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■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会
容器包装リサイクルWGプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会
合同会合(第8回)

議事録


1.日時:
平成21年4月7日(火)10:00~12:00
2.場所:
経済産業省別館 10階 1028号会議室
3.議題:
  • (1)プラスチック製容器包装の再商品化の現状について
  • (2)今後の検討の進め方について
  • (3)その他
4.合同委員会名簿(敬称略、50音順)
座長
永田 勝也
早稲田大学理工学部教授
委員
安達  肇
福井環境事業(株)代表取締役
石川 雅紀
神戸大学大学院経済学研究科教授
伊藤清一郎
札幌プラスチックリサイクル(株)代表取締役
上山 静一
日本チェーンストア協会環境委員
大垣 陽二
JFEスチール(株) 資源リサイクル部長
大塚  直
早稲田大学法学部教授
織 朱實
関東学院大学法学部教授
片山 裕司
社団法人日本フランチャイズチェーン協会環境副委員長
勝浦 嗣夫
日本プラスチック工業連盟専務理事
勝山 剛頼
飯山陸送(株)常務取締役
小阪 良夫
宇部興産(株)エネルギー・環境部門EUP事業管理部長
近藤 博俊
新日本製鐵(株)技術総括部資源化推進GL部長
崎田 裕子
ジャーナリスト・環境カウンセラー
佐々木五郎
社団法人全国都市清掃会議専務理事
田島 優子
さわやか法律事務所・弁護士
辰巳 菊子
社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会理事
花澤 達夫
財団法人食品産業センター専務理事
濱  利治
(株)広島リサイクルセンター総務部長
早川 昌任
池田市総務部長
平尾 雅彦
東京大学大学院工学系研究科教授
平野二十四
容リプラ利用事業者協会会長
本田 大作
秋田エコプラッシュ株式会社専務取締役
森口 祐一
独立行政法人国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター長
八木雄一郎
明円工業(株)環境資源部苫小牧工場長
横越 隆史
プラスチック容器包装リサイクル推進協議会会長
石井  節
(財)日本容器包装リサイクル協会専務理事(※)
(※)はオブザーバー

○横山リサイクル推進課長  それでは、定刻になりましたので、ご出席予定でまだおみえになっていらっしゃらない委員の方がおられますが、ただ今から、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会及び中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会の通算での第8回の合同会合を開催いたします。
 委員の皆様には、お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本合同会合につきましては、事務局は経済産業省と環境省の持ち回りとさせていただいており、本日の事務局は経済産業省で担当させていただきます。
 まず初めに、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 本日の資料は、資料1として委員名簿、資料2として「プラスチック製容器包装に係る再商品化手法の検討について」、資料3として「プラスチック製容器包装の再商品化に係る現状について」、資料4として「今後の検討の進め方について(案)」、その他として参考資料をお配りしております。
 資料一覧もあわせてお配りしておりますので、ご確認の上、不足などございましたら、事務局までお申しつけください。
 それから、本合同会合の資料の取り扱いでございますが、原則すべて公開とさせていただきます。また、会合終了後に発言者名を記載した議事録を作成した上、各委員のご了解をいただいた上で公開をする予定としております。
 続きまして、本日の合同会合の出席状況でございますが、ご予定の方も含めてでございますけれど、全委員26名のうち24名の委員の方にご出席をいただくこととなっております。産業構造審議会の検討会につきましては13名の委員の方、中央環境審議会の専門委員会につきましては11名の委員の方にご出席をいただくことになっておりまして、それぞれ定足数に達していることをお伝えいたします。
 次に、前回、2年前に行った第7回の合同会合の開催から委員の方々の変更がございましたので、ご紹介させていただきます。
 新しく加わっていただく委員の方としまして、まず、早稲田大学理工学部教授でいらっしゃいます永田勝也委員でございます。

○永田委員  永田でございます。よろしくお願いいたします。

○横山リサイクル推進課長  社団法人日本フランチャイズチェーン協会環境委員会副委員長でいらっしゃいます片山裕司委員でございますが、本日はご欠席でございます。
 それから、さわやか法律事務所の弁護士でいらっしゃいます田島優子委員でございます。

○田島委員  田島でございます。よろしくお願いいたします。

○横山リサイクル推進課長  それから、容リプラ利用事業者協会会長でいらっしゃいます平野二十四委員でございます。

○平野委員  平野でございます。よろしくお願いいたします。

○横山リサイクル推進課長  それから、秋田エコプラッシュ株式会社専務取締役でいらっしゃいます本田大作委員でございます。

○本田委員  本田です。よろしくお願いいたします。

○横山リサイクル推進課長  以上、新しくご就任いただく委員の方々でございます。
 それから、異動の関係で、札幌プラスチック工業連盟専務理事でいらっしゃいました塩谷操委員にかわりまして、伊藤誠一郎委員でございます。

○伊藤委員  伊藤でございます。よろしくお願いいたします。

○横山リサイクル推進課長  それから、JFEスチール株式会社からは、林明夫委員にかわりまして、大垣陽二資源リサイクル部長でございます。

○大垣委員  大垣でございます。よろしくお願いいたします。

○横山リサイクル推進課長  それから、日本プラスチック工業連盟専務理事でいらっしゃいました金子勇雄委員にかわりまして、勝浦嗣夫委員でございます。

○勝浦委員  勝浦です。よろしくお願いいたします。

○横山リサイクル推進課長  プラスチック容器包装リサイクル推進協議会会長でいらっしゃいました岩倉捷之助委員にかわりまして、横越隆史委員でございます。

○横越委員  横越でございます。よろしくお願いいたします。

○横山リサイクル推進課長  以上の方々がそれぞれ就任されました。
 本合同会合の座長につきましては、従来、同志社大学経済学部教授の郡嶌孝委員にご就任をいただいておりましたが、昨年の秋より海外研究に行かれているということでございまして、産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会の小委員長をお務めいただいております早稲田大学理工学部教授の永田勝也委員にご就任をお願いいたしまして、委員、臨時委員の皆様からもご承諾をいただいておりますので、座長としてお願いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 最後に、ご発言の際の方法について説明をさせていただきます。
 ネームプレートをお立ていただきますと、座長から順次指名がございまして、事務局の者がマイクをおもちいたしますので、ご発言を順次いただければと存じます。
 それでは、これ以降の議事進行を永田座長にお願いをいたします。

○永田座長  朝早くからお集まりいただきまして、ありがとうございます。座長をピンチヒッターで務めさせていただきます永田でございます。
 平成7年、この容器包装リサイクル法が制定されるときに、平岡先生が委員長で、私は副委員長ということで関わってまいりまして、その後も時々は関与していたかと思いますが、本格的にまたやり出すのは今回が久しぶりということになりますので、いろいろ勉強させてもらいながら取り組ませていただければと思います。
 1つだけ申し上げておきますと、この会合の進め方も含めまして、私自身は、「共創」の理念でいろいろなことをやってまいりました。内容的には、目標を同じくする、ただしその役割の異なる主体的な関係者──時々、ステークホルダーという訳を利害関係者といいますけれど、私は、目標を同じくするのだけれど、役割が異なりますよという関係者がステークホルダーだと思っておりますので、利害が相反するということではなく、目標は循環型社会をいかにつくっていくかということであると皆さんも共通に思っていらっしゃるのだと思います。そういう人たちが、目標達成であるとか、新しい関係を築く、そういう形で目標に向かって努力し、また、それを達成していくという、それが「共創」の理念だろうと思っております。そうした姿勢で検討会も進めさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。
 本日は大きく2つに議題が分かれております。1番目の議題につきましては、平成19年5月にこの合同会合のとりまとめ(案)を審議して以来、再開ということになりますので、まず、事務局よりその背景や趣旨等について説明をしていただきます。その後、また少し議論をしてまいりたいと思っております。
 2番目の今後の検討の進め方につきましては、プラスチック容器包装の再商品化に係る現状とか今後の検討に進め方について、これも事務局のほうから少し説明をさせていただいた後、皆さんのほうから質疑応答あるいはコメントをいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 メンバー表が配られておりますが、「共創」というベースにきちっと合う学識経験者ですとか関係業界の方々、そして消費者代表の方々、地方公共団体と、広く関係者がこの審議会には参加していただいております。そういう意味では、委員の皆様から活発なご議論をいただきまして、それを再商品化手法として成長するような方向でとりまとめをしていく、そういう形でこの検討会が進んでいければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、早速、議題1に入らさせていただきます。
 まず、事務局から説明をしていただきます。どうぞお願いします。

