中央環境審議会第85回企画政策部会会議録

1.日  時  平成12年11月9日(木)13:00~16:00

2.場  所  飯田橋レインボービル7階 大会議室

3.出席者

(部  会  長)森 嶌 昭 夫
(部会長代理)安 原 正
(委      員) 天 野 明 弘
小 野 勇 一
佐 竹 五 六
鈴 木 継 美
平 岡 正 勝
三 橋 規 宏
村 上 忠 行
谷田部 雅 嗣
江 頭 基 子
小早川 光 郎
塩 田 澄 夫
波多野 敬 雄
藤 井 絢 子
宮 本 一
村 杉 幸 子
渡 辺 修
(特 別 委 員)飯 田 浩 史
猿 田 勝 美
横 山 裕 道
太 田 勝 敏
廣 野 良 吉
 
(環  境  庁)岡田事務次官
太田企画調整局長
遠藤水質保全局長
櫻井大気保全局企画課長

 松本自然保護局長
 小林官房審議官
 小沢水質保全局水質管理課長
伊藤水質保全局海洋環境・廃棄物対策室長
寺田環境保健部保健企画課長
小木津企画調整局調査企画室長
細谷企画調整局環境計画課長 大林企画調整局環境計画課計画官

4.議  題

(1)環境基本計画見直しについて
(2)その他

5.配付資料

○ 資料1 新環境基本計画中間とりまとめ修正案(参考前文(案))
○ 資料2 「新環境基本計画中間とりまとめ」に関する意見の概要
○ 資料3 パブリックコメントへの対応に係る委員からの意見について

6.議  事

【細谷環境計画課長】 時間がまいりましたので、第85回企画政策部会を始めさせていただきたいと存じます。
 開始に先立ちまして、お手元に配付いたしております資料の確認をさせていただきたいと存じます。
 本日の資料は3点でございまして、資料1が「新環境基本計画中間とりまとめ修正案」。これにつきましては、別紙の形で「前文(案)」が付いております。資料2として「『新環境基本計画中間とりまとめ』に関する意見の概要」、資料3として「パブリックコメントへの対応に係る委員からの意見について」が付けられております。
 もし漏れがございましたら、お申し出いただきたいと存じますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。

【森嶌部会長】 それでは、ただいまから第85回企画政策部会を開催いたします。
 本日は、新環境基本計画に対するパブリックコメントをどのように反映するかという点を含めまして、中間とりまとめを最終的にどういうふうに修正していくかということについて御審議いただきたいと思います。
 まず、資料1でございますが、中間とりまとめ公表時、つまり、まだパブリックコメントを求める前にこの会でいろいろと宿題をいただいておりまして、文章整理などをするようにということでございます。そこで、私の方から事務局の方に指示をいたして、作業を行っております。なお、この作業の際には、用語の解説の追加の意見などあまり議論を要しないものについては、パブリックコメントに現れたものについてもできるだけ入れ込んでおりますけれども、委員からのパブリックコメントの取扱いについての御意見はまだ入っていない段階のものであります。つまり、宿題がちゃんとできたのかどうかわかりませんけれども、宿題をある程度やったということと、あまり大きな変更等のないものについて、パブリックコメントも組み入れる努力をしたということでございます。
 その次に、各委員から提出していただきまして、それを各検討チームの主査にとりまとめていただきました、パブリックコメントの反映に関する御意見がございまして、これも事務局から説明していただこうと思っております。
 また、以前から前文を作ってはどうかということがこの部会でも議論されておりましたけれども、早急に作って、また後で見直すと、文章が随分くどかったりなんかするので、これも御意見を伺って修正しようと思いますけれども、前文の案につきまして事務局から説明していただこうと思います。
 この3点について、パブリックコメントの内容の反映等について御審議をいただければと思っております。
 それでは、本日配付の資料について、事務局から説明をしていただきます。

