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中央環境審議会土壌農薬部会(第20回)議事要旨


1.日  時   平成11年11月2日(火)10:00〜12:00

2.場  所   環境庁第1会議室

3.出席委員

4.議  題

5.議事概要   議事録

    審議は公開で行われた。

○7月14日に諮問された「ダイオキシン類による土壌の汚染に係る環境基準の設定等について」及び9月3日に諮問された「ダイオキシン類土壌汚染対策地域の指定の要件について」、専門委員会報告をもとに答申案をまとめるための審議を行い、一部語句の修正を行った後、部会長の確認を経て答申案とすることが了承された。

 主な審議は以下のとおり。

  • 土壌は大気に放出されたダイオキシンのシンクになるが、これはバッファーという役割を担っている面もある。

  • 検討会の暫定ガイドライン値をそのまま環境基準に当てはめられている。望ましい環境基準と対策をとるべき値とが同一なのはよろしいか。

      →専門委員会において、健康リスクの観点から再検討を行っている。また、大気や水の他の媒体と異なり、土壌は汚染された土そのものについて除去等を行わなければ環境基準を達成できないため、従来より環境基準と対策をとるべき値とが同一である。
    なお、専門委員会において、このような点をどう反映するかという議論から、調査を実施する基準である調査指標が提案された。

  • 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律でも、環境基準と対策要件は同じ。他の媒体は排出源対策があるが、土壌が環境基準を超えている場合には対策を行うべき。暫定ガイドラインは土壌環境基準の設定の手順を踏んでいると思う。

  • 土壌から水域への移行については重要だが、知見がないので、専門委員会報告は現段階では合理的。一方、土壌汚染による農作物への移行については、ある程度調査しているが、その結果では土壌の濃度と農作物中の濃度には相関関係等はみられないのか。

      →これまでの調査はまだ調査点数が少なく、ある程度点数のある水稲についてみると、相関関係はみられない。今後さらに事例を集める必要がある。

  • アイソト−プラベルしたダイオキシン類を用いた植物のトレース調査は行われていないのか。

      →専門委員会でも同様の指摘をうけ、アイソト−プラベルしたダイオキシン類を用いて植物中に取り込まれるのかという試験を今年度後半から実施する予定。

  • 250pg-TEQ/gという調査手法を設けたのは、これ以上について調査を行うことによって知見を集積するという意図がある。集積された情報を踏まえて環境基準も変わりうるものだ。

  • 報告中「土壌中のダイオキシン類については、現状程度の水準を維持し、又はこれを大きく上回ることとならないよう努めることが望ましい」とあるが、本来なら土壌中のダイオキシン類濃度は減るはずであり、「維持」というのは気になる。

      →「現状程度の水準を大きく上回ることとならないよう努めることが望ましい」と修文する。

  • 単位について、1,000pg-TEQ/gは1ng-TEQ/gとしても、または併記してもいいのではないか。また、1兆分の1と説明してはどうか。

      →測定結果との比較等からこれまで使ってきたが、(1ng-TEQ/g)を併記し、さらに単位の意味を追記する。

    ○国民から意見を募集するパブリックコメント手続きの方法についても、併せて了承された。

    ○資料の公開については、資料3は専門委員会報告としてはそのまま公開とするが、答申案については若干語句修正して部会長了承後に公開、その他の資料はそのまま公開とされた。

    ○次回部会は11月26日で、農薬関係の審議を行う。

    6.配付資料