中央環境審議会水質部会排水規制等専門委員会(第2回)議事録




日    時平成12年3月1日(水) 10:00〜12:15
  
会    場通商産業省別館 共用第944号会議室
  
出席委員松尾委員長(東京大学大学院工学系研究科教授)
 浅野特別委員(福岡大学法学部教授)
 佐竹特別委員((財)日本軽種馬登録協会理事長)
 須藤特別委員(東北大学大学院工学研究科教授)
 伊藤専門委員(畜産試験場飼養環境部部長)
 田中専門委員(国立公衆衛生院廃棄物工学部部長)
 土屋専門委員(東京都環境科学研究所所長)
 中村専門委員(日本下水道事業団技術開発部部長)
 増島専門委員(東京農業大学応用生物科学部教授)
 森田専門委員(国立環境研究所地域環境研究グループ統括研究官)
 米澤専門委員(工業技術院資源環境技術総合研究所首席研究官)
欠席委員なし
(事務局)水質保全局長、地下水・地盤環境室長、水質規制課長、総量規制室長、土壌農薬課長
 地下水・地盤環境室 森川補佐、水質規制課 池田補佐


議事.1「資料1 第1回専門委員会議事録の確認」
 委員の先生方が持ち帰り検討し、意見がある場合には1週間以内に事務局に連絡することとなった。

議事.2「専門委員会の公開の取り扱いについて」
(事務局)(資料2ついて説明)
 案の通り、会議は非公開、資料は原則公開することとされた。

議事.3「排水規制等の項目追加等について」
(事務局)(資料3の1〜5、資料4及び資料5について説明)

(A委員)資料4の6頁の2に「硝酸塩」とあるが、「硝酸イオン」ではないか。
資料4の9頁の(2)に「1haあたり125kg以上」とあるが「1haあたり窒素125kg以上」であり、「窒素」が抜けている。
資料4の14頁の下のグラフについて、縦軸の100%と横軸の100%を結ぶ線より上にでる点はおかしい。計算の間違いか分析の間違いであり、データの信頼性に疑問を持たれるのではずした方がよい。
資料3について、硝酸性窒素のリスクとしてメトヘモグロビン血症があげられているが、ニトロの発ガン性は定説ではないからあげなかったのか。

(事務局)「硝酸イオン」の方が正しいのであれば修正させていただく。
資料4の14頁の下のグラフについては、濃度を取るのか比率を取るのか迷ったが、報告されてきたデータで結果として合計が全窒素濃度を超えるものがあった。それが測定の誤差なのか採水時のやむを得ない話なのかは不明であるが、削除することとする。
メトヘモグロビン血症とニトロの発ガン性については知見がないということで今回は触れなかった。

(B委員)硝酸性窒素・亜硝酸性窒素について議論するのだが、その前駆物質を主としてアンモニア性窒素までという前提で資料が作成されているようである。前駆物質はアンモニアまでとして論議していくのか、それとも、さらにもっとさかのぼって議論するのかにより議論が変わってくる。
要監視項目での調査なので、全てを測定していないことは承知しているが、例えば、地下水において概況調査、汚染井戸調査、モニタニング調査でかなり違う。このデータは、概況調査の中の値を取ってきているのか、地域性で濃度が高いデータ、例えば、茶畑における濃度等が入っているのか。
東京湾、湖沼などでは全窒素でかなり上乗せ規制がされている。全窒素における地方自治体の上乗せ条例の状況は参考になるのでまとめておいた方がいい。
単独処理浄化槽からの放流水の全窒素濃度は100mg/lを超えないとしているが、単独処理浄化槽は規制の対象にはならないが700万基もあり、水濁法の対象となるような大きなものも残っている。単独処理浄化槽の実態も調査して欲しい。私は排水の全窒素濃度は100〜150mg/lではないかと思う。

(事務局)ターゲットは最終的に、硝酸・亜硝酸性窒素であり、アンモニアからも硝酸・亜硝酸性窒素に変化するし、全窒素系のものも条件により、硝酸・亜硝酸性窒素に変化していく。データとしては、アンモニア性窒素についてのもが豊富にあり、アミノ酸等についてはデータとして提出するまでの知見がなかった。特にアンモニア性窒素までとして整理しているわけではない。
全窒素の上乗せの規制については次回までに整理したい。
単独処理浄化槽についても、入手できる範囲でまとめたい。

