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■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会
容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会
合同会合(第11回)
議事録


平成21年6月11日
午後1時59分開会

○リサイクル推進室長 定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会及び産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会の合同会合第11回を開催いたします。
 委員の皆様にはお忙しい中お集まりいただき、まことにありがとうございます。
 合同会合につきましては、事務局は持ち回りとさせていただいており、本日の事務局は環境省が担当させていただきます。
 まず初めに、お手元の配付資料をご確認願います。資料一覧をお配りしておりますので、資料の過不足等がございましたら事務局までお申しつけください。また、本合同会合の資料につきましては、原則すべて公開とさせていただいておりますが、本日の参考資料5につきましては、委員のみ配付、会議終了後回収とさせていただきます。
 また、会合終了後に発言者名を示した議事録を作成し、各委員にご確認いただき、ご了解いただいた上で公開いたします。
 続きまして、本日の合同会合の出席状況でございますが、全委員数26名のうち16名の委員の方にご出席をいただいております。中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会につきましては7名の委員に、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会につきましては9名の委員にご出席をいただいており、それぞれ定足数に達していることをお伝えいたします。また、本日は日本容器包装リサイクル協会、浅川説明員に出席をいただいております。
 なお、マイクですが、本日、スタンドマイクは常にオンになるような形になっておりますので、扱いのほうご注意ください。委員の方々にはハイドマイクのほうをご発言のときには回しますので、その旨よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の議事進行を永田座長にお願いいたします。

○永田座長 どうも皆さん、こんにちは。
 委員の皆様、また傍聴の方々も、お忙しい中ご参画いただきまして、ありがとうございます。
 それでは、本日の議事に入らせていただきますが、本日の議題は、お手元の資料の議題欄に書かれた2点でございます。このとおりとさせていただきます。
 まず、容器包装リサイクル協会のほうから入札の手続についてご説明いただきます。これは、これまでの議論の中で宿題にされていた分でございまして、きょう、その回答をお示しさせていただくということでございます。
 その後、これまでの議論の整理につきまして、こちらからその内容をお示しさせていただきまして、議論を賜ればというふうに思っております。
 まず、議事に入る前に、参考資料について事務局のほうから説明してもらいます。どうぞ。

○リサイクル推進室長 それでは、参考資料について説明させていただきます。
 これまでの審議に関連いたしまして、参考資料1として、地域連携モデル事業に関する平成20年度の実施状況を添付しておりますので、簡単に報告いたします。
 参考資料1でございますが、1のところに目的といたしまして、分別排出・分別収集が地域で行われ、それが再商品化とリンクした形でいかに効率化できるか、また、質の高い分別収集ができるかということを推進するため、このモデル事業を実施しているということを書いております。
 実施地域でございますが、実施期間は2年ということになっておりまして、平成20年からスタートし、第1期については(1)のところにあります4地域で4事業、これについては今、21年度が2年度目でございます。第2期のグループにつきましては(2)のところに書いてあります4地域で、これについては来年度も引き続き事業を行うということでございます。
 20年度の事業結果については報告がちょうど来たところでございまして、それについて簡単に3以下で説明をさせていただいております。福井市、三原市、札幌市、横浜市でございますが、いずれも共通しておりますのは、推進会議、協議会、名称はさまざまではございますが、事業に関係する方々の多くの方が参画をいただいて、その中で議論をし、場合によっては計画を立て、普及啓発等を実施した上で、その効果が分別収集にどの程度の効果があるのか、そういったものも、ごみの組成調査等を実施することによって把握をしているというものでございます。
 それぞれの事業の成果、どのような普及啓発を行ったかというものは、2ページ以下ごらんいただければと思いますが、これらにつきましては、最終的な集約といいますものは21年度、今年度末に報告を受けることとなっておりまして、それについては、また取りまとめができた段階でご報告をさせていただきたいというふうに考えております。
 また、第8回目の参考資料というところにもありましたが、本日の議論に参考にするために、参考資料2として平成19年6月の合同会合の取りまとめを、また、参考資料3として平成11年の産業構造審議会容器包装リサイクル小委員会の資料の抜粋を再度添付させていただいております。
 加えまして、参考資料4として、5月22日に開催されました第4回容器包装リサイクルのフローの透明化等に関する検討会の資料、「議論の整理について」を添付しております。
 参考資料5につきましては、席上配付とさせていただいておりますが、資料3を説明する際にあわせてご説明させていただければと考えております。
 以上でございます。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、早速ですが、議題のほうに入らせていただきます。
 入札手続についてというのが議題の1番目でございます。
 それでは、日本容器包装リサイクル協会の浅川説明員から、資料に基づき、ご説明いただきたいと思います。どうぞ。

○浅川説明員 ありがとうございます。プラスチック製容器事業部の浅川と申します。
 以前のご議論の中でご質問が出ました、現在行われておりますプラスチック製容器の入札選定方法について手短にご説明させていただきたいと思います。お配りされています資料2でございます。2をごらんください。
 早速ですが、2ページをごらんください。
 まず最初に、全体のアウトラインといいますか、イメージをつかんでいただきたくて、この図を入れましたけれども、まず入札という、左側にございまして、その上の絵は再商品化事業者さん、これが全国で、最新の状況で大体70社ぐらい、それが7月に登録申請がありまして、協会が査定を最終的にさせていただいて、後で申します落札可能量というのを持っておられます。そういう状況で入札に臨まれる。
 それから一方、入札の対象として市町村の保管施設、これが全国で約770―これも直近ですが―ございます。そこの申し込みが協会にやっぱり秋ごろございまして、それを協会がリスト化したものを見て、入札者が入札されるということであります。入札は、そこに非常に複雑に線がいっぱい入り組んでいますが、1社の再商品化事業者さんが複数の保管施設に対して入札をかけているというような状況でございます。それを我々のところで、入札選定のプログラムを走らせました後、落札という右側になるわけですが、その結果、左側の入札の複雑な結果、落札というところで若干線を太く、丸に変えて書いております。
 そのときの状況はどうなっているかといいますと、まず、再商品化事業者さん側から見ますと、一保管施設から引き取ることが決定、それでもう自分のところは終わり。つまり、落札の絵の一番上の左の人は下の保管施設1社だけに線が引かれていると思います。その人は自分のところのキャパシティーとその保管施設がぴったり合うのでそこだけ、もしくは、合わなくてもそこしか落札できなかったと、こういう状況であります。そのほか、複数の保管施設から引き取ることが決定、落札した社の方もいらっしゃいます。それから、赤で書いていますけれども、右から2つ目の例では、結局、いっぱい入れましたけれども、競争のために落札できなかったという事業者さんもいらっしゃいますと、こういう状況になります。
 一方、保管施設側から見ますと、自分のところで出るだろうごみの引き取りを1社の再商品化事業者さんにお任せできるねというように、1社から引き取りとなった保管施設もございますし、比較的規模の大きいところですと複数社による引き取りとなった保管施設があるというような結果になるということであります。
 次に3ページです。順を追って、入札ステップからご説明します。
 まず入札なんですが、そこにありますように入札フダというイメージ、もちろん電子入札でコンピューター上ですので、そんなフダのイメージはないんですが、わかりやすいようにフダのイメージにしております。今やられていることは、材料の中で優先フダというのがあります。それから、材料の中で一般フダ、非優先のフダというのがあります。それから、ケミカル事業者さんの一般フダがあります。それから現在、この2年は、今ご説明がありましたモデル事業ということがありまして、同じフダなんですが、手法を限定したり、モデル事業の市町村からの距離を条件にしておりますので、それを別途条件としていただいておりまして、それをモデル事業に対する希望ということで入札していただいているという状況でございます。
 これらのデータを、いろいろありますけれども一括して全部、入札をある期間の間に終えて、いよいよ入札選定のプログラムに入っていくわけですが、そのときに一番初めにやることは、例の上限値という価格設定がございます。9万4,000円とかですね。そういうものの上限値以内のフダだけを入札選定のプログラムのほうに渡すということになっております。
 じゃ実際、入札フダの入力情報としてはどうなっているんだということなんですが、そこの下に大きく書いておりますように、まず当然、自分が入札したい保管施設の名前があります。それから、その保管施設に対する入札量、それからそこの再生処理費、輸送費、それから再商品化製品を売り上げますから、それの値段というようなこと、それからベールの輸送距離等が含まれております。それ以外に、ちょっと書き落としましたけれども、再商品化率というような情報もここに入れることになっております。
 実際の入札額としては、そこの式にありますように、再生処理費と輸送費を加えたものから再商品化製品の売り上げを引いたものということで自動計算されます。こういうふうになっております。
 次の4ページをごらんください。細かい話で恐縮ですが、ちょっと言葉の説明を簡単にだけしておきます。
 まず、落札可能量ということが書いてあります。これは各事業者さんが落札できる総量のことでありまして、ここがまさに昨年、0.77を掛けて、それを落札量としたという、このことであります。これは当然1つの保管施設にはこの量を、自分が例えば1,000トンの処理能力があるよということであれば、1,000トン以上を超えることはできないということであります。
 それから、入札の可能枚数なんですが、これは先ほどご説明しましたように、制限がございません。つまり、ちょっと極端な例ですが、大学入試と同じで併願できるわけです。必ずしもそこを落札できるとは限りませんから、あらかた何個かの保管施設に希望を出しておくと、こういうような意味でございます。その意味から言いますと、当然、入札の総量には制限がありません。ただ、先ほど言いましたように、落札の合計というのは、たとえ複数の保管施設へ入れていて、ちょっとずつとれたとしましても、その可能量を超えることは当然ございません。
 それから入札対象、これは先ほど申しました保管施設なんですが、いろいろ書いていますが、次のページをごらんください。具体的に載せております。これは青森県のものの一部をちょっと2つだけ持ってきたんですが、まさしくこれが原本でありまして、固有名詞等は除いておりますが、こういう形でリスト化されておりまして、実際、再商品化事業者さんで入札されようとするときに、これをごらんになって決めるということであります。
 これの情報ですが、一番上のほうの右に142というのが数字で書いています。これがまさにこの保管施設で1年間に扱うベールの量、142トン、たったといいますか、この例でいいますと年間142トン出ますから、これをとっていってねと、こういうことであります。その保管施設は、ある名前がありまして、じゃ、いろいろと荷物を出すときにフォークリフトが使えますかとか、コンベアがありますかとか、それからここには特記事項が何も書いてないですが、場合によっては道路が狭くて10トン車は無理ですよと、こういうようなことを書いていただいていると。こういうのを、したがって、入札条件リストという言い方をしていますが、こういうリストをあらかた入札者に配布しております。
 次をごらんください。6ページ目がいよいよ入札選定プログラムに入ります。ちょっとここはなかなか複雑なので、恐縮なんですが、時間の都合上、さっといきます。
 まず、モデル事業が、今4カ所しかありませんので、これを先に決めます。
 それから、1枚しか入札がなかった保管施設、これは下の図でいいますと、Aと保管施設のところに書いていますが、Aにはオレンジ色の人しか入札がありませんから、当然これを先に決めないと、これ以外の人を決めなかったら穴があいてしまいますから、これを決めてしまいます。ということで、2番までがいわば前処理的なものでございます。
 それから、いよいよ3というところから実際の入札に入るわけですが、まず今の制度でいきますと、優先フダだけを集めます。優先フダだけを集めまして、今度その優先フダを希望されている保管施設ごとにくくり直します。その保管施設ごとに今度は、そこでは「安価な順に仮置きし」と書いています。そこの下のところに矢印が行っていまして楕円で囲んでございます。例えば右端の保管施設に、この例でいきますと4社入っているわけですね。4社入札されているわけです。当然、値段が違うわけです。それの順位をソートして決めるという操作を各保管施設に対して全部やります。
 そのときに、ここでは簡単にするために安価と書いていますが、実際には入札額、それからその次、例えば入札額が全くぴったり一緒だと、このケースは今までほとんどないですが、もし一緒だったら、今度は運搬距離の近いほう。それから入札額も一緒で運搬距離も一緒、これは今までなかったですが、念のために、次は再商品化率が高い人というような順番で、※1というところにそういう意味で書いております。そういう順番で一番フダを決めていくというような操作を各保管施設に対してやります。
 いよいよ決めるかということになるんですが、その次に、各保管施設で全部、一番フダの者が、旗が立っているわけですね。そうしたら、じゃ、どの保管施設から決めていくのかという話でございます。それが3-2でございまして、一番フダ同士を比較して、やっぱり最も安い、ここも安価と書いていますけれども、そこでは※2にありますように、これも入札額、それから運搬距離というようなことで、予備的にそういう順番のソートキーを持っているということでございます。それで保管施設から、一番安い人から決めていくということでございます。非常に複雑なんですが、おわかりいただけるでしょうか。
 それから、次に7ページへ続きます。
 落札者が一旦決まりますと、直ちにやる操作が3-3の操作でございます。つまり保管施設の申込量、保管施設側の数字をいじらないといけません。つまりある一定の落札量が決まっちゃいますから、申込量からそれを引いてあげて、新しい保管施設の残量として更新しておく必要があるわけです。それから同じように落札者のほうの落札可能量も、自分のところが落札、一部できたわけですから、自分のところの持っている可能量から引いてあげるというような操作を2つ、必ずすぐにやると。こうやって情報を更新して3-1から3-3を繰り返すということであります。
 それで、場合によっては、ここでどっちかがゼロというところになるわけですから、先ほど保管施設の中で順番を決めると言いましたけれども、ゼロになったら当然そのデータというのははじかれるわけですから、繰り上がりとかいうのが、もう一回ソートをかけて行われているというふうにご理解ください。
 4番で、優先フダの入札があったすべての保管施設に優先落札者が決定すると、これが通常のことであります。それで、もしくは、これは今までないですが、先にもう優先フダがなくなっちゃうかということであると、優先の選定操作はおしまいということであります。
 それが終わりますと、全部または一部が残った保管施設の量が残っていますので、それに対して一般フダの入札選定を行います。このやり方は今までと同じでございます。
 それから、それが終わりますと、どうしても未入札でしたとか、人気がなくて入っていない保管施設ですとか、上限値等の除外規定によって除外されたものに対して、除外したことを解除していいのかどうかとか、部分的な指名競争入札を再度行う必要があるところはやって、全部埋めるということでございます。
 次の8ページです。上限値に係わる公正性の確保、これは非常に重要なことですが、きょうは時間の都合で、これは割愛します。
 次にいきます。9ページでございます。では、ご質問が多分ここの点だったと思うんですが、優先フダが決定した後の状況はどうなっているんだということをちょっと分析的に書いてみました。
 入札過程において、優先フダの落札者が決定した後の状況ですが、先ほどの4が終わった後なんですけれども、その前に次の10ページをごらんください。保管施設の規模が書いてございます。上のグラフだけで結構です。上のグラフをごらんください。上のグラフでいきますと、年間にその保管施設から出る量が100トン未満であるという人が非常に多いですね。一番左の棒グラフですけれども、それが140件以上あるということで、例えば1万トン以上、一番右端ですが、それは本当にわずか、10件にも満たない。7件なんですが、7件しか―全国でですよ―ないということ。要するに保管施設の規模を知っていただきたいということが1つです。
 それから、同じように11ページを早速ごらんください。今言いましたように、100トン未満とかいう保管施設に対して、今度は事業者の規模でございます。事業者の規模なんですが、これは落札データですけれども、黄色のものがケミカル、それからブルーのものが材料ですが、いずれにしましても、右のほうに張りついている、ゼロに近く張りついて長い、皆さん同じ数字がいっぱい並んでいますね。これがいわゆる1,500トンということで、いわゆる廃掃法上の許認可が要らない1,500トン未満というのがありますね。その人が結構いるので、そういうふうになっているんですが、ざっと見ましても、平均1万トン以上はあるよねというふうに見てとれるのではないかと。多いところですと、黄色の一番端を別にしますと、材料でも3万トンを超える年間処理できるよとおっしゃっている方が結構いらっしゃると、こういう状況で、先ほどの100トンですとか、小さな保管施設に入札していくということを覚えておいていただきたいと思います。
 それで、9ページに戻ってください。9ページの四角の枠の中に結論が書いてございます。今見ていただきましたように、保管施設の規模というのが圧倒的に再商品化事業者の規模よりも小さいというのが現状でございます。したがいまして、優先事業者は先ほどのようなステップで入札選定を行いますから、その周辺、優先事業者さんの周辺は当然、自分のところに有利なように近くから入れるのは当たり前ですから、その周辺に、ほとんど全部100トンですから、もう自分のところをそんなに分ける意味はないですよね。そうすると、フルに入れていくわけです。特に規模の大きい優先事業者さんが多く分布する地方では一般フダで落札できる、したがって保管施設が残っている可能性は極めて小さいと言わざるを得ないわけですね。1,000トンの保管施設でも1,000トンと当然入れて、優先ですから当然決まるわけです。したがって、矢印の下ですが、つまり一般フダ、非優先の事業者のフダは、入札額、つまり自社の競争力、例えば極端な場合、1万円で入れても1,000円で入れても、それはそんな額には関係なく、もう落札できる場がないわけです。そんな状況にもなっていますよということで、その結果、彼らはより遠方を落札せざるを得ないということでございます。
 その1つの例が12ページ、最後のページに載せております。この図は、縦軸が輸送キロメーターでございます。落札結果からの輸送のキロメーターでございます。濃い黒がケミカル事業者さんでございます。それから白抜きが材料、それからネズミ色が材料の優先の方でございます。それから、横軸がその事業者さんのいらっしゃる地域でございます。ですから、例えば四国ですと黒いのがない。近畿とか四国に黒いのがないのは、そこに事業者さんがいらっしゃらないからです。ケミカルの方がいらっしゃらないという意味ですが、例えば中部なんかですと結構、なぜか材料の一般の人が非常に遠くまで運んでいるということとか、中国ですと優先の人は200キロぐらいの距離ですが、ケミカルの人は400キロぐらい運んでいる。九州の人はケミカルの人が600キロ近く運んでいると、平均ですね。こういうことが、先ほど言った結果、こうなっているということでございます。
 以上、雑駁ですが、よろしくお願いします。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、少し時間をとらせていただいて、今の説明に関しまして質問等がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。もしおありになったらフダを立てていただけるとありがたいんですが。入札じゃないんですが。
 どうぞ、近藤委員。

