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■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会、
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会
容器包装リサイクルWGプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会
合同会合作業チーム(第4回)議事録


午後3時00分 開会

○上田リサイクル推進室長 定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会及び産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会の合同会合作業チーム第4回を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。
 合同会合につきましては、事務局は持ち回りとさせていただいており、本日の事務局は環境省が担当させていただきます。
 まず初めに、お手元の配付資料をご確認いただきます。資料一覧をお配りしておりますので、資料の過不足等ございましたら、後ほどでも結構ですので事務局までお申しつけください。
 また、本合同会合作業チームの資料につきましては、原則すべて公開とさせていただいております。また、会合終了後に発言者名を記した議事録を作成し、各委員にご確認いただいた上でご了解いただき、公開することとしております。
 続きまして、本日の合同会合の出席状況でございますが、委員7人にご出席をいただいております。
 それでは、これ以降の議事進行を森口主査にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○森口主査 年度が明けたお陰か、本日は委員全員おそろいでございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、お手元の議事次第にもございますように、地方自治体、及び消費者の視点から市民団体の方々から、ヒアリングと意見交換をさせていただく予定でございます。
 ヒアリングに先立ちまして、事務局から資料2、今回のヒアリング事項についてご説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 お手元の資料2をご覧ください。
 これは以前お示ししたものですけれども、確認のため、ポイントだけ説明させていただきます。
 1ページは、地方自治体の皆様に対するヒアリング事項でございます。
 1つ目の○は、分別排出について住民からの要望、また、住民の理解を得る工夫、そういったものについてお伺いしたいということ。
 2つ目の○は、収集選別を行っている上で困っている事項とか、コストはどうなっていて、それを下げる提案はあるか、そういったことをお伺いしたいということ。
 3つ目が、高度化という観点から3つ例を挙げておりますが、そういったことを行う場合に問題が生じるかどうかということで、表示マークを付して材料用、ケミカル用といった形で分けるのはいかがかという点。また、ラップ類等、塩素分の多いプラスチックを特定して、それは燃やすごみとして収集してはどうかという点。3つ目は、容器包装の定義はそのままで、とにかく汚れを徹底して回避していくことができるかという点でございます。
 4つ目の○は、その他、制度の高度化に向けてどういった主体にどのような協力を求めることができるか。
 5つ目の○は、品質のよいベールを回収する市町村は、その材料リサイクル手法を選択できるようにした場合、問題はあるかどうか。
 その他、その下には、説明ではございませんが、意見提出をお願いした事項等を書いてあります。
 裏面は消費者代表の方々にお伺いしたことで、1つ目の○は、どの程度の回収頻度とか分別の程度だったら受け入れることができるのか、現状もうぎりぎりなのか、まだ余地があるのかという点。
 2点目は、高度な分別を行うために、具体的にどのような普及啓発の施策が効果を上げるのかという点。
 3つ目は、材料リサイクル、ケミカルリサイクル、こういった手法について消費者の方はどう見られているのか。
 4つ目は、ベール品質向上のためにどういった措置、取組がなされるべきと考えるかご提案をいただければということ。
 最後は、他の主体にどういう協力を求めたいかといったことをお聞きしております。

○森口主査 それでは、早速ですけれども、ヒアリングに移りたいと思います。
 各説明者からのご説明は、前回、前々回同様1件5分とさせていただき、順次ご説明をお願いいたします。終了1分前にベルを鳴らしたいと思います。それから、5分の終了時にももう一度ベルを鳴らさせていただきますので、速やかに説明を打ち切っていただくようにお願いいたします。
 すべてご説明いただいた後、まとめて意見交換を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日はヒアリング以外にも議題がございまして、全体の終了は17時30分を予定しておりますので、円滑な進行にご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、まず最初に、地方自治体の皆様にご説明をお願いしたいと存じます。
 初めに、札幌市環境局環境事業部清掃事業担当部長、石井和夫さまから、資料3、札幌市資料に基づきご説明をお願いいたします。

○石井説明員 札幌市環境局清掃事業担当部長の石井でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 事前にご提示いただきました説明事項に従いまして、ご説明させていただきます。
 まずは、札幌市のプラスチック製容器包装の分別排出の状況でございますけれども、資料3、札幌市資料の1ページにございますとおり、札幌市では、平成12年7月からプラスチックの分別収集を開始いたしまして、びん・缶・ペットボトルと同じ日に、別袋で収集をしておりました。
 しかしながら、これらは嵩ばるためごみステーションから溢れるといったことや、1日に2度に分けて収集が行われるため、まだ収集が終わっていないと勘違いをして、いわゆる後出しを誘発するなどの問題が発生してきたことから、昨年7月から、家庭ごみ有料化を含めました新ごみルールの開始に伴いまして、容器包装プラスチックとびん・缶・ペットボトルを別々の日に収集することにいたしました。
 なお、燃やせるごみと燃やせないごみ、いわゆる廃棄ごみにつきましては有料で、容器包装プラスチック、びん・缶・ペットボトルなどの資源物等は無料収集としてございます。
 この結果、資料4ページに表示しておりますとおり、容器包装プラスチックの収集量は30%増と大幅に増加するとともに、資料8ページにございますけれども、容器包装プラスチックへのペットボトルの混入割合が0.9%と著しい減少が見られてございまして、分別精度の向上が認められております。
 なお、容器包装リサイクルに関する市民要望につきましては、これまで私どものほうに、収集回収だとか分別内容等についての要望は特段ございませんでした。
 また、新ごみルールの導入によりまして分別排出が進んだ結果、リサイクルの推進が図られたというプラスの面がある反面、収集量が増加したことによりまして選別センターの処理機能が追いつかない、こういった問題も発生してきております。これらを解消するための方策といたしまして、資料8ページにございますとおり、収集された容器包装プラスチックに依然として約7%の燃やせるごみが混入されている、こういう実態から、燃やせるごみの混入割合をできるだけ減らし、選別効率の向上を図っていく必要があると考えてございます。
 また、民間ベースでの拠点回収機能を拡充することによりまして、白色トレーなどの容器包装プラスチックの市民の自主的な分別排出を促しまして、行政収集量、回収量の抑制を図ることが必要ではないかと考えてございます。
 次に、収集選別の高度化についてでございますけれども、まず、分別の細分化を図ることについては、市民の負担が増え、特に高齢者にとっては細分化された容器包装プラスチックの分別を理解することが容易ではないと考えられます。さらに、札幌市は年間の転入者が7万人近くに上っておりまして、転入件数を含めた人口の移動が非常に多く、より細分化されたごみ排出ルールの周知、定着を図ることが困難な面もございます。
 例えば材料リサイクルプラスチック、ケミカルリサイクルプラスチックなどに分けて収集するとなれば、それぞれ別の収集車で収集しなければならないことから、収集経費の増大、プラスチックの種類別の選別ラインを設ける必要もございまして、新たな設備投資が必要となることから、これらの財源確保の問題が生じてまいります。
 次に、塩素分の多い容器包装プラスチックを燃やせるごみとして収集することについてでありますけれども、札幌市の場合は、材質を問わず製品プラスチックを燃やせるごみとして収集し、焼却していることから技術的には可能でございますけれども、分別の細分化と同様に、市民の分別への負担感という問題が生ずると思われます。
 排出容器のすすぎの徹底などの汚れの除去につきましては、これまでも、水ですすぐ、中味を使い切った状態で排出するよう市民に対しPRをしてございまして、引き続き汚れの除去の徹底についてのPRを継続してまいりますけれども、現行のルール以上の汚れの除去を市民に求めることは、現実的には困難であると考えてございます。
 このため、市民に過度の負担増とならないよう、生産者によるリサイクルしやすい製品の開発も非常に重要ではないかと考えてございます。
 最後に、プラスチック容器包装リサイクル制度についての札幌市の考え方でございますけれども、同制度への参加自治体を増やしていくためには、市町村のリサイクルに係る収集・選別・保管費用の負担のさらなる軽減、リサイクル手法の選択につきましても自治体の意向を反映させることなど、自治体の参加意欲を向上させる仕組みづくりが必要ではないかと考えてございます。
 また、現在の指定法人の入札システムにつきましても、単純な価格競争ではなく、材料の収集・運搬時に発生するCO2の排出量を勘案するなど、環境負荷低減の視点を加えました総合的な入札システムを構築する必要があるのではないかと考えてございます。
 以上で札幌市からの説明を終わらせていただきます。

○森口主査 ありがとうございました。大変時間が限られておりまして、申し訳ございません。
 続きまして、仙台市環境局廃棄物事業部リサイクル推進課長、遠藤守也様から、資料4、仙台市資料に基づきご説明をお願いいたします。

○遠藤説明員 今回は、私ども仙台市の廃プラスチック製容器包装リサイクルに係る現状と課題、今後の法制度への要望等について申し上げたいと思います。
 資料4の2ページのとおり、本市は政令市として札幌市、名古屋市さんに次いで容器包装の対象となりました平成12年度にモデル事業を行い、平成14年度から全市で開始いたしました。そのとき市民啓発のために登場したのが、このキャラクターの「ワケルくん」でございます。平成16年度にはワケルネットというホームページを開設し、プラスチック製容器包装の分別推進をはじめ、ごみ減量・リサイクルについて市民に情報を発信してまいりました。
 3ページのとおり、プラスチック製容器包装の回収量は1万3,000トンから4,000トン台で横ばいとなっております。
 なお、分別収集当初から、本市の場合ですと市民が分別排出に協力し、異物の割合は回収量の3%程度と少なくなっています。
 平成20年10月からは、さらなるごみ減量・リサイクル推進のため、家庭ごみ等の有料化を実施いたしました。4ページにありますとおり、有料化開始後1年間では、家庭ごみは前年同期と比べまして19.5%減少し、18万2,000トンとなりました。プラスチック製容器包装につきましては微増で、1.4%増加し、1万4,000トンとなりました。
 さて、今回のヒアリングのテーマは大きく9つありますけれども、前段の4項目について回答説明いたします。
 1点目の容器包装に係る市民の要望等につきましては、5ページのとおり、分別当初から市民からは、対象がわかりにくい、プラスチック製品はなぜ出せないのか、何にリサイクルされているのかという問い合わせが多く、平成20年の家庭ごみ等有料化の地域説明会においても同様の問い合わせが多くございました。本市では、これらのことから、分別排出の市民理解のために、まず、プラスチック製容器包装の分別収集の全市実施に向けて約900回、家庭ごみ等有料化の実施に向けて約2,000回の地域説明会を開催して、周知に努めてまいりました。また、ワケルネットの開設、6ページのごみ分別辞典の全戸配布や町内会等を対象とする施設見学等の際には7ページの選別施設のパンフレットの配布、さらにキャンペーンなどを通じてプラスチック製容器包装の分別について、周知を図ってきたところです。
 家庭ごみ等有料化導入に当たりましては、市民の分別排出について、経済的なインセンティブが働くよう、プラスチック製容器包装の手数料を家庭ごみの約60%に設定しました。
 次に2点目の、コストの現状と抑制策についてでございますが、8ページにありますとおり、プラスチック製容器包装の処理コストは家庭ごみの約2倍の6万円を要しております。コスト削減方策については、選別施設の建設から業務まであわせた民間委託にしています。収集運搬につきましても、家庭ごみの収集回収を週3回から2回に削減して、その1回分をプラスチック製容器包装の収集に充てました。そして、家庭ごみとあわせて収集を民間委託いたしまして、車両運用の効率化を図っております。
 3点目といたしまして、収集の選別の高度化の取組につきましては、9ページのとおり、そもそも市民には、なぜ同じ容器包装でも対象とならないものがあるのか、さらに、同じ素材であってもプラスチック製品はなぜ対象でないのかという疑問が多くあります。そのためにプラマークの確認という手間をかけて、分別しているという状況です。
 また、何にリサイクルされているのかわかりにくい。特に高炉還元については、ただ燃やしているだけではないかという誤解がまだ根強く残っておりますので、市民が身近に感じられる材料リサイクルというのは、必要な手法であると考えております。
 プラスチック製容器包装のリサイクル手法による細分別化につきましては、現在の市町村の収集・運搬体制では対応できませんし、選別ラインの増設や選別要員の増加など、さらなるコスト負担になります。材料とかケミカルとか、その用途に合った選別の基本というのは、やはり再商品化施設での対応を望むところでございまして、市町村の引き渡し基準については、今、材料リサイクルが中心とされていますけれども、ケミカルリサイクルのものとした上で、さらに材料リサイクルを行う際には、事前に選別された他工程利用プラスチックをカスケード利用していくのが望ましいのではないかと考えています。
 最後に、容器包装リサイクル制度の高度化に向けた要望といたしましては、11ページにありますとおり、市民理解を得るために、プラスチック製容器包装だけではなくて、製品を含めたものを対象とすべきと考えます。さらに、収集運搬、選別や施設整備については財政負担が大きいことから、札幌市さんもおっしゃっていましたけれども、適正な費用負担、拡大生産者責任の考えのもと、特定事業者が収集運搬や選別を含めた費用を負担すべきと考えております。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 引き続きまして、消費者・市民団体代表からご説明をお願いしたいと思います。
 まず、容器包装の3Rを進める全国ネットワーク、中井八千代様から、資料5に基づきご説明をお願いいたします。

