中央環境審議会大気・交通公害合同部会
第1回自動車排出ガス総合対策小委員会議事録


1.日 時  平成12年5月22日(月) 10:00〜12:00

2.場 所  環境庁第一会議室

3 出席者

(委員長)岡 田 清 
(委 員)浅 野 直 人伊 藤 桂 子
 太 田 勝 敏香 川   順
 河 野 通 方猿 田 勝 美
 大 聖 泰 弘永 田 勝 也
 松 下 秀 鶴横 山 長
(五十音順)
(説明者)厚生省健康政策局経済課長
 通商産業省環境立地局環境政策課環境指導室長
 通商産業省機械情報産業局自動車課長
 資源エネルギー庁石油部精製備蓄課長
 運輸省自動車交通局技術安全部保安・環境課長
(事務局)大気保全局長企画課長
  自動車環境対策第一課長自動車環境対策第二課長 他

4 議 事

(1)今後の審議の進め方について
(2)各省庁ヒアリング(厚生省、通商産業省、運輸省)
(3)その他

5.配 付 資 料

資料1自動車排出ガス総合対策小委員会委員名簿
資料2自動車排出ガス総合対策審議スケジュール(案)
資料3厚生省における自動車排出ガス対策について(厚生省)
資料4ディーゼル車の排出ガス低減対策について(通商産業省)
資料5自動車排出ガス対策への取組み(運輸省)


【担当補佐】 それでは定刻となりましたので、第1回の中央環境審議会大気・交通公害合同部会自動車排出ガス総合対策小委員会を開催させていただきたいと思います。
 本日は、小委員会の委員12名のうち11名のご出席が予定されておりまして、既に皆さんお越しでございますので、会議の開催要件を満たしておりますので、始めさせていただきたいと思います。
 最初に、資料確認をさせていただきたいと思います。
 議事次第の1枚紙に続きまして資料一覧がございます。資料の1といたしまて、大気・交通公害合同部会のこの小委員会の委員名簿でございます。資料の2は、自動車排出ガス総合対策審議のスケジュールの案でございます。資料の3は、厚生省における「自動車排出ガス対策の取り組み等について」というホッチキスで綴じたものがございます。資料の4は、通商産業省からの「ディーゼル車の排出ガス低減対策について」という資料でございます。資料の5といたしまして、後ほど配付させていただきますけれども、運輸省の方から資料の配付がございますのでよろしくお願いいたします。以上でございます。
 それでは、議事は岡田委員長にお願いいたします。
 
【委員長】 本日は大変お忙しいところをご出席をいただきましてどうもありがとうございます。
 5月9日の合同部会におきまして、一応の大略の審議のスケジュールのようなものをご了承いただきましたけれども、小委員会における審議スケジュールについて、事務局の方から再度ご説明をお願いいたします。よろしくどうぞ。
 
【自動車一課長】 5月9日に合同部会を開催いたしまして、諮問についての趣旨説明等、あるいは諮問を受けて合同部会に付議された旨、さらにはこの小委員会を設置して具体的な審議をお進めいただく旨というようなことのご説明を申し上げました。また、合わせて、環境庁の方で別途行いました自動車NOxの総量削減方策検討会の報告書についてご説明をさせていただいたということが5月9日の部会でございます。これを受けて具体的な審議を小委員会で進めていただくということで、今日はその第1回目でございます。審議のスケジュールにございますように、まず、ヒアリングから入っていこうということで、関係省庁からのヒアリングを本日と5月30日と2回予定しております。関係省庁といたしましては、厚生省、通商産業省、運輸省、また次回は警察庁、農林水産省、建設省ということで、自動車交通公害問題に今、特にかかわりのある関係省庁、あるいは自動車NOx法で事業所管大臣というような位置づけもある省庁ということで選定をさせていただいております。それから、6月19日には小委員会の3回目ということで、関係業界からのヒアリングを予定しております。具体的にどの団体にお願いするかまだ調整中のところがございまして確定ではございませんが、日本自動車工業会、全日本トラック協会等の団体からのヒアリングを予定しております。続きまして6月26日のヒアリング、ここにおきましては、地方公共団体またNGOからのヒアリングということで予定しております。その後ですけれども、このヒアリングと合わせて個別具体的な検討課題につきましてご審議をいただくということで、7月に2回ほど予定しておりまして、このような検討も踏まえて、8月に小委員会としての中間報告のご検討をいただき、一度部会に持ち上げて部会としてのご議論をいただくことを8月ごろに予定しております。その後9月に入りまして、小委員会としての最終報告になりますが、報告の検討ということで議事を進めていただきまして、10月に部会としての答申案の検討と、さらには、それについてのパブリックコメントを経て、12月、年内には部会としての答申をいただきたいということで予定をしております。
 以上でございます。
 
【委員長】 お聞き及びのように、審議スケジュールが大分詰まっておりますが、こういう運びでよろしゅうございますでしょうか。
 ご異議がなければ、今のようなスケジュールで運ばせていただきたいと思います。
 今日は、先ほどご説明ございましたように、厚生省と通商産業省並びに運輸省からのヒアリングということが予定されております。
 それでは早速でございますけれども、厚生省の方からご説明をお願いいたします。よろしくどうぞ。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 厚生省の健康政策局経済課長でございます。お手元の資料に沿いまして、厚生省におきます自動車排出ガス対策の取り組み等についてご説明をさせていただきます。
 厚生省事業所管大臣としてかかわりを持ってまいります部門というのは医薬品関係というところがございます。医薬品の製造業、流通、特にその中でも卸売業というところがポイントになってまいります。そういうことで、資料の3−1に指針の策定として書かせていただきましたけれども、これは厚生省だけではなくて、関係各省共同でということになるわけでございますが、特別措置法の規定に基づきまして、製造業とそれから卸・小売業それぞれにつきまして、各省共同での告示というふうなものを平成5年2月9日に制定をいたしているところでございます。その中で、製造業なり卸・小売業におきます自動車排出窒素酸化物の排出の抑制のための必要な措置を定めているところでございます。
 お手元に資料の3−2として製造業関連のもの、それから資料3−3として卸・小売業関連のものの指針を配らせていただいております。後ほど他の省庁さんからもご説明があろうかと思いますけれども、簡単にポイントだけ申し上げますと、製造業と卸・小売業、共通部分が非常に多いわけでございますけれども、製造業の方で、例えば2ページのところをごらんいただきますとわかりますように、最大積載量による輸送、あるいは共同輸配送の推進等によります自動車運行量の低減とこういったことを通じまして輸送の効率化を図っていくというのが1点と、それから3ページの方にまいりまして、自ら保有する自動車のより窒素酸化物の排出が少ない車種への転換、あるいはモーダルシフトの推進といった輸送手段の改善とその他ということで、ここは製造業とそれから流通の関係若干違いますけれども、例えば受発注の計画化であるとかあるいはエンジンの停止、不必要な空ぶかしの排除、こういったことが掲げてございます。
 それで、先ほど申し上げましたように、平成5年2月9日にこういう格好で共同告示を定めさせていただきまして、その上で、平成5年12月1日、これは特別措置法が全面施行になるときということでございますけれども、それに合わせまして、関連の団体に向けまして、この指針とそれを受けての取り組み、それから対応性ということで通知をさせていただいております。具体的には資料の3−4にそれぞれ付けてございますけれども、製造業関連で申し上げますと日本製薬団体連合会、これは製薬関係の団体の連合組織でございますけれども、その傘下にはすべての医薬品製造業者が参加をしているとこういうふうにごらんをいただきたいと思いますがその団体と、それから、社団法人日本医薬品卸業連合会、これは日本の医薬品の卸の中でほぼ、100%までいきませんけれども99%ぐらいをカバーしております卸業者を傘下に抱えている団体とこういうふうにごらんをいただきたいと思いますが、それらに対しまして通知をさせていただいたところであります。その後も毎年定期的に、指針の遵守にご努力いただきたいということでの依頼を行ってきているところでございます。
 以下はペーパーはございませんけれども、具体的な取り組みの状況につきまして、幾つか事例のご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、1点目の輸送の効率化との関連で申し上げますと、例えば最大積載量による輸送につきましては、大手製造業者は運送業者に対する積載効率の向上についてこれを要請し、実施をしているというところがございます。それから、自動車運行量の低減との関連で申し上げますと、ダイヤ配送ということで、従来ランダムな配送ということがあったわけですけれども、いわゆるダイヤ配送、計画的な配送を実施することによりまして合理的な配送の徹底化を図るということ。あるいは、これも大手メーカーで行われていることでございますけれども、共同輸配送の実施とこういった取り組みが行われているところでございます。それから、これは大手の卸の取り組みとしてお聞きをいただきたいと思うんですけれども、医薬品卸の営業マン、これはメディカルマーケティングスペシャリストということで俗称MSと呼ばれておりますけれども、このMSという人が、従来は営業活動もやるし医薬品も医療機関とか薬局に届けるとこういうことでやっておったわけでございますが、そういうことになりますと比較的大きな車でもってぐるぐる回るということになってまいります。中には、仕事が終わって営業だけに使うときには空で回っているとこういうこともあるわけでございますけれども、そこを、これはこの対策ということだけではなくて、卸全体の流通の効率化というもう一つの命題もあるわけでございますけれども、その両方を目指しまして、商物分離と言いましょうか、こういうふうな物流システムをつくりつつある大手卸が幾つかございます。具体的には、今申し上げましたMSつまり営業マンは、比較的小さい車で情報とかあるいはいろいろな交渉等をすると、そして実際の医薬品、物の配送というのはデリバリースタッフと言いましょうか、DSと呼んだりいたしますけれども、その者が複数の医療機関、薬局を計画的に荷物を積んで回るとこういう形でございます。もちろんMSが一つ一つ注文を取ってくるということではなくて、この業界でも、いわゆるVANというものが進んでおりますので、受発注自体、これはVANを使ってということもかなり浸透してきているところでございます。輸送の効率化の関連では大体以上のような取り組みが行われているところでございます。
 それから、輸送手段の改善の関連で申し上げますと、一つは、NOxの排出のより少ない車種への転換ということがありますけれども、これはメーカーも卸でも、特に大手卸でも行われているところでございますけれども、営業用のディーゼル車のガソリン車あるいはハイブリッド車への買い換えを進めるということでございます。医薬品の卸業、医薬品のマーケット、6兆とか7兆とかそれぐらいのマーケットでございますけれども、その中で1兆円の売上をやっている卸、あるいはそれを若干下回るぐらいの二つの卸の例を取り上げたいと思いますけれども、トップ卸について申し上げますと、営業車のうち、大部分についてガソリン車への切り替えを終わっているということ、残りについても、若干百数十台残っているということでございますが、随時切り替えをやっていくとこういう予定があるということ。それから、これはもう一つのトップ卸の例でございますけれども、ハイブリット車を営業用に導入をするということでございまして、この4月までに60台導入をされたとこういう話がございます。それから、モーダルシフトとの関連で申し上げますと、これは大手メーカーの取り組みでございますけれども、長距離運搬について鉄道等を利用すると、こういう取り組みが行われております。
 それから、その他との関連で申し上げますと、アイドリングストップの励行というのはかなり行われておりますし、後は職場へのマイカー通勤の規制等を行っている企業等もございます。医薬品というのは人命関連でございますので、ときには緊急配送とかこういうふうな要請もあるわけでございますけれども、実は、社会保障制度それから医療保障制度、国の財政も非常に厳しいし景気も非常に低迷しているということで、医療保険財政も非常に厳しくなっております。医薬品の中で約85%は医療用の医薬品というのが占めているわけでございますが、この医療用医薬品につきましては、平成8年、9年、10年、そしてことし12年というかなり大幅な薬価改正というのが現実に行われてきております。そういう中で、医薬品メーカーあるいは卸にとりましても、経営非常に厳しいものがあるというのが現在の状況でございまして、そういう中でも、物流の効率化を図っていくということでコスト低減を図っていくというのは企業としても非常に重要なポイントでございます。そういうふうな目標自体がいわゆる物流の効率化それはひいてはNOxの削減の取り組みにもつながっていくものと私ども理解をいたしているところでございます。今後とも関係団体を通じまして、必要な協力要請等を行っていきたいとこういうふうに考えております。
 以上でございます。
 
