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■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
微量PCB混入廃重電機器の処理に関する専門委員会(第3回)議事録


○産業廃棄物課長
 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会微量PCB混入廃重電機器の処理に関する専門委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらずご出席いただきまして大変ありがとうございます。
 本日のご出席の状況でございますが。浦野先生が少々おくれていらっしゃいますけれども、現時点で13名の委員の皆さんのご出席をいただいておりまして、定足数、過半数を超えております。
 続きまして、本日、京都大学の植田先生が、本委員会に初めてご出席いただいておりますので、ご紹介させていただきます。
 それから、この委員会にオブザーバー参加していただいておりました経済産業省、山本環境指導室長、異動で、後任に中村環境指導室長にご出席いただくことになっております。本日、1時間ほどおくれて到着しますので、ただいまは代理の方に着席いただいております。
 それから、廃棄物・リサイクル対策部長ですが、間もなく到着いたします。少々遅れます。申しわけございません。
 続きまして、お手元の配付資料の確認でございます。議事次第の方に資料一覧を記載しておりますので、資料の不足等がございましたら事務局にお申しつけいただければと思います。本委員会の資料の扱いですが、原則すべて公開とさせていただきたいと存じます。
 それから、議事録ですが、委員会終了後に発言者名を記しました議事録を作成いたしまして、委員の皆様方にご確認をいただきました上で公開させていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
 それから、委員の皆様のお席には、前回、第2回の委員会の議事録案を配付させていただいております。中身については事前にご確認いただいておりますので、これで確定版とさせていただきたいと存じます。
 それでは、以降の進行を、永田委員長、よろしくお願い申し上げます。

○永田委員長
 どうも、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。
 それでは、早速本日の議題の方に入りたいと思いますが、本日は議題が大きく3つございまして、燃焼試験の結果、それから洗浄試験の結果、さらに3点目は低濃度PCBの測定の点についてでございます。
 この3つの問題に入ります前に、前回の第2回の委員会において委員の方々からご指摘いただいた事項で、その後、調査しまして、事務局の方から回答していただけるというものがございます。その点につきまして、まず事務局の方から説明していただきます。どうぞ。

○産業廃棄物課長
 先ほど永田委員長からお話がありました、輸入される電気機器の状況でございます。前回の委員会の後、私どもの方でできる限りの調査をしまして、具体的には幾つかの大手の商社、あるいはこの電気機器の製造、販売、保守などをグローバルに手がけているような会社、それから、実際に国内で電気機器を大量に製造しているような会社からも出資されている会社など、幾つかの会社に問い合わせをいたしました。問い合わせた結果なんですが、これまで電気機器の輸入については、実際は行っていないというような回答でございました。それから、一方で、税関の方、水際の方で問い合わせをいたしました。しかし、この結果につきましても、税関としましては輸入者等の個別の企業名は回答できないということでございました。いずれの方法でも、残念ながら、さらに詳しいデータを得ることができなかったということでございます。
 本専門委員会でご議論いただくものが、電気機器が廃棄物になったものの処理をどうするかということでございまして、現在の制度で電気機器を廃棄する際、必ずPCB混入の有無について確認するように環境省の方から各方面に通知等で要請をしております。したがいまして、輸入されたものであっても、国内で製造されたものと同じように、廃棄物となる際にはきちんとPCBが混入しているかどうかを確認し、混入している場合には適正に処理がされるという形になっております。そういうこともございまして、先ほど申しましたように実際に調査をしましたが、調査の結果、新たなデータを得られなかったというようなこともございまして、本件について、これ以上現時点で調べていくのはなかなか難しいのではないかと考えております。
 以上でございます。

○永田委員長
 どうもありがとうございました。
 今の説明に関しまして、何かご質問等、ご意見ございますでしょうかね。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ちょっと、なかなか実態といっても調査するのは難しいという話でございますけれども、またこれ、今後の話も含めて、ちょっと皆さんの方にはご記憶にとどめておいていただいて、こういう問題について何か調査の手法で思いつかれるようなことがあり、あるいは実態としてまたお調べになった上で何か出てきたというようなことがありましたら、事務局の方にもお知らせ願えればというふうに思っています。よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、議題の2つ目に入らせていただきます。燃焼実証試験の結果についてということで、まず事務局より資料の説明をお願いします。どうぞ。