○近藤委員 9ページのご説明で12ページの意味がわかるんですけれども、12ページのグラフの言わんとしているところをもうちょっとわかりやすくするには、各地域で入札対象になっている数量と、それぞれの、このケミカルと材料と優先で落札した数量を、グラフというよりは表の形で表現していただくと、より優先事業者の地域偏在化による無駄走りというか、そういうのがわかるかと思うんですね。
 何を言いたいかというと、12ページだけのグラフを見ていると、何か九州のケミカルがえらく無駄走りをしているというだけにしか見えないので、この9ページと12ページの意味をわかりやすくするには、地域の発生数量とそれぞれのセクターが落とした数量を併記していただけると、グラフだけひとり歩きしないで、あれするかなと思うんです。偏在化に対する問題としては我々も非常に大きいと思っていますので、ぜひこういった修正が図られるように期待するところです。

○永田座長 何かコメントありましたら。

○浅川説明員 そういうデータは当然既に持って当然おりますし、きょうお出ししていないだけで、すぐに提示できると思います。
 例えて言いますと、極端な場合、その地域で発生する量を、先ほどの保管施設を合算しますよね、その地域の。それが既にある土地では優先の材料リサイクルさんの可能量以下のケースがあります。それが極端な例です。それで今の答えに大体なっていると思うんですけど。
 その今おっしゃった表はすぐにでもお出しできます。

○永田座長 いかがでしょうか。よろしいでしょうかね。
 こういうデータというのは、そちらで何か分析をして、公表されるチャンスというのはあるんですかね、今まで。

○浅川説明員 余りないですね。

○永田座長 そうですか。こういう審議会の場で出していただくのもそうだし、あるいは、そこの中には問題提起も含まれるんだろうと思いますけれども、何かの形では、そういうものを定期的に公表して、比較できるような場面をつくっていただけるといいのかなというふうに思いますので、またちょっと考えておいていただけますか。

○浅川説明員 ありがとうございます。

○大垣委員 すみません、今のことに関連してなんですけれども、データ的なところで、できましたら、優先の再商品化能力といいますか、落札可能量の公表というのは無理なんでしょうか。

○浅川説明員 そこはやっておりません。やはり可能量というのは皆さんの能力ですから、ある種、事業の秘匿性なものだというふうにも解釈しておりまして、我々、契約している相手のは秘匿する必要があると思っていますので、可能量とかという値は今までお出ししておりません。

○大垣委員 今後もないということですね。

○浅川説明員 先ほどお答えしましたが、合算ですとある程度はいいのかと思います。個々はちょっと問題があるのではないかという判断をしております。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 それでは、2番目の議題ですね。これまでの議論の整理についてということで、これは事務局のほうから説明してもらいます。
 どうも浅川さん、ありがとうございました。

