本文へジャンプ

■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会、
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会
容器包装リサイクルWGプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会
合同会合作業チーム(第2回)議事録


午前9時30分開会

○上田リサイクル推進室長 定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会及び産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会の合同会合作業チーム第2回を開催いたします。
 委員の皆様におかれましてはお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 合同会合につきましては、事務局を持ち回りとさせていただいており、本日の事務局は環境省が担当させていただきます。
 まず初めに、お手元の配付資料をご確認いただきます。資料一覧をお配りしておりますので、資料の過不足等ございましたら、後刻でも結構ですので、事務局までお申しつけください。また、本合同会合作業チームの資料につきましては、原則すべて公開とさせていただいております。また、会合終了後に発言者名を記した議事録を作成し、各委員にご確認いただき、ご了解いただいた上で公開いたします。
 続きまして、本日の合同会合の出席状況でございますが、委員5名に出席をいただいております。崎田委員は若干遅れるとの連絡をいただいておりますので、その場合は6名となります。
 それでは、これ以降の議事進行を森口主査にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○森口主査 おはようございます。朝早くからお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日はお手元の議事次第にございますように、材料リサイクルの再商品化事業者及び再商品化製品利用事業者の方々からヒアリングと意見交換をさせていただく予定です。
 それではまず、事務局から、資料2、今回のヒアリング事項についてご説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 資料2をご覧ください。資料2については今回のヒアリング事項ということで、本日おいでいただいております材料リサイクル事業者の方、また再商品化製品利用事業者の方に対する説明事項のリストを載せております。
 前回の合同会合作業チーム第1回のときのヒアリング項目と少し掲載を変えております。前回の資料については参考までに席上配付ということで、席上の方だけは前回の資料を重ねて配付させていただいておりますが、基本的に中身は同じものでございます。若干前回の項目について統廃合を行って、整理をした形になっております。
 ポイントだけ申しますと、1.の説明事項のところの1つ目の○ですけれども、現行のベール品質を前提として、現状と努力によって改善可能とするものはどうかというのを1つ、前回立てておりまして、法制度の改正が必要な措置の導入等も含めたベール品質に関し、どのような改善を望みと、ここから後は実はいろんなところに散らばっていたものを、わかりやすくなるように1カ所に集約をして、その下に各項目、ポツで6つほど並べておりますが、これも文書で埋まっていたものを箇条書きという形でわかりやすくさせていただいたものでございます。
 また、もう1カ所、1.の説明事項の上から3つ目の○で、再商品化事業者として環境保全上の効果や費用面から見て、再商品化製品の品質はどのように改善されるべきと考えるかと。前回の資料では、この問いについては、利用事業者の方だけに聞かれておりましたけれども、これは利用する側からどうあるべきかということだったんですが、つくっておられるほうからもどうあるべきかと伺ったほうがよろしかろうということで、これを加えさせていただいております。
 あと、開いていただきまして、2.3.とあるんですが、先にちょっと3.を見ていただきまして、再商品化製品利用事業者の方の問いですけれども、基本的にはここは大きく変えておりません。強いて言えば、説明事項の上から5つ目の問いにつきましては、若干前回の議論を踏まえて文章を膨らませているというところであります。
 あと、すみません、その下の6つ目ですけれども、これはちょっと誤りでございまして、ここは削除しておいていただければと思います。消し忘れでございます。
 ここのところは、実は2.のところを見ていただければと思うんですが、最近、材料リサイクル事業者の方で、再商品化製品利用事業まで一貫して行われている場合ということがありまして、その場合は1と3を足したような形になろうかと思いますので、基本的に1と3を足しているんですが、1つだけ追加をしたのが、説明事項の上から5つ目、下から2つ目の○で、一貫して行っていることにより効率化できることや優位であることは何かという、統合のメリット、こういったものを追加しております。3番のほうはあわせてそれをうっかりコピーしてしまったので、それは削除していただければと思います。
 以上、前回の質問事項について整理をした結果を報告させていただきました。

○森口主査 ありがとうございました。
 それでは、ヒアリングに移ります。
 各説明者からのご説明は5分として、順次ご説明をお願いいたします。時間厳守でお願いしたく、終了1分前、それから5分経過した時点でベルを鳴らさせていただきますので、速やかに説明を打ち切っていただくようにお願いいたします。
 先にまとめてご説明をお願いした後、意見交換を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。終了は12時を予定しておりますので、それでは、事業者の皆様、順次ご説明をよろしくお願いいたします。
 初めに平野委員から、資料3、容リプラ利用事業者協会資料に基づき、ご説明をお願いいたします。

○平野説明員 容リプラ利用事業者協会の平野でございます。それでは、ご説明をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、本日このような場を設けていただきまして、関係者の皆様方に御礼を申し上げさせていただきます。早速ですが、再商品化製品の利用事業者の立場で今日はご説明をさせていただきたいと思います。
 私どもは、プラスチックで何をつくれば売れるか、日夜そういった製品企画ですとか開発をして事業を行っているメーカーでございます。この仕組みが2000年にスタートして以来、再商品化製品事業者の方々と、再商品化製品をどのように仕上げていただいて、バトンを渡していただくことが、用途の広がりにつながり、利用が安定していくか、経済的にも合理的かという点を模索して技術確立を進めてまいりました。
 現在、その成果が実りまして、たくさんの製品に再商品化製品を利用させていただくことができておりまして、また、昨今の事情で、再商品化製品に大変依存をさせていただいているのが実情でございます。
 依存している理由につきましては、大きく4つでございます。
 私ども自身がプラスチック製品の製造メーカーとして、1つは循環型社会構築に貢献をさせていただかなければいけないという、社会的貢献という点でございます。
 それから、ここは実態として否めないところなんですが、昨今の経済事情の中で、よりローコストな原料調達ができないかと、そういった点でございます。
 それから、3つ目なんですが、昨今の環境の取組が非常に高まってきまして、企業さんから排出されるいわゆる産業廃棄物系といわれる再生対象物、これが大変激減をしてまいりました。
 もう1つは、ご存じのとおり、中国の方の需要が増えて、産業廃棄物系の今までリサイクルの対象ソースとさせていただいたものが激減する中で、それをカバーできる、期待できる原料ソースという点でございます。
 最後に、もうこれは10年近くなるんですが、いろいろと物性ですとか品質特性を研究させていただく中で、次の製品に持っていったときに、いろいろ取り出されます重金属類とか、そういったものの溶出が認められないと。つまり、これからいろいろリサイクルした製品についてかかってくるであろう制限とか、そういったものがクリアできるんじゃないかなと。
 この大きく4つの点から、私どもも非常に、既にたくさん利用させていただいているということを含めまして、期待をさせていただいているところでございます。
 そして、この間に、もう約10年になると思いますけれども、私どもが経験した点でございますが、利用製品の売れ行き一つで再商品化製品が足りなくなったり、余ったり、もちろん特定の任意の再商品化事業者さんとお付き合いをしている関係上ですけれども、製品が売れてしまうと原料が足りない、製品が売れなくなると材料が余る。それから、苦労して苦労して製品開発した製品が、売れるとすぐにコピー製品が出てきて安売り合戦になる。それから、当てにしていた再商品化事業者さんが落札できなかったりという、そんないろんなことを経験してまいりまして、行き着いたところでございますが、詳細はレジュメで書かせていただいていますが、ポイントを整理させていただきますと、これからの再商品化製品はシンプルで汎用性のある素材をできる限り経済原則に従ってお安く提供していただきたい。この点に集約されるかと思います。
 ここで言う汎用性というのは、何かを特化して用途を限定されていないこと。それから2つ目に、品質のばらつきが少ないこと。3つ目に、粗利が十分であること。4つ目に、安定して調達できる。以上の4点かというふうに思っております。
 お時間の制約もございますので、詳細についてのご質問等については、この後のご質問の時間でお願いしたいかと思います。
 私のほうからは以上でございます。

○森口主査 時間厳守にご協力いただきまして、ありがとうございます。
 なお、委員にはあらかじめ資料が送られております。すべての資料を今日この場でご説明いただくということはとても無理かと思いますので、資料の中身につきましては後ほど質疑の中で個別の点については触れさせていただきたいと思います。
 続きまして、安達説明員から、資料4、日本環境保全協会資料に基づき、ご説明をお願いいたします。

○安達説明員 日本環境保全協会より、福井環境事業株式会社の安達でございます。本日は貴重な機会を賜りまして、ありがとうございます。
 まず最初に右下に3と打たれたページをご覧いただきたいと思います。
 我々、再商品化に伴いまして、他工程利用プラというものが発生いたします。その現状でございますが、おおよそ他工程利用プラとして我々が取り除いているものは、この[1]から[7]といったものになるかと思います。[4]は本来異物ではございませんけれども、[1]、[2]、[3]、[5]、[6]、[7]を取り除く際に、どうしても機械あるいは手によって取り除く際の選別ロスに伴って出てしまう、本来良品であるものです。
 続きまして、4番目の説明資料ですが、約50%が他工程利用プラとなって取り出されまして、これを我々今、現状、RPF化をしております。ただし、今年RPFがJIS化されまして、塩素濃度が規定されたという関係で、今後RPFの塩素濃度管理というものも厳しくなるのではないかというふうに考えております。
 続きまして、5番目の説明資料ですが、カスケード利用について、前回、昨年のヒアリングの機会でもちょっと触れさせていただいたところですけれども、再計算させていただきました。まだ技術的、経済的、制度的に課題は残っているところかと思いますけれども、現状がこの5番目といたしまして、6番目の説明資料で、これをカスケード利用した場合というものを試算いたしました。
 このときにはマテリアルにまず飲み込ませて、余った分をケミカルさんのほうへ、そして他工程利用プラを極力ケミカルさんへという試算をさせていただきまして、実際にはコストが上がるところを、マテリアルのほうで25%、ケミカルのほうで15%低減できれば、全体コストの増加を抑制しながら材料、ケミカルの両方の能力を全て使って、再商品化製品量も現在より約40%増加できるのではないかというものでございます。これにはいろいろ課題がございますでしょうから、またそういった議論が別途されるかとは思います。
 続きまして、7番目のところでございますが、現在主な利用製品として、パレット、建築資材に使っておりますが、身近な商品への取組としまして、指定収集袋の試作を行っております。今回写真に載せておりますこれが容リペレット混合率80%で試作しておりまして、周辺市町村への採用を働きかけているところです。
 それから、9番目でございます。再商品化コストの構造を簡単に、工程別に割り振ってみました。再商品化コストは、ベール運送代と我々のところに入ってきてからの処理費、それからペレットの販売費を引いた分が再商品化コストの基本構造かと存じます。
 そのうち我々のところでの処理費を工程別に表したものがこの円グラフでございまして、やはり最もコストがかかるのは異物除去で約40%、そのうち塩素系の除去に使われます費用が約10%というふうに試算しております。それから、汚れにかかるものは除去で1%、それに伴って出てきます排水処理や汚泥処理のところで約5%ということでございまして、プラスチックの再生に直接必要な樹脂選別とペレット製造コスト、それぞれ15%、20%を足して、全体の35%が本来のプラスチック再生部分というふうにとらまえております。つまり、残り約65%程度が廃棄物の適正処理にかかるコストというふうに我々のほうでとらまえておるところでございます。
 それから、10番目でございますが、現状のベール品質のままであれば、我々としては今後コスト増加をしなければ、なかなか品質の改善は難しいのではないかと考えておりまして、11番、12番、13番でいろいろと書かせていただいておりますが、例えば塩素系樹脂やアルミ蒸着、アルミ箔、複合材の低減、汚れの低減、プラスチック以外の異物の低減、指定収集袋を対象とする。これらのことがもしベール品質のほうで改善されれば、14番目の資料で、先ほどの円グラフを棒グラフに書き直したものですけれども、最大で29%のコスト低減ができるのではないかという試算になります。
 15番目にまいりまして、材料リサイクルに適した容器包装プラスチックはどのようなものかというのを書かせていただいております。これは、このような容器包装が実現すれば、消費者の方には分別の際にプラマークがあるかないかだけで判断していただいて、分離分解してもらうだけでよくて、我々のほうであとは対応できるというふうに考えております。
 最後、16番目、今回特に私どもが言いたかったことの一つとして、特定事業者の方々と我々材料リサイクルに適した容器包装の設計や開発、あるいはそのために我々のほうからの情報提供や連携、こういったことを今後一緒にやっていくことができないでしょうかということで、我々のほうも考えておるところでございます。あとのところはまたご質問のところでと思います。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 続きまして、資料5、全国清掃事業連合会についてでございますけれども、濱委員からお願いいたします。