○中井説明員 よろしくお願いします。
 2000年に容リ法が完全施行されてから、ごみ量は少しずつ減少していますが、2010年までに2000年比で1人当たりのごみ量を20%削減するという循環基本計画が閣議決定されていました。しかし現在、実際にはその半分しか達成できておりません。
 ごみが減らない大きな理由としては、3つあると考えています。
 まず、「発生抑制」という文言が容リ法に入らなかったことから、1本当たりの軽量化は進んだのですが、総体としての減量が進まなかったのではないかということ。2つ目は、特にその他プラスチックの収集費用が非常に多くかかることから、取り組めない自治体がまだたくさんあるということ。それらがすべてごみになっています。3つ目は、プラマークが非常にわかりにくい、そして小さい容器についているものは見えないという声を多く聞きます。それらをわかりやすくしなければならないこと。それと同時に、「汚れたプラスチックはごみに入れること」と指導されております。多少の汚れでも、かなりごみに入っているということが、この減らなかった大きな原因だと考えています。
 この達成できなかった循環基本計画の削減目標ですが、2015年まで先送りされています。この目標達成のために、これから8つの提案を、いただいたヒアリングの設問にもお答えする形でしたいと思っています。
 一つ目、事業者の皆さんに、製品の設計段階からごみにならない製品づくりを進めてほしいと思っています。まず過剰包装をやめること、それから、汚れが落ちやすい形状と材質に変えていくこと、そして単一素材化を進めることなど、環境配慮設計を徹底してほしいと思っています。
 二つ目、マークは、見やすく、わかりやすく、そして厳格につけてほしいと願っています。塩ビ製品やアルミ蒸着の複合素材など、リサイクルに向かない製品にもこのマークがついています。ぜひこれらのものにはマークをつけず、代替制を進めるためにも課徴金も含めて考えてほしいと思っています。
 また、「軽く汚れを落としてリサイクルに出してください」というメッセージをつけることが、今、分別に参加していない人への行動を促すことにつながると思っています。
 三つ目、品質の向上を図るということについては、今、店頭回収が非常にきれいに集められています。あるトレー会社は、納入後の配送車で回収されたトレーを持ち帰って再商品化しています。ぜひこの自主回収をペットボトル等、他の製品にも拡大することで、社会的コストが大幅に削減できることと思います。この自主的取組を支援する仕組みや、また、そこにきれいにして持ち込み協力する消費者がポイントなどでお得になる仕組みを併せることで、回収量も増え、集客にも結びついていくのではないかと思っています。
 また、自治体も、自治体内の事業者に強くこの店頭回収を働きかけたり、また、広報等で支援するということも進めること。
 4つ目、今、自治体と再処理施設で二重に選別されています。ぜひ再処理施設に一本化して、利用用途に応じた選別にしてほしいと願っています。
 5つ目、有効な普及啓発として資源の行方の見える化をぜひ進めてほしいと思っています。消費者にとりまして、コンパネとかパレットは、なかなか馴染みの薄いものです。これらをどういう流れで分別するとどんな製品ができ、どれだけ利用されているかなど、ぜひ広報などを使って見える化を進めてほしいと思っています。
 また、自治体に対しましては、廃棄物会計をわかりやすく消費者に公開して、循環コストの見える化も進めてほしいと思っています。
 六つ目、国に対しましては、循環基本法の趣旨にのっとり、拡大生産者責任に基づいたリサイクルシステムを法制化してほしいと願っています。
 七つ目、レジ袋の無料配付を禁止することも進めてほしいです。
 八つ目、教育機関や官公庁などでは使い捨て容器の利用をやめること、そして発生抑制の有効な手法としてリユース容器を推進してほしいと願っています。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございました。
 それでは、本日、ヒアリングとしては最後になりますけれども、NPO法人持続社会を実現する市民プロジェクト代表理事、服部美佐子様から、資料6に基づきご説明をお願いいたします。

○服部説明員 NPO法人持続社会を実現する市民プロジェクトの服部です。よろしくお願いいたします。
 私たちの団体は、まだ発足しまして半年ほどなんですけれども、メンバーは、約20年ぐらい廃棄物問題あるいは環境問題にかかわってきた事業者、市民、自治体職員で構成されております。今後、活動の幅を広げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 3ページに、「プラスチック製容器包装リサイクルの課題」として6つ挙げてあります。今日は時間が短いということですので、重点的に2)の、消費者にとって適正な分別排出とはというところと、あと、こちらの検討会の目的でもあります再商品化手法につきまして、ご説明したいと思います。
 消費者にとってプラスチック製容器包装の分別排出、今、いろいろお話がありましたけれども、最初の分別収集というのは大変戸惑うこともあると思いますが、プラマーク、大体慣れてくるかなと私は思っております。ただ、同じ素材でありながら製品プラスチック、あるいは、よく「汚れをすすいで」という啓発がありますけれども、その辺り、非常に一般の消費者の方にはわかりにくいのではないかと思っています。
 その2点につきまして、どのように今後、改善していくかということお話ししたいと思うんですけれども、自治体の中にはすごく市民啓発が行き届いているところもありますし、また、うまくいっていないところもあるという中で、私としましては、8ページに書いてあります東京都多摩市の分別方法。
 こちらの自治体では、プラスチック製容器包装という区分はしておりません。先ほど来お話がありますように、汚れた、汚れない、あるいは製品プラというプラスチックでも非常に混同してしまうところを割とすっきりと分けておりまして、汚れの落ちにくいプラスチック、あるいはきれいなプラスチックという分別をしております。
 もう一点、その汚れの落ちる、落ちにくいという話と別に、きれいなプラスチックの中に製品プラスチックも含めています。自治体の中には製品プラスチックをリサイクルしているところもあるんですけれども、これはごみ処理の感覚で、お金をかけてリサイクルしているところはいかがなものかなと思っておりまして、製品プラスチックは単一素材が多いので、これは有償で取引することができる。マテリアル事業者さんにとっても非常に有効かなと思っています。
 ただ、汚いプラスチック、私は余り上級レベルに分別を設定してしまうと、やはり一般の方は非常に分別しにくい点もありまして、この辺り、汚いプラスチックを焼却することにつきましては、環境省のほうで、これが決してリサイクルに水を差すものではないということを明言していただきたいと思っております。
 再商品化手法につきましては、マテリアルかケミカルかということが議論されているわけですけれども、消費者にとってはマテリアルが非常に馴染みが深いと思っております。また、フローの委員会では再生プラ、容リプラでつくった製品を還元する声も多かったので、ぜひこの辺りは特定事業者さんに、容リプラを使った製品を進んで使っていただきたいと思います。
 ですが、すべてマテリアルで可能かということなんですけれども、いろいろヒアリングを伺っておりまして、すべてマテリアルというのはかなり難しいなと思っています。いろいろな手法を将来的にも伸ばしていただきたいということで、私としましては、落札量5対5、現状を維持していくのでよいのではないかと思っています。
 消費者のヒアリングでは、一番この辺りが重要なのかなと思うんですけれども、誰もがわかる分別、それを生かす仕組みという点では、やはりマテリアルはコストが非常に高い。残渣までも含めまして再商品化費用の中に含まれている、ここは非常に軽減しにくい部分ではないかと思いまして、やはり入り口であります分別のやり方、これが理想でありますけれども、汚れたものは無印、マテリアルはM、ケミカルはCということで分別できないかなと思っています。
 すみません、時間が来てしまったんですけれども、リサイクルの高度化に向けてということでは、1点、特定事業者さんに提案をしたいんですけれども、ヒアリングの中では、安い方法、あるいは複合素材がOKだからケミカルがいいといったご発言がありましたけれども、やはり委託費用の点だけでこういったことを決めてしまうのはよくないと思っております。それで事業者さんに提案したいのは、やはりリサイクルしやすい製品づくりという点で、そこをぜひ重要なポイントとして、これからも製品づくりを望みたいと思っています。
 時間が来てしまったので、以上です。

○森口主査 ありがとうございます。
 いつものことながら大変限られた時間でございまして、大変申し訳ございませんでしたが、後ほどの委員との意見交換の中で、ご説明が足りなかった点を補足していただければと思います。
 意見交換に入ります前に、もう一つ資料の説明をお願いしたいと思います。
 今回、2つの自治体さんにご説明をお願いいたしましたけれども、全国には市町村が大変たくさんございますので、事務局のほうで市町村を対象として、容器包装リサイクル法のプラスチックのリサイクルに関するアンケート調査をしていただいております。
 事務局から、資料7につきまして10分程度でご説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 資料7をご覧ください。
 これにつきましては、今年2月の終わりから3月にかけてアンケートを実施させていただきました。趣旨としては、現在のマテリアル、ケミカルの再商品化手法の中・長期的課題について、自治体に関係するものを聞こうということですが、期間が短かった関係もあり、すべてについて細かく聞いているわけではなくて、回答率がなるべく上がるように工夫をして聞いたところでございます。お陰様をもちまして、97%ぐらいの回答率でございました。
 結果につきましては、2ページの全体の概要がありますけれども、幾つかピックアップして3ページ以下でご紹介したいと思います。
 まず、問1は、分別収集されているかどうか、容リ法の制度を使われているかどうかということで、全部プラスチックに限定しておりますが、使われているのが5割以上、分別収集はしているけれども、それ以外のルートを使っているのが11%となっております。
 燃えるごみ、その他で言いますと、ほとんどは燃えるごみと一緒に収集というふうな形で、3割弱になっております。
 4ページは、その分別収集、容リ制度を使っているという市町村に、現在の制度についての不満な点、直すべき点というご要望を聞いたところであります。今回のヒアリングにも重複しますが、最も多かったのは一番上の回答で、収集・選別・保管に係る費用負担を軽減してほしいというのが7割弱でございました。次に多かったのは、容器プラと製品プラをまとめてリサイクルできるようにしてほしいというのが過半数あったところでございます。
 次に、容器包装リサイクル法の制度ではなくて独自に処理をされている市町村の方に、「理由は何ですか」と聞いたのが5ページでございます。
 理由で最も多かったのは、手法とか事業者を選べるといったところが1位でございますが、それとそんなに遜色ない数字で、収益が得られるからというふうなところが3割弱ございました。その次には、製品プラも一緒にリサイクル可能であるといったところでございます。
 6ページでございますけれども、いずれにせよ分別収集しているという自治体の方に、住民に対してどういうことを情報提供されているかを聞きました。環境保全上の効果よりも、まずリサイクルされたものがどういうものになっているのかが一番多かったところであります。
 7ページは、この分別収集した自治体で、先ほどの情報提供の中で「やっている」と回答したところについて、どういう媒体を使われていますかというところですが、ごみカレンダーとか広報紙といったものが当然あるんですけれども、町内会での説明会等、何か説明するだけではなくて、実際にフェイス・トゥ・フェイスでやらないと理解が進まないところもあるのかなという数字が見てとれます。
 8ページは、問1で分別収集を「していない」と答えたところに、その理由を聞いています。
 理由としては、まず一番多いのは、費用が高くてできないということ。あと、手間がかかるので住民の理解が得られないというのがあるんですけれども、それと同じぐらいに、現行、焼却、埋め立てで問題なく処理できているといったこともかなりの割合を占めているところでございます。ここは複数選択可で聞いております。
 ここからは、幾つかの改善の提案について自治体の方に聞いております。
 まず、手法の選択ということについて聞いております。
 手法の選択について、選ぶとしたらどれがいいですか、また、希望はありますか、選べるほうがいいですか、選び方はどれがありますかということで、最も多かった回答は、特にどの手法という希望はないけれども、制度として組むんだったら希望を聞いてもらえるほうがいいというのが41%。どれか手法を選ぶというのは、材料、ケミカルで、それぞれ8%程度ということで、制度として聞けるものがいいというふうな形になるとすると、先ほどのものを全部足すとすると過半数、6割弱かなというところです。それ以外に、特定の業者とか地元といった回答も1割程度あるし、以外と多かったのが、特に希望はなくて現行のままでよいというのが3割いらっしゃいました。
 では、選べるようにするための方法としてどういうことが 単純に、選べるんだったらそれがいいというのはイコールになるんですけれども、少し条件をつけてみたらこの数字がどう変わるだろうということで、まず、高度なベールを条件付で市町村が手法を選択できることにするのはどうかということで、それでもいいという人と、それぐらいなら現状のほうがいいという人、また、そもそも現行の入札制度がいいという人ということで、ベールの品質を条件にしてもいいよと言われた方は、全体の4分の1でございます。むしろ効率的に決定される現在の方法でいいと言われた方が過半数いらしたということでございます。
 次は、手法の選択ではなくて、製品プラスチックとの混合について聞いております。
 製品を一緒にやることについて、検討に値する、またはぜひ導入すべきといった市町村、合わせて5割を超えておりました。
 では、その検討の余地ありと言われた自治体の方々に、費用について伺ってみました。
 費用について、そもそも事業者が負担すべきであるといった方、これは4番の問ですけれども、それ以外に幾つかの条件分けをしていまして、とにかく住民とか環境のことを考えれば、費用を負担してもやっていいと言われた市町村、これが1番ですね。また、任意に、選択制にするならいいよと言われた市町村。任意にして、かつ品目を限定する。例えばごみ収集袋だけとか、選択をするといったもの。これは複数選択可としたので、一つの考え方として4番と1、2、3は排他的であるかなと考えれば、全体の4分の1ぐらいは費用負担をしてもやってもいいのではないかということですが、残り4分の3は、費用については事業者が負担すべきという意見を持たれているところでございます。
 最後は、地方自治体のごみ収集についての会計の問題でございます。
 現行、費用について明らかにしているのは2割弱の自治体でいらっしゃいました。それについて、14ページですけれども、今後さらに明らかにするという形で、幾つか方法がある、その明らかにする方法について聞いておりますが、一応環境省のほうで一般廃棄物会計基準といったものを設けておりまして、それについて、既にそれを導入されている方はまだ7%ぐらい。今後、必要があればやってもいい。ただ、全部入れるのではなくて、この議論に必要なものだけ入れてもいい、全部合わせると、それで3割ぐらいという形でございます。それに加えて人員等の確保、そういった、これを入れるだけでも大変な作業なのに、そういったものがあればというのを加えると、ようやく過半を超えるといったところでございます。
 それ以外に、実際には、既に独自の方法で原価計算を行っていて、この基準ではないんですが、それに基づくことで明らかにすることは可能と言われている方が2割弱ということで、全部足すと8割の自治体が、何らかの形で条件が整えばやっていいと言われたのかなと思っております。
 その他「ご要望がございましたら自由にご記入ください」ということで、15ページ以下、書いておりますけれども、それにつきましては、2ページに最も主要なものを並べておりますので、こちらをご覧いただければと思います。
 表示マークに関する意見では、表示マークについて、現場では若干まだ混乱があるので、わかりやすくとか、大きくとか、また、容器以外のものにつけない等を徹底してほしいといった意見がございました。
 製品等のプラスチックについては、基本的には住民の理解にもプラスになるということで、積極的な意見がございました。
 特定事業者に関する意見については、非常に小さな袋に入っている調味料等で、なかなかきれいにするものが難しいものは、指定から外してほしい。これは事業者にというよりは、もしかしたら制度に対する意見かもしれませんが、そういったことがございました。
 また、素材の統一とか店頭回収、これも今日、市民代表の方からありましたが、店頭回収の設置状況も店によって差があるので、ぜひ進んでいないところには働きかけを強めてほしいといった意見がございました。
 最後に、リサイクル事業者に対する意見については、幾つか選択の幅を設けてほしいとか、あと市町村ほうに、これは市町村の方から出た意見ですけれども、きれいなものを集めた市町村はもっと優遇する等の工夫といった意見がございました。
 あと、距離についてはなるべく近くということで、同一市町村というところまでは言われないのかなとは思いましたが、立ち会いできるような場所、また住民が見に行ける場所に再商品化事業者があるものがいいといった意見がございました。