○浅川説明員 ありがとうございました。

○リサイクル推進室長 それでは、資料3に基づきまして、これまでの議論の整理について説明をさせていただきます。お手元の資料3、順次かいつまんでポイントを説明させていただきます。
 まず、1ページに議論の進め方というふうに書いておりますが、今回の議論の整理に当たっての考え方を記しております。4つ丸をつけておりますが、主に3つ目までは経緯でございます。
 1つ目の丸につきましては、19年6月の合同会合の取りまとめというものをやった経緯、また、その結論を書いております。結論としては、20年度分の入札より多様な再商品化手法のバランスのとれた組み合わせを確保しつつ、一定の品質基準を満たす材料リサイクルのみを優先的に取り扱うということを決めたところでございます。
 21年度の入札につきましては、2つ目に書いてありまして、緊急措置ということを導入して、先ほどお話もありましたが、0.77の調整率を乗ずるという形の措置を講じたところでございます。
 さらに今、目前に控えているのが22年度分以降の、22年度の入札になりますが、これにつきましては昨年同様の緊急措置を実施していくというのは困難な状況が想定されるということで、今回この合同会合の再開をさせていただいたというところで、ここまでが経緯でございます。
 今回の議論の一端の整理を目指している考え方として、4つ目の丸に書いておりますが、今回の議論というのは、中長期的な課題、こういったものも含めて多岐にわたる課題を検討事項としたということで、そもそもの議論に立ち返り、十分な審議を重ねていくということが必要とされております。また、そうすれば、それだけの期間も必要となるんですが、直近の22年度の入札手続というものが目前に控えていることから、その手続に対してもできるだけの議論の反映があったほうがいいのではないかということを考えまして、22年度の入札手続に盛り込むべき内容について今般整理を行うということとし、あわせてその後、引き続き当初の議題について本年夏以降、全体的な議論を継続するということについて、改めて確認のため書かせていただいているところでございます。
 そこで、22年度の入札手続についてどこまで整理をするかということなのですが、これまで再開後幾つか議論をした中で、材料リサイクルの優先的取扱そもそもの考え方についても多くの議論が出たところですので、結論が得られるというわけではございませんが、少なくともこれまでの議論、誤解のないように整理をしておく必要があるだろうということを考えて、2.で、優先的取扱についてということで経緯を説明させていただいております。
 1ページの下の1つ目の丸でございますが、そもそもの発端ということで、平成11年の産業構造審議会の議論をこちらに引用させていただいております。資料は参考資料でつけさせていただいておりますが、白色トレイというものについて分別収集を行うことも可能とするというふうに特記するとともに、プラスチック製容器包装の再商品化手法については原材料としての利用がなるべく望ましいということから、油化、高炉還元、ガス化、コークス炉化学原料、そういったものよりも優先してプラスチック製原材料としての利用を扱うということとされたところでございます。
 次の経緯としては、19年6月の合同会合の取りまとめでございますが、こちらは皆さんよくご存じのことと思いますが、2つ目の丸と3つ目の丸に書いております。
 2つ目の丸については、材料リサイクル手法、これについては分別基準適合物の質の向上ということが行われれば、白色トレイに準じた再商品化率、また再商品化製品の品質の向上、費用の低減といった再商品化の効率化、こういったものが図られる可能性を有しているというふうに結論づけまして、中長期的な課題として、そこにあります[1]、[2]、[3]、[4]、これらについて引き続きそういった可能性を実現するための方策、これを検討していくとされたのですが、3つ目の丸にありますように、そういった取り組みが進展するまでの間は、多様な再商品化手法のバランスのとれた組み合わせを確保しながら、上記のような可能性を有すると書いてありますが、材料リサイクル手法の質を高めていくということが必要であるとされて、結果として、そこにありますように、20年度より一定の品質基準を再商品化製品が満たす場合に限って、そういったものの材料リサイクル手法に限って優先的に取り扱うという結論が出されたところでございます。
 また、並行して議論が行われておりました環境負荷分析、LCA分析でございますが、19年6月に容リ協会が公表した結果によりますと、その時点では特定の手法の優位性を示すには至らなかったということで、その結果について、合同会合の取りまとめにおいても引用されているところであります。ただ、その点につきましては、前提条件の設定の仕方とか、データのばらつき、そういったものについて精査が必要とされているところです。
 引き続いて、その結果も踏まえて、環境省としては20年8月、昨年8月になりますが、LCAについて検討をした一端の成果を公表しているところであります。その点につきましては、やはり幾つかの課題から、その比較、優劣の判断といったものについては、なお検討することが重要というふうになりましたが、3ページのほうになりますけれども、少なくとも、リサイクルを行わないで単純焼却であるとか埋め立て処理、そういったものを行う場合と比較しては、材料リサイクル、またケミカルリサイクルは一定の効果を上げているというようなことを示させていただいたところです。
 そこでちょっと、これまでの議論も幾つかありましたので、注記的に書かせていただいておりますが、本来、環境負荷分析といったものは、単独で再商品化手法の優劣を結論づけるという役割を担うものではないながらも、環境負荷を効果的に削減するための基礎的なデータを提供するものということであるという位置づけを書かせていただいております。環境省においては引き続きこの環境負荷分析の検討を続けておりまして、昨年度検討したものについても今データを精査していまして、結果については取りまとめ次第、また公表させていただきたいと考えております。
 あと、2つ目の丸ですが、ヒアリング、今回の再開会合において指摘された事項を書いております。1つは、品質基準というものを19年6月の取りまとめで導入した結果、品質の向上、これによって一定品質での安定供給の期待といったものが利用事業者の方から示されたところでありますし、また、一部にはヴァージン樹脂の代替として機能するような例、こういったものも報告されているところでございます。
 そこで、3.のほうで22年度について講ずべき措置というものをまとめておりますが、そこへのつなぎの整理として、1.のところで書いたものの若干繰り返しにはなりますけれども、材料リサイクル手法の優先的取扱の適否については引き続き議論を行っていきたいと考えておりますが、合同会合の取りまとめ以降のその後の状況、また環境省、またその他の調査結果を踏まえても、その結論を否定する事実、そこまでは立ち至っていないということなので、本年夏以降、議論は引き続きやっていきますが、22年度の入札手続を検討していくということであれば、再商品化の効率化、また手法の質の向上、そういったものの観点から22年度の入札手続を検討していくべきではないかというふうに結んでおります。それを受けまして、3.で22年度の入札手続において講ずべき措置というものを整理させていただいております。
 最初に、基本的な考え方として2点置いておりますが、まず中長期的課題に関する検討、これに結論が出るまでの間は、優先的取扱の総量に上限を設けると。これは今までなかったことですが、上限を設けて、その中で材料リサイクル手法の効率化と質の向上が図られる措置を講ずるということではどうかと。また、材料リサイクル手法の効率化と質の向上、こういったものを果たしていくために幾つかの項目、そこに列記しておりますが、高度化に関する項目等の項目について総合的に評価を優先的取扱を受ける事業者に対して行い、その評価結果に応じて取り扱い、優良事業者の差異化、こういったものを図っていくということをしてはどうかと。これにより効率化と質の向上が図られるのではないかと考えております。
 この考え方で具体的に、(2)以下、書いておりますが、優先的取扱の総量の上限設定につきましては、これまでの落札結果の動向も踏まえて、暫定的に当該上限を市町村申込量の一定割合、○%とするというふうに考えております。本日は中間的に、まず整理ということで、こういった考え方がいいかどうか、これについて皆さんにいろいろ議論をいただくために、あえて数字を入れておりません。それにつきましては次回の議論の場で議論いただければと思いますが、そこに書いてありますように、これまでの落札結果の動向も踏まえてというふうにありますが、これについて、再開の直後の資料等をご提示し、皆さんもご存じかと思いますが、大体50%前後、そのあたりが次回、議論の対象になるのかなと思っておることをあらかじめ申し添えておきます。
 4ページ目をごらんいただければと思いますが、それでは、基本的考え方の2つ目というところで、事業者の総合的な評価の考え方でございます。
 まず、従来から、19年6月の取りまとめによって行われている品質基準、これについては優先されるための最低限の条件として維持をしていこうと。
 加えて、優先的取扱総量、上限を決めますから、その中で優先的取扱を受ける事業者の間に手法の効率化、質の向上に応じて差異を設けていこう。そのための総合的な評価制度というものを導入してはどうかと。その指標として、これは幾つか、いろんなものが考えられると思うんですが、大きくくくると、例として書いてあり、また文章にも書いてありますが、質の高度化、環境負荷の低減、透明化、こういった観点から指標を設けることができるのではないだろうかと。
 それぞれの指標の例についてそこに、高度化であれば、品質の管理方法、また品質基準、従来ありますものの上乗せ、単一樹脂化、ヴァージン樹脂代替、そういったものでありますとか、負荷低減であれば、未利用プラスチックの高度な処理の方法。また、透明化であれば2つの視点、1つはトレーサビリティー、確認をしっかり、どこまでできるかというものを、どこまで徹底してやっているかという点と、また、もう1つは情報公開という視点で、地域住民への工場の公開実績、環境教育のような視点でありますとか、製品用途の公開、そういったものを例示として挙げさせていただいておりますので、どういったものがいいか、本日も意見、いろいろご指摘いただければと思いますし、次回もこれを受けて、本日の議論を受けて文章化していく上で、次回も引き続き議論をしていきたいと考えております。
 1点ちょっと注書きがありまして、環境負荷低減のところで、未利用プラスチックというところに注書きをつけております。これは従来「残渣」というふうな言い方をしておりましたけれども、残渣というふうな形で書かれますと、そこについては全く利用をしなくて、廃棄物処理として行われているというような印象を与えるということで、実態に即した形で未利用プラスチックというふうな言い方で、それをより有効利用、高度な利用をしていくというふうなことを考えてはどうかということで、この点についても、これまでの再開された議論の中でご指摘あったと思いますが、対応した用語の使い方の変更を注書きとして書かせていただいております。
 (4)で総合的な評価。これを、じゃ具体的にどういうふうに当てはめていくのかということで、まずは、幾つかここについては考え方があるかと思いますし、また、その仕組みというものもいろんなパターンがあるかもしれませんが、例として基本的な考え方を列記させていただきました。
 3つほど書かせていただいておりますけれども、まず最初に総合的な評価というものを行った結果ですけれども、その結果、事業者というものを幾つかのグループに分けるような順位づけをしてはどうだろうかと。そのグループに分かれた事業者に対して優先的取扱に差異を設けるということをしてはどうかというふうに考えております。
 また、2つ目の考え方として、そういった優先的取扱については、従前に比べ競争的環境、そういったものを導入すべきではないかというふうに考えております。
 このほか、優先的取扱といったものが、今の2つの考え方に基づいて幾つかの方法があると思いますが、場合によっては大きな激変をもたらすこともあるかもしれませんが、そういった場合であれば激変緩和措置といったものを設けなければならないと思いますし、また次、ちょっとすみません、若干言葉が足らず、不正確なことになっておりますけれども、優先的取扱という中で扱いに差異を設けるんですけれども、差異を設けられて、例えば劣位に分類されたから、その分については入札できないのかと。過去の例で言いますと調整率0.77というものを掛けさせていただいたら、残りの0.23というものは入札ができなかったということですが、そういったことで機会を剥奪するのではなくて、そういったものについても応分の機会付与を上限の範囲内で考えてはどうかといったことを書いております。
 また最後に、一般枠というもので参加をするという選択権も継続してはどうかと。これにつきましては、今年度の入札から調整率を掛けて優先という形で、若干、結果のトン数というもの、入札の落札可能量が非常に少なくなった場合には、優先権を放棄して一般の非優先のところで入札をしたいというふうな事業者の方に選択制度を今回設けておりますが、そういったものを継続するかどうかということの提案であります。
 本日、このあたりも多く議論になろうかと思いますが、この文章だけだとわかりにくいかと思いまして、参考資料5としてイメージをつけさせていただいております。これにつきましては、会議の冒頭お話をさせていただきましたが、委員のみ席上配付ということにさせていただいております。ここについてはいろんな考え方があろうかと思いまして、また先走って、これが確定だという形で議論にするのも適切ではないかと思うところ、本日については、先ほどの考え方に即して、例えばということで、こういうものはどうでしょうかと、先ほどの考え方をよりよく理解していただくためにも、イメージというものをつくってはどうかと思って、今回ご提示をさせていただきます。
 資料について、ちょっと説明をさせていただきますと、例えばですけれども、差異を設けるというイメージですが、例えば今まで優先的取扱というものを、優先枠というような言い方をしておりましたが、それにまず総量を設け、なおかつその中に、例えば優先Aと優先Bといったような形に分けて、Aに係る入札はBに係る入札に優先をするというふうな形で差異を設けてはどうかと。
 加えて、個別の事業者の視点から見れば、総合的な評価をして順位づけをして、カテゴリーに分けるというふうに言いましたが、そのカテゴリーは、その下に絵がありますが、SからS5まで、ここは枠の数は特に5と決めたわけではございませんが、たまたま便宜上5としておりますけれども、分けて、左端から順に、総合的な評価の高い方は、例えばその方の落札可能量のうち、これは100%がいいのか、80%がいいのか、これも別に100と決まっているわけではございませんが、落札可能処理能力のうち、多くの割合をAとしてもらえると。評価が高くなければ優先、A枠としてもらえる量が減ってきて、A、B枠になると。
 ここで差異を設けるというのは、このA枠については上限値、これは数字を当てはめていったほうがわかりやすいかもしれませんが、材料リサイクルの全体で例えば50トンあったと。そのうちA枠に30トン、B枠に20トンというふうなことを仮に分けようとしたときに、材料リサイクルの方が処理能力を合計すると80トンあるとすると、80トンと50トンという差がありまして、従来であれば、例えばこれが調整率という形で需給が見合うような形になったんですが、今回は枠をはめるだけでそれをしないということで、80と50というものが、その枠の中で競争されるんですけれども、A枠のほうについては、例えば30と20に分けて、30に相応するようなものを割り振ると。だから、その中では品質がいいほどここに入ってくるわけですから、品質の競争になると。残りのB枠のほうについては20トンで、80から30引いたら50ですから、ここはどちらかというと効率化を目指した競争になるというふうな形で、それをそれぞれの事業者において、あなたはA全部、B全部ではなくて、その程度に応じてAが多かったりBが多かったりするというふうな仕組みで、効率化という目的と質の高度化というものの両方を目指すことができないだろうかというふうなものが、例えばのイメージでありますが、考えたところであります。これにすべて決めるというわけではないですが、こういったイメージをもとに、ご議論をいただければと思っております。
 すみません、また資料3のほうに戻りまして、5ページでございます。平成22年度の入札につきまして、そういった入札のルールのようなものの考え方だけでなく、幾つかの課題を当初示させていただきました。そのルール以外のところにつきましても、入札制度以外のところの改善も、多々改善すべきところがあろうかと考えております。
 それの例として、今回、参考資料4として冒頭紹介させていただきましたが、リサイクルフローの透明化に関する検討会というものを、検討会レベルではございますが、議論させていただきまして、本当にちゃんとしっかりリサイクルなされているのか、そういった観点で今の入札制度、どこを改善することができるか、議論を行っております。そのときに、情報の公開と、また物の流れの確認というもの、2つの視点で何ができるかといった議論をしておりますが、そこら辺の議論も踏まえまして、来年度、何が入れられるかということを列記したものが5ページでございます。
 まず、5ページの1つ目の丸、以下に三角がたくさん並んでおりますが、こちらはまず確認ですね。しっかりとリサイクルされているということの確認をどこまでしっかりできるのかというのが列記されているところであります。
 1つ目の三角ですけれども、まず検査体制の強化。それは情報面で、書面との適合、またさまざまな事業主体からの報告との突合、そういったものをきめ細かく行うことで、より検査の質を高めることができるんじゃないか。また、あわせて、現在不定期に立入検査をやっておりますが、複数回やる等、大幅な増強もやることで、よりコンプライアンスが高まっていくのではないかと考えているところがまず1点目でございます。
 2点目は、これはもう21年度分、今年度分から採用されておりますけれども、利用証明書というものを、再商品化事業者の方を通じて利用事業者の方からの提出を求めているところでございますが、これについても現地調査の拡充といったことを行うことで実効性を確保していきたいと考えているところです。
 あわせて、容リ協会では既に不適正行為に対する電話通報窓口、こういったものを整備されておりますが、これについて当初、スタートはまずは関係事業者にということで通知をしておったのが、一般にもホームページを通じて通報窓口の周知を進めるというものを現在もう既に進められているところです。こういったものをより協会のほうでも活用し、適切に対応していただけるのではないかと考えております。
 4つ目の三角でございますが、これは今まで言った措置、対策を厳格にとっていくことによって、現在、契約については幾つかの措置規程がございます。その措置規程とあわせて厳格な対応をとることで、不適正な事業者という方がいらっしゃるのであれば、そういった方は市場から退出されるということが効果として期待されるのではないかということを書かせていただいております。
 あわせて、市町村の方の役割についても書かせていただいております。市町村については、一般に市民の方が排出するというときの一番の接点が市町村の方になります。したがって、市民の疑問に対して、まず市民がどこに聞くかといったら、市町村になるかと思いますので、その市町村の方が実態の説明を行いやすくできるように、市町村から出ている廃棄物をどこの再商品化事業者が受け入れられているか、そこの現地確認。実態ではかなり進んではおりますけれども、そういったものが広く認められるよう、協会も関与しながらルール化をしていくということが透明化の向上につながるんじゃないかというふうに書かせていただいております。
 最後に、こういった形で強化をしていくということですから、当然その手続に瑕疵がないように、その公正性を担保するため、登録審査判定、そういったものに外部の方をお招きして行うといったことも必要ではないかと考えているところです。
 続きまして、6ページでございます。6ページの一番上の丸は、先ほどのは透明性といって、特に確認する立場のほうからのものでしたが、今度は公表すると、市民に対する、また関係者に対する公表という視点で2つほど書かせていただいております。
 1つは、既に容リ協のほうで詳細なデータ、実際にどこで収集されたものがどういう形になってというのはホームページで公表されている。これは再開後第1回の説明であったと思いますが、実際のところ、市町村の市民がそこを見るかというと、なかなか難しいものがあるんじゃないかと。それは決して協会がというのではなくて、環境省がつくってもやはり同じだと。そこは市町村のところに、ぜひそういった情報を掲載してもらえればということで、それについては、そういったものを促すために、まず協会から市町村にしっかりとデータが行くようにというふうなことを1つ書かせていただいております。
 また、市町村においても、そういったものの提供を踏まえて、なるべく消費者の方への提供というものを進めていただければ。先ほど確認で市町村の方も再商品化事業者の現場を見られるというふうな形を言っておりますので、それと組み合わせて、市町村もよりこの制度に対する担い手としてご活躍いただけないかというのを、ここにあわせて書かせていただいているところであります。
 あと、残渣につきまして、旧来、残渣と言っていましたが、未利用プラスチック、こういったものについての公表状況、こういったものもしっかりと公表することが誤解を解消するのに重要ではないかと考えているところであります。
 次の丸でございますが、こちらにつきましては、特に市町村のほうでの集め方というところに幾つかばらつきがあるのかなと考えておりまして、洗浄が困難なものを一生懸命無理して洗うということを求めると、洗わないで入れてくる人もいるかもしれない。そういったところの集め方のガイドラインといったものも我々としても取り組んでいかないといけないのかなということで書かせていただいているところでございます。
 最後は関係者、特定事業者の皆さん、消費者の皆さん、地方自治体、容リ協会、再商品化事業者の皆さん等々、関係主体がとにかく連携協働していくんだということで書いておりまして、そういった情報交換、意見交換の場も何か工夫できないかというのと、あわせて、先ほど参考資料で説明しましたが、モデル事業についても実施の評価というのをこれからしっかりしていかないといけないのかなと考えているところです。
 以上が、22年度の入札について講ずべき措置の考え方を整理したものでございます。
 あわせて、今後引き続き議論をする中長期的課題というものにつきまして幾つか整理をさせていただいております。これについては、6ページの下の柱書きにありますように、おおむね来年夏ごろまでに結論を得られるように、引き続き議論を進めていきたいというふうに考えております。
 まず、材料リサイクルの優先的取扱のあり方ということで、今回、22年度のものがすべての結論で、これについてはもう議論済みというのではなくて、引き続き議論していく中で、優先についての考え方、またはその考え方に基づいた、その結論に基づいた措置はどうあるべきか、これらについてもさまざまな検討要素があるかと思います。技術動向、処理状況、LCA分析、そういったものを1つで判断するのではなくて、個々の要素を総合して、最後、結論づけていきたいというふうに考えております。
 7ページにいきまして、市町村の意向の反映ということで、これについては幾つかヒアリングの際にご意見をいただきました。再商品化の手法の選択に市町村の方の意向が反映する仕組み、こういったものができないだろうかということでございます。これにつきましては、今回提案をしている優先的取扱総量への上限の設定というものを考えておりまして、その結果と総合的な評価制度、こういったものがもし、22年度はこれでいってみようということであれば、その考え方を前提として、こういった市町村の意向の反映というものがどういうことができるのか、具体的な仕組みを考えていきたいというふうに考えております。市町村の意向の反映はいかにあるべきか、いいですか、悪いですかということを聞いたら、いいですねという答えだけになってしまうので、具体的にどういうふうな仕組みというものを提示して意見を聞かないといけないということかと思っておりまして、それについては今回の議論の整理を踏まえて、引き続き中長期課題として来年夏を目途に得る結論の中に盛り込んでいきたいと考えているところです。
 あとリサイクルの質の向上、またリサイクルの適正性・安定性の向上、その他総合的な資源化の推進等につきまして、これは第1回目の検討事項というものをベースに、これまでの議論を加筆して書いておりますので、また本日、こういったものを引き続き議論すべきだというようなことがありましたら、今回、また次回、ご議論、ご意見を賜れば、修正をしていきたいというふうに考えております。
 その中で、7ページの最後のその他総合的な資源化の推進というところにありますけれども、容器以外のプラスチック、廃プラスチック全体のリサイクルの推進、混合プラスチックのリサイクル、これについては別の場で別途議論していきたいというふうなことを説明させていただきましたので、そのことを念のため書かせていただているところでございます。
 ちょっと長くなりましたが、以上、説明を終わらせていただきます。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 今の説明内容についていろいろな点からご議論があるのかなと思っていますが、時間的にはこれから約50分ぐらい使って議論ができるかというふうに思っていますので、範囲を区切らずに、これ全体に対してご意見、ご質問等いただいて、次回につなげていきたいというふうに思っています。ご意見のある方はフダを立てていただいて。きっと多くの方がご意見はおありになるなと思っていますので、できるだけ手短にご発言のほうを整理していただけますでしょうか。
 それじゃ、こちらから今回いかせていただきましょうか。どうぞ。

