中央環境審議会大気・交通公害合同部会
第2回自動車排出ガス総合対策小委員会議事録


                                      

1.日  時   平成12年5月30日(火) 10:00〜12:00

2.場  所   環境庁第一会議室

3.出 席 者

(委員長)岡 田 清 
(委 員)伊 藤 桂 子香 川   順
 河 野 通 方猿 田 勝 美
 大 聖 泰 弘永 田 勝 也
 松 下 秀 鶴
(五十音順)
(説明者)警察庁交通局都市交通対策課長
 農林水産省食品流通局企画課食品環境対策室長補佐
 建設省道路局道路環境課長
(事務局)大気保全局長企画課長
 自動車環境対策第一課長自動車環境対策第二課長 他

4.議 事

(1)今後の審議の進め方について
(2)各省庁ヒアリング(警察庁、農林水産省、建設省)
(3)その他

5.配 付 資 料

資料1自動車排出ガス総合対策小委員会委員名簿
資料2自動車排出ガス総合対策審議スケジュール(案)
資料3自動車排出ガス総合対策のあり方について審議事項(案)
資料4警察による主な自動車排出ガス対策(警察庁)
資料5農林水産省における自動車排出ガス対策の取組等について(農林水産省)
資料6建設省における自動車排出ガス対策について(建設省)


【事務局】 それでは定刻となりましたので、中央環境審議会大気・交通公害合同部会第2回自動車排出ガス総合対策小委員会を開催させていただきたいと思います。
 本日は、小委員会の委員メンバー12名中8名の委員のご出席が予定されておりまして、既にもう皆様お揃いでございますので、会議の開催要件を満たしております。
本日の会議も公開で開催させていただいております。会議に先立ちまして、資料自動車一課長の確認をさせていただきたいと思います。
 議事次第1枚ものがございまして、その次に資料一覧がつけてございます。資料1で「大気・交通公害部会自動車排出ガス総合対策小委員会の委員名簿」でございます。
資料2、これも1枚もので「自動車排出ガス総合対策審議スケジュール(案)」でございます。前回の小委員会でお配りしたものから少しバージョンアップしたものでございます。資料3は「自動車排出ガス総合対策のあり方について審議項目(案)」でございます。これは裏表の紙でございます。資料4は警察庁からいただいております「警察による主な自動車排出ガス対策」という1枚紙でございます。資料5は農林水産省からいただきました「農林水産省における自動車排出ガス対策の取組等」についてでございます。資料6は建設省からいただきました中央環境審議会大気・交通公害合同部会自動車排出ガス総合対策小委員会説明資料という資料でございます。このほか、テーブルの委員のメンバーには「自動車NOx法のパンフレット」と「自動車NOx検討会の報告書」をご参考までに配付しておりますけれども、これは部会で配付させていただいたものと同じものでございます。
 資料は以上でございます。もし、不都合等ありましたら事務局の方にお願いいたしたいと思います。 それでは、議事は岡田委員長にお願いいたします。
 
【委員長】 本日は大変お忙しいところお集まりをいただきましてどうもありがとうございます。 これから小委員会における審議のスケジュール等について、事務局の方からご説明をお願いいたします。
 
【自動車一課長】 それでは、まず資料2に基づきまして審議のスケジュール(案)、先ほどのバージョンアップしたものでございます。5月9日に部会を開き、前回5月22日に小委員会の第1回でヒアリングとして厚生、通産、運輸、各省をお願いしたと。本日はヒアリングの第2回目ということで警察庁、農林水産省、建設省と。今後の予定ですけれども6月19日ヒアリングの3回目ということで、主に自動車が関係する業界団体ということで日本自動車工業会、全日本トラック協会、日本自動車輸入組合、日本自動車整備振興会連合会、日本自動車販売協会連合会、石油連盟、日本中古自動車販売協会連合会、日本バス協会、欧州自動車工業会ということで、自動車の関係する業界団体の方にお願いをしてはどうかということで進めております。その後6月26日にヒアリング4回目ということで地方公共団体、それからヒアリングの第5回目NGOと、前回のご説明では地方公共団体とNGOを同じ日にまとめてと考えておりましたが、若干時間も足りないかということで日にちを分けましてヒアリングを行ってはどうかと考えております。その後、個別事項の検討で夏に中間報告と。以下は前回ご説明したとおりでございます。
 それから資料3でございますが、自動車排出ガス総合対策のあり方についてという諮問についてのご審議いただく項目の(案)ということでご用意いたしました。これは前回の小委員会でこのヒアリングから入ったけれども、全体としてどういう審議の内容になるのかというようなことでのご質問なりご指摘がございましたので、今時点でその諮問事項に照らしてどういうことが審議項目として考えられるかと。今、全体像といいましょうか、どういう項目、課題があるかということを一覧というのでしょうか、ごらんいただけるように事務局で整理してみたものということでございまして、きょうこれを緻密議論するということではなくて、こういう全体像を念頭に当面のヒアリングに臨んでいただければという意味合いで整理してみたものでございます。
 まず、大気汚染の状況等ということで環境基準の達成状況がどうかと。特に物質としては二酸化窒素、浮遊粒子状物質。さらにディーゼル排気微粒子(DEP)については発癌性等の懸念もあるということでのリスク評価と、こういう観点も含めて大気汚染の状況等というのをまずベースとしておさえる必要があるのではないかと。
 2番目に、これまでの対策の実施状況と評価ということで、まず自動車NOx法に基づく施策の実施状況と評価。これについてはお配りしてございます白表紙の冊子、自動車NOx総量削減方策検討会報告書という中で、その実施状況評価を行っておりますので、適宜ご参照いただければと。また、あわせてPM対策の実施状況評価と、これはまた別途事務局の方で資料をご用意いたしたいと思います。
 そういうこれまでの対策を振り返った上で3番ですが、自動車排出ガス総合対策の充実強化の考え方ということで、これからどういう方向で検討していくのかということで、まず入口としてはこの自動車NOx法の見直しというところが課題であるということで、お手元パンフレットお配りしておりますのは現行自動車NOx法がどういうものかというのがパンフレットの中にございます。それを点検したのが先ほどの検討会報告書と。そういうものを踏まえてNOx法をどのように見直していくのかということが大きなテーマということでございます。その際に対象物質としてこれまでNOx、NO2ということであったわけですが、さらに粒子状物質PMも加えるということでのご検討をお願いできないかと。それから、そういたしますと対象地域につきましても、その範囲が今のままでよいのかと、あるいは新たな地域の追加というようなことも議論の対象になるのかということでございます。それから目標ということで環境濃度、環境基準というのが目標ということかと思われますが、またあわせて排出量の削減目標、あるいはそれをいつまでにどのレベルで達成するのかというような達成期限というようなところもご検討の項目かと。施策としては実行ある施策の具体化ということが基本ではないかと。
 裏に移りますが、個別にではどういう施策が考えられるかということですけれども、※印にありますように自動車排出ガス規制の強化、いわゆる単体規制がまずベースとしてあるということですが、これについては新長期規制の前倒し等につきまして別途大気部会でご審議をいただいておるということで、この小委員会の場ではこの単体規制の強化を前提にした上で、さらに足りないところ、追加的に講ずべき施策というところに焦点を絞ってのご議論をいただくと、こういうことで以下(1)から(6)までその施策強化のオプションということで書いてございます。(1)は車種規制の充実強化、あるいはDPFの装着ということで、車種規制これまでのNOx法でもやってきたわけですが、その中での基準の強化、あるいはガソリン車への代替が求められる範囲を見直してはどうかと。あるいは乗用車がこれまで対象になっていなかったのを乗用車も追加してはどうかと。またDPFの装着ということとの関連の議論が必要ではないかということでございます。それから(2)は事業者における自動車排出ガス抑制対策の強化ということで、自動車を使用する事業者によるNOx抑制のための自動車管理計画の作成等ということで、事業者による計画づくりというようなことが一つの方向として考えられないかと。(3)はメーカーにおける対策ということで、メーカー別の販売する自動車からの排出ガスの平均値ないし総量等についての目標を設定し、対策を起こしていくというようなスキームでございます。またあわせて排出ガス性能の表示ないし説明ということ。それから(4)は自動車交通量の抑制ということで流入規制、あるいはロードプライシング、また大気汚染防止法21条に要請限度という制度がございます。この中で現在COが具体的な基準を定める物質ということで定められておりますけれども、そこにSPMなりNO2というものを加えてはどうかというようなことが課題としてございます。それから社会的参加による自動車使用の抑制というようなこと。(5)は経済的措置の活用ということで排出ガス量に応じた課税、あるいは軽油の税額格差の是正。(6)は局地対策の強化ということで、いわゆる地域全体で排ガスを下げても交差点等で高濃度のところが残ると、そこについての特別の計画策定というようなものでございます。
 5番目に対策の推進ということで総量削減計画の策定、あるいはその進行管理、また個々の施策をだれがどのように取り組むのかというようなことも含めて書いてございますが、いずれにしてもこういう全体的なご審議、かなり幅広いご審議ということになりますが、こういうことを念頭に当面のヒアリングでいろいろご指摘なりをいただければとご用意いたしました。
 
【委員長】 どうもありがとうございました。ただいまの説明につきましてスケジュールについてはこういう運びでいかがでしょうかということが一つと。それから今、後でお話のありました総合対策のあり方についての審議項目ということで(案)として出されています。この辺で何かご意見などございますでしょうか。
 これは進行過程でいろいろ変わり得るということでよろしいですね。
 
【委員】 ヒアリングで各関係のところからお話を伺っておりますが、やはり小委員会のこの個別検討に入る前にヒアリングを行ったことの全体の審議を少し委員間でやった方がまとまるかなという感じがするのですが、その小委員会のときでもいいですし、NGOのヒアリングの後でも何か今までのヒアリングの全体について、もう一度質問をし直したいというような部分も出てくるのではないかというような気がしておりますが、その辺は何かご配慮がいただけるでしょうか。
 
【委員長】 どうでしょうか。一応まとめのようなものは出ますね。
 
【自動車一課長】 ヒアリングの結果を何らかの論点があるかというようなことでの資料をつくってご審議いただけるような準備はいたしたいと思います。またそのご審議を踏まえて、またその後の対応を考えたいと思います。
 
【委員長 】 ほかに何かございませんでしょうか。
 ご発言がなければ、続きまして早速きょうのヒアリングに入りたいと思いますが、警察庁の方からお見えをいただいておりますので、警察庁さんの方からご説明をお願いいたします。
 