○横山リサイクル推進課長  それでは、議題1でございますが、資料2と資料3、そして若干の参考資料も適宜ご覧いただきながら、これまでの経過、その他を中心に説明をさせていただきます。
 まず、1枚紙の資料2をご覧いただきたいと思います。こちらは検討会を再開をすることになった背景が書いてあるものでございます。前回のとりまとめは2年前の平成19年6月でしたが、このときもいわゆる材料リサイクルの手法の生産能力がふえてきたということを背景にとりまとめがなされたわけですが、その際のポイントとして、材料リサイクルについては、再商品化の効率化が図られる可能性を有しているということで、中長期的に分別収集区分の設定でありますとかその実施、それから単一素材化等に向けたさらなる取り組み、あるいは技術開発、用途開発といったことについて検討していくことが必要であり、こうした取り組みが進展するまでの間は、多様な再商品化手法のバランスのとれた組み合わせを確保しながら、材料リサイクル手法の質を高めることが必要であるということで、一定の品質基準を満たす場合に限って材料リサイクル手法を優先的に取り扱うべきであると、このようなとりまとめをいただいたところでございます。
 これを踏まえまして、19年末に実施する20年度分入札より、一定の品質基準を満たす材料リサイクルのみを優先的に取り扱うということを、20年度分、21年度分と行ってきたところでございます。
 21年度分入札については、こうした品質基準のみならず、これも後ほど説明しますが、調整率というものを材料リサイクル事業者について乗ずるという措置を緊急措置として講じる事態になりました。
 裏側の2.ですが、こうした緊急措置という調整率を乗じるようなことを今後も実施していくことは困難であるということから、再びこの検討会でご議論いただいて、その入札手法あるいは優先手法の在り方についてご検討いただきたいということが、再開の趣旨でございます。
 続きまして、資料3でこれまでの現状を説明させていただきたいと思います。
 2ページに目次がございますが、「1.」として再商品化手法の一覧、「2.」として前回の合同会合のとりまとめの概要、「3.」として入札制度の変遷──これは前回のとりまとめよりも少し前のものも含みます。「4.」として数値等はどういう推移で来ているかという実態、そして、「5.」としてそのほか合同会合とりまとめ以降の動向という形で構成をしております。
 3ページ、「1.プラスチック製容器包装の再商品化手法」でございます。これはご案内のように、材料リサイクルとケミカルリサイクルと一般に分類をされているものがございまして、ここに書いたとおりでございます。
 ケミカル手法については、政令上あるいは基本計画上、油化、高炉還元剤化、コークス炉化学原料化、ガス化という手法が認められているところでございます。
 そのほか、緊急避難的・補完的に固形燃料というものも再商品化の方法として位置付けているところでございます。
 4ページ、「2.合同会合のとりまとめの概要」でございます。先ほど申し上げたように、中長期的な課題に取り組みながら品質基準というものを導入しようということでございます。それが材料リサイクルの優先的な取り扱いという最初の項目のところでございまして、塩素分などの設定をしたわけでございます。
 それから、その残渣については、単純焼却ではなく、エネルギー回収などの有効利用を求めていくとしております。
 さらに、LCA分析というものも継続的に実施をしていくべきということが、材料リサイクルに関するところではまとめられました。
 そのほか、中長期的な課題も含めてですが、分別収集の工夫ということで、表示や洗浄が困難なものの除外を明確にするようなガイドラインの策定などが今後の方向性としてまとめられたところでございます。
 それから、地域の実態を生かした形でのモデル事業の推進ということもまとめられました。
 さらには、容器包装の工夫ということで、環境配慮設計、容器包装の製造あるいは流通に携わる方々の環境配慮設計──分解のしやすさ、単一素材ということについての促進でございます。
 さらに、再商品化製品の用途拡大についてもとりまとめられたところでございます。
 赤字で書いてありますのは、以降のそれに関連する資料の番号でございます。
 次に、5ページ、「3.(財)容器包装リサイクル協会における入札制度の変遷」でございます。これは時系列で並べていますが、項目としては4つございます。調整率の利用、上限価格の継続実施、品質基準の導入、再商品化業務の運営の厳格化でございまして、それぞれ詳細は次ページ以降にございます。
 個別について説明させていただきますと、6ページ、「3-1.材料リサイクル手法における品質基準の導入」でございます。これは2年前のとりまとめをもとに導入したわけでございますが、具体的には、(1)品質基準として、[1]塩素分が0.3%以下、[2]主成分が90%以上、[4]水分がここに書いてあるような基準以下といったものを導入いたしました。
 そのチェックの方法は、平成20年度と21年度で異なっておりまして、20年度につきましては、6月に答申が出て、入札が年末ということで、時間的な余裕もなかったということで、事業者からサンプルを提出いただいた上で独立機関で測定をするというやり方を行いました。そして、21年度はさらに詳細に行うということで、抜き打ちで立入検査を行って測定をしたということでございます。
 続きまして、7ページ、「3-2.上限価格の継続的実施」でございます。これは前回の答申よりも前から、平成18年度から既に4年間導入をして継続的に行っているものでございます。上限価格を超えた入札については、特段の事情がない限りは、運搬賃などがない限りは、落札とみなさないというものとして決めているものでございまして、標準的な再生処理コストでありますとか運送コスト、それに利潤等を勘案して、協会で設定を行っているものでございまして、事後的に公表するという形をとっているものでございます。
 次に、8ページ、「3-3.調整率の適用」でございます。先ほど、21年度入札について緊急に導入したということを申し上げましたが、実は19年度の入札においても材料リサイクルの再商品化能力がかなり伸びてきているということを前提に、通常の能力査定値を1割カットというのを落札可能量という形で、19年度は、ケミカル手法も含めてすべてについて調整率というものを導入したものでございます。
 そして、20年度は、先ほどの品質基準という適用で、この調整率の適用はなかったわけですが、21年度については、先ほどの6ページの品質基準について、やり方も抜き打ちの立入検査という形で厳格に行ったのですが、結果としては、14ページ、4-3.にございますように、20年度のサンプル提出による調査──これは品質基準以外のチェックもかけているわけでございますが、材料リサイクルのところをご覧いただきますと、申請が94に対して、20年度の合格は76と、かなり合格できなかったところがあったわけですが、21年度はそういった抜き打ちの方法をとったにもかかわらず、かなり高い合格基準となっております。
 その分、申請そのものも厳正化されたという面はもちろんありますが、合格率でいうと、かなりの率になったということもございまして、ほとんどの事業者の方が品質基準をクリアするという状況になって、そのままで進めると自治体が集めてくる見込み量の7割ぐらいは優先枠だけでいってしまうのではないかという見込みが入札前の集計の段階で判明をいたしまして、これはバランスのとれたということとしてどうだろうかという議論が起こりまして、このときは、8ページですが、21年度入札のところにございますように、種々調整をした結果、従来の査定量の77%となり、23%カットということで、一律カットをしております。品質基準のほかにこの調整率というものを21年度も導入をしたわけでございます。これが今回の再開の一番大きな理由となっているものでございます。
 9ページに、参考として、これは事後的な数字で、実際に入札の時点で判明していない数字もありますが、概ねのものとして、21年度のところをご覧いただきますと、材料リサイクルの能力査定値の積み上げと、市町村から来る分を比較すると、これは実際に判断をするときにはそのほかの要素も入れて計算したのですが、材料リサイクルの部分がかなり伸びてきております。しかも、このほとんどが品質基準を合格しているという状況があり、先ほどの調節率というものを導入したというものでございます。
 もう一つ、資料には書いておりませんで恐縮ですが、8ページで、21年度の入札の中で、調整率ということを導入した上で、さらに選択制という手法も入れました。それは何かと申しますと、優先枠で77%カットの落札権しかないということが納得頂けない材料リサイクルの方は、非優先枠での入札ということも選択できるという制度を入れました。ただ、実際それを選択されたのは1社だけだったと思いますが、基本的にほとんどは優先枠のほうを適用されたということがございます。
 それから、4つ目の点として、これも非常に重要な点ですが、11ページでございますが、材料リサイクル手法の中で、再商品化が果たせているのだろうかという声が上がりまして、ご案内のように、容器包装リサイクル法の一番の根幹は再商品化、循環させるということで、マイナスの価値から有償または無償という経済的に価値がある状態にするというのが再商品化です。法律上は、有償または無償で譲渡されるということが書いてあり、無償で例えばペレットを渡せばいいではないかというように考えているとしたら、それはそうではなく、実際に経済的・技術的にそれが使われることが可能であるということが必要です。単に取引実態だけをみて、それで再商品化義務を果たしているということではないのだということを、環境省と経産省の連名で、それに基づく運用を適切に行うように容器包装リサイクル協会に要請をしたところでございます。
 具体的には、11ページにありますように、[1]不適正行に対する厳しい措置があるということを入札説明の際に説明をする、[4]再商品化の見込みのない契約を締結することのないように注意する、[4]不適正行為等に対する内部通報の窓口の設定など、再商品化に関して厳しく運用してくださいと要請しております。
 さらには、環境教育や再商品化製品利用事業者に対する調査についても、21年度入札分から可能なものから取り入れていただくよう、トレーサビリティの強化についても要請して、一部実施に移しているところでございます。
 10ページにその手続が書いてありまして、右下のところに、利用事業者から半期ごとに受ける報告として、再商品化製品利用証明というものを新たに導入しております。
 以上が入札制度の変遷でございます。
 12ページ以降が、数値の推移についてでございます。分別収集実施率、引き取り実績は年々伸びてきておりまして、現在では60万トン程度が指定法人でリサイクルされているという状況でございます。
 13ページをごらんいただきますと、特定事業者からの委託料の推移を品目ごとに入れております。このうち、今後ご議論いただくプラスチックの部分がほとんどを占めているという状況でございまして、それが年々増加していたのですが、19年度は18年度に比べて額として減っております。これは先ほど申し上げたように、量としては増加しておりますので、単価は量が増える割合を上回って落ちているということで、ある意味、相当程度の合理化が進んでいるのだろうということが言えるわけでございます。
 15ページですが、能力の変遷でございます。材料リサイクルの能力、設備投資が非常に増えてきているという状況でございます。
 16ページは、落札価格の平均値の品目ごとの推移でございます。これは他の品目も含めて入れてございますが、現在、黒字のところが逆有償で、リサイクラーに対して費用を支払うというものでございまして、現在も大幅な逆有償であるのはその他プラスチックの部分でございます。ペットボトルも制度導入当初はそうであったわけですが、18年度から逆有償から有償のへ行きまして、昨年末、中国向けの輸出がとまったということもございまして、またかなりゼロに近いところまで戻してきていますが、いずれにしても、プラスチックのところがまだ逆有償ということでありまして、分別などがうまくいけば、逆有償から有償に移るということも可能なわけですが、プラスチックについてはまだそこまで至っておりません。
 ただ、年々、ここに書いてございますように、価格は落ちてきているということで、その詳細は、17ページにございますように、優先枠、非優先枠とも、年々引き下がってきているという状況でございます。
 19年度までは、優先といえば材料、非優先、つまり一般枠といえばケミカルとなっていたわけですが、20年度からは品質基準を導入して、一般枠のほうにもマテリアル手法が入ってきましたので、その内訳を赤とピンクの点線で示しております。加重平均したものが緑の線でございます。
 量はどうかということで、18ページをご覧いただきたいのですが、年々、材料リサイクルが比率としても増えてまいりまして、19年度は材料リサイクルで半分を超えております。これはすべて優先枠でございます。そして、20年度は6割が材料リサイクルになっていますが、このうち、上に書いてありますように、内訳として、優先が4割、一般が2割となってございます。
 21年度分の集計をしたところ、優先は50%、一般分で6%ということで、ほぼ半分が優先枠という状況でございます。過去最大の優先枠は19年度の51.5%という状況でございます。
 あとは、再商品化量の推移を19~20ページに、ケミカルとマテリアルについてそれぞれ書いてございます。
 21ページは、数量と単価のそれぞれの手法ごとの個表となってございます。
 以上が数値の推移等の状況でございます。
 22ページ以降は、その他の入札方法以外に関するその後の状況で、5-1.残渣処理の状況ですが、ここでは、材料リサイクルでは約半分ぐらいの量がマテリアル手法には使えず、プラスチック素材が半数程度、今の回収状況ではどうしても出てくるわけでございますが、その処理の手法として、平成18年度、19年度の内訳が書いてあります。ただ、20年度からは単純焼却というのを認めないと変えておりますので、より一層有効利用ということが図られてございます。
 23ページは、前回のとりまとめでも、LCA分析を環境負荷あるいは資源負荷の観点から継続的に行うべきということが提言されているわけですが、環境省の研究会で、昨年の8月に発表された追加的なLCA分析の内容についてまとめたものでございまして、大きく2点ございますが、1つは、前提条件の置き方その他で結果はかなり異なってくるということがございます。その前のときの調査よりも前提条件のバリエーションをふやして測定した結果、環境負荷あるいは資源負荷に与える影響もかなり異なってくるということが1つです。
 右側に書いておりますのは、リサイクル手法間の比較のみならず、自治体による焼却・埋め立て処理や廃棄物発電といった処理との比較の分析でありまして、これはリサイクルの手法によらず、焼却あるいは廃棄物発電に比較をすると、環境負荷あるいは資源負荷ともリサイクルの方が効果があるという結果が出されているものでございます。これについては引き続き検討していく必要があるだろうということが言われております。
 次に、24ページ、「5-3.分別収集の高度化」についてでございますが、基本方針などの変更あるいは強化が言われているところでございます。
 25ページ、「5-4.地域連携モデル事業」についても提言を受けまして、20年度、21年度、22年度にかけて、それぞれ2年計画で行いますので、ここに書いてある8地域で実施しているところでございます。
 26ページですが、環境配慮設計については、2つほど上げております。プラスチックと紙の部分を従来糊付けしていたものを剥がしやすいようにした事例や、ポリ容器を取り出しやすいデザインにしているという事例でございます。
 27ページ、「5-6.高度な製品展開のための技術開発」でございます。材料リサイクル手法についての多用途化の技術開発について、20年度の補正予算で対応した事例を書いてございます。これは今後実施をしていくものでございます。
 28ページ、「5-7.再商品化製品の利用拡大」ですが、グリーン購入法の基本方針を改定いたしまして、リサイクルしたものを優先的に購入すべきということを入れているもの事例でございます。
 以上、駆け足でございましたが、これまでの現状についてでございます。
 それから、それに関連するものとして、最後に簡単に、参考資料について説明申し上げます。
 参考資料1は前回のとりまとめそのものでございます。
 参考資料2は、環境省で研究会を設置して、容器包装リサイクルのフローの透明化等に関する検討会を立ち上げたものでございます。これはまた検討中でございますが、後ほど環境省のほうから補足説明があるかと思いますけれど、消費者にとって透明性を高めていくことが大事であろうという観点で議論をいただいているものでございます。
 参考資料3ですが、混合回収というものについての動向でございます。混合回収というのは何かといいますと、容器包装以外の製品プラスチックについても同様にリサイクルを進めていくという観点で、混合してリサイクルできないかという動きでございまして、1.に書いてありますように、8%の自治体が混合収集をしているということですが、住民からは混合で集めて、自治体で容器包装部分だけを分別して容リ協会に引き渡すということであります。それが8%ぐらいあるということですが、その残りの製品についてリサイクルをしているかどうかというのは、数字がまだないようでありまして、港区などを除くと、ほとんどが焼却処理をしているのではないかなと思います。
 構造改革特区の提案の中で、名古屋市からは、製品についても、燃やすのではなくて、CO2削減という観点からリサイクルに回したいということの提案がございまして、ただ、同じリサイクルをするのにわざわざ分別するコストを払う必要はないだろうということで、混合収集の提案というものがございました。
 そのうち、費用負担については、容器包装部分については容器包装の特定事業者、その他の製品部分については自治体で負担をしますという提案でございました。これは継続的に実態をみながら検討をしていこうということになっておりまして、その1つのあらわれとして、「2.」に書いてありますように、これも先ほどの補正予算と同様のもので対応していますが、名古屋市の協力を得て3,000世帯で2カ月間、実際に混合回収で集めた上で、材料リサイクルの手法として本当に適当であるかという実態の検証をするということを今後行っていこうという状況になっているところでございます。
 それから、参考資料4につきましては、先ほど少々申し上げましたが、昨年の8月に環境省から発表された追加的なLCA分析の発表文でございます。
 参考資料5は、その前に容リ協会で行われたLCA分析の概略版でございます。
 参考資料6は、そもそもの産業構造審議会のリサイクル小委員会の資料の抜粋でございますが、平成11年当時にどういう議論があったかという、今回の件に関連する部分の抜粋でございます。
 以上でございます。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 続けて、環境省から補足的な説明をお願いしたいと思います。

