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中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第34回)議事録



平成17年6月23日
環境省 廃棄物・リサイクル対策部

議事次第
(1) 中間とりまとめ案について
(2) その他


午後2時01分開会

○リサイクル推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会を開催いたします。
 委員の皆様方には、お忙しい中をお集まりをいただきまして大変ありがとうございます。
 本日の出席状況でございますけれども、22名の委員からご出席の連絡をいただいておりまして、定足数である過半数に達していることをご報告させていただきます。
 なお、本部会の開催につきましては、やむを得ずご欠席される場合に、代理の方に説明員としてご出席いただけるような取り扱いをさせていただいておりますが、本日は全国知事会理事の柿本委員の代理として田中様に、経済同友会地球環境エネルギー委員会委員長の佐々木委員の代理として斉田様に、日本商工会議所環境小委員会委員の猿渡委員の代理として宮田様に、牛乳容器環境協議会会長の岩倉委員の代理として青木様に、日本チェーンストア協会環境委員会委員長の岡田委員の代理として上山様にそれぞれご出席いただいております。
 このほか、この容器包装リサイクル法に関する審議につきましては、経済産業省の産業構造審議会におきましても、同時並行で審議が進められておりますので、本日の審議につきましても、経済産業省リサイクル推進課の井内課長にオブザーバーとして参加をいただいております。
 それでは、お手元の配布資料をご確認願います。資料一覧をお配りをしておりますので、資料の不足がございましたら、お申しつけいただければと存じます。
 なお、委員の皆様方に事前に送付をさせていただきましたものから修正されている部分がございますので、その点ご了承いただければと存じます。
 それから、事務局資料に加えまして、本日高濱委員の方から、日本アイスクリーム協会の容器包装リサイクル法の見直し検討にかかわる意見書、日本パン工業会の容器包装リサイクル法の見直しに関する要望、全日本菓子協会の容器包装リサイクル法の見直しに係る要請、日本冷凍食品協会の容器包装リサイクル法の見直しに対する要望、さらには日本乳業協会の容器包装リサイクル法見直し検討に係る要請の以上5点の資料が配布されております。
 また、服部委員の方から、容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワークの「容器包装リサイクル法見直しに関する要望書」と題した資料が、また事務局の方からは日本生活協同組合連合会の「容器包装リサイクル法の見直しに対する要請」と題した資料がそれぞれ配布をされております。
 また、前回6月13日の審議会におきまして配布をさせていただきました日本容器包装リサイクル協会の平成18年度再商品化事業者の「入札選定方法及び選定結果の連絡方法一部改定について」と題した資料につきまして、一部欠損した部分がございましたので、本日再度配布をさせていただいております。
 このほか、委員の皆様方には、先日公表されました平成17年度版循環型社会白書と、本部会の検討事項にちなみまして、当省の循環型社会推進室で普及啓発用に作成をされておりますマイバッグを配布させていただいております。こちらでございますが、このマイバッグはペットボトル再生繊維を65%使用したリサイクル製品でございまして、携帯しやすいコンパクトなデザインのすぐれ物だということで、私どもはPRに使わせていただいているものでございます。ぜひ委員の皆様方もお出かけの際には忘れずに、ポケットですとか、あるいはカバンの隅に忍ばせていただければありがたいと存じます。
 さて、本部会の資料につきましては、例によりまして原則すべて公開とさせていただきたいと存じます。また、部会終了後に発言者名を記した議事録を作成をいたしまして、委員の皆様方、ご確認していただき、各委員のご了解をいただいた上で公開をさせていただきます。
 それでは、これ以降の議事進行を中央環境審議会廃棄物リサイクル部会の田中部会長にお願いいたします。

○田中部会長 廃棄物リサイクル部会長の田中です。きょうもどうぞよろしくお願いします。
 本日は中間とりまとめ案について再度ご審議いただき、最終的なとりまとめをお願いしたいと思います。
 審議に当たりまして、南川廃棄物・リサイクル対策部長より一言ごあいさつをお願いします。

○廃棄物・リサイクル対策部長 廃棄物・リサイクル対策部長の南川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はお忙しいところ、こうしてお集まりいただき、大変ありがとうございます。
 私どもは去年の夏から検討をお願いしてまいったわけでございます。何とかきょう中間とりまとめをお願いしたいと思っているところでございます。
 ところで、きょうは先ほど藤井からありましたように、白書と買い物袋の小さなものをお配りをしております。白書につきましては、こういった形でカラーの表紙をつけまして市販をいたすことにしております。これは循環型の基本法に基づいて私どもは白書をつくっておりますけれども、ことしは一般廃棄物の3Rを特集をしております。去年が不法投棄でございました。それまでは横で切った形の分析をしておりましたけれども、多くの方からむしろ地域での勉強会などに使えるようなわかりやすいトピックを整理したものにしてほしいという希望が多くございましたので、その年、その年で特集を組んで、いろいろなデータを集めて整理をしてつくっておるということにしております。もし来年、あるいは再来年、こんなことで特集をしたらどうかというようなことがございましたら、また私どものホームページの方にご連絡いただければ幸いでございます。わかりやすく廃棄物、あるいはリサイクル問題を説明するということに徹した白書づくりをしたいと思っております。
 それから、きょうお配りいたしました買い物袋でございます。私どもは脱温暖化社会と循環社会ということを2つの課題にしておりますけれども、その実践としてクールビズと買い物袋というものをぜひ広げたいというふうに思っております。クールビズにつきましては、けさの新聞を見ますと、6割の方が試みたことがあると。また、4割の方が常に実践しておるというようなアンケート調査も出ておりました。さらに、それに買い物袋をあわせることによりまして、常に多くの方が環境問題を意識していただくというふうにぜひしていきたいというふうに考えておるところでございます。
 きょうでございますが、昨年以来の検討の結果をまとめたいと思います。前回いろいろご指摘いただきました。また、それ以外にも各委員の方からいろいろご指摘を事務局にいただいております。それを踏まえまして、中間とりまとめにふさわしいというものについては、私どもは極力きょうお示しした案に取り込んだつもりでございます。ぜひごらんいただきまして、活発なご議論の上、まとめていただきたいと思います。
 きょうは全体を担当の者から読み上げたいと思います。といいますのも、議論がいつも特定のところに集中しまして、必ずしも全体に目が行き渡らない場合があるかと思いますので、従来のよく議論になったところ以外についても、もしお気づきの点で、ご意見があれば、ご指摘いただければ大変幸いでございます。もちろんこれにつきましては、きょうで終わりということではなく、パブコメを経た後、また議論を再開するということでございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○田中部会長 どうもありがとうございました。
 今、南川部長から紹介いただいた循環型社会白書というのは、お手元にありますのが国会へ提出された正規のもの、これが市販用には循環型社会白書として表紙がかわって市販されているものです。内容は全く同じです。
 さて、我々と同時並行に審議をしておりました産業構造審議会の方では、去る16日に中間とりまとめが行われたところです。中央環境審議会としましても、1年近く議論を続けてきたこともあり、産業構造審議会からおくれることのないように、中間とりまとめをまとめていきたいと思います。委員の皆様方には格段のご協力をお願い申し上げます。
 それでは、事務局より資料の説明をお願いします。

○リサイクル推進室長 それでは、資料2、容器包装リサイクル制度見直しに係る中間とりまとめ(案)をごらんください。
 この案は前回の審議会でちょうだいをいたしましたご意見を踏まえまして、先ほど部長が申し上げましたように、必要な修正を加えたものでございます。
 それでは、この案の9ページ以降につきまして、全文を改めてご紹介をさせていただきますので、ご確認をお願いします。
 
(事務局による中間とりまとめ案の全文読み上げ)

○田中部会長 ありがとうございました。
 今全体を読んでいただきましたけれども、中間とりまとめの案としてここまでまとまりました。
 それでは、大きな項目ごとにご議論いただきたいと思います。
 前回と同様に、できるだけ具体的に、そしてそれぞれの立場で何ができるかということを中心にご意見、ご提案をいただければと存じます。しかもできれば手短にお願いしたいと思います。
 まず第1に、9ページ目の容器包装リサイクル法の評価と見直しにかかわる基本的な考え方について、ご意見いただきたいと思います。
 では、庄子委員、お願いします。

○庄子委員 冒頭で意見を述べさせていただきます。大変ありがとうございます。
 前回の案文に比べまして、役割分担の見直しに係る記述など、事業者の意見にも多少ではございますけれども、配慮した書きぶりに修正いただいております。ありがとうございます。
 今回の中間とりまとめ案において、数多くの施策のメニューが提示されておりますけれども、今後の検討に当たりましては、今回盛り込まれた施策のメニューの中で排出抑制に大きな効果がある施策というのは何なのかというのにつきまして検討を深めていき、排出抑制効果が特に大きい施策を講ずるべきではなかろうかと思っております。
 経済界としての考えを申し述べますと、これまで私も再三申し上げておりますけれども、各主体が現行法で規定された役割を十分に果たしているというふうには言えない状況であるわけですから、今回の見直しではぜひとも取り組みがおくれている主体の底上げを図る施策など、現行の役割分担を各主体がきちんと果たすよう、そういう施策を講ずるべきではなかろうかと考えます。各省で環境教育その他のことが述べられておりますけれども、ぜひともこの点をお願いいたします。つまり分別収集費用の一部を事業者が負担するという役割分担の見直し程度では、排出抑制に大きな効果をもたらすことはできないと考えているからでございます。
 結論を申し上げますと、国の施策として排出抑制に効果があるとして一般廃棄物の有料化を推進しているときに、容器包装廃棄物だけ有料化の対象外とすべきではないと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。
 基本的には、リデュース、リユースに重点を置いたと、こういうスタンスでまとめられたと思いますし、それから最も優良なところに下からボトムアップをすると、こういうスタンスで書かれていると思います。
 ありがとうございました。
 それでは、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 最初に申し上げるにしては、すごい小さな話で恐縮ですけれども、中間とりまとめですので、一言だけ申し上げておきます。
 9ページ、3.の(1)でお使いになったように、リデュースのところで排出抑制という言葉が使われていて、これは今までのそういう使い方をしていましたので、ここで変えてくださいとは言いませんが、例えば10ページの3行目に発生抑制という言葉が使われており、循環型社会形成推進基本法の基本的な考え方も発生抑制という言葉でありまして、発生抑制と排出抑制は実はちょっと違うところが本当はあると思います。今、これは随分これまで練ってきているので、ここで変えてくださいとは申しませんが、ぜひ法制化の際にはその点について、きょうお配りいただいた循環型社会の形成の状況の方でも、発生抑制という言葉が使われていますけれども、ちょっとここはお気をつけていただければ、私は発生抑制と本来はすべきだと思っていますけれども、今回ここで変えてくださいとは申しませんが、お気をつけいただければと思います。

○田中部会長 基本的には、発生、排出抑制の意味でリデュースは使われていると思いますが、できれば排出抑制に統一されたらどうでしょうかね。

○リサイクル推進室長 申しわけございません。容リ法で排出抑制というような言葉が使われているということもございまして、排出抑制に統一をしたつもりでございましたけれども、確かに申しわけございません。10ページの頭は発生抑制として。とりあえずここでは排出抑制にすべて統一をさせていただきたいというふうに存じまして、また今後容リ法を含めて各法律がどのように変わっていくかなどの流れも踏まえながら、こういった審議会の意見具申等でどんな用語を使うか、引き続き整理、検討させていただきたいと思いますが、今回は排出抑制ですべて統一させていただければと思います。

