過去の議事録

中央環境審議会第87回企画政策部会会議録

1.日  時  平成12年12月13日(水)15:00~16:10

2.場  所  ホテルフロラシオン青山1階 ふじの間

3.出席者

(部  会  長)森 嶌 昭 夫
(部会長代理)安 原 正
(委      員) 浅 野 直 人
江 頭 基 子
幸 田 シャーミン
佐 竹 五 六
鈴 木 継 美
波多野 敬 雄
福 川 伸 次
松 原 青 美
谷田部 雅 嗣
和 気 洋 子
池 上   詢
木 原 啓 吉
小 粥 正 巳
塩 田 澄 夫
中 野 璋 代
平 岡 正 勝
星 野 進 保
村 上 忠 行
湯 川 れい子
渡 辺 修
(特 別 委 員)猿 田 勝 美
桝 井 成 夫
廣 野 良 吉
横 山 裕 道
(専 門 委 員) 寺 門 良 二
湊    和 夫
西 岡 秀 三
(環  境  庁)岡田事務次官
太田企画調整局長
遠藤水質保全局長
小島官房審議官
浜中地球環境部長

松本自然保護局長
小林官房審議官
西尾環境保健部長
竹本地球環境部環境保全対策課長
石飛地球環境部温暖化対策推進室長
櫻井大気保全局企画課長
伊藤水質保全局海洋環境・廃棄物対策室長
寺田環境保健部保健企画課長
青山企画調整局企画調整課長
小林企画調整局環境影響評価課長
小木津企画調整局調査企画室長
細谷企画調整局環境計画課長
大林企画調整局環境計画課計画官

4.議  題

(1)環境基本計画見直しについて
(2)地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会からの報告について
(3) その他

5.配付資料

資料1    第86回企画政策部会議事要旨(案)・会議録(案)
資料2    環境基本計画-環境の世紀への道しるべ-(答申案)
  参考資料1 環境を巡る状況
  参考資料2 環境保全に関する個別課題に係る既存の目標等
資料3-1 「地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会」報告書
資料3-2 「地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会」報告書参考資料

6.議  事

【細谷環境計画課長】 時間がまいりましたので、第87回企画政策部会を始めさせていただきたいと存じます。
 開始に先立ちまして、お手元に配付いたしております資料の確認をさせていただきたいと存じます。
 議事次第の下の方に資料の一覧がございますが、資料1は、前回の企画政策部会の議事要旨及び会議録でございます。資料2は、新環境基本計画答申案でございます。資料2には、前回提出いたしました参考資料を修正いたしたものを2つ添付いたしております。資料3-1は、「地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会」報告書、資料3-2はその参考資料でございます。
 資料は以上でございますが、もしお手元にそろっておりませんようでしたら、お申し出いただきたいと存じます。
 よろしゅうございましょうか。
 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。

【森嶌部会長】 それでは、ただいまから第87回企画政策部会を開催いたします。
 前回の部会で新環境基本計画の答申案につきまして総括的な御審議をいただきまして、実質、前回の審議で終えたいと申しました。また、その際にいろいろな御指摘をいただきましたけれども、その点につきましては、私と部会長代理とで相談をし、また、事務局とも突き合わせまして、修正をすべき点につきましては、修正をいたしました。また、御指摘をいただきました委員には、事務局の方に指示をいたしまして、あらかじめ、一応御了解を得られるようにということで、御連絡がいったことだと存じます。実を申しますと、この審議には30分しかかけられないのですが、本日、このような形でとりまとめさせていただきました。
 また、副題でございますが、委員の皆様にいい副題があるかどうかお願いしたわけでございますけれども、いろいろとお寄せいただきましてありがとうございました。これにつきましても、私と部会長代理とで相談をいたしまして、今日の答申案に出ておりますように、中身が割合硬いのに、「環境の世紀への道しるべ」などという、突然ここだけ軟らかいという感じをお受けかもしれませんけれども、このような副題にさせていただきました。これは申し上げるまでもないことですが、21世紀は、大量生産・大量消費を、清算をして新しい「環境の世紀」ともいうべき世紀になるということで、「環境の世紀」ということでございます。それと同時に、今まで申してきておりましたように、持続可能な社会の具体的なイメージを描くということでございますが、計画の性質上、必ずしも細部にまで至っておりませんけれども、21世紀の最初の20年、30年を見通しながら、こういう方向で進んではどうかという方向性を示したのが環境基本計画でございます。そこで、「道しるべ」ということにしたわけですが、それは同時に、国の計画ではありますけれども、これも再三議論の中で出てまいりましたが、すべての主体が新しい考え方、持続可能な社会に向けて参画していくということで、単に国のみならず、地方公共団体、企業、NGO、国民のすべての層に対して、こういう方向でいったらどうかという、その願いを込めて「道しるべ」ということでございます。こういうことでありまして、ほかに寄せられた副題にも、例えば「持続可能な社会への道」とか、いろいろございましたけれども、この「環境の世紀への道しるべ」ということで御了承いただければと思います。
 それでは、本文の修正点につきまして事務局から簡単にお願いします。

