■議事録一覧■

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会 (懇談会)
産業構造審議会 環境部会
廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルWG (第10回)
合同会合(第3回)議事録



平成16年10月14日(木)10:02~12:55
 
経済産業省本館 地下2階 講堂

環 境 省
廃棄物・リサイクル対策部

議題

(1) 容器包装リサイクル法関係者等からのヒアリング
  [1] 慶應義塾大学経済学部 山口 光恒教授
  [2] 全国牛乳容器環境協議会              (説明者:光谷常務理事)
  [3] PETボトルリサイクル推進協議会      (説明者:大平副会長)
  [4] 紙製容器包装リサイクル推進協議会    (説明者:荒木事務局長)
  [5] プラスチック容器包装リサイクル推進協議会   (説明者:滝田事務局長)
(2) その他
 

○環境省リサイクル推進室長 それでは定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会及び産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループ合同会合を開催いたします。
 委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
 まず、お手元の配付資料をご確認願います。資料一覧をお配りをしておりますので、資料の不足がございましたらお申しつけいただければ幸いでございます。なお、委員の方に事前に送付させていただいたものから若干修正されている部分もございますので、その点ご了承いただければ幸いでございます。
 8月31日の合同会合におきましてお知らせをいたしましたとおり、年末までに6回にわたりまして、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会と産業構造審議会容器包装リサイクルワーキンググループとの合同会合という形で、容器包装リサイクル法関係者等からのヒアリングを実施させていただくこととしておりまして、本日はその3回目となってまいります。
 合同会合につきましては、事務局及び議事進行は持ち回りとさせていただいております。本日は、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の花嶋部会長に議事進行をお願いをしております。
 本日、両審議会合わせまして68名の委員及びオブザーバーとなりますが、本日は32名の委員にご出席をいただいております。中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会につきましては、15名の委員からご出席の連絡をいただいておりますが、定足数であります過半数に達しておりませんので、中央環境審議会令第7条第3項の規定によりまして、懇談会としての開催とさせていただきます。
 また、本合同会合の開催につきましては、やむを得ずご欠席される場合には代理の方に説明員としてご出席をいただいております。本日は、日本チェーンストア協会環境委員会委員長の岡田委員の代理といたしまして、上山様にご出席いただいております。
 続きまして、産業構造審議会容器包装リサイクルワーキンググループにつきまして、経済産業省よりお願いいたします。

○経済産業省リサイクル推進課長 経済産業省リサイクル推進課長の井内でございます。
 産業構造審議会容器包装リサイクルワーキンググループにつきましては、21名の委員の方からご出席、ご連絡をいただいておりまして、定足数である過半数に達していることをお伝えいたします。
 以上でございます。

○環境省リサイクル推進室長 本合同会合の資料につきましては、原則すべて公開とさせていただきたいと存じます。また、会合終了後に発言者名を示した議事録を作成いたしまして、ヒアリングの対象者及び委員に配付をし、確認をしていただいた上で各委員のご了解をいただき公開をいたします。
 それでは、これ以降の議事進行を中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の花嶋部会長にお願いいたします。

○花嶋部会長 では、早速始めたいと思います。
 本日の合同会合の進行役を務めます中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会長の花嶋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の隣におられます、産業構造審議会容器包装リサイクルワーキンググループの郡嶌座長でございます。
 きょうはこの講堂、たくさんの方がお見えになっておりまして、熱気がむんむんといたしております。そういうことで―9月をもって冷房をとめておるようでございますので、多分かなり暑く感じておられるかもしれません。そういう意味で、上着をとってご参加いただければ非常にありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日の議題は、お手元の議事次第にありますとおり、容器包装リサイクル法関係者からヒアリングということでございまして、有識者である慶應義塾大学、山口教授よりお話を伺い、続いて全国牛乳容器環境協議会、PETボトルリサイクル推進協議会、紙製容器包装リサイクル推進協議会、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会の4団体からお話を伺うこととしております。
 まず、慶應義塾大学の山口光恒教授よりお話を伺いたいと思います。
 山口教授は、地球温暖化問題から廃棄物問題まで、環境政策の研究を幅広くされているのに加えまして、OECDの拡大生産者責任に関するガイダンスマニュアルの策定にも深くかかわっておられます。
 それでは山口教授、よろしくお願いいたします。

