中央環境審議会環境保健部会PRTR法対象物質専門委員会
生活環境審議会生活環境部会PRTR法対象化学物質専門委員会
化学品審議会安全対策部会化学物質管理促進法対象物質検討分科会
第2回合同会合議事録


1.日  時  平成11年11月4日(木)13:30〜17:20

2.場  所  東條インペリアルホール「千鳥の間」

3.出 席 者

中央環境審議会環境保健部会PRTR法対象物質専門委員会委員
(委員長)鈴木 継美
(委 員)池田 正之石井 康雄
 岡田 光正北野  大
 櫻井 治彦中杉 修身
 畠山 成久林  裕造
 若林 明子 
 
生活環境審議会生活環境部会PRTR法対象化学物質専門委員会委員
(委員長)黒川 雄二
(委 員)井上  達内山 巌雄
 櫻井 治彦長谷川隆一
 林   眞林  裕造
 安田 峯生 
 
化学品審議会安全対策部会化学物質管理促進法対象物質検討分科会委員
(分科会長)中西 準子
(委  員)池田 正之櫻井 治彦
 清水 英佑西原  力
 松本 和子宮本 純之
  (五十音順)
 
(事務局)上田環境庁環境保健部環境安全課長
 鏑木環境庁環境保健部環境安全課調整官
 照井通商産業省基礎産業局化学物質管理課長
 村上厚生省生活衛生局企画課生活化学安全対策室長 他

4.議  題

  (1)PRTR等対象化学物質選定の考え方について
  (2)その他

5.議  事

○事務局
 定刻となりました。まだ何名かの先生方が遅れておいでのようでございますが、時間でございますので、始めさせていただきたいと思います。
 これから中央環境審議会環境保健部会PRTR法対象物質専門委員会、生活環境審議会生活環境部会PRTR法対象化学物質専門委員会、そして化学品審議会安全対策部会化学物質管理促進法対象物質検討分科会、この三つの第2回合同会合の開催をお願いしたいと存じます。私、厚生省生活衛生局生活化学安全対策室の室長補佐をしております山本と申します。
 本日は冒頭でのテレビカメラの頭撮りがございますので、各委員におかれましては御了承いただきますようお願いいたします。
 本日は御欠席と御連絡いただいておりますのが、生活環境審議会の山本委員、それから化学品審議会の大前委員、田中委員でございます。ほかに御出席との御連絡ではございますが、何人かの先生方が少し遅れて来られるようです。
 なお、本日の合同会合につきましては、前回の第1回会合で各先生方に御確認いただきました申し合わせ事項により、生活環境審議会の黒川委員長に議事進行をお願いしたいと思います。黒川先生、よろしくお願いいたします。
 なお、テレビカメラの撮影はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○黒川委員長
 それでは、前回の申し合わせ事項に従いまして、黒川でございますが、今日の議事進行を務めさせていただきます。
 それでは、まず今日は大変資料が多いようでございますが、資料の確認をお願いいたします。
○事務局
 それでは、本日お手元にお配りした資料を確認させていただきたいと思います。
 なお、あらかじめお断りをさせていただきますが、本日の合同会合の資料といたしまして、数日前に各先生のお手元に郵送で資料をお送りさせていただいたものがございますが、その後、事務局の方でデータのチェックあるいは整理を行いまして、本日一部改訂版を机の上に並べさせていただいております。恐れ入りますが、本日はこの当日配布資料に基づき御審議をいただきますようお願い申し上げます。
 それでは、本日お配りした資料でございますが、資料番号をふっておりません資料が幾つかございます。一つは議事次第、座席表、各委員の皆様の名簿、それから前回議事録案、これらにつきましては資料Noをふっておりません。資料1、2、3、4、5、6、それから資料の7−1、7−2、7−3、7−4、参考資料といたしまして、1番から16番まで通しで御用意させていただいているかと思います。資料に不備がありましたらお申し出いただきたいと思います。
 なお、前回の議事録案につきましては、各先生方で御確認いただきまして、もし訂正すべきところがございましたら、恐れ入りますが、環境庁の環境安全課の方まで御連絡をいただけますようお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○黒川委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、早速議事の方に入りたいと思います。前回、資料1の対象物質選定に関する基本的な考え方、それで具体的な選定方法について御議論をいただいているところでございまして、それに基づきまして、事務局の方で修正案を本質配布したということです。これがまず基本でございますので、それのおさらいといいますか、修正版をよく御説明いただいて、それから具体的な物質のリストの検討に移りたい思っております。
 それでは、選定方法の方の説明をよろしくお願いします。
○事務局 
それでは、資料1「PRTR及びMSDS対象化学物質の選定方法について(案)」について御説明させていただきます。
 この資料は前回の第1回の合同会合で一度御説明させていただきましたものを、前回の会議での御指摘、あるいは各毒性の項目につきまして、専門の委員の方からいろいろ御指摘もいただきまして、それらを踏まえ修正をしたという形になってございます。
 まず前回は、選定方針と具体的選定基準という二つの資料になってございましたが、具体的選定基準の方をこの資料の別紙といたしましたので、選定方法についてという一つの資料としてまとめてございます。
 それでは、前回御説明した資料から変更となった点を主に御説明させていただきたいと思います。
 下線が引いてあるところが前回の資料より変更となっている部分でございますが、語句・文言の修正等をしてございますので、そういった点については飛ばさせていただきたいと思います。
 内容的に変更させていただいているのは、2ページの2段落目、こちらの方を一通り読まさせていただきますが、ここは基本的な考え方になります。「有害性が高い物質は、環境中への排出量が少ない、あるいは環境中での検出レベルが低くても、人や生態系に有害な影響を及ぼす可能性があり、また、逆に、有害性が低くても、環境中に大量に排出され、あるいは高い濃度レベルで環境中に存在している物質については、人や生態系に有害な影響を及ぼすおそれがある。このため、物質の選定方法としては、有害性と暴露量の両者からなる『環境リスク』が一定レベル以上の物質を対象とするという考え方を取るならば、有害性の質及び強さに応じて暴露量のレベルを段階的に当てはめるという方法が考えられる。
 しかしながら、ほとんどの化学物質については、環境中における挙動が十分解明されておらず、暴露量を把握するのは困難である。このため、今回は暴露量の判断基準として、『複数地点での一般環境中での検出』又は『製造・輸入量』を使用し、一定以上の有害性を有し、かつ、一定以上の暴露量を有すると認められる化学物質を第1種指定化学物質として選定し、一定以上の有害性を有し、かつ、第1種指定化学物質よりも低い一定以上の暴露量を有すると認められる化学物質を第2種指定化学物質として選定することが適当であると考える」。
 今読み上げました最後の方の部分について、選定の考え方をはっきりさせるという趣旨で修文をさせていただいております。
 もう一つ、「今回は暴露量の判断基準として」ということで、「今回は」というところを明記させていただいております。今、読まさせていただいたところは、IIの「具体的選定方法」の一番上に書いてあったものでありましたが、これについては場所を移動させていただいております。
 それから3ページにいきまして、7行目の部分でありますが、「また、事故的な大量排出の際などでは問題となるが、通常の環境濃度レベルで問題とならない有害性については、それのみをもって物質選定のための有害性項目として用いる必要はないと考えられる」と
書きぶりを少し変更させていただいております。こちらは前回の会議で急性毒性の扱いということをいろいろ御指摘をいただいておりますが、物質選定のための項目としては、急性毒性あるいは刺激性といったものを含めてはいない。しかしながら、本日は急性毒性の観点から入れるべきものがあるかどうかということについて御検討いただくための資料も御用意させていただいておりますので、そちらについては個別に見ていただくという方向で検討いただくことを考えております。
 そして、[選定のための具体的な項目]の(ア)の部分ですが、こちらは一般毒性あるいは特殊毒性という表記がございましたが、そちらについては現在は余り使わなくなってきているということから、そういった表記を削っております。
 それから「吸入慢性毒性、経口慢性毒性」とここでは表記してございますが、資料としては反復投与毒性の1年以上と1年未満という資料を御用意させていただいております。この1年以上の方を、ここで言う慢性毒性として選定の基準として取り上げてございます。
 それから下にいきまして、「イ.有害性の分類の考え方」でございますが、こちらは有害性の項目として定性的な評価を行う項目と定量的な評価を行う項目ということで、定量的な方を無作用量として記しておりましたが、こちらも前回の会議で指摘がございましたとおり、NOAEL (無毒性量)を基本として考えるということですので、記述をそのように変えてございます。それに伴いまして、関連の記述をNOAELに変えてございます。それから、3ページのその少し下のところに「NOAELまたは最大無影響濃度(NOEC) 」とございますが、生態影響の場合はNOAELに相当するものがNOECであるということで、NOECを書き入れてございます。
 それから4ページの『(2) 「相当広範な地域の環境での継続的な存在」についての判断基準』というところで、アの「判断するための指標」のところですが、この4行目のところで、『今回は「一般環境中での検出状況」又は「製造・輸入量」を主に用いることが適当である』ということといたしまして、その下に『「排出量」を使った方が相関性が高いと考えられるけれども、PRTRを実施してみないとレベルが分からないということから今回は使用できない』という文が違う場所にありましたが、それを明らかにするために場所を移動したものであります。
 それから5ページにまいりますが、『(3) の「第1種指定化学物質の具体的な選定方法」』のところですが、最初に申し上げましたとおり、「PRTR及びMSDS対象化学物質の具体的な選定基準」を別紙といたしまして、(1) と(2) の考え方に従って別紙の具体的な選定基準に該当するものを第1種に選定するということといたしました。
 それから6ページにいきますけれども、イの「判断基準」ですが、ここは第2種の暴露の判定する部分でありますが、これは第1種の書きぶりに合わせまして、@の「一般環境での検出状況」による判断基準と、Aの「製造・輸入量」による判断基準ということに分けております。
 それから3.の「その他の留意事項」、6ページの一番下のところでありますが、「対象化学物質の考え方の原則を上記1. 及び2. のとおりとするが、例えば次のような事例等には、個別物質毎に判断して対象化学物質の追加・削除を行うことが適当である」ということで、原則的な考え方と以下のような事例ということで個別物質ごとに判断して、物質の追加削除があり得るということを明記してございます。
 そして(1) ですが、『「製造・輸入量」が特に大きく(例えば年間1万トン以上等) 、物性等により暴露量が多いと想定されるものは、有害性 (今回判断基準とした有害性項目に限らない) 、分解性等の性状を踏まえ必要に応じ追加』とございますが、この括弧の部分が今回追加した記述であります。「今回判断基準とした有害性項目に限らない」の中に急性毒性というものも含まれていて、個別に検討をいただくこととしております。
 それから、その下のその他で(2) の方でありますが、「元素自体に毒性がある物質については、原則として当該元素及びそれを含む化合物全体を対象とすることが適当である。なお、金属元素の毒性とその元素を含む化合物の毒性とは異なる場合は、区別して取り扱うことが適当である」というところをつけ加えております。
 次からまたページが1ページから始まりますが、(別紙)を具体的な選定基準としております。こちらも第1回合同会合から変わったところについて御説明させていただきます。
 まず「1. 発がん性」につきましては、第1回のときと変わっておりません。表の1に従って発がん性を分類しております。
 それから「2.変異原性」のところでございますが、具体的には(1)から(4)に従って変異原性というものを判断してございます。(1)と(2)が定量的なデータによる判断でございますが、(3)と(4)が考え方としてつけ加わっております。(3)は「in vivo 試験において陽性であるもの」ということで、定性的な評価のin vivo 試験の結果から変異原性がありと判断するものです。また、(4)の「異なるエンドポイント (遺伝子突然変異誘発性、染色体異常誘発性、DNA損傷性)をみるin vitro試験のいくつかにおいて陽性の結果が得られている等」、こちらはin vivo の試験がなくても、in vitro試験で変異原性があるというだけの十分な証拠があれば変異原性はありとするという部分をつけ加えてございます。
 それから、その下の経口毒性でありますが、経口毒性の2行目にNOAEL(またはNOEL) 、LOAEL(またはLOEL) とございますが、ここの修正はNOAELがなくて、NOELがある場合には、NOELをNOAELとして扱う、LOELについても同様です。そういったところを明記したものでございます。
 それから3ページにいきますが、6行目の括弧に線が引いてございますが、これも同じ意味の修正でございます。「 (なおNOAELがなくNOELがある場合はNOELをNOAELとして扱う。以下同じ。) 」。その下にLOAELについても同様の記述を修正してございます。
 4ページにまいりまして、表2が「経口慢性毒性の分類」のための表でございまして、表自体は変わっておりませんが、NOAELの横に (NOEL) 、LOAELの横に (LOEL) とついてございます。そして、ここではクラス3までお示ししておりますが、クラス4につきましても、本日は別の表を御用意させていただいております。
 それから「4.吸入慢性毒性」ですが、同じようにNOELとLOELの扱いの記述を変えてございます。
 それから5ページにまいりまして、一番上ですが、「吸入吸収率及び経口吸収率は物質毎に異なるが、ここでは仮に同じ吸収率としてα」という修文にしてございます。これは最初は「吸入吸収率の一般的な値として0.6 、経口吸収率として1」という数字を仮に使わせていただいておりましたが、この吸収率については物質によって大分違ってくるという事実があるということを踏まえまして、ここではいくつかということは物質ごとに違うので示しませんが、オーダー単位でクラス分けしておりますので、仮に同じ吸収率と考えてもいいだろうということでαを使っております。その結果、クラス1の大気質基準値として、その下にある数字0.00035とありますが、この数字が変わってきております。このクラスの分類というのはオーダー単位でやってございましたので、結果としては分類の数値自体は変わっていなくて0.001mg/m3をクラス1ということで、クラスの数字の変更はございません。
 それから6ページにまいりまして、一番上でございますが、「IRIS以外のEHC、BUA、ECETOC、SIDS、評価シート等に記載されているNOAEL(またはLOAEL)については、暴露時間の補正が行われていないことから、本来であれば何らかの換算が必要となるが、クラス区分がオーダー単位であることから、NOAEL(HEC)(またはLOAEL(HEC) )と同様に扱ってよいと考える」というように変えてございます。前回は「取り扱いには注意を要する」ということでしたが、吸入毒性のNOAELのHECあるいはLOAELのHECというデータ自身が相当数が少ないということもございまして、これはほかのデータについても同じように扱って選定基準に使ったということでございます。表としましては表3で数値は変わってございません。こちら(吸入慢性毒性)についてもクラス4の表を別途御用意させていただいております。
 それから、5.の作業環境許容濃度ですけれども、まず6ページの下の方で、線が引いてある「健康な成人に対してはおよそ無毒性量に設定されていると考えられる」という記述でありますが、ここは前回は「最小影響濃度、あるいはそれよりやや低い程度に設定されていると考えられる」としておりました。こちらについては労働衛生の御専門の先生方から、NOAEL(無毒性量)の方が適切であるという御指摘をいただきまして、このように変えております。このためLOAELをNOAELに変えてございます。
