中央環境審議会廃棄物部会
第9回最終処分基準等専門委員会議事要旨


1.日時 平成11年9月28日(火)14時~17時

2.場所 通産省別館946会議室

3.議事

(1)第8回専門委員会議事要旨(案)の確認
(2)関連団体ヒアリング
  ・全国市長会
  ・(社)全国産業廃棄物連合会
(3)他部会における審議状況
(4)維持管理基準及び埋め立て処分基準のあり方について
(5)その他

4.議事要旨

○議題1について事務局より説明、(案)のとおり承認。

○議題2

全国市長会の発言の要旨
資料2-1について説明
覆土は土砂のみが対象になるのか。古紙等代替品の扱いはどうなるのか。
シートの強度の増強及びシートの安全性の検討をお願いしたい。
ダイオキシン類に関する排水基準の確立。
閉鎖されている処分場に対する住民からの検査要求時の対応について。
住民の不安をあおるような報道のあり方について。
(社)全国産業廃棄物連合会の発言の要旨
資料2-2について説明
焼却灰を集水管の直近に埋め立てるとダイオキシン類が出やすい。維持管理基準に反映できないか。
覆土材によってもダイオキシン類の出やすさは変化する(マサ土は吸着性がよいと思われる)。
含水率等調湿の度合いの基準の検討
より安全性を考えれば、飛灰はパックに入れることも考えられるのでは。
徹底的な覆土の実行、覆土していないところは作業車は走らない、重機は直接飛灰の上にのらない等を基準に盛り込んでほしい。
年に一度原水、処理水を測定し、検出されなければ、地下水の測定はいらないのではないか。
全ての管理型廃棄物について、年に1回ダイオキシン類の濃度を測定させれば処分場への過度なリスクを防げるのではないか。

 
委員(→市長会)検査の対象となる跡地とはどういうものか。
市長会①素堀りの処分場、②すでに覆土しているが、水処理はしている所の2つのケースがある。
委員跡地の地下水に影響があるのはまれである。土壌流出による公共用水域の汚染が問題。
市長会低湿地で埋立を行っており、すぐ地下水がでる所や、山間地においても谷を埋めており、降雨により水があふれる所もある。
委員一部は今回の議題になりにくい。基準関係以外は環境庁で対応することとしてはどうか。資料2-1の1の「数量的」とは基準に係ることなのか、日々の業務に関することなのか。
市長会両方ともお願いしたい。
委員飛散防止には様々な手段があり、また埋立物や天候によっても違ってくる。これを定量的に把握評価できれば、費用対効果も上がる。検討してほしい。
市長会費用対効果については、市も財政的に厳しいが、住民を安心させるための費用が高いのはやむを得ない。
委員(→全産連)地下水モニタリングの省略については、現状ではデータがそろっていない。また、安心感を与える意味もあるので測定する事は重要である。
全産連観測井で電気伝導率等を測るのは、もれているかを把握するため。もれていなければ測定する必要はないのではないか。
委員観測井の評価する基準は難しい。ダイオキシンは水に溶けにくいので、水には出ていないから大丈夫とはならないと思う。
全産連主旨とはずれるが、実際に測定しない業者やデータを公表しない業者があるので、それを指導管理することが、緊急で重要な課題。
委員(→全産連)覆土はきちんと行われているのか。
全産連業者によってまちまちである。
委員即日覆土と考えてよいか。
全産連即日覆土と考えていただいてよい。
委員(→市長会)跡地について、すでに土地として動いているものについては、廃棄物として扱うか、土壌の汚染として扱うか分けて考えるべき。
委員(→市長会)シートの破損等に関する意見について現実にやっていることはあるのか。
市長会やっていないが、新しい処分場についてはシート破損対策を行っているケースもあると聞いている。
委員遮水工の破損時の対応等は技術資料として出しているが、維持管理基準に盛り込めということなのか。
市長会住民へのアピールという観点からの意見。
委員(→全産連)飛灰の上や仮覆土の上は直接走らせないとのことだが、現在3m毎の覆土が許されている。それより薄いうちに覆土すると容量を使うことになるが、燃え殻や灰全般なのか。
全産連ばいじん等特別なものに関して行っている。廃棄物によってやり方を変えている。
委員(→全産連)分析費の負担に関しては、合理的な測り方や他の代替物質等の検討が必要。また、信頼性のため、立ち入り検査等公的なチェックは考えられるか。
全産連立ち入り検査は年に2,3回はある。行政のデータがもらえないこともあり、民間が分析費を負担し、行政が分析を実行し、データは共有できないか考えている。
委員(→市長会)マスコミが住民の不安をあおるという件では、積極的に情報公開して住民を安心させる努力をすべき。
市長会それは大切だと思う。ただ、情報が一人歩きし、住民の不安をあおるような報道のあり方に問題があると思う。
全産連以前規制を厳しくしてくれれば業界としてしっかりと対応していくと話したが、今業界では対応の格差が拡大している。法をいかに平均的かつ平等に守らせていくか、そのシステムについて検討していただきたい。
市長会ダイオキシン類の無害化技術など、技術の促進を積極的に図っていただきたい。また、ダイオキシン類の発生源となるものの規制も進めていただきたい。
委員(→全産連)集水管の近傍に飛灰等を埋める件について、データはあるか。
全産連データは無い。現場の感覚である。
委員集水管からの距離については。
全産連まず、直接接してはいけないことはいえる。また、管を定期的に清掃することは効果がある。