(地下水・地盤環境室長)2点目の質問の地下水についてだが、環境基準項目であれば、概況調査、井戸周辺調査、モニタリング調査と行うが、要監視項目については、特にそのように体系的に調査しておらず、自治体に任せて測れるところで測っている。自治体によって、かなり汚染が高くなっている地点を測る場合もあれば、一般的に他の項目と併せて測っている場合もある。
昨年2月に環境基準項目になり、昨年4月から常時監視されているので、その結果がでてくればもう少し全国の状況が分かる。
資料4の12頁の不明「27%」を「48%」に修正願う。

(C委員)地下水の現状はこれだけのデータではわからない。東京都では地域をメッシュに切り、適当に選んで問題があるとその周辺を見るという方法でやっているが、どこの県でもそういったやり方か。

(地下水・地盤環境室長)環境庁が示している基本的な方法としては、メッシュを切り、その中のある井戸を測定して次の年はそのとなりを測定するというような形で汚染箇所を探していくものである。

(C委員)農業地帯についてもメッシュが係るところは入ってくるのか。

(地下水・地盤環境室長)入っている。

(D委員)排水規制がどれだけ効果的にできるかというのが重要な問題である。そういった観点から資料を見ると、汚染による影響ということであれば、飲用水としての水質または水源の水質をどう保全するかが硝酸性、亜硝酸性窒素の中で一番大きな問題である。
(資料3の2頁)3の内外における基準等の設定だが、水道原水とそれに絡んだものをどうやっていくか、特に海外の規制が例としてあがっているが、硝酸・亜硝酸の問題が富栄養化対策以外の理由として有害物質対策として規制されている現状があるのか。
(資料3の2頁の4)わが国の汚染の現状のところで、窒素に関しては全窒素として既に規制がかかっている。こういった規制の効率化、合理的にどのように運ぶかということを考えると、現在の規制がどれだけの効果を持って環境保全に対して働いているかを見る必要がある。今の閉鎖性地域にかかっている規制というのがこれからの議論のとっかかりになる。現在の汚染の状況等の放流水のデータだが、閉鎖性水域に関するデータとそれ以外のデータを分けて示していただきたい。そして閉鎖性水域に関して特定の汚染源等が推定されているとすれば具体的な対策も含めて整理すれば、これからの議論に有用である。

(C委員)海外での環境基準としての窒素が問題となっている事例はあるのか。

(水質規制課長)調べ切れていない面もあるが、飲料水のガイドラインがあれば、それを達成・維持するための環境行政がどの国でもあるはずである。今日示した中でもEUについては(資料4)9頁にある指令の中で地下水の脆弱地域を設定するときのメルクマールが50mg/lであり、これはEUの飲料水基準と合致している。水産生物を守るためのガイドラインと環境保全上のガイドラインと二本立てである国はあまりないという話もあった。わが国ではそれが何本にも分かれているが、それは相互に整合を持っており、単に飲料水のガイドラインだけで、タップウォーターだけ守ればいいんだという出口規制だけだということではなく、水道水源の保全ということも含めて、もう少し調べたい。

(地下水・地盤環境室長)EU指令について補足すれば、脆弱地域を各国が指定するが、メルクマールは、表流水が50mg/lを超えているかどうか、地下水が50mg/lを超えているかどうかということがあるが、もう一つ、対策を講じなければ自然湖沼等が富栄養化する恐れがあるかどうかという観点も指針の中に含まれている。

(C委員) 総量規制の関連と硝酸・亜硝酸性窒素の規制の関係はどうか。

(水質規制課長)アンモニアの議論もそうだが、事務局としては、先生方の意見を賜りながら一番いい考え方、合理的な考え方について議論していただきたいと思っている。相互の関わりというものについて、化学的に、合理的に整理できる論理というものを作っていきたい。先生方の知恵を借りたい。

