■議事録一覧■

中央環境審議会土壌農薬部会土壌専門委員会(第7回)議事録


  1. 日  時  平成12年10月18日(水)14:00~17:00

  2. 場  所  中央合同庁舎5号館22階 環境庁第1会議室

  3. 出席者

    (1)委員
    林 裕造
    上沢 正志
    土屋 隆夫
    松久 幸敬
     委員長
     専門委員
     専門委員
     専門委員

      駒井 武
      中杉 修身
      山口梅太郎

     専門委員
     専門委員
     特別委員

      櫻井 治彦
      増島 博
      山本 出

     委員
     専門委員
     専門委員
    (黒川 雄二 専門委員、武田 信生 専門委員、豊田 正武 専門委員、
     松本 聡 専門委員、森田 昌敏 専門委員は欠席)

    (2)事務局
    遠藤 保雄
    長尾梅太郎
    伊藤 洋
     水質保全局長
     水質保全局企画課長
     水質保全局土壌農薬課長 他
  4. 議  題

    (1)前回議事録の確認
    (2)土壌中のふっ素及びほう素について
    (3)土壌中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素について
    (4)その他

  5. 配付資料

    資料7-1中央環境審議会土壌農薬部会土壌専門委員会(第6回)議事要旨
    資料7-2中央環境審議会土壌農薬部会土壌専門委員会(第6回)議事録(案)
    資料7-3土壌中のふっ素及びほう素に係る土壌環境基準の考え方(論点整理)
    資料7-4土壌中のふっ素及びほう素に係る土壌環境基準の検討参考資料
    資料7-5硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る土壌環境基準の考え方(論点整理)
    資料7-6硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る土壌環境基準の検討参考資料
    参考資料7-1中央環境審議会水質部会排水規制等専門委員会(第8回)配付資料

  6. 議  事

    【事務局】 ただいまから中央環境審議会土壌農薬部会土壌専門委員会(第7回)を開催する。冒頭、土壌農薬課長より御挨拶申し上げる。

    【土壌農薬課長】 (挨拶)

    【事務局】 それでは、議事に入る前に本日の配付資料を御確認いただきたい。
     なお、本日は、黒川委員、武田委員、豊田委員、松本委員及び森田委員からあらかじめ欠席の御連絡をいただいている。
     それでは、林委員長に議事進行をお願いする。

    (1)前回議事録の確認

    【林委員長】 議事次第に従い、議事を進める。まず前回の議事録の確認について、事務局から説明されたい。

    【事務局】 資料7-1については公開取扱要領に従い、まず事務局で会議の内容を議事要旨(案)として整理し、既に林委員長の御了解をいただいている。
    また、資料7-2の議事録案については、出席委員の御確認をいただいているところだが、まだ最終的に全員の御確認をいただいていないため、後日、全員の御確認後氏名を伏せて公開資料とする。

    【林委員長】 資料7-2について、もし本日御確認が可能であれば、後ほど事務局に御連絡いただきたい。

    (2)土壌中のふっ素及びほう素

    【林委員長】 土壌中のふっ素及びほう素についての議論に入る。
     前回の委員会で関連業界から製鋼スラグ等の路盤材等への利用に関する現状等についてヒアリングを実施し、その後、再利用されているこれらスラグ等の取り扱いを中心に幅広く御意見を伺った。
     本日は、事務局が前回までの御意見を踏まえて土壌中のふっ素及びほう素に係る土壌環境基準の考え方について論点を整理した資料を準備しているので、これらをもとに議論を進めていきたい。
     まず、事務局から、論点及びそれに対する考え方について、資料に基づき簡単に説明していただく。次に個別事項ごとに御議論をいただき、本専門委員会としての考え方を取りまとめたい。
     では、事務局に御説明をお願いする。

    【事務局】 (資料7-3及び資料7-4について説明)

    【林委員長】 個別事項ごとに論議をいただき、本専門委員会としての考え方を取りまとめたい。
     最初に、資料7-3の1の「土壌中でのふっ素及びほう素の実態から見て土壌環境基準設定の必要性等」から始めたい。資料中の考え方で取りまとめてよろしいか。

    【A委員】 健康項目についての問題はなかなか難しい。すでにふっ素・ほう素の水質基準が決まっており、これに合わせなければならないというところがあるが、前回委員会でも議論のあったとおり、特にふっ素については医療用に使用している濃度より水質基準が低く抑えられているといった矛盾等についてどう考えるか。
     そういう意味では、土壌から溶出した水が地下水になり、その地下水を利用するということで健康への影響からの観点ということになるが、土壌の溶出試験で決めてしまっていいのかどうか。
     それで、地下水の汚染と言うが、絶対飲用に使われない地下水であっても溶出試験で得た数値を使うのかという問題もあると思う。
     そういう意味で、確かにこの資料には整理されて記述されているが、本当にそれで決めてよいのかとも思う。