○森口主査 それでは、意見交換に移りたいと思います。
 資料3から6まで、2つの自治体、2つの市民団体からのご説明、それから資料7は環境省のアンケート調査の結果でございました。本日は私を含めて7名の委員全員出席でございますので、質問につきましては全体で40分ぐらい時間をとってございますけれども、なるべく簡潔にお願いしたいと思います。関連する質問がありましたらまとめてとらせていただいて、それぞれからお答えいただくという形をとらせていただきたいと思います。
 いつものように、ご発言を希望される委員はネームプレートをお立ていただきますようお願いいたします。

○石川委員 説明ありがとうございます。
 まず自治体側で、札幌市さんと仙台市さんに教えていただきたいのは、札幌市さんから具体的に、まだ容リプラの中に燃やせるごみが混入しているということでしたが、それは具体的にどういうものなのか、おわかりの範囲内で教えていただけませんでしょうか。
 それから、生産者へのリサイクルしやすい設計ということを皆さん共通におっしゃっていました。それぞれニュアンスはちょっと違うのかもしれませんが、もうちょっと具体的に教えていただけないかと思います。
 中井さんの場合は、たしか具体的には複合素材を使わないというご提案がありましたけれども、例えば食品で傷みやすいもの、ハムとかソーセージとか、お漬け物とかいろいろなものがありますけれども、私の知る限り、これは全部複合素材でパッケージされている。そうすると、使わないということになると、どういうふうにして売ることを想定されているのかを教えていただきたいと思います。
 服部さんにも、やはりリサイクルしやすい製品を開発すべしという、事業者向けにありましたけれども、それは、例えば複合素材だとかそういうものに関しては何か「こうするべきだ」というご提案があるんでしょうか。それとも別なところを見ているのか。
 質問の趣旨は、要するに、容器包装リサイクル法では複合素材のフィルムをどうするかが多分、非常に重要なので、そこのところについて教えていただきたいということです。

○森口主査 今の点に直接関連するご質問が他の委員からございますか。
 特になければ、それぞれお答えいただきたいと思います。

○石井説明員 組成調査の中味についての資料は特に今日は用意してございませんけれども、先ほども自治体の意見の中でありました、いわゆる紙製の容器なども多く含まれております。ただ、現実に、プラスチックなのか紙なのかわかりにくい、そういったものが多く混入されている例があります。
 それから、これは札幌市においても地域特性がありまして、やはり若者が多い所とかそういった所については、そもそも分別すらなかなかはっきりしていないということで、いわゆる鼻紙だとか、そういったものも一部混入しておりますけれども、やはりプラなのか紙なのかはっきりとわかりにくい、そういったものが依然として混入しているということで、去年、有料化する前の比率とほとんど変わってはいないんですね。容器包装そのものは増えていますけれども、いわゆる異物についてはそれほど減っていないということで、これは自治体側からのPRも必要ですけれども、やはりもうちょっとわかりやすい表示だとか、そういったことも事業者さんに工夫してもらう必要があるかなと考えています。

○遠藤説明員 私どもでは異物そのものが大体3%と、もともと少ないところです。その3%の内訳といたしましては、やはりプラスチック製品関係が多いと思われます。その他ライターですとか乾電池とか、はたまた携帯電話ですとか、そういった全然想像もつかないようなものも中にはございます。
 異物が3%と少ないのは、プラマークを確認し、分別するということを理解している市民が、分別を徹底している一方で、それ以外で分別が促進されていないこともあるのではないかと考えています。

○森口主査 生産者へのリサイクルしやすい設計、あるいはリサイクルしやすい材料選択ということで、ご質問がございました。傷みやすい食品などに対する包装という話もありまして、一方で、食の安全を求めるのも消費者からの要望ということもあり、事業者としてはそれに対応しておられるというご説明があったわけでございます。
 その辺り、ちょっと私のほうから多少論点を追加させていただきましたけれども、そんな点につきまして、中井説明員、服部説明員、続けてお答えをお願いいたします。

○中井説明員 先ほど申し上げましたように、塩ビとかアルミ蒸着とか、リサイクルに向かない素材というのがあると思います。そういうものはやめてほしいと言っているわけです。
 例えばプラスチックとプラスチックの複合ということは、仕方が無いと思いますがなるべくリサイクルに向くような、そして環境負荷も少なくなるような素材に転換していってほしいということです。

○服部説明員 今、ご質問ありましたように、プラスチック製容器包装の中で、やはり複合素材でなければならないものがあるということは、私もそう思っておりますが、ただ、複合素材、何でも複合素材にしてしまえばいいという話ではなくて、資料の中にも書きましたけれども、単一素材がもし可能であるならば、そちらの方向を事業者さんにもぜひ開発していただきたいということで、そのインセンティブとしましては、そういった複合素材から単一素材に切りかえた製品あるいは事業者さんには特典を与えるという、逆にやむを得ない場合は仕方がないかなと、1つにはそう思っております。

○森口主査 石川委員からのご質問、もし自治体さんもお答えいただける部分があれば、お答えいただいたほうがよろしいかと思います。仙台市さんの資料の中にも「リサイクル配慮設計」という言葉がございましたので、もし何かつけ加えることがございましたら、お願いいたします。

○遠藤説明員 消費者団体の皆さんがおっしゃるとおりでございまして、基本的には、リサイクルできるもの、できないものという科学的なり客観的な指標があって、それでプラマークをつける、つけないという議論をすべきです。やはり分別排出の段階で分かりやすく整理することが現行のシステムを円滑に、継続的に分別するためには必要ではないかと考えています。

○崎田委員 まず、自治体の皆さんにお伺いしたいんですけれども、たまたま両市とも、家庭ごみ有料化を非常に大きなきっかけにして市民のきちんとした排出意欲を創出しているといったことが感じ取れたんですけれども、こういう容リ法以外の手法、家庭ごみ有料化という手法をとることが、きちんとした分別排出にどういう効果を与えると思っていらっしゃるか、コメントをいただければありがたいと思っております。
 あと、会計を公開してくださっている自治体が今、10%未満。やはりこの会計をある程度公開していただくことが、これからの議論のときには大変重要になってくると思うんですけれども、その辺、今、公開していらっしゃらないところが公開するに当たって、どのように……。その辺のことに関して、やはり私は公開していただいたほうがいいと思っておりますので、その辺に関して、また、今、やっているところが1割弱という現状に関して、自治体が今後どういうふうに取り組んでいったらいいかという辺りをご意見いただければありがたいと思います。
 市民団体のほうは、いろいろ発生抑制とか商品設計のことで積極的にご意見いただきました。ありがとうございます。
 私もそういう基本は大事だと思っておりますが、もう一つ、私たちが分けるときに、私たちがこれ以上きちんと分けるのはかなり難しいというようなご発言もありまして、どこまで消費者がきちんと分けることに参加できるかという辺り、普段どういうふうにお考えか伺えればありがたいと思います。

○辰巳委員 関係して1つ。また後で言わせていただきたいんですけれども、私もやはり会計のことで、仙台市さんでは家庭ごみの処理の普通の単価が3万円ぐらいで、プラの場合は6万円ぐらい、そういう数値をお出しくださっているんですけれども、札幌市さんはやっていらっしゃるのかどうか、もしあるなら、どんなものなのか。

○森口主査 11ページにお出しになっているということでよろしいですか。5万円ぐらい……。札幌市さんの資料ですと、11ページでよろしいですか。

○辰巳委員 申し訳ございません、見切れなくて。

○石井説明員 10ページ、11ページです。

○辰巳委員 では、結構です。それに対して、どう思っておられるか。金額は出ているんですけれども、その違いとか、それに関してどういうふうに思っておられるかということだけ。

○森口主査 辰巳委員がご指摘になった点に、私から1点だけつけ加えさせていただきたいと思います。
 札幌市さんの最新のデータで約5万円、これは年々下がってきている数字をお示しいただいていますし、また、仙台市さんでも6万円ぐらいという数字だったでしょうか。これは平成16年度でしたか、前の容リ法の審議のときに、随分この辺りの数字が問題になったかと思いますが、当時の数字に比べると、可燃ごみ全体との差が随分縮まってきているような気がいたします。その辺りについて、両市で特に何か感想めいたことというか、ご意見いただけることがあればちょうだいしたいと思います。
 また、崎田委員からちょうだいした会計の公開に関しては、2自治体だけではなくて、場合によっては、今日、全国都市清掃会議の佐々木委員にもご出席いただいておりますので、もしできましたら、後ほどご発言をいただければありがたいと思っております。

○石井説明員 家庭ごみの有料化による、いわゆる分別の効果といいますか、先ほども申し上げました4ページに書いてあるとおり、容器包装プラスチックでは30%、びん・缶・ペットボトルで15%。
 ただ、それ以外に、実は3ページの表にもございますけれども、従来、燃やせるごみとして処理しておりましたいわゆる雑がみ、いわゆる汚れていない紙、使用済みでない紙というか、これと、それから枝・葉・草、こういったものも資源リサイクルするということから、いわゆる燃やせるごみについては相当量減ってきている。リサイクルできるごみは、基本的には札幌市は有料ではなくて無料、そういったインセンティブも働くということで、これまで何気なく出していたけれども、やはりお金がかからない方法で出せるということで、そういう面で分別意識が高まって、いわゆる廃棄ごみが37%、4割近く減った、こういった効果がございますし、市内に4つある清掃工場のうち1カ所、4月から運転休止をしたということで、いわゆるコスト面でも相当削減が図られつつあると言えるかと思います。
 それから、会計でございますけれども、いわゆる廃棄物会計というのは札幌市では取り入れておりません。ただ、議会筋からもこういったことをやるべきだといった意見もございます。ただ、先ほど自治体のアンケートにもありましたけれども、やはり人員増だとか手間だとか、そういったこともありますので、今後、検討していきますといったお答えはしています。
 ただ、通常の、いわゆる会計システムの中で、今、取り入れている歳入歳出会計、こういったものは、当然のことながらホームページ等でも公開しておりますし、これは従前からそういう形でお示ししております。ただ、一般の市民の方にはなかなかわかりにくいといったこともございますし、特に人件費については、会計の中で入っているものと入っていないものとがあるということで、わかりづらいというご指摘もございます。
 それから、コストでございますけれども、先ほど委員長からもお話がございました。札幌市では現在、容器包装プラスチックの収集・処理の単価、トン当たり5万1,000円ということで、これは年々低減傾向にございます。一方で、排出量が若干ではありますが増えていますから、当然単純な算数でいきますと、収集量が増えれば単価が安くなる、こういった面もあろうかと思います。
 収集のほうでも、直営でやる場合と委託でやる場合とそれぞれコストが違いますので、どちらの割合で収集が多いかということにも左右されています。札幌市の場合は容器包装プラスチックは、どちらかというと委託で処理をしているということもございまして、同じく10ページにありますびん・缶・ペットボトル、これは直営部隊が多いということもありまして、倍近くのコストというのもありますけれども、こういったことで、より収集の効率化を図って、こういった単価もできるだけこれから低減していきたいと考えてございます。

○遠藤説明員 家庭ごみ等有料化の導入につきましては、家庭ごみの約4割以上がリサイクル可能なごみで、近年、家庭系のごみの排出量が横ばいだったことから、さらなるごみ減量・リサイクルを進めるために、経済的なインセンティブを働かせようという趣旨で有料化を実施したところでございます。
 続いて、会計コストの公開につきましては、私どもでは従来から、家庭ごみ等や資源物の処理コストについては公表しています。 処理コストの公表を他の市町村でみんなやれるかといいますと、先ほど札幌市さんがお話されたように、人員増等の課題はありますが、環境省より会計基準が示されましたので、今後徐々に導入されていくのではないかと考えます。以前、平成15年ごろに特定事業者さんから、自治体に対し、拡大生産者責任の考え方を踏まえ、事業者に費用負担を求めているけれども、一体自治体の処理コストはどのぐらいかかっているのか、市町村間でどうなっているのか、示すべきでしょう等いろいろ言われたこともありますし、今後、自治体としても取り組んでいかなければならない時期ではないかとは考えています。
 それから、家庭ごみ等有料化を契機に平成16年度と比べてコストが、格差が少なくなったのではないかということでございますけれども、仙台市は焼却施設等が結構古く、埋立処分場も大きな施設があって、新たな施設整備が不要であることから、2万4,000円ぐらいが収集・運搬から焼却・埋め立てまでかかっていたものです。
 今回、3万円と申しましたのは、家庭ごみ等の有料化の導入にあたり仙台市が指定袋をつくる、それを管理する、そして売ってもらう等により、コストアップしまして、家庭ごみの処理コストの2倍程度となったところでございます。