○山口教授 ご紹介ありがとうございました。
 慶應大学の山口でございます。有識者と言われますと、実は知識がないので、大変恥ずかしい思いをいたしております。こんなにたくさんの方が聞いてくださって非常にびっくりしております。大学でも、このくらいの人数の履修者がいるという講義はあるんですけれども、出席率がこれほどよくはない―こんな感想でございます。冷暖房がないというのは大学でふだんなれておりますので、その辺は全く問題がないという次第でございます。
 今、花嶋先生からご紹介ございましたけれども、私自身、特にこの問題について経験、知見があるということではないのでございますけれども、たまたまでございますが、OECDのガイダンスマニュアルの作成過程で、その場所に行ってワークショップでスピーチをしたり、あるいは作成過程で二転、三転、四転、五転はしたんですけれども、その都度いろいろ向こうの担当者と口頭やEメールで議論したり、そんなことをやっておりました関係で、恐らくちょっと来いと言われたのではないかと思っております。
 細かくは説明いたしませんけれども、OECDのガイダンスマニュアルですけれども、実はOECDの場というのは各国政府が合意した文書しか採択できない、公表できないんですね。ということで、いろいろな政府の思惑があって、最終的にはこれはコンプロマイズの代物であると、まずこういうことですね。
 それともう一つは、二転、三転、四転というのは、特にPolluter Pays Principleというのがございまして、これは私はちょっと日本の解釈は間違っているのではないかと思っておるんですけれども、それをめぐって本当に克明に―私は実はこの外に出ていないものも全部読んで、いろいろ意見を言ったわけですけれども、本当に右に行ったり左に行ったり変わりまして、これについては、実は私は英語の論文で書いてありまして、ご興味があります方は私のホームページにアクセスしていただければご覧になれます。もしわからなければ言っていただければ、それをお送りすることはできます。
 さて、きょうは時間が非常にタイトでございますので、一応30分というふうにお聞きしておりますので、その間に話をさせていただきます。
 まず、OECDのガイダンスマニュアル、これは完成前から注目を浴びていまして、世界にかなり影響を与えている。そのこと自身は非常に望ましいと思っております。ただ、このマニュアルでは、最初はもう皆さんご存じのことを念のためにおさらいをしておきますけれども、EPR、拡大生産者責任とは何かということで一応ここに書いてあるんですけれども、生産物に対する生産者の物理的・金銭的責任を当該製品の廃棄後まで拡大する環境施策の手法である。だから、環境施策もいろいろな手法があるけれども、そのうちの一つである。特徴として責任を全面的、部分的、―これは部分的と書いてあるのは容リ法がそうだからということですね。自治体からライフサイクルの上流にシフトすること、テークバック及びリサイクル、あと生産者に環境に配慮した製品生産を行うインセンティブを与えること、この2つが特徴である。
 したがって、ここで言っているEPRについては、責任を全面的に自治体から生産者に移すというのも入りますし、部分的に移すというのも当然このマニュアルの対象になっているわけです。そして、対象としては、自治体から生産者ということですから、基本的にヨーロッパでの、いわゆる日本で言う一般廃棄物、これを念頭にこのマニュアルはできます。
 もともと、この検討が始まったのは1994年ぐらいからなんですけれども、当時はまさに、日本で言う容リ法、パッケージのリサイクルの問題だけを頭に、みんなで議論していたんですね。最後の段階になって家電の問題が急に出てきた。さらに自動車が少し、あっちの方に見えるかなという、こういう状況になって、大分そのあたりで少しずつ変わってきた。ですから、このマニュアルの一番の問題点の一つが、先払いか後払いかということはほとんど検討していない、非常に不備なんですね。ただ、これは、いわゆる容リを対象としていたので、後払いということは余り考えていないわけですね。ということで、その前提でこのマニュアル が出来ている。
 そして、この目的としては、基本的には処分場が足りないというところから始まっております。それから、資源の有効利用ですね。括弧というくらいの位置づけで環境汚染ということがあります。そして、このマニュアルというのは一体何だということですけれども、これはここのマニュアルの中にも入っていますけれども、各国政府へ情報を提供するものです。まず情報提供ですね。したがって、このマニュアルによって特定の方向を与えたり、EPRの優先性を正当化するものではありませんよ。要するにこのマニュアルをつくって、皆さんこれが一番いいからこうしなさいということではなくて、一応EPRを考えている政府は、これを読んでいろんなチェック項目もありますから、そこをよく読んでくださいね―簡単に言うと、このマニュアルはそういう位置づけです。
 そして、もう一つ重要なことは、各国の経済、社会、文化的背景を勘案する要がある。OECDの議論に、私は定期的に出ていますけれども、何か議論するとそれぞれみんな国柄が違うわけですね。これで一つということではなかなかうまくいかない。そういうことで、各国の状況をよく考えてやったらいいのではないか、これがこのマニュアルの位置づけだと思います。
 そして、内容としては、いわゆる拡大生産者責任、実はこの言葉は余りよくなくて、理論的には「生産物に対する責任の拡大・分担(Extended and Shared Responsibirity on producto)」というのが本当は正しいんですね。ところが、エクステンデッド・プロデューサー・レスポンスビリティー、EPRというのは余りにもみんなその言葉を使いなれてしまったので、もうこれでいこうということに最初なった。アメリカは最後までこれに抵抗していまして、最後決まる瞬間にも、アメリカ人の議長がわざとこの言い方を間違えたりして最後まで抵抗したというような状況がございます。
 そして、この生産者というのは、生産するから生産者というのではなくて、これは定義がはっきり書いてあるんですけれども、その製品やサービスに対するコントローラビリティー、要するに制御可能性を生産者が持っていることが多い。したがって、制御可能性を持っている人のレスポンスビリティーなんだと、こういうことなんですね。それがたまたま生産者というケースは非常に多い。だから、制御可能性イコール生産者となることがある。ただ、本質は、例えばデザインを変更したりというような意味で制御可能性を持っている、それがここで言う生産者なんだという、こういうことですね。あと、小売りとか流通、消費者がすべての主体の協力が必要、これはもう言うまでもないことでございます。
 次に、制度設計上の留意点なんですけれども、このマニュアルにいろいろなことが書いてありますが、一応皆様のお手元に、私が日本語で大学の雑誌に書いた「EPRに関するOECDガイダンスマニュアルについて」というのがございますので、これを見ていただくと詳しく出ております。エッセンスを申し上げますと、一つは製品の性質が様々なものが対象となる。それから手法も、規制から自主協定と多様である。―例えばEPRについても自主協定というのがあるわけですね。こうした中で、製品によってもこの中身は違ってくるでしょう。そして、あと何を対象にするか、それから既販売製品、既に売られたものをどうするか。各関係者の役割、こういうものについて総合的に分析して、その国が最もいいと思うことをやったらいいのではないですかということです。特に、ここで言っているのは最終処分量が多い製品とか、処分場制約が強い製品にはEPRが適しているだろうと、こういう書き方をしてあります。そして、責任の分担ですけれども、自治体と生産者、生産者とその他の民間主体、このあたりでそれぞれ責任をシェアする。もともとシェアード・レスポンシビリティーという言葉がずっと入っていました。
 そして、このマニュアルには、実は幾つか問題があります。その一つは、先ほど申し上げましたように、処理費用後払い、先払い問題で、これは非常に不十分なんですけれども、そこは私のさっき申し上げた雑誌に書いたものを見ていただければおわかりになる。ただ、これはもともとパッケージングだけを対象に始まった議論なので先払いが当然ということで重要視されなかった訳です。
 もう一つ、実は地方税の還元問題というのがある。私は随分OECDの担当者と議論をしたんですけれども、彼らは「それはおれたちの問題じゃない。各国の問題なので、ここではそこは議論しない」みたいな、こういうスタンスがずっと貫かれていた。この点については後でまた申し上げたいと思います。
 それで、2ページ目に参りまして、容リ法の見直しに際しての論点、考え方。私自身は、容リ法はEPRの考え方をとり入れた初めての日本の法律として、実際に対象となった品目の減量化とか回収率、リサイクル率の向上、参加自治体数の増加、リサイクル技術の革新、国民の関心の向上、こういう面で非常に大きな役割を果たした。日本はそれが非常にうまくいっているなと、こういうふうに、まず認識をしております。
 それで、今後容リ法を見直すときに、何をクライテリア、基準にして考えるべきかということですけれども、これは一つはもちろん環境効果ですね。そのためにこれをやる。それと、2番目が経済効率、安く同じ目的を達成する、これが非常に必要なことです。それから衡平性、エクイティーですね。だれかだけが非常に不公平になる、こういうことではまずい。それから、現実に実現可能性があるということ。それから、容リ法の場合には環境教育ということも、やはり大きな判断基準ではないかと思っております。
 そして、論点の1ですけれども、このあたりから、これからいろいろ議論が出るんだと思うんですが、自治体の役割ですね。いわゆる自治体から生産者へ全面的に責任を移転するという、考えは当然あるんだろうと思うんですね。それに対して、どういうふうに考えるのかということをちょっとだけ申し上げたいと思います。
 これは、生産者への物理的及び金銭的責任の移転、全面的な移転、ドイツ方式ですけれども、これはだれにとって得かということは今は申し上げませんで、社会全体としてプラスかどうかということを考えるといいだろうと、そういうふうに思います。そして、これによって生産者の方は、当然さらにもっと努力をしようということで、3Rに対するインセンティブが強まるということは当然であります。ただここで、例えば生産者に責任が移ったから消費者は何も負担しないということは間違いなんですね。我々の言葉で言うと「需要弾力性」と言うんですけれども、3対7とか7対3でメーカーと消費者がメーカーの費用の増加分を分け合うことに必ずなるんですけれども、その説明をすると、とても長くなってしまいますので、そこは省かせていただきます。
 そして、一番の考え方は、今、自治体がやっているコスト、それを仮に生産者がやるとした場合に、どちらが安いのかというのが決め手になると思いますね。そして問題は、例えば今、仮に民間の方が安いと―どうか知りませんけれども、自治体が100かかって民間が80だとした場合に、そうすると仮に自治体で100のところを民間に移します。すると、日本全体のコストとしては180になりますね。住民税はそのままになります。それでは、社会全体としてのコストは180に上がってしまうわけです。したがって、その自治体の100の部分は、住民税、その分を住民に返す、これは個人もあるし法人もあるでしょう。あるいは、そのメーカーにその分を移す、100移すのか80移すのか知りませんけれども、何かそういうふうにして、社会全体としてのコストを80にしないことには、これは失敗である。社会としては非常にコスト高になる問題である。これだけを申し上げておきたい。だから、社会全体として100が80になるように、ぜひすべきであるということですね。こういうことを最初に申し上げたいと思っています。
 ここでもう一つ、自治体が責任を移す、移さないという前に、自治体の業務が効率的なのかどうかという、これは随分前から議論があって、最近だんだん資料が整ってきたように思いますけれども、まだなかなかわからない。中には市場化テストということをやって、民間の方が安いと言っている、そういうレポートも実際に、地方自治経営学会報告というのが出ております。容リがどうかというのは、これはその場で考えればいいのではないかというふうに考えています。
 それで、要するにこの自治体が効率的かどうかというのは、本当にわからなかったんですけれども、これに備えて、環境省さんでいろいろ調査されたデータを見て驚きました。物すごい細かい調査があります。ここまで来たのかと思ったんですが、ただ、まだまだ、例えば規模の経済性なんかがきれいに出てくるようにはなっていないですね。小さいところと中くらいのところ、大きいと、だんだんよくなるかというと、全然それは違う動きをしているのでなかなか難しいかなと。ただ、もう少しデータがそろって、ぜひそのあたりをきちっと把握した上でどうするかということをやればいいんじゃないかというのが私の考えです。
 そして、この容リ法の費用便益分析、実は2度政府がやっています。これは、私は非常に高く評価しておりまして、今までいわゆる政策について、コストとベネフィットがどうなっているということはほとんどなかったんです。その中であえてやられたということをまず第一に評価しておりまして、この結果が一番下に出ているんですけれども、最終処分場をそれによってつくらなくて済むようになった場合には、15億のマイナスです。そうではない場合には95億のマイナス。ですから、この場合にはやってマイナスになったということになる。
 ただ、これは容リ法ができた直後の1999年度のデータに基づいたものです。ガラスもペットもまだ始まったばかりです、今はもっと成熟しているわけですから、もう一度こういうデータをきちっとやり直してみたらどうかというように思っています。そして、実は家電についても、これは政府が同じようなことをやっています。家電はどうやったかというと、やる前のマイナスが、例えば800だった。そしてやった後のマイナスが700だった、どっちともマイナスなんですね。だけれども、この家電リサイクル法をやった方がマイナス800からマイナス700になったから、100よくなったと、こういうことを言っているわけですね。実際、ですから容リ法についても、ここではマイナス出ていますけれども、その前にもマイナスであって、そのマイナスと今度のマイナスを比べなければいけないというのは、本当は方法論としてはそういう比較をする必要がある。
 ただ、いずれにしても、こういうことを最新のデータでもう一度やることによって、もしかしたらあるもの、物質については、かえってこれは容リ法の対象としない方がいいということがあるかもしれません。これはやってみなければわからないです。あるいは、ほかのものは対象にした方がいいかもしれません。いずれにしても、そういうデータを整理して、その上でやらないといけないのではないかというのが、この点についての私の感想、問題提起でございます。
 そして、第2番目に、3ページにまいりまして、これはちょっとまた論点が違う話です。3Rという、リデュース、リユース、リサイクルですね。そして、もちろん法律には3Rの順番なんだけれども、状況によってそうでないときにはそれは変えていいよというふうに書いてあるわけですけれども、たまたまこのプラスチックのリサイクルについて少し見てみたんですけれども、現状は、法律でははっきり書いてあるわけではないようですが、マテリアルが優先、それからケミカルとなっていまして、サーマルは認められていない、こういうことです。ただ、例えばマテリアルとケミカルの比較をしてみますと、入札で、まずマテリアルの方を優先して、そしてそれがなくなったところでケミカルにというふうに、そういう制度になってきていますが、結果としてはマテリアルの方がかなり高い。ですから、それによってコスト高になっている。それをどう考えるかということだと思うんですね。
 そして、たまたまですけれども、これはマテリアルとケミカルとサーマル、リサイクルを、これは実はヨーロッパで製品バスケット法というのが随分はやっていまして、あちこちでやっているんですけれども、それをもとにいろんな計算をする。ただ、ここで環境効果はCO2、SO2、NOxだけですから、ほかにももっといろいろあるはずだという、そういうことはこれからまだ足していけばいいことですね。それで言いますと、環境効果については、ごみ発電をやる場合には発電効率によって、サーマルとそれ以外の○と×が逆転しています。
 そして、今度は経済効率で見ますと、発電効率が2割だとサーマルの方がいい。ところが環境効果はサーマルが悪いわけですね。発電効率がもし3割になると環境効果サーマルの方がよくなりますけれども、経済効果はどうかというと、実は今まだ、ごみ発電の3割の発電効率がないようでして、ここのところは計算がなかなか―いわゆる我々に手に入る資料がないんです。いずれにしても、ただ例えばこういうことを見て、少しテスト的に何かやってみたらどうかなという感じがするんです。そうしますと、今度は技術革新に対する効果も出るかもしれない。ただ、この場合に、単に経済性がいいとか、それだけでやるのは、恐らく容リ法の場合には必ずしもしっくりしないかもしれない。いわゆる、やはりものはもので残したいという、本質的に我々思っている、そういう感情があります。
 それから環境教育というので、見ても、仮に燃やして電気になるよと言っても、子供はやはり、またもとに戻したらいいなと思うかもしれませんね、そういうこと。それから家電等で、今マテリアルリサイクルを一生懸命やっておりますけれども、その辺に対する影響、いろいろなことを考慮する。だけれども、これを最初からシャットアウトするということはない。いろんなことを考えておいて、一体何がいいかを考えるといいのではないかというのが、私の考えであります。
 次に、この3Rの関係で、お手元にフィナンシャルタイムスの記事、これは実はこんな大きな記事ですけれども、ちょっと縮小で読みにくいかもしれません。これは何が書いてあるかというのは、ここにちょっとありますけれども、2003年1月に、リサイクル可能な缶と瓶に対するデポジットが0.25から0.5ユーロで導入されました。これはなぜかというと、再利用容器が所定の比率を下回っていたんですね。したがって、デポジットを法律に基づいて始めた。そのときからスーパーマーケットで、リサイクル可能な缶とか瓶の販売停止が相次いだ。要するに、それを持ってこられても集めてリサイクル工場にもっていくというのは、とにかく合わないので、自分の店はもうこれを扱わないということになった。そうすると、消費者は今度はスーパーではなくて、購入した小売店に持っていかないと、そこからまたリサイクルしてもらえないということになりますから、これは非常に不便だというので、消費者はそういうのは買わなくなる、売り上げも減少しますね。そうすると、今度はスーパーでは回収ルートを新たにつくることによるメリットがどんどん薄れてくるわけですね。そういうもの自体のごみが出てこなくなるということですね。ということで、そういうルートを構築するインセンティブが縮小してしまう。それから、当然、新聞にいっぱい出ていますけれども、雇用面にだんだん影響が及ぶ。これがこの新聞の記事の中身です。ですから、そうではないケースもあるかもしれませんが、いわゆるリデュース、リユース、リサイクルというのを余り形式的にやると、もしかすると逆のリパーカッションが出るかもしれないという、一つの流れとしてお話したいと思った次第です。
 論点の3は、これは私の専門のうちの一つで、貿易と環境といっても、皆さんの中には環境問題とWTO、GATTがどういうことになるかという疑問をお持ちの方もあるかもしれません。実際には、デンマークボトル事件というのが発端だったわけですけれども、デンマークでは、ビールとかジュースみたいなものは、缶ではなくて再利用可能な瓶でなくては売ってはいけないという、こういう法律をつくりました。本当は詳しいんですけれども、余り詳しく申し上げません。。ところが、ヨーロッパのビールなんか、ほとんど全部缶だったんです。デンマークに輸出するときだけ瓶にしなければいけない。しかも、単に瓶にするだけではなく、それが回収されてきちっと再利用されるという証明がないと、それは売れないということになりました。ヨーロッパというのは、シングルマーケット、単一市場を売りものにしている訳ですね。このローマ条約30条に違反するという訴訟が起こったんですね。ヨーロッパでは、実は環境の方が大事だと言って、デンマーク政府が勝ったんです。ところが、少し性質は違うんですけれども、メキシコとアメリカで、今度はマグロとイルカという―これは時間がないのでお話できませんが、そういう環境の争いが起こったときには、要するにあまりにやり過ぎた環境法というのは自由貿易に反するから、それはだめだと、簡単に言うとそういうGATTの判例が出ました。
 そういうことで、例えば今後いろいろな問題が起こってくるだろうと。例えば、テークバックの義務づけとか、リサイクルコンテント―リサイクルコンテントは実際にヨーロッパの家電について、日本が強硬に反対をして撤回させた経緯があります。要するに、日本のものは売れなくなる、日本はヨーロッパと事情が違うんだ、こういう理由ですね。それから、缶ビールと瓶ビールというのはどうか。GATT上は同種の産品は区別してはいけない。昔は缶ビールも瓶ビールも全く同じ、当然同じだったんですが、今は瓶と缶では、例えば国内のリサイクル制度が違うと扱いが異なることになる。それがGATTで言う同種の産品、ライクプロダクトというんですけれども、それとの関係がどうなるかまだだれもわからない、こんなことがあります。
 そして、実際にヨーロッパのWEEEですね。廃電気電子機器の指令、これに対して日本もアメリカも、政府と業界が猛烈に反発して、あまりにやり過ぎた。結局、ヨーロッパの産業保護に当たるから、やり過ぎのものはもとに戻せ、こういうことを言いました。逆に、日本の皆さんご存じの、自動車のトップランナー方式、これは日本の温暖化対策として非常に重要な自動車燃費の向上を目的とした環境規制ですが、これはアメリカとヨーロッパから日本はやり過ぎたと、それによって米・欧から日本に輸出する自動車を減らすことをわざとねらっているんだろうという正式なクレームがありました。今後環境規制を行うときには十分貿易への影響を配慮しなければならない。今度容リ法の改正に際して、必ず指針に入れなければいけないのではないかというふうに思っております。
 次の論点の4ですね。再生品の需要創出、たまたまこれ、ついおとといも12チャンネルでやって、その前もNHKがやりましたので、もう皆さんはごらんになったと思うんですけれども、要するに、リサイクルしたものが使われないと、これは何もならない―当たり前な話ですけれども。よくテレビのブラウン管の話が出ますよね。要するに、日本で義務があるからリサイクルする。日本では、もうそういうブラウン管テレビつくっていないから全然使えない。ところが、例えば中国に持っていけば十分使える。もちろん、これにはまたバーゼル条約のバン・アメンドメントとか、いろいろなものが絡んできますけれども、それをご説明する時間がありません。
 要するに、私自身は最終的には地球規模で資源の最適循環が達成されればいいのではないかということだと思いますね。そこにまた競争要素が入ってくる、これはいいのではないか。たまたま12チャンネルでやったものは、日本のリサイクルの業者の方が競争力をつけて海外に進出する。普通の、まさに動脈経済と同じ状況になってきたわけですね。ただ、問題は環境汚染ですから、ここはきちっと抑える。そうでないと、経済性がいいといってやったのが、かえって本当は経済性がまずいということになりかねないなと思います。
 そんなことだと思うんですが、最後にちょっと数字を挙げてありまして、ブランクになっているところは、実は数字がわからないということのようですけれども、例えばペットでいくと43万トンつくって、市町村の分別回収が21万、だから市町村以外の行方不明があるわけですね。半分ぐらいあります。そして市町村が集めたものについても、これは輸出に―市町村としては輸出業者が買ってくれればそっちにまわすはずですから、そういう形で輸出されていくんだと思うんですね。問題は、要するにこの法律の最終ねらいは、最終処分量を減らすこと、そして資源の有効利用にある。もちろん環境汚染にも注意が必要です。そうすると何が大切かというと、要するに最終処分量がどのくらいになって、そもそもつくられたのはどのくらいあるか。今把握しているのはどうも半分くらいかな、5割ぐらいかなと。もちろん、この中でどんどんリサイクル率が上がってきたり、ペットになったり、非常な技術革新が起こっていますけれども、やはり行方不明のところを何とか研究していって、それが本当に資源の有効循環、有効利用に貢献しているなら別に問題はない。ただ、もちろん単にほうっておいてそうなるということではなくて、テレビても出ておりましたけれども、広い点で質もやはり変わってくる、そういのは相手の国と協力をして対話をしながら、日本が環境の主導権を廃棄物に限らず、温暖化や、ISO14001取得、そういうのを統合して、日本の外交の柱として、環境というものを持ってきたらいいんじゃないか、こういうふうに考えている次第です。
 どうも、時間がないのに押してしまって恐縮でございます。以上です。(拍手)

○花嶋部会長 ただいまのお話に関しまして、何かご意見あるいはご質問がありましたら、どうぞ。
 はい、どうぞ。松田さん。

○松田委員 両方の審議会に属している松田美夜子と申します。
 先生の本当にわかりやすいお話ありがとうございました。私たちも容リ法を考えていく上でヒントをたくさんいただきましたが、どうぞ先生にお知恵をおかりしたいのは、公平に社会が分担していくということ、とてもわかりやすかったんですが、出てきたものに対しての、公平に社会で分担してやるようになって廃棄物の処分場を減らすという考え方と、今私も、やはりヨーロッパ、海外の政策を見ておりまして思うのは、徹底的に違うのは、廃棄物の発生量が違うというところでございます。
 ドイツの法律にしましても、廃棄物の発生量を減らすためにとった政策の結果が、先生お話のようなことになったわけですが、経済界から見たり、それから消費者から見れば、少し不便であったり、またはスーパーマーケットに缶やペットボトルの容器が売れないような施策になって業界は困るかもしれませんが、政策性としては、全体のごみの量というのは発生量をつくっていくわけでして、私は21世紀は、やはり発生量を減らす政策というところもとても大事だと思いますが、そのあたりで先生のご専門の立場から、何かヒントをいただけたらと思っております。

○山口教授 どうもご質問ありがとうございました。一番怖い方が手を挙げられたというのでどうなるかと思いましたが、どきどきしておったわけでございます。
 基本的には、もちろん松田さんのおっしゃるとおりで、そもそも廃棄物にならない、長寿命だとか再利用とか、それになるのが一番いいと思うんですね。その前に、実は私のレジュメの一番最後に、ドイツ―これは実は最終処分場に行く量が4%に減ったと書いてあるんです。ですから、ドイツの場合には出るのも少ないのかもしれませんけれども、それを徹底的にいろいろなことをやって最後に4%しかない。日本はまだこれはもう少し残っているわけですね。と同時に、今度はそれでは、例えば消費者が缶入りビール、あるいはペットではなくて瓶入りのものを需要するというのがいいのではないかということで、全くそのとおりだと思うんですね。問題は、ここがまさに、需要があったらメーカーはまずそっちを売ると。だから、消費者の方が瓶と缶と並んでいても、みんなが瓶を―松田さんよく言われますけれども、瓶入りビールの方が安いというお話らしいんですけれども、仮にみんながそれを買っていくと、需要があれば必ずメーカーはそっちに行かないともうからないわけですね。実は、私はそういうものをほとんど買わず、外国に行っているときだけ、ペットで水を買うんですね。あれは、要するに開けて飲んで、またしばらくして飲めるという、そういう利便性があって買っているわけですけれども。それからその利便性、環境を考えるという、総合的に、そういうことを入れながら、例えば日本の消費者が、やはり自分としてはリデュースが大事だと思ってそっちに動くということであれば、これは非常にいい社会になる。そこはかなり松田さんのような方が実践されているわけなので、環境教育といいますか、いろいろな形でそういうことを言っていただければいいのではないか、こういうふうに思います。
 どうもありがとうございます。