○大塚委員 発生というと、生産者の方のところでおつくりになったことで既に発生しているというところがありますので、排出というとどうしても排出者のところだけを見ているということがあって、考え方としてはやや違っているところがあると思いますので、私は循環基本法の方で整理していただいた方が循環基本法の方が上の法律ですので、いいと思いますけれども、とにかく今回のこれは変えてくださいということではなくて、注意をしてくださいということだけでございます。

○田中部会長 ご指摘ありがとうございました。
 古市委員、お願いします。

○古市委員 今、大塚さんがおっしゃったことと全く私も同じことを言おうと思っていたんですけれども、9ページのところは循環基本法なのに排出になっていますよね。10ページは発生で、もう一つ20ページも発生になっているんです。それで、これは先ほど大塚さんもおっしゃったですけれども、発生と排出では基本的には概念が違いますよね。それだけを今ここで議論しようとは思っていませんので、今整理していただいた方向で基本的にはいいと思うんですが、何のために循環基本法ができ、循環基本計画になったかということを思い出すべきですよね。
 そうすると、商品等が廃棄物等になったと。廃棄物等が発生して、それで有用なもの、それから循環利用できるものを除いて残りが廃棄物になるわけですね。廃棄物が発生して、それから集団回収が抜けたものがごみの総排出量になりますね。そうすると、この容器包装リサイクル法の対象は多分自治体が回収する、自治体が処理計画を立てるものが対象だろうと思うんですよね。そうすると、そういう時点で受け身の部分で排出されたものをどうするかという議論も大事であるけれども、本来3Rとか循環基本法で重要なのは、総量の廃棄物等の減量化を図るということだと思うんですね。そうだとすると、例えば集団回収が先ほども議論がありましたけれども、これについても視野に入れておかなきゃいかんと。そうすると、発生と排出ということで、きっちり議論しておかないと混乱するんじゃないかというふうに思うんですね。そういうのが意見です。

○田中部会長 ご指摘ありがとうございました。
 ということで、意味としては発生、排出抑制で言葉としてはここでは排出抑制という言葉で統一して書くということでいいでしょうか。
 それで、おっしゃるように発生と排出両方大事だと。それで、環境省のデータはすべて排出統計ですよね。

○古市委員 ですから、対象をどこに置いているかということを明確にしておく必要があるんじゃないかなと思いますね。だから、その対象を明確にした上で、この排出ということであれば私はそれでいいと思うんです。

○田中部会長 それでは、ちょっと急いで次の10ページからの方に移りたいと思います。10ページから13ページ、IIの1の排出抑制及び再使用の推進について、ご意見いただきたいと思います。
 石井節委員。

○石井(節)委員 意見を言わせていただく前にお礼を申し上げます。
 11ページの上の方に「なお、市町村において」という部分を前回私の意見を取り入れていただいて、追記していただきました。ありがとうございます。
 ひとつ意見を言わせていただきたいのは、12ページにあります(7)ですが、主務大臣がそれぞれの業種ごとにそれぞれの実態を十分踏まえながら云々とありますが、そもそも主務大臣がこういう今回は基準が指針となっていますが、基本的には私はこういうことはいわゆる主務大臣じゃなくて業界が自主的にやるべきことであって、たしか産構審の方はそういう表現になったと思いますが、我々事業者として自主的にやることであるというふうに考えております。もしこういうことになりますならひとつ考慮していただきたいのは、あくまでも我々事業者の事業の拡大というのが大きな事業者としては目指していくことですので、事業の拡大を妨げない目標なり基準なりにしていただきたいというふうに思いますので、ぜひご検討をお願いしたいと思います。

○田中部会長 主務大臣という言葉がない方がいいんじゃないかと、それぞれ自主的にやるということですね。その点いかがでしょう。

○リサイクル推進室長 そこはこれまでの議論を踏まえまして、何らかの担保措置と申しますか、そういったものも必要ではないかというような意見もございましたし、ここで主務大臣と申し上げていますが、基準を指針に変えたりもいたしましたけれども、1つは指針の後ろにつけてございますように、対策が十分進んでいない事業者に対して、対策が比較的進んでいる事業者レベルの対策を促すための措置ということで、必ずしもトップランナーを目指すような厳しいものをつくるということも考えてございませんし、基準を指針に直しましたのも、基準といいますと、何か特に産業界の皆様方の印象ですと、数値目標がざっと並んだような、そんなふうなイメージを持たれるということですので、必ずしも数値目標はもちろん何ら排除するものではありませんが、数値目標が並んでなきゃいけないというようなものではないようにも考えてございますので、ここは指針というふうにいたしました。
 いずれにいたしましても、何がしかの業種ごとの方向感といいますか、こういうような方向でご努力をいただきたいというようなものは、やはり何か定めた方がいいのではないかと思いますし、また担保措置としてご報告をいただきますとか、あるいは公表するとかといったような措置もあわせて設ければいいのではないかということでご提案をさせていただいている次第でございます。
 なお、ご指摘ございました事業の拡大を妨げないような目標なり基準ということは、十分に考慮する必要があると私どもも考えております。

○廃棄物・リサイクル対策部長 これについて言いますと、事業を拡大していく阻害になるようなことはまずあり得ないと思いますし、当然ながらそういうものでなければならないと思っております。

○田中部会長 いいでしょうか。
 じゃ、石川委員、お願いします。

○石川委員 同じく、今の11ページの一番上の○のところなんですけれども、資源物についても有料化したらどうかということですけれども、これは私どもだけではないと思いますけれども、大体今有料化をしているところについては、有料袋を指定するという方法をとっていると思いますけれども、この瓶、缶ですとかペットボトルなどについては、いわばラックですとかコンテナですとか、こういうものを使って回収をしているのが実態です。ですから、こういうものに対して指定袋制を導入をしたところで、資源物に対する負担を有料化をするというのは実務的になかなか難しいということをひとつご指摘をさせていただきたいと思います。
 また、実際のところまだまだ有料化すること自体がこれからの段階でありますので、資源物とあわせて廃棄物についても有料化をするということになると、極めて現場では混乱をすると。むしろここはきっちりと製品段階で製品の内部化をしていくと、処理にかかわる費用については内部化をしていくということを追求していくべきではないかなということを指摘をさせていただきたいと思います。
 それから、11ページのリターナブルの関係ですけれども、いわばリターナブルについても市町村の分別収集の促進を図るということで、分別基準適合物に位置づけるということ、これは、はなから否定はしませんけれども、しかしこれを仮に適用すると、その下にあります店頭回収システム等については、今既にこれ自体も壊れつつありますけれども、壊滅的な影響を与えるというふうに実際には言えるのではなかろうか。かなりこの部分については、きちっとした自治体がリターナブルについての回収の位置づけをするということであるならば、どの部分、どういうようなものに対してなのかということを明確な方針というものがないと、結局のところすべてのリターナブルが自治体の方に、店頭回収している既にリターナブルそのものがこの10年間でかなり壊れてきていますけれども、ほとんど店頭回収等が壊滅的な影響を受けて、結局その分も自治体が負担をするというようなことになる可能性が非常に高いということを指摘をさせていただきたいと思います。

○田中部会長 それに関して、一番初めにありますように、リターナブル瓶の回収システムの維持、強化をしつつということを書かせていただいております。だから、それによって壊れる、悪い影響があるというようなことはあってはならないというのは同じ思いです。
 いかがでしょうか。
 服部委員、お願いします。

○服部委員 2から7まで意見を言わせていただきます。
 今の石川委員とかなり重なる部分はありますけれども、家庭ごみの有料化につきましては、ごみ減量政策の一つの手段というふうに考えております。ですから、一方的に強制されるものではありませんし、また自治体でも賛否両論あります。また、リサイクル費用というのは商品の価格に内部化すべきものであり、容器包装廃棄物の収集の有料化には反対いたします。
 それから、(3)のリターナブル瓶の分別収集ですが、2番目の○の市町村に経済的インセンティブ、これに加えまして、リターナブル瓶を扱います販売事業者の方も経済的インセンティブを付与する仕組みにしていただきたいと思います。
 それから、(4)なんですが、国、地方自治体の庁舎、公的施設に、ぜひ導入していただきたいと思いますが、牛乳瓶等を扱っております学校給食もぜひこれに加えていただきたいと思います。
 それから、レジ袋の無料配布の禁止、これは消費者としまして大賛成ですが、法制化を待たずに、もう既にレジ袋有料化をしているスーパーもありますので、法制化を待たずに自主的な取り組みを進め、ぜひ国の方でも支援をしていただきたいと思います。また、前回申し上げましたけれども、ごみとして出されるレジ袋が全部なくなるわけではありません。これまで行われてきたリサイクルを後退させないためにも、これから有料になった暁にも、容リ法の対象というふうにしていただきたいと思います。もしそれができないようでしたら、ぜひ事業者の方で自主回収をしていくように、そういったことをこれから今後に向けて検討していただきたいと思います。
 それから、6番のデポジットなんですが、対応の方向の2番目の○の方にいろいろな事例が書かれてあるわけなんですけれども、飲料容器につきましては、自治会によっては回収機を使いまして、消費者みずからその飲料容器を回収機に入れて、別なルートで回収するという、そういったことが始まっております。多摩地域では、国立市などではもう既にその回収費用を特定事業者さんが支援をするという、そういった試みもありますので、ぜひ事業者が今後回収なども行っていくにつきましては、必ずしもベールで集めるということじゃなくて、こういった回収機を使うという方法なども、この2番目の○の例の中にぜひ入れていただければと思います。
 以上です。

○田中部会長 いろいろご指摘いただきましたけれども、最後のはデポジットの導入に関し、デポジットをやって、それから回収する機械を使った返却制度もあるんじゃないかと、こういうご指摘ですか。
 それから、容器包装廃棄物の収集については有料化するのは反対だと。それについては低い額でということで書いていますので、その辺はそれぞれ自治体で決めるということになりますが。

○リサイクル推進室長 簡単にコメントさせていただきます。
 有料化につきましては、今の(2)の記述、必ずしも容器包装廃棄物について、有料化すべきだというような明確な方針を出しているということではございませんで、恐らくご意向には沿っているのではないかと思います。
 それから、(3)のところで、リターナブル瓶に関しまして、販売事業者のインセンティブにつきましてのご指摘がございました。以前にも一度議論があったと思いますが、販売事業者のインセンティブを与える方法ですとか、あるいは財源ですとか、そういったところがいろいろ議論があるのではないか、あるいは課題になるのではないかということで、ここでは特に触れてないところでございます。
 それから、学校給食につきましては、前回もご意見をいただきましたが、逆に学校給食で紙パックが環境教育等に有効ではないかとか、あるいはLCA的に、これは私がご説明したとおり、私どものLCA調査ですと、なかなか容器間の比較は難しゅうございますけれども、数字を見るとLCA的にも紙パックについても結構低いところにあるというようなご指摘もございましたので、ここでは特段触れることをしておりません。
 それから、レジ袋の関係で、有料化された後にさらに容リ法の対象にするか、あるいは自主回収かということでございますが、ここはこれも前回私がお答え申し上げましたように、何かやはり検討しなければならないというふうに考えておるところでございます。
 それから、回収機につきましては、恐らく地域等を限定したデポジット制度の活用ということで、何かここら辺にということでしょうか。ちょっとここで言っておりますのが局地的といいますか、一定の範囲を限れば、このデポジット制度というのはある程度の効果を発揮するというふうに言っておりますが、そういう意味では余り手法的なところを限定するのもあれかなということで、特段そこは触れてないというような、整理の問題かもわかりませんけれども、そういったことでご理解をいただければありがたいと。もちろん回収機を使っての回収そのものは、たしか何回か前に私どもも資料でご紹介をしたところだと思いますし、一つの有効な手段ではないかとは考えております。

