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中央環境審議会国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会(第4回)議事録


平成18年1月30日 午前10時00分開会

○企画課長補佐 失礼いたします。それでは、定刻となりましたので、ただいまから第4回中央環境審議会国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会を開催させていただければと思います。
  委員の皆様方におかれましては本日大変お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
  事務局から委員の出席の状況をご報告させていただきます。
  本日、現時点で7名の委員の方、あと1名の代理出席の方にご出席いただいております。細田委員と崎田委員は少しおくれるということでございます。また、小早川委員が座席には入っておりますがインフルエンザのためきょうは急遽ご欠席ということでございます。
  このほか、本日は経済産業省よりキムラ管理官がオブザーバーとしてご参加いただいておるところでございます。
  また、本日の配付資料でございますが、議題の下に配付資料一覧がございます。確認させていただきます。まず、資料1といたしまして、「循環資源の国際的な移動に関する考え方と今後の取組」、資料2といたしまして、国際循環資源専門委員会報告案の骨子。参考資料1といたしまして、「中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会委員名簿」、参考資料2といたしまして、「世界の廃棄物発生量の推定と将来予測に関する研究」、これは委員長の方からのご提案でございます。
  もし配付漏れ等がございましたら、申しわけございませんが、お申しつけいただければと思います。
  また、冒頭より田中専門委員長から岡山大学による世界の廃棄物発生量予測等につきましてご説明いただくこととさせていただいております。
  それでは、以降の進行につきましては、田中委員長、よろしくお願いいたします。

○田中委員長 皆さん、おはようございます。前回の関連で世界の廃棄物発生量の予測について簡単に説明させていただきます。
  これは資源の消費のバロメーターとして廃棄物が見られているということで、資源の保全のために廃棄物のサイドから取り組まなくてはならないと、こういうことです。
  資源の消費の最後のツケとしては廃棄物が発生していると、こういう関係ですね。
  これはよく見られるマテリアルフローですね。資源を輸入し、国内資源を使って活動し、その結果として廃棄物が出る。廃棄物を再生利用して資源の消費を抑制する。そもそも廃棄物が発生しないような社会構造にしていかなくてはならない。
  それで、研究の背景ですけれども、廃棄物そのものが全体像、マクロ的なビューが必要だということで、現在どのくらい出ているか、そして将来はどうかということを予測しようというものです。
  やってみるとなかなかデータがそもそも国によってない、それから言葉の定義が日本とは違うといったような問題がございます。
  そうはいっても世界でざっとどれぐらいになるのか、何百億トンなのか、将来はそれがリサイクルの促進等、リデュース、リユースといっているけれども、どうなるのかということを見てみようということです。
  ということで、2000年の世界ではどれくらい発生しているか。そして、その後それぞれの国においてどのくらい出るのか、アジアからはどうかということで、日本はどういうふうに世界の廃棄物の問題の貢献、あるいは資源の保全に貢献できるかということで、マクロ的に見てみようというものです。
  基本的には廃棄物は人口によって大きく左右される、人がいるからだということと。それから、経済活動で、それのバロメーターとしてはGDPということでみようということです。
  推定の方法、マクロ的なビューでみます。一般廃棄物と産業廃棄物が出ておりますけれども、一般廃棄物の発生量というのは一人当たりの発生原単位と人口を掛けてそして予測しようということで。人口とかGDPというのは国際的な機関がかなり調査していますので、それをやり直すということはむだがあるので活用しております。それから、産業廃棄物についてはそれぞれの国のGDPが予測されていますのでそれを活用しようということで、一廃も産廃もGDP、そして人口、これは基本のデータです。
  今まであるデータを見てみますと、GDPが高くなれば廃棄物の原単位がふえると、これは一般的な傾向ですので、これを分析して見ているものです。
  そうすると、相対的に非常に廃棄物を出すグループですね、これはアメリカとかオーストラリア、アイルランド、ハンガリー、こういったグループはGDPの割には多く出す。それから次を見ましょうか。それから、中間ですね、それからもう1つは比較的低いということで、そのロージェネレーションというのが日本、スウェーデン、ルクセンブルグ、ニュージーランド、こういった国はGDPが高いんだけれども、一人当たりの廃棄物の発生量は比較的低いということです。
  そんなことでこういうデータを世界の国を3つのグループに分けて、そして人口とGDPが予測されていますので、それを活用したと。
  それから、産業廃棄物の発生量を既存のアベイラブルなデータを見てみますと、それぞれの国のGDPと比例しています。これも同じように比較的高い、低い、それからそれ以外の中間とこういうことで3つのグループに分けております。これは産業構造の違いによって人口は少ないんだけれども、比較的廃棄物を出すところとそうでないところがあります。
  有害廃棄物も見ましたけれども、ほとんど定義が違うのでデータの解析には使えないですね。有害廃棄物はそれぞれ国は言ってますけれども、定義が違いますので、こんな状況です。
  予測ですけれども、基本的には人口は国連の人口、ポピュレーションデビジョンが詳細なデータを出していますのでそれを活用する。GDPについてはワールドバンクが発行しているGDPの将来予測はそれぞれの国にありますので、それを活用する。
  世界の2000年の総発生量は127億トンと、ざっとした数字ですけれども、出ています。そのうち25%がアジアですね。アジアから25%が出ているということで、総廃棄物、一廃も産廃も含めたもののアジアの貢献、寄与率ですね、これは25%。ヨーロッパが24%。こんな状況です。
  そのうち一般廃棄物は16億トンで全体の5割ぐらいがアジアから排出されているということで、生活に伴うというのは人口に非常に比例して、人口が集中しているアジアから半分は出ていると。
  こういう廃棄物がどのように処理されているかということで、2000年の時点でレベル1というのはオープンダンピングですね、空き地に捨てるということで。レベル2というのは少なくとも覆土だけはしているという、外国でいうサンタリランドヒル。それから、レベル3は浸出液対策もしているということで。そうすると、オープンダンピングしているうちの7割はアジアの廃棄物だと。ですから、レベル低い、これを向上しなくちゃならない、それをターゲットとするのはアジアを中心にして改善しないと地球全体の廃棄物の改善にはならないということを示しています。
  アジアの廃棄物の発生量という点では人口の多いチャイナ、それからインド、インドネシアというふうに寄与率はこのようになっています。
  このディスポーザルレベルというのはGDPが上がっていけば適正処理レベルというのですか、オープンダンピングはサンタリランドヒル変わり、サンタリランドヒルは高度な埋立処理に変わっていくということで。レベル1というのが一人当たりのGDPが4,000ドル/1年以下であればレベル1、4,000ドルを超えていくとレベル2でサンタリランドヒルになると。1万ドルを超えると浸出液の対策ができるということで、遮水シート、浸出液処理施設を設けると、こういうふうになります。それぞれの国は経済的な条件の中では最善を尽くして適正な処理をやっていると、こういう評価ですけれども。GDPが上がらないと処理レベルも上がっていかないということがわかります。
  それから、将来予測ですけれども、50年後の2050年にどうなるかということで、同じようにGDPと人口を使って予測したものです。人口は60億が大体94億人ぐらいになりますけれども、5割強ですけれども、廃棄物の方は270億トンということで約2倍、2倍強になります。これは人口は5割だけれども、GDPが一人当たりがずっと上がっていくということで、排出原単位がふえていくので廃棄物、これだけ出るということはそれだけ資源が消費されるということを意味しますので、資源保全をねらいにしているリサイクルあるいはリユースもこのまま放置しておけばこういう状況になるので、何らかの手を打って廃棄物の発生抑制あるいは資源の消費の抑制に。
  こういうふうに廃棄物の発生はふえるんですが、アジアからの割合が2000年が25%と言いましたけれども、50年後には3分の1になる。4分の1が3分の1になる、32%はアジアからの廃棄物だと。これはトータルですけれども。それで、一般廃棄物では5割超えた廃棄物がアジアから発生します。
  それで、世界の廃棄物処理レベルはというと、50年たってもそんなに改善されないということです。それで、そのときにレベル1、オープンダンピングをやっている64%はアジアでの廃棄物、30%はアフリカでの廃棄物。ということで、まだまだGDPがそんなに上がらないレベルに移行するようなレベルにならないということから、今までの経験則からいえば大半の廃棄物はまだオープンダンピングが続けられるのではないか、このように予測されます。
  以上、廃棄物の発生の2000年の推定と、それからずっと年度ごとのデータがあるんですけれども、50年後のデータ、それから処理のレベル、このように1つ1つの国がどれくらい経年的にふえていくかというのが予測推定しております。
  以上で私の方、時間とって申しわけありませんでした。
  このように世界の廃棄物発生量はここ50年に急激に増加するので、国際的な取組が必要だということの裏づけのデータに使っていただければと思います。
  それでは、議事に入らさせていただきます。議事の1は事務局から循環資源の国際的な移動に対する考え方と今後の取組について、議事2では、事務局から、国際資源循環専門委員会報告書骨子(案)についてご説明いただくこととしています。これらの説明の後に質問とご議論をいただきたい思います。
  まず、議題1、循環資源の国際的な移動に対する考え方と今後の取組について、事務局より説明をお願いします。

