議事録
 (開会 16:00)
国立公園課長   お待たせいたしました。
  予定の時刻がまいりましたので,ただいまから自然環境保全審議会自然公園部会の開催をお願いいたします。
  本日は,所属委員21名のうち,12名の委員のご出席いただいておりますので,本部会は成立しております。
  ここで,本年1月7日付で委員に異動があり,新たに委員が就任されましたので,ご紹介します。
委員   よろしくお願いします。
国立公園課長   環境庁におきましても,前回の本審議会の総会以降異動がございましたので,新たなメンバーをここで紹介させていただきます。
  審議官でございます。
  計画課長でございます。
  施設整備課長でございます。
  そして私,国立公園課長でございます。
  それでは,部会長,よろしくお願いいたします。
部会長   これより,自然公園部会を開催いたします。
  審議に先立ち,自然保護局長からご挨拶をお願いいたします。
自然保護局長   (挨拶)
部会長   どうもありがとうございました。
  今回の部会は,公開となっております。
  また,会議録につきましては,発言者名を伏せて公開することとなりますので,ご了承願います。
  審議に入る前に,事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
国立公園課長   お手元の資料をご確認いただきたいと思います。
  (資料確認)
  もし資料に不備などございましたら,事務局までお申し出ください。
部会長   それでは,早速審議に入りたいと思います。
  本日の諮問事項は,「秩父多摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」です。
  また,諮問事項ではございませんが,「秩父多摩国立公園の名称変更について」,後ほどご議論いただきたいと思います。
  まず,諮問第3号の「秩父多摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」審議に入ります。
  諮問書の朗読は,省略させていただきます。
  では,事務局から内容を説明してください。
国立公園課
公園計画専門官
  「秩父多摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」につきまして, いただきます。
  (資料などを使用し説明)
  以上で「秩父多摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」,ご説明を終わらせていただきます。
  よろしくお願いいたします。
部会長   はい,ありがとうございました。
  それではこの案件につきまして,ご質問,ご意見などございましたら,よろしくお願いします。
委員   今回の変更で特別地域を特別保護地区,第1種特別地域,第2種特別地域,第3種特別地域と4つに区分されるとのですが,区分される際の基準はどのようになっているのでしょうか。
国立公園課
公園計画専門官
  基本的な考え方でございますが,特に貴重な自然植生など核心的な風致景観につきまして,厳しく保護規制を図る必要がある地域として,特別保護地区,あるいは,特別保護地区に準ずる第1種特別地域として指定させていただくものです。
  その中でも,現状に手を加えずに,厳正に保護すべき地区を特別保護地区としています。
  また,第2種特別地域と第3種特別地域でございますが,特に第3種特別地域ですが,こちらの公園では特に林業になりますけれども,農林業などの産業との調整を,特に図る必要のある地域については,第3種特別地域ということでして,自然環境と農林業などの産業にそれぞれ配慮した形で,地種区分を考えております。
部会長 他にございませんか。
部会長   特にご意見がないようでしたら,諮問第3号の「秩父多摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」は,適当と認めることといたします。

  (異議なし)

