本文へジャンプ

■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会、
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会
容器包装リサイクルWGプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会
合同会合作業チーム(第5回)議事録


○岡田リサイクル推進課長  それでは、定刻がまいりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会及び産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルWGプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会の合同会合作業チーム第5回を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、朝早くからお集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。合同会合につきましては、事務局は持ち回りとさせていただいておりまして、本日の事務局は経産省が担当させていただきます。
 まず初めに、お手元の配付資料をご確認願います。資料一覧は、議事次第の半分より下のところにございます。資料1から参考資料まで、資料2が2つに分かれておりますけれども、9点の資料がございます。資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 また、本合同会合作業チームの資料につきましては、原則、すべて公開とさせていただいております。また、会合終了後に発言者名を示した議事録を作成し、各委員にご確認いただき、ご了解いただいた上で公開いたします。
 続きまして、本日の合同会合の出席状況でございますが、まだ石川委員はおみえになっておりませんけれども、石川委員がおみえになりましたら6名の方がそろわれる、1名欠席ということでございます。
 また、ご発言の際の方法についてご説明させていただきます。まずネームプレートをお立ていただきます。そうしますと、座長から順次ご指名がございます。その際に、正面のマイクボタンを押していただきますとオレンジのランプが点灯いたしますので、それに従ってご発言を順次いただければと存じます。
 それでは、これ以降の議事進行を森口主査にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○森口主査  皆さん、おはようございます。本日は、お手元の議事次第にもございますように、関連する懇談会等における検討状況、作業チームにおけるこれまでの議論の整理について事務局から報告をしていただき、ご議論いただく予定でございます。
 先ほど資料の確認がございましたが、たくさんの資料ですけれども、相互に関連する部分がかなりございますので、資料2から資料5まで、これは議題1から2にまたがるところですけれども、そこまで30分強程度でご説明をいただきまして、その後、1時間程度たっぷりご議論をいただくという予定をしております。すべて資料を説明いたしますと、資料が余りにも多いものですから、資料6、7につきましては最後に簡単にご報告的にご説明いただく予定ですけれども、議論の途中でもし関係するような質問等が出ましたら、臨機応変に資料6、7につきましても途中でご説明をお願いするかもしれませんが、まずは資料2から5までの説明を事務局からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○岡田リサイクル推進課長  それでは、まず資料2―1についてご説明させていただきます。
 この件は、表題にございます容器包装以外のプラスチックのリサイクルの在り方に関する懇談会、これは昨年の中間とりまとめで中長期的課題の一つとして挙げられて、本年1月の合同会合において、合同作業チームでの検討と並行して検討を行うということにされました、容器包装以外のプラスチックも含めたプラスチックのリサイクルの在り方について検討する懇談会ということで立ち上がったものでございます。先週の火曜日、6月8日にキックオフをいたしました。そのときにご説明をした資料が、まさにこの資料2―1、2―2でございます。
 1枚おめくりいただきますと、別途の懇談会での議論の進め方ということで、本年夏までを目途に、プラスチック全体の排出・処理状況を踏まえて、今後の一般廃棄物中のプラスチックのリサイクルの基本的方向等について整理するということで、特に、その下にございますように、一定の条件のもとで容器包装以外のプラスチックをプラスチック製容器包装とあわせて収集した場合のベールの品質の変化と、その変化が再商品化手法に与える影響について整理をしたいということでございます。
 3ページ目が具体的な検討の視座ということでございますけれども、まず、一般廃棄物、産廃両方を含む現在の廃プラスチック全体の排出・処理状況がどうなっているか。その中で、特に本年夏までのとりまとめに関連が深く、論点を整理することが必要な廃プラスチックにはどのようなものがあり、また廃プラスチックの素材あるいは容器包装との比率がどうなっているか。さらに、こういったものを収集しリサイクルした場合に、ベール品質がどのように変わり、その変化が材料リサイクル手法あるいはケミカルリサイクル手法に係る環境負荷の削減、資源の有効利用等の面でどういう影響を及ぼすか。さらに制度面あるいは費用面の課題はどのようなものか。さらに、本年夏以降、仕組みを導入するに当たって検討すべき課題の整理といったようなところが主な視座でございます。
 次の資料2―2、これは簡単にご説明をさせていただきますけれども、まさに懇談会の中で論点提起ということでご説明させていただいたものでございます。特にご注目をいただきたいのがこの資料の6ページ目、これが「一般廃棄物中のプラスチックの組成」ということで、PP、PEの比率がございます。これと「一般廃棄物中のプラスチックの組成」、今申し上げたのが容器包装プラスチックで、これはPETを除くものでございます。
 それから、9ページ目にございます図5、円グラフでございますが「一般廃棄物中のプラスチックの組成」。これは容器包装以外のプラスチックの材質ということで、実はこれを容器包装に比べると、PP、PEの比率が低いというような話が出てきております。
 ざっと行っていただきまして、資料の16ページでございます。これは、調査対象とした6都市において、ごみの中のプラスチック比率というものを調べたわけでございますけれども、分別収集のやり方によっては、PP、PEの比率を上げることも可能であると。ただし、普通に集めるとやはり下がってしまうといったような話が出てまいっております。
 あと、ちょっとごらんをいただきたいのが、最後のほうで22ページでございます。「プラスチック製容器包装の分別収集、選別、再商品化等の費用の変化について」、これは事務局からの論点提起ということでございますけれども、自治体の収集、選別、再商品化の費用について、なかなか現段階では一概に結論を出すのは難しいと。ただ、選別保管費用が比較的安価で、中間処理・最終処分費用が比較的高価である自治体であれば、容器包装以外のプラスチックを法制度に基づくリサイクルのルートに乗せることにより、追加的に発生する費用を相当程度小さくすることも可能ではないか。
 また、あわせて集めますとプラスチック製品の分別収集量が増加しますので、再商品化に要する費用も増加することとなるのですが、対象を絞り込めば限界的な増加にとどまるのではないか。こういったところの論点を少し提起させていただいております。
 まず第1回目の議論ということで、基本的な論点についてのご確認というのがありまして、まだ結論めいた方向性はみえておりません。ただ一方で、どういう形でその他のプラスチックも一緒に集めるか、なかなかごみの中での比率がよくわからないといったような話もありまして、集め方は第2回目において少しまた詰めていく必要があるのではないかといった状況でございます。
 以上、資料2―1、2―2の説明でございました。