【委員長】 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、ご質問などございますればご発言願いたいとます。いかがでございましょうか。
 
【委員】 せっかくお出でになってだれも質問がないのも失礼かと存じますので。
 ただいまのご説明を伺っている限りでは、もう文句言うことはないと、本当にこれはすばらしいなとこういう感じになるんですが、しかし現実には、全く大気汚染の状況の方は変わってないですよね。ですから我々今こうやって仕事をさせられているわけなんですが。厚生省の場合には、今のお話で努力をしておられることはよくわかったんですが、例えば所管の業の中でどの程度の車が使われていて、それはどの程度の量なのかというようなそういう数量的な状況の把握をしておられるかどうかということが第1点です。つまり、業者団体から何らかの報告を受けるような形でフォローアップをしておられるかどうかということです。
 それからもう1点は、これは今のお話で大体よくわかったような気もするんですが、しかし、お話はどちらかと言うと大手ですね、知る限りでは、ロットが小さい結構小物を動かすという印象が強い業界だと思うんですね。ですから、運輸省所管の業とは大分性格が違うだろうと思うので、やはり所管しておられる業の形態に応じた何らかの工夫というのはぜひ必要なのではないかな。特に中小というところも結構ごちゃごちゃ動き回っているということになりますと、大手のところについての先ほどのお話はよくわかるんですけれども、それがどこまで射程距離を延ばして対策を講じられるかというようなことがあります。例えば、割合マイナーなくだらないことで申しわけないんだけれども、マイカー通勤の禁止というのはわかるんですけれども、しかし恐らく社用車をマイカーがわりに使っているというのがこの業界結構いるのではないかと思うんですが、そういうところをきちっとチェックできているのかとか、これは非常にマイナーな話ですからどうでもいいんですけれども、やはりその業界の状況に応じた細かい施策というものが出てこないとこういう業所管大臣にやっていただくという意味がないわけなんですけれども、そのあたりどういう工夫をしておられるかお聞かせいただければと思います。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 1点目の数量的な把握ということにつきましては、具体的に製薬産業の方でいきますと日本製薬協という、これ比較的大手の企業団体、そこには環境委員会というふうな組織等があります。これはNOx対策だけではなくて、工場も持っておりますのでそちらの方の対応も必要になっておりますけれども。ただ、今おっしゃられたような格好で車の数量的な把握というところは多分してないと思います。課題ということであれば私どもこれは努力をしたいと思っております。
 それからもう一つ、きめ細かな対応というご指摘がございました。それで、特にこのNOx法の対象となっている地域、医薬品のメーカーというのは割と卸まで届ければいいと、卸の物流センター等も統合されていますから、そこまで届ければいいということなので、むしろ卸の仕事の方が非常に大きなことになってくると思いますけれども、例えば首都圏なりあるいは近畿圏というところをとらまえてみますと、かなり大手の卸等のシェアが現実問題としては大きいんですね。関東でいくとビッグフォーとかこう呼ばれるところがかなりのシェアを現実には占めております。ですから、そういうところで対応することによってトータルの対応ということにはかなりなるのではないかと思っております。いずれにしても、今ご指摘ありましたようなきめ細かな対応については我々も心がけていきたいと思います。
 
【委員】 それでは、今のことと関連するかもしれませんが、そのきめ細かい対応ということの中で、地方公共団体ではどのような通知、メーカーサイドだけの通知なんでしょうか、それとも地方公共団体へもこのような通知というのは流していらっしゃってご指導を賜っているのでしょうか。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 それにつきましては、基本的には製造業とそれから医薬品の特に卸売業のところの課題でございますので、これらにつきましては、もちろん県で許可とかそういうことを薬事法の観点からのあれはございますけれども、産業的なところにつきまして私どもから直接関係団体にお願いして、関係団体の方からその支部あるいは傘下の団体を通じて個々の事業所に趣旨が徹底するようにということでやっております。
 
【委員】 また関連するかもしれませんけれども、今のような関連の所掌する団体に対する指導みたいなことで、所掌機関をよく知らないんですが、例えば魚市場であるとか野菜市場なんかも一応管轄なんでしょうか。といいますのは、とにかくそういうトラックをかなりたくさん使うような業種、病院ですね一つは、それからこういった、もし卸市場とか食品の卸で例えば魚市場とかそういう部分ですね、そういったものについて幾つかそういうそれぞれの各省で担当される業界の中で、この製造業、卸・小売りと言われるのに、うまく入ってこない自治体の病院等もございますし、いろいろな診療所等ももちろんそうだと思いますが、そういったものを含めてもっと全体的にどんな形になっているのかということと、あるいは環境庁の方でこういったことを、私よく知らなかったんですが、製造業、卸・小売り以外にも何かこういう同じようなものを出しているのかどうかということをちょっと確認させてください。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 いわゆる食品の流通の方はこれは厚生省の所管ではなくて、食品衛生とかはこれは厚生省で所管させていただいておりますけれども。それから、今ご指摘のように、病院等はこれ厚生省所管の事業ということになっております。ただ、病院はトラックとかそういうのはほとんど持ってなくて、実際に使うのは患者搬送用の救急車ですね、これ消防の方が持っている分のもありますけれども、病院の方も持っておりますが、こちらの方はそんなにむだな使い方をそもそもできる性格のものではないというふうに思っております。
 
【自動車一課長】 自動車NOx法では事業ごとに主務大臣、事業所管大臣が事業者を指導するとこういう仕組みになっておりまして、今厚生省さんの方からご紹介のあった製造業に係るもの、これは厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省の共同の告示と、それから、卸・小売業これは厚生省、農林水産省、通商産業省の共同の告示と、それ以外に電気・ガス、熱供給事業にかかる指針、これが通商産業省から出ていると、それから運輸業に係るものが運輸省から出ていると、それから建設業に係るものが建設省から出ているということで、以上でございますけれども、事業ごとにそういう仕組みがとられております。
 
【委員】 先ほどの委員のご発言で、数量的な把握はされていないということなので多分答えは出てこないと思うんですけれども、この厚生省関連のここにお示しになった窒素酸化物の抑制を図るということにかかわって、トータルとして見たときに、これにかかわるのが全体の何パーセントぐらいなものを占めているのか、これがもう非常に少ないんだったら、もちろんこういった取り組みについての社会的な意義というのは相対的には多分意義が少なくなるのではないかと思うのですけれども、一体どれぐらいな、窒素酸化物を出しているトータルの量の中でこの指針がかかわるのは大体どのぐらいな割合のものを排出しているのか、もしおわかりだったら教えていただきたいと思います。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 トータルという意味でなかなかお答えしづらいのですけれども、医薬品産業の規模ということでちょっとお答えをさせていただきたいと思います。先ほどもちょっとお話しございましたように、比較的医薬品というのはかさが張らないというか容量が小さいというものが現実には多いと思います。ただ、中にはドリンク剤であるとかあるいは点滴をするときの薬のように液体のものというのはこれはちょっとかさが張るものもありますけれども、一般的にはご存じのように錠剤とかこういうのをごらんいただくようにそれほどかさが張らないものでございます。そういう性格がありますから、単に金額だけでなかなか他の産業と比較は難しいんですけれども、私どもで取っております薬事工業生産動態統計というところがございます。それでまいりますと、メーカーの出荷額ベースで申し上げますと、大体1年当たり6兆5,000億ぐらいが医薬品マーケットの規模ということになります。産業全体の規模というのはちょっと私、今手元に数字は持っておりませんけれども、全体の中から見るとその程度の規模とこういうことでございます。
 
【委員】 今までの各先生方からのご発言と重複するかもしれませんけれども、今日いただいた資料の3−1のところで、平成5年に指針をお出しになっておられる、12月にはそれに対する指針について通知というのをお出しになっておられます。一番最後のところに、「その後も各年度ごとに関係団体に対し、当該指針の引き続き遵守に努めるよう文書で依頼を行っている」と。文書で依頼なさって一種の刺激を与えているというか再確認させているのだろうと思いますけれども、その文書で依頼なさったことに対して業界から何らかの反応というか報告なり、何かそういうシステムというかルールはできているのでしょうか。ただ文書で依頼を行っているというだけで一方通行なのか、それに対するどういう対応がなされているのか、それをちょっとお伺いします。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 これにつきまして私どもから文書でご依頼をさせていただいているということで、その結果について一つ一つご報告をいただくということではやっておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、製薬協には環境委員会という組織もございますし、そういう中でこのNOx対策以外も含めて、私どもきちっと取り組みをしていただきたいというのは常日ごろから申し上げておりますし、そういう方々との意見交換も私どもやっておるところでございます。
【委員】 先ほどの先生からも、定量的な云々というお話ございまたけれども、量的に把握するのはなかなか難しいのかもしれませんが、先ほど課長さんのご説明の中で、ハイブリットに転換したところもありますよというようなお話ございましたですね。そういうようなものはどういう形で厚生省としては把握しておられるんですか、やはり報告か何か出ているんですか。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 具体的な報告という形でシステム的なことではございませんけれども、私どもの方でどういうふうな取り組みをしているのかと、今回こちらの方でご説明をする機会もございますので、関係の団体を通じあるいは個別に各企業に状況を確認をしたということでございます。例えばハイブリット車のお話等であれば、これは既にその卸の取り組みとして新聞等でも報道されておりまして、環境対策としてこういうふうな取り組みをするんだということで数紙に、そんな大きな記事ではございませんけれども報告をされておりましたので、それは私どもも承知をいたしております。
 
