中央環境審議会第83回企画政策部会議事要旨


<日時>平成12年9月6日(水)14:00〜17:10

<場所>KKRホテル東京 瑞宝の間

<出席>

森嶌部会長、安原部会長代理、浅野委員、天野委員、出井委員、小野委員、神林委員、小粥委員、小澤委員、佐竹委員、佐和委員、塩田委員、星野委員、松原委員、三橋委員、宮本委員、村岡委員、村杉委員、谷田部委員、湯川委員、渡辺委員、猿田特別委員、桝井特別委員、横山特別委員、武内専門委員、寺門専門委員、湊専門委員

事務次官、企画調整局長、大気保全局長、環境保健部長、官房審議官、企画調整局企画調整課長、水質保全局企画課長、企画調整局調査企画室長、企画調整局環境計画課長、企画調整局環境計画課計画官

<議題>

(1)環境基本計画見直しについて
(2)その他

<配付資料>

資料  新環境基本計画中間とりまとめ案

<議事経過>

事務局から資料「新環境基本計画中間とりまとめ案」について説明後、議論

1 第3部第1章第1節(地球温暖化対策)について

【浅野委員】
・今の表現では、唐突に「戦略的プログラム」という言葉が出てくるという感じがするので、今までの議論の経過を踏まえて、なぜ「戦略的プログラム」という表現を使わなければならないかを書き込んでほしい。
・※3080前段の括弧書きになっている部分は、このまま括弧を取って良いのではないか。また、後段の「柔軟性を持たせることが必要」という部分も、小委員会での「柔軟性を持たせながら義務の遵守を図ることが必要」という天野委員からの提案を含めた修正を加えた上で、括弧を外してはどうか。
・※3079の「京都議定書の目標を遵守ために必要な国内制度の整備構築を図る」という部分については、「今後の国際交渉の進展や現行施策の評価も踏まえつつ」という表現を入れ、「COP6後に必要に応じて見直し」する際に検討することとしてはどうか。
・※3079に「京都議定書が批准可能になった場合」という限定を入れるという意見は、我が国の政府のスタンスからみて適当でないので、賛成できない。

【森嶌部会長】
・「戦略的プログラム」という表現が唐突に出て来るというのは指摘のとおりであり、何が「戦略的プログラム」なのかということを明確に記述すべき。小委員会ではどういった議論があったのか。

【浅野委員】
・「戦略的」については、重点的に取り組むこと以上に、解決すべき課題をプログラムをつくりこなしていくという発想が必要だということで、「ストラテジー」という言葉が良いという議論だったと思う。

【森嶌部会長】
・戦略的プログラムの中には、重点的に取り組む課題が並べてあるだけで、手順が何も書いてない節が多い。全面的に書き改めることは困難だとしても、本箇所の記述について、タイトルが的確かについても含め検討したい。

【浅野委員】
・最初の6つの「戦略的プログラム」は課題で、その後のは、手段を記述しているが、位置づけがわかりづらいので、書き分けるべき。

【横山委員】
・※3056の原子力についての記述について、地球温暖化対策に関する基本方針の記述に沿う表現であるとのことだが、基本方針が決まった後にJCOの事故が起こっているのであり、その辺を抜きにして記述するのは適切ではないのではないか。また、原子力についての同じ記述が、※127と※140にも出てくるので、整理すべきではないか。
・京都会議については西暦で、日本の法律は和暦で記述されているが、整理してはどうか。

【森嶌部会長】
・西暦と和暦については整理する。
・原子力に関して同じ表現が何度も出てくる点については、この表現だけではなく、同じようなことを何カ所も記述する必要があるのかといった観点から検討することとする。
・環境基本計画は国の計画なので、こちらで新たな政策提言をする以外は、他の国の計画と整合性をとる必要であり、従来の政策を記述する場合には、従来の政策を記述せざるを得ない。また、放射線に関わる事項は環境基本法の管轄外であり、直接関わっていない分野について新たな方向性を出すことは審議会としては適当でないと返答せざるを得ない。

