誤入力について、JARCさんの促進センターさんのご協力をいただきながら、誤入力の防止についても検証しております。間違いがどこまで減らせるかという問題なので、そういったかなり根気のいるトレーニングが必要なのかなとは思っております。
 それからユーザーさんとの接点ですが、従来から、私ども、ユーザーさんとの接点はありました。パーセンテージとしては少ないパーセンテージですけれども、それが、この自動車リサイクル法以降、つい最近になって若干増えてきているのかなあという印象はあります。具体的な数字は、すみません。ありませんけれども。というところで、リサイクル法についての説明は、私どもが一番よくできるのではないかな、これは我田引水になってしまいますけれども、丁寧な説明ができるのではないかと思ってまして、例えば私も現場でお客さんと接点もつことがあるのですけれども、ついこの間、あるお客さんがみえて、使用済にしたい車をあるディーラーさんに持ち込んだところが、3万円かかりますよと言われたと。
 ついこの間まで、私どもは逆に3万円、4万円お払いして廃車を引き取っていましたから、そんなときに、よく理解されてない方が流通業者さんの中にいらっしゃるのかなと驚いたことがありますけれども、販売業者さん、数が多いですから、そこに現在の相場状況等を徹底するというのはなかなか時間がかかる問題なのだと思いますね。相場は非常に、極端なことをいうと日々動くみたいな面がありますので、それが末端の何万拠点というような販売業者さんに徹底するには相当時間かかると。時間かかっている間にまた変化が起きてしまうというのが現実なのではないかと思います。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 ちょっと時間も経過してますが、最後に下平さんのほうから。

○下平委員  1点だけ。回収部品の流通についてですけれども、流通に乗る全体の部品のボリュームですね。多さですね。それと部品の内容といいましょうかね。これが法施行前と法施行後に何か変化しているかどうか、そのあたりの感覚で結構ですけれども、ボリュームがどういうトレンドなのかというところと、それからもう一つ、部品回収をして、それが流通に乗る、拡大していくための問題点といいましょうか、課題をどうお考えになっているか、その点をお伺いしたいと思います。

○酒井代表理事  リサイクル法施行によってその部品市場が影響を受けたかというと、私、あまり影響なかったのではないかと思っております。全体規模ですけれども、これは私ども独自のデータではなくて、ある調査会社の資料だと 1,000億円強ぐらいの規模だと聞いたことがあります。

○下平委員  何か課題はありますか。拡大をするのに。

○酒井代表理事  やはり保険の制度というのも課題といえば課題なのではないかと思います。すべて新品で修理するというのが今、日本の保険のあり方だと思うのですが、どうせ保険で出るのだったら、中古をわざわざ使う必要ないというようなことを考えるのが普通の人であれば人情で、それだから中古部品があまり見直されないという面が私は一部あるのではないかなと思ってます。
 すみません。あまりちゃんとした答えにならなくて申しわけないです。

○永田座長  よろしいでしょうか。
 もし何かまだご質問あるようでしたら、事務局のほうにでも、1週間以内ぐらいで送っていただければ。今日十分時間とったつもりで、ご質問の時間が短くなってしまってますので、すみませんが、よろしく。委員でもございますので、ご対応のほどお願いします。
 それから、いくつかそちらでとられたアンケートに関する質問が出ておったかと思います。前半のほうでいろいろ示されたですね。締切が10月28日とかいって、まだあまり期間がたってない中で整理された

○酒井代表理事  10月23日で締め切って、アンケートとった全項目についての整理がまだ終わってない段階です。

○永田座長  そうしたら、その辺の整理、少し急いでいただきながら、もし全体像がわかったら、それも我々のほうに提供していただけますでしょうかね。今日の質問なんかに絡んだ内容をわかるような形で整理していただけるとありがたいなあと思ってますので、よろしくお願いします。

○酒井代表理事  わかりました。

○永田座長  それでは、どうも今日はありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、社団法人日本鉄リサイクル工業会、渡辺専務理事に説明をお願いします。