【委員】 指針とかこういうのは、指針でそれはだめだよというのは非常にいいことだと思いますが、結果的には、何か一方通行というか、出しました。お願いしますで終わってしまっているという感じにも取れるんですが、その辺いかがでしょう。
【厚生省健康政策局経済課長】 そこは必ずしも一方通行ということではなくて、指針自体はそうですけれども、これ自体がそれを受けて各事業者にご努力をいただくという前提でございますので、私どもも機会をとらまえて、これはNOxだけではないんですけれども、環境対策にはご配慮いただいていただきたいと考えておりますので、そういう観点で環境委員会のメンバー等との意見交換あるいは医薬品卸の関係の皆さんとも私ども話し合う機会がございますので、そういう機会をとらまえてと思っております。
 
【委員】 二つほど、質問とコメントということになるかと思いますけれども、一つは、先ほど医薬品の話が出てまいりましたけれども、私聞いている、かなり大きくないと申し上げておいた方がいいのかもしれませんけれども、チェーン店では、いわゆる医薬品に相当しないような健康関連のものも販売している。先ほど言われたような卸というのはそういうのを扱っているのではないかなという気がするんですが、そういう点を含めますと、まだまだ何か輸送あるいは販売というシステム自体に対してもっと効率化が図れるのではないかと。これは逆に言いますと、そういう人たちがインターネットをかませたビジネスをやはり展開しようというような発想があるわけですね、あるところにそういうものを集積しておいて、そこから先ほどのような共同配送に近いような形で持っていこうと。そういう意味ではもう少し範囲を広げてその辺のところもごらんになっていただいておいた方がいいのかなという気がするんです。
 それからもう1点は、全然ちょっと視点が違うんですけれども、これからの話の中では、いわゆる廃棄物処理だとかリサイクルを含めた静脈物流というものの重要性というのは高まってくるのかなという気がしているんです。そこら辺については厚生省の管轄の分野といいますか、かなりいろいろな形で規制等をお持ちなわけですね、制度を運営されているわけで。これについても何かお考えがあったらお聞かせ願いたいなということです。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 1点目の健康関連の物とかそういうふうな物だと思います。確かにドリンク剤というのは従来は医薬品だったわけですけれども、去年4月に規制緩和をいたしまして、位置づけでは医薬部外品という位置づけになっております。それはさっき申し上げた6兆5,000億の外の数字ですから、若干の数字はございます。そのような医薬品それから医薬部外品こういうものにつきましては、その物流まで含めて私どもが言わば、かかわる部分ということになると思います。それから、実際に例えば医薬品の卸がそういうふうな薬事法の規制を受けるもの以外の物を取り扱うケースも、先生がおっしゃるように確かにあるのではないかと思います。ですから、そういう観点からいきますと、単に医薬品だけという観点での取り組みではないというふうに思っております。ただ、仮に大手卸というか卸さんがそういうふうな物を取り扱うとすると、卸さんというターゲットは、こちらつかまえておりますので、そちらの方で全体としての効率化を図っていただくと。これは先ほど申し上げたように、廃棄物対策の視点もさることながら、卸の経営も今非常に厳しくなっておりますので、自らもそういう効率化を図らないと実際にやっていけないというところだろうと思っております。
 先ほどVANというお話を申し上げましたけれども、非常に小さなロットで動くときは別なんですけれども、そうでないときの受発注というのはかなりVANのシステムを現実に動かして取り組みが行われているところでございます。
 それから、静脈物流のお話が出ましたけれども、厚生省は確かに排気ガス関連等を担当させていただいておりますが、ちょっと私、直接の所管ではございませんので申しわけございませんけれども、具体的なちょっとコメントは申しわけございません。
 
【委員】 厚生省だけの管轄にとどまらないと思いますけれども、今、物流ということに焦点が当たっているんですが、ディーゼル車を中心としたトラックや何かが排出源の大きなものだということなんです。
 実は、それもさることながら、商業活動、ビジネスで使っている車の方が、実はトラックよりも断然多いんですね。それが結局台数として多いから渋滞を来し、それで渋滞になるとディーゼルの排ガスの特性として悪いものですから大気を悪化させているということでありまして、自動車を使う商業活動をやはり何らかの形で合理化し、抑制していかないと、対策としては片手落ちになるのではないかなというふうに思っておりす。先ほど商物分離というようなこともございましたけれども、こういう医療関係にとどまらないと思うんですけれども、そういうビジネスのあり方ですね、あるいは商用車というんでしょうか、乗用車も含めたああいう小さい車で人の打ち合わせとか面談あるいは小物を届けるとか御用聞きですね、こういったものが非常に交通量の割合を大きく占めておりますので、そういったもののやはり量的な把握と影響というのもぜひ必要ではないかなというふうに思っております。これはコメントでございます。
 
【委員長】 私も一言。メーカーから、ここでは団体が製薬団体連合会でございますね、それから医薬品卸売業連合会、それが要するに製造と流通の団体を厚生省では管轄しておられる。そこで、問題は物流なんですが、物流に対する、これはこんな言葉を申し上げていいかどうかわかりませんが、マーケットガバナンスという言葉があるんですね。つまりトラックの手配をだれの命令でトラックは動いているのか、つまりメーカーの庭先からトラック業者を集めてきて、さあ運べとこういう物流の指令ですね、指令をだれがどういうふうにやっているのかという点を、もしおわかりになれば簡単にご説明いただければと思います。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 それはケース・バイ・ケースになるんだろうと思うんですけれども、実際に例えば、昔はメーカーも工場から直接出荷をするというケースがかなりあったんですけれども、最近多いスタイルは、工場から直接出荷だとなかなか全体の管理とかその辺もあれなので、ケースによっては物流センター的な所をつくっておられる会社もございます。もちろん生産ラインがそんなに複数になってない会社というのは幾つか工場が直接その物流の拠点も兼ねているということであります。そういうところから、具体的には、医薬品卸の、これも物流センターというのを大体持っております。会社によっては医療用向けの物流センターとそれから大衆薬向けの物流センターを分けて持っている企業もございます。そういう所に卸からメーカーへの発注があって、それを受けてメーカーがラインを組んで配送業者に依頼をする、あるいは場合によってはみずからの自家用で配ると、送るというのもあるかもわかりませんけれども、そういうスタイルだとご理解をいただきたいと思います。
 
【委員長】 そうすると、例えばメーカーさんなり卸売業がこれから輸配送システムを変えろというふうにトラック事業者に仮に命令を出したとしますと、これは主導権はメーカーなり卸がかなり取れると理解してよろしいですか。つまり、環境対策に先行的にその製薬関係の業界が先導する能力がありやいなやということなんですけれどもね。
 
【厚生省健康政策局経済課長】 先ほど申し上げましたように、産業全体の中で見ますと、医薬品産業の規模というのはそれほど大きくないと思いますので、今先生おっしゃったような先導的なという立場が取れるかどうかというところまでなかなか申し上げにくいですけれども、いずれにしても、実際の受注側と、運送業者の方ではこれはコストとの関連というのが出てまいりますから、どういうふうな効率的な輸送をお願いして、経費的にも安くしかも効率的な輸送ができるかということのそこはメーカーサイドとそれから運送事業者との間のネゴの話ではないかと思います。
 
【委員】 私全く素人で、この全体像が私よく理解できないので、初歩的なことをお教えいただきたいのですけれども、この指針ですね、製造業にかかわるとか卸・小売業にかかわるという、これはものすごい業種がありますよね。その中できょうお示しになったのは医薬品関係のお話であって、そうするとこの指針にはいろいろな製造業とか小売業がかかわってくるから、そのおのおのの団体に同じようなことを出しているんでしょうか。これちょっと、この指針の大きな枠組みの中で今お話しになっているのが特定のことなのか、それともほかのところに全部出されているのか、その辺をちょっとご説明いただきたいのですけれども。
 
【自動車一課長】 事務局の方からお答えいたしますと、確かに業者のその仕組みとしては、事業を所管する大臣がその事業者を指導するとこういう仕組みになっていまして、そういう意味では、事業所管省庁ごとにそういう指導を行うと。そのときに指針そのものは関係省庁同じものを共同で出すと、それを具体的にどう展開するかというのは事業所管省庁ごとに関係団体等との関係で別途個別具体に進めておられるということで、厚生省さんの関係では医薬品業界関連での施行指導の実態ということでお話をいただいているとこういうことでございます。
 別途関係省庁からのヒアリング、引き続き次回まで行いますので、その中で順次またご指摘いただければと思います。
 
【委員長】 ご発言はいかがでございましょうか。もしご発言がなければ、厚生省さんの方はこれでよろしゅうございますか。
 本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。またいろいろ教えていただきたいと思います。
 続きまして、通産省からご説明をお願いできればと思いますが。
 