    【B委員】 前回と同様の議論になると思うが、ふっ素・ほう素についての健康保護の観点から水質の環境基準が決まった。その影響がどの程度であり、どこまで影響を見るべきかという点については、社会的な合意の中で決まってくる話だろう。水質環境基準は、そのような中で、「ここまでは健康保護する」という考えで決められたのだと思う。
     そういう意味では、他の物質と区別する理由はあり得ないだろう。例えばほう素でもその議論が出てくるが、地下水や土壌から絶対動かないならば別だが、現実問題として、自然由来があることを考えると、そう言い切れない。ここに書いてあるように、他の有害物質と区別すべき理由が何かあるのかという問題が出てくる。
     A委員の御意見のとおりに行うと、現在ある基準について全部見直さなければならなくなる。今回そこまで踏み込んでやれるのかどうか。もしやるのならば土壌環境基準そのものを改めて見直すという話になるのではないか。

    【C委員】 今、B委員から土壌環境基準全体の見直しまではないだろうとの御意見があったが、私は個人的に土壌環境基準とは何かとずっと考えてきた。やはり人の健康影響ということで、リスクベースの考え方を今後取り入れていく必要があるのではないかと強く感じている。
     すると、この土壌環境基準すなわち溶出基準という考え方は、1つの考え方ではあるが、リスクという観点からは、そのほかにも多くの暴露経路がある。だから、そのようなリスクをを1つ1つ検討していくことがそろそろ必要なのではないかと個人的には考えている。今回議論をする時間は恐らくないだろうが、やはり今後はそのような総合的なリスク評価が必要になるだろうと考えている。

    【事務局】 土壌に係る環境基準については、健康影響に関しての溶出基準という形で御審議いただいているが、C委員の御指摘のとおり、様々な曝露経路があろうかと思う。直接暴露等といった形での評価については、まだまだ知見が得られていないことから、当方の今後の課題として、既に本年の6月から検討会を別途設け、議論を始めたところである。
     知見が得られ、きちんと明確化できる点から一歩一歩やっていくものと考えており、トータルに曝露経路を考えねばならないが、やはりまずは溶出基準からと考えている。

    【D委員】 「土壌環境基準を設定する必要がない」ことが明確でない限りは、土壌環境基準を設定するという前提で話を進めるということでいいのではないか。必ず決めなければならないとここで認めるのではなく、設定するという前提に立って話を進めていくことでよろしいのではないか。
     この場で1つ1つ必要性の有無を決めるのではなく、一応あるのではないかという前提に立って話を進めていくということでよろしいのではないか。

    【事務局】 これまでの御議論承った限りでは、少なくとも、D委員御指摘のとおり、何らかの形で健康影響が出てくることを踏まえて基準が必要と受け止めている。できれば、そのような方向で基準化すべきだという御意見をいただきたいと思う。

    【林委員長】 A委員に伺う。他の有害物質と区別すべき理由はないのではないかというだけでは、差し支えがあるか。

    【A委員】 前回委員会でも、自然界に多量にある物質について、現在の様々な基準の決め方が厳し過ぎるのではないか、自然界に普通にある物質であれば、もっと違う決め方というのがあるのではないかとお話しした。それではどうするかという点については、私はまだよくわからないが、そう考えている。

    【林委員長】 B委員、これに対して御意見あるか。

    【B委員】 これは環境基準の性格自体をどう考えるかという問題に絡んでくるが、現状の環境基準には、望ましい状態があり、それが一方では対策の目標あるいはスタートになっているという、若干矛盾したところがある。
     望ましいかどうかで言えば、自然界に多量にあっても、望ましくない物質は望ましくない。例えば今でも日本全国で約2%の地下水が砒素の環境基準を超えているが、自然起源の理由であっても飲むことはできない。だからと言って、仮に緩い環境基準を設定した場合、飲用できなかった水が飲めることになってしまい、人の健康を阻害してしまう可能性がある。そのため、あくまでも人の健康を阻害するという観点から基準を設定することが必要である。
     実際の問題としては、対策を実施することに関して、コストをどうするかという問題が別の議論として出てくるのではないかと思う。

    【A委員】 全国の約2%の地下水で砒素の環境基準値をを超えているとのことだが、その基準値自体が本当に適切なのだろうか。逆にその2%の環境基準値を超える水を飲んでいた人たちがいて、問題が何もなかったにもかかわらず、基準値を設定するのかという問題があると思う。

    【B委員】 基準値を設定する際に検討するリスク、例えば発ガン性については、10万人に1人の発生リスクという形で見る。おそらく水道水の基準についても同様だと思う。そういった水を飲んでいる人を全部調べて比較すべきであるという議論があり、これについてはまだ実際に調べられていないが、その時に改めて必要性があるのかどうかというのが出てくるだろう。
     確かに動物実験の結果から安全率を見るという形で設定しているため、基準は厳しくも甘くもなりうる。しかし、実際にインドやバングラディシュでは、汚泥中の砒素による地下水汚染のため、皮膚障害が現実にかなり起こっている。そういう事実も含めて考えた場合、なぜインドでは汚染による障害がみられ、日本はないのかということがあるが、そのような現実があり、ある安全率が過大かどうかについては、社会的な合意の中で見ていることである。厳密に詰めるならば、A委員の御意見にあった話がおそらく出てくるだろうが、その程度の安全率(例えば10万人に1人程度の発生)をみて設定するということは、一応社会的な合意のもとで成立していると考えている。現実に問題が見えているかどうかという議論はできないのではないか。