○上田リサイクル推進室長  2点、報告させていただきます。
 参考資料2で、透明化等に関する検討会についてという項目がございましたが、これにつきましては、次の議題で今後の検討の進め方というものがありますけれど、その中の検討事項の1つとして、適正かつ安定的なリサイクルの確保という事項にも関係してくると考えております。
 参考資料2の1ページの裏に今後のスケジュールとして書いておりますが、今年の夏までに中間とりまとめを行う予定で、スケジュールもこちらの合同会合と歩調をとるような形になっております。できるだけ早く検討会の結果についてはとりまとめをし、随時、こちらの合同会合のほうに報告をさせていただきたいと思っております。
 もう1点は、参考資料3の「プラスチックの混合回収について」ですが、この点については名古屋市の特区提案をもとに経済産業省などとともに対応を考えておりましたけれど、プラスチック容器包装以外のプラスチックのリサイクルという点については、この場で議論するというよりも、別の場で、審議会になるのか否かを含めて議論していくことが適当であろうということで、現在、経済産業省と調整中であるということを申し添えておきます。
 以上でございます。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 それでは、ただ今説明のありました話につきまして、ご意見やご質問等をお受けしたいと思います。先ほどルールのお話がありましたが、名札を立てていただくとマイク等が回るかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○小阪委員  先ほどご説明いただきました、現在の品質基準だけで多様な再商品化手法のバランスのとれた組み合わせを確保することが困難になったというのは、そのとおりだと思います。ただし、考え方によっては、その品質基準を満足する事業者の方が増えたということは、歓迎すべきことでもあるように思います。それは品質基準の目的の一つが、結局、材料リサイクルにおいてプラスチック製品の原材料に代替するという優れた資源性のある再商品化製品をつくるということが目的であったように思います。
 そういう認識を持てば、これは次の検討の方向付けとも関連しますが、今回、品質基準を定めたことによって、その目的に対してどこまで近づいたのかといったことが議論できるのではないかと考えます。私の認識では、そのどこまで近づいたというのは、前回、まとめに書いてあります材料リサイクル優先の理由づけとなりました、材料リサイクルというのが白色トレイに準じた効率的なリサイクルが期待できるということだと思うのです。
 では、今回の品質基準を定めたことによって、その期待に対してどれだけ近づいたのかというとらえ方をすべきではないかでしょうか。そして、今回、優先基準の枠組みを議論することになっていますが、それを議論したことによってどれだけ近づくのかという展開になっていくのではないかと思います。

○永田座長  ありがとうございました。ごもっともなご意見です。
 ほかにいかがでしょうか。

○花澤委員  私は、前回も、平成19年2月から5月末までの議論に参加させていただきましたけれど、私どもは特定事業者のうちの食品製造業の関係の団体ですので、そういう立場からご意見申し上げたいのですが、参考資料5にもついている平成19年6月の容リ協会のプラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等検討委員会というところで19年の議論をしているときに、同時並行的に調査をしていただいていたわけですが、我々として一番残念だったのは、最終の7回が5月末日で、この検討委員会の報告の中間とりまとめをご報告いただいて、それをもとに審議せざるを得なかったという状況がございます。
 その後、この検討委員会の報告が実際に出たということでございますので、平成19年6月28日のとりまとめの参考資料1の紙においても、3ページの最後の項目で書いてございますように、「再商品化製品の資源代替効果及び再商品化に伴う環境負荷に関する検討を行ったところ、現状では、対象とした手法に関して、特定の手法の優位性を示すには至らなかった」と、こういう結論を経てこの19年の報告書ができているわけでございまして、私どもの理解ですと、この容リ協会がなさった、合同会合の委員でもいらっしゃる石川委員、森口委員、平尾委員が加わってなさったこの検討会の報告について、私がざっと素人目にみると、例えば5~6ページの表などをみますと、材料リサイクルに比べて他のケミカルリサイクルのところがそれぞれすぐれているところも、資源削減効果等の面でも環境負荷の面でもかなりすぐれているという絵にみえるわけです。
 それで、我々の理解は、これは私だけでなく、食品製造業の多くの関係者がそのように理解しているのですが、去年の8月には環境省のさらに調査結果が出ていますけれど、この辺は私どもの理解が誤っているのかどうか、そのあたりのことをご説明願えればと思っております。

○永田座長  わかりました。それでは、今、環境省から答えていただけますか。

○上田リサイクル推進室長  私のほうからお答えさせていただきます。もし不足の点がありましたら、当時の委員ということで、森口委員他から補足をいただければと思います。
 平成19年のときに容リ協会で出した報告につきましては、そのときのそれぞれの手法ごとの比較ということでしたが、今回の資料3でも、平成19年6月の合同会議のとりまとめでも言及していますが、材料リサイクルについて、将来、より効率的になる可能性があるということですので、現状はいかなる状態かというのは一つ大切な要素でありますが、削減の将来的にわたっての可能性、ポテンシャルというものも見ていくべきであろうということで、環境省のほうで引き続きこの後に研究を続けております。昨年の夏に第1回目ということで発表させていただいたものも、削減可能性についても触れて検討したところでございまして、19年6月の結果のみで判断というのはまだ難しいのではと考えております。

○永田座長  森口委員から何かありますか。

○森口委員  容リ協会の委員会委員、そしてその後、19年度に、環境省で行った参考資料4についております検討会につきましては座長を務めさせていただきました森口でございます。
 総論としては、今、環境省からご説明があったとおりで、容リ協会の委員会の結論にせよ、あるいは環境省の研究会の結論にせよ、現時点でどの再商品化手法がすぐれているということの結論はできないというのが結論でございます。
 それは、この話は検討の範囲を超えるかもしれませんが、私自身考えるところが一つありまして、再商品化という言葉は、先ほど経産省からもご説明がありましたとおり、有価で売れるものにするというわけですが、その後どう使われるか、再商品化製品の利用事業というところまで考えませんとリサイクルというのは完結しないわけです。そのため、特に材料リサイクルによって再商品化されたものがどのように使われているのかということに関しての実態が十分にわからない。これは参考資料2にありました透明化ということと表裏一体なわけですが、また、ビジネスとしての競争上の理由でそれらの部分が我々としても十分にわからないというところがありまして、様々な仮定を置きながらやっております。
 そのような中で、参考資料4にございますように、材料リサイクルにおいてもこういう使い方が技術的には可能なのではないかという仮定を置きますと、容リ協会の委員会で行ったものに比べて、リサイクル手法間の差異というのは縮まってくる。あるいは、CO2の削減量という点でみれば、こちらの手法がいい、あちらの手法がいいということが出てくるわけですが、それ以外の、例えば石油資源の消費量というものでみた場合には、その手法間で逆転をするといったことも出てまいります。そういったことについて、まだまだ議論が必要であろうということが1つでございます。
 もう1つは、座長から冒頭に「共創」という言葉が出まして、私は早とちりをして「競争」のほうかと思ったのですが、そうではないということで、LCAを競い争うために使うというのも1つの方法かもしれませんけれど、共に創り上げていくためにどこに改善点があるのかということを見出すということにもぜひ使っていただきたいなと思っております。これは前回、平成19年6月のとりまとめの時点でも申し上げたことでございますが、LCAは、ある仮定を置けばこういう数字になるということでありますので、すべてのリサイクル手法、再商品化手法についていえることだと思いますが、まだまだ改善の余地があるということでご理解をいただければと思っております。