 それに伴いまして、7ページの上から4行目でありますが「健康な成人に対するNOAEL(HEC)に個体差の不確定係数として10を用いて換算できる」としていますが、前回はLOAELを用いていたために不確定係数としてさらに10を使っておりました。7ページの上の方に「一般人NOAEL(HEC)(mg/m3) =」という式が二つ並んでおりますが、その上の式の真ん中の式中「健康人NOAEL」というのが、前回はLOAELであったものをNOAELに変えてございます。それに伴いまして、NOAELからLOAELにする不確定係数10というのがなくなっておりますので、分母の方が10だけになってございます。この結果、作業環境許容濃度TWAは動物実験からのNOAEL にほぼ相当すると考えることができるということとなりまして、動物実験からのNOAEL のクラス1、0.1mg/m3以下に相当する作業環境許容濃度TWAが0.1mg/m3以下となっております。
 さらに、下線が4行続いておりますが、こちらは第1回会合で櫻井委員より御指摘をいただいたことを踏まえ修文しております。「以上の考え方は環境中で気体で存在する物質にはそのまま適用できるが、完全に気体とは見なせない粒子状物質等は、一般環境で作業環境許容濃度のような高濃度では存在し得ない考えると、粒子状物質等の濃度は気体状物質の同クラスの濃度から少なくとも1オーダー下げることが適当である」ということであり、粒子状物質についてはオーダーを一つ下げるということで、結果として表4の選定基準の数値が変わってございます。前回は気体粒子状に限らずクラス1が1mg/m3 、クラス2が10、クラス3は100でありましたが、NOAELとLOAELから変わったというのに伴いまして、まず左の気体物質についてはクラス1が0.1、クラス2が1、クラス3が10、そしてその右の欄ですが、粒子状物質については、さらに1オーダー下げた数値となっております。そして、※印で「急性毒性を除く」とありますが、皮膚刺激性等でTWAか出ている物質もございましたので、こういった物質を除いたということです。
 それから7ページの「6.生殖/発生毒性」については、基本的に前回と同じでございます。「7.感作性」についても前回と同じでございます。
 それから9ページにいきまして、「8.生態毒性」でありますが、10ページに修正が一部ございます。10ページの上の方の○が三つございますが、一番下の「○日本において登録されている農薬に関する公表データ」を追加しております。日本において登録されている農薬といいますのは、その際に使われたデータというものは公表されているものがありますので、こちらも利用したということでございます。
 それから10ページの中段でございますが、こちらは記述としては基本的には変わってございません。選定過程において慢性毒性のデータであるNOEC、これと急性毒性試験を両方を利用するという記述になってございますが、NOECを優先に使うべきではないかという御指摘もございまして、それも検討過程では考えましたが、結果としては慢性データであるNOECと急性毒性試験の両方を用いまして、分類がより厳しくなる方を使うということで今回選定してございます。そして結論としては表7ですが、表自体は変わってございません。こちらのクラス3につきましても、今回、表を別に御用意しております。
 それから「9.オゾン層破壊物質」については変更はございません。
 そして11ページの「II. 選定基準」でございますが、上の部分については、言葉として意味をはっきりさせるということで、「1年間の製造・輸入量」とし、「1年間」というのをはっきりさせてございます。
 その下の「現時点で製造・輸入量等の取扱いがないことが明らかであるものを除き」という部分をはっきりと入れてございます。それからもう少し下に行きまして、「製造量、輸入量については公式統計、通産省の調査等を用いることができる」ということで、前回は通産省の調査のみを入れておりましたが、公式統計も用いて、この製造量、輸入量を把握するということを入れてございます。
 最後12ページにいきますが、第2種についても同様に言葉をはっきりさせるという意味の「1年間の製造・輸入量」という言葉を入れてございます。前回資料では、この後に「3.その他の留意事項」というのがございましたが、こちらは別紙の方と本体の方で同じことが書いてございましたので、こちらの別紙の方からは削除してございます。
 最後、結論的に今回の選定基準を簡単に申し上げますと、第1種につきましては、具体的選定方法の毒性の1から9のいずれかに該当して、かつモニタリング調査で複数地点の検出がある。または製造・輸入量が物質として100トン以上、ただし発がん性のクラス1の物質と農薬については10トン以上のものを第1種として選定してございます。
 それから第2種の方ですけれども、第1種と同様、有害性につきましては、この具体的選定基準の1から9の項目のいずれかに該当し、かつモニタリング調査で1か所の検出地点があるか、または製造・輸入量が1トン以上あるものを第2種として選定してございます。
 資料1につきましては以上でございます。
○黒川委員長 
 ありがとうございました。
 これで前回のコメントをいただいたものを取り入れた案がお分かりかと思いますけれども、いろいろ御質問、御指摘がおありと思います。長いものですから、ページごとにやっていき、あとで全般的にコメントがございましたらいただきたいと思います。
 それでは、1ページの方からもう一回流していきたいと思いますが、いかがでしょうか。1ページ、2ページあたりの「物質選定の基本的考え方」について。
 2ページから3ページ具体的選定方法の「1.第1種指定化学物質の選定の考え方」、このあたりのパラグラフはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、4ページ(2) のパラグラフ。
 それでは、5ページ「2.第2種指定化学物質の選定の考え方」で、これが6ページの
下の方まで。いかがでしょうか。
○池田委員
 元に戻って恐縮です。4ページの(2) のアの部分のなお書きの部分です。これはやってみなければ分からないとあり、そのとおりですが、「今回は」という文章と絡めて読みますと、将来はこういうファクターを取り込むだろうという含みがあるというふうに理解してよろしゅうございますか。つまり、排出量はPRTRをやってみないと分からない。だけれども、排出量をベースに使う方が合理的である。したがって、今回は「製造・輸入量」あるいは「一般環境」云々というのを使うけれども、そういうデータが使用可能になった時点ではそれを考慮に入れることがある。そういう含みと理解してよろしゅうございましょうか。
○黒川委員長
 どうでしょうか。
○事務局
 お答えします。排出量も考慮に入れることがあり得るということだと思います。排出量で置きかえることがいいかどうかというのは、また検討をする必要があると思いますので、排出量のデータが出てくれば、それを踏まえて、またどういう方法がいいかというのを多分考える必要が出てくると思います。そういうことでよろしいですか。
○池田委員 
 はい。
○石井委員
 今の4ページの一番下のパラグラフのAのところですが、「化学物質の環境への排出状況」というところで、『「相当な広範な地域の環境での継続的な存在」との間に一定の相関関係を求めることは困難である』と言いながら、物質の割合が高くなる傾向があるという、これは何か具体的にあるのでしょうか。そういう感じがするというだけてしょうか。
○事務局
 環境庁で今まで実施しております環境モニタリングの結果を一度生産量との比較をしたことがございまして、生産量が100トン以下の物質は余り検出されておらず、100トンを超えると比較的検出率が上がってくるというような定性的な結果がございますのと、あとは一般的に相関というのは難しいですが、基本的にたくさん使っているものは環境に出てくるという考え方が定性的には妥当ではないかということの両方の意味でございます。
○石井委員
 どうもありがとうございました。
○黒川委員長
 それでは6ページから7ページにかけて、「その他の留意事項」のところはいかがですか。
○若林委員
 7ページの上の方の(2) の「分解性」、(3) の「蓄積性」についてでございますけれども、どのぐらいで分解性がいい、あるいは蓄積性が高いというふうに判断したらよろしいか、今の段階で基準がございますでしょうか。
○事務局
 「分解性」の方ですが、明確な基準はないですが、環境中に出て一日以内ぐらいで分解してしまうようなものについては、継続的に存在しないのではなかろうかというような考え方が一つあろうかと思います。それと「蓄積性」についてですが、現在明確な基準というのはないので、皆さんで御議論していただいて、これは高そうだというので、そこを加味して対象物質として加えるべきという御議論があれば、そういったものを加えていくという考え方でございます。
○黒川委員長
 若林先生、よろしいでしょうか。
○若林委員
 はい。
○岡田委員
 6ページの一番下のところに『「製造・輸入量」が特に大きく(例えば、年間1万トン以上等)』と書いていますが、1万トンという数字は意味があるのかないのか、例えば一般に100トンというのでしたら、リスクからすれば1,000トンでワンランク下のを拾うことになりますね。ですから、1万トンということがどのくらい意味を持つのか教えていただければと思います。
○事務局
 これは全くの例示でございます。
○黒川委員長
 特に意味はないということですか。
○事務局
 後でひとり歩きをしてほしくない数字です。
○宮本委員
 確認させてください。1万トンという数字は残すのですか、削るのですか。HPVの考え方で1,000トン以上というのがありますね。だけれども、1,000トン以上で拾う場合というのは非常にたくさんの化合物が多分出てくると思います。ですから、そういう場合には、特に大きいと言えるかどうか分からないという考え方に立てば、1万トンというのは、それなりの妥当性はロジックとしてはあるわけですね。だけれども、先ほどおっしゃったように1万トンと書いておきますといろんな点で問題が起こる。特に大きく物性等によっていろいろ問題があるかもしれないというようにしておいた方がひとり歩きはしないという点を考えますと、1万トンというのは、今おっしゃったような意味でしたら何も書いておかなくてもいいのではないか。このように思いますけれども、確認させてください。
○事務局
 ただいま申し上げましたとおり、ただの例示として挙げたものでありますので、今の御指摘も踏まえまして、ここについては削除するということにしたいかと思います。
○黒川委員長
 私もやはり数字で「例えば」というのは、本来の理屈がはっきりしない場合は、いわゆるひとり歩きをするのではないかと思うので、削除とさせていただきたいと思いますけれども、よろしいですか。
○中杉委員
 私も具体的な数字を入れるということには反対でございます。というのは、ここの留意事項で、特に大きいとか、分解性がいいというのは、この委員会が判断することであって、分解性がいいから環境中にそんなに存在していなくて問題にならないだろうという判断、あるいは生産量が多いから少々分解性がよくても環境中に存在して、人の健康に影響を及ぼす可能性があるのではないかというのは、あくまでもこの委員会が判断してやるものだろうというふうに考えますので、明確な数字を入れられるかというと多分入れられないと考えます。先ほど若林先生が言われた、分解性はいくらかというのも事務局の方から一日以内というお答えがありましたけれども、それにはこだわる必要はないだろうというふうに私は考えます。
○黒川委員長
 ありがとうございました。
 ほかに6、7ページに関して何かございますか。ないようでしたら別紙の方に移りたいと思います。これは有害性ごとに区切っていきましょうか。「発がん性」に関してですが、これは文言の修正だけでしたね。
 2ページの「変異原性」に関してお願いします。
○林(眞)委員
 変異原性のところの(1)から(4)までの記述のところですけれども、(1)と(2)については、これは定量データがある場合の記述なわけで、(1)はAmes試験、微生物を用いる復帰突然変異試験が非常に強くて、なおかつ染色体も陽性であるもの。それから、(2)がその細菌を用いる復帰突然変異試験が中程度なものであって、染色体異常異常試験も中程度なものという、その二つが並んでいますけれども、この並びからすれば、その次に、やはり染色体異常試験が非常に強くて、なおかつ復帰突然変異試験が弱いか中等度の陽性のものというような、もう一つのカテゴリーがあった方がよろしいのではないかと思います。
 それと、並びの順番だけですけれども、in vivoの試験で陽性になったものというのは一番重くみるべきだと思いますので、それが一番の上の番号とすれば1番となった方が全体としてのまとまりはよくなると思いますけれども、いかがでしょか。
○黒川委員長
 これは事務局でも結構ですけれども、変異原性の先生にお伺いします。
○清水委員
 先ほど委員会の前に林先生と話し合って、そういうふうにしてもいいのかなと私も思います。
 それから追加なのですが、もう一つ、揮発性物質やガス状物質に関して、ここでは恐らく触れていないことになりますね。例えば非常に濃度の薄いところで変異原性が強く出るようなものも、やはり考慮に入れておかなければいけないというように思いますが、いかがでしょうか。
○黒川委員長
 ありがとうございました。
 まず、林委員の方から御提案あったものは、清水先生も御賛成ということで、そういうふうに書きぶりを変える。それから、もう1点のガス状物質については、事務局はいかがですか。
○事務局
 気体暴露ということでございましょうか。
○黒川委員長
 はい。
○事務局
 ガス状の場合、比活性値がどのぐらいでという程度が、ここに書いてありますrev/mgがいわゆる溶解するものというときの単位でございまして、気体の場合にどのように表記すれば良いかがわかりかねます。事務局といたしましては、(4)の基準である他の基準と同等と認められる場合という中に、気体の場合もそれに準じることができるという解釈をしてはおりますが、もし記載をしていくということであれば、そこらあたりの示し方の御意見いただければ大変助かります。
○清水委員
 ここの(4)のところからですと、ガス状物質、あるいは揮発性の強い物質を読み取ることがちょっとできないような気がいたします。例えば、5%以下で非常に濃度の薄いところであり、しかも定量的な評価がガス状物質の場合はできないのです。例えば10rev/mgとかいうような普通の化学物質、固体の化学物質、あるいは液体で揮発性のないものに関しては、定量的な評価が、あるいは染色体異常試験でもDの20という値が出せるのですが、気体の場合にはそれができません。ですから、ある程度の濃度以下でも出てくるようなものは、一括して取り込まざるを得ないのではないかと思います。ただ(4)の中で、それが読み込めればいいのですが、この文章だけでは、ガス状あるいは揮発性の強い物質を読み取ることができないような気がします。
○事務局
 一応事務局といたしましては、ガス体のものにつきましても、(4)のところで少なくとも読めるのではないかと思いまして、作業なりを行っていますが、もしここで読むことがなかなか難しいというのであれば、具体的にこのようなというのがあれば、お示し下さい。
○清水委員
 それはほかの専門外の先生方がお読みになって、ここからそういったガス状、揮発性物質が読み取れるということであればよろしいかと思うのですが、委員長、いかがでしょうか。
○黒川委員長
 いかがでしょうか。前のパラグラフのどこかに、そういうことを入れるということでよろしいのではないですか。特殊な書き方がガス状物質についてないというならば、それでも含んでいるということを分かるように、上の説明文の方に入れるということでいかがでしょうか。清水先生、そういうことでいかがですか。
 そういうことでしたら、後で清水先生とFAX等でやり取りをしていただきたいと思います。時間の関係もありますから、そういうことでよろしいでしょうか。
○事務局
 はい、かしこまりました。あと、先ほど林委員の方から御意見をいただきました点でございますが、染色体が強い場合の定量的な評価を加えていくということですが、具体的なクライテリア、すなわち、染色体異常が強いというときのクライテリアというのは、今現在の(1)、(2)のように表すとした場合にどのような示し方をすればよろしいでしょうか。
○林(眞)委員
 これも本当はできれば数値を余り入れたくないというような気もするのですが、上の(1)、(2)との並びからいたしますと染色体異常が強いというのは、D20の値が0.01mg/ml以下というような値で、実際の作業上は問題ないのではなかろうかと思います。
○黒川委員長
 よろしいでしょうか。
○事務局
 はい。
○黒川委員長
 それでは時間の問題もありますので、先の経口慢性毒性の方に入りたいと思います。2ページから3ページ、4ページにかけて、これもNOAEL、ない場合はLOAELとか、そういう話ばかりでしたので、次の吸入慢性毒性に移ります。いかがでしょうか。
○中西分科会長
 表記の仕方のことで、5ページの一番上のクラス1大気質基準値の上のαと下のαは、上が経口投与の摂取率で、下が大気の方の摂取率ですか、それで間違いないですか。
○事務局
 そのようになっています。
○中西分科会長
 本来ならαとβにしておいて、αとβを「=」と置いたという式になっている、そういうことですね。
○事務局
 そうでございます。
○中西分科会長
 そのように表記していただいた方が良いと思います。
○事務局
 分かりました。そのように変えます。
○黒川委員長
 それでは、6ページからの作業環境許容濃度云々というところですが。
○池田委員