○産業廃棄物課高橋係長
 産業廃棄物課の高橋と申します。
 私の方から、お手元の資料2に基づきまして、平成17年度から環境省で実施しております低濃度PCB汚染物の焼却実証試験の結果についてご説明をさせていただきたいと思います。
 まず1ページ目につきましては、平成17年度、18年度に実施しました焼却施設の概要、それから、試験に用いました試料についてまとめてございます。平成17年度につきましては、既に昨年度に公表しましたもの、平成18年度につきましては、先週の金曜日、6月29日に公表しましたものを、あわせて表にしてございます。
 平成17年度の3施設につきましては、福岡県北九州市の光和精鉱、広島県福山市のカムテックス、それから愛媛県新居浜市の愛媛県廃棄物処理センターでございます。施設の形式は、それぞれロータリーキルン式焼却炉、酸素バーナー式溶融炉、ロータリーキルン式焼却溶融炉でございまして、炉内温度はいずれも1,100度以上の条件で実施しております。試験試料につきましては、いずれもトランスに入っておりました絶縁油を使っており、PCB濃度が10ppmから52ppmの範囲。量につきましては、それぞれの施設におきまして通常の運転状態の中で混焼できる量として、少ないもので1.8キロリットル、多いもので4.8キロリットルでございました。実施日については平成18年3月でございます。
 平成18年度につきましては、この17年度に実施した3施設に2施設を新たに加えて、合計5施設で試験をしております。17年度に実施した3施設につきましては、試験対象はトランスの中に入っていた木くず及び紙くずといった可燃性の部材で、量は少ないもので0.78トン、多いもので3.655トンを使用しております。それから、残りの2施設は、試験試料に絶縁油を使っており、濃度は17ppmと140ppmのものを使用しております。量については、それぞれ1.7キロリットル、4.0キロリットルを使っております。実施日については平成19年2月に実施いたしました。
 次の2ページ目と3ページにつきましては、絶縁油について2カ年の結果をまとめたものでございます。表1が施設と試験の概要でございますが、これは今ほどご説明した内容と重複しますので、表2についてご説明いたします。これは周辺の大気中のPCB及びダイオキシン類の濃度を測定した結果で御座います。
 敷地境界と施設周辺を調査しておりますが、まず、施設敷地境界につきましてはPCB濃度を測定しておりまして、上段の部分が通常運転時の濃度でございます。下段の部分が、実際にPCBを焼却したときの濃度でございます。基準の500ng/m3に対しまして、通常運転時は最大で10ng/m3、本試験時は最大で6.3ng/m3と基準を大きく下回っておりました。
 施設周辺につきましてはダイオキシン類濃度を測定しておりまして、基準の0.6pg-TEQ/m3に対しまして通常運転時の最大濃度が0.02pg-TEQ/m3、本試験時は0.097pg-TEQ/m3で、やはりこれも基準を大きく下回っており、且つ、試験の前後で大きな差は見られなかったということでございます。
 表3につきましては、排出ガス、また施設によっては排水が出ますので、これらのPCB及びダイオキシン類濃度を測定した結果です。
 排出ガス中の濃度につきましては、PCBの基準の10万ng/m3Nに対しまして通常運転時の最大が510ng/m3N、本試験時の最大が550ng/m3Nという値でございますので、やはり基準を大幅に下回っていますと同時に、前後で大きな差はございませんでした。ダイオキシン類につきましては、基準は施設によって異なっております。0.1ng-TEQ/m3Nという基準から、5ng-TEQ/m3Nという基準までの施設で試験をしております。最大の濃度で申しますと試験前が0.23ng-TEQ/m3N、試験後が0.43ng-TEQ/m3Nですので、やはり基準を大きく下回っていますと同時に、試験の前後で大きな差はなかったということでございます。
 続きまして、排水中の濃度ですが、このPCB濃度につきましては、基準が3μg/Lでございます。通常運転時の最大が0.0011μg/Lでございまして、本試験時の最大濃度が0.0068μg/Lと基準を下回っていますと同時に、前後で大きな差がないという同様の結果でございました。
 排水中のダイオキシン類濃度につきましては、基準が10pg-TEQ/Lでございます。これに対しまして、通常運転時の最大の濃度が2pg-TEQ/L、本試験時は最大で3.2pg-TEQ/Lであり基準を下回っていると同時に、前後で大きな差は見られませんでした。
 続きまして、4ページと5ページでございますが、これは固形可燃物の実証試験の結果をまとめたものでございます。
 表2は、3施設で行った試験の敷地境界の大気中の濃度でございます。基準の500ng/m3に対しまして、PCBの最大濃度は、通常運転時は4.5ng/m3、本試験時は1.1ng/m3でございます。やはり基準を大きく下回っております。
 施設周辺につきましては、ダイオキシン類を測定しております。基準が0.6pg-TEQ/m3でございますが、最大濃度は通常運転時は0.20pg-TEQ/m3、本試験時は0.14pg-TEQ/m3ということで、基準を下回っております。
 続きまして表3でございますが、こちらにつきましては、排出ガス及び排水中のPCB及びダイオキシン類濃度を測定した結果で御座います。排ガス中の濃度につきましては、PCBの基準である10万ng/m3Nに対して通常運転時の最大が170ng/m3N、本試験時の最大が230ng/m3Nで何れも基準を大きく下回っております。ダイオキシン類につきましては、基準は施設によって異なりまして、0.1から1ng-TEQ/m3Nの施設がございます。通常運転時の最大が0.0062ng-TEQ/m3Nに対しまして、本試験時の最大が0.0067ng-TEQ/m3Nで、いずれも基準を大きく下回っております。
 排水中のPCB濃度につきましては、1施設のみが排水を排出しており、基準の3μg/Lに対して、通常運転時の最大が0.13μg/L、本試験時の最大が0.078μg/Lということで何れも基準内でございました。排水中のダイオキシン類の濃度につきましては、基準の10pg-TEQ/Lに対して、通常運転時の最大が6.4pg-TEQ/L、本試験時の最大が6.2pg-TEQ/Lで、何れも基準内でございました。
 全体としましては、基準のあるものに対しては、PCB、ダイオキシン類のいずれもその基準を満足しておりました。また、通常運転時の濃度と本試験時の濃度を比較しますと、それぞれ同じようなレベルの濃度であったということでございました。
 以上でご説明を終わらせていただきます。

○永田委員長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○宮崎委員
 1つ教えていただきたいんですけれども、この表の3で、例えば排ガス及び排水中のPCB及びダイオキシン類濃度というところで、個別企業のお話になってしまって恐縮なんですけれども、この右のクレハ環境さんの排水中の方のダイオキシン類が、0.00011と、ほかの2つの事業所さんに比べて非常に値が低くなっているわけですけれども、何かこれは特別な処理というか、もちろん低いことはいいことなんですけれども、何か特別な処理をやられているのかなと思いまして、情報があれば教えていただきたいと思います。

○産業廃棄物課高橋係長
 詳しい排水処理の方式までは把握してございませんが、隣接して親会社の化学工場がございまして、そこの総合排水処理設備で工場排水と一緒に処理されていると聞いております。

○永松委員
 今、通常運転時と本試験時の比較を中心にお話をしていただいたものと思っておりますが、表2の下の施設周辺のところに、これ以外に「通常試験時」という言葉が3カ所出てくるんですが、この通常試験時というのは、どういう意味でございましょうか。

○産業廃棄物課高橋係長
 申しわけございません。こちらのタイプミスでございます。これは通常試験時ということはございませんで、通常運転時の誤りでございます。この場を借りて訂正させていただきます。

○永田委員長
 よろしいでしょうか。

○森田委員
 先ほどの宮崎先生のご質問の件なんですが、これは、通常のダイオキシン、あるいはPCBも、何が起こってくるかというと、検出下限というのがありまして、検出下限以下のところで、あるアイスマーがはかられると、それは数値化される。したがって、その検出下限のところで実は不連続が起こるんですね。例えばダイオキシンについて言いましても、水の中の濃度の0.1pg-TEQ/Lというところ以下は、実際はほとんど検出されていないんですが、たまたまある異性体があると数値化されてしまうために、こういう数字が出てきているということであって、例えば0.1ぐらいから0.0011という、この数字までは、それほど意味のあるような現象というわけでは決してないというふうに、ちょっとそれは理解しておいていただきたいんですが。