○花嶋部会長 どうもありがとうございます。
 ほかにございません。
 では、どうもありがとうございました。(拍手)
 では、引き続きまして全国牛乳容器環境協議会よりお話をいただきたいと思います。光谷常務理事よりよろしくお願いいたします。

○全国牛乳容器環境協議会 私は、ただいまご紹介いただきました全国牛乳容器環境協議会の光谷と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私どもの団体は、紙パックの容器メーカーと飲料メーカーとが平成4年に設立いたしました団体でございまして、全国牛乳パックの再利用を考える連絡会とともに、全国の市民団体、自治体、事業者の方々と意見交換を行いまして紙パックの普及、促進活動を行っております。本日は紙パックリサイクルの状況、それから課題につきましてご説明させていただきます。
 なお、説明が至りません部分は、お手元に紙パックリサイクル年次報告書を配付いたしておりますので、ご参照いただきますようお願いいたします。
 それでは、大変失礼なんですが、座らせていただきまして説明させていただきます。
 お手元の資料11ページから順にご説明申し上げます。
 紙パックというものは、容器包装リサイクル法の容器包装区分では、主として紙製の容器包装であって、飲料を充てんするための容器、原材料としてアルミニウムが利用されているもの及び主として段ボール製のものを除く分類に入るものでありまして、法律制定以前から牛乳パックとして回収されていたものであります。
 紙パックの組成及び形状でございますが、紙を飲料の容器として使用するため、紙パックの原紙には北米及び北欧の針葉樹系晒しクラフトパルプを原料とした、強度の大きい高級白板紙が使用されております。耐水性の確保と飲料品質の保護のため、紙の両面にはポリエチレンでラミネートを行い、容器として成形加工されております。
 500ミリリッター以上の容器は、現状では屋根型が使用されております。1,000ミリリッター容器の重量は1個約31グラムで、飲料商品重量全体のわずか3%と軽量であり、容器の紙重量割合は88%となっております。
 紙パックの特徴でございますが、安全性が高い、衛生的である、品質が保持できる、中身情報の提供がよい、軽量、コンパクト、輸送効率がよい、排出時にかさばらない、再生産可能な森林資源から生産される、洗浄すればリサイクルが可能となり、有価物として取り引きされるなどの特徴を持っております。これら、さまざまな利点から紙パックの利用が拡大してまいりました。
 紙パックに使用しております原紙でございますが、北米や北欧の森林育成過程の間伐材や建築用材を製材する際に出る端材などから生産されております。これらの地域では、適切な伐採と植林とが行われておりまして、森林面積も増加しており、活力ある森林では、二酸化炭素の吸収量が多く、地球温暖化防止にも役立っております。紙パックからリサイクルされます針葉樹由来のパルプは、繊維が長く丈夫な特性を保持しているため、一般古紙から再生紙を生産するときに必要とされます純パルプの代替のパルプとなりますことから、紙パックは良質な古紙原料として有価で取り引きされております。
 当協議会では、北米、北欧の森林管理、原紙生産状況等の視察調査を行っております。北米では、この図に示されておりますように、50年のサイクルで森林が管理されております。平成15年度の紙パック原紙使用量は約24万2,000トンとなっておりまして、平成8年度比では7%増加しております。
 紙パック容器メーカーの総生産量は、平成15年度では約21万トンとなっております。用途別では飲用牛乳等への利用が一番多く、69%を占めております。
 1,000ミリリッターの紙パック牛乳は、8割以上が量販店で購入されております。
 紙パックのリサイクルの経緯でございますが、ものの命の大切さを子供たちに伝えようと、牛乳パックの良質なパルプに着目して回収を始めたことがきっかけで、牛乳パックの再利用活動が進められることになりました。一市民から始まりました牛乳パックの再利用活動は、その後、多くの市民団体や自治体が参加しまして全国的に広がりまして、全国牛乳パックの再利用を考える連絡会が発足するとともに、1987年からは紙パックリサイクルの情報交換や環境問題を問い直す目的で、牛乳パックの再利用を考える全国大会が、毎年全国各地で開催されております。全国牛乳パックの再利用を考える連絡会では、私どもの協議会とともに、市民、自治体、企業との情報交換、役割分担、共生関係を構築するとともに、市民に対する紙パックのリサイクルの普及啓発を進めております。
 このように、紙パックのリサイクルは、市民の自発的な活動で始まったことに大きな特徴がありまして、世界的に見てもまれなシステムとなっております。また、紙パックは、このように手すきはがきや手工芸などの工作材料としても、幅広く学校や家庭で再利用されております。
 紙パックのリサイクルを促進するためには、リサイクル製品の販売促進が必要となりますが、紙パックを再利用したリサイクル製品には、このように牛乳パック再利用マークというものが自主的に制定されまして消費者に定着いたしております。紙パックのリサイクルは、容器包装リサイクル法制定以前から、地域によってさまざまな回収拠点や回収ルートが構築されておりまして、数多くの関係者の連携により成り立っております。回収方法としましては、流通事業者によります店頭回収、自治体によります資源回収、拠点回収、集団回数、市民によります集団回収、拠点回収などがありまして、最終的には有価物として再生紙メーカーに売却されております。
 容器包装リサイクル法では、紙パックは有償または無償で譲渡できることが明らかで、再商品化をする必要がないものとして定められております。また、各地の福祉作業所におきましても、社会参加の一助として紙パックのリサイクルに取り組んでおります。事業系であります学校給食用牛乳パックの回収も行われております。紙パックは、今ご説明いたしましたこの写真のように、さまざまな方法やルートで回収が行われております。
 紙パックリサイクルの特徴でございますが、使用済みの紙パックは、単に束ねてそのまま排出できるものと違いまして、有価の資源物とするためには、きちんと分別されたきれいなものを集める必要がありますので、消費者において「洗う、切り開く、乾かす」といった作業が必要となります。また、紙パックの生産量は全体で約21万トン程度の量でありまして、紙・板紙類の生産量3,000万トンに比べまして、はるかに少ない量でありますので、ごみとして排出されがちであり、1回当たりの回収のロットが少ないため、効率的な回収方法や回収ルートを構築することが必要であります。
 したがいまして、紙パック回収率の向上のためには、一人一人の消費者の方や関係者の方に、紙パックのリサイクルの意義について理解していただき、より多くの方に協力していただく必要があります。
 紙パックのリサイクルが進んでいる地域では、住民の意識が高く、他の資源物も清潔な状態で分別されており、ごみ分別のマナーがよいと言われておりますので、紙パックのリサイクルは他の資源をきちんと分別してリサイクルするための教育として位置づけることにより普及していくことが必要でないかと考えております。
 当協議会では、消費者の分別排出を容易にするために、自主的に紙パックの識別マークを制定して表示を行っております。現在は、ほぼ全商品への紙パックマーク表示が定着いたしております。
 平成14年度の紙パックのリサイクルフローでございますが、容器メーカーで原紙が23万2,900トン使用され、飲料メーカーから19万8,200トンが出荷されております。家庭で消費されたものから3万9,900トンが回収されております。回収の内訳としましては、店頭回収が一番多く、ほぼ半分近くの1万8,800トン、自治体回収量が1万2,000トン、市民団体の集団回収量が9,100トンとなっております。そのほかに、学校給食紙パックや、メーカーの損紙を含めまして、総合計で7万2,500トンが再生紙メーカーに回収されまして、6万1,700トンがリサイクル製品となっております。
 紙パックの回収率でございますが、平成14年度の回収率は31.1%となっておりまして、平成6年度に比べますと、11.2ポイント向上しております。平成15年度につきましては現在データを精査中でありますが、着実に向上していると推定いたしております。当協議会では、紙パック回収率目標として、平成17年度に最低でも回収率を35%以上に向上することを目標としております。
 小平市や熊本市では、公共施設、郵便局、回収協力小売店等の人目につく場所に数多くの回収ボックスが設置されておりまして、消費者の身近に回収拠点をふやすことが回収率の向上に効果があることが確認されております。当協議会では、全国牛乳パックの再利用を考える連絡会と共同で、牛乳パックでつくりました回収ボックスを提供しまして、1万カ所の回収拠点拡大活動を実施しております。2002年より現在まで、累計で3,700個の回収ボックスを自治体、市民団体、学校、企業などに提供して、回収ボックス拠点の拡大に努めております。
 紙パックのリサイクル活動の本来の意義を重視いたしますと、現在各地で行われておりますシステムを無理に統一すべきではなく、地域に適した効率的なシステムを検討した方がよいと考えております。当協議会では、全国各地で市民、自治体、事業者に参加していただきまして、リサイクル促進のための地域会議を行いまして、地域に適した回収システムの構築や回収率の向上対策を推進しております。また、紙パックの効率的リサイクル促進検討会の開催、リサイクル推進のための手引書作成なども行っております。
 消費者への紙パックリサイクル啓発のため、紙パック商品に会員各社統一の環境メッセージ広告を10月の3R月間から年間約1,300万個に掲載いたしております。お手元に牛乳カートンのサンプル容器を配付いたしておりますので、ご参照お願い申し上げます。
 また、紙パックのリサイクルを効率的に回していくためにも、紙パックの利用を拡大していくことも必要でありますので、今後も中身の品質と技術の開発に取り組みまして、紙パックの特性を生かした商品開発を行ってまいります。
 次に、学校給食用紙パックのリサイクルについて説明させていただきます。
 循環型社会形成推進基本計画の中では、環境教育、環境学習をすべての年齢層を対象として推進することが定められております。児童みずからが毎日の給食時間の中で、洗って、開いて、乾かしてまとめるリサイクルを行うことは、その体験が総合教育の中でさまざまな環境学習につながっていきますとともに、家庭の紙パックリサイクル促進効果も出てくると考えられます。当協議会では、学校教育の一環としての紙パックリサイクルを普及啓発していくとともに、洗浄用バケツなどのリサイクルツールの支援事業を推進いたしております。現状では、学校給食用牛乳パックは、自治体、学校、牛乳メーカー、再生紙メーカー等の連携によりまして、全体で約41%程度がリサイクルされておりますが、児童みずからがリサイクルを実施しているのはまだ15%程度です。最近では、市町村全体でリサイクルに取り組む事例がふえてきておりますので、今後も関係者とともに普及、促進してまいります。
 当協議会では、ここに示しましたように、さまざまの紙パックリサイクル普及啓発事業を行っております。調査事業といたしましては、毎年回収率及びリサイクル動向の調査を実施しております。
 平成14年度から実施しておりますライフサイクルアセスメント調査でございますが、紙パックはここにお示ししましたように、従来のLCA評価によりますと、環境負荷の少ない容器であると言われております。このたび環境省で実施いただいております飲料用容器のLCA調査におきましては、紙パックの関係業界の調査を行いまして、LCIデータを精査して提出させていただいております。
 紙パックリサイクルのまとめでございますが、紙パックのリサイクルは、消費者のもったいないというものを大切にする気持ち、身近でできることから環境問題に取り組もうという気持ちにより、自主的に始められたものであります。古紙のリサイクルから除外されて、ごみとなります紙パックを、洗って開いて乾かす作業により、きれいな状態で分別回収することにより、良質な古紙原料として資源化し、有価で再生紙メーカーに売却するといった、世界にもまれなリサイクルシステムであります。
 紙パックの総量は少量ですが、再生可能な森林から生産される紙パックを飲料の容器として利用しリサイクルを行うことは、省資源、バイオマスエネルギーの活用、地球温暖化防止等に寄与することになり、結果的に自然界における物質循環を確保することにつながるものであります。紙パックのリサイクルは地域によりさまざまな方法で行われておりますのて、今後は地域に合わせた、さらに効率的なシステムを普及・拡大して回収率を向上していくことが課題であります。紙パックの製造及び利用事業者は、リサイクル市民団体とともに、関係者と意見交換を行いながら、紙パックリサイクル促進のための具体的アクションプランの検討・策定及びフォローアップを実施し、回収率の向上に努めてまいります。
 最後となりますが、本日ご出席の方々を含めまして、一人でも多くの方に紙パックのリサイクルをご理解いただきますとともに、家庭での紙パックの分別をお願いいたしまして、発表を終わりにさせていただきます。(拍手)

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 ただいまのお話に関しまして、ご意見ご質問がございましたらどうぞ。
 では、どうぞ。

○辰巳委員 産構審の方の辰巳と申します。よろしくお願いします。
 紙とか紙パックは、とても身近で、私も住民の回収運動に参加したんですけれども、きょう伺っていて、どうしても一つ疑問点がとれなくて、それについて教えていただきたいと思います。情報をいただければと思っております。
 話の中でも何度もあったんですけれども、有価で移動しているということに関してなんですが、ボランタリー市民がみんなすごく協力しておりますし、ただそのお金で動くということが、そのお金の流れが全くこの中で、きょうのお話の中で見えなかったんですね。それがどのようになっているのか、確かに教育に関しても、私もすごい賛成ですし、自分の身近なものなので、いい意味があると思うんですけれども、そのあたりはこういうところではオープンにできないものなのでしょうか。

○全国牛乳容器環境協議会 今のご質問に関しまして、当協議会の方で毎年リサイクルの現状と動向に関する基本調査というものをやっておりまして、その報告書の中に価格に関しましても調査結果を載せてございます。ただし全国47都道府県、さまざまな古紙回収業者さん、それからその上になります古紙直納問屋さんがございまして、再生紙メーカーがじかに取り引きなさっているものもございまして、それから自治体、集団回収、学校給食用の紙パック等と出るものがあります。これは一般市場の取り引きでございますので、質によって、距離によって、いろいろな要素によって値段が変わります。大体、私どもの調査では、平均しますと、必ずしも平均値が取引価格ではございませんが、6.5円から大体高いところでキログラム当たり21円と、大体そのような価格になってございますが、やはりそれですべて賄えるとかいうほどの金額にはならないのではなかろうかというふうに考えられます。

○花嶋部会長 よろしゅうございますか。

○全国牛乳容器環境協議会 後ほど報告書をお送り申し上げます。

○花嶋部会長 ほかにございますか。
 では、松田さんお願いします。

○松田委員 どなたもいなければ、ちょっと伺いたいんですけれども、牛乳パックのことについは、本当に応援をしておりましたけれども、今の発言を聞く範囲で、ちょっと考え方は甘いんじゃないかなと思いました。というのは、同じ社会をつくっていく中で、多分お悩みがあると思うんです。
 というのは、なぜほかの瓶とか缶とかペットボトルの業界は、飛躍的に回収量が伸びてきているのに、この10年間なり回収率が伸びていないのか。もっと伸ばしたいと思うのであれば、どういうふうな政策、支援があればできるのか。このあたりは、回収率が低いというところの、再商品化義務を逃れているから感じなかったという時代ではなくなってきたような気がするので、その新しく法律をつくるときには、私は皆さんにお考えいただきたい、協会の皆さんに持ち帰ってお考えいただきたいことは、もしすべての容器に法律の中の制度の考え方の中で、売れているから、だから再商品化義務を逃れるという考え方ではなくて、みんなが公平に役割分担を担っていって、リサイクル施策をつくっていくというときに、牛乳パックの協会としては、その責任を受けて立つ勇気があるかどうか。つまり、最初ののところが有価で回っているからいいという考え方ではなくて、もっと牛乳パックというものを、いろいろな中で、リサイクルもちゃんとできているんだ、しかも環境にもいい容器なんだということを社会に見ていただくために、その容器としての社会的な責任を分かち合いたいというふうな議論は、まだないんでしょうか。