○渡辺専務理事  それでは、破砕業者を代表してご説明申し上げます。基本的にパワーポイントは使いません。パワーポイント使うと目をあっちやったりこっちやったりして集中できないし、照明も暗くなってしまうので、お手元の資料を明るい照明のもとでみていただくほうがいいと思いますので、資料に沿ってご説明申し上げます。
 まず、今回の説明の順序を概略説明しておきます。まず、最終的に鉄スクラップになるわけですけれども、鉄スクラップというのが世界の鉄鋼業の中でどういう位置を占めているか。それが日本の鉄鋼業の中でもどういう位置を占めているか。なかんずく、自動車リサイクル法の対象になっている自動車由来のスクラップがどの程度のマグニチュードとどの程度の位置を占めているのかということをざっとご説明します。
 それから、廃車からのスクラップのフローについて、ちょっと大胆な推測とか計算あわせなんかも入れてあるのですが、これについても説明して、我々の破砕業者がどこに位置しているのかを皆さんにちょっとご理解をいただくというふうな形で、これは前段ですので、さっとやるつもりでおります。
 それから、スクラップの相場がどういうふうに動いたのか、これはご関心の向きも非常に高いと思います。特に自動車リサイクル法施行後どう動いて、前々回の委員会のときにも、相場の高騰がリサイクル法のスムーズな施行にだいぶ寄与しているのではないかというご指摘もありました。今後の問題を含めて、その相場の動きがどうだったのかというのを皆さんにご説明しますし、その間、直近の資料はございませんけれども、いわゆる使用済自動車、廃車ガラの価格、買い価格の推移がどういうふうになっていたのかといったことをご説明申し上げて、それらとあわせて、自動車リサイクル法施行によってどういう影響が、我が業界、あるいは鉄鋼業、あるいはスクラップ業界全体にあったかということを説明申し上げたいと思います。
 それからその次には、3年間にわたって我々鉄リサイクル工業会がこの自リ法に関してどういう活動を行ったか、これまでの課題とか、あるいは解決について、これまたざっとご説明します。これは過去の話ですし、私、再三、この委員会でも先走って説明したこともありますので、ここまでは駆け足でいきたいと思います。ヒアリングの眼目は、今後どうしたらいいか、あるいは現状の課題ということだろうと思いますので、それについて少し集中的に説明させていただきたいと思っています。
 それで、ヒアリング項目ごとの流れの説明にはなっておりませんが、皆様のご理解を得るために、項目ごとにそのコメント、縦横同軸という観点ですけれども、したことを別紙でつけております。時間があればそちらにも1~2触れたい点もありますけれども、もし項目毎に御覧になりたい方はそちらのほうで、後から頭の整理ということで御覧いただければと思っております。
 そういった段取りで、具体的な説明に入ります。質疑応答を含めまして、現場のこととかそういうことで私に答えられないことがありましたら、こちらの、北海道、マテックの小場専務、最先端で、最前線でシュレッダー事業やっている方ですので、お答えいただきたいと思っております。
 それでは、資料に沿ってご説明申し上げます。まず、2ページ目「世界鉄鋼業における鉄スクラップの位置」ということで、通常の皆さんは、鉄というのは鉄鉱石と石炭でつくられると理解されていると思いますが、もう今や、世界の鉄鋼業、約13億 5,000万トンのうち、スクラップ由来の鉄鋼生産は32.3%、3割を超えております。スクラップは、蓄積されてどんどんまた鉄鋼原料に資源化されていきますので、ある計算によると、単純計算でいきますと50~60年後には世界の鉄鋼需要は、新しく鉄鉱石、石炭を使わなくても、スクラップだけでできるというふうな数字すらあるぐらいで、相当重要な資源になっております。
 日本でも、ほぼ1億2千万トン程度の鉄鋼生産に対してほぼ同じような数字でスクラップ由来の鉄鋼生産になっております。鉄スクラップというのは国際商品でございまして、輸出、輸入、活発に行われてます。日本は従来、戦前を含めまして大輸入国であったのですけれども、大体スクラップというのは先進国から発展途上国へという流れで、日本も、1991年ぐらいに輸出、輸入が純粋な意味で逆転して、今や世界の大輸出国ということになっております。輸入も相当な数字が記録されておりますが、これはほとんどステンレススクラップと理解していただいていいと思います。
 ただ、この数年、逆に国際化が非常に進んだ観点で、日本のスクラップが非常に高くなって入手困難になりますと、東京製鉄さんあたりを中心に、バルクでお買い上げになったりコンテナで入られたりしてますので、輸出入相乱れる。ですから、今年の通関統計だと、多分、輸入は相当また増えているというふうにとらえられます。
 その次、3ページ目にいきますと、日本の鉄鋼業におけるスクラップの位置ということで、供給のところの一番上、大体 5,400万トンぐらい、年間にスクラップが出ておりまして、そのうち老廃スクラップ、これは市中から自動車の廃ガラを含めまして出てきているのが 2,600万トン、あとは加工スクラップと、それぞれ製鉄メーカーの所内からのスクラップという内訳になっております。
 部門推計は、これは大胆に推測した数字でございまして、必ずしも後からの数字と整合性がとれませんが、そのうち部門推計でいきますと、自動車が老廃スクラップ中の12.6%を占めるということで、ここが自動車リサイクル法の対象になるスクラップの量ということになります。これは単純に計算しますと、 330万トンということは後から計算してもらえばわかるのですが、ところが、後からご説明しますフローからしますと、 260万と整合性とれてませんけれども、これはポテンシャルということで計算値で出したものですので、その辺はご容赦いただきたいと思います。いずれにしても、マグニチュードは非常に高いということをご理解いただきたいと思っております。
 それを時系列的にみていますのが4ページの表でございますけれども、加工スクラップでは、自動車の比率ですが、加工スクラップというのは、工場からそのまま出てくるスクラップ、自動車リサイクル法の対象のスクラップとは違いますが、やはり自動車産業というのは巨大産業でございますので、相当なウェイトを占めた加工スクラップを出しておりますし、老廃スクラップでも、近年多少ウェイトが落ちておりますけれども、相当自動車由来、ここが自動車リサイクル法の対象になるところですけれども、スクラップが発生しておるということでございます。
 5ページ目は、それを2007年度を例にしまして実際にちょっとフローを書いてみました。どの程度のものがどこに流れているかという。実は、言い訳じみて恐縮ですが、皆さんもいろいろ学校の先生方も苦労されているところだと思いますが、自動車リサイクル法では、精緻ないろんな数字が発表されます。これはほとんど台数ですね。ところが、最後のスクラップになりますとトン数なものですから、そこをあわせるのに非常に苦労しまして、これも縦横必ずしも合っておりません。それぞれの数字の出典は6ページ目に書いてございまして、ちゃんとしたもっともらしい数字は使っておるのですけれども、これでお示ししたのは、この数字が正しいとか正しくないとかいうご質問は後からいただいても私答えられないのであらかじめ申し上げておきますけれども、流れがこうなっていて、大体この程度のものが流れていて、これぐらいの大きさなのだということをご理解いただくために出しております。