○上山委員 チェーンストア協会の上山と申します。
 私は、5ページ、6ページの点のところ、入札制度の件はこの後かなり論議があるかと思いますけれども、その案件以外にも、同じぐらいの重要性がある課題があるというふうにかねてから思っておりますので、この点について3点、意見を申し上げたいと思います。
 それは、今いろんな審議会で、産業環境委員会であるとか、いろんなところで見える化政策が論議をされているわけですが、それは対消費者に対する見える化政策とか、投資家に対する見える化政策などが中核になって論議されていますが、先ほど課長のほうから報告がありました内容で、例えば市町村が市民に対して情報公開をしていく等々についても、同じ考え方で私は物を見ているんですが、その観点で3点、意見を申し上げたいのが、まず1つは、消費者がこの案件に関して、まず、みずから知って、みずからの行動を変えていくというぐらいの情報提供というのが絶対必要だと思うんですが、その場合、やはりこの再商品化製品そのものが消費者にとってものすごく身近に、常に触れる状態になっている、いわゆるコモディティーグッズそのものに、数多くの再商品化製品が世の中に誕生していくということが必須だというふうに思っているんです。
 現在の状況は、ご存じのとおり、数%しかそれがないという状態でありますけれども、コモディティーグッズというのは、いわゆる日常的に多頻度使用するという、そういう商品群のことでありますけれども、そういう意味での商品開発をもっと促進するような形の政策提言は、この6月の報告の中にも考え方として入れていただきたいし、中長期的な課題にも論議をしたいと思うんですが、そのときに重要なのは、そういうことをやる企業なり、あるいはまた、それを支持する消費者なりが、より多く生まれるための経済的かつ社会的インセンティブをどう設計するかということが大変重要な点だというふうに思っています。私は、そのための道具として、いわゆる温暖化問題で常に言われているVERの制度をこの点においても活用すべきではないかというふうに思っている点が1つです。
 いわゆる自主的なる企業及び個人の省エネ、あるいは省COの活動を、定性的だけではなくて定量的に評価をする。排出枠としても評価をするような制度設計をして、いわゆる環境配慮設計がここにも寄与するようにすべきだと。また、消費者もそのことの意味をみずからが消費することによって体感するという、そういう社会システムをつくることが必要だというふうに思っている点が1つと、それから、先ほど課長のご説明の中の透明化のところにトレーサビリティーというキーワードが出てまいりましたけれども、確かにすごく重要だと思っております。私はこれについては、やはりカーボンフットプリントというふうなものも全部掛け算にして制度設計をしていくべきではないかというふうに思っております。以上が1つです。
 それから2つ目には、自治体の方が、例えば再商品化製品が一体何になっているのかという、この用途を説明していくということも重要だという点がここに明記されているわけです。まさに必要だと思うんですね。そのときに、私はやはり現場に行って、いろいろ各地域で話をするときに、例えば廃棄物の会計基準のような、ああいう1つの物差しで複数のものを数値上で評価ができる、こういうものを前進させていくことが非常に重要だというふうに思うわけです。一挙にいくような課題ではないということは重々承知の上ですが、この案件に関する物差しを共通項目として、廃棄物会計基準の附則あるいは共通項目の基準として制度を設計するということに挑戦をしていただいてはどうかと。そのことを見ることによって、隣の町と我が市との比較等々をオピニオンリーダーの人たちができるようにしていくということから、暫時このことに関して消費者が見える状態になり、行動を変えていくということにつながっていくのではないかというふうに思いますし、モデル事業のベストプラクティス、グッドプラクティスなんかにも全部これをつなげていくと、評価という意味でですね。そういう制度設計が必要ではないかというふうに思っています。
 最後に、グリーン購入という、この政策とのつながりも、やはり制度設計として明記すべきではないかというふうに思っています。国のいわゆる資材購入におけるグリーン購入の優先度をつけるということだけではなくて、市町村の同等に関する行動においても、いわゆる環境配慮製品の意図的なる購入というものを行い、それを市民に公開する仕組み、サブシステムが絶対要ると思います。
 今、グリーン購入ネットワークでは、その調査をしておるんですけれども、大変な市町村における大きなばらつきがあって、先進的な市もあるかと思えば、全くそのことが数値上もチェックできない、本当にやっているのかと思えるような市もたくさんあるわけです。そういうことで、現状はそうなっていますから、再商品化製品の優先的購入ということについて、本日のこの課題ともつなげて制度促進をして、そのことを市民に公開するというサブシステムが必要だと。
 以上です。