○永田委員長
 わかりました。
 ほかにいかがでしょうか。

○酒井委員
 ちょっと確認だけお願いいたします。固形可燃物の方の表1なんですけれども、光和精鉱の燃焼排ガスの滞留時間なんですが、11ないし14秒というふうになっているんですが、これはガス側の滞留時間ということで間違いございませんでしょうか。

○産業廃棄物課高橋係長
 ガスの滞留時間でございます。

○酒井委員
 絶縁油の方は3ないし4秒という施設になっているんですが、固形可燃物側がこういうように確保されているというのは、特別の二次燃焼室を持っているとか、そういうような状況になっているのか。すみません。ちょっと、私、この施設を見られていないものですからお聞きしている次第です。

○産業廃棄物課高橋係長
 ご指摘のとおり、絶縁油のときと滞留時間が異なっておりますが、これは投入の位置が異なっております。絶縁油の場合には、ロータリーキルンの出口のところ、二次燃焼室のところの近くで吹き込んでおり、滞留時間が短くなっております固形物はキルンの入り口側から投入をしておりまして、燃焼ガスの滞留の長さがそれによって異なっております。

○酒井委員 キルン内の滞留が計算されているわけですね。そのキルン内も1,100度以上が維持されているという理解でよろしいわけですね。

○産業廃棄物課高橋係長
 複数の点で炉温をはかっておりますが、そのような状況にあります。

○永田委員長
 よろしいでしょうか。
 この油と、それから可燃物の焼却試験、一応今のところは1,100度以上のところが実験をした結果になりますけれども、皆さんの方で何かこれの判断等につきまして、あるいは、今、投入量の状況というのは、ちょっとここでは見えないところがあって、どういう燃焼条件、あるいは、先ほどちょっと冒頭のところでは総量は出てきているんですけれども、時間あたりでどういう形で処理量といいますか、例えば焼却処理施設の投入総熱量に対してどのぐらいの割合を加えているとか、そういう話も含め、条件として何か設定する必要があるのかどうかですよね。そういう点も含めて、何かご意見等があったらお聞かせ願っておいて、ただ、実態として、ここでやられたような試験の範囲内から見れば、十分PCBの処理はできているということにはなろうかと思います。
 前に何かちょっと、浦野先生もそういう話をされていませんでしたっけね。そういう意味じゃ、マネジメント関係も含めて、何か少しそういう条件づけみたいなやつを考えておいた方がいいのかどうか。

○浦野委員
 ご指名がありましたので、この条件は、当初は非常に慎重にということで、温度も高いし滞留時間も長いところでやっておられますので、むしろ当然の十分な結果が出ているというふうに思われますが、今、永田委員長さんからお話があったように、1つは、細かい投入条件ですね。熱量その他のそういう問題、それから、もう一つは保存、輸送。貯蔵、輸送も含めて維持管理の注意点という2点のご質問があったと思うんですが、燃焼の条件という意味では、絶縁油の場合は、普通、バーナーで導入して燃しますので、比較的均一なものが十分高温─バーナーの中で非常に高温になりますので高温で処理されます。そういう意味で、はっきり言って炉の中の滞留時間とかガス温度はそれほど重要ではなくて、安定した処理ができる。一方、固形物の方は、紙くず、木くずというような、ある程度の小さいものであれば、当然ながら導入も安定しますし、燃焼もそう大きく変わらないんですが、これがだんだん大きいものを受け入れるか、どんな形状のものを受け入れるか、あるいはどのぐらいの含有量のものをどういうふうに導入するかというあたりで、分解をされている部分の温度と、それから実際の炉内のガス温度、あるいは滞留時間というものとの関係を考える必要があります。今回は全然問題ない条件ですけれども、もう少し違う設備をやるとすれば、その辺をしっかり解析しておく必要があるというふうに思っています。
 それから、これはあくまでも焼却分解の条件と結果ですけれども、受け入れの場所の状況とか、それから装置内に導入するパイプラインとか、そこの計測とか、事故のないようにするとか、そういう点についてはここでは資料がないわけですし、全体にはうまくいっているということですけれども、今後、設備を増やして実際に全国でやるとすると、どういう受け入れをして、どういう管理をして、どういう輸送をして、どういう導入をして、あるいはそのモニタリングをどうするかというあたりをしっかり詰めておかなければいけないので、このモデル事業においても、そこら辺で特に配慮した事項があれば整理しておく必要があるというふうに思っています。

○永田委員長
 どうもありがとうございました。
 何かほかにコメントはありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局の方から何かありますか。

○産業廃棄物課長
 先ほど浦野先生からご指摘があった件ですが、1点目の件につきましては、浦野先生がおっしゃるように、これまでの実験は、油そのものか比較的均一化できる紙、木の試料だったわけですが、今後の試験では、もう少し大きい、例えばコンデンサーをそのまま焼却するという試験についても、そういう施設が既存のものとしてあって試験ができる状況が整っていればチャレンジしてみたいと思っています。そういう場合には、今回の経験も踏まえて、浦野先生がご指摘のような、もう少し詳しい解析も可能な範囲でやってみたいと思います。
 それから、もう一つの維持管理の注意点ですが、今回もそれぞれの施設ごとに、施設自体が違いますので全く同じではありませんが、その投入までの間に問題を起こさないように対応してきたわけですけれども、そういった経験、それから、今後も引き続き行う試験の経験も踏まえて、実際の施設を動かしていく場合の施設に投入までの間の取り扱い、もちろん投入後のことも重要ですが、そういったことについて整理をして、実際にこれを焼却をしていくという場合に、それを生かしていきたいと考えております。基準化するか、ガイドラインのような形にするか、そういうことも含めて検討していきたいというふうに思っております。

○永田委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、また何かありましたら、最後にまとめてご意見をちょうだいすることにいたしますので、燃焼関係の話はこれで終わりにさせていただきます。
 それでは、続きまして、洗浄試験の結果に移りたいと思います。
 じゃ、事務局の方から。

