本文へジャンプ

■議事録一覧■

産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルWG
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会自動車リサイクル専門委員会
第14回合同会議議事録


午前10時00分 開会

○杉本リサイクル推進室室長補佐 定刻でございますので、これより産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルワーキンググループ及び中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会自動車リサイクル専門委員会の第14回合同会議を開催させていただきたいと思います。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 本合同会議は、両審議会を合わせまして23名の委員で構成されており、本日の出席状況ですが、5名の委員のご欠席があり、委員17名及び委員の代理1名の計18名の委員にご出席いただいております。産業構造審議会自動車リサイクルワーキングにつきましては、15名の委員の出席をいただいておりまして、定足数である過半数に達していることを報告させていただきます。中央環境審議会自動車リサイクル専門委員会につきましては、15名の委員の出席をいただいており、定足数である過半数に達していることを報告させていただきます。
 本日の欠席委員の報告ですが、社団法人日本自動車販売協会連合会中古車委員会委員長の村瀬洋介委員が欠席され、同日本自動車販売協会連合会理事の伏見剛様に、そして社団法人日本中古自動車販売協会連合会会長の小川逸樹委員が欠席され、同日本中古自動車販売協会連合会常務理事の武藤孝弘様に代理出席をいただいております。群馬県板倉町生活窓口課長の荒井英世委員、主婦連合会参与の角田禮子委員、社団法人日本自動車工業会環境委員会委員長の小吹信三委員、京都大学環境保全センター教授の酒井伸一委員、三重県環境森林部廃棄物対策室室長の内藤良三委員におかれましては、本日ご欠席となっております。大塚委員におかれましては現在、少しおくれているということでございます。
 それでは、本日、これ以降の議事進行を永田座長にお願いいたします。

○永田座長 どうも朝早くからお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 それでは、私のほうで議事進行を務めさせていただきます。
 今日はお約束しましたようにヒアリングが中心でございます。活発なご議論とご協力をもって議事が進みますよう、ご協力のほどをお願い申し上げます。
 それでは、まず配付資料の確認から事務局、お願いします。

○杉本リサイクル推進室室長補佐 資料ですが、お手元に資料1から5までをとじてございます。ご確認ください。また、紙の下のほうにはページを通して番号で振っているので、それを適宜ご参照ください。もし部数が足りないところがございましたら、事務局のほうにお申しつけください。

○永田座長 それでは、議事のほうに入らせていただきます。
 本日の議題は、資料1のほうに掲げてございます。大きく2つでございます。
 今回から義務者・関係者に対するヒアリングを実施することになっておりまして、まず、議題の1番目は特定再資源化等物品の再資源化業者に対するヒアリングということで、4社にお願いしてございます。
 それでは、その関係資料として事前にちょっとご説明しておきたいものがございます。3-1と3-2でございます。これについて事務局から説明します。

○杉本リサイクル推進室室長補佐 まず、お手元の資料3-2をごらんください。
 1枚おめくりいただきまして2ページでございます。エアバッグ類引取・再資源化体制の概要/実績につきまして、自動車リサイクル法におきましては、自動車メーカー等にはエアバッグ類の引取・再資源化の義務が課せられておりまして、現在、2つの処理方法で行ってございます。1つは取外回収、こちらは解体業者が取外回収したエアバッグ類のインフレーターを引き取って、指定引き取り場所を経由して再資源化施設においてリサイクルする方法、もう一つは車上作動処理でございまして、こちらは使用済み自動車に装備されたままの状態でエアバッグ類を作動させる作業を解体業者に委託することでリサイクルする方法でございます。
 1つ目の取外回収処理につきまして、指定引取場所については引き渡す側の解体業者の利便性や効率性を踏まえまして、自動車メーカー等で共同で全国26カ所に設置してございます。また、再資源化施設はエアバッグの再資源化、ここについてはエアバッグ処理専用施設で行っているところでございます。資料の右側の日本地図のほうに、主な指定引取場所及び再資源化施設の配置図がございます。再資源化施設につきましては現在、ダイセル化学工業、啓愛社、豊田メタル、この3社で行っている状況でございます。今回は指定引き取り場所以降、二次運搬から再資源化施設に至るまで、すべてを行っております啓愛社の方にヒアリングを行うということでさせていただいております。
 続きまして3ページでございます。3ページはシュレッダーダストの引取・再資源化の体制及び実績といたしまして、シュレッダーダストの再資源化、ここにつきましてはトヨタ自動車、本田技研工業などから構成されるTHチームと、日産自動車、三菱自動車工業などから構成されるARTの2チームにおいて処理されているところでございます。
 再資源化におけるメーカーの役割といたしましては、シュレッダー業者のほうから出てきますASR、これを引き取り、リサイクル施設、焼却施設、埋め立て処分場等の形で再資源化処理を行っているところでございます。また、全部利用、こちらは法律31条の認定全部利用施設でございますけれども、基本的にこの処理方法はASRを発生させない処理方法ということで、下の図にありますとおり、解体の後、全部再資源化ということでプレスをして全部利用者のほうに引き渡す。ここにつきましてはコンソーシアムを形成し、それについて大臣認定を行っているところでございます。現在の施設の状況でございますが、右側の図を見ていただきますとわかりますとおり、THチーム、ARTチームそれぞれ全国に展開しているところでございます。リサイクル施設及び焼却・埋め立て施設はどちらもおよそ30、また、全部利用施設については20強の施設がございます。
 次のページ、4ページをおめくりください。ASRリサイクルの技術分類といたしましては現在、大別して5分類に分けてございます。[1]といたしまして燃料代替プラス原料化、[2]といたしまして焼却処理プラス熱回収プラス原料化、[3]といたしまして乾留ガス化プラスガス利用プラス原料化、[4]といたしまして乾留ガス化プラス熱回収プラス原料化、[5]といたしまして素材選別プラス燃料代替、この大きく5分類になってございます。
 今回、ASRのリサイクル施設といたしましては、これらの5分類のうち、[1]の燃料代替プラス原料化、ここから小名浜製錬の方に、また、[5]の素材選別プラス燃料代替につきまして豊田メタルの方に、これらのASRリサイクルの一例ということで御紹介をいただくということになってございます。
 資料3-1にお戻りください。
 以上の説明のとおり、自動車リサイクル法におきまして自動車製造業者等が委託する特定再資源化等物品の再資源化に係る施設の設置者、ここにつきまして今回、ASR再資源化業者とエアバッグ類再資源化業者、この2種類につきましてヒアリングをさせていただくということになってございます。
 前回の審議会でもご議論があったとおり、ここの分野につきましては特に代表者ということではなく、現場の実際の施設についての一例を御紹介するという形でヒアリングとさせていただいておりまして、豊田メタル株式会社、小名浜製錬株式会社、JFE条鋼株式会社、また、エアバッグ類として株式会社啓愛社、この4社に今回、ヒアリングをお願いしているところでございます。
 ヒアリング項目といたしましては、前回の審議会で御議論していただいたもののとおりでございまして、法令上の義務を適正に履行しているか、その点では施設活用率に対する評価やその向上に向けた取り組み、認定全部利用者による引取・再資源化の現状、再資源化のマテリアルリサイクルとサーマルリサイクルの現状、役割分担のあり方といたしましては破砕業者から持ち込まれるASR、こうしたものの性状や対応状況、エアバッグ類の再資源化に係る安全確保、特定再資源化物品の再資源化に関連する取り組みにつきまして、特定再資源化物品の再資源化手法、また、特定再資源化物品の再資源化に伴い生じる残渣のリサイクルに係る取り組み状況、将来の自動車リサイクル制度のあるべき姿、ここにつきまして制度施行による効果や影響、また、制度検討時に想定されなかったような課題や今後の自動車リサイクル制度についてのあるべき姿、ここについて忌憚ない御意見をいただくということになってございます。
 以上でございます。

○永田座長 ありがとうございました。
 それでは、これよりヒアリングを始めたいと思います。
 ヒアリングの進め方といたしましては、説明者から10分程度お話をいただきまして、その後、15分、質疑とさせていただきたいと思います。なお、質疑につきましては中立委員を中心にお願いし、それ以外の委員の方には、自動車リサイクルの専門家としての立場からの質疑をお願いできればというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、まず豊田メタル株式会社取締役の松原宏治さんに説明をお願いいたします。松原さん、よろしくお願いします。