○企画課長補佐 資料1、循環資源の国際的な移動に対する考え方と今後の取組ということで、横長の資料をごらんいただければと思います。
  まず、目次でございますが、今回の資料は、循環資源の国際的な移動、これが増加しておりますが、こういう国際的な移動に対する考え方をまず整理いたしまして、それとともにそういった中で国際的に循環型社会をつくっていくための今後の具体的な取組、これについての考え方なりどういうものが挙げられるのかといったものを整理させていただいております。また、この案でございますが、当然ではございますが、いろいろご議論いただければと思っております。
  まず最初の循環資源の国際的な移動に対する考え方でございますが、まず国際循環型社会へのアプローチということでございます。まず、循環資源の国際的な移動には以下のような問題があるのではないかということでございます。まず、地球環境全体、いわば地球益といったような観点からの問題と、また我が国の国益、国内政策の観点からの問題と、こういったものが2つございますということでございます。その相互のバランスをとりながら対応をとっていくことが重要ではなかろうかということでございます。
  まず、途上国等での不適性な処理が技術を伴わないために環境汚染の恐れ、もしくは有用な資源が十分に利用されないといったようなことになるのではないかということでございます。
  一方で、国際政策の観点からは、有用な資源が国外へ流出してしまうと、また以前ありました臭いものにふた的な発想が再燃してしまうということがあるのではないか。我が国の廃棄物リサイクルシステム、これは第1回、第2回でご議論いただいたところでございますが、ここをつくり上げてきたのには並々ならない努力がいったわけでございまして、こういった中で国際リサイクル産業、こういったものの維持強化、リサイクルシステムというものが図れなくなのではないかということでございます。
  こういった取組に対応いたしまして、途上国等で適正な処理能力を向上させていくということが国際移動させていくためには大前提ではないかということでございます。
  一方、そもそも循環資源が大量に移動すること、これ自体が不法輸出入を誘発するなどの問題が生じるのではないか。また、一方で、我が国の国内で見ても貿易政策全体の動向との整合性、こういったものもとる必要があるのではないか。こういうことを考えながら不法な輸出入の防止に向けた取組、こういったものを充実させていくということが重要ではないかということでございます。
  また、人件費等のコスト、循環資源の需要等の条件によっては我が国よりもリサイクルができるような、国外でリサイクルできるようなものがあるのではないかということ。もしくは、途上国によっては適正処理が困難なものが我が国では高度な技術によって処理やリサイクルができる場合があるのではないか。
  こういった状況のある一方で、廃棄物等の処理が海外に依存してしまうと不測の事態が発生して、こういった場合にいざとなっては対応できないというような状況が出てしまうと困るのではないか。また、我が国の環境保全型の経済社会、こういったものをつくっていくための問題もあるのではないかということでございます。こういった状況を踏まえながら循環資源の国際的な移動、こういったことを検討していくことが重要ではないか。
  また、資源リサイクルの観点だけではなくて、地球温暖化、こういったようなほかの分野も環境分野も視野に入れて環境負荷を全体で下げていくというような視点も重要になるのではないかということございます。こういう地球益の問題や国益の問題、こういったものをバランスを図りながら対応を図っていくということが重要ではないかということでございます。
  こういったことを踏まえますと、できるだけ多くの循環資源をできるだけ効率的、効果的に循環のサイクルに乗せる、こういうことが一言でいうと問題になるのではないかということでございます。
  我が国としては高度な廃棄物処理のリサイクル技術、こういったものを発展していただいているところでございます。また、法制度や社会システムづくり、こういった面の技術も合わせまして、両方とも技術や制度づくりといったようなことを軸にやってきたところでございますので、こういったものをもとに各国に貢献していくべきではないか。また、その技術の発展や移転を促す環境や教育、こういったものも重要になってくるのではないかということでございます。
  1ページめくっていただいてよろしいでしょうか。次に、基本的な考え方でございますが、循環資源は環境上適正な処理が確保される限り、今までもございます国内処理の原則や近接性の原則、これを踏まえましてできるだけ近接地、特に国内で処理することが大前提となるのではないかということでございます。そのためにも、各国国内での廃棄物処理能力の向上やリサイクル対策の充実、こういったことを図っていくことが重要になるのではないか。
  一方で、循環資源の国際的な移動には、環境保全の観点からは、有害廃棄物等による環境汚染の拡大の危険、こういったものがある。また、その発生国では実施不可能な利用・処分を通じた適正処理の確保と資源有効活用の促進と、その両面があるのではないかということでございます。
  こちらの左下に整理させていただいておりますが、国内処理等に関する国内法の原則や国際法の原則ということでございますが。廃棄物等はその有害性及び無価性といったようなものを有しているものが多くて、これは長距離の移動によって環境汚染の蓋然性が高まる、有害物が漏れたりとかそういうものもある。また、NIMBYというような観点からも有害なものは特定の地域に集中してしまうというようなおそれもある。また、国内処理の徹底を進めていくことは環境負荷の内部化によって廃棄物の発生抑制といったようなものがインセンティブになるのではないかということもあるということで、まず発生国で処理することが重要になるのではないかということでございます。
  一方で、適正な循環資源の移動を確保するためということでございますが、その循環資源の国際移動においては汚染性の問題から輸出先において発生国と同水準以上の廃棄物処理水準が担保されていることが必要ではないか。こういった汚染性を低減していくような要件ということでございます。こういった要件を満たして国際的な移動が認められる場合についても、資源性の観点からより効率的、効果的なリサイクル能力等を有している国で処理が行われることだ望ましいのではないかということでございます。
  こういった考え方を基本的に踏まえまして、国内消費の原則を踏まえながら循環資源の国際移動が行われる際には、そのものの移動ごとに自国と同水準以上の適正な処理が行われるかどうかということを見ていくことが重要ではないかということでございます。発生国A国といたしまして、B、C、Dと3つの移動の可能性を見ているわけでございますが、まず、汚染の防止ということが大前提になりますので、その際には汚染リスクといったようなもの、廃棄物の移動に伴う環境汚染の可能性や廃棄物の適正処理の技術、施設の水準、また廃棄物に関する制度もしくは運用状況、こういったものをちゃんと把握いたしまして、1国単位で一律にとらえることも難しいこともございますので、循環資源の性質や処理業者、処理施設の能力、そういったケースごとに的確に把握してより汚染のリスクが下がるような移動に限って認めていくということではないかということでございます。
  また、その移動するに当たっての資源を的確に移動していくという要素もどうして出てきます。こちらも非常に重要な要素でございますので、こちらがリサイクル技術等を評価して、できる限りリサイクルが進められるような、こういった観点が重要ではないかということでございます。
  次の5ページでございます。こういった考え方を踏まえまして、原則を踏まえまして基本的に循環型社会を国際的に形成していくための基本的な方針というものはどういうものがあるのかなということで、とりあえず提案させていただいているものでございます。
  まず、各国の国内処理能力の向上というのは重要ということでございますので、まず第1の視点といたしまして、国内の取組の充実、アジア各国国内ということですが。国内の取組の充実・強化を通じたアジア全体での環境負荷を低減していく、ここが1つ大きな方針なのではないか。その際に我が国の経験等においても適切な役割分担を踏まえて関係主体が積極的に参加していただくと、こういったような全体で取組を推進していくということが重要な視点になるのではないかということでございます。
  また、次に、適正な越境移動管理といったようなものも重要になります。国際的な移動に当たってもこれが適正に行われることが重要になります。その観点からは確実に環境汚染の拡大を防止するための国際システムを構築していくということでございます。
  また、続きまして、国際システムを構築するとともに、それは国際的な連携に基づいて、整合的・一体的に取組を進めていく。それぞれの国々がばらばらにシステムを構築していってもなかなか効率性が悪うございますので、国際的な連携に基づいて整合のとれた一体的な対応をしていくという視点が重要ではないかということでございます。
  また、国内外の取組の情勢への的確な対応ということでございまして。循環資源をめぐる情勢は日々刻々と変化しております。新たな技術の発展もございますでしょうし、または市況によって有価であったものが無価になったりだとか、いろいろ柔軟な対応が必要でございます。こういったことでございますので、その情勢の変化に応じて循環、柔軟、的確な対応をしていくということが重要であろうということでございます。
  続きまして、総論[2]でございますが、こういった施策を実施するに当たっての留意事項ということになります。ただ、我が国の施策を実施するに当たって、こういう基本方針、先ほど述べさせていただきました基本方針に基づいて施策を推進するに当たって、さまざまな留意すべき事項があるのではないかということでございます。その中の例えば途上国のニーズ、途上国でも環境汚染や産業振興といった両者のニーズがございます。こういったものをちゃんと踏まえながら参画を得ていくということが重要ではないかと。
  一方で、我が国全体の貿易政策の動向、WTO、EPAといったようなものを推進しておりますが、その中での環境保全、廃棄物の利用といったようなものも位置づけていくべきではないか。また、稀少資源の積極的な確保。有害物の中には、ここにもございますインジウムのように途上国では適正に処理ができないというようなもの、一方で経済的な価値は非常に多いといったようなものもございますので、こういったものは積極的に確保していくといったこともあるのではないか。
  また、国内のリサイクルシステムの維持強化、これに影響がないようにということも重要な視点になるのではないか。以前にもご議論いただきましたが、ペットtoペットのような技術がせっかく確保しても、ものがどんどん流出してしまうと技術自体が維持できなくなるということもございますので、こういった国内システムへの影響も重要な要素になるのではないか。
  また、ほかの環境分野との相乗効果ということでございます。ここにありますワイヤーの野焼き、こういったものはCO2の観点からも非常によくない。不適性な処分であると。こういったものも踏まえまして、ほかの環境分野にも大きな影響があるよということを踏まえまして、ほかの環境分野も視野に入れて対応を図っていくということではないかということでございます。
  続きまして、具体的な考慮事項を踏まえまして、廃棄物の性格ごとに応じて当然対応は変わってくるのではないかということでございます。左の図の上に、循環資源等の輸出入量、現在の実態と、それを踏まえて有害性と無価性の2つの軸で循環資源を区分したものが出ております。こういった有害性や無価性に基づいて今制度がつくられておるものでございますけれども、こういったものを踏まえながら性質に応じて対応を図っていくことが重要ではないかということでございます。
  まずは、特に環境汚染の観点からも負荷が高い有害物でございます。有害物についてはバーゼル条約等の仕組みが整備されておりますけれども、これについてはまず環境汚染を誘発する可能性が非常に大きいということもございますので、国内処理が基本ではないかということでございます。
  一方でアジア全体の環境負荷を低減するに当たって、ほかの国では処理できないといったようなもの、そういったものを稀少資源の確保の観点から我が国で受け入れていく、こういったこともあるのではないかということでございます。
  次、左下にございます無価物でございます。これは無価物については廃棄物処理法等に基づいて制度が運営されておりますが。これも環境汚染を誘発する可能性は非常に大きいと。また、環境汚染以外にも生活環境上の支障といったようなものも含めますと、非常に国内処理が基本になるのではないかということでございます。
  さらに、生産構造の変化等から輸出することが望ましいと、具体的にはCRTカレットのようなものもあるのではないかという提案もございました。こういったことも踏まえまして、適正処理が担保されることを前提に、現在も行っておりますが輸出ということも考えられるのではないかということでございます。
  次に、有価で無害なものでございます。ここには今制度がございません。特に規制をしていくということではないんだとは思いますけれども、稀少資源の確保や国内の処理システムの維持強化といったような観点から現状把握を的確に行って、確実に適正処理が行われるようなことも重要ではないかと。
  これに関連いたしまして、循環資源ではないんですが、中古品というようなものがございます。これは有価で無害なものと非常に密接に絡むものもございますし、有害物と絡むものもございます。こういったものの有害性に着目いたしまして汚染の拡大を防止するために、中古偽装の物品、こういったものへの対策を推進するということが重要ではないか。
  また一方で、再生品というような新品と同様の安全性の耐久性を持つというものがございます。こういったものの考え方を整理していくことも重要になるのではないか。
  ただ、こういった再生品や中古品の貿易障壁を制限するというような議論があり得るわけでございますけれども、こういった場合には途上国のニーズの点からはなかなか受け入れがたいというような議論もあると思いますので、こういったことも十分に考慮して対応を進めていくことが重要ではないかということでございます。
  また、これらを通じてましてほかの環境分野との相乗効果、こういったものを考慮していくということも重要ではないかということでございます。