○産業廃棄物課長
 洗浄試験でございますが、洗浄試験については、財団法人の電力中央研究所の方で絶縁油を用いた試験を行っています。本日は、その試験内容につきまして、電気事業連合会からご出席いただいています影山委員にまずご説明をいただければというふうに思っております。

○影山委員  それでは、ご説明させていただきます。
 資料3をごらんいただきたいと思います。
 容器の洗浄につきまして、どの方法がいいのかというのでいろいろ考えまして、今回はこんな形で試験をやったらどういうふうに洗えるのかという、そういう試験を行ってみましたので、その結果についてご説明させていただきまして、いろいろご意見をちょうだいできればというふうに思っております。
 1枚目は、洗浄試験の概要でございます。意義と書いてございますが、今回は、変圧器を部材別にばらばらにしないで、ばらばらにして洗うんではなくて、形状を有したそのままで簡易に洗浄するという、そういう方法がないかという、そういうことで試験を行っております。実施者としましては、我々電気事業連合会の依頼で電力中央研究所にお願いをしてやっていただきました。場所は電中研の横須賀地区、横須賀の方の研究所で行いました。行った時期は、昨年の10月から12月という、この期間で行っております。
 システムの概要がその下に書いてございます。保温釜という、これは保温容器ですね。保温容器の中に、この変圧器というのは、今回は柱上変圧器で行いましたので、柱上変圧器がすっぽり入るような、そういう保温容器を用意いたしまして、その中に変圧器を入れる。そこに管が出ていますが、管とポンプで油を引っ張って、それで、その後に恒温槽という、これは温度を上げる設備です。電気ヒーターで温度を上げる設備を設けまして、そこで油の温度を上げた上で変圧器の中をぐるぐる巡回するという洗浄設備をつくりまして、これでどのぐらい洗えるのかというのをやりました。
 右の方には、その設備の外観が写真で撮ってあります。保温釜と、それから恒温槽。大きさは保温釜で大体人の背の高さぐらいのものですけれども、それぐらいの設備でこういう配置でやっております。
 その下に部材採取場というのが書いてございます。これも、この設備のあるすぐ横にこの部材採取場というのを設置いたしましたが、最後に中身を取り出しまして、その中の部材を解体して、その部材のPCB濃度等をチェックする、測定するというための部材採取場がその下の施設、その外観でございます。
 1枚めくりまして、裏のページをお願いいたします。洗浄試験方法について、ここに説明させていただいております。
 一番左、まずは変圧器の設置でございますが、抜油済みの変圧器、もう油を抜いてしまった変圧器を保温釜の中に設置いたします。それで、その中に、ちょうど中身が全部浸るぐらいに新油、これはPCBに汚染されていない新しい油を注入いたします。それで、循環する新油の吸入口と排出口を設置するということで、先ほどのパイプですけれども、ちょうどその上の写真では、上の方から白い管がおりているのが見えると思いますが、2本白い管がおりております。その左側のやつが注入する方でして、それで、右の白いチューブが、これが奥の方までずっと下がっていまして、下の方から引っ張って抜くという、そういうチューブでございます。その右に循環洗浄の施設がございますが、新油を循環加熱しながら洗浄を行いました。4時間運転するごとに循環している油のサンプリングを行いまして、PCB濃度の変化を確認してございます。それから、その右のコアの取り出しですが、循環油のPCB濃度が一定になったということを確認しまして、それでコアを取り出しまして、そのコアを、これは油を抜くために一晩、これはつり上げておりますが、そのつり上げた状態で放置しております。ここで油を切るという作業を一晩やってございます。その後、右側の部材のサンプリングですが、先ほどの部材を採取場の方に持っていきまして、コアを解体・切断し、鉄心とコイルの銅及び紙、さらに容器の内壁等のサンプリングを行いまして分析を行ったと、こういう形で洗浄試験をやっております。
 その下に、同じことが書いておりますが、循環油のサンプリングは合計4回、16時間循環洗浄を行っております。この4回でPCB濃度が一定になっておりますので、その4回で一応終了をしてございます。サンプリングをした部材は、処理後の公定法に従って分析を行ったということでございます。
 次のページをお願いいたします。
 試験諸表でございますが、これは、試験をした変圧器と、それ以外の試験のデータを書いてございます。変圧器は4つやっておりますが、そこに書いておりますように、5kVAから100kVAぐらいまでの容量のものを、濃度が10ppmから27ppmという、今回はこういう濃度で試験をいたしました。油量は、そこにありますように、5kVA、10kVAでは20リッター程度、100kVAにおいては200リッター程度でございます。重量は、そこに書いてあるとおりでございまして、流速は、これは大体1分間に4リッターでやっておりまして、上ですと24リッターですから、6分ぐらいで大体1回の循環が終わるような、そういうスピードで流速を設定いたしまして、それで循環を行いました。温度につきましては70度ということで、この変圧器の耐える温度を勘案しまして、大体70度ぐらいということでやってございます。
 次のページをお願いいたします。
 それで、この試験をやったときの循環油の経時変化、結果でございますが、左の上から申し上げますと、5kVAでPCB濃度が12ppmでやった結果は、最初の2回のサンプリング、一番最初のサンプリング、それから4時間後のサンプリングにつきましては、これは0.2以下をNDとしておりますが、最初はNDでございました。その後、循環をするに従いまして、部材の中のPCBがしみ出してきているというふうに思われますが、濃度がだんだん上がってまいります。3回目のサンプリング、8時間後では0.2まで上がっております。その後は16時間まで油の中のPCB濃度は変化せずに、0.2のままで推移いたしております。
 同じように、この右の100kVAの10ppmにつきましては、これはすべて0.2以下でございましたので、5回やりましたが、すべてNDということでございます。
 左の下の10kVAの27ppmですが、これは0.3から始まりまして、最後、0.5のところで飽和したという、そういうデータになっております。
 最後の右下のやつは、最後、0.2でこれは飽和しているという、そういうふうに理解いたしております。
 これで一応16時間の試験ですべて循環油の濃度は達したというふうに判断して、16時間でやめまして、それで部材を切って部材の濃度を測定したというのが、その次の洗浄試験結果のペーパーでございます。それぞれ機器が5kVA、10kVAの元油濃度の、それぞれの機器についてのデータが書いてございます。16時間洗浄後のデータでございます。油は、先ほどお示ししましたように、高いもので0.5まで上がったものがございますが、100kVAのやつは軒並み0.2以下でございました。それから、容器の内壁、これは外側の容器の内壁をふき取り試験をして測定した結果は、すべて0.1以下という、そういう値でございました。それから、鉄芯でございますが、中身の鉄芯を切り取って、それをやはりふき取り試験をした結果は、すべて0.1以下というふうな、そういう結果でございました。それから、コイルの銅線でございますが、1次、2次のコイルの銅線につきましては、これを溶媒で抽出しまして、それで部材当たりのPCBの量を測定しましたが、すべて0.01以下ということで、そういう数値になってございます。さらに、やはり紙の溶出試験をしてございますが、すべて0.005以下ということで、検出限界未満ということになってございます。ですから、こういう濃度でやった結果、この洗浄試験をした結果につきましては、一応すべて基準をクリアしたという結果になっております。  最後のページをお願いいたします。
 こういう結果になったわけですが、今後さらに試験は続けようと思っておりまして、例えば型式、これは柱上だけでやっておりますので、柱上以外のものについてもやってみたいと思っておりますし、大きさも異なるものについてやってみたいというふうに思っております。
 それから、通常の使用状態を模擬した課電試験の実施ということで、これは、実際に使っている状態で油をかえて、その使っている状態のまま洗うと中がきれいになるということが可能ではないかという、そういうことを考えての試験を実施したいと思っております。そこに※で書いてございますが、絶縁油を入れかえをしまして、それで、この場合は負荷なしに実際の電流と電圧をかけまして、内部部材の洗浄効果というのを確認したいというふうに思っております。こういった試験を今後やって、また試験の結果が出ましたら提供させていただきたいと思っております。
 以上でご報告を終わります。

