過去の議事録

中央環境審議会大気・交通公害合同部会
第12回自動車排出ガス総合対策小委員会


1.日  時   平成12年10月2日(月)10:00〜12:00

2.場  所   新霞ケ関ビル5F第4会議室

3 出席者

(委員長)岡 田 清
(委  員)伊 藤 桂 子   太 田 勝 敏
香 川 順   河 野 通 方
越    正 穀   猿 田 勝 美
大 聖 泰 弘   永 田 勝 也
松 下 秀 鶴
(五十音順)
(事務局)大気保全局長   自動車環境対策第一課長
自動車環境対策第二課長 他
 

4 議 事

(1)今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第四次報告)(案)
(2)現行総量削減計画における削減目標量等の算定手法・対策効果等の分析
(3)特定地域の選定方法について(その2)
(4)自動車メーカーにおける低排出ガス車の製造・販売を通じた自動車排出ガス抑制対策の効果等の試算結果について
(5)事業者における自動車排出ガス抑制対策の強化の効果等の試算結果について
(6)その他

5.配 付 資 料

資料1  自動車排出ガス総合対策小委員会委員名簿
資料2今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第四次報告)(案)
資料3現行総量削減計画における削減目標量等の算定手法・対策効果等の分析
資料4特定地域の選定方法について(その2)
資料5自動車メーカーにおける低排出ガス車の製造・販売を通じた自動車排出ガス抑制対策の効果等の試算結果について
資料6事業者における自動車排出ガス抑制対策の強化の効果等の試算結果について
資料7自動車排出ガス総合対策審議スケジュール(案)
資料8第8回自動車排出ガス総合対策小委員会議事録
資料9第9回自動車排出ガス総合対策小委員会議事録(案)
委員限り
 

【自動車一課補佐】 それでは定刻となりましたので、第12回の大気・交通公害合同部会、自動車排出ガス総合対策小委員会を開催させていただきたいと思います。
 本日は、小委員会の委員の12名のうち、10名の出席が予定されておりまして、既に皆様ご着席でございます。既に会議の開催要件を満たしております。
 会議に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。議事次第1枚ものがございます。その次に資料一覧がございますので、それを見ながら確認していただきたいと思います。資料の1が、委員名簿でございます。資料の2が、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方についての第四次報告の案でございます。資料の3は、現行総量削減計画における削減目標量等の算定手法・対策効果等の分析でございます。資料の4は、特定地域の選定方法について(その2)でございます。資料の5は、自動車メーカーにおける低排出ガス車の製造・販売を通じた自動車排出ガス抑制対策の効果等の試算結果についてでございます。資料の6は、事業者における自動車排出ガス抑制対策の強化の効果等の試算結果についてでございます。資料の7は、自動車排出ガス総合対策審議スケジュールの案でございます。資料の8は、第8回自動車排出ガス総合対策小委員会の議事録でございます。資料の9は、第9回自動車排出ガス総合対策小委員会議事録の案を委員の方々のみお配りしておりますけれども、これにつきましては何かご意見等ございましたら、10月10日までに事務局まで連絡をいただきたいと思います。資料は以上でございます。
 それでは、議事は岡田委員長にお願いいたします。

【岡田委員長】 本日は、大変お忙しいところをお集まりをいただきまして、どうもありがとうございます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
 早速ですが議事の1でございます。今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について第四次報告の案についてから入りたいと思います。事務局の方からご説明をお願いいたします。