○田中部会長 限られた時間で多くの人が発言を要望しておられますので、手短にお願いしたいと思います。
 それでは、長谷川委員、お願いします。

○長谷川委員 今、質問と説明もありましたが、私もレジ袋でちょっと言いたかったんですが、5のところですね。非常に量が多くて、いろいろ対策することが喫緊の課題であると、ここまでよろしいんですが、対応の方向はそれにしてはすこしあっさり書き過ぎているということで、さっき藤井さんから説明がありましたけれども、その後容リ法の対象から外れてしまうという、袋の形をしていながら容器包装廃棄物じゃないという矛盾が出てくるので、その辺の対策をしっかりしなきゃならない。この11ページの上に書いてありますけれども、なお書きで「廃棄物の混入を回避するための措置を講じる必要がある」みたいななお書きがありますね。これと同じことをやはり5のところにも書き加えたらいかがかなと思います。細かい検討は別ですね。また後日でしょうけれども、なお書きで注意喚起ですね。注意点は書き加えた方がいいんじゃないかと思います。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。
 それでは、2つのポイントを発言させてください。
 1つ目は、先ほどの10ページの2番目、家庭ごみ有料化の部分なんですけれども、私もこれは家庭ごみ有料化は一層推進する。そして、容器包装廃棄物については、有料化という意見もあるという、そういうふうに解釈しております。私も容器包装廃棄物を有料にするかどうかというのは、各自治体が自分たちの地域で考えていくような内容だと思っています。
 それで、もしリサイクルコストの後取りという印象で事業者の方がご提案されているのであれば、やはりリサイクルコストは商品の価格の中にしっかり入れた形で内部化をしていただいた方がよろしいのではないかなと思っています。
 あと、一般廃棄物の有料化、家庭ごみ有料化だけでは排出抑制が徹底しないというご意見があるんですけれども、現在家庭ごみ有料化をしているところでは、分別排出が徹底するということだけではなくて、消費者が消費選択をきちんと変えて、過剰包装を避けるという消費行動をきちんととり始めています。そして、発生抑制効果がきちんとデータで出ている市町村が大変ふえてきておりますので、そういう意味では家庭ごみ有料化を最低限できちんとやるということで、かなり状況は変わってくるというふうに思っています。
 もう1点、7番のところなんですけれども、排出抑制、再使用ということに関する自主的な取り組みを促進させるということで、私はやはりこういう今回の見直しに当たってリデュース、リユースのところをきちんとこういう書き込んでいただくということが国民全体が今回望んでいることの大事なポイントの一つだというふうに思っておりますので、事業者の方が積極的に、自主的に取り組んでくださっている状況を形の上できちんと把握できるということは、お互いの信頼関係にとってもすばらしく重要なことだと思っておりますので、この7番をきちんと書き込んでいただく、そして法律の中に3Rの視点をきちんと盛り込んでいただくということは、大変重要だと思っています。
 それで、それとともにこれをよく読みますと、これは特定事業者の方たちへのお話なんですが、先ほど来、レジ袋をもし有料化したときに外れるのではないかというお話もありますが、例えばレジ袋とかクリーニングの業界の方が袋を自主的に回収するとか、いろいろ特定事業者に入らないところで自主的に熱心に取り組んでくださるということも今回の見直しによって随分ふえてくると思います。例えば、9番目のコーヒーショップ、ファーストフード店の一回使用をやめていくような話、こういうようないろいろな自主的な取り組みをきちんと情報公開していただいて、社会的にこういう情報がふえてきているんだということをきちんと形の上で示してくださるということが大事ですし、そういうことが消費者の意識変化につながってくるんだというふうに思っています。よろしくお願いいたします。

○田中部会長 基本的には、この内容をサポートする発言と理解しますけれども。
 それでは、山本和夫委員、お願いします。

○山本(和)委員 手短に1点、12ページの6、デポジット制度の活用について意見を申し上げます。
 対応の方向で、最初の○の最後の部分ですが、「全国一律にデポジット制度を導入することは難しいと考えられる」というところで終わってしまうと、いかにも後ろ向きなような印象が残ると思うんですね。これは別にこだわるわけではありませんが、例えば「こういう全国一律にデポジット制度を早期に導入することは難しいと考えられるが、3Rを推進するために実効性のある方法についてさらに検討する必要がある」とか、何かもう少し前向きな表現にしていただくとありがたいなと思います。
 それから、2番目の○に関しましては、先ほど服部委員のおっしゃっている意見は私も賛成で、サッカースタジアムの例が何か特殊過ぎるような形で目に入ってきてしまいますので、もう少し地域の取り組みというようなものの例示が、あくまでも例示ですから、あってもいいなと思います。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 ご意見、いかがですか。

○リサイクル推進室長 デポジットの件は以前にも指摘していただいた、ご議論いただいたことでございますけれども、事務局としてはこれまでの議論を踏まえまして、これは全国一律というのは難しいのではないかということで、素直に書いたつもりなんですけれども、もっとおっしゃるような実効性のある云々ということになりますと、もう少し具体的な見通しといいますか、あるいは問題点をどうクリアするかとか、そこら辺のこともまた議論、検討が必要だと思いますので、ここはこんな形が一番適当だと思っているところでございます。
 それから、2番目の地域の例示というと、例えばどんなものが考えられるのか。従来、観光地などでやってきたりというような事例は私どもも承知をしておりますが、もしそういうたぐいのことでございましょうか、事例として。

○山本(和)委員 ただの例示ですので、私は単に服部委員の意見に賛成ですと申し上げただけです。

○リサイクル推進室長 服部委員がおっしゃったことは、地域で回収機を使ってというようなのだとは思うんですけれども、そこは手段的なものということでしょうか。

○田中部会長 では、服部委員、具体的に何か。

○服部委員 山本委員におっしゃっていただいたんですけれども、やはり新しい回収の形だと思うんですね、回収機は。これまでも八丈島とか、いろいろなところでデポジットの試みがあったと思いますけれども、さらにその回収に特定事業者が支援をしているということも新しい試みかと思いますので、こういった多様な回収方法が伸びていければいいかなと思っておりますので、それを加えていただければと思うんですが。

○リサイクル推進室長 わかりました。それはちょっと文章を工夫をしてみます。
 それから、先ほどの服部委員、あるいは長谷川委員の方からもございましたが、(5)のところも容リ法を外れるという点についてどう考えるかというところは、何か文章をひとつまた考えたいというふうに思います。

○田中部会長 青木説明員にお願いしたいと思います。

○青木説明員 当初、1つだけと思っていたんですけれども、だんだん順番が遅くなりましてちょっとふえましたので、かいつまんで幾つかお話しさせていただきます。
 11ページ、容器包装廃棄物の有料化につきまして、容器包装廃棄物を有料化すると、恐らく先ほどお話がありましたけれども、袋詰めだとか何とかという形になってきますので、そうしてくると、消費者の立場からすると、つぶすだとか、形を変えるだとかという形で、排出時の減量化が図られて、結果的には議論になっている収集効率の向上だとかというところに寄与もしてくるというふうに考えていますので、ぜひこれは実行すべきだというふうに思います。
 それから、レジ袋の話は幾つも出ていますので、繰り返しになりますけれども、プラ容器全体の1割を占めるということについては何回も指摘があるとおりでございまして、ごみの減量だとか使用抑制を図るということが推進すべきであることであって、否定すべきことではないんですけれども、容リプラへの混入だとかということも考えられますし、再商品化事業の方にも影響を与えてきますので、ぜひこの辺は先ほど古市委員の言葉にありましたように、配慮をお願いしたいなというふうに思います。
 それから、7番の公表の件ですけれども、石井委員と藤井室長の話で終わったかと思ったんですけれども、そうでもなさそうなので一言だけ。単なる量の表示、額の表示でやっているのか、やっていないのか、努力していないのか、努力しているのか、これは余りにも違い過ぎると思いますので、ぜひ工夫をお願いをしたいというふうに思います。
 それから、最後に学乳の話ですけれども、これも藤井室長に明快にお答えいただいていますので、繰り返しになりますけれども、学乳における紙パックという部分については、先ほど藤井室長のLCAの話から環境教育の話、いろいろな話が出てきていますし、きょうお渡しいただきました分厚い本にもありますように、紙パックというのは20年前から「もったいない」、この一言でリサイクルが始まったものでありまして、これが現在は学乳の紙パックにも結構浸透しておりまして、我々が持っているデータですと、一昨年のデータで50%以上はリサイクルされています。
 それは、子供たちがちっちゃい手で洗って開いて乾かして集めて、それが戻ってきてトイレットペーパーになったりとかということで結構環境教育に行き届いているんだというふうにも考えていますし、LCA的にも決してガラス瓶に負けないという言い方をあえて私は両方とも扱っている業者でございますので、せざるを得ないので、どっちがいいの、悪いのじゃないと。ガラス瓶はガラス瓶のよさがあると、紙パックは紙パックのよさがあると。ガラス瓶はいいんだ、いいんだというふうに錯覚に陥っているのではないかということをちょっとご指摘をさせていただきたいなというふうに思います。
 もったいないの20年前から、もったいないという言葉は江戸時代からずっと使われている言葉ですから、それが現在に復活したのは20年前の紙パックですから、それが今ここ昨年いろいろと出てきているというふうに理解をしていますので、ちょっと余分な話をしたかもしれませんが、意見を述べさせていただきました。

○田中部会長 ありがとうございました。
 上山説明員。

○上山説明員 チェーンストア協会の上山です。
 11ページのレジ袋について、やはり意見を申し上げる必要があるというふうに思います。2つの視点でコメントを申し上げたいと思いますが、目的そのものはあくまでもごみの削減に向けた市民の行動変容をいかにつくり上げるかというのが目的であって、家庭ごみの10%、あるいは15%だけのものがレジ袋であるということは事実でありますから、まずこのレジ袋の発生抑制を行う。そのときの絶対条件として、私はやはり法制化というのが必要であるというふうに思っております。法制化は必要条件で必要十分条件ではない。なぜならば、必要十分条件というのは市民の納得、市民の行動変容につなげるというところまで持っていかないと、私は意味はそれほどないと思います。
 前回の審議会からきょうに至るまでの一つの変化点として、チェーンストア協会以外の日本のスーパーマーケットの3団体が同じ趣旨の要望書をこの審議会にもお出しになったと思っております。それは一つの半歩前進だというふうに思っておりますが、必ずこれは成功させなければならないというふうに強く思っている点でありまして、レジ袋の有料化の法制化というのは、必要条件であるということと。
 もう一つ市民の納得を得るという行為においては、地域の各セクターと具体的なリレーションでその地域の70%がその地域の制約条件によって、例えばごみの作業効率をいわゆるマイナスに作用しているということなんかについては、その地域を一番よく知っている各セクターが問題解決をする、そういうアクションをとっていくということが必要であって、両方必要なんだというふうに思っています。
 それから、2つ目の切り口としては、よく法制化については、法律の問題が当然出てきて論議があったんだと思いますけれども、私の考えていることは、営業の方でそれぞれの地域でいろいろな小売業がお互いにいろいろな公正な競争原理のもとで丁々発止の戦いをしていく、これはどんどんやるべきだというふうに思いますが、環境保全、発生抑制というふうなことのテーマに関しては、横に連なって一斉に共同行動をとるべきものなんだと、はっきりとそれはめりはりをつけるべきだと。21世紀というのはそういう社会、そういうビジネスモデルであるべきだというふうに私は思うんです。したがって、法律で例えば営業の自由ということについて一つのポイントがありますが、私は20世紀と21世紀では当然価値判断は違うべきだというふうに思います。
 したがって、法制化を必ずやっていただく、加えて地域の各セクターの連携を行って、市民が納得をして、レジ袋だけではなくて、いろいろな廃棄物のリデュースをやるみずからの態度変容を行っていく、そういう社会に向かって進むべきではないか、その一つの大きな出発点に今なっていますし、機運が少しよくなっているわけですから、絶対にこのチャンスを逃してはいけないというふうに思います。もしこれがその法制化というのがされなかった場合、現実に現場でいろいろなシミュレーションを我々は今やっていますけれども、物すごく大きな壁があります。