○永田委員長
 どうもありがとうございました。
 それじゃ、続けて。

○産業廃棄物課長
 今、影山委員の方から洗浄試験をご説明いただきましたが、この洗浄に関係しまして、洗浄に使う液の供給の問題について、前回、内田委員の方から少しご発言がありましたので、それに関連しまして、再度内田委員の方から少し補足的にご説明いただければというふうに思います。

○内田委員
 石油連盟から参っております内田と申します。
 今ご報告いただきました洗浄試験に使われている洗浄液というのが、いわゆる普通に変圧器に入っている絶縁油というふうに呼ばれる石油成分でございまして、これについて、前回のこの専門委員会で少しお話をしたんですが、多少説明不足なところがあったので、この機会に少しご説明を追加したいというふうに思っています。
 現状で1年間に日本国内で販売をされている、いわゆる石油系の絶縁油というのは、1年で約6万キロぐらいございます。現状、大変生産活動も活発でございまして、各工場ですとか変圧に使われる、いわゆるメンテナンスに使われる部分と、それから新しい変圧器を電気メーカーさんがおつくりになって、そこに封入される絶縁油、こういった用途で使われておるというふうに思っています。そういう現状の中で、今、こうやって洗浄をされるという用途にどのぐらいこれから使われるのかというところが、前回の資料では、今の柱上のお話ですと大体24.6万キロ、25万キロ弱ということ。それから、トランスでは今31万5,000キロ、32万キロ弱ということで、合わせて56万キロぐらいというような形になっています。1年の生産・販売が6万キロでございますので、ちょっとそれに比べると数字が大きいかなということでございまして、もし本当にこういう用途に絶縁油を洗浄に使われるということが将来起きるとすれば、石油連盟としては、どういうふうにそれを解決していこうかということで、現在、電気事業連合会さんと、今、どのような係数をつくってその問題を解決するスタディーをすればいいかというところを協議を始めたというところでございます。
 若干の説明と、それから現在やっていることのご紹介ということで発言させていただきました。どうもありがとうございました。

○永田委員長
 どうもありがとうございました。
 今お話しになった件も含め、それから資料でご説明いただいた分も含めてご質問をお願いしたいと思いますが、影山委員のほかに、洗浄試験の企画立案を担当されました東京電力の環境部の伊藤さんからも、必要に応じて質問があった場合にはご説明していただけるということになっていますので、よろしくお願いします。  それでは、どうぞ。何かありましたらお願いしたいと思います。

○浦野委員
 測定結果0.2以上で0.2、0.3、0.4という0.1目盛りで表示されているので、細かいところはよくわからないんですけれども、基本的には、これは大体見ると50分の1から100分の1ぐらいの濃度に下がっているというふうに見られるわけで、ということは、逆に言うと、抜いた後にもともとあった油の50分の1とか100分の1が残っていたと、そういうふうに見えるわけです。これは当然ながら、最初に油を抜くときの抜き方をどの程度にするかということ。それから、洗浄するとき、この形ですと変圧器に最初入れても、恒温槽の中の配管も含めた容積もございますので、全体の容積と変圧器の容積との関係ですね。外側に大きくしてたくさん油を入れれば、当然薄まるわけで、この辺の操作条件の細かいのはどうしているかということが1点。全部は細かくご説明いただかなくても、概略で結構です。
 それから、もう一つ、この10kVAのところの27ppmのものが循環油で0.5という、切りがちょうどの数字になっているわけですが、この0.5ですと、0.1ぐらいが誤差範囲というか、測定範囲だとすると、これは基準を満たしていない可能性もあることになってしまうわけですが、この辺についてはどういうお考えを持っておられるのか。

○東京電力(伊藤)
 影山委員にかわりましてご説明申し上げます。
 最初のご質問でございますが、まず、抜き方につきましては、柱上変圧器、これはふたがガバッと取れる形でございますので、そこの液がなくなるまで抜いたということでございます。
 それから、全体容積と油の関係でございますが、資料の試験諸表の欄でございます。こちらに油量というふうに書かれておりまして、こちらが変圧器の計画油量でございますけれども、こちらと同じ量を今回試験でも注入しております。ですので、小さ目の変圧器ですと、機器の重量、例えば一番上の欄ですね。約85キロに対しまして油の量が24リットル。その下の100kVAのものですと、機器の重量が556キロに対しまして油量が195リットルということで、100kVAの方は比較的油の量が多いということになります。
 それから、循環油の経時変化のところの10kVAの27ppm、元油が27ppmのもののデータについてですが、現状で私どもが承知しておりますのは、環境省さんから通知されておりますもので、変圧器中の絶縁油を廃棄する際にPCB廃棄物として扱うかどうかといったところの基準でございまして、そこの数値が測定した結果、0.5以下であればPCB廃棄物として扱わないというふうに通知されておりますので、今回、一応この結果はPCB廃棄物として扱わなくてよいという結果だと認識をしております。
 以上でございます。