【自動車二課長】 それでは、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方についての第四次報告の案について説明させていただきます。
 平成8年5月21目付け諮問第31号で諮問のあった「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」に関しては、平成8年10月18日に有害大気汚染物質対策の観点から早急に実施すべき対策についての中間答申、平成9年11月21日にガソリン又は液化石油ガス(以下「LPG」という。)を燃料とする自動車(以下「ガソリン・LPG自動車」という。)及び特殊自動車(道路運送軍両法に規定する大型特殊自動車及び小型特殊自動車をいう。以下同じ。)の排出ガス低減対策を内容とする第二次答申、及び平成10年12月14目に[1]軽油を燃料とする自動車(以下「ディーゼル自動車」という。)から排出される窒素酸化物、粒子状物質に重点をおいて平成14年(2002年)から16年(2004年)にかけて低減(以下「ディーゼル新短期目標」という。)し、平成19年(2007年)頃を目途に更に2分の1程度に低減(以下「ディーゼル新長期目標」という。)し、[2]ガソリンを燃料とする自動車(以下「ガソリン自動車」という。)の燃料蒸発ガス低減に係る試験燃料の蒸発性を定めた等を内容とする第三次答申を行ったところであるが、今般自動車排出ガス専門委員会において自動車排出ガス低減対策のあり万全般について検討した結果、別添の自動車排出ガス専門委員会第四次報告がとりまとめられました。
 本部会においては、上記第四次報告を受理し、審議した結果、今後の自動車排出ガス低減対策を的確に推進するためには、自動車排出ガス専門委員会第四次報告を採用し、[1]第三次答申で提言されたディーゼル自動車の新長期目標について達成時期を可能な限り早め併せて軽油中の硫黄分を低減し、[2]第二次答申で提言された特殊自動車の排出ガス低減目標についてディーゼル黒煙も含め達成時期を可能な限り早めるとともに、引き続き自動車排出ガス低減対策のあり万全般について検討することが適当であるとの結論を得ました。
 よって、本部会は次のとおり報告します。
 1.ディーゼル自動車の排出ガス低減対策
 (1)ディーゼル新長期目標の早期達成
 [1]達成時期等
 第三次答申において平成19年(2007年)頃を目途に達成することとされたディーゼル新長期目標については、新しい排気気後処理装置の開発が急速に進んでいることから、設計、開発、生産準備等を効率的に行うことにより、平成17年(2005年)までに達成を図ることが適当であります。
 その際、短期間にディーゼル新短期目標、ディーゼル新長期目標への対応が必要なこと及び同時期にガソリン・LPG自動車の排出ガス規制強化も予定されていることから、一時期に工数が急激に増加することに伴う負担増及び認証の集中が予想され、また、新しい排出ガス試験方法が定められる場合には、その対応への準備期間が必要なことから、規制への対応が円滑に進められるよう配慮が必要であります。
 第三次答申においてディーゼル新短期目標の2分の1程度とされたディーゼル新長期目標の具体的な値については、今後の技術開発の動向を踏まえ、現行の排出ガス試験方法を見直す場合にはそれを基に、平成13年度(2001年度)末を目途に決定することが適当であります。その際には、ディーゼル排気微粒子(DEP)のリスク評価の結果を踏まえ、粒子状物質(PM)を新短期目標の2分の1程度よりも更に低減した目標値とすることについて検討する必要があります。
 なお、(社)日本自動車工業会が実施を表明しているPMの排気量をディーゼル新長期目標レベルに低減した自動車の自主的な市場供給については、その効果が十分得られるよう適切に実施することが望まれます。
 [2]排出ガス試験方法の見直し
 排出ガス試験方法については、走行実態調査など所要の調査を行い、その結果を踏まえ、試験方法の見直しについて必要性も含め早急に検討する。その際には、我が国の大都市地域の走行実態が十分反映されるよう配慮する必要があります。なお、大型車の排出ガス試験方法の国際基準調和活動が国際的に進行していることに鑑み、我が国の環境保全上支障がない範囲において、可能な限り国際調和を図ることが干要であります。
 試験方法の見直しに当たっては、コールドスタート時の排出ガス低減を適切に行うための測定方法について調査研究を進め、特に、大型車にあっては過渡運転の試験方法(いわゆる「トランジェントモード」)の導入及びその場合の粒子状物質の計測法について導入を検討することが重要であります。また、非メタン炭化水素又は非メタン有機ガス(非メタン炭化水素にケトン、アルデヒド等の含酸素有機合物を加えたもの)による規制の導入についてその必要性も含めて検討することが適当である。また、併せて、黒煙の測定法及び黒煙規制のあり方についても検討することが必要であります。
 (2)燃料品質対策
 [1]許容限度設定目標値
 ディーゼル新長期目標達成のために有望な排気後処理装置を十分に機能させるためには軽油中の硫黄分の低減が必要でありますが、現状では0.005質量%(以下「50ppm」と表記する)レベルが技術的な限界であるため、当面、軽油中の硫黄分の許容限度設定目標値を50ppmとすることが適当であります。
 なお、硫酸塩(サルフェート)の低減に加え、有望な排気後処理装置の一つである窒素酸化物還元触媒がその機能を十分に発揮するために、将来的にはそれ以上の低硫黄化が望まれます。併せて、軽油中の硫黄分に被毒されにくい触媒の開発も望まれます。また、芳香族含有率や蒸留性状等その他の燃料性状についても、その定量的な排出ガス低減効果について一層の研究が必要であります。[2]達成時期等軽油中の硫黄分を50ppmとする許容限度設定目標値については、燃料生産者において設備設計及び改造工事等を効率的に行うことにより、平成16年(2004年)末までに達成を図ることが適当であります。
 なお、石油連盟が実施を表明しているPMの排出量をディーゼル新長期目標レベルに低減した自動車の市場供給にあわせた低硫黄軽油の自主的な部分供給については、その効果が十分に得られるよう適切に供給体制が整備されるとともに、可能な範囲で市場の軽油の硫黄分の実勢が低減されることが望まれます。
 2.ディーゼル特殊自動車の排出ガス低減対策
 (1)排出ガス低減目標の早期達成
 第二次答申において平成16年(2004年)までに達成することとされたディーゼル特殊自動車の排出ガス低減目標については、達成できる技術の実用化が早期に期待できることから、排出ガス計測施設の整備等に加え、設計、開発、生産準備等を効率的に行うことにより、平成15年(2003年)までに達成を図ることが適当であります。
 なお、エンジンベースでの排出ガス試験方法による特殊自動車排出ガス規制の導入に当たっては、既存の制度に配慮しつつ、エンジン製作者が申請できるエンジン認定制度を早急に創設することが望まれます。また、認証の集中が予想されること等から、規制への対応が円滑に進められるよう配慮が必要であります。
 (2)ディーゼル黒煙対策[1]排出ガス試験方法
 PMのうちディーゼル黒煙の排出ガス試験方法については、当面、平成15年(2003年)の排出ガス低減目標の達成に併せて、建設省直轄工事における排出ガス対策型建設機械の取扱いに係る認定のための黒煙測定方法であるJCMAST−004を採用することが適当であります。
 なお、今後黒煙測定方法に係る国際動向を見極めていくとともに、一般のディーゼル自動車の黒煙測定方法の検討と併せて適切な試験方法について引き続き検討する必要があります。
 [2]当面の許容限度設定目標値及び達成時期
 ディーゼル特殊自動車から排出される黒煙の許容限度設定目標値については40%とし、平成15年(2003年)の規制導入に併せて、この目標値の達成を図ることが適当であります。
 なお、上記許容限度設定目標値は当面の低減目標であり、今後とも排出ガス低減技術の開発状況等を見極めつつ、適宜排出ガス低減目標を見直すことが必要であります。
 3.今後の自動車排出ガス低減対策の考え方
 (1)今後の検討課題
 本部会においては、3.及び4.で示した検討課題を含め、以下の事項について引き続き検討することとしています。
 [1]ディーゼル新長期目標
 ディーゼル新短期目標に基づく規制への対応状況、技術開発の進展の可能性、各種試験結果及び対策の効果を見極め、具体的な目標値等について可能な限り早期に設定する。その際、DEPのリスク評価を踏まえ、PMをより重視した目標値とすることについても併せて検討する。目標値は排出ガス試験方法が見直される場合にはそれに基づき設定することとし、また、コールドスタート時の排出ガス低減についても検討します。さらに、排気後処理装置の性能劣化を監視する高度なOBDシステムについて、導入の必要性を検討する。
 [2]ガソリン新長期目標
 第二次答申に基づき平成12年(2001年)から14年(2002年)にかけて実施される規制への対応状況、技術開発の進展の可能性、各種試験結果及び対策の効果を見極め、具体的な目標値、達成時期等について可能な限り早期に設定する。燃料・潤滑油品質については、国、自動車製作者、燃料生産者等がそれぞれ協力して自動車の排出ガス対策技術の改善と燃料品質の改善の種々の組合せによる排出ガス低減効果についての研究を推進し、その結果を踏まえて、ガソリン新長期目標の達成に必要な燃料・潤滑油品質対策のあり方を検討する。その際、目標値は、試験方法が見直される場合にはそれに基づき設定することとし、また、燃料蒸発ガス試験方法の改定についても検討します。
 [3]ディーゼル自動車及びガソリン・LPG自動車の排出ガス試験方法
 走行実態調査など所要の調査を行い、その結果を踏まえ、試験方法の見直しについて必要性も含め可能な限り早期に検討します。
 [4]ディーゼル自動車
 ディーゼル新長期目標に基づく規制への対応状況、技術開発の進展の可能性及び各種対策の効果を見極め、必要に応じて新たな低減目標について検討します。その際、燃料・潤滑油品質については、国、自動車製作者、燃料生産者等がそれぞれ協力して自動車の排出ガス対策技術の改善と燃料品質の改善の種々の組合せによる排出ガス低減効果についての研究を推進し、その結果を踏まえて、新たな低減目標の達成に必要な燃料・潤滑油品質対策のあり方を検討します。
 [5]二輪車
 中間答申に基づき実施された規制への対応状況、技術開発の進展の可能性及び各種対策の効果を見極め、必要に応じて新たな低減目標について検討します。その際、燃料蒸発ガス規制の導入及びコールドスタート要件の見直し等を含め検討します。
 [6]ディーゼル特殊自動車のうち定格出力が19kw以上560kw未満のもの
 本報告に基づき実施される規制への対応状況、技術開発の進展の可能性及び各種対策の効果を見極め、諸外国の動向にも留意しつつ、必要に応じて新たな低減目標について検討します。
 [7]ディーゼル特殊自動車のうち現在排出ガス低減目標が設定されていない定格出力が19kW未満のもの及び560kW以上のもの並びにガソリン・LPGを燃料とする特殊自動車について、大気汚染状況、排出寄与率の推移、排出ガス低減技術の開発状況等を見極めつつ、必要に応じて排出ガス規制の導入について検討します。
 なお、以上の課題についての検討及び対策の実施に当たっては、第三次答申で示されたとおり、自動車が国際的に流通する商品であって排出ガス低減対策にも内外で共通の要素が多いことに鑑み、我が国の環境保全上支障がない範囲において、可能な限り基準等の国際調和を図ることが肝要である。
 (2)関連の諸施策等ですが、本報告で示した対策と相補う施策として、自動車排出ガス総合対策の推進等、以下の関連諸施策が今後行われることが望まれる。
 (自動車排出ガス総合対策の推進)自動車排出ガス総合対策については、大気・交通公害合同部会での審議を踏まえ、平成12年(2000年)内にとりまとめられる中央環境審議会答申を基に実効性のある対策を総合的、計画的に講じていく必要があります。具体的には、平成4年(1992年)に公布された「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(いわゆる自動車NOx法)を改正し、PMを法対象に加えるとともに、車種規制の強化、事業者に係る自動車排出ガス抑制対策の充実、低公害車等の普及促進等の施策を総合的に推進する必要があります。
 (低公害車等の普及促進)低公害車については、既存の諸施策を引き続き推進するとともに、低公害章の普及促進に向けた社会環境づくりを推進する必要があります。また、平成12年(2000年)3月にトラック・バスのうち車両総重量3,500kg超えのものについて、第三次答申に基づき、「低公害車等排出ガス技術指針」を改定し対象としたところであり、同指針を踏まえ、より排出ガスの少ない自動車の普及促進を図る必要があります。
 (使用過程車の排出ガス低減対策)ディーゼル自動車の使用過程車対策については、「ディーゼル車対策技術評価検討会」の中間とりまとめに示された提言を実現するため、具体的な政策手法について早急に検討する必要があります。
 第二次答申及び第三次答申で示されたとおり、ガソリン・LPG自動車ディーゼル自動車等の使用過程車全般については、今後とも、点検・整備の励行、道路運送車両法に基づく自動車の検査(いわゆる「車検」)及び街頭での指導取締まり(いわゆる「街頭検査」)時における排出ガス低減装置の機能確認等により、使用過程において良好な排出ガス性能を維持させることが重要であります。
 また、通常の使用過程において排出ガス低減装置の性能維持の状況を把握するため、抜取り検査(サーベイランス)の導入等の方策について、必要性も含め検討することが望ましい。
 (関係業界の自主的な取組)(社)日本自動車工業会及び石油連盟は平成15年(2003年)から16年(2004年)にかけて、PMの排出量をディーゼル新長期目標レベルに低減した自動車の販売を開始し、これにあわせて、低硫黄軽油の部分供給を開始することを表明しており、この取組が着実に実施されることが強く望まれます。
 (コスト負担等)今回の報告に基づき排出ガス低減対策を推進していく過程では、車両価格、燃料価格、エンジン耐久性、燃費及び維持費等への影響が考えられますが、これらは自動車の利用に係る費用として自動車・燃料の生産者、使用者等のそれぞれが応分に負担する必要があります。
 なお、最新規制適合車への代替や燃料品質改善を円滑に推進するためには、金融・税制面等における配慮も必要であります。
 (未規制排出源の排出実態調査及び対策)各種未規制の排出源について排出実態の調査及び対策の必要性の検討を進めるとともに、対策実施のための制度のあり方について検討する必要があります。
 (地球温暖化対策等)自動車単体に係る環境対策として、低排出ガス技術と低燃費技術とが両立する方向への技術開発が必要であります。
 また、自動車から排出される温室効果ガスのうち、二酸化炭素以外のメタン及び一酸化窒素について、今後、排出実態の把握及び生成メカニズムの解明を行うほか、窒素酸化物、炭化水素等と併せて排出低減技術等について調査研究し、排出抑制を図ることが強く望まれます。
 (有害大気汚染物質対策)各種発生源からの有害化学物質の環境中への排出量を総体として把握するため、自動車から排出される有害大気汚染物質についても、測定法の開発及び測定精度の向上を図り、データを蓄積して排出原単位の整備を進めることにより、自動車からの排出量把握のための基盤を整備するとともに得られた情報を基に必要な施策を講じることが望まれます。
 その際、エンジン燃焼技術、触媒等の排気後処理技術、燃料・潤滑油品質等が自動車からの有害大気汚染物質の排出量に及ぼす影響についても併せて把握するよう努めることが必要であります。
 (効果予測・効果測走の充実)単体対策や総合的な排出ガス対策の進展に伴い、これらの対策の効果を的確に予測し、また、精度の良いモニタリングによる効果測定を行うことが、必要な施策を企画・実施していく上で、一層重要になります。このため、大気質改善に対する各対策の効果・予測手法の開発、沿道等での対策効果の把握体制の整備等が望まれます。
 以上です

【岡田委員長】 はい、どうもありがとうございました。ただいまの説明につきましては、何かご質問などありましたら。
 続きまして、今度は議事の2の現行総量削減計画における削減目標等の算定手法・対策効果等の分析について、の説明をお願いいたします。

