1.開催日時 平成11年12月6日(月)14:00〜16:10
2.開催場所 環境庁第1会議室
3.議題 |
(1)陸中海岸国立公園の公園区域及び公園計画の変更について (2)伊勢志摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について (3)国立公園の事業の決定,変更及び廃止について |
4.議事経過 |
(1)陸中海岸国立公園の公園区域及び公園計画の変更について審議がなされ,適当であるとの答申がなされた。 (2)伊勢志摩国立公園の公園区域及び公園計画の変更について審議がなされ,適当であるとの答申がなされた。 (3)国立公園の事業の決定,変更及び廃止について審議がなされ,適当であるとの答申がなされた。 |
陸中海岸国立公園関係
委 員: | 公園計画では,船越大島(岩手県下閉伊郡山田町)の園地計画を削除するとのことだが,パブリックコメントで「船越大島を特別保護地区にすることを要望する」との意見が寄せられている。矛盾ではないのか。 |
事務局: | 船越大島の園地計画は利用の実態がないため,今回利用施設計画から削除するものである。パブリックコメントで寄せられた意見は,海鳥類の保護のために保護規制計画を強化して欲しいとのことであり,矛盾しない。 |
委 員: | 岩手県下閉伊郡田野畑村真木沢のアカマツ林を新たに公園区域に追加する計画だが,特にこの地域だけを追加する理由は何か。 |
事務局: | 周辺も含め付近一帯は村有地だが,追加地域は特に風致景観が優れている。なお,田野畑村からの要望を受けて公園区域に追加するものである。 |
委 員: | 田野畑村はアカマツ林を長期的に保存する方向で考えている,との理解でよいか。 |
事務局: | そのように聞いている。 |
委 員: | パブリックコメントでは,今回の変更案に直接関係しない意見が多く寄せられている。このような意見には,今後どのように対処していくのか。 |
事務局: | 今回の変更案に直接関係しない意見は,環境庁自然保護局全体の通常業務に対する叱咤激励と理解している。通常業務を通じて対応できる意見が多く含まれているので,今後関係課室を通して対応していきたい。 |
委 員: | 意見を寄せていただいた各人には,それぞれ個別に返事を出すのか。 |
事務局: | 個別に返事をするのではなく,環境庁ホームページを通じて,寄せられた意見の概要等を公表する予定。 |
伊勢志摩国立公園関係
委 員: | 伊勢志摩国立公園は,公園区域内で多くの人々が生活し,観光地としても有名な地域である。このため,環境保全と観光開発との折り合いが問題となる。また,英虞湾等では真珠養殖をしていることもあり,水質保全には万全を期すべき。本公園においては,環境保全に対してどのように取り組んでいるのか。 |
事務局: | 住民の生活空間の大半は普通地域としており,生活する上で支障のないように配慮している。水質保全については,地元自治体の特定環境保全公共下水道事業等により整備が進められている。 |
国立公園事業関係
委 員: | 「一般案件12」のロープウェイについて,登山道もあることから下山者全員が利用するとは限らないと思われるが如何。 |
事務局: | ロープウェイを利用しない人もいる。 |
委 員: | ロープウェイの再整備後も,登山道は現状のまま残るのか。 |
事務局: | 残る。なお,今回登山道沿線で防護柵等を考えているのは,ロープウェイ山上駅から山頂方面,対面山腹に向かう歩道ルートについて,登山利用者の安全確保を図るためのものである。 |
委 員: | 「安全確保」とはどういう意味か。 |
事務局: | 駅舎から山頂部へ向かうルートにおいて,天候の変化による登山者の安全を図るという意味である。また,植生保護を図る目的も含まれている。 |
委 員: | それは,ロープを使用して登山利用者を誘導し,安全を図るという意味か。 |
事務局: | そのとおり。 |
委 員: | 歩道ルート全線に,ロープを設置するのか。 |
事務局: | いまのところ、植生帯のあるところでは防護柵あるいはロープ柵を設定する予定。植生帯以外の部分についても必要があれば検討していくこととしたい。 |
委 員: | 防護柵とロープとの使い分けは,どのように考えているのか。 |