【細谷環境計画課長】 それでは、資料2をお願いいたします。この資料は、前回提出いたしました答申案に、部会での御指摘等を踏まえまして、部会長の御指示に従いまして、修正を加えたものでございます。
 簡素化や表記の統一をという御指摘、カタカナの表記を減らすようにとの御指摘あるいは「等」を「など」に直すという表現上の整理等も行っておりますが、これらにつきましては、原則として説明を省略させていただきまして、下線を引いております内容面にわたる主な修正点をページに沿って説明させていただきたいと存じます。
 まず、表紙でございますが、ただいま部会長からお話がありましたように、副題を付けさせていただいております。
 次に目次でございますが、前回、カタカナ表記を減らすようにとの御指摘があったこともございまして、第2部の第2節の3、第3部の第1章第8節で「社会経済のグリーン化メカニズム」という表現がありましたが、これにつきましては「社会経済の環境配慮のための仕組み」という形に置き換えさせていただいております。
 続きまして、前文でございます。2ページの4の中にございました「文明のパラダイムシフト」という表現でございますが、これにつきましては、ちょっとわかりにくいのではないかという指摘もございましたので、この言葉を使わなくても必要なことは書けるだろうということから、下線部のような表現に直しております。
 同じく2ページの6でございますが、最初の下線部は、環境基本計画がどういうものか国民にわかるように書き込むべきではないかとの御指摘に基づく修文でございます。2つ目の下線部につきましては、環境基本計画が環境教育・環境学習の場に広く活用されるようにしたい、そういう御指摘を踏まえた修文でございます。
 次に第1部でございますが、10ページをお願いいたします。127の第2段落におきましては、COP6の再開の見通しについての記述がございましたが、これを時点修正しまして、現時点での見通しに置き換えております。
 第4段落では、原子力関係の記述につきまして、昨年の東海村のジェー・シー・オーの臨界事故をきっかけにして、関係法の改正が行われたことを入れるべきではないかという御指摘がございまして、その旨の修文を行っております。
 その次の段落におきましては、京都議定書の締結に必要な国内制度の取組につきまして、その重要性にかんがみまして、これまでに出されておりました各委員の御意見を踏まえまして、全体に丁寧な記述を行っております。以下、何カ所か、後ほど申し上げますが、類似の記述がございまして、同様の修文を行っております。
 次に14ページの※140でございますが、これはただいまの修文と同様の修正でございます。
 次に16ページの※147のところ、上から5行目に下線がございます。これは前回の案では「重要な時期と位置づけられています。」となっておりましたが、このような他人の認識を借りた表現ではなく、部会の認識としてはっきり書くべきではないかという御指摘がございまして、これを踏まえた修文でございます。
 次に第2部でございますが、23ページをお願いいたします。※242では、前回、ブランクの表現で大変失礼いたしておりましたが、今回は「戦略的環境アセスメント」という名称で書かせていただいております。これにつきましても以下何カ所か同様の修文がございます。
 次に第3部でございますが、31ページをお願いいたします。※3055につきましては、先ほどと同様、時点の修正を行っております。
 次に33ページの※3066でございますが、この温暖化の記述につきましては、先ほどと同様の修正でございます。
 次に34ページの一番上の※3073でございますが、ここにはただいまと同じような表現があったのでございますが、重複をできるだけ避けるという御指摘がございまして、これにつきましてその修正を行っております。
 続きまして、同じページの※3079でございます。この部分につきましては、先ほどと同様の修文を行っております。
 次に41ページをお願いいたします。※3156のところでございます。この部分につきましては、環境負荷の少ない交通に向けた取組の目標につきまして、この部分だけを見ますと、交通の分野には温暖化の目標は関係ない、そのようにとられるのではないか、そこで、別途記述しているとの補足説明をしたらどうか、こういう御指摘が前回の部会でございまして、これに沿った修文でございます。
 次に42ページの※3160でございますが、「低公害車等」という表現は、委員の御指摘もございまして、78ページの※3609の書きぶりとそろえております。
 次に43ページの※3165でございますが、ここは国民等の取組内容がよりわかりやすいようにということで、下線部のような例示的な修文を追加いたしております。
 次に58ページの※3366でございます。ここにつきましては、委員の御指摘を踏まえまして、下線部のような修正を加えております。
 次に62ページをお願いいたします。※3420でございますが、前回、下線部がペンディングでブランクになっておりましたが、今回このような表現で整理させていただきました。
 続きまして、66ページの※3460でございますが、ここにつきましても同様でございます。
 72ページの※3516のところについても同様の修正がございます。
 ちょっとページを飛ばしていただきまして、93ページをお願いいたします。※3744では、「あるがままの自然とふれあうことを基本とする」という表現になっていたのでございますが、これではやさしい穏やかな自然が暗黙の前提となっているということでございますが、危険な野生的なものを含めた自然とのふれあいを表現すべきである、こういう御指摘もございまして、修文いたしております。
 次に95ページをお願いいたします。※3762につきましては、ブランクになっていたものを「戦略的環境アセスメント」という表現にさせていただいております。
 次に108ページの※3945でございますが、御指摘がございまして、下線部を追加いたしております。
 答申本文につきましては以上でございまして、あと、参考資料の1と2が付いておりますが、これにつきましては、関係省庁からの資料の提供を受けまして、数値の訂正等、若干の整理を行っております。
 また、用語集につきましては、前回の部会における御指摘を踏まえ、現在整理中でございまして、答申本文とは直接つながるものではございませんので、整理が済み次第、委員の皆様方にお送りしまして、さらに整理を加えた上で、この答申に基づく環境基本計画と事実上セットの形で活用させていただきたいと考えているところでございます。
 資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【森嶌部会長】 以上でございますが、今まで23回御議論をいただきまして、いろいろ御意見をいただきました。1つには、この環境基本計画というものが閣議決定をする、つまり他の省庁も拘束するということであり、同時にそれは政府の閣議としての決定でありますので、従来の閣議決定された事項の延長線上にあるということもございまして、必ずしも環境の面だけからの御指摘に添えなかった点もあることは、審議の中で私の方から御説明をしてきたところであります。また、全体については、前回までに大筋で御了承を得ているわけですが、個々の点につきましては、委員のお一人お一人に御不満がおありかもしれません。しかし、本答申案は、来年の1月に新しい中央環境審議会が発足いたしますけれども、現審議会の企画政策部会の段階で上げたいということ、同時に環境庁自身も環境省として組織変更があるわけですが、現体制のところで新環境基本計画を上げたいということで、いろいろと皆様にも御協力をいただき、かつ調整もさせていただきました。その意味では、100%あるいは110%私の言ったことだということでない可能性は恐らく100%ぐらいあるだろうと思いますけれども、全体としてこれからの政府及び各主体が取り組むべき道しるべを示したものとして、副題も含めまして、御了承いただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。