○全国牛乳容器環境協議会 私どもが取り組んでおりますのは、やはり回収率を現在31.1%というようなレベルでございますので、とにかくもう少し回収率を上げていくということで、それにはやはり、牛乳パックの回収の意義というものを普及啓発するとともに、効率的な回収ルートの構築とか、いろいろな普及促進活動をもっともっと、ご意見賜りましたように、―何とかピッチを挙げて、まずそれに取り組みたいと、そういうふうに考えております。
 なお、常に市民、関係省庁及び自治体と、全国牛乳容器環境協議会がリーダーとなって意見交換を行いながら進めていくという体制にしておりますので、今後もご意見よろしくお願い申し上げます。

○花嶋部会長 はい、どうもありがとうございました。

○織委員 関東学院大学の織でございます。
 牛乳パックは、ほかの品目に比べましても住民が最初から参加しておりますし、協議会等、住民の意見を組み入れるというか、市民の協力を取り入れていくというアプローチをとっている点で非常にユニークといいますか、先ほど成功例というふうにおっしゃいましたけれども、非常に日本の中でもおもしろいリサイクルシステムが構築されているというふうに思っております。
 ですから、せっかくこうした住民視点がうまく入っているリサイクルシステムがどういう点で、例えば有価で回っていく点で、住民が最初から入っていることがどういう点でメリットになってきているのか、きいているのかというようなことを、もしこの長年の経験の中から、ほかの品目に対してヒントになるようなアドバイスというものを、今回は無理だとしても、そういう視点からできれば、この牛乳パック協会さんの容リ改正に向け、見直しに向けて、多品目に向けてのご自分たちの経験をヒントにというご指摘をしていただきたいなというのが1点、意見というか要望なんですね。
 もう1点は、先ほど松田先生もおっしゃったんですけれども、それでは課題はないのかという点をちょっとお伺いしたいと思うんですね。今、おっしゃったように住民を巻き込んでやっていく。だけれども、もっとこれから伸ばしていくために、拠点回収ルートのつくり方ですとか、そういった意味でご経験に基づいて課題と考えている部分があるのかどうかというところをお伺いしたいと思います。

○全国牛乳容器環境協議会 貴重なご意見どうもありがとうございました。
 説明の中で足りませんで申しわけございませんでしたが、回収率を上げるためにどうしたらいいかということで、やはりこれは地域に出かけていって、その地域には特徴があり、古紙回収業者さんとか牛乳メーカーのいろんな方が関係するものでございますので、やはり住民の皆様と自治体の皆様と我々、市民団体とともに、その地域その地域で回収率を向上させるための普及活動を、今後も力を入れていきたいと思っております。
 その中で、とにかく目につくところに回収ボックスを置いて関心を呼ぶことが効果があると思います。やはりまだ、この紙パックを集めてリサイクルすると非常に有益であるということ、これは広く知れ渡っていないのではないかと、そういうふうに個人的にも思っておりますので、今後とも努力してまいりたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○花嶋部会長 はい、どうもありがとうございました。ほかにございませんですね。
 ございませんようでしたら、次に移りたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
 では、引き続きまして、PETボトルリサイクル推進協議会よりお話をいただきたいと思います。大平副会長、よろしくお願いいたします。

○PETボトルリサイクル推進協議会 皆さんこんにちは。
 PETボトルリサイクル推進協議会の副会長をしております大平と申します。よろしくお願いします。座って説明させていただきます。
 このPETボトルリサイクル推進協議会といいますのは、飲料メーカー、それからしょうゆメーカー、酒類メーカー、それからペットボトルメーカー絡めて、さらにはペットのレジンメーカーで構成している組織です。
 発表の内容ですけれども、まずペットボトルへの誤解を解いておきたいと思います。2番目に、ペットボトルのリサイクルの実績をお示しして、その実績達成のために事業者がしてきた努力をご紹介したいと思います。それから、容器包装リサイクル法の評価について、私どもの考え方を申し上げます。最後に、分別収集費用の論点について、コメントをさせていただきたいと思います。
 まずペットボトルは、数々の誤解を受けて悪者にされてきている感があります。今回の容リ法の見直しに影響を与えるおそれがありますので、この誤解をまず解いておきたいと考えております。
 収集したペットボトルがリサイクルされないで野積みにされていると言われていますが、現在は十分な設備能力があって、ペットボトルの収集は、むしろ不足している状態です。
 次に、ごみとして廃棄される量がふえていると言われています。しかし、これは後でデータをご紹介しますが、リサイクルの進展でごみとなる量は、むしろ減少しております。
 次の誤解は、ペットボトルに戻らないで1回限りのリサイクルであるというご指摘です。いよいよボトル・トゥ・ボトルのリサイクルがスタートいたしました。
 次に、事業者がペットボトル化を推進したという主張をよく聞きますが、消費者が利便性と機能性でペットボトルを選択しているのが事実です。実は、事業者にとって、他の容器よりもコストが高くて充てん効率も低いため利益が少ないというのが事実です。
 それから、ペットボトルがリターナブル瓶を駆逐したとも言われています。しかし、次のグラフに示すとおり、リターナブル瓶は、容リ法施行以前に大幅減少しています。ダイヤの赤いマークがリターナブル瓶で、平成4年ごろにはほぼ消えかかっています。容リ法施行は平成9年ですから、先ほど申し上げたことがグラフで読み取れると思います。
 次に、可塑剤などが使われて安全でないと言われていますが、ペットボトルには可塑剤や添加剤など入っていません。
 誤解の最後ですが、償却するとダイオキシンが発生したり炉を傷めたりすると言われています。しかし、ダイオキシン発生の要素である塩素を含んでいません。それから、燃焼カロリーは木材並みで焼却炉を傷めるということはありません。
 続きまして、ペットボトルのリサイクルの実績を見ていきたいと思います。回収率は60%を超えて、短期間に最高水準に達しました。収集が確認されていない量、すなわち未確認量は、年々減少しています。この中にはリサイクルされている量や、輸出量も含まれております。
 再商品化実績は年々、ごらんのように年々増加しております。
 これまで述べてきましたリサイクル実績、これを可能にしたのは言うまでもなく消費者、それから市町村の努力や協力もありますが、ここでは事業者の立場ですので、事業者の努力を述べさせていただきます。
 まず、リサイクルのためのインフラを構築しました。再商品化設備に対する技術と資金の援助をすることによって、容リ法制定以前、10市町未満であったと推定されるものが、平成16年には容リ協会に登録されている事業者だけでも60社、73施設まで拡大しました。
 次に、化学分解法によるボトル・トゥ・ボトルが本格的にスタートし、リサイクルボトルが2004年4月より店頭に出ています。この完全循環型リサイクルのために、技術援助と安全性の確認への協力をしてまいりました。
 また、環境に配慮した自主設計ガイドラインを設定して遵守してまいりました。最も困難だったのが、着色ボトルの廃止です。色によるブラントイメージを築いた企業にとって、存続をかけた決断が必要でした。また、フルシュリンクラベルを可能にする技術革新、これも必要となりました。さらに、流通やここに書いておりますような海外企業の協力確保、これもなかなか困難でしたが、なし遂げました。そのほかにも環境配慮設計として、ベースカップの廃止、アルミキャップの廃止、ミシン目入りラベルの変更、取っ手をリサイクルペットに材質変更するとか、いずれも困難なものばかりでした。
 次に、軽量化による発生抑制、すなわちリデュースも実現しました。これを可能にするには、強度保持のためのボトル設計や成形加工の技術開発が必要とされました。それから、金型や成形機等の生産設備への投資も必要とされました。このようにして、年間4年間累計で10万トン以上のリデュースを実現しました。
 事業者の努力の次の項目ですが、これは今後10年後までに80%以上という新たな回収目標に向かってまいります。そのために、消費者、市町村に対する契約・支援活動を強化して、事業系ボトルの回収促進と回収量の捕捉率を向上してまいります。
 次に、容器包装の評価についてですが、第1に短期間で循環型社会の形成を促進することができました。これは、市町村の努力による回収率の向上とか、ボトル・トゥ・ボトルの実現、それから未確認量の減少、これらを通じて実現することができたわけです。第2に、消費者・市町村との協力・役割分担による日本型EPRの効果を実証できたものと考えています。第3に、総務省のその政策評価書の中で一定の評価をしております。ここにごらんいただくのは、総務省の評価書の抜粋です。
 以上申し上げましたことから、容器包装リサイクル法の枠組みはすぐれたものであって、維持すべきものと私どもは考えております。
 ところで、この枠組みをかえて、市町村の分別収集費用を事業者負担にすべきという主張があります。その主張によりますと、分別収集によって市町村が資源化貧乏になっているとか、市町村と事業者の負担比率が不公平であるとか、事業者が負担することによって、ペットが減少し、リターナブル化が進むはずだとか、市町村負担が重いために分別収集が促進できないというものがあると認識しております。
 実は、このほかにも理屈抜きに、事業者がすべての責任を負うべきという思想とも言うべきものがあります。実は、9月の末にOECDのエンバイロメント・ディレクターであるクラウディア・フェネロールさんとベルリンで会って、食事をしながらEPRを議論する機会がありました。既に山口先生もおっしゃいましたが、この人はEPRのガイダンスを書いた人なんですけれども、事業者の責任の分野と程度、これは各国の社会的、文化的状況に応じて、環境的、社会コスト的合理性から判断されるべきものであるというふうに主張しているわけですが、日本においてOECDガイダンスが事業者に全責任を負うと解釈されている動きがあるとしたら、これは非常に心外であって、よく読んでほしいと書いた本人として強くお願いするということをおっしゃっていました。
 では、先ほどの幾つかの論点について、順に見ていきたいと思います。
 まず資源化貧乏についてですが、分別収集に本当に必要な費用が検証されているんでしょうか。全体認識として、環境省の最近発表された調査によりますと、市町村ごとにばらつきが非常に大きくて、現状の費用の合理性に疑問を感じざるを得ません。
 まず最初、現状収集システムは効率的でしょうか。収集ルートや収集の回数、コンテナの事前配布等、検討すべき点はないでしょうか。
 次に、政策的支払いというべきものはないでしょうか。それらの透明性や合理性はあるのでしょうか。項目としては人件費、パッカー車の搭載人数、労働時間、地場産業育成等々、分別収集そのものに必要かどうかの検証がなされるべきだと考えます。
 さらに、分別収集に費用削減効果はないでしょうか。埋立地延命、それから焼却炉増設回避等の効果があったはずです。
 以上の3項目の検討を通じて、本当に必要なネットの費用、これを検証すべきと考えております。必要な費用が検証された後、それをだれが負担すべきかの議論に進むことができます。この議論の前提として、市町村は負担の当事者ではないので、負担者は納税者、住民か法人ですが、または事業者、この場合、価格が転嫁された場合は消費者となります。
 第2のポイントは、税金を使用する現状は不公平でしょうか。次のグラフを見ていただきたいと思います。信頼すべき調査によれば、ことし5月の2週間の間に、ペットボトルを少なくとも1本以上買った人は90%にも上ります。ペットボトルはほとんどの市民が日常的に使用する生活系ごみと言えると思います。したがって、一般のごみと同様、庭ごみとか紙おむつと比較するまでもなく、税金を使用することの不公平さは小さいと私どもは考えております。
 次に、税金負担の現状では、メーカーの環境配慮設計が進まないという主張がありますが、そうでしょうか。事業者は、現在の法律のもとで、再商品化義務で十分以上の痛みを感じ、軽量化、リサイクル容易化は現状では技術的限界まで進んでいます。
 ところで、少し論点が違うんですが、どうしてもペットボトルを買った人に負担させたい、直接負担させたいという議論があります。消費者が直接負担する方法は、価格転嫁のみではありません。私どもは、購入時に負担する価格転嫁の方式より、排出時に負担するごみ有料化の方が、ごみ減量効果が大きいと考えております。
 次の論点ですが、事業者負担、価格転嫁でペットボトルが減少したり、リターナブル瓶が復活するでしょうか。消費者は価格だけではなくて、利便性や機能性でペットボトルを選びます。現にある小売店をのぞいてみますと、500ミリ缶入り飲料が103円です。同じ500ミリのペットボトル入り飲料が138円で同時に売られていました。
 ここで、ぜひわかっていただきたいことがあります。メーカーとしては、消費者が選択する容器を供給しなければ存続できないという厳然たる事実です。メーカーには、消費者の容器選択を誘導する力はありません。
 次にリターナブル瓶のことですけれども、リターナブル瓶が激減した原因は、ライフスタイルの変化や流通構造の変化であって、その復活には別の対策が必要と考えます。容器包装リサイクル法の枠を超えた課題であるというふうに考えております。
 最後の論点ですが、事業者が負担すると分別収集が促進されて社会コストが減少するでしょうか。
 第1に、費用をだれが負担するかという問題、すなわち資金源をどこに求めるかという問題と、分別収集の促進が進むかどうかというのは、本質的に別問題だと考えます。
 第2に、事業者負担にシフトすると、市町村の合理化インセンティブが弱くなって、社会コストの増大の懸念はないでしょうか。
 第3に、すべての事業者が負担する制度の構築と運用には、膨大な社会コストを必要とします。ところで発生抑制とか、負担の公平性の点では、容器包装を含むすべてのごみ有料化も一つの方策ではないでしょうか。検討するに値するものだと考えております。
 まとめとしまして、容リ法の現行システムは、その目的に沿った効果を上げており、すぐれた制度であると考えます。提案されている分別収集費用の事業者負担を議論するには、以下の効果の実証がその前に必要であるというふうに考えます。すなわち、環境負荷を減少させる効果があるのか、社会コストを削減する効果があるのかということです。各関係者の主張が平行なままで制度をつくると、社会に禍根を残すおそれがありますので、業界としても効果実証のために、各関係者と協力して共通の長期ビジョンづくりに貢献したいと考えております。
 ご静聴ありがとうございました。(拍手)
 詳しいデータは、お配りしました年次報告書にもありますので、ご参照ください。ありがとうございました。