○永田座長  よろしいでしょうか。まだありますか。では、どうぞ。

○花澤委員  今の森口先生のご説明で理解はできましたけれど、なぜこういう質問をしたかというと、マテリアルリサイクル優先というのが、我々としてなかなか腑に落ちる根拠がないままに、また今回の会合でも多様な手法のバランスをとるという議論になっていくわけなので、我々の立場からいうと、このマテリアルリサイクル優先に議論が特化し過ぎているのではないかと考えております。先ほど永田座長もおっしゃったように、まさに「共創」という考えのもと、皆でそれぞれ良い方向にもっていくのであれば、これからの審議の過程でどのような議論になるかということでありますが、このマテリアルリサイクル優先をしたがために、21年度の入札もかなり偏ったことが生じ、調整率なるものをお使いになったのだろうと思います。他のケミカルリサイクルの手法についても、それぞれ技術革新もございますし、様々な利点もございますので、そういったものも残すためにも、あまり特定のところに偏った運用をなさるのはいかがかという趣旨で申し上げたところでございます。

○永田座長  ごもっともな話なので、そういう意味では、何が合理的な方法論なのだろうということはどんどん意見をいっていただいて結構だと思いますので。

○近藤委員  新日鉄の近藤でございます。今回、ポートフォリオの設定というのが非常に大きい命題のようになっているところについては、ぜひそこのところを審議、決定していっていただければと思っております。そこは今回の期待の部分なのですが、これは、例えばご説明のあった5ページの平成19年、20年、21年のマテリアル優先に対する調整、あるいは15ページのグラフに示されていますように、平成17年、18年、19年、20年、21年という材料リサイクルの爆発的な伸長というものに対して、運営サイドとしては非常にご苦労されながら、どうにか50%ぐらいで育てていこうということだったと思います。
 実際、我々は200自治体ぐらいの再商品化を毎年やっており、我々のケミカルのパフォーマンスが高いということであれば、そういうものを自治体が希望しているのになぜ継続できないのか、優先の材料リサイクルが来ると、なぜそこに引き渡さなければいけないのかということの質問が多々ありまして、合理的な説明ができない。あるいは、市民の皆さんからも同じような問い合わせが行われておりまして、私どもの感覚からすると、この制度を維持する上で必要な条件が欠落してきているのではないかと、非常に危機感をもっております。
 ちなみに、今年の入札では、ケミカルリサイクル2社が辞退するということになっております。私どもにつきましては、昨年と同等の数量を確保することができましたが、このような非常に不安定な、あるいはアンバランスという現実を我々民間の事業者サイドからみると、辞退せざるを得ないのかなというところであります。理想と現実のギャップに苦しんでおられる制度側の運営というのはよくわかるのですが、理想の範囲と現実で合理的に運用していくという範囲を明確に示していただくことが、今回、非常に大きい命題だと思いますので、よろしくお願いします。
 またヒアリング等がありますので、パフォーマンスについてはその都度ご説明させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

○永田座長  わかりました。お話の内容が、これから説明してその後議論していただく今後の検討の進め方にもかかわってきていると思います。今の時点では、事実関係などを中心に発言していただけると助かります。
 では、織委員。

○織委員  将来の話になってしまいますが、最初から私はこの委員会での議論を拝聴させていただいていたのですけれど、マテリアルリサイクル優先制度において、実際に残渣が多く、品質が低下している中で、どうしていこうかという議論を経て、ケミカルリサイクルとのベストバランスを考えていこうというところで、1年間様子をみてみようということになったと思うのです。
 そして、今回提示された資料をみていったときに、何がベストバランスかというのはみえにくいと思うのです。先ほど森口先生もおっしゃっていたように、逆にいうと、マテリアルリサイクルの限界って何なのだろうかという部分が重要だと思うのです。まさにそれは、フローのところに関わってくる部分で、別の委員会は立ち上げているのですが、リサイクルされて何になるのか、環境負荷が少ないものになり、有効なものになっているのかというあたりのところについて、調整基準等のそういった細かい技術的なものより、もっと大きく市民としてはとらえていきたいのだと思います。マテリアルリサイクルを行っていることに本当に意味があるのか。その限界をケミカルリサイクルで補っていけるというフローがこの政策の委員会の中で見えてくるのかというところが、分かりにくいのではと思っています。
 調整や品質基準といった細かい部分については様々な所作で変わってくると思うのですが、もう少し全体の中で大きな流れがみえるように議論していければいいと思います。
 それから、先ほど永田先生が「共創」とおっしゃいましたが、私もまさに「共創」だと思うのですが、そうすると、市民の分別の高度化というところが一つのポイントになってくると思います。それはまさしくマテリアルリサイクルに回るのかケミカルリサイクルに回るのかで、どこまで分別の高度化を求めていくのかというところにもかかわってきます。一方で、私は環境省の3R広報で昨年実験をやらせていただいて、アンケートをさせていただいたときに、圧倒的に市民の方から多かったのが、なぜプラスチックを容器で分けなければならないのかというお話でした。それこそ洗面器やまな板と同じように素材で分けないのですか、容器って一体何ですかという素朴な疑問がここで出てきました。
 そうすると、分別の高度化においても、先ほど実証実験が走っているといわれましたが、一方で、素材ごとに分けていくということもこの議論の中では見ていかなければいけないのかなと考えております。
 もう1点は、ラベルの問題だと思います。プラスチックの場合、プラマークが何を意味しているのかということが、手法との絡みで市民にとってはわかりにくいということですね。
 もう1点は、どこまできれいにすればいいのかということです。マテリアルリサイクルの時に、さっと洗ってきれいにするというレベルが自治体ごとにばらばらになっており、これが市民の高度化に非常に弊害になっている。
この辺は、素材メーカーの方からの情報提供やあるいは手法との絡みも出てきますので、今後、議論をしていくときに、この現状を踏まえながら議論していっていただければと思います。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 それでは、横越委員。

○横越委員  特定事業者の推進協議会としては、先ほど「共創」がありましたけれど、連携と協働というキーワードで活動をしています。一方で民間の企業の中では、「競争と協調」というものがないと様々な技術が上がっていかないと思っています。食品の包装を扱っておりますが、食品というのは、第一優先されるのは安全で、その次に、商売でやっておりますので経済性というものが大事ですし、それから環境。この安全と経済性と環境の3つを協調させて、何が一番いいのかということが議論されているのだと思うのですが、私も初めてこの会に参加させていただいたときに、何を根拠にマテリアルリサイクル優先になっているかが明確になっていないのではないかと思います。
 そこで、今後、いろいろな研究も含めてぜひ明確にしていっていただきたいと思います。温暖化も含めて環境なのか、経済なのか。ケミカルリサイクルというものも手法として認められていますけれど、残渣の処理でやっていらっしゃるように、サーマルリサイクルというのも経済的には有効な手法ではないか。分別に幾らかかっているのかとか、LCAという手法で今いろいろ研究されていると思いますが、総合的にみて皆が一番楽で安くて安全な方法を探っていただきたいと思います。
また、先ほど、材料リサイクル優先というところで、単価が下がっているというご説明がありましたが、見方によっては、高どまりで、これから実は材料リサイクルについては高い単価のままでとまっていくのではないかという懸念をしております。ですから、やはり他の手法を入れていくべきではないかと私は思います。お願いします。

○永田座長  はい、わかりました。
 時間が大分経過していますので、手短にお願いできるとありがたいと思います。
 では、本田委員、どうぞ。

○本田委員  LCAの報告で、まだどちらの手法がすぐれているか明確ではないということで、まだ研究途中かと思うのですけれど、マテリアルの中でも最近新たに参入した事業者には、単体ペレット化など新たな動きもありますし、高度な製品をつくっているところもあります。そういったところの評価を加えていただければ、マテリアルの中でもかなり差が出てくるのではないかと思いますので、そのあたりの分析をしていただきたいと思います。
 それからLCAの中で、マテリアルリサイクルによる再商品化製品を使った製品がその後埋め立てられたりとか、焼却されたりとかという、そのシナリオのところも、繰り返し利用とか、マテリアルならではの循環型のところも折り込んでいただきたいと思います。
 それから、残渣のことですけれど、20年度から単純焼却が全面禁止になっていますので、そのあたりでサーマルリサイクルしている点も踏まえて改善の余地などを検討していただければと思います。
 制度については、後ほどまた述べさせていただきたいと思います。

○永田座長  ありがとうございました。
 では、佐々木委員。

○佐々木委員  プラスチックの分別を始めるときには、市民といかにうまくやっていくかということがキーワードですので、市民にきちんと説明ができるということでやっていかなければならない。そういう意味で、市町村の意向が反映する仕組み作りをずっと要望してまいりました。
 そのような中で、モデル事業で手法を選べるということが今取り組まれて、それが拡大したということは評価をしたいと思います。入札で決定しますから、全ての意向を100%かなえるということは難しいとは思いますが、例えば、ある首都圏の自治体がマテリアルリサイクルでスタートしたら、翌年にケミカルになってしまったと。その逆もあるわけです。そうすると、急にケミカルになったら市民に説明の手法を変えなければいけない。そのようなこともあるため、ぜひその辺のご配慮を今後も拡大していただければと思います。
 それから、今少しお話がありましたが、残渣の処理ですけれど、私ども自治体は住民に対して、マテリアルリサイクルで「これは残渣ですよ」と説明をしたら、もう信頼関係は成り立ちません。「ごみを集めているんですか」ということになるわけです。この残渣の処理ということも、単純埋立の禁止、単純焼却の禁止といったように様々な工夫がされてきまし。ぜひこの辺の制度設計をきちんとしていただければ、住民に対する説明が非常にしやすいのではないかと思います。
 もう一つ、特区の関係でございますが、資料にもありますけれど、課題が少なくないということで、今もお話がありましたが、素材別のリサイクル、役割分担、経費負担という議論が一方である中で、これはきちんと議論をしていただいて整理をしていただいて進めていただければと思います。別途、場をつくっていただけるということでございましたので、ぜひそちらのほうで十分議論していただければと思います。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 勝浦委員、どうぞ。