【細谷環境計画課長】 それでは、資料の説明をさせていただきます。
 まず資料1をお願いいたします。この資料は、中間とりまとめまでの部会での御議論に従いまして、中間とりまとめに修正を加えたものでございます。主として簡素化や表記の統一をという御指摘あるいはよりわかりやすい表現ぶりにという御指摘、難解な語句に注釈を付けたらどうかという御指摘、こういうものに沿いました修正でございますが、具体的な修文の形で御提案がありましたものの修正、さらに戦略的プログラムのうち、「環境問題の各分野に関する戦略的プログラム」について、「目標」があったり、なかったり、項目の並びがそろっていないのではないか、こういう御指摘もあったわけでございまして、こういう点についての修正も行っております。
 なお、先ほど部会長からもお話がございましたように、ブロック別ヒアリング等に基づく修文につきましては、表現の適正化など、事務局において判断できるものにつきまして、部会長の御指示の下に修正いたしております。
 資料3にまとめたものにつきましては、部会での御議論を踏まえて、適宜修正する扱いとさせていただくということになっております。
 なお、この資料の見方でございますが、修正箇所は下線を引かせていただいております。また、ブロック別ヒアリング等に基づく修文につきましては、波線の形で表記いたしまして、関連する意見の番号(資料2で申します整理番号)を振っております。てにをはの類あるいは内容の変更を伴わず、表現をやさしくした、あるいは表現の正確を期した箇所は原則として、時間の関係もございますので、説明を省略させていただきまして、主要な修正点のみページに沿いまして説明させていただきたいと存じます。
 最初に目次でございますが、目次にありますそれぞれのパーツの見出しにつきましては、それぞれのパーツの記述内容により即したものとするための修正あるいは表記の統一を行ったところでございます。
 次に第1部でございますが、以下、説明箇所は、左端にございます※印の付いた番号で申し上げたいと存じます。
 まず、※103の第1段落の最後の行でございますが、類似のまとまった記述が後ろの方にある場合には、そのことに言及を加えたらどうかということがございまして、括弧書きの中のように言及を加えることにいたしております。以下、同様の記述が何カ所かございます。
 ※106の第3段落に、従来別の項で記述いたしておりました地盤沈下の状況を加えまして、表題も内容に即したものにいたしております。
 次に、※108の第3段落に、内分泌かく乱化学物質の記述を追加いたしております。
 ※111の第1段落のところに公害の現状に関する記述を加え、表題も改めております。特に、いくつかの御意見がございまして、公害というのは過去のものではない、こういう御指摘もかなり強くされております。その辺についての記述を加えたわけでございます。
 次に、※113、※114でございますが、内容的に大きな変更はございませんが、従来箇条書き的に書かれていたものを文章として整理いたしておりますし、環境問題の変化を第1、第2、第3と3つに括りまして、多少なりとも歯切れをよくしてみたい、あるいは※114の最後の部分を少しかみ砕いた説明にしたい、こういう修正を加えております。
 ※121では、意識の変化を行動につなげていく必要があるという趣旨の一文を最後に付け加えております。
 ※122につきましては、第2段落のところでございますが、ITの環境面に対する寄与を総括する一文を入れまして、その上で、具体的に期待される事柄を記述することといたしております。
 ※123につきましては、最初の部分に、環境に関する記述の状況についての総括的な一文を入れておりまして、さらに、従来この項の末尾にございました社会資本に関する一文を※124の(オ)として独立の項を起こしております。そして、物流、人流などの国民の社会経済活動の基盤となっている社会資本、あるいは森林についての言及を加えております。
 次に、※124の(カ)の部分でございますが、第2段落のところに、前回の部会における渡辺委員からの御提案もございまして、持続可能な経済社会を構築するために必要な生産と消費のパターンの転換の方向として、ストック活用型の社会経済への転換あるいは循環促進型の産業構造への転換に触れた一文を加えております。
 次に、※125から第2節が始まっておりますが、この節につきましては、前回、重複する記述が非常に多いという御指摘をいただいておりまして、重複箇所はどこにあるかいろいろ検討してみますと、専ら1の(1)「循環、共生に関する取組」の記述と11ページの2の「総合的取組の進展」の間に重複が多いということがわかりましたので、2の「総合的取組の進展」の記述から重複部分を大幅に削除しまして、これに伴って必要な修正を加えることにいたしております。
 ここで※140の項にございます「なお書き」が新しく加わっているように見えますが、実は後ろの方の重複箇所を省いた関係で、そこにありましたことでここに書かれてなかったことをここに持ってきたわけでございます。
 次に、※134の下線部でございますが、ここには国民の取組そのものの記述を加えるべきではないかという御議論がございましたので、それを踏まえて修正いたしております。
 同様に、※136でございますが、民間団体の活動が活発化しているという記述を加えております。
 ※137では、部会における御議論を踏まえまして、地方公共団体への権限委譲が進み、地域づくりを総合的に推進する環境が整いつつある中で、環境保全に向けた取組が活発化している、そういう順番になっておりましたのを今度は逆転いたしまして、環境保全に向けた取組が活発化しており、地方分権により地方公共団体の地域の経営主体としての権能が強化されたので、これがさらに促進されることが期待される、そういう事柄の順番を変えた表現に改めております。
 ※138では、国自身の取組が書かれていないではないかという御指摘がございましたので、その旨の修文を行っております。
 ※139におきましては、5番目の段落に民間団体や地方公共団体の取組を書き加えております。特に国際的な取組として、民間団体や地方公共団体の取組が非常に重要であるという御指摘によるものでございます。
 ※140の部分につきましては、先ほど申し上げましたように、総合的取組の枠組みの整備が進んだということを記述した部分が前の部分と重複が多くなっておりましたので、そういう事柄を非常に簡単に括りまして、「以上に述べたとおり、」という形で括った上で削除いたしております。その上で、今後の課題的な部分は残しているわけでございます。なお、下線が多くなっておりますが、内容的な変更はございませんで、箇条書き的になっていたものを文章整理をいたしたものでございます。
 次に※147でございますが、3つ目の段落に、「20世紀の環境上の『負の遺産』の解消と環境の再生を図りながら」ということが追加されております。
 これと関連いたしまして、※150でございますが、「公害問題をはじめとするこれまでの環境問題に関する経験を踏まえ、」という表現を加えております。
 次に第2部でございます。まず、※205の部分につきましては、国民からの意見募集の中で、環境と社会と経済の関係が全く並列であるように読めるという御指摘がございまして、これを踏まえた修文を行っております。持続可能な社会は、環境が人類の生存の基盤であり、人間活動の前提であるという重要な意義を持つものであるということから、環境面で質の高い生活を保障することは当然である、その上で、それ以外の経済面、社会面でも可能な限り質の高い生活を保障しようとするものである、こういう趣旨を明確化いたしております。