○花嶋部会長 はい、どうもありがとうございました。
 ただいまのお話につきまして、ご意見あるいはご質問ございましたらどうぞ。
 はい、どうぞ。

○崎田委員 中環審の委員をさせていただいております崎田と申します。よろしくお願いします。
 今、ペットボトルのご発表を伺いまして、今、社会で割に言われております費用負担の問題と、いわゆる使い捨て容器をふやしてしまったという話に対して、非常に明確に最初からこの問題提起、ご意見を言っていただきまして、非常に皆さんのお考えは大変はっきり伝わってまいりました。それをもとにして、一つ基本的なこと、細かいことを質問していくと時間が足りなくなると思いますので、大きな疑問点、一つお伺いしたいことがあります。
 きょうのまとめの最後に、業界としても各主体と協力し共通の長期ビジョンづくりに貢献したいというふうに明確におっしゃっていただきました。これに関して、もう少し具体的に伺いたいなと思っております。どうしてかといいいますと、今のお話の中にペットボトルは非常に利潤の少ない容器であるというお話がありました。それでもなおかつ消費者が選択するからつくらざるを得ないというふうにお話をされておりました。消費者が選択するというのはもちろん事実ではありますけれども、多くの消費者が、より環境にいいものがどういうことなのかということを知らずに選択している、あるいはお店にたくさんあるから選択しているということもあると思うんですね。
 そういう意味で、今環境教育の重要性に関しては、もう社会全体が認識して法律もできました。あるいは一人一人の費用負担の責任をちゃんととっていこうということで、家庭ごみ有料化を推進する自治体も大変ふえてきておりまして、そういう意味で、消費行動を変えていくという消費者も大変多くあらわれております。
 そういう社会の流れを一緒につくっていきながら、これからの飲料容器をどういうふうにもっていったら持続可能な社会をともにつくれるのか、業界としてどういうビジョンをもっていらっしゃるか、ぜひお話しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○PETボトルリサイクル推進協議会 そのペットボトルが悪いから、ペットボトルじゃない容器にシフトするために、業界としてどういうことをしようしているかというお尋ねでしたら、私どもはペットボトルは悪いと思っていませんので、すみません。
 それからもう一つは、消費者が選択するときの情報が、確かに十分と言えないと思いますね。したがって、消費者に対する啓発活動、これは今まで以上に努力してまいりたいというふうに考えております。その上で、消費者が選択するときの基準ですが、本当に環境に何がいいのかということ、これは客観的な事実がなければいけないと思います。今のところ、LCAがいろいろなところで研究されていますが、必ずしもその客観性があるとは思っておりません。したがって、もっと国が力を入れていただいて納得のいく情報を消費者に提供していく、そのための協力はできることは何でもやろうと、情報提供から何から含めて、と考えております。

○崎田委員 よろしいですか。

○花嶋部会長 はい、どうぞ。

○崎田委員 お話ありがとうございます。
 一言、ペットボトルが悪いんだよという前提での質問かというお話がありました。ペットボトルは大変、本当に持ち運びに便利で、やはり高齢化社会の中、大変有用な部分もあると思っております。ですから、ペットボトルが悪いというような前提で私は意見は申し上げておりません。ただし、やはり簡単・便利さに社会全体が非常に大歓迎をして、そういうライフスタイルを定着させていってしまった、そういう中で時代はイコールではないというお話はありましたけれども、リターナブルとして定着していたはずの瓶なども、リターナブル瓶が大変減少してきてしまっている時期と、時代と全く重なっている。そういうときに、簡単・便利な使い捨て型のライフスタイルの象徴として、やはりペットボトルというのは今社会の中で問題提起されていると思うんです。
 そういう意味で、悪い容器という意味ではありません。ただ日本の中でも、やはり循環型社会をつくっていくというときの象徴みたいな形に、今消費者の中でもありますので、そういう意味で、こういうことをみんなで、ある程度の量、まずリターナブル容器、あるいはそういうものもきちんと定着させながらペットボトルが定着していく。あるいはそれに対する、結局そのバックを支える費用負担をどういうふうにしていくかということに関しても、行政負担と企業負担といろいろありますが、企業負担は最終的には消費者負担に回ってくる話ですので、消費者がどういうふうに選択するかということにも、全部つながってきます。
 そういうようなことを考えた全体量として、やはり業界として、例えばもう少しそういうものがバランスのいい社会に業界としても持っていった方がいいのではないかとか、ある程度の今の状況をどういうふうに読んでいらっしゃるか、伺いたいなと思います。

○PETボトルリサイクル推進協議会 リターナブル瓶については、環境面からいってもコスト面からいっても、ある条件が整えば十分に成立する容器だと考えています。それは、具体的には消費者が買ってくれること、それから店が置いてくれること、売れたリターナブル瓶をきちんと戻してくれること、返却率、それから回収率ですね、こういったものが成立できれば、リターナブル瓶は当然復活し得るものと考えています。
 現在は、ご存じのように、業務用の分野でこの条件が整っていますので、そこですみ分けのような状態になっていますね。消費者の意識が高くなってくれば、先ほどの回収率以前に選択率とでもいいましょうか、リターナブル容器を選んでくれる率が高くなり、返してくれる率、回転率が高くなれば、当然それなりの社会における存在感といいますか、存在量がふえてくると思います。事業者としては、そのために普及啓発活動を中心にできることをしたいというふうに思っております。
 冒頭に申し上げましたが、実はこの協議会というのは、飲料メーカーもその一部に入っていまして、今の私の意見はどちらかというと飲料メーカーサイドの意見でありまして、飲料メーカーとしては、どの容器が売れてもいいわけですから、そう申し上げました。

○花嶋部会長 ほかに。では、男性に。

○新宮委員 リサイクル協会の新宮でございます。
 私どもリサイクル協会の方は、毎年6月に全国市町村に対して引き取り量の予備調査というのを行っております。ことし実施いたしましたけれども、来年度、平成17年度のペットボトルにつきましては、初めて昨年を割り込んだ数量しか引き取り要望がございませんでした。多分、推定でございますけれども、市町村が独自ルートで有価でというふうな動きが顕著にあらわれてきたのではないかと推測しておるわけでございますけれども、そうした変化に対応しまして、先ほど大平さんの方は、10年後には回収率目標80%という目標を掲げておられましたけれども、こういう素材要因の動きにつきまして、いかがお考えなのか聞かせていただきたいと思います。

○PETボトルリサイクル推進協議会 回収率80%というのは、市町村から容リ協会に引き渡される量だけをベースにするのではありませんで、市町村の独自処理量それから輸出されてリサイクルされる量、事業系で排出されリサイクルされる量、それらすべてを含んだものとして80%です。
 輸入について、それから有価で回り始めたので市町村が容リ協に引き渡す量が少しずつ減ってきているというお話ですけれども、輸出に関してちょっとお答えしてもよろしいでしょうか。日本から中国等を中心にした輸出にについてですが、私どもは先ほども山口先生がおっしゃったように、再商品化、リサイクルというのもやはり国際的に考える必要があるだろうというふうに思っております。したがって、国際競争力は避けようとしても避けて通れないものであって、国際競争力を高め、国際的に再商品化を高めていくというふうに考えております。
 ただ、急激に行きますと、国内の再商品化産業へのダメージということも考えられるでしょうから、ここは政策的な判断が必要かというふうに思っております。
 以上です。

○花嶋部会長 よろしゅうございますか。
 ほかに。

○服部委員 中環審で、容リ法の改正を求める全国ネットワークの服部といいます。
 短い質問なんですけれども、4点ほどさせていただきます。
 ペットボトル、非常に便利だということで、生産量も非常に伸びていると思います。先ほど示されましたデータでも、90%以上の方がペットボトルを利用されているというお話でした。ただ、その量なんですが、ゼロ本の人もいますし、一方で1日にたくさん使われている方もいると思います。
 ペットボトルが便利な一方で、自治体が指摘をしていますのは、かさばって収集費用が高くかかってしまう、費用が高いということが今まで指摘されております。やはり買った消費者が高い分の収集費用を合わせて買うことが私は公平だと思うんですね。といいますのは、そういった使い捨ての容器を買わずに水筒を持って出かける、あるいは瓶を利用するという方もいるわけです。今後、ごみ減量あるいは資源をなるべく使わないような社会をつくっていこうというビジョンを描くときには、やはりそういった方たちが報われる社会をつくっていった方がいいと思います。その点、やはり消費者からとる、簡単・便利を利用した方が、かさばるから費用が高くなってしまう、そのリサイクル費用を負担をした方が、公平だと思います。その点いかがでしょうか。
 また、今、事業系ごみといいますか、事業系から出るペットボトルがリサイクルされておりませんが、容リ法からも外されておりますけれども、その点についていかがお考えでしょうか。あと山口先生のお話にもありましたけれども、リサイクルは地球規模で考えた方がいいということがあります。ペットボトルが、かなり中国の方に輸出されているということで、その点についてはいかがお考えでしょうか。
 あと、リターナブル容器をこれから推進していこうというのは皆さんの共通認識だと思いますけれども、ドイツなどで普及されておりますリターナブルペットボトルについてはいかがお考えでしょうか。
 この4点お願いいたします。

○PETボトルリサイクル推進協議会 最初のポイントですが、ペットボトルはかさばるので収集費用が割高であるというポイントだと思いますが、したがって、それを税金で払うのは非常に不平等だということだと思うんですが、かさばると確かにトン当たりの費用は高くなります。ただし、市町村は、従来コスト計算を重量ベースで計算してきたと思います。しかし、我々税金を払う方から見なければいけないのは、1リッターなら1リッター、1本当たり税金がどれだけ使われるのかという視点だと思います。重い容器1リットルと軽いペットボトル1リットルを市町村が集めるときに、どちらが税金が安いかは明らかですよね、そのように考えております。
 それから、住民が払うのではなくて、やはり中には水筒を持っているような努力されている方もいるので、直接消費者が負担すべきだという点ですが、その場合、私の発表の中で申し上げましたが、2つの方法があると思います。1つは、価格に転嫁する先払いの方式、もう一つは排出するときに支払うごみ有料化の方式。私どもは、いろいろな市町村におけるごみ有料化の自主設計を見てみまして、後払いのごみ有料化の方がごみ減量効果があるだろうというふうに考えております。ここは今後の審議会の中で十分議論、検証していただきたいと考えております。
 それから、2番目のご質問の事業系のリサイクルはどうなっているかということですが、事業系のリサイクルもかなり進んでおります。先ほど、今までの実績で61%に達しましたというのは、その事業系も含めた数字になっています。資料の中にちょっと書いておきましたが、270何社かの再商品化事業者に調査をしまして、どの程度事業系を処理しているか、リサイクルしているかというもの、これを加算して出したリサイクル率です。
 それから3番目、地球規模に関しましては、今、容リ協の専務の方からご質問があったものに対してお答えしましたように、地球規模で国際競争の場でリサイクルは、やはり伸びていくべきものだろうと。ただし、秩序が必要でしょうねと、それから国内産業の保護というのもある程度必要であるというふうに考えております。
 それから、4番目のご質問で、リターナブルペットボトルを出さないのかというご質問ですが、現在リターナブル瓶ですら、清涼飲料業界にはほとんど存在しないという状況にあって、その理由は先ほど申し上げましたように、消費者のライフスタイルの変化、それから流通構造の変化、そういったものが根本にあります。もちろん消費者の意識が高くなれば、それが変わっていくものと考えますが、そうなった場合に、当然ペット業界もリターナブルペットの導入を検討したいというふうに考えております。

○花嶋部会長 よろしゅうございますか。
 では、もうお一方だけお願いします。どうぞ。

○服部委員 すみません、有料化と家電法などで言われている後取り方法では、また全然別なものだと思うんですが、どうもその辺がちょっと一緒にお話をされているようです。価格に転嫁をするということと有料化を並列に比べられているんですけれども、自治体の有料化というのは、いわゆる従量制で、袋を買って幾らかという話です。容器包装に対する後取り方式というと、家電法みたいに一つ一つペットボトルに対して、10円乗っけるとか、そういうことで比較するのであれば、内部化と後取りということで比較をされると思います。そこは有料化の認識がちょっと違うのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○PETボトルリサイクル推進協議会 確かにごみ有料化の実務的な問題はいろいろあると思います。ただ考え方として、現在、分別排出されているわけですから、特にペットボトルはほとんど単体で収集されている市町村が多いわけで、これは要するに分別排出されているので、それに沿って有料化というのは実務的に十分可能だろうというふうに考えています。
 それからもう一つ、先払い方式というお話ですけれども、私どもは先払い方式、要するに価格転嫁して、例えば今まで150円で売られていた500ミリのペットボトル、これが150円から160円になったと仮定しても、消費者の購買動向には影響を与えないというふうに考えています。したがって、ごみ減量排出抑制には役立たないというふうに判断しております。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。

○辰巳委員 何度も申しわけございません。一言だけ、意見なんですけれども聞いていただきたいと思います。
 先ほど、大きな声でメーカーには消費者の選択を誘導する力はないというふうにおっしゃったんですけれども、これだけはちょっと変えてほしいと私は思っておりまして、やはり消費者というのは非常に弱いもので、テレビのコマーシャルだとか新聞広告だとかを見て、すごく誘導されております。だから、非常に大きな力がメーカーにもあるんです。だからそれは、もう事業のプロとおっしゃったんですね、情報提供が少ないなと自分でおっしゃってくださっていたんですけれども、やはりこういう場でこんなことをきちっとおっしゃったことに関しては、私は反対でして、メーカーの方こそ消費者を誘導する力をお持ちだというふうに思っておりますので、ぜひいろいろな情報提供等をお願いしたいと思います。
 それだけです、意見です。すみません。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。

○PETボトルリサイクル推進協議会 すみません、意見に対して意見を言わせていただきたいんですが、飲料の場合ですと中身の商品に対する影響力は確かにあります。何々社の何々はおいしそうだとか、これは嗜好品の分野ですから、嗜好の分野というのは雰囲気で影響されます。したがって、コマーシャルの効果が十分考えられる分野だと思います。
 ところが、容器に関しては機能性と利便性で選びますので、缶よりペットの方が便利ですよと、逆にペットより缶の方がいいですよと言ってみても、消費者が缶の方に動くだろうかというと動かないというふうに考えております。

○辰巳委員 すみません、そこまでおっしゃったから。
 確かにそうだと思うんですけれども、逆に、では選ぶときに、中身ではなくて缶とか容器に関しての情報提供はどこまでされておりますか。アルミという表示があるだけとか、それしかないではないですか。だからそこにもう少し大きく、これはこんなに社会に負荷をかけるから、みんなしてちゃんとリサイクルして、分別して排出しましょうとか、そういう情報提供あるいは比較をしたら、もしかしたらこちらの方がいいとかという情報をもしも提供していただけるのであれば、やはり消費者を誘導する力になると私は思いますもので、缶に書けとは申しませんけれども、いろいろな媒体を使ってでも、やはりそういう誘導をする力はあると私は思っております。
 よろしくお願いいたします。

○PETボトルリサイクル推進協議会 承っておきます。

○花嶋部会長 ありがとうございました。
 では、引き続きまして紙製容器包装リサイクル推進協議会よりお話をいただきたいと思います。(拍手)
 荒木事務局長より、よろしくお願いしたいと思います。