○勝浦委員  まず、材料リサイクルの落札価格の件ですが、資料の21ページにある表とグラフについて、あえて記載しなかったのかわかりませんが、材料リサイクルを両方足してみますと、平成20年度は7万3,000円ぐらいの平均価格になるのですが、今年度は優先枠が非常に増えたため、優先枠そのものの価格は下がりましたが、価格が高い方のウエイトが非常に高くなったということで、結果的には7万7,000円になります。材料リサイクルそのものを全部足しますと4,300円ぐらい高くなっているという実態がございます。
 これは各優先枠に一律に0.77を掛けたということで、ほとんど競争がない状態になってしまったために、材料リサイクル優先のところは非常に高値でとどまってしまっているという結果だと思います。この制度を設計する上では、座長のおっしゃる「共創」も大事ですが、もう一つ別の「競争」状態をうまく残すという設計にしないと、システム全体が高どまりになってしまうと考えられます。そして、それは特定事業者の負担になりますので、ぜひその辺は配慮いただきたいと思います。
 それから、先ほどLCAの話がありましたが、確かにLCAというのはなかなか結論は出しにくいとは思いますが、いつまでたっても「まだわかりません」ということでやるのではなく、例えば、同じマテリアルリサイクルでもリサイクルを何回行うかで随分変わりますので、最終的にこのリサイクルはここまで行うのだからLCA的にも非常に良いということはわかるわけです。「マテリアルリサイクルは優先だ」で「ケミカルリサイクルは優先ではない」ということではなく、LCAの分析に基づいて、「このマテリアルリサイクルは非常にいいから優先する」、「これはマテリアルリサイクルとはいっても、環境負荷も低くなく、経済的にもさほどメリットはないから、これは優先ではない」というように、メリハリをつけて進めていくべきであると思います。マテリアルリサイクルであれば全ていい、悪いという議論では、もう立ち行かなくなっていると感じます。その辺はぜひご検討いただきたいと思います。

○永田座長  はい、わかりました。この検討会においてというよりも、LCAの検討というのは続けて行われるわけですので、その中で反映させていただきたいと思います。
 では、前半のご発言の最後にさせていただきますが、辰巳委員、どうぞ。

○辰巳委員  まず、市民からすれば、マテリアルリサイクルが優先されているというのに明確な理由が欲しいと思うのです。優先されている事業者の方たちにはコストも高く支払われるわけであり、それはひいては消費者が購入する容器包装の費用にもかかってくるのではないかと考えますので、やはり明確な理由が欲しくなります。
 それから、入札の際は、品質の違いがあるとしても、一定の品質をクリアしていればあとは金額だけで入札されます。何ゆえにマテリアルリサイクルが優先されたかというのは、過去に白色トレイが繰り返し使われたということですので、私たちにとって見えてわかりやすい。消費者が分別して出すのに協力を得るためには、そのようにわかりやすく、トレースが出来るようなものであるべきだというところからスタートしているわけです。もちろん「透明化検討会」の方で検討しておりますけれど、わかりにくいとか、あるいはマテリアルリサイクルに技術的な意味での差があるとかというところが、まだ反映されにくいのではないかなという気がしております。
 基本は、化石資源が足りなくなってきている中で、どのように有効に利用するべきかと考えることだと思います。私たちが排出をきちんと行えば、良い品質のマテリアルリサイクルが行われるのもわかってはいるのですが、これに関しましてはどちらが先かという話になります。つまり、きちんとトレースされて品質の良いものになるということがわかれば分別も適切に行われると考えられますし、また、適切に分別されれば品質のいいものができると、そのような話になるのではないかと思っています。
 もう一つ、排出する側の意識として、参考資料3のプラスチックの混合回収というのは非常に関心があります。これは今後の話かもしれませんが、私たちからしてみると、こちらの方向のほうがわかりやすいという気がしております。つまり、クリーニングの袋は対象外とか、同じような包装材であっても、洗面器は対象外と言われればわからなくはないのですが、家庭で出すラップは対象外だが、スーパーでついてくるラップは対象だというわかりづらいことを言われるよりは、この方向性というのはいいと思っております。ぜひ今の実証実験においていい成果を出していただきたいと思います。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 いろいろご意見を頂戴しました。
 この後、資料4を説明していただいた後、またご意見も頂戴しますし、今後の進め方ということで、今頂いたようなご意見を少し整理させていただきながら進めさせていただければと思っております。
 それでは、次に、2番目の議題でございます。事務局より説明をお願いします。

○横山リサイクル推進課長  それでは、2番目の議題ですが、資料4の「今後の検討の進め方(案)」について説明させていただきます。
 検討事項と検討スケジュールについてでございますが、まず、検討事項としては大きく4つの項目がございます。
 まず、バランスのとれた組み合わせの在り方ということについて、トレーサビリティのさらなる拡充、品質性能基準に関する度合いについて、その優先度合いをどのように決めていくかということ、あるいは、先ほどポートフォリオというご発言もありましたが、優先的取り扱いというものについての市町村の申し込み量の一定割合とすることについての妥当性といった検討事項が1つ目の項目でございます。
 2つ目の項目は、材料リサイクルの質の向上に関することです。これは前回のとりまとめの際も、中長期的に取り組むべき課題として上げられている点の繰り返しでございますが、質の向上のための技術開発、また、製造段階からの環境配慮設計として、分別しやすいようにする、なるべくリサイクルしやすいように単一素材化する、あるいは先ほどからご議論に出ているように表示問題、そういった製造段階からどういう取り組みができるかということ。あるいは、分別の仕方の問題などを2つ目の論点として上げております。
 3つ目の論点は、不適正行為に対する措置の強化、契約の方法、上限価格というものを先程ご紹介しましたが、それの在り方などが3点目としてあると考えております。
 4点目は、その他として、市町村によって焼却がなされている廃プラスチックは、容器包装でもまだ分別されていないものもございますし、先ほどお話にありましたように、容リ法の対象としていないようないわゆる製品部分についてのリサイクルをどう考えていくか。それから、環境負荷の分析として、環境負荷と資源負荷の2つについて、LCA分析ということを引き続き行っていくべきではないかという点です。
 以上のような4つを検討事項として上げておりますが、もちろんそのほかにもあろうかと思います。
 これは非常に多岐にわたるもので、相互に関連をすると思うのですが、スケジュールの感覚でいいますと、ここでの提案は2段階に分けてはどうかと考えております。22年度入札の実施ということを考えると、6月あるいは7月ごろまでに22年度入札へ反映する事項を中心にまずご議論をいただいて、一つのとりまとめをその段階で行い、それは22年度入札、今年の年末に入札をする制度で、これは説明会や制度の設計まで含めると遅くとも夏ごろまでには結論が出ていないと反映させられませんので、それをとりあえずまとめていただきたいなと考えております。
 その後に、中長期的な取り組みも含めてご議論をいただきたいと思います。
 そして、次回、そしてその次の回は、関係者からのヒアリングということで、材料リサイクル、ケミカルリサイクル、それぞれの立場からのご意見を伺うということをした上で、論点整理をして、その中間的なとりまとめを6月か7月頃に行うことを考えております。そして、以降、必要に応じてということで、中長期的な課題について継続的にご議論いただきたいなというスケジュールの提案でございます。

○永田座長  これからまたこれに対してご意見をちょうだいするわけですが、先ほどの議論を伺っていても、時間的な問題、長期的な問題と分けたほうがいいでしょうか。
広がりをもった話をいろいろご指摘いただいたわけで、私としましては、そういう話も一緒に議論していただいて結構だなと思っています。ただ、この検討スケジュールに書いてございますように、22年度の入札は、行政サイドとしては決まった日程で対応していかなければいけないということになりますので、そこに当たっては、ここに書いたような6月にある程度まとまるような状況をつくっていただければありがたいと思っております。その後に「必要に応じ」と書いてありますが、本日の議論を聞いていますと、これは「必要に応じ」どころではなく、結局、やらなければいけなそうな雰囲気があります。
 それから、先ほども議論している中でありましたが、制度の中では個別にいい悪いとかと判断するような場面もありますが、できれば制度設計などでも、いいものが選ばれたり、あるいは良くなるように努力するような方向性が大切なので、そういうことを誘発するような制度設計がなされるべきだと考えております。あるいは、容リ法の中で法改正というのは少しまだ先のようですが、そういう手当てをしていくことをこれからも考えていただいたほうがいいかなと思っています。特にLCAの使い方などは、そこで断定的に使うものではないと思っています。それはある程度の判断材料にはなるかもしれませんが、決断を下すのは皆さん方だと思いますので、余りLCAに過度の期待をもたれると森口委員も困ることになるかなと思います。
 そういう状況を考えていただきながら、今後の進め方についてご意見を賜ればなと思っております。またご発言下さい。
 では、上山委員、どうぞ。

○上山委員  継続審議のほうのテーマになるかもわかりませんが、第1回目ですから、基本的な課題設計についての意見を申し上げておきたいと思います。
 一言申し上げたいのは、この制度が社会により受け入れられるためにどういう制度設計をすべきかという観点に多大なるフォーカスを当てるべきだということで、キーワードとしては、社会のモニタリングという機能がより作用するような形の制度設計にすべきだというのが結論です。
 例えば、リサイクル商品の利活用という観点で現状をみてみると、大半が繊維製品、あるいは車の内装品といったように比較的消費者に最終製品としてみえにくい構成比が余りにも高過ぎます。そのため、消費者がコモディティグッズとして目に触れられる製品が今は確か2%程度しかないと思います。圧倒的なボリュームで最終製品に消費者が接するというシーンを数多くつくるという政策は要ると思います。
 そうなると、話は少し飛びますが、私は企業会計原則が変わると思っていまして、企業が評価されるのはPLとかBSだけではなく、カーボン資産とかカーボン債務をバランスシートに計上していく方向で社会が企業を評価するようになっていくべきだと思いますし、なると思っています。
 そういう観点で、例えば、私どもは小売業ですけれど、小売業もメーカーも、コスト構造の変革をして、そういったものを吸収した上で最終製品にこのリサイクルというものをもっと使って、最終消費者に対して情報発信をする必要があると考えます。それに対して消費者が様々なリアクションをしてくると思います。そこを評価して、マスメディア等も社会に喧伝していくという、そういう良循環をこの制度設計上とっていくべきだということを強く思います。
 リサイクル商品のコスト構造は今のままでは、この2%というものに限っていいますと、そんなに増える構造にはなっていないわけです。ですから、そこに政策の誘導が一つ要るだろうと思いますし、消費者はそれに対して反応してくるというところにもっとスポットを当ててほしいという意味での政策誘導をお願いしたいと思います。消費者にとって「見える化」政策をもっと選択肢を増やしていく形の制度設計を6月までも論議していただきたいし、継続も論議していただきたいと思います。