〔「異議なし」との声あり〕

【森嶌部会長】 それでは、最後の最後になって、自分としては見切り発車をしたつもりはないのですが、何となく私らしからぬ、これでおしまいというのはややじくじたるところはございますけれども、今までにできるだけ御意向は伺って反映させてきたつもりでございますので、本答申案を企画政策部会の了承を得た案とさせていただきたいと思います。
 また、この案を中央環境審議会の答申とするには会長の同意が必要ということになっておりますけれども、はからずも私が会長でもありますので、これをもちまして、中央環境審議会の総理に対する答申とさせていただきたいと思います。
 これも政府の日程もございまして、答申につきましては、本日、私はここを中座させていただきまして、官邸に参りまして、総理へお渡しするという事務的な段取りになっております。
 前の環境基本計画のときはかなりインテンシブでしたけれども、1年かけて審議をしてきたわけですが、この新環境基本計画につきましては、昨年6月2日に総理からの諮問をいただいて、1年半ということでございます。その間、その他にもいろいろな課題がございましたけれども、企画政策部会、環境基本計画小委員会、各分科会、それぞれに大変御苦労をいただきまして、11の検討チームにおいても御検討いただき、さらには4つのブロック別のヒアリングを行い、また、インターネットなどを使って国民の意見を求めよということで、できるだけ広く意見を聴き、できるだけ広い立場から環境基本計画をまとめていくという方針でやってまいりました。そして、採点すると何点か私がやるわけにいきませんけれども、第1期に比べますと随分いろいろと進展があったと思います。そうした中、委員の皆様に大変御努力をいただきました。また、御意見に対して、私の方では「いや、そうではない」というような失礼なことを申し上げたこともあるかと思いますけれども、本日ここに至りましたことにつきまして、部会長としまして、部会長代理も含めて、厚く御礼を申し上げます。
 ここで、岡田環境事務次官からお礼の御挨拶があります。