○紙製容器包装リサイクル推進協議会 ただいまご紹介ありました、紙製容器包装リサイクル推進協議会の荒木と申します。早速、時間がありませんので説明に入らせていただきます。
 紙製容器包装リサイクル推進協議会というのは、再商品化の義務を担う紙製容器包装の製造及び利用事業者であります企業団体及びその主だった企業から構成されています。紙製容器包装のリサイクルが円滑に行われるように促進を図っているのが、私どもの目的でございます。
 では、どんなことをやっているかといいますと、当然ですけれども、紙製容器包装のリサイクルの促進、それから3Rの促進、これは3Rといいましても紙の場合は、どちらかといいますとリデュース、それからリサイクル―リサイクルといいましても、紙の場合は紙から紙が多いので、多少リユースに近い部分があると思います。
 次に、自治体・市民への普及啓発活動、それから当然会員への容器リサイクルの情報提供、それから私どもの重立った調査をやっています分別収集の実態調査、これについては全国の市町村のヒアリング調査、それから組成分析調査、これに関しましては皆さんの手元に2つの報告書が配付されていると思います。毎年、私どもの会員の方々に、委員会の活動として手伝ってもらって調査を行っております。
 それから、名古屋市で60世帯のモニター調査を行いました。これはどういうものかといいますと、皆さんの手元資料のページでいえば、65ページにありますモニター調査です。これは、紙製容器包装については、現在どのくらい排出されているかわかりません─配付資料の65ページです。紙製容器包装というのは、その他紙製容器包装はご存じのとおり、家庭から排出される紙製容器包装です。だから、事業系と合わせた生産ベースの数字は約200万トンあると考えられますけれども、現在は190万トンぐらいだと聞いています。ただ、その中で、家庭から排出される紙製容器包装が幾らあるか、これがわからないために、私どもとしては調査をいたしました。この調査については、詳しいことは述べませんけれども、名古屋で調べた調査の中では、1人当たり7.8キロ排出されていると。これを全国規模に直しますと約100万トン、これが排出されていると考えられます。
 それから、回収可能な量、これは1人当たり7キロ、これを全国規模に拡大して推計しますと約90万トン、これが回収可能な量ではないかと推定されております。これについては、まだ公になったデータがございませんので、私どもとしては、今現在はこの数字を使ってどのくらい回収されているかということを把握しております。
 それでは、次に、この容器リサイクル法が整備されてどのような効果が出たか、これについてちょっと触れたいと思います。
 まず、事業者サイドでリデュース、要は3Rの取り組みでどんなことが行われているか、ここに書いていますけれども非常に小さいので、次の説明に入ります。具体例としましては、代表されるのはこういう菓子箱で、この紙の斤量を落とす、それから、のりしろを減らすというようなことで、紙の減量化、そういうことに取り組みました。約10%から15%減量化が行われております。
 それから、もう皆さんご存じと思うんですけれども、ティッシュの箱が、2000年以前はこのサイズでした。これが現在はこのサイズ、中身の量は同じです。圧縮して詰めたために32%ほど高さが下がっています。これによって物流コストの削減とかいうことで、実際に環境負荷が低減されております。また一方で、同じメーカーで出しているものですけれども、ティッシュの箱の取り出し口にフイルムが張ってありました。ところが、この商品についてはフイルムレスにすることによって、製紙原料古紙として利用がしやすくなっていると、こういう効果はあったと思います。
 一方、市町村ではどうかといいますと、指定法人ルートでは平成15年度には243市町村、量としましては3万1,000トン弱という量が集まっております。しかしながら、指定法人ルート以外の市町村独自ルート、これが約500市町村で4万6,226トンという数字が出ております。このほかにも雑誌と一緒に回収している市町村が─混合収集といいますけれども、その市町村が約500から600市町村あるというふうに推計しています。そこにおいても、この量と同じような量が回収されていると。これは推計でございます。そういうことで、紙製容器包装については、現在、10数万トンはリサイクルが行われているというふうに推計されます。
 しかしながら、一方、指定法人ルートによる紙製容器包装のリサイクルも問題点が出てまいりました。
 ここに書いてありますグラフは、平成12、13、14、15と。15年度は3万1,000トンまでふえております。しかしながら、平成16年度は既に8月まで終わった時点で前年を割っております。ということは、紙製容器包装については、指定法人ルートではもうふえないということです。ことし、最終的にも2万8,000トンか2万9,000トンで終わると思います。そうすると、今現在、紙の需要とかその他の関係がありますので、指定法人ルートでは3万トン以上ふえないということが言えると思います。
 そういう中で、私ども再商品化費用を払っている事業者の立場からいいますと、指定法人に出している費用のうち、再商品化委託料の収集とかそういうシステムですね、そういう経費、これは固定費になりますけれども、これが約6億円かかる。それに対して、実際に再商品化にかかった費用、これが上の数字ですけれども、実際、毎年毎年下がっていまして、平成16年度では3億円程度になってしまう。そうすると経費率が3分の2もかかっていると。非常に経済性を無視したやり方であると思います。これが数年で逆にふえると、経費率が下がるということであればいいんですけれども、逆に経費率が上がってきていると、こういう状況ですので、これは今後、改正のときに考えるべきだということを我々としては言いたいです。
 次に、なぜそういう状況が起こったかという背景ですけれども、容リ法の施行時と現在の古紙の需要状況の変化というのがございます。
 ここに出ていますのは、平成11年生活環境審議会、前の厚生省が京都市で実施した分類調査です。この中で、ここの数字をちょっと大きくしてください。この17.4%の分というのは、デパート等で出されています包装紙それから手提げ袋、こういう関係です。それが17.4%で、これは紙としても品質がいいので製紙原料紙として使える。しかしながら、菓子箱等の紙箱、これは55.6%です。この分は、この容器リサイクル法が完全施行される当時までは、紙の余剰在庫がありまして、製紙原料として使うことが非常に難しい、困難な状況にあったということです。それが現在、平成15年度には90%が製紙原料として使われています。残りの10%だけが固形燃料として使われているということです。といいますのは、この55.6%を含む全体の分が全部製紙原料になる形になっているということです。
 このことは、古紙の市況の変化によっても起こっております。容器リサイクル法が完全施行される時期には古紙の余剰在庫に苦しんでおり、紙製容器包装の大半が低級古紙です。板紙というのは低級古紙のために、それを菓子箱等の紙箱の板紙として使用できる環境になかったということです。それが現在では、輸出を含め古紙の需要が堅調に推移しており、紙製容器包装を含む雑紙の取り引きも、現在、無償並びに2円ということで取り引きができる状態になりました。これは現在、段ボールリサイクルが行われておりますけれども、段ボールのその当時の価格と同じ状況になっているということをご理解ください。
 それから、消費者の立場で分別収集の排出の状態なんですけれども、その他紙製容器というのはいろいろなのがあって、消費者にとってはわかりにくいという部分があります。
 これは名古屋市とか川口市、弘前市で、私どもで組成分析調査をしたデータです。皆さんのページでは67ページに出ていますので、それを見てもらうとわかりますけれども、この中で、名古屋市等は前回の説明でもありましたとおり、名古屋市の職員の方の努力もあって説明会を2,000数百回開かれておやりになりました。
 しかしながら、市民から出てきているものを見ますと、やはり60%前後しか対象の紙製容器包装は集まっていない。当然、製紙原料にはなるんですけれども、波板の部分の小さな段ボール、それから段ボールで中敷きを使っているようなものですね、これは当然入ってきています。それからチラシとかパンフレット、便せんとか封筒、トイレットペーパーの中芯、こういうものは、当然製紙原料になると思って消費者の方は一緒に出してくるということがございます。
 それから、当初の調査報告で説明しましたけれども、ここにありますとおり、紙製容器包装を市民が分別排出するときにどのくらい何が入っているかということを、それぞれ名古屋市の市民の方60世帯にやってもらいました。その結果、紙単体のものは8.7%、複合材は9.9%ということで、ここでも10%を割っています。
 そのことから、最後になりますけれども、まとめとしては、市町村では他の紙類、雑紙ですね、雑紙というものについて、その他の紙製容器包装を分別する必要性を市町村は感じていないと。これは、容器リサイクル法がある前から古紙の回収ルート、古紙回収業がありまして、古紙回収ルートによる収集で、ほとんどの市町村が問題ないという考え方を持っています。
 それから、よく説明の中で、ドイツやフランスとかはDSD、エコアンバラージュとか、そういうところが集めているということをよく話に聞きますけれども、実際には紙単体のものは、他の紙類と一緒に自治体が回収しております。紙単体の紙製容器包装については、自治体が他の紙類と一緒に集めているということです。だから、日本でもそういう集め方でもいいかと思いますので、日本でも雑紙として収集するのが適当ではないかというふうに考えます。
 それから、3番目になりますけれども、先ほどから説明していますとおり、全体の紙製容器包装の中で10%しか複合材が入ってこないと。100%の中から10%を選別するというのは非常に経済的にも非合理的だし、経済性もおかしいというように思います。
 そこで私どもとしては、スチール缶、アルミ缶、段ボールと同様、容器包装リサイクルの枠にはとどまりますけれども、飲料用ガラス瓶やペットボトルのような指定法人ルートによる再商品化の義務からは外してもいいのではないかと。
 そこで今回、私どもとしては、容リ法の見直しに対する提言として、現行の容リ法でいう、その他の紙製容器包装についても、段ボールや飲料用紙パックと同様に自主的な自治体、民間のリサイクルにゆだねるという提言をさせてもらいました。これは決して後ろ向きのつもりはありません。指定法人ルートに集まるのは、もう3万トンしか集まらないと。それに対して多額の費用をかけるよりも、自治体が集めやすい集め方で集めた雑紙に対して、その促進を図るということが、紙製容器包装の促進、リサイクルが図れるという提言でございます。
 以上です。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。(拍手)
 では、ただいまのお話について、ご意見あるいはご質問をどなたか。
 では、どうぞ、園田さん。

○園田委員 埼玉エコ・リサイクル連絡会の園田と申しますけれども、段ボール工業会の方にもご質問したんですけれども、複合材のことなんですが、容リ法というのは国民的合意を得たものだと思うんですね。ですので、複合材の包装をつくる上流の方に対して、例えば化粧品メーカーの紙箱とか、そういうものに対して何か働きかけをなさったりしたことはないかということをお聞きしたいと思うんです。
 うちの近くの古紙回収業者の方の話ですと、紙の印刷で金色だとか銀色だとか、そういう紙が非常に選別しにくくて、メーカーの方から戻ってくることがあるというふうに聞いたんですね。ですので、その点どのように対応されているかということをお聞きしたいと思います。

○紙製容器包装リサイクル推進協議会 容器リサイクル法においては、金銀紙とかが使われたものについても集まって、その中でそういうものは選別されて、それが固形燃料として使われています。ただ、我々としては固形燃料に使ってまた燃やすわけですから、そういうことよりも、そのまま最初から選別して有効な形での処理がいいと思います。
 それで今、お話のあった金銀紙なんですけれども、要は印刷インクで金色とか銀色のものはいいんですけれども、アルミ箔とか、それから箔押しとかいうものがありますけれども、それについては確かに製紙メーカーさんとしては使いづらいと、入っていたら非常に困るという部分があります。
 ただ、現在アルコール飲料、お酒パックとかそういうもので、アルミを張った飲料用品がありますけれども、これは自主的にエコ酒屋とかというところで、一部まだ始まったばかりですけれども、そのアルミつきの紙パックだけを集めてこれをリサイクルできるということで、そういう運動をされている方もおられます。だから、そういう形でリサイクルを伸ばしていけば、それはそれで単体で集まればリサイクルできるのではないかと思います。
 それから、今の話の中で、アルミといいますか使いにくいもの、確かにありますけれども、最近は技術が進んでいまして、複合材が混じってくると製紙メーカーも困る部分がありますけれども、ただ生産に支障がないものがふえている。ただ、もう最初の熔解を進めるところで除去されるということで、かなりだめなものといいますか、製紙メーカーに入ってきたら困るものというのが減ってきていることは事実です。

○花嶋部会長 よろしゅうございますか。

○園田委員 意見ですけれども、容器包装を選ぶメーカーに対して、もうちょっと資源化しやすいものをというような働きかけをしてもいいのではないかなというふうに私は思います。

○紙製容器包装リサイクル推進協議会 その辺は私どもとしては、こういうものが製紙原料として使えるからということの会員の方に対するPRとかは、ホームページ等でもやっていますし会員の方にも説明しております。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 男性の方が少ないんですが、何かご質問ございませんか、男性の方から―皆さん同じ方のようでございます。
 では、服部さんですか。

○服部委員 すみません。ちょっとご提言の中身なんですけれども、今現在、紙製容器の分別収集をしているところはすごく少ないと思うんです。この指定法人ルートをやめてしまって、その後のことです。今、古紙回集をしているところはたくさんあります。ほとんどのところでやっていると思うんですけれども、そういった古紙というか新聞とか、あるいは段ボールと一緒に紙製容器も集めてしまって、その先の資源化業者さんというかリサイクル業者さんの段階で、どっと全部行ってしまって、きちんとリサイクルされるようになるんでしょうか。どのような展開をお考えなのかお聞きしたいと思います。

○紙製容器包装リサイクル推進協議会 今現在は、特定事業者としまては、指定法人に集まったものに対する再商品化の義務を負えばいいわけですね。だから、その分だけに関して3万トンというものに対しての義務だけが生じているわけです。だから、これがあるために事業者の方に働きかけても、事業者の方はそちらでちゃんとお金を払っているから、だからそれを促進すればいいのではないかということをおっしゃいます。
 ただ、先ほど言いましたように、今の容リ法では、この指定法人ルートによる再商品化は3万トン以上ふえないということです。であれば、逆に市町村が集めやすい、またこの容リ法ができる前から古紙回収業というのがあって、雑紙として集めている、これが先ほどあった市町村独自ルートですけれども、それとか雑誌と一緒に混合収集しているというような、こういう部分について促進を図っていった方がより効率的だろうというのが私どもの提言です。

○花嶋部会長 ありがとうございました。

○篠原委員 日本商工会議所の篠原でございます。
 お話は非常によく理解できたんですけれども、紙の需給というのは未来永劫、いつまでも続くというふうには考えられないんですが、例えば容器包装リサイクル法制定当時の、それ以前の需給状況に戻ったという前提にたった場合に、そのときもこの指定法人から計画する方が合理的なのかどうか、そこをどういうふうにお考えでございますか。

○紙製容器包装リサイクル推進協議会 そのときは、私どもとしては、私ども当推進協議会が責任持って処理いたします。

○篠原委員 責任持ってと言われても、具体的にちょっと理解できないんですけれども。

○紙製容器包装リサイクル推進協議会 前回、段ボールリサイクル推進協議会からの話があったと思いますけれども、指定法人ルートで再商品化されない場合は、私どもが中心になって、その他の紙製容器についても、雑紙と一緒に回収されたものが有償で回らないという状況が起こったときは、私どもが責任を持って処理するということです。