  続きまして、以上を踏まえまして、今後具体的にどういう取組を推進していくのかということでございます。基本方針や留意事項といったようなものを踏まえますと、具体的な取組を推進するということになろうと思います。先ほど最初の整理でございましたが、まず3つの要素があるのではないか。
  まず1つ目といたしましては、アジア各国国内における途上国の処理能力向上に向けた制度や人材の強化や充実といった要素が1つございます。続きまして、越境移動のところでございますが、不法輸出入を防止していく、こういった事を充実すべきではないか。さらには、適正に管理されるということを前提に、国外でリサイクルした方が望ましいものについては循環資源の国際的な移動の円滑化といったようなものも検討していくと。この3つが一体となって機能していくということが重要ではないかということでございます。
  続きまして、この要素の最初にございます途上国等の処理能力向上に向けた制度や人材充実・強化でございます。ここにもございますように、3つの要素が重要ではないか。まずは、各国等の政策対話、こういったことをまず重視していく。続きまして、キャパシティビルディング、各国国内での人材育成・能力向上といったようなものが重要になるのではないか。さらには、廃棄物の適正処理等に関します研究ネットワークの充実。すべての基盤となるような技術を充実させていくということが重要ではないか。この3者が相互に関係しながら政策効果を高めていくということが重要ではないかということでございます。
  その際は、地方公共団体やNGO等のネットワークを活用していくことや、他の環境分野との相乗効果、こういったものを重要にしていくということも考えられるのではないかということでございます。
  さらには、この枠を超えてG8プロセスやほかの国際会議へのインプットを行うということや、OECD等の国際機関と連携して協力していくこと。あとは、有害廃棄物の不法輸出入防止ネットワーク、こういったものと連携していくということが考えられるのではないかということでございます。
  それぞれの要素でございます、10ページ以降をごらんいただければと思います。まず、政策対話・計画策定の支援でございますが、まずは事前調査を行いまして、各国の廃棄物の処理の状況や、どのようなリサイクル状況にあるのか、リサイクラーの状況といったようなものも踏まえまして、まず事前調査を行う。政策対話の中では単に技術的なものだけではなくて、法律や政策面も含めて、さらには実施体制も見すえて意見交換を的確に行っていく、こういったことが重要になってくるのではないか。
  これらを踏まえまして、各国の計画やビジョンをつくっていこうと。廃棄物の回収システムや処理スキーム、我が国での家電リサイクルといったような非常によいスキームがあったりするものでございますので、こういったものを共有していくということも考えられるのではないか。さらには、これらを踏まえまして、3R推進のための具体的なプロジェクトの形成や実施。その際には我が国の資金だけではなくて、アジア開発銀行等も含めまして的確に事業実施を行っていくということが考えられるのではないかということでございます。
  続きまして、キャパシティビルディングでございます。循環型社会の形成において非常に重要になるのは3R政策を担えるような中核的な人材・組織の育成ということになります。その中でもキャパシティビルディングは重要な要素でございますが、個人を対象とした従来の研修ではなくて、3Rの国別の計画の策定や、先ほど申しました政策対話、これを通じて組織を対象としたキャパシティビルディングを実施していくと、個人ではなくて効率的に組織に対して能力全体を上げていくということでございます。その際もJICAなどの各種機関における既存の技術協力や研修とも連携していくということでございます。
  ここにもございますように、そういった観点からJICAにおける中国循環型経済訪日研修といったようなものも17年度からやっておるところでございます。
  続いて、研究ネットワーク等の知識・情報基盤の整備ということになります。国際的な情報交換・研究等の推進によって、循環型社会の推進のための知識基盤・情報基盤を構築して、各国の循環資源の適正処理の能力全体を向上させるという趣旨でございます。
  この目的に踏まえまして、効率的な3R政策の立案や実施に必要となる科学的知見、これを蓄積していくと。あとは、国際的なネットワークによって各国の3R政策を推進していくということがございます。また、その評価といったようなものも考えられるのではないか。その際には、現在ございます廃棄物学会といったような既存のネットワーク、こういったものは非常に貴重な財産でございますので、これを発展的に活用していくということも重要ではないかということでございます。
  さらには、大学や公共研究機関の研究者、これに加えまして政策担当者、あとNGO等も参画して共同研究の実施や研究成果の発表といったようなものを通じて相互交流、課題の共有といったことを進めていくということが重要ではないかということでございます。
  続きまして、地方自治体やNPO・NGOのネットワークでございます。これは目的といたしましては地方自治体、NPO・NGO、こういったものが廃棄物の適正処理に当たっては非常に実施段階で重要な役割を果たしているということは周知のことでございます。こういった団体についてもネットワークが逐次できておりますので、こういったネットワークを活用しながらアジア各国の都市やコミュニティで3Rを推進していくということでございます。
  機能といたしましては、地方自治体間のネットワークによる問題を共有していくこと、あとは先進自治体からの情報発信、国際的なNPO・NGOへ地元のNPO・NGOとのネットワークをつくっていくことによってコミュニティに近い視点からの3Rを推進していくといったようなことがあるのではないかということでございます。
  そういった際にも我が国で本年1月19日に3R活動推進フォーラムといったものを設立させていただいております。これでは幅広くNGOや事業者、行政が参画していただいて、我が国の経験もしくは我が国の循環型社会の構築を推進する、こういうものの基盤として取組を進めております。こういったものを通じて我が国の循環型社会づくりの経験を発信していくということも考えられるのではないか。
  また、北九州イニシアティブネットワークといったような地方公共団体のネットワーク、これもESCAP2000でつくられておりますし、こういったものも活用していくということではないかということでございます。
  さらには、他の環境分野との相乗効果のある取組でございます。例えばここにもございますように、3Rの推進は温室効果ガスの排出量の削減にも非常に効果がございます。また、こういう観点も踏まえまして、下にもございますような被覆されたワイヤー等から銅を回収するためにワイヤーが野焼きされてCO2の排出やダイオキシン等の生成、こういうものが懸念されていると。こういうことも踏まえまして、廃棄物リサイクル対策においてもほかの環境分野も視野に入れたプロジェクトを考えていくといったようなこともあるのではないかということでございます。
  続きまして、2つ目の大きな柱でございます。国際的な違法行為の防止に向けた取組の充実ということになります。まず、基本的な考え方ということで、不法輸出入の現状を十分に把握して、まず現状を引き起こしている要因を分析することが重要ではないか。循環資源の国際移動をめぐる状況把握や分析を高度化するということになろうかということでございます。
  続きまして、輸出入の相手国、特に取引量の多いアジア諸国と協力して取組を進めていくことが重要ではないか。現在我が国もリーダーシップをとって進めております有害廃棄物の不法輸出入防止アジアネットワーク、これを充実していくことが重要ではないか。越境移動した循環資源等が適正に利用・処分されていることを担保する仕組み、これが重要ではないか。
  続きまして、循環資源等のトレーサビリティ、これを向上させていくということになるのではないかということでございます。
  最後に、我が国の廃棄物リサイクル技術でございますが、例えば海外で違法に侵害されるということがあってはならないのではないかということでございます。これがリサイクルの推進等に際しての知的財産の侵害を防止していくという観点になろうかということでございます。
  それに加えまして、それぞれごとにまた1ページずつ説明をさせていただいております。
  まず、循環資源の国際移動をめぐる現状把握・分析の高度化でございますが、これはそれぞれの経年的な国際移動量、移動先を把握するといったことを通じまして、現状をまず的確に把握して、それぞれの政策につなげていくという観点から非常に重要な取組ということでございます。
  本年からもハイプラスチック、プラスチックくずについては新しいHSコードというようなものを設定しということになりましたが、こういったものを適宜、適切に新たに中古家電や中古PCのようなものについても設定していくということが重要になるのではないか。ただ、その際にはスクラップアンドビルドといったような考え方もございますので、簡単ではございませんけれども、こういったことも重要ではないかということでございます。
  続きまして、17ページでございます。有害廃棄物の不法輸出入防止のネットワークでございます。不法輸出入を防止していくためには各国との連携が重要であって、既存のアジアネットワークを充実していくことが重要ではないか。そのためには具体的には各国の法制度や政策に関する情報、これらを横断的に概観できる仕組みが今はございませんので、これを作成して、情報・認識を共有していくといったことが重要かなと。
  前回のネットワークでも提言決定が進んでおるところでございますけれども、中古品基準の明確化のためのガイドラインを作成して、その基準を活用した取組を進めていくと。例えばラベリングのようなものでございますとか、一層取組を発展させていくということも考えられるのではないかということでございます。
  続きまして、トレーサビリティでございます。アジア圏で有害物質等がどこにどのように存在しているのか、どのように流通しているのかというシステムを構築していくことが汚染の防止には非常に重要になります。中でも具体的には各国国内における廃棄物のトレーサビリティ確保のための国内制度を提案していくといったようなこと。もしくはこれを整備するための支援を行っていくということも考えられるのではないかということでございます。
  アジア諸国における循環資源の運搬・保管、リサイクル、こういったような情報を適宜共有しいてくということも考えられるのではないかということでございます。EUでは、ちなみに、ベルギー、オランダ、ドイツ、オーストリアといった4ヶ国が廃棄物の越境移動・受け取り確認、こういったものを電子データとして交換するシステム、こういうものをつくり上げているということでございます。これを参考にしたり。
  あと、我が国でも総理を本部長とするIT戦略会議で「IT新改革戦略」というものが決定されておりますけれども、そこでも我が国の電子マニフェストというものを活用した廃棄物のトレーサビリティ向上のためのシステムづくりに本格的に着手するということも考えています。ということを位置づけておりますので、こういうことを推進していくということが重要ではないかということです。
  最後に、リサイクルの推進に関しての知的財産権の侵害でございますけれども。我が国の優れた廃棄物・リサイクル技術をせっかく開発いたしましても、海外へ流出・侵害されるといったようなことがあってはならないということでございます。知的財産権推進計画2005に基づいて取組を進めているわけでございますが、その取組の中にリサイクル産業決して例外にはなりませんので、こういった中にも適宜適切に関係府省と連携しながら,アジアにおけるリサイクル業者を対象とした知的財産侵害に対する意識啓発。アジアに進出をしているようなリサイクル産業、製造業者を対象とした意識啓発といったものも取組の一環として位置づけるということも考えられるのではないかということでございます。
  続きまして、20ページでございます。最後になりますが、循環資源の輸出入の円滑化ということもあるのではないかということでございます。ここは検討課題ということになります。まず、背景といたしまして、循環資源の需要、リサイクルコスト等の条件の違いによって、我が国ではリサイクル困難なものが、他国でリサイクル可能な場合といったようなものもあるのではないか。こういった場合には適正処理の担保を前提に、再生利用目的の循環資源の輸出の円滑化といったものにどういうものがあるのかということを検討することも考えられるのではないかということでございます。
  また、輸入の観点からも、途上国では適正処理が困難有害物質、こういったものを含む循環資源について、我が国では高度な処理・回収技術が可能な場合がある。資源回収が可能な場合があるということでございます。
  今まで我が国での受入によって、国際的に3Rを推進していくと、途上国における環境負荷を低減していく。また、さらには反射的な効果といたしまして、資源を確保していくといったようなこともあるのではないかということでございます。そういった観点から循環資源の輸入の円滑化といったことも検討されるということもあるのではないかということでございます。
  最後でございますが、こういった取組を通じまして、これは具体的な個々の直近の取組でございます。こういった取組を進めることによって国際的に循環型社会の形成に向けて我が国が方向性を示していくということになろうかということでございます。
  特に具体的な取組を推進していくこと、3つの柱を通じまして、アジア諸国を各国の処理能力の向上等を図りながら、地域全体で適正な資源循環を実現するためのパートナーととらえて、そのための具体の取組パッケージといったようなものを示すことも考えられるのではないか。さらには、アジア全体として循環型社会を形成していくための基本的な方向性や共有していくべき要素、先ほど委員長の方からもございましたが、オープンダンピングを禁止していくことや野焼きを禁止していくこと、それから3Rの推進や最終処分量の減少といったような共通の要素を定めることによってリージョナルミニマムといったようなものをつくれるのではないか。その形成に当たっては我が国としても積極的に貢献していくことができるのではないかということでございます。
  長くなりましたが、失礼いたします。ご清聴ありがとうございました。