【通産省環境立地局環境指導室長】 それでは、引き続きまして通産省の方からご説明をさせていただきたいと思っております。
 本日ご説明をさせていただきますのは、私、通産省の環境立地局環境指導室長でございます。よろしくお願いいたします。それから左におりますのが、通産省の自動車課長でございます。よろしくお願いいたします。それから、右におりますのは、資源エネルギー庁の精製備蓄課長でございます。よろしくお願いいたします。後ほど質疑応答の際にご説明をさせていただけたらと思っております。ご説明は私の方からさせていただきたいと思っております。
 まず、通産省の措置ということで、ディーゼル車の排ガス低減対策についてというペーパーをご用意させていただいております。まず、このペーパーに入ります前に、通産省の排ガス総合対策に対する立場というのをまずご説明させていただきたいと思います。
 先ほどの厚生省さんのご説明にもあったようでございますけれども、自動車NOx法におきましては、事業者団体に対するNOxの抑制を図るための指針というものを、これは厚生省さんだけではありませんが、我々も含めまして、平成5年2月9日に作ったわけでございまして、これらに基づきまして、通産省といたしましても関係の業界に対しまして、指導をするという立場にあるものでございます。具体的に申しますと、平成5年に一度、関係業界に対しての説明会を開催したわけでございますけれども、施行後もう5年以上たっているわけでございますので、平成11年1月7日に再度、21団体に招集をかけまして集まっていただきまして、この特定地域におけます自動車排出窒素酸化物の排出の抑制を図るための指針というものについての中身、趣旨というものについての徹底を図ったところでございます。それ以前から、昭和63年以降でございますが、NOx対策推進という観点から、やはり冬季になりますと二酸化窒素の濃度が上がるという傾向があるということもございますので、環境庁さんからの要請もあり、主な関係団体に対して、自動車NOxに対する低減対策のお願いというものを毎年発するなど、ディーゼル車を含む車両を利用するユーザーというものに対する働きかけというものを積極的に実施してきているところでございます。通産省の立場の一つといたしまして、今ご説明しましたように、ユーザーを所管するという立場がございます。また、もう一つの立場といたしまして、排出ガスということで自動車がその中心的な位置づけになるわけでございますが、自動車の製造またはその自動車を走らせるための燃料を所管しているという立場から諸々の措置をとってきているというところでございます。そういうことで、従来から自動車業界、石油業界というものと協力をしながら、過去からご審議をいただいておりますいろいろな短期規制それから長期規制、新短期規制、また新長期規制というものに対しての実現という観点から指導努力をしてきたわけでございますが、今後我々といたしましても、これらの動きというものをさらに積極的に進めていく必要があるというふうに考えております。
 まず、本会も含めまして、平成19年のころに導入を予定されております新長期規制の前倒しというものについて現在検討が行われているというふうに考えておりますけれども、ご存じのように、これの大気汚染防止法の中におきまして定められております燃料の成分というものに対しての規制を実効ならしめるためには、通産省が所管しております石油の品質に関する法律(品確法)についての規制というものを担保にしているわけでございまして、これらを実施に移すとすなわち新長期規制の実効たらしめるための燃料の軽油でございますが、軽油の規制についての見直しを検討するということで、既に石油審議会において議論を始めているところでございます。
 ちょっと飛んで恐縮でございますけれども、お配りしている資料の一番後ろに、石油審議会石油部会石油製品品質専門委員会の開催というペーパーを載せさせていただいておりますが、詳しくはお読みいただきたいと思いますけれども、一番下に、4月25日に第1回の委員会を開催して今後議論を進めていくということにしておりまして、軽油の中の硫黄分の低減というものについての対応について議論をしていくということになっております。
 また、規制という観点から申しますと、通産省も事業所管官庁の一つとして共管になっております自動車NOx法というものにつきましても、従来からいろいろと議論されておりますNOxの低減対策というものの強化を一層図るとともに、本法律の中でPM、いわゆる粒子状物質の低減対策についても合わせて検討していく必要があるのではないかなと考えておりまして、まだ省内での具体的な検討というのはこれからでございますけれども、環境庁さんそれからほかの関係省庁さんともいろいろと協力をしつつ、同法についての見直しを検討していこうというふうに考えているわけでございます。
 このような規制という議論になってくるわけでございますが、これをまず実効たらしめるためには、先ほど申しましたように、自動車または燃料という観点からの対応が必要なわけでございますが、ちょっと飛んで恐縮でございます。3ページをあけていただきたいと思いますが、皆様もうご存じのように、3月の中旬でございますけれども、自動車業界、具体的に申しますと社団法人日本自動車工業会及び石油連盟が、ディーゼル車の排気ガス低減対策というものの強化というものに対して我々が積極的に働きかけをかけてきたわけでございますけれども、この両団体が以下のような対応をすることを表明したわけでございます。お耳に入っているかと思いますけれども、もう一度繰り返しになりますけれどもご説明しますと、新車におけますPMの新長期目標水準というものを早期に達成するという観点から、両業界相互に協力して対応していくんだということでございます。そういうものが2007年よりも早く対応が可能になりますと、その分だけ早いタイミングでより厳しい規制に対応できるディーゼル車が市場に提供されていくと、またそれが実際に運用されていくという体制が整うわけでございまして、それらへの対応を早期に実施に移していくということが表明されております。
 また、既販車対策というものにつきましても、使用過程にある既販車、ユーザーがPM対策を講ずるためには、そのための除去装置というものをつけなければならないわけでございますけれども、それが一つの方法でございますが、そのDPFの性能というようなものについても十分これは環境庁、運輸省さんともいろいろと共同で今その検討会をやっているわけでございますけれども、その性能について十分検討し、そしてユーザーニーズを踏まえたようなPM対策というものが実現できるようなものをつくっていくというようなものでございます。
 また、これらを実行するために必要な技術開発ということで、従来からこの日本自動車工業会、石油連盟というものが共同の研究プロジェクトといたしまして、JCAP(Japan Clean Air Program)を実施してきておりますが、これらについてもPMというところに焦点を当てた対応をとっていくというような表明が両業界からなされたわけでございますけれども、実は通産省もこのような動きについて従来から積極的に対応するようにという協力要請をしてきているわけでございます。その一つといたしまして2ページ、一つ前に戻っていただきますと、先ほどちょっとご説明したJCAPの推進ということで、通産省からも石油特別会計の方から予算を出して、これらのプログラムの円滑な実施というものに対して努力をしてきているわけでございますが、今後も積極的にここについては進めていきたいと思っているわけでございます。
 また、低硫黄化と、先ほど言いましたように新長期規制の車をつくるということも重要でございますけれども、一方で、先ほどちょっと触れましたように、それを実効たらしめる、運用が可能ならしめるためには、軽油の硫黄分を下げていかなくてはいけないということでございまして、そのため早急に体制をつくっていかなければならないということでございます。業界の方の設備投資を促すという観点の議論は後ほどちょっとご説明いたしますけれども、またそれを実現するための技術開発というものも必要でございますので、これらについても積極的に対応してまいりたいと思っているわけでございます。
 自動車業界・燃料業界というものに対して、以上のような対応または支援を今後も進めていくということでございますが、やはりこれらを実施するユーザーという立場からも、我々として積極的にユーザーを支援するという意味で対応する必要がございまして、やはりディーゼル車を新長期規制車、または、それが出るまででは新短期の規制に適応する車ということでございますけれども、そういうものに買い換えていただくのが一番いい解決策ではないのかなと思っておりまして、これらについては、従来から自動車NOx法の精神の中では、これはNOxの部分については実現している考え方でございますけれども、PMも含めた形でそういうものが実現されていくべきかなと考えてございます。そのためにも、ユーザーに過大な負担にならないような形の措置というものを従来からもとってきております。例えば自動車取得税の軽減というような措置をとってきているわけでございますが、今後もこれらの支援措置というものについて検討してまいるということにしております。
 また、ディーゼル自体からクリーンなエネルギーを使用する自動車に、また低公害車に対して乗り換えていただくというのも一つの方法でございます。従来からクリーンエネルギー自動車、低公害車の普及のための措置というものもとってきているわけでございます。これらについても一層の普及を図っていきたいと思っております。
 また、既販車の排出ガス性能改善のための取り組み支援といたしましては、先ほど申しましたようにDPFというものが一つの手段でございます。ただ、これについては、我々の評価といたしまして、現時点で非常に安価に適切につけられるものというものが、今のところ我々としてこれだというものがないというふうに考えてございますので、検証が不十分なところもあると思いますので、今後積極的に関係省庁さんとも共同の上、引き続き検証を進めてまいりたいと思っておりますので、その結果を踏まえつつ、所要の支援措置というものについて検討するということにしていきたいと思っております。点線の中で書いてございますけれども、そのための検討会としまして、ディーゼル車対策技術評価検討会というものを運輸省さん、環境庁さんとも一緒に立ち上げておりまして、もう既に検討を初めておりまして、夏ごろをめどに中間的な取りまとめを行ってまいりたいと思っております。
 このように、ユーザーに対する対応または自動車それから燃料業界に対する対応というものを中心に通産省も、今後とも排ガス対策に対して積極的に対応してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
 
【委員長】 どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご質問などをどうぞ。
 私、一つよろしゅうございますか。仮に石油側からのアプローチをオイルアプローチと呼んでおきます。それから車両側からのアプローチをビークルアプローチと、それから後はユーザー側からのアプローチをユーザーアプローチと仮に呼んでおきますと、一応オイルアプローチの可能性というのがどの程度なのかと。あるいはビークル、車両側がDPFですか、こういうものをつけることによってどういう可能性があるのか、もうそのテクノロジー両方を仮に一緒にしてテクノロジーアプローチと言うならば、テクノロジーからアプローチして対処できることの範囲と限界と申しましょうか、そこら辺をどういうふうにご理解になっているかちょっと教えていただきたい。
 
【通産省自動車課長】 恐らく今委員長がおっしゃったビークルアプローチとオイルアプローチが独立して動いているということではないと思っておりまして、そこは両方が相関しながらというか、両方の協力がないと一定のレベルまでの改善ができないとこういう理解だろうと思っております。具体的に申し上げると、今の新短期、新長期とありますが、新長期のレベルまでですと、例えば燃料の噴射の制御とかそういう技術である程度の改善ができるということだと思いますが、さらにそれを超えてもう一つ先までいろいろ一層の改善を図っていこうということだと、先ほどもDPFとおっしゃいましたけれども、それをもう一つ先へ進めた技術、連続再生式のフィルターというものをつけるということが多分技術的に必要になってくると。そのためには、これはビークルアプローチとしてもちろん車両の方で改良するべき技術開発の部分がありますけれども、同時に燃料の性状を改善していくというものと両方必要で、それが両方一緒にならないと多分効果が出てこないということだと思っております。さらに言えば、そういう車をなるべく早く普及させるという意味で、ユーザーアプローチの部分も出てくるということかと思っておりますので、この三つがそれぞれそろわないとなかなか効果が出てこないとこういう理解かと思っておりますけれども。
 
【委員】 結局のところ、全体としての走行量の削減をしなければならないという現実があって、どんなにその車両の方でがんばってみても、増えてしまえば相殺されてしまいますから、そこのところを最後どうするかというのが一番大きな課題だろうと思ってはいるんですけれども、それはさまざまな手法を動員する以外にないので、そう簡単に法律をつくってどうかというような話ではないだろうとは思うんですが。
 ところで、先ほどのユーザー支援ということに関してのお話の中で、過大な負担にならないために取得税軽減あるいは補助金とこういう形の施策はこれまでも導入されてきているわけですけれども、例えば、現行法は私は買い換え促進法でしかなくて余り効果がないと正直のところ思っていますけれども、それでも買い換え促進の効果はあるわけですね。大型のディーゼルで、前に聞いたことですから今もそうかどうかは知りませんけれども、やはり法定耐用年数を過ぎてからしかもうけが出ないという現実があって、なかなか買い換えが進まないというお話を聞いたことがあるのですね。されば、法定耐用年数を過ぎたところにはもっとチャージをかけると、そうすればそこで買い換え促進が進むのではないかなと思ってはいるのですが、先ほどの既販車対策ということでDPFをつけるということがどのぐらい意味があるかわかりませんが、かなり効果があるのであれば、そういうものも全部セットにして、今のようなやはり負担をかけるというような形の政策メニューを入れておけば、これをつければそれはもうチャージをかけませんよと、ついてない人はチャージを払いなさいよと、そこまでいろいろな細かいことを考えた政策メニューというのは入り得るのではないかと思うんですが、いかがでしょう。
 
【通産省環境立地局環境指導室長】 確かに自動車NOx法が、ご存じのようにあれは買い換え規制になってございまして、古い型については、ある12年なら12年とか8年なら8年たった後は、対策をとらなければ車検が取れないという形で規制がかかっているわけですね。ここ自体は通産省のあれではなくて運輸省の範囲になってしまうものですから運輸省の方で細かく聞いていただきたいのですが。従来でもそういうような形でのディスアドバンテージというか何というんでしょうか、もう乗れないという形での負荷がユーザーにかかっているものというふうに考えてございまして、また、何というんでしょうか、それ以上のことを現在の時点ではやってはいないというのが現状でございます。
 また、規制につきましても、総合的にやった方がより効果的ではないのかというようなことでございましたけれども、確かに従来からもそういう考え方でやってきておりますし、また、今後もそういう考え方をベースに、先ほど言いましたように自動車NOx法の見直しみたいなものも議論されていくのではないのかなと思っております。
 個々の例えば、今まで自動車取得税の軽減等をやってきたわけですけれども、それ以外のもの、またこれの延長等につきましても、関係者といろいろと相談のうえ、今後の対応を考えていくべきものかなと思っております。
 