○濱説明員 広島リサイクルセンターの濱です。本日はこういう機会を設けていただきまして、ありがとうございます。
 早速ですが、今回は、皆さんのお手元にお配りしました最近の利用製品2点ということで、1点目がこの、我々はもったいないうちわと命名しているんですが、うちわと、また、実際に現物としてこういう駐車場緑化の保護材と、委員の先生方には一応写真で配付させていただいておりますが、その他の事例としまして、資料の11ページ以降に写真を添付させていただきました。これらはいずれも容リの使用割合が5割を超えるもので、決して増量剤として利用されているものではありません。
 このように広範囲な用途へ使っていただけるようになってきていますが、残念ながら、こうした取組はまだ一部の業界、または事業者にとどまっているという点も事実でございます。関係する皆様のご理解、ご協力がいただければ、市場性がさらに高まることは確実でありまして、300万トンあるいは400万トンとも言われる汎用オレフィン系プラスチックの国内市場の10%弱までは、これらを目指すことは決して過大な期待ではないというふうに考えております。
 次に、資料3ページの上段に示していますように、私どもでは産廃の処理コストが大きなウエートを占めております。従来からコスト削減対策といたしまして、他工程利用プラの用途開発等に取り組んできましたが、過去には小寺先生のところにもいろいろご協力をお願いしたこともございましたが、結論としまして、現在実行しておりますのが、10ページの下段に記載しておりますとおり、量的に発生量の多い浮上選別工程で発生しました他工程利用プラの水分の減量作戦であります。
 従来は四十四、五%の含水率のものが、今現在、10%以下に脱水しておりまして、このプラの成分につきましては概ね表に記載しておりますとおりであります。塩素濃度につきましては、最近ではほぼ毎週測定しておりまして、その結果、脱水に伴って発生しました紙類が主成分と思われます残渣の塩素濃度と、脱水後の他工程利用プラの塩素濃度がほぼ反比例するという関係にあることが明らかになってきております。
 これまで塩素濃度が非常に高いということで、ケミカルでの利用は困難であろうというふうに考えておりましたが、仮に表に表していますように、PET、PSを主成分とするものがケミカルで利用可能ということであるならば、材料リサイクルの再商品化率は飛躍的に向上して、また市民の皆様のご協力がいただければ、汚れ分が取り除かれ、塩素分が低下し、コストダウンにつながると。さらには特定事業者の皆様のご理解によって塩素系樹脂の利用が削減されるのであれば、もう一つの遠心分離の他工程利用プラのリサイクルも可能になると。より一層の効率が期待できるというふうに考えています。
 このような材料リサイクルには向かないけれども、異物を取り除き、固形状にしたものが他の再商品化手法では再生品として評価できるというものであれば、材料リサイクル側で多少の手間、工程が増えても、他の手法での再生工程が不要になるということから、結果として容リのシステム全体での効率化が実現できるというふうに考えております。
 こういった取組は検証する価値があるとご判断いただけるものであれば、私どもは全面的に協力することをお約束して、意見とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○森口主査 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、資料6、高度マテリアルリサイクル推進協議会資料に基づき、本田委員からご説明をお願いいたします。

○本田説明員 高度マテリアルリサイクル推進協議会、秋田エコプラッシュの本田と申します。本日は貴重なお時間いただきまして、ありがとうございます。
 まず最初に、ベール品質がどうなれば、再商品化のコスト、環境負荷が低減するか、まず一つ提案させていただければと思います。
 まずこのPO率、いわゆる材料リサイクル事業者さんはPEとPPを主にリサイクルしておりまして、あとプラス発泡PSをやっているところがほとんどかと思います。このPO率が高いベールを市町村ごとにはかっていただいて、高いベールから順に材料リサイクル用ベールとして落札できるような仕組みにすることによって、社会システム全体の合理化が図られるのではないかと。また、住民がきれに洗って出している市町村さんも、きれいなベールになればなるほど、材料リサイクルのほうに落札されるというような状況でございます。
 効果といたしましては、環境負荷低減効果としては、全体的に収率が向上しますので、残渣が減少しますから、LCAがよくなります。あとペレットの品質も向上して、バージン代替率も向上して、LCAがよくなると。コスト削減効果は、残渣の処分量が減りますのでコストダウンになりますし、ペレットの品質が向上して売り上げも増加すると。
 実際に、次の3ページのところを見ていただければと思うんですけれども、実際に我々の会員のところで、23市町村のベールのPO率を測定した結果がこちらにございます。点々で書かれていますけれども、一番高いところで79%、低いところで42.2%のPO率であります。平均して45%以上というのがルールになっていますので、そのような形でリサイクルしているわけでございます。
 したがって、ある程度高いベール、PO率が高いものばかり入ってくれば、当然ながら、収率も向上して環境負荷が低くなるというようなことになりますので、上のものから順番に落札できれば非常にありがたいなというふうに考えています。
 もう一つ、4ページのところでございますけれども、品質の向上ということで、もう一つの点として、塩ビラップの除外という提案があります。自治体によって分別が異なっておりまして、容リ以外として分別していただいている自治体A、B、C、それから容リとして分別している自治体がD、E、F、そして何も記載していなくてやられているところがG、H、Iというところで、塩素の割合をベールの中で調べますと、かなり塩素濃度の差が出ているというわけになりますので、自治体さんに当たっては塩ビラップを除外するような区分を明確にしていただくことによって、コスト削減が進むのではないかというふうに変えています。
 5ページ目のところは、塩素濃度を、先ほど外していただきたいということがありますけれども、そもそも塩素濃度がそんなに重要なのかというところでございます。
 1つ目は、塩素濃度は搬入されるベールの品質によって大きく変動するものでございます。ばらつきのある塩素基準をもって、抜き打ち検査で非優先扱いにするのは妥当ではないんじゃないかと。あと、塩素濃度が0.4から0.3に上がったとしても、販売単価にはほとんど影響しないと。塩素は利用事業者の成形機の腐食などの影響はございますけれども、添加剤などで解決できるということでございます。
 あと塩素対策コストを各社かけるだけのメリットが見出せない。あとペレットの品質は塩素よりも主成分、水分率のほうが成形するに当たっては有効に働いていますと。また、再商品化利用製品側の技術革新によって、必ずしもこの塩素を守っていなくても、高度な製品がつくれるということがわかっております。
 したがって、この塩素濃度0.3%以下の優先基準は撤廃して、総合評価で評価されたらどうかというふうに考えています。いかに低コストで高度な製品をつくるかが目標だというふうに考えています。
 続きまして、7ページのところに、再生処理事業のベール1トン当たりのコスト構造ということで、過去、入札制度が変更していくたびに、今回S1を取ってA枠のみ落札しても、最大でも57%の稼働率になるわけでございまして、コストが2年前と比べて31%上がってしまっています。したがいまして、激変緩和策、来年度、A枠が少なくなるということですけれども、なるべくA枠を多くしていただいて、広く薄くやるのではなくて、めり張りをとった入札制度にしていただきたいということでございます。
 あとLCAのイメージですけれども、高度なマテリアルほどいろんな設備投資をして負荷がかかっていますので、その分、高度な製品をつくることによってリサイクル効果があって、トータルなLCAがよくなるという理解でございます。
 後のほうは他の事業者さんが説明されていましたので、割愛させていただきますけれども、カーボンフットプリント等を進めている事業者さんがおりますので、そういったものを評価していただくという点と、製品プラスチック、こちらのほうもPO率がかなり高いものでございますから、別の分科会等で検討していただければと思います。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、資料7、プラスチックマテリアルリサイクル推進協議会資料に基づき、八木委員からお願いいたします。

○八木説明員 NPO法人プラスチックマテリアルリサイクル推進協議会の八木と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 まず、早速説明に入りますが、5番目のスライドの啓蒙活動例のところです。ここに書いてあるのは一例ですけれども、材料リサイクルは見学者に対して一番理解されやすい手法だということは間違いなく言えるのではないかと思います。実際に自治体の担当者からは、ケミカルリサイクルよりは材料リサイクル業者を見学させたほうが話がしやすいとかいう話をよく聞きますし、あと子どもたちの見学も多くて、環境教育としても、物を大切にして循環させているんですよという説明をすることが将来のためにも非常に重要なことではないかなと。このあたりは数字としては出てこないとは思うんですけれども、非常に大切なことかなと思います。
 次に、9番目と10番目のスライドです。材料リサイクルというと、いつも偽木かパレットかという、審議会でもそういう言われ方をされていますけれども、写真のように、用途は非常に広がっていますし、高度な設計品は確実に増えているのではないかと思います。
 次に、12番目のスライドです。ここに書いてある趣旨としては、現状入札では量に対する制約があるので、処理能力いっぱい取れないということで、1キロ当たりのコストを下げることが難しい状況になってしまっているということで、量も増えないし落札単価も上がらないという状況で、非常に苦しい状況になっているという現状を紹介しております。
 次が16番目のスライドですけれども、材料リサイクルに適した原料が何かという問いに対する答えですけれども、複合素材が向いているか向いていないかという話に多分なるんだと思うんですけれども、これはどういうリサイクルを目指すか、どういう成形機を使うかということによっても結論が変わってくるのではないかと思います。
 ガス抜き孔を持っている射出成形とかプレス成形では、特に発生してもガスを抜いて成形しますのであまり問題がないと。ただし、PVC、PVDCというのは酸性ガスが出ますので、材料リサイクルだけでなくて、ケミカルとかサーマルリサイクルにも向いていないのではないかということで、なるべく上流で除いていただければなと思います。
 成形時にガスを発生させるものが材料リサイクルに向いていないという、一般的に言うとそういうことだと思うんですけれども、PVCとPVDCのほかに、あと食品の油汚れとか、ラベルシールののりとか、あるいは複合素材の接着面ののり、それからレジ袋に印刷されている表面印刷のインクなんかも低温でガスを出す物質になります。ただし、これらは選別プロセスとか洗浄プロセスを改良することによって除去できるものでもあるので、このあたりは特定事業者との対話の中で答えを見出せる、どちらをやるのがコスト的に有利かという意見交換が非常に必要かなと思います。
 次に、19番目と20番目のスライドで、他主体への協力のお願いというところなんですけれども、一番重要なところはとにかくPVC、PVDCのラップ製品ですね、これだけでも何とか上流側で除いていただきたいというのが一番の要望になります。これが実現できて初めて材料リサイクルのコストとか品質の意味で、ようやく何か出発点に立てるのではないかなという気はしております。
 続きまして、24番目のスライドですけれども、これは材料リサイクルとケミカルリサイクル、特にコークス炉の手法のコストの違いを書かせてもらっていますけれども、コストは、材料リサイクルのほうが明らかに工程が多くてコストがかかると。現状ではケミカルリサイクルと材料リサイクルの単価が近づいてきていますので、材料リサイクルをコスト的に有利というふうにするためには、とにかく売価を上げるというのも一つの手として必要なことになってきます。
 26番目のスライドですけれども、ここは材料リサイクルの抱えている問題の一つということで、変動費と販売単価の関係を書かせてもらっています。ちょっと詳しい説明をすると時間がなくなってしまうので、説明は省きます。
 次に、30ページですけれども、社会的費用を増大させずに材料リサイクルの品質を向上させるという一つの提案として、ドイツに既にあるものですけれども、ソーティングセンターのイメージを書いております。ソーティングセンターでは、トン当たり、例えばPEペレットでも500ユーロ、日本円で言うとキロ当たり62円ぐらいの高売価で売れているという実情がございます。
 時間になりましたので、これで終了させていただきます。

○森口主査 ありがとうございました。
 それでは、最後のご説明になりますが、ここまで5事業者につきましてはこの再商品化の合同会合の委員としてお加わりいただいている事業者さんからのご説明でございましたけれども、なるべく幅広い事業者さんからお話を伺いたいということで、最終製品協議会を代表いたしまして、飛山様から資料8についてご説明をお願いいたします。

○飛山説明員 最終製品協議会の飛山です。本日は貴重なお時間ありがとうございます。
 早速ですが、現状のベール品質を前提とした改善可能性というところで、現状のベール品質で100%容リ材使用による最終商品ができて、販売されております。これをさらに拡大したいと考えており、ベール品質の向上は特に必要とはあまり思っておりません。ただし、ベール製造段階で塩ビラップを除去できると、さらに費用対効果や効率が上昇すると考えております。
 また、改善可能性につきましてですが、特定事業者さん、市町村さん等の負担が増える改善案は避けるべきと考えておりますが、容リ以外の一般プラをあわせて制度に取り組むことは検討すべきではないかというふうに考えております。
 中長期的な事項についてですが、利用事業者に対し用途開発のため助成をするなど、一時的に費用がかかるものの、結果、トータルコストなんかを低減化できるんじゃないかというふうに考えております。
 また、材料リサイクルコスト構造についてですが、容リパレットと呼ばれる部分では、50円から60円/キログラムの販売価格であり、事業者の卸価格は約30円から40円/キログラムとなっております。販売費をかけて拡販を図っており、さらにコスト削減に努力するようにしております。
 また、利用商品の用途紹介というところなんですが、すみません、資料6ページをご覧ください。容リの材料リサイクルでリサイクルパレットが使用されているのが約34.2%となっております。材料から製品まで一貫したラインで生産されており、トレーサビリティーが極めて高いと。また、透明性の高いリサイクルシステムだと考えております。
 また、資料7ページをご覧ください。パレットについて簡単にご説明させていただいておりますが、こちらのほうは割愛させていただきます。
 また、続いて8ページになっております。実際、容リパレットの用途という形で使用している写真なんかを写させていただいております。ホームセンターであったり、そのホームセンターにあるレイアウトの下敷きパレットであったり、物流パレットであったりという、多種多様な面で活躍している部分でございます。
 また、順番が逆になっているんですが、先に10ページのほうをご覧ください。我が国のパレット市場は年間8,000万枚のうち、プラスチックパレットは1,000万枚と増加しております。そのうち、プラスチックパレットの中で容リパレットは210万枚となっております。容リパレットは価格のほか、物流トレーが保管用から輸送用に変化していることや、環境の意識の高まりにより、プラスチックパレットの中でシェアを伸ばしてきました。現状では木製パレットのほうが主流なんですが、輸出用梱包材に対する規制を各国が導入することにより、代替需要が急増しております。プラスチック製から金属製という形も増えているということになっております。
 すみません、資料9ページをご覧ください。今後は1,000万枚、現状の5倍の存在需要を見込め、既に200万枚を超える需要に対する供給責任が生じております。今後も安定的な原料調達の確保が必要になっているというふうに考えております。またLCA面でも、当協議会の試算では、約50%削減されているというふうに考えております。
 また、その他の使用用途という部分では、パレットのほかに最終商品の開発の努力にしております。既に医療用ペール缶で容リ材を射出成形する技術なども協議会会員の利用事業者さんのほうで開発されております。ペール缶市場で15%を超えるシェアとなり、急速に拡大しております。この射出成形の技術は、製品開発の技術的キーになる可能性が大きいと考えております。
 また、高度化についてなんですが、容リ材料リサイクルの高度化というところで、最終製品利用までのトレーサビリティーを高く保つ仕組みを構築し、可能な限りオープンなシステムをとるべきであると考えております。その上で、容リ樹脂使用量を評価指標としてウエートを持たせたいなというふうに考えております。これは解決すべき最大の問題点である透明性の確保につながると考えております。
 また、最後に、容リ法の再商品化事業は国が行う戦略的リサイクルであり、容リ廃棄物は貴重な資源と考えております。このため、事業者は適正かつ透明性の高い事業を行い、リサイクル商品を国内市場へ確実に供給することが容リ法の趣旨に合致し、国の環境政策にも沿うものと考えております。
 簡単ではございますが、最終製品協議会のヒアリングプレゼンとさせていただきます。ありがとうございました。