○森口主査 次の質問にお答えいただく前に、この作業チームのメンバーではございませんけれども、合同会合メンバーの佐々木委員から、廃棄物会計について簡単にお願いいたします。

○佐々木委員(合同会合) 自治体としてコストをどう考えるべきか。当然住民に対しての責任があるわけですから、コストを明らかにすべきだと思います。当然そういったことで、従来から環境省の会計基準というのができたわけで、それ以前から私どもが全国の自治体と相談をして、コストの考え方などをまとめて、それを使う、使わないは任意なんですが、それに基づいてコストを計算し、発表してきております。
 ただ、今回、環境省のほうで出された会計基準というのは、コストというとらえ方に自治体と企業との差があるのだろうと思っております。
 その1つは何かというと、自治体が住民に説明するときには、「税金を幾ら使っています」ということをメインに1人当たりに直すと幾ら、トン当たりに直すと幾らということですが、いわゆる企業会計で言うところの、例えば本社の経費というのはコストの中には入れない。あるいは宣伝・営業費も入れないということになりますと、今回やっている、例えば分別排出するときの啓発というのはコストではないということになるわけでして、そういったことが整備されるべきだろうと思っております。
 従来から、独自といいますか、別に私どもは不適切だとは思っておりませんが、より適切にすべきところがあればやらなければいけないだろうと思いますが、それに基づいてやっている自治体が多い。
 それから、今日、出された資料7の自治体アンケートの結果。結果は結果として受け止めますが、6割を超える自治体がごみの有料化をしております。それで、この設問が「容器リサイクル制度に関わる費用を明らかにしていますか」ということで聞かれているので、部分的にそれだけの計算をしていないと捉えれば、「明らかにしていない」と。ただ、コスト全体では当然、6割の自治体がお金をいただいて有料化しているわけですから、幾らかかっているので幾らということでの、いわゆるマクロのコスト計算は当然されているのではないかと感じました。
 アンケート自体は、数字としては確かにこういうことだろうとは思いますが、そういうことがあろうかなと思っております。

○森口主査 それでは、どこまで消費者のほうで分けられるのかというご質問がございましたので、中井説明員、服部説明員からお答えをお願いいたします。

○中井説明員 今回の提案では、しっかりときれいに洗って再商品化したいという市民も大勢いらっしゃることから、その方たちの思いをしっかり受け止めるために、店頭回収という形で生産者が、生産者の責任でそれを資源化するということをまず提案しています。
 それから、実は反対に、ほとんど取り組んでいない方も、取り組めないという方も非常に多くいらっしゃいます。その方たちが今、全てごみにしているわけなんですが、分別を簡単にしてその大勢の方が参加できるようにするということも1つだと思っています。
 そのためにマークと一緒に「軽く汚れを落としてリサイクルに出してください」というメッセージを載せて、ほとんどのプラスチックがリサイクルできるということを仕組みとしてつくっていく、そしてそれをソーティングセンターのような形で、再商品化事業者のところできちんと利用用途に合わせて分別していけば良いのではないかということが、まず1つ目の方法です。
 店頭回収の強化は合意されていますが、実は私たちの内部でもいろいろな提案がありまして、意見がまとまってはおりません。二つ目の提案として、例えば2分別、「きれい」と「汚れている」に分ける、それから「ボトル」と「フィルム」に分ける、それから「マテリアル」と「ケミカル」に分けるというふうに、さまざまな意見がまだ錯綜しております。結論が出ておりませんので、ぜひ多くの消費者に意見を聞きながら、十分な時間をかけて、事業者、自治体、消費者、国と、同じテーブルでどうあったらいいのか真剣に話し合ってほしいと思っています。

○服部説明員 どこまできちんと分けるのかということで、私、プレゼンテーションのときに多摩市の例をお話しいたしましたけれども、多摩市の職員さんがおっしゃるには、何かもう頬ずりしたくなるようなプラスチック製容器包装が集まってくるということで、かなりこの辺り、きれい、汚いという分け方であると、ちょっとあれかもしれないんですけれども、誰にでもわかるという意味では、汚い、きれいというのはわかりやすいのかなと。
 きれいなプラスチックの中には製品プラスチックも入ってくるということで、そういう誰にでもわかる─というのは、ここではご説明しなかったんですけれども、やはり一つでも汚れたものがあると袋の中で結構付着してしまって、やはり資源、リサイクルですから、後々の作業工程も考えますと、やはりそういった汚いプラスチックが入っているのは衛生上も余りよくないのかなと思っています。
 ただ、資源をこれからどんどん増やしていくという面では、製品プラスチックは単一素材が結構多いということなので、こちらのほうは重点的に、もちろん余り食品残渣などはついていないので、どんな自治体でも分けることが可能かなと思っております。

○辰巳委員 皆さんすごいスピードで話されたので、私どなたが何をおっしゃったか混乱してしまっているんですけれども、多分4者ともそういうふうにおっしゃったと思うのでお聞きしたいんですけれども、リサイクル手法として、やはり皆様、住民への説明がわかりやすいといった話があったりして、マテリアルへの要望が大きかったように思うんですけれども、具体的にどういうものを予想されているのか。マテリアルの製品化されたもの、その後の商品としてどういうものが、実際はどうで、どういうふうなものを想像されてマテリアルがいいとおっしゃっているのか、ちょっと私もまだよくわかっていなかったもので。
 恐らく市民団体の方もそのようにおっしゃったような気がしたので、もしそうであるならば、そのようにお聞きしたいと思います。
 あと、これは市民団体の方にお聞きしたいんですけれども、事業者に環境配慮型デザインの商品にしてほしいというご要望がお二方ともあったと思うんですけれども、消費者の側がそれを選択していくという……、だから、今、実際問題として事業者の方もかなり努力なさっているのではないかと思ったりもするんです。していない人もいっぱいいると思います。だけれども、している人の、そういう省資源化したりリデュースしたものを積極的に選択していくといったことに関してどのようにお考えなのか、そういうお話が全然出なくて、廃棄物として出てくるだけだったもので、だから、例えばペットボトルが薄くなっているとか袋が小さくなっているとか、いろいろいっぱいあるんですけれども、その辺りに対してどう思っていらっしゃるのか、そしてそれを消費者が選択することで事業者へのインセンティブになるのではないかとちょっと思ったりもするので、その辺りのご意見をお聞きしたいと思います。

○森口主査 2点目は、リサイクル性というよりリデュースの努力に対する評価を市民団体の方にと、そういうことでよろしいですか。

○辰巳委員 そうですね。

○平尾委員 ほとんど同じ質問で、先ほど環境配慮設計のところで、マテリアルリサイクルを想定しておられるのかなというような感覚があったんですけれども、全体のヒアリングで例えば事業者さんなどが、多層化することによってリデュースできている、単一素材にするとどうしても厚くなって逆にごみが増えてしまうという問題等も出していただきましたが、そういうことに対してどうお考えになるのかということと、辰巳委員のご質問と一緒なんですけれども、マテリアルリサイクル、私たちがお聞きする現実の範囲では、かなりの量が消費者の目の前に来るものではないというのが現実のところ、もうちょっと具体的な聞き方になりますけれども、それに対して、やはり消費者の目の前に見えるようなもので説明したい、それが本当に市民の分別につながると思っていらっしゃるのかどうか。マテリアルリサイクルという観点からお聞きしたいんです。
 先ほどの分別に関して言うと、ケミカルの事業者さんは、現状の分別の仕方でしっかり効率よく回せるというご意見をいただいているところについて、どうお考えになるか、その辺ぜひ教えていただきたいと思います。

○大塚委員 一部だけ関連しますので、それだけ申し上げますが、やはりマテリアルリサイクルを念頭に置いておられるようで、それはそれでよくわかるし、市民に説明していくためにも非常に重要だと思ってはいるんですけれども、他方で、ご案内のように、温暖化対策も結構強めていかなければいけないということもあって、それとの関係で、マテリアルリサイクルだけを重視しているわけにいかないところも残念ながらあるものですから、その辺に関してはどうお考えになっているのか、特に市民団体の方々にお伺いしたいところでございます。

○森口主査 3つのご意見、かなり相互に関連しておりまして、材料リサイクルに関して言えば、どういうものへのリサイクルを想定しておられるか、マテリアルリサイクルにこだわらずにリデュースと、最後、大塚委員からご指摘のあった、例えば温暖化対策としての効果が十分であれば必ずしもマテリアルリサイクルにこだわらずに、リデュースとそれ以外の有効利用方法といったこともあり得るのではないか、総じて言えばそういうご質問であったかと思いますけれども、これは先に市民団体のほうからお答えいただいて、自治体さんからも何かご意見があればちょうだいすることにしたいと思います。

○中井説明員 私は、マテリアルだけに特化しているわけではありません。ただ、今、ピークオイルも迎え、日本では採掘できない石油を大量に輸入していることから考えましても、きちんと分別できるものはマテリアルにして一旦使い、その後、ケミカルとしてもう一度再資源化すればいいのではないかと思っています。
 また先ほどリデュースというところで、単一素材にするとかなり厚くなるとか、そういうお話もありましたけれども、消費者がそういう商品を選ぶときの基準として、容器のカーボンフットプリントもきちんとすべてに表示してほしいと思っています。そうすれば私たち(消費者)はきちんと選ぶことができます。
 マテリアルにつながるのが分別に関するどういうインセンティブになるかということですが、例えば柏市などは、集めたものからごみ袋をつくり、市民にそれを提供しているということで、市民の方たちの協力度が高まっていると聞いております。自分が分別することで、どこにどのように役立っているのか見せること、見える化をすることはとても大事だと思っております。

○服部説明員 プラスチックのリサイクルで、マテリアル手法だけを念頭に置いているわけではなくて、説明もいたしましたけれども、やはりやむを得ず複合素材を使わざるを得ない商品もありますので、極力複合素材を避けていくということは、ぜひ事業者さんに努力していただきたいんですけれども、マテリアルで不向きな場合はケミカルということで、願わくば初めからマテリアルはM、ケミカルはCといったマークをつければ、分別からリサイクルまでの一つの流れができるのではないかと思っております。
 あと、リデュースですけれども、こちらは複合素材でなければならないという商品もありますので、そちらはしようがないかなと思うんですが、過剰包装などを少なくしていくためには、やはりこの商品にはこういった包装材がふさわしい、そういった比率ですね。これは韓国などでやっていると思うんですけれども、そういった比率とか、あるいは材質などを、それは全部が全部、商品にこんな材質がいいということを出すことはできないと思いますけれども、ある程度の基準を設定して、簡易包装なり、あるいはそういったマテリアルに向いた素材に変えていくことがいいのではないかと思っております。
 それと、社会コストをどうやって低減していくかという面で、マテリアルにはマテリアルの問題があると思うんですね。それは50%が残渣になってしまっている、収率が余りよくないという点だと思うんですけれども、やはり残渣の部分は再商品化費用に含まれてしまっているということで、これがリサイクル費用を押し上げる大きな要因になっていると思いますので、この部分をケミカル手法でリサイクルしていけば、全体的な再商品化費用もかなり低減できるのではないかと思っております。

○森口主査 自治体のほうからは、いかがでしょうか。
 もしお答えいただけるようであれば、今、ごみ袋へのマテリアルリサイクルという話がありましたけれども、そういったことに関するお考えも含めて、お答えいただければと思います。

○石井説明員 直接のお答えになるかどうかわかりませんけれども、まず、市民からの要望として、材料なのかケミカルなのかといった意見は直接聞いておりません。
 札幌市では昨年7月から有料化いたしましたけれども、一昨年11月から地域住民に対する説明会を2,700回ほど実施いたしましたけれども、その中で、いわゆる容器包装プラスチックの分別方法、あるいはリサイクルがどうなっているんだというようなことは、ほとんど聞かれていない。それから、今日、資料でお配りしているかと思いますけれども札幌市のごみ分けガイド、これは昨年7月に有料化したときに全世帯にお配りしたのですが、その中に「資源のゆくえ(札幌市のリサイクル)」というページがございます。
 その25ページの一番下、容器包装プラスチックがどういうものにリサイクルされるのかといったことで、マテリアルだとかケミカルというような区別はなく、高炉還元剤、ベンチ、パレット、油などということで、いわゆる材料なのかケミカルなのかといった判断での「リサイクルはこういうふうにしています」という説明はしておりません。
 一方、自治体側としてみれば、これは先ほど来のお話もございますけれども、マテリアルとリサイクルの、いわゆる環境負荷からの優位性というのは特にないとお聞きしておりますので、あえてどちらかにシフトしてほしいといったことはございません。
 ただ、札幌市の場合は油化施設というのがございますが、そこに札幌市から収集されたプラスチックは、実際にはかなり少ない量しか入っていないという話も聞いています。実は札幌市のプラスチックの選別のセンターは、その油化施設のすぐそばにあるのですが、そこで選別されたものは入札によって、ほとんど札幌市の地場の施設ではなく本州に流れている。ほんの少しの距離しかないにもかかわらず、実際には本州まで運んでいく。先ほどもご説明しましたCO2の削減の面から、トータルを考えたらそんなのはどうなのかなと考えておりまして、自治体としては、材料なのかケミカルなのか、ある程度、選択制を取り入れるような仕組みにしていただきたいというのが率直な意見でございます。