 なお、環境、経済、社会の関係につきましては、この3つがトレードオフの関係にあるという御指摘もあったわけでございますが、このようなことも想定いたしまして、前からある記述でございますが、16ページの※214におきまして、環境が滅びつつある中で、より重要なものがある、そういう記述があるわけでございます。この部分を踏まえての修文でございます。
 次に※207の(ii)でございますが、この表現がわかりにくいという御指摘がございましたので、「再生可能な資源」というのが末尾にあったのですが、これを主語にもっていく形にしまして、多少なりともわかりやすくいたしたところでございます。
 次に、17ページの※218では、「環境効率性」とは何であるか、そういう定義的なことを書き加えております。
 19ページの※230では、直接規制的な手法が当然に他の政策との組み合わせで用いられなければならないというふうに読めてしまう、こういう御指摘がございましたので、そういうケースもあるというニュアンスがはっきりするように若干の修正を行っているわけでございます。当然に他の政策手法との組み合わせになるのではなくて、そのようなものが適当である場合には、そういう組み合わせを検討しなければいけない、そういうニュアンスに変えております。
 ※240では、地球環境問題等は自主的取組によって対処するのだというふうにストレートに読めるのではないかという誤解を招くおそれがある、そういう御指摘がございましたので、そうした誤解を招かないような整理を行っております。内容的には変わっておりません。
 次に、21ページの※243では、環境投資について、環境上の「負の遺産」の解消に取り組むのだということを明らかにする一文を加えております。
 ※247では、2つ目の段落で、一定のものを対象として、環境教育等の重点的な実施を図るのはなぜか、その理由を書き加えているところでございます。
 次に、23ページの※254では、国民の意見募集でかなりの方から、環境政策の決定にあたって、各主体が参画することが非常に重要であるという認識を書き込むべきではないか、こういう御指摘があったわけでございます。そこで、前回の部会で、これはぜひ書き込む必要があるのではないかという議論がございまして、これを踏まえまして、上から3行分の修文を行っております。
 なお、下3行の修文につきましては、記述の趣旨をわかりやすくするための整理を行ったものでございまして、内容的な変更ではございません。
 これに関連いたしまして、※257のところを御覧になっていただきますと、一番下に「なお書き」で、国民の参画の機会を設ける必要があるという趣旨のことを書き加えております。
 ※259では、民間団体が環境保全に参加する各主体の取組の結節点、相互を結びつけるポイントとして重要な役割を果たすのだということを付け加えております。
 次に27ページの第3部でございます。まず、28ページの※3054をお願いいたします。ここでは、気候変動枠組条約とは何であるかということを簡単ではございますが説明を加えております。
 その他、ここの地球温暖化に関する戦略的プログラムの部分につきましては、記述の明確化等のための修文を行っておりますが、内容の修正はございません。
 次に、33ページの※3104では、循環型社会形成推進基本法が成立いたしまして、今後、廃棄物・リサイクル対策につきましては、廃棄物と循環資源が非常に重要な概念として働いてくるということを踏まえまして、この2つの概念についての説明を加えております。
 次に、※3113のところから「重点的取組事項」が書かれておりますが、ここでは従来14の項目が並列的に羅列されておりました。しかし、ちょっとわかりにくいという話がございまして、これを(ア)の「政策手法等の考え方」から37ページの(カ)の「地方公共団体の施策」の6つにグループ分けをいたしております。
 次に、35ページの※3119をお願いいたします。ここのうち、4のところにおきましては、文中に引用しております循環型社会形成推進基本法の規定が何を記述しているのか、これを説明するくだりを追加いたしております。
 同じく5のところでございますが、同じようなことが※3127というところにございますが、ここにつきましては、いろいろと線が引かれておりますが、内容的な修正はございません。
 次に、38ページの※3155では、運輸部門の二酸化炭素排出の状況について、「目標」のところに書かれていた記述につきましては、ここで書いた方がいいのではないかということで、そこにありますようなくだりをここに移しております。若干の補足を行った上で、正確を期しているところでございます。
 次に、※3156のところでございますが、これに伴う修正を行っておりますが、記述を補足してより正確を期したということでございます。
 その他、この交通の関係のプログラムに関しましては、若干の修正を行っておりますが、記述の正確化あるいはわかりやすくするための記述の説明の補足を行っているものでございまして、内容的な修正はございません。
 次に41ページをお願いいたします。※3202では、水循環に関する戦略的プログラムにおきまして、従来、1の「現状と課題」に続きまして、「施策展開の基本的方向」、「目標」という順に並んでおりましたが、これを他の戦略的プログラムの並び順に合わせまして、順番を入れ替えて整理いたしております。まず「現状と課題」を書きまして、次に「目標」、そして「施策の基本的方向」を記述いたしております。
 これに伴いまして、このままでは記述内容が相前後してわかりにくくなりますので、※3202の中で、従来「施策展開の基本的方向」の中で書かれていたことの一部をここに移して記述することにいたしております。わかりやすくために若干の修正を行っておりますが、内容的な変更は基本的にございません。
 ※3206の一番最後のところでございますが、なお書きとして、保水能力の高い森林を育成するための方法について記述いたしております。
 次に、43ページの※3209におきましては、同じく「なお書き」で海域に関する記述を付け加えております。
 次に、45ページの※3251から化学物質対策に係る戦略的プログラムが始まっております。ここでは、主として専門用語が非常に多く用いられているということもございまして、それぞれわかりやすくするための解説的な文章を加えております。
 ※3256の下から2行目でございますが、形成する社会的な合意が費用負担を含めて対策の推進に関するものであるということを明記したわけでございます。
 次に、※3260の中ほどのところから2「目標」というのがございますが、この部分につきましても、他の戦略的プログラムとのバランスを考えた構成の変更を行っております。他の戦略的プログラムの構成に合わせまして、従来なかった2の「目標」の記述をここで新しく置くことにいたしております。
 次に、50ページの※3305をお願いいたします。ここでは、生物多様性に関する戦略的プログラムについてでございますが、同じく他のプログラムの構成に合わせまして、2として「目標」の記述を追加することにいたしております。