○上田リサイクル推進室長  それでは、続きましてお手元の資料3を説明させていただきます。資料3は、この作業チームのほうで環境負荷分析について幾つかご指摘をいただいている宿題事項について、別途行っている作業の進行状況をご報告するものでございます。
 大きく2つに分かれておりまして、環境負荷分析を実施するに当たって幾つか留意すべきではないかといわれている事項について、どういうふうに整理するかの考え方を整理しているものが1つ。もう1つは、前回の合同会合でも示させていただきました、容器包装リサイクル制度、プラスチックについて、よりよくするためにこういうことをやってもいいのではないのか、それがまた環境負荷分析等の結果に影響を及ぼすのではないかという命題についてどういうふうに作業を進めていくか、その2点について説明させていただきます。
 まず、前者については1ページからでございますが、1ページ目の(1)留意点と書いている四角囲でありますが、これは3月の第2回合同会合作業チームにおいて、LCA分析を用いる際の留意点として提起させていただいたものでございます。これを少し整理したものが、その次の2ページになりますが、表の形で書いております。表の[1]から[6]の項目についてここで考察を加えており、また、考察を踏まえた結果、整理した結果を用いてLCAを今後実施するということにしております。
 具体的には、材料リサイクルにおいて産廃プラというものを一部混合しているときのLCAの扱い方をどう整理するのかというもの。
 また、その利用製品、再商品化商品を利用した製品、それを処分するときの処分方法を環境負荷分析にどのように反映するのかというのが2番目であります。
 [3]の他工程利用プラにつきましては、本工程と他工程という考え方がございますが、他工程というのは別の工程であるということで切り分けて議論するということはできるのかどうかという命題であります。
 [4]は、バウンダリーを適切に設定するということで、過去議題になったのはコークス炉ガスの扱いでございますが、それに限らず、その他についても幾つか整理しております。
 その次は、化石系資源の節約効果をどのように考えるか。化石系資源といってもさまざまなものがございますが、そういったものをトータルでどう考えるかということを整理しております。
 最後はリサイクルの改善可能性、こういったものをどういうふうに整理するか。特に機能代替の点から整理をしております。
 それぞれについて若干簡単に説明をさせていただきますが、3ページについては、基本的な現在のLCA分析を使ったデータであります。ベールの組成というのはどういう前提を置いているかが表2でありますし、また、他工程のプラをどういうふうに処分しているかといったもののデータが表3でございます。
 4ページになりますが、後でも少し議論に出てきますが、機能代替という案。それぞれのリサイクルというものがどういうものを代替しているかといったことでございます。例えば材料リサイクルの欄をみていただきますと、用途はパレットということであれば、それは何を代替しているかというとバージンパレットであると。そのときの代替率という言葉が出ていますが、バージンパレット7.5キログラム、バージンのプラスチックを使えば7.5キログラムでパレット1枚つくることができるということですが、現時点ではそれと同等の機能、強度等同等の機能のものをつくろうとすると、20キロの容リのプラを必要とする。そういうふうな意味で以下のところをみていただければと思います。
 それでは、順に、先ほどの[1]から[6]について簡単に説明させていただきます。5ページをごらんください。
 まず、「材料リサイクルにおける産廃プラ混合の扱い」というところですが、こちらはちょっとテクニカルで申しわけありません。5ページのところに四角が2つございます。上下ありますが、オリジナルシステムの上にリサイクルシステムというのがありまして、現在、リサイクルをするときには上のプロセス、ベールを1キロ投入してと、このラインで計算をしているのですが、途中に強度補強のために産廃プラというのをBキログラム加えております。これを加えることが、結果的に産廃プラを入れて、それをリサイクルするということを考えると、LCA上はオリジナルシステムというところに同等のものをもう一回加えないといけないということになって、LCAの効果というのをリサイクル─上から下を引くと下に余分なものが追加で入ってくる、その分だけ効果が小さくなるということで、これは一体わかりやすくいったらどうなのか。適切なのかどうかということと、その影響はどういうものかという問題提起がございました。これにつきましては、LCA的には産廃プラというのを上に効果で足すということで、産廃プラの効果とベールをリサイクルする効果というのが2つダブルでかかっているので、それは下の分をちゃんと引かないといけないというのは妥当だと思うのですが、実際のところどうかといいますと、6ページをごらんいただけますか。
 実際に強度補強のために投入している量はというと、2%程度であるということですので、いずれにせよ環境負荷削減効果への影響というのは極めて限定的であろうと。また、こういった操作をしている、計算をしているということについては妥当であろうというふうに考えております。
 2点目は「利用製品の処分方法」ということで、7ページになりますが、2行目に書いてありますように、現在、再商品化製品利用製品、例えばパレットでございますが、これについては使用後に単純焼却をするという形で実施しております。ただ、実際にヒアリング調査等を行ったところ、その下に?が2つありまして、例えば2つ目の?のように、単純焼却というのは処理費が高いために実際には皆無である、何らかの形でリサイクル等しているということですので、そういったリサイクルをするということがどういうふうな効果をもたらすのかというのを少し整理したところであります。
 8ページ、9ページをごらんください。単純焼却シナリオと有効シナリオというので、従前であれば8ページの上段を使っていたのを、8ページの下段のほうを使う形にするとどうなるかというので、その結果、そちらの下の表をみていただきますと、パレットでワンウェイ、リターナブル、コンパネ、コンパウンドとありますけれども、黒いところが従前の単純焼却の値であり、横に伸びているのが、焼却・エネ回収をやるのか、RPFに回すのか、そういったものを考慮した値となっております。
 実際にどういうふうに処理をするのかというデータはないのですが、例えば今現在、他工程プラというのは、9ページの表5に書いてあるように、RPFに4割、セメントのほうに3割もっていくというふうな形になっていまして、そうした形で先ほどの効果というのを配分するとどうなるかという結果が図5でございます。結果をみますと、そこに有効利用による増加分とありますが、材料リサイクルのほうは、こういった処理を行う実態を反映させると少し上がってくるということがいえるかと思います。
 続いて、11ページをごらんください。今度は「他工程利用プラの扱い」ということで、これはどの時点の大きい順に評価をするかということになるのですが、従前、容リ協会の報告書、また環境省の報告書でも、基本的にはベール1トンないしごみ1トン当たりのプラを処理処分することによる効果を見込んでおったのですけれども、他工程利用プラというものを処理する場合、それは別のものとして切り離してもいいのではないのかと。もっといいかえれば、製品1トンベースで計算すればいいのではないかという指摘でございます。
 12ページの上段に簡単なポンチ絵を書いております。リサイクルシステムが上段、オリジナルシステムが下段となっていますが、これでいいますと、例えばパレットというのが一番最後のところに出ていますが、そのパレットのところの量が0.05枚、ここをそろえて比較をして、なおかつ他工程利用プラというものの処理・処分というのを、四角が一応LCAの範囲内ということで、それを外に出して、そこは評価しないという形にしたらどうだろうかということであります。
 結果は図7になります。それぞれの手法について、こういった評価をするとどう変わるかという比較ですけれども、ポツポツの白いほう、これが従前の計算結果でありまして、黒いほうが新しく製品ベースでやった結果ということです。実際にみてみますと、製品重量当たりのほうが低くなるというものも出てくるところであります。その理由は、再商品化製品の収率が上がるということで削減効果の増加。あと、他工程利用プラの有効利用の控除による削減効果の減少分。2)のほうの削減効果の減少分ですが、結局のところ、他工程利用プラにつきましても、先ほどの9ページのところの処理状況の単純焼却、直接埋め立てというのは0%でありまして、非常に効率のいい何らかのやり方、例えばRPFに使うとか、セメントにもっていくとか、そういったところで処理しますと、そこでのCO2削減効果というのを見込めると。それをプラスチックの製品ベースで計算し直して落とすということになると、若干ながら落ちていくということであります。
 結論からいいますと、実際には今回の容器包装リサイクル制度の環境負荷分析というのは、13ページの最後の3行になりますが、ごみ処理に係る環境負荷を削減するという観点では、製品ベースで行うよりも、そのごみ処分量を基準に従前どおりの削減効果をみたほうがいいのではないかと考えているところでございます。
 次に境界設定、バウンダリーの話であります。一つの例として、コークス炉ガスの扱いというものが合同会合及び作業チームでも過去指摘をされたところであります。これにつきましては、一番最初に容リ協会で行った報告書によりますと、特にコークス炉の方式でいいますと、リサイクルシステムとオリジナルシステムとありますが、コークス炉のところからガスというのが出ています。そのガスをどういうふうに代替するかということで、従前、協会の場合は、そのガス相当分をまた同量つくるために、基本的には重油からガスをつくるということでオリジナルシステムのほうで重油を足して計算をしているということでありますが、図9のほうの環境省の報告書では、実際にそのガスというのは電力で代替されているのだろうということで、その電力を発電する発電量に相当するものをオリジナルシステムでもってこようという形で変えたところであります。その電力も、実際には全電源でいくか火力でいくかというふうな形で整理をしております。
 これらについては、結構この変更によって数字は変わってきます。また、考え方もいろいろあろうかと思いますので、環境省の報告書の場合も全部併記をする形で行っておりますが、今後も実際のヒアリング等行って、実態を確認しながらそういった整理を行うことも一つではないかというふうに考えております。
 17ページをごらんください。今度は資源の評価、代替のことでございます。こちらにつきましては、従前、CO2というところに注目が当たりがちではありますが、法制度の趣旨を考えると、資源代替というものも十分にその効果を見きわめなければならないと。一応資源代替の見方ということで、4点指摘をしております。これが、まず化石燃料、とりわけ原油からプラスチックというものが生成されるということで、原油についての効果をみようというのが1番であります。
 その他石炭、天然ガス、そういったものを総合的にみていこうということで、2番目が、原油の商品量に換算をしてすべてのものを足していこうというものであります。3番目、4番目は、それらを全部単純に足すのかという観点から、希少性、枯渇性、そういったものを勘案して、可採年数で少し換算をしたものが3番。輸入価格、価格によってその希少性というのはあらわれるだろうということで、それで計算したものが4番目であります。これらについても、今後評価をする際にはちゃんと整理をして用いていこうと考えております。
 もう一つ、22ページでございます。改善可能性というところでございますが、冒頭に機能代替というもので例に挙げて説明をしておりますが、先ほどのワンウェイのパレットの場合だと、22ページの真ん中あたりにありますが、バージンは7.5キログラム、リサイクルは20キログラムということで、代替率は37.5%であります。実際に代替率というのが上昇するとどのぐらいCO2削減効果が伸びるかということをあらわしたのが下のグラフでありまして、かなりな効果、変動がみられるので、ここら辺のデータはしっかりと確認をして、今後の作業に反映させていく必要があるだろうと考えております。
 以上が、過去に作業チーム及び合同会合で指摘されたLCAについての留意点に関する整理状況であります。
 24ページからは、前回の合同会合のシナリオ設定に向けた整理という形で、24ページの四角囲みをしたところの整理を、作業チーム及び合同会合の作業の中でやらせていただきました。これをLCA、環境負荷分析を行うという観点でどういうふうにするかということで、作業の整理方針をまとめたものであります。
 具体的には25ページをごらんいただければと思いますが、先ほどの四角の中の項目の1から4を、表10の左の欄に縦にずっと並べております。この中で、合同会合のほうでは、先ほどの24ページの四角の中の1、2、3、4のうち2番については、ちょっと効果が実際には把握してみないとわからないということで、この2番のところは消してありまして、それ以外のところはすべて並んでいるかと思います。これらを実際にLCAで分析するとなると、結局こういったそれぞれの施策というものが環境負荷に影響を与える項目、どういったものに反映するのか、それをみていかないといけない。環境負荷に影響を与える項目として、表10の[1]から[5]、横の欄に書いてありますが、そういったものを挙げております。ベール中のPP・PE率の向上、PP・PE以外の再商品化率の向上、分別収集量の増加、分別収集・輸送工程の変化、家庭での洗浄の変化ということでございまして、これらの項目に、先ほどの施策のどれとどれが関係するかというものを整理したのが、こちらのマトリックスであります。
 これらについての評価方針というのは、26ページのところに表にしております。実際にそこに書いてある評価に必要なデータとリストアップされているものについて、現在、作業収集をしているところであります。
 最後に、別紙ということでLCAの考え、どういう形で整理をしているのかなかなかわかりづらいということで、丁寧に書いたのでかえってごちゃごちゃしているかもしれませんが、私の説明があれだったら主査のほうにもまた説明をいただければと思いますが、少し見方を整理させていただきますと、まず真ん中、これは作業チームで何回も使った資料でプロセスが書いてありますが、材料リサイクルとコークス炉化学原料化方式、今回この2つを使っております。それぞれについて、これはまず資源節約効果ということですから資源節約効果をみるのですが、一番下に石炭、原油、天然ガスと3つに分かれているかと思います。それぞれについて、材料もコークス炉、これはケミカルリサイクルのほうでもどれでもよかったのですが、とりあえずコークス炉化学原料化を選んでいるのですけれども、マテリアルのほうでも石炭と原油と天然ガス、それぞれ効果があるということであります。
 まず、石炭のところをみてみますと、プラスチック製品、あと他工程利用プラの効果ということで、まずプラスチック製品、これはそもそも製品をつくるときに出てくるのですが、特に効果が大きいのは他工程利用プラということで、現在、50%ほど他工程利用プラが出ているということです。これを実際には、その真ん中のところに、緑の丸で囲まれて四角で吹き出しが出ていますが、RPFの製造とかセメント焼成への有効利用を石炭代替と設定ということですので、工程負荷と代替効果というのが石炭のところのグラフにありますが、結局、差し引き削減効果として、黒いものが他工程利用プラの削減効果というわけでございます。これは緑のところでぐっと伸びていますけれども、他工程利用プラ由来の資源節約量ということでございます。
 次は原油というところですが、原油につきましては、プラスチック製品50%、残り50%にいくのですが、こちらの作業上の負荷がマイナスに出て、代替する効果がプラスに出る、差し引きそこに書いてあるものが出ていると。全体でいうと、ピンクのところで、ごみ1キログラム当たり0.2キログラムの資源の節約効果というのが出るというところでございます。
 横のグラフでありますが、これらを足しますと、熱量で全部足したものが左側のグラフで、可採年数で希少性を加味して足したものが右のグラフになるというところでございます。
 これをコークス炉化学原料化方式のほうでみますと、まず石炭の代替というものはどこで出るかというと、コークスのところから緑の吹き出しが出ていますが、原料炭からのコークス代替ということで石炭代替が出ています。下のグラフの石炭のところのコークスの代替というところが、全体に大きく貢献しているかと思います。
 その次、造粒物から油が出てプラスチック製品になるというところは原油の効果でありますが、プラスチックの製品をつくった効果と工程負荷のプラスマイナスで削減効果というのが出るということになっております。コークス炉原料化方式のところの真ん中に、ガス、油、コークスとあります。そのガスの部分ですが、現在、協会の方式でありますと、これは重油代替ということになっておりますので、コークス炉ガス、下のグラフのところですけれどもCOGと書いてありますが、代替効果というのが大きく出ています。原油のところの全体でCOG由来の資源節約量というものが紫で、プラスチック由来のものがピンクという形になっています。それに緑の石炭のところも足したものがトータルの資源節約量という形になりまして、その右のところに熱量と可採年数で少し調整をしたもの、トータルで足したものが挙がっていますが、足したものだけみると、この内訳がよくみえないかもしれませんが、こういうふうな計算をしているところであります。
 その裏は、先ほどは資源節約量でやりましたが、これをCO2でやりますとどうなるかということで、今度はCO2でやっていますので少し計算は簡単で、グラフもシンプルになっております。こちら同様にみていただければと思います。
 長くなりましたが以上でございます。