【湯川委員】
・※3056の「国民的議論を行い、国民の理解を得つつ進める」という記述をもっといろいろなところに入れてほしい。※3938の部分にも、住民投票が無視されている場合もあるので、せめて「国民の理解を得つつ」を入れて、「処理処分対策等を充実させつつ、国民の理解を得つつ、安全性の確保を前提として進める」としてほしい。

【佐和委員】
・※3068の冒頭「京都議定書に定められた」という部分は何に係るのかわかりにくい。前のいくつかのパラグラフで「京都議定書」という言葉が出てくるので、「京都議定書に定められた」という言葉は除いた方がいいのではないか。
・「データの品質保証、品質管理」は、あまり用いられない表現であり、データを整備充実させるとか、精度を向上させるとか、できるだけ遅れなく公表する等と書くべき。
・「不確実性低減のための取組」というのは何の不確実性を低減させるための取組なのか。

【地球環境部】
・「京都議定書に定められた」は、「排出権による吸収量の算定」の部分に係るが、確かに大変わかりづらい表現になってしまっている。
・品質保証、品質管理については、確かに日本語としてなじんでいないが、考え方としては、京都議定書の実施を検討中の国際的な議論の中で、非常に重要な概念として「quality assurance(品質保証)」とか「quality control(品質管理)」、「uncertainty」は、不確実性の低減と、3つの概念が、今後の各国の温室効果ガスのデータをいかに比較可能で正確なものにしていくかという上で、非常に大事な概念となっている。

【佐和委員】
・「uncertainty」は、「不確実性」というよりは、誤差を少なくする、「精度向上」ということではないか。

【谷田部委員】
・※3053の「高潮の頻発、熱帯病などの発生率の増加等の健康影響の可能性がある」について、実際問題として判断しづらいが、既にニューヨークで熱帯病が話題になっており、影響が出始めている部分も出てくると思うので、「その可能性」ではなくて、「その懸念が既に出始めている」のような記述をしてはどうか。

【湊委員】
・何が戦略的プログラムかよくわからないので、戦略的プログラムの意味を書いてほしい。
・各戦略的プログラムの「現状と課題」「目標」等の見出しの付け方を見てもばらばらなので、しっかりまとめてほしい。特に、「目標」の有無は、物事によって書やすさに差異はあるが、表現の視点が変わってくるのは好ましくないので、体系的に検討してほしい。

【森嶌部会長】
・全体を見て、整理することとしたい。

【天野委員】
・※3057に「6%削減目標を達成することには困難を伴い」とあるが、これは、困難だからしないのか、困難だから一層やろうというのか、紛らわしい表現であるので、表現を変えてほしい。

2 第3部第1章第2節(物質循環の確保と循環型社会の形成に向けた取組)について

【寺門委員】
・※3105に「施策の具体的な目標として、数値目標を盛り込み」とあるが、数値目標の設定は非常に困難であり、もう少し柔軟性のあるやり方を念頭におく必要があるのではないか。

【長尾水質保全局企画課長】
・政府の中の取組として、昨年の9月にダイオキシン閣僚会議において、廃棄物の減量化目標を決めたことがある。今後、循環基本計画を策定する過程でも、そういったこと等もベースにしながら、循環資源全体について目標を作っていきたい。施策の根っこになるようなものなので、何らかの目標があった方が推進力になると考えている。

【渡辺委員】
・環境基本計画全体の分野を通じて、廃棄物対策、リサイクル対策の分野が一番数値目標になじむのではないか。再生資源利用促進法でも、再生率を決める規定があり、また、検討チームの報告書の中にもいろいろな数字が掲げてある。可能な分野では目標を掲げて、年の経過とともにそれがどれだけ達成され、達成されなかった場合に、その原因を見極めて、また新たな手を打つということが必要であり、それがなじむ分野だと思う。

【森嶌部会長】
・循環型社会形成に向けて目標をつくれとあると、あまりにも広くて、いろいろな条件があるではないかという意見が出るのはやむを得ないかと思うが、この箇所の趣旨は、第2文と合わせて読んで、今ある廃棄物処理法を広げていけと読めるのではないか。