    【林委員長】 何か事務局から追加することはあるか。

    【事務局】 特にない。ただ、先ほどのA委員の御意見について申し上げると、実際の対策の場面において、そういった自然的な要因について十分配慮し、例えば無駄な投資をする必要がないとか、実際に自然起源による汚染に対しての何らかの対策をするより、むしろそのような状況を踏まえて現実に対応するといった配慮ができるのではないかと、事務局では考えている。その中でまた御指摘等をいただければと思う。

    【林委員長】 この問題については、資料に示された考え方で取りまとめることとする。
     では、2の「適用対象となる土壌」に移る。まず、「水質環境基準が海域では設定されていないことを踏まえた、海域に隣接する土壌についての取扱」について御意見をいただきたい。

    【C委員】 海域において水質環境基準が設定されていない理由の1つに、海水中のふっ素あるいはほう素のバックグラウンドレベルがかなり高いということが非常に大きいと思う。ふっ素はだいたい1.3ppmぐらい、ほう素で4~5ppmぐらいであって、恐らく水質基準との整合性がとれないということが理由としてあると思う。海域と接する土壌についても、水質環境と同じ考え方を適用するならば、整合性がとれないように思うが、その辺はいかがか。

    【事務局】 先ほど御説明したとおり、排水規制等専門委員会での議論ではまだ最終的な答えは出ていないが、資料7-3の上から3行目以下にあるように、自然状態の海域濃度を大幅に上回らないような対応を前提に動いているとのことである。これは、海域に排出される排水に対しての考え方ということである。
     ただ、土壌の場合、土壌環境基準自体の持つ性質といったものを議論するために溶出基準という考え方を導入している。例えば、これまで事務局で行った実態調査結果を参考資料1-3に載せているが、いわゆる土壌環境基準の考え方を当てはめた場合に、例えば4.5ppmという数字よりも、溶出量としてかなり高いレベルの土壌も見受けられる。
     すると、土壌自体が海域に対する発生源にもなる可能性もある。また、そのような人為的な汚染がなければ、土壌が、特に海域に接している場合は、海域の影響を受けてバックグラウンドと比べて相当高い状態で維持されることもあり得る。ただ、それがケースごとに一律に分けられるような状況ではないのではないか思う。よって、ケースごとに、人為的な汚染がある土壌とない土壌について判断をする必要がある。仮に一律に適用外とした場合に、ある場所が非常に人為的な汚染が高くて海域に一方的に出ているようなケースがあった場合でも、それを全部適用外としてしまうことになる。
     そういったこともあり、全ての土壌に環境基準が適用されるというよりも、海水との平衡状態といったような状態である土壌にまで、溶出レベルが超えているからと基準を適用することはないと考える。
     土壌環境基準は、「汚染がもっぱら自然的な原因によることが明らかであると認められる場所」に係る土壌については、適用しないとなっている。やはり、そういったことも判断をした方がよいのではないかというのがここの趣旨である。すべて適用する、しないという線引き、あるいはどこまでが海水に接している土壌かという線引きも非常に難しい。そのため、事務局では、ここは個別の判断にする方がよいのではないかという趣旨で準備した。これについて、委員から色々とコメントいただきたいと思う。

    【B委員】 確かに海域は高い。しかし、以前申し上げたかもしれないが、例えばほう素は、食品基準の方で海草の含有量基準が作られている。無制限に海草に大量に含まれるとよろしくないという話もある。現在の段階ではそれほど問題はなく、海水の基準をつくる必要はないとのことだが、汚染土壌によって極端に高濃度になれば、当然よくないという話もあり得る。
     もう1つ、どのような場合に「土壌と海域が接している」と定義をするかという問題がある。海岸から何メートルという話で単純に決められる話ではない。例えば地下水の状態は当然関係する。一律に決めた場合、海域にも出ていって余り対策の必要のない箇所が逆に対象となってしまうことも起こり得るので、やはり個別個別のケースの方がよいのではないかと思う。
     海域ならば、現在はどこも海底泥をしゅんせつした埋立地であり、そういったところは、ほう素・ふっ素の濃度はかなり高い。砒素等の濃度も高い場合が多い。実際にそのケースごとに考えて、リスクがなければという話になると思う。であるから、一律にどこかで線引きができないので、(厳密に線引きして)適用外と言うよりはケースバイケースで考える方がより実効的ではないかと思う。

    【林委員長】 ほかに御意見はあるか。C委員、何かあるか。

    【C委員】 先ほど少しお伺いしたが、サイトごとに評価する場合、どういうファクターを取り入れるかというかなり難しい問題があると思う。実際に評価する場合は、かなり難しい面がある。

    【E委員】 ここでは海水に接する場合を特に取り上げているが、私が以前に文献調査の中間報告の際に申し上げたとおり、日本の場合には特に火山に関係した地域、これが土壌でいえば火山灰であるとか、あるいは水でいえば温泉水、そういうものはふっ素もほう素もかなり高い濃度を持っているので、それがまた今年のように火山噴火が多い場合には非常に局所的に環境基準の超過が起きる可能性がある。それをどのように取り扱うかにもついて考慮していただきたい。