○森口主査 ありがとうございました。
 各事業者とも時間厳守での発表にご協力いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、意見交換に移りたいと思います。本日最後の30分程度をその他の議題に充てる必要がございますので、ただいまより概ね11時半まで、約80分間で意見交換の時間をとりたいと存じます。いつものように、ご発言いただく委員はネームプレートをお立ていただきますようにお願いいたします。
 それで、進め方でございますが、特定の事業者さんに対するご質問、あるいは各事業者さんに共通してお答えいただきたいご質問等あるかと思います。何分、6事業者さんご出席いただいておりますので、すべての事業者さんにお答えいただきたいという質問については、かなり質問数を限っていただく必要があるかと思いますが、そのあたりは時間の進行を見ながら進めさせていただきたいと思います。委員の方、それから事業者のほうからお答えいただく際にもなるべく簡潔にお願いをしたいと思います。
 それでは、特定の事業者さんに関する質問でも結構ですし、あるいは共通しての質問でも結構でございますが、委員のほうからご質問等ございましたら、お願いしたいと存じます。いかがでしょうか。
 少し委員が譲り合っておられますが、私もたくさん質問がございますので、委員のほうが遠慮されるようであれば私から質問しますが。では、小寺委員に口火を切っていただきたいと思います。

○小寺委員 皆様に伺います。かなり複雑な組成のプラスチックを扱っていると認識していますが、資源化はPEとPPのポリオレフィンを対象するものと、PSが3つ目の大きな成分として入ってくるので、PSも含んで対象にするものの2つの大きな用途があると思います。もともと容リプラを材料リサイクル事業者さんに処理してくださいねと委託しているわけですが、もともとリサイクルできやしないものを託しているのではないかという懸念もあります。リサイクルできるものならば、多少コストをかけて託しても、これは合理的な話ですけれども、できないものを託している可能性がある。
 すでにご発表にその内容もあったと思いますが、もともとのベールとして、あるいはその前、消費者に対して、制度としてこのような材質、このような品目に限ってくれと、制度の変更などを求めることはありますでしょうか。そういう強い要望があるのか。それとも、いや、この程度の範囲の材料、品目のばらつきは吸収できますよとされるのでしょうか。現状のスタイルでも、それぞれの事業者さんの技術と事業のやり方の変更で何とかなるのか、幾つか言及がありましたけれども、そこのところが核心だと思いますので、必要に応じてコメントをいただければと思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 ただいまの点は、資料2、上田室長から最初にご説明いただいた今回のヒアリング事項という資料がございますが、材料リサイクル事業者に関する説明事項というところで、2つ目の大きな○、材料リサイクルに適した容器包装プラスチックとはどのようなものかといったところがございます。これと非常に関わりの深いところかと思います。あるいは1番目のベール品質、現行のベールなのか、あるいは法制度の改正が必要な措置の導入等も含めてベール品質、どのようなベールに来てほしいのかというご質問であったかと思います。この点は私も大変重要なご指摘だと思いますので、なるべく多くの事業者さんからお答えをちょうだいしたいと存じますが、この点に関連するご質問、もし委員のほうからございましたら、先にちょうだいしたいと思います。よろしゅうございますか。この点に関することだけ先にちょうだいしたいと思います。
 崎田委員、お願いします。

○崎田委員 今の点を私はもうちょっと消費者感覚で質問をしようと実は思っておりました。ですから、例えばそれは、集まるもののプラスチックの品質で解決できる問題なのか、汚れのところまでいって解決できるものなのか、その辺のことを含めてお話しいただければありがたいというふうに思いました。

○森口主査 ありがとうございます。
 そうしますと、質問を整理させていただきますと、プラスチックの種類、特にPE、PP等のポリオレフィンを主体とする、あるいはそれ以外のものも含めて、どのようなものがあるかという話。
 それから、崎田委員のほうからは、プラスチックそのものではなくて、汚れの問題ですとか、場合によっては異物のような話も関わってくるかと思います。消費者による分別、あるいは市町村における選別といったところに関わってくるところも含めて、ベールの品質ですね、再商品化事業者さんにとっては原材料ということになろうかと思いますが、それに望むことについて、既に説明資料でお答えいただいているところでございますが、適宜説明資料をお使いいただいて、手短に各事業者さんのほうからお答えいただきたいと思います。
 委員のほうはよろしゅうございますか。それに関しての追加質問はございませんでしょうか。
 それでは、各事業者さんのほうからお願いいたします。どういたしましょうか、順不同でも結構ですが、説明順でお願いいたします。もしそれぞれの事業者さんの特性上、それに直接関わらないということであれば、お答えは辞退いただいても結構でございます。
 では、平野委員からお願いします。

○平野説明員 まず、できるもの、できないものというのはやっぱり存在していると思うんですけれども、それを分別、分離をしているんだと思います。今、対象として利用しましょうと言っているものについての結論としては、できるということでございます。
 それから、よくポリエチレンですとか、PPですとか、PEですとか、そういう表現があるんですが、現在の私どものとらえているイメージというのは、再商品化製品と言われているもの、いわゆるPOという表現をされておりましたけれども、実態としてはポリエチレン、ポリプロピレン、それからナイロンですとか、要するにラミネート品がかなりありますので、いろんな樹脂が混じっていると思うんですが、混じることでいわゆる我々のこの制度が始まる前のプラスチック文化から言うと、全く異素材というか、新しいカテゴリーの材料になっているという認識です。ただし、それはそれで今使いこなせる状態に確立されてきていると思います。それが1点でございます。
 ですから、混じってはいけないもの、いけるものを認識する上では、容リ材とか容器包装材というよりは、おっしゃるみたいに、PPとかPEとか、そういう表現が、回収するほうでの表現としては、そういう表現がわかりやすいと思うんですけれども、今基本的な技術としては、光学で分ける話と比重で分ける話で出ていますので、PETとPSとオレフィンぐらいですかね、マテリアルとしてすくえるかなと、使わせていただけるかなというのはあります。
 ただ、PSとオレフィンの関係というのはちょっと微妙でして、私ども最初やったときに、PSが自治体さんによってすごく量が違うんです。これは入っちゃいけないとかという前に、一定にしてほしいという。そうすると、後の味付けで対応ができるんじゃないかなと思います。全く分けて分別対象を増やすのか、安定しましょうという話で行くのかは、今後の技術的な話なんだと思います。
 崎田さんがおっしゃった問題で言うと、私らはどちらかというと、今のネーミングから起きる誤解とかはちょっと整理していただきたいなと思うんですけれども、ある程度現状の分離技術とか分別対象で使いこなせるところには来ているなというふうに思うんですが、やっぱり品質を左右しているのは、汚れを落とせているか。それから異物とよく言うんですが、異物の対象というのは、プラスチック以外のものという言い方のほうがわかりやすいと思うんですけれども、木、紙、金属類ですかね、その辺をしっかり分別、それから技術的にとれているか、その辺が大きな問題点になるかと思います。
 もう一度、くどいんですけれども、プラスチック素材として言うと、ある程度カテゴリーをちゃんとした上で、混じっていいもの、混ざって悪いものがあるんですが、安定させてほしいと、混ざり方を。そんなイメージでございます。
 お答えになっているかどうかあれですが、使えますということです。

○森口主査 ありがとうございました。利用事業者の立場から、かなり詳細にお答えいただきました。
 再三で恐縮ですが、なるべく手短にということで、よろしくお願いいたします。
 安達委員、お願いいたします。

○安達説明員 まず、再商品化事業者として材料リサイクルをさせていただいている立場から申し上げますと、今回資料の中にベール品質の改善等に対しての要望とか、あるいはこういった容器包装になればというものを事細かに書かせていただきました。今の段階では、それは夢物語だよとおっしゃられる特定事業者の方もおられるかもしれないと思いつつ、こうなったらいいなという部分も含めて書かせていただいたものです。
 あと特に我々の現状として、日々、収率基準とか主成分濃度など、いろいろルールのもとでリサイクルをさせていただいておりますので、それをまず守っていくということをやっていきます際に、例えばこの塩素系樹脂でありますとか、あるいはアルミ蒸着、アルミ箔、複合材といったものが材料リサイクルとして当面のは材質としての材料リサイクルとしてちょっとハードルかなと思っております。
 例えばこれは今日、現場から持ってきたんですけれども、これは、プラスチックのペレットを成形するときに最後に通す異物除去のためのフィルターでございます。表と書かれているのがプラスチックを通す上流側で、裏と書かれているほうが下流側になります。これをご覧いただくとわかると思うんですが、我々、最終的にそこを200度ぐらいで熱をかけて通しているんですけれども、表側のところ、アルミ物がかなり付着している様子がご覧いただけるかと思います。こういった形でアルミを取り除かなければいけない。これは当然、手選や機械選別で上流側で取り除いても、なお通過したものが、最終的にそこへたどり着くといったものでございます。そういったものを取り除いたりすることで、当然、製造ロスも発生いたしますし、こういったものが極力なくなればいいなという思いは日々抱えておるところでございます。
 こういったところを細かく詰めていきますと、今やはり我々の思いとしては、容器製造の段階から我々のリサイクルの現場の声を反映するような形ができないかというところを望んでおるところでございます。
 それから、消費者の方々につきましては、日ごろ非常に高い分別の排出をしていただいているのかと思っております。しかしどうしてもやはり数%程度の容器包装プラスチックでないものが入ってきていると。我々このわずか数%を取り除くために多大なコストをかけざるを得ないというのが現状でございまして、これをゼロにしていただきたいというのはやまやまではございますけれども、こういったものを少しでもなくしていただくことができればという思いはございまして、例えば容器包装の排出の仕方、あるいは容器の構造が変わればまた変わるところがあったりするのであれば、やはり上流側から変えていけたらなという思いがございます。

○森口主査 ありがとうございます。
 今のお答えの中でもございましたが、もともと小寺委員のご質問の中では、特に樹脂の種類としてどのようなものを分けるかということでございました。既にご説明の中にも入っておりましたし、今のお答えの中にもあったものですが、樹脂であっても、こういうものが来ると非常にリサイクルの効率を落とす、あるいはコスト増になるという要因についてもあわせてご説明の中でお答えいただければと思います。
 それでは、濱委員、お願いいたします。

○濱説明員 私どものリサイクル製品の主成分というのは、材料リサイクルのほうは先ほど本田説明員のほうからありましたように、PP、PEを主成分とするペレット、利用事業者の方にはそれを利用していただくということで、それがメーンの製品になっておりまして、発泡スチロールとPSの製品が次の製品という形で、我々はこの2種類のものを製品として扱っております。
 PETにつきましては分離されている、そういうところもございますが、最近の容器包装の中に入ってくるもので、PET区分に分類されていない、例えば洗剤容器ですとかそういったものが多数見受けられまして、先ほど説明させていただきました資料の中でも、四十数%から、多いところでは70%まで、分離した中にPET部分が含まれるといった、そういうような市町村もございます。
 そういうことで、できればそういうものが少なくなればいいというのは我々の希望ではございますが、だけど、現在つくられているものはそういういろいろな、多種多様なものが利用されているわけですし、それを、そういったものは受け取れないとか、できないとか言うわけにもまいりませんので、そういうものをより効率よく選別し、分離しということで、そういった関係の部分で、うちの資料の中の、ベールの品質と、汚れの関係と、そういったPET、それからそれ以外の、プラスチック以外の異物の混入率の関係の分をちょっとグラフにしたのが、私どもの資料の中の10ページで、ベール品質の現状ということでグラフに表しておりますが、これを見ますと、汚れの程度の、そういったプラスチックが少ない市町村のベールにつきましては、金属類ですとか、衣類ですとか、そういったものも同じように少ないという傾向が現れるということで、若干でもこういった意味で汚れを落としていただければ、また先ほど冒頭申し上げましたように、ケミカルで利用が十分できるような、そういった内容のものにもつくっていくことができるというふうに私どもは考えております。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 続きまして、本田委員、お願いいたします。