【警察庁都市交通対策課長】 警察庁の都市交通対策課長の伴と申します。
 本日は、お手元の資料の資料ナンバー4という警察庁からお配りをしておりますものに基づきましてご報告をいたします。
 警察による主な自動車排ガス対策ということで書いてございます。基本的なまず考え方でございますけれども、警察の方は交通管理を主として担当しておるわけでございます。自動車交通を担当しておるわけですが、やはりこういった非常に高度になった車社会の中でもたらされた弊害の三つの大きなものは、やはり事故と渋滞と公害だというふうに考えております。事故と渋滞と公害ということで、特に私どもの課ではこの渋滞と公害について交通局の中で担当させていただいていると、こういう立場でございます。基本的な考え方といたしましては、交通量の円滑化対策と交通総量の抑制対策。円滑化対策と抑制対策、交通総量の抑制対策とこの二つで交通公害を低減していこうというふうに思っておるわけでございます。交通量の基本的な考え方でございますが、車というのは交通渋滞等で停止、発進回数これがふえる、あるいはのろのろ運転、低速走行時間がふえると、こういった状態になりますと非常に多くの排ガスを出すという実験結果がございますので、基本的には交通流の円滑化ということを図って今申し上げました停止、発進回数、あるいは低速走行時間を減少させようという施策をとっております。もって排ガスの減少を図ろうということでございます。
 主な交通流の円滑化対策の方でございますが、一つは交通管制システムの整備等ということでございます。くろぽつで三つほど書いてございます。一つは交通管制システムの整備による信号機の集中制御化、運用の最適化ということで円滑化に資するように信号機の運用を調整ということでございます。この交通管制システムというのは中央管制のセンターをつくりまして信号機を集中制御するということでございます。例えば幹線につきましては比較的信号にかからないように、ある程度の走行速度を保って走行すると次々と前の信号が青になるというような一定方向の制御をするというようなことで、信号の運用を最適化して円滑化を図ろうということでございます。それから2番目のくろぽつ、VICSと書いてございます。UTMS、光ビーコン等整備の運用ということでございます。これは何かといいますと警察が現在道路において基本的なインフラとして整備をしておりますのが光ビーコンというものでございまして、これは赤外線を使いましてその光ビーコンと車、車の方にも受送信機がつくわけですが、道路側に設けられました光ビーコンの受送信機と車につけました端末、これも受送信の機能があるわけですが、その間で赤外線を使って通信をいたします。これは双方向の通信になりますが、双方向の通信でもって車の情報を中央の方でとり、中央の情報を車の方に流すというようなもの、これを基本的なインフラとして現在警察でも整備していると。こういったものを活用してこれからの1ぽつの交通管制システムを高度化していく。それから次にやや具体的なものとしてEPMSと書いてございますが、こういったものに使っていくということでございます。リアルタイムな交通情報の提供による交通量の分散等ということをやりたいということでございます。直接的には具体的にはカーナビゲーションという機器が車についておりまして、警察のVICS対応の機械ですと中央の情報、つまりこの先の混雑具合とか規制の情報などがリアルタイムで個々の車まで行き渡るというようなことで現在活用しておるということでございます。それから最初の丸の最後の黒ぽつでございますが、EPMSの導入ということでございます。これは交通公害低減システムというふうに呼んでおりますけれども、今申し上げました交通管制システムの高度化、それからVICSによります双方向通信、こういったものを使いまして、それから道に排ガスセンサーみたいなものをつけます。そうすると排ガスの中で一体何がどのぐらい今上がっておるかというような情報をもとに公害の状況を感知をいたしまして、先ほど申し上げましたような双方向通信によりまして個々の車までその情報提供に使おうというようなシステムでございます。これは比較的最近始めましたシステムでございまして、神奈川の川崎地区、それから静岡県、兵庫県と。兵庫県については国道43号線、こういったところで現在整備をしておるわけでございまして、これ以降13年度以降は各都道府県においてさらに拡充するべくご検討いただいていると、こういったシステムでございます。
 それから交通量の円滑化対策の大きな黒丸の二つ目は円滑化の障害となる駐車車両対策でございまして、だいたい交通公害発生地点というのはボトルネックになっておりまして、渋滞が発生しておるというところが多いわけです。それで駐車の取り締まりというのはそのボトルネック対策の有力な手段としてやっておるわけでございますが、そういった非常に重要な路線、あるいは交差点につきましては駐停車を禁止する措置とか、もちろん警察官によります駐車の取り締まり、警告などを実施をいたしまして、そういったボトルネック対策に対応しておるということでございます。
 それから基本的な考え方のところで申し上げましたけれども、次に大きな3番でございますが、もう一つ大きな柱として考えておりますのが交通総量の抑制対策ということでございます。警察による交通需要マネージメント、TDMなんですけれども、基本的には公共輸送機関を利用していただけるように、特に警察の場合には道路交通を担当しておるものですからバスに乗り換えてもらうというような施策を中心に進めておるわけでございます。バス専用・優先レーンを設定をするということでございまして、これは時間を区切ってバス専用あるいはバス優先のレーンにして、その専用・優先レーンにつきましてはバスを主として通すということですから、バスの定時制を確保して一般のお客さまに利用されやすいようにしようということでございます。それからバス感応式信号機の整備、PTPS(公共車両優先システム)の導入によるバス優先対策ということでございますが、これも双方向の先ほどの光ビーコンなどを用いるわけですが、このバス感応式信号機というのはバスの方に発信機を付けまして、バスが来たときに信号の方向を青になるようにしようと。次のPTPSも同じようなものなのですけれども、ちょっと方式が先ほどの光ビーコンという最先端のものを使っておりまして、これは双方向の送信をしながら走るのですが、やはり同じようにその端末をつけましたバスが交差点に差しかかりますと、それをビーコンが関知して青にするとか青時間をふやすというようなシステムでございます。こういったものを用いてバスの利用を促進して自家用自動車からバスに乗り換えてもらおうと思って交通総量を抑制しようというような対策をとっておるところでございます。それから関係機関との連携によるTDMの推進ということでございまして、こちらの方はいわゆるパークアンドバスライドでありますとかパークアンドレールライドでありますとかそういったようなものとか、あるいは物流のシステム化といいますか効率化といいますか、そういったものを関係機関と連携をいたしながら、それぞれの都道府県において警察も中核的な役割を担ってこのTDMを推進していく立場にあるということでございます。
 この円滑化対策と交通総量の抑制対策につきましては、現在、警察的にこの二つをさらに有効かつ効率的に組み合わせることによってより効果が現れるのではないかというようなことで、現在5都市でこの円滑化対策と総量の抑制対策を組み合わせによる効果を見るためにモデル事業というものを。これはネーミングは環境にやさしい交通管理モデル事業とこう呼んでおりますけれども、全国5都市で展開をしておるということでございます。ちょっと一つ簡単にご紹介いたしますと、神奈川県の川崎市ですね、これは典型的な工業地帯、臨海といいますか臨海工業地帯でございますけれども、これは交通公害の深刻な地域における総合的な対策の推進ということで取り組んでおるわけでございまして、先ほどの公共車両優先システム、PTPS、それからEPMSを導入いたします。それから時差出勤の励行でありますとかバスに乗ってもらうためにシャトルバスを川崎等の主要駅から運行すると。それから川崎でちょっと変わっておりますのはパークアンドサイクルライドですか、主要なポイントごとに自転車をプールいたしまして、公共輸送機関プラスこういった自転車を活用していただいて目的の仕事場まで行ってもらうと、こういうような事業をこの川崎地区におきましてTDM推進協議会を設置をいたしまして展開しておるということでございます。もう一つ、静岡県の浜松市でございますが、浜松市におきましては中心市街地における交通総量抑制対策の推進というようなことで、先ほどのPTPSですね、それからEPMS、パークアンドバスライド、こういったものを組み合わせまして、非常に自家用自動車の集中道路が高い市であると、浜松市がですね。というようなことで今申し上げましたような施策で交通総量の抑制をやっておると、それから名古屋の交通結節点へのアクセス道路を利用したモデル事業というのは、ある交通結節点がありまして、そこにアクセスする道路におけるPTPS、先ほどの公共車両優先システムとガイドバスシステムといいまして、いわばバスの線路みたいなものを高架でつくりまして、その上をバスが通ってもらうというようなシステムを実験的にやるということでございます。4番目になりますが京都の取り組みは観光地におけるPTPSと駐車対策の一体性推進事業ということで、京都は典型的な巨大観光都市ということで、休日の行楽地の観光バス、マイカーを有効に制御できないかというようなことで、先ほどのPTPS、それから駐車対策ですね、それからバスと鉄道の共通乗車券の導入というようなことを取り組んでおるわけでございます。最後、5番目でございますが兵庫県の川西市というところでベッドタウンというところで、ベッドタウンにおけるPTPSとパークアンドライドということで、典型的にその大型なベッドタウンがあって、そこから通勤主要駅までが非常に混雑するというようなことで、先ほどの公共車両優先システムとかパークアンドライド、キッスアンドライドですか、マイカーによる自宅と駅との間の総量を削減すると、逆にですね。そのための駐輪場の整備などを計画などに組み込んで、円滑化対策と交通総量抑制対策の有機的な結びつきのモデル事業を現在展開しているということでございます。
 また、話がもとに戻りますが、今申し上げましたように警察的にいいますと、一つは道路交通を円滑にして交通公害をなくしていくと。それから交通総量を抑制して交通公害をなくしていくと、この二つの大きな柱で取り組んでいるという現状でございます。
 ご説明以上でございます。
 
【委員長】 どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして何かご質問などはございますでしょうか。
 
【委員】 教えていただきたいのですけれども、これの警察における自動車排出ガス対策今伺ったのですが、これをサポートする法律はどういう法律が関与しているのでしょうか。あるいはそういう法律はないけれども、警察として独自にこういう対策をやられているのか。
 
【警察庁都市交通対策課長】 道路交通法の基本的な目的が三つございます。これはご存じのように安全を保つということと、それから円滑を保つということと、それから道路交通から発生する障害を除去すると。先ほど私が一番最初に申し上げましたように事故と渋滞と公害を防止するという目的がそもそも道路交通法に入っておるわけでございます。その道路交通法を根拠法令といたしまして交通管理をいたしておりますのが警察、都道府県の公安委員会という形になりますので、主としては根拠法としては道路交通法でもって交通管理をする中の目的として交通公害抑止、防止というのを持っているので、こういった交通管制でありますとか取り締まりでありますとかというものを展開しておるということでございます。
 
【委員】 もう一つ、その道路交通法の中に安全、円滑、障害ということをお話になったのですけれども、安全という概念の中には健康への悪影響を防止するという概念は入っているのでしょうか。それとも全然そういう概念はなくて、いわゆる事故とか、そういった防止の安全。結局これ基本的な考え方の中でこの排ガスの減少というところにつなげているわけですけれども、それとこの安全という概念の中には健康への悪影響を防止するという概念が入っているのかどうか、法律の中にですね。
 