    【林委員長】 火山の問題については何か考慮しているか。

    【事務局】 委員御指摘の点は、今の土壌環境基準の中で適用除外となる、「汚染がもっぱら自然的な原因によることが明らかであると認められる場所」に係る土壌に該当するのではないかと思う。
     例えば、事務局の実態調査では、温泉水等が直接土壌を経由しないで地下水を汚染しているような事例があった。そのような場合は、何らかの指導をして飲用をやめる必要がある。ではそこを対策をする必要があるかという点については、自然的な原因であるため、必要があればもちろん対策をするが、現在の考え方では、土壌環境基準の適用はされないという整理で考えている。すなわち「もっぱら自然的原因によることが明らかに認められる場所」に係る土壌には環境基準値を適用しないという整理の中で運用できるのではないかというのが、今の事務局の考え方である。

    【林委員長】 この中で、E委員御指摘の点は読み取れるか。

    【E委員】 この箇所はどこかに記述があるということか。

    【林委員長】 そうだ。

    【F委員】 [3]の「自然的な原因を十分考慮し、」という部分は、どちらかというと土壌環境基準の適用の是非を判断するところに係るのではないか。したがって、そこの順番を入れ換え、「・・・適用外とする土壌の範囲の特定を含めて非常に困難であり、汚染原因や周辺地下水への影響等を個別の事例毎に総合的に評価し、自然的な原因を十分考慮して適用の是非を判断するのが適当ではないか。」とした方がわかりやすいかと思うが、いかがか。

    【林委員長】 E委員、そちらの方がよろしいか。

    【E委員】 よろしい。

    【林委員長】 事務局で何かあるか。

    【事務局】 御指摘を踏まえ、改めて整理をさせていただきたい。

    【林委員長】 ただ今の[3]の文章の入れ換えも含めて事務局で考えるとして、大体の考え方はこれでよろしいか。
     次に、(2)「事業に伴い発生するふっ素やほう素を含む鉄鋼スラグや石炭灰等を路盤材、セメント材料、土壌改良材、肥料等として土壌中であるいは土壌と接触させつつ再利用する場合の考え方及び取扱」についてはいかがか。

    【B委員】 (2)の下から2段目の段落について、資料7-4の参考資料2-1にあるように、道路の路盤材は、基層、上層路盤、下層路盤、遮断層があり、遮断層は一応は土壌とは混ざらないという区別をしている理由になると思うが、土木用の地盤改良材はどのような使われ方をしているのか。また、どれくらいの深度で使われているかという点も気になる。

    【事務局】 参考資料2-1の中で、路盤材型として整理したコンパクションパイルあるいはサンドドレーン等について、3ページの図にある軟弱地盤の中にスラグを打ち込むような形も1つの事例として考えている。これはスラグ等を上からかなり強く打ち込む形で使われると聞いている。つまり、これは固化することを目的としているため、時間が経過して周囲の土壌と混ざっては困る、固い柱のような形で維持されないと困るというものである。これも1つの「直接土壌に接する形」として打ち込まれるが、このような使用方法があるという例示としてここに挙げている。こういった点も踏まえて御検討いただきたい。

    【B委員】 多分、肥料については、土壌と混ざったものを評価する、施用前ではなく施用後の状態をあるがまま見ようということだろう。路盤材の場合はそうではない。路盤材は施用後も遮断層で分けられているから別のものであり、路盤材を取り出して調べる話ではないという整理だと解釈している。
     3ページについて、細かいことだが、サンドパイルを打ち込んだ間の土壌を取り出した場合、それはついて土壌環境準を適用するのかどうか。固くなっても当然接している面があり、非常に高濃度だった場合はその周辺の土壌を汚染することもあり得る。少々極端な議論だが、そのような場合については、どのように考えるのか。

    【事務局】 御指摘について、路盤材もサンドパイルも似たような状況ではないかと考えている。いわゆる周辺土壌の上に敷くような形で使われるため、当然何らかの形で溶出する部分はあるだろうと思う。ただ、どの程度溶出するかという点が問題になるのではないか。サンドパイルのような形態の場合、接している土壌を含めて周辺土壌との関係がどうなっているのかという点について、幾つか情報を入手している。サンドパイルそのものの例示にはなっていないが、参考資料2-1の8ページ以降に路盤材の使われ方として例えばスラグあるいは直下土壌での含有量・溶出量の状況について、入手したものを幾つかまとめている。路盤材型1、2、3等の形がある。
     例えば路盤材型1を見ていただきたい。路盤そのものからの溶出量はかなりの量がある。ただ、この場合の溶出量は、表にあるとおり2ミリメートル以下に破砕し試験した場合のものである。有姿の状態で試験をした場合はもう少し数字は小さくなるのではないかと予想できるが、その直下の土壌の場合、例えば深度が1メートルであれば0.12mg/lになっている。路盤材型3でも、直下の土壌にはほとんど影響がないという情報を幾つか入手している。当方としては、路盤材そのものに土壌環境基準の適用はしないものの、その周辺の土壌に影響があってはやはり問題であり、ただし書きの方で少し考慮する必要があると考えている。ただ、業界等から入手した情報によると、現実の問題としては、有姿の形で使われているものについてはほとんど溶出しないのではないかと思う。「ほとんど」とはもちろん水質環境基準のレベルと比較してということである。そのような情報を入手しているので、これらを含め御議論いただきたい。