 6ページの5. のところの行が空いているところだと第2パラグラフになりますけれども、実際にはインデンテーションから考えると第3のパラグラフになります。「作業環境許容濃度のTWAは」の記載の次の括弧中の文章です。実はこの文章の後ろに、少数の人数では何かという場合があるというのがありました。それを踏まえて、最小中毒量という判断をされたのですが、実際に許容濃度のドキュメントを見ていきますと、我が国の産業衛生学会、それからアメリカのACGIH、それからドイツのドイツ・ホルシュンクシガマンシャート(ドイツ研究協会)から出ている許容濃度のドキュメントがよく使われていると思います。それを読んでいきますと、日本の場合とドイツの場合は、今ここに引用してある文章で打ち切りです。アメリカのACGIHの場合には、この後少し文章がついていまして、それには、少数の人数ではディスコンフォートがあるかもしれない。これは、mayを伴っている文章です。mayの文章ですから非常に弱い。さらにその後ろに、既存疾患を持っている人はさらに少ない割合だけれども、既存疾患を持っている人はその疾患の悪化が起こるかもしれない。そういう文章がありまして、実際の全体のコンテクストから読んでいきますと、これは何らかの有害作用が起こり得るということを示唆するよりも、例えば産業医だとか、判断をする人たちに対する警告といいますか、留意事項みたいな意味があるというふうに私は理解しました。同時に健康な成人というのも難しゅうございまして、労働者は健康という言葉から言えば、例えば糖尿病があるけれども働いているとか、あるいは神経痛があるけれども働いているとかという人は当然いますから、100%全部が健康かと言われると難しいですが、しかし子どもがいないという点では、見事に成人だと思います。
 そういう判断をしていきますと、最小中毒量というよりも無毒性量と考えた方がいい。さらに「したがって」以降の文章で読んでいきますと、労働衛生上の判断は、動物実験と異なりまして、例えば気中濃度も毎日毎日変化するかもしれません。作業の態様によって変化します。そういう意味では、動物実験のように一つの値で出すことはできずに、データベースがあって、それから総合的に判断している。そういう意味では、例えばNOELとかNOAELとか、LOELとか、LOAELという判断には必ずしもなじまないと思いますが、強いて判断するとすれば、こういう文章でいいのではないかと思いました。ですから、何々推定できるという、そういう若干含みを持たせた文章になっているのは私は賛成でございます。
 以上でございます。
○黒川委員長
 ありがとうございました。
 それでは、そういうことでここはよろしいようですね。
 7ページからの「生殖/発生毒性」は。
○中西分科会長
 前回言うべきことだったのですが、今回読んで気がついたのですが、6の「生殖/発生毒性」のところは、7ページの下のところですが、「生殖及び発生に有害な影響を及ぼす毒性のことであり」の後に「閾値以上の暴露を受けた際に生じる被害が著しく深刻であり、また一定期間の暴露が影響をもたらす可能性があることから、その定性情報を分類に利用する」と書いてあります。これが生殖毒性というと、何でもすごい大きなことを与えるという印象があるわけで、生殖毒性の中にもいろいろなものがあるということから余りこういうことを書かない方が良いのではないかということと、今、生殖毒性の測られているものが少ないので、今回その定性情報を分類に利用したということはいいと思いますが、生殖毒性は暴露量によるものではないので、生殖毒性なら定性情報でいいというようなことが、常識になると困るなということで、ここのところはもうちょっと注意深く書いていただいた方が良いと思います。
○黒川委員長
 分かるのですけれども、非常に難しい注文で、これに関して事務局は何か一言ありますか。よろしいですか。
○事務局
 はい。
○黒川委員長
 修文してお送りして見ていただき、直してください。定性的だけれども、定量的な面があるというように、非常に難しいですがね。安田先生、何かございますか。
○安田委員
 特別にはございませんけれども、やはり著しく深刻であるというふうな表現は、むしろ控えた方が良いかと思います。
○黒川委員長
 ちょっと強い感じですかね。ありがとうございました。
 それでは、8ページの下、「感作性」のセクションはいかがでしょうか。
 よろしければ9ページの「生態毒性」について。
○北野委員
 前回、恐らく若林先生から提案があったと思いますが、生態毒性の場合、通常三つの種を使いますけれども、そのうち、信頼できるのであれば、一番強い毒性を示しているものを使うというようなことをやはり書いておくべきではないでしょうか。
○事務局
 実際の作業はそのようにしております。ここだけではなくて、ほかの例えば経口毒性とか、そういったものについても基本的には同じようなデータ、例えばラットとマウスとか、イヌとかいろいろあったときに、NOAEL値としては一番低い値を使って判断しています。今のお話はここの生態毒性に限らず、ほかのところの定量的な判断をしたところは皆共通でございますので、もし必要であれば、ここではなくて、どこか他のところに書くべきかという気がしますが、必要でしょうか。
○北野委員
 もちろん種による違いというのは出てきますけれども、この場合、さっきのお話ですと、ほとんど哺乳類であると。この場合、藻類と魚類、甲殻類と明らかに違う種ですので、どのデータを用いるのかという議論が出てきたときに、信頼をおけるものであれば、一番強い毒性の種のデータというようなことで考えたのですが。
○宮本委員
 今、マウス、ラットの話とミジンコ、魚の話と両方、ごっちゃに議論がなるのではないかという心配がちょっとありまして、マウス、ラットの場合は、人に外挿するということが頭にあるのですが、生態毒性の場合は違いますね。かつ、急性的な三つの生物に対する値だけでもって、生態影響というのを見るのは非常に無理があるわけですから、ここのところは余り細かい議論は今回はしない方がいいのではないか。前回もありましたし、今日もございましたけれども、化合物の環境許容度というものと本当は結びつけて議論をした方がいいので、そういった意味では、今回は余りここのところの細かい議論をすると後でおかしなことになってしまうのではないかという心配も十分あります。そういったことを考えて最終的な判断をしていただく方が良いかと思います。
○畠山委員
 おっしゃるとおりだと思います。一番強い毒性を採用すべきだという御意見でしたが、事務局で言われたように、結果的に今のところ手持ちのデータではそういうことにはなっています。それであと、この前も発言したのですが、ここの表7ですけれども、その上に、「これらの分類のいずれかに該当する物質を指定対象候補物質とすることが適当である」と書かれていますけれども、こう表現しておきますと、1オーダー上の、例えばクラス3というのを設けますと、その物質が機械的に作業の過程で落とされていくような危惧もあります。ですから、この前もいいましたが、1オーダー上のクラス3というのを一つ設けておいて、原則としてはクラス1、2から対象物質を選定するということですけれども、例外的な表現をつくって、表としても入れておいた方がいいような気がします。実際問題として、この1、2以外のものも、もちろん検討されておりますけれども、私としては安心といいますか、いいような気がいたします。以上です。
○若林委員
 ただいまの議論ですけれども、一応私は先ほど北野先生がおっしゃったような、文章に入れるかどうかは分かりませんけれども、やはり生態系ということを考えた場合、これは代表的な食物連鎖上も非常に重要な3種のものしか選んでいない段階で、一つの生物層がだめになれば生態系は成り立たないという、ちょっと大ざっぱ過ぎるのですけれども、これに入ったから例えば製造を禁止するとか、そういう種類の仕組みではございませんので、やはり私はそのぐらい入れた方がよろしいのではないかと思います。文章に入れていただくかどうかは特段こだわりません。
 それからもう一つ、実際にデータがないものが結構あると思います。ここの10ページの「この他」というところ以下ですけれども、“AQUIRE”のことを記述してありますが、「その取扱いは検討を要する」という表現になっておりますが、例えば、これは何を意味するのかが分かりませんけれども、委員会で十分検討の上、採用することもあるというふうな理解になるのでしょうか。“AQUIRE”のものでも、データのないものについては、検討さえすれば採用してもよろしいかなという気はいたしますけれども、その辺についていかがですか。
○黒川委員長
 まず最後の点の検討を要するということについての御意見というか、対応はどうでしょうか。
○事務局
 先ほど畠山先生から御指摘のあった「クラス3」の表に書くべきかどうかという点ですけれども、ここは一応物質選定の考え方を書くということで、文章の方は3クラスのうち、これを用いたと書いてあることとあわせて読んでいただきたいと思います。ここに表がありますと、それを使ったような感じになってしまいます。ほかに作業環境とか、経口毒性とか、それもクラス4まで作って今日お示ししておりますので、一般則ではここで読んで、そうでないものは、生産量の多い云々の例外的な選定方法を記載した本文の6ページ、7ページあたりで有害性などの「性状を踏まえ必要に応じ追加」というところで読むということでいかがでしょうか。原則の書いてある、ここの文章に表を一つ追加するというのは、できれば避けたいと思っています。
 それから若林先生の御指摘の“AQUIRE”は、今回データを評価をして、一部使えるものは、もちろん参考データとして使うことはあり得ると思いますが、全部のデータを評価するというのは、今回の委員会ではお願いをしていません。基本的には、今回は上の三つのデータで選定させていただいて、何年か後に見直しをするときに、例えば、それまでの間に環境庁などで“AQUIRE”のデータを全て精査して、その評価をしたデータベースみたいなものができれば、それで使うということはあるということかと思います。よろしゅうございますでしょうか。
○若林委員
 もしそういうことでしたら、何ゆえにこの文章が入っているかということになります。
○黒川委員長
 要するに使わないなら何も書くなとおっしゃりたいわけですか、妙な評価が入っているということにですか。
○若林委員
 要するに「用いない」と書かれるなら書かれるで結構です。
○黒川委員長
 「取扱いは検討を要する」という表現はあやふやであり、今回は見送ったというような形になりますか。
○中杉委員
 先ほどの1万トンと同じように、これはあくまても例示です。生態影響その他を考えるときに、“AQUIRE”というデータがあります。例えばというような意味合いで入っているものだと思います。そういう意味でいくと、ほかのところにも当然例示的なものが入ってくるべきだと思いますので、ここは削除しておいた方が、先ほどと同じような考え方で適当かと思います。
○黒川委員長
 そんなところが皆さんの御意見だと思います。つまり、“AQUIRE”に関する文章は一応削除しておくということでいかがでしょうか。
○畠山委員
 ちょっと疑問があるのですけれども、これは“AQUIRE”は一つのデータベースの例でありまして、かなり専門的な文献を検索してまして、判断しければばらないこともいろいろ出てくると思います。ですから、この三つだけで判断するというのは私は疑問です。原則として作業を進めるときは、ここに丸が三つあり、ECETOC、環境庁の生態影響試験報告、これだって数はそう多くないわけですし、それから農薬に関する農水省のデータですね。これはもちろん膨大なデータがあるのですけれども、ミジンコの試験法というのは非常に短時間の試験でかなり特殊な試験だと思われます。そういうようなデータも含んでいますし、この三つがすべてだというような書き方は疑問です。ですから、要はデータベースは、いろいろ使うべきではないかと思います。
○中杉委員
 ここはあくまでも今回の物質選定において、定量的に信頼がおけるデータを使ってまず最初に抜き出しましたよということだと思います。それ以外のものは使わないということを言っているのではなくて、これだと“AQUIRE”が特に飛び出してきますけれども、そのうち“AQUIRE”以外のデータも当然使えるというふうな解釈をした方がいいので、ここに“AQUIRE”を入れてしまうと、“AQUIRE”だけというような限定になってしまうという意味では外してしまった方がいいのではないかというふうに私は先ほど申し上げたのです。
○黒川委員長
 私は“AQUIRE”については知らないので、余り意見を申し上げられないのですけれども、事務局はどうでしょうか。
○事務局
 ほかのところの人への有害性の観点についても、いろいろデータベースがある中で、評価済みのものを使ったということですので、生態影響についても一応考えて、評価済みのデータを使うということで、ここに掲げた三つを取り上げたということです。10ページの2行目ですが、生態毒性については、「データベースが少ない。当面今回は以下の情報源を」ということで、三つを使いましたということで、「この他、米国」というところから、「また」までは削除ということでいかがでしょうか。私どもの提案としては、「当面今回は」というのを2行目に入れさせていただきまして、「この他、EUにおける分類表示については」とするということでいかがでしょうか。
○黒川委員長
 よろしいでしょうか。
○畠山委員
 結構です。
○黒川委員長
 それでは、そのようにさせていただきます。10ページから最後まではいかがでしょうか。
○中西分科会長
 先ほど黒川先生が言われた全体的なことということにも関係するのですけれども、こういうような物質を選んでいくときに、毒性と暴露量という観点から選ばれていると思うのですが、私たちはこういうものを選んでいくときの社会的な意味というようなことも考えなければいけないので、その場合に、こういうものを申告していただいて公表するというときにかかる費用とか、そういうようなものが本当にリスク削減に見合うようなものかどうかということも、本当はどこかで検討しなければいけないと思います。ただ、今回非常に急いでいますし、そういうようなことが一つ一つのものでできない。例えば今回、生産量でいくと農薬は10トンですが、一般的には100トンということになっていますが、100 トンの化学物質の値段というのは、たかだか1,000万円ぐらいのものが結構あるのです。中には非常に高いものもありますが、それの生み出す利益たるや実に微々たるものです。そういうものをさらに10か所とか、20か所で使っていて、それを報告させるというようなことは猛烈に大変なことだということもあるので、ぜひこれから皆さんが毒性の立場から、これも入れたい、あれも入れたいというお気持ちは分かりますけれども、こういうものをたくさん入れてしまったときの社会的なコストは膨大にかかるということを考えながら、ぜひ作業をしていただきたいと思います。
○黒川委員長
 これに絡んだ話ですか。
○北野委員
 はい。ちっと中座しなくちゃいけないので、少し飛んだ話になるかと思うのですが、私は基本的に暴露と毒性で選んで、また、分解性なり濃縮性も暴露も多少考慮するという基本方針は賛成ですが、中西先生と逆な意見になるかもしれません。毒性データがないものが果たして抜けていないのかなというところが非常に心配です。例えば、100トン以上の物質は、毒性データというものは果たしてきちんとあるんだろうか。もし毒性データがないがゆえに100トン以上製造・輸入されていても、リストアップされてないということになると私は逆に心配がありまして、今回正直言ってデータがないものはしょうがないですけれども、今回の選定からは外れるかもしれませんが、例えばウェーティングのリストみたいな形にして、そちらへ入れ込んで早急に毒性データをとっていくというようなことをしないと、PRTRが有効な方法にならないのではないかという心配があります。その辺はいかがでしょうか。
○事務局
 御指摘の点につきましては、OECDで進めておりますが、高生産量の物質、これは各国で1,000トン以上の物質についてですが、それらをリストアップし、OECD加盟国で分担をして点検をするというプロジェクトがございます。特に日本の場合はデータがない物質について試験をして、そのデータをとりつつ、リスク評価をしていきましょうということで、データの少ない物質を中心に選んで進めております。御指摘のような生産量は多いが、毒性データがないものについては、まずそちらのOECDのプロジェクトの一環としてやっております高生産量の化学物質の点検プロジェクトでまずデータを集める。それを踏まえて、こちらの選択基準に合わせて、PRTRが必要だということであれば追加をする。こういうことになろうかと思います。
○黒川委員長
 よろしゅうございますか。
○北野委員
 はい。
○黒川委員長
 それでは、時間の関係で、もう少し御意見があるかとは思いますけれども、先に進みたいと思います。これからは具体的な対象物の選定ということで、資料2からリストがいろいろございます。まず、リストの見方ということを全般的に御説明いただきたいと思いますが、よろしくどうぞ。
○事務局
 それでは事務局の方から、まず膨大な資料について通しで簡単に御説明をさせていただきます。お手元の資料2から資料7のシリーズ、それから参考資料は1からかなりありますが、まず資料2の方は、先ほど御議論いただきました基本的考え方と選定方法に基づきまして作業をいたしました結果、第1種の候補として挙がってきたもののリストでございます。