○遠藤説明員 マテリアル優先についての具体例、どういうものがいいのかということですが、私どもは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、家庭ごみ等有料化やプラスチック製容器包装の分別収集の説明会では、かなり突っ込んだ意見が出たものですから、その中で、リサイクル手法はマテリアル、ケミカルは4種類ありますと説明しておりますけれども、なかなかケミカルのほうのイメージがわかないんですね。高炉還元は「鉄鉱石と一緒に燃やすんです」と説明した担当者もいて、「じゃ、焼却場で燃やして発電しているのとどう違うのか」とかいう意見がいろいろあったりしました。プラスチック製容器包装の分別収集開始から8年ぐらいたっていますけれども、リサイクル手法については、特にケミカルについてはわかりにくく、まだいろいろな意見があるというのが現状です。
 ですから、当初は「境界杭とか擬木とか、そういったものでうちの公園でも使っていますよ」と言うと「あ、そうなんだ」と理解してもらえるというのが実感としてあったということですね。
 それから、市町村の立場から言うと、今、札幌市さんがおっしゃいましたけれども、選別施設の隣に油化施設があり、私たちのところは隣にマテリアル施設があるんですね。現行制度における入札では我々はコントロールできないので、私どものベールが札幌市さんでリサイクルされた時期もございます。また、市町村負担分についきましては、我々はコスト削減を市民からも求められているわけですから、市町村負担分を決めるときには、容リ法で認められている再商品化事業者の中から入札によって価格で決めています。
 そういったことで、環境負荷や、複合材等のリサイクル困難物の低減などについては、どういった手法がいいのか客観的なスタンダードを示してもらって、だからこういうふうにやるんですと示していただきたい。さらに、市民感情としては、やはり「隣にあるのに何で行かないの?」というのは我々と同じように思っていますので、ブロック毎にケミカルだマテリアルだといったものを考えてみるのも一つの手法ではないかと考えています。
 それから、ごみ袋に材料リサイクルするという柏市さんの例がありましたけれども、プラスチック製容器包装の分別収集を開始したときに、これを集めるのには使えませんでしたが、地元にちょうど産業系のプラスチックのリサイクル業者がいまして、そこが袋をつくっていましたので、それを各世帯に無料で配ったりして、こういうものにもリサイクルできるから分別してくださいという啓発した経緯はあります。
 今のところは、まだ有料化の袋にはリサイクル品は採用していませんけれども、プラスチック製容器包装の分別収集開始時にはそういったこともございました。

○森口主査 ありがとうございます。
 大体想定どおり、委員たくさんご出席ということで、そろそろ予定した時間が来ておるんですが、まだご質問があるということですから、大塚委員、平尾委員、小寺委員と、ここで一旦打ち切らせていただきます。

○大塚委員 市民団体の中井説明員にお伺いしたいんですけれども、先ほど店頭回収との関係で、トレーの自主回答をPET等にも拡大するというお話をいただいて、後でも少しご説明いただいていると思いますが、ちょっと詳しくご説明いただけるとありがたいと思います。
 現在の容リ法のルートを変更するといったことも含めてお考えなんでしょうか。それは非常に大きな変革になるかもしれませんので、どういうことをお考えか、詳しくご説明いただけるとありがたいと思います。

○平尾委員 先ほど服部説明員のお話の中で、市民の方の質問で、容リのプラスチックを回収してしまうと可燃ごみの燃焼に油を投入するという話が非常に頻繁に使われていて、リサイクルが不適切ではないかという質問があるというような話があったんですけれども、むしろ逆に自治体さんのほうにお聞きしたいんですけれども、それは事実なのか。先ほど実際の量を見ると、かなり可燃ごみの量が減っていて、それは有料化であったりリサイクルを推進したり、いろいろな効果によるものだと思うんですけれども、それでむしろ可燃ごみの処理のほうに負荷が増えるようなことが事実として起きているのかといったこと、もしわかっていたら教えていただきたいと思います。

○森口主査 それは自治体さんにお答えいただくということでよろしゅうございますか。

○平尾委員 もちろん、もし市民団体のほうでそういうことが疑問として、何かご意見があれば、ぜひいただきたいと思います。

○小寺委員 平尾委員の質問に近いんですけれども、分別を進めることで廃棄のごみが減り、焼却炉が1つ減ったんだというようなお話がございました。そういった傾向は他の自治体で伺うこともあるのですが、いかがでしょうか。
 それと、焼却炉の寿命と申しますか、実際にはメンテナンスの頻度だと思いますが、プラスチックという発熱量の非常に高いものが減るということで、実際にメンテナンスのコストの軽減につながるとの例もよく聞きますが、いかがですか。

○森口主査 それでは、自主回収の拡大のところについて大塚委員からご質問いただきましたので、まず、これについて市民団体のほうからお答えをちょうだいしたいと思います。

○中井説明員 ペットボトルもと申し上げましたが、今、自販機等から出た容器類はベンダーさんが持ち帰って資源化しているという現実があります。それを店頭回収でも、回収したものはそこに納めた事業者が持ち帰るという形にすると、かなり社会的コストが減るのではないか、それをまた他の製品にも拡大していけるのではないかという提案です。
 次に焼却についての質問ですが、私たちの今回の資料の添付資料[4]の27ページに、東京23区のごみ処理の実態を表として出させていただいています。これについては今日、一緒に来ました植田から発言したいと思いますので変わります。

○植田説明員 資料の28ページですけれども、これは東京23区清掃一部事務組合が23区全部のごみを焼却処理した表です。一番右端の下にある28万3,000トンというのが焼却した分の灰の量です。この灰をスラグにしていますけれども、29ページのスラグの有効利用という部分で見ると、普通の人は、23区の区民もみんなちゃんとスラグになっていると思っていますが、実は有効利用されている分は全残灰の3%にしか当たりません。その他全部有効利用できずに、埋め立てですとかサンプルに使っている分を入れましても35%程度しかスラグにはできていません。それ以外の灰はスラグ以外の形にして埋め立てられています。
 30ページが、スラグを作っています灰溶融炉施設の稼働状況ですが、やはりほとんどうまくいかなくて、見ていただくとわかると思いますが、止まっています。メンテナンスをしていたり、点検していたり補修していたり、故障していたり、こういうことがたくさん起こっていますので、やはり焼却というのはなかなか大変なことだ、簡単なことではないと認識していただきたいと思っています。

○服部説明員 自主回収のことですけれども、私も資料の中に店頭回収を進めてくださいということを書いてあるんですけれども、やはり店頭回収、先ほど来ありますごみ処理の有料化でかなりインセンティブになりまして、店頭に返却する消費者の方が増えているというのが図にもかいてあります。
 こういった店頭回収は、中間処理、ベール化するなどの費用が削減できるということもありますし、また、特定事業者の小売業さんのリサイクルへの参加ということで、非常に重要なことだと思います。
 先ほどちょっと言い忘れてしまいましたけれども、マテリアルに特化するわけではないんですが、特定事業者さんがリサイクルの一連の輪の中に参加していくという意味では、やはりスーパーで使われている買い物かごに進んで利用するなどして、そういった、最終的に循環の輪が閉じる。自治体でのごみ袋も、そういった意味では非常に意味あることではないかと思います。
 それと、私はライターの仕事をしているんですけれども、100自治体ぐらい取材をしておりまして、先ほど平尾委員からあったと思いますが、プラスチック容器包装をリサイクルに回すことによりまして、焼却炉の可燃ごみが減って重油を追加しなければいけない、あるいは1週間全連続というんですか、運転していたものが、土日休まなければいけないという自治体もあります。これをリサイクルあるいは焼却ということで、環境負荷の点では、これからそういったLCA効果なども含めまして、やはり検討していく必要があるのではないかと思います。
 プラスチックの焼却につきましては、先ほどご発言がありましたけれども、やはり環境省のほうで一旦ダイオキシンの対策ということでかなり重装備の焼却施設だとか、あるいはガス化溶融炉を整備するということがありまして、そうやって自治体がやっとこさ、20年30年がかりで整備したところに、今度はプラスチック製容器包装のリサイクルということになって、かなり混乱が生じている自治体もあろうかと思っております。

○森口主査 この辺り、かなり込み入った議論になろうかと思いますけれども、平尾委員、小寺委員からご質問のあった、プラスチックを分けることによって焼却のほうにどう影響があるのかということ、これは焼却炉の規模によると思いますけれども、あくまで札幌市さん、仙台市さんの事例に限ってで結構でございますので、両市の情報をお答え願います。

○石井説明員 昨年7月、いわゆるごみのルール、分別方法を変えまして、従来燃やせるごみでありました雑がみと枝・葉・草が燃やせるごみから抜けてしまった。実際に燃やせるごみの中味を見てみますと、やはりほとんどが厨芥類、生ごみ。ただ、一方で分別区分を変えまして、これまで燃やせないごみとしていた製品プラスチックを燃やせるごみとして収集したということで、いわば焼却炉における助燃材としての役割も果たすということでございます。
 やはりこれまでの焼却と違いまして、ごみ自体がなかなか燃えにくい状況になっている中で、実際に清掃工場に勤務している職員に聞きますと、いわゆる焼却炉に入れるときの、何というんでしょうか、攪拌する技術を多少工夫しながら、できるだけそれ自体が燃えるような、そういう工夫をしながら、さらに製品プラスチックを含めて焼却するというようなことで、苦労はしておりますけれども、カロリーは低いけれども何とか燃えているという状況にあります。
 それから、そういったことによってメンテナンスのコストがどうなのかということでございますが、具体的に、それによってメンテナンスのコストが高くなるとか、そういった事例はまだないようでございます。メンテナンスというのはそれ以外の要素もかなりありますので、分別方法が変わった、プラスチックの増減によってメンテナンスが多少なりとも変わるというような影響は、今のところ出ていないと聞いてございます。