【委員】 先ほど話が出ておりました三つのアプローチなんですが、この辺の三つのアプローチで、それぞれコストであるとかそういうことが関係してくるわけで、痛み分けのようなことでやっていかないとなかなか進まないのではないかなという感じはあるのですが、そこら辺の全体の、例えばこの分野ではこのかかったコストをどうするか、こちらの方の軽減分に対してどうするかというようなことを調整していかなければいけないと思うんですが、そこの辺の仕組みというのは今あるのでしょうか、それとも今後何かもっと積極的に考えていかれるのでしょうか、その辺ちょっとお教えいただきたいのですが。
 
【資源エネルギー庁精製備蓄課長】 そこは非常に大事だと思うんですけれども、そこを調整する仕組みというのは、今、日本全体が市場メカニズムで動いていますからないんですよね。例えばトラック屋さんが新車を買い換えたらコスト上がるわけですね、そうすると荷主に高くしてくれと言っても、過剰であれば認められない。そうするとだれかが負担するという、先生もさっきおっしゃったような状況なので、そこの仕組みは恐らく日本がこういう経済体制をとっている以上、個々の判断というふうなことにならざるを得ないのではないかなというふうに、私個人的な意見かもわかりません。恐らくそこを中環審とかあるいは通産省とかで転嫁すべしとかそういうふうなことは恐らくできないのではないかという気がしますけれどもね。そういう意味で、さっき先生が三つのアプローチとおっしゃいましたけれども、私はそれに加えて、技術的な面と経済的な面がそれぞれにあると思うんですね。だからその中で将来の大気基準あるいは水準がどうあるべきかということで、どれぐらいの一体コストをかけていいのかなというのを決めていかないと、それぞれのアプローチで技術的、経済的だけあっても決まっていかないのではないかなという、我々の石油業界ありますし、石油業界と言っても5万件のSSまでありますし、片や自動車業界と言いますともう部品まで含めていっぱいありますし、あるいはトラック業界というともう猛烈な数になりますので、そういう調整をやっていくというのは非常に、仕組みとしては僕は不可能だと思いますし、まさにメカニズムでやっていく以外にはないのではないかというふうに思います。
 
【委員】 これは前に進まないというふうに思えるんですが、非常に困難であるからできないというふうにおっしゃっているわけではないんですか。
 
【資源エネルギー庁精製備蓄課長】 そうは言ってないです。現に今まで、新長期規制とか新短期規制とかやってきたわけですね。それで、一番大事なことは、科学的にできるだけ確かなことをやっていこうではないかと、コストはそのときにどれぐらいかかるかを見ようではないかというのが今までのラインだったと思うんで、私はこれからもそのラインでやって、いかざるを得ないと言うとまた先生に怒られそうですが、いくべきなのではないかなというふうに思っています。既にヨーロッパなんかでも2005年を目指していろいろなことをやっているわけですが、そういう目的もあって我々JCAPというのを始めて、できるだけ科学的に確からしいことをやっていけたらなという、これは非常に正当なアプローチと思うんですが、そこが非常に難しい、これはヨーロッパの例を見ても先生ご存じのとおりですけれども、できるだけそういう努力をしながら、よりいい環境を目指してやっていく、コストはそれなりと言うとまた怒られるかもわかりませんが、コストはしかるべき負担というのが一つの社会ではないかと思います。
 
【委員】 ですから、我々の関連しているところでいろいろ困っているのですが、例えば何かの排気ガスをきれいにするために、例えば石油業界ががんばば5,000億円、自動車業界ががんばれば3,000億円というようなもので済むとすれば、自動車業界が3,000億円でやった方がトータルのコストは安いわけですから、その3,000億円を自動車業界と石油業界とで折半するというようなことを何か調整していただくような仕組みというのをお願いするとすれば、おたく以外にはあり得ないかなというふうなことを思っておりまして、それをちょっと格好つけて話をしただけの話です。
 
【資源エネルギー庁精製備蓄課長】 それはさっき支援を我々していると言いましたが、税の支援のほか予算の支援とかいろいろしていますので、そういうふうなところでは一部調整できるかもわかりません、かもです。全額を、では5,000億円を全部調整しろと言われると、これはできないという結論にならざるを得ないのではないのかなと。少しはそれはできると思います。取得税でこうなるからとかいうのはできると思います。
 
【委員】 先ほど先生も言われたように三つのアプローチがあるわけですけれども、一つの観点からお聞きしたいのですが、今、SPMにしろPMにしろあるいはNOxにしろ問題になっているのは、大都市の特定な地域   だけなんですよね。そういう観点から、そこの線を解消するという何かお考えがありますか。
 
【通産省環境立地局環境指導室長】 確かに特定の地域においてそういう公害
というかSPMの状況があるということは十分に知っておりますので。また、それがまさにそういうことに対応するという観点から、NOxの場合、自動車NOx法というのがつくられたのではないかなというふうに実は考えております。ですからそういう観点から先ほど言いましたように自動車NOx法というものがもとにあるわけですから、その中で従来のNOxだけではなくてPMというものを含めた対策というものを考えていけば、一番効果的、効率的に従来の規制体系というか、というような形を踏襲した形で対応がとれるのではないかなと実は思っておりまして、規制という観点からいえば、そういうような対応をやるべきではないのかなと思っております。
 
【委員】 コメントに近いような話なのかもしれませんけれども、これまでの施策あるいはそれに投入した資金といいますか、特に低公害車の普及という点から考えると、問題なしとは言えないんだろうと私自身は思っているんです。そういう流れの中で、低公害車も一つの範疇に入っていますけれども、環境配慮型製品の開発普及促進というそういう視点で見ていったときに、これまでの方法論というのは果たして今後も通用するものなんだろうかどうなんだろうかということを少し考えていかなくてはいけないのだろうと。先ほどもいろいろご議論あったような経済的な誘導策等を含めて、もっと日本でも積極的な展開をしていっていいのではないかという気がするんです。それだけの重要性をこの問題は持っているかどうかという判断はできないんですけれども、自動車の関係ですとなかなか具体的な影響は出てこないと思うんだけれども、そういう状況などは誘導策とっていかないと話がつかないのではないかと思うんです。
 先ほどちょっとお話し伺っていたような、トレードオフだとか何とかという話されていますけれども、あれで普及するものだったら今までに相当いけたのではないかなという気もしておりますので、何かもう少しその辺のところに新しい考え方を導入していくべきではないかと、これはコメントで、何かお答えあるようでしたら、先ほども少し言われていたようですけれども、どうもちょっと積極性が判断できないのではないかなという気がしていたので。
 
【通産省自動車課長】 これまで講じてきているクリーンエネルギー自動車への税制優遇というのは、確かにそんなに大きくないということはそのとおりでして、大体取得税を、業者は5%取得税あるのですが、ディーゼル車は2.7%というこういうような金額ですから、仮に200万円だとして取得税は10万円ですから、その半分ぐらいですから確かに余り大きくないのは確かです。むしろそれよりも今我々が持っている手段の中でもっと有効的に効果があるのは、直接補助金を交付しているということがありまして、これはクリーンエネルギー自動車と例えば普通の自動車というのは同じ性能のようなもので比較するとかなり値段の格差がありますから、格差の約半分ぐらい補助しているという仕組みがありまして、それと先ほどの税の仕組みとか何か全部照らし合わせてそれでとんとんとかそこまではいっていませんけれども、多少価格の差がありますけれども、後はユーザーさんのやはり選好というものにある程度期待するものがあって、ある程度の効果は出来ているものはあります。ただ完全ではないし、そういう意味で例えば電気自動車みたいなもの、天然ガス自動車のようなものが完全にガソリン車と競争できることになるかというとそれは多分ならないと思います。これはどうやってみても、例えばプリウスのような比較的安いクリーンエネルギーの自動車でもハイブリット車でも、普通のガソリン車にないところがどうしても必要になってきますから、恐らくどんなに大量生産をやってみても最後に価格差が残るのが必ずあるので、それは恐らく技術的には解決できないのではないかということを思います。ではどうするかということですけれども、では毎年補助金を交付し続けるのがいいのかどうかというと、結局、今我々の補助金の予算というのは80億円ぐらい毎年使っているわけでして、それが毎年そういう形でやるというのはやや変な仕組みだなという感じはなくもなくて、最初の導入部で補助金を出すのはいいと思いますけれども、未来永劫そういうのに頼るというのは非常に変な仕組みだと思います。
 
【委員】 それは規制との間の関係で将来普通の車では通用しなくなるだろうという流れがあって、いつまでもそれを払い続けるというのは私も反対だし、逆に言えば、今まで少しずつの金を毎年出してきたような流れの中で今のような状況が出来上がってしまったのではないかという気もしているんですね。あるときにやはり重点的に投入していくとか、過渡期の間だけはそういう状況をつくっていくとか、というようなそんなやはり展開をしていかないと、財政難の折でもあることですし、なかなかこういうものを普及促進して定着させていくということはできないのではないかという気がするんですね。その辺についてもう少し余裕のある、フレキシビリティの高い政策展開というのがあってもいいのではないかという気がするんですけれどもね。ちょっとお答えがさっきのような話になってくるんだと思いますので、私のコメントだけ述べさせていただきます。
 
【委員】 先ほど、大都市の問題だというお話がありましたけれども、その一方で、例えば石油の性状を変えるというようなことですとか、それに対応した技術というのは実は非常に国際競争の波にさらされております。 先般、米国のEPAが極めて厳しい規制値を提案したりしておりまして、そういう燃料の性状というのは多分グローバル化、ハーモナイゼーションの波に乗ると思うんですね。そのときに、それに対応した、先ほど言われたビークルテクノロジーがどこまでいくかというのは、本当に日本の産業力というのにかかっているような気がします。そういう中で、それではオールジャパンの話だから全部もう大都市、どこも東京のようにしたらいいかというと、決してそうではないと思います。その辺のバランスをどういうふうにとっていったらいいのか、それがどこに社会経済的な意味での本当にメリットがあるのかということも地域性を考慮して考えていただくのと、一方でそういう国際競争の力をつけるということが非常に重要だというふうに思っています。
 それから、交通対策というのは、それから低公害車の導入というのはCO2だとか石油代替の対策でもあるのですね。ですから地域環境対策とうまくセットでどうやって絡めるかというのも実は一方で非常に重要な問題だというふうに思っております。
 それからもう一つは、ここではITSのお話が出ませんでしたけれども、先ほど先生言われたそのユーザーズアプローチというのはまさにITSの世界であります。これをどういうふうにしてうまく使っていったら地域環境とかあるいはCO2の削減につながるかという点で議論を定量的に始めていただくことをぜひお願いしたいというふうに思っております。これは多分かなり有効な手段でありますし、車は来世紀は使い方の問題がやはり一番クローズアップするのではないかなとい
うふうに思っています。すみません、コメントでございます。
 
