中央環境審議会第71回企画政策部会議事要


<日 時> 平成11年12月14日(火)10:00〜12:00

<場 所> ホテルフロラシオン青山1階 ふじの間

<出 席>
森嶌部会長、安原部会長代理、池上委員、井手委員、江頭委員、木原委員、 幸田委員、小澤委員、佐和委員、塩田委員、鈴木委員、波多野委員、松野委員、松原委員、三橋委員、宮本委員、村上委員、村杉委員、谷田部委員、湯川委員、渡辺委員、飯田委員、太田委員、猿田委員、平田委員、横山委員、寄本委員

企画調整局長、企画調整局企画調整課長、企画調整局環境保全活動推進室長、
企画調整局民間活動支援室長、自然保護局自然ふれあい推進室長

<議 題> 
  (1)環境教育・環境学習の今後の推進方策の在り方について

<配布資料>

資料1 諮問文
資料2 中央環境審議会企画政策部会環境教育小委員会 審議経過
資料3 環境教育小委員会報告
 「持続可能な社会をめざして−これからの環境教育・環境学習−」
(別紙)はじめに
資料4 中央環境審議会企画政策部会環境教育小委員会 委員名簿


  小澤環境教育小委員会委員長から、これまでの審議経過や小委員会報告の概要について資料説明がなされた後、資料3環境教育小委員会報告について議論。

 主な意見は、次のとおり。

○「これからの環境教育・環境学習」をメインに、「持続可能な社会をめざして」をサブタイトルに、入れ替えてはどうか。

○小委員会においては、環境教育・環境学習の目指すものが、とりもなおさず持続 可能な社会の構築にあるということを強調してきた。タイトルは原案のままでよ いのではないか。

○「持続可能」という言葉は誰にとっても熟した言葉とはいえないので、タイトル につけなくていいのではないか。

○「シルバー層」などリタイヤした人で有能な人がたくさんいて、何かやりたいと思っている。そういう人たちに活動してもらう仕組みをつくってもらいたい。32ページに「所要の検討に着手すべき」とあるが、検討に終わらず実際に仕組みをつくるべき。

○今の社会で一番大切なのは、「ものを大切にする」ということである。これが今非常におろそかになっている。この点を具体的に書き込めないか。

○実際にある高校で環境問題の講義を行ったが、同じことを話しても生徒の反応は 全く違う。地域の環境の状況、生徒の問題意識のレベルなどに応じた対応の仕方 が必要だと感じる。

○今後の課題として、男女別、年齢別、業種別、地域別といった層別に最も実効のある適切な方法があるのではないか。そのためにも、アンケートなどを継続的に層別に行い、どういうやり方が効果的かなどをフォローしながら環境教育を進めていく必要があるのではないか。

○「科学的な視点」(10ページ)とあるが、科学的な視点とか科学的な考え方とはどういうものかということを、ここに書く、書かないは別として、整理する必要があるのではないか。科学とは何なのかというところが、教育全体の中で、白黒をつけるものだというふうに単純化されてしまっているのではないかと危惧している。

○地球温暖化問題にしても科学的には立証されていないことが多い。科学的に公正 に、ということを前提にしていくと教育の場で取り上げられにくい。あえて、「科 学的な視点に立ち、客観的かつ公平な態度」と入れる必要があるのか。

○時代の技術力、科学的な進展によってレベルは違ってくるだろうが、環境問題に 情緒的に反応するのではなく、データを集めたりしながらきちんと分析し、批判 していく力をつけることが大切。科学には社会科学も含まれる。

○不確かさを含んだ将来予測の問題をどのように科学が扱っていくのか、という視点が盛り込まれればよいのではないか。

○「科学的な視点に立ち、客観的かつ公平な態度でとらえていくこと」は非常に重 要であり、正面からとらえるべき。

○この答申を受けて、具体的に今だれが何をするのだろうということに関して、もう少しイメージが浮かぶように発表した方がいいのではないか。意見を寄せてくれた団体の活動に期待ができるのではないか。

○環境教育・環境学習は、幼稚園あるいは保育所の頃から考えるということが非常に大事であるが、この点が表現として見えにくい。また、15ページで、幼児期において良質の体験が大事とあるが、自然学習的なものに偏ってとられる危惧がある。

○家庭教育でいえば家庭の親をまず教育することが必要だし、学校教育でいえば入学試験に必要ということでやらないと、自主性だけではやらなくなるのではないか。

○国際協力(39ページ)について、ヨーロッパなどの先進的な取組から学ぶという視点が薄いのではないか。

○38ページの「民間事業者による取組が行われているが・・」という文章は何を 言っているのか分からない。

○「我が国の経験」というのは、今取り組んでいるいい経験だけを他の国と共有するという形に受けとれがちだが、経済成長の裏側で起こしてきた日本の過去の経験というものを、子供たちにも率直に語る必要があるし、外国の人と交流するためにも、そういう経験を盛り込んでいく必要があるのではないか。

○25〜6ページの「場をつなぐ」「主体をつなぐ」「施策をつなぐ」を強調するよ うな工夫ができないか。

○小・中・高等学校の今までの環境教育の時間をさらに時間的・内容的に強化するという意識はないのか。

 各委員から寄せられた意見等に対する修正については、森嶌部会長に一任された。必要な修正を行った上で、「はじめに」を添えて答申とすることについて委員の了承を得た。
 近藤会長への報告等の手続きについても部会長に一任された。