 それから資料3は第2種の候補として挙がってきたものでございます。タイトルの下に『(「元素及びその化合物」と「物質群」のリストに掲げたものを除く。)』ということを書いておりますが、第1種候補、第2種候補で挙がってはきたものの中で、基本的考え方の中にも触れていただいておりますように、1群の物質群として取り扱った方が妥当ではないかというものが幾つかございましたので、それらについては資料4と資料5にリストアップしております。これらは、いわゆる第1種の候補物質、第2種の候補物質というべきものでございます。
 それから資料6でございますが、これにつきましては、基本的考え方に基づいて作業をしてみるとリストの中に入ってきますが、基本的考え方の後ろの方に留意点がございます。分解性などの物性等、個々にいろいろ御検討をいただきたいということで、そのような物質についてリストをつくったものでございます。これにつきましては、個別にぜひ御意見をいただければと考えております。
 それから資料7−1につきましては経口慢性毒性、吸入慢性毒性、生態毒性、これらにつきまして、基本的考え方で示されましたクライテリアのさらにもうワンオーダー下のクラスもピックアップをしてみた資料でございます。ここにつきましては、基本的考え方に基づけば対象の外ということになるのですが、対象外としてよろしいかを伺ううもののリストです。
 資料の7−2、7−3、これは経口及び吸入の反復投与毒性の、ただし1年未満のデータがあったものということでリストアップしております。
 それから資料7−4は、急性毒性についてこれらの知見が得られているという、急性毒性のデータに絞った物質のリストでございます。
 資料7−2、7−3、7−4も、いわゆる基本的考え方そのものに基づいてといいますか、具体的な選定方法のカテゴリーなどから見ると対象の外にはなってこようかと思いますが、いかがでしょうかというリストでございます。
 それから参考資料の1から15につきましては、基本的考え方に述べられておりました各有害性の項目ごとにデータベース等を検索しまして、これらの物質についてはこのような情報が得られているというのをまとめたものでございます。
 参考資料の1が発がん性、参考資料の2が変異原性データ、この変異原性データの中には、いわゆる定量的データが得られているものというのを最初の数ページにまとめておりまして、その後、いわゆる定量データのD20値や比活性値が得られていない定性的な変異原性データをまとめた資料でございます。それから参考資料3が水質基準、参考資料4が反復投与毒性の1年以上の慢性試験。それから参考資料5は、農薬におきまして、公表されておりますADIなどのデータをリストアップしております。参考資料6につきましては大気基準、参考資料7は反復吸入毒性の知見を挙げております。それから参考資料8はACGIHの許容濃度。参考資料9は産業衛生学会の許容濃度。参考資料10は生殖毒性についてまとめております。あとは、参考資料11は感作性、12がECETOC、13が環境庁の生態毒性データ、参考資料14が農薬生態毒性、参考資料15がオゾン層破壊物質とオゾン破壊係数をまとめた資料となっております。最後の参考資料16といいますのは、前回会合にも配らせていただきましたが、これらの毒性情報に関します用語説明を念のため再度配布させていただいております。
 代表いたしまして、資料2の方を使いまして、簡単に使っております用語の説明をさせていただきますが、「CASナンバー」、「物質名」の横に有害性の基本的考え方で示されました各有害性の項目ごとに並べております。それが「発がんクラス」から「オゾン」まで横に並んでおりまして、その隣に「カテゴリー」、これは農薬あるいはオゾン層破壊物質などそれぞれ特徴があるものについて記入をしております。それから「製造・輸入量区分」、ここの数字はオーダーで表記させていただいております。100と書いてありますのは、100トン以上1,000トン未満、1,000と書いてありますのは1,000トン以上1万トン未満ということでございます。そのうち農薬の生産量として報告があるものにつきましては、その隣に「農薬生産量区分」ということで特記させていただいております。それから一番右側の「環境検出」、ここで「YY」とありますものは複数か所で検出されている物質で、Yが1個のものにつきましては、1か所で検出という意味として使わせていただいております。以上でございます。
○黒川委員長
 よろしいでしょうか。今、最後に資料2で御説明がありましたけれども、パッと見たときに、どういうふうなやり方でこの表がつくられているかというのは私自身も最初分からなくて、この前に聞いたのですけれども、よろしいでしょうか。いわゆるソーティングというのですかデータベース、それを使って左からずっと追っかけてきているような感じでございます。
○事務局
 今のところでちょっと補足させていただきたいのですが、農薬生産区分は、「生産」と書いてあるのですが、これは輸入品も含んだ国内出荷量になっていまして、出荷量というふうに読みかえていただければと思います。農薬の生産区分となっている表のそれぞれ右側から2番目のカラムのところです。大変申し訳ありませんが、これを出荷量区分というふうに読みかえていただいて輸入品も含んだものとご理解下さい。
○畠山委員
 何年のデータですか。
○事務局
 これは平成9年度のデータでございます。
○黒川委員長
 ほかに何か御質問ございますか。
 それでは、早速ですけれども、とりあえずは資料の2から6まで、それぞれについて今度は個別に御説明をいただいて、ディスカッションというふうにしたいと思います。
○事務局
 それでは、資料2につきまして簡単に御説明させていただきます。資料2は先ほどの資料1で示しました選定基準に基づいて選ばれたもののリストになっております。有害性の基準に当てはまり、かつ、生産量等が資料1に示しました基準に達するものということで、第1種指定化学物質に該当すると判断される物質のリストです。先ほども注釈で説明いたしましたけれども、この中では、後ほど別な資料で示します元素及びその化合物と、あるいはクレゾール類のようにオルト、メタ、パラ、それぞれあるものに関しまして、一群のクレゾール類として指定するかというようなことを御考慮いただきます物質群のリストというものに掲げたものは除かれております。
 まず、この表の見方ですが、ソートの順番を御説明させていただきます。毒性の区分ごととなっておりまして、まず発がん性という観点からソートしております。Noの1から6番に発がん性のクラス1のものが並んでおりまして、その中では生産量の多い順番になっております。続いてNoの7番のホルムアルデヒドから発がん性クラスが「2」のものの物質をずらっと並べてございます。発がん性クラス2のものか50番までリストアップされています。
 その次に変異原性の方でソートをかけてございます。51番からは発がん性クラスからはデータがない、あるいは発がん性がないということで外れてきているのですが、変異原性が認められているという物質を並べてございます。変異原性クラスに関しましては80番まで該当しております。
 続きまして81番からは発がん性及び変異原性のクライテリアからは漏れてきたのですけれども、経口の毒性が認められるという物質が並んできております。同様に、ここまでの発がん性、変異原性、経口毒性クラスには該当しないが、吸入毒性の方で問題があると判断されて、第1種指定候補物質になるという物質が次に来るのですが、実際にはそういうものはありませんでして、190番までが経口クラスまでで選ばれてきている物質になっております。その後は、作業環境の方で引っかかってきたものが191番から並んでおります。順番はこのような続きになっていまして、最後の9ページをごらんください。生態毒性クラスまで同様のソートをかけて並んでおりまして、最後に271番からオゾン層破壊物質が並んでございます。
 それから、290番と291番に生産量区分はゼロということですけれども、環境検出が認められるということでYYという印がついておりまて、ダイオキシン類とPCB(ポリ塩化ビフェニル)についてリストアップしてございます。
 以上、非常に簡単な資料の見方の説明でしたが、資料No2については説明を終わらせていただきます。
○中西分科会長 
 作業環境は「3」まで拾うのですね。
○事務局
 はい、「3」まで拾います。
○中西分科会長
 「3」まで拾うと、それでいくのが223番の化合物までが作業環境で選ばれている。
○事務局
 そういうことです。
○中西分科会長
 223番までが作業環境で選ばれているということですね。生殖で選ばれているのが228番までですか。
○事務局
 224番からは作業環境の「4」でありますので、224番から228番は生殖クラスからの選定となっております。
○中西分科会長
 224 から228 は生殖で選ばれている。その後229番からが感作性で選ばれていて、感作性は1クラスしかないわけですね。
○事務局
 はい。
○中西分科会長
 その後232番からが生態リスクで「1」、「2」でずっと選ばれて、あとはオゾン層ということですね。
○事務局
 はい。
○中西分科会長
 どうもありがとうございました。
○黒川委員長
 という選び方ですから、複数のところにチェックが入っているのもたくさんあるということになりますね。
 さて、これは一つ一つよろしいかという時間はありませんので、コメントをいただくにしても、お気づきの点をということになりますか。
○宮本委員
 お気づきというほどではないですけれども、「物質名」というのがありますが、物質名の書き方は余り統一されていませんが、パブリックコメントを出されるときにはきっちり統一していただかないといかんと思うのですが、いかがでしょうか。
○事務局
 おっしゃるとおり一般名や商品名も入っているかもしれません。最終的にはIUPACで正式名をつけて、分からないものは別名として慣用名、または一般名をつけたいと思っております。なるべく可能であれば、パブリックコメントをするときには両方で示せるように頑張りたいと思うのですが、もしかするとIUPAC命名が間に合わないかもしれないので、そのときは一般名でさせていただいて、CASナンバーは付けますので、それで判断していただければと思っております。
○中杉委員
 私も判断がつきかねるのですが、119番に臭素酸ナトリウムがございますけれども、これは恐らく水系に行くのかなと思うのですが、環境中でどんな状態、水の中に入ったらどんな状態で存在しているのかというのが、ちょっと気になります。これは残しておくというか、あるいは資料6のところにある「個別に検討を要する物質」のところに一度入れ込んで、そちらであわせて検討する方がいいのかと思います。
○黒川委員長
 これは経口クラス3から入ってきているのですね。それだけなのですよね。
○中西分科会長
 今の問題提起は分からないわけではないのですが、そう言い出すときりがないのではないでしょうか。環境中の挙動の分からないものはたくさんありますね。ですから、ここは割り切った方がいいかと思います。
○黒川委員長
 そう言っていただくと委員長としてはありがたいですけれども、コメントということで、もちろん、そちらで一応検討するということにしてください。
○長谷川委員
 一番最後に290と291でダイオキシン類と、PCBという形になってますが、特にダイオキシン類というのは後の方でグループの扱いがあったと思うのですが、ということが一つと、それからダイオキシン類の定義がちょっと不明確になっているのかなと思います。いわゆるダイオキシン様のコプラナPCBの扱いであるとか、あるいは発がんのクラスが1になっていますけれども、これはあくまでもTCDDの特定の一つだけがクラス1になっているということで、ちょっと誤解を招くのではないか。グループで扱うのが、たしか後ろの方に出てくると思いますので、ちょっとここは場所的にはおかしいかなという気がします。
○黒川委員長
 事務局どうぞ。
○事務局
 ダイオキシン類の定義につきましては、先日TDIについて環境庁と厚生省の審議会で御議論いただきましたときに、一応ダイオキシン類につきましては97年のWHOのTEFが付けられたもの、いわゆるダイオキシン、フラン、それからコプラナPCBの何種類かというものについて考えていこうということになっております。またその後のダイオキシン対策特別措置法の方でも、コプラナPCBが入ったような定義で定められておりますので、長谷川先生御指摘のとおり、ダイオキシン類という言葉は、グループといえばグループという扱いで事務局としては考えております。また、PCBにつきましても、いわゆるPCBという化合物の混合物でございますので、グループだと考えております。ダイオキシン類の発がん性クラスにつきましては、先生の御指摘のとおり、2,3,7,8-TCDDについてのIARCの評価を基に発がん性のクラス1としております。そういう意味でTCDDの発がん性評価に基づき、TEFが付されているものについて、一連のグループとしてダイオキシン類として対象とするように考えております。そういう認識で御審議をいただければと思います。
○鈴木委員長
 今の話は、今回我々がやっている作業が必ずしもパーフェクトなものではないということを端的に示しているわけでして、結局ダイオキシン類とPCBというのは後からとってつけたように飛び出してきており、物の考え方から言えば、うまく整理できてないではないですかということをまさに示しているわけです。ですから、そのことを忘れないでやるしかないというのが私の意見です。用語と今の発がん性に絡んだ2,3,7,8-TCDDだけが発がん性で評価されているわけですから、その辺のところはマークをつけて説明を書いておかないといけないわけですね。そのまま載せて「ダイオキシン類・発がん1」というは、表としてはまずいわけです。こういう特例事項が出てきてしまう程度にしか我々の知識はないということを夢忘れないようにということです。
○黒川委員長
 どうもありがとうございました。
○池田委員
 先ほども指摘があったと思いますが、パブリックコメントを求める段階で物質名をもう一度検討しておいた方がいいです。というのは、これだと思っている物質が正確に言えているかという部分です。ダイオキシン類の場合もそうですが、例えば9番をごらんいただきますと、塩化エチレン、これは1,2-ジクロルエタン、「クロル」なのか「クロロ」なのかで、どっちかに統一しないといけないと思います。多分「ロ」が正しいと思いす。しかし、二塩化エタンは1,2-ジクロルエタンを含みますが、他のものも含んでいます。例えば1,1-体はこのカテゴリーに入るのか入らないのかというのは、CASナンバーで指定しているか、それとも第1次に出てきた物質の名前で指定しているか。言いたいことを正確に言えているかというチェックが要ると思いました。同じようなことが、これは物質名の表示の仕方で、ところどころ出てまいりますので、名前の検討がある段階で要ると思います。
○黒川委員長
 この点は時間もなかったことでしょうけれども、今後パーフェクトになるべくお願いします。ほかに資料2に関してございませんか。
 後で戻っても結構ですので、とりあえず資料3に進みたいと思います。
○事務局
 それでは、資料3について御説明いたします。
 先ほどと同様な表になっておりまして、元素及びその化合物と物質群としてリストに掲げたものは後ほど御議論いただくということで、この資料3のリストからは除いてございます。ソートの仕方は先ほどの第1種指定候補と同じように発がん性クラス、変異原性、経口クラスの順に並べてきてございます。毒性のクライテリアは資料に1に書いたものでして、資料2の先ほどの第1種と全く同じ基準になっております。違いは製造・輸入量区分、農薬区分の量及び環境検出のところで数量が少ないということになっておりまして、このような70物質がリストアップされてきてございます。
 先ほど第1種のときに申し忘れてしまったので、補足させていただきますけれども、先ほどの資料2の方では291物質がリストアップされておりまして、別の元素及びその化合物と物質群として、それぞれ26と24物質がリストアップされております。したがって、事務局の提案では341物質が第1種指定候補物質です。今ごらんいただいております資料3の第2種指定候補物質の方は、この資料3にリストアップされたのが70物質、後ほどの元素及びその化合物と物質群の方で掲げたものが5物質ずつということで、計80物質を提案いたします。
 資料3につきましては、基本的に資料2と同じ見方となりますので、この程度の説明とさせていただきます。
○黒川委員長
 資料3のことでございますが、いかがでしょうか。
○中杉委員
 むしろ医学の先生方の御意見を伺うべきなのかもしれませんが、中に幾つか医薬品の名前が入ってきております。こういうもののMSDSというのはどういう書き方をするのかなというのが、実際には医学の方での扱い方の決まりがあるのと、こういうものとの整合をどうとっていくのかというのがちょっと気になるものですから、そういうものはどういうふうに整理をしたらいいのかなというのが、私も十分判断をできないものですから問題提起だけをさせていただきます。
○事務局