○永田座長  ありがとうございました。
 では、大垣委員、どうぞ。

○大垣委員  我々、ケミカル事業者としましても、多様な再商品化手法のバランスというのは非常に重要だと考えております。しかし、今、議論がなされており、資料にもありますが、優先されるべき割合の具体的な数値をとにかく出していただきたいというのが本音でございまして、ぜひともこの検討会で、少なくとも6月までに数値化をしていただきたいと思います。ただ、その数値の意味合いまで議論しますと、これは本来ならば資源代替性とか二酸化炭素削減効果とか、いわゆるLCAなどを踏まえて評価していかなければいけないのですが、これをやっていると、恐らく6月にとりまとめというのは不可能だと思っております。
 したがいまして、一つの視点としましては、再商品化の数量そのものは増えておるにもかかわらず、残渣量が増えている、それから二酸化炭素の削減効果も、これも定量化が非常に難しいところはありますが、単純な評価をしてしまえば、再商品化の量が増えるに従って二酸化炭素の削減効果も減っているという事態も、計算によってはなされるわけです。これは何かといいますと、材料リサイクルのシェアが増えているに違いないわけです。したがいまして、現状のレベルを悪化させない程度に、先ほども申しましたように、この検討会で少なくとも数値化を行うというのを一つの視点としてやっていただきたいなと思います。
 もちろん、数値が今後永久的にその数値になるということはあり得ないと思いますので、それは適宜見直していけばよろしいのですが、とにかく具体的な数値を公表すること自体が意味のあることだと思っております。ぜひともこの6月までの検討会で数値の具体化をお願いしたいと考えております。

○永田座長  どうぞ、大塚委員。

○大塚委員  早稲田大学の大塚です。3点ございます。
 1つは、お伺いしておきたいことですけれど、資料3の11ページのところに、再商品化というものの定義の問題というのがあるのですが、今の資料4の関係ですと、検討事項の3つ目の項目の不適正行為等に対する措置の強化というところに関係すると思います。これ関してお伺いしたいのですが、再商品化については確かに容リ法に定義があるのですけれど、経済的・技術的に確実に製品として利用、あるいは原材料として利用または製品として再使用される状態ということは、必ずしも条文には明確になっていないようなところもございますが、「容リ協会について以下の措置を実施」と書いてありますけれど、これは法的にはどういう対応をしていることになるかをお伺いしたいと思います。
 お伺いすることの趣旨は、必ずしも十分な法的根拠がないのであれば、そこはもう少し明確にしたほうがいいのではないかということも含めてお伺いしたいということでございます。
 それから、検討事項についてですが、特に「製造事業者等におけるリサイクル配慮設計等の推進」のところで、表示につきましては、PPとPSと分けるなど、前からそういう議論はあるのですが、実際には難しいところがあるかと思いますけれど、ぜひそういう方向も検討していただきたいと思います。
 それから、最も重要な問題は、先ほどからご議論いただいている材料リサイクルについての品質性能基準を強化するのにとどめるのか、あるいは優先的取り扱いを市町村申し込み量の一定割合とすることにしてしまうのかというところだと思うのですが、この点について、私は、今は問題を指摘するにとどめ、これからぜひ議論をさせていただきたいと思っております。

○永田座長  それでは、1点目の話は環境省のほうからお願いしたいと思います。

○上田リサイクル推進室長  1点目は、環境省か経産省かどちらから説明しても同じなのですけれど、法律の条文の定義のところで、再商品化とは、分別基準適合物については、製品の原材料として利用するものに有償又は無償で譲渡し得る状態にすること、という定義があって、その解釈ということですが、結局、再商品化されペレットやフレークになっているものをそのまま渡したとしても、それが本当に有償で使えるものかどうかということが確認できないと、渡したときに実はそれは廃棄物と同等のものであったということであれば、この条文を満たしたことになりません。きちんと有償または無償で渡せるような状態であるということも確認をするという点については、環境省と経産省の連名で協会に対して通知をしたところでございます。
 それを受けて、協会で、事業者に対してそのような点を厳格に運用していくということを説明しているという流れになっております。

○大塚委員  それは構いませんが、無償で譲渡し得る状態にするということは、その後、経済的・技術的に確実に再使用されるということを含むと考えてよいかどうかという点を気にしているのですが、いかがでしょうか。

○上田リサイクル推進室長  条文上では、「原材料として利用する者に」という限定がかかっていますので、その時点でそのような状態になっていればよいと考えております。

○大塚委員  そうしますと、その後のところの、トレーサビリティとかという話がさっき出ていますが、そこまでは条文からは必ずしも読めない気もします。もちろん通知でそのように解釈されているということでいいのだと思うのですが、例えば、先程の資料3の11ページなどは、「容リ協会において措置を実施」という書き方がされているのですが、これはむしろ法律でやっているのだと、あるいは通知でやっているのだと明確にすべきではないかという印象を受けたということだけです。
 済みません、その程度でとどめますので。ありがとうございます。

○横山リサイクル推進課長  補足的に、環境省と同じなのですけれど、法律は確かに「無償で譲渡し得る状態にすること」と書いてあり、表面的な取引実態だけをみて、それを守っているから再商品化だということですと、その先に意図しているところが実際にされていないのではないかという疑義がありました。そこは確かに条文上明確に読めないところもあるので、意味を明確化するため、容リ協会に対する通達というか、両省の連名でお知らせをしました。
 それに基づいて、このような措置を講じていただきたいという以下のような事項もあわせて要請をしまして、そのとおりに実施をしていただいているということです。実態を見てみますと、それを逆に悪用しているようなところもある場合が見受けられるのではないかという声が上がりましたので、明確に、やや厳し目に運用しているということでございます。

○大塚委員  通知でということが明らかになれば結構です。ありがとうございました。

○永田座長  それでは、織委員、どうぞ。

○織委員  進め方ですけれど、まさに永田先生がおっしゃっていたように、今後、2つに大きく分けて進めていかれるといいと思っています。
 1つは、平成22年度入札のとりまとめに向けて論点を整理しなければいけないという、これはどちらかというと技術的でかなり細かく、現場も知らないとわからないという議論と、この委員会の中で皆さんで共有して確認しておきたい前提事項というのは、少し分けていただいた方がよろしいと思います。そうしない場合、22年度の議論の中になぜ優先なのかという話がまた入ってきてしまい、結局、錯綜してしまうと思います。
 できましたら、この委員の中で少なくとも共通の認識として、なぜマテリアルリサイクル優先をしていくのかという点と、マテリアルリサイクル優先をしながらも、その限界は何なのかというのを、LCA、最終製品、フローのあたりから少し論点を整理して、その限界を補う意味でのケミカルリサイクルの特性というのは何なのかという点の整理をしていただきたいと思います。どのようないいところがあり、どのような特性があるのかという論点整理をしていただきながら、もう1点の別の視点としては、市民の協力を得るための論点としてどういうものがあるのかというのが考えられると思います。
 先ほどからご意見が出ていますけれど、素材別の分別、ラベルの問題、最終製品がどうなるかという情報をどうしていくのかとか、洗浄をどこまでしていくのかというあたりを論点整理しながら、今後の議論によるところはあるかもしれませんが、皆さんの共通の認識としてある程度立っているところを整理する必要があると思います。それから、共通認識をある部分置きながら、平成22年度の実際の技術的な細かい話についてある程度草案をつくっていただきながら議論していただかないと、昨年度の議論と今年度の今回の議論というのは、結構同じことを皆さん言っていると思います。結局、それは皆さん納得していないからだと思うのです。そこを皆で確認して、少なくともこの合意でいこうとしない限り、また同じ議論になってしまうと思いますので、進め方としては、できましたらそういう形でいっていただきたいと思います。

○永田座長  昨年度はどうやったか、私は座長ではなかったのですが、後半の部分できちんと決着をつけていきますよということはお約束したいと思います。
 それから、今、織委員が言われたことを全部やっていくのは、全体の話になってしまう気がします。いろいろご議論のあったマテリアルサイクルの問題、その合理的な理由が何なのかという話は、議論していかないと、どのくらいの率でいくかという話にも直結する話ですし、市民の方に説明もできないということになっていくと思います。先ほどの限界の話については、この辺はきっと後半でされると思います。
 一方で、「限界って、果たしてあるのか」という議論もあると思います。そのあたりはいろいろな議論を進めさせていただければと思っております。
 では、これだけの人数の方ほとんど全員が発言されますので、それをあと20分ぐらいでやらなければいけないということで、皆様、済みませんが、時間配分を考えていただきたいと思います。

○小阪委員  今の材料リサイクルの限界ともかかわりますが、資料4の2つ目の項目の材料リサイクルの質の向上ということを議論する際に、今、材料リサイクルが優先の根拠となっている白色トレイのリサイクルと比べて一体どうなのか、今後一体どこまで進展するのか、白色トレイのリサイクルにどこまで近づくのかという議論が必要だと思います。
その乖離が非常に大きければ、その他プラスチックを対象にした材料リサイクルというのが、白色トレイのリサイクルに匹敵するようなリサイクルができるのかという議論にもつながっていくと思います。それが1点です。
 次に、検討のスケジュールですが、もちろん平成22年度の入札の制度について議論するというのは重要ですけれど、それだけ議論しようとするとなかなかまとまらないのではないかと考えます。あくまでもあるべき姿ということで、前回のとりまとめに書いてありました資源の有効利用、そして環境負荷低減ということを踏まえた効率的・効果的なリサイクルをベースにして、それをあるべき姿として認識して、では、来年度どういうふうにするか、段階的、現実的、そして実現可能な議論にする必要があるのではないかと思います。少なくとも、あるべき姿は認識する必要があるのではないかと思います。

○永田座長  わかりました。それは先ほど申し上げたとおりで、基本路線はきちんと認識しておかないと、横道へそれたり、また戻ったり、議論のほうでも発散してしまうことになると思いますので、それはちゃんとやらせてもらいます。
 では、近藤委員、どうぞ。

○近藤委員  1点目は、先ほどから座長がおっしゃっている合理的な理由の中に、優先の目標設定ということになろうかと思いますので、目標設定として、数字で出していくという視点も重要ではないかなと思います。
 それから、不適正行為等に対する措置の強化というのは、11ページで随分出ているようですけれど、具体的に何が起こったのかというのがわからないので、具体的に何が起こっているかということ、通知を出した内容を開示していただけると、わかりやすいのではないかと思います。
 それから、入札価格については、上限価格と落札価格という関係があると思うので、上限価格のあり方の中に、結果がどうだったのかということをもう少し具体的な数字で示していただけると、皆さんの議論が進むと思います。それに加えて、優先と非優先の価格差の実態も付記していただけると、上限価格のあり方の議論が進むと思います。
 以上、3点をよろしくお願いします。