○森口主査  ありがとうございました。
 資料3についていろいろご質問されたいことがあろうかと思いますが、これを始めまして、きょうこれだけで終わってしまうわけにはいきませんので、最初のお約束どおり、資料4、5もまとめて説明いただいて、全体のバランスをとりながら、どのぐらいの時間をどこに質問しようかなということを、委員の方々はご準備をいただければと思います。
 それでは、説明が続きますけれども、資料4、5につきまして経済産業省事務局のほうからお願いいたします。

○岡田リサイクル推進課長  それでは、続けさせていただきます。資料4、5、これは今回の作業チームにおけるこれまでの議論の整理、それから、きょうまさにご議論いただきたい点ということでございます。基本的に資料4は、参考資料としておつけしました「作業チームのヒアリング結果を踏まえた今後の作業のための整理メモ」、これもかなり踏まえておりますので、必要に応じてこちらもご参照いただければと思います。
 資料4、まず1ページ目でございます。これは、今までの「プラスチック製容器包装の再商品化手法及び入札制度に関する現状と課題の整理」ということです。市町村の分別収集と指定法人の引き取りの状況ということで、着実に伸びてきているけれども、近年では分別収集量の増加が鈍化してきたという話。
 それから、再商品化委託費の状況でございますけれども、これも年々増加していたところなのですが、平成19年度に初めて減少ということで、ペットボトルの有償入札、あるいはプラスチック製容器包装について再商品化量は増加している中で、委託費が減少してきているというような話がございます。
 次をめくっていただきまして2ページ目、再商品化手法の処理の状況ということで、材料リサイクル手法、ケミカルリサイクル手法における技術の進展と事業参入の拡大ということで、登録再生処理能力がかなり伸びてきているというような話。特に材料リサイクル手法による処理能力が急速に伸びているということで、結果として登録再生処理能力が市町村からの申し込み量を大きく超えているという現状でございます。
 次の3ページ目でございます。これは材料リサイクル手法のシェアの拡大ということ、落札量の話でございますけれども、材料リサイクル手法のシェアの拡大、しかし平成19年度入札で導入した落札予定量への一定の査定を加える緊急措置、あるいは平成20年度入札に導入した品質基準、さらに平成21年度入札に導入した調整等に係る緊急措置、あるいは平成22年度入札に導入した優先的取り扱いの総量への上限の設定といったことで、50%ぐらいの横ばいになってきているというような話でございます。
 4ページ目が落札の単価でございます。これは、表をみてこのとおりだと思います。4ページ目、5ページ目は、落札単価量の推移が書いてあるということでございます。
 6ページ目以降、これは皆様の復習ということでございますけれども、再商品化手法の現状と課題といったようなことで、材料リサイクル手法から順に書いてあるわけです。特に、先ほどLCAの中でもちょっと問題になっている課題として挙げられた、ベールのうちの約50%が他工程プラになるというような話。
 それから、これはまたきょうのご議論の中で改めてクラリファイしたほうがいいかもしれませんけれども、カスケード利用について、材料リサイクル事業者から再商品化製品量の増加が可能ではないかという指摘、あるいはNPO団体から、材料リサイクル手法からの他工程プラ等をケミカルリサイクルにすれば、再商品化の効率化の手段として活用できるのではないかとの指摘があるといったようなことでございます。
 以下、ケミカルリサイクルにつきまして高炉還元剤化法といったような話、コークス炉化学原料化法。特にコークス炉においては、ペレットをコークス炉に投入後に製造される炭化水素油、コークス、コークス炉ガスは、それぞれ化学原料、高炉還元剤、燃料として用いられると。この辺もまた一つ、そのLCAの評価の上でのかぎになるかなというような点でございます。
 それから、ガス化法といったようなところで、ガス化法においては副生物が出てくるということで、これは若干資源有効活用という点での考慮点かなということ。
 それから、油化法がありますということで、次、9ページに行っていただきますと、これは今までのヒアリングの中でもかなり指摘された点が列挙されておりますので、改めてかいつまんでご説明をいたしますと、1つは、プラスチック製の容器包装の収集量をふやすことがコスト削減、ベール品質の向上の点から望ましいのではないかという指摘があったところ。一方で、自治体のコスト負担が収集量増加のネックになっているのではないかという話。それから、自治体の一層の参加を促す観点からは、リサイクル手法の選択権が自治体に付与されるべきではないかといった指摘。また、地域でリサイクルをやれば、輸送に伴う環境負荷の削減、現地確認の容易性、あるいは消費者の目にみえるリサイクルということで、消費者の分別意識の向上につながって、ベール品質の向上につながるのではないかというようなご指摘。最後、入札制度を複数年契約にしてはどうかといったようなご指摘もありました。
 以下、10ページ目以降は関係主体ごとの課題ということでございます。1つは消費者側の課題ということで、分別の協力をしていただかなくてはいけないわけですけれども、やはりその分別には、保管する手間、労力が発生する。それから、住民は燃やすべきではないという意見をもっている、あるいは目にみえるリサイクルが分別意識の向上につながる、ひいてはベール品質の向上につながるといったようなご指摘があったということ。
 市町村に関しましては、ここに分別収集あるいは選別保管のコストが書いてございますけれども、アンケート調査からもコストが大きな課題であるということで、先ほどもありましたように、コストが参加を少し鈍らせている要因になるのではないかという話があったということでございます。また一方で、プラスチック製容器包装以外のプラスチックもあわせて収集量をふやすことが、コスト削減、ベール品質向上の観点からも望ましい、あるいは消費者にとってもわかりやすいといったような指摘もあったということでございます。
 最後が容器包装の製造事業者等ということでございますけれども、製造事業者のほうからいわせると、単一素材や何かはなかなか難しい、消費者のニーズもあるといったことなのですが、再生事業者あるいはNPO団体の方々からは、もう少し環境配慮設計ができないのかというご指摘があって、ただ、やれるところはやっていますというような話もあって、今後もう少し意思疎通を密にしながら進めていくことも必要ではないかといった課題が出ているということでございます。
 以上が資料4でございます。
 最後、長くなっておりますけれども、資料5のほうに移らせていただきます。この論点は、主に、改めてLCA等の手法のご確認ということなのですけれども、まず冒頭、再商品化手法の評価の考え方ということで、きょうご議論いただければと思っております。
 我々は循環基本法の中で、リデュース、リユース、リサイクル、サーマルリカバリーの優先順位でこれを行っていく、これが基本原則というわけでございます。原材料を効率的に用い、製品等として再使用できるものは再使用する、原材料として再生利用できるものは再生利用する、それができない場合に熱回収をする、こういった基本原則に立つことによって、枯渇性資源の有効利用、あるいは環境負荷の軽減を進めていきたいということでございます。容リ法についてもまさにこの基本原則のもと運用すべきというところが、我々の政策としての大原則といったところでございます。
 容リ法の世界、大別すると2つに分けられる、材料リサイクル、ケミカルリサイクルというこの手法の中で、平成11年の産業構造審議会において、プラスチック製容器包装の再商品化手法について、プラスチックの原材料等としての利用がなるべく望ましいことから、材料リサイクルの再商品化手法をその他の再商品化方法に比べて一定の基準のもとで優先的に取り扱うということにされたわけでございますけれども、この当時、この扱いというのはプラスチックリサイクル体系の整備が喫緊の課題であるとの認識のもと、多様な再商品化手法の間のバランスがとれた形での再商品化事業の規模拡大を図るというねらいがあったということでございます。
 一方で、これを現実的に進める中で、市町村が分別排出を行う市民の理解、協力を得る上で、枯渇性資源である原油に由来するプラスチックをプラスチックとして目にみえる形でわかりやすく再生利用することが、非常に大きな役割を果たしてきたというところもあろうかと思います。
 今般、まさにこの優先的取り扱いについての議論を行うことになったわけでございますけれども、以上の政策的な論点を踏まえながら、さらに以下の視点を基本として検討していく。
 まず1つは、再商品化手法の直接の担い手である再商品化事業者の取り組みのみならず、上流あるいは下流、いわゆる関係主体全体の取り組みを視野に入れて、現行制度の見直しが必要な事項も含め検討していく。この制度は、いわゆる共創といった理念のもとで、すべての関係主体を視野に入れて議論をしていこうという点が1点でございます。
 2点目は、現状の評価、現在の技術、経済性に基づいた現状の評価に加えて、導入可能性を考慮しつつ、リサイクルの高度化に向けた一定の取り組みを導入した後の改善された状況の評価も行って判断をしていくということでございます。
 3点目は、優先的な取り扱いのあり方について判断する際に、現行の取り扱いを環境負荷の低減、あるいは資源の有効利用といった観点に加えて、再商品化に要する経済コスト、その他の考慮事項、これは、例えば消費者からみたリサイクルとしてのわかりやすさを通じた3Rの促進効果、あるいはプラスチックの化学的性質の活用及び事業の適正性・透明性、こういった考慮事項に照らして、今の政策原則を変更する必要があるのかどうかというところを少し整理していきたいというのが事務局側としての論点の提起でございます。
 3ページ目以下でございますけれども、まず1.は、先ほど資料3のLCAのご説明の中でございましたこのシナリオ、この点はいいのかどうかというところが提起されたわけでございますけれども、改めて6点の確認をしておきますと、まず、産廃プラの混合の扱いについては、特に効果の減少というのは限定的ではないかというところ。
 2点目、利用製品の処分方法ということで、これについては材料リサイクル手法の環境負荷削減。実際にどういう方法で処理をしているかによるのですけれども、向上する可能性があるのではないか。
 3点目、他工程プラにつきましては、先ほどありましたように、従来どおりのごみ単位当たりの負荷でみていったらどうかという点。
 4点目、5点目、6点目、これは非常に重要な論点だと思いますけれども、シナリオ設定に当たっての留意点ということで、適切なシステム境界の設定。これにつきましては、特に燃料が発電源に用いられるというような場合、もともとの発電源の燃料源が何になっているかといったようなことも十分考慮しながら、実際に何を代替しているかというものを検証しながら、しっかり影響をみていく必要があるだろう。
 5点目、これは資源代替でございますけれども、この点も天然ガス、石油、石炭といった複数が考えられ、一元的評価が難しいので、適切な指標をよく考えながら評価をしていくということ。
 6点目、機能代替率についても大きく評価に影響いたしますので、利用実態を適切に反映しながら環境負荷分析を行っていくというようなことでございます。
 最後、「再商品化手法の改善に向けた、現状で導入可能な取組の整理」ということでございまして、これも先ほどの資料3のご説明どおりでございますけれども、5ページから7、8ページにかけて、こういうことをやるとこうなるという若干のロジックが書いてあるわけでございます。1つは、市町村によるリサイクル手法の選択の導入可能性とその効果ということで、この点は市町村の容リ制度への一層の参加を促す点から、一定の効果があるのではないかといったようなこと。
 それから、ベール品質に応じた市町村の選別の導入可能性とその効果ということで、これをやれば質の高いベールが材料リサイクルに回るといったようなことが考えられる、かつ導入も不可能ではないのではないかということで一定の効果。
 それから、地域循環への配慮、あるいは地域偏在への対応ということで、環境負荷の軽減、あるいは現地確認の容易性、さらに消費者の目にみえるリサイクルが消費者の分別意識向上につながる。これがベール品質の向上につながるということで、一定の効果があるのではないか。
 複数年契約につきましては、分別収集の高度化、リサイクルの質の高度化が期待できるという反面、長年固定をするということに関するリスクもあるということで、ここはちょっとメリット、デメリット相反する部分があるということで、ちょっと導入には慎重な検討が必要かなと。
 それから、PET・PSについても、積極的な利用をしていけば一定の効果が見込めるのではないかということです。
 それから、プラスチック製容器包装の分別収集量の増加方策、その導入可能性ということで、働きかけの強化によって参加市町村がふえれば、一定の効果というのがあるのではないか。
 (7)の「再商品化事業者、再商品化製品利用事業者、市民、自治体等関係者間の対話を通じたリサイクルのための環境配慮設計推進方策の導入可能性とその効果」ということで、これも先ほどございましたように、ちょっと効果のほどは特定できないのではないかという話。
 最後8点目といたしましては、再商品化製品利用製品の販路拡大の方策ということで、これについては一定の効果がうまくいけば見込まれるのではないかということで、9ページ目でございます。
 先ほどの繰り返しでございますけれども、縦軸に再商品化手法の改善に向けた施策、これが引き直すと[1]から[5]までのベール中のPP・PEの向上、あるいはPP・PE以外のプラの再商品化率の向上等々という形で引き直されまして、これをもとにLCAの分析をしていくといったような整理になってございます。
 最後、10ページ目、11ページ目でございます。これも繰り返しでございます。消費者等からみたわかりやすさということで、材料リサイクルのほうがよりわかりやすい、それが意識向上につながるのではないかという点。
 それから、プラスチックの化学的性質の活用の評価ということで、枯渇性資源である原油に由来するプラスチックをプラスチックとして再生、それが不可能になった段階で化学原料として利用することが、容リ法の目的にのっとったプラスチックの化学的性質の十分な活用であるというような点。
 最後、事業の適正性・透明性、これについてもしっかり高めていく必要があるといったような論点でございます。
 ちょっと長くなりましたが、資料の説明は以上でございます。