 MSDSについては、一応どういうフォーマットにするのかは別にして、こういう情報を提供してくださいという形でいずれ省令が出ると思います。そのときに、多分従来、医薬品では環境へ排出した場合の生態系への影響とか、今回省令で提出を義務付ける情報のいくつかは、十分に書いていないのではなかろうかと思います。情報提供をしてくださいという中で、不足している部分は追加して出していただくという形で省令を定めたいと考えています。
○黒川委員長
 ほかにいかがでしょうか。
○若林委員
 先ほどの最初の項目で生分解生と蓄積性の話がございましたけれども、費用対効果の話は今回はパスしてよろしいかと思いますので、少しリスクがありそうで抜け落ちる物質が心配だというふうに環境庁の方に申し上げたら、例えば第2種になっているもので、蓄積性がありそうなものがあるのかというような質問をされまして、昨日その辺を見てみました。例えば、私どもが出ているGESAMPという委員会では、logPo/wが4以上の場合に蓄積性があるというふうに言っていますし、多分OECDでも同じだと思います。このリストの中で4物質ほどがlogPo/wが4以上ということになっております。そういうものの取り扱いをどうしたらいいのか。例えば第1種に格上げしろとは申しませんけれども、先ほどのどうやって選定するかの中で、蓄積性の高いものについては考慮するというあたりをどう読んだらよろしいかということで、質問というか問題提起をさせていただきます。
○事務局
 通産省ですが、化審法の関係で分配係数logPo/wとBCFとの相関関係でいいますと、logPo/wが3以下であればBCFとの相関関係が非常に高いのですが、logPo/wが4というのは、必ずしも正しい蓄積性をあらわすかどうか不明だといった見識となっております。追加することがあれば、池田先生に御見解をいただければと思います。
○黒川委員長
 検討ということでよろしいですか。
○中西分科会長
 具体的に何番と何番ですか、教えてください。
○若林委員
 以前にいただいた表の番号になりますが、logPo/wの実測があるものだけです。11番のペンタクロロフェノール。
○事務局
 今は14番です。
○若林委員
 番号が変わっていてちょっと分かりませんですが、前の番号で34のジアフェンチウロン、それから45番のテフルベンズロン、あともう一つが前の48番エチールパーオキシ。
○黒川委員長
 結局、何個でしたか。
○事務局
 今、確認しております。
○西原委員
 今回は時間がなかったということですけれども、環境検出というところで、空白というのは測定した結果なかったのですか。今後の資料についてはその区別をしておいてほしい。測定したけれども検出されなかったのか、あるいは検出の対象にしなかったのか、多分それが両方とも空白になっております。そういう意味で蓄積性が問題になっているので、そういうものもかなりこういう時に効いてくるのではないかと思います。
○事務局
 環境庁でございますが、今の御指摘ですけれども、検出限界の問題がありますので、つまり測ったけれども検出されなかったというのは二通りの解釈がありまして、要するに全く出なかったものと、たまたま検出限界は、環境庁では非常に努力をして出しておりますが、ものによっては非常に高めの検出限界にせざる得ない。そういうものを出ないというふうに表記すると、本当にないのかということについては誤解があると思います。ですから、今回はあえてプラスの方だけを入れる。マイナスということが絶対ないのか、測ったけれどもなかったということが、存在しないということに必ずしもつながらないということで、誤解を招ねきかねないということもあって、測ったけれども、マイナスだったというのは一応載せてはおらないのですけれども。
○西原委員
 意味は十分分かっています。ただ、対象にしなかったというのはちょっと何かあると思います。当然「Y」になっているものだって、非常に感度の高いものだから出たのだということになる可能性がありますので、同じことだと思います。
○中杉委員
 検出下限を心配されるのでしたら、検出下限のランクにしておいて、これ以下であるというふうなことで表示したらどうですか。それはそれなりの意味があって、それが絶対的にどういう意味を持つかというのはまた別の議論になりますけれども。
○事務局
 ちょっと工夫をさせていただきます。「ND」と表記するとか検討いたします。
○黒川委員長
 全くデータがないものと「ND」というのではやはり違うと思うのですけれども、データがないというのは重要な事実だと思います。よろしく、お願いします。そちらは分かったですか。
○事務局
 先ほど若林先生から御指摘のあった物質は、資料3のNo14のペンタクロロフェノール、それとNo43のジアフェンチウロン、No45のテフルベンズロンの3物質です。先ほど、4物質お示しいただきましたが、今の表からは基準には当たらないということで削除したものが1物質ございまして、合計3物質となっております。
○黒川委員長
 ありがとうございました。ほかに。
○中杉委員
 今の3物質の中でお分かりになったら教えていただきたいのですけれども、あとの2物質は農薬というカテゴリーがありますから、利用形態は大体想像がつくのですが、最初のペンタクロロフェノールはごくわずかで、1トンから10トンの間ですけれども、具体的には今はどんな使われ方をしているかお分かりになりますか。例えば、入れるか入れないかも、第1種に挙げるかどうかも、そこら辺の利用形態、使用形態みたいなところを少し加味する必要があるかと思います。もし、お分かりになったら教えていただきたいと思います。
○中西分科会長
 分かりますか、分かったら教えてください。
○事務局
 当方で調べたのは、生産実態調査をして、例えばゴム製品用とか、そういう例示を出して番号をつけてもらうという方法で調べております。その中で明らかに農薬のように環境中に排出するというような用途のものというのは、肥料が一つ、それとエアゾール用というのが一つ、それと土壌改良剤、こういった3点かなということで、2種になったものから、明らかにこの3点で10トン以上のものがないかどうか調べたのですが、今のところは見つかってございません。
○中西分科会長
 私どもはダイオキシンの関係で、このPCPというのをしつこく追っかけているものなのですが、それでなおかつ、今でも輸入されているという実態があります。そして私どもが知っている限りでは、やはり合板とか、昔の木材の防腐剤に近い使い方が多いというふうに理解しておりますが、それが全部かどうかということはちょっと分かっておりません。
○事務局
 参考までですが、農薬としては今は登録されていないということでございます。
○黒川委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、資料4に移りたいと思いますので、御説明をお願いします。
○事務局
 それでは、資料4の説明をさせていただきます。資料4はオルト、メタ、パラのような異性体のもの、それとは若干違うのですが、それに類似したようなものをまとめたものでございまして、左側に物質名、それぞれの有害性がどうだったかというのを出して、一番右側から2番目にグループ名としてまとめたらいいのではなかろうかという一つの案を示してございます。こういうふうにグループ名でまとめた場合には、左の物質名にないもの、例えば、オルトとメタしかなくて、物質名が何とか類というふうにしたら、メタもパラも入るというように見ていただければと思います。たまたまキシレン類のようなすべての物質、オルト、メタ、パラ、キシレン類という混合物まで含んで入っているものもございますが、基本的にはキシレン類とか何とか類とした場合には、左側になくても一応この中には対象としては含めてはどうか、類似の有害性がありそうだというふうに思われるものをまとめました。その結果、1種になるのか2種になるのかというのを一番右側の案で示してございます。グループ名としてまとめた場合には、右側に示した案はグループ全体で見て選定基準に従って1種になるか2種になるかというのを見てございます。
 それと、訂正ですが、3番のクレゾール類のNoの下、それとグループ名、案の下にある線ですが、これをとっていただいて、クレゾール類はオルト、メタ、パラを一緒にしてクレゾール類として下さい。紛らわしい線が入っており、大変申し訳ありませんでした。
○黒川委員長
 案のところに何も書いていないというか、横棒というものは。
○事務局
 基準に従うと今のところは入らない。例えばフタル酸ジアリルですが、27番、28番については有害性のところで生態クラスの「3」でございますので、これは1クラス下の別の表になりまして、後ほど御議論いただくリストの中に入っているものです。
○黒川委員長
 科学的にグループだというだけで全部一応やってみたということですね。
○事務局
 そうです。左と右側で同じ名前のものがあります。これはグループにはしないで、個別に指定してはどうかという案でございます。例えば、この2ページを見ていただければと思うのですが、19番1,1,2-トリクロロエタン、これは右側も1,1,2-トリクロロエタンでグループとしてはまとめないで、単独として指定してはどうかというものでございます。以上です。
○黒川委員長
 お分かりでしょうか。
○岡田委員
 最後の33、34のところにまとめているのがありますが、気になるのは界面活性剤のようなLASとか、AOS、AEのように大量に生産されて放出されているものは、こういう中ではどう扱うかです。混合物ですから極めて難しいとは思うのですが、その辺のところを教えていただければと思います。
○事務局
 混合物であっても個別の物質で有害性があるものは有害性情報で対象になるかどうか選ぶ、生産量があれば対象となるということになります。ですから、具体的に何かございますでしょうか。
○岡田委員
 例えばLASですと数十万トンつくられていますから、それは排出されているはずです。毒性ランクでいくと、これまたLASのカーボンの数によって違うから非常に困るのですが、ざっと見てLC50で10以下くらいはすぐ出てくると思います。ですから、ランク2に入ると思います。それから、AEがたしか最近十数万トン使われているはずですが、それはちょっと毒性が低いと思います。AE、APE、LAS、AO、AOSと全部記号で示されていますから、私自身も全部は覚えていないですが、それぞれデータがあり、また、生産量が数万トン超えているものはいっぱいありますので、検討していただければと思います。
○事務局
 具体的に私どもの方で申し上げられるのは、ECETOCなり、参考資料12とかで、もし物質が挙がっていれば拾ってくるということでよろしいでしょうか。つまり、ほかのデータでは拾えませんので、参考資料12にあるもので。基本的に落ちがないように私どもも作業をしたつもりでございますが、確かに毒性データについては個別の何とかという物質があれば、それを拾ってきます。生産量の方は通産省の調査で、グループとして使われているものもなるべく個別物質として挙げるよう調査をされておりますが、場合によっては、例えば混合物としての生産量の数字があって、個別の物質としては、LASの場合だとCの13なら13の数字はないかもしれません。その場合は、もちろんLAS全体の生産量があって、ある特定の毒性のデータのあるものについて、生産量があるというふうに判断できるものであれば、その対象になりますけれども、そのようなことでよろしいでしょうか。つまり今回の毒性の情報でもう一度精査をして、単品で挙がっているもので、仮に生産量が抜けているようなものがあれば拾いますけれども、多分今の界面活性剤であれば、基本的な毒性は生態影響だと思いますので、参考資料12、13でもう一度精査をして、もし洗剤の成分のようなものが入っていた場合には、その生産量をもう一度漏れ落ちがないかどうかチェックをするという感じでございましょうか。
○岡田委員
 結構です。ちょっと調べていただければ分かると思います。
○畠山委員
 たまたま、ここの33番のところのノニルフェノールのところの生態の毒性が抜けていたものですから一応調べてみました。これをちょっと急いで回してください。
  (資料を配付)
 やはり資料があった方が説明がしやすいものですから、結果的に文献で調べる限りは、クラス1に相当するということを示しています。例えばミジンコの急性毒性では0.18とかで、これは急性の方からクラス1で、それから慢性の方はNOECはデータは一つしかないのですけれども、ミジンコの繁殖のNOECが0.024ですので、表からいいますとクラス1に相当するというように、これは先ほど話題になったAQUIREからのデータでして、文献の方は精査していないので、ざっとこういうふうにまとめられました。御参考までに。
○黒川委員長
 参考ということで検討してください。
○中杉委員
 医学畑の先生にちょっと判断を伺いたいのですけれども、12番、13番、14番、15番、トルイジン、アニシジンのオルト、パラの異性体で、それぞれ分けてデータを得るということで提案をされているのですけれども、これを見せていただくと発がんのクラスのところのデータが、多分実験をやっているものが2で、たまたまデータがないものが無印でという形で、分けたように私は解釈をしているのですけれども、これは異性体として見たときに、毒性に差があるというふうに見るのか、まとめて一つのグループとして、トルイジン類として扱ってしまった方がいいのか、いかがでしょうか。
○黒川委員長
 これはデータをつくった方から。
○中西分科会長
 関連で、トルイジンについてよく分からないのですが、4と5番のジクロロベンゼン、これは明らかに発がん性の試験を両方やられていて、オルトの方はないです。これはやはり別にしてもらった方がいいという感じはします。トルイジンについては私は、分かりません。
○黒川委員長
 トルイジン、アニシジンに関してそういうことなのかどうか、まずは事務局の方で答えられますか。
○事務局
 トルイジンは今言われたように、確かにオルトにつきましては発がん性クラスのデータがあるということでして、あと見ていただきますと、メタ体がないです。メタ体につきましては、今までいろいろ作業をしまして、メタトルイジンとか、メタアニシジンというものに対して、毒性等のデータは全くございませんので、そういうものに関しても、例えばこれをトルイジン類とか、アニシジン類としますと、メタ位のものも全部届ける必要が出てくるということから、そういうものも一緒に届けさせるのはどうかなということで、これらにつきましてはオルトとパラということで名称を書かせていただいております。
○黒川委員長
 私がお聞きしたのは、パラトルイジン、パラアニシジンの発がん性のデータはあってネガティブだったということですか。
○事務局
 パラ体につきましては、データがあるというわけではなくて、現在のところ評価はされていないということでございます。
○黒川委員長
 そうなってくると、これをグループ化するかどうかというのが問題となるということですね。
○宮本委員
 先ほどおっしゃったことで、ちょっと聞き逃したのかもしれませんが、これはまとめないといけない理由というのは何なのかということです。余り理由は今のところないのではないか。つまり、先ほど来少し御議論ありますように、毒性は違うのかもしれないわけです。それを一緒にして化学構造で似ていると簡単におっしゃるけれども、この間申し上げたようにメタとパラにある置換基がついたものが同じグループかということをもうちょっと考えてみた方がいいし、逆に言いますと、本来毒性のないものを扱っている会社なり、産業があった場合に、たまたま構造的に非常に似たものが毒性があるからと届け出の対象にそれがされるというのは、いささか不公平ではないかという見方もあるかと思います。ですから、よほど合理的な理由のない限り、今日現在のところは、まとめない方がいいというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○事務局
 ここのまとめ方のコンセプトは、資料1のいわゆる基本的考え方の7ページのところの留意点(2) 、(3) から始まっておりますが、その下の(1) 「類似の構造・毒性を有することから物質群として取り扱うことが適当なものについては」という、ここから発生したリストとして御検討いただければと思います。
○宮本委員
 そういうつもりで申し上げております。
○黒川委員長
 ですから、適当と思われるものをグループ化してあると。先生がおっしゃるのは、やみくもにするのはちょっとおかしいと。それは確かでしょうね。
○宮本委員
 化学構造が似ているからというけれども、微生物の方から見れば似ているかどうか分からないわけです。今回は余り無理にまとめない方が良いと思います。
○櫻井委員
 今の毒性の医学関係のことをコメントを求められていると思いますので申し上げますが、許容濃度等を決めるときも、基本的にはオルト、メタ、パラというような別の物質であると考えて、そういう情報を探して別な数値を出しているのも多いわけです。そういう意味では、全部まとめるというのには慎重にしないといけないと思っております。そういう許容濃度のような暴露限界値を決定するときに、一部のものについては、すべての異性体というふうにはっきり書いてまとめて勧告している場合もございます。その根拠は一つ一つの情報が十分あって、すべての異性体と言っている場合もありますし、それから類推をしている場合もありますが、その類推が可能であろうという判断がそこに入っておりますので、ですから、そういう意味では、例えば作業環境のデータベースを使う場合に、全異性体と書いてあるものは類というふうにまとめてよろしいと思いますが、そうでないものは別個にしておいた方がいいだろうと思います。