○田中部会長 大体わかりました。

○上山説明員 無料の店があって、有料の店があったということに関しては、私はこれは前に進まないということだけ申し上げておきたいと思います。

○田中部会長 ここに法的措置というのが含まれていますけれども、できるだけそれを検討していただくということで。
 松田委員、どうぞお願いします。

○松田委員 私はこの枠組みについて、論点のところでは大変よくまとめていただいたと思って感謝しております。それぞれの自治体で抱えている問題点はあるんですけれども、全国的に見てみますと、今資源物の有料制のところの記述についてこだわった委員がいらっしゃいますけれども、私は有料化を既にしてしまって、それで資源物を無料にしていた自治体の方たちと話をしていると、有料化のところを減らすために資源物のところをどんどん出していくので、結局は排出抑制にならないというのを各現場の自治体から聞いております。ですから、これは大きな枠組みをつくる話なので、絶対賛成とか絶対反対ではなくて、今後議論がこの枠組みの中で動いていくわけですから、ここではこの文章で私は大変いいと思っております。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 木野委員、お願いします。

○木野委員 長年リターナブルに取り組んだビール業界として一言申し上げておきます。
 先ほど(3)の市区町村によるリターナブル瓶の分別収集というところで、既存のルートに悪影響というような懸念というご指摘がありましたけれども、いわゆる従来回収のシステムというものを構築して販売ルートのところではつくっておりますので、残念ながらライフスタイルの変化に伴って、5円という保証金でなかなかお店に戻されない、それが今の現状。自治体ルートに一部排出されるリターナブルびんをびん商ルートで回収しても、それで従来の仕組みが崩れるということはございませんので、そういった意味でここの維持、強化しつつという強化のところなんですけれども、新たな策というよりは、そういう従来の回収システムを堅持すると、こういう解釈でさせていただきたいと思いますけれども、それでよろしいかどうか。

○田中部会長 そういう意味で維持、そして壊れることがないように強化という意味で、デポジット制度が導入されているようなビール瓶、酒瓶、それから牛乳瓶が対象になりますね。牛乳瓶はデポジットはないですよね。これは回収ルートが確立されているので、それは維持、強化、それに該当しないものをどうするかということの話が後ろに書いてあると、こういうふうにご理解いただきたいと思います。
 それでは、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 簡単に2点申し上げます。
 11ページの最初の2行については、いろいろなご議論がありましたが、私も基本的にはこれは容器包装廃棄物にかかわる費用というものは、最初にこの容器包装リサイクル法のように、事業者の方で価格に転嫁をしてはいけないことだし、同時にここでまた排出時に消費者から従量化をするということになると、その両方を少なくとも足したものが容器包装廃棄物の処理等に係る費用を超えてはいけないということは少なくともありますので、そこはぜひご注意いただきたいと思います。低い額に設定するということであれば、多分超えないと思うので、余り問題はないと思いますけれども、理論的にはそういう両方合わせたものがその処理費用を超えてはいけないということがありますので、申し上げておきたいと思います。
 それから、もう1点ですけれども、これはちょっと本当に簡単で恐縮ですが、10ページの最初のところで、さっき発生抑制、排出抑制という話をして、これも発生抑制を排出抑制に変えるというのが先ほどの藤井室長のお話であったようですが、循環基本法が発生抑制というふうに考えているのは、循環基本計画もそう考えておりますので、容器包装リサイクル法という下の個別法のために、循環基本法が言っていることをここで変えてしまっては困りますので、もし括弧して排出抑制と書いていただくのはいいですけれども、ここの発生抑制という言葉は変えられないと私は思っていますので、これは意見として申し上げておきます。

○田中部会長 ありがとうございました。

○リサイクル推進室長 そこのところは整理をまた工夫させていただきたいと思います。

○田中部会長 酒井委員、お願いします。

○酒井委員 12ページの7番の排出抑制、再使用の趣旨に沿っての報告ですが、ここは自主的取り組みであったとしても、情報公開という意味での一定の担保、あるいはチェック・アンド・バランスという機能はどこかにやはり盛り込むということを前提にぜひ進めていただきたいというようにここは強く要請をいたします。
 それとの関連で、実際ちょっと後段の後のところで本来意見を言った方がいいのかもわからないんですが、23ページのその他の容器包装の範囲の中にいわゆる事業系容器包装廃棄物に対する対応の方向というふうに示されております。ここでは、そういう意味では市町村の分別収集責任との関係、大規模な法制転換とか、実際にはかなり進んでいるということで、この事業系容器包装廃棄物対策は不要だという論調でここでは示されているんですが、それはそれとしてそういう考え方もあろうかと思うんですけれども、今のこの指針策定とか、あるいはその報告、公表といったようなところには、こういう種類のところも踏み込んで考えていくべきだというように思います。
 今もっぱら議論が家庭系容器包装についての議論ではございますが、やはり輸送用の容器包装に関しては量的にはかなり多いというふうに見ておりまして、そういう意味で次に一つターゲットという意味ではここも避けて通れない。これは既に昨年秋に東京都からの意見具申でも出されておりますけれども、梱包材を含む産業廃棄物系の容器包装材、あるいは梱包材のリサイクルというところ、ここの問題指摘、これはちゃんと重く受けとめるべきというふうに思っておりまして、それとの関係をこれはつける意味でも、ぜひこの7番のところはうまく進めていただきたいというように思う次第でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。
 それは非常に重要なご指摘だと思います。
 時間の関係で次の方に行きたいと思いますが、服部委員、手短に、2つまだ残ってますので。

○服部委員 すみません、藤井室長にお答えいただいたので、ちょっと加えさせていただきたいんですが、資源ごみの有料化、容器包装廃棄物の有料化につきましては、何人かからご指摘がありましたので、ぜひリサイクル費用は製品の価格に内部化すべきものであり、容器包装廃棄物の収集有料化はよくないということをぜひ追加していただきたいと思います。4人ぐらいの方からご意見があったと思います。
 それから、学校給食の牛乳瓶のことなんですけれども、3Rということが基本になっておりますし、また公共施設などでリターナブル容器を導入するということと、なぜ学校だけがリターナブル容器を外すのかということで、ちょっと整合性がわかりません。LCAをなぜ学校給食に限っての牛乳瓶に持ち出さなければいけないのかということもちょっと理解できませんので、ぜひ学校給食の方は加えていただきたいと思います。
 それから、レジ袋の無料配布の5番目なんですが、特定事業者の自主的取り組みということも兼ね合わせまして、ぜひ法的措置の前に自主的な取り組みを推進しということを加えていただきたいと思います。

○田中部会長 ちょっととりあえず意見を承っておいて、次に。

○リサイクル推進室長 今のまず学校給食の話は先ほど申し上げたとおりなんですけれども、主に紙パックとの競合というような格好になると思いますから、そこは両論ございますので、学校給食についてリターナブル瓶をという記述は事務局としてはなかなか難しいかなと思っています。
 それから、レジ袋の自主的な取り組みにつきましては、これは特に法的な措置も含めて、どのような格好でやれるか、やるべきかというところまでまだここでは踏み込んではございません。したがって、11ページの一番下の「無料配布を禁止する措置」の後に「(法的措置、自主協定の締結等)」と書いてございますので、自主的な取り組みを促進することというのは、そういったことも含めてここで読み込んでおるつもりでございます。
 それから、最初の有料化につきましては、私もきょうの今の議論を踏まえて考えますと、賛否両論あるかと思いますので、ここで明示的な方向を提示するのはどうかというふうに思っております。

○田中部会長 ということで、ご理解いただきたいと思います。
 これは方向性を示しているものですので、実際はそれぞれの自治体が決めれるものですので。
 それでは、次の課題のIIの2.分別収集・選別保管の在り方ということで、14ページから19ページについてのご指摘をお願いしたいと思います。
 それでは、宮田説明員、よろしくお願いします。

○宮田説明員 処理コストの責任分担、透明化の件で発言させていただきます。
 基本的なことで今さらと言われるかもしれませんが、昭和45年以来、一般廃棄物の処理につきましては、適正処理だけでなくて、処理計画の策定も市町村の責任ということになっていたはずです。16ページの最上段に透明化の件で市町村コストの透明化は処理の効率化を図るための大前提とありますけれども、事業者であれ、国であれ、消費者であれ、市町村コストの透明化は市町村が他者に費用を依頼するに当たってのむしろ大前提だと思うんですね。
 それで、15ページのところの下から11行目に「市町村コストの透明化がより進展する」という表現が入っているんですが、これは進展するというのはむしろ要らないんじゃないかなと、ここは市町村コストが透明化すると言い切っていただいた方がすっきりすると思うんですが、ご検討をお願いします。

○田中部会長 編集の問題で検討させていただきたいと思います。
 高濱委員、お願いします。

○高濱委員 本日は私どもの団体の会員の要請書、5団体でございますが、添付していただきましてまことにありがとうございます。いずれも私どもの我が国の食生活において大変重要な役割を果たしている団体でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、3点申し上げたいんですが、1つは14ページのイの排出抑制・再使用の推進と責任分担の「容器包装廃棄物の総量については、必ずしも十分な減量効果があらわれていない」というところでございます。ここは6都市のデータをもとにしておられると思いますけれども、この種の調査はお金もかかって大変だというふうに伺っておりますが、例えば容器包装の生産量からアプローチするとか、いろいろなアプローチもできると思いますので、もう一度いろいろな角度から実証的な検討をしていただきたいと思っております。
 第2点目は、その次のフレーズでございます。十分な減量効果があらわれていないので、分別収集・選別保管に対しても「事業者の負担を求めることにより、過剰包装の抑制を云々」とございますけれども、分別収集をしやすい設計をすると、容器包装廃棄物の総量が減るというふうな論議をされていると思いますが、ただ、分別収集をしやすい設計をすると、容器包装廃棄物の総量が減るとまでいうのは、ちょっと論理的ではないんではないかなと、そんな感じがいたします。
 それから、先ほど、南川部長が食品リサイクル法にちょっと触れられたんですけれども、食品リサイクル法には再生利用率の目標として2割というのがございますが、必ずしもその達成は容易ということではありません。食品製造業では容易でございますけれども、外食等ではかなり苦労しているという事情はお含みおきいただきたいと思います。
 以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。
 新美委員、お願いします。