【自動車一課補佐】 それでは、資料3について説明させていただきます。
 現行総量削減計画における削減目標量等の算定手法・対策効果等の分析についてですが、まず現行削減目標量等の算定手法の分析ですが、1.現行法策定時における削減目標量等の算定経緯等であります。
 現行自動車NOx法策定時においては、まず制度の枠組み等を検討するために、国において6都府県一律の方法で削減目標量等の検討を行いました。その後、特定地域の範囲が確定した後に、各自治体において、再度、地域独自の情報等も含めてさらに詳細な算定を行っています。
 自動車NOx法の改正に向けた現在の検討作業においては、前回と同様に窒素酸化物総量規制マニュアル(環境庁)」の手法を用い、全自治体一律の方法で、現状基準年度(平成9年度)における最新データを用いて分析を行っている。したがって、現行計画における削減目標量等の算定よりも実態に近い数値を用いている面があり、その結果を踏まえて、現行総量削減計画における削減目標量の算定手法等の分析を行ったところ、以下のようなことが示されました。
 なお、新たな総量削減計画を策定する際には、各地域の実情等も踏まえ、各自治体において、さらに詳細に基準年度の排出量や削減目標量等の算定を行う必要があります。
 次に、2.自動車NOx排出量の算定方法でありますが、現行の削減目標量算定の基礎となる基準年度(平成2年度)の自動車NOx排出量の算定は、基本的に図1に示した方法によって行っています。
 ここに示されたように、自動車NOx排出量は、道路区間別・車種別交通量と道路区間別・車種別排出係数をそれぞれ求め、これを掛け合わせることにより推計しています。
 [1]道路区間別・車種別交通量の設定ですが、「道路区間別・車種別交通量」、対象年次の「道路交通センサス一般交通量調査」(建設省)における調査結果を用いています。
 [2]車種別排出係数の設定ですが、車種別排出係数は、あらかじめ調査・整理した「車種別・規制年別排出係数(走行速度の関数。貨物車等については単位重量当たりの排出係数)」に、貨物車等については車種別の「走行時車両重量」を乗じ、これを「車種別・規制年別構成率」で加重平均することによって、走行速度の関数式として求めます。
 このうち、「車種別・規制年別排出係数」は、それぞれの規制年ごとの各車種について、実測値のあるものは実測値を用い、そうでないものは規制値等を用いて推計しております。現行の総量削減計画の策定時には、当時における最善の方法とデータを基にこの排出係数を算定していましたが、それ以降、いくつかの車種で新たな実測値が得られているので、現在行っている試算においては、これらの値を含めて排出係数を見直しています。その結果、新たな実測値が得られた車種のうち、53年規制ガソリン乗用車の一部については、以前の設定値との大きな違いが明らかとなりました。すなわち、昭和61年頃から普及した53年規制適合ガソリン乗用車は、電子燃料噴射装置(EFI)と三元触媒(3W)を併用して、大幅に排出ガス性能を向上させており、表1に示したように、車送別に見ると53年規制車のおよそ15〜73%程度、代表的な走行速度(30km/h)では約1/3強のNOx排出量となっています。
 また、貨物車等の「走行時車両重量」は、自動車登録情報等から推計しています。
 さらに、「車種別・規制年別構成率」については、その推定方法にいくつかの種類があり、その方法次第では、最終的な算定結果にも影響があります。現行の総量削減計画では、地域における実態調査の情報等も含めて車種構成比率の値の設定を行っており・当時においては最善の方法で設定されています。(なお、昨年度調査「自動車NOx総量削減方策検討会報告書」(平成12年3月)では、計画策定時と類似のきめ細かい車種構成比率の数値を与えて平成9年度の排出量等を算定したのに対し、現在中環審小委員会での検討のために算定している平成9年度の排出量等は、規制効果等の分析を行うために、6都府県一律の方法で車種構成比率等を与えており、算定結果がやや異なったものとなっています。)
 一方、排出係数の説明変数となっている「道路区間別速度」は、道路状況(車線数)、時間最大交通量、指定最高速度、混雑時の走行速度から交通量と走行速度の関係式を設定し、各時間毎の道路区間別・車種別交通量をこの式に代入することにより求めています。
 3.削減目標量等の検討ですが、上記の分析を踏まえ、ガソリン乗用車の排出係数を見直して、平成2年度のNOx排出量と削減目標量を算定し直した結果は、表2に示すとおりであります。その結果、各自治体において、算定結果に約1千トン〜6千トン程度の違いがあることが明らかとなった。新たな算定結果と平成9年度の自動車NOx排出量を比較すると、いずれの自治体においても、未だ補正後の目標値(4号総量を補正した数値)を達成していないことが示されております。
 また、これを各車種別に見ると表3のとおりとなりました。その結果、乗用車の排出量は、埼玉、千葉、神奈川では平成2年度に比べむしろ増加しており、その他の自治体においてもその排出削減量は他の車種と比べて特に大きいものではなかったことが示されました。
 4.現行総量削減計画における削減目標量等の算定方法の評価と今後の課題ですが、以上見たように、新たな知見に基づいて削減目標量等を見直すと、数値にかなりの違いがでることが明らかとなりました。ただし、排出量と環境濃度レベルとの関係は比例関係(線形関係)にあり、基準年排出量の算定値を見直しても、その割合に応じて削減目標量の算定値も増減するので、基準年排出量と削減目標量との割合は原則として一定に保たれます。したがって、進行管理のために推計する途中年次の排出量も含めて、各排出量の算定方法を同一に保てば、基本的に削減目標量の達成状況や施策の進捗状況等の評価を行う上で支障はないと考えられます。
 よって、新たな基準年度(平成9年度)の排出量、新たな削減目標量、進行管理のための各年度の排出量の算定は、最新の知見に基づくとともに、算定手法を一定に保って実施することが重要であります。
 II.現行計画における車種規制の効果等の分析ですが、次に、平成2年度から9年度までの窒素酸化物排出量の変化に対し、いくつかの因子が及ぼした効果の評価を試みました。ただし、既に述べたように、各自治体において行われた基準年度の排出量や平成9年度の排出量の算定は、それぞれ独自の方法で実施されており、その結果を基に各因子の影響を統一的に評価することは容易ではありません。このため、以下の評価結果は、いずれも大胆な仮定をおいて実施したものであり、大まかな傾向を把握するための試算として捉える必要があります。
 車種規制についてですが、車種規制については、平成9年度現在で、6都府県合計で約6600トンのNOx排出量削減効果があったものと推察されます(図2、表4)。なお、車種規制値を今後強化した場合の対策効果(一本ケースの場合、平成17年度で12100トン、平成22年度で11300トン)は、前回の委員会資料に示したとおり、この数値よりもかなり高めの数値となっており、今後の規制強化においては、これまで以上の排出削減効果が期待できます。
 次に、走行量の伸びですが、走行量の伸びによって、排出量が約1割増加しているものと推察されます。各車種によって走行量の伸びには違いがあるものの、総排出量は、ほぼ総走行量と同等程度の伸び率で増加したと推察されます(図2、表4)。(ただし、この試算では、走行量の変化に伴う車両の走行速度の変化の影響は勘案しておりません。)
 次に、大型化・ディーゼル化ですが、排出量の中で最も多くの割合を占める普通貨物車においては、表5に示すとおり、車両の大型化・ディーゼル化に伴い約4700トンのNOx排出量が増加したと推測され、車種規制等の効果が相当程度減殺されたものと見込まれます。ただし、この数値は走行量を一定として、大型化(平均車両重量の増加)・ディーゼル化がなかったとした場合の試算結果を現況の数値と比較したものであることに留意する必要があります。
 すなわち、仮に車両重量が輸送貨物量の指標となるものとすれぱ、平均車両重量を上げずに同等の貨物輸送量を維持するには、輸送効率に特に変化がなければ、小型の貨物車の走行量を伸ばすことが必要となります。小型貨物車の走行量が増加すればそれだけ排出量も増加すると見込まれるため、ここで試算した結果は大きめの数値となっている可能性もあります。
 以上です。