【警察庁都市交通対策課長】 微妙なのですが、今申しましたように道路交通から発生する障害の除去というのがございまして、むしろ排ガスとか騒音みたいなものはこっちではないかというふうには考えているのですが、安全の中にその健康という概念が入らないかというと、それは必ずしも入らないとも言えないかもしれません。
 
【委員】 私が伺っているのは、あくまでも法律の中でそういうことがうたわ
れているのかうたわれていないのか。
 
【警察庁都市交通対策課長】 道路交通法の第1条の目的というところで、この法律は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とするというふうに書いてございまして、道路における危険を防止しというところは事故を想定しているのだと思うのです。その他交通の安全と円滑を図りというところで安全と円滑なのですが、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することというところで交通公害ではなかろうかというふうに今の読んでおるわけですけれども。以上でございます。
 
【委員】 あと、この道路関係では道路運送法とか道路運送車両法、交通安全対策基本法、道路法というのがあるみたいなのですけれども、今のお話は全部道路交
通法でカバーできる。
 
【警察庁都市交通対策課長】 もちろん警察も道路法とか道路運送車両法でありますとかを使って仕事をすることもあるわけです。例えばその安全基準を満たさない車が走っているということが明らかであれば、それは整備不良車両ということで取り締まりをいたすわけでございます。ですからその整備不良車両の取り締まりということについては道路交通法に根拠があるのですが、その整備不良車両になる要件というのは車の安全基準ですから、道路交通法を主として警察としては使って仕事をするわけですが、今おっしゃられましたようにほかの省庁のつくられた法律で関係するものはすべて使って仕事をしているということでございます。
 
【委員長】 関連してちょっと一言教えていただきたいのですが、プラスチックマネージメント交通管理というものが道交法で規定されているのですが、どうも私の個人的な見解では狭く解釈しておられるのではないかと思っているわけです。と申しますのは、歩行者なり自転車がこう動きますね。そこに車がどんどん入って来る。この辺のいわば非常に恐怖感を歩行者なり自転車が覚える。これはバリア効果だとかセバラン効果というふうに呼ばれるものですが、これは実は外国で大分今問題になりかかってきているのですね。ところが日本の交通警察というのはそういうことにとんと無頓着で、言い換えればそういうことの交通の環境整備が十分にできていない道路でもどんどん大型車を入れざるを得ないという場面があるのだろうと思うのです。これを将来、交通管理というものをどういう哲学で歩行者をとにかく守るのだと。事故を減らすのは当然のことにしまして、そこら辺の整理がまだ十分にできていないのではないかと、これは私の大変失礼な推測で恐縮ですが、その辺のことをちょっと教えていただければ。
 
【警察庁都市交通対策課長】 先ほど安全を守るということが非常に基本的な我々の使命だというふうに考えておりますから、その人と車を分けるということは道路交通の安全を考える上では基本的な対策だというふうに思っているのです。ただ、ご存じのとおり日本の道路は歩車道がはっきりと柵と段差で区切られているところがまだ非常に少なくて、ある意味でラインだけで、またラインも電柱だったりいろいろな工作物が出っ張っておったりしてかなり歩きづらい道路というのが多いというのが実態だというふうに思います。ただし、今、委員長言われましたように車と人を基本的に離していくのがやはり安全対策の基本ですから、これからは生活道路と幹線道路といいますか、そういったものを割合もっと性格づけをはっきりとさせて、生活道路の方にはむしろ車は例外的にしか入れさせないとか、そういったことを考えていくべきだというふうに思ってますし、一部そういうような施策もとりつつあるわけでございます。
 
【委員】 ちょっと一つお伺いしたいのですが、大気汚染防止法の第21条第1項のところで要請できるもの、都道府県知事が総理府令で定める限度を超えている物質にこの一酸化炭素について決められておりますよね。これについて今まで何かそういう要請が都道府県知事から出されたことがございますか。
 
【警察庁都市交通対策課長】 これは大分古くからある制度でございますので、多分事例はあると思うのですが、きょう持ってきていないので正確にはちょっとお答えできないので。
 
【委員】 一酸化炭素についてはもう環境基準クリアして超えることはないので、恐らく現状においてはこの要請限度は機能していないと思いますけれども、最近のそのきょうご説明いただきましたような自動車交通公害というものの中では窒素酸化物、あるいはSPM、川崎の公害これは和解していますけれども、それから尼崎の問題とあったわけですけれども、ここではSPMの問題になっているわけで。この21条の中では道交法に基づいて措置をとるべきことを要請するものとすると、こうなっておりますよね。それでもできるではなくて、騒音についてはすることができるですけれども、これは都道府県知事要請するものとするとなっておりますが。今後、今の交通公害といういわゆる大気汚染に関するような、騒音の問題もありますけれども、大気汚染に関するようなかかわるこの現状の中で窒素酸化物。環境基準で決められているのはNO2ですから環境基準に決められておりませんと総理府令で限度も決められないでしょうから、そういう環境基準で定められておるものSPMあるいはNO2等について、こういう要請限度というもの、制度をこういう21条1項にかかわる今一酸化炭素しかありませんけれども、これにNO2あるいはSPM等を加えれば、警察庁としては道交法の規定を適応してやりやすくなるというふうなお考えはないのでしょうか。お持ちでしょうか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
 
【警察庁都市交通対策課長】 今の大気汚染防止法21条に新たにNOxとかSPMですね、こういったものを加えて要請するものとするというふうになるのかどうかわかりませんけれども、そういったふうな制度をつくることについてはどうかということなのですが、一つはやはり交通量と濃度との関係がある程度科学的に十分これは検証される必要があるだろうというふうに思っておりまして、自動車がその主な排出源であるということがやはりその場所について言えることがまず前提になるだろうというふうに思います。そういったことが言えたとすればいいのですけれども、そうではないとなかなかその要請を受けても我々の交通管理上の説得力がないといいますか、そういう形になってなかなかご納得がいただけなくなることもございますので、まずそういったところがクリアにされるというのが必要かというふうに思っております。
 それからもう一つ、あえてちょっと個人的な感想で言わせていただきますと、先ほど来ちょっと申し上げましたように、警察は少なくとも幹線やそのいろいろな交通結節点といいますかボトルネックといいますか、そういったところについてはかなり前々から取り組んでいるというところがございまして、その要請を受けたときにどういうふうにするのが一番いいのかというのが非常に実は難しい問題をはらんでいるのです。先ほど来私がぐちゃぐちゃと言っておりましたことの主は、要するにもともと道路交通法の中にも交通公害を減らすんだという目的があって、それでその警察としては渋滞解消しつつ交通公害も低減をさせようというふうに努力をしてきているわけですが、その要請の制度がそこにできて要請受けたらさらに何かができるのかというと、多分もともとそういうことではないのだろうと思うのです。ですから要請を受けたら何かそのドラスティクなことがとれるのかどうかというようなことではなくて、私ら実際にどうしたらよくなるかというのは実はいつも大変悩ましいわけですよね。例えば車完全にとめてしまうと、その交通量はどこかに行くのですよね、やはり。そのときに安全の問題とか公害がさらに拡散するというような問題が生じる可能性があるわけですから、非常に話はそんなに単純な話ではないなというふうには思っているということなのです。ですから、今のご質問に要約しますと、要するにその要請限度の制度を新たに加えるに当たっては、科学的な根拠を十分につけていただきたいということと、要請という制度が果たして今の実態に合った制度かということをちょっとお考えいただきたいなという。むしろ都道府県知事と公安委員会はそんなに一方は図って一方は要請するという、要するにそれほど離れた組織ではないという感じでいつも仕事しているものですから、そういう制度が本当にいいのかどうかというのは考える必要があるのではないかというようなところです。二つ今考えております。
 
【委員】 今のお話を伺っていて難しさというのはわかるわけですけれども、ただ、その自動車の影響であるかどうかというようなことは今までの一般測定局あるいは自動車排出ガス測定局、いわゆる自排局などのデータを見てくれば、その因果関係というのはかなり明白になってきているわけですね。特に自排局などの達成率の悪さというもの、幹線道路における高濃度の出現というようなもの。いわゆる今おっしゃっていたのは固定発生源か移動発生源、両者しかないわけですからそのどちらかの影響なのかというのはかなり明白になってきているわけで、高濃度になるのは交通量の多い幹線道路が主になるわけですから、その辺はかなり解明されてきていると思うのですけれども、確かに道交法だけで対応できるものではないということもそれは理解はできますけれども、現状の環境基準未達成という中であらゆる方策をとって、とにかく環境基準は維持、達成されなければならないということなのであって、達成されることが望ましいのであって、そうするとそれに対して今都道府県の公安委員会あるいは警察庁の各県警等で何かできるのかということを考えますと、やはりそういう制度の中にこの21条というものがあるわけですから、そういうものを活用して、さらに現在先ほどご説明いただきました中にも5つの都市でいろいろなことをおやりになっていらっしゃいますけれども、それにさらに付加してより効果的な対策がとれるというようにはならないのでしょうかということなのですが。そうなるべきではないかと思うのですが。
 
【委員】 環境庁で調べたことがあるのですけれども、ディーゼル車では、違法改造の車が結構多くいのです。我々も日ごろ道路で煙をはいている、明らかに違法改造している、あるいは整備不良の車なんですね。あれの取り締まり強化というのをぜひやっていいただきたいと思います。低公害車の導入のことでいろいろ検討してますと、例えばバスの優先レーンを使って低公害車を優先的に流す特点になっていいではないかという議論なんかがあるのですけれども、それでネックになるのは取り締まりをどうやるかということなのですね。今の不法改造ですとかそういった問題で、結局そちらの警察の負担がふえるのでなかなか難しいねという話になります。それから前の自動車NOx法の総量削減のときの検討のときにもやはり取り締まりが結局負担があってだめだという話になりまして、それではどういう工夫をやれば有効になるのかなという議論では、いつもそこら辺にネックがあるように思っております。
 それからもう一つは、いろいろな自動車排出ガス対策のモデル事業というのをやれるのですけれども、あのモデル事業も非常に期間が短くて、モデルにかかわった人たちのメンタリティーが変わる前で、皆さん我慢してああ終わったか、それではせいせいしたという、そういう事業が多いのです。事業をもっと継続的にやっていただいて初めて我々がそれに慣れて、これでいいのだという認識を持たないとモデル事業の成功と言えないと思うのです。そういうモデル事業も警察でかかわると思いますので、ぜひその辺をご配慮いただきたいと思っております。
 それからもう一つ、最近は、さっき地方自治体でビーコンの渋滞情報が環境関係の行政に流れるようになっていまして、それでかつ自動車測定局のリアルタイムの情報もそちらに行くようになっているのですね。ですから警察の方でもこういう局地汚染のリアルタイムの情報というのは把握されるはずですから、その局地汚染の発生メカニズムの解明と有効な渋滞対策について工夫が可能ではないかと思っております。
 