○議題3:(資料3に沿って説明)

○議題4:(資料4-1から4-4に基づき説明)

委員埋立処分場に年間灰としてどのくらい入っているのかインベントリーは計算されているのか。
委員インベントリーは水、大気中に排出されるものを考慮すべきであり、埋立たものを環境負荷と考えられると危ない。
委員ストックはどのくらいか、長期的な視点で考えると考慮すべき。
事務局インベントリーに排出として加えるのは問題であると考えるが、試算はしてみたい。
委員資料4-2の飛灰処理物について、溶出量のデータがあれば処理した効果が出せると思うが。
委員飛灰と処理物はものを薄めたものになっていることもあるので、確認してほしい。
事務局溶出量については、データがあまりない。ダイオキシン法では厚生省で含有量を下げるのか課題になっている。
委員含有というものをどう解釈するか、覆土を含めて10倍等考えられないか。
事務局セメント固化したときは高い濃度に設定する等は考えられる。
事務局アイデアとしては、処理したもの毎に濃度を変えることも考えられる。
委員自治体のデータを見ると、10pgなら技術的にクリアできそうだが、環境基準値との関係では、微妙な数字である。
(資料4-5に基づき説明)
委員飛散防止に関しては、飛散防止ということのみでなく、表面からの流出防止という観点から、今の基準で問題ないか検討の必要がある。SSに関しては、運転管理の指標として使える可能性もあるので、ダイオキシン濃度の関係をもう少し調べてみる必要がある。モニタリングの頻度に関しては、自治体データのばらつきを見ると、年に1回というわけにはいかない気がする。地下水に関しては、ダイオキシンが他の物質と同じ挙動を示すか不明であり、汚染経路についての検討が必要ではないか。
委員廃棄物の流出防止については、堰堤を設けていればいいのではないか。安定型の処分場については、安定型廃棄物のみの搬入徹底を図るべきであり、測定する必要はないと思う。
委員廃棄物というよりは粒子として捕らえて考えるべきで、やはり流出防止という視点が必要。安定型処分場は、理論的にはダイオキシンを測る必要無いが、重金属についても同様のことが言えるため、判断するのは難しい。
委員飛散というのは舞い上がるイメージがあるので、言葉の使い方はこのままでいいか。また、将来の課題として、大気中の飛散物の粒径と状態を測定する方法、基準を策定することを考える必要がある。運搬車、重機を直接ばいじん等の上を走らせないということは重要で、詰めて議論すべきと思う。SSは相関が高くなくても、ある程度はカバーできるので管理手法として入れる意味がある。安定型処分場は、入れている廃棄物にダイオキシンを含むかどうか、そこから攻めて、可能性があれば浸透水について測定させればよく、浸透水から攻めるのは正攻法から少しずれている気がする。
委員管理する側の話として、覆土を義務づけないと対住民との関係で理解が得られない。廃棄物の上を車両を通さないことは、覆土の上のみ走らせることを原則として、そうでなければタイヤ洗浄をさせることを考えればいいのでは。地下水のモニタリングについては、原水濃度が低いからといって測定しないという理屈は、対住民では通らない。安定型処分場については、処分基準強化以前には何が埋められていたかわからないので、業者を指導する立場としては、測定させた方が安心。ある処分場では、ハイボリで周辺ふんじんを採取後、電顕でカルシウム、塩素濃度を測定・比較することで、通常の状況だと周辺に灰が飛んでいないことを証明した。
委員今回のSSとの相関では、運転管理にSSが使えるとは言えない。逆に、このデータはそのまま信用していいのか、データの集め方から気をつけた方がいい気がする。
委員SSというのは何だという話であり、フィルターを通過する粒子については考慮されないので、SSがNDでもダイオキシン濃度が高いことがある。どの程度の大きさの浮遊粒子まで除去すればダイオキシン濃度は低くなると言えるのか、といったフィルターで補足されるものより細かい径も含めて実態の収集も必要である。
委員ガイドラインに、浸出水を速やかに排除させる浸出水排水構造とするという記述があるが、本当に浸出水をためるとダイオキシン濃度が実際に増えるのか。
事務局具体的にデータは見たことがない。厚生省にも状況を聞いてみたい。
(資料4-6について説明)
委員廃棄物は品質をコントロールできないという特徴があるため、一つ一つ分析して性状を確かめられない。特管物等の基準を検討する際には、中間処理施設の種類ごとに決める、あるいはすべてばいじんについては同一の扱いにしてしまう、という考え方になると思う。
委員厚生省令で決まる数値がどの程度になるかが議論進める上で重要になってくる。また、重金属以上に跡地の考慮をすることが必要。土壌環境基準とも関連してくるはず。
事務局維持管理基準の設定をまず優先させるが、長期的な観点を入れた廃止基準についても別途検討していく。
委員画一的に施設ごとに規制をかけてしまうと、高いレベルで処理しようとする意欲をそぐ懸念。前処理で濃度を低減させた場合は、卒業する道を残すべき。

○議題5

委員基準を厳しくするのみでなく、どう業者に守らせるかという議論も必要。いくら基準があっても、もし穴があけば、そちらの方が影響が大きい。
委員受け入れの廃棄物に課徴金をかけて、例えば、測定費用は業者がそこから支払い、官側が測定、という役割分担にし、払わない際は、許可取り消しにすることも考えられると思っている。
事務局環境省後のことも踏まえ、厚生省も交え検討する。