○森口主査  ありがとうございました。
 かなり大部にわたる資料を限られた時間でご説明いただいたわけでございますが、ここからは、資料2から5までの説明についてご意見、ご質問等ございましたら、委員のほうからちょうだいしたいと思います。
 おさらいをいたしますと、資料2が、いわゆる別途議論と呼ばれている容器包装以外のプラスチックのリサイクルの在り方に関する懇談会、これは先週第1回の会合が開かれましたので、それのご紹介。この作業チームでは、合同会合のほうからLCAについてもしっかり議論してほしいということで、かなり細部にわたる資料でございますが、資料3を今回まとめていただきました。作業チームは、2月から4月にかけて4回開かせていただいたわけですけれども、その際のヒアリング等で得られた情報を含めまして、現状と課題の整理を資料4にまとめていただきまして、そういったことも踏まえて、では、再商品化手法の評価というものをどのように考えていくのかというまとめの資料が資料5ということになります。一応夏までというスケジュールの中では、作業チームの会合は今回が最後ということになろうと思いますので、この後、また合同会合全体としての会合はあと2回程度予定されておりますけれども、作業チームとしてのまとめを合同会合のほうにご報告する都合上、これまで議論していなかったLCAのところもそこそこきょうは議論をいただきたい。ただ、それだけではなくて、再商品化手法の評価のまとめをどのようにするかということでございまして、資料2から5までまとめてご説明をいただいたわけでございます。
 それでは、いつものように、ご発言いただく委員はネームプレートをお立ていただきますようにお願いいたします。どこからでも結構でございますが、余り行ったり来たりするといけませんので、ある委員からご発言いただいた際に関連するご質問、ご発言等がありましたら、若干札を立てていただいた順序とは前後してご発言いただいても結構でございます。
 それでは、まず小寺委員からお願いいたします。

○小寺委員  事務局から提示されたこの資料はLCA等について多角的な評価軸を据えて、網羅的に精査されたデータが提示されており、充実した調査内容となっていると思います。環境研究の視点からは、この調査内容の深まりの点ですばらしいと思います。
 資料2―2などで、現状プラスチックの組成が書いてあります。私がその中で知りたいことは、材料リサイクルに向かない複合材の現状です。複合材の中でもPO同士がまざっていれば、これはリサイクルできるというふうに理解はしているのですけれども、相溶性のない種類のプラスチックがまざっていれば、製品製造上問題があると理解しています。もともと材料リサイクルに向かないものが一部入っていて、それが今どんどんふえているようなことをおっしゃる方もいる。包装材のフィルムを薄くするため、あるいは機能を上げるために、リサイクルしづらい素材であってもあえて複合化ことで軽量化あるいは高機能化を図っているということも伺っています。こういった複合材の量の変化は必ずしも経年的には出ていないとは思いますけれども、こういった見方で容器包装プラスチックの性状の動向をまとめていくことも大切かと思います。
 もしそういった材料リサイクルに向かないものがふえているとするならば、再商品化手法を初めから変えるやりかたもあると思います。ここでもご指摘のように、材料リサイクルに向くものを従来のように分離分別工程の精度向上だけでなく、収集の工夫などで特定のものを集めるか、あるいは材料リサイクルに向かないものが多量に含まれているもの、そういったベールの質によってはケミカルのほうでやってもらう、あるいは材料リサイクルとRPFとの組み合わせもあるでしょう。場合によっては、材料リサイクルとRPF組み合わせでなくて、RPFだけで独自にできるだろうなどという意見も恐らく出てくるだろうと思うのですけれども、そういうさまざまな考えが出てくるので、今後のベールの材質・性状の見通し、状況、あるいは現状と将来状況、こういった観点も大切ではないかなと思っております。

○森口主査  ありがとうございます。
 今のご発言、特に資料2―2のスライドでいいますと、6ページ、9ページあたりに非常にかかわりの深いところかなと思います。こういうプラスチックの組成だけをみると、容器包装プラスチックのほうがポリオレフィン類はたくさん含まれていて、こちらのほうが適しているようにみえるのだけれども、実質上はいろいろなものと組み合わさっているかもしれない。製品プラスチックはポリオレフィンの非常に大きな固まりというものもあるかもしれませんので、そういった意味で、こういういわゆる組成の分析だけではなくて、材料リサイクルに適しているかどうかというようなことでもう少し中身を詳しくみていけないかというご指摘かと思います。そういった詳細なデータは、これまでにもなかなか例がない難しいところかと思いますが、何か事務局のほうから補足いただけることはございますでしょうか。
 では、環境省のほうからお願いします。

○上田リサイクル推進室長  資料2―2の説明ですが、スライド番号6でいいますと、そこにPP、PE、PS、PETと書いてあって、その他3.7%になっていますが、複合材の扱いは基本的に光学選別装置にかけた結果をそのまま出しているということだそうですから、場合によっては、例えばPEと何かがくっついているものがPEのほうにひっかかって入ったというものもありますし、その他のほうにはじかれたというものもあるかもしれないということで、単一素材のPPがこれだけとかPEがこれだけというものではないと。PP、PEの中には複合材というものも十分入っているというのが1点。
 3点ありまして、2点目は、マテリアルのリサイクルの事業者の方からヒアリング等でも指摘がありましたけれども、複合材はないほうが望ましいということで、あったら困るというものではないと。複合材によっても、場合によってはリサイクルできるものもあるし、そうでないものもあるということで、複合材すべてが材料リサイクルに向かないというものではないということがあります。
 3点目は、これは資料でいいますと資料5の5ページのところで、「再商品化手法の改善に向けた、現状で導入可能な取組の整理」というものがありまして、[1]から[8]を掲げておりますが、この中で[7]が、今、小寺委員からご指摘があったところに関係するものかと思います。環境配慮設計というものをいかに進めていくかということで、一応ここでは対話を通じということで、直接でいえば、再商品化事業者と特定事業者の方との対話を通じたリサイクルに適した環境配慮設計ができるかどうかということです。これにつきましては前回の合同会合でも整理をさせていただいたのですけれども、今の時点で直ちにどのくらい効果があるのかと。その効果はきっとあると思うのですが、定量化するのはなかなか難しい。分析は、特にLCAとかそういったものはやっておりませんが、まずはそういった対話をしていくことが必要だろうと。また、対話として書いたのも、こういう審議会の場で概括的に議論するというのではなくて、実際に事業に携わっている方同士で物をみながら分類していくという作業が、プロセスが大事で、そういったものを積み重ねていった上で、現場からはこういうふうに整理できるということがまた再度こういう審議会の場に上がってくれば、そのデータを議論することが先々できるのかなというふうに考えております。以上3点です。

○森口主査  ありがとうございます。
 最後におっしゃった対話というところにつきましては、後ほど資料6でモデル事業の話もあろうかと思いますので、そのあたりでまた少し具体的なお話をいただけるかと思います。
 それでは、大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員  別の点でよろしいですか。

○森口主査  それでは、今の小寺委員からご指摘のあったプラスチック類の組成について、特に追加ご発言はございませんか。では、よろしければ、大塚委員、別の点で結構でございますのでお願いいたします。

○大塚委員  資料5についてお伺いしたいのですけれども、細かい点も含めて幾つかございます。とにかく今回の資料もとてもよくできていて、大変感心しています。
 資料5は、今後のことと大きく関係するので私には関心があるところで、まず循環基本法の考え方にちょっと追加するということかと思うのですけれども、これは法改正とかそういうことも含めてお考えになるのか、多分そうでないかもしれませんが、一応お伺いしたいというのが1つでございます。
 それから、これは今までは私は余り発言していなくて恐縮なのですが、現在の容リ法で燃料としての利用というのが政令に委ねられているところがあるのですけれども、そこに現在、例えばコークス代替とか高炉還元剤化で使うというものが、恐らくマテリアルリサイクルと同じ扱いを受けているのではないかと私は思うのですが、そこの整理はどうなのかという確認で、今回変えるということでしたらお伺いしておきたいというのが1つございます。
 それから、新しく幾つかのものを追加するというご趣旨だと思いますけれども、2ページの[3]のところとかが恐らく重要なのではないかと思っています。経済コストを入れるというのは、私は今回賛成なのですけれども、温暖化対策の観点も入ってくるようになっていますし、廃プラスチックについてとりやめるような状況になっているということを考えると、その他いろいろな点から、経済コストを考えるのは重要ではないかと思います。これは恐らく今の循環基本法の中には入っているのですけれども、余り目立たないので、それを強調するというようなことかなと思います。
 あと、その他の考慮事項で、消費者としてのわかりやすさというのもよくわかるのですが、これはむしろ化学者の先生方のご専門のところだと思いますが、プラスチックの化学的性質の活用というのは、よくわかるところもあるのですけれども、これはある意味結論先取りのような気もしないでもない。若干悪口になって申しわけないのですけれども、これはニュートラルにみてどのくらい重要なのかというのは、法律をやっている人間からするとよくわからないところもあるので、ここはもし教えていただけたら大変ありがたいということでございます。
 いろいろふやしていくのもいいのですけれども、他方で余り要素をふやすとちょっとわかりにくくなるところとか、総合判断で裁量の余地が広がるところもあるので、いいのだろうと思いますけれども、そういう問題も全くないわけではないという気もしているということだけちょっと申し上げておきます。
 以上です。