○田中委員長 ありがとうございました。非常に参考になる資料がよく整理されているという印象を受けましたけれども。ご質問がございましたらよろしくお願いしたいと思います。発言、名前を縦にして、細田委員、よろしくお願いします。

○細田委員 何回か欠席してしまったのでそのときに出ているのかもしれないので、もし間違ったら申しわけありません。2つあります。
  1つは、循環資源といった場合の定義と、その領域はどうなっているのか。例えばH2スクラップを廃棄物という、ここの中で循環資源という言い方と廃棄物という言い方2通りされて、例えば4ページの一番頭の四角の中の一番初めの○のところに、「国内処理の原則を踏まえつつ、循環資源の国際移動が行われる際には」云々と、移動先について「自国と同水準以上の廃棄物処理水準」と書いてあるんですね。循環資源の中には確かに廃棄物の側面、いわゆる廃棄物ともいえる廃措法上の廃棄物なのか、それとも直感的な廃棄物なのか、相手国にいった場合の廃棄物なのか。
  先ほど言いかけたのは、H2スクラップというのも、これを廃棄物と考える人は多分いないと思うんですね。もちろん状態によりますけれども、今2万6,000かそのぐらいで取引されている。それは立派な循環資源なわけですね。同じようなものは、銅くずみたいのもあるしアルミくずみたいなものもある。その使用済み製品ないしあるいは一部再生資源化されたものの層があって、そのどこをこの循環資源及び廃棄物ということでまとめられているのかということがちょっと私にはわかりにくいので、そこを少しご説明いただいた方がいい、そこは難しいという。
  第2の点は、中間報告骨子にもつながっていくんですけれども、どういうレジームを考えてマーケットの相場とどういう接合を図るのか、容器包装リサイクル法でもペットの相場が上がると外国に流れていってしまうと。しかもさっきの問題と絡めますと、ベールの形で出ていってしまう。ペレットになったらもうこれは恐らく再生資源としてとらえられると思うんですけれども、フレークの状態でもかなり危ない、ベールだったらもっと危ない、でも、相場で流れていってしまう。
  私たちがこういうある1つの国際資源循環のレジームをつくっても、相場との接合をうまくしないと機能しないというところがあると思うんですね。その辺をどうとらえられているのか。
  あるいは、すみません、私のいないときにそういう議論をされたんだと思うんですけれども、そこのところを2点説明していただければと思います。
  ありがとうございます。

○田中委員長 事務局、すぐできます、それとも後で一括します。

○企画課長補佐 まず、第1点のところでございますが、先生からもご指摘いただいています循環資源の定義でございます。ここは実は前回の審議会の冒頭で循環資源というのは何かという話がございまして、我が国では循環型社会形成推進基本法というところで、先生ご存じのように、循環資源というのは法令上定義されております。これは廃棄物等のうち有用なものというふうに定義されておるわけでございまして、基本的にはこれを循環資源と考えてはどうかということでございます。
  ただし、先生からもご指摘ございましたように、中古製品といったようなもの、これは循環資源と区分自体が非常に難しくて、逆に一体的に議論していくことが環境保全においても資源有効活用についても重要なので、そこは「循環資源等」という言い方にすることによってそれも一体的に議論していくべきではないかということにさせていただいております。なので、市況等にも応じて循環資源等と循環資源の範囲というのは変わってくるんだとは思いますけれども、非常に有害性等において通じるものについては一体的に議論をしていくということを考えておりまして。
  その中でも、ここにもございます7ページに資料を付させていただいておりますが、有害物と無価物といったような観点も、現行の制度との接合性といったようなこともございますので、その2つの切り口で判断をしていくと。ここにある有価で無害なものというものも循環資源に入りますし、その枠外にある循環資源等というようなものも視野に入れて検討することが重要ではないかということでございます。
  続きまして、第2点のどういうレジームをというところでございますけれども、ここはどうしても資源の有効活用というところで現在の市場マーケットの接合が重要になってくるわけでございますけれども、そこはなかなか市況とかいろいろな状況で変わってくるところが重要ではないかということでございますので、現在6ページにございます政策実施に当たっての留意事項というところで国内の廃棄物リサイクルシステムの維持強化との影響とか、途上国のニーズとかいう要素を留意事項の中に入れておりまして、留意事項の中で市況やマーケット、さらには施策目的である環境負荷の低減といったようなものとのバランスをとっていくということになると。その際には、次のページにございますような循環資源の性質に応じて考えていくことになるのではないかというふうに考えております。

○田中委員長 ありがとうございました。今ではこういう説明がありましたけれども、実際、国際会議では引き続いて国によって違うし、廃棄物の定義、有価、無価、それから有害性、有害でないというもの、日本では日本の決め方がありますけれども、各国によって違いますし、その辺もアジアンスタンダードで、アジアでは何を有害というかというようなものもつくっていく必要があるような気がしますね。
  では、武内委員、お願いします。

○武内委員 このストーリー全体について私は大きな異存があるわけではないんですが、ちょっと気になるのは、日本で循環型社会といったときにかなりバイオマスとか生物系廃棄物の循環というのを議論の中に入れているんですよね。これ見ると、その部分はほとんどないというふうに思うんですけれども。それが今いわゆる非生物系のものが移動しているということに注目してこれが理屈ができているというならそれでいいと思うんですけれども。
  生物系については、考えるとすると2つ大きな点があると思うんですが、1つは、やはり日本でもバイオマスを中心としたエネルギーの転換あるいは資源の見直しというものと循環型社会をとらえ直していこうというような考え方があるわけで、そういう考え方をほかの国も当然のことながらとるべきであるというふうな意味で、いわば日本のこれからの考え方が東アジアにおける考え方の1つの規範になり得るというふうな観点で議論するということと。
  それから、もう1つは、これはここで議論することが本当にいいのかどうかというのは問題があるんですけれども、例えば農産物についていえば、えらい一方的に輸入ばっかりしちゃって、国内に窒素をためて、そしてそれを持ち出していないという非循環性というのは厳然として存在するわけですよね。これもやはり何かどこかで議論して、少なくとも本格的な議論をしないまでも、この議論の中にやはり含めておいた方がいいのではないかなというふうなことをちょっと思うものですから、その辺どういうふうに、考えておられるのか、まずですね、お伺いしたいと思います。

○企画課長補佐 貴重なご指摘をどうもありがとうございます。先生のおっしゃっるとおりでございます。まず第一に、日本でもバイオマスエネルギーのようなものを取組を進めているところでございまして。そこはここの留意事項の中でもございますように、ほかの環境分野との相乗効果も非常にある取組だと思っております。こういった地球環境レベルの問題という意味でもほかの国々にもすごく影響のあるいい取組だと思っておりまして。そういった中で、最後にございます、アジア全体として循環型社会を形成していくための方向性の1つとしてこういったことも考えられないわけではないということでございます。
  特にそれを排除しているつもりは当然ございませんで、そこもあるのではないかということは考えられると。ただ、具体的にどういうのがあるかというのは追って議論をしていかないと、中途半端なことを書くのもまた難しいと思いますので、そこはまた検討になるということではないかと。
  さらには、農産物の輸入に伴う窒素みたいな話についてもなんですが、なかなか全体の負荷の問題もおありだと思いますので、そこをここで専門的に議論するというのはなかなか難しいとは思いますが、そういったご指摘なりご視点というものは適宜反映していくということになろうかということでございます。

○田中委員長 森口委員、お願いします。

○森口委員 今、武内委員おっしゃったこととも少し関係するんですけれども、3ページ目あたりに近接性の話ですとか、ちょっと観点は違いますがNIMBYの話も出てくるんですけれども。ある種の、1つの国の中で閉じたループというものに関してアプリオリィにそれがいいという議論には多分ならないんだと思うんですけれども、武内委員おっしゃったような食料の話なんかも含めて比較的小さいループでやるべきだというある種の原則のようなものを考えるのかどうかですね。そんなものは原則ではなくて何らかの環境問題上の裏づけといいますか、そういったものも当然考えていかなければいけないんだと思うんですけれども。そういった点で恐らく武内委員おっしゃった話もつながりのある問題としてとらえていけるのではないかなと思います。
  そういった観点で少し気になりましたのが、20ページに書いてありますところの、我が国の高度な処理技術の活用を図る観点から循環資源の輸入の円滑化を検討するということで。こういったことも日本の優れた技術を有効利用していくという観点でこれも1つの考え方だと思いますし、私はそのこと自身にネガティブな意見を申し上げるつもりは全くないんですけれども。
  やはりNIMBYの問題であるとか、近接性の問題ということを一方で挙げていますので、そういったことと、一方でやや積極的に日本がこういった分野を担っていくというようなことになった場合のある種の議論の一貫性というようなものは必要な気がいたしますので。あくまでこの近接性であるとか構造ループであるというようなことを余り議論をせずに是々非々で判断をしていくということであればそれでよろしいかと思いますけれども。ちょっと前半部の議論と最後の方の議論でそのあたりが少し視点が違うような部分があるような気がいたしました。
  もう1点、非常にマイナーな話ですが、電線被覆の野焼きでCO2が出るということも事実ではあろうかと思いますが、やはり環境負荷としての相対的な規模からいえばそれほど、これを1つの例として取り上げるのは必ずしも適切な例ではないような気がいたしますので、何かちょっと別の例を挙げてはいかがかなと思います。

○田中委員長 はい、ありがとうございました。
  それは6ページの件で、ワイヤー等の野焼きの状況ということで、説明ではCO2の関連で話されましたけれども、大気汚染を引き起こしているという環境負荷の面でとらえて説明された方がいいかもわからないですね。