【委員長】 時間の関係もありますので大変。今の点でお答えいただくことございますか。特によろしゅうございますか。
 
【委員】 最近、低公害車が非常にふえてきていますよね。例えば自動車でもプリウスだなんだ出てきておりますけれども。公共車両優先システムというようなことでバス専用レーンとかおっしゃっていましたけれども、将来、低公害車などを優先レーンとかそういうことに通すというようなことの、低公害車の専用レーンとか優先レーンというのをもし設定されるような場合、低公害車というものの識別についてどういう方法が、例えばステッカー様式がいいのか、あるいはナンバープレートがいいのか、何か警察庁としてそういうことをご検討されたことがおありなんでしょうかということをちょっと伺います。
 
【警察庁都市交通対策課長】 私の隣の課で規制課というのがあるので、そちらでひょっとしたら検討したかもしれませんが、今お聞きして思いますのは、ステッカーにしろナンバーにしろ、とりあえず低公害車であるということが偽造不可能なような、不可能というかかなり難しいような形でわかれば、今おっしゃったようなバス専用レーンを通すとか、その低公害車専用のレーンをつくるとか、こういった施策も将来的には実行可能性があるというふうに思っております。
 
【委員長】 時間の関係がありますので、ちょっと確認だけ一言。もし、NOxの問題を初めとして排気問題について客観的な基準が示されれば、交通管理側から相当程度アプローチできるという解釈でよろしいかどうかです。今の法律ではとてもそこまでは力がないと。道路管理者、地方自治体、その他非常に各面から錯綜して問題が起こっておりますので、皆さんどうもにらみ合いで自分の村の話ばかりやってこられて、実際に環境については十分な対策はとってこられなかったと、これは私の個人的な認識です。これについて警察が現場について相当表に出て行って料金をとるとか何をとるとか、そういう対策も自分たちで十分やれるという能力がおありかどうかということを確認したいのです。すいません。
 
【警察庁都市交通対策課長】 先ほど申し上げましたように、交通公害を発生させないようにするのは警察本来の仕事というふうに思っておりますので、将来的には先ほどEPMSとか新しいシステムを導入していますけれども、もっといろいろなシステムを開発できるはずだというふうには思っています。それがですから警察の本来の仕事として進めていくことができる分野であるというふうに思ってございます。
 
【委員長】 時間の関係がございますので、ここら辺でよろしゅうございますか。
それではどうも大変、また今後いろいろ教えていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして農林水産省の方からご説明をお願いできればというふうに思います。よろしくどうぞお願いいたします。
 
【農林水産省食品環境対策室課長補佐】 農林水産省の食品環境対策室の課長補佐でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元の方に農林水産省における自動車排出ガスの取り組みについてという資料を準備していますので、その資料に基づきましてご説明させていただきます。
 1番目の現状でございますけれども、農林水産業におきましては非常に農畜産物、そのような一次水産物とか二次水産物、そういうような水産物を消費者に届けようというような形のいろいろな流通が多段階においてから展開されているということでございまして、そこに記載していますのは運輸統計によりましてからどのようなもの量的なシェアになっているかというのを示しているわけでございまして、ほとんどが食品、工業品といいましてから二次生産品をいろいろな形でから消費者に届けると、そういう段階が多いということと、一次生産物の農産物であるとか木材というような形になっております。この農林省における全輸送量、自動車の輸送量でございます、これは(2)に書いてございますように全産業によりましては14%という形のシェアになっておるということでございます。これらの全体の総量の推移を見てみますと農水産品とか木材、そこら辺については横ばいで推移していますけれど、食品工業品については全体と同じ傾向を示しているわけですけれども、若干増加傾向にあるのではないかということでございまして、その資料としまして4ページをごらんいただければ参考資料1として添付しておりますので、ごらんいただければと思っております。これは運輸統計でございまして営業用、自家用込みという形の輸送量の推移ということでごらんいただきたいと思っております。
 では、2番目の方の農林水産省における取り組みというところでございまして、まず(1)に記載しておりますようにNOx法が平成4年に制定されたということによりましてから、農林省におきましてもそのNOx法に基づく農林漁業者であるとか食品事業者に対していろいろな形で指導しているということでございまして、その具体的な指導の手段としましては2ページの方に書かれてございますけれども、NOx法の第13条の規定に基づきまして、農林省の製造業者であるとか卸・小売業者に対しまして指針の策定を制定して、これをいろいろな形で事業者に対して通知したということでございます。これは4省庁共通的なことでございまして、これは平成5年の2月効果という形で共通的に示していると。ただ、それ以外につきましても農林省としてもNOx法に基づいていろいろ業界の指導という立場から局地法を持ちまして、自動車排出の抑制についてという形で平成5年12月に具体的な留意事項につきまして通達を出しまして徹底しているということでございます。
 イの方でございますけれど、これも環境庁さんの方からいろいろ冬季の窒素酸化物の抑制というような観点から要請を受けてまいってますけれども、この通達に基づきまして農林省の各地方ブロック機関、それから食品事業者、事業者であれば製造事業者であるとか卸・小売事業者、これらに対しましてもその通達に対して理解を示すように強調みを持って通知徹底を図っているということでございます。今後ともそういうような指針とか局内の通達を持つとか、いろいろな関係機関からの要請に基づきまして、いろいろな関係者に対して普及・啓発をやっていきたいということが変わりないということでございます。
 それから(2)の方に書いてございますけれども、輸送の効率化の推進と。指針に示されているように窒素酸化物の抑制ということに当たりましては、生鮮ものの物資を担当するという農林省の特色を生かした上から共同輸配送であるとかモーダルシフト、そういう形を絡めていろいろ効率化に基づいたいろいろな施策を従来から展開しているということでございまして、特に流通の効率化という観点から申しますと卸業の内部における整備であるとか、そこに至るまでの形の輸送、情報伝達の手段であるとか、それから市場間からまた卸・小売店というような形のところにも共同配送とか共同輸配送のセンターであるとか、そういうような形からの物流の効率化に向けた施策を展開しているということでございます。これは2番目の方に書いてもございますけれども、平成9年の物流大綱、そういうような形が出された中にも基づきまして、これまでもいろいろな施策を展開しているということでございまして、今後ともこういうような施策に対していろいろな予算的な措置を含め対応していきたいということになります。それに加えましてNOx対応ということでございますが、環境とも非常にかかわりが高いということでございまして、私ども担当しております環境対策部におきましてもいろいろな自動車の排ガスを含めました総合的な環境対策の推進施策を推進しているということでございまして、次の3ページの方に概要を列記していますけれども、食品事業者、製造業者であれ卸業ですとか消費者も含めた形で総合的な環境の問題について意識啓発、いわゆる普及・啓発というような形で従来から予算措置を続けているということでございます。(2)につきましては昨年度農業基本法といいますか、一番中核となる法律が制定されましてから、その中におきましても食品産業の健全な発展を図る上での環境の負荷とか、そういうようなことを明確に明記しているということで、これからも積極的な展開を図っていきたいということで、今そこに抜粋を入れていますけれど食品事業者、事業方におけます環境負荷の低減というような形におきますれば、容器・包装リサイクル法であるとか、食品リサイクル法であるとか、事業者の方で自主的に取り組んでいただく環境自主行動計画、地球温暖化問題に取り組むとか、後段の方の資源の有効な確保がそこらにかかってくると。それからその後の方の農業との連携の推進とか流通の合理化の施策を講ずると。いずれのところにおきましても食品の流通の構造改善の促進というような形で取り組んでおりますし、卸市場の整備、そこらの対応してきているということでございます。
 簡単ですが資料に基づきましてのご説明は終わらせていただきます。
 
【委員長 】 どうもありがとうございました。
 
【委員】 ここに製造業とか卸に関する指針が出されておりまして、それぞれについて輸送の効率化とかいろいろ個別にこういうふうにしなさいということが出されているわけですけれども、農林水産省関係の今のご説明の中で、それぞれの指針に対してどの程度実施されているか、ごく大ざっぱに例えばこういった輸送の効率化なんて指針に示されていることがいろいろありますけれども、大ざっぱに見て半分ぐらいは実施されているのか。それともほとんど何かその辺のところを教えていただきたいのですが。
 
【農林水産省食品環境対策室課長補佐】 今のご質問でございますけれども、この指針を示したということは平成5年でございまして、いろいろな機会をとらえて先ほど申し上げましたけれど環境庁さんの方からの要請に基づいて、さらなるこれの周知徹底を図るという観点からのやり方をとっておるということでございまして、個々具体的ないろいろな効率化の問題ですとかモーダルシフトの推進、その他考慮すると、そこら具体的にはそれぞれのポジション的な形で進めているということでございます。
 
【委員長】 私も一言よろしゅうございますか。川上物流と川下物流と分けまして、私の見方では川上物流は農林水産系はかなり船を使ったりとかいうことでモーダルシフトの方にもかなり進んでいると思うのです。ただ、今の取り引き場取り引きが将来どうも魚にしても野菜にしましても、どうも危なっかしくなるのではないかと、これも単なる推測ですが。そうなりますと、かなり交通量が分散しますね、取り引きが集中するということがなくなってしまうと。そうするとその取り引き場から家庭までこれを今ごろの言葉でいわゆるBtoCという言い方でしておきますと、BtoCの方に相当やはり努力の余地があるのではないかと。例えば食品の多頻度配送にしましても、あるいはコンビニ、スーパーマーケットへの問題にしましても、そのBtoCの交通における農水の役割といいますか、これをどう見るのか、これについて抑制するということは大変難しいのですけれども、ときにはかなり思い切って抑制をしなければいけないかもしれないという場面が想定されるのですが、そこら辺をどういうふうにごらんになっているかちょっと教えていただければと思います。
 
【農林水産省食品環境対策室課長補佐】 私考えるのに農水産物というのは食品でございまして鮮度問題であるとか毎日の食生活の問題ということでございますれば、消費者が求めるような形の鮮度、多頻度いろいろな形というものはなかなかその消費者が求める形の分野からの非常に難しい問題がありまして、1点だけの必要の効率化だけがなかなか少ないというのもございますけれども、そういうようなもろもろの観点も含めて省内でも流通ポジションの方では鉄道とか船舶を利用したようなモデル的な構築事業、そこら辺も取り組んでいるということには間違いないのでございます。
 