 その次の※3306以下の部分は、従来「今後の重点的取組事項」として1本で書かれておりましたが、他のプログラムの構成に合わせまして、従来は「基本的方向」という形で書かれていた部分を3の「施策の基本的方向」として独立させまして、それ以外の部分を4の「重点的取組事項」として分けて記述いたしております。
 これに関連いたしまして、※3307の第1段落のところを書き加えております。それから、第2段落の「エコシステムアプローチ」の説明についても、少しわかりやすくということもございまして、修正を加えております。
 次に、53ページの※3358をお願いいたします。環境教育等を通じて身につけるべき能力として、環境に関する感性や倫理観というものがあるということを加えております。
 同じく※3361のところでございますが、最後の部分に「なお書き」として、教材の整備をするときは、実践の現場からの積み上げに十分配慮しなければならないということを加えております。
 同じく※3362では、情報提供に際して集中的なキャンペーンや様々なメディアの活用に留意すること、これもなお書きで加えております。
 ※3363のところでは、自然環境を保全して、環境教育等の場としての活用を図ること、あるいは学習等の成果を発揮できる場や機会の充実を図ること、この2つを書き加えております。
 なお、恐縮でございますが、第2段落の2行目に「自然とのふれあいの」とございますが、「自然とのふれあいを」でございますので、御訂正いただければと存じます。
 ※3365のところでは、環境教育等で向上した意識を行動につなげていく、その場合の具体的な行動の例としてグリーン購入活動というものを挙げております。
 次に55ページの※3401以下、社会経済のグリーン化メカニズムに関する戦略的プログラム。ここでは、ちょっと耳慣れない用語について、例えば、※3416のところで「インベントリ分析」、「インパクト評価」あるいは※3419のところの「環境適合設計」、こういう言葉について用語の解説を加えるという修文を行っております。
 次に、58ページの※3453におきましては、59ページの最後から2つ目の段落で、環境投資の一環として、環境上の「負の遺産」の解消のための取組を行うという記述を追加いたしております。
 次に、61ページの※3469では、環境投資のための資金調達の円滑化に関連いたしまして、欧米等で見られる社会的責任投資の考え方に留意するという旨の記述を追加いたしております。
 次に、62ページの※3475の部分におきましては、環境分野におけるITの活用について新しい項を起こしております。環境保全上ITに期待される事柄を述べるとともに、環境投資の重点分野としてこれを推進すること、あるいはその方向性、こういう事柄について記述いたしております。
 同じく※3477のところでは、森林、農地の維持、保全についての新たな項を起こしまして、環境投資の重点分野とするのだということを記述いたしております。
 次に、64ページ以下、地域づくりに関する戦略的プログラム、67ページ以下、国際的寄与・参加の推進に関する戦略的プログラムがあるわけでございますが、ここにおきましては、わかりやすくするための若干の字句の訂正、追加を行っておりますが、内容的な変更はございません。
 次に、70ページから第2章「環境保全施策の体系」の部分が始まっております。ここにおきましては、従来、箇条書き的に書かれていた部分が多かったわけでございますが、これを通常の文章に直したことが大きな修正点でございます。このため、下線を引いた部分が非常に多くなっておりますが、内容的な変更はあまりございません。
 また、※3601の(注)にございますように、中間とりまとめでは本文中に記述されていた他の計画等で定められている目標について、非常に見にくいという御指摘もございましたので、計画の末尾に参考としてまとめて掲載する方向で考えております。
 次に、※3604の部分の記述につきましては、全面的に加筆いたしておりまして、この節に示した施策の推進にあたっては、政策のベスト・ミックスの考え方のもとに政策パッケージを形成するよう努めるという事柄を追加いたしております。
 次に、※3606のところでございますが、国、地方公共団体、事業者が地球温暖化対策推進法等に基づいて取組を推進するものであるという記述を加えております。
 次に、74ページの※3639という項目では、NOx法に関する記述を、現代の検討状況を踏まえたものに書き改めております。この部分につきましては、今後、計画の決定までの間にいろいろな動きがあることが予想されておりまして、その動きによりまして、必要に応じ再度修正を検討しなければならないと考えているところでございます。
 次に、82ページの※3700のところでは、PCBが保管中に行方不明になることがあるという御指摘もありまして、記述の追加を行っております。
 次に、89ページの※3770という項目では、いろいろな研究、調査が人類共通の「知的資産」の形成への国際的寄与であるという視点を追加いたしております。
 同じページの※3774では、技術の開発、普及の障害の除去のため、社会経済システムの変更あるいは社会基盤の充実等を視野に置いた戦略的な取組を行うということを追加いたしております。
 その次の※3775では、エコビジネスの振興に関する記述を追加いたしております。また、地域レベルで効果を発揮する比較的小規模な技術の振興に関する記述を追加いたしております。
 また、(ウ)として、ITの活用に留意するということも追加いたしております。
 ※3778では、国立環境研究所、環境研修センターに関する記述を追加いたしております。
 次に、91ページの※3787のところでございますが、環境情報の社会的共有化、これを踏まえた合意形成というものを強調するくだりを追加いたしております。
 次の※3788のところでは、いろいろと御指摘、御要請もあったわけでございますが、公害・環境問題に関する資料の散逸の防止に努めるという記述を追加いたしております。
 次に、94ページの※3813の部分につきましては、委託先の業者が廃棄物の不法投棄等を行った場合、その廃棄物をそもそも排出した事業者が原状回復責任を負わなければいけないということが書かれておりますが、その場合の条件を少し厳密に書き込んでおります。
 97ページの※3910以下、「環境教育・環境学習等の推進」に関する記述がございますが、ここでは、戦略的プログラムとの重複部分を整理いたしております。前の方に書かれていることは、後ろの方では書かないか、あるいは簡単に書くという方針で臨んでおります。
 次に、103ページの※3955のところでございますが、金融分野の取組として、ベンチャー企業として行われるエコビジネスへの助言などを通じた育成、あるいはエコ・ファンド等の環境に配慮した企業への投資の枠組みの検討、こういうものについての記述を追加いたしております。
 次に第4部でございますが、110ページ以降でございます。※402で、全国的な情報交流の手段としてITを活用するという記述を加えております。
 資料1の説明は以上でございますが、この資料には参考として前文の案が付けられております。これにつきましては、初めてのものでございますし、短い文章でございますので、読み上げさせていただければと思います。中身につきましては、この計画のバックボーンをまとめて書いているということでございます。
 それでは、朗読申し上げます。
 〔前文(案)朗読〕