○企画課長補佐 はい。

○田中委員長 それでは、酒井委員、お願いします。

○酒井委員 ありがとうございます。今、森口さんの言われた点に関連してちょっとまずお話ししたいと思います。今回輸入に対する一定の原則をこうやって打ち立てようとしていることに関しては、これは非常に現段階で重要な話だと思いますし、また形式という意味でも積極的にご協力申し上げたいと思っているわけですが。今の近接性、NIMBYとの接点での議論の一貫性が必要だというところに関してはまさに森口さんおっしゃるとおりだと思うんですが。そこに関してはやはり国内対話の蓄積を十分に今後進めていくことということが大前提であって、そのための努力というのは今まで以上にある意味で厳しいものになろうかと思いますので、そこが1つ非常に重要なポイントだろうと思っております。
  それともう1つ、こういう方向を打ち出して世界からちゃんと評価していただくためには、もう1つの問題の有害、無害というところのある種の線引きというところがアジアレベルでちゃんと合意をされていくことということがまたもう1つの重要なポイントであろうというふうに思います。
  そういった意味で、先ほど田中座長がアジアンスタンダードとおっしゃられましたけれども、まさに有害、無害、もう1つの有価、無価、中古品等々のそういうリスト整備をアジアレベルで合意をしていくためのプロセス、そこのアジア対話が極めて重要になってくるというふうに認識をします。
  そういった意味でこの輸入に対する見解を出していくことというのは2つの側面で非常に重要な今後の手順が必須になっていくと思いますので、そこと合わせてぜひ最初のときには取り上げていただきたいと。基本的にはこの方向をちゃんと打ち出すことというのが取組の中では重要であろうと思います。
  それに関連するんですが、原則といいますか、基本方針という紙があったと思うんですが、5ページでしょうか。ここにやはり基本方針としていわゆる情報共有とか、あるいはその情報に対する透明性の担保とか、こういう視点が1つ基本方針としてどうもあった方がいいんじゃないかなという印象を持っております。それは、今申し上げた点の1つなんですが。ほかにもある意味ではグローバルに技術進化とかあるいは効率進化に資するようなシステムをどんどん支援していこうと、例えば今国内でペットtoペットがよくないからこれが問題だという話でありますが、これはある意味でやはり世界にとって共有財産として見た場合に非常に幸せではないかというものについては、それは情報共有を図っていくこと、これがまさに非常に重要なわけですし。
  また、過去の遺産として適正に対処しなければならないもの、今国内では例のアスベストとかPCBとか非常に積極的に取り組んでおられますけれども、こういった情報がどこまで共有されていくかということでもって先ほど言われたEUとの接点も出てくるというような気がするわけです。
  そういった意味で情報共有とか透明性担保というのは極めてこの基本方針の中でまずうたっていいのではないかというふうに思いました。
  少し細かな話になりますが、もう1点。バイオマスあるいは生物系との関連なんですが、最後のページにオープンダンプの禁止とか野焼きの禁止というところが掲げられておりますけれども、最近韓国の方がいわゆる有機性廃棄物の埋立回避の原則を出してきております。これは欧州も90年代の半ばからこういう基本原則で進めてきておりますので、この方向を一度ちゃんとレビューをして、日本としてどうここに見解を出すか。これは決してショウメン促進という側面だけでは決してない話でして、温暖化防止等々との関連、あるいは国内の資源有効利用という両側面から関係してくる話でありますので、そういった意味でこの有機性廃棄物の埋立回避戦略を一度レビューをしていただいていいのではないかと思います。
  以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
  では、崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。これから本当にアジアあるいはアジアから広げて世界全域の国際的な循環型社会を構築する、それを視野に入れてこういうふうに考えるというのは大変重要なことで、こういうふうな会合ができてきているというのはすばらしいというふうに考えて参加させていただいております。
  それで、今回のこの案を拝見していて思ったんですが、実は緊急な課題としては有害廃棄物の越境移動の問題とかいろいろそういう問題があるので、適切なリサイクルをアジアの各国間で確保していくという視点が前半に非常に明快に出ているのは大変重要なことだと思うんですけれども。
  全体的に拝見して、やはり例えば3Rという言葉が出たときに、市民から考えますとリデュース、リユース、リサイクル、そしてごみ処理の社会の全体像をきちんとつくっていくという印象がやはりありますので。その辺の、例えば全体像として考えたときに技術としても資源を有効利用する技術であったり、リユースの技術であったりということもあると思うんですね。そして、市民の消費生活とか環境教育、ライフスタイル、全部の関わりがあると思うので。その辺の全体像を見すえた循環型社会に対して視点を向けているというようなことに関しての記述が、後半にもちろん出てきているんですが、ちょっと弱い感じがしているんですね。それで、その辺をどういうふうにお考えになるか、ぜひお伺いしたいと思って手を上げました。
  実を申しますと、去年の4月に3Rイニシアティブ閣僚会合があったときに、やはり多くの市民がこういうことに関心を持ちましょうということで3R市民フォーラムという会合を開かせていただきました。そのときの宣言文に関しては閣僚会合の中で私が代表してスピーチの時間をいただきましたので、詳しくはそのときも発言させていただきましたので省きますけれども。そのときに、日本全国でネットワーク型の会合を運営している消費から廃棄物問題、そして循環型地域づくり、化学物質問題、環境教育、そういうような全体像の日本のネットワークを運営している9つの団体で会合したときに、やはりぜひこういう動きに対して3Rの優先順位を徹底した生活様式と産業構造がアジアや世界に広まるような動きのリーダーシップをとってほしいというそういう意識が非常に明確に出たんですね。その辺ちょっともう少し視点として必要なのではないかなと実はちょっと考えました。
  その点と、あと、例えば生活様式とか環境教育などのことを考えたときに、市民自身もこういうことに輪になって活動していかなければいけませんので、後半の中でいろいろ役割というか、担う立場として自治体やNPOというふうな記述がありました。やはりこういうところできちんと日本の市民も役割を果たしていくというのは重要だと思っております。
  この辺に関して、もう少し国際的に活動しているNGOやNPOだけではなく、日本の国内の自分たちの地域づくりに活動しているような循環型地域づくりをやっている市民自身がほかの国との交流の中で循環型地域づくりを伝えていくというような視点も重要だと思いますので、少し幅広く考えていただけると大変ありがたいなというふうに感じました。
  あともう1点、先ほど武内先生からバイオマス資源のお話があったんですが。この1年、実はジェービックの事業でタイで環境市民活動のネットワークづくり支援というのをずっとやって何度もタイに行ってきたんですが。やはり容器包装材のリサイクルの徹底の部分と、生ごみリサイクルというのが例えば今タイなどでは大変重要課題になっているんですが。その生ごみリサイクルを地域の中できちんと活用しながら、化学肥料で壊れてしまった農地、土地をきちんと豊かにして、持続可能な農業をつくっていくというのが今地域などで非常に重要課題になっていたりするんですね。
  そういう意味で、バイオマス資源のリサイクルという視点に関しても何らかの視点を入れておいた方がやはり循環型の地域づくり、国土づくりというそういう視点をみすえたときには必要かなというふうに私も思いました。
  よろしくお願いいたします。

○田中委員長 はい、ありがとうございました。
  寺園委員、お願いします。

○寺園委員 ありがとうございます。細かいこともちょっと含まれますが、ページを追って順にコメントと、ほとんどコメントですけれども、述べさせていただきます。
  2ページの下のところに、我が国としては技術を軸に各国に貢献していくべきではないか。この中に[1]で高度な廃棄物処理・リサイクル技術、[2]で法制度や社会システムづくり、これを合わせて括弧つきで「技術」というふうに呼ばれているようですけれども。ちょっとここで技術だけを出しますと、やや誤解を受ける可能性があるかなと思いましたので、例えばこれは技術・システムとかそういうような形にしても別によろしいのではないかというふうに感じました。
  続きまして、5ページですが、基本方針のところで、これは私は大変全体を通じてですけれども、非常にいい基本方針や方向性などが書かれていると思います。ただ、この基本方針の1番目のところで各国の国内処理能力の向上ということで、先ほど崎田委員も少し懸念されていたことと関係すると思いますが、やはり処理というのが全面に出すぎているきらいはあるのかなというふうに考えました。資料の中では3R推進、促進という言葉が何度も出てきておりますので、ここも基本方針のところでも各国の3R推進及び国内処理能力の向上などという形で、3Rというのは大原則というふうに入れていただければと思います。もちろんアジアの現状を考えますと、適正処理というのは非常に重要だということはわかりますけれども、それだけではないということだと思います。
  続けて、7ページのところの図で私も「循環資源等」という「等」の言葉を見つけてちょっと気になってしまったのですが。先ほどもご議論ありましたように、廃棄物等のうち有用なものということで循環資源があるんですけれども、私の理解ですと廃棄物等の中に中古品がもう既に含まれていたと思われますので、その中で有用なものとなりますと、既に循環資源の中に中古品は含まれているというふうに私は理解していたのですけれども、そこをもし違っていたら確認いただければ幸いです。
  8ページにいきます。この3段階の取組は私は非常にいいものだと思いました。ただ、一番最初の途上国等の処理能力向上に向けた制度・人材の強化・充実、このネーミングで果たしてよかったのだろうかということはちょっと疑問に思いました。このネーミングですと、やはりキャパビルの部分がかなりの部分を占めるようにも思われましたので、先ほどの基本方針と合わせて3R推進等がここで明示されていても、例えば次の9ページのところを見ましても、キャパビル、研究ネットワーク、政策対話を通じて3R推進ということになっておりますので、ネーミングとしては各国の3Rというのが入っていてもいいのかなというふうに感じました。
  それから、12ページ、13ページですが、研究ネットワーク、また地方自治体、NPO・NGOネットワークの活用ですが。これについては変なことを申し上げられないのですが。国が出すぎることによる少し弊害といいますか、やや自治体にしろ研究ネットワークにしろNPOにしろ独自に進めている部分もあるかと思いますので、側面支援的な形で、少し国、環境省としてもちろんこういったところとの連携は大変大事だと思いますし、私もそうだと思うんですけれども、独自の活動を阻害する場合があったら少し配慮いただきたいというふうに考えたものです。
  続けて、16ページと18ページに関連するのですが。先ほど酒井委員から国内での連携という話がありました。特に16ページのところで循環資源の国際移動をめぐる現状把握、分析の高度化というところで、ここはまさに税関ですとか経済産業省ですとか、そういったところとの連携が極めて重要になりますし、税関の中でも自分たちの位置づけということでかなりどこまで仕事をしたらいいのかということで悩まれている部分もあるようですので、この辺の国内機関との十分な意思疎通。それから、18ページのところではもちろん国交省、経産省でもトレーサビリティの対応をされていますので、そういったところとの連携をよくしていただければというふうに思いました。
  ちょっと多くて申しわけありませんが、以上です。

○田中委員長 ありがとうございました。
  時間押してますけれども、谷口委員、手短かにお願いします。

○谷口委員 今、寺園委員がおっしゃった2ページの我が国としては技術・システムを入れるべきだとおっしゃって、大変これには賛成です。まさに技術だけではどうしようもないので、個別の技術だけ議論してもしょうがないのでシステムがなきゃいけない。
  そのシステムの具体的なものを1つ。前回私ご提案申し上げたはずなんですが、日本は世界に冠たるインダストリアルエコロジーが全国で広域的に形成されているということが意外に知られていない。それは電力会社、セメント会社、非鉄金属、鉄鋼、製紙、建材、ほとんどあらゆる産業がクラスターを形成して、広域的にシステムがインダストリアルエコロジー、産業生態系的なものができているんです。これは世界で最も進んでいると私は思っているんです。デンマークのカンコウあたりでごく小さな地域ではできていますが、広域的にできているのは日本だけ。これはやはりシステムとして国際的なシステムをつくるのに、この辺のところは経済産業省の領域に入るかもしれませんが、どうしても環境省というとこういういわゆる問題を解決しようという点が強いかもしれません。
  それで、例えばそのクラスターですが、中国の工業団地などにあちこに行ってみますと、みんな比較的同質的な産業が集まっているんですね。そういう中に非鉄金属の小さな精練所と、小さなですよ、セメント工場をつくれば、そこだけで完全に循環型社会ができ上がるとか、そういうことはできるんですね。これがインダストリアルクラスターの考え方なんです。広域的に国際物流にもそれが応用可能だし、いろいろそれが応用範囲があり、これが世界に冠たるシステムが日本が既につくり上げているということをご理解いただきたいと。
  それから、もう1つ全く異質のお話ですが。3R3Rとおっしゃるんですが、リデュースのRが依然として排出抑制になっているんです。これは投入並びに排出抑制じゃないでしょう。投入は例えばマテリアルフローでも、最初田中委員長がお示しになったああいうマテリアルフローでも日本は6億7,000万トンの外部の資源、これは生物資源も含めてですが、大量に輸入していますが。これが全然減ってないんですね。リサイクル資源はあるけれども、2億8,000万トンぐらいにふえて非常によいことなんですが、6億7,000万トンのものが減ってないんです。これの投入抑制をどうして考えないのか。
  これは、例えばドイツのブッパタール研究所の人とか、オーストラリアのNGOの人とかいろいろ議論してみますと、日本はどうして投入抑制を考えないのか。それは言いかえれば、リソースマネジメントだと。メンシングのリソースマネジメントが専門だという人が結構いるんですね、メンシングサイティ。ところが日本ではその川上のリソースのところがいわゆるサプライチェーンの一番上流の部分がみごとに欠落しているんです。それは教育ももう放棄してしまっていますからね、数十年、40年ぐらい。一般の市民もこの資源の再利用のようなことが全く無知に近いんですよ。驚くべきこと。そこを抜けて国際物流だとか循環型社会というのはあり得ないと思うんです。
  そういうことで、ですから、3Rといって排出抑制でいきますと、欧米の環境先進国といわれる人たちはどうしたんだろうなと不思議に首をひねりますよ。
  ということで、よろしく。