【委員】 先ほどご説明いただきまして、自動車NOx法にかかわる中で13条第1項の規定に基づいて指針をお出しになっている製造業、あるいは卸・小売。先ほど香川先生からどうなっているのですかというお話ございましたけれども、このきょういただいた資料を拝見しますと、所管する食品業界等に通知、その徹底を指導してきているということなわけですけれども、やはり徹底、指導してきたとすれば、先ほど香川先生ご指摘のように、やはりどうなっているのか、それが評価されてしかるべき。常にチェックしていなければ徹底しているのかどうかもわからないわけでして、その辺どうなっておるのか、先ほどのお話ではどうも余りその辺は明確なお答えをいただけなかったような気がするのですけれども。
 2ページ目のところで11年度においても、冬季における窒素酸化物対策の推進を図るため云々と環境庁の要請に基づきとあり、この12月の大気汚染防止月間とかそういうのがあるわけでして、定められているのはその関係で周知徹底なさったのでしょうけれども、この通知あるいは通達というものをお出しになって、それがどのように機能しているのかがわかりませんと、本当に成果が上がったのかどうかですね。農林水産関係で見れば製造業あるいは卸・小売等がどれだけご努力なさっているのか協会として。私ども自動車でもいろいろお話聞いていますと、やはりそういう業界がどういう本当に対応なさっているのか。そういうのがわからなければ評価もできない、また今後はではどこを改善すればいいのか、どこをさらに規制強化というと喜ばないと思いますけれども、何らかの対策をどのようにとっていけばいいのかというのも出てこないわけですよね。それもわからない。その辺、どうお考えなのかちょっとお伺いしたいのですが。
 
【農林水産省食品環境対策室課長補佐】 おっしゃるとおりでございまして、機会あるごとにこういうような指針を示していくとか、いろいろな要請に基づきましてその指針であるとか、局長の方で新たに留意事項を定めていますので、そこら辺を含めてから食品事業者の方へ通知すると、そういうような形の取り組みということでございまして、その成果面とかそういうところにはなかなかちょっとわからない面がございます。
 
【委員】 自動車NOx法の中では所管大臣がということで農水省、それからあとは運輸省、通産省、いろいろな関係省庁大臣からこの指針が出されているわけですけれど、今までほかの省庁お伺してきましたけれど、むしろ都道府県知事が積極的に地元の環境がよくわかっているところでおやりになった方がもっと成果が上がるのかなという、何か今までの経過を拝見していると、これは個人的感想です、意見です
けれども、という気もしました。
 
【委員】 今のご意見、私本当にそのとおりだと思います。私ちょっともっと具体的なことで伺いたいと思います。こういう特に水産物とか農産物の市場へいった経験があるのですが、実にたくさんのものがずいぶん遠方から送られて来る。私、名古屋に住んでおりますが2、3回そういう市場を朝早く見せていただいたことがあるのですが、北海道のどこでとれたもの、それから九州のどこでとれたもの、それから普通なら食べれないような季節に沖縄から竹の子が届いているとか、そういうようなことが本当に必要かどうかということを非常に私は考えますが、そういうことはどんなふうにお考えになっているでしょうか。
 それから最近はスーパーマーケット、百貨店にいきますと朝づみとか朝どりですか、そういうものは少量だけなんですけれども並んでいるのですね。これからの環境にやさしい生活、食生活もそうだと思うのですが、そういうことをしていくということに対してこれは抑制するというのは大変難しいのかもしれませんが、何かそういうものに対して工夫をしていかないと、むしろ地元の生産品の抑制にもつながるのではないかという感を持つことがあるのですが、いかがお考えのものでしょうか。
 
【農林水産省食品環境対策室課長補佐】 日本列島、北海道から沖縄まで非常に幅が広いということであれば商業圏もかなり違ってまして、農畜産物、特に野菜みたいなのは旬というような形が非常に最近は周年間栽培というのが進んでいますけれども、いろいろとつくられる時期、出荷される時期といういわゆる食べられる時期ですよね、そこらが産地が全国平均化しておるというわけではございませんので、やはり東京周辺で収穫期でないときにはやはり九州の方から持って来ざるを得ないというのがやはりそこでの需給をうまく保つという点からはいろいろな形で全国流通をせざるを得ないのではないかなと。しかし、いろいろな観点から、物流の問題からすれば地場流通で地場で生産されたものを地場で消費するというのが一番効率的な面から見ればそうでありますけれども、やはり消費者の立場から見るといろいろなめずらしいもの、その時期に合ったものが食べたいという観点からは、やはりどうしてもそこは避けざるを得ないのかなというように私の方は考えておりますけれども。
 
【委員】 実は、常にそういう解答が返ってまいります。ただ、私たち消費者が本当にそうかというと、そうではない。それしかないから買うという行動にならざるを得ない。ものめずらしいから買うということもあるかも知れませんが、時期を待てば出てくるものもありますし、地元の新鮮なものがいただけるということであれば、むしろ季節性があって食生活の上でもメリハリがあると考えられる。今は年がら年中同じものがあるというような、それで占められているというのも大変おかしなことだなというふうに思います。そういう面でのご指導もこれからは必要なのではないかなという意味でご質問をさせていただきました。
 
【委員長 】 ほかにいかがでございますか。よろしゅうございますか。
 ちょっと一つ、仮にNOx法でかなり規制が強化されたという場合には、農水関係で相当の流通システム上の投資をしなければいけないとか、そういう可能性は何かお感じ取りのことございますか。逆にこの環境規制が強化されることによって投資負担が相当大きくなりそうだというふうなことがおありになれば教えていただきたいので
す。
 
【農林水産省食品環境対策室課長補佐】 ちょっと今私そこのふかぼりのところまではちょっと考えわかないものですから。すいません。
 
【委員長】 わかりました。
 それでは、時間も来たようでございますので、農林水産省さんの方のご説明をいただました。どうもありがとうございました。また、いろいろ教えていただきたいと思います。
 それでは、続きまして建設省さんの方からご説明をお願いできればと。よろしくどうぞお願いいたします。
 