 先ほどご説明ありました酒井さんのところの解体業者から破砕業者に入ってくるわけですが、それがシュレッダーにいくものと、全部利用、31条関係、非認定、あるいは輸出なんかを含めまして流れが2つに分かれる。その後、シュレッダー投入量が 227万トン、ASRは61万トンというふうに計算式で出ております。最終的にスクラップになりますのが 161万トン。
 足回りギロ材といいますのは、シュレッダーにかからないで、下の足回りそのまま、ギロチンで切ってスクラップになる部分がございますので、これもスクラップということで、推定で43万トン、それから全部利用の20万トン等を加えましても、先ほど申し上げましたとおり、 230~ 240万トン、 230万トンぐらいしかなりません。さっきの数字と違うではないかということになるのですが、その辺は、先ほどの数字はポテンシャルということで出しておりますので、あわせてこちらの数字は大胆な推定を加えている。
 ただ、大体のマグニチュードとしてはこういう感じで、我々の扱っておりますのがシュレッダーに投入する三百数十万トンの中からシュレッデッドスクラップを取り出して、非鉄を取り出して、ASRを処理するというところが我々の役割でございます。
 それで、「鉄スクラップ価格推移」ということで、7ページにグラフを出しております。これは大したグラフではないではないかというふうに見受けられる表になっておりますのは、08年8月までは月表示です。ぐうっと上がってきまして、08年8月からは週の単位に直しております。なぜかといいますと、1週間でこれだけ落ちているのだということを皆さんにおわかりいただきたい、それほどスピードが早いのだということをご理解いただきたいためであります。
 一方、急遽、実はこの資料をあらかたつくった後、委員会を開きましたら、これでは急速な下落ぶりが全然わからないではないかというおしかりを我が内部で得まして、別紙にこの表をつけてございます。これは当然のことながら、同じスケールで書いてございまして、これをみますと、08年の7月、特に08年に入ってから急激に上がり、7万円を超えたスクラップが、たった3カ月の間に、これでは1万 5,000円のところまで来ておりますけれども、現状、これは東京製鉄ですけれども、1万 5,000円。
 ただ、東京製鉄でも、関東にあります宇都宮工場では1万 3,000円。関東地区の、あるいは東北、北陸でもあるかもしれません。最も安いといいますか、建値として発表されている数字で一番安いところは 7,500円というところまでもう既にH2ベースで下がっております。シュレッダーは多少それにプレミアム、 1,000円ぐらいのプレミアムがつくとはいいましても、 7,500円といいますと、ご記憶の逆有償の時代の数字にもはや近づいておるというのが現状でございます。
 我々の業界では、7万円超えたのももちろん経験初めてですが、それがこれほど、3カ月間の間に、極端なことをいいますと10分の1まで下がるというふうなことはだれも経験したことがないという事態でございます。あわせて、後から詳しく説明しますが、今回の価格の下落は、自動車リサイクル法に関係する部分でいいましても、昔の逆有償とは、1つまた厄介な問題が加わったという認識をしております。それは価格だけではなくて、もっていき場所が無くなっているということでございます。これは法の施行上いろんな問題を生みますので、これについては後から詳しく強調してご説明申し上げたいと思います。
 もう少し長いスパンでシュレッダー関係での数字、これは前回の委員会でも示された表ですけれども、8ページを御覧いただくといいですが、ここにはシュレッデッドスクラップの売値と、それから原材料、すなわちガラ、廃車、買取業者さんからきたガラの買値、それからダスト処理の単価をグラフ化しております。
 これは毎年毎年継続的に調査してきたものでして、7年まで出ておりますけれども、これは春先に調査いたしますので、その後急落した形はここには出ておりません。自動車リサイクル法の施行の05年、下からみていただきますと、そこに段差がございますね。原材料買値、一番下のグラフと、それからぽっと格差があって上に来ている。ここがまさに自動車リサイクル法の効果でございまして、ASRの処理費が我々破砕業者負担ではなくなったということがここに買値のアップとしてあらわれております。
 後からいろんな形、ご質問を含めて出るかと思うのですけれども、逆有償なんかの説明をするときにも使いますけれども、ではシュレッダーのコストというのはどれぐらいなのか。これがなかなかわかりにくいあれでして、一応我が業界で数年前に試算したことがございます。そうすると、シュレッダーの操業コストというのはそのときには1万 1,600円という数字が出ておりますけれども、これは積み上げでございまして、必ずしも地域の差ですとか、あるいは操業率の差ですとか、あるいは入れるものの差なんかは全然勘案してませんので、誠に申しわけない、こちらから数字を示せないで申しわけないですが、シュレッダーの操業費というのは、このグラフでいう原材料価格とシュレッダーの価格、この差が操業費、なおかつ、プラス若干の適正マージンととらえていただければいいと思います。
 目の子でいうと1万 3,000~ 4,000円のものが 8,000~ 9,000円に下がったのかなという感じですが、これを具体的な数字を記録に残されてしまいますと、それがひとり歩きしますので、感覚でつかんで、 6,000~ 7,000円、この自動車リサイクル法で我が業界におけるコストがその分縮まったというのが非常に大ざっぱな言い方になると思います。
 次のページは、また自動車リサイクル法の効果の一つでございまして、シュレッダーの基数が自動車リサイクル法の施行に相まって増えております。同時に大型化が進んでいるということで、自動車リサイクル法ができたことで最大のシュレッダー操業の懸念であるASRの処理が心配しなくてよくなったということで、新規参入、それからもう一つ重要ですが、基数にはあらわれてきませんが、復活が増えてます。それまで自動車をやらなかった、自販機ですとか事務機中心にやっておられた方が、自動車リサイクル法ができたので、自動車もやり始めた復活という形。それからヒアリング項目にもありましたけれども、新規参入と、それから兼業といいますか、上工程、下工程、両方から兼業体制の中では自分もシュレッダーをもつ、我が業界の人でない方もシュレッダーをもつという形が増えております。それから大型化が進んでいるということで、処理能力が相当アップした。それに伴って、競争は当然のことながら激化したということになります。
 10ページ目、過去3年間、この施行において工業会が行なった自リ法関連活動について触れております。概念的には、10ページにも書いてありますとおり、いろんな折衝ですとか、適正運用の指導、関連データの整理・伝達。我がリサイクル工業会はほぼシュレッダー業者の9割近くを占めておりますので、伝達指導なんかは全国レベルで徹底できるのに寄与したのではないかと自負しております。