○豊田メタル(株)松原説明員 豊田メタルの松原です。
 それでは、当社が取り組んでおりますASRのマテリアルリサイクルについて御報告いたします。報告の内容は書面のとおりです。
 まず、会社の概要とASRの処理に至った経緯について御報告します。豊田メタルはモータリゼーションの波が日本で起こった1970年に、将来、発生するであろう大量の廃車を処理するため、豊田通商、トヨタ自動車、愛知製鋼が資本参加して設立されました。現在では使用済自動車からの効率的な再資源化の実践と研究をミッションとしています。主な業務は設立当初からのシュレッダー事業と1998年に開始したASR再資源化事業、及び2001年から行っている自動車のリサイクル研究です。
 この図は、自動車リサイクル法が施行される直前の2004年当時に整理されていた日本の自動車リサイクルの状況をあらわしています。解体工程からシュレッダー工程を経て発生するASRは車両重量の約20%、年間約70万トンのASRが埋め立て処分されていたと。このうち約5%が当社から発生するASRというポジションでした。
 そのような状況の中、1990年代初頭より国内外で自動車を含めた各種の環境関連の法律が整備されてきて、2005年1月には自動車リサイクル法が施行されました。豊田メタルではこれら社会動向を先取りし、1993年からASRを何とかマテリアルでリサイクルできないものか、いわゆるカー・ツー・カーの形でできないものかと、ASRリサイクルの研究開発に取り組み始めました。そして1998年にはフルスケールのプラントを建設して量産を開始し、現在に至っております。
 それでは、ASRリサイクルプラントの概要と再資源化の取り組みについてご説明いたします。
 この写真はリサイクルプラントの外観写真です。このプラントでは毎月約2,000トンのASRを再資源化しております。
 プラントのレイアウトですが、当社は大型シュレッダー機を2機所有しており、図の3号機は廃車専用のマシンで、この3号機でシュレッダーされた後のダストは、コンベヤーでリサイクルプラントへ運ばれてきます。このプラントはASR処理の専用で使っており、1日約100トンの処理能力を持っております。
 当社の工程は、使用済自動車を破砕するELVリサイクルプラント、いわゆるシュレッダーと、ASRをリサイクルするプラントで構成されております。ここでASRリサイクルプラントは再資源化素材をつくるため、乾式分別を設計のコンセプトとしております。
 それでは、プラントの詳細について説明します。
 シュレッダー工程で発生する3種類のASRは、それぞれ個別に計量され、次の工程へ送られます。この計量以降が自動車リサイクル法の28条の申請範囲になっております。この中でASR全体の95%を占めるダストは、粗分別工程で防音材素材、重ダストといった8種類の素材に粗分別され、次の工程でさらに精密な分別を行っております。
 粗分別工程の中身をもう少し御説明いたします。
 防音材の原料は防音材工程で防音材素材になります。2段目の重ダストは銅工程で銅と樹脂の回収を行います。3段目にございます小ダストはガラス工程に送られ、ガラス粒と非鉄金属が回収されます。その下にございます集じんダスト、軽ダスト、鉄まじりのダストはそれぞれ固化工程へ送られ、固化物と鉄が生産回収されます。回収された非鉄金属はそのまま販売し、ガラスくずは埋め立て処理をしております。
 それでは、分別された活用先と生産量について御説明します。
 まず、防音材素材は、ダッシュサイレンサーやフロアサイレンサーなどの自動車用防音材に加工され、カー・ツー・カーのリサイクルを行っております。また、銅、非鉄金属、鉄については、それぞれ資源として活用されています。樹脂類につきましては焼却炉の助燃材として灯油の代替になるほか、プラスチック成形品、製鋼用電炉原燃料として活用しています。一方、固化物につきましても、自動車製造工程で発生するプレスの端材の鉄くずを利用しベーラーにし、電炉原燃料に生まれ変わります。本年度前半のそれぞれの生産量は右の図のとおりになっております。
 それでは、電炉原燃料化と自動車用防音材の製造について、もう少し詳しく説明いたします。
 電炉原燃料への活用は右上の写真のように、固化物を鉄くずを利用してベーラーし、製鋼用電炉での熱源及び炭素源として活用していただいております。鉄と固化物の重量比率は6対4でございます。このプレス品を電炉で使用するにあたり、2つの克服しなければならない課題がありました。1つ目は熱源及び炭素源としての効率ですが、材料加工方法や炉の操業方法を工夫することにより、もともと使用していた加炭材使用量を80%低減することができました。2つ目は鉄生産に当たり阻害成分となる銅の除去ですが、分別効率を向上することにより、銅の含有量を半減することができました。これらの開発により、現在では月間2,000トン強のこのプレス品が電炉メーカーさんで活用されております。
 次に車両用リサイクル防音材、RSPPと呼んでいますが、この競争力向上について御説明します。
 RSPPが現在、車両に使われている他の材料に代わって新車製造時に使用していただくには、コスト面や重量面で競争力がなくてはなりません。そこで開発を繰り返し、現在では開発当初よりコスト面で45%、重量面で30%の軽量化が図られ、トヨタ自動車が国内で販売する車の半数、年間にしますと約200万台に搭載されています。しかしながら、競合する製品も日々進化しますし、求められる性能もより高くなる中で競争力を維持していくためには、さらに商品価値を上げるための開発を継続していく必要があると考えています。
 それでは、活用のまとめとしてリサイクル率と施設活用率について御説明します。
 リサイクル法施行以降、リサイクル率、施設活用率ともに毎年向上して、今年度上半期のこれまでのリサイクル率は82%となっております。この要因は電炉原燃料として利用及びその適用範囲拡大に起因するものです。
 最後に、当社にとっての課題を4点述べさせていただきます。
 第1に、マテリアルリサイクルとしてできた製品が需要の変動の波をもろに受ける。そういうことで販売できなくなった時には、せっかく分別してできた商品を廃棄しなければならなくなります。非常にもったいないなということと、廃棄に伴い、それがリサイクル率低下の要因にもなってきてしまいます。
 第2に、リサイクル品として分別・回収したもの、例えばガラスの粒ですが、これらなどの活用先の開拓が非常に重要なんですが、また難しいところでもあります。
 第3に、当社が行っているリサイクルには、動力源として多くを電力に依存しています。ところが、このところの原油高などによって電力料金がじわじわと上がってきており、コスト増として経営に影響が出てきているということです。
 最後、4番目に現在の自動車リサイクル法では、リサイクル率のみが制度化されていますが、リサイクル率でいえば昨年度、既に2015年以降の最終目標値の70%以上は達成しました。このような中で次なる目標が何になるのか、どこへいくのか、今後もリサイクル率の向上を追求していけばいいのか、それとも新たな視点としてCOの発生の低減とか、コストパフォーマンスを重視したリサイクルを行っていけばいいのか、またはそれらの要素のバランスをとったリサイクルが評価されていくのか、リサイクルの質の高度化と、それらに対する適正な評価がされることを希望します。
 以上、発表を終わります。ありがとうございました。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただいた内容につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いします。名札を立てていただきましょうか。
 どうぞ、細田先生。

○細田委員 ありがとうございました。
 細かい点で申しわけないんですけれども、4点ほど質問させてください。
 1番目は、玉というか入荷状況についてです。最近、前と比べて、例えば自動車リサイクル法施行以前と比べてタマの入荷状況に変化があったのかということをまず、教えていただきたいということです。2番目は最終残渣がどのように処理されているのかなということで、そこの最終残渣の処理状況を教えてください。3番目は例えば防音材RSPPが売られて、また、それが解体処理によって戻ってきた場合のリサイクルというのは、一体うまくいくのかどうかのかが3番目で、4番目はちょっと立場上、御発言しにくいかもしれないんですけれども、先ほどガラスのことをちょっとおっしゃったので、ガラスは解体時におおむね取られたほうがいいのか、あるいはポストシュレッダーでガラスを取ったほうがいいのか、その点、もし御意見があったら、あるいは何か御見解があったら教えていください。これら4点でございます。
 以上です。

○永田座長 どうぞ。

○豊田メタル(株)松原説明員 法律施行前からのいわゆるタマの入荷の最初の御質問ですけれども、当社は今御説明申し上げたとおり、シュレッダー事業とASR再資源化事業を合わせて直結した形でやっているということで、入荷状況は市況だとか、いろいろシュレッダー業者のコンピート等がございます。そういう一連の流れの中で上下はありますが、法律の影響で多くなった、少なくなったというのはあまり感じていません。それは市中の動向というふうにとらえております。
 あと、技術を担当しています浜井のほうから、残渣の処理、RSPPの再リサイクル、ガラスのことについては回答させていただきます。

○豊田メタル(株)浜井説明員 まず、2番目のご質問の最終残渣なんですけれども、この表の中にあります、一番下にありますガラス屑等というふうに書いてあるものが最終的に分別されずに、商品にならなかったものになります。こちらのほうについては今、最終処分場のほうに埋め立てのほうを行っております。割合的にはこの図の中にあるとおりで、大体15%ぐらいがこれらの埋め立てのほうに回っている割合になります。
 それと、RSPPがもう一度、今度、廃車として出てきたときに、それがリサイクルできるかということなんですけれども、実際に今、RSPPになっている素材自体も、単一の素材を回収しているわけではなくて、比重で軽いウレタンとか繊維とか、そういったものを回収して素材としております。ということから考えますと、まだ10年後にならないとわからないんですが、多分、大丈夫だろうというふうには思っています。ただ、中に入っております組成が変わってくることによって、性能にひょっとしたら差が出てくるのかなというところはございますので、その辺のところはちょっと今後、評価していく必要があるかなというふうに思います。
 あとガラスですけれども、ガラスはシュレッダーダストの中にやっぱり入ってしまいますと、なかなか純度よく選別するということが非常に難しい素材になってきますので、やはり解体時にガラスとして回収できるのであれば、そうしていただいたほうがいいのかなというふうに考えております。
 以上でよろしかったでしょうか。