○森口主査  ありがとうございます。
 大塚委員、さすがに的確にお気づきいただいたかなと主査としては思っておりまして、資料5の1ページ目から2ページ、短い資料でさらっと事務局からご説明をいただいたのではありますが、ここは非常に重要でございます。LCA等の細かい議論をいただくにしても、やはりここのところの考え方があってこそLCAの議論になるわけでして、データをみてしまうと、ついついそちらのほうばかり細かい議論に行きがちでございますが、ここの考え方をこの際だから再確認をしましょうことで今回明文化いただきました。
 ちょっと済みません、大塚委員、確認ですが、一番最初に、循環基本法に若干追加するようなところはあるけれどもというようなおっしゃり方をしたかと思いますが、もう少しそこのところを具体的に追加いただけますでしょうか。

○大塚委員  これはここにもお書きになっていると思うのですけれども、2ページのほうの[3]にございますように、現在は基本的には環境負荷の低減という観点から順番をつけているというところがあり、なおかつ、このリデュース、リユース、リサイクル、サーマルリカバリーというこの順序についても、環境負荷の低減との観点で順序が変わることもあるというふうに書いてあるので、恐らくそれが基本だということだと思うのです。ただ、経済的に可能な限りというような要件が入っていたと思いますので、そこは多分入ってはいると思うのですけれども、この2)というところで強調されるおつもりかなというふうに伺いました。
 3)は全然入ってはいないので、プラスチックの化学的性質の活用というのはどういうふうにみたらいいのかなというのは、私はお伺いしたいところがございますのと、今申し上げた2)のところは、現在も入っているのだけれども、もっと強調するというご趣旨かなということ。
 あと、細かくいえば、資源の有効利用は余り循環基本法の中に多分入ってないと思います。しかし、これは絶対に必要なことだとは思いますので、恐らく余り問題なく考慮したほうがいいかなというふうに個人的には思っています。そんなふうに私自身は思っています。今、条文が手元にないので、大体覚えている話で申し上げました。

○森口主査  ありがとうございます。
 丁寧にご確認いただきましてありがとうございます。この議論を改めて合同会合でする際に、循環基本法の関連の条文をご用意いただいたほうがいいかもしれません。私の理解では、2ページの[3]の中で「環境負荷の低減と資源の有効利用」と書いてありますが、循環基本法も第2条の循環型社会の目的の中には天然資源の消費の話が出てくるのですけれども、恐らくそれ以外の条文では環境負荷の低減という表現だけで統一されているので、そういう意味で資源の有効利用ということは明確にするということでいいのかどうかという話。
 それから経済コストについては、これも3R、サーマルリカバリーの優先順位の中で、ただし書き的に経済的に一種の合理性をもたないといけないということも書かれていたと思いますので、それを改めてここで強調されているのかどうかというご確認。
 3)については、循環基本法には特にこういうことは書いてないので、これについてこの際明確にするのか。特にプラスチックの化学的性質の活用というようなことをここで特出しすることが必要なのかどうかというご指摘であったと思います。
 事務局のほうからお答えをいただきたいと思いますが、もし関連するご発言がございましたら、あわせていただきたいと思いますがいかがでしょうか。辰巳委員は、別の点でございますね。

○辰巳委員  でも、関連するといえば関連する。

○森口主査  どうされますか。一応事務局のお答えをお聞きした後にしましょうか。
 それでは、事務局、お願いいたします。

○上田リサイクル推進室長  循環基本法の話まで、最初に環境省から発言させていただきます。
 今のご指摘の点で、まず資料5の1ページ目の1パラ目と2パラ目ですけれども、1パラ目は循環基本法の記述がありまして、2パラ目は容リ法の目的規定を書いているところでございます。法制定順でいきますと容リ法のほうが早くなっておりますので、容リ法の目的は一般廃棄物の減量と再生資源の十分な利用の推進、この2つがまず明記されているところでございます。循環基本法については大塚委員ご指摘のとおりでありまして、制定順のことを考えて、2パラ目のところの最後の2行のところに書いてありますが、循環基本法が規定する考え方、そういった基本原則は「容リ法の運用において貫かれるべきものである。」というふうな構成になっています。
 現在の運用ですけれども、3パラ目のところに平成11年の産業構造審議会の記述が引用されておりまして、プラスチックの原材料としての利用がなるべく望ましいというふうな理由で現在の材料リサイクル手法の優先的取り扱いというのが決まっている、こういう関係にある中で今どういうふうに判断をしようかということなのですが、2ページ目の[3]で大塚委員からご指摘があった1)2)3)のうち2)は、循環基本法に書いてあるというところで、そういうことなのかなというふうにご指摘を受けておりますが、そういったものも考慮に置いて容リ法の中で考えるということではございます。基本的に[3]は、今回の容リ法の制度の趣旨、目的の中で考えようということで、循環基本法にもちろん矛盾するような考え方であってはならないという前提の中には、こういった考え方、重きの置き方ということはあるのだろうというふうに思っております。
 したがって、循環基本法の順位とか記述をいじるとかなんとかというのは、今のところ考えておりませんで、循環基本法を前提として、そのもとで今、そういった考え方も念頭に置いて容リ法の中で、11年の考え方を再度整理するとしたらどういう視点でやったらいいのだろうかという今までの合同会合と作業チームで出てきた視点としては、そこの[3]に書いてある1)と2)と3)というものであります。3)のところは、これも実はこの中で何度か議論があって、どんどん整理は進んでいると思うのですけれども、まだ若干残っているところがあって、まさにプラスチックの化学的性質の活用はどうあるべきか、どういうふうに評価するのかといったのは、もう少し整理をしないといけないのかなと思っています。このあたりは、実際にRPF等の燃料的利用のほうとの仕切りをどういうふうにするかとかいろいろな課題、わかりやすくするためにもう少し議論を整理する必要があるかと考えております。

○岡田リサイクル推進課長  基本的には今の説明どおりだと思います。基本的には循環基本法の考え方、これは原則として我々運用しているわけで、ここを変えるという考えはありません。また、容リ法と循環基本法は、容リ法のほうがより具体的に敷衍をしているという点で、この2ページ目の[3]、この辺の論点がある。これが関係主体それぞれの納得性ということに関して、我々として再度確認をしておくべき点ということでここに挙げてあるということでございます。
 以上です。

○森口主査  よろしゅうございますか。重ねてもし何かございましたら。大塚委員、お願いします。

○大塚委員  2点ございまして、1点は、プラスチックの化学的性質の活用に関しては本当はよくわからないのですけれども、ある意味ではよくわかるところもあるのですが、新しい視点を何か入れているような気もしないでもないんですよね。さっきもちょっと言ってしまったのですが、結論先取りみたいな感じもするものですから、これはニュートラルにみてそんなに必要なことかどうかというのは、私はまだ納得まではしていないので、別に反対するつもりはないのですけれども、というのが1点。
 もう一つ、現行法で容リ法と施行令との関係で、あの施行令に流れている燃料としての利用という中には─私はこの間、実は環境省に伺ったのですけれども、高炉還元剤化とかは多分入っていないのではないかというふうに思っていて、マテリアルリサイクルと同じ扱いをむしろしているのかなと思っていて、そこはどうなのかというのは確認でお願いします。

○森口主査  ありがとうございます。
 今のご質問を引き取らせていただいて、資料3のLCAの考え方ともかなりテクニカルなところで関連いたしますので、ぜひきょうは時間をとってしっかり議論をさせていただきたいと思います。私の理解では、今、大塚委員おっしゃった2点というのは相互に密接に関連をしておりまして、[3]は「材料リサイクル手法の優先的な取扱いの在り方について」というふうに書いていますので、このプラスチックの化学的性質の活用というのが材料リサイクルとケミカルリサイクルとの間での優先に関する記述のように受け取れますが、それとともに、現在認められているケミカルリサイクル手法、特に今、高炉還元についてご発言ございましたが、それとRPFなりそういったものとの間でも、同じくプラスチックの化学的性質の活用という言葉の中でくくれる課題があるというふうに私としては認識しておりますので─これは、今やってしまいますか。では、それをお答えいただけますか。

○上田リサイクル推進室長  まず2点ご質問があって、後者のほうは事実関係ですので、手元に条文をもってこなかったのであれですけれども、差はないと私のほうも理解しております。この点については、実は昨年9月の中間とりまとめでも経緯について少し丁寧に書かせていただいておるのですが、今回の資料5の1ページ目の産構審の記述、パラグラフ3のところですけれども、その記述をもって容リ協のほうで実際に優先的取り扱いというものを実行上やっていただいているというところで、政令上では特にございません。そういった実行の扱いでございます。それらについては、後で委員だけ回覧させていただきますけれども、昨年9月の中間とりまとめの1ページ目か2ページ目、最初のところに経緯が書いてあるのですけれども、そういうふうなことで扱っておりますというものの記述があるところであります。
 もう一つのほうの化学的性質のところで、議論は後でと思うのですが、事実関係だけ申しますと、1ページ目の1パラのところの優先順位、循環基本法のリデュース、リユース、リサイクル、サーマルリカバリーという優先順位で、その環境負荷の点で、これによることが望ましくない場合はと、たしかただし書きがあったかと思うのですけれども、実際に負荷の観点からというものでひっくり返ることはあり得べしということで、わかりやすくはかる物差しとしては、環境負荷分析、LCAがあろうかと思うのですが、本日説明させていただいた資料3にもあるように、LCAは、バウンダリーとかいろいろな定義の置き方によって大きく数値が変わってきて、順位というのも読みようによっては大きく変わることもあり得ると。そういう不確定な要素がかなり多い中で、それに基づいてすぐひっくり返すのかどうかということを考えれば、そもそもこのリデュース、リユース、リサイクルとサーマルリカバリー、定性的に違うところの線が引けるものがあるのではないのかというふうな発想もあって、こういう化学的性質の活用といったものが出てきているのだと思っております。その中身がいかにというのはまた後で、事実関係だけ説明させていただきました。

○大塚委員  ちょっと確認だけいいですか。今最後におっしゃったところは、そうすると化学的性質が同じものに変えるということがリユースとかに近いとか、結局そういうご趣旨なのですね。

○上田リサイクル推進室長  化学的性質の活用ということなので、化学物質だというところの性質を使って、単なる焼却、燃焼ではないというふうな、別な化学反応みたいなものというのがその化学物質ならではの固有の利点として、単なる燃焼よりもより評価できるかどうかという視点であります。

○大塚委員  わかりました。

○森口主査  よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、後ほどまたLCA等に関してもしご議論があれば、関連するところでもう少しご議論いただきたいと思います。
 それでは、お待たせいたしました。辰巳委員、お願いいたします。