    【B委員】 ここでも(スラグ等の)利用は、土壌環境基準と別であるという整理で全く構わないと思う。逆に言うと、道路を作る際に路盤材を敷いていて、その路盤材を除去後に土壌が出るが、それについては当然土壌環境基準を適用し、道路の舗装をしていても、その下の土壌については測ってみれば基準を適用するということで、例えばスラグのサンドパイルの間の土壌にも土壌環境基準を適用する。基準を超えた場合、その原因がひょっとしたらサンドパイルかもしれないということもあり得る。そういった点の整理をしておいた方がいいと思う。
     だから、路盤材とかサンドパイルそのものを取り出してきて、これには土壌環境基準を適用するという議論はしないが、その周辺については当然土壌として考えて測る。それが1つの歯止めになると思う。
     もう一つは、やはりその歯止めとしてどういうレベルかどうか、これは土壌環境基準の中で出せるのかどうかによる。多分リサイクルとして利用するときの注意点だと思うが、例えば周辺の下の地下水がほう素・ふっ素の濃度が基準を超えているところでは使わない方がよい/使わない、あるいは土壌でもともと濃度の高いところについては使わない方がよいというふうな注意書きが多分必要なのではないかと思う。

    【事務局】 前半については、御指摘のとおり当然周辺土壌は土壌環境基準が適用されると認識しているので、それが分かるように整理をしたい。
     後者については、先ほど全体の説明の中で多少述べたとおり、この土壌環境基準の検討の中で、リサイクル材については土壌環境基準の適用を想定していないにもかかわらず、それを利用している現状に対してどのような形で言及すればよいか、当方でも悩んでいる部分もある。どこまでここに書き切れるかということがあり、その点については、関係部局と調整しなければならないと考えている。その一環として、先ほど御説明したとおり、分析法の考え方、地方公共団体でのリサイクル材の認定といった実態、あるいはその中では利用実態を踏まえたらよいのではないかという点について、書き切れる範囲で書いてみたということである。
     ただ、委員が御指摘されたことは、当然あると考えているので、それを踏まえて、関係部局と、どういう形でリサイクル材をうまく運用していけばよいかという点について、少し検討させていただきたい。
     ただ、最終的にどこまで書けるのかという点については、事務局で調整をさせていただきたいと考えている。次回委員会までに幾つか検討した結果を御報告できるかもしれないが、多少その辺の問題があるということだけは御理解いただければと思う。

    【G委員】 今の御議論は全くそのとおりだと思う。それで結局は、溶出速度の問題だと思うが、こういう土壌等を分けて認識できるように固化しているものの場合に、たとえそれが相当高濃度で初期にはある程度溶出量が多いにしても、表面積が粉状あるいは粒状のものに比べるとそれほど多くないので、時間軸でやや長く見れば、それほど溶出しないということも考えられる。もし、それがコンスタントに高濃度に溶出するようであれば周辺の土壌が当然汚染され、それで環境基準を満たさないが、そういった点に関する基本的な情報がもう少しあればなおよいと思う。

    【C委員】 今のG委員の御指摘のように、実験データとして幾つか整理したが、土壌上に路盤材のようなものを置いて、その下の土壌で深度ごとの濃度についてのデータがあるが、ほとんど下には移行しないのが現状のようだ。
     であるから、先ほどB委員が指摘されたように、こういったリサイクル材は土壌という形態ではないので、接する部分の土壌についてこの基準を適用していければよいのではないかと思う。

    【F委員】 今までの議論の延長だと思うが、感覚的にも路盤そのものは土壌とは呼ばないが、路盤と接触している土壌、例えば機械で振って落とす等してかなりきれいになったと思っても、路盤にはかなり微細な土壌がくっついている。そういう土壌をはけで落として測った値なのか、それとも一般的に土壌と呼ばれる平面部分としての平均値であらわすのかによって、全然値が違ってしまう。
     そういう意味で、ここに出てきている直下土壌というのは一体どういうサンプリング方法をしているのか興味がある。

    【H委員】 土壌とは別に、例えばサンドパイル等の施工をした場合、周辺地下水についての情報だけはとっておいた方がよいと思う。最終的には地下水汚染につながるのかどうかという話になるだろうから。