○永田座長 どうぞ。

○大垣委員 JFEスチールの大垣です。要点だけを申し上げます。
 まず今回、優先枠に具体的数値を設定されることは一歩の進歩だと思いますので、評価させていただきたいと思います。ただし、今回、22年度の数値が決まってくるわけですけれども、これはあくまでも暫定的な数値でありまして、中長期的な評価、優先材料リサイクルの評価がなされると思いますので、この結果に応じて適宜修正していただきたいと思います。
 それから、先ほど容リ協さんからの説明もありましたように、地域格差というものがありますので、これも何とか是正できるような入札の仕組みというのも考えていただきたいなと思っております。
 以上でございます。

○永田座長 どうぞ。

○大塚委員 今回一番重要だと思われる3ページの基本的な考え方のところ、あるいは4ページのあたりでございますけれども、こちらに書いておられるように、優先枠をつけながら競争というのを入れて、さらに質の向上を図るという、欲張った感があるんですけれども、3つとも考えようとしているという点で非常に高く評価できると思っています。
 ちょっと言葉の使い方として、ここで言っていらっしゃる効率化ですね、材料リサイクル手法の効率化というのは、基本的には低価格にするという意味だと思うんですけれども、そういうことでよろしいのでしょうか。その点は後のほうの4ページで出てくる競争ともかなり重なるところがありますので、ちょっと言葉の使い方で若干気になりましたので、その辺は、もしできれば、ちょっとわかりやすくしていただくとありがたいというふうに思いました。
 それから、7ページでございますけれども、リサイクルの質の向上で、中長期的課題として、PVCとかPVDCの利用とかというような話が出ていますし、それから、容器包装の中で、プラスチックに関してPPとPEに分けるとかという話は前から結構出ているんですけれども、その辺の話がどこに行っちゃったのかなとか、あるいは中長期的課題になってしまって、もう少し近時の課題としては出てこないのかなというのが気になるところでございまして、これは表示の話ということになりますけれども、プラスチックの種類に関して表示をきっちりして、消費者に分別していただく方向に少しでも動いていくということはかなり必要ではないかと思いますので、その辺は、もしできれば近時の課題として入れていただけるとありがたいかなと思いました。
 以上でございます。

○永田座長 じゃ、今の件に関しまして、ちょっとこちらから。

○リサイクル推進室長 効率化についてのお尋ねでございますが、若干、先生ご指摘のとおり、定義が揺れているところがあります。おおむね効率化というのは低価格というふうなイメージではあるんですが、じゃ、それだけかといいますと、例えば19年6月のところ、2ページに引用しておりますけれども、品質の向上と費用の低減といった再商品化の効率化というふうな形で、それをくくって使っているところがありますので、ご指摘を踏まえて、次回には整理ができるような形で書いていきたいと思います。

○永田座長 どうぞ。

○リサイクル推進課長 すみません、上山委員からのご指摘の点で、もう委員もお気づきだとは思うんですけれども、中長期的のほうにかなりご指摘の点はそれぞれ入れておりまして、それから別途、見える化では委員にも入っていただいて、3Rの見える化ということにも引き続き取り組んでいくというふうに思っています。
 具体的には、7ページのところのリサイクルの質の向上のところで、例えば技術開発で用途開発と。これは実際、補正予算なんかでも対応しておりますし、引き続き進めていこうというふうに思っています。それから、リサイクル配慮設計の推進、その表示でありますとか、それから、その下のリサイクルの適正化・安定性の向上の中の、リサイクル製品の利用拡大。これはちょっと国ということしかまだ入っていませんけれども、もちろん市町村なんかにも広げていくということもあると思いますし、何よりも製造事業者でなるべくリサイクル品を原材料として使っていただきたいというようなこともこの中には入れておりますし、そういったものをまた見える化するということも大事だと思っていますので、その辺はもうちょっと明確に、中長期的の課題のほうで……

○永田座長 ちょっと、中長期的の話はあれじゃないかな、後で議論するということで、そこの中に含まれているだけの話にさせていただいて。

○リサイクル推進課長 わかりました、すみません。

○永田座長 ここにないものはどんどん挙げていただいて結構なんですが、ここに入っていますよということだけは申し上げておきたいと思います。

○勝浦委員 まず1点、資料にちょっと勘違いがあるんじゃないかなということで指摘させていただきたいんですが、2ページの下から2つ目の丸のところに、19年6月に容リ協会が公表したLCA分析と書いてありますが、これは確かに資料の公表日は6月になっていますが、実際に物が出たのはたしか9月ぐらいだというふうに理解しております。ということで、この合同会議の取りまとめのときには、あくまでも中間報告をもとに議論されて、こういう結論が出たんだということなので、例えばこの報告書に出ています、材料リサイクル手法が特段すぐれているとは言えなかったことが明らかになったというような項目はない時点に議論を出していると思いますので、ちょっとこれは違うのではないかなということで。
 私は、この19年6月の結果というのは、少なくとも材料リサイクルを優先するに値する根拠は見つかっていないんだというふうに読んでおりますので、そういう意味で言うと、ここの結論のところは全部、材料リサイクル優先というのはまだわからないと書いてありますが、少なくとも優先にする根拠は今のところないんだというふうな理解のほうが正しいのではないかなというふうに思っております。ただ、そうはいっても、これまでずっと優先をしてきているので、先ほどあったような、ある数量までキャップをかけてやるということは、暫定的には仕方ないことなのかなというふうには理解しております。
 それとあと、マテリアルリサイクルのことについて言いますと、非常に話を単純化しますと、プラスチックというのはエネルギーを持っているということを前から言っていますが、これはお金に直せばキロ当たり20円とか30円とかというようなぐらいの価格だと思います。ところが、マテリアルだとすると、これは今、値段が非常に乱高下しているので言いにくいところもあるんですが、150円とか200円/キロぐらいの、マテリアルとしては値打ちがあるわけですから、その100円以上の値段の差があるということで、マテリアルリサイクルの可能性というのは、この100円のギャップを埋めることができれば、確かにマテリアルは非常にいいことですねということにつながるんだというふうに理解をしております。
 そういうことであれば、逆にマテリアルだと言うためには、ある程度の値段で売れているということがあって初めてマテリアルリサイクルしているというふうなことが言えるんじゃないかなというふうに考えております。そういうことで言えば、同じ100円ぐらいのハンディキャップを持って競争ができるわけですから、必ずしも優先というのは将来ずっとわたって置いておかなくても、将来的にはケミカルに対して100円以上に上がる可能性があるんだということであれば、少なくともある時期には、もう一本化の入札でも、マテリアルの方が十分いいものをつくれば勝てるという状況が生まれるのではないかなというふうに考えております。そういうことで、ちょっと話があれですが、少なくともキャップをつけるということは賛成です。
 ただ、あともう1つ、総合的な評価をするということがありますが、これは今年度、この評価をやろうとしても、なかなか具体的なデータがない段階で評価をしようというのは、また非常に難しいことが起こると思うので、できれば、例えば21年度の実績を見て評価をするということで、これは中長期的目標として扱うべきではないかなと。あくまでも今年度は、もう単純にキャップだけかけて、従来どおりの競争で、要するに優先枠と非優先の2つでいいのではないかと。余り複雑な入札制度を導入するのは、かえってまた競争をなくしてしまうということにつながるのではないかというふうに、ちょっと危惧しております。
 以上です。

○永田座長 幾つか事実関係の話を含めて、ちょっと。

○リサイクル推進室長 今ご指摘いただいた点ですけれども、19年6月のところについては、事実関係をもう少し丁寧に書かせていただきたいと思います。
 あと総合評価の扱いですけれども、これにつきましては、先ほどの基本的な考え方にあります効率化と質の向上、ここは用語の定義は整理するにはせよ、効率というか、競争のみでやるというのではなくて、やはり質の向上といったものを図る工夫というのを何がしか、やはり入れていかないといけないんだろうと思っております。
 そういう意味で言えば、総合評価、22年度に完璧なものができるかどうか、それはいきなり、期間も短いですから、まずことしはこのぐらいのもの、次の年はより改善してというんですか、ただ、その次の年はどうするかというのは、来年夏までの議論もありますから、それも踏まえてやらないといけないんですが、全くないという形になると、効率化というか、枠にはめるだけでいいじゃないかみたいな話になると、優先というもののそもそもの考え方と反するのかなと思っておりますので、難しいことはわかっておりますが、その難しい中で、できることから積み重ねていくのがいいのではないかということで提案をさせていただいております。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 じゃ、どうぞ、小阪さん。

○小阪委員 EUPは2年間、設備の運転を休止しておりますが、その立場から言いますと、今、勝浦さんがおっしゃいましたように、材料リサイクル優先の根拠がない以上、この3ページの一番下にあります当該上限のパーセントですけれども、私たちとしてはあくまでも0%ということを主張させていただきたいと思います。それで、どうしても来年度やるということであれば、先ほどおっしゃいました数字は、今年度と全く同じで、私たちから見たらとんでもない数字であり、もっと思い切った数字を期待するわけでございます。
 といいますのは、次のページに、材料リサイクルの方の品質の高度化の評価指標があります。この評価指標を見ましたら、例えば単一樹脂化、それからヴァージン樹脂の代替とか、こういうことはEUPはもうやっているわけです。この評価でいきましたら、我々はもうこの高度化の中に入れてもらわないと具合悪いんじゃないかと思うぐらいです。しかも未利用プラスチックの高度な処理というのがありますけれども、ケミカルリサイクルの他の方もそうですけれども、EUPに至ってはほとんど出ない。こういう未利用プラスチックは出ないということです。ただ、手法が材料じゃなくてケミカルというだけで優先を得られていないということで、非常に残念で、ぜひともその辺を改善していただきたいというのが1点です。もう1点、先ほど大垣さんも言われましたように、東西のアンバランスです。特にこれは何遍も言ってますけれども、西は非常に大型の材料リサイクルの方が、優先を持っていられる方が多くて、もう入札しても、先ほど容リ協会の方の説明もありましたけれども、とれないというような非常に厳しい状況で、やはりその辺は来年度の入札においても何か対応していただきたいと思います。