○新美委員 2点ほどコメントをしたいと思いますが、1点は高濱委員と似ているんですが、15ページのオのところの最初の○ですが、これは分別収集・選別保管に係るコストを事業者に負担させると、排出抑制等に関する各主体の負担・コストが削減されるというのは、論理的にちょっとよくわからない。どうしてつながるのかですね。あるいは説明をされる必要があるのではないか、こういうのだけではちょっとよくわからないんじゃないかということです。
 それから、もう一つの点は16ページのキのところの最初の○ですね。その3行目で、「消費者の価格選考を通じて」と書いてあるんですが、分別収集・選別保管に係る費用について、事業者に負担させられれば、価格に転嫁されるということまでは納得できるんですが、価格の決定要因が他に等しければ価格が上がるわけで、当然に価格選考によって抑制されるということにはならないんではないのか。経済学で言うとサポーズの部分が消えているんじゃないか。他の条件が違ったら、必ずしも価格に反映しない、価格の中に振り込んだとしても値段が上がるわけではないんじゃないかと、ちょっとその辺の説明をしておいた方がいいんじゃないかと思います。

○リサイクル推進室長 何点かお答えしたいと思います。
 今の新美先生のですが、15ページのオのところにつきましては、何回かこの審議会でもご議論いただいたところでありまして、今回またご議論を踏まえて書き直させていただいたところなんですけれども、基本的なロジックというほどでもございませんが、事業者による負担、恐らく2つ目の○、3番目の○のことをおっしゃっているんだと思うんですが、ここはあくまでも副次的なといいますか、そこの市町村コストの透明化とか効率化を何か目的にして、その事業者の負担をということでは、これは決してございませんけれども、ただ事業者の負担ということによって、要するに外から負担が入ることによって、その効果として透明化というのが進展する。先ほど宮田説明員のお話も進展するというよりも透明化されるということかもわかりませんけれども、そういった効果があって、それがそういった透明化される、あるいは透明化が確実になってくることによって、その3番目の○にございますように、市民や事業者による市町村コストのチェックが進展して、それの効率化が促されるというような、そういうラインといいますか、そうであるのではないかというようなことを書かせていただいているところでございます。
 それから、キのところですけれども、ここは間違えて私が趣旨を取り違えているかわかりませんが、転嫁が適切に行われますと、例えばリサイクル費用がそのまま価格に転嫁されて、1円なり5円なり10円なり乗っかってまいりますと、消費者の方でそこでリサイクル費用が係るものについて、選ばないというか、買うのを控えるというか、そういったことでもって消費者の行動が変わっていくというか、そういったことをあらわしているつもりでございます。

○新美委員 この前からの議論で、仮に価格の中に入れてもそれが価格に反映させられないんじゃないかというのは、こういった分別収集の費用なんかを内部化したとしても、例えば宣伝費用を少し削れば済んじゃうような問題は価格には上がってこないとか、いろいろな要因が絡まって価格が決定されるわけですので、内部化するから当然に価格が上がるからというようなロジックはちょっと荒っぽいんじゃないかということです。

○リサイクル推進室長 いえ、ここはそういう意味でもいわゆる両論併記的に書いているつもりでございまして、一番上の○がそういう意見もあったということでございまして、一方で2つ目の○、3つ目の○で、その転嫁自体が難しいのではないかという意見。

○新美委員 ですから、転嫁したとしても価格に反映できないというのが僕の趣旨です。価格決定要因というのはいろいろあるわけですよね。要するに、内部化したとしても価格決定要因、さまざまな構成要因があるので、そこを減らすことだって考えられるわけですよ。その辺はどういうふうに表現されるのか。

○田中部会長 そういういろいろな要因があって価格が決まると思いますけれども、一般にはほかのものや宣伝は同じようにして、それが余分にかかるとすればその分だけは上がるはずだと、こういうシナリオで書かれています。

○新美委員 ですから、経済学で言うとサポーズの部分がここに書いてないので、書くべきではないのかということです。

○田中部会長 ほかが同じとした場合というような同様の条件でということですね。
 内部化することによって、資源の消費の削減、生産量の削減というようなことを一般には言われていますので、内部化というのは……。

○リサイクル推進室長 要するに、例えば2つ目の○で「厳しい市場競争の下では非常に難しい」というふうに書いてありますが、ここで先生おっしゃるようなほかの部分のコストでもって吸収する場合もあるとかということをここで書けばいいということでございましょうか。

○新美委員 ですから、価格に転嫁はできるんですけれども、他の部分で吸収しちゃうということになるわけですよね。

○田中部会長 それは2つ目の○で書いてありますね。

○リサイクル推進室長 そこで○を少しつけ足して書けばいいというようなことでございましょうか。
 承知しました。

○田中部会長 それでは、森委員、お願いします。

○森委員 14ページのイ、排出抑制・再使用の推進と責任分担というところと次の15ページのオ、社会全体の容器包装廃棄物処理のコストの低減と責任分担という、この2つの項目で意見を述べさせていただきます。
 まずイの方、2つ目の○は、これは事業者以外の発言だったと思います。要するに、事業者の方に分別収集費用を求めるという発言でございます。ここについては、「考えられる」ということで結んであります。そして、次の3つ目の○については、これは多分事業者の発言だったと思います。「一方」という書き出しで「という意見もあった」ということになっています。オの方、1つ目、2つ目、3つ目の○はその3つは多分事業者以外からの意見だったと思います。それについて、いずれも事業者に費用の負担を求める意見で、すべて結びは「考えられる」、「考えられる」、「考えられる」とおさめてあります。そして、4つ目の○は事業者の意見であったと思います。これもまた「一方」という前書きがあって、「意見もあった」ということです。役所用語で、「考えられる」と「意見もあった」というのがどれだけの違いがあるのかは私はちょっとわかりませんが、これだけ我々事業者もいろいろと意見を言わせていただいた中で、費用つけかえの意見ばかりが「考えられる」として、我々側は「意見もあった」ということで非常に軽くあしらわれているようなことに大いに不満を感じるところでございます。これでは、事業者に収集費用の一部負担なり全額負担、要するに負担論の結論ありきということで、落としどころありきというまとめ方というような私はニュアンスでとらえまして、そういう非常に残念な思いでございます。
 以上です。

○田中部会長 それでは、室長、お願いします。

○リサイクル推進室長 事務局として他意はございませんで、私どもとしては、これまでの議論の動向を踏まえて、こういうような表現にしているところでございまして、具体的に何かここをこうすればいいんじゃないかとかというような、そういうご意見があれば具体的にいただければありがたいというふうに思います。

○田中部会長 それでは、石川委員にお願いしたいと思います。

○石川委員 16ページのカの3つ目の○のところなんですけれども、これはいわば3,000億の収集選別費用等について、全額が市町村から事業者側に負担がされると努力が阻害される可能性があるというふうに結んでいるんですけれども、さらに一方でぜひつけ加えていただきたいと思いますのは、この事業者負担が適正でない場合は効果は極めて少ないと。いわば形だけの事業者の負担という形になってしまうと、これは実際はなかなか効果は逆になくなってしまうと、いわゆるリサイクル促進という意味での効果は極めて薄くなるということをひとつ加えていただけるとありがたいなと思います。
 それから、それにちょっと関連しますけれども、これは意見ということで、エのところで3つ目の○のところで、いわばこのことと同じことですけれども、事業者の努力を促進する効果を有することから、これによりリサイクルの質的な向上が促進をされるということですけれども、いわばリサイクルを促進をしていくためのインセンティブを図っていく方法というのは、手法はいろいろな手法があるんだろうと思います。
 例えば、前々から意見を出せさせておりますけれども、自治体のコストの問題、効率化の問題、あるいは透明化の問題というのは、例えばリサイクルされた商品の質や、あるいは量に基づいて交付をされるということであるならば、必ずしも自治体のリサイクルにかかわるコストの透明度ですとか、効率性とかというものと直接かかわらなくても、リサイクルを推進する上での交付金としての機能は十分果たせるというふうに言えるのではないかなと思います。これは意見ということでお聞き取りいただければありがたいと思います。

○田中部会長 ということで、意見ということですが何か。

○リサイクル推進室長 今の石川委員のご意見ですが、後者はご意見として承ります。
 前者につきましては、恐らく何か書き込むとすれば、ここではなくてウのところかなと思ったりもしますけれども、基本的にここはまだ一定の責任、あるいは一部の負担というところで全体をまだ議論がそこまでというような整理をしてございますので、その負担の程度がどの程度かというのは、また次の段階の議論ではないかと考えております。
 それから、高濱委員の質問にちょっとお答えしてないところがございまして、イの2つ目の○の「分別収集・リサイクルしやすい設計・素材選択等が進展する」というところのロジックという意味だったと思いますけれども、ここは負担を求めることで、例えば分別収集・リサイクルしやすい設計ということで、分別収集についてご負担をいただきますそこの費用もいろいろ考えることになりますから、何かペットボトルですとクラッシャーポットとか、ラベルがはがしやすいとか、そんなふうなことで分別収集しやすいようなものがそういう設計とか、そういう選択が進展するというのは、そういう流れで書いておるつもりでございます。

○田中部会長 関連して高濱委員。

○高濱委員 そういう論理もあろうかと思うんですけれども、だからといって、それによって容器包装廃棄物の総量が減るかどうかというのは、疑問じゃないかと思うんです。ここの論理というのは、容器包装廃棄物の総量を減らすためには、分別収集・選別保管に対しても事業者に負担させなくてはいけないという、そういう流れになっていますね。事業者が負担するとリサイクルしやすい設計変更をしたり、分別収集しやすいようなものができるということですか。結局はそれは何のためかというと、容器包装廃棄物の総量を減らすためだというふうに全体としては述べられていると受け止めるのですが、分別収集しやすい設計が進展しても、必ずしも容器包装廃棄物の総量の減にはつながらないんではないかなという感じがするんですけれども。

○田中部会長 リデュース、リユースの方向にも行くと思うんですよね、幾らかは。やってみないといけないところがあって、石川委員もおっしゃったわずかな額では影響がない、効果がないかもしれないけれども、あるかもしれないし、その辺ちょっとやってみないと。多分、こういう傾向にあるのではないかなということは推しはかられるんじゃないかと思うんですけれども。
 自治体の意見を石井和夫委員、お願いします。