    【A委員】 私も同様なことを考えていた。例えばサンドパイルを施工した場合、確かに軟弱地盤の中へ砂のパイルが入り、それで強くなるのだが、同時に実はサンドパイルを通して周囲の軟弱地盤中の水が上がってきて、そして圧密が進んで地盤を固めるという作用もある。つまり、スラグから溶出して外へ出ていって汚染されるというより、逆に水を吸い上げてくるという作用であり、(地下水の情報)これがあっても別にどうということはないと思う。
     いずれにしてもこういうことをやって、道をつくるのでも何でもいろいろいな材料あるいはリサイクル材を使った場合に、それによって人間の健康へ影響するような水が生じて外へ出るかということが問題だろうと思う。
     農用地土壌の場合は、利水点でどうだという問題を考える。利水点のところで汚染が基準値以下であればよいということにもなるが、それと同様の考え方で、H委員御指摘のとおり、これによって地下水が汚染され、それが人間の健康被害の方に影響するかどうかという観点で決めるが一番よいように思う。だから、それを加工したときに周辺土壌の汚染がどうなっているかということを調査するのがよいのではないかと思う。
     溶出試験にしても、路盤材そのものの溶出試験よりは、それを施工したことによって周辺の汚染がどうなったかということが問題だろうと思う。

    【林委員長】 ほかに何か御意見はあるか。なければ、この部分はかなり加筆、修正する点があるが、事務局で整理をお願いする。基本的にはこの資料にある考え方でよいか。(意見等なし)。
     では、次に、(3)「ほう素を含む肥料等が意図的に投入される農用地土壌等での取扱」について何か御意見はあるか

    【事務局】 事務局から1点追加する。議論の際、6ページのほかにと7ページの測定方法の(3)もあわせて御議論いただきたい。

    【B委員】 7ページの測定方法等の(3)についてお伺いする。「肥料が施用される農用地における調査は、今後とも肥料取締法により適正な管理がなされること前提としているので、調査を限定してはどうか」とあるが、確かにほう素についてはそれ自体が肥料の有効成分である。そういう意味では、ほう素の投入量は管理の対象になると思う。しかし、ふっ素は、必ずしも有効成分ではなく、不純物のような形ではないか。
     そのように考えると、ふっ素についても、「適切な管理がなされる」ことは可能なのだろうか。この7ページの考え方はこれでよいかもしれない。しかし、ほう素は当てはまるが、ふっ素について当てはまるかどうか気になる。
     不純物については、スラグ等に含まれているふっ素や、石炭灰中のほう素は不純物ではないかという議論になってしまうため、その意味では公平性を欠いてしまう恐れがある。確かにほう素自体は肥料の主成分であり、施肥管理等による管理をきちんと行う。むしろ作物への影響を出さないという意味できちんと管理がされるようになり、それは構わないと思う。ふっ素についてもこの部分が読める形になってはよくないと思う。

    【事務局】 その点については、御指摘を踏まえ再検討・再整理する。

    【F委員】 B委員御指摘のとおり、ふっ素は不純物である。それで、前回委員会でも、リン鉱石中、SIの肥料の中に結構入っているということだが、リン酸の方については、ほかの例えば、今話題となっている水面での総量規制等、あるいは従来からの問題である湖沼の富栄養化等の問題が色々あり、それについても適正な管理をする方向で進めている。そのため、不純物であっても、含有量が正しく表示されるようになれば、ふっ素についても肥料取締法等による適正な管理がなされると期待している。

    【林委員長】 今の御意見は非常に重要だと思うが、事務局から意見はあるか。

    【事務局】 両委員の御指摘もあり、「適正な管理」がどこまで担保できるのかという点について、現状あるいは将来を踏まえて再整理する。

    【林委員長】 D委員、御意見はあるか。

    【D委員】 同様の意見があったが、不純物が含まれていても、肥料本体が適正に使用されていれば、不純物についても自動的に適正に管理されると、こう理解していいのではないか。私は、この文章でよいと思う。

    【B委員】 F委員及びD委員の御発言にあった、肥料中ふっ素の管理について気になる点がある。それは、肥料の総量を管理すればふっ素も管理できるかというと、必ずしもそうではないという点である。肥料成分中ふっ素の含有量は、肥料によって当然変わってくる。その点については、しっかり不純物としてのふっ素成分含有量の把握と過剰にならないための管理までされるかという点が1つのポイントだろう。先ほど私が申し上げたのは、ほう素についてはまさにそういった管理を行うのだからという意味である。

    【D委員】 適正に管理されるという前提ということだ。

    【林委員長】 ほかに御意見はあるか。もしなければ、資料中の考え方で取りまとめていってよいか。(意見等なし)先程来の委員方の御意見については、事務局でこの中に反映していただきたい。
     次に7ページ「(4)のふっ素及びほう素に対する3倍値基準の取扱」について御意見等あるか。

    【B委員】 これについては、ふっ素及びほう素の土壌中での挙動が関係してくると思う。前回の委員会等で、ふっ素は動きやすいと申し上げていたが、その後に文献等を少し調べてみたところ、必ずしもそうでもないという文献が出てきた。実際にはふっ素・ほう素は自然の土壌からも溶出するため動きにくいとも言いにくいが、他の物質と比較して特に動きやすいものでもないようである。他の物質との並びを考えると、3倍値基準の適用がよいのではないかと思う。しかし、実際の問題として、自然土壌からの溶出をどう考えるか。将来的には、砒素なども含め、考え方を一度整理する必要があると思う。今回については、ふっ素とほう素について3倍値基準を適用することについては、異論はない。