【細谷環境計画課長】 続きまして、資料2につきまして御説明申し上げます。
 資料2は、ブロック別ヒアリングで提出されました意見と国民からの意見募集を通じて寄せられました意見を「中間とりまとめ」の目次に沿って整理したものでございます。この資料は、前回の部会に提出いたしましたものを、その後寄せられました意見等を含めて補足・整理いたしたものでございます。
 意見の提出状況につきましては、表紙の次のiページのところから簡単にまとめてございます。一般の意見募集につきましては、424名の方から御意見を頂戴いたしております。また、ブロック別ヒアリングにつきましては、札幌、金沢、広島、浦和の4会場におきまして、39名の方々から意見陳述をいただいております。これらの方々から寄せられました意見は、意見数で申しますと、iiiページの一番末の合計を御覧いただきますと、2,238件となっております。内訳につきましては、iページからiiiページまで、「中間とりまとめ」の目次に沿いまして、それぞれの記述を記載いたしております。
 なお、前回の御審議の際に、意見提出者の属性的なことを示してほしいという御要請がございましたので、この点につきましてivページにお示しいたしております。
 その次をめくっていただきますと、1ページから77ページまで表の形で整理されているところでございます。意見の個別的な紹介は、時間の関係もございますので、省略させていただきたいと存じますが、記載の要領は、前回提出したものと同じでございまして、資料に個人名が記載されているものは、ブロック別ヒアリングで提出されました意見、それ以外のものにつきましては、意見募集を通じて寄せられました意見と御理解いただきたいと思います。
 また、前回提出資料に追加した部分につきましては、資料の通し番号の欄に「追何番」と記載しまして、網かけをいたしております。例えば1ページで申しますと、中ほどに「追1」「追2」とございますが、このような形になっております。
 なお、整理番号の欄にございます番号につきましては、「中間とりまとめ」の項目に打った番号でございまして、同じ番号は一緒の欄で、どの項目に意見が多かったかということが読み取れるような形にいたしております。
 次に、資料3をお願いいたします。これは資料2にまとめております「中間とりまとめ」に対する意見を、最終とりまとめに反映するものを選ばなければいけないということで、委員の方々から御指摘のありましたものを各検討チームの主査と御相談の上、「中間とりまとめ」の目次の順に整理いたしたものでございます。原則として、修文案を示す形で御意見をとりまとめていただいておりまして、参考までに関連する意見を四角の中に記載する形にいたしております。
 まず1ページ目の最初の意見でございますが、これは6ページの最初の意見と関連しますので、後ほどまとめて御覧いただくことにいたしまして、2つ目の意見から御説明申し上げます。
 この意見は、温暖化ガス6%削減目標達成のためには構造改革的な対応が必要である、こういうことを認識せよ、そういう指摘をいただいておりまして、これを踏まえまして、その旨を書き込もうとするものでございます。
 次の化学物質対策関連の1番目は、現在のリスクコミュニケーションに関する記述では、リスクコミュニケーションが、「科学的リスクを理解しない国民への説明・説得である」というふうに読めてしまうのではないか、こういう御指摘を踏まえまして、※3257のところで、リスクコミュニケーションは社会的合意形成のためのものであるということがもう少しはっきりわかるように書くべきではないか、こういう御提案でございます。
 化学物質対策関連の2番目につきましては、具体的修文に係るものでございますが、実は既に本日提出の修正案に反映されております。
 化学物質対策関連の3番目につきましては、中小企業の化学物質対策への支援が必要であることを書けないか、こういう御意見でございます。
 次に、生物多様性関連の提案がいくつか並んでおりますが、1番目は、生物多様性の保全のための取組が広く国民に理解され、浸透するように工夫すべきである、こういう御指摘を踏まえまして、まず、生物多様性の重要な意味についての認識を共有することから始めるのだ、そういうニュアンスの修文を行ったらどうかという御意見でございます。
 2番目は、表現を少しでもわかりやすくするという観点から、エコシステムアプローチの記述について修正を行ったらどうかという具体的な御提案でございます。
 生物多様性関連の3番目でございますが、ここでは「生息地の減少、分断、劣化の防止」に関するいくつかの御指摘がございまして、これを踏まえた修文の御提案でございます。最初の部分は、原案では「生物の生息・生育空間の保護地化」ということのみが強調されておりましたので、それらのネットワーク化ということも大事であるということを記述したらどうかということでございます。
 また、2つ目の段落のところは、574番、576番の意見でございますが、これを踏まえまして、「保護地域の制度化」という文言を加えたらどうかということでございます。
 3番目の段落の修正につきましては、912番の意見を踏まえまして、森林、水系等を意識した一体的な生物多様性の保全のための対応を図ることを加えたらどうかという御提案でございます。
 4番目の段落につきましては、1131番の指摘を踏まえまして、「里山」という言葉を加えたらどうかということでございます。
 その他、若干の解説的な文章の追加というものが提案されております。
 生物多様性関連の4番目でございますが、ここでは、自然環境保全というものを産業化していく必要があるのではないか、あるいは新しい型の公共事業として自然環境保全事業というものを考えたらどうか、こういう911番、950番の御指摘を踏まえまして、生息環境の維持のための事業も社会的投資の重要な分野であるということを明示する趣旨の修文を行ったらどうかという提案でございます。
 生物多様性関連の5番目でございますが、人材を確保しても就労の場がなくてはしょうがないという御指摘を踏まえました修文案でございます。
 5ページからの環境教育・環境学習関連で2つございますが、1番目は、「中間とりまとめ」の※3357の項目に、環境学習等はグローバルな視点を踏まえた展開が必要である、そういう修文を加えたらどうかという提案でございます。
 2番目につきましては、身近な里山、水辺等を環境教育・環境学習の場としての活用を図ることを記述したらどうかという御指摘に答えまして、※3363というところで修正を行ったらどうかということでございます。資料1の54ページの※3363の6行目の頭のところに「多様な自然環境を保全し、」とございますが、その前に「里山や水辺等の身近な自然を含む」というような表現を入れた方がおさまりがいいかもしれません。そういう御提案があったわけでございます。
 次に、社会経済のグリーン化メカニズムにつきましては、よりわかりやすい表現にしようという御提案でございますが、関連しまして、次の環境投資に関する修正案、1ページの一番最初の意見が提案されているところでございます。
 次に、6ページの一番下のところから第3部第2章関連の提案がいくつかございます。まず最初の提案は、里山の重要性についての指摘を踏まえて、里山の意義を書き加えたらどうかという御提案でございます。
 2番目につきましては、自然保護の上で河川というものが非常に重要であるという御指摘を踏まえた修文案でございます。
 第3部第2章関連の3番目でございますが、ここでは、野生生物の捕獲、取引の監視等を強化する必要があるという指摘を踏まえまして、監視方法についての記述を加えております。
 それから、野生生物の保護というのは、周辺の生態系、自然の環境の保全なしにはできないという指摘を踏まえまして、若干の修文を行ったらどうかという御提案でございます。
 4番目は、自然とのふれあいのルールについての指摘がございまして、それを踏まえた修文案でございます。
 5番目につきましては、戦略的環境アセスメントについて、制度化を求める声に答えて、制度化を図ることをもっと明確に書いたらどうかという御指摘があったわけでございます。この点につきましては、資料1の57ページの※3420の記述とも関連するわけでございます。
 最後に、6番目の提案でございますが、これは資料1の※3786という項目に関連して出されておりますが、実際は第4部の中の修文案でございます。環境行政の推進にあたっては、正確で迅速なデータを得ることが必要である、こういう趣旨の修文を行ったらどうかという御提案でございます。
 委員の皆様方から出てまいりました御意見、主査の先生方と相談いたしまして、整理いたしましたものは以上でございます。