【委員】 ちょっと一つお伺いしたいのですが、省エネ法で昨年の4月でしたか改正になりました。そしてディーゼル乗用車、ディーゼル貨物車が新たに特定対象に入りましたですね、9種類から12種類になって。その中で、車の場合、燃費の改善だろうと思います。ガソリン車については2010年が目標年度、ディーゼルについて2005年というのが目標年度になっておりますけれども、これはあくまでも地球温暖化対策からの意味での省エネ化ということだと思いますが。ディーゼル車2005年というのは新長期目標の2007年を前倒ししようというような方向に今行っておりますよね、新長期計画の前倒しで。その辺とリンクしてディーゼル車の燃費改善が2005年というところに目標年次が置かれたのかどうか、これは私わからないので教えていただきたいということなんですが。
 それともう一つは、この省エネ法と自動車NOx法現在あるわけですが、自動車NOx法が今後どういうように変わっていくかは別として、その辺とこの燃費改善というような、ガソリン車は2010年というのはちょっと先が長いので、一度設定したではその間どうしておられるのかということもお伺いしたいのですけれども、その辺ちょっと教えてい
ただければ。
 
【通産省自動車課長】 省エネ法の方の話でございますけれども、これはなぜ2005年にしたかといいますのは、むしろ今の前倒しの話が出る前に、新短期は一応カウントをして、新長期がおおむね2007年ごろということで、それを前提にしておりまして、そうすると、新短期をカウントした、これは当然ご案内のとおり燃費とそれから排ガス性能というのはトレードオフになるというケースが非常に多いと思いますので、それを前提とすると、新短期を前提とした省エネ目標というのまでは計算できるけれども、新長期のレベルまで確定しないと、その先の2010年というのはなかなか計算しにくいとこういうことがありまして、ガソリンはそこら辺がある程度見通せるだろうと、見通せるという前提で2010年と。それから、本来ディーゼルもそれとそろえるのがきれいなのかもしれませんけれども、そういった事情を考えて2005年で中間的な目標を作ったということであります。したがって、当初想定したのは、要するに眺めがだんだんよくなってくるという中で中間的な目標ですから、それをさらに延ばしてもう一段2010年の目標というのがいずれつくるということ、少なくとも新長期の規制がはっきりした時点でその先の目標というのはいずれつくるというのが恐らく環境審議会の先生方の前提になっていたのではないかというふうに思っておりますし、いずれそういう議論になっていくのではないかというふうに思っております。
 
【資源エネルギー庁精製備蓄課長】 さっき先生言われた国際的ハーモナイゼーションという話ですが、日本も昔は中東から石油を持ってきて100%日本でつくっていたわけですが、今現在の状況は、灯軽油で約1割が韓国、台湾、シンガポールからも来ています。だからそういう意味でもハーモナイゼーションをとらなければいけないし、彼らもできると思うんですが、彼らの状況も調べてから決断していかないと、まさにさっきの、技術的ではなくて経済的側面から起こってくるのかなということで、私ども石油審議会で中環審と歩調を取りながらやろうと思っていますが、特にそういう需給の話とかその辺も見ていかなければいけないなというようなことを考えております。
 
【委員長】 よろしゅうございますか。
 それでは、通産省さんの方のヒアリングは終わりにいたします。また今後ともよろしくいろいろご指導をお願いいたしたいと思います。
 それでは続きまして、運輸省さんの方でもお見えになっているようでございますので、運輸省さんの方からのご説明をお願いをいたします。
お手元に資料がいっているかと思います。よろしくお願いいたします。
 
【運輸省保安・環境課長】 お手元に資料5といたしまして、自動車排出ガス対策への取組みについてということで、ちょっと席上配付にさせていただいておりますが、次のページをちょっとごらんいただければと思いま   すが、運輸省の自動車排出ガス対策と申しますと、やはり環境庁さんの   方の大気汚染防止法の体系の中で環境庁がまず許容限度を決めて、運輸   省が関係法令で規制をするとこういう形をとっております。したがいま   して、まず大きな問題といたしましては、自動車の単体の排出ガス対策   というのが上げられるかと思います。ここには簡単に書いてございます   が、ディーゼルのガスにつきまして、現在関係の法令の改正手続、これは基準でございますので、WTOへの通報その他の手続をして、それで所要の改正が行われるということになっております。なお、ガソリンにつきましては、12年、今年から乗用車につきまして始まっておりまして、14年までにいわゆるガソリンの新短期の規制というのが既に法令の改正を終わっているところでございます。ディーゼルにつきましては14年から19年につきまして新短期規制として実施するということになっております。
また、先般の平成9年及び10年の中環審の答申におきましては、ディーゼルにつきましては19年ごろ、ガソリンにつきましては17年ごろ、さらに新短期の規制のさらに2分の1程度にするということが掲げられております。したがいまして、そのことにつきましても進めていくということでございますが、これは今回さらにディーゼルにつきましてはその前倒しというようなことでご審議がされるものというふうに伺っているところでございます。また、関係大臣から各業界に対しまして、その前倒しにつきまして要請したという経緯もございます。
 それから、最新排出ガス規制適合車の普及ということを図ることが一つ大きな単体の対策でございますので、税制の軽減措置等につきまして進めているところでございます。現在、平成12年度規制適合車あるいは13年度適合車というものにつきまして、税の自動車取得税の減税措置がとられているところでございます。
 また一方で、排出ガス規制のほかの単体対策について、ここに2番として書いてございます。これが運輸省で行っているものでございますけれども、四つほどご説明させていただきたいと思います。まず、次世代低公害車技術評価事業の実施というのがございます。お手元の6ページをごらんいただきたいと思います。次世代でございますので、次の低公害車、新しい世代の低公害車ということで現在大きく二つの作業を運輸省として進めているところでございます。一つは、燃料電池自動車これについて何とか技術開発を進め、市場への投入が早くできるようにしたいということで、これは通産省さんとも連携をしながら進めているところでございます。それから2番目に、Aと書いてございますが、次世代ディーゼル代替低公害車というのがございます。現在我々の方で次世代として考えているものにはこの二つがございまして、液化天然ガス、この液化天然ガスは天然ガスのうち液化されている、LNGがCNGに比べタンクに余計に入れられる、つまり航続距離を長くできるという利点がございまして、その点について何とか新たな低公害車として普及できないか、開発できないかということで進めているところです。それから、ジメチルエーテル自動車というのがございますが、ジメチルエーテルはこの燃料自体がいろいろなものからできるという一つの利点がございますが、そのほかにディーゼル機関のディーゼルとしての特有性それを殺さないで燃料をきれいな燃料といいますか排出ガスをきれいにできるというところがございます。そういう中でジメチルエーテル、もちろんこれインフラとかそういう問題がいろいろ出てくるわけでございますが、いろいろな低公害車のメニューの中の一つとしてこういうことを進めているところでございます。
 1ページ目にちょっと戻っていただきますと、その次に掲げておりますのが、先駆的低公害車実用評価事業の実施というのがございます。これ次世代低公害車と先駆的低公害車でちょっと差をつけておりまして、先駆的というのは、一応実用化のめどがついたという低公害車を考えてございます。このやり方は、実は補助事業を購入補助をして、そのかわり使用状況それから排出ガスのモニタリングをするということを進めているものでございます。もう一度戻って恐縮ですが7ページ目にその概要について事業の概要を書いてございます。真ん中の図にございますが、車両価格の4分の1を補助してモニタリング調査を実施し、使用状況などを報告し、ときにこの排出ガスの測定等をして、これでできる限り低公害車の技術的な指針、あるいは基準というようなものを構築していって、大量の普及を目指していこうというそういうものでございます。一昨年度から始めまして今年度で3年目になります。それから、8ページをごらんいただきますと、さらなる低公害車普及をしていくためには、やはり何か認定の制度というようなものの創設が必要ではないかということがございます。中環審答申の中でもそのことに触れられているところであり、また、環境庁さんの方の検討会で指針が示されたということがございまして、運輸省におきましては、低公害車の認定制度を先般創設し、4月からその運用を始めているところでございます。ここにステッカーをちょっと表現してございますけれども、最新規制値というこれはガソリン車の最新規制値になりますが、乗用車あるいは小型の方の車両、あるいはもう少し大きいもの、中量車、重量車というのがございますが、そういったもののそれぞれの規制値に対しまして25%低減レベル、50%低減レベル、75%低減レベルというのを想定いたしておりまして、これらを型式指定制度という運輸省の認定制度、自動車の型式の認定制度がございますが、これを利用しましてその数値を測定し、それで認定をするという形をとっております。現在までに25%の低減レベルをとったのが25型式、それから50%低減レベルで24型式、75%低減レベルで3型式ということで、4月以降でございますが、比較的そういったことを各メーカーとも努力していただいているというあらわれかなというふうに思っているところでございます。
 それから、多分これは既に通産さんや環境庁さんの方からお話があったかと思いますけれども、3月3日でございましたが、ディーゼル車対策技術評価検討会を設置し、事務局として、環境庁、通産省、運輸省の3省庁で検討会を開いているところでございます。これは、使用過程にあるディーゼル車の排出ガス低減対策技術について、その技術の適用可能性あるいは効果などを検討するために検討会を設置したというものでございます。検討といたしましては、やはりPMの除去というところでDPFなどについて検討を行うことにしておりまして、排出ガス低減性能や耐久性能適用あるいは汎用性ということも含めてですが、そういったもの、供給の可能性、コストその他の課題を考えていくと、低減評価としては、費用対効果も含めまして最新規制適合車への代替、その他の対策との検討を進めようということになっております。夏ごろまでに中間のとりまとめを行うということで進めているところでございます。
 ちょっと1ページ目に戻っていただきますが、運輸省におきましては、単体対策のほかに進めているものとして、単体も含まれるんですけれども、自動車の使用に対する対策として自動車NOx法に基づく対策というのがございます。これは既に多分ここの委員会の中での大きな問題だろうと思いますが、NOxの排出量が一定以上のディーゼル車の使用の制限というのを行っております。いわゆるNOx法の対策でございます。11ページに、自動車NOx法に基づく取組みについてということで、これは大気汚染防止法と同様にいわゆる自動車NOx法で決められている規定に基づきまして、指定地域におきます使用車種規制というのがごさいます。これにつきましては2のところにNOx排出基準が書かれてございますが、1.7トン以下は昭和63年度規制ガソリン車並みというように、それぞれに何年並みの規制ですよということが決められており、また3におきまして書いてございますが、使用過程車に対する適用猶予期間というのがございまして、特定自動車排出ガス基準の適用猶予期間として、普通貨物自動車が9年、小型貨物車が8年等々という規定が設けられております。この実施のためどうしているかというのが4のところに書いてございますが、これらは指定地域を使用の本拠地としている場合に適用を受けるわけでございますけれども、自動車検査証にその基準の適否あるいは適用日を記載して、その使用者がはっきりとこの車がいつまで使用でき、いつからはその地域においては使用できないということを明確に周知しているということでございます。NOx法の使用車種規制を的確に実施していくための措置として4番に少し書いているところでございます。
 もう一つ、NOx法におきましては、基本指針を定め、都道府県知事が総量削減計画を立てるに当たっての方針とするものを運輸省として告示をしているところでございます。車種規制の実施や低公害車の普及促進、物流対策の推進、人流施設の推進等々書いてございます。そういったことを進めていただくということでございまして、それに基づいて、14ページを開いていただきますと、NOx法特定地域における道路運送事業者に対する指導についてというのがございますが、これは、貨物自動車運送事業者それから旅客自動車運送事業者に対して、まず自動車環境対策計画を策定させ提出を求めるように指導しているものでして、合わせて毎年の実績を報告させているということでございます。運送事業者以外の一般事業者に対しては、自治体が同様の指導を行っているところでございますが、運輸省におきましては運送事業者について行っておりまして、その計画内容については、窒素酸化物などの排出が少ない車両への転換や低公害車の導入、適正運転の実施、車両走行量の削減等々がございます。こういったことを進めておりますが、それらについて適切にやるよう指導あるいは助言をしているところでございます。
 その中の一環というわけではございませんけれども、全体的にやはりエコドライブ・アイドルストップの推進という、これは使用の中で確実に、できればやると即効果が上がるものとしてのものがございます。むだなアイドルをやめる、むだな空ぶかしをやめるというエコドライブの実施ということで、関係団体と一緒になってマニュアルをつくり、強化月間を行い、車両の運転が行われるようにしているところであります。これは当然燃料の節約、ひいてはCO2の低減ということもございます。それから、アイドルというのは、どうしても待機時間等があってそこで行うということが多うございますので、適切な休憩施設やあるいは車内に蓄熱器マット、そこで寝ている場合もございますので、そういったものの装置の普及、それからアイドルストップの装置などについても普及を図っているという状況でございます。
 16ページ目に、交通モードに対する対策ということがございます。運輸省におきましては、当然公共交通機関の利用を促進していただくということが一つの大きなものでございます。これは人でもありまた物でもあるかというふうに思います。一つは、鉄道の利用の促進ということがございます。大都市圏の鉄道については、やはりラッシュ時の混雑緩和ということ、快適な通勤・通学を実施するための新線や複々線化などもございます。また、時間をずらして通勤していただくようなそういったオフピーク通勤というようなこともいろいろお願いをしているという状況にございます。また、バスの利用の促進ということでは、鉄道とともに、使われやすいやさしい優れた交通機関というふうに思うわけですけれども、それを実現するために、ノンステップバスの導入、コミュニティバスの開始等々を行っております。また、例えば100円バスとかそういったものも最近導入していくところがございまして、そういったものについて進めている、それから、バスターミナル付近やマイカー駐車場付近に駐車場があって、パークアンドバスライドとか、さっきの鉄道もそうなんですけれども、そういったことを進めてまいりたいと思っておりますし、都市部の商業地域の幹線道路の一部について、バス等の公共交通機関以外の通行の禁止とかそういったことも考えていく必要があるかというふうに思っております。あともう一つ、最近ではバリアフリー法の関係がございまして、やはりそれぞれの交通への乗り換えとかそういうものが容易になっていくということも一つの交通モードに対して使われやすいモードにしていく、公共交通機関がそういうものであるというふうに考えております。
 それから、物流の関係でございますけれども、やはり都市内物流がトラックが中心であることではございますが、何とか全体的に走行量の削減を目指していこうということで進めているわけですが、一つには、自家用トラックから営業トラック、これは積載効率がいいということで営業トラックへの転換。それから輸送の共同化、その場合に複数の荷主の貨物の積み合わせ促進と、積載効率の向上ということ、それから、都市に入らないようにするためには、都市外延部への環状道路や高速道路のインターチェンジ付近においての物流拠点の整備ということが効果的に思います。そのほか、新しい話としましては、情報化の推進というところが一つ走行量を下げていくものとして考えられておりまして、一番後ろに、求車求貨システムという、荷物情報と空車情報で契約成立というようなイメージ図を描いているところでございますが、この情報化も一つ物流の中の自動車輸送を低減させる一つの手段ではないかなというふうに考えているところです。
 18ページには、オムニバスタウンというバス中心にした都市内交通を考えるというところで、幾つかの例がございますけれども、こういうことをイメージ図として考えて、幾つか進んでいるところがございます。金沢のふらっとバスというのがここに書いてございますけれども。それから、共同配送センターという考え方をして積載効率を上げていこうと、トラック積載率を、ダイヤグラフみたいなのがありますが、平均80%というようなことを考えて、その前、トラック積載率が平均30%ですので、80%にしようとこういうことを考えているわけでございます。
 それから、中心市街地における市街地の環境整備及び商業等の活性化の一体的促進に関する法律というのがございまして、こういったスキームの中で運輸大臣のやるべきこととして、やはり輸送の関係について、公共交通機関の利用促進ということを進めていきたいというふうに考えています。
 21ページに、モーダルシフト化率ということで、自動車の交通からほかの交通へというところがございますが、そういったもので、今これ雑貨輸送量につきまして、500キロメートル以上の雑貨輸送量の割合の変化を書いてございますが、今42%程度がこの500キロメートル以上の場合に海運や鉄道で運ばれてくるようになってきたとこういうことでございます。
 以上、我々の今取り組んでいる状況につきましてご説明させていただきました。運輸省だけではなくて、関係省庁といろいろ協議しながら進めていく事項も多々ございます。いずれにしても、自動車排出ガスの低減対策について、何とかできるものを進めていかなければいけないいうことで、運輸省としてもいろいろな検討を進めてまいりたいとそういうふうに考えているところです。ありがとうございました。
 