【岡田事務次官】 環境事務次官の岡田でございます。ただいま答申のとりまとめをいただきましたところで一言お礼を申し上げさせていただきます。
 今、森嶌部会長からのお話にもありましたように、昨年の6月、内閣総理大臣からの環境基本計画について諮問をして以来、約1年半にわたりまして、新しい環境基本計画策定に関しまして非常に精力的に御審議を賜りました。本当に大変ありがとうございました。
 特に、今回の見直しにおきましては、新たに戦略的プログラムを設けるために11の検討チームをつくっていただきました。そして精力的に御審議が行われまして、本当に大変御苦労をおかけいたしました。特に、中間とりまとめに至るまでの間には、検討チームでの御審議と並行しまして、各省庁も含め、合計62団体らの意見交換会が毎週のように開催されましたし、例年になく厳しい猛暑の中、小委員会においてドラフトの作成をしていただきました。
 中間とりまとめの公表の後も、前回4つのブロックにおきましてヒアリングが行われましたし、また、全国津々浦々から寄せられました2,200件を超える御意見を踏まえまして、部会におきましてさらに精力的に最終答申案の御検討をお願いしてまいりました。
 このように部会の委員の皆様の熱心な御審議を経まして、本日このような形で立派な答申がまとめられまして、大変うれしく思っております。
 考えてみますと、本日いただきます答申は、豊かな経験と高い識見をお持ちの中央環境審議会の委員の先生方の力と、健全で恵み豊かな環境を将来に引き継いでいきたいと願う多くの国民の皆様との共同作業の結晶ともいえるものだと私は考えております。政府としましては、これを厳粛に受け止めまして、速やかに新たな環境基本計画を決定したいと考えております。
 改めて部会の委員の皆様に感謝を申し上げるとともに、貴重な御意見をいただきました国民の皆様、さらには事務局を務めてくださった関係省庁の多くの人がおります。そうした方々にも厚く御礼を申し上げて、簡単ではございますが、私の御挨拶とさせていただきます。本日までの間、長い間本当にありがとうございました。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。
 本日はこれだけではありませんで、ほかにも議題がございます。「地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会」での御審議につきまして、皆様に御意見を伺うことになるわけですが、これはこの小委員会の委員長であられました安原委員長から御報告をいただきます。そして、これをここで決定するということではなくて、これにつきましては、新しい中央環境審議会への引き継ぎ事項とする予定でございます。
 実は、先ほど申しましたように、私はこれから、先ほどいただきました答申を総理に渡しに参りますので、中座をさせていただきますが、これからの進行につきましては、部会長代理である安原委員にお願いしたいと思います。こういうところではないのだと思うのですが、法律では、小委員会の報告をして、それを議事進行するというのは、双方代理か、そういうことになりますけれども、つまり一人二役ということでやっていただくことになりますけれども、安原部会長代理、よろしくお願いいたします。
 総会には戻ってまいりますので、とりあえずどうもありがとうございました。
 それでは、失礼させていただきます。