    【I委員】 私もこの取扱でよろしいと思う。文章上の問題を1点指摘すると、文中「特に他の重金属と区別しなければならない科学的な理由はないと考えられる」とあるが、「特に他の重金属等と・・・」と、「等」を入れておいた方が安全ではないか。

    【林委員長】 事務局、それでよろしいか。では、その他に御意見等あるか。(意見等なし)では、この部分について、この資料中の考え方で取りまとめたい。
     では、次の「ふっ素及びほう素の測定方法等」の(1)と(2)について御意見等あるか。(3)については、先ほどお伺いしたが、ほかに問題はあるか。

    【B委員】 (2)については、中小礫や土塊、団粒が、長い時間をかけて少しずつ細かくなる可能性がないわけではないという議論は当然ある。それに対しての答えを用意しておくべきだと思う。そのような意味では、これは現状を調査した結果を見るのであり、これは何千年後までもうまく行くかわからないが、例えば100年後に調査したときは、またそのときには淡々と調査すればよいといういう説明をしておいた方がいいのではないか。

    【事務局】 御指摘を踏まえ、文章を少し整理する。

    【H委員】 (2)にある試料の作成についての記述は、現在の土壌環境基準のものか。

    【事務局】 そうだ。

    【林委員長】 ほかに御意見等あるか。なければ、7ページついては、資料中の考え方でまとめることにする。
     次に、8ページ「4 達成状況の評価」については、いかがか。この資料のとおりで大体よろしいか。(意見等なし)
     では、次に「5 その他」について何か御意見はあるか。

    【A委員】 基本的にこの書き方でよいと思う。しかし、幾つかの公園等で土壌改良をしたところで、以前の調査で既に基準値以上と判明しているところについては、すぐに土壌の入れ替えの指示等をしたのか。

    【事務局】 特にそういったことはない。

    【A委員】 すると、この点について、確かに処理技術等の開発は必要だが、むしろ汚染が発覚したときの具体的な対策についても書くべきなのかどうか。

    【事務局】 ここでは、主として技術についてはまだ課題があるとまとめている。
     現在、土壌汚染が発見された場合の一般的な対策については、「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」(平成11年1月)に基づき、調査しつつ必要に応じて対策するという状況である。当方は、これに基づき技術的な助言等を行いつつ運用している。

    【D委員】 現時点での処理技術に挙げられている土壌洗浄法についてお伺いする。汚染土壌に水を流して洗浄するという方法なのか。であれば、汚染地は汚染物質が溶出して地下水が汚染する恐れがあるところにもかかわらず、更に地下水を汚染することにならないのか。

    【事務局】 土壌洗浄法は、原位置において水で洗い流すものではない。掘削した土壌をプラント内で洗浄するものである。洗浄後のふっ素やほう素を含む水は、水処理施設等で処理するものであり、直接環境中に排出されることはない。

    【D委員】 非汚染土壌を客土し、汚染土壌と混合することも対策に入るのか。

    【事務局】 「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」では、汚染土壌が発見された場合は汚染を除去する、あるいは一般環境から区別して封じ込める等の対策をとることが望ましいとしているので、基本的にはこれらの対策を取った方がよいと考えている。

    【林委員長】 では、5については、資料中7-3の考え方で取りまとめてよろしいか。(意見等なし)
     ほかに、議題(2)の全体を通じて、御意見等あるか。(意見等なし)
     それでは、本日の議論を踏まえ、次回の委員会で本専門委員会としての最終的な報告書を取りまとめたい。事務局には準備をお願いする。

    (3)土壌中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素について

    【林委員長】 前回、前々回の委員会では硝酸性窒素等の挙動の把握等にかかわる技術的な検討課題について御検討いただいた。本日は前回までの御意見、また水質部会排水規制等専門委員会の検討状況を踏まえ、土壌中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る土壌環境基準の考え方について論点を整理した資料を事務局が準備しており、これをもとに議論を進めたい。
     まず、事務局から資料の説明をお願いする。

    【事務局】 (資料7-5及び7-6について説明)

    【林委員長】 では、ただいまの説明について、個別事項ごとに御意見をいただきたい。
     まず、「土壌中での硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の実態から見た土壌環境基準設定の必要性」について。

    【H委員】 「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の地下水汚染は一般家庭からの生活排水、農地への施肥等により」となってるから問題ないのかもしれないが、畜産汚水の不適切な処分等も影響が大きいのではないかと考えている。これについては、排水規制等専門委員会で扱うため、本委員会では扱わないという整理なのか。

    【事務局】 委員御指摘のとおりである。先ほど、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の対策は整理すべきであるということで、排水規制等専門委員会と土壌専門委員会とで、特に面的に広がっているような汚染源、つまり土壌管理を改善することによって対策する部分について整理した。

    【H委員】 畜産汚水は排水規制等専門委員会で扱うという整理であれば結構だ。

    【B委員】 今の話の関連でお伺いする。硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による地下水汚染のひどいところは、動物の糞尿、特に糞が堆積した不適切な管理による。そういう意味では排水だけではなく、廃棄物にも関連すると思うが、その点はいかがか。