【岡田委員長】 はい、どうもありがとうございました。ただいまの説明につきましては、何かご質問などありましたら。

【太田委員】 時間帯速度なっているのか。

【自動車一課補佐】 そうです。

【太田委員】 車両重量はどうしているのか。

【自動車一課補佐】 半積載を仮定している。

【岡田委員長】 ほかによろしゅうございますか。
 続きまして、今度は議事の3の特定地域の選定方法について(その2)、の説明をお願いいたします。

【自動車一課補佐】 それでは、資料の4について説明をさせていただきます。
 まず、前回の議論のまとめですが、前回の小委員会においては、特定地域の選定方法として、[1]窒素酸化物に係る地域選定要件を明らかにする。[2]粒子状物質に係る地域選定要件を明らかにする。[3][1]又は[2]の要件を満たす地域を特定地域として定めるという手順案を示させていただいたわけでございますが、4倍以上でないところにつきましても環境基準レベルを超過しているところがあるということを踏まえまして、さらにそれ以下の倍率のところにつきましても、ちゃんと確認をする必要があるのではないかということが1点目でございます。
 もう一つは、粒子状物質につきまして、全く窒素酸化物が独立に分析をしていたわけでございますが、その粒子状物質にかかる要件につきましては、いずれもNOxの排出量にも関係が深いことだということで、これらの地域に関しての二酸化窒素の濃度についての分析というものを行う必要があるのではないかということでございます。
 そうした指摘をいただきましたので、さらに地域の選定要件について分析をし直したものが、ずっと図表から、それから表、個別データということでつけさせていただいておりますが、簡単に申しますと、今まで粒子状物質につきまして4倍以上地域ということで要件を決めていたものを、4倍以上に加えまして、3倍以上のものにつきましても同じような分析を行ったというのが1点目でございます。
 それからもう一点目は、それぞれのものにつきまして、粒子状物質だけではなくて、二酸化窒素の濃度につきましても分析をさせていただいております。これを簡単にまとめたものが、前後して恐縮ですが、4ページの表1、表2というものを見ていただきたいと思います。
 まず、表1から説明させていただきます。表1につきましては、まず、先ほど申しましたように、全国比で各指標の値が4倍を超える地域、それから、3倍を超える地域というものがどういった状況にあるかということでございまして、環境基準レベルを超過している市町村、この環境基準レベルといいますのは、厳密に言いますと環境基準そのものではございませんで、下の注にありますように、過去7年間の、しかも自排局だけのSPMの年間2%除外値の値を市区町村別に整理したもの、平均したものでございまして、この平均した値が環境基準レベルを超えているか超えていないかということで整理したものでございまして、その値で見ますと、環境基準レベルを超過している市町村というものが全体で92ございました。この92のうち、4倍超になるとどれぐらいの補足率になるか、3倍超になるとどれぐらいの補足率となるかということでございまして、見ていただきますと、4倍以上のときには補足率が87%、それぞれの資料で見ると1割に満たない誤差だったわけですが、3つ合わせますと、1割強、13%が環境レベルでは超過しているにもかかわらず補足されてこないということになります。これに対しまして、3倍強にしますと、これが92の88ですから、95%まで上がってまいりまして、かなり補足率が上がってまいります。大まかな言い方をしますと、ここの環境レベルを超過市区町村というところは、このパーセンテージが上がれば上がるほど好ましいということになろうかと思います。これに対しまして、逆に環境基準レベルに満ちていない、要するにそれほど環境濃度が悪くない地域について逆に補足してしまうという地域はどれぐらいに及ぶか、どれぐらいになるかというものを整理したのがこの右の方の欄でございまして、4倍超の地域ですと、まず、そういった市区町村が大体94、全国であったわけでございますが、この94の市区町村のうち、4倍超の指標でありますと、大体25%のところが補足されてしまいます。つまり環境基準が満足しているにもかかわらずカバーされてしまうということでございます。ただし、先ほど言いましたように、全国7年間の平均値で示しておりますから、ぎりぎりのところでセーフのところは、おそれということでありますと、必ずしもこれをゼロにすることが妥当だということではないと思いますが、これがあまりにも上がってきますと、要するに本当に環境濃度として悪くないところも補足されてということになりますから、基本的にはこちらの欄は低い方が望ましいのではないかということでございますが、この欄について見ますと、4倍超のところは、今申しましたように25%、それから3倍超になりますと37%ということでかなり上がってくるということで、これをそれぞれどういうふうに考えるかというところが1つの論点だろうと思います。
 それから次に同じようなことで、今度はNO2について見させていただいたのが下の表でございまして、当時2倍超ということで指標がなっておりましたが、4倍超で見てみましても、それほど補足率という意味では誤差はございませんでした。具体的に申しますと、環境基準超過レベルで補足される率は、4倍超ですと95%、3倍超では2倍超まで落とさなくても既に100%になるということになっております。逆に、環境基準レベル以下のところについてですが、4倍超では33%程度、それから3倍超になりますと、これは45%、大体半分近くまできますので、ここら辺をどう見るかというところも論点だろうと思います。これを図面に落として、3倍超地域と4倍超地域を比較する形でさらに整理させていただいたのが5ページ以降の図でございまして、上下にそれぞれ、4倍超の場合、3倍超の場合ということで、当然のことながら、4倍超の地域というのは3倍超の地域に含まれますので、3倍超の地域が大きくなるわけでございますが、全体的な傾向としては、それほど変わったところはございませんで、3倍超の地域がさらに広がりを見せて大きくなるというような傾向が3倍になっても見えます。左で申しますと、その現行の総量地域であります関東周辺、それから関西、近畿圏周辺につきましては、そういった要件を満たしているものは集積しているということは明らかだとわかりますし、前回ご提案させていただきました愛知の周辺、東海のところでございますが、愛知の名古屋市の周辺につきましても、さらに地域を拡大するところではございますが、さらに集積地域というものは明らかになっているということでございます。そのほかに、新たに3倍にしたところで初めて出てくる地域というのは幾つかございますが、例えば8ページを見ていただきますと、岡山ですとか広島のところがちょっと地域の拡大というものが見えておりますし、それから、9ページ、10ページを見ていただきますと、九州とか沖縄でも若干拡大の上乗せが、前回のときに分析をさせていただきまして、地域の一体性と集積度がかなり大きくないと対策効果が上がらないということも含めて、現行の特定地域と、それから、愛知の名古屋市周辺をさらに追加するということで検討すべきではないかということを結論案として示させていただいたわけでございますが、この程度の分析につきましては、3倍にしても4倍にしても基本的にはそれほどの違いはないのではないかということであろうかと思います。したがいまして、3ページのところへ戻っていただきますと、今後の特定地域の考え方につきましては、NO2につきましては現行の特定地域を引き続き特定地域とすること。それから、その周辺地域につきましても、どこに入れるかということにつきましてはさらに分析が必要だろうと思いますが、基本的には、拡大することにつきましても、粒子状物質の低減の観点から検討していく必要があるということ。それから、新たな地域といたしまして、名古屋市及びその周辺地域につきましても粒子状物質を低減するという観点から新たに特定地域とすべきではないかということなどが明らかなのではないかということでございます。
 さらにご検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【岡田委員長】 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、ご意見などをいただければと思います。

【越委員】 一番最後の結論のところですが、これはNO2にかかわる特定地域と粒子状物質にかかわる特定地域と分けて書いてあるのでしょうか、それとも共通の特定地域というところで書いたのでしょうか。

【自動車一課補佐】 要件につきましてはまず分けて検討した上で、その要件のいずれかを満たすところを一体として対策を講ずべき地域というふうに考えてはどうかということです。

【越委員】 どうもありがとうございました。
 それから、表の1、2あたりのところなんですけれども、補足率というか、基準を超えているんですけれども補足されない、あるいは基準を超えていないのに特定地域に分類されてしまう、そういう地域とか、これの数が90ぐらいですか、その特徴というのは何かないのでしょうか。つまり、例えばですけれども、同じ補足率、あるいは走行密度であっても、大都市の中の、あるいは大都市での真ん中のところとそうではないメイン地帯の中で孤立した、つまりバックグラウンドが違うというか、そういう特徴はないのでしょうか。

【自動車一課補佐】 申しわけございません。現在、そこまでちょっとまだ分析しておりませんので、また今後分析させていただきます。

【岡田委員長】 これは環境基準レベル超過とレベル以下、もうちょっと裏をとった感じですかね。その意味では精度が高まっているという感じはするんですよね。レベル超過部分だけちょっとやっても、やはり十分に答えとしては不十分だということでしょうから、それに、さらに言えば、今越先生の言われたようなところまで考えるべきだということかもしれませんね。
 お気づきの点はございませんでしょうか。

【太田委員】 大変よく分析等を見させていただいたんですが、1つの考え方として、こういう排出密度にするといいと思いますが、ちょっと私の方の境界領域あるいは、実は環境基準を超えているけれども、ここに含まれていない地域ですね、点で幾つか、私の記憶では含まれると思われる地域に相当するところだと思いますが、そういうところはどうするのかということですね。また、施策を講じていかないとよくないと思いますので、何だかの方法で自主的に県がそういうことに対応をとるような、そういう指摘といいますか、コメントができるような、そんなことは、法律の中かどうかわかりませんけれども、少しその辺を、これでカバーできない地域をどう対応するかというのはぜひ検討してほしいと思います。
 それから密度でやっておりますが、当然特定区域はかなり大きくて、市街地が固まっているところはこういう数値ではあらわれにくいというようなことがあるかもしれませんので、その点、先ほど越先生の方からも、地域特定ということで、外れている部分は密度は高いけれども、必ずしも問題になっていないというような、そういう特異地域はもう少し調べていただいた方がいいのではないかと思います。
 以上です。

【大聖委員】 こういう、要は飛び地のような地域というのは問題だと思いますが、やはりその周辺地域はそういう特定地域ではないということで、車種規制をやることが非常に悩ましい問題で、その境目で車種規制をしないと、そこで浮遊しているものはかなり複雑に全体に残って、総体として結局一定の効果は上がらないというようなことになるかもしれませんけれどもやはり車種規制の方がいいのではないかと…。

【永田委員】 そういう、今の周辺地域をまた、そういう意味では今後影響をまた受けるという可能性もあるのだと思うので、このサンプリングの話というのは、結論的にはどういう形で決着をつけるかと書いていないんですが、従来の窒素酸化物の話からすれば、2倍という規定がある程度見えるような形になっているんですよね。そういう意味で、3倍、4倍の話というのはどういうふうに考えていくんだというようなことは、結論としてやはり3倍か4倍かどちらをとるというような話になるんですか。そのあたりの問題なのかもしれませんけれども。実はこの後ろの書き方で言うと、具体的な地域範囲は、それぞれその地域の人たちの意見を聞いて決めますよということになっているわけですよね。そういう意味ではかなり余裕のある話なのかなと。またそこで分析等をしてもらえるのかなと思っているんですけれども、その辺を考慮した決め方というのはどういうふうに考えているかですね。

【自動車一課長】 最終的に法律改正をどうするかというような、地方自治体のご意向も伺う必要もありますし、その対策の効果というのは今の大聖先生がおっしゃったような、ある程度広くないと効果が本当にあらわれないのではないかということもあります。それから、飛び地のような形の、途中、いわゆる飛び地がフェアになってしまいまして、そういう総合考慮で最終的には決定をするのではないかと思いますが、目安として、4倍か3倍かというボーダーで1つの方針というんでしょうか、考え方を各審議会としてお示ししていただければ、それをベースとして最終的には行政で決めるということでいきたいと思いますが、NOxの、ちょっと補足いたしますが、2倍というのは2倍の地域を全部勘案するということでございますので、まずそれにつきましては、要するに交通密度が高いということで、世相を知って、その上で12年度レベルで予測した場合に環境基準を超える可能性が高いと。それから連絡するという市町村の固まりということで設定をいたしておりますので、それとできるだけ似たような、ある程度似た市町村で対策の効果があって、街路基準のSPMの環境基準の達成に少しでも近づけるような地域をどう選ぶかというところを判断をするべきだと思いますけれども、3倍強と4倍で、地図に落したところですが、大きく地域が3倍、4倍に広まってくるのは、名古屋の周辺と、今の特定地域の、特に兵庫県の西部が少し広がっている、その辺が大きく見えておりまして、その他はやや飛び地的なものが多いので、ここら辺について、今の法律を直ちに広げるべきかどうかをかなり議論があるのではないかという感じが、これはちょっと事務局の中で決められる話ではもちろんないのですが…。

【越委員】 今問題になっている3ページ、特定地域の範囲の考え方ですけれども、ここに書いてあるのは、私の先ほどからいわれていることの理解では、現行のNO2の特定地域はそのまま、それに加えてSPMの何らかの条件にかかるところは、それに加えると、こういうことです。今、特定地域、これは多分ふえるであろうと思うんですけれども、それはそれで1つの考え方であろうと思うんですけれども、中段話題になったのは車種規制ということを考えると、どうも飛び地というふうなところが少し難しいので、先ほどちょっと私、質問しましたけれども、バックグラウンドの関係で、1つ1つの、個別の市区町村の走行密度、浮遊密度だけでは多分決まらないのが、原理的に多分決まらないと思うので、その辺を十分考慮された上で特定地域のことをやっていただけたらと思います。これは意見です。

【岡田委員長】 大変重要なご指摘をいただきました。特定地域であるかないかということの持つ意味が、非常に大きな意味を持ってきますと、やはり対策との関係が非常に問題になってきますので、特定地域というのは指定の深さといいますか、いわゆるロバストネスこれはもう危険ですよということを言えるぐらいにしっかりした確かさがあれば政策として非常に有効に機能し、あるいは法律事項に載っけやすいものが30%なのか40%なのかも、どちらでも大した差はないということになりますと、基準としての役割が非常に問題になりがちでございますから、ここら辺の詰めをやはりしっかりとやっていく必要があるのかなと、これは私の感想ですけれども、こういうふうに思います。それでしかも、飛び地であるとかいろいろなケースがあるわけですから、政令でいくのか法律でいくのか、その辺の持って行き方の、政策としての確かさがいわれることになる可能性があるなという感じはいたします。