○黒川委員長
 ありがとうございました。事務局はよろしいですか。今の櫻井先生のコメントについて何かあればどうぞ。
○事務局
 今回のグループ名をどうしようかというところはどういうふうになるのでしょうか。
○黒川委員長
 実際のトルイジンとアニシジンについてということですか。
○中杉委員
 私が先ほど申し上げたのは、まとめようという提案はしたつもりはなくて、そういうところはどういうふうに判断したらいいのだろうかという御質問を申し上げて、櫻井先生にお答えいただいていますので、分けてこのままで結構だろうと思います。
○黒川委員長
 池田先生どうぞ。
○池田委員
 アイソマーで抜けているというのが4、5の間のメタ、それから11はくくってありますがオルトがない、12、13はメタ、14、15はメタです。それほど多くないとしますと、今度は一つは毒性情報がどれぐらい欠けているのか、これは確認がいると思いますし、逆に実際に生産あるいは輸入なり使用の状況がどうなのかが重要です。例えば4、5の間にメタがないとしますと、メタジクロロベンゼンというのが全く使われていなくて、毒性情報も全くないとしたら、くくってもくくらなくても意味は変わらないのです。だれも使ってないとしたら、実際にくくっても、そこに相当するものはないことになります。全く同じことがほかのアイソマーが抜けている部分も要るのではないか。つまり、今ここで「エイヤ」と決めるにはデータがちょっとなくて、合理的に判断できるだけのデータが要るというのが私の立場です。もしも、だれも使っていなくて、毒性情報もないというのでしたら、くくった方が安全だというふうに思います。と申します意味は、仮にですが、12と13の間でメタトルイジンがここに抜けていたとしますと、メタをつくっても大丈夫なのだなどという判断をされると困ります。その意味です。
○宮本委員
 私、先ほど申し上げたことと、池田先生がおっしゃることとちょっと違っているように思いますので、私が申し上げたことを、もう一回確認のために申し上げたいと思うのですが、私が申し上げたのは、このリストの中にアイソマーが抜けている云々ということを申し上げのではなくて、既に載っているものをについても、例えばオルトとパラがあったとしても、これは毒性のデータ、それから生産量のデータ、そういうものが一くくりにできるようなものになっているかどうかということを考えないといけないということを申し上げたので、くくれるものはくくったらいいのですが、ちょっと今日のところは無理ではないかということを申し上げたのです。
○村上室長
 ちょっと御確認させていただきたいのですが、私どもも、やみくもに全部異性体を一つのカテゴリーにしようというふうに思ったわけではありませんで、一応どちらに転んでも第1種になってしまうようなものが異性体として存在する場合は、少しまとめて類として指定した方がいいのではないかというものを幾つか抜き出して資料4の表にしたわけであります。今までの御審議の経過を聞いておりますと、基本的にはばらばらで指定した方がよいのではないかというようなお考えのようにも受け取れますので、もしそうであれば、このリストは類としてグループ指定をせずに、すべてばらばらで指定をするという対応になろうかと思いますが、それでもよろしいのでしょうか。
○黒川委員長
 原則論で、さっき事務局から説明があった7ページの「類似の構造・毒性を有することから物質群として取り扱う」というコンセプトは少し緩めてしまう。後退することになりますけれども。
○事務局
 その中でキシレン類、それとクレゾール類は混合物として流通しておりまして、生態毒性を見ていただくと大体同じぐらいのクラスになっております。それと、類として作業環境4なので、今回の基準では再検討というか、引き上げるかどうかの検討をしていただくという中に入ってしまうのですが、それぞれオルト、メタ、パラを見たときに大体同じような形になっていて、クレゾール類、キシレン類としてまとめて流通しているようなものというのは、今、基本的に個別とおっしゃったのですが、この二つはまとめておいていかがかなと思います。2と3です。
○黒川委員長
 それもいいですけれども、これをずっとそうやって見直していくと、あと1時間も2時間もかかりそうなので、とりあえず、今、御意見をいただいたように、コンセプトをちょっと考え直して、もう一回資料4についてのまとめをしていただくというふうにそちらにお願いしてよろしいですか。
○事務局
 それでは、今回これから案をまとめていただく分については、基本的には無理をせずに、それぞれ単独で記しながら、もしよろしければ、例えば2と3、キシレンとクレゾールだけは、今回それでグルーピングしても、今日の段階でも妥当だと思われれば、グループで出させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木委員長
 7ページに出ている「類似の構造・毒性を有することから物質群として扱うことが」というふうに書いてある、この基本的なコンセプトを今簡単に取り下げるのはよくないと思います。取り下げるのではなくて、もう少しつけ加えた形でものを考えればいいのだろうと思います。現実に流通している、あるいは使用されている状態が混合物の状態であって、しかも中身がそれぞれ似通った毒性を持っているのが分かっているような場合に、それをわざわざばらにするなんて、そんなばかなことをするやつはあるかと、こういうことになるわけです。ですから、これはこのコンセプトを撤回するのではなくて、つけ加えてものを考えてください。
○黒川委員長
 私はちょっと言葉が足りなかったのですが、そういう意味でもう一回見直すという意味であって、撤回しろとは言っていません。
○事務局
 分かりました。
○事務局
 ちょっと確認させていただきたいのですが、今のような作業をおこないますと、例えば7番ですと2,6-ジメチルフェノールは1万トンあるので第1種、2,4-ジメチルフェノールは10トンなので第2種となりますし、次のジニトロベンゼンはオルトとメタについては毒性データがないので対象外。ですからパラだけが第2種として対象になる。厳密に解釈すると個別に全部そうなります。そういうことでよろしいということですか。
○黒川委員長
 完全に個別に解釈するというコンセンサスになったわけでもなくて、適当な物質であるということをもう一回考え直すということではないのですか。
○事務局
 できましたら、こちらの方で至急もう一度見直しまして、それで3委員会の座長の先生方にご相談いただきまして、あと、委員長から必要があれば各御専門の先生方の御意見を聞いていただきまして、それで仕上げていただければ大変ありがたいのですが、それでよろしいでしょうか。
○黒川委員長
 それでは、そうさせていただきます。
○事務局
 それでは、事務局の方でもう一度、至急考えたいと思います。
○黒川委員長
 2時間半近くになってきましたので、5分ばかり休憩させていただきます。
 
                 (休  憩)
 
○黒川委員長
 それでは、再開したいと思いますので、お席にお着きください。
 それでは、資料5からになりますでしょうか、御説明をどうぞお願いいたします。
○事務局
 資料5について御説明させていただきます。
 資料5は、金属元素またはヒ素のような金属ではないのですが元素由来のもの、それとシアンのような化合物ですけれども、こういった有害性が化合物なり、元素由来ではなかろうかというもについては、右の方にグループ名としてまとめてございます。これは先ほどの異性体のものと同じでございます。
 このまとめ方も先ほどの考え方と同じです。似たような毒性がこの元素由来なり、化合物由来でありそうだというものを一つにまとめてございます。有害性等が明らかに違うというものは分けて、例えば7番のニッケル金属と、8番のニッケル化合物ですが、ニッケル化合物の方は例示に挙がっているものは発がん性のクラス1ですし、ニッケル金属は発がん性のクラス2というように、分けて右の方のグループとして挙げてございます。1種か2種かというのも、先ほどと同じように、それぞれのグループごとに見て1種、2種というものを位置づけております。以上でございます。
○黒川委員長
 では、これに関して御意見をお願いします。
○櫻井委員
 金属の方は大体これでいいと思っているのですが、1のシアン化合物ですけれども、これは毒物・劇物の方でもよく問題になって、いろいろな意見を伺ったことを覚えているのですが、それはシアンを含む化合物でも、シアンの毒性を発揮し得るものと、そうでないものが、化学の専門家ははっきり分かるのにもかかわらず、全部一緒にするのは問題であるということをよく指摘されておりますので、これは先ほどの7ページ、留意すべき点の元素のところで言っているのと同じように、シアンの毒性とそれを含む化合物の毒性とが異なる場合は区別して取り扱うことが適当であるというようなところに、同じ取扱にしてはどうかというふうに思います。以上です。
○黒川委員長
 これは例外というか、個別にという御意見ですか。
○西原委員
 シアン化合物という名前自体がちょっと、そういう意味でシアン化物かなにかにしておいた方がいいと思います。というのは、キレートのシアン、それからアセトニトリル、いわゆるニトリル化合物もシアン化合物という場合もあるので、はっきりしないのではないかと思います。
○黒川委員長
 櫻井先生の御発言は、そういう意味だと思うのですけれども。
○櫻井委員
 多分そうです。
○事務局
 それでは、シアンは、もしよろしければ、左側に書いている個別の名前を出させていただくような方向で訂正させていただきます。
○黒川委員長
 ほかにいかがでしょうか。
○中杉委員
 まとめていただくのは結構だと思いますが、ヒ素及びその化合物といったときに、6価クロム化合物でもいいのですけれども、ここに挙がっているような化合物以外、その他この場には6価クロム化合物、水溶性というのがあるから、それで全部拾えるなという感じはするのですけれども、そういうものがないものについてはどうなのでしょうか。例えば、この例示というのをどこまで書き込んでいくのか、どういう表現で実際にリストに載せていくかというのは問題になると思います。毒性のあるものだけをリストとして載せていくわけでは必ずしもないのかなと思うのですが、そのあたりは何かお考えがございますか。
○事務局
 指定は、例えば6価クロム化合物が6価クロム由来ということでまとめるのが適当と判断した場合には,6価クロム化合物ということで左の物質名がないものも対象にしたいと考えています。ただ、非常に分かりにくいと思うので、これは政令指定ではなくて、解説かなにかで例示のものを幾つか挙げて、こういったものは6価クロム化合物の一例ですということで示してはどうかと考えております。
○中杉委員
 そうすると例えばニッケルの場合には、ニッケル化合物というのは、この3物質になりますか。
○事務局
 いいえ、ここで言うニッケル化合物(金属を除く)は、ここの3物質は一例に過ぎなくて、これ以外のものも含むという考え方でございます。ここに載せたものは、今回の調査で毒性データとして挙がってきたものを中心にして載せてございます。
○中杉委員
 これもちょっと医学の先生にお聞きしたいのですけれども、ニッケル自体の毒性というのは何で発現するかというのはここで問題に多分なってくるんだろうと思います。これは化合物の形態で違うとすれば、これはニッケル金属とは違っているわけです。そういう意味で、もし発がんランクの1という化合物、すべてのニッケル化合物がそうであればという議論になってしまうのかなというふうに思ったものですから、この見方が少し難しくなるのかなと。
○事務局
 ニッケル化合物については、調査したところ金属以外のニッケル化合物という群で、発がん性の1クラスに当たるというデータがございましたので、こういうふうにばらばらというよりは一固まりにしたものでございます。
○黒川委員長
 池田先生はニッケルあたりはいかがですか。
○池田委員
 多分櫻井先生の方がよく御存知であるかと思いますが、ベースに用いているIARCの発がん情報で、金属及びその化合物には、しばしば※印がついていて、これはコンプリヘンシブにすべてのものを言っているわけではない。ある種のという限定を入れます。そうすると、ある種の化合物というのは一体どれなのかという詰めが要るのか要らないのか。ニッケルの場合は若干特殊で、金属ニッケルとそれ以外では別のカテゴリーに入っています。例えばカドミウム及びその化合物というのは、出てくるのは有機の金属があったときにどうする、例えば鉛及びその化合物、有機の鉛はここに含まれているのかどうか。今度は仮に無機だと考えても、すべての無機の鉛はそれだけの情報がありますかという突きとめ、これは相手は無数にあるわけですから、オープンエンドではないかもしれませんが、それに近い定義の仕方になっていると思います。
○黒川委員長
 櫻井先生、いかがですか。
○櫻井委員
 ニッケルを例にとりますと、ニッケルの元素の発がん性というところまで、だれも確信を持って言えないと思うのですが、池田先生がおっしゃったように、ニッケル及びその化合物で、そういう化合物を挙げた場合に、そのうちのどれであるかははっきりしないという状況だと思います。もう一つ問題が複雑になるのは、恐らく金属ニッケルは感作性がありますので、これでいいと思います。下に書いてあるニッケルの化合物は、大体は吸入の場合の肺に対する発がん性が現実には問題になるかもしれないというようなこともあるわけですけれども、しかし、多分元素がそういう性質を持っているというふうに考えられ、あとその化合物の場合には、その相手によって物理化学的性状が違うので、あらわれ方が違ってくるということだろうと思います。元素そのものを環境に排出するということを考えますと、元素は分解されるわけではないということもありますので、これは現在のところ、ニッケル化合物として第1種で全部報告していただくのが適当であろうというふうに私は思います。
○鈴木委員長
 ニッケルを一括して、金属ニッケルとその他の化合物に分けるのに反対する理由はないのですが、ニッケルカルボニルが引っかかってこなかったのか。急性の毒性を問題にするのでしたら、ニッケルカルボニルが一番怖くて、ただし、発がん性ということになると不溶性の、むしろ粉塵型のものの方がきいたりするので、発がん性でくくったらニッケルカルボニルは落ちるかもしれないけれども、それでも一緒に入れておいてもいいでしょう。
○中西分科会長
 あれは、確か発がん性もありましたね。
○鈴木委員長
 それが大議論なんです。
○黒川委員長
 お答えはできましたか。
○事務局
 ニッケルカルボニルはニッケル化合物として見て良いのではなかろうかというふうに考えていたのですが。
○鈴木委員長
 いいと思いますよ。ただ、随分いろんな性質が違います。
○黒川委員長
 これは第1種でいくということですね。
○事務局
 参考資料の1を見ていただいて、ちょっと番号が入っていない部分があるので申し訳ないですけれども、まず、No42 nickel dioxide、それからNo57 nickel compounds、No61 Nickel insoluble compounds 、それから前に戻りますが、No22 Nickel monoxide、No43、49これらにつきましては全部一応化合物なのですが、発がん性がすべてクラス1と分類されております。メタルにつきましては、No 277ですがNickel metallicとして、これだけ発がん性のクラス2と分類されております。
○黒川委員長 
 補足説明ということですね。どうもありがとうございました。
 ほかに資料5に関してございますか。
○畠山委員
 資料5ではないのですが、資料4です。ちょっとだけお願いします。
 私、先ほど資料4でノニルフェノールについて1枚ものの資料を提出しまして、ごらんになっていただければ分かりやすいと思うのですけれども、クラス1に相当すると考えますと意見を申し述べたのですが、先ほどグループとしての一括するかどうかで、その後が曖昧になりまして、この場でちょっと確認していただきたいのですが、クラス1として扱うかどうかということです。
○黒川委員長
 先ほどAQUIREのデータということで、その取り扱いは検討を要する云々というふうになっていたので、ちょっと今すぐには、結論が出ないのかなと私は思っていたのですが。
○畠山委員
 これを見ますと、一つや二つの論文ではなくて、しかも、すれすれということでもなくて、十分低い値です。論文も、例えばウォーターリサーチとかかなり一流の論文もありますので、私の考えとしてクラス1ということでまとめさせていただいたわけです。これ以上は私からは特に言いません。
○中杉委員
 確かに検討していくとクラス1になるんだろうと思うのですけれども、畠山先生に検討していただいたのが、ノニルフェノールだけです。そういう意味では同じような検討をすれば、ほかにも全部入ってくるものがあるので、ここはあくまでも、元にあったデータから判断した方が良いのかなとも思いますけれども。
○事務局
 それも含めて、先ほどの物質群として扱った方がいいのか分けた方がいいのかというところで、座長の先生と専門の先生方に御相談をさせていただきたいと思います。