【建設省道路環境課長】 建設省の道路環境課長でございます。
 それでは、資料6で私どもの方からの説明をさせていただきたいと思います。
 資料6をごらんいただきますと、まず一つ目は沿道環境の状況等については客観的な状況はもうご案内のとおりだと思いますが、建設省としての認識ということで少しご説明させていただきたいと思います。1ページをごらんいただきたいと思います。1ページのところにSPM、NO2の環境基準の達成状況を帯グラフにしてございますが、上がSPMでございます。SPMにおきましては首都圏特定地域あるいは阪神、大阪、兵庫県の特定地域などで達成率が非常に悪いわけでございますが、これらの特定地域を除く地域、その他地域においても達成状況は決してよくないと。59%にとどまっておりまして、4割が全国の地方都市でもSPMの環境基準は達成されていないということでございます。NO2は下にございますように首都圏、あるいは大阪、兵庫県の特定地域の達成状況悪いわけでございますが、それらを除くところは9割を超える達成状況ということになっているかと思います。そういうようなことから上の箱の中でございますが、私どもSPMについては大都市圏で深刻であるばかりでなく全国的にも環境基準の達成状況は厳しい状況だという認識をさせていただいております。NO2の大阪、兵庫県の特定地域と同じように地方都市でもSPMの問題はあるのではないかというふうに考えているところでございます。
 2ページをお願いいたします。ちなみに首都圏の環境基準の自動車排ガス測定局における達成状況について地図の上にプロットをしてみたわけでございます。凡例のところにございますが、黒丸、大きな丸と小さな丸がございますが、いずれも環境基準を達成していない地点でございます。それから三つ目が白丸が環境基準達成地点でございます。この図面の左下の特に大都市圏という文字がございますこの大都市の大の上に小さな白い丸がございますが、この地図の範囲内ではここだけが環境基準を達成しているということで、いかに首都圏においては連担して環境基準の達成状況が悪い地点が広がっているかということだと思います。また、この黒丸の大きさが二つあるわけでございますが、小さい丸は環境基準であります0.1r/‰を超えている地点、それから黒丸は後ほどご説明申し上げますが、この1月31日に尼崎の神戸地裁の方で道路交通の差止めといったようなことも、その請求権を認められた0.15即ち環境基準に5割増しになりますが、それを超えている地点でございまして、実は神戸といいますか尼崎の方にはその0.15を超えるようなところはございませんが、阪神間ではございませんが、首都圏ではこれだけ多数の地点で0.15を超えているという実態でございまして、いかに深刻かということではないかと思います。
 それから3ページをごらんいただきたいと思います。これはご説明するまでもございませんが、こうしたPM、あるいはNOxの発生源という意味においてはディーゼル車というのが非常に大きな要因になっているということでございます。
 4ページをごらんいただきたいと思います。発生源の対策ということでPMの関係でございますが、これについてはご案内のとおり規制が平成6年から入ったわけでございまして、NOxと比べますとPMの方が規制が遅く始まったということでございます。それからあと貨物車については車例といいますか使用期間が非常に長い、ものによっては60万キロ、80万キロも走るまで使われるというようなことから、現在、市中を走っている車の真ん中のところでございますが、現在走行しているトラックの規制年度別割合をごらんいただきますと、PMにつきましては規制前が78.1%ということで、平成11年3月末現在でございますが、約8割近くの車が平成6年以前の規制前のものがなお今日世の中を走っているというような状況でございます。そうしたことも先ほどの汚染状況と密接な関連があるのではないかと考えております。
 それから5ページをお願いいたしたいと思います。我が国における、特に大都市におけるPMを中心とした大気環境の厳しさというのは発生源の問題と同時に道路整備が不十分なことに起因いたします自動車交通の集中、あるいは渋滞によってももたらされているというふうに考えておりまして、この上半分に東京圏と欧米のヨーロッパの諸外国の都市との比較をしておりますが、環状道路がロンドン、ベルリン、パリなどにおいては相当といいますかほとんど整備されておりますが、これに対して東京はわずかに整備されている黒い太い線になっている部分だけでございまして、整備率もまだ2割ということでございます。したがいましてこうした首都圏管内では現在渋滞ポイント、交通渋滞のポイントは600カ所点在しております。600カ所も渋滞ポイントがあるということでございます。それから一番下のところの参考というところをごらんいただきたいのですが、同じように渋滞ポイントが全国に実は3,200カ所ございます。こういうようなことから朝夕のピーク時の走行速度は3大都市圏では時速21キロ、それから地方都市では24キロということでございまして、東京においては18キロとか19キロとか言われておるような、そうしたようにいかにノロノロと走っているかということでございます。そこの5ページのところに棒グラフが三つ、PM、NOx、CO2ということで書かせていただいておりますが、これは横軸が旅行速度ということで目的地まで信号があったり渋滞に巻き込まれたり、スムーズに走ったり、いろいろ経過を辿りながら目的地まで到達いたします平均速度が横軸でございます。縦軸に1キロメートル走る間のそのPM、あるいはNOx、CO2の排出量でございまして、20キロぐらいで到達するまで平均で走るとすれば、相当に排出量がふえるということでございます。これが40キロ、60キロと上がっていきますと排出量が減ると。これは単純に考えますと目的地まで達するまでにいかに長い時間エンジンを燃やし続けているかということに比例するわけでございまして、エンジンの構造の低速で走る場合と高速で走る場合といったような問題もございますけれども、いかに渋滞だとかに巻き込まれることによって長くある意味では不必要なエンジンの燃焼を行いながらやっているのかというのが我が国の交通なり道路交通なり道路の整備の実態でございます。
 6ページをお願いいたします。そうした意味で発生源の問題と、それから道路の整備が不十分だというようなことが、やはり大きな要因として考えられるわけでございますが、こうした状況に対して沿道住民からも問題提起がなされておるわけでございまして、一番下のところにございますが大阪の方の西淀川訴訟、それから川崎訴訟、それから名古屋南部訴訟、東京訴訟といったものと尼崎訴訟といったようなことが大気汚染では提起されておりまして、私ども道路管理者と、それからコンビナートの企業だとか。あるいは東京訴訟においては自動車のメーカーも被告となっているところでございます。西淀川、川崎につきましては和解ということで至って、現在、その和解で申し合わされたことについて我々誠実に取り組もうということで取り組んでいるところでこざいますが、この1月31日に尼崎の方で神戸地裁が判決を、地方裁判所の判決でございますが、いたしまして、浮遊粒子状物質とそれから健康被害、気管支ぜんそく等との発症と憎悪との関係について因果関係を容認をされております。それから差し止め請求というものが認められておりまして、これは先ほど申し上げましたが環境基準の5割増しに相当いたします日平均0.15r/‰を超える浮遊粒子状物質の排出の差し止めを求める不作為請求権を原告に認めたということでございます。それと裏腹の関係になりますが道路管理者には0.15r/‰以上の大気汚染を形成しない義務を負うという判決がなされたわけでございます。これについて私ども関係省庁ともご相談の上、現在控訴しているところでございまして、訴訟は訴訟として問題があるということで控訴させていただき、また高裁でもって議論をしてまいりたいと考えておりますが、こういう裁判の対応とは別個に環境対策ということについては我々最大限の努力を払うべきだというふうに考えておりまして、この判決の内容についてはいろいろ議論はしますけれども、その厳しさというものについては我々真摯に受けとめ対策にも反映していく必要があるというふうに考えております。
 7ページのところをごらんいただきたいと思いますが、もうご案内のことかと思いますが、地域レベルでもディーゼル車に対する問題提起といいますか取り組みが始まっておりまして、東京都の「ディーゼル車NO作戦」だとか、それから下から3分の1ぐらいのところにございますが埼玉県が「彩の国青空再生戦略」ということで、やはり浮遊粒子状物質の削減総合対策に取り組み始めておりますし、それから一番下のところでございますが近畿6府県市、大阪、京都、兵庫、それから3政令指定市が共同でディーゼル車対策などの取り組みも始めたということでございまして、8ページにはその新聞報道などをご参考までに用意させていただいております。そういうようなことで沿道環境については非常に厳しいものというふうに我々受けとめておるところでございまして、それにいかに対応するかというのが9ページからでございます。 基本的な考え方といたしまして、理念といたしましては幹線道路の役割と沿道の生活環境の保全、この二つの両立をいかに図っていくのかというのが基本的な理念でございます。そのときの取り組みの方向といたしまして3点のアプローチをしていくべきではないかということで考えております。1点目は、やはり基本的に発生源である自動車の単体対策の強化が重要であろうかと思います。とりわけそのディーゼル車、中でも新車はもちろんのことでございますが7割ないし8割走っておりますその使用過程車の中の規制がなされていない車、こうしたものについての対策を早急に、しかも強力にうっていく必要があるのではないかというのが1点目でございます。それから2点目が道路の整備が不十分なことによって自動車交通の集中なり渋滞がもたらされておりまして、欧米と比べて道路の整備状況が悪いというのがもう明らかでございますので、そうした中で自動車の交通の分散、あるいは円滑な走行を実現するための道路ネットワークの整備、あるいは交差点の改良などのボトルネック対策といったようなことを力を入れて進めていく必要があるのではないかというのが2点目でございます。3点目は道路の使い方の問題でございまして、沿道環境への負荷の少ないものにしていく。道路を整備してあとは自由に使えばいいということではなく、道路の利用の仕方についても、やはり措置を講じていく必要があるのではないかということでございます。
 そうした三つの考え方から考えまして10ページのところでございますが、発生源対策についてぜひともお願いをいたしたいと考えておりますのが、何をおいても発生源対策の強化が求められるわけでございますが、現在走行しております車の8割がPMに関しては規制前のものでございますので、そうした使用過程車も含めた単体対策の強化ということが重要でございまして、買換えというようなことの対策もございますけれども、中小企業の貨物事業者といったようなことを考えますと相当の使用過程車が残るということを前提とした対策をうっていく必要があるのではないかというのが1点目でございます。それから新車に対する規制の強化、これについては関係省庁でもご検討いただいているようでございまして、これについても強化をぜひお願いいたしたいと考えているところでございます。
 それから11ページでございまして、これは沿道環境を保全するための交通規制制度というのがございます。先ほど尼崎の公害訴訟で道路の差し止めが認められた初の実は判決でございます。地裁ではございますけれども、道路の交通の差し止めを認めるという初めての判決がなされたわけでございますが、そしてその差し止めの基準として0.15r/‰というのが判決の中で示されたわけですが、実は大気汚染防止法、それから道路交通法の中にそうした制度があるわけでございまして、12ページをちょっとごらんいただきたいと思いますが、大気汚染防止法の21条のところでございます。これは知事は総理布令で定める限度を超えるというような大気汚染が測定された場合には、公安委員会に対して道路交通法の規定による措置をとるべきことを要請するものとすると、こうなっておりますが、この総理布令がそこから矢印で出てきておりますが、一酸化炭素の基準しか決められておりません。この基準は昭和46年に決められたものがこのまま放置されてきておりまして、そういう意味ではPMだとかNO2だとか、そうしたようなものについて交通制度がありながらワークをしない、それは基準が定められていないからというような状況にあるわけでございまして、こうしたことについてもぜひ取り組んでいく必要があるのではないかというふうにお願いをしたいところでございます。
 13ページをお願いいたします。以上が他の行政分野にお願いをいたしたい点でございますが、道路行政の側でも道路行政で取り組むべき範疇についてはできるだけ幅広に取り組んでいこうということで考えております。1点目は発生源であります自動車の単体対策といいますか、低公害車等の普及に我々道路をつくる側からも何らかの形で寄与できないだろうかということで考えておりますのが今後の方針として書かせていただいておりますが、低公害車用の燃料供給施設。特にこれからは貨物車などを考えますとCNG車の普及といったようなことが必要になるわけでございまして、都市内、市街地内では大分東京、大阪といったようなところではそのガスの供給スタンドふえてきておりますが、都市間を結ぶ高速道路、こういったところは我々の事業の中でサービスエリアのなどでガソリンスタンドなどが設けられておりますが、そうしたようなところでガスの供給スタンドといったようなことを政策的に供給できないかというようなことを現在検討させていただいておるところでございます。
 それから14ページに移らせていただきまして、最も基本的な、道路関係では基本的な対策になります円滑な自動車交通。渋滞のない円滑な自動車交通を確保するといったようなことが重要になるわけでございまして、先ほど申し上げましたようにPM、NOx、CO2とも現在大体20キロぐらいで走っているわけでございまして、これを40キロぐらいまで引き上げられれば、いずれも3割ぐらい排出量を低減できると。しかもエンジンの方ではトレードオフの関係とかございますけれども、PM、NOx、CO2、いずれも同時解決できるというのがいかに円滑な走行を確保するかということにかかっているわけでございます。一番下のところに首都圏での環状道路の整備の我々効果あるいはその見通しをあらわしておりますが、一番左側が現状でございまして、先ほど申し上げましたようにこの中に渋滞ポイントが600カ所ございます。今後10年ぐらいかけまして中ほどにあるようなところまで環状道路等の整備を進めたいと考えておりまして、こういたしますと600カ所のうちの約6割ぐらいは解消されるであろうというふうに考えておりまして、この10年間こうしたところに注力をいたしたいと思っております。完成いたしますと渋滞ポイントはおおむね解消するというふうに見込んでおります。
 それから15ページはそうしたネットワークの対策と同時に対象療法的になりますけれども、ボトルネック対策としての交差点改良等を行えばどういうふうになるのかということで、そうした緊急改善ポイントというものを特定いたしまして、早期に沿道環境を改善するための円滑な走行のためのプロジェクトを集中してうっていくというようなことを考えたいと思っております。なお、そこに表がございますが、これはボトルネック対策による効果の例でございまして、一番上はバイパス整備、西大宮バイパスの場合でございますが、バイパスを整備することによって若干交通量はふえますけれども、走行速度が大きく上がりますのでPM、NOxの排出効果が大きく得られるということでございます。それから交差点の立体交差化による効果が中ほどにございます。時速9キロであったものが38キロまで円滑に走行できるようになったということでございます。交差点改良ということで右折レーンなどの整備、こうしたちょっとした改良を行っても走行速度が上がり、排出量が大きく減るということでございます。こうした対策も積み重ねていきたいと考えております。
 16ページがETCでございます。有料道路の料金所を電子的な情報の交換によりまして後払いをしていただくということでノンストップで料金所を通過していただけるような対策。今年度から取り組んでおりまして平成14年度までに全国900カ所の料金所においてそうしたサービスを導入してまいりたいというふうに考えておりまして、現在の高速道路の渋滞の3分の1が料金所渋滞でございますので、こうしたものの改善に努めてまいりたいと考えております。
 18ページが環境負荷の少ない道路利用。道路の整備だけではなくてその上に展開される道路利用をいかに誘導するのかということで、環境ロードプライシングとよんでおりますけれども、阪神高速、あるいは首都高速で湾岸部に自動車交通を誘導するというようなことで、内陸部に走るものと湾岸部に平行して走る道路の料金格差を設けることによって誘導していこうといったような取り組みでありますとか、あるいは時差出勤、あるいはパークアンドライド、相乗り、そうしたようなものについても実験的に取り組んでいきたいと考えておりますし、19ページになりますが公共交通機関の利用促進を図るというような意味でバスの利便性の向上、あるいは鉄道駅の乗り継ぎ利便性を高めるといったような対策だとか、道路側から取り組めるものについては精力的に取り組んでいきたいと考えております。
 それから20ページ、21ページにつきましては、一たん車から排出されたガスでございますので効率が悪いところはありますけれども、いろいろな対策を取り組んでいくという意味において首都高速だとか阪神高速などでトンネルの区間がございますが、そうしたところについて現在排気のための装置がございますがそうしたものに集塵機を設けるといったようなことも考えていきたいと思っております。
 21ページが土壌脱硝あるいは土壌を通過させることによる浮遊粒子状物質の吸着、あるいは光脱硝といったようなことについても、少しでも軽減できるようにというような考え方から取り組んでおります。
 それから22ページは、これはトンネルからの排気塔のところでの脱硝装置について現在開発をしております。まだまだ実験を引き続き行う必要がありますけれども、徐々にその実験のスケールも上げてきておりまして、実用に向けた取り組みを現在行っているところでございます。
 それから最後にこれは資料を用意してございませんが一言ちょっと申し上げさせていただきたいと思いますが、当審議会におきましては経済的措置の活用といったようなこともご議論になるというふうに伺っております。昨年の政府税制調査会の12月の答申におきましては、環境にかかる税という意味においては、環境への負荷により生ずる社会的費用を環境負荷の原因者に対してその負担を求めるというのが原則であって、税制面でもそういう原則の考え方に立った対応を基本としていくべきであろうというのが政府税調の答申にございます。そういうようなことから自動車排出ガス対策における経済的措置としての税制の活用といったようなこともご議論になるとすれば、環境負荷の原因者に対して適切な負担を求めるという、そういった考え方も原則としてお願いいたしたいというふうに考えております。
 なお、低公害車等にインセンティブを付与するというようなことから、道路の特定財源となっており、道路整備のための財源となっております自動車関係諸税の軽減といったようなことも一部で報道されたりしておりますけれども、本来は先ほど申し上げましたような環境負荷に応じた負担を求めるというのが本来の姿であるわけでございまして、そうした形で実施されます。そうした中での反射的効果としてのインセンティブということであるべきではないかというふうに考えております。また、道路整備のための道路特定財源というのは、道路の利用者が道路の整備費を負担するという受益者負担の考え方に立って設けられておりますし、それからまた今日の道路整備の遅れといったようなことから、本来の税率よりも高い税率を利用者の方々にお願いをしております。そういうようなことを考えますと、道路整備のための税について、その受益と負担の原則を歪めてしまうような形での安易な議論というのは私どもとしては注意をしていただければというふうに思っております。ちょっと分を超えたことになっておりますけれども、そうした点も申し述べさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
 