【猿田委員】 この特定地域の決めにくかったいろいろ難しい面、各地方公共団体の意見を聞くということになっておりますけれども、都道府県の意見も踏まえてNOxの場合には、2倍超という1つの前提条件の中で、NOx法の中で決められてきたわけですが、今度SPMの場合、3倍であるか4倍であるか、5ページとか6ページの地図を見ますと、少し範囲が違ってきていること。その場合に、都道府県の意見というのは、3倍でいきますか4倍でいきますかと聞くと、なるべくなら広い方がいいですよというような可能性が、その辺、車種規制との関係とか、どういうような決め方をしていくのか、先ほど車庫飛ばしというよりも営業所飛ばしなんでしょうけれども、そういう問題もあるわけで、この3倍であるか4倍であるかというのもある程度きちんとした中で、それであるところは3倍でいきました、あるところは4倍でいきましたというとちょっと統一性がなくなってしまうわけですから、ただ、4倍なら4倍であったとしても、その周辺の市町村を入れるか入れないか、これはむしろ地方公共団体の意見によってある程度プラスになってもいいような状況をつくっておいていただいた方が好ましいのかなと。やはり地方によっては、今後の開発計画、いろいろな問題があるわけですから、そういうものを勘案して、地方である程度取捨選択できるようなことも考慮していただければ、多分4倍になるか3倍になるかというのであると決めておいても、その辺のところで適切な対応が加わるのかなという気がするわけですが。

【岡田委員長】 環境対策として、これは余分な話で恐縮ですが、仮に特定地域に選定されることによって、ほかの地域に利益が生まれれば、例えば補助金がもらえるとか、利益をもらえれば広げる効果がありますね。規制を変更してこの地方公共団体にコストが発生するということになると、狭くを設定しようという行動原理が生まれてきます。環境対策としてはやはりこれを、前からずっと言っておりますように、ちょっと広域にとった方がベターかなというふうに思うわけです。狭い地域だけにあまり限定してしまうと、局地対策という意味では、これはむしろ思い切った手を打たなければいけないんですが、特定地域という意味では、もうちょっと広域にとった方がいい。広域にとるためには、国からのインセンティブが本当はほしいわけですね。そこら辺の選定に当たっての行動原理を踏まえて上手に設定できないかなという感じはいたします。

【伊藤委員】 4ページの表の1と表の2について、3倍超を出していただけて、かなり見えてくるような気がするんですが、環境基準を超えるというのは私にとってはかなりインパクトが強いことでして、下の表の3倍超でNOxが100パーセントカバーできているんですが、例えばSPMの方の100%カバーというのは、何倍超位になるのか、どれぐらいになるのかと、そのときの環境基準のレベル以下の市町村のパーセントはどれぐらいかというのがもし出してあったら教えていただきたと思うんですけれども。
 それから、健康のことを考えると、できるだけ合意ができるところまで範囲をとった方がよいし、また対策もしやすいのではないかなというふうに考えます。

【自動車一課補佐】 今のご質問につきましては、15ページ、16ページに一覧表がございまして、ここのSPMの年間2%除外値というものが、基準値比1.9とかずっとありますが、これが1.0を超えているところですが、これは市区町村が個別になっていますので、ちょっと市区町村にするかわかりませんが、これを市区町村で平均いたしまして、横を見ていただきますと、PM排出量の密度とか保有数が全国比の何倍かというのがございます。ラフに見ていただきますと、16ページの95番の加古川でございますが、ここまでは基準比を1.0を超えていることになると思うんですが、ここまでで、横の方で、低い倍率のところを見ていただきますと、62の市原が一番低いということになってございまして、2.3倍ですね、右の走行量密度が2.3倍です。

【越委員】 これはしかし、都道府県別ですよね。

【猿田委員】 測定局はある。

【岡田委員長】 よろしいですか。

【越委員】 これはたしかSPMの測定値は自排局ですよね。そうすると目の前を幹線道路の排出の影響が出ているような気がするのですけれども、そういう測定値をどれだけ保全するのかそれも考慮に入れて、3倍、4倍超過しましたと。それと、その相関関係を判断する必要があるのではないかと、それと走行量密度、保有密度というのは、市区町村とかなり小さい範囲だし、測定されているスピードというのはものすごくまた大変ではないかと思うんですけれども、その辺も考えに入れてくれないとやはりなかなかうまくいかないのではないかと思います。

【岡田委員長】 おっしゃるとおり、自排局のサイトセレクションという場所のセッティングぐあいと、それと、自動車の走行量を算定するときの選定の場所の問題が、すごいミスマッチが起これば結果が違うのではないかという指摘だと思うんですね。どうぞ。

【自動車一課補佐】 今のご指摘の点につきましては、まず環境基準におきますSPMの濃度の超過状況というのは、まず測定点がなければ話になりませんし、それから、測定点があったにしても、道路との関係でいろいろ変わってきますので、環境基準の超過状況だけから地域を選び出すというのはかなりリスクがあるだろうと思います。ここでは、そういったことも踏まえまして、まず環境基準を超過をしている点をまず選び出しまして、それと、走行量密度ですとか保有密度との関係もマクロなレベルで比較いたしまして、そうするとおおむね、いろいろなところがあるでしょうけれども、走行量密度ですとか保有密度が全国平均の3倍以上あるいは4倍以上超えてくると、大体いずれの地域でも完全に超過するおそれがあるということで、マクロで見れるのではないかということをまず最初に考えた上で、そうすると、そういった指標ですと全国のどの市町村でもデータが得られますから、そういった指標にはあたるからどの地域が選ばれるかということで、当然環境基準測定点がないということもございますけれども、そういったことも含めて選んでみるということになるとどうなるかということで、図示したりとかということをさせていただいたのがこの表ということで、いずれの仕様につきましても、これが出てはいないものですから、そういったことでこのようにやっているということでございます。

【岡田委員長】 そういうことだろうと思いますね。先生方も問題提起、いろいろな意味で、いろいろな角度からご指摘をいただきましたので、また折に触れ変更があったりすればまた報告いただければありがたいと。
 それでは、ここで特定地域の選定方法についての話はひとまず終わりまして、続きまして議事の4番目になりますが、自動車メーカーにおける低排出ガス車の製造・販売を通じた自動車排出ガス抑制対策の効果等の試算結果について、ご説明をお願いいたします。