○永田座長 よろしいですか。
 ほかにいかがでしょうか。

○細田委員 関連でもう一つ。埋め立てについてです。埋め立て料金というのは地域によって多分違うと思います。自動車リサイクル法施行以前まではかなり指数関数的に上がっていたと思うんですけれども、それ以降、今の埋め立て処分費用がまだ上がり続けているのか、豊田メタルさんの地域の範囲で上がっているのか、あるいは頭打ちになっているのか、そこだけ1つ教えてください。

○豊田メタル(株)松原説明員 愛知県なんですけれども、処分場の確保は昨年も大変な目に遭いまして、止まるだとか、終了しちゃうということで新たな代替地ということで探す、当然のことながら値段は上がります。そういう状況です。

○細田委員 わかりました。ありがとうございます。

○永田座長 どうぞ、大塚先生。

○大塚(直)委員 16ページのところにあるように、リサイクル率も施設活用率も上がっていて大変いいことだと思いますが、全体的な話で恐縮ですけれども、再資源化について特にビジネスとして成り立っているのか、それともメーカーに頼まれて仕方なしになさっているという面が強いのか、ビジネスとして成り立っているようなものかというところをお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。

○豊田メタル(株)松原説明員 当初は成り立っていませんでした。いろいろコスト低減とかを含めて現在は成り立っておりますし、これが続く限り、近々もうやめちゃおうとか、そういうことは考えておりません。別にメーカーというか、自動車メーカーのほうからどうしてもやれとか、そういうことはございません、言われておりません。

○永田座長 どうぞ、鬼沢さん。

○鬼沢委員 一番最後のページにあります[4]の適正な評価とあるんですけれども、そちらの企業からしての適正な評価というのは、どんなことを具体的に考えていらっしゃるのでしょうか。

○豊田メタル(株)松原説明員 私どもの個人的な、このようなマテリアルからのアプローチですと、どうしてもリサイクル率の限界、やはりサーマルリサイクルのアプローチに比べてどうしても分別すればするほど、最後、どうしようもなく処分しなければならないものが出てくるということになると、リサイクル率だけを言われるとどうしても評価的には限界がある。サーマルリサイクルですと最終スラグ等が利用されれば、極めて100%に近いリサイクル率がぽっと上がっちゃうということに比べて、非常に難しい部分がございます。
 そういう流れの中で、家電リサイクルを例にとったらあれですけれども、当初の設定時の例えば洗濯機のリサイクル率ですと、さらに上がるだとかいうような動きなんかも聞いていますが、自動車リサイクル法も70をクリアしたら、次に率だけをまた高く上げるのかというようなことで、リサイクル率だけを言われると、非常に我々のアプローチの仕方というのはディスアドバンテージがあるのかなということです。
 そういう意味で、いわゆる電気代とかは上がっているんですけれども、コスト的にはマテリアルリサイクルというのはそこそこ競争力あるコスト、いわゆる安価なリサイクルがしやすい形になるので、そういうものとか、発生するCOなんかもとらえると、非常に少ない発生で終わるのかなと、そういうトータルで考えられていただけないと、どうしても不利になるのかなと思ったりしております。

○永田座長 よろしいですか。
 ほかにいかがでしょうか。中立以外の方でも何かご質問はありませんか。よろしいですか。
 では、ちょっと事務局。

○中野リサイクル推進室室長補佐 すみません、環境省リサイクル推進室の中野と申します。
 1点だけ。法律施行まで3年ちょっとしかたっておりませんけれども、入庫されてくるシュレッダーダスト、破砕も兼ねているので直接お答えできるかどうかわかりませんが、シュレッダーダスト自体の成分の質といったものが目に見えて経年変化しているとか、そういった傾向というのはあるのでしょうか。

○豊田メタル(株)浜井説明員 特に個別の成分をとって、どう変化しているというふうにはないのかなというふうには感じています。ただ、やはりいろいろな市況によって、いろいろな車の中に使われている素材の中でも、例えば高く売れる時期と例えばあまり値段のつかない時期というのがあったりすると、例えば今みたいに金属類が非常に高く取引されていたときというのは、例えば銅の含有量が少なかったなとかというのは感覚としてはありますけれども、それが数字の中にあらわれてきているかというと、そんなに大きくは変わっていないんじゃないかなというふうに感じています。

○永田座長 どうぞ。

○迫田自動車課長補佐 すみません、経済産業省自動車課の迫田と申します。
 13ページの資料で分別材料の回収割合のデータを掲載していただいているんですけれども、こちらは現在の回収割合かと思うんですが、実際に事業を開始されて回収割合に変化が見られているのか、もし変化があるとするならば例えば市況の原因なのかとか、そういったほかの要因があって大きく変わってきていることがあるのかといったことについて、教えていただけないでしょうか。

○豊田メタル(株)浜井説明員 回収しているものとしての割合というのは、そんなに大きくは変わっていないです。ただ、回収したものをさらにその先、いわゆる利活用できるかという点では変わってきています。例えば今、電炉原燃料Bというふうに書いてありますけれども、もともと当初から固化物にはしていました。ただし、固化物にはしていたんですけれども、当初は埋め立てのほうをしていたんですけれども、今は電炉原燃料として使っているという点では、そういったリサイクル先というか、活用されているかどうかという点で見ると、この割合というのはやっぱり年々高くなってきているというところはありますけれども、回収されるものの割合としてはそんなに大きくは変化しておりません。

○永田座長 久米さん、何かありますか。どうぞ。

○久米委員 16ページのところでリサイクル率がずっと上がってきているわけですけれども、18ページのところでリサイクル品の需要変動がリサイクル率に大きく影響するという話が出ているんですけれども、今、そういう需要変動がいい状況にあったということで上がっているという面もあるんですかね。ですから、この調子でずっといくと、リサイクル率がずっと上がっていくなという感じがするんですけれども。

○豊田メタル(株)浜井説明員 このグラフというのは、先ほど電炉原燃料の話も少しさせていただきましたけれども、例えば2005年でいくとリサイクル率が40%以下のところにあるんですけれども、この時期というのは固化したものをまだ電炉原燃料化していない時期で、そういったものを少しずつ拡大していくことによって、リサイクル率というのは上がってきているというふうに、この図は見ていただきたいと思います。
 ただ、最後の課題のところにありましたリサイクル品の需要変動がリサイクル率に影響という話は、例えばRSPPなんかが結構顕著なんですけれども、例えば実際に今、自動車の防音材に利用しているんですけれども、実際につくられる素材のいわゆる生産量と、実際に車のほうで必要とされるいわゆる需要量というのがバランスしていれば、全量、車のほうで使えるんですけれども、バランスが崩れたときには、逆に生産量が多くて需要量が少なくなってしまったときには使い道がなくて、その部分を例えば廃棄しないといけないと。
 先ほどのリサイクル率の中には、まだ廃棄という部分が入っていないのでいいんですけれども、今度、使えない部分が出てきてしまうと、リサイクル率がぎゅっと下がってしまうという方向へいくということです。ですから、それによって上がるということは、今のところはほぼ大体100%の分別品を今活用できておりますので、上がる方向にはいくのではなくて、需要によって下がる方向へいくというふうに考えていただければいいかと思います。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 定刻ちょっと過ぎておりますので、この辺で豊田メタルさんのほうの質疑は終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。