【委員長】 どうもありがとうございました。最後は大分お気持ちが大変よくわかりました。
 これはPMを非常に重視されていると理解したのですが、これはアメリカでも非常にPM問題が大気汚染の最大の問題だということになっておりまして、これは外国の文献で見ただけですからどこまで正確かわかりませんけれども、その点は私の方でも確認をしておきたいというふうに思ってございます。
 それでは、何かご意見などございますでしょうか。
 
【委員】 交通の円滑化とか渋滞対策というのはわかるのですけれども、そういう対策をやりますと必ず潜在的な交通需要が喚起されまして、マスとして増えてしまうという宿命があるのですね。これは一種のいたちごっこであります。確かに外環状をつくるとかということはいいことなのでありますけれども、便利になればそれだけ車の数がふえるということですから交通流ではなくて交通量を適切にコントロールする方法が必要だと思うのです。その辺に対するお考えをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
 
【建設省企画課】 企画課でございますが、今の説明にもありましたように道路整備というだけではなくて交通の需要の調整ですね、時間的に調整していくとかあるいは需要をコントロールするというような施策もあわせてやっていくということでございまして、かなり時間がかかるものですから、やはり環状道路ができるまでは今の渋滞我慢してもらうのかというと、なかなかそういうことにもいきませんから、緊急的なところはそういうマネージメント的な施策もあわせてやっていこうということでございます。
 それで潜在的な需要の観点なのですが、我々やはり日本の道路は欧米に比べて決定的にまだ遅れているというふうに思っております。先ほどの資料にもありましたけれ
ども、まず環状道路がほとんどできていないという状況です。東京の場合なのですが、東京都区部に起終点をもたないようなそういう通過型の交通が2割とか3割ぐらいあるわけでございまして、そういうものが環状道路ができることによって中に入って来ないという形にできれば、今の現状で東京の平均のスピードが18キロとか19キロというぐらいなのですが、その辺もかなり改善できるのではないかというふうに思っております。
 それで、もちろん道路整備によって潜在的な需要が若干喚起されるというのは多分間違いないと思います。それが定量的にどのぐらいになるかというのは、現在そういったモデルがないものですから我々もしっかりした推計を持っているわけではないのですが、ただ、今のご説明にありましたように余りにも遅い状態、19キロのスピードしか走れないと。欧米の場合、せめて30キロぐらいで走れている状態になっておりますので、こういう状態であれば不備の状況にありますので、この道路整備による環境改善効果というのは若干の誘発的な交通量があっても、それをカバーして余りある効果があるのではないかというふうに考えております。
 それでモデルが今ないという話を今したのですが、それでも何か具体的に分析できないかということでちょっと試算をしてみました。これはどういう試算かといいますと1960年ぐらいから現在までの走行台キロ、日本における走行台キロを述べてきております。これにどういう要因が寄与しているかということで、具体的にいきますとGDPとか、あるいは免許保有人口、それと道路容量ということで、道路の4車線以上道路の延長の延びというようなものの統計処理をして、過去のデータに基づくデータの推計なのですが、その道路容量の増大というのがどれぐらい寄与しているかというものを計算してみたのですが、現時点で大体5%から10%の間。少し古い時代、1960年とか70年ぐらいのときは10%を若干超えるぐらいの寄与率があるのですが、だんだんサッチレート状態に入ってきておりまして少しずつの寄与率は下がってきているというような推計を持っております。
 以上でございます。
 
【建設省道路環境課長】 若干、ちょっと補足させていただきますと、先ほど大気汚染防止法に基づきます交通規制という措置が制度上はあるのですけれど実際は動かない、基準がないからと申し上げたのですが、先ほど先生がおっしゃられたことに関しては道路整備はその環境面の影響ということもあるのでしょうけれども、社会経済活動をいろいろな意味で支えているわけでございまして、そういう意味ではそういう交通が多少はふえるというのはあるのですけれども、それがゆえに道路整備を抑制するというのは非常に話が逆転したようなことになるわけでございまして、道路整備と先ほど申し上げましたような大気汚染防止法に基づきます措置をきちっとやれるような対策だとか、あるいはそこまで規制まで至らなくとも何らかの形での道路の利用を誘導する措置といったようなこととポリシーミックスといいますか、そうしたようなものを並行してやはりうつべきであって、交通がふえるのを心配する余りその道路整備なり現在の渋滞を放置するというのは、ちょっと行き過ぎた議論をしているかもわかりませんけれども、やはり並行したハード対策とソフト対策を並行してうつことによって、その結果をうまく経済社会活動も展開もでき、かつ環境も守れるというような
ものが実現できていくのではないかというふうに考えておるのですが。
 
【委員】 おっしゃられているかもしれませんけれど、ちょっと今の議論の方からすると先ほどもずっと話を聞いてきたのですけれども、基本的には何かそのある地域全体の中での可能交通量みたいなものを制限するようなことをやって初めて中の円滑化というものの効果が出てくるとか、そういう話もあり得るのだろうと思うのです。その話と先生の話というのは若干絡んでいるのではないかなと思いますので、
例えばある時期での流入車両を制限するというような制度的なものも必要になってくるかもしれないと話だろうと思うのです。
 それからちょっと私はお伺いしたいのは、一番最後の方で述べられている局地汚染対策なのですが、実はこれ大分前から私ちょっとかかわっていまして、ここに書いてある例えばトンネル脱硝の話も平成4年以前、たしかもう5年ぐらい前にやっているのだと思うのですけれど、環境庁でいろいろこれは施設に対する実験だとか何とかを含めまして相当程度長い間かけて研究開発しているわけですよね。これがなかなか実現していかないと。私らの考えでは当初はNOxだったですけれどもSPMも含めて単体対策だとかいろいろな対策を詰めていった中でも最終的には、やはり交通量の激しいような地点というのは環境基準をクリアできないで残るのではないかと。そういうところは固定派宣言と同じような考え方を適応して除去方法をそこに当てはめていくというようなことは考えられるだろうというふうに思っておりまして、そういう流れの中にもあってこういうような方式が提案されていくのだろうと思います、前の土壌脱硝も含めてね。これが時間がかかり過ぎるというのが私の解釈なんですよね。これがたしか環境庁の長官も川崎の話だとか東京の道路の話なんかで次に完成したら適用しろという話になっていますよね。そういう流れもあって、もう少しこの辺の技術開発のスピードとか、あるいは見通しというのをちゃんとした形で示していただきたいというふうに思うのですがいかがでしょうか。
 
【建設省道路環境課長】 お答えします。22ページのトンネル脱硝の関係でございますが、これまでの経緯はそこに書いていますように平成4年ごろから6年までフィールド実験というのをやってまいりました。これは建設省が実験をしたというよりは民間の技術レベルがどの程度であるかということを確認するために、建設省では実際の実学の場所を貸すということで4年から6年ほどでやってまいりました。そこでまとめられたのは、もうちょっと大きなスケールで実験をやってみないとわかりませんねということで、実際のスケールの10分の1ぐらいの実験を今度は7年から11年ですけれど、建設省の実験の調達、まさに建設省自身が実験をやるというような形で実験をやりました。ここでわかったことはこれ記者発表もしてございますが、NOxを全体を十とすると、これ1キロに1カ所あたりつけないとだめだと思いますけれども1カ所あたり100億かかるというようなことでございました。それではなかなか前に進みにくいなということで、問題点はそこでわかったのは、一つはコストの話、それからスペースの話、エネルギーの話でございました。それをさらにいわゆる実基開発に向けてさらに実験をやるということで12年度からパイロットスケール実験の取り組みを始めてございます。ここではNOx全体をとるということはとりあえず諦めてNO2を集中的にとることにしましょうということで、実基開発の目標、例えば1基あたりは10億以下、スペースについてもあるスペースを開発目標定めて実験をやるということにしてございます。なかなか断定的なことは言えませんが答えが出るまでは5年程度はかかるのではないかというふうに思ってございます。
 
【委員】実は平成4年の前に既にもうそういう実験だとかなんだとか東京都もやりましたし、環境庁の方でもやってきたというのはあるわけで、それを建設省の方に引き継いだという経緯もあって、そういう意味で本当に長い時間がかかっているのですよ。
 
【建設省道路環境課長】よく存じておりますが、私も個人的にも平成6年のころからこの実験に携わっておりまして、東京都のやったやつは幾つかその後だめになったといいますか、やったやつができなかったのもありまして、そういうのを引き継いで実験をやっているということです。
 
【委員】 そういう意味では、これは相当期待感を持たれてきた中でやってきた実験なのですが、なかなか見通しが立っていないですね、今のお話のようにですね。
 
【建設省道路環境課長】 その意味では開発目標を定めて発表もしてございますので、どういうことかといいますと1基あたりが10億以下でできること、スペースはこのぐらいのスペースに入らなければいけないと、電力といいますかエネルギーもこのぐらいの以下にならなければいけないということで実験の調達を新たにやることにしてございます。
 