【寺門委員】
・現実の施策として、例えば家電ではリサイクル率についての目標のように、現実にそういう目標に向かって、ルールが決まって、それに向かってやっているものがあり、なじむものはあり、数値目標がいけないわけではない。循環型社会形成推進基本計画の中の数値目標となると、非常に大きな、全体に関わる数値で、不確定要素が非常に多いことになり、非常に難しくわかりにくい。

【佐和委員】
・「社会経済」「経済社会」はすべて「経済社会」に統一したと事務局から説明があったが、普通、社会と経済との関係は、経済は社会のサブセットで、広いものを上にもってくるのが普通なので、「経済社会システム」というよりは、「社会経済システム」という方が自然ではないか。

【浅野委員】
・「社会経済」という言葉は、環境基本法の3条に出ており、前回の計画でも前半の抽象的な議論では「社会経済」だったのが、第1章で突如として逆になって「経済社会システム」という言葉が、議論されず出てきたままで、根拠はないと思う。

【長尾水質保全局企画課長】
・「経済社会」「社会経済」、日本語としてどちらが適当か検討する。

【浅野委員】
・重複を避けるように削ったもらったが、※3102の「現状と課題」で危機感が出ている割には、※107の「環境の現状」は比較的のどかな書き方なってしまっている。底は、もう少し危機感を強調した書き方にして後につなげる必要がある。

【谷田部委員】
・※3112の「ミレニアム・プロジェクトの活用を図りつつ」とあるが、これは5年程度の時限的なものだったと思うが、この「活用を図りつつ」というのはどういう意味か。
・※3123で、「教育・学習の振興」について、日常生活が原因で起きていることとすればよいのに、「自らの日常的な活動に起因して問題が生じている」という難しい書き方をするのはなぜか。
・※3125の「人材の育成」は、当たり前のことしか記述されていないのでもう少し工夫必要だと思う。※3127も、「科学技術の振興」という割に、迫力が少ないと感じる。

【長尾水質保全局企画課長】
・※3112の「ミレニアム・プロジェクト」は、平成12年度から官邸の肝入りでやっている事業であり、循環型社会の関係についても、大規模な調査研究をやるなど取組を行っており、宣伝の意味も込めて、記述したものである。
・「教育・学習の振興」については、廃棄物・リサイクル問題は、住民、国民、事業者、各日常的な活動がいろいろな問題を起こしていることは、非常に重要な認識なので、こうした記述になったものである。
・人材、科学技術は、重要な問題で、記述が不足という指摘については、今まで以上にできるだけ具体化するように考える。

【森嶌部会長】
・いいことを記述してあっても、何をやっていいのかわからないのでは、「戦略的プログラム」にはならないので、工夫をしてほしい。

【天野委員】
・「ミレニアム・プロジェクト」は面白い研究対象であるが、重要なのは継続的にそういう成果がずっと引き続いて行われることであって、そういうのが欠けているからかなり長期の環境政策策定も難しくなるような面もあると考える。
・同じようなこと記述している※3795の「環境統計」では「検討する」と記述しているが、ミレニアム・プロジェクトみたいな短期のところでは大いに宣伝して、長期的に必要なところは「検討する」では、全然つじつまが合わないので、短期にも長期にも大事だという表現にしてほしい。

【三橋委員】
・※3112の「IT化の進展を踏まえ」という表現が抽象的であり、「IT化の進展による省エネ・省資源効果などを踏まえ」等、もう少し具体的に表現してはどうか。

【長尾水質保全局企画課長】
・「IT化」とは、リアルタイムで情報が提供されるとか、あるいは双方向でコミュニケーションができるといった新しい機能も込めて「IT化」というものの期待を表現した。

【三橋委員】
・そういうことは初歩的な問題で、おそらくこの5年間の計画の中では、IT化が進展し、それが引き起こす経済社会の変化を視点にしないと、「IT化の進展」の意味が古くなる。