【森嶌部会長】 非常に大量な資料でございまして、どういうふうに議論していくのか、皆様の方でもフォローアップしかねているかと思いますけれども、今日のところはお気づきのところを御自由に御意見をいただいて、またお気づきのところは書面等でいただくことにしまして、修文について、細かい言葉の使い方について御意見をいただいても結構ですが、事務局に文章整理をしてもらったもの、パブリックコメントから盛り込もうとしたもの、あるいはパブリックコメントの中で盛り込まれていないものについて、こういうところは入れたらどうか、というような点について御自由に御意見をいただきたいと思います。ただ、あっちに飛び、こっちに飛びということもございますので、とりあえず一応何ページから何ページまでのところでお気づきの点ということでやってまいりたいと思います。まず最初に、資料1も資料2も資料3も参考資料も混ぜてでありますが、前文、第1部につきまして、資料1で申しますと13ページのところまででお気づきの点がございましたらどうぞ。

【天野委員】 前文で1つちょっと気になる表現があります。裏側の下から2つ目の段落、「20世紀は、……」の文章の真ん中あたりから「環境の制約から自由になったと感じられた時代であった。」という言い切りがあるのですが、これは一部の先進国だけではないか、あるいは先進国の中でも一部の階層の人だけではないかという印象を与えかねない文章ではないかと思いまして、どういう表現がいいのかよくわかりませんけれども、たくさんの自然災害とか資源制約、そういうものに対応しながら豊かな社会を構築しようとして努めてきた、そんな時代であった、というふうなことではないかと思います。