【安原部会長代理】 それでは、私、安原が進行役を務めさせていただきます。
 初めに私の方から、お手元にございます「地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会」の報告書の概要につきまして御説明しまして、その後、事務局から補足的に説明してもらおうと考えております。
 それでは、これからは小委員長の立場でございます。
 まず、検討の経緯から説明したいと思いますが、それは1ページ目の「はじめに」というところに簡単に記されておりますので、御参照いただきたいと思います。先ほどもお話に出ましたように、地球温暖化対策の検討チームの作業が環境基本計画の見直しの一環として行われまして、報告書を6月22日に提出いたしました。これを契機として、企画政策部会で今まで温暖化対策の今後の在り方について審議を中断しておったわけでございますが、再開することになりまして、小委員会が設置されたわけでございます。その小委員会のいわゆるマンデートに当たるものが第4番目のパラグラフのところに書かれておりますが、1つは、6%削減目標を遵守するための国内制度の一環として、自主的取組とか税とか排出量取引等の経済手法、規制的手法、環境投資などの各種の政策手法の組み合わせによる複数の政策パッケージの案を作成するようにということ。この政策パッケージを適切に実施していくために基盤となる仕組みの検討も併せて行うようにということでございました。その検討結果を12月までにこの企画政策部会に報告するようにということでございました。
 そこで、2ページを御覧いただきますと、小委員会のメンバーが並んでおりますが、この方々が小委員会の委員に選任されまして、その上の「会合の経緯」というところにございますように、第1回目が8月から始まりまして、6回の会合を開きまして、12月11日にようやく報告書をとりまとめた。それがお手元にあるものでございます。
 報告書の事項でございますが、目次に戻っていただきまして、第1章では、政策パッケージの必要性と、基盤メカニズムと政策パッケージの関係などについて整理いたしております。これはいわば検討チームの報告書からのつながりを明らかにしている内容でございます。
 第2章は、政策パッケージの内容ということで、今触れましたような環境税とか排出量取引等々の政策推進メカニズムの特徴を分析しております。それから、諸外国においてはどういう政策パッケージがとられているのかということで、それの紹介をしております。それから、各方面で政策パッケージについて今議論がされておりますので、その具体案についての紹介を第3節でやっております。
 第3章は、産業部門、民生部門、運輸部門等の部門別に現在の温暖化対策の推進メカニズムの状況がどうなっているのか、課題は何かということで、特に確実性の観点からの分類をいたしまして、その課題を明らかにしているわけでございます。
 第4章と第5章が、この企画政策部会から検討するようにと言われましたものに相当いたします。基盤メカニズムと政策パッケージのモデルを示しているものでございます。
 これにつきましては、67ページ以降に基盤メカニズムの部分がございます。6%削減目標の達成に向けまして、毎年目標を設定し、その達成に努力していくというやり方でございますが、それは71ページのところに、計画を立てて、対策を実施し、それをモニタリング等でチェックして、それで不十分であれば、対策を強化する。いわゆるPlan,Do,Check,Action(PDCA)のサイクルでやっていったらいいのではないかという考え方を示しております。
 それから、検討チームでも示しておりましたが、76ページに、基盤的メカニズムとはどういうものが想定されているのかということで、基盤メカニズムの具体的な要素として、排出量の削減・吸収量の増大を行うための計画、計画の進捗状況のモニタリング、モニタリング結果を踏まえた対策の強化、この3つがフィードバックの仕組みを形成していくというようなことを想定しております。あと、どうしても最終的に6%が達成できない場合、それを調整する機能が必要である。4つの具体的な要素から基盤メカニズムは成るのであるということを説明しております。
 そこで、78ページの図を御覧いただきたいのですが、今申しましたPDCAあるいは基盤メカニズムを円滑に実施に移していくためには、どうしても必要な情報がうまく流れなければいけないということで、その情報を流すシステム--情報システムと読んでおりますけれども、これは概略、図のようなものを想定したらどうか。それぞれの中身につきまして以下に説明をしているわけでございます。したがいまして、第4章は、基盤メカニズム全体をいろいろ検討して提案したというところまではいきませんで、基盤メカニズムを、連携をうまくとって円滑に動かしていくために必要な情報システムについての提案をしている。そこにとどまっております。残念ながら、検討期間の制約等がございまして、それにとどまらざるを得なかったということでございます。
 第5章は、政策パッケージのモデルということで整理いたしております。推進メカニズムとしては、89ページの第1パラグラフのところにございますように、自主的取組、税・排出量取引、規制的手法、環境投資等々があるわけでございますが、これをどういう組み合わせでやっていったらいいかの検討でございます。その検討に当たって留意した点としては、第2パラグラフに示しておりますように、このパッケージによって6%削減目標が確実に達成できること。国内対策による削減を基本として、京都メカニズムの活用は補足的であること。国民経済的に見て費用対効果に優れていること。循環型経済社会づくりに向けて、生産・消費構造の改善や環境産業の振興を促進するものであることが望ましい。こういう点に留意しながら検討を行いました。ここでは、排出削減対策を主体に検討しております。吸収源対策の問題は十分検討できなかったわけでございます。
 それから、検討の手順といたしまして、今申しましたようないろいろな推進メカニズムの各要素について、どうしたら改善できるかということ。それから、適用対象を考えて、いくつかのパターンに組み合わせていった場合にはどうなるかということ。それのパターンの特徴の分析をやっております。その上で、パターンから最後に政策パッケージのモデルというところに整理しているわけでございます。
 以下、90ページがその推進メカニズムの検討でございます。
 ずっと飛んでいただきまして、94ページに図がございますが、このいろいろな推進メカニズムを整理いたしまして、一番下の欄を御覧いただきますと、自主行動計画から始まって普及啓発まで10の構成要素があるという整理をしております。
 この構成要素を、適用対象を考えてどういう具合に組み合わせていったらいいかという検討が95ページ以下でございます。
 その結果、96ページの上の方に6つのパターンを示しております。これにつきまして、100ページに、それぞれのパターンのコンセプトを整理しまして、それの排出管理の確実性がどうであるかという点からの評価をいたしております。
 部門別、パターン別に確実性の程度に応じて整理したのが103ページの表でございます。パターンIから始まって、パターンIVが一番目標達成の確実性が高いパターンであることを示しております。それぞれ部門別にクロスさせているわけでございます。
 その上で、パターンからさらに政策パッケージのモデルに絞っているわけでございます。しかし実際には、いろいろ御意見もございまして、あまり絞りはやっておりませんで、結果的には、105ページの矢印を御覧いただきますと、3番目のインセンティブ付与総量規制パターンと6番目の環境税部分的排出量取引パターンを合体して1本のモデルにまとめております。したがって、ここに提示しているのは、5つのモデルでございます。そこの説明書きにございますように、1番目のモデルは、現行対策型のものでございまして、いわゆるリファランスモデルというもので、いろいろ比較対照する場合の現行と比較するということでモデル1を示しております。したがって、新しいモデルとしましては、2、3、4、5ということになるわけでございますが、2は、自主的取組を強化するというパターンでございまして、経済的措置を活用した組み合わせは、3、4、5の3つのモデルでございます。3番目が環境税モデル。5番目がハイブリッド排出量取引モデル。ハイブリッドというのは、上流でかける、しかし下流の大規模排出者にも図っていくという意味でハイブリッドでございます。環境税と大規模排出者に対して総量規制とか排出量取引を組み合わせた案が4番目でございます。ですから、両方組み合わせたものは4番目のパターンということでございます。
 それはどういうものかということを106ページから概略を示しております。わかりやすいようにということで、109ページから図解いたしております。
 1番目のモデルは、現行を基本としながらも、できるだけ対策を強化していく。そして各施策を評価して、ある段階で足らなければ、強化について検討していくというものでございます。
 モデル2につきましては、自主行動計画のところを特に御覧いただきますと、政府と協定を締結する形で強化するとか、あるいは計画の策定自体を義務づけるとかというやり方があるということを示しております。
 3番目が環境税モデルでございます。4番目が環境税と排出量取引あるいは生産弾力性のある総量規制を組み合わせるというものでございます。5番目がハイブリッド排出量取引モデルでございます。
 これらにつきまして、112ページ以下で、確実性の問題、補足性の確保、国民経済的な費用対効果の関係、あるいは環境産業の振興等に寄与するかどうかとか、公平性、こういう5つの観点に照らしてそれぞれのモデルを評価いたしております。
 最後に、その評価のイメージということで、114ページに、今申しましたような観点に照らしてどう評価されるか、全体のイメージを示しているわけでございます。
 以上が結論の部分でございます。
 今後さらに検討が必要であるということで、政策パッケージにつきましては、国民経済とか国民生活への影響等がどうなるのかということを十分検討の上、政策の具体化をさらに進める必要があるということをいっております。
 それから、基盤メカニズムにつきましては、情報システムの提案にとどまっておりますので、基盤メカニズムの各要素についての具体的な制度設計の検討が必要であるということ。
 もう1つ、115ページ、最後のところに、6%削減の目標の内訳の問題に触れております。京都議定書ができましたときからずっといろいろな情勢の変化がございます。そこに、経済成長の問題、電力需給の問題、新技術の開発普及の問題、3ガスのいろいろな対応が進んできているとか、あるいは吸収源についての問題等々ございます。そこで、中央環境審議会としては、この6%削減の内訳について検討してはどうか、という指摘をさせていただいております。
 以上でございますが、これを企画政策部会としては受け止めていただきまして、森嶌部会長からも話がありましたように、来年の1月6日以降発足するであろう新中央環境審議会に引き継いでいただいて、新しい審議会の方で、これを1つの重要な素材と位置づけていただいて、今申しました検討を引き続きやってほしいということ。また、せっかくこういうものをまとめましたので、国民への情報提供ということで、提供していただきまして、国民的な議論をやっていただく。そして、国民の意見があがってくれば、それを参考にまた検討していただくことが必要ではないかということでございます。
 私からの説明は以上でございます。あと、事務局から補足説明をお願いいたします。