○本田説明員 秋田エコプラッシュの本田です。
 小寺委員がご指摘いただいたように、材料リサイクルに委託してもできない樹脂が含まれているんじゃないかというご指摘の点でございますけれども、材料リサイクルは我々の高度マテリアルの製品の例で言うと、14ページから18ページまでいろんな製品がありますけれども、すべてPPとPEからつくられた製品でございます。PSについても発泡系についてはインゴットにして、ビデオテープ等、ほかの原料にはなっているんですけれども、残りのPETとか硬質系のPS、こちらについては、現状は残渣としてサーマルリサイクルということになっているわけでございますけれども、容リの仕組みからいって、45%以上再商品化しなさいと。50%までが一応お金をいただけると。頑張って55%、60%リサイクルしても、お金を追加でいただけないというような状況のものでございます。
 PETとPS、じゃ技術的にマテリアルリサイクルできないのかということでございますけれども、こちらについてはもう一回、自動選別機に入れて、残渣からもう一回PETだけ取り出す、PSだけ取り出す、それで単一樹脂にすれば、もう一回マテリアルリサイクルできるんですけれども、それだけコストをかけても、料金が50%までしかいただけませんので、それ以上やる必要があるのかというところで、今現状は、PP、PEの材料リサイクルが中心になっているというような状況でございます。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは、八木委員、お願いいたします。

○八木説明員 崎田委員のご質問の汚れの問題についてですけれども、日本のベールと、またドイツの話になっちゃうんですけれども、ドイツのベールを比較すると、日本のベールのほうが非常にきれいなんです。日本で例えば、ヨーロッパ製の機械が多いので、向こうのエンジニアとかが来て見ると、日本のベルトはこんなにきれいなのかと驚くんです。ですから、汚れの落ち具合は非常にレベルが高いほうだと思います。
 ただ、質として違うのが、食品に触れているものが多いもので、油汚れが全体的に日本のベールのほうが多いのではないかということで、油汚れに対する洗浄プロセスが、今までちょっとその辺しっかり技術的に見てこなかったというのが恐らくあるんだと思うので、油汚れが落ち切れないことによってにおいがでたり、ガスが出たりという問題は一つ、技術的な問題としてあるんじゃないかと思います。ですから、消費者の問題というよりは、技術の問題ではないかと思います。
 それから、材料リサイクルに向いているか、向いていないかというお話ですけれども、現状ではやっぱりPE、PPを中心とした制度になっていますので、それでPSとかPETは再商品化する事業者は非常に少ないんですけれども、物としては間違いなく使えるんですね、PSもPETも。ただ、枠組みがそうなっていないだけということで。材料的にも、PEとPPのオレフィン系というのは、どちらかというとにおいを吸着するんです。PSとPETは、においを吸着しにくいので、材料リサイクルとしてはむしろ向いている材料ではないかなと、個人的にはそういうふうに思っていますけれども、現状の枠組みでそれをやろうとしても、非常に苦しい。先ほど本田委員からもご説明がありましたけれども、コスト的に難しいと。
 それから、複合素材については、やはりどういうリサイクルを目指すかで結論が変わってきまして、先ほど説明しましたが、再生専用の成形機とかガス抜きをちゃんとしている成形機であれば、複合素材でも使えるのは使えると思いますけれども、そういう機構を有していないバージンだけで成形するような成形機でやろうとすると、やっぱり発生ガスの問題が出てきますので、複合素材はないほうがいいという話にはなると思います。
 ただし、それを消費者で、複合素材と単品ものを分けるという話になると、また全然違う話になってきて、それはちゃんと分けられるのかとか、あるいは分けた後のプラをまた別に収集すると、その社会的費用はどうかという別の問題が出てくるので、分けるにしても、いかに合理的に分けるかという議論は非常に必要なところではないかなと思います。
 技術的には、今、光学式で複合素材を分けるのはちょっと難しいんです。例えばPEのラミネートの部分が薄かったり厚かったりすることによって、選別機で反応したりしなかったりすることがあって、それをある程度機械でも分けられるような設計というのは技術的にはあり得るのではないかと。これは非常に検討が必要なところだと思うんですけれども、技術的には可能ではないかなと思います。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございます。
 八木委員、恐れ入ります、複合素材とおっしゃったものは、具体的にはどのようなものまで想定されているか、先ほどアルミ蒸着の話なんかもありましたので、そういうものではなくて、プラスチック同士だけれども複合ということをおっしゃっているのか、あるいはそれ以外のこともおっしゃっているのか、そこのところをもう少し補足説明をお願いできますでしょうか。

○八木説明員 キャップであれば分離して、ボトルはPEだけどキャップはPPということであれば分離できますので、それは複合素材とは言わなくていいと思うんですけれども、手ではがせないもの、PEにポリアミドのラミネートのフィルムが貼ってあるものとか、あとPEにPETのラミネート品。それからあと、アルミ蒸着品も大体複合素材になっているんですね。PPだけじゃなくてPEにPETが貼ってあってアルミ蒸着ということで、どれも大体同じような傾向がありますので、はがせないものは複合素材という扱いでいいと思います。

○森口主査 ありがとうございました。
 それでは、最終製品の利用のお立場からも何か見解がございましたら、飛山説明員、お願いいたします。

○飛山説明員 いろいろなPP、PEの樹脂を使わせていただきまして、事実上、本当に100%容リ材を使用して最初のパレット製品ができているというところになります。
 私ども、一貫生産ラインという形で、原料をつくって、その後ろをまた同じ工場の中でパレットのほうの生産もさせていただきます。そういうことの中で、実際自分たちでつくっている原料がいかに最終製品になるのかと。実際使われないというところではいけないというところで、いろいろ上流と下流のほうで話などをさせていただいて、品質改善なんかを取り組んでおりました。
 その中でもやっぱり一番大きなところであるのは、やっぱり食物残渣なんかの付着というところで、技術的な部分で手選別なんかで取れないものというところなんかは、水処理施設なんかを改造させていただいて、いかに循環させる水をきれいにするのかとか、もう一点が、選別する精度である部分をいかにどういうふうに上げるのかというところで、光学式選別機であったり、水処理場の改造であったりというところをやらせていただいております。
 そうした中で、本来上流から来る原料を最終商品までするという中で、本当の設定であったり、機械的ロスをいかになくすかというところで、先ほども話させていただいた塩素樹脂なんかをやっぱり入れないというところでは、事実上、金型でパレットの成形を行います。そのときに塩素分が多いと、どうしても金型にその塩素分が付着しまして、金型の腐食につながってきます。本来であれば10万枚ほどのパレットを、ワンショット考えまして、そこからメンテナンスをかけていきたいなというような形で考えているんですけれども、どうしても塩素系が多いというところで、金型の腐食からつながりまして、バリと呼ばれる成形時に出てくる要らないものなんですけれども、余分なものを取らないといけないとか、そういった作業ロスが起こってくるというふうになります。
 こういった面でも、上流からどういうものを入れるのかどうかというところと、PP、PEの主成分である中でも、多少PP以外のものも入っております。こういったものも機械のほうでスクリーンチェンジャーを設けまして、まず前提の中で金型内に起こらないようにするとか、やっぱりこういった手法をどんどん新規として入れていくというところでは、本当に容リ、今の100%PP、PE材料で最終製品のほうができているというような形になっております。

○森口主査 ありがとうございました。
 冒頭の小寺委員、それから崎田委員からのご質問に対して、事業者さんからそれぞれお答えをいただきました。
 石川委員の札が立っておりますので、これと関連する……、何か、平野委員。じゃ、平野委員、先にお願いします。

○平野説明員 かねがねちょっと思っていることがございまして、アルミ蒸着という表現が出ているんですけれども、アルミ蒸着の件に関しては、蒸着のものとアルミ箔のものとはちょっと分けて考える必要がありまして、私どもの感覚ですと、もちろん製品にもよるんですけれども、アルミ蒸着というのはあまり影響を出しているようには印象としてないんですけれども、ちょっと一言付け加えさせていただきます。

○森口主査 ありがとうございます。
 そのあたり、もし後ほど時間があれば補足してほかの事業者さんからもお答えいただきたいと思います。
 石川委員、お願いいたします。

○石川委員 私のほうから、費用とか入札関係というところをお伺いしたいんです。
 大きく分けて2点ありまして、まず最初に、カスケードシステムですね、残渣とか、マテリアルできないものをケミカルに持っていこうというご提案がありまして、その中でもこれは安達委員と濱委員から、資料の中に計算例とか記述があったので、特にお答えいただければと思うんですが、このシステムの中のご提案の中で、何をご提案されているのかというのをちょっと明確にしたほうがいいと思いますので。
 1つは、マテリアルリサイクルサイドでコストを下げてケミカルのほうに回せば、そちらもコスト、単価を下げていただいて、全体としては費用負担はあまり変わらず、もっとリサイクルできるというふうなフローが出ていまして、計算はそのとおりだと思うんですけれども、伺いたいのは、マテリアルリサイクルで25%コストを削減すると計算されている中身なんです。
 それから、濱委員のほうもそうだったかな、産廃処理費をゼロとすれば下がるという話と、それから異物除去のところで、異物が入ってこなければゼロだというのを前提でお考えになっているので、異物が入らないとか、産廃処理費がゼロになるというのは、言ってみればシステムの変更による単価削減ですので、その部分で下がるのは事実ですが、全体として下がっているかどうかは別問題ということになりますので、マテリアルリサイクルのそれ以外の、技術のみでどのぐらい下がるというふうにお考えになっているかというのを伺いたいということと、それからカスケードに持っていったときに、それはケミカルリサイクルに持っていくわけですから、通常の費用だけで見れば産業廃棄物処理より高くなるはずで、マテリアルリサイクル事業者さんから見れば、何らかの制度的な手当てをして、これは現状の枠組みから想定すると、ブランドオーナーから、別途、容リ協会を通じて払えばいいと、そういうふうな話ですから、社会全体でどうなっているかよくわからないという話がありますので、そこの辺をちょっとどうお考えなのかなというのをお答えいただきたいです。
 それからもう一点は全然別ですけれども、入札方法に関わるようなご提案がありました。これは本田委員と八木委員だったですかね、それに関係するという意味ですけれども。本田委員からお話があったような、ポリオレフィンの含有量によって区別したほうがいいんじゃないかという話と、それからお二人の委員の中で共通する問題意識というのは、稼働率が低いから単価が上がっているんだという問題意識ですね。
 まず最初に、本田委員からご提案があったような、ポリオレフィンの率によって優先枠の運用の方法をもう少し考えたらいいんじゃないかというお話ですが、これについて2つの、稼働率が低いという問題とあわせて考えると、私が思ったのは、これはどちらもシステム全体が量のほうで枠を決めて、量で制御しようとしていると。A枠は何トンとか、また入札してもいいのはどのぐらいとか、1事業所の中でも優先枠はこのぐらいと、非常に複雑なんですが、すべてが量で決めようとしているというところがあるので、なかなかゆがんでくると大変だなと。改善したくなると、やっぱり量的にと行くんですけれども、そうして考えてみると、例えば随分違う話なので、これはできるかどうかわからないんですけれども、仮にマテリアルが何らかの理由で優先すべきだというふうに考えたときに、量ではなくて、価格の差、単価の差で、これだけアドバンテージを認めますというふうな形でやれば、今ご指摘の問題は両方クリアできる可能性があるんじゃないかと思うわけです。入札だけで決めて、好きなだけ入札すれば、量の規制がなければ、落とした方は100%ですから、落ちた結果は全部単価は、ご指摘のデータからいくとかなり下がりそうだということになりますね。
 ところが、これは大きな制度変更になりますので、これに関してはご提案の2委員だけじゃなくて、ほかの方からも、そういうふうな物の考え方ですかね、どうお考えですかというのをちょっとお伺いしたいです。とりあえずそれだけです。

○森口主査 ありがとうございます。
 そうしますと、2つ目のご質問については、特に再商品化事業者さんについてはすべてお答えをいただいたほうがよろしいということになりますね。前半のご質問は主にご提案のあった安達委員、濱委員へのご質問ということになるかと思いますが、もし本田委員、八木委員のほうでもケミカルとのカスケードの仕組みにつきまして何かご意見があれば、それも手短にちょうだいするということにしたいと思いますが、今の点に関する関連質問をとってもいいんですが、今のご質問にお答えいただくだけでもかなり込み入っているかと思いますので、一旦これだけにつきまして、このご質問については再商品化事業者さん4事業者さんにお答えいただいて、もし利用事業者さんのほうでも追加コメントがあればいただくということにしたいと思いますが、ご準備のできた委員からこれはお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、安達委員、お願いいたします。

○安達説明員 では、資料4の3ページ、スライドの6番のご指摘かと存じます。
 今回こういった試算をさせていただいた背景は、1つは、カスケード方式ということで、まず順番としてはマテリアルで優先的に処理して、そこからケミカル向きのものが取り出せたときにという想定をしております。
 まず入り口のところで、これは平成21年度の落札結果から数字を用いておりますけれども、21年度の申し込み量が67万9,000トンという数字がございましたので、そこから最大、まずマテリアルをやりましょうというところで、マテリアルの能力いっぱいの55万8,640トンをマテリアルのほうに振り分けまして、そのうち12万トンがまだ余りますので、それをケミカルのほうに割り当てたというのがまず入り口の第1段目でございまして、その後、マテリアルから半分、27万9,000トンの他工程利用プラが出てまいりますので、それをケミカルの残り27万トンの能力のほうに振り分けたということで、マテリアルが入り口で55万8,000トン、ケミカルが12万トンと他工程利用プラから27万トンで、それぞれが21年度の査定能力の全量に達するという振り分けで、カスケードが実現するという試算でございます。
 これはいろいろ都合のよい試算をしてはいるんですけれども、現状をRPF化とか産廃処理で20円/kgと仮定して、それをケミカルへ持っていった場合に、ケミカルの処理費用に振り替えて試算しています。ここで他工程利用プラ以外のマテリアルの経費は変化なしとして試算しますと、単純にやはり再商品化コストは上がります。
 そこで、まずマテリアルで25%低減ということをここで書かせていただいたのは、実は後の方で、ベール品質がこう変われば最大限、処理費が29%下がるという試算をしていますので、こういった形で、もし最大限コスト削減ができればというところから25%低減と試算したところです。 ケミカルの15%低減というのは、マテリアルが25%処理費が低減できた場合に、全体のコストを21年度と同じように抑えるためにはということで逆算した数字でございますけれども、ケミカルのほうが15%低減できれば、全体コストは21年度と変わらないというところを求めたということでございます。
 それからあと、マテリアルの技術のみでどれくらいコストが下げられるのかということに関して言いますと、現状のシステムの中ではベール品質が特に改善されなければ、我々は逆に品質や収率を上げるためにコストをかけなければなりませんので、逆に何も新しいことをしなければ減価償却の低減分だけコストが下がるというのが今の状況かと存じます。
 あと、入札方式の件でしょうか。ちょっと長くなりましたので、移ります。