【委員長】 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何かご質問などございましたら。
 
【委員】 自動車の単体排出ガス対策から始まって、自動車の使用に係る対策、交通モードの対策、いろいろ多面的なお話を伺ったんですが、例えば自 動車の使用に係る対策で、エコドライブとかアイドリングストップとかいろいろ対策がございますね。それについては単体でこうやったら何パーセントぐらい節約されるというのはよく私も見たことがございますし、静岡県なんかでもいろいろなことをして、そうだからやってくれと言って頼むんですけれども、実際それでは現在の段階で何パーセントぐらいこれで節約されているのかとかそういうデータは取られているのでしょうか。
 
【運輸省】 完全に正確なのはちょっとわかりませんが、運送事業者の中でこのエコドライブというものをされ、あるいはする前とした後の燃料の差というのは比較的出てまいります。これちょっと例、今持っておりませんけれども、燃料がこのぐらい減っているねという話は確かに一つまとまっているものがあろうかと思います。
 今運送事業者さんの中には、特にアイドルをとめる、物流の関係の方々ではキーを腰にひもでつないでおいて、出る時必ず切らなければいけないというようなやり方をしているところがございます。これは結構普及しているかと思いますけれども。ですから、荷下ろしする時に必ずキーを外しますので、これは泥棒よけにもなるのですけれども、そういったことで低減をさせているという例があります。
 先生おっしゃるように、どのぐらいの量、今のものについて普及されているのかというのはちょっと正確にはわかりませんが、今やっていることはやはりやると結構大きな数字がありますねと、つまり経済的にも含めて燃料がそんなに減りませんねというようなことは今後も普及に当たっての説明の中では使ってまいりたいというふうに思っております。どのぐらいというのはちょっとそれは今申し上げられないのですけれども、そういう状況かと思います。
 
【委員】 ぜひお願いしたいんですけれども、いろいろ官庁が出している指令とか指針とかいろいろなものを出して対策を出す、それのフォローアップが必ずしもうまくいってないようなケースがあるのですね。トータル   として、こうやったらこれは何パーセント節約になるかというのをずっと、先ほど情報化という話もございましたけれども、そういうのが全部伝わっていくともう少しよくなるのかなと思うんですね。ぜひそういう   ようなやり方をしていただけたらありがたいというふうに思っております。
 
【委員】 NOx法が今問題になっているわけで、つまり目標が達成できてないということが最大のこのテーマでの政策課題でありますから、種々な施策をやっておられるということはよくわかったんですけれども、それでなおかつ全体としてどうしてだめなのかなというところの分析をしなくてはいけないわけですね。ちょっと抽象的な質問で申しわけないんですが、運輸省としては、どこら辺に問題があるという認識を持っておられるかということを、大ざっぱでもいいからお聞かせをいただければと思います。
 それから、NOx法をつくるときのいきさつは、私も当時関与をしていますので、いろいろあって事業者別総量規制とか言った覚えがあるのですが、全然うまくいきませんでした。結果的に、事業者に対する指針を出して指導するということになっているわけですが、今日のペーパーの14ページを見ますと、運輸省はかなりまじめにやっておられると、ちょっと表現が悪くて申しわけないんですが、他省庁のようにおざなりに指令を出せば、指針を出せばそれでいいのではなくて、やはりちゃんと計画の策定ということの報告徴収までやっておられますから、これは大変優れた施策を展開しておられるというふうに思うわけです。特に指定地域内では30台以上の事業者というところで報告の徴収をしておられるようですが、これ一体全体運輸事業者の中のカバー率がどのぐらいかとか、域内で問題になっている車両の中のカバー率がどのぐらいかということは把握しておられるのでしょうか。
 それから、こういう手法が効果的であるとするならば、もっと台数を将来削減するということの走行量を下げていくということをお考えかどうか。それから、さらに現在は行政指導ベースでやっておられるようですけれども、走行量を下げれば下げるほど行政指導ペースではもううまくいかなくなることは明らかですから、これやはり義務化していくというようなことをお考えにはなっていないかということです。もっと端的に言えば、義務化という方向をもし我々が打ち出した場合、それについてどうお考えですかと。
 