【自動車一課補佐】 それでは資料5につきまして説明させていただきます。
 資料5は前回の議論、今までの議論は前回の議論を踏まえた上での議論をいただいたわけでございますが、この資料5と6は、新たな試算結果をお示しさせていただくものでございます。まず資料5につきまして、自動車の製造あるいは販売のメーカーにおける対策のあり方ということについてでございまして、まず最初に、中間報告でどのような考え方が示されているかということを整理させていただいておりますが、ここでは大きく分けまして、フリート平均値抑制対策の導入ということと、低排出ガス車の開発・普及の加速というところが示されております。
 このうちフリート平均値抑制対策といいますのは、大ざっぱな言い方をいたしますと、それぞれ自動車メーカーに自らが製造・販売する車の排ガスへの平均値を公表していただきまして、それを低減するということを目標とした施策でございます。2ページ以降につきましては、そのフリート平均値抑制方策の具体的な試算結果、それから考え方につきまして一例を示させていただいたものでございます。
 2ページに行っていただきたいと思いますが、この1ページの中間報告での考え方に沿いまして施策を検討する参考事項といたしましては、まず2の[1]、国の役割と書いてあるところの幾つかの考えがあろうかと考えられます。
 まず1つ目は、全国で製造・販売される自動車の平均排出ガス量の算定方法を示すということで、先ほどラフな言い方で平均値と申しましたが、これを具体的にはどのように決めるかということでございます。
 それから2番目といたしまして、公平な車種区分を示していることでございまして、自動車メーカーによりましてはトラックばかり製造しているところも、それから、乗用車を中心に製造しているところもございますので、それを1日に単に平均をして排ガス量を示す方法をとりますと、非常に相互比較というものができなくなりますし、あるいはそういった意味では公平性の確保という点からも問題だということで、どういった方法で法律を確保するのかということがあります。
 さらには、3番、4番は、公表の仕方、それから、優良事業者の表彰の仕方ということで、支援措置のあり方などがございますが、最後の5番目は同じように、車種区分などのあり方につきまして、そもそも低排出ガスなどがない場合にどうするかということ。逆に言いますと、低排出ガスが、ある車種区分につきましては一定の平均値を定めますので、低排出ガスが一部販売すれば、その平均値以下に抑えるということは事業者メーカーである程度できるわけでございますけれども、そもそも提案しましたのは、まだ対策のない車種区分につきましてはどのようなものを売ってもそういったものの平均的な排ガス機能を低下させることができませんので、そういったところでどう考えているかというようなところが問題だろうと思います。
 この課題につきまして、フリート平均値抑制政策について、また、これにつきましては低公害車の普及、ここでの検討会の方でも検討いただきましたので、その検討結果をもとにこれは成立させていただいております。
 まず最初に、フリート平均値の求め方でございますが、それは[2]のところに書いてございますように、各自動車メーカーが1年間に販売するすべての車両を、まず一定の車両区分ごとに分類いたしまして、それぞれの分類ごとに全車両の排出ガス量の値を平均しているということでございまして、ここに言います排出ガス量というものは、規制値あるいは低排出ガスに認定された低排出ガス規制の導入ということで断言することができると思います。具体的な式といたしましては、その[2]のフリート平均値というような式で与えられるということがございます。この場合は、先ほど申しましたように、車種区分ごとにその数値の求め方がございまして、どのような車種区分にするかということが1つ、公平性のある観点からも重要な論点になるということでございまして、その点につきましてどのように考えるべきかというところを[3]で整理させていただいております。
 [3]は、次の3ページの表を見ていただきますと、これはわが国におきまして、自動車の製造メーカーがそれぞれどういう種類の車をつくっているかということを、それぞれの会社と車種ごとに分類したものでございまして、製造メーカーによって、乗用車主体のものから、それから、重量車主体のものまで、いろいろな製造形態があるということがわかります。1つの考え方としては、排ガス規制値が、同じものは1つにくくってしまって、その排ガス規制が同じもの、それぞれの区分ごとにフリート平均値を算出して、それを低減するということが考えられるだろうということで、そういった考え方をもとに分類したのが、ここにあります1から3までのグループ分け、表の一番下の区分例というところに書いてございますような1、2、3というのがあります。それから、[4]、[5]、[6]につきましては参考ということで、括弧してございますが、ここにつきましては、先ほど申しましたような低排出ガス車がないということもございまして、これは参考ということで書くにとどめさせていただいております。
 次に、この表をもとに、実際にどれぐらいの排出ガスの低減効果があるかというものにつきまして試算をした結果を飛ばさせていただいて、4ページの3のところに進ませていただきたいと思います。
 以上のような考え方で、1つには排ガス規制値の区分ごとに分類して、しかも低排出ガスがある区分だけに限定して、先ほどの区分で言いますと1から3までのところにつきましてどのぐらいの低減効果が得られるかというものを試算したのが4ページの3以降ということでございます。
 その具体的な低減の程度でございますが、これにつきましてどのようなケースを想定するかということが問題になるわけでございますが、1つは、自動車メーカーにヒアリングをした結果がございまして、その結果で低排出ガスがどのぐらい伸びるかというものを前提としたケースが考えられます。それも2002年度まで、自動車メーカーのヒアリング結果に基づいた上で、それ以降、販売台数が横ばいになるというケースをケース1といたしまして、それ以降につきましては、さらに同じようなことのみでいこうと。低排出ガス車の販売台数が伸びていっているケースをケース2として想定した2つのケースについてそれぞれ対策効果を試算したのが5ページのところでございます。
 まず、5ページの上の表が、先ほどの区分1から3までのそれぞれのところでどれぐらいの低排出ガス車の普及が見込まれるかということで、メーカーの社員も知った上で仮定をおいた想定結果を整理したものでございまして、区分1、2、3、それぞれで全国と特定地域で、何千台というようなレベルで普及する見込みかということを試算したものでございまして、区分2が非常に多い普及が見込まれるということで、逆に、区分3は余り普及が見込めないということが、この前提では確認されております。
 以上の仮定をもとに計算した結果が5ページの下の表でございまして、それぞれ2001年、5年、10年ということで、区分1、2、3、それぞれにどれぐらいのNOxの排出量の低減効果があるかということでございまして、フリート平均値という欄がございますが、この下段のところがその規制したもので単純にフリートをするとこういう値になるということでございまして、これを先ほどの上のような想定形式でやるとどのようなフリート平均値になるかということでございまして、普及する台数の方からフリート平均値を割り出せばいいのでございますが、これを見ていただきますと、ケース1とケース2でそれぞれどれぐらいのNOx排出量があるかということで試算結果が出ております。
 特定地域で見ていただきますと、例えばケース2ですと、2010年ごろで1,100トン程度の削減効果があると。ケース1ですと、若干の効果ということが試算結果として得られております。
 以上、簡単でございますが、そのフリート平均値抑制方策による削減効果の試算結果でございまして、これは先ほど申しましたように、あくまでメーカーヒアリングの結果をもとに、そのメーカーの普及・販売台数見込みを担保するものとして計算したのがケース1でございまして、それを単純にトレンドで伸ばしたものがケース2でございますから、これをさらに、これ以上の値の達成を求めるということをしていけば、もちろんそれ以上の削減効果が得られるわけでございますが、オーダーとしてこのようなものが得られるということで見ていただければというふうに思います。
 続きまして、また3ページに戻っていただきまして、こういった計算結果をもとにいたしまして、メーカーにおきまして、自動車メーカーにどのような対策を求めるかということでございますが、これはなかなか、計算の方法にもいろいろな、一律にやるところがなかなか難しいところがございますので、前提としては、データを公表して、データを公表するということは整えるということで、情報公開を通じて対策を促すということにとどめていく対策でございますが、そういった意味では、フリート平均値を毎年公表して、自動車メーカーごとに、それぞれの部分ごとに公表していただくということが考えられるのではないかと思います。これはメーカーレベルでのフリート平均値ということになりますから、全国で一定台数以上の新車を販売する事業者ということをすべて補足していくということが考えられるのではないかということと、それから、先ほど申しましたように、重量車につきましては、現段階では低排出ガス車というのがないので、計算もなかなかすることができないというか、努力がなかなか、メーカー独自の努力では難しいところがあるということがございますので、中量車以下に限ってやるということが考えられるのではないかということでございます。
 それから4ページにまいりまして、国の側におきまして、どのようなことをするかということにつきましては、まず1つは、フリート平均値をどんどん下げていった優良メーカーについて表彰制度の確立などで取り組みを適切に評価するということ。あるいは、達成値の適正の評価のために、主要となる目標値を示すというようなことも考えられるのではないかということでございます。
 以上の結果を簡単にまとめたのが6ページの課題のところでございまして、このような考え方をもとに、フリート平均値抑制政策については次のように考えられるのではないかということで、まず1つ目は、対象者としては、国内で一定台数以上の新車を販売する事業者を対象としてはどうかということでございます。2番目、対象地域としては全国で一律に導入したらどうかということでございます。3番目、対象車種としては、中量車以下のクラスを中心として、なおさらに、その車種規制についても引き続き検討が必要ではないかということでございます。さらに、フリート平均値につきまして、車種区分、試算としては大ざっぱに3つに区分させていただきましたが、これは車種区分ですとか、低排出ガス車の販売見込み、その効果等についてもさらに今後検討を進めて、自動車メーカーの意見も踏まえてその目標値の設定ということが決まっていく必要があるのではないかということでございます。
 以上、試算結果につきましてはこれまでの結果と同様でございまして、非常にレベルの決め方ということで、具体的な数字につきましてはまだの段階でございますが、こういった効果が期待できるのは、1つの方策として上げるということで、自動車メーカーにおける対策のあり方についてご意見をいただければと思います。

【岡田委員長】 どうもありがとうございました。
 何かご意見などをいただければ。
 これはとりあえず2つの意味があると思うんですね。1つは環境という意味で、メーカーレベルで社会的責任を達成する、目標を持ってもらうという効果、それから、フリート平均値というのは、これは一種のインセンティブ規制ですから、頑張って低公害車を開発したところは、やはり競争力上有利になる。これを公開することによって、消費者の選好が高まる。過度に規制してしまうと、これは競争条件に介入するという効果も起こしますので、とりあえず公開をすることによって、こういうフリートを開発しているところは車がよく売れるとか、そういう競争条件の問題にかかわってくる。第3番目には、これは国際的なエコカーの開発競争に促進効果が考えられる。そういう効果が期待できると私は思っているわけですが、これは競争原理で考えると、非常に有効なおもしろい考え方だと思っております。
 何かございませんか。

【猿田委員】 最初ですね、3ページの表がございますね。メーカー別製造・販売車種の現状。ここで1から6まで区分してあるんですが、この1のところね、これは軽乗用車まで入れた1ではない。軽貨物車と軽乗用車を分けて。いや、軽乗用と軽貨物を一緒の、そういうことではなかったかな。

【自動車一課補佐】 一応、区分するフリートというのは、必ずしもメルクマールが明確ではなかったということもございまして、ここでは規制値が同じものを1つにして、試算をするという段階だったものですから、規制値が同じ乗用車、軽乗用車を1つにしてしまうということで仮にくくってしまったということなんですが。こうすべきだということでそうしたということではない。

【猿田委員】 軽自動車としてのひとくくりはあるはずですよね、そういう考え方は。

【自動車一課補佐】 申しわけございません。今のことにつきましては、今まで得た検討で猿田先生が出ていただいた検討会では、確かに軽貨物車と軽乗用車を一緒にして説明しておりましたので、ここでさっき申しましたのは、便宜上、規制値がフリートのところで計算上はございましたので、便宜上こうやっているのですが、具体的にどうすべきかにつきましては別途検討させていただきたいと思います。

【猿田委員】 問題は、いわゆるフリート平均値をどう設定するか。販売台数から出てくる平均値、これは現段階に添っているわけですけれども、問題は、それを1つの目標としてどの程度にするかということは非常に重要になってくるだろうと思うわけで、それをクリアするかしないかの問題になるわけですから。また、販売台数の平均値を出しましたでは困るわけで、どういう目標値を設定するのか、今後十分またご検討いただきたいと思います。
 それと、将来の重量車の方のところでは非常に困難ということです。それは別途これからまたお話があると思いますが、別の手法で、またそれなりの手法を加えていくということになります。
 軽乗用車、軽貨物のところは、また検討した結果をお教えいただければ。

【大聖委員】 このフリート平均の考え方ですけれども、これは例えばあれですね、車種の認証のときの値を使うのか、あるいはもっというと、例えば低公害車の技術指針にあるように、PMとかレベルとか優良とかではなくて、どういうカテゴリーのものがどれぐらいという考え方もありますね。一般には、そっちの方が一般市民にわかりやすいかもしれません。または、例えばもう一つは、2005年に新長期規制が始まりますので、その辺のそういう低公害車というのは出にくい面がありますね。その辺で打算めいてしまうという意味ではちょっとわかりにくいなと思いますけれども、2005年まではそういうことも少しは検討すべきではないかなという気がいたします。
 それから、これによってどれぐらいということが、削減効果がということがあるんですけれども、やはり問題は重量車、3.5トン以上のところでどれぐらい実質的な効果があるかということがもっと大きな課題であることは認識しておく必要があるのではないかと思います。重量車ですと、やはり車種規制によって最新規制の適合車にどんどん買いかえてもらうということと、地域に低公害車をいかに入れていくかという、この2つに尽きるわけですよね。それしかちょっとやり方がないと思うので、効果の実態を重量と中量以下に、どの程度量的にバランスよく対策できるかというのは、やはり定量的にある程度予測しながらやっていく必要があるのではないかと。

【越委員】 今の資料の5ページに推定の削減量が出ておりまして、この特定地域でみると1,000トンとか、あるいはケース1だと、そういうような、その大部分が区分2の乗用車のところに出ているのですけれども、それとアメリカ、例えばロサンゼルスみたいなところで効果があるかと思うんですけれども、一方、前に資料3の表5という、特定地域の9年度ですけれども、現況合計と言われている14万8,000台で、特定地域の総量、それが15万トンぐらい、それに対して、この1,000トンとか600トンという、余りにも微々たる値なんですね。したがって、これは、言葉はいいですけれども、気休めみたいなものですね。やるだけの価値は本当にあるのか。むしろこの中にそういう道路をかけるには、同じ道路を掛けるならば、今のところ低排出車ではないと言われている一番効く車種のところの低排出車の開発に力をいれさせるのは、そうあるべきではないかという気がするんですけれども。