○永田座長 わかりました。
 どうぞ、近藤さん。

○近藤委員 3年前から、非常に理念的なマテリアル優先で、数量的にも無制限な仕組みになっているということに対して、我々、合理性ということで問題提起をしながら今日まで来たのかなということで、一遍に結論を得るというのはやはり無理で、今回のようにきめ細かく総合評価しながら、また、その数字を見ながら修正していくということについては賛成したいというふうに思います。
 1つお願いなんですけれども、その評価の中で、別な委員会で、制度専門委員会というところでも指摘されているんですけれども、やはりCO削減というのは効率論で整理できる部分があって、その効果については、やはり国全体で、先ほどカーボンフットプリントの話もありましたけれども、国全体できちっと評価できる基準で整えていただきたいというふうに思っております。
 と申しますのは、前回までのLCA分析の中では、温対法で定められた評価基準とはまたちょっと異なるような部分、あるいはカーボンフットプリントの部分でも異なる議論が今出ているわけですけれども、ゆくゆくは、ここはどこで切ってもきちっと削減効果が表現できると、あるいは公表されるというふうにしていただきたいと思います。ここでは効率化ということが強く言われていますので、より高い効率のリサイクル、CO削減の指標も1つだと思いますので、そこについては矛盾がないようにしていただきたいというのが要望です。よろしくお願いします。

○永田座長 どうぞ、佐々木さん。

○佐々木委員 22年度の入札に反映できるものと中長期に分けるということは基本的に異議ございませんで、そういった中で、いろいろの意見は出ていますが、従来の経緯から言って、上限枠を決めるという手法、22年度、21年と同じことをやるというわけにはいかなということの中で、上限枠を決めるということはやむを得ないかなというような考えであります。ただ、優先枠の中で総合評価をして、優先枠の中での競争を図ろうという、そういったことは本当にできればすばらしいことだなと思っております。
 それからもう1つ、いろんな入札以外での取り組みが幾つかなされておりますが、特にいろんな、容リ協会さんのほうでいろんなできるところから改善をしていただいているという努力、これも市町村の立場から評価するということでありますが、例えば現地確認、これを市町村のほうがやりたいというふうに、これはそれぞれの主体が役割と責任を果たすという意味で、協会さんを信用していないとか、事業者さんを信用していないということではなくて、それぞれの役割と責任を果たすということから出ているものでございまして、むしろ市町村がみずからの責任、取り組みをきちっとやっていくんだという意思表示だというふうに受けとめていただければと思います。
 最後になりますが、中長期的な課題ということで整理されておりますが、これで来年の夏ごろまでにということになると、もうじき次の本格的な見直しの時期というのが、そろそろ射程に入ってくるのではないかなと思います。その次の容リの見直しにつながる議論をぜひしていただいて、次の容リの見直しがよりよい制度設計になるような議論ができればいいなというふうに思っています。そういった意味で、市町村の意向の反映、これがどういった仕組みが構築可能かということ、検討がさらに必要だということでございますので、ぜひこういったものも実現できるように考えていただきたいなというふうに思っております。
 以上です。

○永田座長 辰巳さん、どうぞ。

○辰巳委員 すみません、遅刻してまいりましたもので、ちょっと前のほうのお話があれなので、ちゃんと聞き取れたところからお話ししたいと思います。
 私は、後ろのほうで、市町村がやはり市民にきちんと説明する必要があるんだというふうなお話を書いてくださっているところは、もうまさにそのとおりで、ずっとそういうふうに思っておりましたもので、そのためにはなんですけれども、市町村の方が理解できる方法でないと、それを説明することは難しい。自分が理解していることでないと説明はなかなか難しいので、だから、余り複雑な仕組みになってしまって、市町村の人もよく、自分の言っているのが、何でここに行ったのかというのがわからないようでは、どうあがいたって、きちっと説明ができないと思うんですね。
 だから、消費者の立場から言いますと、自分の出した容リのプラスチックが、何ゆえにこの手法が選ばれたのか、それがどういうふうに再商品化されるのかとか、それはイコールどのくらい環境負荷の削減になっているのかとか、そういうふうなものをきちっと市町村が説明していただけるような取り組みというか、制度設計でないといけないというふうに思っておりまして、それがきちっと理解できれば、だから市民はさらに今後こういうことに協力していかなきゃいけないとか、こういう行動をとらなきゃいけないんだというのがわかるというふうに思いますもので、やっぱりきちっと市町村が、自分たちの容リのものがどういうふうに、何ゆえにここに持っていかれるのかというのがわかるような形の説明、簡単な説明であってほしいなというふうに思っています。
 以上です。

○永田座長 わかりました。
 どうぞ。

○花澤委員 まず、暫定措置をとることは事業の継続上、当然なので、これは賛成ですが、前提としてやはり材料リサイクル優先の明確な根拠というのがなかなか、今回のヒアリングを伺っても、なるほど、ケミカルさんでもいろんないいところがあるな、ここもそうだなという感じで、結局まだ腑に落ちていないというのが、多分、これは私も持って帰って、また業界に説明しなきゃいけませんから、そういう状況であります。
 したがいまして、どうも流れている論旨が、マテリアルリサイクル優先の流れの中で、暫定措置としてこうこうこうだという感じが何となくするわけで、私としては、材料リサイクル優先の根拠が、今のところ、議論したけれどもきちんと出てこなかったので、しかしながら容リの事業を進めていかなきゃいけないので、従来の経緯を踏まえて、暫定措置をとるということを明確にしていただきたいと思います。
 なぜそう言っているかというと、今度の複雑な、私どもから見ると、優先枠の中をまた2つに分けるとか、それから、そもそもですけれども、この総合評価というのも、おっしゃっていることは、なるほどという項目はそれぞれですけれども、これを22年度の入札に間に合わせるということは、6月いっぱいで多分全部お決めになるんだと思うんですが、そうしますと、そもそもマテリアルリサイクルの優先の根拠なるものがなかなか広くわかっていない段階で、こんな精緻な総合評価をつくってしまうというのはいかがかなと。
 ということで、時間との関係からも言えば、やはりなるべく、もちろんいろいろ工夫していただきたいとは思いますけれども、なるべく簡単な、特にさっきの絵だと何となく、S、S、Sと、何か5段階に分けるんですか、えらい精緻な仕組みをいろいろお考えなので、ちょっとそこまではこの1カ月間で議論できないんじゃないかと。私の感じからいったら、こういう仕組みをつくるのであれば、十分専門家、今でもいらっしゃいますが、もっとより専門家の方に集まっていただいて、しっかりと仕組みをつくらなきゃいけないと、そういうふうに思いますので、できるだけ簡単な優先的取扱の措置にしていただきたいということのお願いです。
 それから2つ目に、きょうの入札手続の説明を伺っていて、さらに強い感を持ったんですが、それから、ほかのケミカルの事業者の方もおっしゃっていましたが、やはりこれ、地域的な偏在の問題で、全国一律枠というよりも、各ブロックごとで、それぞれの業者の方が、このマテリアルリサイクルによって、ケミカルのせっかくの技術を持ちながら退場を余儀なくされるような、そういう優先枠というのはおかしいのではないかと。優先枠自身を設定することは引き続きいいと思いますけれども、要するにその優先枠というのは暫定的な措置であって、その暫定的な措置によってケミカルの技術的に評価できるものが退場させられるような形はぜひ避けていただきたい。そうすると、やっぱり地域的な偏在を考えると、何となくブロックごとに上限を決めていくと、全国一律だけでなくて、そういったブロック的な配慮をお願いしたいということでございます。
 それから3つ目は、今回、その他の改善措置ということで、容リ協さんがいろんなことをやることになっていますよね。私、つらつら考えると、ここまでしないとマテリアルリサイクル優先という仕組みは動かないんだとすると、なかなかちょっとやっぱり、我々経済界で仕事をしている人間からすると、相当、経済原則からすると、非常に人工的な仕組みをつくってやっていると。ということは翻って、なかなか現行のマテリアルリサイクルの業者の方が、七十幾ついらっしゃるといいますけれども、これだけ不適正なことをやるような人が相当いるからこそ、こういった改善措置を講じるのであって、いい方もたくさんいらっしゃるので、ヒアリングを受けている限りは皆さん立派な方なので、ああ、なるほどと思いますけれども、なるほどと思う人ばかりであれば、こんなに容リ協さんがすごい、何か立入検査の回数を大幅に増強するとか、現地調査の拡充を行うとか、あるいは不適正行為に関する電話相談窓口を何とかかんとかとか、私どもは食品業界ですから、我が業界も産地偽装表示とかもちろんございまして、それはコンプライアンスの問題は我々も重々わかっておりますが、ここまでしなきゃこの制度が運用できないというのも、これはいかがかと。
 要はやっぱり、余り複雑な制度にしてしまうと、なかなか難しいのではないかということで、この辺やっぱり容リ協さんがここまできめ細かなコンプライアンス体制をしいてやっていくということは、翻って、再商品化委託料金も多分ふえるんだと思うので、それは我々としても困る、余りよろしくない。こういうことでございます。
 以上です。

○永田座長 ちょっと今、ここまでの議論を少し整理して、事務局のほうから。

○リサイクル推進室長 議論の整理の考え方を再度説明するような形になるのかもしれませんが、今までいろんな意見を寄せられておりまして、今回の資料の1ページで、繰り返しになるのかもしれませんが、今回の議論の再開のそもそもの発端が、もうちょっと緊急措置、去年やったようなものというような形で過ごすには、とても制度として難しいということで、やっぱりそもそもの議論をしっかりやっていきましょうということでスタートさせて、皆さんのご理解を得て始めさせてさせていただいたところです。
 その議論をしっかりやって、とりあえず、ずっとやっていってもいいんですけれども、22年度というものを、入札手続というのが夏から始まりますから、その中に少しでも反映をさせていただければということで、今回、22の措置を、提案をさせていただいたということですから、22年度の措置がいきなり、もう要らないということであれば、こういう中間取りまとめをしないで、そのままずっと議論をして、結論が出たところでやるというのでもいいんですが、我々としては少しでもよくなるように進めたいことで、今までの方向性の中で何が提案できるだろうかというふうな形で、今回、22年度の措置を提案させていただいたところです。
 それで、今もありました入札制度以外の改善ということで幾つか措置を講じさせていただいておりますけれども、どうしてもリサイクルというのは、この容器包装にかかわらず、廃棄物というものを商品にしていこうと、廃棄物というのは不要物ですから、通常の商品のように必ず価値があって大切に扱われるというのではなくて、そのままではぞんざいに扱われて、手をかけて初めて商品になるということで、普通の製品とは違うそれなりの仕組みというものが必要であって、そのために容器包装リサイクル法だけでなく幾つかのリサイクル法があり、また廃棄物処理法がありということだと思いますので、こういったものが、製品の立場から見ると、これはこれだけというふうに思われるのかもしれませんが、ある種、リサイクルというものにおいて見ると、ある程度仕方ない面もあるのではないかなというふうに思っています。
 あとは、この措置をいかに効率的に実施していくか、また理解を得ながら実施していくかということで、ぜひ議論をいただければというふうに思っております。