 具体的な活動内容としては、もう再三いろんな形で過去もご報告しておりますので、11ページについては項目だけを述べておりますが、説明会、アンケート調査、お役所の方にも協力をいただいて周知徹底を図ってきたということでございます。
 それから12ページ、過去3年間での問題点。これも各委員会のときにその都度ご説明申し上げましたので、余り詳しく述べることはいたしません。当初、リサイクル券なしという問題、特に我々シュレッダー業界からすると、それをどうやって見分けるのだと。違法なのか適法なのかということが大変問題になりました。相当いろんなご指導ですとか、通達なんかも出していただきましたので、大分なくなってきたのと、リサイクル券はほぼ、先ほどどなたかおっしゃいましたけれども、行き渡ってまいりましたので、こういった問題は自然的に解消しておりますし、不法輸出、不法業者も、当初随分いろんな形で心配されましたけれども、我々の認識としては、特に資源の価格が上がったこともありますけれども、特に目くじら立てなければいけないような不法輸出、不法業者というのは、今のところはないのではないかとみております。ただ、今後の問題としてはまた新しい問題が起きます。
 それから指定引取場所は、ART・THさんの皆さん、非常にご苦労はされておりますけれども、なかなか距離の短縮につながっておりませんので、これは引き続きご努力をいただきたい。ART・THさんも 125キロメートル以上の運賃はメーカーさん自身のご負担でございますので、決して手を抜かないでご努力いただいているのはわかっているのですけれども、より一層ご努力をいただきたいということでございます。
 それから異物混入問題については、発炎筒の問題、後からも触れますので、飛ばさせていただきます。
 13ページに移ります。現状の問題点は、自動車リサイクル法というのは、自動車リサイクルをスムーズに進めるために、それを阻害する要因についての費用負担、あるいは回収仕組みをきちっとしたということだと了解しておりますけれども、残念ながら、我々のほうは再三申し上げていて、耳にタコができる人もいると思うのですけれども、この発炎筒は何とかしていただきたい。
 当初、自動車リサイクル法施行のときは、この業界団体がちゃんとしたリサイクルの仕組みができているという表明がありましたものですから、ではそれに乗っければいいということで終わっておりますけれども、実際上は、普通の車検の時とかは必ずリサイクルされているのだろうと思いますが、最後、廃車になる時にはそのまま入ってきてしまうのが多くて、その分、非常に発火事故が頻発しております。最悪のケースは火事に至ったということもありますので、これは自動車に1台1個義務づけられているものですから、やはりこの自リ法の範囲に当然乗っけていいものだと了解しております。
 LPGにつきましては、これは高圧ガス容器法で管理されているのですけれども、どこでだれがやるかということをきっちり決めていただきたいと思っております。
 それから未処理エアバッグというのは、これは今回初めて提示申し上げました。実はエアバッグというのは、本来、3品目のうちの一つですから、事前にきちっと車上展開なり現物で、啓愛社さん、前回ご説明になりました。ただ、我々受け側からいきますと、相当数が未展開のままで入り込んでいる。ある大手業者さんのサンプル調査、 700個――最後にシュレッダーにかかって、その後、ASRと一緒に出てきますね。そこではエアバッグもアルミですからあるのですが、それを全部ピックアップします。七百数十個、 750個ぐらいをピックアップして、そのうち生きているものということを一個ずつ検査しましたところ、やはり40%ということで、そのシュレッダーの中で自然的にショックを受けて展開したものもありますから、実際上は相当数が生きたままで最終工程に入っているのではないか。
 ふと気がついてみますと、非常にきつい言い方になって恐縮ですが、フロンもASRも、いろんな形でどういう処理をされたかというのは数量管理は仕組み上できる形になっていると思いますが、エアバッグについては、車上展開したことが、本当にしたのかどうかということが数字上チェックできる仕組みにはなっていないと了解してます。ですから、この辺は今度の見直しを機会にそれをきっちり処理していただきたい。アルミだからいいだろう、あれは高いからいいだろうと。あれは、実をいうと展開してないと危険なのですね。アジ化ナトリウム、あれは展開してしまえばいいのですけれども、あるいは悪臭の問題があります。それから、あれそのままですと、展開してないと、アルミ精錬業者に売れません。したがって、もう一遍シュレッダーにかけてわざと展開するか、シュレッダー業者は展開ソースをもってませんから、山積みにしてしまうかということになりますので、これは法をきっちりやるという意味でコントロールをきっちりしていただきたいと思います。
 それからASRの引取場所、これについては先ほど述べたとおりです。より一層のご努力をお願いしたいと。
 それから業許可の更新はもう既に始まっている向きありますが、当初ありましたとおりですが、各出先自治体等によって、不平等、あるいはいろんな形の扱いの差を解消していただきたい。不法輸出・不法業者については引き続き取り締まりを手を緩めていただきたくないということです。
 14ページ、「逆有償事態への対応」というのは、これはちょっと喫緊の課題になると思うのですが、先ほどちらっとご説明申し上げましたが、逆有償といいましても、今回の逆有償はもっていき場所がないのですね。これが非常に大きな問題でして、輸出先が全部今、主要な韓国はウォン安、あるいは鉄鋼生産は落ちているということ。日本でみますと、電気炉メーカーは建材需要の低迷で減産減産の連続でございます。したがって、せっかくの資源、回収してももっていき場所がないという問題があります。
 それがどういうことで、新型の逆有償と私いっているのですが、値段の問題ともっていき場所がないということ、それから問題点としてどういう形で出てくるかというのを3つに整理しておるのですが、1つは、当然のことながら、当初、この自リ法制定のきっかけの一つにもなった不法投棄、あるいは不法購買ですな、この辺が増えることが予想されるので、徹底的な取り締まりをお願いしたいということ。
 それからもう一つ、2番目、これは非常に重要な問題だろうと思うのですが、逆有償になってきますと、まずは、廃車ガラの問題からもう既に逆有償になっておりますけれども、これが遡及してきますと、自動車そのもの、廃車の段階での逆有償ということだって理論的にないわけではありません。
 それから先ほど申し上げたシュレッダーのコストが何千円だ、何万円だと。今まだ大丈夫ではないかということでありますが、もっていき場所がありませんから、引き受けたくないということになりますと、どうしても引き受けろというのであれば、先どうなるかわからないから、逆有償、もっと幅が広がるという事態も起きますので、場合によっては、中間段階における逆有償だけではなくて、先への逆有償も起こりかねないということになりますと、普通一般の市民の方は、自動車リサイクル法ではリサイクル料金はもう既に払っていると認識してます。そのとおりなのですが、その使い道がこの3つだということを承知しておりませんから、その上でお金をとられるということになると、法への信頼体系そのものが揺らぐということになりますので、これは相当PRを、周知徹底をいろんな形を含めてやっていただきたいということになります。3番を目先に説明してしまいましたが、リサイクル料金とはどういうものかということ。