(C委員)窒素は下水道で処理できるという資料があったが、従来の有害物質はどちらかというと重金属に代表される生物分解しないで蓄積することが問題であり、それを前提としたのがこれまでの規制の仕方、基準の決め方である。ところが、窒素は形を変えると同時に窒素ガスに戻ればよいということがある。そういうこともあり、決め方が難しい。いろいろな基本的な考え方を出しながら考えていかないといけない。環境基準を決めて、規制値がその10倍ということではあまりにも単純すぎてそのようには決められないのではないか。規制の方法も水道水源だけなのか、また、環境基準と排水規制と水道水源との仕分けも重要になってくる。窒素から他の項目に跳ね返ってくることも考えられる。

(E委員)地下水の環境基準を作ったときから疑問であったが、地下水の状況は完全に把握できていない。先程、話にも出たようにモニタリングにしてみても、もぐらたたきのようなところがある。公共用水域のように広いところであれば適当に取ってそれでいいが、地下水の場合はあるポイントが他につながっている保証はないし、また逆につながってないとも言えない。地下水の挙動についての全国的なデータがないところで環境基準を決めたが、環境基準は政策目標ですから飲料水にするところもあるからしょうがないが、具体的に規制の話に入ってくると影響するところは大きく、規制をする意味のないところに規制をかけるのもおかしいということになる。従来は工場のようなところを押さえればだいたい上手くいくと確信をもってやってきたが、今回はまるっきり違うところに原因があり、経済的手法のようなものを考える必要もある。事務局も在来型の規制の手法ではダメだというのは良く解っていると思うので、伝統的な思考法の中でタブー化されてきたもの、例えば、ゾーンニングみたいな考え方もあるのではないか。

(D委員)表流水のデータに関して、規制のかかっているエリアとそうでないエリアの仕分けをした整理をしていただきたい。

(事務局)資料4の13、14頁ぐらいしか対応できないと思う。既存の文献から引用しているものについては加工しかねる。13、14頁については、閉鎖性水域に流入する場合とそれ以外に係る場合と整理を考えさせていただきたい。
「今後の対策のあり方について」

(事務局)(資料3.6について説明)

(C委員)対策のあり方を考えながら、規制のあり方を考えるのが本委員会である。農業用水も一方では窒素を制限しなければならないが、また一方では発生源でもある。農業の中でも被害者と発生源とが混在している。複雑な関係を持っていると思う。

(B委員)環境基準が既に10mg/lとなっていて、規制値が10mg/l以下にはならないであろう。処理技術を見れば、例えば10mg/lというのは、業種によっては大変なところもあるが、まあまあ大体対応できる。一方、心配なのは、窒素の総量規制の基準を作らなければならないこと。湖沼、海の時もそうだが、窒素の処理技術や対策というのは、環境庁には知見や情報が集積されている。総量規制もある訳で、仕組みをどうするかを中心に考えるべきである。

(D委員)総量規制の中で業種によってはかなり難しいものがある。総量規制に関連して処理技術や現状を洗い出すことでこの委員会での規制をどうするかということが、かなり具体的に議論できると思う。
今の話は表流水に対しての事業場の問題として議論であるが、今の窒素の中心的な問題は水道水源になっている地下水の保全である。そこに具体的な環境状態を良くする方法がない状態のまま、表流水だけ規制してしまうというような結果になると、これまでの全体の規制に対する信頼の議論が出てくるのでのはないか。いつまでたっても数字が変わらないままどんどん特定の事業場の規制が強化されていくようなことになるとまずい。社会としての投資効率をどう合理的にするか、それが結果として水質の環境保全にどうつなげていくかということの筋道をたてた議論が必要かと思う。例えば、ジクロロメタンの水質規制の話で大気の方に関してはPRTRに絡んでの話があるということで規制の話は出ていないということだが、そういうような他のシステムを組み合わせたやり方というのを一つのシステムとして考え、これから規制物質が増えていくなかでそういうやり方も同時に考えていくことも有効かと思う。

(地下水・地盤環境室長)総量規制に関する今後のスケジュール等だが、先般、第5次水質総量規制においては窒素・燐を指定項目としてすべきと答申されたが、新たに総量規制基準等専門委員会を発足させ、第1回を3月か4月に開催すべく準備中である。その中で、従来のCODであれば、230数業種ごとに処理技術、処理水質の実態、あるいはポスト的な分析を行って基準を見直していくが、窒素・燐についても同じような作業を予定している。全体の基準が、秋から冬にかけて検討が終わるように準備を進めており、5月以降、具体的にどの業種がどのような実態になっているかという資料を示して総量規制基準を個別具体的に決めていく。従来より窒素・燐については、排水規制、湖沼ならびに閉鎖性海域についても順次実証されてきており、その段階で暫定基準と暫定業種ということでかなり厳密な分析も行いながら進めてきているのでデータの蓄積はかなりある。データがない業種については追加調査をすることも考えており、この委員会でも参考にしていただきたい。