○黒川委員長
 データ自身とデータベースの問題がありそうですね。ちょっと時間をいただきたいと思います。
○事務局
 余りデータがないから外しましょうだけでは済まないと思いますので、本当に類似でも入れた方がいいというものも多分あると思いますので、そのあたりはまとめて御相談させていただきます。
○畠山委員
 データの数としては相当あります。
○黒川委員長
 はい。では資料5についてどうぞ。
○中西分科会長
 資料5についてニッケルをまとめるということは納得しましたが、そのほかの、もちろん毒性に詳しい先生方にヒ素とか、カドミウムなども全部そういう形で金属の化合物をまとめていいのかどうか。そういうおつもりで発言されているのか、それともニッケルだけのおつもりで発言されているのか、ちょっと教えて下さい。これは質問です。
○櫻井委員
 全部です。
○中西分科会長
 分かりました。ありがとうございます。
○池田委員
 各論になってしまって恐縮です。「その化合物」というのは有機、無機両方とも含むという理解でよろしいのですか。
○事務局
 ここで、あえて「無機化合物」というふうに書いていない場合には、有機も無機も含むという考え方です。2ページ目の一番下に「無機フッ素化合物」とございます。これはあえて無機に限定しているという意味で「無機」というふうに書かせていただきました。そこも含めて御検討いただければと思います。
○黒川委員長
 よろしゅうございますか。
○池田委員
 もしそうだとしますと、2番目のヒ素及びその化合物で、ヒ素の場合には有機のヒ素は毒性がどんどん下がるのです。だから、ちょっと別な扱いが要るかもしれないと思いました。これは座長会議に、もちろんお任せいたします。
○黒川委員長
 では、そういうことにさせていただきます。
○松本委員
 スズの化合物は12番の有機スズと20番のスズ及びその無機化合物と分けて書いてあるわけですけれども、これはやはりかなり毒性としては違うと思うのですけれども、そういう意味でこれはこういうふうに分けてあるのですか。なぜこういうことをお聞きするかというと、先ほど池田先生が有機、無機一緒なのかどうかと聞かれたのは、先ほどもちょっとおっしゃったけれども、鉛などでも、かなり有機と無機で違うのではないかと思いますが、鉛の場合は鉛及びその化合物となっていて、スズは丁寧に分けてある。私は整合性がないような印象を受けたのですけれども、そのあたりはどうなっているのでしょうか。
○事務局
 スズについては、作業環境の評価のところで、そこは無機に限定して、スズ及びその無機化合物ということでまとめて許容濃度が設定されており、有機については含まないという形でした。有機スズ化合物については、ここに挙げた物質について、それぞれ生態クラス1という別のデータがあったので、あえて分けさせていただいたということです。
○鈴木委員長
 言い出すとこの辺はいっぱい出てきます。例えば水銀の話も、無機の水銀、金属の水銀、有機の水銀、有機でもメチル水銀とその他等々分けて言い出すときりがない部分があるのですが、そういう意味では毒性の側から引っ張ってきていて検索をかけてやると、こういう乱雑な構造が起こってくるわけでありまして、ある意味では仕方のない部分があるとは思います。特殊な場合を別にして、金属とその化合物という形でくくり、それではまずい場合には、無機化合物、有機化合物をきちんと分けてみようというふうなやり方をとっていくしかないのかと思います。カルボニルみたいな化合物は、また別に扱わなくてはいけなくなったら、それは一つずつ外していって出していくというふうな整理の仕方をするしかないのではないか、そんなふうに思っています。
○黒川委員長
 ありがとうございました。
 それでは、資料6に移らせていただきます。御説明をどうぞ。
○事務局
 それでは資料6の方を説明させていただきます。
 資料6は個別に検討を要する物質として挙げさせていただいておりますが、こちらに挙げさせていただきましたのは、これまでの具体的な選定基準に当てはめますと基本的には挙がってくる物質でございます。一番上の過酸化水素でありますと、作業環境の3で製造・輸入区分量が10万トン以上ということで、挙がってくる物質でございますが、これは物質として不安定であるということて、環境中で長い間存在し得ないというように考えられる物質であります。
 以下同じような物質がこちらの方に挙げてございまして、備考のところにその性質が書いてございます。そして一番右の欄が案でございますが、今、過酸化水素で御説明したようように、環境中に余り存在し得ないと考えますので、これは事務局の案でございますが、具体的な選定基準では引っかかるが対象外としてはどうかというものでございます。
 以下同じような物質が並んでおりますが、17番にありますブチルヒドロキシアニソール (BHA)ですが、こちらだけは備考としての理由が違いまして、発がんのクラス2のみで挙がって、製造・輸入量区分ですと10トン以上ですので、選定基準に当てはめますと第2種になります。けれども、こちら発がんのクラスの問題ですが、厚生省の評価によりまして、ヒトに対する発がん性は認められないとなされておりますので、そういった意味で対象外としてはどうかということとなっております。説明としては以上でございます。
○黒川委員長
 諸々の理由がありそうですけれども、備考のところの問題で案としては対象外になっているということですね。いかがでしょうか。
○西原委員
 これには漏れているのですけれども、確かめてほしいのですが、最初言われていた臭素酸ナトリウム、あれも多分水の中に入ったら分解するのではないかと思うのですが、多分これもすぐ分解してしまうので、そういう意味では対象外になってもいいのではないかという気もします。
○黒川委員長
 その辺はどなたか。
○中西分科会長
 難しいのです。私もこの議論は余りよく知らない部分があって、定量的に分解するかどうかということがきちんと議論されているかどうかということは、ちょっと疑問に思います。これに取り上げられているものと、そうではないものとがある。臭素酸ナトリウムとかは確かに水の中で非常に早く分解すると思うのですが、いわゆる科学的なセンスでいうと、非常に分解性がいいものでも、環境のレベルでそれを分解するとして除いていいかどうかということに若干心配があります。
○西原委員
 データを調べていただければという意味でございます。確認して下さい。
○黒川委員長
 ちょっと預からせていただくということですか。
 ほかにいかがでしょうか。とりあえず、先に進ませていただきます。
 それでは、資料6まで一応終わったということで、一つのグループが終わったことになりますけれども、その先は資料7−1、いわゆる毒性が1クラス下の物質ということで、7−1と2と3と4は一緒に検討させていただきますので、よろしくお願いします。
○事務局
 資料7−1から4までまとめて御説明をさせていただきます。
 資料の7−1の方につきましては、頭のタイトルにございます経口、吸入、生態毒性につきまして、先ほど御議論いただきました資料1のクライテリアのさらにその1オーダー下のクラスのものをリストアップしたものでございます。基本的に表の見方自体、ソートの順番は少し違っておりますが、基本的にはそれぞれの、いわゆるクラス4(生態影響は「3」)ということでピックアップされております。
 それから、資料の7−2と7−3でございますが、こちらはいわゆる反復投与毒性試験のうち、1年未満のデータがあるで、作業上挙がってきたものでございます。表の見方といたしましては、動物種や投与期間などが入っておりまして、あと、いわゆるエンドポイントがNOAELかNOELか、LOAELかLOELかという別、その数値が幾つかということを記しております。一番右側の「分類」というところですが、ここに第1種、第2種と書き込んでいるものがございます。これは資料Noの2、3、4、5あたりで、第1種や第2種に、既にその他のいろいろな項目から候補に挙がってきているものです。ですから、例えば資料7−2の1行目、ヒドラジンという物質につきましては、亜急性についてはこういう知見があるのですが、一番右の方を見ていただきますと、分類として本日の資料の第1種のリストの中に既に入っているということです。資料の7−3の方につきましても、そういうまとめ方にしております。
 それから資料の7−4の方は、大変細かい字で申し訳ございませんが、急性毒性のデータ(LD50)が中心でございますが、その情報をリストとさせていただきました。やはり一番右側に分類としまして、既にこれまでの資料の中で、ほかの有害性項目による基本的考え方によりまして、既に1種の候補物質、あるいは2種の候補物質になっているものを示しております。
 資料7−1から7−4につきましては、こういう形でまとめさせていただきました。基本的な考え方という方法に基づきますと、今回これらの物質で1種や2種に既に入っているもの以外は対象物質としないということになります。基本的には、基本的考え方、選定方針に基づき、これらは対象外ということになろうかと思います。
○黒川委員長
 例えば資料7−2で4番までは右端に分類で1種ないし2種と書いてある。ということは、すでにノミネートされているわけですね。ですから、逆にいうと空いているところ、何にも書いていないところ、これを対象外としたいという意見だがどうかと聞かれているわけで、第1種、第2種というのは頭に入れなくてもいいということですね。
○事務局
 おっしゃるとおりでございます。
○黒川委員長
 備考が空欄になっている物質について、それぞれのエンドポイントから問題があるものに注目してお気づきならば発言いただくということですね。よろしいでしょうか。
 それでは、それぞれについて進めたいと思います。
○鈴木委員長
 復活折衝ですね。
○黒川委員長
 復活というのですか、より広い安全性をとった場合に、もしかしたらということぐらいでしょうか。7−1から、これはまた別な意味でしょうけれども。
○事務局
 補足説明で資料の7−1は1種、2種という欄がございませんが、基本的にこれは全部1種、2種には入っていないという読み方で、欄がなくて、どちらということが今先生方にお分かりいただけないと思うのですが、これは今の案では1種、2種にノミネートされてないという物質でございます。
○黒川委員長
 「4」という数字がその意味ですね。
○事務局
 そういうことです。
○内山委員
 確認ですが、7−1の4番の酸化亜鉛というのは、資料5の亜鉛化合物には入らない。逆に亜鉛化合物の中で酸化亜鉛を除くとしなければいけないのか。それからもう一つ確認は、7−1で「Y」とか、いわゆる環境に検出された物質が数物質ありますが、これは恐らく環境庁が何らかの理由で測った経緯があるのだろうと思うのですが、そのリストに挙がった経緯というものがもし分かりましたら教えていただきたいと思います。
○黒川委員長
 二つ御質問ですけれども、最初の方は。
○事務局
 4番の物質でございますが、これにつきましては、金属のまとめ方次第ではございますが、亜鉛及びその化合物という総称になりましたら入ると思いますし、ばらばらになっていったときには、酸化亜鉛が入るような指定というか、物質名であればその中に、あるいは読めないのであれば、その外にという形になろうかと思います。
○黒川委員長
 環境のことはそちらで。
○事務局
 モニタリングの物質リストを検討する際には、比較的幅広く生産量とか、有害性の情報とか、いろんな情報を考慮しておりますので、今日、御審議いただいたように、こういうふうに文章に残ってきちんとしたもので、何とか以上とかというように厳密には選定はしておりません。割と広めにというか、いろんな情報から幅広くとっているというように御理解をいただきたいと思います。暴露性とか有害性をある程度考慮しながら選んでいるということです。
○黒川委員長
 7−1ですけれども、ほかに。
 それでは、先にまいります。7−2に関していかがでしょうか。
○中西分科会長
 ちょっと質問がありますが、この亜急性というか、慢性とみなすというのはできないのかもしれないのですが、それでみなして基準に入る。同じに見てはいけないのでしょうけれども、それに照らせば基準に入るというものがかなりあると考えていいでしょうか。そのようなふうにも見えるのですが、それはもしかして全く違うものだからということであれば、それはそれで構いませんが、事務局よりも毒性の先生に見ていただいた方がいいかと、どなたか御意見を教えてください。
○黒川委員長
 林先生いかがでしょうか、今のコメントは。6か月ぐらいの試験もあって、それでNOEL、NOAELが低そうだけれども、これは機械的にやると1年未満の試験だから取り上げないことになっているけれども、なかには6か月で十分であるという話もあります。その辺について先生どうですか。
○林(裕)委員
 そのとおりだと思いますし、また逆に硝酸タリウムなんていうと0.26mg/kg/dayということで、これは非常に古いものだと思います。これは今の時点でやったら、もう少し長い期間試験すればもっと低い方に出てくるのではないか。非常に蓄積性があると思います。やはり6か月であったとしても、そのデータからもう少し長く延ばしたらもっと低くなるという可能性もあるので、古いものについては少し予測を加える必要もあるのではないかと思います。
○長谷川委員
 いろいろ短い試験と長い試験のNOAELなどを比較したことがあるのですが、少なくとも6か月の試験のNOAELが長い試験で値が高くなるということは、ほぼあり得ない話です。したがって、我々がちょっと長期に外挿するときには、3か月ぐらいの試験から行っているわけですので、この数字が短いから使わないというのは全く本末転倒の話で、短い試験でNOAELがかなり高いのだけれども、物性によってはかなり低くなの可能性があるという、そういうスタンスでものを考えるべきではないかと思います。
○中西分科会長
 そうしますと、事務局の方にお願いしたいのですが、生産量の方の区分で入ってきて、なおかつ毒性値でも慢性毒性とみなしたときに入ってくるものは、どれとどれで、幾つぐらいになるのでしょうか。
○事務局
 例えば資料7−2で5番については非常にNOAELが低いですが、生産量が10トンということで、いわゆる100トンという生産量の基準には満たしておりません。その下の6番のメタクリル酸につきましてはNOAELが低く、生産量についても100トン以上というもので、これは数字と生産量ということからいきますと対象となります。一番右側の空欄のところを見ていただくと手っとり早いと思いますが、第1種、第2種と書いてある欄が何も入っていないというところを見て下さい。9番の物質についても0.12、これはLOELですが、生産量が100トンです。こういう形になろうかと思います。数物質ピックアップされてくると思います。
○中西分科会長
 何番と何番か分かりませんか。
○事務局
 今申し上げます。1ページをごらんいただければ、5番、6番、それから9番。
○中西分科会長
 5番はバツですね。
○事務局
 いわゆる2種となります。10トン以上ですので。
○中西分科会長
 2種に入るわけですね。
○事務局
 はい。
○中西分科会長
 6番が1種ですか。
○事務局
 はい。9番が1種、11番が2種。
○中西分科会長
 11番は2種に入りますか。
○事務局
 はい。13番が2種、それから20番が2種、22番が1種、戻りまして、一部訂正させていただきます。5番農薬のところで10トンと書いておりますので、農薬であれば1種の扱いになろうかと思います。それから、ちょっと判断に悩みますが、次のページの2行目、30番はNOELが1.2より小さいという報告になって、100トンでございますので、基本的ルールからいうと、lmg/kgのNOEL、NOAELで判断しておりますが、1.2 より小さいというのはどう評価するかと。
○中西分科会長
 一応1種にしておきましょうか。要するに29はバツですね。
○事務局
 29は10トンですから、1mg/kgで10トンですから、ここも2種です。再度確認しますが、そういう物質がノミネートといいますか、浮かび上がってくるかとは思います。
○中西分科会長
 数とかが分からないと判断のしようがないですね。そういうところをちゃんとやっていただいてないのですか。もし入れるとすればという議論はしていないのですか。どれとどれが挙がってくるか、ものすごい数がこれで挙がってくるとすれば別ですし、ある程度の限られた数であれば、これを入れてしまおうということになりますね。
○事務局
 ここのリストで合致してくる部分につきましては、この資料は毒性の数値順ですから、今申し上げたものについてのみになります。
○中西分科会長
 あとは関係ないということですね。
○事務局
 はい。
○中西分科会長
 分かりました。ということは、これは入れてしまうということでいかがでしょうか。
○石井委員
 質問があるのですけれども、「1年未満」の毒性データですと書いてあるのですけれども、例えば27番は既に1種になっていますが、2,4-DなんてNOAELは90日のデータではなくて、もっと長期のデータはちゃんとあるはずではありませんか。ADIも出ていますし。
○黒川委員長
 機械的に出てきたのですか。
○事務局
 農薬の表がまた別にありますので、2,4-Dの方はそちらの方で挙がっているかと思います。こちらはその農薬のデータを除いた一覧表になっているということです。