○産業廃棄物課長
 最後の点についてちょっと補足しますが、私の理解では、この洗浄試験というのは、油を抜いた後の残った容器、部材、これをきれいにして、それぞれの容器、部材が卒業基準を満たせるようにできるかどうかということを調べたものでございまして、その洗浄試験の結果としての容器、部材の卒業基準との比較のための試験というのが、この洗浄試験結果という一覧表にまとめられておりまして、少なくともこの試験をやったものについては、すべて部材が卒業基準をクリアしているということでございますので、浦野先生がおっしゃるように、10kVAのこのPCB濃度27ppmのもの、0.5ぎりぎりではないかと、これは測定誤差等を含めるとちょっとどうかというご意見もあったんですが、これはあくまでも洗浄液の濃度でして、この洗浄液が0.5を超えれば、これはこれでPCBに汚染された油として、先ほどの焼却試験とかそういうところ、焼却とかそういうところへ持っていくものになりますけれども、部材自体は、ここに示してあるように基本的に卒業をしているのではないかというふうに、私はこの説明資料はそういうふうに読み取っております。

○浦野委員
 ちょっとよろしいですか。今のお答えに対してですけれども、非常に小型の場合、変圧器そのものの容量の油を入れてということになると、外部の配管とか恒温槽の中の容積を考えると、中の方が一部空になりますよね、合計の容積。そういう状態と、もっと大きい場合と、あらわれ方が違うかなというような意味でご質問をしたので、その辺、この恒温槽の方には油はもともと入れていないんですか。その辺が1点。
 それから、油は抜いたに決まっているんですけれども、50分の1とか100分の1残っているという状態、油の抜き方のばらつきというか、そういうものは余り考えなくていいのかどうかというのが質問の趣旨です。普通水でやると水切りみたいなものですか、油切りをどの程度きちんと管理できるのかなという、それが十分抜け切れなければ、当然後が濃くなるわけですから、その辺のところが比較的安定して、確実にこういう状態がいつもできるのかどうかという、あるいは何かガイドみたいなものがあるのか、そういう趣旨で伺ったので、お願いします。

○永田委員長
 わかりました。ちょっと答えてもらいましょう。抜油の方法論で、ちょっとその辺のことを説明していただけますかね。それから、さっきのお話は、洗浄系統の方の容積がどのぐらいあるのかという話も含めて、ちょっと聞かせてもらえばわかるかなと思います。どうぞ。

○東京電力(伊藤)
 抜油の方法に関しましては、柱上変圧器に関しては一たん逆さまにする。適宜、液が垂れないところまで油切りをするというやり方でございまして、例えば、ほかの機器になりますと変圧器の構造等が変わりますので、一概には申し上げられないんですけれども、今回の試験に関しては、そのような液垂れが起きない程度まで油抜きをしたというところでございます。

○永田委員長
 大体どのぐらい時間がかかるんですか。

○東京電力(伊藤)
 容器の大きさや細かい構造にもよるんですが、大体数時間程度ということでございます。

○永田委員長
 どうぞ、続けてください。

○東京電力(伊藤)
 それから、系統の油量ということでございますが、そちら、手元にデータを持っていないんですけれども、小さな変圧器ですね。例えば一番少ないもので、試験調査の中では24リットルというものがございますが、こちら、系統にも油を満たした状態でも、中の変圧器のコアの部分、油に浸された状態でこの試験が行われておりますので、まんべんなく洗浄されているものと考えております。

○永田委員長
 ちょっと混乱させない格好で説明していただきたいんですけれども、さっき言われたのは、24リッターの油というのは変圧器の定格のときの油量。それだけの量を洗浄するときにも入れていますよというお話だったですよね。これはその結果なんですか。

○東京電力(伊藤)
 はい、そうです。

○永田委員長
 ですから、それはそれで、そうしたらあれなので、今の系統の容積ってどのぐらいなんですかという話は、今はここではわかりませんか。洗浄試験をやっている、これはみんな同じ試験装置でやられていますよね。

○東京電力(伊藤)
 はい。

○永田委員長
 それはわかりませんか。

○影山委員
 ちょっと今、そこのデータはありませんが、最初は、恒温槽の方にはこれは入れないんですけれども、油を抜いたのは変圧器がひたひたぐらいの、5kVAだったら24リッターぐらいの新油を入れて、それで循環したということです。それで、系統の容積はわかりませんが、ぐるぐる回している最中、恒温槽まで油が行っている最中でも、変圧器の中の部材が全部浸るぐらいになっています。

○浦野委員
 その辺は、今後何かやるときにきちんと注意しないと、24リッターで、外が14リッターあったら困るわけです。10リッターも中が減っちゃうわけですから。その辺、ちょっと注意して検討された方がいいと思います。

○酒井委員
 今の議論で、恐らく油の量に対する部材の負荷ですね。今、小型の方が、恐らく油当たりの部材量が多くて、それが一定の数字、ppmがある場合に、0.5ppmや非常にぎりぎりの状態になってくるということかと思いますので、油当たりの機器の部材の負荷をちゃんとパラメーターに見て、それで、場合によっては、そういう小型の場合には余分な油が要るのか要らないのか、単なる置きかえだけで済むのかどうかというところを見ていくことで、もっと今の0.5ppm、極めて微妙なところの判断ができるんじゃないかと思います。ですから、そういうちょっときめ細かいところ。今回の結果は、木村課長が0.5ppmで問題ないという、そういうご見解でありますが、やはり浦野先生が言われたように、ちょっと微妙なところでありますから、あと、実際の作業ということを考えていくと、少し部材負荷を考えたきめ細かいところのデータを入手された方がいいというふうに思います。