○森口主査 はい、ここまでで結構です。
 では、濱委員、お願いいたします。

○濱説明員 カスケードシステムということで、ご提案という形で出させていただいたんですが、冒頭申し上げましたように、我々の産廃コストのうち、実際に我々の手法で言えば、水を使った選別方式というのをやっていまして、水分の付着という、含水率というのが非常に高うございます。すべてのものを産廃でそれを処理しますと、その重量に占める水分というのがかなりのウエートを占めておりまして、水を運んで、水を処分して、水を蒸発させてお金を払うのかというのがそもそもの発想でございまして、それをできるだけ減らそうということで取り組んだ結果、付随的に生まれたのが、汚れ分によってそういう付着物が塩素濃度を上げているんじゃないかという仮説というか、そういうことが十分考えられると。それを取り除けば、取り除いたものの材質がこういった組成であれば、ケミカルに利用できれば、いっそのことそれをそのまま運搬するよりも、そこまで脱水してしまえば、固形状のものを、例えばRDF状のものですとか、そういうものを全部つくれば、これも以前ヒアリングというか、審議会の以前の分でケミカルのほうの再商品化製品の販売価格はと言われたとき、たしかトン当たり数千円というふうに記憶しておるんですが、そういった価格である程度販売可能であれば、今まで一般的に約2万円支払われていた産廃費用がゼロになって、逆に9,000円ということで、3万円弱の差額が発生するんじゃなかろうかなということで、それにかかる設備コストというのは十分吸収できる範囲内じゃないかなという発想で一応考えておりまして、実験してみる価値は十分にあるんじゃないかなと。
 以前、遠心分離のほうの塩素濃度の高い部分につきましては、実際にPS部分の成分が非常に高うございまして、いわゆるPS、PP、PEの3P成分が高ければ油化には向いているということで、これもちょこっと触れましたように、小寺先生のところで油化の実験とかいろいろ取組もやったという経緯もございまして、ですけど、やっぱり塩素濃度というものがどうしても障害になっていたということで、これも入ってくる上流側でそういうものが薄まれば、ケミカルでの利用も十分可能じゃないんだろうかなというふうに私どもは考えておりまして、そういうことが果たせれば、みすみす費用を払ってサーマル利用というよりも、むしろそういうケミカルで製品として利用していただければ、そこまでにかかる部分はケミカル側でのコストというものは全く不要になると。我々のほうで、極論すれば、そういうケミカルでの再商品化製品ができてしまうんじゃないかなというところで、経済効果は大きいんじゃないかなということでご提案させていただきました。
 入札の部分につきましては、また後から。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは、本田委員、お願いいたします。

○本田説明員 先ほどご質問がありました処理コストのほうの低減効果があるのかということですけれども、高度マテリアルの資料の7ページのパワーポイントを見ていただければと思うんですけれども、すみません、ちょっと誤植がありまして、平成20年度は90%じゃなくて100%でございまして、データはこのとおりでございますので、ちょっと修正していただければと思います。
 基本的に稼働率が上がればコスト削減になるというのは当たり前でございますけれども、こちらで黄色で示している減価償却費というところがかなり効いてくるというふうなところでございます。減価償却費というのは稼働率が低くても高くても、同じ分取られてしまいますので、その分だけ影響を及ぼすということでございます。
 あと、高度なマテリアルリサイクルをするためには、下の8ページのところにもございますように、何回も洗ってきれいにしなければいけないとか、メッシュを高くしなければいけないとか、高度な選別をしなければいけないということですので、必然的にどうしても必要コストというのは高くなってしまっています。したがいまして、品質を高くすると、用途も高度な用途に使っていかないと、そもそもペイしていかないというような構造になっているかと思います。
 したがって、量だけのあれで今は決まっておりますけれども、当然ながら、ある程度の一定のコストをいただければ、高度なリサイクルができるんですけれども、今回のB枠のように、かなり安価な価格、まだ札が全部公表されていませんのでわかりませんけれども、かなり安価なコストでやると、やはり高度なリサイクルというのは不可能になってしまうということでございますので、総合評価制度でA枠が今後拡大していって、高度なリサイクルをするのであれば、A枠でリサイクルさせていただくというような仕組みが望まれるところでございます。
 あとカスケードについては、安達委員からございましたように、基本的に材料リサイクルで取って、残渣をケミカルという、非常に理想的ではあるんですけれども、今残渣の処理費の相場がキロ5円から20円という、非常に安い相場になっていますので、このコストをどう吸収するかというところでございますけれども、なかなか抜本的なコスト吸収策というものは難しいのではないかと。
 カスケード利用というのが今のケミカルリサイクル手法に指定されたもの以外にも、例えば製錬事業者さんでニッケル回収する事業者さんの例えば還元剤として利用するとか、ほかのリサイクル手法でもカスケードというのは可能ではなかろうかと思いますので、そういったところで材料リサイクル事業者が残渣を造粒して、そういった製錬会社さんに販売するというような仕組みも一つのカスケードのあり方ではなかろうかというふうに考えております。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございます。
 では、八木委員、お願いいたします。

○八木説明員 稼働率と量を増やせば、当然1キロ当たりの固定費は下がるんですけれども、今年度の入札方式で言うと、やはり稼働率いっぱいになるまでの量はどの業者ももらえなかったということで、総合評価制度そのものはいいと思うんですけれども、結局その運用の仕方で、例えば高度化という評価項目があって、それも各業者で、塩素が低いところは得点を取るし、単品分別しているところは得点を取るしということで、それぞれ得点を重ねることによって、あまり差が出なかったということで、結局分かち合いという感じになったんです。
 これを、じゃ、差をつけて、量をいっぱいとれるところはとるようにするというふうにすると、結局材料リサイクルとしてどういう方向を目指すのかというのをある程度はっきりしないことには、恐らく差がつかないんだろうなと思います。
 じゃ、総合評価制度を全部やめて価格競争にすればいいかという、もちろん当然出てくる考えだと思うんですけれども、そうすると、単純な価格競争にするとどういうことが起こるかというやっぱり心配があるわけです。それが資料7の26番のスライドのところなんですけれども、現状では販売単価が変動費よりも下回っているんです。ですから、つくればつくるほど損失が拡大する状況になっています。つまり、価格競争に勝とうとすればどういうインセンティブが働くかというと、なるべく物をつくらないでコストを下げるという、かなり危険な話になっちゃうんです。
 これを本当に正常化するためには、やっぱりある程度販売価格を上げた状態で、少なくとも変動費より上回る状態。ドイツで言うと、固定費と変動費もさらに上回る販売単価が得られているという、そうなると経済的に放っておいてもリサイクルが進むという状態になるんですけれども、少なくともやっぱり変動費を超えるぐらいの売価にしないと、単純に価格競争に走ると、ちょっと危険かなと、これはもう完全に私の個人的な見解なんですけれども―と思います。
 それから、カスケード利用については、やはり今の制度のまま単純に導入すると、やっぱりコストアップするのは避けられないと思いますので、社会的費用全体が上がるのは避けられないということで、そういった意味でもソーティングセンター的な、本当に大規模に効率的に先に選別をやってしまうというようなものが一つの案としてはあるのかなという意味で、一応提案させていただいております。

○森口主査 ありがとうございました。
 入札制度に関わるご質問に関して、安達委員、濱委員のほうから今お答えになりますでしょうか。場合によりましては後ほど、別のものと組み合わせてでも。
 では、濱委員、お願いします。

○濱説明員 近年というか、ここ数年、毎年毎年、制度というのが目まぐるしく変わっておりまして、一体、入札の目的というのが、価格だけなのか何なのかという、そういった疑問をずっと抱いて、今年の入札を終わったわけなんですが、この資料にもございますように、材料リサイクル、各業者みんな固定費の比率が非常に高うございました。私どもの全体での比率は資料の中で表しているんですが、こういった固定費を一定の稼働率でどれだけカバーできるのか、最低の、一応操業できる、容器包装プラをどれだけ落札できるかというのをびくびくしながら試算を繰り返し、繰り返しやって、札を入れるという形なんですが、こういった状況がまた来年も続くということであれば、果たして耐えられるのかという、今現在ぎりぎりの状態に来ているというのが、材料リサイクルすべての業者の実際のところだろうと思います。
 先ほど八木委員のほうからありましたように、放っておけば、また材料リサイクルが否定されるような、そういった事件も起こり得る可能性も秘めておりますし、最終的には、私の個人的な思いなんですが、先ほど言われましたように、ハンディじゃないんですが、そういう価格での調整というか、そういったものが評価の中へ取り入れられてしかるべきであると。総合評価というのはそもそもそういうものじゃなかろうかなというふうに個人的には思っているんですが、そういう形で行くほうが望ましいというふうに考えております。
 実際にコストをどうやって削減するかという、ぎりぎりのところで今年を迎えているという状況でございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 入札制度あるいは総合評価といった制度につきましては、直接この場で議論するわけではありませんが、そういったものをよりよい方向に持っていくために、まさにこの場でどのようなリサイクルの将来の方向性が望ましいのかという議論をさせていただいているわけでございますので、またそれは親検討会のほうにも上げたいと思います。
 崎田委員、関連してでございますか。お願いします。

○崎田委員 先ほど八木説明員がソーティング施設のことを何度かおっしゃっていて、ちょっと確認をさせていただきたいんですが、このソーティング施設のイメージは、例えば今現状は自治体が保管施設で、そこでかなりきちんと1回システムにかけて異物の除去とか選別をしたりというふうにしていますけれども、今のご提案は、その過程はとらなくて集まってきても構わないという状況の想定でしょうか。

○森口主査 大塚委員、すみません、崎田委員のおっしゃったポイント、私も聞こうと思っていたんですけれども、ちょっと今の一連の流れと多少違うような気がしますので、もしよろしければ大塚委員、先に、今のご議論と絡むところでしょうか、あるいはソーティングセンターのほうに絡むところでしょうか。

○大塚委員 私もソーティングセンターなんですけれども。

○森口主査 そうですか。そうしましたら、まとめてお願いいたします。私のほうからもちょっとお聞きしたいことがございますので。
 じゃ、大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 すみません、今の崎田委員と似たような発想ですが、プラスチックについてだけソーティングセンターをつくるということの、一つの案として非常におもしろいと思いますけれども、社会的コストについてはどういうふうにお考えになっているかということとか、この方法をとらずに、マークだけでどのぐらいのことができるかという、プラのマークを、PSとかPEとかというのを分けるという方法もあると思いますけれども、ほかの方法はないかとかいうあたりについて、もう少し詳しくご説明いただけるとありがたいと思いまして、ちょっと札を立たせていただきました。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは、ただいま崎田委員、大塚委員からちょうだいしたソーティングセンターに関する件、これは資料7の15ページ、30番のスライドに書かれていることでございますが、もう少しこれを広い議論にさせていただければと思います。
 私自身の質問も含めてなんですが、今日の質問事項といいますか、資料2の中で、再商品化事業と利用事業、あるいは最終製品をつくるところまで一貫することによるメリット等はあるのかどうかということがございました。それから、明示的にはお伺いしていなかったかもしれませんが、自治体の選別保管施設でもある種の選別をかける、それから再商品化事業者さんも入り口のところで選別をかけておられると。そういったところでの、やや二重にやられている部分があるかなと思います。
 このソーティング施設に関しての、こういったアイデアについては、場合によってはそこの二重性が排除できるという可能性もあるかもしれませんし、一方で今は二重になっているものが三重になるのではないかという懸念もあるような気がいたします。ですから、このように機能をうまく分けていくことでうまくいく部分と、一貫して材料の調達から最終製品までを1つの事業者でまとめてやられることによって無駄が排される部分もあろうかと思います。これはかなり大きく違うビジネスのモデルになろうかと思いますので、そういった形で、少し話を膨らませ過ぎたかもしれませんけれども、お考えがあれば、それぞれの事業者さんからお伺いしたいと思いますが、これは言い出しっぺといいますか、ご提案されました、八木委員の資料でございますので、八木委員からお願いできますでしょうか。