【森嶌部会長】
・ITそのものが循環型社会にどういうインパクトをもたらすか。これに対し、ここの文章は、IT化が情報収集、分析に役立つという視点であり、指摘とは違う視点なので、指摘のあった視点についても検討してほしい。

3 第3部第1章第3節(環境への負荷の少ない交通に向けた取組)について

【塩田委員】
・※3162の「都市部において、円滑な交通流を確保するための道路構造の改善」と記述されているが、都市部の交通流の一番の問題点は、交差点だと思うので、例えば「交差点における道路構造と信号システムの改善」のようなことも具体的に指摘すべきではないか。
・また、交通全般に関して、一番理想的な姿は高度道路交通システム(ITS)で解決することだが、もっと手近で、例えば歩行者の量に応じて、直進・右左折の方式を変えるような信号システムを検討することや、道路交通情報を照会者に希望する地域ごとによりきめ細かい形で提供することによる交通流の改善方策も検討すべき。

【村杉委員】
・※3165や※3168で、「国民」と「市民」がばらばらに使われているので、言葉の統一をしてほしい。

4 第3部第1章第4節(環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組)について

【武内委員】
・水循環に関しては、治水、利水という観点の水の循環とともに、生態系あるいは親水、人と水とのふれあいといった観点が重要であるが、後者の視点が、「現状認識」や「施策の基本的方向」では出てくるが、「目標」や「今後の重点的取組事項」では出てこないので、そういう観点での記述が必要ではないか。

【佐竹委員】
・※3210の「それぞれの流域の状況に応じた目標を設定する」とはわかりやすい表現ではあるが、地下水、表流水を含めた主要水系ごとの循環率のような目標設定は、大変難しいのではないか。

【長尾水質保全局企画課長】
・水循環ということを考える時に、水量だけではなくて、水質とか水生生物とか水辺地等の視点も重要と考えている。「それぞれの流域の状況に応じた」という言葉は、それぞれの流域の状況に応じて適切な目標をつくることが重要であるという趣旨で、同様に水量の目標が各地でなければいけないという趣旨ではない。

【佐竹委員】
・少なくとも水量の問題も入ってくると思うので、河川ごとに具体的内容が違うのは当然であるが、もう少し具体的にイメージが固まらないと、実際に行政の場に下ろした時にこなせないと思う。
・特に、※3210の文章で「高度経済成長始動時の昭和30年頃の水循環が持っていた恩恵が参考になる」という表現は、小委員会での高橋先生の発言だと思うが、最後に「それぞれの流域の状況に応じた目標を設定する」とまで言い切って、先生の意図に沿っているのか確認してほしい。

5 第3部第1章第5節(化学物質対策の推進)について

【小野委員】
・化学物質対策の中で、殺草剤が、生物的にどのような影響があるかを含めて、農薬の問題をどのように扱うのか触れておく必要があるのではないか。

【西尾環境保健部長】
・化学物質については、全体として、リスク評価をしていくこと、リスク管理とコミュニケーションが大事であるということを基調に記述しており、その中には内分泌かく乱物質だけでなく、農薬も含んでいる。
・確かに第3部第5節で具体的な例示はないが、第3部第2章第1節5以降には、※3705で「農薬の生態影響評価手法の具体的なあり方について検討を進める。」と記述する等、農薬の問題についても、多くの化学物質の中の重要なファクターとの認識で取り組んでいる。

【猿田委員】
・最近、土壌や河川水などの分析結果から、昔、農薬の使用が禁止されて投棄されたものが現在土壌汚染などを起こして、それらが流出しているという疑いがもたれているが、例えば※3260の「汚染土壌」では、農薬はあまり意識していないように見えるので、そういうもののチェックシステムのようなものをどこかで指摘しておくべき。

6 第3部第1章第6節(生物多様性の保全)について

【武内委員】
・※3311の「生物多様性情報の整備」に関して、生物分布のデータ整備という観点をぜひ強調していただきたい。

【小野委員】
・生物分布の整備については、ホットスポットの議論も行われたが、データ不足のため、※3311の表現となっている。各県で出版されている動植物のレッドデータブックの資料等を整備するなどの対応も考えられる。