【自動車一課補佐】 今の件につきましてですが、1つは、数値そのものといたしましては、越先生が今ご指摘いただきましたように全体の量としては低目の数字になっているというところがございます。ただ、もう一つは、情報の公開を通じて競争が図られて、自主的にどんどん下がっていく中で、例えば低排出ガス車の開発についても、自主的な取り組みが一層促されるというようなことも期待できるということも考えますと、現時点での、これはあくまで現時点で普及の見込まれているものだけを前提とした場合にこういう数字になるということで、それぞれのメーカーごとの、例えば競争とか、その競争によって、例えば低排出ガス車がさらに普及するというようなことは一切見込んでいませんので、この数字についてはそういうことも含めて見る必要があるのではないかなというふうに。

【河野委員】 まだ検討中ということなんでしょうが、ここに出されている案なんですけれども、3つの区分でふえるんですね。この3つのことに対して1、2、3とかという、そういう表彰は9件とかと考えておられるんだと思うんですが、これは企業の中でもいろいろなところで競争なんかしているわけで、企業間の競争というわけではなくて、もっと細かい区分にしてもらって、何々区分ではどこがいいとか、そういうふうなことをしていただけると、いいのではないかなという感じを受けます

【岡田委員長】 これは多くの場合過重平均で出ちゃいますね。過重平均で出てしまうと、低公害車はたくさんつくっているところは、逆に言えば、ほかのところがたくさん出すよりもつくれるという、逆のインセンティブが働くことになりますので、今、河野先生のお話は、低公害車が開発だけでインセンティブをつけた方がベターではないかというご指摘のように。わかりました。その辺はよろしゅうございますか。
 それでは、続きまして議事の5の事業者における自動車排出ガス抑制対策の強化の効果等の試算結果について、ご説明をお願いします。

【自動車一課補佐】 それでは、続きまして資料6について説明させていただきます。
 資料6は、先ほどのが自動車の製造・販売メーカーに対しての取り組みということに対しまして、今度は自動車を使用する側の事業者に対する対策のあり方ということでございます。
 まず中間報告では、それらの事業者に対しまして自動車利用管理計画の策定というものを義務づけてはどうかということが、1つの案として書かれておりますので、そこのところを抜粋として書かせていただきました。具体的には、その自動車を利用する事業者に対しまして、国が定めた基準にのっとって自動車の利用管理計画というのを定めていただきまして、それに基づいて対策に取り組んでいただきたいということ。そしてその結果を報告あるいは公表していただくということを求めてはどうかということでございます。この施策につきまして、それぞれいろいろな課題があるわけでございますが、それぞれ勘案しまして、どのように考えるべきかということにつきまして、2の[1]以下で整理をさていただいております。
 まず対象事業者でございますが、基本的に対策効果を上げるためには、原則としてすべての事業者に計画を策定していただく対象とすることが望ましいわけでございますが、一方で、中小事業者が行う場合の負担ですとか、あるいはその計画をつくることによる対策効果など、あるいは、さらには、行政コストというものを抱えますので、対象となる事業者につきましては一定の限定を行う必要があるのではないかということです。ちなみに参考といたしまして、現在の各自治体におきましてどのような対象に現行行っているかと申しますと、2ページの頭にございますように、おおむね使用車両が30台から50台というところで事業者の絞りこみを行っているという実績がございます。
 続きまして対象車両でございますが、これにつきましてはいろいろな形態で車を利用されているわけでございますが、基本的には、事業者がみずから管理することができるということで、保有車両とリース車両に限定することが必要ではないかということでございます。
 それから3番目といたしまして、自動車利用管理計画の中身でございますが、これについては大きく分けまして3つほど考えられるのではないかということでございます。1つは、最新規制適合車への代替ということでございまして、車種規制を行いますと、現在の使用者につきましては猶予期間が設定されるわけでございますが、この猶予期間の終了を待たないでも最新適合車に代替をしていただくということは1つ考えられることではないかというのが1点目です。
 2点目は、その低公害車、先ほど低排出ガス車という話が製造メーカーの対策のところでもありましたけれども、中量車以下のクラスには、先ほど申しましたように、低排出ガス車というものの普及が見込まれておりますので、こうした低排出ガス車を積極的に導入というものを行うことが考えられます。
 なお、重量車につきましても、低公害車が一部ございますので、こうした低公害車の普及につきまして、燃料供給施設の整備と一体として進めていく必要があるのではないかということでございます。
 それから3点目といたしまして、今度は車の使い方の方でございまして、走行量の削減ですとか、積載率の向上、あるくは車両整備、適正運転の励行などを自主的にさらに取り組んでいただくということが考えられるのではないかということでございます。ただし、この部分につきましては、なかなか定量的な効果の把握というのは難しいところがございますので、引き続き定量化に向けて努力をするとともに、こういったことを規定することによって普及・啓発というような意味での効果というものをやはり無視すべきではないのではないかなということでございます。
 3ページ以降、かなり駆け足で恐縮でございますが、3ページ以降には、こうした対策の削減効果を今までと同様に試算をしたケースを述べてございます。
 なお、この試算結果につきましても、いろいろな仮定をおいてかなりラフに計算しておりますので、今までの計算結果と合っていないところがあったりするんですが、大まかな傾向を示すものということでご理解いただければと思います。
 まず最初に、単純将来ケースということで、これにつきましては、まず現行から将来にかけて、現在決まっております車種規制ですとか単体規制が導入されただけということで、どのような排出量になるかということを、これは前回も示させていただいた数字と同じものでございますが、計算しております。その中で、自然代替と言われるものがあるわけですが、この自然代替のうちの半数が新型車ということで、これらについては、その当時の前段階の規制値のあった車、継続生産車と申しますが、その継続生産車に切りかわるということの仮定で計算を求めております。
 これに比べまして事業者における対策が促されたというケースを3つほど算定しております。
 まずケースの[2]というのが過去に説明してございますように、自然代替による買い替えのうち、75%が新型車に変わるということで、最新規制車への代替が一層促進されるというケースでございます。
 続きまして、ケース[3]−1と[3]−2でございますが、これは最新規制車への買いかえ促進に加えまして、さらに低排出ガス車あるいは低公害車の普及が進むということで、先ほどの製造メーカーの方のケースとそれぞれ対応するような形で低排出ガス車についてはケース[1]、ケース[3]−1と[3]−2というふうに分けまして、低公害車につきましても重量車について1で低公害車が導入されるということで、ケースをそれぞれ分けて整理をした結果でございます。その結果、NOxとPMについてどれだけ削減されるかということにつきまして出した数字でございますが、4ページにございます。表の1、2がNOxの排出量の削減状況、それから表の3のようなPMについては削減状況でございまして、表の1と3では絶対量、表の2と4が削減量でございます。これで見ていただきますと、例えばNOxの削減量を見ていただきますと、平成22年度では、例えば[3]−2で見ていただきますと7,000トン程度と、[2]で見ていただきますと、2,500トン程度の削減が期待できるということでございます。PMにつきましても同じように見ていただきますと、[3]−2で300トン程度、それから、[2]で150トン程度の削減になるということでございます。今の計算は対象事業者はすべてとした場合の計算でございまして、一番最初に申しましたように、対象事業者についてはある程度すそ切りする必要性もかなりあります。そこで、すそ切り規模についての捕捉率について整理したのが5ページの結果でございまして、まず5ページは、それぞれ事業者規模で1事業者当たりの保有車両が1台以上、5台以上、10台以上ということで、それぞれのすそ切りをしたときにどれぐらいの捕捉率があるかということで、1台以上のときを100としたときに、それぞれの台数ですそ切りしたときの割合はどれぐらいなのかという値を示したものでございます。これを見ていただきますとわかりますように、かなり少数の車を使って事業を営んでおられる方が多いということで、10台以上、20台以上になりますと、非常に車両の捕捉率が下がっていくということが明らかになっております。
 ちなみに、30台以上ぐらいになりますと、車両の捕捉率は7%ぐらいまで落ちてしまうということでございます。
 続きまして、これにちょっと必ずしも対応していなくて、表6は、今度は1台以上、5台以上というのは、先ほどは全車両でしたが、これは貨物車でちょっと区分したことなので、ちょっと上と整合しなくて恐縮でございますが、その結果で見ていただきますと、それぞれやはり1台以上ということで、すそ切りをしない場合に比べまして5台以上、10台以上となると、それぞれの削減量というものは非常に大きく減っていくということがわかります。例えば30台以上になりますと、1台以上の場合がありまして、かなり少ない数字になるということが明らかでございます。
 以上の結果をまとめますと、6ページのところでございますが、まずすそ切りをしない場合には、先ほど申しましたように、22年時点でそれぞれ最新規制車への代替促進で2,000トン、さらに低公害車の普及などで4,000トン、7,000トンという数字が削減になるということが考えられます。
 一方では、すそ切りのことを考えまして、保有台数で見てみますと、10台未満のこういう事業者というものは全体の8割になるということを取り上げております。その結果、すそ切り規模というのは、現在都道府県で行っています30台、50台というところですそ切りを行いますと、対象車両数というものは全車両の大体7%ぐらいのところにいくということが明らかとなっております。
 以上の結果をもとにまとめますと、6のように考えられるのではないかということでございます。
 まず1点目、すそ切りの仕方によっては、削減量というものは非常に大きく左右されるわけでございますが、そのときに、例えば事業者の30台以上保有する事業者とした場合には削減量が小さくなりますが、一方で、そのすそ切り規模を下げていきますと、小さい事業所を対象とすることになりますので、行政事務量ですとか、あるいは中小企業の負担といったものが非常に大きくなるということが考えられます。
 2点目は、今のことを行いますと、例えば一定台数以上の自動車を保有する事業者には、管理計画の策定を義務づけて、それ以下の事業所には策定を奨励するというような方法で、そのすそ切り規模の上下で対策の種類を分けるというようなことも考えられるのではないかということでございます。
 それから3点目は、施策のところでも若干述べましたが、一切車両代替以外に走行量の削減ですとか積載率の向上などの効果を見込んでいないわけでございますが、これらにつきましてもさらに、現在各自治体で行われている実績の評価などを含めまして、定量的な把握を努めて、その効果を明らかにしていくことが必要ではないかということでございます。
 さらに現在、この施策結果というのはあくまでも現在の総量削減地域ということでの試算でございますので、新たに選定される特定地域では、さらに削減効果などを評価いたしまして、あるいは社会的影響などについても評価して、具体的方策を検討していく必要があるのではないかということでございます。
 以上でございます。