事務局: | 防護柵については,県で公共整備を予定している。設置や取り外しが必要なロープ柵については,ロープウェイ会社等の民間で整備を考えていく予定。 |
委 員: | 整備に当たっては,基本的には木材使用となるか。 |
事務局: | そのとおり。 |
委 員: | 輸送量が増えることに付随して,事業者には,しっかり屎尿処理を義務づけてほしい。基本的に,多くの人が山上に行くというのは賛成ではないが、利用上やむを得ない。 |
委 員: | 「一般案件11」の宿舎での汚水処理は,どのようになっているのか。 |
事務局: | 温泉地であるため,各宿舎に合併浄化槽を設置している。処理後は,公共水域に排水していると思われる。 |
委 員: | 国立公園内ということで,より厳しい排水基準を指導しているのか。 |
事務局: | 一般的には,していない。 |
委 員: | 「一般案件10」の道路については,歩道改良を行うこととなっているが,予定されている標識整備等とあわせて,路面の整備も行うのか。 |
事務局: | 既存歩道が存在しており,標識等を整備することとしている。 歩道区間の一部では部分的に侵食等を受けており,このような箇所では木製の階段や木材を使用した排水溝等を整備する予定。 |
委 員: | 整備の目的は,歩きやすさを優先するためか。それとも植生の乾燥を防止するため施工するものか。 |
事務局: | 歩道路面の荒廃を防止するため,木材を使用して修復するもの。 |
委 員: | 現状を大きく変えるものではないのか。 |
事務局: | 変えるものではない。 |
委 員: | 「一般案件11」の宿舎は,1日当たりの最大宿泊者数が3,000人から3,500人へ拡大となるが,建て替えによるものか。 |
事務局: | 建て替えではない。この地区については,以前に公園計画を変更した際に,あわせて公園事業決定の整理を行ったものであるが,その時に把握しきれなかった既存宿舎を,今回事業化するものである。 |
委 員: | 事実上,収容力が増えるわけではないということか。 |
事務局: | そのとおり。現状に合わせて整理するものである。 |
委 員: | 当該地区では,大多数の宿舎が公園事業として捉えられているのか。 |
事務局: | 比較的大型の宿舎については,今回の事業決定で捉えられる。 |
委 員: | 最大宿泊者数は地区の総収容力を定めているものではなく、実際には他にも宿泊施設があるにもかかわらず,計画上捉えられていないということになる。そうであれば,最大宿泊者数を決定することに何の意味があるのか。 |
事務局: | 計画そのものの考え方からいえば,宿泊者数を把握して目標数字に向けた整備をしていくことになろうかと思われるが,現実問題として公園事業として認可されうる施設と,既に行為許可によって建てられている施設とが混在する場合がある。そのままにしておけば計画的かつ全体的な管理が困難となるため,形式的な整理をして計画的に管理していこうとするものである。 |
委 員: | これらの宿舎は,建て替え等の行為があるときに事業として整理するような取り扱いがあるのか。 |
j事務局: | 建て替え等の機会をとらえて,全体を把握し,計画的に管理するように努めている。 |
委 員: | 制度的に問題があるのではないか。国立公園の中で重要な地域に合った宿泊収容力を定めて,その範囲内で宿泊施設を作らせるとか、改築させるようにしないといけないのではないか。公園計画に基づかない宿泊施設があり,地区の最大宿泊者数に関係なく訪れた人が宿泊できるのはおかしいのではないか。 |
委 員: | 国立公園に指定する以前の古い旅館や民宿等は、非常に規模が小さく、改築等を行っても宿舎事業として把握が困難等の状況があるのではないか。 |
委 員: | 「この旅館は公園計画に基づくしっかりした施設である」と,例えばラベルを貼るなどして,利用者が見分けられるようになっているのか。 |
事務局: | 利用者が見分けられるようにはなっていない。 |
委 員: | 見分けられるようにした方が,適切な利用につながるのではないか。 |
事務局: | おおむね国立公園内の有名な宿泊施設については,公園事業施設として把握していると思ってもらって間違いない。 |
5.問い合わせ先
環境庁自然保護局国立公園課