○遠藤説明員 仙台市では600トンの焼却炉が3工場ございますが、分別収集されたプラスチック製容器包装の量は、全焼却量の大体5%とか、そのぐらいしか分別されていないということがありまして、プラスチック製容器包装の分別収集を開始したことによって新たに助燃材が必要というか、重油を焚かなければならないという事例には至っていません。
 ただ、今回、家庭ごみ有料化の実施と同時に紙類も行政が定期回収を始めたことがございまして、紙、一時期、蒸気量の発生が落ちたために重油を燃やした事例はありますけれども、経常的に追い焚きしながら焼却するという事例にまでは至っておりません。
 焼却工場は大体25年から30年が寿命と言われておりまして、先ほど札幌市さんも言われましたけれども、プラスチック製容器包装の分別収集を開始したことによって維持管理のコストが下がったかというと、そういうことにはならなくて、工場1つ停止するとか、そういった程度まで焼却処理量が減少しない限りは、焼却コストの削減には反映しません。誤解がないように、地域説明会でも説明し理解を得てきたという経緯がございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 まだまだご質問等あろうかと思いますが、ちょっと時間が押しておりますので、4団体からのヒアリング並びに意見交換はここまでとさせていただきます。
 それでは、議題の2番目に移らせていただきまして、合同会合への報告事項の整理でございます。これは、本日のヒアリングを含めまして作業チームでこれまでやってまいりました審議を、次回は合同会合、作業チームとしては今回、一旦区切りとさせていただいて、いわゆる親委員会といいますか、合同会合を次に開かせていただきます。その合同会合への報告のための資料案について、ご議論をいただきたいと思います。
 では、事務局から、資料8「各主体からのヒアリング結果の概要」、資料9「ヒアリング結果を踏まえた今後の作業のための整理メモ」について、ご説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 それでは、資料8と資料9をご覧ください。重複している部分もございますが、資料8は、まず、幾つかのテーマに沿って各団体から発言があったものをまとめて、それを集約するという作業をやっております。資料9は、その集約した部分だけを抜き出して、それによって今後どういう対応が必要かという作業を併記したものでございます。
 資料8のうち本日発表いただいた4団体の分については、事前にいただいた資料をもとに書いただけなので、かなり不足のところはあると思いますし、また、今まで発言していただいた第2回と第3回のヒアリングの方にもまだ正式にこれをお見せしていないので、これは事務局限りのものということで、今日の会議が終わりましたら、後刻、今日発言していただいた団体、また以前、発言していただいた団体の方に見ていただいて、その集約ぶり、特に資料8についてはご意見をいただいて、次の合同会合にはそういったものも漏れがないようにと思っておりますが、事務的に整理しながらやっていったので、そんなに漏れはないものと思っております。
 資料8では、事細かに各団体からどういう意見があったかは説明しませんが、まとめた方針、柱書きだけ説明させていただきます。中味については資料9で一括して説明させていただきます。
 まず、1ページの1.は、制度全体の改善を視野に入れて、材料であるとかケミカルであるとか、そういった個別の手法特有のものではなくて、共通するものを幾つか挙げております。
 次は4ページでございますが、今度は材料リサイクルというところで、材料リサイクルをよりよくするためにどういった取組があるだろうかという視点で、(1)は、まず、現行のベール品質というのは変わらない、再商品化事業者の取組の中だけでどういった改善が可能かといった意見を集約したものでございます。
 (2)は、現行のベール品質を前提とするのではなくて、何らかの仕組み、ルールを変えることによってベール品質を向上した場合に、どういうものが可能かといったことを幾つかまとめて整理しております。
 8ページの(3)になりますが、今度は特定業者の方の取組ということで、例えば容器の配慮設計、そういったものに要望としてどういうものがあって、事業者としてできるのか、できないのか、そういった意見を集約したものとなっております。
 10ページの(4)は、製造されて消費された容器包装が排出、そして収集される段階、今日のテーマは特にここになるかと思いますが、そこで高度化の取組というのがどこまでできるのかというところでございます。
 以上が、よりよいマテリアル。
 その次は、よりよいケミカルという手法を目指す場合の幾つかのテーマということで、これは12ページに掲げております。
 これら1、2、3を総合して、入札における材料リサイクル手法の優先的取り扱いのあり方についての意見を13ページで述べておりますし、その評価の基準等についてご意見をいただいたものが14ページとなっております。
 14ページのまとめ方ですけれども、例を見ていただきますと、意見のところに●がついているのは、意見について明らかに相違があったもの、○は意見の明らかな対立はなかったものですが、ヒアリング事項ではないものも出てきていますので、意見を聞けば反論はあるのかもしれません。我々も多分あるなと思っているんですが、それを書くと事務局で判断することになるので、そういったものは次回の合同会合でまたいろいろな方から意見をいただくでしょうから、単純に資料、議事録等を見ながら書いたところであります。
 それぞれこの●、○の下に矢印がありますが、これが我々が参考にした会議の場での資料の記述でありますとか議事録。この矢印を集約すると、●なのか○なのかというところで整理したものでございます。
 資料8の中味は資料9のほうで説明させていただきたいと思いますが、そのようにして○、●と集約したものだけを抜いて、柱立ては同じでございます。それに対して今後、どういうふうにしていくのかなと事務局でたたき台の案を矢印で書いたもの、これが資料9でございますので、こちらを簡単に説明させていただきます。
 1ページの1.まず、これは制度全体の改善に資するものということで、1つ目の○は、収集量を増やすことがコストの削減、また品質の向上といった観点から望ましいというところでございます。これについては材料、ケミカル、両方から指摘があったと思っています。
 これについては、矢印にありますけれども、今回まずは出さなければいけないという手法間の優劣の議論、これについては直接大きな影響を与えない。それだけやれば両方に効くであろうということで、これらをどういうふうに増やしていくかは、夏以降が引き続きの検討という形でいいのではないかと考えております。
 2つ目の○でございますが、自治体に手法の選択権を付与すべきではないか。明示的にはケミカルリサイクルの事業者の方からございました。これについては質問事項として特に書いてございませんでしたので、マテリアルの事業者の方から特に反論はいただいておりませんが、これについては、まず優先のあり方の結論を出すことにしていますので、その結論に応じてあるのか、ないのか、あるならあるなりに、これをどう反映したらいいのか、ないならないでどう反映したらいいのか、そういった仕組みを検討していく必要があるだろうと考えております。
 3つ目の○は、地域で集めたものを地域でリサイクル。本日も幾つかご意見がございました。また、自治体からいただいた資料で、ブロックごとのといったご意見もいただきましたので、これについても先ほどの手法の選択と同様ですけれども、そういったもの、また、地域偏在の対応、これも昨年の中間取りまとめにも書いてありましたが、そういったものとあわせて仕組みがあるのかないのかという前提、それぞれにできるかどうか考えていく必要があるのかと思っております。
 4つ目は、複数年契約について幾つかの─というか、基本的にはリサイクル側の方、特定事業者の方から、また、NPOの方ということで、今日の服部委員の資料にこういった記述がありましたので、これもシステム全体の中で、こういったものが効率的にできるかどうか考えてみるのかなと考えております。
 2ページをご覧ください。
 2.より良い材料リサイクル手法を目指す取組等の評価と課題ですが、(1)は、現行のベール品質での手法の改善可能性で、処理量の増大がコストの面に効きます。また、処理量の安定も大きな要素になるということがございました。
 また、現状のベールのままで手選別の高度化とか設備投資をやれば、もちろん品質を上げることは可能なんだけれども、収率の低下が起こったりコスト増になるといったご指摘もございました。
 PS、PETの積極的な利用ということで、処理コストの削減は可能であるといったご指摘もございました。
 また、その利用製品の市場開拓、これは全体の処理コストの削減に効果的といったご指摘がございました。
 これらについての余地ですけれども、それほど大きなものという感じではないのかなと思っておりまして、基本的に今後、LCA等で評価をするといった場合には、(2)の、制度、仕組みまで変えて大幅にベール品質の向上を図る場合を中心として検討していくことでいいのかなと考えておりますが、それらについてご意見をいただければと思います。
 (2)につきましては、現行制度を改正してベール品質の向上を図るということですが、まず1つ目の●は、ベール品質の改善の前に、材料リサイクルの高度化の方向性というのはどっちなんだろうか、それに応じてベールの品質を高度化する方向も変わってくるであろうということで、わかりやすく言えば、単一樹脂化なのか品質の安定化なのか、できた製品の機能の高度化なのかというところで、安定化については割と共通してご指摘があって、単一樹脂化については意見がバラけていたかと思います。
 また、そういったものと併せて供給量の安定化がかなり重要であるといったご指摘もございました。
 これらを踏まえた品質管理基準、例えば総合的評価の基準についても今回の審議の中で容リ協からご説明がありましたが、そういったところに可能かどうか、また、登録基準のところに判定できるのかという基準の設定について、反映すべき事項として検討することになろうかと考えております。
 2つ目の○は、材料リサイクルの事業者の方から、材料リサイクル優先ということがあるべしということが前提なんですけれども、材料リサイクルに向いた品質の高いベールが材料リサイクルに回るという仕組みがあれば、全体として効率の向上は可能なのではないか。そのときの例としては、PO率とオレフィン系のものの率が高いものを上から順番にとっていくのはどうなのかというご指摘がございまして、これらについて、構築可能な仕組みを少し考えてみることが必要ではないかと考えております。
 3ページ、3つ目はカスケード利用でございます。こちらは●になっておりますが、材料リサイクルの事業者の方からは、今後の高度化の大きな手法の1つであるというご提言が複数ございましたが、一方、ケミカルリサイクルの事業者の方からは、品質の問題とコストの問題から疑念が呈されていて、方針としては、そういったことについて、まず事実確認をしていく必要があるだろうと考えております。
 次は、製品リサイクルも含めたリサイクルということですけれども、これについては別途議論を始めることとしておりますので、その結果を踏まえて判断する必要があるであろうということであります。
 最後は、市町村の選別とリサイクラーでの選別の一体化によるコスト削減の可能性ですが、これもカスケードと同様、実際に事実関係、本当にコスト削減可能かどうかといったことの精査が必要であろうと考えます。
 (3)は、特定事業者における取組ということで、幾つか●のところで、塩素系樹脂でありますとか金属、また顔料、紙・ラベル、そういったものについて材料リサイクル事業者からご指摘がございました。
 自治体の方からの意見についても、紙ベースで今日見た中にあったかと理解しておりますし、NPOの団体からもあったかと思っております。
 他方、特定事業者の方からは、容器のそもそもの3大機能というところから考えると、材料リサイクルのことを考えた配慮は難しい、考えていないということですし、リサイクルという観点よりは、むしろリデュースのほうを重視しているということでございました。
 他方、特定事業者の方からも、取組としてはやっているんだというご指摘があって、そうした取組を進めるために、いろいろな方の意見を聞いていくということはありましたから、具体的にどういう分野がそれに該当して、可能性があるのかということを今後の方針として、対話による配慮設計の推進にどこまで効果が期待できるのか、もう少し具体的に特定していく必要があるのかなと考えております。
 2つ目の●は表示の話でして、表示については、材料リサイクル、NPOの方、市町村、いろいろご指摘がありますが、他方、事業者の方からは、今、製品に要求される情報が非常にたくさんあるので、これ以上はもう難しいということなんですが、実際のところ、材料リサイクルの方とかNPOの方が求めているのは、たくさん情報を載せてくれということではないんだろうと思っています。その認識の相違をもう少し詰めた上で、どういう表示の改善ができるのか、できないのか、議論の余地はまだあるのではないかと思っております。
 その次は、再商品化製品利用製品の利用促進につきましては、特に特定事業者の方も異論はなかったのかなと思っております。ただ、具体的にどういうものがあるのかということで、今日も自治体の方からごみ袋の話もございましたが、そういったものについては、まず優先的取り扱いの結論云々というところはセットではなくて、優先のところの議論ができて、それを踏まえて促進方策をさらに進めていくべきだろうということで、そういう順序立てを書いてあります。
 (4)は、分別排出・収集の高度化の取組ですが、これにつきましては、塩ビラップとかアルミ蒸着がないものだけ集めることができるかということですけれども、ケミカルの事業者の方からは、そういった余りに高い努力を求めるのはリサイクル離れを引き起こすことになるのではないかという懸念があったかと思います。自治体の意見については十分書き切れていないので、本日の意見を踏まえて書くことになるかと思いますが、結論として見れば、基本的には住民の負担をこれ以上増やすことはなかなか難しいのかもしれないなということで、そういうものを余り増やさずに高度化をもたらす収集方法があるのか、実現可能性はどうかを検討していくことになるのかというふうに整理しました。
 5ページでございます。
 3.より良いケミカルリサイクル手法を目指す取組等の評価と課題です。
 ベールの品質の改善は、基本的には皆さんもうこれで十分であると。強いて言えば、ラップ類は外していただければという意見があったかと承知しております。
 あと、幾つかの手法について発言がありました。
 高炉方式については原料炭の節約といった視点があるという意見と、いや、微粉炭代替ではないかという意見と両方あったかと思っておりますし、油化については、現在以上のナフサ原材料分の割合を大きくすることは難しいが、多様であるべきということを考えれば、もしマテリアルが優先されるのであれば油化も優先をというご指摘があったかと理解しております。
 また、なかなかケミカルについては再商品化手法が理解されにくい、理解されるための工夫が必要ではないだろうかということです。
 これについては、まださまざま課題はあるんだろうと思いますが、とりあえず優先すべきかどうかというところで、LCA評価等に関係するものというところで反映するんですが、それ以外にということで、現状と将来のところで考えていきますと、改善可能性等というところでいきますと、とりあえず現在のところ、割と理想的ないいところまで行っていて、油化の割合もそんなに、今のところは難しいということだったので、これを大体ベースとして評価の土台に乗せてもいいのかなと考えているところです。
 最後は、4.優先的取扱いの在り方についての議論ですけれども、ここは材料リサイクルの方の考え方、ケミカルの方の考え方、特定事業者の方の考え方、それぞれ分かれております。材料リサイクルの方は、優先的取り扱いの意義は大きいと主張いただいておりまして、ケミカルリサイクル事業者の方については、多様なリサイクル手法の組み合わせの確保を前提としつつも、その根拠を明確にした上で合理的な優先枠設定に向けた見直しというのが全体の意見ではなかったかと思っております。
 特定事業者の方は、さらにもう少し強く、優先的取り扱いの根拠はなくて、むしろ燃料的手法を全面的に採用すべきであるというご意見であったかと思います。
 これにつきましては、1.2.3.のうちの特に2.と3.につきましてご意見をいただいたもの、それに改善可能性を加味したシナリオを設定し、それに基づいてLCA等の評価を行って、その結果を踏まえてあり方を議論することになろうかと思います。
 そこら辺の詳しい段取りにつきましては資料10にありますので、まずはまとめということで、ここまでで止めておきます。
 最後に5.LCAの評価についてでございますが、こちらにつきましては、LCA等を行うときの留意事項ということで、幾つかご指摘があったものですけれども、1つ●になっているのは、現状の比較か、望ましい姿の比較するのかということで、今回の議論は、大きく全体制度を見てあるべき姿というところで議論するのであろうから、現状だけの比較ではなくて、やはり改善可能性というものを見て、望ましい姿で比較するのではないかと我々は思っていますが、ただ、その際に実現可能性というものをしっかりと見て、実現可能性のないものをシナリオに入れないというところに注意していくことかと思っております。

○森口主査 何分本日を含めて3回にわたりヒアリング、意見交換をさせていただいた多岐にわたる内容を、15分ぐらいでまとめて説明していただくこと自体、やや無理があるわけでございますけれども、今、おまとめいただいた資料8、資料9につきまして、委員から特にご意見がございましたらちょうだいしたいと思います。
 事務局から説明がありましたように、資料8につきましては、次の合同会議までにそれぞれのご発言について確認をとらせていただくということで、今日は時間も限られておりますので、これに関する細かなご発言はお控えいただくようにお願いいたしまして、特に資料9のまとめについて、特段ご意見ございましたらちょうだいしたいと思います。

○辰巳委員 資料9の直接のまとめに関わると思うもので、ちょっと質問なんですけれども、今日、2つの自治体さんが出てきてくださって、多分、いずれもとてもよくなさっている自治体さんだと私は理解しているんですね。先ほどのアンケートでも、なかなか取り組めない自治体もとても多いということで、そういうところのご意見は必要ないんですかねということを聞きたいんですが。

○上田リサイクル推進室長 前回合同会合の場でも、容リ法に参加されていない自治体の方にもぜひというご意見が委員からあって、トライはしたんですが、全部遠慮されてしまいましたので、それもあってアンケートを書いたところです。アンケートであれば全体のバランスもとれるということなので、差し支えなければ、アンケートで示されたエッセンスは意見という形でこの中に入れるということで処理したいと思います。

○森口主査 多少関連して、主査が申し上げるべきことかどうかわかりませんが、余り環境問題に熱心でない市民の方のご意見というのも本来は聞いてみる必要があるのかなと思っておるんですけれども、こういう構造の中で、なかなか難しい議論でございまして、場合によってはアンケートもするんですが、実は自治体さんの場合、今回九十数%と非常に高い調査をかけたんですが、熱心でない市民の方からアンケート調査で意見を聞くのはもっと難しいことでございまして、この辺りをどうやって反映させていくか、非常に難しいところかと考えております。
 この辺りもどこかで議論させていただければと思います。