【森嶌部会長】
・生息地の減少、分断、劣化は、日本の山林政策や都市開発政策等の他の政策との関係で引き起こされるが、こうした政策に関して、どのようにコントロールできるかについて、生物多様性の立場から記述する必要はないか。

【小野委員】
・例えば都市がどんどん拡張するとか、高速道路がどれぐらい伸びてきたとか、そういうことと生物多様性がどう結びつくかということはあると思うが、資料として整っていないため記述できなかった。

【森嶌部会長】
・「戦略的」と名付けるからには、データがないにしても、都市が広がってきた、道路が広がってきた、山林の手を入れる人がいなくなったことに対し、国あるいは林業者、市民としては、何をすればいいかというのを記述すべきと感じた。

【小野委員】
・まさに戦略的にはそれをしっかり書かないといけないと思っている。例えば陸地、沿岸、河川、河口、そういうものの現状が一応書いてあるが、その中でどういうところをこれから守っていけば生物多様性は保持できるのかということを検討して、書くなら書いた方がいいと感じる。

【武内委員】
・総合的環境指標検討会で、当初、DSRフレームワークを作ることを議論していたが、その議論が今の話とつながるものである。これについてもできればもう少し議論をした方がいいと思っている。

【小林官房審議官】
・確かにこれから戦略として自然環境保全をしていくためには、各種施策との調整が一番肝心だと思うが、戦略プログラムの中では、多種多様な自然環境に対してどういう調整をとっていくかということを一概的に書くことが難しかったために、積極的に進めていく方だけを戦略的プログラムで記述し、それぞれの事業における考え方については、第3部第2章の※3713、※3715、※3725等で、代表的な生態系ごとの考え方の整理を行っている。

【森嶌部会長】
・生物多様性との関係では、各種施策との調整ということが、今後努めるべき課題であることを記述しないと、「戦略的」ということにはならない感じがする。

7 第3部第1章第7節(環境教育・環境学習の推進)について
(特になし)

8 第3部第1章第8節(経済社会のグリーン化メカニズムの構築に向けた取組)について
(特になし)

9 第3部第1章第9節(環境投資の推進)について

【渡辺委員】
・ITの活用について、環境投資のところに、環境政策的視点から、あるいは環境分野におけるIT活用の基本的な方針等、具体的な事例の主なものがまとめて記述できないか。

10 第3部第1章第10節(地域づくりにおける取組の推進)について

11 第3部第1章第11節(国際的寄与・参加の推進)について

【天野委員】
・10節と11節の括りに、「あらゆるレベル」とあるが、地域と国際的のあらゆるレベルの割には、国内の施策ばかり書いてあるが、表題がどういう意味で付けられているのか。また、「あらゆるレベルにおける取組」であれば、10節と11節だけで十分なのか。
・環境の問題と貿易、国際的な問題との関連について、わが国はどういうスタンスをとっているかを、例えば国際的な寄与とか参加のあたりで論じるべきではないか。
・NGOの国際的な取組への参加というのは、ネットワークを広げて強くなってきており、そうしたことも記述してはどうか。また、市民社会の国際的な取組に対する寄与が非常に大きくなっていることについても、記述すべきではないか。

【環境計画課長】
・「あらゆるレベルにおける取組」については、※264の記述を第3部に持ってきているものであるが、国とか、その間の各レベルの部分が抜けてしまい、不適切だったかもしれないので、検討することとする。

12 第3部第2章について(第1章との関連も含めて)

【宮本委員】
・国、自治体、事業者、国民の順番は、国民からいく形で統一されてきたが、※3607では、国からの順番になっている。そうする必要があるのなら、温暖化問題については国が具体的目標を設定してやるべき等と記述を工夫する必要がある。