【岡田委員長】 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきましては、何かご意見など。

【永田委員】 本題とずれてしまうかもしれませんけれども、これまで幾つか出てきた対策の中で、そういうような話があったと思っているんですけれども、あれですよね、大型化、ディーゼル化の流れというのがかなりの程度これまでもかなりやってきましたけれども、先ほどのフリート平均は、先ほどの話も若干は効くのかもしれませんけれども、それに対する対応というのは何か見えているのかなという気がしています。どこかにそういう考え方を入れておかなければいけない部分が対策としてはあるんだろうとこういった、1つは事業者の話なんですけれども、この事業者の話については、ほかのちょっと話と違うかもしれませんけれども、1ページのところにグリーン購入の話が、載っていますけれども、事業者という範囲を広げて、事業者に対する、これからはサービスとしての輸送をどうコントロールしていくかということで話は出ていたと思っていますけれども。そういう意味では、地方自治体としてやや限定された考えというのは、例えば地域に関しては、そういうところでの対応の方法論としてあるんだと思うんですよね。自動車NOx法の範疇の中に入るかどうかは別として、その辺のところもできれば今後の検討の中に出していただきたいというふうに思います。

【自動車一課補佐】 今ご指摘いただいた点でございますが、まず一点目の大型化・ディーゼル化につきましてでございますが、先ほどの試算のところにございますように、これについてはあれは大きめの数字だと思いますが、かなり排出量を増大するようになり得るということだと思うんですが、1つの考え方としては、例えば事業者に対して、こういった自主的な対策を進めるための自動車利用管理計画というものを策定していただくということをすれば、そうした大型化への、何を策定しなければ大型化へ進むであろう、事業者についてはこういった計画をつくっていただくことによって、大型化を自粛していただくとか、あるいはディーゼル化を実施していただくということにはつながるのではないかなというふうには考えております。
 もう一つご指摘いただきました荷主についてでございますが、これにつきましては、確かにご指摘をいただきましたように、非常に重要な問題だということで、グリーン法にも書かれてございますように、こうした運送業者に限らず、広く対策を求めるという意味で、荷主についてもそういった取り組みを促すということは非常に重要だというふうに認識しておりますので、これにつきましては、さらに具体化をする段階で、実際に今ご指摘いただきましたように、自治体のレベルでは具体的な対策もとれるのではないかということでございますので、そういった具体化について自治体とも相談をしながら具体化できるところは進めていきたいというふうに考えております。

【岡田委員長】 この辺は一種の自主管理計画ですから、30台以上の、これはかなり自発的にやるんですが、末端にいくとちょっと問題がいろいろ出てきますね。
 きのうの朝日新聞で、過重労働問題が三面トップで出る、こういう玄人の問題が三面トップに出るなんていうのは、ちょっと今まであり得なかったことですけれども、今、物すごい過重労働になっている。道交法の上では荷主責任と言ってた、昭和51年の道交法で、運転者責任と、それから荷主責任と呼んでいるんですが、これが相当輸送台数側の方の責任も問われなければいけないかなという場面に今到達をしてきていて、ただ、そうなりますと、今度は労働条件の問題から何からみんな介入していかなければいけないというようなことになりまして、大変難しい問題が背景にありますけれども、そんなこともこれからの課題という意味で、そういうことが今まで労働基準法だとか、外から守れ守れとやってきた、これはほとんど形骸化してしまったんですね。同じことを今度は環境についてやれやれと、こういうふうに管理計画をつくらせることの意味というのは、どうしても強制力が強いほど効果があるんですが、強制力が弱いと労働基準法と同じ運命をたどる可能性があります。労働基準法は、これは機能していると言うべきか、機能していないと言うべきか、これは評価はありますけれども、これは法的な強制力の問題と、自主管理との関係というのは、非常に難しい問題が背後にあるということではあります。しかし、やらないよりはやった方がいい。現に自治体の方では先行して彼らはおやりになっているんですね。東京都さんなんかおやりになっている。そういう状況かと思います。

【香川委員】 全体的なことですが,この小委員会もそろそろ終わりになって、いろいろな報告や案も出てきているのですが、案の一番最後の7ページのところに自動車排出ガス低減対策が出ていりますが、一体どれが一番効果があって、それから、いろいろな対策がなされていますが、一体それがどんなふうに実施されているかそういう状況の中で、また今回も第2次報告案は依然として単体規制という話が報告に出ていますので、この案をこの程度実施すれば、それは何年ごろ達成できますという話になるためにも、この第2次報告の一番最後に規制の効果を大きく取り上げていけばいただければと思います。

【自動車一課長】 今の香川先生のご指摘は一番根本論でございまして、中間報告の、ここに対しての中間報告をまとめてありましたし、それから、委員会と本会でいろいろな対策の効果の試算というのをお示ししまして、それから前回の紙で見えましたのは、要するに車種規制、単体規制によってかなりの効果が見込まれる。これは要するに技術的にきちんとフォローされるというか、車検というシステムに確保されるということでいいんですが、今回のフリート規制とか事業者の対策と比べますとややましといいますか、量としては少ない数字になっておりまして、では、それをどう組み合わせれば本当の環境基準達成というところまで届くのかというと実は正解は現時点でまだないということで、一部地域は単体自主規制を敷いていればかなりの程度の環境の改善が見込まれるということでありますけれども、東京、大阪のように、非常に交通がありまして、その改善が見込まれないというところでは、車種規制をやっても、あるいは単体規制をやっても、その実際の走行パターンは改善されないので、なかなか効果が上がらないというのが前回ケースに上げてお示しした趣旨にありまして、その意味では、今のご指摘のフォローといいますか、それに対するお答えは、今の段階で全部お示しするのは正直言って難しいというところでは、効果のことを議論すべきという議論は既に中間報告をする以前から部会の方でも厳しいご指摘がありましたし、フォローする必要があろうと。したがって、今のここまで私が言ってきた議論、あるいは技術的な面、それから経済的な面も含めての調査とそれから試算ですべての正解を出すというのは、目標を行政としては示して、その効果をどうフォローしていくかという仕組みと、それから、強さの充実というんでしょうか、それをやはりやらなければならないのではないかと思っております。予算面も反映させる必要があるでしょうし、それから、例えば事業者の取り組みとか、自動車の取り組みというのをどういうふうに把握することができるか。それからもっと言いますと、道路交通の条件はどう改善されるか、どのように業界に結びつけましても、これはまたいろいろな意味での方法論をきちんと最初から始めませんと、なかなか難しい状況になっています。これは太田先生からもときどきご指摘をいただいていることでありますけれども、それを含めてこの第2次報告というのは単体規制に関する報告書でありますけれども、さらに書いてありますけれども、今後、これは車の社会だけではなくて、自動車排出ガスを対策としてしっかりつくる方法を受けとめて、仕組み、調査も含めて仕組みを充実していかなければいけないだろうというふうに思っています。

【岡田委員長】 難しいですけれども、これはやはりやらないと、やはりコストエフェクティブですからね。やはり外国でもだいぶやっていますから。

【大聖委員】 最後の事業者の指導に関するすそ切りのお話でありますけれども、やはり台数は非常に小さなところがやっているのは大部分ですから、結局これを置いておいて、効き目がないというのは明らかでありますので、ぜひ行政の負担ということが一方ではあるわけですけれども、何かもう少し前に、補足するような知恵があってもいいのではないかという気がいたします。最近いろいろな情報通信とかインターネットを使うようなツールもできていますので、何かその辺でうまくできる方法がないかというのは一方であります。
 それからもう一つは、やはり先ほどのお話ではないですけれども、やはり中小の過当競争というんでしょうか、小さい零細としては東京でいう大都市のマーケットで本当にしのぎを削ってやっているわけですが、本当はそれは経営的にもぎりぎりなわけでありまして、それはある程度、我々が言うことではないかもしれませんけれども、ある程度のまとまった、もっと合理化して規模を大きくしたような事業体になる方が環境的な管理とか人の面、コストの面でも楽なんですね。それを促すような法律がちゃんとあって、合理化のいろいろな融資制度とかあるんですが、それはあまり機能していないというふうに伺っておりますけれども、逆に言うと、環境の視点から見ると、それは実は物すごく重要なインパクトを持っているのではないかと、単に経営者が4台、5台のトラックを持ってやっているような、もっとそういうふうな合理化を図られて、効率化した方がいい面があると思います。それを結果的に環境の改善に資するのではないかと、そう思うわけですが、何かそういう新しい仕掛けというのは必要ではないかなという気がいたします。いつもこの合理化のところで必ずネックになっていますが、必ずそこへ到達するにはヒト、モノ、カネがいるのでちょっとそれは自由競争の話でもありますので、非常に難しいのですが…。

【岡田委員長】 わかりました。トラック業界は今5万2,000社、労働者120万人、運転労働者は100万弱ですが、建設業界が60万社、従業員が650万人と言われていますけれども、体質が非常に古いのです。中小は。そこのところもどうするかという点は、環境対策との関連で、産業政策をどうするかということは、やはり先生がおっしゃるように1つの課題かなと思いますけれども、非常に難しいということで、これは労働行政の皆さんそういうことで、日本の産業政策が非常に各省大変苦労されているわけです。
 時間が来てしまいましたので、ここら辺でお開きにしてよろしゅうございますでしょうか。
 それでは最後になりましたそのほかに移りたいと思います。

【自動車一課補佐】 その他のスケジュールについて確認させていただきます。
 次回は10月20日、午前10時から12時ということで、先生方、事前に調整させていただきまして開催を予定しております。場所はKKR東京、別の言い方で言いますと竹橋会館というところで行います。
 現在、中間報告につきましてパブリックコメントに出しておりまして、10月6日までということでやっております。既に数十件届いておりまして、それらにつきましても次回にはご審議いただければというふうに考えておりますのでよろしくお願いします。

【岡田委員長】 それでは、以上で本日の小委員会を終わりにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。