部会長   次に,先ほども少しふれましたが,「秩父多摩国立公園の名称変更について」,ご意見を承りたいと思います。
  本件につきましては,過去にいろいろ経緯もあるようですので,事務局の方からご説明をお願いします。
国立公園課長   ただいま「秩父多摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」,審議いただいたところでございますけれども,当公園は,長年,名称変更問題が懸案となってきております。
  公園区域及び公園計画の変更に際しまして,当公園の名称変更につきましても,結論を出し ていただきたくご審議をお願いする次第でございます。
  先ほど小委員会が開かれてましたが,その際の説明と重複いたしますけれども,よろしくお願いします。
  (資料などを使用し,名称変更について説明)
  説明は以上でございましす。
  同様の説明を小委員会でも行った上で,ご審議していただきましたものでございます。
  小委員長からのご報告も踏まえまして,よろしくご審議いただきますよう,お願いいたします。
部会長   それでは,本件につきまして,引き続いて小委員長の方から,小委員会での議論について報告をお願いします。
小委員長   秩父多摩国立公園の名称変更につきまして,先ほど小委員会で,長時間にわたり審議いたしました結果をご報告いたします。
  まず,名称変更を検討するかについて議論をいたしまして,当該地域を適切に表現する名称が好ましいが,そのような名称がないため,これまでの経緯や関係都県との調整状況などを踏まえ,提案のあった「秩父多摩甲斐国立公園」,「秩父多摩甲信国立公園」及び「秩父多摩甲斐佐久国立公園」の3案について検討することといたしました。
  提案のあった3案の内,「秩父多摩甲斐佐久国立公園」につきましては,名前が長すぎ,一般的にもなじみにくいことから,支持される方はいらっしゃいませんでした。
  次に,「秩父多摩甲斐国立公園」,「秩父多摩甲信国立公園」の2案について,比較検討いたしました。
  まず,山梨県域は,面積,利用者数が関係都県の中で最も多いということだけでなく,山岳,渓谷,温泉などの景観資源も多数分布しており,国立公園の資質を表現する上で,山梨県域に因む「甲斐」を付加することが好ましいとの意見が多くございました。
  さらに,この国立公園の名称変更は,最大面積率を有する山梨県域に因む名称が入っていないことに端を発し,名称変更の前提として,今回の公園計画変更に際して山梨県に相当の協力を要請してきた経過があります。
  これについては,山梨県分の特別地域面積率が他の都県に比較しても増大していることなどからも評価できるとともに,今後の地元の協力を得る上で効果が期待できるとの意見でございます。
  しかしながら,「甲斐」は山梨県全域を表現するもので,また,長野県域も8%程度の面積率があり,山梨県側と同様のすばらしい自然を有していることから,「甲信」を付加するのがよいとの意見も少なくありませんでした。
ただ,この意見に対しては,県域がこれ以上の面積率を有していても名称に反映されていない事例も他の国立公園にはあり,この程度の面積率を有していることを理由に当該県域を表す名称を付加することは,他の公園の名称変更にも波及するとの否定的意見もございました。
  どちらの案も支持する委員がおられ,名称の表現性や地域のイメージでは両案とも甲乙つけがたいということでしたが,特に名称変更による効果や他の公園の名称変更要望への波及,その他審議会の経緯などに鑑み,小委員長判断といたしまして,小委員会としては「秩父多摩甲斐国立公園」を推したいと思います。
  以上,小委員会での議論について報告させていただきました。
  ありがとうございました。
部会長   ありがとうございました。それでは,ただいまの案件につきまして,ご質問,ご意見などをお願いします。
委員   結論としては,小委員会の報告に全く賛成でございます。
  こういう名前は,簡単な方がよろしいかと思います。
  局長の挨拶の中で,富士箱根伊豆国立公園ですが,さっと早口で言われましたときも,結構長い名前との感じを受けました。
  この富士箱根伊豆国立公園よりも,さらに長い名前というのは不適切です。
  山梨,長野両県を平等にという観点でしたら,「秩父多摩甲信国立公園」,あるいは,「秩父多摩甲斐佐久国立公園」とすべきですが,これもいかがでしょう。
  と申しますのは,「秩父多摩」が指し示す範囲といいますのは,まるっきり小さい区域なのです。
  「秩父多摩」の後ろに「甲信」とつきますのは,まるで頭に「関東」がつくようでございまして,ふさわしくありません。
  そういたしますと,「甲斐佐久」と入れたいのですが,これでは長すぎます。
  先ほど報告にもありましたように,特別地域の増加面積ですとかこれまでの経緯ですとか,その他のことも含めまして,「甲斐」と「佐久」の重みは対等とはいえません。