○八木説明員 じゃ、30番のスライドのところですけれども、ここにはコストが幾らでできるかとか、そういうのは一切書かせてもらっていないんですけれども、大体の試算はある程度できていまして、自治体の保管施設とソーティング施設でやっぱり二重になるんですね、ご指摘のとおり。ですから、自治体の保管施設では選別はせずに、全部圧縮梱包をするだけというのが最も合理的ではないかと思います。圧縮梱包すると、ソーティング施設まで運ぶ輸送のコストが下がりますので、何も圧縮せずに、自治体の保管施設なしでソーティングセンターに持っていこうとすると、効率の悪いパッカー車で行かなければいけないので、恐らくコストは上がるだろうという、それは私の考えなんですけれども。
 ということで、現状、保管施設、圧縮施設もあるわけですから、それをうまく利用して、コンパクトにしてソーティング施設に運ぶというのが、単純なコストの意味ではメリットがあるのではないかということで、ソーティング施設の場合、今、材料リサイクルも個々の業者で選別施設を持って、一生懸命分別をやっているんですけれども、それも統合できますので、結局、自治体の保管施設と材料リサイクル業者がやっている選別施設を全部統合して、合理化をするというのが基本的な考え方になります。そうすれば社会的費用は下がるのではないかというふうな試算をしております。
 それから、マークだけで足りるかどうかという比較ですけれども、やっぱりこれも消費者のほうで分けるとなると、台所のスペースの問題もありますし、収集回数も当然増えるということで、恐らく社会的コストが上がって、なおかつ消費者がやる分別は必ず100%はあり得なくて、分けたつもりでも結局異物が入っていますので、それをさらに分ける作業が出てきて、そこもやっぱり二重手間になるので、マークで分ける方法よりは、恐らくこのような図に書かれているような枠組みのほうがよろしいのではないかと思います。

○森口主査 ありがとうございます。
 再商品化事業者さんの中には、さっき申し上げましたように、再商品化製品の利用事業までやっておられるところもあれば、その前の選別保管のところを自治体から委託で受けておられるようなケースがあると思いますので、そのあたりのご経験といいますか、事業の実情も含めて今の点、お答えいただければと思いますが。
 では、本田委員、お願いいたします。

○本田説明員 我々の高度マテリアルも、単一樹脂選別というのはもともと発想としてはドイツのDSDがやっているような、ソーティングセンターで出てきたやつを単一化して高度な利用をしているというものを真似て、日本で導入して今やっているわけでございますけれども、基本的にソーティングシステム、今の容器包装リサイクル法の枠組みとはまた全然違うものでございますから、また今から枠組みを変えると非常に社会コストもかかってしまうということかと思います。
 今現状できる中でやれるものは、自治体さんで異物を取って、圧縮梱包して、また近くの材料リサイクルのところで、またそれを解砕して選別してという、二重に選別しています。あと私のページの7ページのほうにございますように、今処理能力の90%掛ける57%という稼働率になるわけで、ほぼ半分の稼働率なわけですね。ですので、材料リサイクルのほとんどの施設が、稼働率が半分ぐらいあいているというのが今の実態でございますので、量が今後、抜本的に増えないのであれば、こういうあいた稼働率、ケミカルリサイクルさんも同様かと思うんですけれども、あいた稼働率を活用して、自治体さんの選別、圧縮の保管施設の業を請け負うというような何か制度設計ができないのかなと。現状では、一般廃棄物ですので、広域で移動しにくいとか、そういったものがありますので、割と近い自治体さんしか適用はできないかと思うんですけれども、そういった制度設計が入れば、二重の選別ということがなくなって、社会コストも若干は減っていくんじゃないかというふうに考えております。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございます。
 それでは、濱委員、お答えになりますでしょうか。

○濱説明員 私どものグループの中で選別・保管施設も一緒にやっているところというのはございますが、先ほどありましたように、一貫してそういうものが選別保管と、そのまま再生というものに直結するというほうが、それは物の流れというか、効率から言えば望ましいというふうに考えられますが、私どもは最終製品というか、利用製品まで一貫生産でという部分につきましては若干疑問が生じ得るかなと。
 といいますのは、やっぱり製品というか、商品というものは、やっぱり寿命がございますし、いつまでも生産できるわけでもないということで、やっぱりいろいろな製品に幅広くという形でということであれば、ある意味、多品種少量ということで、各地のそういった施設を有効に利用するという意味合いから言っても、ここの材料という形での供給というのが一番、再商品化製品として望ましいのかなというふうに考えております。
 私見ではございますが、今のある意味リサイクルという手法につきましても、縦割りで、こういう、どっちの手法がいいとか、あっちの手法がいいとか、何かそういうような議論というのはあまり、ちょっとしっくりこないというふうに感じておりまして、要は全体でどういう形の再生というか、利用するという形が一番効率がいいかという視点でやっぱり考えるべきじゃないかなというふうに感じ取っております。

○森口主査 ありがとうございます。
 では、安達委員、お願いいたします。

○安達説明員 まず、ソーティングセンター構想については、まだここにコスト的な数字とかが載っていないので、ちょっと具体的なイメージがわきにくいんですが、恐らくこれと並行して置きかえる既存のシステムというのが自治体の適合化施設と、それから指定法人ルートに乗ってからの再商品化のルートの選別部分の一部が、このソーティングセンターに置きかわると理解しますと、実際に我々の協会の中でも適合化施設を委託で受けている―実は当社もそうなんですが―中で、適合化施設の役割といいますのが、やはり消費者、市民の方から出されたものから、容器包装以外の異物を取り除くというのが主たる作業でございます。その中に含まれますのは、指定収集袋と、容器包装以外のプラスチック製品、それと全くプラスチックでない異物、大きく分けるとこういった形になろうかと思います。
 この指定収集袋につきましては、これがもしベールに乗りますと、適合化の段階のコストは大きく変わるだろうと思っております。あるいは、再商品化のところでも指定収集袋を入れていただくような要望を我々書かせていただきましたが、こちらのほうのコストも変わるだろうと思います。つまり、既存の制度の中で見直すことで、社会的コストを下げる要因がまだあるだろうということと、ソーティングセンターにしますと、その移行に伴いまして既存の適合化施設の部分をどうするのかといった移行の問題が発生するのかなと思いますので、試算の結果、社会的コストが下がるということになれば、将来的に一つの選択肢かとは存じますけれども、これをどのように既存のシステムから移行させていくのかというハードルが大きいのかなという印象を受けております。

○森口主査 ありがとうございます。
 あまりこのソーティング施設というものそのものにこだわるのは、あまりにも今の制度からの飛躍が大きいのかもしれませんが、あえて私のほうでこの議論をしていただきたいとお願いしたのは、自治体の選別・保管施設で行っておられること、それから、再商品化事業者さんが行っておられる前半部分ですね、これらを束ねた部分についてかなり共通性があるのではないか。それから、今のお答えにもありますように、再商品化可能なプラスチックの中から容器包装に適合するものだけを分けるということに関してコストがかかっているということも今ご指摘いただきましたので、これは今日ご説明のありました再商品化という技術の観点からどのようなプラスチックが受け入れ可能かというところとも関わってくると思いますので、この議論をお願いいたしました。
 もう一つお尋ねしたいのは、再商品化事業者さんの後段の部分、ソーティング施設の絵があります30枚目のスライドで言いますと、材料リサイクル、例えばPE専門、PP専門というようなことが書かれておりますし、その横に利用事業者さんというイメージが書かれておるわけですが、再商品化事業者さんと、それから利用事業者さん、あるいは最終製品のところまでの一貫性といいますか、そこのつながりに関することで、少し利用事業者さんサイドのほうからのご意見、見解をお尋ねしたいと思いますが、平野委員、お願いいたします。

○平野説明員 平野でございます。
 今の点、ちょっと整理が必要なんだと思うんですが、今の資源を循環していく事業を役割分担で考えますと、原料の調達があって、いろんな成形製品をつくるためのニーズに合わせたカスタマイズ、これは私ら原料メーカーと言うんですけれども、それをまた受けて製品をつくるところ、ユーザーさん、また回収してきてリサイクルをしていく、こういうふうな流れで循環を考えるんだと思うんですが、この全体をどううまく回していくかという意味で、製品とかいろんなことを考えるのがよろしいかと思うんですけれども、そこの事業を川上から川下まで全部やったら中間が省けて安くなるんだというのはまた別の話なのではないんでしょうか。
 審議会でも申し上げたんですが、ある経営者さんが幾つもの事業を経営して、経営上合理化されるという話は、それは事業者の考え方だと思いますので、この場で検討しなければいけないのは、それぞれのパートにおいて、いかに経済合理性があることができるのかということなんじゃないでしょうか。
 私どもから見ますと、よりいろんな製品に使わせていただこうと思うと、何か特化してカスタマイズされたもの、だから高いんですと言われるよりも、シンプルな素材として供給していただいて、原料メーカーさんがいろんな製品メーカーに向けてカスタマイズしたものを用意していくと。だから1つの製品の売れ行きに左右されずに、広くたくさん利用されていくんだというイメージが、本来のうまく循環していくためのポイントなんじゃないのかなと、そのように思います。
 先ほど石川先生がおっしゃった、より高く売ることでの評価がどうですかという話が、もし再商品化製品が高く売れることを評価するということであれば、それは素材として高く売れるのか、カスタマイズした成形製品メーカー向けの原料として高く売れるのか、成形製品をつくっちゃったから高く売れるのかという話は、ちょっと整理しなければいけないのかなというふうに感じます。

○森口主査 ありがとうございました。
 石川委員、何か関連でございますでしょうか。

○石川委員 ちょっと私の質問が複雑だったので、はっきりさせたいんですが、私が伺いたかったのは、今は技術評価だとか、製品の評価だとか、それから場合によってはインプリシットには自治体のレベルが違うというのはデータも出していただいていますから、ありますね。それぞれによって枠組みとして、このぐらい高度なことをやっておられて、技術力もあるから、だからA枠ですとか、何とか枠ですというふうなことで優遇するというのを、結果的に、この枠にこのぐらいありますという形で、何トン分とか、キャパシティーの何%という形で規制されているわけです。
 頭の体操として、整理として、そうじゃなくて、技術評価だとか最終製品の評価は、それは総合評価ですね、そういうのは何らかの形でやると。やるんだけれども、だからおたくはキャパシティーの何%という決め方じゃなくて、だからコストもかかるでしょうから、例えばトン当たり何万円とか、ケミカルと比べたらきっと何万円でしょうね、何万円とか、マテリアルの中でも、例えばPOとかそういうのを一生懸命やられているんだったら何千円とか、アドバンテージを与えるという考え方だと枠組みが変わりますよね。今だったら枠で決まっちゃっているから、天井にすぐぶつかっちゃうわけですが、今私が申し上げたような、価格に対するアドバンテージで、おまけですね、これでやると、落札される方はキャパシティー関係ないですから、取りたいだけ取れるわけです、落札さえできれば。そうすると、結果的には落札された事業者さんの稼働率は望むところまで上がるでしょうというのが私の申し上げたかったことで、そうすると、結果的に落札された結果の単価は、ここに示されているグラフでいくと3割下がるんじゃないですかというのが私の直観だったんです。
 そういう考え方は今とあまりにもフレームが違うので、どうお考えですかというのを伺いたかった。

○森口主査 ありがとうございました。
 残り予定していた時間10分程度でございますので、今の石川委員からのさらなるご質問といいますか、先ほどのご質問の明確化ということ以外で、委員のほうから何かご質問ございましたらちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、最後にもう一巡、ごく手短に各事業者さんにご発言いただきたいと思いますけれども、既にこれまでのご質問の中で、このようにしていけば改善できるということ、幾つか論点出たかと思います。今日は時間の限りがある中で、それぞれのご要望を十分にはお聞きできなかったところがあるわけですが、次回以降、ほかの主体からのヒアリングがございます。特に特定事業者さん、あるいは自治体さんからのヒアリング等ございますので、親委員会の永田座長が常々おっしゃっている共創、ともにつくり上げるという観点から、他の事業者さんとの協力によって、全体のシステムとして改善できるところ、既に最初の5分のプレゼンの中でもご説明いただいたところですけれども、特にそれで強調されたい点がございましたら、その点を手短にご説明といいますか、ご発言いただければと思います。
 それでは最後に、プレゼンテーションの順番で、平野委員から順次お願いいたします。

○平野説明員 少し重複した発言になるかもしれませんけれども、循環で製品化していくときの考え方の中に、現在ある製品にいかに利用して取り込んでいくかという考え方と、できたもので何かつくれないかという考え方、ここはやっぱりきっちり整理していただきたいなと。
 非常にちょっと発言が難しいんですけれども、すみません、先ほどから私が製品の事例を挙げなかったのは、皆さんがいろんな製品の事例を挙げていただいていますが、この製品というのは、今までに存在しなかった、見なかった、初めて見た製品というのが、私はないんじゃないかなと。言いかえますと、あるもので何かできないかという発想のリサイクルは、コピー製品を生み出すんだと。その次に何が起きるかというと、いわゆる価格競争が起きて、安売り合戦になっていく。
 ですから、現在のものにどうやって使いこなしていってもらうかという発想と、できてきた成果物で何がつくれるかという発想のところに整理をいただけたらなというふうに思います。

○森口主査 ありがとうございました。
 では、安達委員、お願いいたします。

○安達説明員 いろいろと資料の中では要望、細かいところまで含めて書かせていただいているんですけれども、現在、我々材料リサイクル事業者といたしまして、今後高度化をさらに進めていくためには、現在の再商品化、材料リサイクルという我々の段階だけでは、やはり難しくなってきたのかなと。当然日々、我々も努力をし続ける中で、今後、上流側のほうから少し変えていくようなこともできれば、再商品化コスト、あるいは全体コストが低減できる可能性があるのではないかなということと、それともう一つは、やはり容器包装の環境配慮設計ですとか、そういったところに我々のリサイクルの現場で培ったいろいろなノウハウなどをフィードバックすることで、貢献できることもあるのではないかというふうに考えておりまして、今後こういった上流側の方々とも協力、連携していけたらという思いでございます。
 その結果、再商品化コストが低減できれば、現在コストがかかるだろうと言われているカスケード方式ですとか、そのほかのコストも抑制できて、全体的に広い意味でのリサイクル率も上がりまして、すべての手法が共存できる効率的なリサイクルシステムはできないだろうかという思いでございます。