○石井(和)委員 きょうは中間のとりまとめの最後の審議会ということですので、この会議でもいろいろな形で自治体のコストの透明化ですとか、非効率性だとか、いろいろご指摘がありましたので、全都清としての考え方を述べさせていただきたいと思っております。
 全都清といたしまして、再三申し上げておりますけれども、容器包装一般廃棄物のリサイクルに係る事業者、行政、国民の役割分担の見直し、とりわけ市区町村と特定事業者の役割分担の見直しにつきましては、拡大生産者責任の趣旨を徹底する観点から、容器包装一般廃棄物の分別収集、選別から再商品化に係る全工程について、回収部分の物理的負担を含めて特定事業者の責任とすべきとする提案をしてきたところでございます。しかしながら、拡大生産者責任のもとにおける廃棄物処理のあり方まで掘り下げた議論については、審議の中で十分かみ合わなかったために、全都清が意図した方向でのまとめとしては非常に不十分だというふうに認識をしてございますが、ただ特定事業者、あるいは消費者それぞれの主張がある中で、容器包装一般廃棄物の回収部分について、特定事業者にも責任があることとされ、その費用について一定の負担をすべきとされたことにつきましては、これまでの審議の経過を踏まえ、率直に申し上げまして、市区町村の考え方が入れられたものと評価をしているところでございます。この一定の負担が具体的にどのような程度のものとすべきかにつきましては、今後の議論にゆだねることとなりますが、今後の審議の際には改めて市区町村の立場から、全都清の意図するところを主張してまいりたいと考えております。
 なお、特定事業者に係る市区町村回収費用に対する一定の負担が市区町村のいわゆる処理コストの低減化を阻害するのではないか、先ほども出ておりましたが、意見がございますが、市区町村におけるごみ処理、とりわけその減量化に向けての仕事の中で、容リ法に基づく取り組みはその一部であっても、有効なごみ処理減量化の施策でございますので、その費用負担が一部であれ軽減されることとなれば、容リ法への取り組みにプラスこそなれ、マイナスに作用することはないと私どもとしては考えております。
 また、分別収集・選別に係る市区町村コストについては、審議の過程で不透明な部分があるとの指摘も再三いただきました。当然のことでありますが、再三申し上げてまいりましたが、公会計の一部であることから、これまで企業会計的な整理を行ってこなかったものでございまして、必ずしも市区町村が情報公開に消極的だったということではないと考えております。ただ、一方で市区町村も地方自治体として可能な限りその会計の透明化に努力していかなければならないことは当然でございまして、再三出ておりますように、中環審の本年の2月の意見具申を踏まえて、引き続き取り組みをしてまいりたいと考えております。
 さらに、審議の経過で各市区町村ごとのコストのばらつきのご指摘がありまして、特に非効率な市町村もあるとの指摘が再三ございました。環境省の調査によりますと、市区町村の分別収集が選別保管の単位当たりのコストが大きくばらついているということは事実ございますが、その要因は単に作業形態に非効率な部分があるということだけではないと理解をしております。環境省の分析によれば、地理的要因も含め考え得るさまざまな要因の中で、最も寄与度が高いと見られる「積算効率」について、特に中小規模の市区町村について、一回の収集で集めることができる量が限られてしまうことから、これを効率化しようとすれば収集回数を思い切って減らすということになり、行政サービスの水準が下げられるということになるわけでございまして、これが自治体にとりまして市民サービスの観点から、なかなか容易なことではないと思っておりますので、そういったことを十分に審議会の皆様方についてはご想像いただけるものと考えております。
 それから、政策的な要因のご指摘もございましたが、これは市区町村によって廃棄物行政に対する取り組みがさまざまでございます。例えば、最近の例で申しますと、せんだっての審議会でも申しましたけれども、高齢者でございますとか、あるいは障害者世帯に対する福祉的なサービスの観点から、ステーション収集に対して、こういう人たちに対して特別に個別収集の実施をしている自治体もございます。それから最近では各世帯ごとのごみの排出を抑制するということを求めるために、分別収集費用をかけてでもステーション収集から各個別収集へと切りかえる自治体もございまして、そういった意味で政策的な要因が非常にそれぞれの自治体でさまざまだということもございます。そういった意味で、事業者の方々にいわれるまでもなく、今後市区町村の効率化は私どもとしても図ってまいりたいと考えているところでございます。
 全国の市区町村では今回の容リ法の見直しがあろうとなかろうと、いわゆる市区町村のコストの透明化、効率化につきましては、既に先ほど来から申しておりますように、2月の中環審の意見具申でもその推進について求められておりますので、こういった観点を踏まえて、市区町村につきましては、今後も全力を挙げて取り組んでまいりたいということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。多くの自治体の声をまとめていただきました。
 とりまとめは十分ではないけれども、一定の評価をいただいたと思います。
 それでは、コストの試算などはその都度またその検討会でご意見いただければと思います。
 それでは、木野委員、まだでしたよね。お願いします。

○木野委員 14ページ、15ページのまず14ページの方で、いわゆる事業者が一部持つことによって、容器包装廃棄物の総量が減っていくと。先ほど高濱委員からあったところですけれども、これは必ずしも十分な減量効果があらわれていないという一つの総括、これのいわゆるなぜだという分析の幾つか恐らく要素はあるんだろうと思うんですね。その一つがいわゆる容器の包装、設計、ここら辺のことであり、あとさらに消費者の購買行動とか、そういうようなこともあるでしょうし、あるいは排出時の減容化、こういったこともあるでしょうし、幾つかの要素が絡み合ってそういうことにつながっているのかなと。ですから、いわゆる負担させることによって、容器包装云々だけでは結果的には必ずしも減らないということにつながってしまうんじゃないか、これは一つの指摘です。
 もう一つ15ページの方で、事業者が一部負担することによって、容器包装廃棄物の処理コスト、社会全体のコストが減るということで仮説がオの3つ目の○ですかね、るる書かれておりますけれども、これは一つの仮説なわけですが、結局先ほど石井委員の方からお話もありましたけれども、こういうことをやることで、期待効果の実現性が本当に検証できているんだろうかと。
 いわゆる自治体の今現在の構造、どういうコスト構造なのかとか、あるいは効率化が図れるところ、地域事情とか政策的事情があって、我々が持つことが本当に効率化につながる領域というのは一体どこなんだとか、その効率化の程度はいかほどなのかとか、そういうことが何ら効果検証されない中で、一足飛びにEPRという手法を今回導入する手順であるかどうか、そういった意味では、冒頭庄子委員の方からもありましたけれども、もう一方の意見として、再三この審議会の中でも時期尚早とか、そういった表現もありましたけれども、まずそれぞれの役割でまだできていないところ、先ほど言ったようなことを我々事業者にしてみれば(7)のところ、自主的にどういうことを取り組んでいくとか、まだ不十分なところをいかにこれから3年ぐらいかけてしっかりやって、その次の段階でそれぞれの役割が一つの仕組みとしてうまく回った段階で、そういうことについて議論をすべきという審議会の中でかなり意見も出ていたと思うんですね。
 そういうことが「意見もあった」でもいいんですけれども、そういうことでも書かれてないというのはちょっと。かなりそういう意見が事業者の中からも出ておりましたので、ぜひ記入をお願いしたいなと思っています。

○リサイクル推進室長 そこは事務局としまして、何回かお答えしたとおりだと思うんですけれども、今回のこの見直しの基本的なスタンスとしまして、いろいろな要因があるんだとは思いますが、そういったいろいろな要因も踏まえて、それぞれの主体ができるだけのことをやっていかなければいけないんではないか、そのできるだけのことをやっていくために、具体的にどういう施策が必要なのかという観点からまとめをいただきたいと思っております。ですから、もちろん現在の役割を徹底して果たしていただくことはもちろん重要だと思いますけれども、少なくともそれにとどまらず、全体の役割分担も含めて、どうすればそれぞれの主体ができる限りのご努力をさらにいただくことができるのかというような、そういう趣旨でまとめていきたいというふうに考えております。

○田中部会長 長谷川委員、お願いします。

○長谷川委員 細かいことになるとまた後戻りしてしまうので、このペーパーでいろいろ書き込んでくださって、不十分と私も思うんですけれども、かなりいろいろなものが併記されたことについては前進だと思っていますし、歩み寄れる部分がかなりあるなと思うんですが、一転して聞きたいのは、16ページの終わりから17ページの頭に書いてあるんですが、ここで対応の方向ということで、アからクまでの各視点、いろいろな視点を分析しましたよね。
 細かい是非ちょっといろいろあるんですが、ここで列記していますよね。拡大生産者責任から始まって、リサイクルの質的方向、それから17ページの上でコストの低減等の視点を踏まえれば、つまりクまでの視点を踏まえて判断したわけですね、この文章は。引き続き一つのこの考え方ですから、市町村が分別保管の責任を持って行いつつ、事業者が何で拡大生産者責任の考え方に基づきとまた戻っちゃうのかなと、これは文章的にちょっと矛盾だと思いますね。これは要らないと思います。事業者が分別収集・選別保管に対しても一定の責任を果たす、こういうのが当然今の以上の視点を踏まえれば、総合的に勘案しつつということになりますよね。これはテクニックの間違えか消し忘れだと思いたいんですけれども、ですから当初から言っていますように、拡大生産者責任ありき、だから問答無用、全部やれというような、そんな乱暴なものには絶対反対ですよというところが原点ですね。そこは歩み寄ったところが消えてしまうので、これは修正をお願いしたい。

○リサイクル推進室長 少し表現を工夫したいと思います。
 それと、この記入した趣旨としては、16ページの下から一つ一つ並べてあるところは、まさにこういう要素を勘案したということでございまして、まさに勘案すべき要素として並べたわけでございます。そういった要素も全体を勘案して、17ページの2行目の「拡大生産者責任の考え方に基づき」ともう一回出しましたのは、まさに一定の責任を果たす一つの根拠として改めて書いたというところです。

○長谷川委員 るる視点のすべてを勘案するのが根拠でありますよね。そうですよね。

○リサイクル推進室長 そうなんですが。

○長谷川委員 一定の責任をと、そうでないと文章的にはおかしいし、論理的にもおかしいと思うので。

○リサイクル推進室長 少し表現を工夫させていただきます。

○長谷川委員 ぜひお願いします。

○リサイクル推進室長 了解しました。

○田中部会長 それでは、服部委員、手短にお願いします。会場の制限がございまして、本当に1分以内でお願いします。

○服部委員 わかりました。
 きょうは要望書を配布いただきましてありがとうございます。
 先ほど来議論されておりますけれども、私もこの審議会の中で環境負荷と循環型社会的コストを低減させるため拡大生産者責任を徹底することを、しつこいくらい繰り返し主張してまいりました。この審議会が事業者の皆さんが多数を占めておりますので、なかなか歯がゆい思いをしていますけれども、全国ネットワークでは、これまでもこの要望書の1から3の内容に関しましては、約100万人の署名を集めておりますし、またそういった方たちが地方議会に働きかけまして、意見書が350以上の自治体から出ております。350といいますと約5,000万人以上になります。こういった多くの市民の声がこの要望書に反映されているということで、ぜひ受けとめていただきたいと思います。
 また、環境負荷を低減して循環コストを下げるということに関しましては、今回対応の方向にあります、一定の責任を果たす、あるいは一部を事業者が負担するということでは、不十分だと思います。
 循環コストを減らすためには、これまでも再三申し上げてきましたけれども、自治体が収集することよりも、事業者がイニシアティブをとって、広域的な収集、あるいは先ほど申し上げました多様な回収をすることによって、循環コストが下がることということを提案してまいりました。先ほど来意見が出ておりますけれども、「考えられる」と「意見もあった」ということで加えてありますが、要望書に書いてありますように、拡大生産者責任を徹底し、分別収集・選別保管を事業者の役割とするということへの変更を求めますということを意見として加えることをぜひお願いしたいと思いますし、またその下に書いてあります、これからもしこの一部の負担ということにとどまる場合におきましても、数年後の見直しにおいては事業者の役割とするということを明記する、ことを意見としてぜひ追加をしていただきたいと思います。

