自然環境保全審議会自然公園部会小委員会議事要旨
 
 
1.開催日時    平成11年6月15日(火)14:00~16:10
 
2.開催場所    環境庁第1会議室
 
3.議題  (1)日光国立公園(那須甲子・塩原地域)の公園計画の変更について
       (2)富士箱根伊豆国立公園(箱根地域)の公園計画の変更について
       (3)国立公園の事業の決定,変更及び廃止について
 
4.議事経過
 (1)日光国立公園(那須甲子・塩原地域)の公園計画の変更について審議がなされ,適当であるとの答申がなされた。
 (2)富士箱根伊豆国立公園(箱根地域)の公園計画の変更について審議がなされ,適当であるとの答申がなされた。
 (3)国立公園の事業の決定,変更及び廃止について審議がなされ,適当であるとの答申がなされた。
 
 なお,主要な発言は以下のとおりである。

・日光国立公園関係
委 員: 茶臼岳周回線歩道は,火山ガスによる危険がないのか。
事務局: 既に利用されている歩道を計画に位置づけるものであり,これまで事故例はないが,標識の整備などにより一層の利用の安全を図るものである。
委 員: 明神ヶ岳スキー場は削除及び追加とあるが,どういうことか。
事務局: 現行計画のある塩原町に加えて,隣接する藤原町にも計画を追加するものである。
「削除及び追加」は形式上の整理に過ぎない。
委 員: 追加される横沢那須湯本線車道は,施行にあたって何らかの補助があるのか。
事務局: 環境庁の補助ではないが,県道昇格に伴う道路改良事業として建設省補助が考えられる。
委 員: 火山ガスによる事故は全国各地でおこっており,この点で十分な配慮をして欲しい。
事務局: 阿蘇地域では,火口にガス検知器を設置し,地方防災会議により管理している。
ほかの地域についても,防災対策会議の設置,立入規制等,地域の実状に応じた対策を講じている。
安全対策には,慎重に対応していきたい。
委 員: 利用者に対して,公園の入口部を表示する全国的に統一した標識が欲しい。
事務局: 数年前から国立公園境界における標識の整備を行っている。
対象地が広いため全国的な整備には時間を要するが,公共事業となったこともあり今後の整備に努めていきたい。

・富士箱根伊豆国立公園関係
委 員: 湖尻集団施設地区内での排水施設について,環境保全のためどのような配慮をしているか。
事務局: 芦ノ湖湖畔には,特定環境公共下水道が整備されている。

・国立公園事業関係
委 員: 田沢湖高原駒ヶ岳線歩道の「植生復元工」とは,どのようなものか。
事務局: 既存歩道沿線で,踏み付けなどによって裸地化した個所を植生復元するものである。
土壌の侵食防止のため木製の土留め柵を設置したうえ植生復元工を行うもので,面積約4千平方メートルと大きいため「植生復元」と表示しているが,他では歩道整備の一環として行っているものである。
委 員: 特別地域の入口部に,ごみの投げ捨てや植物の採取等が法で禁止されていると分かる標識を,整備すべきではないか。
事務局: 園地事業や歩道事業等の中で,そういう注意標識も整備しており,今後も順次進めていきたい。
委 員: 本日の案件の多くは国や公共団体によるものだが,民間による整備を計画的に誘導することはあるのか。
事務局: 公園計画に基づく施設整備は,原則として国が執行することになっているが,公共団体や民間も環境庁長官の認可等を受けて事業執行できることになっている。
集団施設地区の場合では,更地に民間の進出を誘導するというよりは,既に集落になっている所を指定したものが多い。
委 員: 白楊台園地の区域面積の広い理由は何か。
事務局: 大雪湖畔の道路沿いに広がる展望地数カ所を,一連のものとして帯状に対象範囲としたためである。
委 員: 羽黒月山線車道の拡幅,小国阿蘇線車道のバイパスに対する車道の考え方はどうか。
事務局: 羽黒月山線車道の拡幅は産業道路と共通の区間のみであり,月山に向かう区間は従来どおりである。
また,小国阿蘇線車道の改良は,集落回避区間のみである。

   
 ※当自然公園部会小委員会資料は,請求があれば公開する。
  ただし,「国立公園の事業決定,変更及び廃止について」に関する資料は,事業費に関する記載を伏して公開するものとする。
 
5.問い合わせ先
   環境庁自然保護局 国立公園課 課 長 小野寺 浩 (6440)
                  専門官 後藤 乙夫 (6444) <国立公園計画関係>
                  係 長 藤森 貞明 (6448) <国立公園事業関係>