○田中委員長 ありがとうございました。
  時間が押してますので、続きまして、国際資源循環専門委員会の報告書の骨子(案)について事務局より説明いただきたいと思います。

○企画課長補佐 それでは、資料2をごらんいただければと思います。国際循環の中間報告骨子案でございます。3ページの資料2でございます。次回、報告書をご審議いただこうと思っておりますけれども、その前提となる骨子をつくらせていただいたものでございます。
  まず、はじめにの中で、現在アジア諸国の著しい経済発展等によって廃棄物等の国際的な移動が増大している。また、委員長からもご提案がございましたように、各国の廃棄物の発生量自体も非常に増えておる。これに伴う環境破壊の拡大が懸念されている。
  一方で、第1回、第2回でご議論いただきましたように、我が国はここ10年来廃棄物対策の方向性を大転換いたしまして抜本的な政策改革をさせていただいております。こういった貴重な経験を踏まえまして、平成16年の「3Rイニシアティブ」、平成17年の「ゴミゼロ国際化行動計画」といったような国際的な流れもできつつあります。こういった経験を各国と共有しながらアジア地域全体で循環型社会の形成を推進していくと、こういうことの必要性をまず示すことが重要ではないかということでございます。
  第1部でございます。これを受けて、アジアに発信すべき我が国の廃棄物・リサイクル対策の経験ということでございます。大きく3つに分かれようかということでございます。まず最初に、法制度の整備でございます。まずは循環型社会形成推進基本法、これを初めといたしまして法体系を整備していると。さらに循環基本計画を策定して、政府一体となってその総合的かつ計画的に取組を実施しているということもあるのではないか。
  次に、まず基本となります廃棄物対策でございます。ここから取組が始まったところでございまして、非常に重要なところもあろうかということでございます。特に産業廃棄物に対する排出事業者責任の徹底、こういったような法改正を何度もしております。こういった中でマニフェスト制度の導入といったような制度の枠組み、これを充実させてきておるものでございます。
  もう一本の柱でございますリサイクル対策でございますが、容器リサイクル、家電リサイクル、自動車リサイクルといった枠組みの中で拡大生産者責任を位置づけていると。また、食品廃棄物や建設廃棄物といった品目の特性に応じた制度も整備しているというところだろうかと思います。
  また、負の遺産の生産ということでございますけれども、特に処理が困難な品目であるPCBについてここ数年の間に適正処理のための法制度、特別の法制度を整備している。また全国に処理拠点を設置いたしまして安定的、安全な処理体制を構築していくということが重要ではないかということでございます。
  2番目といたしまして、廃棄物・リサイクル技術の面でございます。技術の面では廃棄物の発生抑制や適正処分を進めて環境への負荷を低減させる面がある。また、我が国の乏しい資源の確保を図って、健全な経済発展を促進する面があるということで、この相互補完性に留意して対応を図っていくことが重要ではないか。そのための技術もご提案もいただきましたし、ご議論いただいたところもございます。こういったところは重要な要素になってきたのではないかということでございます。
  また、地域に根ざし、関係者が一体となった取組の推進ということでございます。循環型社会の形成に当たっては地域の実情に則して国と地方が協働して循環型社会を形成していくと。そのための地域計画を策定していく取組、こういったものもご議論いただきました。こういうことの取組が効果を上げつつあるのではないかということでございます。
  また、不法投棄の防止や有害物質の適正管理、これに当たっては人材育成や情報共有の面で公共団体と国が連携して取組を現在推進しておりまして、それが効果を上げているということが重要となってきているのではないかということでございます。
  こういったことを踏まえまして、第2部といたしまして、東アジア全体での循環資源の適正な利用・処分の実現ということになろうかと思います。中でも、まず、前回にご議論いただきました循環資源をめぐる国際的な動向でございます。我が国では廃棄物処理法等における国内処理の原則、国際的なものを視野に入れた原則。あと、バーゼル条約といったような国際法等によって制度的な位置づけがされているということでございます。
  また、2つ目でございますが、循環資源の国際的な移動の増加、将来的にもこの傾向の継続が見込まれる。アジア地域全体を視野に入れて循環資源の適正な利用・処分に向けてアジア国内それぞれや、アジア地域全体での取組、こういったことを充実していくことが重要になっているのではないかということでございます。
  本日ご議論いただきました循環型社会を国際的に形成していくための基本的な考え方でございます。ここは廃棄物の国内処理の原則、こういったものを踏まえながら、また昨年いただきました産構審等での検討状況等を参考にしながら、循環資源に含まれる環境負荷や資源としての有用性、こういったものに応じてそれぞれ適宜適切に国際的な移動の是非を考えるべきではないかということでございます。
  また、その際には国際的な循環資源の問題について環境汚染の防止が資源の有効利用の前提となるような、こういった確固たる方針で臨む必要があるのではないかということでございます。
  続きまして、廃棄物の発生抑制の原則、国内処理の原則、こういったものが基本であって、これを実現するためには各国における国内処理能力の向上、先ほどご議論ございました3Rも当然入ることになるんだと思います。そういったことが喫緊の課題であるものの、循環資源の国際移動が行われる際には移動先国について自国と同水準以上の廃棄物や3Rの水準、こういったものを有することが前提となるのではないかということでございます。
  また、循環資源の有効利用を促進する観点から、こうした前提が満たされる場合にも、人件費等のリサイクルコストの観点も含めまして、効率的、効果的に資源の有効利用が行われるというような国に輸出されることが望ましいのではないかということでございます。
  こういった原則のもとで国際的な資源循環の視点といたしまして、先ほどもご提示させていただきました国内の取組の充実・強化を通じたアジア全体での環境負荷の低減、適切な役割分担を踏まえました関係主体の積極的参加の促進。この中には当然言葉足らずの面があるんだとは思いますけれども、例えばNGOやNPOといった崎田先生のご指摘、こういったものも含めまして適宜書き直すということが重要ではないかということでございます。
  確実に環境汚染の拡大を防止するための国際システムの構築。ここもちょっとなかなかわかりにくくなっているようでございまして、酒井先生からもご指摘がございました、情報の共有、あと透明性の向上といったようなものを念頭に置いて書かせていただいておるものでございますが、これはちょっとそういっうたご意向がわかるように書かせていただければと思います。
  4点目は国際的な連携に基づく整合的・一体的な取組の推進。
  また、情勢の変化に応じた柔軟・的確な対応の必要性というようなものが考えられるのではないかということでございます。
  こうした方針に沿って我が国が取組を進めていく際には、国内の廃棄物・リサイクルシステムへの影響や、稀少資源の確保、また貿易政策の全体との整合性、途上国等のニーズ、他の環境分野との相乗効果、こういったようなものが基本原則のほかに留意すべき事項として生じてくると。その中でマーケットの整合性とかそういうものがこういった中で検討されるのではないかということでございます。
  続きまして、次のページでございます。こうした循環資源の国際的な移動の原則を踏まえながら、環境汚染の防止を前提に、汚染性や資源性をベースにして循環資源の性質、それに則してアジア地域全体を視野にその適正な利用・処分の仕組みを構築していく必要があるのではないかということでございます。
  そこで、寺園先生からもご指摘がございました循環資源とは何かという話でございますが、法令上の循環資源は現に使っているものは中古製品であれば循環資源にならないことになっていまして、それを「等」ということにしております。そういったものも含めて移動されるものが多いものですから、そこは循環資源として一体的に考えるために、細田委員からもご指摘ございましたように、そういうのも考えるためにも「循環資源等」というふうにさせていただいているところでございます。
  続きまして、その基本的な考え方を踏まえました我が国の具体的な取組内容でございます。途上国等における有害廃棄物等の適正処理、ここも3Rも当然入るということで書き直させていただこうと思っておりますけれども、各国における政策の一貫性や国際的な協調性、施策人事の強化いったそれぞれの効果を上げるような要素を重視しながら各国の制度の充実・強化や人材育成等の取組を推進していく必要があるのではないかということでございます。
  また、循環資源の国際的な移動の増加に起因する環境汚染を防止するために廃棄物の不法輸出入の防止、これに向けた取組を充実・強化しいてくということが重要ではないか。
  また、国内の廃棄物・リサイクルシステムの充実や国外でのリサイクル等の増加、こういった状況に的確に対応しながら、循環資源の国際的な移動の円滑化、これを「検討」ということにさせていただいております。この際に、酒井先生のおっしゃったように、いろいろな国際的な視野もしくは国内の意見の形成といったようなことも非常に重要になってまいりますので、そういったことも含めて検討していくということに現段階ではなろうかと。そういったことも書いていく必要があるのではないかということでございます。
  以上を踏まえまして、今後の更なる取組へということでございまして。上記のような取組の進展に合わせて循環資源の国際的な移動が進む中に、ほかの国々を地域全体で適正な循環資源を実現していくためのパートナーととらえてそのための取組のパッケージといったことを示す必要があるのではないか。
  特に循環資源については3つ方向性があろうかということでございまして、まず国内でどんなものもちゃんと処理していくという方向性。あと、多国間でスキームをつくっていくという方向性。2国間でのスキームをつくっていくという方向性。こういったものを組み合わせながら進めていくということではなかろうかということでございます。
  こういった将来的に取組を進めていく中で、平成24年までにアジア全体として循環型社会を形成していくビジョンをつくっていくということでございまして。その中ではオープンダンピングや野焼きといったようなものも1つあるのではないか。そのほか崎田委員からもご提案のございましたNPOやNGOも含めた3Rの考え方やそういったものを共有していくということも1つ大きな要素としてはあるのではないか。循環型社会の内容といったようなものも1つ考えられるのではないかということでございます。
  以上、素案ということでございますので、よろしくお願いいたします。

○田中委員長 はい、それでは、骨子ですので、この中身を詰めていただくためにご意見いただければと思います。
  それでは、小島委員、お願いします。

○小島委員 アジア経済研究所の小島です。まず、発信すべき我が国の廃棄物・リサイクル対策のところで、私欠席した回で申しわけないんですけれども、有害物質の使用の禁止ですね、アスベストとかPCBとか、それをまず入れ込んだ方がいいのではないかな。リデュースの側面もありますし、きちんと禁止してない国もアジア各国いろいろありますので。禁止をしなければいけない。禁止がおくれたことによってやはり問題は拡大しているというような側面、日本でもあると思いますので、それについてきちんと伝えるべきかなというふうに思います。それが第1点です。
  それから、3番目の関係者が一体となった取組の推進のところで、やはり産業界の役割かなり大きいと思いますので、その辺に関してもきちんと言及した方がいいのではないかというふうに思います。
  それから、第2部の2の2つ目の○のところで、「移動先国について自国と同水準以上の廃棄物処理水準を有することが前提」というふうにありますけれども、企業によっては廃棄物の処理水準が海外で満たしていないということで、いったん輸入してリサイクルしたものの残さを日本に持ち帰るとか、適切なところにまた輸出をしようというような動きもありますので。必ずしも国でその技術がないからといってきちんとしたシステムを構築できないというわけではなくて、オールターナティブなシステムを、輸出を含めて構築することができますので、その辺もちょっと表現をもう少し工夫した方がいいのかなというふうに感じました。
  あと、先ほど寺園さんから経産省とか国土交通省とか税関とか日本の中の他省庁との連携というお話ありましたけれども、アジア諸国でもいろいろな省がこの分野担当していますので、国内での連携だけではなくて、相手先国での連携というのも非常に重要な課題で。例えば有害廃棄物の輸出入の管理ということでいえば、日本だと税関が実際に担当しているような検査のところを香港では環境保護省がダイレクトにやっていますし、タイでは工業省がやっているというような形で。果たす役割がどこの省庁に任されているかというのはかなり違いますので、きちんと連携を各国でとりながらうまく対話をしていかなければいけないのかなというふうに思いますので、その点についてもどこかで言及していただければなというふうに思います。