(E委員)ジクロロメタンの報告の中にでてきている大気の説明は大防法の有害化学物質規制に係るもので罰則は決めず規制ということだけ決めて自主的にやってもらい、5年たって効果がなければその段階であらためて対策するというものであり、PRTRとは関係ない。

(F委員) 議論の枠組みをどうするかが大きな問題になると思うが、現行水濁法を前提として考えるのが現実的である。本来、本委員会及び中央環境審議会は行政とは立場を異にするので、自由に考えていいのだが、予算も人も制限があり、その中でいかに制度を運用するかということも視野に入れて考えるべきである。因果関係がはっきりしないから措置を講じないという考え方を取るべきではないということには賛成するが、ノンポイントのウェイトがどのくらいあるかについては規制措置を講じる際には考えておかなければならない。となれば、現実的には、水道水源を重視して考えるべきである。窒素の問題では、畜産を含めた農業が大きなウエイトを占めるが、環境行政の部局の蓄積、人、予算でノンポイントの排出源について、論理的、技術的には可能だと思うが、実際行政としてそれをやれるかについては疑問である。農林水産省がやると言っているから一時的にはそれを尊重すべきではないか。環境庁としては、水道水源を念頭において議論を絞っていった方が話が具体的になり説得力も出てくる。アメリカから3000万tも穀物を輸入している。仮に、これを止めるとなると畜産の立場だけでなく国際経済上大問題になってしまい、そのようなことが現実化されるはずがない。議論を絞り、制度を運用していく必要がある。

(G委員)説明を聞いて、窒素の規制強化は必要だという気がしている。廃棄物の方では埋め立て処分場のすそ切りを1000m3、3000m3をなくし、全ての処分場に規制をかける。焼却炉についても200kg/hを50kg/hにし、比較的規模が小さいが濃度が桁違いに高いということがあるのではと心配されるものを対象にしてきている。特定施設のすそ切りを検討するのが非常に重要である。最終的に廃棄物になった時に適正な処理ということで有効利用、リサイクルが非常に大事であるということで取り組まれているが、ふん尿が施肥として使用される、また、ゴミをコンポストにして農地に使用される。このようなことがいいことだとやっているが、それが悪い原因となっているならば品質の点、あるいはトータルの施工の量の規制等が要求されるし、それが厳しくなれば埋め立ての方にくるので、本日の資料に追加して埋め立て処分場の排水のデータも準備していただきたい。そういう意味でトータル的な管理がますます要求される。

(事務局) 水道水源の水質保全が大きなわかり易いテーマであることは間違いない。しかし、環境基準が既に設定された以上、環境基本法に定められているとおり、政府としては公害の防止をすべく有効適切に措置を講じることによって環境基準の達成に努めなければならない。
地下水の問題が非常に顕著であり、対策の講じ方は必ずしも規制だけではないという意見があると思うが、公共用水域にも人為的な発生源が存在しているということ、既に常時監視を行っており、やはり人為的な発生源によって環境基準を超過しそうなところが何点かある。それに対して、規制という手段がいいのか、あるいは自主的な取り組みがいいのか、今後議論していただきたい。
資料4、56頁の1の各務原の例であるが、非常にヒントになるものが書いてある。水道水源を確保しようとして調査したら、汚染が見つかり対策を講じたものである。
廃棄物のデータについては入手できる範囲で準備させていただく。

(H委員)もぐらたたきは如何なものかという議論があったが、少なくとももぐらとして表に出てきたものは必ず叩かなければならない。そういう意味では硝酸性窒素の地下水汚染という形でも悪い状態へどんどん来ているというのは早急に対策をたてなければいけない。
硝酸性窒素の問題というのは人の健康だけでなく、広範囲な環境汚染の問題であり、いろんな戦略的な取り組みが既にされており、これからも強化されなければならない状況にあるが、規制を受ける側は、一次産業や二次産業であるが、既にある産業から抵抗は起こる。これからの日本の産業は第三次産業に移行していくと考えられるので、その過程で既存の産業にも負担をいただくということは避けられない。非常に単純な例だが、美しかった瀬戸内海が見る影もないような環境になってしまっているということがいったいなんであったのかということを考えたときにこの種の問題は答えが出てくるという感想である。