【竹本地球環境部環境保全対策課長】 事務局の方から補足的に何点か補足説明させていただきたいと思います。
 お手元の報告書の3ページでございますが、既に小委員長からも御紹介がございました、政策パッケージの考え方、必要性につきまして書いてあるところでございますが、基本計画の検討チームの中におきましても、下に円グラフがありますとおり、ポリシーミックスの検討に当たり、個別の対策には程度は異なるがそれぞれ不確実性が存在する、そういう観点から、できるだけ不確実性を低減し、確実な削減が確保されるように各種のメカニズムを活用する。そして、どういった形で組み合わせをしていくことが一番いいのかというような観点から検討させていただいておりまして、次のページにございますとおり、推進メカニズムの分類として、定量的基準の達成が法的に担保されている、また、以下、A、B、C、D、Eというような形で整理しながら分類し、分析し、一定の政策の確実性という点から評価してきているというのを基調としながら、全体を分析しているというのが出発点でございます。
 この報告書自身の構成でございますが、各章それぞれこの小委員会で検討いただきました、事務局として整理させていただいた資料、そして、それに対する委員会での議論をできるだけわかりやすい形で集約して整理させていただいております。したがいまして、この報告書の中に、例えば29ページに「ポリシーミックスについての議論」というのがございまして、それまで事務局が提出しました資料に対して、小委員会で様々詳しく議論していただきました。その主な意見を集約しながらとりまとめをしている部分がございます。こういう構成でこの資料も作成させていただいているところでございます。
 それから、補足的な点で申し上げますれば、95ページに飛びますが、推進メカニズムを組み合わせて政策パッケージを作っていくプロセスとしては、94ページの横長の資料で既に小委員長からも御紹介いただきましたが、いろいろなポリシーミックスを構成する要素を解析し、抽出してきたわけですが、10個の要素に分けております。それが95ページのところにきまして、対象範囲という点でいきますと、大規模な排出者を対象としているような要素と、民生、運輸を中心とした、また、中小を中心とした小規模排出者の対象のような[5]の各種の規制といったものをうまく組み合わせるという形で、対象が漏れがないように配慮しながら、以下6つのパターン、そして6つのパターンから5つのモデルに絞り込みをしていったところでございます。
 最後に、101ページから102ページにかけまして、いくつかの具体的な個別的な対策メニューを例示しようということで、例えば民生であれば、家庭での省エネモニターの設置の促進とか、ビル等の省エネ基準の義務化とか、エネルギーに係る料金制度の活用、大規模ユーザーへのフリート規制、自動車メーカーへの販売規制、そして自然エネルギー等再生可能エネルギーの比率を高めていくというような観点からの新たな枠組みというものも具体的な例示として挙げておりますが、これらは103ページの横長の表の中で、いろいろなパターンを検討していく中での新たな要素として、これはこれまでの検討チーム、小委員会での議論を踏まえながら、具体的に示したものでございまして、さらにこれ以外の施策も当然考え得るということでございます。
 繰り返しになりますが、最後に、こういった検討を踏まえて、5つのモデルを提示し、整理しまして、こういった形で報告書としてとりまとめをいただいたところでございます。
 以上でございます。

【安原部会長代理】 どうもありがとうございました。
 申し遅れましたけれども、先ほど委員リストを見ていただきましたが、参加いただきました委員の先生方には、具体案をどんどん出していただきまして、活発な、熱心な討議をいただきました。この機会に厚く御礼を申し上げます。
 もし今の説明に対して、小委員会の委員の方から補足して説明したいことがございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