○豊田メタル(株)松原説明員 ありがとうございました。

○永田座長 それでは、続いて小名浜製錬株式会社の小名浜製錬所の副所長、林庄作さんに御説明をお願いしたいと思います。よろしく。

○小名浜製錬(株)林説明員 おはようございます。小名浜製錬の林と申します。
 本日は、私どもの銅精錬工程でASR及び私どもは車以外のシュレッダーダスト、SRも処理しております。その処理について報告申し上げます。
 当所の全景ですけれども、福島県いわき市にございまして、小名浜港の近くにございます。敷地45万7,500平米ということで大体700メートル四方、こういった敷地に工場設備が設置されております。
 当所の概要ですけれども、資本金70億、社員の数411名。当所は業界で初めての共同製錬所ということで、三菱、DOWA、古河、こういった非鉄三社が中心になって昭和38年に設立された、そういう会社でございます。沿革は今申し上げましたように昭和38年に設立、そして銅精錬の操業開始は昭和40年、そして昭和48年に設備を倍増しました。昭和48年、この時点でほぼ現在の設備がそろったと、こういうことでございます。一方、この歴史の中で昭和48年に始まる石油ショックによって銅精錬に要するエネルギーコスト、これが非常に高騰したということがございます。それを受けまして、当所の沿革の中でも赤で書いているところ、これがいわゆる銅精錬に使用するエネルギーの対策という点になります。
 まず、反射炉の燃料として廃タイヤを使用したと、あるいは重油から微粉炭燃焼に切りかえたという形、その後、廃タイヤからシュレッダーダストに切りかえて、これが平成5年ですけれども、シュレッダーダストの処理を開始したということです。西暦2000年、平成12年にはシュレッダーダストの設備を増強いたしまして処理能力を大幅に上げたと、そして現在に至っております。平成17年1月、自動車リサイクル法の施行にあたりまして、28条の施設に指定されております。そして、さらに昨年12月ですけれども、従来からのプロセスに新たにS炉と呼ばれる非常に効率のよい炉なんですけれども、これを設置いたしました。
 というように、後ほどフローの説明を申し上げますけれども、反射炉というのは非常に燃料多消費型であるということ。それゆえに会社の事業としては燃料コストの削減、これが非常に大きな課題であったということです。もう一つ、その反射炉というのは幅が10メートル、長さが30メートルという非常に大きな炉でございます。したがいまして、塊状のこういった廃プラスチック等の可燃物、これの大量処理が可能であるということで、非常にサーマルリサイクルというテーマにおきまして適した設備であったということですね。一方、サーマルリサイクル以外にいわゆる銅精錬という工程で処理することによって、銅を初めとするいろいろなマテリアル、これがリサイクルされるということ。そういう意味で、リサイクルあるいは環境保全への社会からの要請に非常に適合したとなっておると、そういうふうに考えております。
 これは当所の工程、フローシートでございます。
 まず、銅精錬の原料の銅精鉱、これを現在はすべて海外から輸入されております。
 これは最初に鉱石を溶かすためのS炉と呼ばれる昨年12月に稼働した新しい炉ですけれども、ここで溶かされるわけですね。このS炉というのは模式的に書きますとこういったもので、直径10メートルの非常に小さな炉ですけれども、効率よく鉱石を処理することができると。それと、S炉でほとんどすべての銅鉱石を処理するということで、従来まで反射炉で銅鉱石を処理するという仕事がS炉のほうにシフトできたということで、反射炉のほうの負荷が軽減されたということですね。それによりまして反射炉での石炭、いわゆる化石燃料、主燃料の使用量を削減できる、あわせてASRの処理を増強、能力アップできると、こういう意味がございます。
 S炉で溶かした約1,200度で溶けております鉱石は、反射炉のほうに導入されます。一方、ASRあるいはSR、シュレッダーダストと、こういうものは反射炉の工程に投入されます。
 これはシュレッダーダスト、ASRあるいはSRの処理設備の写真でございます。左上が受け入れの門でございまして、右側がシュレッダーダストの貯蔵庫です。内部は左下のような感じでストックされ、このシュレッダーダストのストックヤードの一角に反射炉へのシュレッダーダストの投入設備がございまして、その投入設備の一部が右下の写真のようにベルトコンベヤーで直接、反射炉のほうに搬入されると、こういう設備でございます。
 これは反射炉の模式図であります。先ほど申しましたように反射炉は幅、ここには11メーター、長さ33メートルと書いておりますけれども、非常に大きな炉でございまして、塊状の可燃物の処理に非常に適しているということですね。反射炉には若干の鉱石も現在も装入されておるわけですけれども、シュレッダーダストも反射炉の炉内に装入されると。鉱石、銅鉱石はかわと呼ばれる銅分の高い部分、及びからみと呼ばれる鉄を中心とした酸化物に分離されます。シュレッダーダストに含まれます銅分もかわとして回収される、あるいはシュレッダーダストに含まれる鉄分であるとか、そういったものはからみというふうに、それぞれ元素によって移行先が異なります。
 一方、シュレッダーダストを炉内で燃焼させて、鉱石等の溶解に熱エネルギーが使われ、さらにその排熱はボイラーで蒸気として回収されます。この蒸気でもって当所の発電機で自家発電しておるということです。
 反射炉の排ガスはボイラーで蒸気をおこした後、排ガス処理のほうに送られまして、石こうとして副産物が回収されます。この石こうは主にセメント原料として販売されております。一方、反射炉から出ました銅分の高いかわと呼ばれる部分は、転炉、精製炉という工程を経て、アノドという約1メートル四角の大きさの板を鋳造します。そして、これを電気分解することによって主製品の電気銅を生産しております。電気銅の一部はさらにケーク、ビレットという銅のインゴットを鋳造して出荷しております。
 一方、電気銅あるいはケーク、ビレットという主製品以外にこういった硫酸銅あるいは硫酸ニッケル……。

○永田座長 ちょっとすみません、大分時間が経過していますので、あと、要領よく。

○小名浜製錬(株)林説明員 はい。スライムと、こういった副製品も回収されます。
 これは電気銅あるいはケーク、ビレットの写真です。一方、反射炉から抜き出されたからみ、これは水砕からみとしてセメント原料あるいはブラスト材、あるいは港湾のケイソンの中詰め材に使われます。これは水砕からみの水砕風景です。約1,300度の溶けたからみを約20倍の海水の中に突っ込むことによって急冷され、黒い砂粒状にガラス化して固まるということです。
 これは当所の主な設備能力です。鉱石処理は6万トン、シュレッダーダストの処理能力として1万5,000トンと、こういったふうになっております。
 これはシュレッダーダストの処理能力の推移でございます。平成5年から約3,000トン規模できたところが、平成12年に設備を増強しましてその後間もなく年間14万トン、このグラフ、すみません、手違いがございまして「T/月」となっておりますけれども、「T/年」です。14万トンの処理能力まで増強することができました。この過程で、そこに書いてございますようないろいろな改善対策を行っております。さらに昨年のS炉の導入と、こういう効果によりまして年間約18万トンまで能力を上げております。
 最後に、ASRの投入施設活用率ということについて説明申し上げます。
 当所の場合は先ほど申しましたように、シュレッダーダストの熱エネルギーをサーマルリサイクル、あるいは含まれております銅分及びその他の材料をマテリアルリサイクルという形で、それぞれ回収しておりますけれども、この中でエネルギーとして蒸気あるいはスラグの生成熱、鉱石を溶かす、こういう熱エネルギーに使われる、さらには反射炉の蒸気は電力として回収されるということです。
 施設活用率としては一番下に書いてございますように0.9という数字が得られておりまして、この中で回収エネルギーの中の電力に関して、計算式がいわゆる電力の発電効率で40%というところで計算することになっておりますけれども、当所のような廃棄物の排熱ボイラーにおいては発電効率40%というのは非常に厳しい数字で活用率が低く計算されてしまいます。一方、発電しない蒸気のままですと非常にエネルギー回収がよくなると。いわゆる回収エネルギーとしての電力の評価が低いというところが、現在の活用率の計算の中で少し改善すべきところかなと考えております。
 あとは最後、ASRのリサイクル率についてでございますけれども、ASRのリサイクル率、これは投入量から施設排出残渣量というものを差し引いた後、投入量で割るという、こういった式で計算されるわけですけれども、この中の施設排出残渣量といいますものは、施設の生産物総量から生産物の販売量を差し引いたものでということで考えられております。当初におけるリサイクル率に関しての現在の問題点といいますのは、ASRリサイクル施設生産排出量、これはスラグ生産量が当てはまるわけですけれども、スラグについて法施行後、昨年までずっと生産量を上回る販売量で実施してきたわけですけれども、今年度、単年度におきましてはいわゆるスラグの市況により販売量が生産量を下回る、いわゆる生産したスラグが一部積み上がると、こういう状況になっております。
 私どもは長期的には生産したものは、必ず販売しておるわけですけれども、短期的、例えば今年度で考えますと販売量が生産量を下回ると、こういった状況も現実に起こっておりまして、これによりまして今年度のリサイクル率が低く評価されてしまうといったところが現在考えております問題点かなと考えております。
 以上です。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ご質問等がありましたらお願いします。
 では、どうぞ、細田先生。

○細田委員 3点お願いいたします。
 ちょっと直接には関係ないのですが、質問させて頂きます。間接的にはかかわっている質問で、昭和48年に反射炉を1炉増設と書いてあります。48年12月に石油ショックが起こっているんですが、なぜ自溶炉の世界が主流なときに反射炉をつくられたのかというのを教えていただきたいのが第1点。
 第2点はちょっと聞きにくい質問なんですが、かつてよくトラブルで稼働が停止されて、小名浜のほうへ持っていくものがどこかへ行って大変だったという話を聞いたことがあります。トラブルはちょっとダストが原因だったと書いてありますけれども、トラブルの原因とどのぐらいの回数で起きているのか、今、起きているのかいないのかを教えていただきたいです。
 3番目、からみの処理でちょっと気になるんですが、ニアリーイコール長期的にはゼロと書いてあるんですけれども、長期的に差が出て多過ぎちゃった場合に、在庫としてずっと長期に積むのか、それともやはりどこかで処分するのか、からみの処理についてお伺いしたいと思います。
 以上、3点です。