【森嶌部会長】 具体的な文章につきましては、また次回にでも御提案いたしますが、事務局の方、テイクノートしておいてください。

【藤井委員】 前文のところですが、かなり長いですね。端的に申しますと、「我々は、今、分かれ道……」のところに表れていると思うのですが、いくつかの形を出すのではなくて、分かれ道に立っていて、今まさに「大量生産、……」からここに移行するのだというふうにぼんともっていって、そこを目指したものであるというふうにきっちりコンパクトにまとめた方が読み手にはわかりやすいのではないかと思います。

【谷田部委員】 10ページの「国際的な取組」というところですが、これ全体を読むと、もちろん含まれてはいると思うのですが、開発途上国も豊かな自然を守るとか、そういった姿勢というのも国際的な取組としては重要だと思うのです。後半の方にはそういったことも含まれているのですが、全体的に開発というイメージが強すぎるので、前文の段階でもどこかに、「開発途上国の豊かな自然をより多く残すために」とか、自然保護とか、そういった部分が感じられるようなことを一言加えていただきたいと思います。

【森嶌部会長】 途上国の自然環境を守ることは非常に大事なんですが、今までの国際社会ですと、途上国の自然環境を守れということを先進国が言うことについて、非常に大きな反発がありますので、御意見は十分承知いたしましたが、どういう表現をするかというのは、多少微妙かと思います。

【平岡委員】 10ページのところで、EPRは「Expanded」になっていますが、「Extended」ではないでしょうか。ミスプリントだと思います。35ページのところにもEPRが出ていて、こちらの方はきちっと「ExtendedProducerResponsibility」となっているのです。

【森嶌部会長】 そうですね。ありがとうございました。

【安原部会長代理】 前文の1ページの真ん中あたりに「地球環境に目配り」という表現があるのですが、「目配り」ではちょっと軽いような感じがいたしますので、「地球環境保全を行っていかなければならない」か何か別の表現の方がベターかと思います。

【藤井委員】 前回欠席しましたが、今の対象ページだけではなくて、盛んに「COP6後に必要に応じて見直し」という項があるのですが、ここについては、どういうふうに解釈して今日は議論することになっているのでしょうか。