【寺門委員】 委員として参加させていただきまして、いろいろ意見を述べさせていただきました。最終的に落としどころとしてのパッケージ案というのがあるわけでございますが、正直言って、自主的取組というのが孤立しているわけでございますが、自主的取組イコール大綱モデルではないわけでございますので、すぐ矢印ですっと移動していますが、そういうものではないということをまず御理解いただきたいと思うわけでございます。
 繰り返し議論の中で、地球温暖化対策推進大綱をどういうふうに受け止めていくべきなのかということについて随分意見が分かれたと思います。これは現状なのだという理解と、私は、これはより改善していくべきものだという理解の下に、大綱重視モデルというのを最終的に加えていただきました。小委員長からはレファレンスだというお話もございますが、私はそういう受け止め方ではなくて、この推進大綱の中身というものはまだまだ手つかずの部分もありましょうし、これから充実していく部分も非常に多いと思っております。そういう意味では、これがこれから具体的に進めていく、非常に内容の濃いものだというふうに私は受け止めております。また、この推進大綱ができて間もないわけでございまして、当然、環境庁も御参画になって、大綱は大したことないのだというふうな理解では、私どもは大変残念に思いますし、その大綱の中で実際に具体的に進めている私どもとしては、それは軽々しいように受け止めるわけでございます。ですから、そういう意味で、どういう意図が大綱の中に含まれているのかということを理解していくべきだし、そういうことを理解していただくような意図がなければ、それで終わってしまうということを強調したいと思っているわけです。
 いずれにしても、政策の継続性というものがないと、やっている者にとりましては、継続していることが何の意味があるのかということになるわけでございます。民生・運輸部門についても、大綱の中でも非常に厳しい目標値が与えられており、それを実現するために今やっているわけです。そういうものがどのように社会の中で、国民の中で受け入れられていくのか。受け入れられないとすれば、それはどういうふうにしていくのか。そういうふうにステップを踏んで考えていただきたいという意味で、「重視」という言葉がいいのか、「加速」というのか「促進」というのか「推進」というのかよくわかりませんけれども、そういう意味合いで1番のモデルというのは、決してベースではなくて、これはさらに発展していくものだ、そういう受け止め方をぜひともしていただきたいのですが、残念ながら、このモデルの評価のところでは非常に厳しい評価になっている。これは環境庁さんとしても、この施策の企画に当たられた方としては、非常に重く受け止めていただかないといけないし、何がその中に欠けているのだろうかということをぜひとも受け止めていただきたいし、そういう議論を引き続きやっていただいて、盛られた対策が着実に進むようなメカニズムを、これは各官庁を乗り越えて総合力を発揮していただくということでなければいけないと思います。
 他の施策について私は批判するつもりはございませんが、飛躍的といいましょうか、跳躍的といいましょうか、どちらかというと、税金は取ってやるからお前たちに任せるとか、あるいは枠をはめてしまうから、お前たち、その枠の中でやれとか、そういう比較的投げやり的な施策だというふうに私はかけるわけです。理解する方からすると、そういうふうにも理解できるわけでして、必ずしもそういう意味合いは評価の中には表れていないと思います。これは私の勝手な意見でございますが、検討の中でそういうことは十分議論されたと思います。しかし、それは表には見えないところであって、意見の中には少しずつ出ているかと思いますので、そこら辺は議事録を含めてよく見ていただければと思います。

【安原部会長代理】 モデルにつきまして、確かに小委員会でいろいろな意見がございました。それは117ページから119ページにかけて、主な論点につきまして、ありのまま出ました意見を整理しておりますので、参考にしていただければと思います。
 それでは、小委員の方に限らず、どなたでも結構でございますが、御質問なり御意見がございましたら、この際伺っておきたいと思います。

【猿田委員】 私は小委員会に参加させていただいていて、今こういうことを申し上げるのはあれなんですが、例えば4ページの表、5ページのグラフ等をずっと拝見してきて、しょっちゅう見ているものですから意識しなかったのですが、例えば4ページの表で「削減見積量」というのがあります。5ページの下の図で部門別排出量の推移というのがあるのですが、単位が書いてありません。40ページのところを見ますと、上には見積もり削減量で「百万t-C」とありまして、下の産業部門における削減見積量のところは11.30云々とあります。これも上と同じだと思います。ほかにも何カ所かありますので、これをオープンにしていって、パブリックコメントなどを頂戴する場合には、御覧になる方がわかりにくいので、必ずこういうグラフ、表には単位を明記しておいていただきたい。前に申し上げるべきだったかもしれませんが、気がつなかったのです。
 それから、C(カーボン)とCO2とありますね。統一できるのか、あるいは単位を明確にすれば、それはそれでよろしいと思いますので、その辺をお願いしたいと思います。【安原部会長代理】 事務局の方で、見落としのないようによろしくお願いします。
 ほかにございますか。