○辰巳委員  資料5の、大塚先生も触れられパッとなくなっちゃった、消費者からみたリサイクルとしてのわかりやすさを通じたというところの話が私の役割かなというふうに思っております。きょういただいたLCAの話等は、全く消費者にとってわかりやすくないですよね。全くわからない話とまず考えていいかというふうに思います。
 そういう前提のもとで、いかに消費者にわかりやすく説明をしなければならないかというところがすごくポイントだと思っておりまして、そういうものがみんなない中で、消費者にとってわかることといったら、目にみえることというだけの判断にやや近くなっていて、結局その材料というのは、プラがプラに変わるということですごくわかりやすいということになっていると思ったもので、そこら辺の説明の仕方がまだまだ不十分なゆえに─これは消費者イコール市町村、一緒だというふうに私は思っているのですけれども、そこら辺の説明をもうちょっとわかりやすくなるような説明をしていただきたい。LCAで、もしかして3Rの順序が入れかわるなどというお話も今ちらっと出てきて、もしもそんなことが起こるのだったら、いかに説明できるかというところかなというふうに思ったりしています。だから、目でみてわかるだけではなくて、頭でわかるわかりやすさを説明していただきたいなというふうに思っております。とりあえずそんなところです。

○森口主査  ありがとうございます。
 非常に貴重なといいますか重要なご指摘かと思いまして、きょう資料3の最後に、別紙という1枚紙、カラーでグラフを示していただきました。これがわかりやすいとはとても私も思わないのですが、現在の再商品化の効果を評価するためには、幾ら簡単にしてもこれ以上簡単にならない。つまり、ここまで入れないと、どの手法の再商品化のLCAでみた場合の効果がどうなのかということが評価できない。これは果たしてLCAそのものの問題なのか、むしろ再商品化あるいは再商品化製品利用、あるいはさらに他工程利用プラも含めて、そういった今のリサイクルのされ方の複雑さそのものではないかなと思っておりまして、LCA屋を自己弁護するわけではないのですが、それをわかりやすくしろといわれると、もっとリサイクルをわかりやすくしてくれないとと、ついついLCA側はいいたくなってしまうわけでございます、主査としては暴言かもしれませんが。そのことをわかっていただきたいというのが、実はこの別紙の趣旨でもございました。
 1点だけ、せっかくこの資料をつくっていただきましたので説明させていただきますと、別紙のパレット(ワンウェイ)のところで、ピンクで囲ったところがございます。ここが、材料リサイクルがわかりやすく目にみえる形でリサイクルされたことによる効果の部分ということになるわけです。しかし、現実には他工程利用プラということで、いわゆる残渣と呼んでいたものを石炭代替の燃料として利用することによって、この左側に立っている緑色の棒のところの効果なども出てくるということがございまして、本当に目にみえるものができるということが効果が高いのかというと、必ずしもそうではないですよということを、こういったことの中でみせているわけですね。
 ですから、そういった目にみえない、わからないのだけれども効果が高いというふうに専門家が評価すれば、それはいいリサイクルだというふうに納得をいただけるのか、あるいはわかりやすさということを重視されるのかといったあたりが、先ほどの資料5の2ページの[3]の苦肉の策としての表現になっているのかなというふうに私としてはとらえております。済みません、私がしゃべり過ぎました。
 平尾委員、関連するご発言でございましょうか。ちょっと違いますか。
 事務局のほうから、今の点、何かございますか。よろしいですか。
 それでは、平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員  先ほど来、環境負荷の議論が進んでいて、また、資料3の議論もさせていただきたいのですけれども、それ以前に、もう一つ頭に置いておかなければいけないのは、現在300万トン以上出ているはずの容リのプラのうち、現行では60万トン前後しかまだ回収できていないというところがポイントでありまして、現在議論になっているところに関して、もっと回収率が上がっていけば、本来はいろいろ問題が解決する、つまり、いろいろな事業者さんが必要なものを必要に応じて利用をしていくというような、さまざまな手法が多様に生きていけるという仕組みがつくれるのではないかと思うのです。
 ですから、どれがいいかというのでランキングをしていくことだけではなくて、どういう仕組みだったらば、より消費者の方が、あるいは自治体の方が参加しやすくなるか。資料4でみると、自治体参加率は7割以上とかあるにもかかわらず、先ほど製品統計からみた中での回収量は決して多くない。先ほど来の統計でみると、組成が何%であるかというデータは出ているのですけれども、具体的にどのくらい投入されているうちの何キロが回収されているのかという点がよくわからないところなのですね。消費者の方が分類するときに、プラというマークがついているから容リと入れていってこれだけのものなのか、それとも、例えば非常に汚れているというふうに消費者の方が判断して、燃えるごみのほうにどんどん回していって、そちらのほうが実態は多くて、結果として60万トン程度しか集まらないものなのか。だから、60万という枠で議論していかなければいけないのか、私たちはもう少しこの先努力があって、100万トンあるいは200万トンという、せめて半分ぐらい回収できるという見通しがあって議論していくのかによって、ちょっと議論は変わってくるかなと。そこの点、この後の環境負荷の議論とあわせて忘れないようにしていきたいというコメントでございます。

○森口主査  ありがとうございます。
 今ご指摘いただいた点については、きょうの資料でいえば資料5の9ページの表の中で、分別収集量の増加というもの自身も環境負荷に影響を与え得ると、項目として表の中では整理されているわけですが、その単位量当たりの効果よりも、とにかくプラスチックを分別することによる環境負荷の低減効果、あるいは資源の削減効果ということを国全体としてふやしていくためには、もっと量そのものを集めるという意味での改善があるのではないかというご指摘かと思います。
 最初に小寺委員から、今、材料リサイクルに向くものを集められているのかどうか、材料リサイクルを優先するのだったら、それにもっと向くような集め方もあるのではないかというご指摘、あるいは、どうせ向かないのだったら、もっとそれはたくさん集めつつ、効果の高いリサイクルをするという考え方もあるのではないかというご議論がございました。このあたり、きょう最初にご説明いただいた資料2の別途議論とも非常に密接にかかわるところでありますので、並行して議論は進んでいくのかなというふうに考えております。
 今の点に関して、何か事務局のほうから特段ございますでしょうか。

○岡田リサイクル推進課長  今のご指摘、まさにそのとおりなので、我々もCO2削減という観点からも、もう少し集められないかなということで、今、ない知恵を絞っていまして、1つは、やはり参加市町村、人口カバレッジをどれだけ上げていくか。ここは収集コストの問題をどう解決していくか、この辺も我々に何かできることがないのかどうか模索をしていますし、汚れているものは捨てるほうに分けられる、これも厳然とした事実としてあります。この辺も追求していかなければいけない。参加市町村の数、そこでまた分けられるものの率、この両面からアプローチしていきたいと思います。一朝一夕というわけにはいきませんが、何年かの計でやっていきたいと思っています。

○森口主査  辰巳委員、お願いいたします。

○辰巳委員  今の量を集めるということは本当に重要なことだというふうに思ってはいるのですけれども、容器利用事業者の方、あるいは容器をつくっているところかもしれないのですけれども、先ほどの環境配慮設計というところでかなり削減しているというお話がありますよね。そこら辺との絡みはどういうふうに─この容リ法がスタートした時代から、実際の容器に使われる――どこでどうカウントするのか私はわからないのですけれども、減ってきているぐあい。先ほどの複合化の話とかも含めて、かなりプラスチックを減らしているという話も聞きますので。一方、実際に出ている量との話をちょっと聞きたいと思いました。

○森口主査  ありがとうございます。
 量を集めるという言い方は若干語弊があるかなというふうに、今のご指摘で改めて気づきました。資料5にも整理いただいたように、リデュースが最上位にあるわけでありまして、リサイクル量がどんどんふえるということが望ましいかというと決してそうではない。あくまで出荷されたものに対して、リサイクル率といいますか、集められる率が上がるということですので、量がふえるというのは多少語弊があったかもしれません。全体のトーンとして訂正をしたほうがいいかと思います。リデュースをされて、それでも使われたものの中でまだ有効利用されていないのであれば、それはなぜ集まらないのかということを検討すべきである、こういうトーンの議論であったというふうに少し軌道修正をさせていただくということでよろしゅうございますでしょうか。
 いずれにしましても、資料2―2、別途議論のほうでも、実際に本当に家庭で容器包装プラスチックとして捨てられるようなものがどのぐらい出荷されているのかというのは、なかなか実態把握されていない。プラ処理協さんのほうで注記をされているものも、あくまで用途としてこういうものに使われるということで出荷されたということで、上流側から追っかけておられますので、なかなかそのあたりの実態把握は十分にし切れていないところもありますので、このあたりも引き続き別途議論ともあわせた重要な検討課題かなというふうに思います。
 あと10分から15分程度、資料2から資料5に関して議論をいただく時間をとってございますが、いかがでしょうか。余り資料3の細部をここで議論するということではないということも――これはこれで重要なことではありますし、これまでも随分議論してきておりますので、これは追加でさらに精査していかなければいけないかとは思いますけれども、残りどこからでも結構です。
 では、平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員  資料3は余り深めないということでもあるとは思うのですけれども、でも、従前来、LCAの議論は非常に大事だというふうに検討会でも議論をいただいているところで、今回、幾つかのポイントがまだ議論が足りないのではないかという点について調査していただいて、まだ解析が完了してない部分もございますけれども、率直な意見として、LCAによる環境負荷の観点からみたときに、それは1キログラムという単位かもしれませんけれども、ここでマテリアルが優先するという理由はないというのはやはり確認をしておくべきだと思うのですね。先ほどの資料5の最初の段落にありますように、枯渇性資源の有効利用、あるいは環境負荷の削減というのが一番上位の目標であったという中で、LCAの中で細かい順位とか細かいでこぼこはもちろんありますし、まだ解析の結果によって、その辺、詳細にみたら少し違いはあるかもしれないけれども、極端にマテリアルを環境負荷削減、あるいは枯渇性資源の有効利用という観点から優先する理由は、私自身LCAにかかわってきて見当たらないので、一応意見としていわせていただきたいなと思いました。

○森口主査  ありがとうございます。
 明確にご発言いただき、ありがとうございます。合同会合の前のラウンドの中でもそのことは明確に書かれているわけでございますので、そのことは現時点においては特に結論は変わっていないということのご指摘かと思います。
 辰巳委員、いかがでしょうか。

○辰巳委員  再商品化製品利用製品は、やはり消費者のみえやすさ、みてわかりやすさのところのお話にこだわっているわけなのですけれども、今も例はパレットが例ですよね。これというのは全然消費者にとってわかりやすい商品ではないような気がしているのですね。パレットが一番たくさん使われていて、それが消費者にとって目でみてわかりやすい商品だというふうな話で進んでいくと、何かちょっと違うのではないか。消費者にとって目にみえやすいというのは、やはり身近な私たちが使う商品に使われてこそ、初めてわかりやすいということになると思っているのですけれども、そういう商品が余りないということなのだろうなというふうに思っていますので、この書き方で、消費者にとってわかりやすいからということでマテリアルがいいというお話とイコールになるのが、ちょっとクエスチョンだなと思っています。意見でございます。