 具体的に、今度、法の柔軟な対応ってどういうことか。3つ目のポイントとして、もっていき場所がないと、引取義務はあるのですが、引き取れないという事態が起こり得ます。日本のスクラップ屋さんというのはそれほど大きなスペースはもっていませんし、スペースはもっていても、移動報告というのは、ガラを引き取ってからASRにするまで30日間。だったら、シュレッデッドしてしまえばいいではないかというと、シュレッデッドにしてしまって積み上げますとさびますから、商品価値ががくっと落ちる。そうすると、つまり、もし場所があってもガラで保管するということになりますから、30日以内の移動報告ということは非常に危機を迎えるケースがあります。
 今までは、工場の修理ですとか、あるいはいろんな事故ですとかいうふうな問題で、これは各自治体の方は非常に理解を示していただいて、単発的な遅延報告についてはそれほど問題なく受け入れていただいてますが、今度はそうでない形の遅延報告が出る可能性があります。そのときに、これは違反だよといわれても、現実、もっていき場所がないという経済の仕組みになってますから、この辺については、だから違反で、許認可取り消しだといわれてもちょっと困ってしまうということが起こり得ますので、これは中間段階でもそれぞれ同じことが出てくると思います。先ほどもちらっと酒井さんのほうでも触れられました。この辺についてどう処理されているか、ちょっと緊急に、出先である地方自治体あたりへの通達なんかを含めてやっていただきたいと思います。
 法の内容の説明は、リサイクル料金の中身の説明と同時に、もう一つ、原点に返って、不法購買といいますか、今度お金がついてくるということになれば、だれでも引き取ってしまうということになりますので、自動車は、廃車になった場合には許認可を受けたものしかさわれないのだということも改めて徹底していただかなくてはいけないのではないかと思っております。
 それから15ページは「将来の自動車リサイクルのあるべき姿」ということで、必ずしも破砕業に限っておりません。理念をちょっと述べたふうがあります。自動車リサイクル法は、先ほど申し上げたような趣旨で、今までは我々の業界の調査でも70%の満足度ですから、相当うまくいった法律の一つだろうと思います。ただ、今後のことを考えますと、もう一歩コンセプトを進めて、リサイクルのトップランナーとしてはマテリアルリサイクルをもう少し、今までのコンセプトとは少し違うかもしれませんが、より一層進化していく方向にいくべきであろうと。ガラス、バンパーというのは、いつも同じようなこといってますけれども、これが一番近いのではないかと我々想像するだけでございまして、ガラスといっても、中のフィルムも含めまして相当研究も進んでいるように聞いております。こういうものをもう一歩進めていく。あるいはレアメタル等重要資源の回収のシステム構築。
 その前に必要なのは情報公開です。何がどこに入っているのか、これは本来解体業者さんがとるべきものかもしれません。だけど、ものによっては破砕の後でとるものもあるかもしれませんが、情報公開と、それからシステムの構築がこの次の見直しのときには俎上に上っていいのではないかと思っています。
 それから自動車そのものも変化をしていきますので、これについても、迅速な情報公開と対応。先ほど、ハイブリッド車、解体段階ではもう既にマニュアルが自動車メーカーさんお示しになっていらっしゃるらしいですが、私どもにはわかりませんけれども、破砕、あるいはASRのところに何らかの影響があるのかどうか。これは数量だけではなくて、性質ですとかこの辺についても、一つの例ですが、やはりあるべき処理の方法をきっちりお示しいただきたい。あるいは鉄素材がこれから減少していくだろうといわれていたのですけれども、こういったものについてもどう対応していくべきなのか。
 最後に CO2ということは、これはお題目じみて恐縮ですが、やはり自動車リサイクル法が施行された3年前にはなかった概念ですので、この法律がトップランナーでいくためには、 CO2削減、具体的には何だといわれたら、サーマルリサイクルが必ずしも CO2削減に貢献してないわけではありませんけれども、普通に考えるとマテリアルリサイクルをより一層進めること、あるいは、細かいことで言って、ついでにいうようで恐縮ですけれども、ASRの運搬距離なんかも、あるいは運搬方法ですね。貨車を使うとかいうことも相当影響してくるのであろうと思っております。
 以上、さっと説明しました。
 それで、こちらの別紙のほうで1つ2つだけ若干触れさせていただきます。[1]の1番目で、そこの4行目から5行目、ダスト引きという言葉が出てます。これは意外と、解体業者さんのほうからはいろんな注文なり、あるいはクレームなりが来ているということで、廃車を引き取るときに3割くらいのダスト引きをします。これは当然のことながら鉄ではありませんので、その分数量引きをする。してないところもありますよ。業者さんによって違うのですけれども、これが違法ではないかというような指摘が随分あるのですけれども、これは我々のほうからすると単なる数量引きで、処理費を徴収しているわけではありませんので、ということでご理解をより一層深めていきたいと思ってます。
 それから、こちらで答えてなかったことについて1つ2ついいますと、自リ法施行後、ASRの性状、あるいは重量変わったかどうか。基本的にはそれほど変わったという認識は我々もっておりません。ただし、資源回収はシュレッダー業の採算向上のためにも、あるいは資源、今までは高騰していたということもあって、日々これは進んでいると思っております。
 それから自動車以外シュレッダーにかけているものというのは、自販機、事務機、4品目以外の家電、こういったもので、それも変わっているとは認識しておりません。
 ということで、この別紙のほうも、一番下に新しい逆有償ということで触れております。これは、若干マーケット回復するかどうか、全然だれもわからないのです。こんな落ちたこともだれも予想してませんから。だから、杞憂に終わればそれはそれでいいのですけれども、今後も何があるかわからないという点では、法律上でも、前々回でも各委員の方から相場が下落したときの強固な体制ということをいわれてますので、いろんな形でご検討をお願いしたいし、我々も協力してやっていきたいということでございます。
 以上でございます。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 それでは、早速質疑応答のほうに入りたいと思いますので、また札を上げていただけますかね。いかがでしょうか。
 いろいろお話を伺っている中で、どちらかというと、影響というのは、さっきの鉄スクラップ価格の話は、急激な低下といいますか、ここの影響というのが一番大きく効いてくるのかなと。価格そのものも重要な話ですけどね。この急激さという話が中心だと思いますけれども、この辺なかなか見通しがつかないと思いますが。