○森田委員
 私もほとんど同じ意見ではあるんですが、浦野先生がご指摘された、ちょうど私たちが自動車のエンジンオイルを交換するとき、フラッシングオイルを入れて、まずちょっとあらあらきれいに取り除いてから詰め直したりしますよね。そういうプロセスを通じて使う油の量を最少化するとか、ちょっと工夫する余地もあるので、それは引き続きぜひご検討をお願いしたいと思います。

○永田委員長
 よろしいでしょうか。少し洗浄の条件設定といいますか、今、こういう格好でしかできないといえばできなかったのかもしれませんが、それをまたベースとして整理していただきながら、例えばここでどういう条件でやっていくと、ある一定時間たったら、ある一定の範囲のこういうトランスでしたら試験結果が先ほどの基準値以下になるんだということがわかるような、その条件設定の部分のところですね。例えばこれも、さっき循環系で、1回入れかわる時間が、一番のやつは6分という話だったですけれども、その下の方に行くと、これは試験装置の関係かもしれませんけれども、随分長いやつも出てきますよね。それで同じ時間やっていらっしゃるということになるわけで、そうすると、そういう意味での線の引き方が、若干統一的な形でやられるような方法になっているかなという気がしますし、先ほど酒井さんの言われたような話も含めて、ちょっといろいろ整理方法を変えていただきながら、どういう条件だったら満足できるのかということを見きわめていただけるとありがたいなと思っています。今回以外も、また実験をやられるようですから、そういう思想で条件設定などもしていただく方がいいのかもしれませんね。
 よろしいでしょうかね。何かありましたら……。
 もしよろしければ、またこの話も、最後にまとめたときにでもご質問いただければと思います。
 それでは、続きまして、議題の4番目、低濃度PCBの測定についてに入りたいと思います。
 まず、事務局から資料の説明をお願いします。

○産業廃棄物課長
 低濃度PCBの簡易測定でございますけれども、これにつきましては、国立環境研究所の方で準備しました柱上トランスなどの共通試料を用いまして試験を実施しかかっておりまして、これについては、産業廃棄物財団の方に設けました低濃度PCB測定法ワーキンググループの枠組みの中で進めていただいており、きょうご出席の森田委員に座長を務めていただいております。資料は資料4でございますが、恐縮ですが、森田委員の方から資料のご説明も含めてコメントいただければと思います。

○森田委員
 低濃度PCBの分析法、特に0.5ppmという比較的低い濃度を正確に、あるいは迅速にはかるにはどうしたらいいかということの検討を開始しようとしておりまして、用意しておりますのは、共通の試料として、それを中心とした濃度領域の油を用意して、それをいろいろな機関にお願いをして、そしてその分析表の検証やらをしていただくと、そういうことを開始し始めております。
 分析の参加の機関ですけれども、これは、一昨年、産業廃棄物研究財団の方で参加していただきました分析機関プラス、その後、新たな研究を発表をされてきた、特に電力系の分析会社などを含みまして20機関弱ぐらいのご参加をいただいて、そして現実によく使われている新たな分析法なども評価の対象としてやりたいということであります。
 試験結果報告項目と書いてありますけれども、ここのところに実際にいろいろな形で分析表がバリエーションを持った形で実際にはやられているということもありまして、それぞれの方法をきちんと記述していただくと同時に、この方法はいいですよとおっしゃっても、実際はそうでないということもあるという意味で、少し厳しい評価を実際のデータを見せていただきながらやってはどうかというところで実行しようと考えております。
 さらに、目標としておりますのは、低濃度のPCBが正確かつ迅速かつ低コストではかれる方法として、何かまとまりがつくといいなということもありまして、そういう意味で、非常に多数の試料を一気に依頼したような場合には、測定料金は幾らになるでしょうかということであります。現状、多分1検体当たりの値段が1万5,000円から2万円の範囲内で実際の価格が進んでいるんだろうと思いますが、それを数分の1ぐらいになるようなことが可能だろうかということを含めて、コストの低減を含めた料金についてのお値段づけみたいなことが可能かということについても読ませていただくということでありますし、また、測定時間も、一度に多数の検体を分析した場合、1検体当たりの処理時間、あるいは、例えば1年間にこういう道具立てでやると何万検体できるだろうかということを含めて、測定時間についても記載をお願いをして取りまとめをしたいということであります。
 最後に評価の方法と4番目に書いてありますけれども、基本的には公定法で示されております高分解能出力質量分析法を用いた測定結果、これは今の予定では3機関ぐらいにお願いして測定値の平均値を出そうと考えております。2ないし3機関ですが、それの測定値を真の値として評価するということにしたいと考えております。実際の各分析方法でやられた結果というものを、その真の値からどのぐらいずれているか、あるいは一致しているか、あるいは、繰り返し測定をしていただくことになっていますが、その測定結果がどのように再現されるかという再現性、それから、こういった検出下限と密接に関係していますのは、その前段に前処理が入ってきますので、前処理過程でも失われるということを含めて、回収率がどの程度あるかということも判断材料にさせていただきたいと考えています。また、あわせて迅速性、あるいはどれだけ簡易化が進んで、ある程度訓練を受けていない人でもできるかどうかということを含めたような観点についても評価をしていきたいということであります。
 なお、スクリーニング的な手法も同時に評価するということを考えておりまして、その場合のスクリーニングの評価につきましては、欧州委員会による食品中のダイオキシン類のスクリーニング指針というものがございますので、それを参考にして、どのぐらい偽陽性率、あるいは偽陰性率が出てくるかということについても、スクリーニング法としては評価するということです。したがいまして、ここでは、いわゆる定量的な正確な定量値を出す方法として、どの程度簡易化できるかという、そういう観点が1つと、それから、スクリーニング法というものの有効性があるかどうかを含めた評価をやると、そういう形で測定法の検討を組み立てております。  以上です。

○永田委員長
 どうもありがとうございました。
 いかがでございましょうか。ご質問、ご意見等があったらお願いします。

○浦野委員
 この試料なんですが、本当の汚染油の場合は、PCB以外にいろいろな塩素化合物類など、いろいろなものが入っているわけですけれども、今回の試料はどういうPCBを入れた絶縁油なのか、いわゆるカネクロールの幾つ、これこれを少量入れたとか、標準的なPCB油を入れたのかとか、その辺はどういうふうにお考えなのか教えていただければ。