○小名浜製錬(株)林説明員 まず、1つ目の何で反射炉かということに関しましては、私どもは共同製錬所ですけれども、主管は三菱マテリアルということで、当時、ちょうど三菱マテリアルが新しい三菱プロセスという自溶炉とは違う新しいプロセスを開発、ほぼ完成させるところでございました。それともう一つは、もともと当初は反射炉というプロセスをスタートさせておりました。その時点ではですから反射炉をもともと将来もう1基増設という計画で最初スタートしましたので、当時としては自溶炉ではなく反射炉をスタートさせると、こういうことかと思います。
 それともう一つ、過去のトラブルですけれども、平成12年に設備増強して以来、能力を上げていく過程でダスト、特にボイラーのトラブルですけれども、こちらのほう、ダストによる閉塞あるいはボイラーチューブの腐食速度のアップといった問題、これまでいろいろ対処してきておりまして、いわゆる予防保全と申しますか、計画的に修理対応できるという体制を確立させております。一方、昨年度11月には反射炉から油漏れを起こうという大きな事故を起こしてしまったわけですけれども、これに対しても炉体構造を改善するということと、炉の温度計を非常に無数に設置しまして、監視体制を強化するということで、二度とそういった事故も起こらないものと考えております。
 もう一つ、最後のからみの販売でございますけれども、からみの販売用途としてはやはり主体はセメントの原料として使っていただいております。こちらは国内に関しましては建設の市況等々によって左右されますが、いろいろ国内だけではなくて、海外にも目を向けていろんなユーザーの開拓を現在も継続しております。ですから、新たなる販売先を今後も継続的に開拓していくということで、長期的には生産量の販売を確保するということをやっております。

○永田座長 いかがでしょうか。どうぞ。

○大塚(直)委員 今、細田先生が聞かれた最後の点と関連しますけれども、15ページのところで市況によって生産量が販売量を上回ったというお話ですが、これは資源の高騰とかとの関係でしょうか。スラグについての需要が減っているとかという構造的な話というわけではないんでしょうか。その辺についてちょっとお伺いできればと思います。さらにリサイクル率の算定の仕方について、恐らく何かご意見をお持ちかもしれませんが、もし何かございましたらおっしゃっていただければありがたいと思います。

○小名浜製錬(株)--説明員 まず、スラグの銅からみ、銅スラグのこれまで販売のほうが生産を上回っていたという点につきましては、主にやはり国内の経済状況というものが非常に大きく影響しておりまして、先ほど申し上げましたようにセメントの鉄原料ということで、その大半を使っていただけるという状況がございますので、まず、国内のセメントの需要というものがことしに入りまして、これまでよかったものが急激に冷え込んでいるというような状況がございます。海外におきましても、それまで中国を中心とした需要が非常に旺盛であったと。これが急激に冷え込んできているということで、現在は販売のほうが停滞しているというような状況でございます。
 リサイクル率につきましては、先ほど林も申し上げましたように、長期的に販売のほうは生産を上回る、これまでの実績としては上回っていたものが単年において下回ることによって、それがそのままその期間の、よく期間損失といいますけれども、期間リサイクル率と申しましょうか、そういったものにそのまま反映されてしまうというところが私どもとしてはもう少し長期的なスパンで反映されれば非常に、やはりここに課題としてこういうふうに書いてございますが、先ほども出ましたけれども、やはり一番この裏にありますのは、どうしてもマーケットとか経済状況、市況、こういったものに、それぞれ製品、原料、こういったものが非常に左右されるというところがありまして、リサイクル率の単年度における評価についても、その一部というようなとらえ方でございます。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 ほかに何かありましたら。何かありますか。

○中野リサイクル推進室室長補佐 3点ほどすみません、ご質問させてください。
 1点目は先ほどの豊田メタルさんと同様なんですけれども、法施行後にシュレッダーダストに関する性状の変化というものがもし顕著にあるようでございましたら、そちらについて教えていただきたいのが1点目と、2点目、豊田メタルさんは100%ASRのリサイクル施設ということだったんですが、御社の場合は銅精錬のマテリアルですとか、あるいはASR以外のシュレッダーダストというものを処理することになりますと、恐らく反射炉のインプットということになると思うんですけれども、反射炉に入ってきます銅鉱石とそれからASRとASR以外のシュレッダーダストのもし大まかな比率でもわかるようであれば、それを教えていただきたいのが2点目と、3点目はすみません、15ページのグラフなんですが、平成17年、18年、19年と、生産量よりも販売量のほうが多いというようなデータをいただいておるんですけれども、法施行が17年ですから、そこからのデータを出していただいていると思うんですが、販売量が生産量を上回っている部分というのは、平成16年以前に生産されたスラグの分というふうに考えればよろしいのでしょうか。
 以上の3点、よろしくお願いいたします。

○小名浜製錬(株)林説明員 まず、1つ目の法施行後の変化でありますけれども、はっきり申しまして法施行前は私どもはASRとSRと分別なく受け入れておりましたので、明確なことははっきりとはわかりません。ただ、施行後、シュレッダーダストのASRの水分が減ってきたかなというのは、全体的に見て言えるんじゃないかなと考えております。
 それと、鉱石あるいはSRの比率ですけれども、鉱石は1カ月に大体6万トン弱を処理しております。

○永田座長 反射炉だけで。

○小名浜製錬(株)林説明員 反射炉では1カ月に現在5,000トンから1万トンですね、その内数としまして。

○永田座長 ASR以外のものは。

○小名浜製錬(株)林説明員 それとASRとそれ以外の廃プラ、これは大体ASRが60%前後、3分の2から余り、残りがASR以外といったような状況でしょうか。これは状況によって変化するわけですけれども、そんな状況ですね。
 それと3つ目は、すみません、3つ目の質問をちょっと。

○永田座長 15ページの図の下。

○小名浜製錬(株)林説明員 16年以前までに積み上げていたものを17、18、19で販売していったと、こういうことであります。

○小名浜製錬(株)--説明員 すみません、ちょっと補足しますけれども、成分の中でやはり私どもは銅製錬ですので、銅の品位というものにつきましては、やはり施行後から今日に至るまでは品位が低下していると。銅をより細かく回収されて、我々のところに来る前に有効に資源として活用されているという状況が起こっているというふうにとらえております。
 それから、すみません、からみにつきましては、それまで積み上げていたものかどうかということにつきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、そのときのマーケットによりますので、必ずしも複数年積み上げていたものが販売されたということではなくて、従来から銅精錬を始めたときから出ているものでございますので、ASRから出てくるものもその中の一部ということですので、この販売につきましては、それ以前もそれ以後も同じような方式で行っているということでございます。

○永田座長 すみません、時間もちょっと経過しておりますので、この辺で小名浜製錬の話は終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、続きましてJFE条鋼株式会社取締役企画部長の庄野俊治さん、それからもう1名、技術部長、関水信之さんに説明をお願いいたします。どうぞ。