○永田座長  今いただいたご意見ですが、1番目はこれまで続いてきた話の延長線であると思います。2番目の話については、いつのタイミングでお示しするかということはありますが、聞いている話ですと、21年度入札からもう既に組み込んで対応したものもあり、一方でまだこれからという対応もあるようですので、その議論もまたさせていただきます。次回はヒアリングになっていますけれど、その時間がうまくとれれば、次回あたりにでも出させていただきたいと思います。
 それでは、佐々木さん、どうぞ。

○佐々木委員  トレーサビリティの件について、いろいろ議論をしてきているのですが、6月までに基本的にできることがたくさんあると思いますので、整理をしていただいて、できることは実施していただきたいと思います。それがベースになって、入札制度や契約などになるのではないかなと思います。特に一部の委員から指摘されている高どまりについて、仲間で入札するから結果的に高いところに落札価格がとまってしまうということもやはり問題ではないかと思います。
 それから、整理がつかないものについては、きちんと議論をして、できれば次の容リ法の改正の目出しなどができれば一番いいと思っております。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 どうぞ、辰巳委員。

○辰巳委員  先ほども申したように、優先の条件をはっきりしてほしいという点に関連して、残渣が半分ぐらい出ているというお話で、残渣とマテリアルの材料が再利用されたときの品質のよさとは裏腹だと思っております。品質のいいものをつくっているところはもしかして残渣が多いのではないかと。ですから、今後、6月までのところで、材料リサイクルの業者の線引きというのをしなければいけないのではないかと思いますが、先ほどの残渣の比率なのか、素材がリサイクルされたものの品質で線を引くのか、その辺をもう少し詰めるべきではないかなと思っております。それは残渣でみることが可能かもしれないしと、少し考えましたが、今後検討していただければと思います。

○永田座長  そういうデータも欲しいということにもなりますか。

○辰巳委員  はい。

○横山リサイクル推進課長  その点についてだけ少し申し上げます。今の点と、先ほどの白色トレイとの比較というところとも関連しますが、なかなか難しいのは、リサイクルの手法そのものの問題なのか、あるいはどういう分別でどういうベールが来るかという問題なのかという点があります。残渣や白色トレイとの比較においても、どれだけ分別されて来るかということが影響を受けます。これは自治体によって、分別の実態はかなり違うということもあり、それはマテリアルリサイクル手法そのものの特性に基づく残渣率とか、あるいは白色トレイと比較した場合のものというのは、なかなか出しにくい点がかなりきいてくると考えます。それは、前段階の分別収集の実態のところが響いてくるということをご認識いただければなと思います。

○永田座長  よろしいでしょうか。
 では、濱委員、どうぞ。

○濱委員  先ほど永田先生のから言っていただきましたよりいいものを伸ばす制度設計という、そういう観点で検討のほうを進めていただけたらと思いますし、先ほど辰巳委員からありました残渣の問題につきましても、ヒアリングの場でそういう機会があれば、実態について、現状もお示ししたいとは思っています。
 本来、我々が材料リサイクルに取り組み始めたのは、その材料リサイクルが優先であるということによって取り組んできているわけで、材料リサイクルが優先でなければ、絶対に出来ませんでした。
 きちんとした材料に利用できるようなものをつくるには、費用、コストは当然かかるわけであり、容リ法にもそういった意味合いで材料リサイクルを前提としたもので仕組み、制度設計ができていると我々は理解しております。当初つくられた時点で、そのような内容で、永田先生も国会の場でお話もされておりますし、我々もそのような部分を含めて、リサイクルに取り組んできているわけであります。すべての事業者、または排出者、または利用事業者についても、再生品を利用する義務が課され、リサイクルについてうまく回り、仕組みとして機能すれば、循環型社会に向かっていく、だから、これは絶対必要なのだと。そういう意見を皆さん一様におっしゃっておりました。
 そういう意味合いから、我々も、使えるものにする必要があります。ここにきょう出席しておられる平野委員らが先にそういう材料について取り組みを始められて、ちゃんとした使えるものにできるということを実証していただきまして、また、同様に我々もそれに賛同して参画したという経緯がございます。
 もう1点、先ほど上山委員がおっしゃいましたけれど、つい最近、ある量販店のバイヤーの方とお話しする機会がございました。我々は幾らいいものをつくって、使ってくださいということを提案しても、実際にユーザーや小売店と直接接するわけではないです。そういうところの声をどのように反映していくかという提案をしにいきました。
 先般の透明化委員会の折に、環境省のほうから、一般のこういった年代、こういった層はリサイクル製品に対してこういう認識をもっているというアンケート結果を出されました。それをもって、こういう年代層、こういう人たちはリサイクル製品に対してこういうニーズをもっているので、一緒にこういう製品を企画・開発しませんかということを提案しにいったわけですが、現実は、バイヤーの方は、売れるものでないと、そんなものは採用しません。今までリサイクル材を使って製品をつくっていたのですが、昨今ではこういうバージン価格が下がってきて、リサイクル材からバージン材に切りかえるという決定を下したと、そういう回答もございました。
 その辺全体の仕組みとして、リサイクル材を利用できる仕組みを考えていただきたいと思っています。

○永田座長  ちょっとコメントさせていただければ、こうした取り組みが、先ほどのように容リ法が始まってからでももう10数年たっているわけですよね。当時の市民の人たちの環境意識の変遷みたいなものがここまで来て、またそれなりの高さをもってきた。それから、技術の進歩とかいろいろなことも起こった、社会システムも変わった。
 そういう中で、マテリアルリサイクル優先の話について、改めてきちんとそれを整理していかないとだめなんじゃないかなという気はしています。昔こうだったからという議論ではきっと通らないというのが今日のお話だったという気がします。
 どうぞ、早川委員。

○早川委員  私ども市町村がリサイクルの入り口の最前線にいるわけですが、これからの議論の中で、分別収集のあり方、廃プラスチックのリサイクル、こういったことが議題になってきますが、恥ずかしい話ですけれど、私ども大阪の池田市は、経常収支比率という比率が101.7%です。100円の収入に対して102円支出しているという状況の中で、ごみ処理・廃棄物の処理に関しましても経常的な支出になります。これから分別リサイクルが重要であるということは重々わかっておりますが、分別の拡大、リサイクルの拡大に手を広げていく財政的な余裕がないという部分を、この議論の一つの前提としてご認識をいただきたいと思っております。
 今年の秋から拠出金制度の運用が始まると思いますが、このことに関しましても、各自治体は興味をもって、どのようになるのか注視しております。ただ、制度の中身がわからないという自治体も結構あるようですので、この拠出金制度をできるだけ早く明確にしていくということと、今後の検討の中で、この拠出金制度についても一度検証する機会をもっていただきたいと思っております。

○永田座長  はい、わかりました。
 平尾委員、どうぞ。

○平尾委員  今後の進め方について少しだけ意見を述べさせていただきたいと思います。
 1つは、今後、リサイクルの事業者の方からご意見をいただくと思いますが、マテリアルリサイクルで結果として何になったのかというところをしっかりご説明いただきたいということです。これはLCAをするという意味でもありますし、先ほどの共創の中に参加している市民がちゃんと理解するという意味でも、両方の面で非常に大切だと思います。今後の制度設計をする上でも大切な点だと思いますので、再商品化の言葉でいうペレットというところにとどまらず、何になったのかをぜひしっかりご説明いただけるような報告をいただきたいと思います。
 それから、先ほどご説明がありましたが、地域連携モデルについては、昨年度開始したばかりで、まだそれほど状況が明らかではないと思いますが、今回の今後の検討事項の中をみますと、例えば市町村の中の一定割合という議論もということと、あるいは、今、早川委員などからご意見があったようなことから、住民や自治体の参加の仕方において非常に大事なポイントだと思います。今日のご報告だと「地域連携モデル事業をやりました」という程度だったので、せめて1年の結果だけでもいいので、どんな工夫があったのか、例えば、参加された自治体の方のご意見を聞ける機会などをいただけるとありがたいなと思います。

○永田座長  はい、わかりました。それは整理して、次回にお話しさせていただきたいと思います。
 では、本田委員、どうぞ。

○本田委員  座長のおっしゃっている「共創」というのを非常に考えておりまして、昨年度、0.3の塩素濃度を超えると非優先になる制度について、様々な意見があったと思いますが、それによりまして非常に多くの材料リサイクル事業者の方が設備投資してそれに備えて、結果的にそれがクリアになって、優先をある程度保ったのですけれど、その結果、保ち過ぎたということもあり、全員、査定されたことによって、材料リサイクルの経営環境というのは非常に悪化しているという実態を一つ認識していただきたいと思います。
 また、再商品化委託料についても下がってきているという効果もあります。今後、この検討会で議論していただきたいのは、材料リサイクルを完全否定するのではなくて、どういう方向を目指すべきかということをぜひ議論していただきたいと思います。私が考えている一つは高度化ということで、コストを下げるためには、高度な製品をつくって高く売れないと、委託費も低くとれないということもありますので、高度化を目指すべく支援策がどういうものがあるのかということで、27ページにありますような補助事業で用途開発をやっていただくとか、28ページにありますようなPPバンドのような製品をグリーン購入で使っていただくとか、そういう制度設計を含めた検討を行っていただきたいと思います。
 それから、材料リサイクルを高度化するためには、いいベールをいただかないと高度化が難しいということがあります。自治体の中では、非常に汚いベールから、住民の方が丁寧に洗って出していただけるところまで、非常に多様なベールがありますので、できましたら、今、容リ協会でベールの品質検査をやっていますので、それをもう少し細かく評価を分けていただいて、材料リサイクルに向くベールとそうでないベールを分けて、できれば材料リサイクルがいい品質のベールを落札できるような制度、そして、ケミカルリサイクルがそれ以外のものを落札できる、そういうすみ分けをできる制度をすることによって、トータルな社会コストが下がっていくのではないかと考えております。
 先ほど池田市の方もおっしゃったように、自治体の方もかなりいいベールをつくるためにはコストがかかりますので、今、自治体が負担しているお金もいいベールをつくったところは安くするとか、何らかの自治体のインセンティブも含めて検討していただきたいと思います。
 また、材料リサイクルは非常に能力も大きいわけですから、塩素だけの基準ではなく、多面な評価制度を設けて評価して、いい材料リサイクルは量を多く落札できるような制度設計なども含めて検討していただきたいと思います。
 もう1点申し上げたいのは、自治体の申請量と実際に出てくる量のギャップがありまして、当社も昨年実績は、入札した量に対して88%しか実際には入ってきませんでした。そのような状況では、事業計画上非常に大きな痛手になりますし、銀行への説明も難しくなってきます。自治体の申請する量も毎年乖離がありますので、少し工夫して、少なめに申請するようなことも検討していただければと思います。