○田中部会長 要望ということでちょっと承って、次に大塚委員、お願いします。

○大塚委員 簡単に2点申し上げますけれども、今回のこのとりまとめ、この部分については一歩前進ということで結構だったと思っています。
 先ほど14ページの下のあたりのことで、分別収集費用に関して事業者に負担していただいても、それらの減少になるか等々の、廃棄物の総量の減少になるか等々のご議論がございましたが、それだけ費用負担がふえれば、費用支払いがふえるわけですので、総量の減少にもちろんある程度なると思いますし、さらにEPRの基本的な考え方というのは、効率的に廃棄物を減少することで、まさにここで分別収集とかリサイクルしやすい設計をしていただくことによって、効率的な削減が図られるという、そこにつながっていくということになります。基本的には、純粋系としては、処理費用はまとめて内部化をしていくというのが純粋系ですので、ただ今回は一部ということですけれども、一応前進ということで評価をしておきたいと思います。
 それから、16ページの2行目にありますように、事業者が一部でも支払われる前提としては、自治体は先ほどお話があって、前向きのお話がありましたけれども、大変結構だと思いますけれども、自治体さんのコスト情報の透明化というのが大前提になるという、まさにこのとおりですので、ぜひ自治体の方も努力をしていただきたいというふうに思っております。
 以上です。

○田中部会長 まだ、たくさんの意見がございますが、最後まで含めてお願いしたいと思います。
 最後のページ、29ページまで、最後まで含めて。
 それで、5時に閉鎖されますので、それでデッドエンドですので、ちょっとその前に10分ぐらい前には終わりたいと思います。
 それでは、石井節委員、お願いします。

○石井(節)委員 ありがとうございます。
 時間の関係で1点だけ要望ということで言わせていただきます。
 最後の28ページに今後の検討についてというところで、ここにこういう文章がありますが、「前述のとおり取りまとめたものの」というところですが、ぜひここに今回のこのとりまとめについては、すべての委員が合意した内容にはなっていないと。特に市町村及び事業者の責任範囲の見直しについては、事業者は反対の意思を明確にしているということをはっきり事実として書いていただきたい。それを要望いたします。

○田中部会長 要望として受けとめたいと思います。
 それでは、酒井委員、お願いします。

○酒井委員 まず、今のご意見でございますが、個々にそれぞれ考え方の違う意見は個々の内容に関して反映されるべきであって、それはこのペーパーの中では極めて配慮された文章になってきているのではないかということでありますので、結論的にそういうところで特出し的に書くということに関しては、そういう方向は求めない方がいいんではないかと思います。
 特に事業者の方々が負担が重いというご発言を多く聞かせていただいておりますけれども、その結果として今回例えば17ページあたりでは、上から2つ目の○の部分では、拠出金の配分の中で傾斜配分を考慮せよと、こういうようなところまでの書きぶりになっておりますし、また下から2つ目の○のところでは消費者の努力ということで、チェックすることの要請をこれは消費者に求めているという、納税しながらさらにチェックせよと、そういうようなことまで求めているわけでして、ある意味ではかなりこれは痛み分けの全体の行動にこれはなっておりますので、そういった意味ではこれは全体としてのトーンというのは、ここに参画した人間は大事にしていくべきではないかというのが私どもの考え方でございます。
 それで、1点だけちょっと事実関係ですみませんが、14ページのEPRの定義、考え方の責任分担、これの○の3つ目でございますが、日本の容器包装廃棄物の回収率がドイツに勝るとも劣らずという、こういう書きぶりになっておるんですけれども、この点は回収率の定義にもよると思いますけれども、簡単にちょっと国同士の比較はここは多分しない方がいいと思います。これは解析の仕方によって、少し劣っているというような、そういう数字も計算上私自身見たこともございますので、そういった意味でここの文章、実際から勝るとも劣らずというところは、ある意味では文脈上不要な文章かと思いますので、一応ちょっとご検討ください。
 ここは市町村回収があっていいということを国際的に見ても十分機能しているということを主張をされている部分ではございますから、現実にフランスはそういう制度をとっているとかということ、あるいは市町村基盤の活用が既存インフラということであっていいという、こういう物の考え方で十分なところだと思いますので、あえて回収率がドイツに比べてどうだこうだということは、これは書く必要はないというようにここは思います。

○田中部会長 ご指摘ありがとうございました。
 そして、前半部分ですけれども、ご指摘のように私もそれぞれここまで1年間議論してきましたので、一定の方向を出したものでパブリックコメントをとりたいと思います。最後になってまとまってないよというのを書くのは、ちょっと問題だと思いますので。
 それでは、山本和夫委員、お願いします。

○山本(和)委員 私も酒井委員のご意見に全面的に賛同いたします。
 「分別収集・選別保管の在り方」の部分は非常に苦労されてまとめられたと思いまして、ぜひこの方向で検討を進めていっていただきたいと思っております。
 それから、その中で17ページの最初の○のところが重要な視点だと思いますが、単に費用負担のつけかえという問題ではなくて、ここに書いてありますように、容器包装廃棄物の排出抑制・再使用の推進や再商品化手法の見直しなどに総合的に勘案して、事業者の負担が過重なものにならないようにというよう一定の配慮をここで示しているわけでありますので、これから具体的な制度の設計によって、十分歩み寄れるのではないかなと思って評価しております。
 それから、すべての範囲でコメントということでありますが、24ページの紙製容器包装につきましては、全体的にはコストパフォーマンスが悪いものは考慮するというトーンの中ですので、この紙製容器包装廃棄物に関しましても両論併記のような、ご要望が幾つか出ていると思いますけれども、対象から外すべきだという意見もあったというぐらいの両論併記があってもいいかなと、そういうふうに思います。
 

○田中部会長 ありがとうございました。
 それでは、崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。
 17ページに関してなんですけれども、今回のこの費用負担に関して、ここまでお話し合いをしてきて、いろいろな意見がきちんと出ているわけですので、このまままとめていただきたいというふうに思っています。
 それで、特に私は消費者として考えていると、事業者、産業界の皆さんにとって、本当に私たち消費者というのは信用がないんだというのがとてもよくわかって、例えば環境に熱心な消費者団体、いわゆる環境団体みんなでもう一回心を引き締めて、多くの市民向けの普及啓発であるとか環境活動を一生懸命やってきているつもりですけれども、もっともっと本当にやっていくということが大事だと思っております。
 今回、この全体の中にも家庭ごみ有料化とか、あとレジ袋の有料化とか、その後いろいろ目に見えるいろいろな提案がリデュース、リユースのところにもあります。こういうことがきちんと徹底されていけば、市民も変化の時代を一緒につくっているんだということが本当によくわかってきて、必ずやきちんと期待に添えるような、市民もきちんと役割を果たす、分別排出をきちんとやるという、そして消費行動のところでもきちんと考えながら、物を大切にするというような社会に私は本当になっていくと思っております。ですから、これでと思います。
 それと、あと18ページなんですけれども、一番下のところの店頭回収のところなんですけれども、ここでは私は今事業者の方、例えばお店の方やいろいろな方たちが店頭回収にももっと熱心に取り組んでいらっしゃるように思います。何となくここの書きぶりというのは、例えば白色トレイと牛乳パックの自主的な回収だけは進んでいるけれども、ほかは何か余り進んでないような雰囲気にも読み取れるんですね。今、いわゆる瓶、缶、ペットボトル、いろいろなものを自主的にやっているようなお店も多いですので、そういうお店の状況も少し入れておいたらいかがかというふうに思います。そういうふうに思っております。
 あと、先ほど来レジ袋の有料化の話とか、いろいろ出てくるんですけれども、実はこういうふうな経済的手法をきちんと使って、消費者がレジ袋のところから行動を変えていくというのは、一番取っかかりとして大変重要なことだというふうに常に感じています。ですから、こういうふうに事業者の方が有料化していいと言ってくださっているときに、こういう流れをしっかり進めていくということも大事だと思っております。
 よろしくお願いいたします。

○田中部会長 ありがとうございました。
 新宮委員、お願いします。

○新宮委員 容リ協会の新宮です。事実関係について2点ほどお願いしたいと思います。
 まず、18ページの分別基準適合物の品質向上の中の1番、分別基準適合物の品質向上についてでございますけれども、容リ協会としては分別基準適合物の品質向上がすなわち再商品化商品の品質向上にとって非常にリンクしているということで、もっとしっかり厳しくやりなさいよという対応の方向が出されています。
 こうした中で、異物の混入という点についてお知らせしておきますと、私どもが今一番困っております異物はいわゆる医療廃棄物なんですね。その他プラスチックとせんだってはペットボトルでも発見されましたけれども、注射針、血清輸血の袋とか感染系の医療廃棄物が散見されるということです。これにつきまして、今後特に福祉関係で在宅医療というんですかね、こういったものが進展すると思いますから、いよいよもって将来的にはそういった医療廃棄物がふえるんじゃないかという非常な危惧を抱いております。これが1点。
 それから、次に再商品化手法の21ページの上から○の3つ目です。近い将来、分別収集量が再商品化能力を上回る可能性云々になっておりますけれども、実は近い将来じゃなくて緊急の課題なんです。ことしはご存じのように分別収集量は57万トン強に対しまして、私どもが査定した再商品化能力は59万トン強です。2万トンしか差がない。そうしたところで、一つの大きな事故がたちまちのうちに再商品化に大きな穴をあけるというような緊急性を持ってきております。したがいまして、近い将来という表現を変えていただきたいなということと、非常時対応、その際の対応については、これはRPFを含め既存及び新たな再商品化手法として云々というような表現に変えていただきたいなというお願いでございます。

○田中部会長 ありがとうございました。
 ちょっと一つ一つ答える時間はございませんので、さっと皆さんの意見を聞かせていただきたいと思います。
 園田委員、お待たせしました。

○園田委員 26ページのところについて2点あるんですけれども、1つはめんつゆの識別表示のところですけれども、一つの商品がAに分類するのか、Bに分類するのかという、そこを決めているのはここしかないということなんだろうと思うんですけれども、ペットボトルとその他プラスチックというのは、移動というか、一つの条件を満たせばその他プラよりもペットボトルの方がふさわしいという状況になる可能性は常にあると思うので、従来型の見直しでなくてはこれが変えられないというのでは余りにも弾力的じゃないので、そこのところはもうちょっと一つの条件を満たしたら別の分類ができるように変えていただきたいと思います。
 それから、普及啓発・環境教育のところで、1つ目の○のところで「単なる意見交換」と書いてあるんですけれども、意見交換ってすごく大事なところなんですね。今まで従来は割合行政の方が一方的にこうしてくださいというものであったり、それから講師の先生が一方的に話をするのを聞くみたいなことが多かったと思うので、そういう一方的ではなくて、むしろ意見交換をふやしていく、生の説明会で住民に説明して意見も聞くという、そういう方向に行ってほしいという文章に変えていただきたいと思います。

○田中部会長 わかりました。
 青木説明員にお願いします。

○青木説明員 再商品化手法について、ちょっと総論的な話をさせていただきます、ほかに話す人はだれもいそうもないので。
 指定法人でも残渣の単純埋め立て、これを禁止をするという措置をとるということで動き始めておりまして、残渣を減量させるということでは評価できるものというふうに考えています。ただ、10年たって、あるいはプラは5年かもしれませんけれども、いまだに残渣を多量に発生させるリサイクルといったものについて納得性が得られるのかどうか、ちょっと気になります。
 それから、さらにここに記載されておりますジョイント利用ということについては、どう計算しても費用が下がるはずはございません。確実に上昇いたします。
 それから、4番目というか、環境負荷だとか社会的なコストを低減を図っていくという上で、その他プラスチックというのは分別収集ということと再商品化手法ということが極めて密接に絡み合っているというふうにも考えております。本来であれば、もっと早目に提案をしていかなきゃいけなかったのかもしれませんけれども、今回のこの文章の中でもサーマルリカバリーも含めて今後の検討事項として残していただいているというふうにも認識をしております。聞くところによりますと、エコ効率からは廃プラ発電等のサーマルリカバリーが一番望ましいというふうな分析結果もあるというふうにも聞いております。ただいまの新宮委員の話にもありますように、その他プラスチックは再商品化能力の不足も含めて数々の課題を抱えておりまして、RPFの例えば直接導入も含めた手法等について、今後関連業界、団体等も含めて検討させていただいて、提案をさせていただくというふうな形で手続を進めさせていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。