  そういうことで,小委員会の報告に賛成でございます。
委員   小委員会のメンバーですから,意見は先ほどの小委員長の報告のとおりです。
  おそらくこの結果には,長野県側に不満が残ることになると思われますので,その点につきましては,環境庁の方でご配慮いただくことをよろしくお願いしたいと思います。
委員   私も小委員会の方で十分議論させていただきましたので,先ほどの報告のとおりです。
  今後とも,このような名称変更の要望が出てくるかもしれませんが,その場合,やはり今回 議論したような判断項目で,審議することとなるのでしょうか。
  今後とも,名称変更について議論する可能性の出てくることはあるのでしょうか。
国立公園課長   他の国立公園でこのような名称変更の案件が出てくる可能性があるかという点につきましては,可能性は十分にあろうかと思っております。その際どのように判断していくかにつきましては,資料としても配付させていただきましたとおり,このような判断項目から,ご議論いただくことになろうかと思います。
委員   この3案の中で,もちろん「秩父多摩甲斐佐久国立公園」を対象としてはずすことに,賛成です。
  ところで,「甲信」ですが,天気予報ですとかその他で,「甲信」という言葉はわりあいに定着しているようなことを,先ほど事務局から説明いただきました。
  ‘名は体を表す’といいますように,名称は大変大事なことです。
  天気予報で「甲信越」とよく耳にしますが,「甲信」は,一般的に定着した地域を表現するものなのでしょうか。
国立公園課長   今回3案で審議会にお諮りさせていただくことで,山梨,長野両県と調整をする際にお伺いしましたところ,長野県は,先ほどもご説明しましたとおり,天気予報などで定着しているというご意見でした。
  一方,山梨県は,あまり耳に馴染んでいないというようなお話でございます。
  天気予報で耳に馴染んでいることは事実でございますけれども,天気予報の「甲信」は,かつての「甲州」と「信州」を表した,つまり山梨県全域と長野県全域を指し示す表現ではないかと感じております。
委員   「甲信」という地域の概念は,非常に広範囲に及びます。場合によっては,「北関東」,「南関東」とに対義する位の仕訳になるのではないでしょうか。
  ところが,「秩父多摩」というのは,割と狭い地域の範囲を指し示すもので,これを国立公園の名称として,一緒に並べるというのは適切ではないのではないでしょうか。
  直感的にイメージされる範囲が,実際の公園区域と比べた場合に,あまりにも広過ぎます。
委員   特別地域を今回地種区分されたわけですが,特に厳正に景観の保護を図る必要のある特別保
  護地区の長野県の面積は,どのようになっているのでしょうか。
国立公園課長   お手元の「資料1−2」の「秩父多摩国立公園指定書及び公園計画書」の116頁をご覧ください。
  ここに,各都県別の,特別保護地区,第1種特別地域,第2種特別地域,第3種特別地域と普通地域も含めて面積を記載しております。
  ご質問の長野県の特別保護地区につきましては,下から2段目の左から2番目の欄でございます。
  特別保護地区につきましては279haございまして,長野県域の占める公園面積9,716haの3.0%でございます。
委員   私も小委員会で十分に議論をさせていただきましたので,小委員長報告のとおりでございますけれども,先ほど○○委員もおっしゃいましたように,最終的に決めるのは環境庁でございますけれども,やはり長野県側に不満が相当残ると予想されますので,ぜひ十分な理解が得られるよう,環境庁としてご努力をしていただきたいと思います。
部会長   他に特にご意見がございませんようでしたら,「秩父多摩国立公園」の名称を「秩父多摩甲斐国立公園」とすることで,これは先ほどの「秩父多摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」の答申の付帯意見としたいと思いますが,いかがでしょうか。

  (異議なし)

部会長   それでは,そのように決めさせていただきます。
部会長   以上で,本日予定の議題は終了いたしました。
  なお,本日の会議で配布されました資料の取扱についてでございますが,特に非公開とする理由もないと思いますので,求めがあれば公開しても差し支えないと思いますが,いかがでしょうか。
  (異議なし)

部会長   それでは,そのような取扱といたします。
部会長   これをもちまして,本日の自然公園部会を閉会いたします。
  ご協力ありがとうございました。
国立公園課長 どうもありがとうございました。
  本日の会議資料につきましては,後日事務局より郵送させていただきますので,お手元の用紙に資料送付の必要の有無についてご記入をお願いいたします。
(閉会 17:20)