○森口主査 では、濱委員、お願いします。

○濱説明員 冒頭申し上げましたが、2つに分けて考えますと、現行の制度の変更とかそういうものは一切不要という、そういった仕組みとしまして、資料の中にも述べておるんですが、汚れとそういった異物の混入ということでの相関関係から見て、ぜひそういった意味合いで市町村の自治体の方にお願いしたいというふうに思っていますのが、あまり難しく市民の方にそういうお願いをするんじゃなくて、ちょっと汚れを落としてくださいねと、そう言ったほうが効果があるんじゃないかなというふうに一応思っております。そういった呼びかけから比例して、入ってくるベールの品質もよくなり、異物がなくなり、我々リサイクル事業者の産廃コストが低減され、有効利用もさらに広がる可能性があるんじゃなかろうかなと。
 もう一方は、そういう制度変更という形で、そういったカスケードとしての、実際にそういうものが再商品化製品として認知というか、認めていただけるのであれば、トータルとしてより選別というか、精度を上げて最終製品のペレットの品質を上げて、実際に我々のつくっておりますこういったものでも、こういう細いものまで射出成形でできるというところまで来たというのは、我々はかなり高度なそういうところまで到達したというふうに考えておるんですが、こういったもの、まだまだ広くそういうものが普及する、そういう余地は十分あるというふうに考えておりまして、そういった方向でお互いにそういう、共創という関係から言えば、全体のそういういいシステムができるんじゃなかろうかなというふうに考えております。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございます。
 本田委員、お願いします。

○本田説明員 石川委員から再度の質問がございましたので、それについてあれですけれども、基本的に総合評価でいい点をとって、プレミアみたいなのをつけていただいて、高度なリサイクルをするのであれば、最低このぐらいコストがかかるから、げたを履かせていただくとか、そういう制度というのは非常にありがたいというふうに考えています。
 現行、非優先事業者とB枠とA枠があるんですけれども、非優先事業者と優先事業者は塩素濃度を基準に分かれることがやはり多いんですけれども、恐らくふたを開けてみると、今年優先されたB枠が非優先事業者さんの平均単価を下回っているんじゃないかなというぐらい下がっているんじゃないかと思われます。
 したがいまして、B枠もほとんど非優先に近いような扱いがされているというのが実態ですので、高度なリサイクルをしようとすると設備投資がかかりますので、A枠以外入れようがないというのが状況でございますので、やはり高度なリサイクルをするためには、やはりそれなりのコストなどをかけられてリサイクルしてくださいと。いわゆる入札仕様書みたいに、こういう仕様要件であればこれだけの価格という、買う商品がやはり違っていくわけですから、その辺を選択できるような制度設計ができないかということと、あまりにも落札単価が極端にコスト割れしてやっている事業者さんもあろうかと思いますので、そういったところは産廃の廃棄物処理法では行政処分指針みたいにありますように、相場よりも極端に低い価格で処理するということは不適正処理というふうに産廃のほうでは言われているわけでございますので、そういったあまりにも極端な価格でやらなくていいような制度にしていただきたいというふうに考えています。
 あと、他の事業者、主体に対する要望でございますけれども、特定事業者の方とは環境配慮型設計の推進のための情報交換とか、もう少し積極的にやっていきたいなと思います。幾つかの特定事業者さんから容器の設計の段階で相談があったりとかいうようなことがありますけれども、もう少し組織的にできれば、より推進していくんじゃないかなというふうに思います。
 それから、自治体のほうでPO率を上げてくださいという話がありましたように、あと塩ビラップを除いてくださいということがありましたように、今、自治体さんは分別が、各担当者が考えられて、ばらばらでやられていると思いますので、容器包装プラスチックの分別マニュアルというのを国で統一的につくっていただいて、同じ品質になるようにやることによって、新たに容器包装の自治体に参加しようとされる方が容易に参加しやすくなるというような枠組みができないかというふうに考えています。
 あとカーボンフットプリントとか、材料リサイクルの業界でも取組を始めましたので、こういうCO2の見える化に取り組んでいるところというのも一つの評価項目等に追加していただければなというふうに考えております。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございます。
 では、八木委員、お願いします。

○八木説明員 石川委員のご質問で、価格を入札制度に反映できないかということで、これは製品の販売価格という解釈でよろしいですね。

○石川委員 いや、価格とは限らず、総合評価の結果で、例えば今A枠とか言われている部分を、ケミカルに対してだったら3万円とか、5万円とか、アドバンテージがありますよということで、ケミカルもマテリアルも一遍に入札してしまうというのはどうですかと、そういう意味です。

○八木説明員 わかりました。それについてはやっぱり、先ほどのご説明でしましたように、単純な価格競争になる可能性があるということで、やっぱり変動費に対して販売単価を上げることをしないと、ちょっと危険な状態になるのではないかなと思います。
 それから、全体的な要望として、まずはやっぱりPVC、PVDCのラップ製品を、ベールに入らないような何か工夫をまず第一にやっていただきたいなと思います。これが改善されるだけでも、今の材料リサイクルのあり方はかなり姿が変わってくるのではないかと思いますので、最低限でもここをやっていただきたいと。
 それから、複合素材については、そこからさらにどういうリサイクルを目指すかという方向によって変わってきますので、その方向が決まり次第、ある程度また意見とかご要望を提出させていただきたいと思います。
 最後に、ソーティングセンターの話ですけれども、これも一つの例ということで、ほかにもいろいろやり方があるんじゃないかということで、このあたりの議論もぜひ尽くしていただきたいんですけれども、仮に実施するとしても、いきなりやるのでは、今の入札制度とかなりギャップがございますので、32のスライドに、最後のところに書きましたように、例えばまだ容リに未参加の自治体なんかでモデル事業をやるとかいうことであれば、プラの収集量も増えますし、その効果の検証なんかもできるので、そういうのはどうかなと思いましたので、書かせていただいています。
 以上です。

○森口主査 ありがとうございました。
 それでは、飛山説明員、お願いいたします。

○飛山説明員 私どものほうは、やはり再利用する樹脂であったり、こういったものをどうやって使うのかというところにやっぱり重きを置きたいなと。本当にパレットなんかでいきますと、B種、A種というような形で、パレットの精度、JIS規格であるんですけれども、こういったものでも今まではB種、強度の弱いものしかつくれていなかったという部分があるんですが、事実上、協議会会員のほうでもきちんとしたA種をとれるようなパレットのほうの生産にも取り組んできました。その結果、そういったものもできてきたというのが今の現状であります。
 また、今後さらにスペックの厳しい、電力会社さんなんかのほうに打診しております埋設防護板など、こういったもので、地下に電線なんかを埋めるという、その際に、上にリサイクルパレットではないんですけれども、リサイクル製品を使った板をどんどん積んでいくというような商品なんかも開発させていただいております。本当にスペックは厳しいんですけれども、パレット業界でも厳しいスペックのA種なんかをとれるというふうな技術発展をしております。また、医療系に関してもペール缶であったり、射出成形にも取り組んできた中で、どんどん新しい再利用品というのができてくるんじゃないかなというふうに考えております。
 また、高度化という話でよくあるんですけれども、原料を変えてしまう、単体にしてしまうというところよりも、今ある原料をいかに、どういった形に変えられるのかというところ、またその原料をいかに透明性のある、利用事業者さんのほうに出せて、市場に出回るのかというところなんかを、一般的な手法評価であったり、ウエートを置いていただきたいというふうに考えております。
 ありがとうございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 予定の時間が来ておりますので、特にこれ以上のまとめ等はいたしませんけれども、大きな流れとしまして、自治体で何を集めてくるか、消費者に何を分けていただくかということも含めて、より高度なリサイクルを進められるように、制度の大きな改変も含めていじっていくのか、あるいは今あるものの中でどこまで何をつくれるのかと、両面で今日ご議論いただいたと思います。現時点でどちらが望ましいというようなことは一切ないと思いますので、これは引き続き、次回以降のヒアリング等を踏まえて、議論を尽くしていきたいと思います。非常に限られた時間でご説明いただき、また熱心な意見交換ありがとうございました。
 それでは、議題(1)は以上といたしまして、その他でございますが、普通、議題にその他と書いてあると何もないことがあるんですが、資料も2つございますので、まずその他の1で、前半といたしまして、次回以降のヒアリング事項案ということで、資料9について事務局からご説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 それでは、お手元の資料9をご覧ください。
 次回以降のヒアリング事項ということで、前回、第1回の際に資料をヒアリング項目の整理ということで、お手元に席上だけ、すみません、資料8として配付させていただいておりますが、それとほとんど変えておりません。ただ、本日資料を事前に各委員の方に提出いただいて、それを踏まえて、他の主体への要請という観点で追加するものがあるかどうかという観点で若干修正をしております。その点を中心に説明させていただきます。
 資料9ですが、1.のケミカルリサイクル事業者の皆さんに対する質問というところは、特に変更の点はございません。若干語尾が1.の一番下のところ、他の主体にどのような協力を求めたいかというところが若干前回は表現がきつかったので、今回の質問事項も変えましたけれども、全文共通して語尾だけ変えております。それ以外は特に変更ございません。
 2.特定事業者に対する質問項目ということですが、1ページ目のところの下のところに、高度化の観点からということで、いろいろ環境配慮設計できませんかというので幾つか提案をさせていただいておりますが、例えばPVCの話なんかも今回出ておりますが、これは前回入れておりました。今回資料を見させていただいて、追加をしておいたほうがいいのかなというのは2ページ目の頭に2つほど追加しております。1つは、これはちょっと当初から入れておくべきだったのかもしれませんが、話にもよく出ていました容器包装への複合材使用の減少、低減といったものができるかどうかということと、あと新たに今回資料で幾つか提言があったんですが、インク、顔料の使用の削減とか、紙・シール等の分離容易化、こういった工夫はできるのかといったものを追加させていただいております。
 あともう一つ、2ページの○の上から3つ目、最後のところですけれども、特定事業者における再商品化製品利用製品の開発状況に応じた率先購入と。これについても本田委員のほうからご提案があったところを1つ抜き出して書かせていただいております。
 3.地方自治体に対するヒアリング事項ということで、この点について、特に今日の議論では、○の3つ目、分別収集のときの高度化ということで、例えばラップ類というものを外すとか、表示マークを付すといったもの、1つ目の黒ポツ、2つ目の黒ポツのところは従前からありまして、変更しておりませんが、追加しておきましたのは3つ目ですけれども、すすぎの徹底とか、あまりにも汚れてひどいものはもう排出回避すると、そういったところの工夫をして、有機物の除去というのを徹底できるかどうか、これについて追加をさせていただいております。
 また、これは本田委員からの提案で、○で言いますと最後、1つ飛んで、品質のよいベールを回収する市町村というものは、材料リサイクル手法を選択できるというふうな形で、PO率の高いところが材料費が上がる工夫というものができるのかどうか、これを追加させていただいております。
 4.消費者のところについては、特に前回書いたもので、本日の資料等ほぼカバーできておると思っておりますので、若干の語尾の修正以外は変更しておりません。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 次回以降の各主体からのヒアリング事項でございますが、本日のヒアリングで出てきた論点とかなり密接に関わりのある点がございます。重要な点はほぼカバーされているかと思いますが、何か抜けている点、こういうことも追加したほうがいいのではないかという点が、まず委員のほうからございましたら、ご発言をお願いしたいと思いますが。
 では、小寺委員、お願いいたします。

○小寺委員 抜けているということではなくて、次回、夏までに方向を定めるべきと書いてありますが、今、繰り返しRPFとの組み合わせというようなお話もありましたけれども、他の方法との組合わせての利用方法についてはどの時期にするのでしょうか。○森口主査 この後で、資料10で、本年夏までに方向性を取りまとめる事項について別途ご議論いただきますが、今のご質問に関して関連するとすれば、ケミカルリサイクル事業者さんのヒアリングの際に、今日材料リサイクル事業者さんからご提案があったようなカスケードというようなアイデアはあり得るのかどうかということについてお答えいただくということはあり得るでしょうか。事務局、いかがですか、その点は。

○上田リサイクル推進室長 そうですね、それはあり得ます。

○森口主査 それでは、恐れ入りますが、今からまだ間に合うんでしょうか、もう資料はご準備いただいたりしているんでしょうか。

○上田リサイクル推進室長 できるだけ、じゃ、相談してみたいと思います。

○森口主査 RPF化等のことですね。そうしますと、今の話については、まず具体的にはヒアリング事項のことに関して、資料9の範囲では、ケミカルリサイクル事業者さんへのヒアリングの際にご説明いただきたい項目の4番目に材料リサイクルで発生した他工程利用プラスチックを利用する場合の問題点は何かということがございますので、ここはカスケードに関して一つご議論がいただけると思います。よろしゅうございますでしょうか。
 ほかに、次回以降のヒアリング事項に関するご要望等ございますでしょうか。
 委員のほうからなければ、特に連携という意味で、既に特定事業者さん、あるいはほかの主体へのご要望事項といいますか、協力を求めたいことに関して、材料リサイクル事業者さん、あるいは製品利用事業者さんのほうから既にご意見をちょうだいしましたが、この資料9の中で尽きておりますでしょうか。特に何か、繰り返しこの点をぜひお聞きになりたいという点はございますか。よろしゅうございますでしょうか。
 私の理解では、今日かなりPVC、PVDCのお話がございましたので、これは既に書かれておりますけれども、ぜひこれについては特定事業者さんからもお答えをいただきたいと思います。
 石川委員、お願いします。