○渡辺専務理事  そうですね。じゃあ、どうせいというのだといわれても困ると思うのですけれども。

○永田座長  先ほどお話のあったような、少し期間を何か考える方法論とか、いろいろそちらでもアイデアがあるのではないかと思いますが、もう少しその辺で。

○渡辺専務理事  根本的な解決策としましては、とにかくスクラップを使っていただくしかないので

○永田座長  そこになると先行きわからないという話になるのですけれども、ここの急激な状況の中で不安感だとかいろんなものが影響してきますよね。これから、引取拒否だとかいう話になってきますと。その辺のところを含めて何か、方法論として、これが絶対だというのはないのかもしれませんけれども、ここにも掲げられてますけれども、それ以外のところで何かあったら。

○渡辺専務理事  理論的には、備蓄だとかいろんなことが考えられますが、それはちょっと現実論とはかけ離れますから、やはり今のところは法をちょっと柔軟に対応してもらって、例えばガラで持てるところは引取義務をちゃんと果たしてもつというようなことで多少なりともやっていくということぐらいしか、我々の立場からするとなかなかないのですけどね。
 楽観的に考えれば、楽観的というか、最終、悲観的なシナリオになりますが、経済状態が落ちてきますとスクラップの発生も落ちてきますから、いつかは落ちつくのですけれども、今ちょうど、まだ急激に落ちた途端ですから、需給が非常にギャップが大きくなっているということはあると思うのですけれども、ただ、ちょっと深刻な問題です。

○永田座長  ええ。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。ちょっと事務局のほうからも何かあったら。
 鬼沢先生、どうぞ。

○鬼沢委員  現状の問題点の中に危険品の除去の徹底に発炎筒とかLPGタンクとかありますけれども、破砕業者の立場からして、これを今後どこで処理するのが一番理想と考えますか。

○渡辺専務理事  両方ともやはり解体業のところで撤去すべき。あるいは発炎筒なんかは引取業のところでもいいとは思うのですけどね。LPGタンクは、現に解体業の方、とっておられる方もおられますから、工程上からすれば、そこで除去するというのが一番スムーズにいくような感じはします。ただ、言いながら考えていますけれども、発炎筒は、車検の時には、例の業界がつくったリサイクルシステムで多分スムーズにやられている可能性はありますので、その段階でそのルートを使うのが一番いいかもしれませんね。

○永田座長  よろしいですか。

○鬼沢委員  はい。

○永田座長  どうぞ、酒井先生。

○酒井(伸)委員  今の鬼沢さんのご質問の追加で聞かせてください。
 具体的に、今の発炎筒とLPGタンクで起こっている問題といいますか、具体的な事例とか、その数とか、そういうところのご紹介をぜひいただきたい。逆に言うと、どの程度の深刻さなのかということが十分にまだ伝わってない段階だと思うのです。だから、その辺に対しての具体的な情報をお伝えいただけないかなと思います。

○渡辺専務理事  我が業界、いろんな数字をきちっとまとめてパーセンテージ出すのは最も苦手な業界であれですけれども、まず発炎筒についていいますと、アンケート調査した段階ではほとんど、回答の中では発炎筒は常に気を使わざるを得ない品物だと。もう入ってくるのはわかっているから、例えばベルトコンベヤーのところに水を用意しておくだとか、あるいは消す準備をみんなに徹底しておくとかいう形で、そうすると発火はします。発火といっても、わっと燃え上がるという形ではないのですがね。消防署の段階で特定はされてないのですが、これはどう考えても発炎筒から出た火による火事で、工場半焼というのも、私の知っている限り2件あります。ただ、消防署さんの見解はまた別かもしれません。
 それからLPGタンクについては、何かありますかね。

○ 小場説明員  数字の調査というのは、逆に解体業の方々が外して、私ども破砕業に入ってこなければ全然問題ない話ですね。あと高圧ガスの取り扱いというところが設定しているはずなのですけれども、じゃ外したやつがどこでだれが処理、もっていったら、うちらが勝手に、解体業の皆さんも多分、高圧ガスということだけで取り扱いができないはずなのですね。それをもっていく場所が何も示されてないというのも現状だと思うのですけれども。

○永田座長  そういう意味では、これは量的な話ではなくて、システム的にも、そちらも実態としてそう把握しているわけではないということで考えておけばいいですか。

○渡辺専務理事  アンケートでは全部項目としては聞いてますが……。

○永田座長  いや、LPGタンクの話もね。今ちょっと言われたのも、じゃそちらでとられたアンケートをもう少し定量的な形で整理したものが欲しいということだと思うのでね。今の話のレベルではなくて、数値を、すみませんけれども、示すようにしてくれませんか。それで、LPGタンクの話はちょっと違うのかなあという気がしてますのでね。発炎筒の話は。