○田中委員長 ありがとうございました。
  今井委員、お願いします。

○今井委員 2点ほどコメントしたいと思います。第1点は、3Rのとらえ方についてやはりいろいろ議論、コメントあったと思うんですけれども。私はつらつら考えると、非常に大きな1つの社会像としては持続可能な開発ができるようなSD的な社会というのがあると。そのもう少し下位に循環型の社会があって、その下に1つの重要な要素として3Rというものがあるというようなとらえ方もできるのではないかなと思うんですね。
  そうしますと、やはり循環型社会というのは、特に途上国との関係でどういうものが循環型社会として重要な要素になってくるかといったときに、決して産業の廃棄物の問題だけじゃないと思うんですね。いわゆる農業部門が非常に大きいわけですね。水の利用あるいは都市と農村の関係、この中で循環型の社会をどう構築していくかというのは非常に重要な課題だと思うんですね。そうしますとやはり、ここで議論されている3Rという用語で議論されているものと、あとは循環型社会ということで説明している対象としているものというのは大分違うんじゃないかなと思うんですね。したがって、アジアにおける循環型社会の中で3Rが特にどういう意味を持つのか、それ以外の要素というのはどういうふうに取り組んでいくのかというのは非常に重要ではないかなと思います。
  例えばごみの問題でもやはり水との関連が非常に強いわけですね。ごみが不法に投棄されている、それによって水のちゃんとした循環的な利用が阻害されている、この循環型社会の阻害要因として非常に大きなものがあるんじゃないかなと思うんですね。あるいは都市と農村での栄養塩の循環をどうするかといったような問題も循環型社会ということで話をした場合には当然そういう1つの像というのは出てくるのではないかなと思うんですね。
  したがって、循環型社会と、その中での3Rの関係性というのはもう少し整理をしてみる必要があるのかなという印象を持ちました。
  第2点は、キャパシティビルディングの問題ですけれども、これ僕は9ページの図を見ていたんですけれども。まず第1点は、キャパシティビルディングの対象は何かというのを鮮明にする必要があると思うんですね。どういうことかというと、ここではどうも政策計画づくりに対するキャパシティビルディングという1つの要素として位置づけられていて、それはもちろん重要なんですが、途上国の問題というのは政策計画あるいはいろいろなものができていますが、エンフォースするという点が非常に弱い部分が、弱いというふうに一般的に見てとれると思うんですね。そうしますと、この中でやはりエンフォースをする部隊、これは関係者ということで一言でいわれているようですが、これは先ほど小島委員が指摘したのと僕も同感なんですが、政策計画を担う集団とか企業ですね、あるいはコミュニティレベルでそういうものを担う部隊、これは先ほど生物系の話が出てきましたが。そういう点を入れますと、コミュニティレベルでだれがこういうものを担っていくのかというのは非常に重要だと思うんですね。
  そうしますとやはりキャパシティビルディングの対象となるステークホルダーズというものをもう少し分析をして、実際のエンフォースを確保できるような形でのキャパシティビルディングというものを考えるともう少しそこら辺が鮮明になるのではないかなというふうに思いました。
  以上です。

○田中委員長 ありがとうございました。
  森口委員、お願いします。

○森口委員 私は先に中座させていただきますので、ごく手短かに申し上げたいと思います。
  今井委員が1点目おっしゃったこと、それから前半部で谷口委員、寺園委員あたりから出たことの繰り返しになろうかと思いますが。やはり今回のとりまとめの中では比較的焦点を絞った形での国際資源循環ということに関して、やはり着実にこの段階でまとめておく必要があるのではないかなと思いますが、それはそれで結構かと思います。
  その一方で、循環型社会という言葉は国内においては非常に広がりを持った言葉でありますし、また委員おっしゃった天然資源の消費抑制というような話も、従来の環境行政の範疇の中にはやはり入っていなかったので、これが循環基本法の中に明文化されたということで一気に議論が広がっているかと思いますが。それをやはり短時間ですべて議論し尽くすということも非常に難しいのではないかと思います。
  したがいまして、コアの部分はしっかり書き込みつつ、非常に広がりのあったものとして中長期的にはとらえていくという、そんなある種2段階でうまく書き分けていただくというようなことがよろしいのではないかなというふうに思います。

○田中委員長 はい、ありがとうございました。
  武内委員、お願いします。

○武内委員 私ほとんど今、森口さんが言われたのと同じことを言おうとしていたんですけれども。要するにここでいう国際循環というものをどのようにしてとらえるかということについて、かなり明確に書いておいた方がいいんじゃないかなと思うんですね。1つは、循環型社会をやはり幅広にとらえて、製造物過程も入れた形でこの際とらえていくということで、今後の日本における循環型社会形成のあり方について少しそれを一歩進めた形にしておいて、そして現実にやっている政策を中心にいろいろと議論していくというふうな話が1つと。
  それから、もう1つは、これは特に東アジアを焦点に当てているので、私はさっき申し上げましたけれども、やはりそれぞれの国の循環型社会形成に国際協力的な観点でお互いが連携しながらそれぞれあるべき姿を追求していくというのは、これはやはり1つあると思うんですね。それがある上で、ある基準をクリアしたものについてはむしろ効率的な東アジア内のマテリアル循環を進めていくというふうな話、これはセットで議論していくべきだと思うので。そういう意味では一種のここでいう国際循環型社会形成というのは何かということについて、今のような話を包含するような、少し定義みたいなものを入れておいた上でこの議論を進めた方が、我々の中でも議論非常にクリアになりますし、使う側も恐らくその方が使い勝手がいいんじゃないかなというふうに思います。
  それから、小さな話ですけれども、先ほど来出ているキャパシティビルディングについては、これは私も専門ではないのでよくは知らないんですけれども、ビルディングというよりはデベロップメントという、その地域にあるような組織的、人的な資源をむしろ有効に生かしていって能力向上を図るというような意味ではビルディングよりはデベロップメントというふうな言葉の方が最近はよく使われているというようなことを聞きますので、合わせてご検討いただければと思います。

○田中委員長 ありがとうございました。
  寺園委員、お願いします。

○寺園委員 最初に課長補佐からお話ありました循環資源の中の話ですけれども。現に使っている中古品というのは確かに廃棄物等の中に含まれていなかったと思うんですけれども、ここでの議論の中で現に使っている中古品を含むかどうかということ、ちょっと私もよくわかっていませんので、そこはまた確認させていただければと思います。
  それから、資料2の骨子案のところについては1点だけで。第1部のアジアに発信すべき我が国の経験ということですけれども。これは昨年1回申し上げたかもしれませんが、私の考えなんですが、これは我が国が発信すべきはこういった結果としてこういう制度をつくり上げてきたということは大事だと思うんですが、そのときにあった議論とか経緯とかその辺を、大分恥ずかしい部分もあるかもしれませんが、つまびらかにする方が参考にされやすいのかなというふうに思います。
  つまり、例えば日本で環境税が導入できないできないという話がありますが、経済にダメージがあるからということが反対される方の主な理由になっていると思いますが、例えばドイツの方に言わせますと、ドイツの環境税がいいかどうかは別として、ドイツでも導入時にはそういう議論があったと。そのときには経済界とこういうような話をしたというような説明がされる場合があります。そういうような賛否あった場合にどういうような議論やどういうような経過を経てそこに至ったかということがわかるようなものがあった方がこれからは参考にされる国々にとっても非常に有用なのではないかというふうに考えました。また、同時に、私たち自身が学ぶべきものもあると思いますので、その辺が反映されればというふうに考えました。
  以上です。

○田中委員長 ありがとうございました。
  細田委員、お願いします。

○細田委員 先ほどの質問ともかかわるんですけれども、私の質問は、法的なディフィニッションを与えてくださいと言ったのではなくて、現実に取り扱うときに何が廃棄物で循環資源なのかということがわからないと、これ出しても、やはり霞ヶ関が書いたもので実際の業者さんこんなのわかりませんよというふうになってしまうと困ると思うんです。
  特に私がやはりわからないところがあるのは、2ページ目の2つ目の○で、さっきと同じなんですが、廃棄物の発生抑制が云々と、これはそのとおりで初めの下線があって。各国における国内処理能力の向上が喫緊の問題であるがときて、循環資源の国際移動が行われる際に、ここは広く循環資源になっていて、今度はその次が自国と同水準以上の廃棄物処理水準。つまり何を考えているか。これはやはり廃棄物を考えているのか。さっき私が聞いたのは、循環資源というのは広い層がありますよね、例えばH2だって相場が悪くなければ日本で廃棄物になっちゃうことだってあるわけですよ、6,500円で。ところが、今は2万6,000円ですごく資源としてなっているわけですね。そのものに関して、ここでは3行目にくると廃棄物に引き寄せられて書いてるんですよね。もっと循環資源というのはグラディエーションというか、広い広がりがあって、書きぶりが難しいことはよく私わかって質問しているんだけれども。それをぜひ誤解のないように、使用済製品から再生資源まで広い循環資源の層があって、それぞれに応じて手当をする必要があるということをぜひどこかでにおわせてくれるぐらいにしてくれると誤解は少なくていい。現場の業者さんも多分慌てないで済むと思うんです。よろしくお願いします。

○田中委員長 ありがとうございました。
  崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。先ほどの内容のご説明のときに、NPO・NGOなどの記述を加えたりというようなお話で随分いろいろと考えていただいてありがとうございます。それで、実は市民の方の動きとかそういうことに関してきちんと情報提供を私の方からしますと申し上げたのが非常におくれておりまして大変失礼いたしました。
  そういうようなことで考えていきますと、1ページなんですけれども、1ページの下のところ、アジアに発信すべき我が国の経験の中で、3番に地域に根ざし関係者が一体となった取組の推進とあるんですが、できればここに○をもう1つ加えていただいて、市民参加による普及啓発とか循環型地域づくりの推進とか。何かパートナーシップ型で、例えば家電にしろ容器包装材にしろどんなものにしろ、やはり市民生活をきちんと快適にするための製品なわけですので、市民がきちんとそこで役割を担うということを明確に入れておいた方が今後の発展に重要だと思いますので。で、日本の中でも今そういうような考え方で市民が、例えばリサイクルコストの話であったり家庭ごみ有料化の話であったりということで、あるいは循環型地域を自分たちでつくろうといういろいろな活動を起こしたりという、そういう流れがあるわけですので。市民参加あるいは市民の取組と一体になったことの重要性とか、そういうような方向性を一言ここで入れておいていただいた方が後につながるのではないかなというふうに考えています。
  そういう流れから考えますと、2ページの下の取組を進めていく際のどこかに、先ほど下から2つ目の○の役割分担のところにNGO・NPOのお話を入れていただけるというふうにお話がありましたけれども、後でちょっと文言もう少し考えたいと思うんですけれども。先ほど寺園先生もおっしゃったように、学ぶこともあるのではないかということで、特に市民社会の間では市民同士の学び合いという気持ちを大切にしていこうという意識が大変強くありますので、そういうような視点を踏まえて単なる連携をするとか支援をするというのではない、学び合いというような視点も入れると、日本の中の循環型地域づくりにもつながるのかなというふうに思っています。
  そういうような点でよろしくお願いいたします。