○石井委員
 それを見なければ分からないわけですか。
○事務局
 第1種と書かれているものはほかのリストがあり、重複という意味です。
○中西分科会長
 選ばれているわけですか。
○事務局
 重複しているという意味です。このデータもあるということです。
○石井委員
 ついでながら言いますと、9番のアセフェートもそうですね。90日のデータだけというわけはないです。ちゃんとデータがあるのだけれども、何で入っていないのですか。
○黒川委員長
 9番ですか。
○石井委員
 これはきちんと慢性毒性から全部評価してあるというものです。だから、この数字で1種というのもおかしいし、この表はそのあたりで、かなり混乱があるように思います。
○中西分科会長
 任せていただくということで、よろしいですか。
○黒川委員長
 ちょっと見直していただくということにします。
○櫻井委員
 農薬以外のものは入れておいた方がいいだろうと思います。
○事務局
 今の委員の御指摘は、いわゆる亜急性毒性のデータだけではなくて、慢性毒性のデータもあって、慢性毒性の方が基本的ルールでクライテリアに届いていなければ、今回は対象外としても差し支えないということですね。ただし、慢性毒性が今回このリスト、あるいは参考資料の中には入っておらず、亜急性毒性だけがつかまっている場合には、いわゆるNOAEL、NOELなどを先ほど御意見ありましたようなやり方で挙げてみてはどうかというような整理でよろしいでしょうか。
○黒川委員長
 そう思いますけれども、石井先生よろしいですか。
○石井委員
 はい。
○事務局
 そのときは、期間は28日間から90日間と非常にばらついているのですが、すべて一律28日間も含めて入れてよろしいでしょうか。
○黒川委員長
 長谷川先生、そのあたりはどうですか。
○長谷川委員
 短い試験もしっかりやられていれば当然だと思います。ついでに、今ギリギリところというのが34番とか、42番というのがありますけれども、これは厚生省でやった試験ということになっていまして、これはOECDでの評価が済んでいます。この2件につきましては、ここにはこういうふうに書いてありますが、基本的にはオスのラットに特異的なα2uグロブリンに由来するであろう腎毒性に基づいて、こういう値になっていますので、いわゆるNOAELはこの数字よりも高いということでございます。
○黒川委員長
 追加が七つ八つあるようですけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、先へ進ませていただいて、7−3についてのコメントをいただきますか。反復吸入毒性、これも空欄は結構ありますね。これも中西先生がおっしゃっている同じ原理でお願いします。
○事務局
 長期毒性と同じクライテリアで見ていきますと、資料7−3の1ページ目ですが、9番の三塩化シアヌルが1種になってきます。続いて13番のヘキサメチレンジアミンも1種になってきます。続いて14番、硫化水素ですが、こちらは、先ほど外すものという方のリストにあり、硫化水素は天然物ですので外れると思います。
 それから18番の3,3-ジメチル-4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタンですが、これは2種になってきます。次のページにいきまして、22番の塩酸ですが、これも引っかかってきますが、先ほどの外す物質のリストの方で、外すということで御了解いただきましたので外れてくると思います。28番のテレフタル酸ですが、こちらは1種になってきます。あともう一つ、46番のメタクリル酸、こちらもLOELで72.95ですので1種になります。ほかのものは、外れてくるということになります。
○清水委員
 3ページの53番塩化メチルというのは、参考資料の方の2番の3ページのところに、いわゆるガス状物質として0.1 %で変異原性が出てくるということですが、これも外してしまってよろしいのかどうか。
○事務局
 事務局の手違いでございまして、ここに第1種というふうに入れていただきたいと思います。資料2に既に入っております。もう1点だけ訂正させていただきます。資料の7−2の120番ですけれども、これは逆でございまして、右側に第1種と書いてありますが、これはなし、空欄でございます。失礼しました。
○中杉委員
 そういう意味でいくと、ミスが多いように思いますので、もう少し精査をしていただきたいと思います。ちょっと気になったのが、資料7−2の34番のアゾビスイソブチロニトリルは、たしか1種としてリストアップされていると思いますので、もう少し全体を見直していただければと思います。
○黒川委員長
 そういうことでお願いします。7−3について、御意見はございませんか。
 それでは、7−4の急性毒性の表をごらんください。
○櫻井委員
 急性毒性が強いもので製造・輸入量が多いものはチェックしましょうという話でこういうリストを作っていただいたと思います。今、空欄になっている物質で、製造・輸入量の多いところをちょっと見ました。27番のSodium-fiuorideとか、47番のAluminum-fluorideは、先ほどフッ素化合物をまとめて入れようということになりましたので、これは第1種ということになるのだろうと思います。それ以外のところは私が見ていて、これは問題だというのは今のところございません。皆さんに見ていただいて気になるというものがあれば検討するということだと思います。
○黒川委員長
 ありがとうございました。ほかに、いかがでしょうか。
○宮本委員
 動物種「mus」 、これはマウスのことでしょうね。ラットのデータというのはほとんどないけれども、そういう引き方をなさったのですか。
○事務局
 引き方としてはいろんな動物種を見たのですが、一応数値が一番低いものを選んでくると、ほとんどマウスになるという結果であったということです。
○黒川委員長
 1例ありました。ラットがどこかにありました。
○事務局
 例えば、言い訳がましいのかもしれませんが、吸入になりちょっと違いますが、66番に一応ラットが入っております。
○黒川委員長
 4種類もバタバタとやりましたけれども、資料7−1から4までもう一度振り返っていかがでしょうか。追加して対象に含めるということで。
○池田委員
 先ほど天然物だということで外した硫化水素ですが、確かに温泉にもあるのですけれども、ヒトが不安を覚える濃度というのがどれぐらいなのかというのはお分かりでしょうか。あるいは実際の生産工程でどれぐらいのリークがあって、地域住民とのコンフリクトの対象になるのか、そのあたりの判断はいかがでしょうか。
○黒川委員長
 今は、ちょっと分かりかねますか。
○事務局
 ちょっとすみません。個別のところは今すぐ具体の情報が出てこないのですが。
○黒川委員長
 ほかにございますか。
 それでは、ないようでございますので、今御指摘いただいた物質について対象物質とするという線でいきたいと思います。
○事務局
 7−2と7−3から出てくる物質を念のため確認させていただきたいですが、よろしいでしょうか。
 もう一度事務局の方でもチェックをさせていただきますが、いわゆる農薬の方で慢性毒性があるようなものについては、そちらのデータでの取り扱いに委ねるということで、資料7−2の方は、5番のリン化アルミニウムが1種。6番のメタクリル酸が1種。9番のアセフェート、これは農薬でございまして、農薬の方のADIの方でランクが「4」ということになっておりまして、これはそちらの方を優先ということであれば対象から外れる。それから11番硝酸タリウム、これは2種。それから13番のm-ジニトロベンゼン、これは2種。それから20番のシロマジン、これはやはり農薬でございまして、農薬のADIの方がございまして、それによりますと0.018mg/kg/dayということで、基本的考え方のクラス分けでいきますと、クラスの「4」ということになりますので、慢性毒性から見て対象外という整理になろうかと思います。それから22番のデカブロモジフェニルエーテル、こちらが1種。次のページの29番のエチルアニリン、これが2種。それから30番のメルカプトベンズイミダゾールにつきましては1種ということになります。さらに再度チェックを事務局の方でさせていただきたいと思います。
○池田委員
 34番は。
○事務局
 34番は第1種のリストに入っておりましたので、第1種と右側に書いていただいて結構です。
○事務局
 それから資料7−3の方でございますが、9番トリクロロ-1,3,5- トリアジン、こちらが1種。それから13番のヘキサメチレンジアミン、こちらが1種。18番の3,3'- ジメチル-4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、こちらが2種。それから28番のテレフタル酸、これが1種。それから46番メタクリル酸、これは先ほども入っておりました。ここの整理でも1種ということになります。
 事務局の方で再度チェックいたしまして、さらに該当するものがあれば、また座長の先生方に御連絡をさせていただきたいと思います。
○中杉委員
 今のチェックは生産量というか、使用量の方だけのチェックなので、もう一つの環境検出の方も突き合わせてやる必要があると思います。2か所、1か所というものですが。
○事務局
 かしこまりました。
○黒川委員長
 それでは、一応資料についての検討は全部済んだという解釈でございます。
○池田委員
 7−3の53、これも先ほどと同じで採用すれば1種、そういう意味ですね。
○事務局
 7−3の53番は記載落ちで、既に第1種に入っているということでございます。失礼しました。
○黒川委員長
 それでは、今日の資料のうち、御討議、御審議いただくものについては終わりました。訂正分は事務局の方でお願いいたします。
○事務局
 先ほど変異原の方でガス体をということと、それから染色体異常試験が強いものについて0.01でということで、ちょっと会議の間で作業をしてもらいました。染色体異常試験を0.01で、かつAmes試験が陽性というものについてソートしましたところ、それに該当するものはないといいますか、あるのですけれども、既に1種なり、2種でノミネートされている物質でございますので、その点での追加物質はないと思います。
 気体の方のデータは参考資料の2の3ページ目、枚数にすると2枚目になりますが、それの定量的変異原性データの一番後ろの方、59番からが気体のデータになっております。このうち、既に1種にノミネートされているものもございまして、あと生産数量が非常に少なくて空欄になっているというものもございます。順番に申し上げますと、59番は1種に入っております。60番も入っております。61番は今のところ入っておりません。62番も入っていないと思います。63番は生産数量がございません。64番は塩化メチルで入っていました。65番は生産量が引っかかっておりません。66番が1種に入っております。ということで気体の変異原性という点で見ますと、61番と62番について、これをガス体の変異原ということでピックアップした方がいいかどうか、御意見をいただきたく思います。
○黒川委員長
 清水先生、いかがでしょうか。
○清水委員
 定量的な評価は非常に難しいですけれども、非常に低濃度で変異原性が出るということになるかと思います。ですから、それを評価するかどうかということだと思うのですが、あとは使用状況ではないかと思います。労働省の場合には労働環境ということで、高濃度暴露ですから、そういうようなことで試験をしたところ、非常に低濃度で出てきたということで、一般環境で、こういうものにもし暴露するとすれば、かなり低濃度に変異原性が出るということで、それをどういうふうに取り扱うかということではないかと思います。
○櫻井委員
 monosilaneとジボランなどは極めて急性毒性が強烈で、厳重に管理されておりまして、これが周辺に漏れて長く存在するということは考えられないと思います。
○西原委員
 そういう意味ではホスゲンなんか入っているのですけれども、環境中で水なんか入ったらすぐ壊れます。輸送中に引っ繰り返ったというふうなこと等を考えたら怖いですがね。
○事務局
 monosilaneの方は今のお話でいくと入れなくていいということでまとめさせていただいて、クロロエタンの方はいかがでしょうか。Amesの比活性値の方は0.9%で陽性、染色体の方は44%と非常に高いものではございますが、このあたりを御判断いただければと思います。
○櫻井委員
 MSDSがなくていいかというと、monosilaneとか、ジボランがあって当然だという気もいたします。PRTRにはなじまないという気がいたします。あるいは入れてもいいのか迷いが出てまいりました。
○事務局
 今の点につきましては、作業環境中での暴露による危険性を回避するためのMSDSというと、今労働省で検討しております。そういった観点で見ていただいて、monosilaneというのは、多分外へ出れば、すぐ燃えてしまいますので、環境中では存在し得ないということで、環境での悪影響を未然防止するという、この法律ではなじまないのかというふうに考えております。
○黒川委員長
 そんなところでどうでしょうか。
○中西分科会長
 ちょっと清水先生にお伺いしたいですが、クロロエタン44%という値から考えると、ここでは採用しないという方でよろしいかという感じもするのですけれども、よろしいですか、だめですか。
○清水委員
 これは染色体異常試験の方で、どの程度細胞にうまく取り込んでくれているかということではないかと思います。バクテリアとほ乳類の細胞と異なります。林先生いかがでしょうか。
○林(眞)委員
 確かに清水先生のおっしゃったように、44%といいましても実験条件により全然違います。本当に気体に暴露するような条件下で試験をされたのか、そのまま普通に、単にガスを培養びんの中に封じ込めたのかで意味合いはかなり違ってくると思うので、この辺は少し元のデータまでさかのぼらないと何とも言えないような状況だと思いますが。
○中西分科会長
 それでは、私の提案ですけれども、このデータしかない限りでは一応採用しないと。もうちょっと何かあれば考えるということでよろしいでしょうか。
○林(眞)委員
 この場合、この前のエームスの方の0.9%というところでもう既に陽性の結果が出ているというふうに見ますと、先ほど清水先生がおっしゃったように、気体でかなり低いところから陽性の反応があるということにもなろうかと思うのですが。
○中西分科会長
 それを考えて採用した方がいいと、はい、分かりました。
○事務局
 そういたしますと、これは1,000トンの製造・輸入区分になりますので、1種の方に含めさせていただくと整理させていただきます。
○黒川委員長
 ほかにございますか。
 御討論は終わったということで、今後の予定について御説明ください。
○村上室長
 本日は長時間にわたりまして、詳細にわたる御議論をありがとうございました。本日御指示いただきました、例えばどの物質についてグループ化するかについては、事務局の側では、混合物として流通しているようなものもあり、グループとして指定した方がいいと思われるものも存在いたしますので、それにつきましては、再整理させていただきます。
 それから先ほど御確認させていただきましたが、資料の7−2、7−3に掲載されているもののうちから、第1種、第2種に指定すべきとされたものについては、それらを再整理いたしまして、第1種のリスト、第2種のリストを再度つくり直させていただきます。
 それから個別品目として、ノニルフェノール等について御指摘がございましたが、これらにつきましても再整理させていただきまして、座長の先生方に御確認の上、必要があれば御専門の委員の御意見をお聞きしていただいた上で、取りまとめさせていただきたいと思います。
 今後の予定でありますが、そのようにして取りまとめがうまくいったという前提で、それぞれの専門委員会からそれぞれの部会に御報告をいただきまして、部会で御審議をいただく予定としております。今の私どもの心づもりでは、各部会の開催はこれからの作業がうまくいけばという前提ではございますけれども、中央環境審議会及び化学品審議会につきましては、今月16日の午前中に合同で開かれる予定となっておりまして、また厚生省の生活環境審議会につきましては、同じ日の午後に開催をさせていただく予定にしております。その後、各部会で御了解いただいたリスト案を公表させていただきまして、パブリックコメントをいただこうという予定にしております。寄せられたパブリックコメントの内容を見ながら、再度この合同の委員会で対象物質リストの最終的な御判断をいただければと考えております。今後の予定については以上でございます。
○黒川委員長
 時期的には、どうなりますか。
○村上室長
 パブリックコメントをいただいた後ということになりますので、来年の1月下旬に予定をしております。
 それでは、本日は膨大な資料につきまして御検討いただき大変ありがとうございました。1月下旬と申し上げましたけれども、日程につきましては、各委員の先生方の御予定をお伺いいたしまして、追って御連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○黒川委員長
 それでは、長時間どうもありがとうございました。これで閉会にいたします。
                                    (了)