○永田座長 それから、マテリアルリサイクル優先の話の流れも、2ページの頭からずっとつながりながら、結論として今回こういうふうに考えますよという話が出てきているわけで、その中で、これも事実というか、LCAの分析の結果も議論がいろいろあるわけで、そういう意味で、そこだけ取り上げて結論が出ているような言い方はちょっとおかしいかなと。これはトータルで見ていただいたほうがありがたいと我々のほうは考えていますので、ちょっとそこのところは、ちょっと流れがそっちの方向に向いちゃうとあれなので、一言挟ませていただきます。
 それじゃ、どうぞ。

○濱委員 今回のこういった形での、2つに分けというか、とりあえず案として50・50という形で、その中で、材料リサイクルのうちでも、そういう品質ですとかいろんな面を考慮して競争さそうという、そういう考え方については私ども、従来から、ただ単に価格競争のみで言うのはおかしいんじゃないかということを申し上げてまいったわけですが、非常に考え方としては賛成というふうに思っております。
 ただし、今後、次回からの議論という形にはなろうか思いますが、例えば単一素材化でありますとか、そういった点につきまして、私どもだけでの努力でできる部分、できない部分というのはいろいろあろうかと思います。例えば先ほど、ある意味いいヒントを上山委員のほうから発言がありましたが、最終製品までの公開とか、そういう詳細な公開だとかという部分につきましては、私どもだけでの力ではどうにもならないと。やっぱりそういった一般の消費者の方、また特に特定事業者の方の役割というのは非常に重要じゃないかなというふうに思いますし、冒頭、ここに書かれてある、前回の19年の取りまとめのところにも書いてありますように、単一素材化とか、そういったことがどの程度進んでとか、そういった努力とかいうのがどの程度なされているかというのが非常に絡んでくる部分だろうというふうに思います。
 昨今のそういう容器包装を見ますと、単一素材化じゃなくて、軽量化のためとか、いろいろそういった目的のために、複雑というか、複合化されている。そういった製品のほうが徐々にウエートが高まってきているんじゃないかなと。実際に単一素材として利用されているのが何%ぐらいあるのかなというのをぜひ、そういったデータでもあればお示しいただきたい。
 単一素材化が望ましいというのは、理念的にというか、観念としては十分わかるわけで、そういった方向へ行くのであれば、そういった形で我々も今後、そういう材料を提供しているそういう立場からしたら、そちらへシフトということも考えていかないといけないだろうしという、そういった意味合いで、どの程度あるかという、そういった情報でもあればお示しいただきながら、次回そういった具体的な部分の議論のほうへ進めていけたらなというふうに考えております。

○永田座長 もう時間もちょっとありませんので、手短に、すみません。

○平尾委員 目前に迫っている話でいきますと、先ほどの座長の言葉とは反するかもしれませんが、やはり今ご意見があったように、私もLCAの解析にかかわった者としてはLCAの結果としては差がないのは明らかだと思いますので、環境負荷を削減するという大きな目的に対しては、マテリアルリサイクルが優先であるという根拠はないと私は思います。
 前回欠席のために議論を把握していないことは申し訳ないのですが、マテリアルリサイクルの高度化をすることによって、より質の高い材料が生まれてきて、それが消費者にとっても見えるような形で戻ってくるような製品になるならば、それはリサイクルに参加する人たちにとって透明化につながるものとして高く評価できると思います。ですから、材料リサイクルを優先するならば、透明化につながるような形で参加できる、寄与できるものがより望ましいということで、結論を言えば、今回ご提案いただいたような形で、何らかの総合的な評価をして優先度を与えるということについては賛成であります。
 ただし、参考資料5を見ると、まるでマテリアルリサイクルの事業者の質が連続的に下がっていくかのように見えるのですけれども、きっとそんなことはなくて、シミュレーションをしてみたらわかると思うのですが、ここにいらっしゃるようなマテリアルリサイクル事業者の方々は、この図の一番左のほうに入る方が多くて、あとはだらっと下のほうの事業者がいるのではないかと想像します。
 容リ協さんは感覚としてお持ちなのかもしれないのですけれども、先ほどあったマテリアルリサイクル事業者70社の中に、検査をしに行かないといけないような事業者がたくさんあるのだと思います。ですから、もう少し制度を実態に合わせて、目前では現状について、いろいろな具体的な70社の情報があるんだと思いますので、そこからうまくランキングできる方法をぜひ考えていただきたいと思います。きっとこの5段階のように、滑らかにはいかないとは思いますが、質の高いマテリアルリサイクルを実施できるところを優先することは、LCA的な話ではなくて、リサイクルの輪をつくるという意味で合理性があると思います。
 それから、中長期的な議論についても1つだけコメントさせていただきます。今回、参考資料1でモデル事業のご報告があったのですが、市町村がどういうふうにこの手法を選択したのかという点が見ていてもわかりませんでした。住民の合意なのか、単に役所の方がこれがいいよと思ったのか、やっぱり住民の方々がこれがいいという判断があったのならばその根拠は何なのかという点についても、もしあれば今後ご報告いただき、中長期の検討の中で議論させていただきたいと思います。

○永田座長 どうぞ。

○平野委員 2点ございまして、まず1点なんですが、優先のことなんですが、もともと私どもとしては製品をつくっている中で、使い捨ての製品ではなくて資源循環型の製品にしていこうということで取り組んでいるわけですから、資源を循環させていくために、できるだけ用途を広く持って材料化していくと。材料化することでたくさんのものに使える。この場合は、ポリプロピレンとポリエチレンの代用素材として見ているわけですけれども、そういうことで、一度きりの用途よりも、その後、順番に循環していく用途に使っていくということで手法として優先されるというふうな理解をしてきているんですけれども、最近、そこにまた加えて、品質の優先の話が出てきているんだと思います。
 ここで1つ申し上げたいんですけれども、材料として使わせていただいている我々から見たときに、優先されている品質というのはいいものだという認識をするわけですね。優先されなかったものというのは、そうじゃないんですねと思うんですが、この仕組みでいくと、そうじゃないものがまた材料として市場に出てくるわけです。これは非常に混乱を招いて、そうじゃないものがまた材料として市場に出てくる、もしくはそれを製品化したものが製品だと言って市場に出てきていることが、実はここで議論されている中の一番大きな問題じゃないのかなと。その点を1つ、ちょっと指摘をさせていただきたいと思います。
 それから2つ目なんですが、これは濱委員がおっしゃったのと同じところなんですが、単一素材化というのがちょっとよくわからなかったんですが、もともといろんなものが混ざっている中に単一素材のものがいて、それを抜き出すというイメージなのか、複合素材でおるものから、それを何らかの方法で単一素材だけを抽出するということをイメージしているのか、いわゆるそういう技術があっての話なのかということなんですが。もう1つ、それによって、今回収集されているものの中に単一素材というのが一体どのぐらいの量、実際にあるんでしょうかね。もう1つ、そこからもし単一素材を抜き出せたとして、それはいいものだというのは理解できるんですが、じゃ、抜き取られた残ったものの評価というのが同時にされないと、今それを全部インクルードして混ぜたものの評価をしているわけですから、抜いた単一素材だけをもっていいものだと言われるとちょっと、じゃ、残ったものは使えるんですかね、使えないんですかね、どんな評価ですかということがちょっと気になりました。
 以上2点でございます。

○リサイクル推進室長 1点だけ、すみません。
 優先の中で、よくないものが混ざってくるものは、フダが入ってくるのはいかがなものかという話だったんですが、今回、参考資料5として、委員のみ配付で配らせていただいたもの、絵でいいますと、優先枠Aと優先枠Bというもので、例えばということでつくらせていただいておりますけれども、優先枠Aも優先枠Bも、いずれも、そもそもの優先枠という、その登録基準は全部クリアをしたものであるというところで、それの話なので、Bだから品質が悪いとかというわけでは必ずないというふうに我々は思っています。
 例えばある事業者さんは能力を100トン持っていますといったときに、20トンがAで、80トンがBで出せるんだなというときに、その20トンと80トンは、きっと品質は同じものなんだろうと、その人の事業者の中で見ればですね。我々は、その優先の中でA、Bと分かれてフダを入れられるというのは、より高度なことをしていただければ入札のときに有利になるよという扱いをさせていただいて、その中に品質基準があるのも間違いないんですけれども、最低のところ、少なくとも何か優先に当たらないような粗悪品とかというふうに利用事業者のほうから思われるものが何か多く混入するようなシステムにはならないように工夫をしているところであります。
 そこのちょっと優先基準、多分わかって言われていると思いますけれども、ただ、聞かれている方で混乱をされる方がいらっしゃるかもしれないと思ったので、その点だけ言わせていただきました。

○永田座長 どうぞ、お隣。

○本田委員 2点言わせていただきたいと思いますけれども、上山さんが最初に言われた件は非常に賛成しますので、そういったところも検討していただければと思います。
 あと、4ページの上に、従来の品質基準について、優先されるための最低限の条件として維持するということなんですけれども、基本的に塩素濃度、前回も説明させていただきましたけれども、自治体のベールの入り方によって、品質によって非常にぶれるものであると。それをもって優先、非優先というものを決めるのは、非常に事業者としてはリスクが大きいと。仮に非優先になった場合は、今ケミカルさんの値段では30円台とかも出ていますから、そういった値段で材料リサイクルが落札すると、本当の意味での材料リサイクルができないんじゃないかというリスクが将来的に起こり得ると。
 また、一方で、環境省さんの行政処分指針とか、産廃の業界では適正な処理価格というものを一方で求めているわけですから、不適正な処理価格、安い値段で落とし過ぎると、材料リサイクル全体のイメージダウンにもつながりますので、ここは非優先事業者というのは特に材料リサイクルでは必要ないのではないかと。基本的に非優先になった場合は、非優先になるとコスト割れして倒産に至るぐらい、非常に採算が成り立たないような状況になるかと思いますので、財務諸表については容リ協会さんに全部報告しているわけですから、適正処理コストというのは算定できるわけですから、そのあたりで非優先の取り扱いについては再度議論していただきたいというふうに考えております。
 また、サンドイッチパレットのように、塩素濃度が高くても使えるような技術というものも開発されていますので、そういう可能性も否定することにつながるんじゃないかというふうに思います。そういうことを踏まえて、恐らく材料優先枠で○%でございますけれども、これ材料リサイクル全体で上限を切って、それで議論したらどうかというふうに考えます。
 また、ガス化の意見とか、ケミカルさんの中でも、油化とかいろんな手法があろうかと思いますので、手法ごとに枠を決めてやることによって、手法間の変な比較とか競争というのは、そもそも違う商品を同じ値段で比較するのはちょっと理にかなっていないかと思いますので、手法ごとの枠を決めてやるというのは一つの考え方ではないかと思いますので、検討していただきたいと思います。
 2点目なんですけれども、5ページでございますが、不適正行為という、監査とか、こちらのほうの説明の仕方ですが、上田さんのほうから、コンプライアンスという言葉をお使いになられたと思うんですが、コンプライアンスは基本的には遵法性ということになりますので、法的に問題があった場合は不適正行為ということで処罰の対象になると思うんですが、今の容リ協会のガイドラインとかいうものは、不法行為でないものに関しても、書類の不備とか手続の不備ということまでも非常に重い罰、死刑に近いような罰がありますので、そのあたりも行き過ぎないような運用のほうも検討していただきたいというふうに考えております。
 以上です。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 どうぞ、森口委員。