(I委員)農業は有機物資源の規制という話で、例えば公共下水道は自治体がお金を出して運転している。農業の場合困るのは個人経営でやっているため、最も重要なのは、ランニングコストを相当安くしておかないと農家が電源を切ってしまえばいかにいい施設を作ってもただの溜め池になってしまい、現にそういう事実もある。全面的にやろうというのはかなり難しい訳で今扱おうとしているのは地下に浸透していく分の窒素と汚水や糞ででてくるもの。それからヨーロッパでやっているが、アンモニアエミッション、日本は幸い酸性雨の原因で騒がれず臭いの方でやられているが、ヨーロッパはアンモニアが飛ぶと酸性雨の原因になると大問題になっている。空中へ出る窒素と、それもいずれ地面に降りてきて地下水になる、地下にダイレクトに行くもの、表面と三つの方向でどうなるかという研究を行っているが、そのうち最も簡単なのは、地下に入らないように板の上に糞を置いたり、糞はそれなりに発酵させてそのとき窒素はとぶが、土壌還元を行い、有機物で還元しないと中の微生物が働かないため上手く行かない。窒素サイクルというものを念頭に置いて規制と対策を考えていくのがいいのではないか。

(A委員)農業面源の対策についてはそれほど心配していない。紹介のあった各務原式のインプットの方を制限していくことで、ヨーロッパと同様に、ある程度はいけるが、残るところもある。先程お茶の施肥基準が1haあたり500kgだという話でしたが、ヨーロッパでは100kg台で問題にしているのに500kgではとんでもない話でそういうところはどうしても残ってしまう。それについては技術的な対応は可能だと思うがコストがかかってしまう。それについては硝酸脆弱地域のゾーンニングと政策的な支援と両面から行えば可能であろう。

(C委員)この委員会では、規制をかけると日米貿易摩擦まで跳ね返るということまでは考えないでいきたい。日本の環境を良くするというレベルで考えないと話が行き過ぎてしまう。環境基準が決まっているという現状で国民的な心配に対しどう対応するか。いろいろな活動が規制を受け入れてくれないと困るということだと思うが、そういう範囲の中で議論していただいて具体的で最もリーズナブルな状況が出てくればいい。

(F委員)戦略的な対策の重点を絞る必要がある。実際の行政で実行できないとなれば困る。そういうことを念頭に置いて議論すべきである。

(D委員)環境基準が決まったから自動的に排水基準を定めるというのはあまりにも形式的な議論ではないか。それをある程度外すということまで含めて全体を見直す方向は考えておく必要はある。

(水質規制課長)今回ご議論いただいている物質は有害物質であるということで、対策が適うか適わないかということを環境保全上のリスクマネージメントとして安心できる範囲において対策が適うか適わないかということをご議論いただかなければいけない。リスクを放置したまま対策が不可能だからという意味で委員の方々が言っている訳ではないと思う。水濁法をベースにするという意見は排水規制についてのことなのか確認したい。地下水汚染の状況を考えたときに水濁法で対処できないからギブアップだというような結論になると困る。全体としてリスクマネージメントの考え方の下に地下水対策に対して有効な手段というものをトータルに示していただき、それに基づいて私どもが適切なリスクマネージメントのための施策を具体化していくことを考えている。水濁法の枠組みの中だけというつもりもない。それは農水省にいきなりお願いするという以前に環境行政の中での方針を決めていく必要があるということも併せてご議論いただきたい。

(C委員)従来とは違う枠組みの中で考える必要があり、影響が非常に大きいため、時間もかかるかとは思うが、議論が煮詰まらないという理由で残しておく訳にはいかない問題である。

議事.4「その他」
(事務局)次回の専門委員会は3月30日(木)14:00〜17:00 環境庁第1会議室を予定している。委員の先生方には正式な開催通知を追って郵送する。