【廣野委員】 114ページのところに「それぞれのモデルの評価のイメージ」というのが書いてあります。これを見ると、△とか○とか◎などが書いてあるのですが、これの意味合いなんですが、△、○、◎はいいとして、読者がこれを見るときに、例えば◎のところだけを見てみると、モデル4の確実性云々とモデル5の国民経済的な費用対効果云々と書いてありますけれども、これは読者が評価するときに、自分がどの基準をより大切にするかということを読者が自分で判断して、例えば私は確実性が重要なのだ、だから私はモデル4。モデル5、モデル3、モデル2、モデル1はそれに劣るわけである。そういう格好で、確実性等の左に書いてあるもの、要は基準ですが、この基準については、各々の読者が自分で判断するという形になるのでしょうか。それとも、確実性云々のところにいろいろありますけれども、こういう基準についても何らかの形でもって読者に判断材料を差し上げて、読者としては、それだったら、ここだというふうに理解するのか。これを書かれた理由といいますか、そこらあたりの御説明をお願いいたします。

【安原部会長代理】 特に6%削減目標を国内対策によって確実に達成できるような政策パッケージということで中心に検討しましたので、この小委員会の検討の過程では、特に確実性のところを重視しておりますが、しかし、他の4つの事項についてもいずれも重要な観点でございますから、確実性をベースとしながらも、できるだけその他の評価項目についても優れているというのを総合判断するしかないのかなと思って整理してきたわけでございます。ですから、確実性と他のものとどの程度のウエートづけがあるのか、量的にはなかなか言えませんが、それはそれぞれこの表を見て判断される方の価値判断にゆだねるしかないと思いますが、我々の作業としては、確実性のところを特に重視して議論してきたということでございます。

【竹本地球環境部環境保全対策課長】 今まさに小委員長の方からもお話のあったりとおりでございます。112ページからそれぞれのモデルについて説明しているのを、例えばそれぞれの縦軸、確実性でいきますと、確実性が高いもの、補足性でいきますと、補足性については、確かかどうかというのが注意を要するものというような格好でよりわかりやすい形で整理しました。しかしながら、全体の判断につきましては、絞り込みを今ここでするという意味での整理というよりも、こういう5つ並べてみたときの総体としてどのようにながめられるかという参考のために、最後の表を付けさせていただいております。
 108ページの文章の「なお、」以下にも、これら5つのモデルについて、典型的なモデルの例として示しておりまして、これを1つの出発点として、参考としてこれ以外の組み合わせもあり得るということで、とりあえず今の5つのパターンとすれば、全体としてどのようなながめ方ができるかという参考のために整理させていただいているというものでございます。

【廣野委員】 もしそうであるとすると、私はこういうことに非常に関心のある人間なものですからもう1つ質問させてもらうのですが、読者が見たときに、例えばモデルの評価のイメージ、112ページからずっと読んでいくわけですが、確実性と3番目の国民経済的な費用対効果、こういうものについての何らかの形のトレードオフというか、そういうことについては読者が自分で判断して決めなさいということですか。それとも、こういうものについてある程度の何らかの定量的なモデルを作って、そういう中で、一体ここが変わるとどう変わるか、そういう基準に関する相互関係について、ある程度の測定をやってみるということは、もちろん今すぐここで答えてくれということではなくて、そんなことの必要性はどうかなと感ずるものですから、そこらあたりもし今後検討なさるのでしたら、よろしくお願いします。

【安原部会長代理】 モデルそれぞれにつきまして、それが実施に移された場合に、どう国民経済、国民生活に影響が及ぶのか、非常に重要なところでございますが、まだそこの影響のところまで検討はできておりませんので、影響の検討は今後に譲りたいということで、115ページの真ん中のあたりに言及しているわけでございます。まさにその点を十分検討した上で、この5つの中でどれを取り上げていったらいいのか、という議論が行われるのではないかと思っております。

【廣野委員】 最後に1つ。たまたま今年10月に私たちは「日本評価学会」というのをつくりまして、私もその学会の副会長として、トレードオフの関係とか、補完性の関係とか、そういうことについて細かな議論を私たちはこれからやるものですから、そういうときに、例えばこれをどういうふうにして使ったらいいかなと思ったので、そういう質問をさせていただきました。どうもありがとうございました。

【安原部会長代理】 ほかにございますか。
 それでは、御質問、御意見等もないようでございますので、この小委員会報告につきましては、企画政策部会として了承することにしまして、新しい中央環境審議会における議論の出発点として引き継ぎたいということでございます。よろしゅうございましょうか。

〔「異議なし」との声あり〕

【安原部会長代理】 どうもありがとうございました。
 それでは、先ほどちょっと言及しましたように、この報告書につきましては、国民からの意見を広く求めまして、その結果をとりまとめて、それも新しい中央環境審議会に報告していただくということで、事務局にお願いすることにしたいと思います。事務局の方でよろしく取り計らいをお願いいたします。
 それでは、本日予定しました議題の審議は終わりました。これで企画政策部会を終わりたいと思います。
 現在の組織の下での企画政策部会としてはこれで最後となります。委員の皆様におかれましては、誠に長い間御尽力いただきましてありがとうございました。

<以 上>