○田中委員長 酒井委員、お願いします。

○酒井委員 この中間報告骨子案に対しての意見の前に、少し確認で、資料1の3ページ目のところに汚染性低減の要件と資源性向上の要件ということで非常にクリアな切り分けをしていただいているところ。ここが汚染性低減の要件がこの廃棄物処理水準の担保という言葉に非常に集約されすぎている割合に、先ほど細田先生からの指摘にもつながっているのではないかというように思っております。循環資源といったときに、それは循環資源の再生利用過程での汚染性低減の要件といったようなものもあるはずでして、それをこの上の囲みなのか下の囲みなのかどちらが適切かはまた考えていただいたらいいんですが。再生利用施設というのはやはり汚染回避水準といったものが非常に重要になるわけで、そこの視点を少し含めていってはいかがかと。それが先ほどおっしゃられたソウオウという、いわゆるハイソセイ云々ということの全体像を見せていくことにつながるのではないかというそういう印象を持ちました。
  それと関連するんですが、中間骨子案の3ページの基本的な考え方を踏まえた我が国の具体な取組内容、3つ目の○が循環資源の国際的な移動の円滑化の検討、あくまで検討だと、これは先ほど来の国内にもってくることを含めて議論の蓄積がいるということを含めるところで検討しているとおっしゃられたわけですが。ここでやはり基本的な情報整備に関する部分、これは恐らくは有価、無価あるいは有害、無害等に基づく物品リスト整備というのが非常に時間がかかる作業ですから、これは検討といわずに少しもう解消いただくというようなそういうスタンスがこの辺で少しずつ出てきていいのではないでしょうか。これはすぐに始めても何もすぐ用意できるものではありませんし、仮に用意したとしても非常にプリミティブなものになろうかと思いますので、これは既存の条約等々もにらみながら、かなり地道に始めていただいた方がいいように思いますし。これはいかなる場面でもまた活用できるものになってくると思います。
  以上です。

○田中委員長 ありがとうございました。
  以上でご発言はいただいたでしょうか。貴重なご意見いただきました。
  何点か印象に残っていますけれども、1つは、4月の閣僚会合でいろいろ議論したので、それでこの中に参考になるものは入れる、あるいは整合性をもたせる、この会議が意味があったんだと、こういう形にしたい点ですね。
  それから、情報の開示、より正しい情報を共有することによってより安全・安心な生活環境あるいは地球環境を保全するんだということと。それから、循環型社会をつくるにおいては大きな取組が必要なんですけれども、その構想は少し述べても、ここでは主として廃棄物マネジメントからのアプローチといったような副題が暗黙にあるんだと、こんな整理の仕方かなという気がします。
  では、部長から何かコメントなりお願いしたいと思います。

○廃棄物・リサイクル対策部長 どうも貴重なご意見ありがとうございました。3月のリベラル会合でもとりまとめいただくものをベースにして、少し我が国の立場を申し上げてみたいというふうに思っております。次回よろしくお願いいたします。
  それから、まず、きょう多く出されましたスコーピングのような話でありますが、実は先生方もご案内のとおり、3Rといっても人によるといいますか、国によって人によって随分とらえ方、範囲も違っています。それから、循環型社会といいましてもお隣の国がいっているものと、向こうは循環型経済と書いてありますけれども、類似の言葉を使っておりますが、そのイメージも違って必ずしも一致はしていないと思っております。
  それから、水の話などもたくさん出たんですが、一方で世界水フォーラムというものも活動をされております。必ずしも重なり合っちゃいけないというものでもありませんが。我々何を中心点にもっていくかということで。
  イメージとしては、そのスコープの話は循環型社会推進基本法というのがございますから、こういうふうなものを何となく中心点に置きながら、特に我が国が特段に取り組んできて何とかなったというものを発信をしてみるべきだということでは、少し以前武内先生からハイリクがあるからしょうがないなと言われたんですが、その廃棄物の処理とかリサイクルの話などが中心になるということは少し我々の、ほかにもあるじゃないかということがあればまたおっしゃっていただけたらと思っております。
  その中で発信という意味では、実はその発信あるいは対話とかこういうことを申し上げておりますが、当然今日出てまいりました生ごみの処理なんていうのはどこの途上国も1丁目1番ちょっとの話だろうというふうに思っておりまして、それが畜産系の廃棄物まで広がるかどうかというのはまた少しそれぞれのスコーピングの問題があると。日本の場合、バイオマスといいますと生ごみが1丁目1番地であることは共通ではありますが、やや畜産の糞尿があったりあるいは剪定枝をどうしようかとこういうことまで、あるいは木くずでありますと家電製品のパレットの問題までがこの議論になると非常に細かいところまで我が国ではなるわけでありますが。
  ここは実質的に、例えば途上国におきまして共通の問題は、途上国だけではありませんが、生ごみをどうしていくか。我が国におきましては、これを焼却処理するのは我が国の非常に得意な分野ですし、ダイオキシン98%削減してエネルギー利用しているなんていうようなところは結構進展をしておりますけれども。さらにはメタン回収して水素化社会へ向かうなんていうそういう技術開発も一方ではしているわけですが。途上国においてその国でどこまでのことが対応できるかと。かつて昭和40年ぐらいに我が国でもたくさんコンポストというものが大都市に展開した時代がございます。しかしながら、これはうまくいかなかったわけでありますが、そういう経験も我が国では持っております。こういうようなもののどこをどのように駆使して参考にしていただくべきところがあるかというふうなことも当然ございますし。
  今、多くのアジアの国で関心が持たれていますのは、いわゆる感染性の廃棄物をどうするかというようなことも、実は具体的な問題として関心の大変高い問題であり、これはなぜかということはおわかりだと思いますが。
  それから、もう1つは、E-wasteに代表されるようなものがございます。今もこの議論は必ずしも循環資源ではあるのかないのかという議論が出ましたが、現実に少し、先ほど申し上げた生ごみあるいは感染性廃棄物というのはそれぞれの分野どうするかという問題。それを逆に越えますと、我が国に食料が入ってきていて窒素過多の問題があるではないかというような問題も当然ございますが。まずはその話に関しましては別途、実は生ごみ等の検討会というものを別に実は動かしておりまして、現在また検討しております。これはこの廃棄物部会の方にまた機会を見てご報告をさせていただきたいというふうに思っております。
  それから、もう1つは、いわゆる目の前で輸出に関連して問題が生じておりますのは、というよりはまず1つ事実関係を申し上げておいた方がいいと思うんですが。我が国は、7ページの下の箱を見ながらお聞き願いたいと思います。こんなに厳格なことを申し上げるつもりはないんですが。
  実は、この下の廃棄物の部分は、これは国内処理原則というのができておりまして、今唯一国外へいっておりますのは韓国へ出ているいわゆる石炭灰がどんどんふえている状況にございます。それ以外は現在ございません。ただ、ここの整理も今後どうしていくかということが1つの課題であろうかというふうに思っております。
  逆に、輸入しておりますのは、バーゼル条約含めましてかなりの部分に及んでおりまして、先ほど谷口委員、あるいはその他の先生方から出ていますように、我が国の体制というのはそれなりにここ10年かなり整ってきておりまして輸入もかなりしておるわけであります。
  ただ、問題となっております有価で無害なものというところがございますが、ここに関連しまして、大きく2つ、2つを区分すると3つぐらいに分かれるわけでありますが。1つは、例えば家電製品の例えばテレビを例にとりますと。1つはいわゆる10年間の耐用年数のあるものを我が国で例えば9年使って、我が国のリサイクルショップに並んでおる場合には何ら我が国の国民が問題にするわけではございません。これは普通にマーケットで動いているものであります。ただ、これが例えば中国へ輸出されることになりますと、向こうの方のお話、私一度しか聞いてませんし、これが政府の見解かどうかはわかりませんが、そこで1年で廃棄物になってしまったときに、やはり処理費用というものをだれがどう担うのかということに対して、やはりきちんとした適正処理が確保できなくなる恐れがあると、こんなふうなことをかつて聞いたことがありまして、その話を聞いた後半年で輸入が禁止されたということであります。こういう問題。これは本質的な問題でありますが。
  もう1つ、仮にそれがいいと禁止していないにしましても、そこに紛れて使うのではなくして、すぐにリサイクルなり処理をすると、こうなっていい部分だけを取り出して不要な部分を不適性処理が起こると、こういうところも問題視されておるわけであります。こういう例えばの問題が1点目の問題です。
  もう1つありますのは、例えばペットボトルが、これは別途中央環境審議会の廃棄物部会で田中部会長のもとでやっていただきました容器包装リサイクル法の見直しに関する議論の中でも、いわゆるペットボトルが集められたものが外国にいってしまって、我が国のペットtoペットのような産業が少しおかしくなってくると、こういう問題が別にあるわけであります。これは別の切り口の問題として存在をしておりまして、これをどのように扱っていくかということで。実はこの辺も少し細かい話で、何かいい知恵があれば先生方にいただきたいなと。
  実はこの委員会、私はお願いしましたときにスコーピングの話として3Rという言葉、いろいろな意味で、我々は3Rということで打って出たわけであります。日本はそのように小泉総理が申し上げ、小池大臣が主催して国際会議をやり、今度の3月にそのフォローアップをやり、順次進めていくことはそうなんでありますが、余りスコーピングのことにこだわりすぎてもおかしくなる。それから、定義の話もよくこの議論は出るんでありますが、循環型とは何ぞやということもあるのでありますが。法律の意味は法律の意味であるんですが。若干そこを中心にした議論ということで、今のような話も含めながらやっていただけたらというふうに思っております。
  そんな意味で、必ずしもこのペーパーが、先ほど先生方がおっしゃられて私申し上げたようなことに則していない部分が多分ありましたんだと思いますので、そこは少し修正をして次回に出させていただけたらというふうに思っております。
  ぜひとも次回、何かいい知恵がありますれば、またメールでも結構であります。事務局の方に、特に後者の問題ですね、リユースの話は少しかなり大きな問題になってはおりますが、どうしていくかというのは今直ちにということではないんですが、ペットボトルの話に関しては何かいい知恵があれば至急お伺いをしておきたいなと思いまして。ぜひともご意見あれば事務局の方にお寄せいただければと思っております。
  よろしくお願いします。

○田中委員長 ありがとうございました。
  ほかに何か説明特にいいですか。
  それでは、まだ議論あろうかとは思いますけれども、時間がまいりましたので。
  今部長からおっしゃったように、ご意見、お気づきの点があれば、2月3日までに事務局までご連絡いただきたいと思います。ファクスなりEメールでお願いします。
  次回は第5回、2月15日、14時から都道府県会館で開催を予定しております。お手元に案内、地図が入っております。ご確認ください。次回は報告書についてご議論いただき、その報告書のとりまとめをさせていただきたいと思います。
  それでは、これにて閉会とします。
  本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。

午後0時06分閉会