○森口委員 3点ございます。
 1点目は、勝浦委員からLCAについてのご指摘がありまして、これはちょっと時期の問題があったかと思うんですが、結論については平尾委員から既にお答えがあったとおりで、ここに書いているとおり、特定の手法の優位性を示すには至らなかったと。それ以上でも以下でもなくて、したがって、材料リサイクルは優位ではないということはここに明確に書いてあると思います。
 ただ、3ページの上段にありますように、LCAは単独で、だからといって再商品化手法の優劣を結論づける役割でもないという、こういう考え方だと思っておりまして、じゃ、なぜ現在、材料リサイクルが優先されているかというと、私の考えは、2ページの一番上に書いてあるプラスチック製原材料としての利用を優先させよう、プラスチックはなるべくプラスチックに戻してやりたいという、こういう考えからスタートしたんだと思っております。
 ただ、平成11年の考え方、若干自己矛盾する書き方をされていて、油化であったってプラスチックの原材料になり得るわけですよね。ですから、材料リサイクルという特定の手法に関して言ったのではなくて、プラスチックの原材料になるものは優先しましょうと、こういう考え方にもう一度整理をしていただければわかりやすいのではないかなと、これが1点目でございます。
 そういう意味では、総合評価の考え方、今回、材料リサイクルに関して書かれているんですが、将来的には、前回も申し上げたんですけれども、材料対ケミカルということではなくて、どういうものを伸ばしていくべきかということである種の差異をつけていく、こういう考え方に整理をしていっていただければなというのが私の希望でございます。
 2点目は、具体的な22年度の入札手続の話が示されておりまして、いろんな状況の中で、非常によく考えられているとは思うんですが、正直言って、やっぱり複雑過ぎてわかりにくいのではないかなというふうに思います。安かろう悪かろうの材料リサイクルになってしまうということは望ましくないというのは皆さんおっしゃっていますので、やはり余り複雑なことをせずに、いい材料リサイクルが残せるような考え方ということだと思いますので、そこの範囲内で、なるべくわかりやすくしていただきたい。容器包装のフローの透明化の検討会でも議論しておりますが、フローの透明化もさることながら、やっぱり制度の透明化といいますか、制度自身が非常にわかりにくいんじゃないかと思いますので、今回これでまた非常にわかりにくいことをすると、せっかくいいことをやろうとしたのが、かえってわかりにくくなるのではないかと、ちょっとそこのところを懸念いたします。
 3点目は、中長期的なことはいろいろ申し上げたいことはあるんですが、上山委員もおっしゃったように、やはりどう利用されるかといいますか、きちっとリサイクルされた製品が使われることの支援をしていかなきゃいけないと、これはフローの透明化の話でも出ておりました。そういうことをやれば、もう自然と公開したくなるだろうと、フローの透明化をすることがむしろメリットになるだろうと、こういう議論をしておりますので、ぜひそういう方向で議論いただきたいと思います。

○永田座長 どうぞ。

○八木委員 花澤委員より、制度が複雑になっていくと。なぜこんな複雑な制度をつくらなきゃいけないのかというお話がありましたけれども、やはり余りうまくいっていない材料リサイクル業者がいるからではないかなと私自身は思います。
 ただ、じゃ、なぜうまくいかない材料リサイクル業者がいるのかというところが、やっぱり一番の問題点かなというふうに思いまして、それは前回のプレゼンテーションでもお話しさせていただきましたけれども、原材料に分離が難しい、低温でガス化をする物質が含まれているからではないかなと思います。本来であれば、そういう物質を除くのが最初にあるべきであって、それを除いた後に材料リサイクルがどういう状態になったかと、それを評価していくというものであってほしいなと思います。
 かといって、もう入札制度、22年のものを決めなきゃいけないという状況もよく理解できますので、一定割合制度という話が出てくるというのもよくわかります。例えば一定割合を50%と決めたときに、材料リサイクル、収率50%ということで、未利用プラスチックが当然その半分出てくるので、25%出てくるわけですね。現状では、それはサーマルリサイクルで使われていまして、そうしますと材料リサイクル25%、再商品化された部分があって、50%がケミカルリサイクルで、25%がサーマルリサイクルという、結果的にはそういう数字になるのではないかなと思います。これがバランスがとれているかというのも一つの議論があってもいいのかなという気はします。例えば材料リサイクル、一定割合を70というふうにすれば、材料リサイクルは再商品化される部分が35%になって、ケミカルリサイクルが35%で、サーマルリサイクルが30%という、例えばですが、そういう結果にもなりますので。
 こういう議論をすると、じゃ、ケミカルリサイクルより単価が高い材料リサイクルをなぜ優先するのかという、やっぱりどうしてもその議論になってくるんですけれども、サーマルリサイクルなんかも単価を考えるとトン当たり2万円ぐらいの、かなりケミカルさんに比べて安い単価でやっておりますので、じゃ、それと比較してどうなのかという議論もやっぱりやらないとフェアではないような感じはいたします。
 それからあと、実際に総合評価制度を運用するに当たって、やっぱりどういう評価制度にするかというのは非常に意味を持っていて、我々材料リサイクル業者としては、その評価方法のどういう項目かによっても、設備投資だとか将来的なビジョンがまるで変わってきますので、ここはやっぱり慎重に、なるべく早目にどういう条件かというのを提示していただいて、それに対してもやっぱり議論をする機会があってほしいなと思います。
 なおかつ、それがすぐに完璧にもちろんなるものではないとは思いますので、1年やってみて出た結果についても、評価の結果こういうふうになったと。その評価する理由とかも全部情報として開示してほしいなというふうに思います。ですから、業者としては、どういう結果が出たかというのが、本当に正しい評価がされるのかというのがすごくやっぱり心配なところになってきますので、どういう観点でどういう評価が下ったのかと、そういうようなことに対しても情報公開ということをぜひやっていただきたいなと思います。

○永田座長 わかりました。
 どうぞ。

○滝田説明員 時間がなくなってきましたので、手短に2点ほど、指摘と意見を言わせていただきたいなと思います。
 1点目は、上田室長のほうで整理していただいた資料の2ページ目の一番上なんですが、先ほど森口委員からもご指摘がありましたけれども、ここで書いてある「プラスチック製原材料等としての利用を、油化、高炉還元、ガス化、コークス炉化学原料化よりも優先して行う」というのは、当時の資料をひっくり返してみますと、ここは「一定の基準のもとで」という一項目が入っていたと思います。これは結構ここの段階では大事なところかなと。これは参考資料の中にもちゃんとそれは入っておりますので、ちょっとそれはご確認をいただきたいなということが1つ。
 それから2点目は、3ページ目の、もうこれはほかの委員の方々がご発言ありますので手短に申し上げますと、優先の優先枠というのは、先ほど上田室長のほうから1つの例として50%というような数字がありましたけれども、この辺の根拠だとかなんとかというのは非常に難しいところがあろうかなと思いますが、当面、22年度の分は、ここに書いてありますように、今までの動向を踏まえということであれば、常識的に考えて50%というのは一つのめどになるんだろうなと思います。これはもう国のほうで決断をしていただくしか、しようがないだろうなと思いますので、ぜひご決断をいただきたい。
 以上2点です。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 どうぞ。

○石井専務理事 実務に携わる容リ協会として、2点だけ、ちょっと意見を言わせていただきます。
 1点目は、3ページ目の(2)の一番下に、いわゆる総量、キャップの問題ですけれども、これは委員の皆さんにちょっとご認識していただきたいと思って、私、事実だけ言いますが、ここに書いてあるのは優先枠にキャップをかけるということです。材料リサイクル全体にキャップをかけるということは言っていません。
 事実を申しますと、平成20年度の落札結果、優先枠40%、一般枠20%、トータル60%が材料になりました。それから21年度、50%が優先、6%が非優先、トータル56になりましたので、それを踏まえた上で、次回、数字の議論をされるときには、議論していただきたいなというふうに思います。
 それから2つ目は、総合評価について、これはぜひお願いしたいんですが、総合評価自体は私ども実務をやる上で反対するべきものではありません。どちらかといえば賛成です。ただ、問題はやっぱり指標なんですね。指標は、ぜひ定量的な指標にしていただきたい。定性的な指標が入ると、こんなことを言っちゃあれですけれども、一度下した決定に、だれかの裁量、ある意味ではだれかの、要するに口ききで覆るというようなことがあってはならないと思いますので、これはぜひお願いしたいんです。我々としたら、容リ協会が何か知らないところで定性的な評価をして決定を下したなんて思われるのが一番心外ですので、ぜひこれは数字で示せる指標にしていただきたいというのが、ぜひお願いしたいところです。
 それから最後にもう1つだけ。我々はすべての対象主体にきちっと説明する説明責任の義務があります。制度が複雑になれば複雑になるほど、これは説明責任をどう果たしていいのか、皆さんが理解していただけるのか、非常に疑問です。できるだけわかりやすい制度を切望するものです。よろしくお願いします。

○永田座長 どうぞ。

○安達委員 材料リサイクルをやっている者の立場からちょっと意見を言わせていただきたいと思います。
 先ほどからちょっと、優先はなぜかと言われますけれども、私どもが材料リサイクルをやったのは、やはり優先であって、どうにか採算がとれるだろうということで参入したわけでございまして、それを今さら、はしごを外されましたら、我々はもう死ぬほかございません。そこら辺をご理解いただきたい。
 それと、21年度の入札におきましては、77%というキャップをかけられましたので、それに昨今の―これは皆さんご存じでしょうけれども―不況の影響で、どうも廃プラの集まりが1割以上落ちております。ということは、多分もう、許された可能量の、下手すると8割集まるかどうかと。もうそういうことで、弊社としましては21年度は赤字を覚悟しました。そういう現状をまず、皆さんご理解いただきたいと思います。
 そういうことで、総合評価制については、今言いましたように、優良事業者が今後維持続行、継続してやれるかという、その観点において制度の設計をしていただきたいなと、そういうふうに思います。そういうことで、導入に当たっては、やはり総合評価制度の構築過程というんですか、それと評価方法の決定過程においても、これはまた公開性を求めますし、それと我々再商品化事業者の現状と意見が反映されますように、これはもう本当にお願い申し上げます。それと、当然に厳正・的確に運用されることを期待いたします。
 以上でございます。ありがとうございました。

○永田座長 どうもありがとうございました。ひとわたり、これで皆さんからご意見はいただいたかなというふうに思っております。
 きょういただいたご意見、ちょっとそういう意味じゃ、いろいろ議論していると時間が足りなくなりそうなので、皆さんのほうからの発言のみという形で途中から処理させていただきましたし、全体のことに関する話、あるいは22年度に向けてだけの話とか、あるいは中長期的な、来年の夏までに片付けなくちゃいけない話、いろいろなところでご意見をちょうだいしたなというふうに思っています。これを少し事務局のほうで整理させていただいて、次回に向けて、次回はこの議論をベースにした形での、そういう意味では22に向けての原案という形でお示しすることになるかと思いますけれども、作業を進めてまいりたいというふうに思っております。
 本日の審議はこれで終わりにさせていただきますけれども、次回の開催等につきまして、事務局から説明をさせていただきます。

○リサイクル推進室長 本日は、ご熱心なご審議どうもありがとうございました。
 次回の開催につきましては、6月24日水曜日、14時からを予定しております。場所は三田共用会議所大会議室を予定しております。追って委員の皆様には正式にご案内をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 それでは、本日の会議はこれで終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。

午後4時00分閉会