○JFE条鋼(株)庄野説明員 JFE条鋼の庄野でございます。よろしくお願いいたします。
 私どもは使用済自動車の全部利用ということで、製鋼の原料として使わせていただいております。この状況につきましてご報告申し上げたいと思います。
 まず、会社の概要でございますけれども、社名、JFE条鋼株式会社、資本金450億でございます。JFEスチールの100%子会社でございます。従業員数は900名強、事業内容といたしましては電炉製鋼法による鉄鋼業ということで、下に鉄の分類でございますけれども、鉄筋棒鋼、H形鋼等の建設用鋼材にまつわる条鋼類、それと特殊鋼を中心といたしました棒鋼、線材製品、こういうものを製造・販売を行っている会社でございます。粗鋼生産規模でございますけれども、昨年度で230万トンということで、電炉業界では東京製鐵に次いで2番目の位置づけになってございます。会社別で全国でいっても、高炉を入れましても8位程度と、こういうところでございます。
 会社の沿革でございますけれども、1999年にトーア・スチールという前身の会社から鉄鋼事業の再編ということで資産を譲り受けて、当時のNKKの傘下でエヌケーケー条鋼として発足をいたしたと、こういう経緯でございます。その後、2005年に川崎製鉄と当時の日本鋼管が合併をいたしまして、JFE条鋼というふうに社名が変わってございます。
 当社の製造並びに営業の拠点でございますけれども、3製造所を擁してございます。北から仙台ございます。仙台は先ほど申しました特殊鋼を中心とした棒鋼、線材製品をつくっている工場でございます。それから鹿島製造所でございますけれども、ここは鉄筋用の小棒並びに等辺山形鋼の生産を行っております。それから一番西に姫路製造所というのがございますけれども、ここはH形鋼、造船用の形鋼等をつくっているという工場でございます。この3製造所で自動車プレスを使って製鋼いたしているということでございまして、次ページに製鋼の当社の工程をご紹介させていただきたいと思います。
 これはちょうど先ほど申しました鹿島製造所の工程図でございます。まず、原料といたしましては市中にある鉄スクラップを調達いたしまして、これをつくる鋼に合わせまして配合いたしまして、大体約10銘柄ぐらいに管理をいたしてございますけれども、これをもちまして配合して電気炉に装入をするというところでございます。電気炉で溶解をいたしまして、次に成分を調整して鋼の調質をするということで、LFという取鍋精錬という工程がございます。LFと書いてあるところでございます。ここで成分を調整いたしまして、今度は固めるという鋳造という工程がございます。連続的に鋳造を行って中間製品となるビレットを製造いたしてございます。このビレットを下段で最終製品の形に圧延をして整えるということでございます。
 一番下に写真がございますけれども、左端から原料を貯蔵して配合するスクラップヤードでございます。その下に光が映ってございますけれども、これが電気炉の写真でございます。真ん中のところがちょうどLFと言っているレードルファーネス、取鍋精錬の図でございます。上に電極が入って下に溶鋼を抱えたなべを置いて精錬をすると。それから、その隣が圧延工場の圧延機の写真でございます。それからできた圧延材を冷却をして、精整をしていくという工程に入っていくのが一番右の写真でございます。
 特に自動車スクラップを扱っております製鋼の工程について、次のページでご紹介いたしたいと思います。まず、スクラップ、それとつくる鋼によって質を決めます合金鉄、それとスクラップ等に入っております不純物を除去するための石灰石を入れて、電気炉で溶解に入るということで、鹿島では1チャージ当たり、150トンの直流の電気炉でございます。ここで1,600度に加熱をいたしまして溶鉱をつくりまして、それを中段のLFというところで成分、それから温度の調整をし、連続鋳造機、6ストランドございますけれども、ここで150角の鋳片に固めるという工程をとってございます。
 続きまして電気炉工程をさらにもう少しご紹介をしたいと思います。6ページでございますけれども、電気炉、150トンと言ってございますが、トランス容量としては14万3,000キロボルトアンペア、それから電圧としては780ボルトという超大型の電気炉でございます。この電気炉に対しまして初装と書いてございますけれども、スクラップを2回チャージをして、電気炉1杯分の湯をつくると、こういう工程でございます。大体操業レベルで申し上げますと、容量が大体1回90トン装入をいたしまして、これを2回180トン弱装入をいたしまして溶かしていくという工程でございます。
 まず、初回のところで装入をいたしまして通電を始めると、この段階で鉄が溶けてございませんけれども、電気炉と下の電極の間でスパークを起こし、約3,000度ほどのアーク熱でございますけれども、これで溶解をしていくということでございます。真ん中の図に移っていただきますと、真ん中辺が溶けて次々にその周辺が溶けていくと、こういう工程をとります。そこで、最初に入れたスクラップが溶解した段階で、再度、炉の上部をあけましてスクラップを装入すると、こういう格好でございます。それで最終的に脱炭、昇温を行いまして、レードルについでいくということでございます。
 こちらの下に使用しておりますスクラップの写真をかいてございます。今日議題になってございます自動車プレスが一番上にかいてございますけれども、サイズ的には700掛ける700の1メーター強のものでございます。これが大体10%弱配合しているという内容になってございます。その隣にヘビーくずといって一般的な市中から出てくる老廃くず、これらでございますけれども、細かい割と小さ目のものが多いと。それから自動車プレスでなくて一方のシュレッダー、下に写真がございますけれども、自動車を破砕したくず、これらも使ってございます。
 次に、電気炉におけるリサイクルということで整理をいたしてございますけれども、まず、市中から発生するスクラップ、それから鉄鋼製品を扱っている加工会社からの発生するもの、それと自社のくず、製造上でできるスクラップ、これらを電気炉に入れまして処理をしていくということでございます。本来の製品のところは圧延工程を通り、スケール等も発生しますけれども、これら鉄らの回収を行ってリサイクルをしていると。それから、やはり電気炉で溶解中にダストが出てまいります。これらについては亜鉛の回収ということでダスト処理メーカーに送っております。

○永田座長 少し時間が経過しておりますので、あと要領よくお願いでき。

○JFE条鋼(株)庄野説明員 あとスラグでございます。スラグの処理工程が次にございます。それから10ページでございますけれども、スラグ製品とスラグの利用状況ということで、スラグにつきましては路盤材というのに使用していると。それからダスト関係、ダストの写真がございますけれども、ダストについては丸くして中間処理業者で亜鉛の回収に回しておるというところでございます。
 それから、電気炉の中で廃ガスが出ます。廃ガス関係の処理について記載をしてございますも、当社では環境に配慮するということで、廃ガスを燃焼して急冷をするということで、公害防止に努めております。
 続きまして13ページでございますけれども、当社の自動車プレスの使用状況、99年、会社の創設のところから記載してございますけれども、赤いグラフが当社の粗鋼生産量でございまして、140万程度というスタートでございましたけれども、昨年のところでは粗鋼量で230万トン、Aプレスの使用量といたしまして約11万トンを使っているという状況になってございます。
 続きまして14ページに、つくっている中での配合率でございますけれども、1999年から使用し始めまして、02年、03年というところでふやしてきてございますけれども、この過程では当初、安価原料ということでそのまま使用してございましたけれども、Aプレスの中に含まれる銅分でございますけれども、カッパーでございますけれども、約2%弱含んでいるということで、鉄鋼製品にそのまま使えないということで、大手解体業者さんと精緻解体ということで0.3以下のカッパー基準にするということを協力をして達成をして、ふやしてまいったというところでございます。
 それ以後、話題になってございます法施行後の問題というところでございますけれども、それほど大きく変わっているとは思ってございません。若干下がっているところもございますけれども、横ばいの使用量ということでございます。
 それから、我々が使っている中での課題でございますけれども、やはり鉄の含有率が自動車プレスというのは非常に低うございます。約60%から70%、その割にかさばっていると、こういうことがございます。これらは生産性の低下、先ほどの電気炉に2回入れる量が減るということが起こります。それから鉄分以外のものが含まれているということで、エネルギーが非常にかかる、それから中に入っている成分が燃えるということで、集じん系の劣化があるということが起こってございます。そういう弊害もございますけれども、安価原料の一つとして一定量を使ってきているというところでございます。
 今後、我々がさらに増やしていくというところで16ページでございますけれども、利用拡大をするために何が必要かと、こういうところをコスト面と技術面で整理をいたしてございます。
 生産面ではやはり形が大きいということで、当社は大型電炉ですからある程度使えますけれども、やはり形状をちょっと小さくしたほうが各電炉が使えるのではないかと。ただし、圧力をかけるということでは、やはり溶解しにくいということでございます。それから、2番目としてはやはり鉄分以外のものをなるべく外していただきたいと、こういうことが必要かと。
 それから、コスト面ではハンドリングや何かも非常に煩雑でございますので、やはり安価原料としての利用という面が我々メーカーとしては求められるということで、下に書いてございますけれども、一般スクラップに対するメリット感がないと、やはり消費が進まないというふうに考えております。
 以上でございます。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、どうぞ、ご質問、ご意見がある方はお願いします。
 どうぞ。では、順番でいきましょう。

○細田委員 3つ。
 まず、H2価格が最近物すごく下がりましたけれども、一時、7万円ぐらいに上がりましたよね。その影響で例えば、そうすると安価なELVのスクラップをとるという、安いからというのはあるのかもしれません。でも、一方でELVの玉も少なくなるという関係があるのかどうなのか、要するに相対的に安いから取り入れたいけれども、そっちの玉もなくなるということが経験されたのかどうなのかということをお伺いしたいのが第1点です。
 第2番目はELVのスクラップをプレスしたAプレスの品質のことなんですが、もう少し具体的に例えばどういうところが、カッパー、銅のことはわかりましたので、それ以外に例えばシートであるとか、僕はちょっとわかりませんけれども、こういうものを取り出すともっとよくなるというのは、アイデアがありましたらお聞かせいただきたいというのが第2点目です。
 それから、第3点目はダストとスラグについてなんですけれども、有価でしょうか。それとも市況によってはあるいは逆有償になるということもあるのか、その点をお聞かせください。
 以上、3点です。

○JFE条鋼(株)庄野説明員 まず、スクラップの価格の変動と入荷の状況というんですか、それにつきましては相対的にやはり同じ動きをするというふうに考えてございます。ただし、シュレッダーのほうが優位なのかなと我々のメーカーサイドから見ると、そういう感じがいたします。やはり全般的に集まりにくいというんですかね、そんなに量が増えてくるという感覚はないです。
 それから、品質面でございますけれども、我々は何分全部固めた中で溶かしているということで、中身が何かというのはちょっとわからない状況がございます。やはり鉄を溶かす以外のものは、なるべく少ないほうがいいということは言えると思いますけれども、先ほど出ていたガラスとか、ああいうものはないほうがかえって後の発生物も減ると、こういうふうに考えてございます。
 それから、ダストとスラグの関係でございますけれども、ダストにつきましては亜鉛回収を行っている中間処理に回してございます。

○細田委員 逆有償ですか。お金を払って処理する。

○JFE条鋼(株)庄野説明員 はい。処理料を払って処理をいたしてございます。それからスラグにつきましては有価での販売をやってございます。

○永田座長 先ほど原料として入ってくるときの鉄の割合って60から70と言われましたか。

○JFE条鋼(株)庄野説明員 大体60%から70%ぐらいというところで見てございますけれども。

○永田座長 どうぞ。

○大塚(浩)委員 それに関連してなんですが、鉄含有量が大体60%から70%、それ以外のものが含まれているとエネルギー使用量が増大してしまうということですが、増大の仕方というのがちょっとイメージがわかないんですけれども、例えば鉄が100%であればこのぐらいで済むところが、60、70%にとどまっているからこのぐらいのエネルギーが余計かかってしまうとか、そこ辺のところをちょっと教えていただければと思うんです。