○森口主査  ありがとうございます。
 別途議論、先週開かれた会のほうでもそれ以外の日用品のリサイクルの話題が出ておりまして、では、日用品は日用品に戻せるのかという議論もございました。わかりやすいものに戻すということが、そもそもこの容器包装プラスチックの場合に現実的なのかどうかということのご指摘かと思いますので、もしそれが必ずしも現実的でないのであれば、わかりやすいということを強調することもそもそも無理があるのではないか、こういうことをおっしゃっているのではないかなと思いますので、わかりやすくしてほしいという、ほかのものだとわかりにくいというご主張、だけどわかりやすいもので本当に成り立つのかという非常に難しいところで、なかなかそれ以上いいがたいところがあるわけですが、そういうご指摘であったかなというふうに思います。
 小寺委員、いかがでしょうか。

○小寺委員  先ほどプラスチックの化学的性質の活用というのがありました。そこでLCAとも関連して、3つ特徴があると思うのです。これは分離分別されるプラスチック成分の特徴としてみるのか、出てきたベールのそのままの特徴としてみるのかでまた議論は違うと思いますけれども、3つのうち1つが例えばプラスチックは軽くて丈夫。第2に発熱量が高い。3つ目は、形を変えて化学反応ができる。それぞれのプラスチックやごみ性状の特徴で、さらに石炭代替でみるとか石油代替があるでしょう。
 もう少し自治体とか住民側の意見というのをいただきたいとは思うのですね。たとえば、発熱量が高いから燃料化します。燃料油にする、固形燃料にできるなどさまざまなオプションがある中で、何に再商品化するならば分別収集に納得するのか、あるいは何にするなら幾ら負担してよいのか出せるか、その幅があると思います。手法によるLCAの違いの幅で、このくらい環境負荷が低いと選択できる、優先できるという議論もあるでしょうけれども、一方で、費用が何%ぐらいの差なら、このぐらい高いぐらいだったら認められるよと、そういった議論もあるかと思います。

○森口主査  ありがとうございます。
 関連するご発言、平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員  今、小寺委員がおっしゃったように、化学的性質というところは先ほど大塚委員からも少しご意見をいただいているところで、言葉だけではなくて議論をさせていただく必要があるのかなと思います。今、小寺委員からお話しいただいたように、材料として樹脂という意味での性質と化学物質としての性質、それが還元剤であるのか燃料であるのかという観点について、初回の会合のときにも少しお話しさせていただいたことを記憶しております。あいまいかもしれませんけど、もっているポテンシャルというものをどう利用できるかという観点で、リユースはちょっと別にして、3Rでいうリサイクルとは、持っている機能をいかに循環的に利用できるかという観点で少し考えていく必要があるのではないかというふうに思っているところです。
 ですから、材料として、樹脂としての機能は消費者の方にはとてもわかりやすいので、プラスチックはまたプラスチックになりましたというのはとてもわかりやすいだろうなというのは想像つくのですが、一方で専門家的な観点からいけば、初回のときの発言の繰り返しになりますけれども、樹脂として非常にチューニングされて設計された製品が、先ほど小寺委員からお話をいただいたのですけれども、ペレットとしてみればその機能を回復していますが、ベールとしてみてしまえば、全く材料としての機能のチューニングを外されてしまった素材になってしまっているので、そういう意味ではそこの機能はすごく落ちてしまっている。ですから、当然ですけれども、またポリオレフィンだけ出そうとすれば何らかのエネルギーが必要になるということなのですね。
 一方、燃焼あるいは還元剤としての機能というのはそれなりにもっているけれども、やはり塩素とかそういうものは、どこで使うにしても問題になってくる。そういう意味で化学的なというのが適切かどうかわかりませんが、どうも材料として、素材としての持っている機能をどのくらい生かせるかという観点が大事ではないかなと思っているところです。

○森口主査  ありがとうございます。
 私自身からも多少追加発言をさせていただきますと、小寺委員からご発言をいただいた、例えば軽くて丈夫ですとか、発熱量が大きい、化学反応ができるというような3点はあるかと思います。ただ、同じプラスチックでも、その処理によってかなり違う。これはその他プラの議論でありますので余り深入りすべきではありませんが、典型的にPETとここで議論しているようなポリオレフィンというのは、相当対局にあるのではないか。ペットボトルがRPF原料だとか高炉還元剤として適しているかというと、多分そうではないのだと思います。
 ですから、相対的に樹脂の種類によっても、どれに適しているかという意味では、化学的な性質というものとリサイクル手法とのかかわりという意味では、かなり一般化して議論ができる部分があるのではないかなと思っておりまして、ここは現在のその他プラスチックの材料リサイクル、ケミカルリサイクルということに関する議論から始まっているわけですけれども、作業チームの会合、合同会合全体を通じまして、より大きなプラスチックリサイクルのあり方にかかわる議論を再三いただいております。そういった方向性と矛盾のない方向に、特に容器包装プラスチックの今後のリサイクルといいますか再商品化の方法を向けていくべきであろうと、こういうところでこれまで議論いただいていると理解しておりますので、事務局のほうで、特に新しい議論ではなくて、これまでの再三出てきた議論をきょう改めて各委員のほうから確認をいただいたということかなというふうに思います。
 大体資料2から5までのところで予定した時間が来ておりますので、自由にどこでも優先的なところを議論いただけるように、資料6、7の説明を先に済ませていただいて、最後にまとめて質疑の時間をとらせていただきたいと思います。
 それでは、資料6と7の説明を事務局のほうからお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長  お手元の資料6と資料7を順に説明させていただきます。
 まず、資料6でございます。これにつきましては、両省で地域連携モデル事業というものを平成20年から実施しております。1地域2年間の事業で、それを4地域ずつ1年ずつずらしてやっておりますので、最初の20年度、21年度の4地域についてはことしの3月末で事業実施が終了したということで、一定の結果について報告をさせていただいております。
 資料6の1ページ目の3.の「モデル事業の実施結果」というところですが、最初の20年度から21年度にかけた4自治体、リストはその上にありますように福井市、三原市、札幌市、横浜市というところで、その地域においてはあらかじめ入札前に、ここは材料リサイクル、ここはケミカルのこの手法というふうに決めて、それを2年間やることによって、どういうふうにその効果があらわれるのかというものをみたところでございます。
 成果としては、1ページ目の3.の柱書きの「その成果として」というところで4行目に書いてありますが、分別収集量の増加、ベールの品質の向上、住民の分別意識・理解度の向上、こういったものがみられたところでございます。
 個別にみていきますと、まず分別収集量の増加につきましては、札幌市と福井市で増加をしているところがあります。ただし、札幌市につきましてはごみの有料化制度を導入したというのが1ページの下に書いてありますが、プラスチック製容器包装にもっていくと有料化の中で無料になるので、一生懸命そっちにもっていくということが働いたのではないか。これは札幌市の方もいわれておりました。
 2ページ目をごらんください。容器包装比率の向上というところですが、容器包装比率については3市において向上をしているということです。福井市について横ばいなのですけれども、全体として非常に高い値で推移をしているということがみてとれるかと思います。こういったベールとかごみに出てくる数字以外に、(3)住民の分別意識、理解度の向上というようなところがあります。幾つかのアンケートを実施した地域がございまして、例えば3ページのほうになりますけれども、区分についてしっかりと理解をしているといった人の割合でありますとか、また、リサイクルにいつ出していいのか、そういったものの正答率の向上とか、数字でいいますと、ちょっと戻りまして2ページのほうになるのですが、異物の混入割合というものが減るとか、そういった結果が出ているということで、総じていえば、ある種手法、事業の中身を住民に説明をしていけば、効果というものはあらわれるというふうなことがいえようかと思います。今回、複数年の契約といったものもオプションとして考え得るのかなというときの材料として、固定をして連携して取り組むことによって、制度全体の効率を上げることができるというようなこともいえようかと思います。
 個別については4ページから書いておりますので、必要があれば説明をさせていただきます。
 あと、昨年度から始まった事業については11ページなのですけれども、仙台市と羽島市と福山市と北九州市ですが、どうしても普及啓発の実を上げるとなると、2年ぐらいみないといけないということで、数字について明確なものがまだ出ているわけではございませんが、今どうやっているかというものを紹介させていただいております。
 次に、資料7でございます。こちらは他工程利用プラのカスケード利用であります。これについては、この作業チームでも議論になっているところでありまして、ヒアリングの際に2点指摘をされたところでございます。1つは、実際に材料リサイクルから出てくる他工程利用プラというものがケミカルリサイクルで使えないのではないか、使うにはまた技術的な問題があるのではないかという点が1点。もう1つは費用の面ということであります。
 1ページ目のところにありますように、ガス化と油化の事業者の方にご協力をいただいて、油化については材料リサイクル事業者の2社から、別々に搬入して実証実験をさせていただいた。実証に供したプラスチックの量は、そこに書いてあるとおりでございます。
 2ページから3ページにかけては、実際に他工程利用プラという形で材料リサイクル事業者から、A、B、C、3社ありますが、どういう品質のものが持ち込まれたか。他工程利用プラということで分析をしているその手順が書いてあります。A、B、C社の他工程利用プラの外観というのは、2ページのところにカラーで写真が載っているものであります。
 これの組成はどうなっているのかということで、その組成の分析の仕方は3ページに書いてありまして、A、B、C社のそれぞれの100トン、150トン、70トンからサンプリングをとります。そのサンプリングをとったものを、3ページの下ですが、PP、PE、PS、PET、PVC/PVDC、その他プラ、プラ以外、そういうふうに分けてやる。その分け方というのは、まず表記を注目してみます。4ページ目で、表記がわからなかったら、手触りとか外観、剛性、そういったもので判別します。さらにわからないものは、赤外分光光度計というものが判別するというのが4ページのほうに書いてあって、それでわからないものはその他としたと。
 その結果は5ページなのですけれども、3社の平均的な値をみますと、PSが最多で27%、PETがその次で22.4%、合わせて大体50%、半分ぐらいがその両者ということです。それ以外にPP、PEというのも40%ぐらい入っていまして、PVCとかPVDCというのは3.5%ということで、それ以外というのは意外と少なかったかなと思っています。
 6ページのほうは、3社ごとのものをさらに分けたわけであります。これを実際に実証実験ということで、ガス化1社、油化1社に処理をしていただいたのですが、結論は6ページの下に書いてありますけれども、基本的に問題なく利用できたということでございました。
 7ページのほうに総括を書いておりますけれども、ガス化については特に今の時点では、指摘としては、融点の高い金属とかセラミック等のプラ以外の異物が多過ぎると問題になる可能性があると指摘されていたのですが、そういった点については問題なかったということと、油化については、PETの含有量が多いと問題があるという指摘があって、実際にB社の分については、6ページ目のところにPETで35%と最多の割合にいっていますが、それでも今回は問題がなかったというところでございます。
 課題としての整理は、先ほども冒頭いいましたように、2点指摘されているような費用面というものは、今回は通常の処理をしていただきました。ケミカルのほうは、単価は入札単価と同じような35円から45円というキロ当たりの処理でしていただくのですけれども、産廃処理をしますと10円から15円ということで、その差額が出てくると。その差額を事業者の努力で埋めるのか、それとも何らかの措置を導入するのか、ここのところの価格差というのは厳然としてあるというのが事実であります。
 また、技術的な課題で使えるかどうかというのは、今回のケース、ガス化、油化にもっていったケースというのは使えることは使えましたが、その他の手法ではどうなのかということ。また、材料リサイクル事業者のそのほかのベール、今回3社ですけれども、それ以外のベールで用いた場合はどうなのかということも課題としてありますが、初めてこんな形で実験をやってみたところ、使えましたという報告でございます。