○石川委員 資料のまとめ方自体は、よくまとまっていて、特にこのコンテンツではなくて、これから議論を進めるときに、ちょっとマイナーに見えるけれども大事だと思うのは、言葉なんですね。
 特に私、これから話をしていくときに大事なのは、「複合材」とは一体何なんだ、何をイメージしてお話ししているのかを、多分、皆さんで共通の理解を持っていないと議論が混乱するのではないかと思います。
 最初に私が質問させていただいたときに、中井さんだったかな、ちょっと忘れてしまいましたが塩ビとアルミ蒸着はいけないけれども、プラスチック同士のはまあ仕方ないと思っているといくうニュアンスでお返事がありました。お二方とも、なるべく複合材は避けたほうがいいというところは同じなんですが、ここら辺が多分大事なところでして、一般的にこの資料で複合材関係ですと、3ページの(3)の●で、意見の相違があるというところで、塩素系樹脂、複合材、アルミ蒸着、インク顔料といろいろ書いてあるんですが、いわゆる包装技術的に言うと、張り合わせてあったら何でも複合材と言うんですよね。そういう理解で議論をするのか、それとも、例えばナイロンとポリオレフィンとか、見たところわからない、透明なプラスチックに見えるけれどもポリオレフィンではないというのはどう考えるのかとか、アルミ蒸着は特にいけないという話だったら、それも普通、複合材ですから。加工していますからね。そういうものをちゃんと整理しないと、多分、議論が混乱してしまうのではないか。
 限られた時間ですから、特にアルミ蒸着は、恐らくマテリアルのところではねることができるので、はねている。ただし、ナイロンポリとかいろいろなものは、簡単にははねられませんから、入ってしまっている。ところがこれは、もし高品質なものをつくるとなると、それがポリオレフィンに混ざってしまうと余り高度なものができるはずがないんですね。
 そこだけちょっと整理していただけないかという要望です。

○森口主査 重要なご指摘、ありがとうございます。
 実は前回も少しそのような議論がございまして、複合材といっても恐らく認識の違いがあるだろうということでございます。これは非常に重要な点かと思いますので、注意させていただきたいと思います。
 それから、マテリアル対ケミカルという議論もありますけれども、マテリアルの中にも多様なものがあり、また、ケミカルでも手法によって違う部分がある、こういった議論も前回までにあったかと思いますので、その辺りも含めて、言葉をより丁寧に取り扱わせていただきたいと思います。
 他に何かご意見ございますでしょうか。

○崎田委員 資料8を拝見したときには、入札制度に関してのご意見については、地域に応じての話とリサイクル手法に応じての話とかなり出ていたような感じがするんですが、資料9のまとめにはその辺が余り、全部網羅されていないような感じがするんですが、これは議論項目を選んだということでしょうか。

○森口主査 資料8の13ページ辺りのご意見が資料9の5ページには余り入っていない、こういうご指摘でしょうか。入札─でもないんですかね。優先の話だけではない……、資料8のほうの……

○崎田委員 そうか、これは先ほどのヒアリングでかなり出ていたお話ですね。すみません。
 いえ、先ほどのヒアリングの中で自治体の方から、入札に関して手法の選択と、あと地域の選択というお話がかなり出ていた感じがするんですが、いかがでしょうか。

○上田リサイクル推進室長 その辺りは、今日ご発言があったものは、また見直して追加してボリュームアップしないといけないのかなと思いますが、資料で言いますと、あらかじめ紙で書いていただいたものでは、資料8で言うと2ページの上から2つ目の○で、地域で集めたものは地域でとか、ブロックごとの入札ということで、その下に、紙で出していただいたものは書いてありまして、この○のところは、そのまま資料9の1ページの上から3つ目の○にコピーしてあるということです。

○崎田委員 たしか前回の容器包装リサイクル法の見直しのときに、地域密着で事業者さんと自治体が連携をしてそういうことをやれないかということで、特例というか、モデル的に自治体が提案されたときにはやる方向という、何か特例ができたと思うので、そういう事例を評価するとか、そういうこともあると、今後、こういう議論がしやすいのかなとちょっと思うんですが、いかがでしょうか。

○上田リサイクル推進室長 ご指摘のモデル事業につきましては、3カ年でやっておりまして、今年度、最終年であります。4地域、4地域で第1期の分については先月で終了して、報告をまとめていただいておりますので、昨年4月の審議会のときに途中経過を報告しておりますけれども、最終的なものについては、このプロセスの中で発表できるようにしたいと思います。

○森口主査 すみません、私も頭の中がきれいに整理できていなかったんですが、先ほど崎田委員からご指摘のあった地域のものを地域でリサイクルできるようにするということついては、資料9で言えば、1.の3つ目の○がそれそのものを扱っているんですね。特に入札との文脈では必ずしも─まあ、書いてありますかね。それとあとは、自治体のほうから選べるようにしてはどうかという辺りですので、この辺りを少し拡充して書いていただければ、恐らくこの中に反映されるのかなと思います。よろしゅうございましょうか。

○崎田委員 はい。

○辰巳委員 ちゃんと見切れていないのかもしれませんけれども、今日のお話の中でも何度も出てきた、製品プラと一緒に収集するほうがいいのではないかというご意見は、入っていましたか。

○森口主査 容器包装だけ分けることがどうなのかということに関してですが。

○上田リサイクル推進室長 それは資料9の3ページ、いや、目につかないのはそういうことかもしれませんけれども、別途議論の結果も踏まえて判断するということで、3ページの上から2つ目の○ですね。混合リサイクルというのは、これはすみません、製品プラとの混合リサイクル。丁寧に書いておきますが、別途議論のほうについては今、経産省とも相談させていただきまして、議論は開始して、こちらのほうに反映できるようにしたいと思います。

○森口主査 先ほど石川委員から言葉についてご注意を受けましたので、「混合リサイクル」というのもまた新しい言葉で、何のことかわからないと思われるかもしれませんので、これもちょっと丁寧に書き下していただいたほうがいいかなと思います。

○平尾委員 資料8のほうで個別の意見、時々「サーマルリサイクル」あるいは「エネルギー回収」というのが出てくるんですが、そこを全部とってしまうと資料9のほうではサーマルリサイクルについては一切触れられていないように思うんですけれども、この辺、この検討の中でどのように考えていくかということも必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○森口主査 これも言葉を大事に使わなければいけないかなと思っておりまして、まず「サーマルリサイクル」という言葉は恐らく、使わないほうがいいという議論もありますので「エネルギー回収」とさせていただいた上で、それが自治体の焼却炉で回収することなのか、あるいは─これはこの後、資料10、11でも少しご議論いただきますが、現在、既に緊急避難的措置とはされていますが、RPF化等、再商品化指標として位置づけられておりますので、こういったものとではまた意味合いが異なってくると思いますので、その辺りは、いかがでしょうか、この後の作業の取りまとめの中には出てきますけれども、資料9、つまりこれはあくまでヒアリングの結果をまとめておりますので、その中でどの程度議論があったかということで、多少はそういった議論もあったかと思いますが、それについては事務局、いかがでしょうか。

○上田リサイクル推進室長 資料9で言いますと、十分書いていないかもしれませんけれども、5ページの4.優先的取扱いの在り方で、特定事業者の方から「むしろ燃料的手法を全面的に採用すべきと主張」今までの条件を撤廃すべきではないかというご意見があったので、こういうふうに書いてあります。
 ただ、最終的には、今、森口主査からご指摘があったように、今年の夏までに方向性を取りまとめるべき事項ということで、これは第2回の資料を再掲して資料11としてつけさせていただいておりますが、その中の項目として挙がっておりますので、これについては、どこかの場で議論いただこうとは思っております。

○森口主査 他に、いかがでしょうか。
 いずれにしても、今日ご議論いただいたことは資料9には十二分に反映され切っていないところもございますし、また、これは作業チームの会合として、これで取りまとめて合同会合にかけるということではなくて、作業チームの委員の皆様はすべて合同会合の委員も兼ねておられますので、引き続き次回の親会合でご議論いただけるわけですが、それにしましても、今日も相当時間が押しておりますし、合同会合になりますと委員数が非常に多くなりますので、なるべく整理し尽くしたものを出すほうが、次回、円滑に進むのかなと思っております。
 そういった意味で、もし重ねて委員のほうから何かございましたら。

○崎田委員 先ほど中井説明員のお話の中で、店頭回収のお話がありました。あのときにはペットボトルとかそういうことが主に書いてあったんですけれども、白色トレーの店頭回収をしているところなどもありますので、店頭回収による回収の仕方とか、何かそういうことはこの辺の検討の選択肢に入れなくていいんだろうか、ちょっとその辺が気になりまして。

○小寺委員 先ほど消費者の方から、見えるようにしてほしいという話がありました。製品ごとの資源化ルートとともに、最終製品の、例えば種類以外にも品質ですね、以前の検討会で、例えばマテリアルですと水分量、塩素量、ありましたけれども、果たしてそれでいいのか、強度的なものを含めなくてもいいのか、その辺り、最終製品がどういった材質のものでどういった機能を持っているか、あるいはどのような価値のあるものか、それを知ることが消費者にとってもよいのではないかと思います。

○森口主査 恐らく最終製品の用途につきましては、今日もご議論ございました。機能の話、どこまでこのヒアリングと意見交換の中で出たか、ちょっと私も記憶が定かではないんですが、いずれにしても、この後、ご議論いただく今後の作業案、資料10、11の中では盛り込んでいただくべき事項かと思います。

○上田リサイクル推進室長 店頭回収につきましては、本日、複数ご指摘いただきましたので、中には入れて、議論に供したいと思います。
 ただ、それについてもいろいろご議論あると思います。実際にお店で出ているものと回収しているものが一致しているかどうかというのは昔から言われている事実でございますが、ただ、非常に質のいいリサイクルであることは間違いない。今回は特に限定を設けず、広く議論するという趣旨からすれば、それも含めて議題に上げたいと思います。

○森口主査 資料8、9についてはよろしいでしょうか。
 これにつきましては、先ほども申し上げましたように、次回の合同会合でご議論いただくある種のたたき台といいますか、議論の材料でございますが、なるべく円滑に議論を進める上で、もし今日、作業チームのメンバー以外でご出席いただいている親委員会の委員、後列にお座りいただいていますが、特に資料9についてご意見がございましたら、今、あと数分だけ時間をおとりしたいと思いますが、何かございますか。

○石井オブザーバー 2点だけ言わせてください。
 先ほど石川先生から言葉の問題で、いわゆる「複合材」という言葉が出ましたけれども、たしか識別表示を入れたときに、複合素材と複合材質と使い分けていたと思います。例えばプラと金属は複合素材、プラの中でいろいろなものがあるのは複合材質、たしかそういうふうに使い分けていたと思いますので、そういう使い分けもあるのではないかという気がします。私はそういうふうに理解しています。
 それから、製品プラの件は、これからどうするかご議論いただきたいと思いますけれども、ご存じだと思いますけれども、実は製品プラについては一昨年でしたか、名古屋市が特区申請を出されております。そのときに経済産業省、環境省、農林水産省、3省合同回答という形で回答文が出されておりますので、ぜひその回答文をご覧いただいて、どういう課題があるのかということも含めて─まだ多分ホームページを見れば載っていると思うんですよね、あのときの回答が。名古屋の特区が出たときの3省合同の回答がありますので、ぜひそちらを見ていただいた上で議論願いたいと思います。

○森口主査 今の2点目につきましては、資料9の中でも別途議論とされておりまして、基本的にはこの作業チーム及び合同会合ではなくて、別途議論のほうが中心になるかと思いますけれども、また随時その状況についてもご報告をいただけると思います。
 後列にお座りの委員、特にございませんでしょうか。

○今泉委員 資料9の3ページ、先ほどケミカルがわかりにくいというご指摘の中で、室長から、制度の仕組み等も含めたことも今後、ご検討いただくということだったんですけれども、私どもが前回主張させていただいた中で、やはりガス化というのが非常にわかりにくいと。高炉還元剤もいろいろございますけれども、そういった分け方、ガス化の中にもアンモニア原料化もあり、そのまま燃やしてしまうものもあり、いろいろあるかと思うんですけれども、そういった組みかえみたいなものも含めてご検討いただけないかと思います。