○渡辺専務理事  もう一回精査してみます。

○永田座長  大塚先生、どうぞ。

○大塚(直)委員  2点お伺いしたいのですけれども、大変興味深い話をありがとうございました。
 14ページ、15ページのところの関係でお伺いしたいのですが、先ほど仰った新型逆有償というお話でございますけれども、一方で、マテリアルリサイクルの進化ということで、ガラスとかバンパーとかも対象にするというお話をしておられます。私も賛成ですけれども、先ほどのお話との関係でいうと、逆有償が増えてしまった場合に、バンパーとかもまた入れるとますます困ったことになるのかなという気もしないわけではないですけれども、この2つの関係はどういうふうにお考えになっているのかというのが一つのご質問でございます。
 この2つというのは、逆有償になっていることと、その対象品目をふやすこととの関係をどういうふうにお考えになっているかという点でございます。
 それからもう一つでございますけれども、ちょっとお伺いしにくいですけれども、さっきのダスト引きの問題ですが、おっしゃるように、単なる数量引きの問題で、自動車リサイクル法違反とかいう話ではないのですけれども、ダストの部分については処理費としては引かれるのが普通で、市場において、力関係とかもちろんあると思うのですけれども、お引きになっていただけるとありがたいということではないかと思いますが、何かコメントいただければありがたいと思います。
 以上でございます。

○渡辺専務理事  1番目の品目を増やすことと逆有償との関係というのは、僕は、逆有償は今の喫緊の問題だと思っています。トップランナーとしての自動車リサイクル法をもう少し効果的にやるためにはこういう品目を増やしてもいいのではないかという、むしろ中長期的な観点で述べております。

○大塚(直)委員  逆有償にしてバンパーとか増やすと、何か新しい問題とかありますか。

○渡辺専務理事  それは直接は関係ないと思いますけどね。
 それからダスト引きは、お客さんに対して値段提示するときに何が一番わかりやすいかという観点だろうと思うのですよ。つまり、鉄スクラップのお値段というのは、当然持ち込まれる買手業者さん知ってますよね。処理費これぐらいだなと。そうすると、ガラこれくらいかなというイメージは、むしろ鉄だけで整理したほうがわかりやすいはずなのですよね。それにダストが入ってしまいますと、3割は商品にないものですから、すごく買い価格が安くみえてしまうということもあろうと思う。だから、これ、別に我々工業会としても推薦しているわけではないし、各地域によっていろんなやり方してます。だからあれですが、ただ、ダスト引きは何か悪みたいな感じでいわれるので、あえてちょっと申し上げただけの話です。

○永田座長  よろしいでしょうか。

○大塚(直)委員  はい。

○永田座長  ちょっと事務局のほうからも少し聞かせてもらいます。

○杉本リサイクル推進室長代理  すみません。1点だけ。今回初めて出た未処理エアバッグの購入排除という点で、先ほど、 750個のうち40%程度が生きているもの。それはシュレッダーをした後で、なおまだ展開されてないものが40%もあったと。

○渡辺専務理事  40%弱です。これは、大手の業者さんですから、今のところまだ情報そのまま皆さんに開示できる許可もらってませんのであれですが、もしそういうことが必要であれば、もう一回。これは、シュレッドした後、ピックアップしたエアバッグを調べてみたらそうだったという数字です。

○杉本リサイクル推進室長代理  それは他社さんでも似たような状況であるという理解でよろしいですか。

○渡辺専務理事  そうですね。多かれ少なかれそうだろうと思います。そこまで精緻に調べた大手、それだけのサンプル数でやったところはありませんけどね。ちょっと困っているのでという話はしょっちゅう聞いてますね。

○永田座長  その先で、アルミのリサイクルの工程の中で問題起こしたということは聞いていらっしゃらないわけですか。

○渡辺専務理事  むしろアルミは、アルミの精錬メーカーはこれを引き受けません。展開してないものは。

○永田座長  そうすると、返されてきているということですか。

○渡辺専務理事  返されてない。そのまま積まれてしまっているというのが結構あるらしいですね。あるいはもう一回シュレッダーにかける。

○永田座長  言われて、もう一遍もってきて?

○渡辺専務理事  いや、そうではなくて、展開してないのが多いというのをみんな経験的に知ってますから、それをもう一回シュレッダーにかけて、何とか内部で爆発させようということだろうと思うのです。

○永田座長  そういうルート、2度がけのルートみたいなものをちゃんとつくっていると。

○渡辺専務理事  ええ。

○永田座長  加藤さんのところなのか、こういうやつのチェック体制といいますか、車上展開がきちっと行なわれているかどうかという話で何かわかる範囲があったらちょっと教えてくれませんか。

○加藤(忠)委員  自動車メーカーの自動車再資源化協力機構のほうにエアバッグの再資源化ということで業務委託しておりまして、解体事業者の方に毎年、車上作動の監査をやっておりまして、そういう中で自動車メーカーとしてのチェックというかを今しているという状況でございます。

○永田座長  それは、そういう意味で、抜き取りで何%かの業者の人のところに今の監査かけているという話なのでしたっけ。

○加藤(忠)委員  今ちょっと手元にデータございませんけれども、解体事業者の方、車上作動の契約しているところに対して、毎年必ず一回監査するというのも非常に難しい部分があるのですけれども、大体ほぼ終わっているぐらいだったと思います。3年経過して、大体一とおり回っている状況だったと思いますけれども、1年に1回ぐらいは解体事業者のところに行って車上作動のいろいろ監査なりチェックをしているという状況です。ですから、一つ一つ、それが毎回毎回確認しているということではございませんけれども、そういう体制を整えているということでございます。

○永田座長  どうぞ、酒井さん、何かコメントありましたら。

○酒井代表理事  正直言って、4割未作動というか、未処理という数字を聞いてびっくりしてまして、かなり特異なケースの数字なのかなあという、私どもからすれば印象です。まず、ほとんどの業者さんは、我々の業界の中では、取り外しなり車上作動なりしているという、自社も含めて、そういう業界の中の雰囲気といいますか、モラルレベルがありますから、今の渡辺専務のお話を聞いてびっくりしてます。本当にそれが全国のシュレッダー業者さんのところに入庫する廃車から40%未処理なのかというところはもう少し確認していただきたいような気がいたします。

○永田座長  そうですね。今の、実際にそういうデータが得られたところ、それから先ほどちょっとお話のように、もしいろんなところでそういう問題が起こっているのだとすると、どういう対応しているのかという話ですね。少し整理していただいて、この問題、結構いろんな意味で反響大きいし、今まであまり我々も聞いてなかった話なものですから。