    【事務局】 動物の糞尿についても、排水規制等専門委員会で一時的に議論している。委員御指摘の、一般に糞尿の野積みあるいは素堀りと言われているものについては、やはり不適切な管理であるが、これについては、農林水産省畜産局が、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」(平成11年7月28日法律第112号)に基づき、全廃する計画を立てている。あくまでも適正に処理して、例えば堆肥化する、残りの汚水や尿については浄化を行うといった方向に持っていくことになるため、やはり排水規制で扱うという形で整理することになると思う。

    【林委員長】 先ほどの御説明について、土壌にも排水規制にも係らないといった不備はないかと少々不安があったが、この点についてはいかがか。

    【事務局】 先ほど事務局の方から説明した資料7-6の参考資料3-1が全体としてのトータルパッケージで、かつ全国的なナショナルミニマムでの対策から現地の対策までが含まれている。参考資料3-1の4~6ページを見れば全体の漏れがないのがよくわかると思う。すべての工場、事業場、畜産事業場等の事業系のもの、一般家庭からの生活排水、農用地への施肥が全て含まれている。
     7ページ以降が対策のあり方である。9ページ以降に点的な汚染源への対策と、これは全国的な対策と地域的な対策を並べている。さらに生活排水、施肥対策ということで、網羅している。これについては、制度的な面から含めてもすべて検討が尽くされていると当方は考えている。

    【林委員長】 ほかに御意見等あるか。(意見なし)では、この点については資料にある考え方で取りまとめる。
     では次に、「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に対する対策を推進するための方策」に移る。別紙2も含め、御意見等あるか。

    【I委員】 別紙2の「3.改善状況の確認」について、1つは記録をとる、もう1つはモニタリングとなっており、特に下層土におけるモニタリングと断ってある。しかし、やはり直接窒素が施用されるのは表層土であり、施肥の記録が正確なのかをチェックする意味でも、モニタリングを行う際は、表層土のモニタリングも当然必要かと思う。

    【事務局】 この中身についてはまた今後詰めていくことを考えているが、ここで下層土と書いたのは、これまでの議論の中で下層土については比較的変動が少ないということであり、地下水のモニタリングとあわせて下層土のモニタリングを行うこともできるのではないかという議論を踏まえ、ここで記述したものである。しかし、モニタリング方法については、農家で行うもの、あるいは実証ほ場というモデルほ場的なところで行うもの等様々な性格づけが可能だと思われるので、その点を踏まえ、どういうやり方が適切か検討していきたい。

    【I委員】 私が前回委員会まで下層土について申し上げていたのは、もし土壌環境基準をつくるとすれば下層土で基準をつくる以外考えようがない、しかし下層土で基準と言っても地下水の動きが関係してくるから難しいということである。もしこのような考え方でモニタリングをするのであれば、やはり表層土のモニタリングも必要である。ただ、その場合は施肥時期との関連を考えなければならないと思う。

    【林委員長】 ほかに御意見がなければ、資料にまとめられた考えに従って取りまとめてよろしいか。
     議題3について終了したが、その他に全体を通じて御意見等あるか。

    【G委員】 資料7-6の別紙1について、「揮発性有機化合物」の列の「土壌中での物理化学性等」の項目の2つ目で、「比重が水より重いので」となっているが、塩化炭化水素系統には当てはまるが、全てには当てはまらないと思う。修正した方がよい。

    【事務局】 御指摘を踏まえて修正する。

    【林委員長】 ほかに御意見はあるか。(意見等なし)では、この資料2の考えに従って取りまとめる。
     本日の議論を踏まえ、次回の委員会で土壌専門委員会の最終的な報告を取りまとめる。事務局で資料の整理をお願いする。

    (4)その他

    【林委員長】 本専門委員会の今後の予定について、事務局から御説明をお願いする。

    【事務局】 次回、第8回の土壌専門委員会は、11月7日(火)14時より環境庁第1会議室での開催を予定している。

    【林委員長】 次回は本日の御議論を踏まえ、土壌農薬部会に土壌専門委員会としての報告書について御審議をお願いする。資料については、事務局で本日の委員の御意見を踏まえ準備されたい。
     本日の資料の公開について、第1回の土壌専門委員会で決定した公開の取扱では、「会議資料は原則として公開とする。ただし、非公開を前提として収集したデータが記載されている資料、関係者と調整中の資料など、公開することにより公正かつ中立な審議に支障を及ぼす恐れのある場合、また特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらす恐れのある資料については、専門委員長の、座長の判断に基づいて委員限りである旨を明記して非公開とする」としている。
     本日の資料中、資料7-2の議事録案については、前回委員会に出席した委員の確認がとれるまでは非公開とする。その他の資料については特に非公開に当たるものではないと思われるため、いずれも公開することにするがよろしいか。(意見等なし)
     それでは進行を事務局にお返しする。

    【事務局】 本日は貴重な御意見をいただきありがとうございました。本日の御意見をもとに、報告書の案を作ることとする。
     それでは、第7回の土壌専門委員会を終了する。

    (以上)