○森口主査  ありがとうございます。
 それでは、まず、今、追加でご説明いただきました資料6、7について、何か質問、コメントはございますでしょうか。
 では、平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員  聞き逃したかもしれませんが、資料7の他工程利用の実験でガス化と油化のところは、受け入れたプラを単体で処理されたのですか、それとも従来のプロセスに少しまぜたのか。少しまぜたぐらいでは、結局何も問題なかったという結論でしかなくなる。

○森口主査  ご協力いただいた事業者さんで、きょうご出席の方はおられないですか。では、それは事実確認をして別途、あるいは場合によっては、合同会合でもまたこのご報告をいただきたい。そのときまで正確にお答えいただくということでお願いできますでしょうか。

○上田リサイクル推進室長  一応支障がないかどうかをみるということなので、分けたはずなのですが、確認します。

○森口主査  支障がないと結論しておられるところに水を差すのはよろしくないかなと思うのですが、現実には、例えばPETの比率が高いというようなことは、支障がないとして一つの特徴なのだと思いますね。これは恐らくその他プラ、容器包装プラの中にかなりPETがふえてきているので、恐らくそのペットボトルのリサイクル製品としての利用ということもあるかと思いますので、法に基づくリサイクル、有効利用としてはこういうふうに粛々と進めるとこういうことになるかと思うのですが、一方で技術的観点から、これが果たして一番効果的なものなのかどうかといったところも出てくると思います。先ほどの資料5の2ページ目の大塚委員からご指摘いただいた[3]のところに、かなり集約されているかと思います。これまでの法律のもとでやってきたこと、最近、資源の有効利用であるとか、あるいはプラスチックのリサイクル技術のほうからみると、もう少しこうではないかという議論が今かなりぶつかり合ってきているところかなというのを、改めてきょうのこの資料6、7あたりも拝見していて感じたところでございます。
 資料6、7、あるいは前のほうに戻っても結構でございますが、あと10分ぐらい時間がございますけれども、何かご発言はございますでしょうか。
 では、辰巳委員、お願いします。

○辰巳委員  きょうの最後にご説明いただいた資料7の価格、コストのところがまだ理解できていなくて済みません。最後の7ページに書かれている「指定法人の入札価格とほぼ同等」、これはもちろん2段階目の値段だろうと思うのですけれども、最初にマテリアルのために落としている金額がありますよね、その金額プラスこれが要る、あるいはその中にこれが含まれると考えるのですか、そこらがわからなかった。

○上田リサイクル推進室長  現行では、マテリアルの事業者の方が処理する場合、ベール相当の処理費用、単価というのが7万円ぐらい。ですから、キロでやると70円ぐらい払っていただいている。その70円の中で他工程利用プラの処理もされていまして、それが例えば10円から15円ということであります。その枠の中でケミカルのほうで処理していただこうとすると、ケミカルの処理の費用はどうなるかというのは、一応入札価格とほぼ同等と仮定してみると、この差額の25円とか30円というものがアップになりますので、それがマテリアルの中の先ほどの70円とか80円の中に入れ込むことができるのか、どうしてもやはりアップするのか。今、現状、各事業者は皆ぎりぎりで操業されているというふうなことを考えれば、単純にいえば、その差額分が上乗せになるということになろうかと思います。

○森口主査  事実確認ですが、7ページ、今、辰巳委員からご指摘のあった「他工程利用プラスチックの処理費は1kgあたり10円~15円程度であり」というのは、これは再商品化事業者のコスト分析に基づくものですか。つまりベール1キロ当たりですか、それとも他工程利用プラの処理ネット1キロ当たりですか。それによって倍半分単価が違ってきますが、これは他工程プラ利用自身のネットの量当たりということですか。ということは、ベール当たりでいうとこれの半分ということでよろしいですか。

○上田リサイクル推進室長  はい。

○森口主査  ありがとうございます。
 小寺委員、お願いいたします。

○小寺委員  油化のほうで、他工程利用プラがPETの含有量が非常に多くても問題がなかったという結果を得ていらっしゃいます。ただ、原料にPETが多いと、ここにもあるように油にならないものが多量に入ってくるわけで、従来のベール品も入れる一方で、材料リサイクル業者と協調しながらいくことで操業も安定するのかなというふうに、この結果をみて思いました。PETがここまで多いと、安息香酸の影響も、腐食等非常に大きいだろうと。また、輸出にもかなり影響してくるのかなと。私自身油化をやっていますので思うのですけれども、例えば石灰の投入量がふえるであるとか、そういったプロセスの負荷も大きくなるのかなというふうに思いまして、よく注意してやっていく必要があると思いました。

○森口主査  平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員  今のご意見に関連して。PETが問題なかったといっても、油化されたのかといわれるとちょっと判断が難しいところかなと思います。安息香酸かテレフタル酸の塩ができているだけのような気もするので、そこまで深めて考える必要もあるかなというふうに思います。
 もう一つ、先ほども主査がお話しされたところですけれども、ペットボトルのリサイクル品が現在容器包装にかなり使われていて、差の再利用製品が全部その他プラ扱いになっていて、卵パックとか電気製品の小物のパッケージングとかにたくさん使われている。それが今、その他プラの回収ルートに乗っているということで、議論が、その他はその他、ペットボトルはボトルということになっていますが、PETと一緒にあわせてどういうふうに回収すべきか。せっかくPETのほうで進んでいるものをボトル以外に広げるということは、またそれはそれでたくさんの議論があるとは思うのですけれども、その他に入ると現状では必ずしも有効に利用されないというところから、もう少し広い目での制度設計が必要ではないかという観点が1点です。
 もう一つ、今回カスケード利用では、ケミカルを利用するという考え方ですけれども、現在、かなりサーマルも利用行われていると思うので、その辺はもう少し具体的に、サーマル利用のだったら問題がないのかどうかという点もぜひ知りたいと思います。
 それから、ちょっとサーマルといいかけて追加の意見ですが、全体としてもLCAの結果からみれば、サーマル利用を何げなく視界の外に置き続けて議論し続けているわけです。現在、法的にも一応緊急避難という形では許されているはずですが、現実には緊急避難的なことが起きていないので使われていないのですけれども、循環法の原則にはのっとりつつ、本当に環境負荷を下げるためにどういう仕組みがあるかという議論の中で、単に法的な理由だけで排除するのではなくて、本当に下げるためにはどういう仕組みがあるか。先ほど来、特にカスケード利用的なところも含めまして、これはちょっと先の議論になるかもしれませんが、議論の中に戻して入れていくべきではないかなというふうに感じております。

○森口主査  ありがとうございます。
 今2点目におっしゃったところについては、資料3のLCAの資料の中ではRPF利用、セメント焼成等の結果も書いてございますし、ごみ発電もサーマルということに一くくりされますが、これの間にはまた、LCAでみる限りは非常に大きな差があるということですね。サーマル一くくりという議論にならないように、またこれも注意が必要なところかなと思いますし、1点目に関しましては、ペットボトルが海外へ流出するぐらいなら国内でうまく回そうということで、わかりやすいリサイクルとして卵パックになってくると、またこちらの側でこういう問題が起きてくると。先ほど来、わかりやすいということがいいのかどうかというご議論もございました。この作業チームに課せられたバウンダリーの議論の中に収まらない議論が多々あるというのは再三申し上げているところなのですが、このあたりも含めて全体の議論に反映させられればなと思っております。
 それでは、小寺委員、お願いいたします。

○小寺委員  先ほど、私、PETから安息香酸といっていましたけれども、あれは微量成分であって、テレフタル酸の間違いです。安息香酸が出ないわけではないですけれども。
 それと、これは自分の反省も込めてなのですけれども、高炉還元剤やその他の方法で固形化が再商品化手法といってきた割には、同じ固形化のRPF、そういう点からいうと同じRPFも全体を見渡した上で議論すべきところが、材料リサイクルに関する諸問題が緊急性あるというのでそちらばかりの話になってきたけれども、今後RPFについても公平に総括した議論が必要なのかなと、ちょっと反省を込めてコメントです。

○森口主査  ありがとうございます。
 そろそろ時間が来ておりますので、ご議論はそのぐらいにさせていただきたいのですが、最後、小寺委員からご指摘いただいた点で申し上げますと、資料3にも同じような図が出てくるのですが、これもわかりにくいとおしかりを受けそうですが、資料5の10ページのところで再商品化の図化したものがございます。どこまでを再商品化と呼んでいるのかが、実はリサイクル手法によってかなり違います。この図の中では赤い矢印と青い矢印で、どこまでが再商品化で、どこからが再商品化製品利用なのかということを書き分けてございますが、場合によっては、RPF等も含めましてどこまでを再商品化と呼ぶのか、あるいはLCAにおいては、結局のところなかなか再商品化というところまでだけでは評価できない、再商品化したものがどう使われるのかということまで評価をしないとなかなか評価がしにくいということの中で、現行、一方で、政令で再商品化というのはどういうものだということを明確に定めてしまっているという事実もありまして、このあたり、再三ご指摘いただいているところではございますが、改めてきょう確認をいただいたというところかと思います。
 それでは、ほぼ時間が来ておりますので、議論はここまでとさせていただきたいと思います。
 合同会合につきましては、本日、資料2から7まで、根本的なところも含めましてかなりいろいろご指摘いただきましたので、これを修正したものをご報告させていただきたいと思います。シナリオには、修正につきましては私にご委任いただければと思いますと書かれておりますので、そのとおり発言いたしますが、いささか一任されてしまうのは荷が重いような気がいたしますので、ぜひご遠慮なく、きょう議論が尽くせなかったところを合同会合に向けましてご意見をいただき、また合同会合の場も作業チームの委員の方々兼ねておりますので、改めて合同会合の場でも、議論を適切な方向に導くべくお助けいただければと思います。
 本日は、長時間にわたり熱心にご議論いただき、まことにありがとうございました。以上で本日の審議を終わりたいと思いますけれども、今後の予定等について事務局から説明をお願いいたします。

○岡田リサイクル推進課長  本日はどうもありがとうございました。今後の予定等につきましては、本作業チームにおいて整理していただきました内容について、合同会合にてご報告、ご審議いただく予定ということでございますけれども、合同会合につきましては7月の中旬以降ということで、また別途、日程のほうは調整をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○森口主査  それでは、ちょうど定刻でございますので、本日の合同会合作業チームはこれで終了したいと思います。ご協力どうもありがとうございました。

――了――