○花嶋部会長 ありがとうございました。
 松田さん、何か聞きたいことありますか。

○松田委員 今、私は有償だろうと有償ではなかろうと、すべての容器は一つのリサイクルの責任を負うべきだと思っておりまして、再商品化できるから外すべきではなくて、かかっていない容器も再商品化義務のところに加わるべきだという論点を持っておりますから、荒木さんがブッシュさんで私がクリントンかなとか思っているんですけれども、企業の方たちは見事に自分の今の立場でのプレゼンテーションをなさいますけれども、本当にそれで日本の社会というのが、将来循環型の持続可能な社会になっていくのかというところで、論点が一つずれている気がします。それはヨーロッパなどでいきますと、循環型社会の考え方を飛び越して、今は持続可能な社会としてエネルギーも考えた社会システムをどうつくるかという論点になっているんです。
 ですから、先ほど篠原さんがおっしゃったように、時代によって変わっていく、有償で回っている、有償で回っていないという議論ではなくて、リサイクルの責任を持つという、他の容器包装以外の自動車だとか家電などのシステムが出てくるまでは、幾ら公平な役割分担があるとしても産業界としては責任を持つべきです。
 そういうふうに見てくると、またそこのこともそうですけれども、他のリサイクル法のレベルに合わせた段階の、同じレベルでのリサイクルとしての責任は持つべきだという前提に立たなければ、幾らその役割分担が公平だといっても、それは企業が逃げ腰になっているだけで、循環型社会、持続的な社会を本気で考えていないというPRをしているにすぎないと思っているんですよ。
 以上です。

○紙製容器包装リサイクル推進協議会 今のご意見に対して、私どもとしては決して逃げているつもりはございません。私どもの提言というのは、あくまでも私どもは今までの調査の中から感じた、その上に立った意見です。もっといい方法で、例えば指定法人ルートのものが、これら3万トンが10万トンなり20万トン、少なくともこの後説明があるプラスチックのように集まるのであれば、我々は何も反対しません。今の状況から考えますと、これ以上、今のままではふえないと思われるので、何かやはりリサイクルを促進するためにはリサイクルシステムの改正が必要と思われます。私共の提言が決して一番いい提言だとは思っていません。ほかに、もしもいい案があればお話いただければ、それも含めて検討したいと思います。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。拍手をお願いします。(拍手)
 最後になりましたが、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会よりお話をいただきたいと思います。滝田事務局長、よろしくお願いいたします。

○プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 ただいまご紹介いただきました、プラスチックリサイクル推進協議会の事務局長をやっております滝田と申します。
 失礼ですけれども、座ってやらせていただきます。よろしくお願いします。
 早速、私どもの推進協の発表をさせていただきます。時間の関係で少々駆け足になろうかなと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。なお、一部ここでお示ししますスライドと皆さんの資料の順序がちょっと変わっているかもわかりませんので、その辺もご了解を賜りたいと思います。
 それでは、スライドに沿ってご説明いたします。
 まず「はじめに」の項ですが、最初のスライドでは、ごく簡単に自己紹介をさせていただいております。私どもの推進協議会は、特定事業者及びその関係団体並びに一部大手の再生処理事業者さんで組織されます任意団体でして、現在の正規の会員数は約120でございます。ただし、各関係団体傘下の間接的な会員さんまで入れますと約8,500になります。今回の附則第3条に基づく見直しに際し、私ども推進協議会は、現在の容器包装リサイクル法を全面的に支持しているということを表明した上で、以下の発表をさせていただきたいと思います。
 最初に、特定事業者の主な取り組みとして、ここに挙げてあります4つを挙げました。
 1つ目は、3Rの中で最も重きを置いていますのがリデュース、すなわち発生抑制です。軽量化、肉薄化あるいは容器類を1つでも少なくする等の取り組みを精力的に進めております。以下に実例をお示ししたいと思いますが、ちょっと字が小さくて恐縮ですが、事業者A、B、Cとなっておりまして、ここに書いてあるような削減、重さを減らしていると、こういった削減をやっているということであります。これらはすべて、私ども会員各社の取り組みの例でして、重量として10%から60%程度削減をしております。ちなみに、これらの実例というのは、過日の産業構造審議会の中でも紹介されております。
 次の例は、これは皆様方おなじみだろうと思いますが、洗剤類の詰めかえ用の例でございます。その次が、これはむしろ珍しい例だろうと思いますが、廃棄時に減量化できるように工夫した、つぶしやすくしたシャンプーボトルの例でございます。これらの取り組み例を紹介いたしましたけれども、事業者はリデュースへの取り組みに大きな努力をしておりますけれども、技術的にほぼ限界に近い状態まで到達しております。次の対策を、現在思案中であるという状態にあります。
 容器包装としてのプラスチックを単品・単素材で、現在の複合素材に匹敵するような機能を備えようとしますと、重量、容積ともにふやさざるを得ず、発生抑制とは逆な現象が出てくるというジレンマがあります。
 主な取り組みの2つ目は、再商品化に供される分別基準適合物の品質についてであります。
 まずこの写真を見ていただきたいんですが、これはごくごく普通のベール品の状態であります。こういう状態、いわゆるこれが分別基準適合物ということであります。
 その次の写真は、ベール品の中に混入されている汚れのひどいもの、あるいは本来プラスチック、その他プラの中には入らないもの、いわゆる不適合物の例です。これらの混入物が多ければ多いほど、少なくとも材料リサイクルには余分な手間暇がかかるということになります。
 事業者としては、分別基準適合物を再商品化しやすいように指導していただけるように、主に財団法人日本容器包装リサイクル協会にお願いしておりまして、この第1回目の拡大審議の場でも、新宮専務から、ここの部分に随分力を入れておられるという旨の説明がなされたとおりでございます。
 3つ目は、容リ法に規定されている義務に従い、私ども正直な特定事業者が所定の再商品化費用を支払っているということであります。容リ法にその他プラが加わった平成12年以降の再商品化費用については、後ほどグラフでお示ししますけれども、平成16年度には400億円を突破することが予想されています。これは仮定の話ですけれども、環境省が発表しています現在の第3次分別収集計画では、平成19年度の分別収集計画量というのは92万トンが計上されています。これを現在、示されております17年度の予想単価というのが、トン当たり8万円というふうにもう出ておりますが、これを単純に掛けますと、19年度の再商品化費用というのは700億円を軽く超してしまうと、そういう状況にあろうかなと思います。
 4つ目が、リサイクルの社会的総費用をどうすれば低減でき、あるいはどうすれば息の長い資源の有効利用ができるかを追いかける、こういった努力をしていこうということだと考えております。
 その次は、その他プラの再商品化の現状ということで6点ほど挙げました。
 まず、市町村が分別収集したもののほぼ全量が指定法人ルートで処理されております。その引き取り量も毎年10万トン規模で増えております。このグラフは、全面施行後その他プラの市町村が契約した量及び指定法人が引き取った実績量を表したグラフです。16年度は6月までの実績を掲げております。
 その次のグラフは、指定法人と契約して再商品化を義務履行している特定事業者数が、15年度の実績で6万5,000社、その委託費用は先ほど申し上げましたように、16年度で400億円を超えているということです。このグラフは各素材別の再商品化費用をグラフにしたものです。真ん中の一番濃い色の部分が、いわゆる私どもが、今発表しておりますその他プラですけれども、その他プラが多くなっているという様子が把握できようかなと思います。
 次のグラフは、その中からその他プラだけをグラフにしたものです。先ほどから申し上げていますように、16年度は予想です。400億円に達しようとしているということであります。
 その次は、大きな問題点となっています、ただ乗り事業者がまだまだたくさん存在していると言うことです。国がその捕捉に向けて対策を講じております。16年度に入って7月だったと思いますが、経済産業大臣名で指導文書が発信をされておりまして、その効果は期待されるものが非常に大きいと私どもとしては判断をしております。再商品化事業では、後ほど触れますように手法の問題、それにかかわる入札制度の問題等、多くの課題があるというふうに理解をしております。
 以上が、現状認識といいましょうか、そこら辺の部分を発表させていただきました。
 続きまして、私どもの推進協議会としての考え方を述べさせていただきたいと思います。
 まず、課題の1、再商品化手法です。
 現在、その他プラの再商品化手法は、材料リサイクルと、いわゆるケミカルリサイクルとして高炉還元剤、コークス炉、化学原料化、ガス化、油化の5つの手法が法律で認められております。
 まず、材料リサイクルですが、材料リサイクルを私どもは決して否定しているものではありません。ただし、複合素材が多い、その他プラの再商品化手法として、材料リサイクルが果たして合理的であるかどうか、それを問題にしております。単品・単素材のペットボトルと比較して、次に挙げますような決定的な相違点があります。
 1つは、その他プラの材料リサイクルでは、投入量の半分が残渣として出てしまう、それが産業廃棄物として埋立て処分をされていると、そういう事実であります。
 2番目に、できる再商品化製品が限定されていると言うことです、建築用ボードだとか杭だとか、車どめだとか、その範疇でしかないということなんですが、この写真は皆様方の資料の中には入っておりませんけれども、この写真は擬木の一例です。断面図から溶けている部分と溶けていない部分がうかがわれると思いますが、こういったものでしかないということであります。
 それから3点目に、処理費用ですが、これは容リ協会の資料によりますと、ケミカル手法4手法の加重平均単価がトン当たり7万7,000円ぐらいに対して、材料リサイクルというのはなんと1.4倍の10万7,000円を要しているということであります。製品の開発あるいはその販路開拓が非常に難しい。わざわざ高いコストをかける価値がここにあるのだろうかという一つ疑問として出てくるということであります。
 4点目は、その他プラは単品・単素材であれば、むしろ先ほど申し上げましたように、積極的に材料リサイクルすべきだと判断しておりますけれども、多くの場合は分離不可能な複合材であります。この場合は、逆に材料リサイクルというのは難しい手法になっている、そのように言えると思います。海外の例でも、材料リサイクルは単品・単素材のボトル類のみと聞いております。
 再商品化手法の続きですが、資源物のリサイクルというからには持続性がなければなりませんけれども、それには社会的コスト低減に結びつく手法の選択が必要かと思われます。今後、最も大きな問題を抱えているその他プラの手法として、材料リサイクルに限らず、現行のケミカルリサイクル手法にも経済原則にのっとった競争が必要であると言えますけれども、そのためにそういった、技術的に可能な合理的な手法がなかなか議論されていないということが指摘をされようかと思います。
 これらの課題から、指摘の1番として、過去の産業構造審議会で了承されている材料リサイクル優先の、優先の枠を外すことを、まずご議論いただきたいなと思います。その上で、1つ目に、経済原則にのっとった手法間の公平な競争、手法を5つに限定することなく、合理的観点からの再商品化手法の見直し、あるいは熱回収、発電を目的にしたサーマルリサイクルの検討等々のことをご検討いただきたいと、このように考えております。
 課題の2番目として、ただ乗り事業者と識別表示という項目ですが、容器包装リサイクル法で事業者に課されている再商品化義務は、容器包装利用または製造等をしている事業者は、すべからくその義務を負うというのが本来あるべき姿だろうと、このように理解しております。しかし、その義務があるにもかかわらず義務を果たしていない事業者、果たしていても過少申告をしていると思われる事業者がいることなどが指摘をされております。
 その結果、実は、これらの義務不履行者の分まで正直な特定事業者が支払っておりまして、極めてこれは理不尽であると言わざるを得ません。しかるべき制裁を科されるべきであろうかと思っておりますが、しかも、容器包装リサイクル法の義務を果たさない、こういったただ乗り事業者まで識別表示までつけるという不可解な事態があります。そもそも資源有効利用促進法で規定されている識別表示は、容器包装リサイクル法で分別対象であるということと、どの分別区分にするのかを示したものです。その他プラの分別基準適合物の中に、ポリバケツ、ペットボトル、あるいは各市町村で独自に使用されている収集用の指定袋などは、これは明らかに対象外のものでありまして、これらが混入して識別表示義務はまだまだ不十分と言わざるを得ません。また、この識別表示は小規模事業者にも課されておりますけれども、容リ法は小規模事業者が除外されております。
 これらから、2つ目の指摘といたしまして、分別基準適合物として分別収集されるものは、識別表示が付された容器包装に限定すべきであるということであります。また、小規模事業者にも資源有効利用促進法の識別表示義務同様、容器包装リサイクル法でも再商品化義務を課すべきであると考えております。これらにより、附帯的な効果として、ただ乗り事業者の捕捉が推進されることが期待されると、このように考えております。
 課題の3番目ですが、容器包装の考え方です。現在、運用されております容器包装の基本的な考え方の解釈が非常にわかりにくいと言えます。役務だ、サービスだなどと制限をつけて容器包装でありながら、対象ではないなど。日常生活感覚で考えますと、極めて難解であります。解釈が複雑困難であるということは、ただ乗り事業者にとっては非常に好都合なことにもなりますし、消費者の分別排出にも支障になるものと考えております。よく例に出されることですが、クリーニングの袋、院内処方と院外処方の薬袋等、判断に苦しむものが多いと、このように判断しております。
 日常生活感覚からの観点から、指摘の3番として、1つの例として容器包装の定義を次のように規定することを提案いたします。
 容器包装とは、商取引を目的とした品物の容器及び包装であって、それを品物と分離した場合に不要となるすべての容器包装をいい、家庭から廃棄されたものをいう。ただし、次に該当するものを除く。1番目が木製、革製が主たるもの。2番目が繊維が主たるもの。3番目は危険物。4番目は医療廃棄物。5番目は事業系一廃物及び産廃物。
 以上、審議会の各委員の方々にご議論をいただきたい項目として、私ども推進協議会で最優先項目として決定を見た3点を取り上げました。ぜひ、しかるべき解決策をお示し賜りたいと、このように考えております。
 なお、今回の見直しの中で、拡大生産者責任について大きな議論が展開されております。今回、私どもの推進協議会としては、あえてEPRに触れておりませんが、議論は大いにやっておりますので、次に見解としてお示ししたいと、このように考えております。
 見解1として、拡大生産者責任についてということで、現行の容器包装リサイクル法は、EPRの思想を盛り込み、消費者、事業者、自治体の三者の役割分担を明確にした法律であると、このように理解しております。それぞれの役割を担っている各主体ともそれぞれ問題点を持っており、喧伝されています自治体の分別収集費用だけが問題ではないと、私どもはそう判断しております。自治体は十分な検討の結果、容リ法に参加するという選択肢を選ばれたと推定しておりますけれども、なぜこういったEPRが急にここで出てくるのかというのが、ちょっと判断に苦しんでいるところでございます。
 しかし、役割分担の各主体が各々の責任及びコスト負担について、どうすれば社会的コストミニマムになるのかを議論するのであれば、それはむしろ私どもとしても、その議論を望みたいと考えておりますし、また自治体は財政負担を生産者の負担と、このようにしておりますけれども、その前に自治体ご自身がどうすればいいかということのご検討があってしかるべきではないのかなというふうにも感じます。
 事業者は、発生抑制への努力を続けておりまして、自治体も分別収集費用低減に向けてのご努力はいろいろされていると思いますけれども、そういったことを明確にした上で議論があるべきだと、このように判断をしております。
 終わりになりますけれども、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会は、以上3点の指摘及びEPRについての見解を述べさせていただきました。ぜひ、ご検討賜りたいと思います。
 最後になりますけれども、私どもの推進協議会に寄せられる問い合わせ、あるいは質問から実感しますのは、容器包装リサイクル法が意外と理解をされていないということをつくづく考えさせられます。国が普及啓発、広報に力を入れていることは十分評価をしておりますけれども、さらなるご努力をお願いして、あわせて自治体にも分別収集についての住民へのPRをお願いいたしまして、私どもの推進協議会の発表を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 ただいまのお話につきまして、何かご意見ご質問、よろしくお願いします。
 どうぞ。