【浅野委員】
・第1章と第2章の記述の重複については、第1章から読む人や第2章から読む人もいるため、多少はやむを得ないが、全く同じことが並んでいるのは、きれいではないので、表現ぶりを工夫してほしい。
・第2章は、将来、計画に基づいて環境白書の目次ができてしまうので、そういったことも考慮して項目立てをする必要がある。
・※3605の環境基準の未達成という表現は、環境基準の未達成が問題なのか、環境基準それ自体が問題なのかという問題があるので、環境基本法にそろえた記述にすべき。

【森嶌部会長】
・第1章と第2章で整合性ある記述とする必要がある。また、第1章と第2章の関係について記述しておく必要がある。

【細谷環境計画課長】
・各問題について総花的に書いてあって、ほとんどメリハリがないという意見の打開策として、あえて第1章と第2章を切り離して記述したものである。
・第1章は、問題の構造、課題、解決手段という構造で記述することを目指し、第2章では、あまり理屈を立てずに、やるべき施策を並べたものであり、そこを見れば、環境政策全体がこういう体系で進むということがわかるということを意図していた。
・第1章について、必ずしも十分意を尽くし得ない部分があり、違いが見えなくなっている部分がある。

【天野委員】
・新しい緊急の課題ではないが重要な課題については、前回の基本計画のスタイルどおりに書いて、それぞれの問題の中で重要なものがあれば、それは特記するという形で、むしろ戦略的プログラムを第2章の中に埋め込んでいって、全体で体系をつくってはどうか。

【浅野委員】
・第2章の方は、あえていえば縦割り的、在来型の切り方で、問題整理しなければいけない部分で、第1章は、それを極力総合化、横断的に取り扱うという視点で記述しようとする部分であるので、2つに書き分けるということは重要だと考える。したがって、書きぶりの中できちっとした差別化ができるように努力していくしかないと考える。

【猿田委員】
・第1章で書かれたものについて、第2章で具体化していくような記述にすれば、理解しやすくなるのではないか。

【星野委員】
・天野先生御指摘のように、第1章、第2章を抜本的に整理し直すのが正論だと思うが、それは困難であるので、1章と2章を逆にしてしまい、「環境保全施策の体系」に対して、戦略的な展開はどうするのかを後で記述することとしてはどうか。

【浅野委員】
・現行計画の評価の記述が弱くて、唐突に第2期計画が出てくるような感じがする。現行計画及びその評価を踏まえた記述が必要。

【森嶌部会長】
・第3部第1章と第2章の関係の整理については、とりあえず国民の御意見を伺う段階までについては、後一任いただきたい。

13 全体について

【渡辺委員】
・※124の「産業構造の転換」の部分については、今のまま放っておいてもうまくいくという表現に誤解されるので、もう少し積極的な政策意図をはっきり出すように表現を工夫する必要がある。

【猿田委員】
・この新環境基本計画が国民に浸透するように、新計画のキャッチフレーズあるいはサブタイルのようなものをつけてはどうか。
・また、啓発用の普及版か、分かりやすいパンフレットを作成してほしい

【村杉委員】
・※211の長期的目標の「共生」の文章が、長い文章になっているおり、また、「様々な自然とのふれあいの場や〜健全な生態系」の文章は、健全な生態系を維持するのに、自然と人との豊かな交流を保たなきゃいけないという誤解を招くような文章になっているので、例えば「ふれあいの場や機会の確保を図るなどによって自然と人との間に豊かな交流を保つこと」で切ってしまったらどうか。

【横山委員】
・全体的に、現計画との違いがわかりにくい部分があるので、何を一番訴えたいのかということを入れていただきたい。
・この会議では議事録も発言者の名前も公表しているにもかかわらず、政府の調整の部分が見えてこないために議論が分かりにくい一因となっている。今後パブリックコメントを経た修正を行う際には、どこからどういう意見があったか等を公表した上で議論することとしたい。

【森嶌部会長】
・最終的には、中環審の責任において出す以上、全てを公開にした上で、中環審の場で議論していきたい。
・今後は、部会長代理と現時点で修正できるものは修正した上で中間とりまとめを公表し、ブロック別ヒアリングとパブリックコメントを経て、再度、中環審の責任において議論していくこととする。
<以 上>
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