○石川委員 要望というか、質問かもしれないんですけれども、ケミカルリサイクル事業者へのヒアリングなんですが、先ほどからちょっと、八木委員からだったかな、ニッケル還元剤としての利用だとか、これは多分、現状の対象の方、業種の方ということかなと想定するんですが、こちらからニッケルの還元剤だとか、そういう意味では、広くやるのであれば、可能性のあるところというのも一応考えられることは考えられるかなと思ったんですが、ちょっと時間的なあれもあるので、どうかなというのを。

○森口主査 ありがとうございました。
 この点、先ほど小寺委員からご質問があった点とも絡むかと思います。要は現在の材料リサイクル事業者、ケミカルリサイクル事業者さんからだけ聞くのか、そうではなくて、それをリサイクルと定義するかどうかはさておき、既に制度上位置づけられているRPFであるとか、さらにそれ以外の用途ということもあり得るだろうと。そういう潜在的な有効利用の道について、何らかのことを聞くのか。
 さらに敷衍すれば、例えば焼却発電のようなものの効率がどこまで上がるのかと。ここまでいってしまうと、ちょっと話が別の話になるかもしれませんが、プラスチックの有効利用技術として何があるのかということに関する議論が別途必要ではないかということをおっしゃっているのではないかと思います。このあたりは別途議論の場というのもあるかと思います。このあたり、事務局のほうから整理していただけますか。

○上田リサイクル推進室長 次の資料10の中にも関係してくるんですけれども、その中でも今言及されたことについては取りまとめるべき事項ということに掲げられておりますので、何らかの形でご議論いただけるような形にはしたいと思いますが、今、主査のほうからもお話がありましたように、限られた時間の制約という中で、ヒアリングという形は今回のところ予定はしていないというところでございます。

○森口主査 ありがとうございます。既に資料10に関係するところに少し入りかけておりますが、次回以降のヒアリング事項についてはよろしゅうございますでしょうか。
 よろしければ、資料10、本年夏までに方向性を取りまとめる事項(案)という資料がございます。これは前回、事務局のほうでこのような資料をご用意いただいたわけですが、委員のほうからかなりご意見をいただきまして、改めるべきところもかなりあったように思います。席上配付で委員の方々には前回のものが配られているかと思いますけれども、そこから変えていただいた点等を中心に、事務局のほうからご説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 それでは、資料10と、あとお手元に、頭の上に作業チーム第1回資料抜粋というので、そのときは資料3というのがついていますが、それを並べてご覧いただければと思います。説明のほうは資料10に沿って説明させていただきます。
 まず、構成ですけれども、1、2、3と流れていく中で、2.のところに新しく基本的考慮事項と、前回の議論でも大きく方向性を3つぐらいにまとめたらというふうなお話がありましたので、そこのところを少し特出しして書かせていただいております。
 まず、1.の定義、分類のところについては、基本的には変えてございません。
 2.のところは基本的考慮事項ということで、幾つか分け方はあろうかと思いますが、3つぐらいということで、そこに書いてありますように、制度の趣旨、環境負荷の低減と資源の有効利用、こういったものから見て適切なのかという点。2つ目が、経済コストに照らして適切なのかという点。その他の考慮事項に対してどうか、これが3つ目の点ということで、大きく3つに分けて、3.以降で説明をさせていただいております。
 3.の中は、従前、検証の視点ということで、LCAに関するものが若干散らばっていて、重複感があるのではないかというようなご指摘もいただきましたので、そういったものを(1)に基本的に集約して、その中でもLCAに関するものはぐっと集約をするという形に整理をしております。
 まず(1)、3.ですけれども、環境負荷の低減と資源の有効利用から見て適切かというところの1)につきましては、従前、2.の(1)で書いてある今回の議論の対象となるLCA検査の前提とか技術の再検討というふうな形で書いてあったものを、要素としてはすべてそのまま入れさせていただいておりました。ただ、前回の議論も踏まえて、タイトルのところですけれども、各手法、工程群等を改善するための措置、取組、技術等の導入可能性の検証。結局それは本当に導入できるのかどうか、そういったところの吟味が必要であるというところで、そういった文字を入れさせていただいて、より趣旨を明確にさせていただいております。
 その次の2)、ここが一番大きく変わったところでございますが、LCA分析を用いる際の留意点ということで、前回の資料の資料3、横に並べていただきました2.の(1)と(3)の中でLCAに関するものはここに集約をして、それ以外のものについて後で整理をするという形にしております。
 まず、今回の資料10の2)の[1]シナリオ設定に当たっての留意点というところですが、これは前回の資料の過去のLCAの掲載の前提、これは1月29日の合同会合でも出た指摘でございますが、それを丁寧に整理させていただきました。特に利用製品の処分方法と、2ポツのところですけれども、そのあたりは前回の産廃プラの技術的状況でありますとか、そういったところを詳しく書かせていただいているところでございます。
 [1]はシナリオ設定に当たっての留意点ですが、それ以外にということで、LCAに関係するものとして付け加えさせていただいたのが[2]と[3]でございまして、前回はそれはLCAの外にあって、ダブルスタンダードのような感じがするというふうに言われたんですが、これら[2]、[3]の事項については、LCAの評価の際のある程度、留意事項としてその中に組み込むことは可能だろうということで、こちらに整理をさせていただきました。
 具体的には資料3の、前回の資料で言いますと、2.の(3)の[1]で被代替系の内容・規模というところで、代替される資源の評価をどうするんだとか、そのシステムをどう見るか、その規模とかをどう見るのかといったものはLCAの中に組み込めるだろうということで、[2]、[3]というものはこちらのほうに入れさせていただきました。
 その次の3)、こちらは、実はこういう整理をしていく中で、前回なかったんですけれども、事務局のほうで議論していくうちに、現状のLCA分析で評価が困難な項目の有無というのはどうかなと考えてみると、ちょっとなかなかそこに入れづらいものというのがあるかなというのが、有害物質の排出等ということです。これもLCAに入れようと思えばあれですけれども、今現状ではまだ入っていないということで、一番わかりやすい例は、東京都が埋め立てというのをやめて、焼却ないしリサイクルしようというときに、ダイオキシンの発生がどうなのかというのがいろいろ議論の、市民の関心事項になっていると。そういったダイオキシン云々というのは、今までの議論の中ではちょっと視点として落ちていましたので、今回これを入れてどうというわけではないですけれども、そういったものもあると整理をしたという関係で、新規追加で3)を入れさせていただいております。
 あとその次、ページめくっていただきまして、(2)の経済コストにつきましては、これは前回特に中身について議論はなかったので、そのまま入れさせていただいております。
 その次の(3)その他の考慮事項に照らして適切かというところで、ここが前回少し議論があったところで、前回は化学的観点ということで全部集約して、LCAとの関係というのが整理できていなかったところなんですが、基本的に(1)で環境負荷の低減と資源の有効利用の観点というところをぐっと集約をして、それ以外に考慮事項というような形で少し整理をしたつもりです。ここについては1)から4)まで整理をさせていただいておりまして、前回の資料で言いますと、(3)の[2]以降、ページでいくと1つめくっていただいて、循環性の内容でありますとか、化学的機能、これが多分前回一番大きく議論があったところではないかと思いますが、これについてはその他の考慮事項ということで、こういったものが実際にあるのかどうか、どういった形で考えられるのかも含めて、ヒアリングの中で、発表者の意見も聞きながら、この辺は整理をして考えていきたいというふうに考えております。そのあたりが1)でございます。
 あと前回の資料で言うと、5)のその他というところがありましたが、そのあたりは2)から4)まで整理をさせていただいているということでございます。
 あと4.のほうになりますけれども、ここら辺は若干語尾を整理したんですが、一つちょっと再整理をしたのは、4.(3)のところでございまして、前回は緊急避難的・補完的な利用の取扱いというタイトルでやらせていただきましたけれども、もう少しクリアに、燃料利用の取扱い等という形でタイトルをクリアにさせていただきまして、その関係で1ポツ目のところを、そのタイトルを説明するものとして加えさせていただきまして、RPFを特出しした関係で、油化、ガス化というのが2行目に来るということと、あと高炉還元剤の扱いについては、燃料利用との相違であるということを明記させていただいたというところでございます。
 以上でございます。

○森口主査 ありがとうございました。
 前回かなりこれ、議論がございましたので、全体の構成はそれほど大きく変えない範囲ではありますが、ご指摘をそれぞれ取り入れていただきまして、取りまとめるべき事項(案)ということで再整理いただいたところでございますが、前回いろいろ委員のほうからご意見いただきましたが、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 例えば前回、水素あるいは炭素が回るという循環というのはどうなのかというご議論もありましたが、このあたりはプラスチックの化学的性質活用の評価というようなことの中に、そのときの議論というのは織り込まれているというふうな理解でおります。よろしゅうございますでしょうか。特に委員のほうから追加してございますか。
 小寺委員、お願いいたします。

○小寺委員 網羅的かつよく整理されていると思います。 ちょっと心配になりましたのが、例えば市民レベルの方や各種の利害関係者など、今日もこういうふうに傍聴人の方がたくさん来られている、そういった方からの意見というのは何か酌み上げられる機会があるのでしょうか。
 私も自戒しているのが、学者、研究者の視点に偏ることでして、資源化の現場にいる方からは、こういうふうな見方もあるんじゃないかと指摘されるやもしれないと常々思っています。意見の吸い上げというのはあるんでしょうか。

○森口主査 ありがとうございます。事務局のほうからお答えいただきたいと思うんですが、一部には、先ほどの資料9でご説明いただいたヒアリング対象に消費者というのがございますので、今、小寺委員がおっしゃったことがそれで合うのかどうかわかりませんが、事務局のほうからお答えをお願いします。

○上田リサイクル推進室長 今回そういった点につきましては、ヒアリングの中でこういった整理も念頭に置きながら、各事業者の方にヒアリング項目として明記したものはもちろんですけれども、こういうまとめる方向というのも頭に入れながらご発言いただくということで、これらについての、今、小寺委員からご指摘のあった検証というのを進めていきたいと思っております。

○森口主査 ありがとうございます。主査として少し行き過ぎた発言になるかもしれませんが、基本的にここの作業チームでは再商品化手法を議論していく。それに関しての消費者からのヒアリングをさせていただくことになるわけですが、消費者のご関心というのは、再商品化手法のところだけではなくて、容器包装リサイクルの制度全体、あるいはプラスチックをどうしていくのかといったことに関しても当然ご関心があるのだと思います。
 その意味で、ヒアリングの中では当然そういう、より広いことについても意見交換ができると思いますし、例えば今日の、たびたび言及して恐縮ですが、ソーティングセンターというような具体的な提案もございました。こういった今の制度とはやや外へ出るようないろんなご提案が出てくる中で、より幅の広い議論ができるのではないかなというふうに期待をしております。
 ただ、一方で、夏までにまとめなければいけないことをまとめなければいけない。この資料10だけでも相当な項目にわたっておりまして、それぞれの関係者、関係主体との間で意見交換をさせていただいた上で、その情報をいかにこの枠組みの中に落とし込むのかという、この作業は大変でございます。ですから、網羅的ではあるんですが、一方でめり張りをつけてといいますか、意見交換の中で少し重きを置くところというのも、委員の方々のご意見をいただきながら、見極めていきたいなと思っております。
 予定をした議事はほぼここまででございますが、委員のほうから何か。
 大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 ちょっと前回、海外出張で休んでしまったので、今ごろ申し訳ないですし、当然入っていると思うんですけれども、この手法を決めるときに、温暖化対策との関係というのは、LCAなんかでも当然入っていますし、中に入っていると思うんですけれども、項目出しはされていないというふうにも感じますけれども、その辺はどういうふうに整理されていると考えればよろしいか、ちょっと、当たり前のことで恐縮ですが、教えていただければと思います。

○上田リサイクル推進室長 温暖化につきましては、1月29日に合同会合を開いたときに、制度の目的、趣旨という形の中で、ここに書いてあります環境負荷の低減といったものはどこまで含まれるのかといった中で、温暖化というのも喫緊の課題であり、忘れてはいけないというふうな形で明記しておりますので、議論を進めていくときにはそういった項目が、環境負荷の低減という中に温暖化もあれば、廃棄物の減量もあれば、いろんな項目が入ってくるんですけれども、その中には当然入っているよということを1月29日のときに明示させていただきましたので、今後もその方針でやらせていただきたいと思います。

○森口主査 今のご説明のとおりかと思いますが、むしろこの、環境負荷の低減と資源の有効利用と書かれているんですが、これまでのLCAはCO2の排出量の削減ばかりを評価してきたという感もありまして、そういう意味で、改めて資源の有効利用ということも当然評価をしなければいけないし、廃棄物埋め立ての削減、あるいはLCAで現状では評価が困難かもしれないけれども有害物質と、こういった問題もあるということで、より広く議論をしていこうという方向であの資料はつくりかえられていますが、当然これまでもCO2の削減量については定量的な評価がなされてきたところでありますので、それは当然入っているという理解でよろしいかと思います。
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、本日は長時間にわたり、熱心にご議論いただき、誠にありがとうございました。以上で本日の審議を終わりたいと思いますけれども、次回の開催予定につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

○上田リサイクル推進室長 次回の開催は3月30日火曜日、朝9時半から予定しております。場所につきましては現在準備中でございますので、追って正式にご案内をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○森口主査 次回も朝9時半からということで、早朝からになりますけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の合同会合作業チーム、第2回会合になりますけれども、これで終了したいと思います。ご協力ありがとうございました。

午前11時58分閉会