○永田座長  では、森口委員、どうぞ。

○森口委員  まず、検討の進め方につきましては、織委員がおっしゃったとおりで、短期的に議論すべきことと、法改正もにらみながら中長期的に議論することの2つに分けていただきたいと思います。
 2点目は、既に多くの委員がおっしゃったことですが、再商品化の後どうなっているのかをマテリアル、ケミカルリサイクルを問わずしっかり追いかけていただきたい。それによって、LCAによってどれだけの効果があるのかについて、よりきちんとした答えが出ると思っております。それとともに、マテリアル対ケミカルということではなく、マテリアルの中でも千差万別ですし、ケミカルも手法によって随分違うわけです。そこまで単純化した議論ではないと思っておりますので、その点もぜひお願いしたいと思います。
 最後に、もう1点申し上げたいことは、これはほかの委員もおっしゃったことなのですが、リサイクルの輪を回すためには、再商品化した後どうなっているか、その出口をしっかり確保していかなければいけない。大塚委員がおっしゃった法解釈の問題でいえば、再商品化というのはここまでしか今の法律は決めていないということかもしれませんが、分別収集をやっておられる自治体、あるいは分別に協力しておられる市民の立場からいえば、容器包装リサイクル法と呼んでいるわけで、リサイクルとは一体どんなものなのかというイメージについて、現状はそれを十分満たしていないのではないかと思います。
 リサイクルの輪を閉じるためには、特定事業者の方も含めて、再商品化製品の利用拡大に取り組んでいただく必要があるかと思います。その他プラとペットボトルは明らかに違いますが、ペットボトルでは特定事業者の方が積極的にそのようなところにも取り組んできておられる。その他プラについてはまだかなり意識のギャップがあるように感じておりますので、ぜひ用途拡大ということでもいろいろな方々──利害関係者ではなくて、さっき永田先生がおっしゃった「共創」というところへご参加いただきたいと思いますので、そのような点についても長期的にはご議論いただきたいと思います。

○永田座長  では、八木さん、どうぞ。

○八木委員  明円工業の八木でございます。資料4の検討事項に沿って、ちょっと意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、バランスのとれた手法の組み合わせの在り方についてですが、私が考える限り、4つ選択肢があるだろうと思います。
 1つ目は、今年度実施された調整率を全体の能力に対してかけるというやり方です。
 2つ目は、割合設定ということで、材料リサイクル何十%、ケミカルリサイクル何十%と最初に割合を決めて、その中で競争させるというやり方があると思います。
 3つ目は、カスケード利用と呼ばれるもので、まず材料リサイクルを優先して、その材料リサイクルから出た残渣をケミカルリサイクルもしくはサーマルリサイクルで使うという2段階入札的な発想で、前段が材料リサイクル優先ということになりますので、競争が働くことを前提としたそのようなやり方があるのかなと思います。
 4つ目は、市町村の選択ということで、市町村がケミカルリサイクルあるいは材料リサイクルを選ぶという方法があるのかと思います。
 この4つには全部一長一短があると思っていまして、それぞれの方法を実施したらこういう結果になるというシミュレーションを含めてこの検討会で進めていくのが現実的な話になると思います。
 それから、次の材料リサイクルの質の向上ということですが、先ほど織委員からは材料リサイクルの限界というお話がありましたが、現状で限界に到達しているかというと、私はとてもそうは思っておりません。もっといい材料リサイクルのペレットというのは技術的にも十分可能なのではないかなと思っていますが、現状では必ずしもそうはなっていないと思います。
 例えば、プラスチックを手選別できれいに取っていくと、ものすごく質の良いペレットができます。ところが、これをある程度コストを下げるために自動化してやろうとすると、どうしても品質が下がってくるという関係があります。なぜこのようなことになるかと申しますと、その原因はある程度はっきりわかっていまして、容リプラの中に成形時に低温でガス化する物質が含まれているからです。これをリサイクル事業者のもとで除こうとすると、やはりコストがかかってきて収率も落ちるという関係がどうしてもあり、これを上流側である程度除く制度にしていただきたい。これは前回の検討会でも申し上げたことですが、そのようにやっていけば、材料リサイクルの環境負荷、LCAの分析などもかなり影響があると思います。
 それから、材料リサイクルの限界というところでいえば、今はPEとPPを中心としたリサイクルですが、PSも容リプラの中に15~20%ぐらい入っていまして、しかも、これは製造の段階にかなりエネルギーを使っていて、それをリサイクルした場合のリサイクル効果というのは大きく数字が出ます。これも将来的に使ったらどうかと思います。当然コストもみていかなければいけないのですけれど、そういう意味での材料リサイクルの限界と可能性というのはまだ議論の余地はあると思います。
 それから、適正かつ安定的なリサイクルの確保についてですが、現状では容リ協会がかなり厳しく抜き打ち検査などをされていると思いますけれど、抜き打ち検査だけというのは限界があるという感じがします。特に製品を利用する立場のほうは、私たちリサイクル業者からみるとお客さんになるわけで、そのお客さんに対して抜き打ち検査を強化するというのは苦しくて、商売上、あまりできないということがあります。適正に利用されているという確認はもちろん大事だと思いますが、その確認のやり方というのは、もう少しいろいろあると思います。これについては透明化検討会のほうで議論されている内容であると承知しております。
 それから、最後に、その他の環境負荷分析ということで、参考資料4の6ページを見ていただきたいのですが、例えば、資料中、四角の枠で囲まれている「コークス炉化学原料化」は、前回、容リ協会が出された内容で、枠のないものが今回新しく出された数字ですが、左から2番目の「コークス炉化学原料化(システム境界拡張・全電源平均)」と、左から7番目の「リターナブルパレット(対樹脂)20kg」というリサイクル効果の数字を比較すると、この表だけではリターナブルパレットのほうがリサイクル効果が高くなっているという数字がみてとれます。このように条件を変えていくことによって数字が変わってきますので、この際に全部の可能性を考慮して評価したのかという点もみていく必要があると思います。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 資料4の下のところにスケジュール(案)が書かれております。次回はヒアリングということで、再商品化の最近の情報などもいろいろお話しいただけるチャンスが出てくるかと思います。
 それから、6月にとりまとめる内容だけではなく、その先の中長期的な話やもう少し広がりをもった話などもしていただいて結構です。ここでは、主体的には先ほどから話が出ている材料やケミカルリサイクルそれぞれの事業者の方からお話をいただくことになると思います。
 そして、5月に論点整理、6月にとりまとめとなっておりますが、ここが1回で済むか少し自信がありませんが、もう1回ぐらい行わないと今日の話では無理ではないかという気もしております。目標としましては、6月中にとりまとめて、そしてパブリックコメントにかけるという方向で考えておりますので、よろしくお願いします。
 それから、その上の検討スケジュールについては、皆さんからいただいたご意見の中ではご反対される方はいらっしゃらなかったと承知しております。平成22年度分を決めるに当たっても、原則論の部分を話し合わなければいけないというのは当然のことですので、そのような形で進めさせていただければと思います。
 それでは、本日の審議はこのあたりにさせていただきます。
 配付資料の公開等につきまして事務局から説明をお願いします。

○横山リサイクル推進課長  本日の配付資料につきましては、冒頭にご説明申し上げましたとおり、すべて公開することにしたいと思っております。また、記名の議事録及び無記名の議事要旨についても、会議終了後、速やかに作成をし、公開することにしたいと思っております。

○永田座長  よろしいでしょうか。
 それでは、ご了承いただいたということで、そのようにさせていただきます。
 今後のスケジュール等についての説明をお願いします。

○横山リサイクル推進課長  本日は熱心なご議論をどうもありがとうございました。次回の開催は4月24日金曜日の午前を予定してございます。また、次々回は4月28日火曜日の午後を予定してございます。次回及び次々回は事業者の委員の方々からのプラスチック製容器包装の再商品化に係る現状等についてのご説明をいただきたいと思っております。ご説明いただく委員の方には、別途ご相談させていただきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 なお、開催場所等、詳細につきましては決まり次第ご案内申し上げます。よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に、経済産業省大臣官房審議官の西本並びに環境省廃棄物・リサイクル対策部長の谷津から、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。

○西本大臣官房審議官  経済産業省の西本でございます。本日は、ご多忙の中、永田座長初め委員の皆様方には大変ご活発な意見交換をしていただきまして、誠にありがとうございます。御礼申し上げます。
 このプラスチック製容器包装につきましては、平成12年度より容リ法の対象になって以降、かなりリサイクルが進んでおり、これを受けて一般廃棄物の最終処分の量も減っております。それに対応して最終処分地の残余年数も改善してきているということでございまして、それは日本が世界に誇れるリサイクルを推進している国だと自信をもっていいのではないかと思いますが、これも消費者の皆様方のご理解と事業者の方々のご協力と問題意識の高さ、そして自治体の皆様の大変なご努力、この3者の大変な努力のたまものであると思っております。改めて感謝申し上げたいと思います。
 ただ、今、この委員会でご議論がございましたように、様々なことが課題としてあると改めて思ったわけでございまして、こういった課題について一つ一つ解決の道筋をつくりながら、国民世論の形成も含めて、着実に前に進めていくことが大事であると思っております。
 2年前にとりまとめられました以降の状況を踏まえまして、今ご議論いただいたような様々な論点につきまして、これからしっかりとした議論をして、それを踏まえて次の施策に反映させていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。

○谷津廃棄物・リサイクル対策部長  環境省の谷津でございます。もう時間も過ぎておりますので、一言だけ御礼を申し上げます。
 きょうは、お忙しいところありがとうございました。このプラスチック製容器包装のリサイクルは非常に関係者が多いという特徴がございます。皆様方のご協力でこれが成り立っているという点で、まずは御礼を申し上げたいと思います。
 今日、さまざまな論点をお出しいただきまして、大変ありがとうございました。ひとまず6月を目途にまとめ、来年の入札に反映というところを一つの節目とし、また、中長期的な観点から制度に関しますご議論も引き続きお願いしたいと思っております。環境省・経産省が連携してこの事務局の円滑な運営に努めたいと思っておりますので、ご審議のほどをよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○永田座長  どうもありがとうございました。
 それでは、今日は活発なご議論をいただきまして、また、貴重なご助言を賜りまして、ありがとうございました。これで終了とさせていただきます。次回もよろしくお願い申し上げます。

─了─