○渡辺専務理事  1つ訂正させてください。七百数十個といいましたが、 435です。

○迫田自動車課長補佐  発炎筒とLPガスの問題なのですけれども、私がいろいろなところから聞いたところによると、解体業者と破砕業者のところで協力関係を結んで処理している方々も、その協力の仕方はさまざまあるようですけれども、解体業者のところで処理される方もいらっしゃれば破砕業者のところで処理されるという方もいらっしゃるという話を聞いているのですけれども、現状において、協力関係がどの程度進んでいるのかといった、感覚的な部分でも構わないのですけれども、教えていただけないでしょうか。

○渡辺専務理事  現実問題でいって、協力関係という言葉になるかどうか知りませんが、今までは非常に廃車ガラというのは争奪戦でしたから、まあその程度はいいよというふうな形で、うちのほうで当然、中で爆発するけれども大したことないからということはあっただろうと思います。
 ただ、私が言いたいのは、これを造っておられる業界もあって、リサイクルルートもできているということを前提にこの品目は外されたという経緯がありますから、だったら、もうそのとおりやってくださいよということを申し上げたいわけで。現に危険があるし、消火の設備、準備までしているのがシュレッダー業者の実態ですからね。

○永田座長  よろしいですか。
 それでは、ちょっと時間も来ておりますので、この辺で渡辺さんの説明に対する質問を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして議題の2番目、資料6になりますけれども、次回ヒアリングを予定してます「自動車製造業者等に対するヒアリング項目等について」ということで、事務局のほうから説明してもらいます。

○荒井自動車リサイクル室長  それでは、続きまして、資料6についてご説明させていただきたいと思います。
 次回のヒアリングの項目等についてでございます。まず3回目のヒアリングについてでございますけれども、日時・場所といたしまして、平成20年12月9日、火曜日、13時から15時30分を予定してございます。場所は、三田共用会議所の講堂を予定してございます。
 ヒアリングの対象者でございますけれども、製造業者の代表といたしまして、社団法人日本自動車工業会、それから輸入業者の代表といたしまして、日本自動車輸入組合のほうからヒアリングをさせていただきたいと考えてございます。
 具体的なヒアリング項目についてでございますけれども、まず、製造業者に対するヒアリング項目といたしまして4つほど大きな柱がございます。まず[1]といたしまして「法令上の義務を適切に履行しているか」という観点から8項目ほど挙げさせていただいております。1点目といたしまして、長期間の使用に耐える自動車の製造の状況について、2点目といたしまして、減量化・リサイクルを容易に行なうことができる自動車の製造の状況について、3点目といたしまして、関連事業者に対する自動車の製造、使用部品、原材料に関する情報の提供状況、4点目といたしまして、3品目の引取・再資源化の実施状況、5点目といたしまして、使用済自動車の再資源化等に要する費用の低減に係る取組状況について、6点目といたしまして、リサイクル料金の設定のあり方について、7点目といたしまして、指定引取場所の配置状況について、8点目が製造業者における自動車リサイクルの位置づけ、このような項目についてお聞きしたらどうかと考えてございます。
 [2]といたしまして、「役割分担の在り方」という観点で、[1]の義務履行においての問題点、それから他の責務者の役割分担についての意見ということでお聞きしたらどうかと考えてございます。
 それから[3]といたしまして、「3Rの推進状況について」という観点から、自動車の修理・整備に必要な部品の情報の整備業者、解体業者等への提供の状況について、2点目として、製造業者等による部品リユースの取組状況について、3点目といたしまして、3品目以外の物品の3Rに係る取組状況について、4点目といたしまして、その他制度をサポートするための取組状況についてということをお聞きしたらどうかと考えてございます。
 それから[4]といたしまして、「将来の自動車リサイクル制度のあるべき姿」ということで、制度施行による効果と影響、2点目といたしまして、制度検討時には想定されなかった新たな課題の発生状況について、3点目といたしまして、他国での自動車リサイクルに係る取組状況について、4点目といたしまして、短期、中長期的な将来の自動車リサイクル制度の在り方についてお聞きしたらどうかと考えてございます。
 それから輸入業者からのヒアリングといたしまして、製造業者に対する項目について、本国製造業者との情報共有や法規制の違いに伴う課題等の観点からヒアリングさせていただきたいと考えてございます。
 以上でございます。

○永田座長  どうもありがとうございました。いかがでしょうか。何かこれに関しましてご意見等がある方はご発言願えればと思いますが。――よろしいでしょうか。
 次回、12月9日に向けて、製造業者ということで、自動車工業会と輸入組合のほうに準備していただく資料、この内容に沿いましてまたお願いしておきたいと思います。よろしいでしょうか。――それでは、ご了承いただいたということにさせてもらいます。
 それでは、続きまして、本日の審議全体に関しまして何かございましたらご発言いただきたいのですが、よろしいでしょうかね。中心的には2組のヒアリングなのですけれども、それについて何か、これだけはいっておきたいということがあったらどうぞ。――よろしいでしょうか。
 それでは、最後に、本日の資料の取り扱い、それから今後の予定について、事務局から説明してもらいます。

○荒井自動車リサイクル室長  それでは、ご説明いたします。
 本日の資料につきましては、公開とさせていただきたいと思います。また、本日の議事については、発言者を無記名とした議事要旨を作成し、永田座長にご相談の上、会議終了後速やかに公開することといたしたいと思います。また、本日の議事録については、発言者を記名したものを後日各委員に配付させていただき、事前に各委員のご了承をいただいた上で公開いたしますので、ご了承ください。
 次回の審議会につきましては、12月9日火曜日13時から、三田共用会議所にて開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

○永田座長  よろしいでしょうか。
 それでは、今日はこれで終わりにさせていただきます。どうも貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。また、説明者の方々、時間を割いていただき、どうもありがとうございました。またよろしくお願いします。