○田中部会長 ありがとうございました。
 古市委員、お願いいたします。

○古市委員 手短に申し上げます。コメントです。
 17ページなんですけれども、最後の2つの○の項目、これはちょっとここの節の主題が分別収集・選別保管の在り方の(1)の市町村及び事業者の責任分担、費用分担ですね。確かに、ここの2つの項目の内容を見ますと消費者の役割について述べており、要するに事業者と自治体のそういう役割分担を決める以前の前提として、より精度の高い分別収集を行う、そのためには納税者としての消費者の教育が大事だとというような視点ですよね。ここが何か2つだけがちょっと異質なんですよ。だから、これがあるがために、市町村と事業者のせっかく役割分担を明確に論点としてやっているのにここで消費者の役割に飛んじゃうんですね。ですから、ここの部分というのは26ページの普及啓発と環境教育の方に持ってこられた方がよろしいんじゃないかなというふうな気がします。これが1点目。
 大分発言を待たされているから、言いたいことがいっぱいあるのですが、あと1点だけにしますけれども、その他のところなんですけれども、23ページと25ページなんですけれども、事業系の容器包装廃棄物、これを産廃だから除きますという議論はちょっと乱暴じゃないかなと。事業系につきまして、何らかの指定法人的なものをつくって、そこで処理するとかという形、これは一廃と産廃の再商品化の業者のすみ分けみたいなことが難しいかもわかりませんけれども、指定法人というものが複数あっていいという論点であれば、そういうことに対しても考慮していただくといいんじゃないかというふうに思います。これもコメントです。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 松田委員。

○松田委員 今回のこの見直しは消費者に対して生活者レベルに対してかなり厳しい条件を与えられておりまして、そういう意味では社会実験だと思います。私は産業界の方たちに実を言うと感謝をしておりまして、よくこのような提案をご協力いただくことになってありがとうという気持ちでいっぱいでございます。基本的には、消費者が有料化を受けて生活スタイルを変えるというところからスタートしていくわけですから、この答申をまずは飲み込んで、次のステージへ行きたいというふうに思います。
 最後に私が危惧をしておりますのは、再商品化をなさっている事業者の方たちの意見というのが余り今回の答申には反映されてなかったなという思いでございます。リサイクルができると思って投資してきたエコタウン関連の方たちが事業者という中には製造者、メーカーさんは入っているんだけれども、再商品化事業者は入っているのかなという気持ちもございまして、もし可能であれば28ページのところの事業者というところの下から3行目にございますが、そこに再商品化事業者含むみたいな形で書けるのかなとか思いながら、事務局にお任せしますけれども、日本で集めた資源が海外に出ていく、つまり宝物が外国に行くということがない社会をつくっていくためには、まだ全体として書きぶりは弱いけれども、検討課題だからまあいいかということでございます。
 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。
 森委員、お願いします。

○森委員 25ページから26ページにかけて、容器包装廃棄物の輸出の位置づけ、今、松田委員の方からも少しお話が出ましたが、ここには例といたしましてペットボトルのことだけが取り上げてあります。ペットボトルにつきましては、本年のこの入札以降、能力と収集物のギャップというかアンバランスということもあります。そして、一方では自治体の方で容リ協と契約をしておきながら、海外へ売っても何のおとがめというかペナルティーもないと、責任がないということで、非常に契約のバランスもおかしいというように思います。
 ここに対応ということで、いろいろな文書の発出とともに税関での云々と書いてありますが、もう少し自治体に対して何らかの量的な数量把握と適切な指導といいますか、対応をぜひともお願いいたします。

○田中部会長 宮田説明員、お願いします。

○宮田説明員 23ページの最初の項目で容器包装の定義が書かれております。先ほどちょっとありましたけれども、この定義に該当するもので容リ法の適用外と今回もなりましたけれども、事業系廃棄物をメーカーが自主回収する場合に、当然産業廃棄物としての管理が適用されるわけですが、この運用を緩和するということをぜひ考えていただきたい。自主的なリサイクルが進行すると思います。
 それで、最近は広域認定を受けるときに、製品だけでなく包装材も取り込んで、そういった取り組みもなされていますけれども、全体的な運用について、ぜひご検討いただきたいと思います。

○田中部会長 上山説明員、お願いします。

○上山説明員 先ほどの松田委員の御意見との関連なんですけれども、プラスチックの再商品化の実質処理単価を低減するという観点の記述をもう少し明確にしてほしいと思っております。私のミスかもしませんが、ちょっとその辺が見あたらなかったわけで、ご案内のとおり材料リサイクル自体が一方で6万円台であったり、落札が15万円以上であるという大変なばらつきがあるということについて、適正な再商品化コストが一体どのぐらいなのかという把握、そして情報公開、これは必要だと。
 それから、ケミカルリサイクルにおいても、前回も申し上げましたけれども、高炉還元剤のコークス炉の化学原料化手法等についての実際のコストというのは一体どれぐらいが妥当なのかということについての情報公開をぜひお願いをしたいと、そういう観点での再商品化事業者の記述というのをもう少し入れていただく必要があるのではないかというふうに思います。
 以上です。

○田中部会長 最後に服部委員。

○服部委員 2点申し上げたいと思います。
 サーマルリカバリーについてですけれども、これまでも熱回収につきましては、再商品化手法に認めるべきではないという発言を繰り返してまいりましたので、ぜひそのことを入れていただきたいと思います。全量プラスチックを焼却していた横浜市、あるいは大阪市などが今年度容器包装プラスチックを含めましてリサイクルに切り換えております。今後もごみ処理ではなくて、リサイクルに転換していこうという、こういった状況にありまして、安易に一般焼却炉を含む焼却施設などでサーマルリカバリーをするというのは、環境省がどちらの方に向いているかということが問われると思います。サーマルリカバリーは再商品化費用に含めないということを両論併記をしていただきたいと思います。
 また、マテリアルリサイクルの分別を、さらに工夫していくということは大賛成でありまして、また再商品化能力を上回るものに関しましては、いろいろな手段を講じなければいけないと思いますけれども、ケミカルリサイクルに関しましては非常に高どまりをしております。ですから、いろいろな手法、ガス化、燃料化なども産業技術研究所の方で実用化に向けて研究が進んでいるということもこの前資料をいただきましたので、ぜひケミカルリサイクルの手方の多様化を推進するようにしていただきたいと思います。
 それから、国外リサイクルに関しまして、この背景には自治体での負担が大きいということが売らざるを得ないという状況になっていると思います。ですから、こういった問題を解消するためにも、税金での回収ではなくて、受益者負担、きちんと容器包装に費用を内部化することによってそういった負担を軽減する、それによって国外に資源が出ていくことが防げると思いますので、その辺も加えていただければと思います。

○田中部会長 ちょっと部長からお願いします。

○廃棄物・リサイクル対策部長 どうもありがとうございます。最後に一言だけ述べさせていただきます。
 これまでずっとご議論いただきまして、ありがとうございます。
 きょういろいろ意見をいただきましたが、これまでも議論でいろいろな立場の方からのご意見がございまして、そういった意味では徐々に集約はされてきていると思います。したがって、その意見の歩み寄りということを大事にした上で、きょう出されたさまざまな意見について、部会長と相談の上でまとめさせて、案をつくらせていただきたいというふうに考えております。
 若干でございますがコメントをしますと、在宅医療についてはぜひ新しい指針をつくりたいと思っておりまして、対策を急ぎたいと思っています。
 それから、あとペットボトルの海外輸出については非常に我々も大きな問題だというふうに思っております。
 あとは広域認定とか再生利用認定とか、今どんどんやっておりますので、それについてはぜひまたおっしゃっていただきたいと思います。
 それから、全体としてリサイクルに伴う社会全体のコストをぜひ低減したいということで我々は考えていますので、リサイクル関係について極力要するに全体費用を減らさないでどうするかということは、常に念頭に置いていることだけはぜひご理解いただきたいと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。
 5時が部屋を借りている制限でございます。前回と同様にさまざまなご意見をいただきました。昨年の7月以来、1年にかけて議論したわけですけれども、ほぼ意見は出尽くしたという感じがします。ことしの秋の最終とりまとめという最終目標を見据えて、今後も建設的な議論を行う必要があると、このように考えておりますが、中間とりまとめ案は今後の議論の土台として形をなす必要があると思います。
 それで、きょうもいろいろご指摘ございまして、100%満足だという方はだれもいないというような印象を受けました。だけれども、一定の評価は得ているのではないかと、このように思います。
 そこで、これ以上やっても平行線の部分もありますし、それから一方の意見を言うともっと不満が起こってくると、こういうような感じもしますので、中間とりまとめとしては一定の方向を示すということが目的で、広く国民の意見を聞くというパブリックコメント、これに付したいと思います。さらなる検討作業を行いたいと思いますが、パブリックコメントに付す前に、きょうの意見をもとに事務局と相談させていただいて、字句の修正、編集はもちろん、取り入れられるべきものがあって、大きな変更がないものについては、積極的に取り入れて修文をしたいと、このように思います。そういう方向できょうをパブリックコメントの前の最後の会合にさせていただきたいと思いますが、あとは部会長と事務局に一任いただきたいと思いますが、お願いできるでしょうか。(拍手)
 ありがとうございました。
 以上で本日の審議を終わりにいたしたいと思います。本日は活発なご議論をいただき、ありがとうございました。
 それでは、本日のご議論をいただきました中間とりまとめ案の取り扱い、当部会の議論の進め方について事務局より説明いただきたいと思います。

○リサイクル推進室長 ありがとうございました。
 本日はご議論いただきました中間とりまとめ案の今後の取り扱い、あるいは当部会の今後の議論の進め方についてご説明させていただきます。
 事務局といたしましては、本日委員の皆様からちょうだいいたしましたご意見を踏まえまして、部会長とご相談をさせていただきまして、この中間とりまとめ案を修正をさせていただきまして、これを中間とりまとめとして7月初めにパブリックコメント手続を開始をして、1カ月程度を目途に広く意見を募集したいというふうに考えております。
 なお、パブリックコメントにより提出されました意見等の反映方法につきましては、事案の内容等を踏まえまして、また部会長と相談しつつ決めることといたしますけれども、いただいたご意見につきましては、整理をさせていただいた上で、検討の結果を次回の中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会のこの場でご報告申し上げたいというふうに存じます。パブリックコメントの手続の詳細につきましては、後日環境省のホームページに掲載をいたしますので、そちらをごらんいただければと存じます。
 また、今後の議論の進め方でございますけれども、パブリックコメントの結果も踏まえまして、夏の終わりごろから審議を再開させていただきたいというふうに考えております。その上で、秋ごろ最終とりまとめ案をまとめていただけれは大変ありがたいと考えておるところでございます。
 次回の審議会の日程、ご案内につきましては、また決まり次第、事務局から正式に通知を差し上げますので、よろしくお願いをいたします。

○田中部会長 本日はどうもありがとうございました。また、パブリックコメントの後にさらに議論に入りたいと思いますので、そのときにはまたよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

午後5時04分閉会