○崎田委員 いろいろとお話しいただきまして、ありがとうございます。中環審の崎田です。よろしくお願いします。
 今、その他プラスチックは、本当にいろいろな全国の自治体で新しい集め方を導入するということで、いろいろな自治体が努力をしている状況で、いろいろな議論というか、論点が出てきているところだと思いますので、的確に反応していただいてよりよくしていく、非常に今度の見直しはいいチャンスだと思っております。
 それで、今いろいろと出していただいたお話で、もう少しちょっとお伺いしたいということが幾つかあります。
 それで、まず1つは今回、御指摘の中では、大きなことというふうにおっしゃったので、割に小さい部分というご判断で出てこなかったのかと思いますけれども、実際に集めた後の、いろいろ集め方の形状の問題、集め方でどう運ぶかとか、いろいろな問題で、もっと非常にフレキシブルな形にしておけば、もっとこのリサイクルは進むのではないかというような議論もかなり自治体ではあると思いますが、そういうことに関してはどういうふうにお考えかというのを1点伺いたいということ。
 それともう一つ、指摘の1番なんですけれども、材料リサイクルとケミカル、サーマルの話なんですけれども、今、材料リサイクル優先を外して考えてほしいというふうにご提案されているんですけれども、私はこういう提案の仕方というのを、もう少しご説明いただきたかったんです。どうしてかというと、もちろんサーマルの有効性とか、今、全国で議論されておりますので、サーマルの議論が入ってくるというのはわかります。そうすると、どういうふうなものをマテリアルにしていったらいいのか、あるいはケミカル、そしてサーマル、そういうようなことを、どういうふうにこの法律で認めていくのか、否定していくのかという議論はあると思うんですが、優先順位を外すという御指摘はちょっと違うのではないかなというふうに感じます。
 どうしてかというと、やはり今、循環型社会形成推進基本法などでも、やはり基本方針として、この優先順位のもとに社会的に経済的コストだけではなく、環境負荷の低減そしてもちろん今後の社会をどうつくっていくかという全体像の中で、きちっとみんなで議論しながらこの優先順位を保って社会をつくっていきましょうという基本方針が出てきたところだと思います。ですから、この基本方針のもとに、きちんといろいろなリサイクルの方法を考えていきたいというご提案が適切なのではないかなというふうに感じました。
 申しわけございませんが、ちょっとその辺についてご意見を伺いたいと思います。

○プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 ありがとうございました。
 まず、集めた後の形状だとか運び方だとかというご質問ですけれども、もちろんこういったことがいろいろな形で出てきているんだろうなと考えております。したがいまして、現在、容リ協にもお願いをしているんですけれども、これから先のその他プラの再商品化のいろいろな問題点だとか何とかを少し洗い直していただけないかなというようなこともお願いをしておりまして、実は別に委員会ができるような運びになっておりますので、具体的にはその中で私どもの意見をどんどんぶつけていきたいなと、このように考えております。
 もう1点は、材料リサイクル優先は、今、崎田委員がおっしゃっていることは重々そのとおりだと思うんですが、私どもが言いたいことというのは材料リサイクルを優先するという、今、優先されているということに問題提起をしているのであって、材料リサイクルは悪いということを申し上げているのではありません。もちろん、これはその他プラは、先ほどご説明いたしましたように、ペットボトルなんかと違いまして、こういう表現は適当かどうかわかりませんけれども、かなりごみに近いような資源物だろうと私どもは考えておりますし、その中から資源物を出すのに単品であれば、例えばポリエチレンのものだけだとか、ポリプロピレンのものだけというのであれば、これはペットボトル並みの材料リサイクルというのは可能だろうと思うんですね。ところが分離不可能、例えばフィルムなんかというのは幾層にも複合されておりますので、それを分離すること自体、まず不可能だということで、それは果たして材料リサイクルというのが適当であろうかという問題提起なんですね。
 ですから、材料リサイクルを悪者にしているんじゃなくて、材料リサイクルに適しているものと適していないものというふうな選別をするべきではないのかな。それには材料リサイクル優先、要するに材料リサイクルに適していないものまで材料リサイクルという必要はないのではないかと、そういう問題提起なわけです。
 ですから、表現がちょっと悪かったかもわかりませんけれども、崎田委員がおっしゃっていることと、その奥にあることは同じようなことではないかなと私は判断しておりますけれども、いかがでしょうか。

○崎田委員 やはり今、お話しいただいたその他プラスチックが、割に複合素材が多かったり大変だということを前提にお話をされているので、非常にご意見が出てくるかと思いますけれども、やはりある程度、じゃあどうやったら材料リサイクルに適したような集め方ができるんだろうか、あるいはものづくりを進めていただけるのであろうか、やっぱりそういう発想もあると思うんですね。やはり、そういうようなことを全体に考えながら、どういうふうに、優先順位をきちんと考えて社会全体で環境負荷やコスト削減を考えていくかという、全体像をちゃんと見るということが大事だと、私はすごく思っておりますので、とりあえず気持ちをもう一度言わせていただきましたけれども、もちろん、それにはいろいろな集め方をきちんともう少し徹底する、いろいろな問題があると思います。今、非常に課題になっているところですので、その分野をきちんと、今システムを優先順位を─いわゆる優先をとるのではなく、優先順位を生かすために、生かしながら、なおかつ材料リサイクルも進めつつ、それが非常に不適切なものに関してはサーマルを的確にという、そういう社会でも全体像の話がきちんと行くようになっていけばいいなというふうに感じております。

○プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 ありがとうございました。
 私ども、これからの検討の中でもそういった議論はしていきたいなと思いますし、審議会の中でも材料リサイクル優先ということについて、これは平成11年、全面施行になる前の産業構造審議会の中でも、材料リサイクル優先というのが既にうたわれておりまして、この中では白色発泡トレーについて材料リサイクル優先という、私どもはそのように理解しているんですが、白色発泡トレー以外のその他プラについての材料リサイクルというふうに受け取るには、その文面から、なかなかそのとおりにとれないと理解しておるんですが、したがって、そういう単品のものはいいとしても、今、御指摘の複合の部分については、材料リサイクルがということについて、さらに議論をしていただきたいなと思いますし、私どもも議論していきたいなと、このように考えております。
 どうもありがとうございました。

○花嶋部会長 どうも女性が多いですね。

○織委員 今の発言に対してではなくて、事業者全体の方にちょっと意見というか、あれなんですけれども、前回、今回とご意見を伺っていまして、私自身が知らない点があるかもしれないんですけれども、機能的に1つの大きな論点が、EPRの考え方が自治体の方から事業者全体の主体の方に議論がなっているというようなことについて反論がいろいろ出されているんですけれども、いつそういったような議論がここの中心議論になったのかというのは、私自身がちょっと認識がなかったので、なぜ事業者の方がそこに固執して、逆に言うと議論を進めていらっしゃるのかちょっと見えない。
 そういう論点が出てきましたら、そこで反論なさるのはもちろん結構なんですけれども、今回と、私が個人的に事業者の方に出していただきたいのは、容リ法というオールジャパンで、非常に強い法規違反のもとで容器包装リサイクルを動かしてきて、その結果、それぞれの容器の種類ごとの限界なり、課題というものが一体どこにあるのかと。それは法律というこの形で問題になるのか、あるいは運営上の問題なのか、あるいはオールジャパンではなくて、自治体ベースで考えていかなければいけない問題なのかというのを、それぞれの品目別の今までのご経験に照らして、ぜひそういった分析を聞かせていただきたい。
 それからもう1点、大体非常に皆さんすごく努力なさってきて、今の容リ法はうまくいっているというご意見も多かったんですけれども、であるとするならば、この容リ法をもっとさらに循環型社会に尽くしていくためには、それぞれ業界ごとのビジョンとして、今の容リ法をたたき台として、どういったビジョンができるのか、見せられるのかと、そういったところを今までのご経験を踏まえて、容器ごとの特性に沿って意見を伺わせていただきたいなというのが希望です。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。これはお答えはいいですか。
 はい、ではちょっとだけ。

○服部委員 すみません。紙製容器の方でも議論のあったことなんですけれども、いろいろ検証されているようで、確かに課題というのも私も同感の部分もあります。究極的な目的としまして、プラスチックであろうともリサイクルしやすい、あるいは自然分解しやすい素材に変わっていって、さらにコストを下げていくという、そういうことが考えられるわけです。複合素材であるから、サーマルかマテリアルかという話になって、価格も上がってしまう、リサイクル費用も上がってしまうということが逆に言えると思います。
 ですから、先ほど自治体の費用が高い、自治体もいろいろ問題があるということを問題提起されているんですけれども、複合素材を使用されている、だからリサイクルに対してお金がかかるということを考えますと、最終的には、メーカーさんも、一番制御可能な力を持っていらっしゃるわけなので、なるべくリサイクルしやすい素材にかえていくために、容リ法をどうしたらいいかという、そういった視点がお話の中で、必要じゃないかなと私は考えます。その点はいかがでしょうか。現状のいろいろな問題点を披瀝されて、それを解消していくというのではなくて、最終目的としまして、リサイクルしやすいものをつくってコストも下げていくという、そういうお考えは持たれているかどうかということについて、お聞きしたいと思います。

○プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 まず1点目ですが、複合素材にかわるものということになりますと、ちょっと先ほどの説明の中に触れたと思うんですけれども、ペットボトル並みに単品・単素材ということにしますと、それで現在の複合材と同じ機能を保持しようとしますと、非常に重量的にも、容積の上でも逆の効果が出てきてしまうということで、もちろんそういった努力はいたしますけれども、事業者サイドとしてはそういうジレンマが一つはあるということですね。
 それから、もう一つの後半の方は、これから先、リサイクルというよりはむしろ発生抑制、出てきたものをリサイクル、もちろんそれも大切なことなんですが、その前の段階の発生抑制に事業者として大きな力を入れていきたいということで、写真だとか例をお示ししましたけれども、そこからまず大きな力を入れていきたいと、もちろんリサイクルしやすいということも発生抑制の範疇の中にもちろん入ってきますので、これについてはこれからも引き続いて努力をしていきたいと、このように考えております。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。

○服部委員 すみません、私もそれはすごく同感なんですけれども、その複合素材は非常にリサイクル費用が高くなるわけですよね。そうであるなら、その素材を利用されたメーカーの方と、それを買った消費者の方が、複合素材のリサイクル費用分は内部化されて負担をしていくというのが充当な考えではないかなという意味も込めて先ほど言ったんですけれども、もちろんリデュースに向かっていくということは賛成です。

○花嶋部会長 どうもありがとうございました。
 時間もかなり押しておりますので、この辺で終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
 以上でヒアリングを終わります。発表者の皆さん、どうもありがとうございました。
 続きまして、市民団体等からのヒアリングの実施の方法について、ちょっと事務局の方からご説明いただきたいと思います。

○環境省リサイクル推進室長 資料7をごらんいただきたいと存じます。
 容器包装リサイクル法の評価・検討に関する市民団体等からのヒアリングにおける陳述団体の募集要項(案)というものをお配りをさせていただいております。時間の関係もございます。簡単にご説明をさせていただきます。
 趣旨がいろいろ書いてございますけれども、要は今回の容リ法の評価検討に当たりまして、幅広くご意見をお伺いするため、今回お願いをしておりますヒアリングの一環だということが記してございます。
 2番目に、ヒアリングの開催日時、開催場所でございますが、12月2日14時から16時、経済産業省本館地下2階講堂、ここでお願いをしたいと考えております。
 3番目に、ヒアリング開催要領といたしまして、他のヒアリングと同様でございますが1団体当たり25分程度を想定しておりまして、意見陳述に当たりましては、所属する団体の紹介、容器包装リサイクル制度における所属団体の活動、現行の容器包装リサイクル制度に関する意見等につきましてご発表いただきます。
 4番目に、公募でございますが、非営利で公益的な活動を行っている市民団体等と応募資格をしてございます。法人格の有無は問わないということでございます。希望される団体は郵送あるいは電子メールで10月29日までに提出をしていただくということでございます。
 あと、具体的な提出方法が記してございまして、ヒアリングにつきましては、数をふやすというご意見もございましたのですが、以前にスケジュールをお決めいただいたとおり、基本的に4団体程度を予定をさせていただき、申し込みが多数の場合は、中環審、廃リ部会長及び産構審よりワーキング座長が選考をするということにいたしております。
 5番目に、注意事項といたしまして、応募は1団体につき1件、それから合同会合は当然公開でございますので、当日の配付資料及び議事録は会合終了後に環境省及び経済産業省のホームページに掲載をするというような、そういったことが記してございます。
 あと、傍聴ですとか提出先、問い合わせ先等が記してございまして、別紙に申込書の様式を添付させていただいております。
 以上でございます。

○花嶋部会長 では、ただいまの事務局からの説明につきまして何かご質問ご意見がございましたら。
 ないようでございますので、それではこの方針で陳述団体を公募、選考させていただくということでよろしゅうございましょうか。よろしゅうございますね。では、拍手でもってご賛同ください。(拍手)どうもありがとうございました。
 陳述団体の募集のお知らせは、環境省と経済産業省のホームページにも掲載させていただきますので、市民団体と皆様のご応募をお待ちしております。
 最後に、次回の合同会合について、事務局から説明をいただきたいと思います。

○環境省リサイクル推進室長 次回の合同会合の開催につきましては、事前に日程調整させていただきました結果、来週で大変恐縮でございますが、10月21日木曜日の15時30分からとさせていただきます。
 次回も引き続き容器包装リサイクル法関係者等からのヒアリングということで、有識者として国連大学の安井至副学長、それから筑波大学附属小学校の勝田映子教諭にお話をお伺いします。勝田教諭につきましては、8月4日の産業構造審議会の方の容器包装リサイクルワーキンググループでの委員からのご意見を踏まえまして、環境教育の関係者としてお話をいただくものでございます。
 また、容器包装リサイクル法関係者として、日本チェーンストア協会、オール・ウェイスト・リサイクル株式会社、株式会社広島リサイクルセンターの3団体よりお話を伺う予定にしてございます。
 以上でございます。

○花嶋部会長 では、本日はどうもありがとうございました。
 これにて合同会議を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)