【委員長】 関連して一言私も申します。道路建設費の中に環境対策費を一定のパーセンテージで組み込むということは外国で若干例が出かかっているのですね。したがって例えば1億円の投資をすれば1,000万円は必ず環境対策費に充てなければいけないというふうなことが出ているのですが、そういうことは建設省さんはお考えになっているのか。むしろ外国の例についてその辺を調査しておられれば教えていただきたいということなのですが。
 
【建設省道路環境課長】 例えば総道路整備費に対して何パーセントというのが体制的に決められるのかということになると、そうもなかなかいかないのかなというふうに思うわけです。我々の方としてはそれぞれの地域といいますか、地域ごとにそうした大気、それから騒音の対策についてプログラムをつくって、そうした中でそれぞれの地域の必要性に応じた対策を積み上げてやってきております。それからあと私どもの道路の予算の中で、ではそれがどれぐらいの予算を支出しているのかというようなことを国民の方々あるいは国会の審議に当たってもそれが見えるようにしようというようなことで、平成11年度から沿道環境改善事業費というものを予算上立目いたしまして明らかになるような形にさせていただいております。実際の道路整備はそれ以外の効果もというか本来の効果が道路としての機能があって、それが環境にも寄与するというようなものがありますので、そうした額として計上したものがすべて環境関係のすべてかというとそれ以外のものもございますけれども、そういう形で環境関係についてはくくり方を明らかにするようにしております。
 それで例えば平成12年度の予算におきましては、国費として3兆5,000億の国費がございますが、このうち環境関係というのは約5、500億ぐらいというふうに我々考えております。したがって10何パーセントぐらいに当たるかと思いますが。
 
【委員長】 今の問題は大変重要で、民間の会社でさえ環境会計ということですね。
環境をアピールすることがイコールその企業のイメージアップにつながると。ということは商品を売るためでもあるのですけれどね。その意味で公共部門がそこら辺について環境会計的な、今までの官庁会計ではなくて、環境会計的などういう対策をやったら沿道にどういうふうになったと。今、政策評価の問題は大問題になっていますね。だから今までは道路投資をすれば社会にどういう効果があるというヒアブレーキ分析はずいぶんおやりになってきたと思うのですよね。これの環境版をこれからやらないと、どうも道路投資なんていうのはとてもこれもたないのではないかというふうに推測しているのです。だからこの辺のブラッシュアップをぜひお願いして、同時に外国でも必ずその点注目しておりますので、お願いしたいということをひとこと申し上げて、ちょっと長くなって申しわけございません。
 
【委員】 今、委員長が言われたのと似たようなことなのですが、いろいろな政策がたくさん出されてそれぞれすばらしいと思うのですが、一気にやるというわけにはいかないですね。そうするとこれのコストエフェクティブですね。今、環境に対する効果というのを含めたコストエフェクティブと考えたとき、プライオリティーはどういうふうになるのかとか、それぞれの施策は大体何年ぐらい考えているのかちょっと教えていただけるとありがたいと思ったものですから。
 
【建設省道路環境課長】 道路整備費の中で環境関係への支出はほかの分野のものに比べると大きく毎年伸ばしてきております。きょうご説明申し上げたものは従来からの取り組みに加えて新しくこうした取り組みも行っていこうというようなことで取り組んでいるものを中心にちょっとご紹介申し上げましたので、まだ先ほどご説明の中でこういう方向で検討しているというようなことで申し上げましたように言葉の端々にそういうニュアンスが出ていたかと思うのですけれども、きょうご説明申し上げたこと自体は、いつを目標にしてどれだけのボリュームでというところまでまだ特定できるところまで進んでおりません。従来からの取り組みも含めて先ほど申し上げましたように、地域ごとの大気、それから音、両面にらんだ形での沿道環境の改善についてのきちっとした計画をまとめて、そしてまたそれを世の中にも明らかにしていこうというようなことで現在取り組んでいるところでございまして、そうした中でそれぞれの地域ごとの目標時期だとか、あるいは事業量とかいったようなものが出てくるのではないかというふうに考えております。繰り返しになりますが、道路の総体の予算の執行の仕方という意味においては、交通安全などと並んで非常に我々重視して予算の配分に例年努めてきているところでございますし、これからもそういう方向でやっていきたいというふうに考えております。
 
【委員】 先ほど資料の12ページで大防法に基づくいろいろなお話ございましたですよね。NOx、SPMの問題というのがあり、これは道交法に基づいて対応するということになっておりますけれども、やはり道路管理者としての責任というか、これもかなり重いもの、これをつくればいいという、つくってしまえばということではないと思いますけれども、やはり道路管理者として今後どういう対応をしていくかというのがかなり大きな今後の自動車公害問題の上では重要な役割だろうと思いますけれど。 そこで先ほど脱硝装置についてちょっとお話ございました。10億円とかいろいろな要件を設定してそれに見合う研究をなさっておられるということですが、さっき私、道路に関するアセスの中で地下をかなり7割ぐらい地下ですよというような道路建設も行われる場所あるわけですけれども、そういうところでは脱硝、それから除じん装置の設置、地元でも住民側からもかなり強い要望あるわけですね。ですからコストとか場所がどれぐらいいるかということよりも効率がどうであるか、大体現在の私も京浜島などを拝見しましたけれども8割ぐらいの脱硝効率とか除じんも8割ぐらいきているわけでして、であればかなり効果としては期待できる。ですから先に価格ありきではないと、そういう意味でお話になったのではないと思いますけれども、そういうのが先に出てきますと何かその対応が先ほど永田先生がご指摘のように何かどんどん遅れていってしまうのではないかという印象も持たれるわけで、決してそうではないと思いますけれども、今後のそういう交通公害の中でSPMあるいはNOx汚染、特にトンネルとか地下の場合、これはもう必要要件というか必修要件ですよね。設置しなければそれもできないというような状況にきているのではないかと思うのですが、その辺についてちょっと一言。
 
【建設省道路環境課長】 お答えいたします。技術開発としても実験をやってまいりまして、技術開発としては金とかスペースとかエネルギーを無視すればいけると。大体いけるということはわかったと。しかしそれを実際の場所に適用するとすれば、かなりの部分これを適用しなければだめなところは有料道路が多いわけでございまして、そうしますと料金にも跳ね返るとかいろいろな議論が出てきますから、実用化するときにどの世界でもコストを考えないで実用化するところは多分ないだろうと思いますので、そういうことも考えた上で実基適用として新しいステップの検討をしていると。技術開発としてはいけると。しかしそれを適用するとすればスペース、エネルギー、コストを考えるのは当然のステップで、今はそれをやっているということでございます。
 
【委員】 アセスの中で住民の意見を伺ったことがあるのですけれども、であればこの計画やめてくださいというのが住民側の意見なんですよね。コストはかかる、料金に跳ね返るからできませんというのであれば、影響を受けるのは我々なんでというのが地域住民の方々のお話なんで、それが最近余りにも強く出てきますと今後の道路によるいろいろバイパスの問題だ何だというのは難しい問題は残されてくると思うのですけれどもね。
 
【委員】同じような発想で先ほど固定発生源というふうに申し上げたのは、今も先生の説明にもありましたけれど、環境負荷のコストってどんどん変わっていくのだと思うのですよね。そういうことをお考えになった上で今の発言をされているのかどうか。どうもちょっと聞いていると違うのではないかなという印象が非常に強いですね。そういう意味ではもう少しこの辺余裕を持って、ここで技術が完成したのだと。今のような目標を持って取り組まれるのはそれは大いに結構なので、それをクリアしないとできない話なんですよと、それはないのだと思うのですよね。地域によっても環境のコストというのはきっと違うのだろうと思うので、その辺も十分配慮していただいて実用化という判断、あるいは実際に適用するということをやっていただきたいというふうに申し上げておきたい。
 
【委員長】 大体時間がきましたがいかがでございましょうか。今の点を何かご発言ございますか。
 
【建設省道路環境課長】 先ほど10億とか申し上げましたけれども、民間の方々とパートナーシップでやっているわけでして、徐々に徐々にその辺が実現性のあるものとして見えてきたなと、そうした中で民間の方々からももう少しはっきりと数値目標として示していただきたいというようなそういう経緯があったものでそういうふうにしているところでございまして、ですから実際、実現可能性と関係なく事業側の要請だけで10億だとかそういうものを決めているわけではなく、その辺の今、永田先生の方からのお話も我々としては十分踏まえて環境にどれだけの、先ほどの総予算で申し上げましたようにそういうような姿勢ではいるのですけれども、その中でパートナーである民間の技術開発をやっていただいている会社に対してはっきりとした線でそろそろ出していくことができるような段階になってきたというふうにむしろご理解いただければと思っております。そういうようなことで、まだなお実用に向けてはもう少し実基スケールでの実験だとかがちょっと残されて、まだそれにも取り組んでいきたいと思っておりますが、いずれにしろ我々としても最大限ペースを上げてやっていきたいというふうに考えております。きょうのご意見踏まえて今後もまた対応考えていきたいと思っております。
 
【委員】9ページのところにこの沿道環境改善のための取り組みの基本的考え方というのが示されているわけですけれども、ここで言う沿道というのは道路からどのぐらいまでのところを沿道と考えておられるのでしょうか。
 
【建設省道路環境課長】 50メートルとか25メートルとかそういう具体的な数値は特段機械的に決めているわけではなく、コンセプトとしてそういうような言い方をちょっとさせていただいております。そういう意味では具体的なものはございません。
 
【委員長】 それでは時間もまいったようでございますので、この辺でよろしゅうございますか。では、3番目のその他に移りたいと思います。事務局の方から説明をお願いいたします。
 
【自動車一課長】 小委員会の日程をご案内させていただきます。先ほど審議のスケジュールでもご紹介しましたように、次回は第3回の小委員会で6月19日10時から12時で、関係業界団体からのヒアリングを予定しております。その後第4回は6月26日10時から12時ということで、このときには地方公共団体からのヒアリングを予定しております。
 以上でございます。
 
【委員長 】 6月26日の場合ですけれど、ここには10時から12時と書いてございますが9時半から12時半と連絡をいただいたように思うのですが、ちょっと今。
 
【自動車一課長】 すいません、実は当初、前回は6月26日に地方公共団体とNGO両方やろうということで3時間とろうと思っていたのですが、ちょっと時間がきついかなということで2回に分けようかということで、その分26日は朝は10時にしてはどうかということで、10時からということでよろしくお願いします。
 
【委員長】 わかりました。
 それでは、本日の議題は終了いたしましたので、これで閉会にしたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。