○森田委員
 実は両方まざっております。両方というのも変ですが、実際に使われていて、低濃度でPCBの汚染を受けたような,そういう柱上トランス油があり、一方で、そういう絶縁油にある一定濃度でPCBを添加したものがある。それで、今のところ、どういうPCBを添加しているかということについてはブラインドになっておりまして、お知らせしておりません。したがって、多分、結構難しい結果も出てくると思います。PCB以外の有機塩素系化合物が含まれているケースが実はあります。それを含めてどんな結果が出るかという、そういうことになります。

○浦野委員
 わかりました。考え方だけ教えていただければ結構です。

○永田委員長
 ほかにはいかがでしょうか。
 ここの場だけではなくて、ほかでもこのPCBと臨床分析だとか簡易分析の話って、いろいろ検討されておりますよね。その辺のデータの取り扱いみたいな話というのは、どうやって考えておられるのか。

○森田委員
 学会などに、そういう低濃度PCBをはかっているという、そういう研究発表があったグループは参加していただいているんですね。それ以外に個別にやっているものについては、関連する技術としてデータをいただいて、何か役立てるものがあれば役に立てると、そんな状態ですね。

○永田委員長
 わかりました。

○宮崎委員
 1つよろしいですか。説明があったのかもしれませんけれども、6月に配付を開始して、期日的にいつごろまでに結果を出していただくことになっているんでしょうか。

○森田委員
 できれば6月中に欲しいなとは言っておるんですが、まだ集まり切っておりませんので。

○永田委員長
 もう既に配付されて……。

○森田委員
 配付は終わっています。

○宮崎委員
 結果ももう来ているのですか。

○森田委員
 一部返りつつあるという状態ですが、この辺のデザインで難しいのは、それぞれの分析機関も、しばしば高分解のマスをお持ちですので、それで正確な値を出しておいて、それで「うちの方法はいいですよ」と言ってこられるケースもないわけではないですということもあり、したがって、ここには書いていませんけれども、実際にやっている風景の写真だとか、それからクロマトグラフなどの生データなど、測定の実施状況の証拠というようなものも、これもつけていただいて、できるだけきちんと評価しようとしておるという、そういう状況であります。

○内山委員
 よろしいですか。ダイオキシンのときも最初のころ問題になったんですが、外国に依頼するということが出てきた場合に、これはどういうふうにお考えになっているんでしょうか。

○森田委員
 今回は分析方法の評価をやっていて、実際の分析期間が適当であるかとか、実際にそこでやられる分析が適正にやられているかどうかとか、それ、ちょっと次の課題かなとは思っているんですね。ただ、今までの私どもの分析にかかわっている人たちの経験では、こういう低い濃度ができるのは日本しかないという状態ですので、余り外国からの技術を期待はしていないというのは感想としてはあります。これは直接関係ありませんので、それはまた別の機会にお願いしたいと思います。

○内山委員
 逆に、だから実際に運用をし始めて、入札して外国に依頼するといった場合には、これはノーという、逆にそういう、これを検定を受けていないとだめだというような……。

○森田委員
 そこの仕組みはまだ全然考えておりません。とりあえず、こういう方法であれば正確な値が出てきますよということがある程度記述できればいいかなという状態です。多分、それと若干関連しまして、ある程度分析法を記述しようとすると、各機関にある種のノウハウを出していただくことになる。そのことを少し実際の分析機関としては出したくないという、そういうご機嫌も若干あります。これは違う裏面上の話ですけれども、しかし、いい分析表ができればいいかなと、そういう状態であります。

○産業廃棄物課長
 今進めていただいている、この簡易測定法の結果を踏まえて、いい結果が出ることを期待しているんですが、それを実際にどういうふうに使っていくかと。廃棄物処理法との関係がございますので、その辺は、この結果を踏まえてまたよく検討していきたいというふうに思います。とりあえず今の段階では、それぞれの提案されている試験法がどのぐらいの精度があるか。それをスクリーニング的に使うことも含めて、どういうふうに使い得るかということを森田先生のところで評価いただくというふうに考えております。

○永田委員長
 先ほどのお話で、全体的に整理が終わる状況までというのは、大体どのぐらいの期間を森田先生は……。

○森田委員
 とりあえず今月中には一応取りまとめを、まず第一弾をやりたいと考えています。ただ、取りまとめの間に、まだ実際に分析したラボとのやりとりが若干発生するかと思います。ダイオキシン国際会議が始まるまでには、ある程度形をつくってしまいたいという、8月中ぐらいをめどに……。

○永田委員長
 わかりました。
 あとはよろしいでしょうか。
 もしないようでしたら、この4つ目の議題もこれで終わりにさせていただきまして、あとは、全体で何かございましたらご意見をちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。きょうは、どちらかというと技術的な話が多かったわけでございますけれども、それ以外の点でも、もし何かご意見等があったら……。
 もしよろしければ、それでは、その他ということで、事務局の方からこの関連について説明していただきます。どうぞ。

○産業廃棄物課長
 私どもの方から、次回以降の専門委員会の開催についてご案内させていただきたいと思います。
 先ほど議題の中で説明させていただきました焼却実証試験でございますけれども、本年度については夏ごろに第3回目の試験の実施をしたいということで、今準備を進めております。それから、最後の議題にございましたように、森田先生を中心として簡易測定法の検討も実施していただいているという状況にございます。このような状況がございまして、前回委員会で検討のスケジュールという中でご説明申し上げましたように、次回、第4回の委員会につきましては9月以降に開催させていただきたいというふうに考えております。少し先の話でございますので、日程の調整はまた後ほどさせていただきたいというふうに考えております。

○永田委員長
 よろしいでしょうか。次回、9月以降でということでご了承いただいたということにさせていただきます。
 それでは、本日の審議につきましてはこれで終了といたします。事務局の方から何か。

○産業廃棄物課長
 あとは議事録でございます。本日の議事録、取りまとめまして、大変恐縮でございますけれども、委員の皆様方にご確認をいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○永田委員長
 それじゃ、その件もご了承いただいたということで、きょうはちょっと早目でございますけれども、これでこの委員会を終了とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。