【運輸省】 まずNOx法の関係でございますが、先生の後の方の問いということになるかと思いますが、例えば東京都で50台以上あるいは30台以上の事業所ということでいきますと、約6万台がその対象になっております。台数としてはそうですね、ちょっと50台と30台がちょっとごっちゃになっている部分があって恐縮なんですが、台数としてだけは正確にわかります。実は、報告を提出していただいて、いろいろ目標、NOxの排出量の削減などを見ていきますと、比較的、例えば平成7年度ぐらいからスタートして平成8年、9年、10年といきますと、10年度で最終目標に対しては、合わせてですけれども、8割ぐらいになっているかなというふうに今推定しています。一応いろいろがんばっていただいていることがあって、我々として確かにNOx法というものをやり、それは単体の強化それから使用車種規制というものをし、その中で何とか達成をしていくということで進めているわけですから、その何らかの原因があるのかなという気はいたしますが、運輸省としては、やはり全体の削減のためにできることを進めてまいりたいということでございまして、ちょっと何をもって今の原因かと言われますと、いろいろなことを考え得るわけですが、我々の中で今すぐ推定して、例えば運送事業のどこが悪いとかそういうのはちょっとまだ言えないかなというふうに思っております。
 それから、単体の関係につきましては、多分通産省さんの方それから環境庁さんの方でいろいろご検討されるものと考えておりますけれども、どちらかは何か余りはっきりしませんが、やはり走行量やそういったもの、あるいは大型化とかそういったものが何かの関係を持っているのかなと、ちょっと推定で恐縮でございますけれども、そういうようなことは考えられるのかなというふうには思います。
 あと、今後ということでございますが、やはり基本的には、従来NOx法を進めてきた中で、本来ならばやはりここで一度NOx法でない非常に今後自由な低減という言われ方も本来は考えられるはずではございますが、今現在こういう状況の中でさらなる対策というのがやはり不可欠、冒頭でも少し申し上げましたけれども、というふうに考えております。それはやはり一つは、単体の方のいろいろな施策があろうかと思いますし、もう一つやはり、走行の関係で走行量の低減という考え方も当然あるわけで、そのための施策というのもやはり必要になってくるだろうと思います。もう一つ、走行量のほかに、やはり出やすい領域とかというのも一つあって、つまりこれは簡単に言うと平均速度との関係ですね、そういったことも一つ念頭に入れる必要があるのではないかなというふうに考えます。すみません、余り答えになってないかもしれません。
 
【委員長】 今のお二人の先生のご質問が大変近いので、私も一言やらせていただければ。要するに排出ガス対策としてどういう種類のポリシーを適切に組み合わせるかというテーマだろうと思うんですね。これは我々の方の言葉ではポリシーアサインメント、政策の割り当て問題とこう言うんですが、その割り当ての場合に、その第2番目に、どういう政策をどれぐらいの強さでもって割り当てていくかというポリシーインテンシティの問題があるんですね。だから、どうしても発生源対策に重点が置くとか、あるいは先ほど三つのアプロームと私が勝手に分類しましたけれども、もうちょっと利用サイド側に重点を置いて物事を考えなければ、もはやもう環境面からは行き詰まってしまうんだということであれば、かなり思い切った手を打たなければいけない。その場合に経済的規制とか何とかいろいろ言われるんですけれども、行政的な規制も経済的規制もこれもアサインメントの問題が絡んでくるのですが、大体その辺の呼吸をぜひともこんなことを言うと大変失礼ですがその辺をうまく組み合わせていただいて、一応単体としては、自分としてはこういう方向を出したいんだということをお示しいただくと我々も大変参考になるなというふうに思っておりますので、これはちょっと余分なことを一言いいました。
 
【委員】 今委員長がおっしゃられるとおりではないかなと思っています。
 それぞれの対応等につきましては、何か関係省庁の連携のもとにやっていきますよという話、随所に出てくるんですけれども、この問題全体に対してどういうふうな戦略的取り組みをしていくのかと、いろいろな手段があり、またあるいはそれがいつ実現し、どのぐらいの効果を持っているのかというようなところについてなかなか、それぞれの手段についてのご説明があったり、これはやっていますあれはやっていますという話があるんですけれども、どのぐらいの効果があって、あるいはその効果を発揮させるためにはどんな政策が展開できるのかとかいうようなことを含めたもう少し広範な検討を逆に関係省庁でやっていただく必要があるのではないかなという気がしておりまして、これはそういう意味では、先ほどもちょっと通産省の方にも申し上げましたですけれども、経済的なメリットの出し方にしましても、そのまますぐに補助金を出すとか何とかという話だけではないいろいろなやり方があるんだと思うんですね。これはきっとそれはもう省庁関係の中のいろいろな管轄に絡んできてしまう話になってくると思いますので、そういう意味では、そういう点も含めてもう少し何か全体的な効果の把握、将来展望というものをぜひ、これはあるいはこの委員会でやる箇所なのか環境庁でやる箇所なのかわかりませんけれども、何か自分で自分を責めているみたいな格好になるかもしれませんけれども、やるべきではないかなというのを今のお話を聞いて感じましたです。
 
【委員】 自動車NOx法で特定地域が定められておるわけですけれども、本年度平成12年度はNOx法の目標年度でもあるわけですね。あと今年度内に果たしてその目標達成できるかというのは極めて困難だという方向にあるわけですけれども、例えばNOxの場合ですと、近畿圏に比べてやはり首都圏が悪い、特にSPMに関しては首都圏の達成率極めて悪いという状況にあるわけですが、その原因がディーゼル車の問題等と関連してくることだろうと思いますけれども、これはお答えになりにくいのかもしれませんが、現在の特定地域、例えば千葉県などはNOx削減量一応達成したけれども環境は改善されない。ではこれはシミュレーションが悪かったのか、他地域から入ってくるような通過交通を含めたいろいろなこれはいわゆるシミュレーションかもしれませんが、そういう予測が難しかったというようなことで、削減量とうまくマッチしなかったということなのか、その辺いろいろ原因はあろうかと思いますけれども。いずれにしましても、例えば東京都内でも通過交通量がかなりあるわけですね。そうすると、現在の特定地域というものの視点、その中における車種規制というようなもので今後とも対応できるとお考えなのか、今までの状況を見てまいりますと、特にSPMなどを含めると他地域からのディーゼル車の大型車の流入など考えるともっと考え直すべきだというように検討なさったことがおありになるのか、その辺ちょっとお伺いしたいんですが。難しい問題かもしれません。
 
【運輸省】 まず、SPMの中のディーゼル車の粒子状物質という割合ですが、やはり大都市の普及率というのは高いかなというふうに思います。それで、まずディーゼル車につきましては、やはり平成元年規制の際には、NOxを下げるためにPMも実は抑えたという言い方もあるんですけれども、規制値としては、平成6年からの規制ということになろうかと思います。そういう意味では、その後のステップが結構厳しくなっているところもございまして、一つは代替ということを含めると、結構全体的な下がり方が割と大きくなっていくだろうと。実はNOxの単体規制というのは比較的1割ぐらいの低減とかそういう形ですけれども、PMはかなり大きな低減を一遍にしているところがありますので、そこら辺はちょっとそういう効果はあり得るものかなというふうに思っています。
 あと、やはり公害関係につきましては、燃費あるいはCO2と違って、やはり地域性のかなり高いものかなというふうに思います。ただし、自動車はやはりあちこちに走り回りますので、おっしゃるとおり流入車両ということも含めないといけないし、やはり率をさらに低減していくのを全国に普及していくのは当然のことかなというふうには思いますが、その場合に、誘導策やあるいは規制とかいろいろなレベルがあって、地域的な問題の所とあるいは余り問題ないけれどもという所とやはり多少の区分が必要になってくるのではないかなというふうには思います。そんなところでよろしゅうございますか。
 
【委員長】 きょうのところは時間がきてしまいましたが、最後にこれだけは聞いておきたいなんていうことはございますでしょうか。
 もしご発言がなければ、これで運輸省さんのヒアリングは終わりにさせていただきたいと思います。
 大変ありがとうございました。またいろいろよろしくお願いいたします。
 議事の3のその他に移りたいと思います。事務局の方からご説明をお願いいたします。
 
【自動車一課長】 小委員会の今後の日程をご紹介、確認方々申し上げます。
 審議スケジュールの紙でちょっとご紹介申し上げましたが、次回は5月30日ということで、10時から、場所はこの同じ第一会議室でございます。関係省庁からのヒアリングということで、警察庁、農林水産省、建設省、3省庁を予定しております。そのあと、第3回、第4回につきまして、別途日程調整させていただいておりましたが、第3回は6月19日ということで、時間は10時から12時を予定しております。日本自動車工業会、全日本トラック協会ほか関係業界団体からのヒアリングを予定しております。第4回は6月26日ということで、地方公共団体、NGOからのヒアリング、時間がちょっと、団体が多くなりそうで、9時半から12時半ということで予定をしたいと思っております。これまでの対策の進展状況あるいは今後の考え方というようなことでのヒアリングを予定しております。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
 
【委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは時間も終わりましたので、本日の予定をこれで閉じさせていただいて終わりにしたいと思います。
 
【委員】 これ、個別にいろいろな省庁の話を聞いて、最後に全体像が見えてくるというやり方でこれやられておられると思うんですけれども、私の個人的な意見なんですけれども、全体像を最初にちょっと、図でいいですから示していただいて、我々今、全体の中の一体どこをデイスカッションしているのかということがわかるようにしていただけるとありがたいのですね。ですから例えば法律面では大気汚染防止法、自動車NOx法とか特定地域におけるとかこういった法律がありますよと、それに対してこういった指針とか措置とか運用がなされていて、各省庁ではどういう対応をしているかとか、排出源対策に関しては、先ほど燃料の節約とか自動車団体とか交通モードとかそれから省エネ対策とかいろいろあって、それでそれに対して全体としてどのぐらいな効果を上げているのかということが評価されているのか、全くされてないのか、そういうのが一覧表でわかるようなものをまずちょっとつくっていただく、これ全部を話を6月26日終わると全体像が見えてくるのかもわからないと思うんですけれども、最初から多分わかっているんだと思うので、何かそういう一覧表がありますと、このディスカッションも何か個別に単体で聞くのではなくて、全体像の中でどうかというディスカッションも効果的にできるのではないかと思うので、これは私の個人的な、もちろん先生方はよくご存じかもわかりませんけれども、この委員のメンバーはいろいろな分野の方から構成されていて、多分こういうことに関する知識レベルをまず統一する、同じレベルに引き上げてディスカッションすることが非常に効率的だと思いますので、それを行うために、もしできればそういうものを、それで、そこを何か穴埋めしていくというものを作っていただけると非常にありがたいと思うんですけれども。
 
【自動車一課長】 そういう意味では、きょう中身のご説明を省略してしまったんですが、5月9日の部会の際に、自動車NOx総量削減方策検討会でこれまでのNOx対策の点検評価、あるいは今後必要な対策の充実強化の施策のオプションというようなことをご紹介申し上げたんですが、改めてどのような形でわかりやすくするかはあれですけれども、何らか用意させていただきたいと思います。
 
【委員】 既に資料をそろえられているんだけれども、資料そのものがやや専門的なものなので、審議会の委員に事務局からちゃんと伺って丁寧に説明するという作業をさぼっているから悪いんです。ですから検討会に入っているメンバーはもう皆わかっているんですけれども、そうでない方には事務局がちゃんと出かけて説明を申し上げるその努力をしていただきたい。
 
【委員長】 本日はどうもありがとうございました。