○JFE条鋼(株)庄野説明員 ちょっと補助で製鋼の技術屋がございますので。

○JFE条鋼(株)小松説明員 当社、仙台の小松でございます。
 例えば鉄が100%であれば、通常のスクラップと同じように使えると思うんですけれども、プレスの中に可燃分だとかごみだとかいっぱい入っておりまして、こういうものが入っておると比重が軽くなりまして、電気炉の中で浮いてしまう現象があります。浮いてしまうと一方向の加熱でしか電気が伝わらないということがありまして、熱効率が非常に悪いくずになってしまうということが1点と、あとやっぱりそういった可燃分が入っているということで、全体的な熱伝導が悪いということがありまして、両方の影響でエネルギーコストが上がってしまうという実態がございます。

○嶋津委員 リサイクルの分野から逸脱しちゃうかもしれませんけれども、今後、中国の経済成長が来年、どのぐらいで下がってくるのかわかりませんけれども、これまでのような2けた成長というようなことはないということになってくると、一体、国内の御社のような電炉の業界にはどういう影響が及んでくるということが考えられるんですか。

○JFE条鋼(株)庄野説明員 ちょっと会社によって違うと思いますけれども、電炉は輸出をやっているというところはそう大きくございません。高炉メーカーとは違って、国内の建設業の鋼材を中心としてつくっていると思っております。そういう意味では輸出の環境というのは余り関係ないと思いますけれども、国内経済なり、建設・土木の量、こういうものに左右されると、こういうふうに考えてございます。昨今、建設関係は非常に縮小しているということで、大幅な減産に今取り組んでいるという状況だと思います。

○嶋津委員 中国から競合品が入ってくるということはないんですか。

○JFE条鋼(株)庄野説明員 鉄筋棒鋼なんかについては今のところ、そう大きく入ってきていないという状況です。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 もしよろしければちょっと経過しておりますので、これでJFE条鋼の話は終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、本日のヒアリングの最後になりますが、エアバッグ関係で株式会社啓愛社の代表取締役副社長、小泉善実さんからお話を伺う、もうお一方、執行役員の原沢輝夫さんにもご説明いただくということで、お二人、お見えになっていらっしゃいます。では、よろしくお願いします。

○(株)啓愛社小泉説明員 当社は現在、従業員数600名で6事業部制で一応進めております。この6事業部なんですけれども、自動車部品事業部、解体工事事業部と続いて6つございますけれども、いずれも車社会には深い関係のある仕事でございます。それと同時に社内でもリサイクルを通しての事業部間の結びつきというのが非常に深い関係になっております。
 例えば自動車部品事業部というのは車のプレス部品をつくっておりまして、それの端材については金属事業部を中心にしてさばいていくと。それから解体工事事業部で出てくる工事の老廃スクラップも金属事業部を通してやっていると。それから車輌リサイクル事業部から出てくる、ELVから出てくる鉄、非鉄についても金属事業部を中心に、スケールメリットの中でさばいていくと、こういうことになっておりますし、車輌リース事業部におきましては車輌リサイクル事業部と同様に、お客様が使用済みになったリースアップの車を車輌リサイクル事業部のほうできちっと処理をすると、こういうふうな関係を持っておりますし、最後にアルミ事業部と車輌リサイクルの関係では、ELV車両に使われておりますアルミのスクラップにつきましては、全量、アルミ事業部でアルミの原料として使用すると、こういう関係で各事業部の結びつきが非常に多いと、こういうことでございます。
 それから、本日のエアバッグ回収システムは再資源化事業のところになってまいりますけれども、事業形態のところの車輌リサイクル事業部を見ていただきますと、一応公的なビジネスということで、エアバッグの回収システムには参加をさせていただいております。したがいまして、車輌リサイクル事業部がエアバッグのほうを担当して、再資源化の事業を展開させていただいておるという状況でございます。
 3ページ目から8ページ目までは、今、申し上げました事業部のご案内が出ておりますけれども、これは後ほどご参考に見ていただければというふうに思います。
 それでは、本題のエアバッグの再資源化事業について、当社の原沢のほうからお話をさせていただきます。

○(株)啓愛社原沢説明員 原沢です。よろしくお願いします。
 エアバッグ類の再資源化にかかわる弊社の変遷ということで、1997年、使用済自動車リサイクル・イニシアチブ策定。使用済自動車のリサイクル率の向上、再利用のしやすい設計構造への取り組み。1999年10月、日本自動車工業会によるエアバッグ・インフレーター回収・処理システム参画。未作動のインフレーター回収・処理の自主取り組み。2002年、自動車リサイクル法制定。2005年1月に本格施行ということになっています。自動車メーカー等の委託契約に基づき、再資源化施設として稼働しています。あわせて運搬ネットワーク・指定引き取り場所としても稼働しています。
 続きまして、エアバッグ類の処理体制としまして、上から絵のとおりですけれども、まず、約6,600事業所、解体業者様から我々が電話、ファクスなどをいただいて依頼をいただきまして、真ん中にある赤い色のこれが専用ボックスになっていまして、この専用ボックスにて回収をいたします。次に運搬ネットワーク・指定引き取り場所としまして一応7拠点ございます。この回収ボックスにて再資源化処理施設に納めます。左の図のように、秋田工場、金沢リサイクル工場、九州リサイクル工場の3工場で処理を行っています。
 まず、エアバック類が入りますと性状等を確認をいたします。重量測定、次に再資源化処理をいたします。終わった後、重量測定ということになります。再度、これを分別して売却致します。アルミ、ハーネス、ステンレス、鉄と分別、その他もある程度の貴金属、プラスチックなども出てきます。金属は精錬工場に売却をするのと、アルミについては、弊社の栃木のアルミ工場にて溶解を致します。全て売却する事で残渣は一切発生しません。
 続きまして11ページになります。弊社の施設の概要をご説明します。施設の所在地、1つが秋田工場、秋田の湯沢市というところにあります。次に金沢リサイクル工場、神奈川県の横浜市。九州リサイクル工場は福岡県京都郡にあります。
 処理方法としては庫内通電といって、金庫みたいなような庫の中に入れて電気を通して展開するというのと、あと衝撃方式といいまして、電気を通さずに衝撃で展開するというふうな方式のこの2つを今採用しています。専用の設計の庫内にインフレーター等を設置しまして、直接通電をしていく、衝撃を与えて作動するということで、処理能力としましては1基に最大10万個ということになります。各工場、1基ずつ一応設置してございます。
 続きまして次12ページです。再資源化業務における取り組みですけれども、エアバッグというものは非常に煙が出る、音がうるさいということもありまして、集じん機、金庫式の防音装置を使って処理をしております。
 続きまして13ページになります。これは2004年から2007年、見てのとおり、左が台数と個数になっています。毎年個数がふえている状況でございます。この辺は後ほど見ていただければと思います。
 次に14ページ、再資源化事業における我々の課題ですけれども、まず、解体業者におけるエアバッグ類の処理、車上作動処理が主流になりつつあるということで、今後、取り外し回収における再利用資源化処理体制をどのように維持できるかということが検討の課題かと思います。もう一つが現在のエアバッグ類は約95%が金属で構成されております。それらは素材としてほぼ100%再利用されているという現状です。また、車上作動処理においては解体自動車、車についたままなので、破砕処理されてしまいます。そうしますと、エアバッグ類の単体の再資源化の重量の管理というのが割愛されているということです。したがって、取り外し回収においても再資源化重量の管理を除外していただきたいと、そのように思います。
 非常に簡単な説明ですが、以上で終わります。

○永田座長 どうも。
 いかがでしょうか。どうぞ。

○細田委員 2点ほど。
 この収集体制と拠点とそれから処理の道筋を見ていますと、ロジスティクスの費用が随分かかりそうだなという印象を持ちます。ロジの費用の割合をもちろん詳細は難しいでしょうけれども、ざっくりどのぐらいかということは、もし教えていただければお願いいたしますというのが第1点です。
 第2点目は、残渣はないということなんですけれども、インフレーターを作動させているわけですよね。その場合、例えばかつては扱っていたアジ化であるとか、インフレーター材みたいなものはどうなってしまうのかという素朴な質問です。
 以上です。

○(株)啓愛社小泉説明員 まず、1点目の費用の件でございますけれども、私どもは先ほど各事業部をご説明しましたように、もともとの発想も車に使われておる廃触媒の回収、この貴金属のリサイクルというのを長年やっておりまして、そういう関係で解体事業者さんとの接触が多いというところでお話をいただきまして、当社の場合に限っていいますと、それプラスアルファでやはり金属の仕事、それから金属の中でやっておる産業廃棄物化の仕事、こういうもので全国的に外に出るケースが多かったものですから、先ほど言いましたように受ける前によく吟味しまして、受けたほうが今までやっておる仕事の効率に結びつくと、こういうふうな判断を当社としてはしてやっておりますので、今、それがどの程度と、こういうあれじゃなしに、先ほど言いましたように公的な仕事として受けておりますので、そこのところは将来ともども、先ほど課題の中では数が減るということですから、極端なことを言いますとオール車上展開と、こういうことになりますと、一応すべてなくなるわけですけれども、なくなったとしても、そう大きな設備投資はせずに現状進んでおるということでございます。
 それと、残渣のあれなんですけれども、一応100%ということなんですけれども、これにつきましては、アルミがたくさん使われておるインフレーターについては展開した後に、その状態でアルミの原料として溶解をしております。鉄くずも例えば助手席のやつはそのままいくと、展開しても炉に入ったときに爆発するおそれがありますので、それがないように半分に引きちぎるとか、そういう加工をして市中に売却するということで、あの中から出てくる中の残渣というのは一応アルミ業界、鉄くず業界に行っておりますと、そういうことでございます。