○森口主査 ガス化に大きく異なる2つの手法があるということにつきましては、資料11に明確に書いてございますので、そちらのほうに進ませていただきたいと思いますが、他に資料9につきまして、関係の事業者さん等、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、今、関係するご発言もございましたので、最後の資料になりますが、資料10「今後の作業(案)」、それから資料11「本年夏までに方向性を取りまとめるべき事項(案)」につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 それでは、資料10をご説明させていただきます。
 資料11につきましては、上にキャプションをつけていますけれども、第2回の合同会合作業チームで配付させていただいたものをそのままつけておりまして、基本的には、こういった1.2.3.裏に行きまして4.5.6.とありますが、こういったものについて、夏までにそれぞれ結論を出していきたいということでございます。
 そういったものを出すに当たって、先ほど資料9で幾つか作業のリストを出しましたけれども、それと資料11を結ぶものとして、今後の作業の進め方みたいな形で資料10を整理させていただいているところでございます。
 資料10につきましては、基本的には、2.にありますけれども、こういうことだったら実現可能性があるシナリオになるのではないかといったシナリオを設定して、データを整理して、LCA及びLCA以外の観点についてデータを整理してみるという作業をしようと思っておりますが、その前提として、1.ですが、今回幾つかご指摘があったものの中で、特に手法間の比較に直接関係するものについて、制度面で今回いろいろヒアリングさせていただいたことを通じて、実現可能性のあるような仕組み、ルールがつくれるのかどうか、ちょっと事務局のほうで検討させていただこうと。それでいけそうだったら、それをシナリオとして採用して、2.のほうですけれども、その他、幾つかのデータも揃えてLCA、また、それ以外の評価をやっていこう、そういう資料になっております。
 1.の(1)、今日の資料9からさらに抜き出したものですが、手法間比較に直接関係するものについては、まず、高度化の方向性。これは前提として、ベールの出てきたものから再商品化した商品というものをどちらの方向に、単一素材化にいくのか、それとも安定化にいくのか、そういった方向性は手法間比較に関係してくる、特にベール品質に関係してくることになるのかなと考えますし、ベール品質ということで言えば、次の分別収集の高度化(環境配慮設計、表示の改善、品質管理基準の設定)こういったものを集約していくことで、分別収集の高度化をどこまで実現可能性のあるものとできるのか、そういった整理ができるのかと思っています。
 それに併せて、これはPO率が例に挙げられていましたが、ベール品質に応じて市町村が材料向きのもの、そうでないものといった効率化を図ることに実現可能性があるのかといった視点、また、今度は逆ですけれども、市町村の側からリサイクル手法の選択ができるのか、それに併せて検討するものとして、地域性の配慮、地域偏在への対応、そういったものも考えることが必要ですし、製品プラとの混合収集も、別途議論の進捗を踏まえた検討が必要ですけれども、それについて、品質面での影響といったものを見る必要があろうかと思います。
 それと、幾つか提案があったものの中で、この手法間比較というものに直接影響するかというと、それほどでもないのかなと思っているのは、収集量の増加、例えば今、参加していない市町村をどうやって取り込んでいくのか、今ある市町村の中でも取りこぼしているものがある、それは例えば混合収集によって増えていくというご指摘もありましたけれども、そういったものとか、直接マテリアルなのかケミカルなのか、マテリアルの優先という議論に関係しないものは、検討の作業時間も限られていることなので、少し集約して絞っていくことが、次の作業ということで外してもいいのかなということで、(2)としてあります。それが収集量の増加と複数年契約と、利用製品の利用拡大ということで、3つ目の利用製品の利用拡大は、材料リサイクルにとって大きな効果ではあるんですが、コスト面では効いて来るのかなと思うんですが、その品質面ということに関して言えば、直接それほどの影響はないのかなということで、3つ目に置いております。
 2.は、こういったことを踏まえてシナリオの設定をということですが、まず、ベール品質というのがどこまで、とりわけ1.の(1)をやることによってベール品質が高度にできるのかということを想定する、そのシナリオを書くのが1点と、特に製品プラとの混合収集をどうするかという視点。
 あと、これは今回、LCAについてのご意見をということで各団体からいただいた中で、データが幾つか古いとか、実測値に合っていないといったご指摘があったので、そういったご指摘を丹念に拾ってデータを一新するという点。
 あと、これは今年1月の合同会合とか、これまでのLCAの議論の再整理というところで指摘させていただいたもの、産廃プラの扱いであるとか処分方法、他工程利用プラの扱い、こういったものを適切にするという観点でシナリオを見直していくことが必要。
 最後は、ケミカルの手法の中も細分化して評価をしていく必要がありますし、今回は燃料化手法、そういったものも検討対象にしていくことが必要であろうと思っております。その際にはもちろん、リサイクルしないということで、埋め立てとか焼却発電とか、そういったものも対象になろうかと思っています。
 これらを踏まえて、2ページの3.ですけれども、LCA等の評価基準の設定と評価ということで、まず、LCAについては二酸化炭素だけを見るのではなくて、資源の節約効果、そういったものも評価基準に加えていくことが必要であろうということです。
 そして、LCA以外にということで議論としてあったのは、経済コストとかその他の考慮事項、例えばわかりやすさとか透明性、そういったものも並べてみて、それを一元化して数値化するのではなく、並べてみて全体として判断するということかと思いますが、そういったものも数字としてデータを整理していきたいと考えています。
 これらを踏まえて、4.は論点の整理ということですが、これについては資料11の2ページの4.を基本的にそのまま写してありまして、第1回のときに説明しましたけれども、基本的にここを目指して、これが結論ということで、これが得られるような作業をしていこうということで、優先についてどうするのか、その優先について結論が出たら、入札に対応するにはどうするのか、総合評価はどうするのか、燃料利用の取り扱いについてどう整理できるのかといった結論を出すという感じになっております。
 ついでに1つだけ言いますと、資料12として今後のスケジュールが出ておりまして、今日は真ん中、4月12日、第4回作業チーム、これをやっております。その後、早ければ連休前、遅ければ連休後ですけれども、合同会合をやって意見を聞いていただいた後に、5月、多分中・下旬ぐらいになるかと思いますが、順調に行けばもう一度この作業チームで、今、ここでご議論いただいて、資料10のような作業でやっていいということであれば、事務的にシナリオを書いて整理をして、その結果についてまた皆さんに提示して、ご議論いただこうと考えている次第でございます。

○森口主査 ただいま資料10で、今後の作業案についてご説明をいただきました。各主体からのヒアリングを通じてさまざまな提案がございましたので、それにつきましては主に1.にまとめられておりまして、2.3.4.辺りはLCA等の評価も含め、手法間の比較をする際の課題、あるいはそれを踏まえた論点整理ということでまとめていただいておりますが、資料10につきまして、いかがでしょうか。

○大塚委員 資料9にも若干絡んでしまうかもしれませんが、資料10の1.実現可能性の検証の(2)ですが、効率性の向上等制度全体に関係するものについて、先ほど来もご議論がございました、自治体さんの廃棄物会計の導入とかいう効率性の向上の話は、必ずしも今回のリサイクルの手法と直結するものではないかもしれません。もっと全体的な問題ですが、これが全く出てこないというのは少し落ちているという感じがしないかなという気がしますので、その問題もどこかで入れていただかないとまずいのかなと思いますが、いかがでしょうか。

○石川委員 1つは、大塚委員もご指摘の廃棄物会計。
 もう一つは、2ページの3.LCA等の評価基準の設定と評価の(2)ですが、2つ目の○のプラスチックの化学的性質の活用の評価というのが評価対象に入っているんですが、これは私は論理的にはおかしいのではないかと思います。資料11のほうで頭の整理的に、これは恐らく分子量が上がるとか下がるとかいうことを意味しているんであろうと思うんですけれども、それはコストとかわかりやすさとか、環境負荷とか事業の透明性というのは独立の評価基準として入れていいと思うんですけれども、プラスチックの分子量が上がるとか下がるとかいうことが、そもそもどちらが価値があるのか。それは価値ではないだろうと思うからです。極論すれば、環境負荷は下がる、コストも下がる、わかりやすさもよい、そして適正性も担保されているけれども、分子量が上がるとか下がるとか、好ましくない。それは、では全面的によいとは言えないという話になるのかというと、それは違うと私は思いますので、この点は再考していただきたい。

○森口主査 2点目は恐らく、今日は改めてご説明されませんでしたが、資料11の3ページ目についている別紙で、特に作業チームの1回目の会合でかなりこういう整理がありまして、その際にも石川委員からご意見をいただいたことと同じ文脈でのご発言かと思いますけれども、石川委員、念のために確認でございますが、資料11の別紙に書かれている燃焼機能のみというところも含めて、この化学的性質については特に差別すべきではないという、こういうご議論でよろしゅうございますか。したがって、現在ケミカルリサイクルというところである種の線を引いているけれども、その線引きそのものに関しても、場合によったらまた議論し直す必要がある、そういうご意見と承ってよろしいでしょうか。

○石川委員 それは先の話なので、議論してからの話だと思いますが、ケミカル、マテリアルは、例えばわかりやすさだとか透明性だとかコストだとか、そういうところで判断すればいいのであって、化学的な性質が、ポリマーの中の分子間の結合がどうしたこうしたというのは、分類としてはいいですけれども、それ自体は価値ではないだろうと思います。

○森口主査 特に今回はケミカル、マテリアルのところについての議論ということでありましたが、恐らくケミカル、サーマルと言ってよろしいかどうかわかりませんが、エネルギー回収というところとの間でも同じような議論があるんだと思います。これがこの作業チームのマンデートの中かどうかは若干議論が分かれるところかもしれませんけれども、この辺りも含めて、今後の課題と受け止めさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局からお答えをお願いします。

○上田リサイクル推進室長 自治体の廃棄物会計の件につきましては、今回、調査もさせていただいておりますが、その別途議論を含めた大きなところがいいのか、それとも夏以降の課題ということで、昨年9月にまとめた中長期的課題の中にも、例えば市町村における環境負荷の提言等の取組と公表といった指摘もありましたし、費用の話も出てくるので、課題として何らかの形で整理できるようには考えてみたいと思います。
 資料10が、まずはこの夏までに出す作業のところに特化しているきらいがあるので、それ以外のもので、ご指摘以外のものも落ちているかもしれません。そういったものが、資料11を今度、方向性をまとめるときには、今年の夏までにやるもの、それ以後に積み残すものというふうなことで分けて、ちゃんと取りこぼしがないように、ご指摘の点も入るように注意したいと思います。

○森口主査 よろしゅうございますでしょうか。
 資料10から12のスケジュール(案)まで改めてご説明いただきましたけれども、これらを含めまして、全体を通じて特に何か聞き漏らしたところ等ございましたら最後に少しだけ時間がございますが、よろしゅうございますでしょうか。

○石井オブザーバー ごみ協会としては、もう来年の再商品化の作業にかかっているものですから、来年の入札に向けてどうするかということがこの中では、たしか資料12の5月の第5回作業チームの一番最後に、平成23年度入札に反映させるべき措置、こういうふうに1行書かれているんですが、ここで結論を出す、そういうスケジューリングと考えてよろしいんですか。

○森口主査 資料11の2ページの6.では、平成23年度入札に反映させるべき措置、春以降となっておりまして、資料12では別途この5月の作業チームではこういう議論をするということになっておりますので、スケジュール間の確認のご質問であったと思いますが、事務局、お願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 春以降というのは、議論に着手するのが春以降。結論につきましては、作業チームはマンデートとしてあくまで意見を整理するということで、決定権限はないということで、定足もありませんし。そういう意味で言えば、ゴールは6、7月の合同会合2回の最終回で、それも含めた決着をというふうに今のところ考えております。

○石井オブザーバー そうすると、7月の中旬から下旬という感じですか。

○上田リサイクル推進室長 議論は7月にならないと全部見えないかというと、多分だんだん煮詰まってくると思いますので、その煮詰まり具合に応じて準備いただければと思います。

○森口主査 非常に時間が限られておりますが、今日は幸か不幸か冷たい雨が降っておりまして、今日は「春以降」には入らないということで(笑)、今日はまだこの議論には入りませんでしたけれども、次回以降、合同会合と作業チーム合わせて4回程度ございますので、そこでご議論いただきたいと思います。

○横越委員 言葉の定義を統一しようという話がありましたけれども、ここでいわゆる手法をどう選ぶかというときに、「経済コスト等に照らして」とありますけれども、この「コスト」について、トータルの費用なんだということをもう一回統一していただきたいと思います。
 なぜかというと、ある委員の方から、本庁でしたか、本社費用はコストに入らないというご意見がございましたが、私から見ると、リサイクル係る費用については間接部門についてもすべて洗い出して検討していただきたいと思いますので、お願いいたします。

○森口主査 場合によりましては、廃棄物会計等で検討されているものの考え方ですとか、あくまでこれは参考資料みたいな話になるかもしれませんけれども、議論の助けになるものがありましたら、次回以降の会合でも事務局のほうでご用意いただければと思います。
 よろしゅうございますでしょうか。

○崎田委員 資料10の2ページの一番上、ライフサイクルアセスメントの評価基準で、二酸化炭素の排出量削減だけではなくて、資源面の削減効果も大変重要なので、ぜひこういうところを入れていただきたいと思うんですが、ちょうど今、資源面の削減効果をCO2とかGHGで出していこうとか、いろいろな動きがありますので、逆にそういうものを導入したほうが早く入れられる可能性もあるかなという気もするので、そういういろいろなものでうまくここを表現していただけるように、チャレンジしていただければありがたいという感じがいたします。

○森口主査 正確なところは後ほど確認させていただきたいと思いますが、ここの趣旨は、CO2の排出削減の大きいものが必ずしも資源の価値としての効果が大きいとは限らない、むしろちょっとトレードオフのようなところがあるということで、あえてこう書いているかと思いますので、それをまたCO2換算するようなことが手法的に可能かどうか、これは非常に難しい、ややテクニカルな議論ですが、この辺りはLCAの専門家にもご参加いただいていますので、その点を含めまして議論させていただきたいと思います。
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、本日は大変ご熱心なご審議、ありがとうございました。
 合同会合には、本日の資料8から11を本日の議論を踏まえて修正したものを、ご報告させていただきます。修正につきましては私にご一任いただければと思いますけれども、いずれにしましても、作業チームの委員の方々も合同会合に出ていただくわけでございますので、できる限り私のほうで修正させていただいた上で、また合同会合で直接ご議論いただきたいと思います。
 なお、資料8につきましては、先ほど事務局からご説明がありましたとおり、本会合終了後、次回合同会合開催までの間に、3回のヒアリングでご説明をいただいた各団体に個別に確認をいただくこととしたいと思います。
 本日は大変長時間にわたり熱心にご議論いただき、誠にありがとうございました。
 以上で本日の審議を終わりたいと思いますけれども、今後の予定等につきまして、最後に事務局から説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 この後の予定でございますけれども、本作業チームにおいて整理いただきました内容について合同会合に報告することとしておりますが、その日程につきましては、概ねのスケジュールは資料12に書いてあるとおりですが、具体的な日程については別途調整の上、ご連絡させていただきたいと思います。

○森口主査 それでは、本日の合同会合作業チームはこれで終了いたします。
 どうもありがとうございました。

午後5時30分 閉会