○細田委員 ちょっと補足で、ロジスティクスの費用についてです。ネットワークは今までのを使われているということでさほど投資が大きくないとか、そこはわかるんですけれども、通常、運送費用というのはもちろんかかるわけで、ロジスティクスの費用というのは例えば難しいとしても1個処理すると、大体どのくらいかってわかりますか。そう大したことはないのか、割と大きな部分なのか、よく静脈系のビジネスですとロジスティクスではかなりかかります、3割とか4割かかっちゃう場合もありますよね。新製品の場合だとよく5%以下とか言われていますけれども、ざっくり例えば何割ぐらいを占めちゃうのとか、数%ですよとか、その辺の感覚を教えていただきたい。

○(株)啓愛社小泉説明員 私どもの感覚でいくと大体せいぜい数%ぐらい。余り気にするほとのことじゃない。

○(株)啓愛社原沢説明員 補足で、先生のほうから今、アジ化ナトリウムのお話がありました。基本的にインフレーターを展開すると、その時点でアジ化ナトリウムもほかのものもすべて無害というか、何の問題もないんですね。その辺で展開した後、アルミ工場に送り込んで溶解するという流れです。

○永田座長 どうでしょうか、ほかには。どうぞ。

○大慈弥委員 輸入組合です。エアバッグは車種、型式等によりついている場所が違う、また、輸入車については、小ロットだったり、装着に関する情報が十分揃ってなかったり、処理するときのご苦労とか、何かあるのでしょうか。

○(株)啓愛社原沢説明員 自動車メーカーさんからも車に対してのエアバッグの装置の取りつけの箇所、ポイントみたいなマニュアルも若干あります。しかしながら外車から何からすべてあるのかというと、今の話のように我々が苦労する部分の一つであります。確かに今、我々は大体の車が入庫した時には、こういうマニュアルというのは独自でつくっています。今のところ、99%の車に対してはすぐどこにどういうものがついて、どう処理していかなければいけないということは、今の段階ではそういう大した問題でもないというようなことです、今は。
 先ほど、余計なことかとは思いますが、今後、現状よりも装着がふえていくはずです。あっちにもこっちにもつく状況になっていくと思いますが、今のうちから、メーカーさんに言ったって教えてもらえませんけれど、どこをどうするというのはね。どこにどう言うふうに装着されているか、マニュアルを作成することが、我々の重要なこれからやっていかなければいけない部分だと思っています。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 ほかにはいかがでしょうか。
 最後におっしゃられた再資源化重量の管理を外してもらいたい。これの話はどういうそちらではこれを外すメリットが出てくるんですか。

○(株)啓愛社原沢説明員 再資源化施設では、インフレーター等の状態で処理前と処理後の重量を測定して、重量の割合で算出されているということで自分は聞いています。

○永田座長 そうですね。それを外してほしいというのは、そこの手間、人件費だとか。

○(株)啓愛社原沢説明員 そうですね。できればその手間、我々にしてみれば当然、手間もかかることですし、その辺の管理がなくなれば、その分、経済的にも有利になってくるのかなと、それだけの話です。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 それでは、啓愛社の話はこれぐらいにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 以上で、今日のヒアリングは終了でございます。説明者の皆さん、遠いところからもお越しいただきありがとうございました。
 それでは、引き続きまして議題の2つ目でございます。次回ヒアリング対象とさせていただきます解体業者、それから破砕業者に対するヒアリング項目等についてということで、説明を事務局。

○杉本リサイクル推進室室長補佐 お手元の資料、資料5をごらんください。
 第2回ヒアリングにつきまして、日時、場所につきましては平成20年11月4日火曜日の10時から12時、場所は全国町村会館2階ホールとなってございます。今回のヒアリング対象者となりますのは、解体業者といたしまして有限責任中間法人日本ELVリサイクル機構、破砕業者といたしまして社団法人日本鉄リサイクル工業会にお願いをすることとなっております。
 ヒアリングの項目でございますが、解体業者におかれましては、法令上の義務を適切に履行しているかどうかという観点で、使用済み自動車の引き取り、使用済み自動車の調達方法であるとか、調達価格や調達にかかる費用等についての現状や課題について、事前回収物品の回収処理の現状、課題につきまして、解体自動車の破砕業者及び解体自動車全部利用者への引き渡しについての現状、課題について、フロン類の回収実務及び自動車製造業者等への引き渡しについての現状、課題について、エアバッグ類の回収、自動車製造業者等への引き渡し及び車上作動処理についての現状及び課題について、使用済み自動車の再資源化にかかわる知識及び能力の向上に係る取り組みについての現状等について、電子マニフェストシステムによる移動報告についての現状、課題についてとなってございます。
 続きまして、役割分担のあり方といたしましては、引き取り業及び破砕業等との兼業についてのメリット、デメリットについて、また、引き取り業者、フロン類回収業者、解体業者、破砕前処理業者、破砕業者の役割分担についての課題、解体自動車全部利用における役割分担についての課題。
 [3]といたしまして3Rの推進状況の観点から、有用部品の回収及び回収した部品のリユース、リサイクルについての現状及び課題について、解体工程及び後工程での処理困難性を高める物品の回収についての現状等について、部品リユースの推進に向けた取り組みの状況、自動車製造業者等からの情報提供の状況、ユーザーへの情報提供の状況、及びリユース部品の品質を保証する方法の検討、実施状況等について。
 [4]といたしましては、将来の自動車リサイクル制度のあるべき姿ということから、制度施行による効果と影響、制度検討時には想定されなかった新たな課題の発生状況、他国における使用済自動車の解体、解体部品のリユース、リサイクル、適正処理の状況、こちらにつきましては関係部品の輸出後の状況というものも含めると。また、短期、中長期的な将来の自動車リサイクル制度のあり方についてということで、ヒアリング項目の案と現在させていただいてございます。
 続きまして、破砕業者の方へのヒアリング内容といたしましては、同じく[1]の法令上の義務を適切に履行しているかという観点で、解体自動車の引き取りにつきましての現状、課題と、また、解体自動車の破砕前処理後の解体自動車全部利用者への引き渡し等についての現状、課題について、解体自動車以外の廃棄物の受け入れについての現状と、シュレッダーダストの発生量、性状及び自動車製造業者等への引き渡しについての現状、課題と、使用済自動車の再資源化に係る知識及び能力の向上に係る取り組みについての現状、課題、電子マニフェストシステムによる移動報告についての現状、課題ということでさせていただいております。
 [2]といたしまして役割分担のあり方という観点から、引取業及び解体業者等との兼業についての現状、課題、また、引き取り業者、フロン類回収業者、解体業者、破砕前処理業者、破砕業者についての役割分担の課題、解体自動車全部利用における役割分担についての現状、課題ということです。
 [3]につきましては3Rの推進状況という観点から、有用物の回収及び回収物のリユース、リサイクルについての現状、課題、破砕工程及び後工程での処理困難性を高める物品の回収についての現状、課題とさせていただいております。
 [4]につきまして、将来の自動車リサイクル制度のあるべき姿ということで、こちらは解体業者と同じく施行による効果と影響、また、制度検討時には想定されなかった新たな課題の発生状況、短期、中長期的な将来の自動車リサイクル制度のあり方ということで、ヒアリング項目の案とさせていただいてございます。
 以上でございます。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 いかがでございましょうか。概要はこれまでにもお示ししてきたかと思いますが、若干踏み込んだ形での具体的な内容を次回に聞かせてもらうことになるんですが、何か御要望とか御質問等がございましたらお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、この内容でヒアリングのほうを次回、ここに書いてありますように11月4日、また午前中でございます。今回は2社だけということになりますから、若干時間は1社当たり長目になります。実施させていただきます。
 それでは、本日の議論全体にわたりまして何かご意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、最後に本日の資料の取り扱いと、それから今後の予定について事務局から説明させていただきます。

○杉本リサイクル推進室室長補佐 本日の資料につきましては公開とさせていただきたいと思います。また、本日の議事については発言者を無記名とした議事要旨を作成し、永田座長にご相談の上、会議終了後、速やかに公開することといたしたいと思います。また、本日の議事録については発言者を記名したものを後日、各委員に配付させていただき、事前に各委員のご了承をいただいた上で公開いたしますのでご了承ください。
 次回の審議会につきましては11月4日火曜日の10時から、全国町村会館2階ホールにて開催いたします。
 以上でございます。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。
 どうも長時間にわたり、貴重なご議論をいただきましてありがとうございました。

午前11時54分 閉会