【森嶌部会長】 COP6が11月に開かれますので、その結果によっては表現を改めなければならないかもしれないということで、今日のところは、御議論いただいて、ただ、我々の方で議論を進めていっても、COP6によっては、12月1日の時点で変わるかもしれません、そういう意味であります。

【藤井委員】 では、不幸にして進展がなければ、この表現が新環境基本計画の文言で確定するのですか。

【森嶌部会長】 進展がない場合には、そのときにまた御相談をいたします。ここでは、まだ今のところわかっていませんという前提で、どっちかにわかった段階でもう一度考えた方がいいと思います。

【三橋委員】 前文について歯切れが悪いなという部分を2カ所ほど指摘させていただきたいと思います。1つは、冒頭の「いわば第2の環境の危機」も産業公害も、大量生産、大量消費というものを背景にして起こってきたのだろうと思うんです。「第2の環境の危機」の理解の仕方というのは、産業公害を第1として、第2を分けるということだと、その理由がそれぞれ明確になっていなくてはいけないと思うのですが、私は同じではないかと思うんです。だから、この表現でいいのかなという感じが第1点です。
 もう1つは、「我々は、今、分かれ道に立っている」というところです。第3の道について触れていますね。しかし、我々がこれまで議論してきたのは、第1の道はだめだという議論をしてきて、したがって、選択としては、第1と第2の道しかないのだ、そういう問題意識ではないかと思うんです。第1の道を挙げることの理由がほとんど理解できないのです。

【森嶌部会長】 先ほど藤井委員のおっしゃったことですね。わかりました。

【鈴木委員】 今の三橋委員の意見と重複する部分が1つなんですが、それは前文の書き出しのところで、「わが国の環境は、依然として良好とは言い難く」と書いてあるのですが、これは一体どういうことを考えて書いているのか、よくわからない。
 それから、「第2の環境の危機」というのも非常にわかりにくい。環境の危機がどんな形で定義できるものとして書いてあるのか。三橋委員がおっしゃったように、持続的に問題はどこかにまだ残っているのではないかと思います。だから、「第2の危機」とは何か、それがわからない。
 それから、裏に入りまして、下から2つ目の段落、「20世紀は、……」という書き出しのところですが、ここで「我々の最重要課題は、環境という枠組みの中において」とあります。これがわからない。むしろ「地球という枠組みの中において」と書くならわかるのですが、ここは、環境という枠組みというのは、何をいっているのかよくわからない。

【森嶌部会長】 ありがとうございました。
 それでは、また後で返ってくることにしまして、第2部、26ページまでのところでいかがでしょうか。

【藤井委員】 森林の項ですが、18ページの3のすぐ上の「森林を維持、保全、整備」というところと、21ページの(3)のすぐ上にありますが、森林については、維持、保全だけではなくて、21ページのような「木材資源の有効利用」ということをきっちり出した方がいいのではないか。つまり、保全だけでは森林の問題は解決できないので、後者に合わせた方がいいのではないかと考えます。

【小早川委員】 14ページの今回直された※205のところ、「持続可能な社会」の説明ですが、やはり文章がわかりにくい感じがいたします。「環境の側面はもとより」、これを特に取り出したという先ほどの御説明でしたが、それはわかるのですが、文章としては、「環境の側面」がどこにつながるかというと、「質の高い生活を保障する社会」だと思うのですが、「環境の側面における質の高い生活」というのが一体何を意味するのか。環境を維持し、保全していく、そういう生活のことなのか。アメニティーに富んだ楽しい生活のことなのか。どちらかというと多分前者だと思うのですが、その辺がこの文章でははっきりしない。

【森嶌部会長】 むしろ後者かなと思っていたのですが。つまり、アメニティーといいましょうか、質の高いというか、より良好な環境をもっている社会だろうと思ったんです。保全していこうということよりも、社会そのものは持続可能な社会へ向けてやっていくのは確かにそうなんですが。

【小早川委員】 まさに次の世代まで持続可能な、そういう環境の中で暮らすということなのではないでしょうか。ですから、今、環境の効用をフルに享受するということでは必ずしもない。もともとの寄せられた意見もそういうニュアンスだろうと思います。

【天野委員】 先ほどちょっと言い忘れたのですが、前文にも同じような、完全に重なるのですが、今の御指摘の箇所で、「質の高い生活を保障する」というのは、経済的な側面、社会的側面において質の高い、こうつながるんですね。普通は、クオリティ・オブ・ライフが重要であるという言い方をして、それは量的な豊かさに対して言われることだと思うんです。ですから、そういう考え方をしますと、経済的な面で質が高いとかいう言い方ではなくて、1つの独立した内容ではないかと思うんです。経済的に量的に豊かな社会であるばかりではなくて、生活の質が高いというのは、アメニティーに何を含めるかという議論もあるでしょうけれども、一般的に生活そのものの質ですね。安全とか衛生とか、そういうことも全部含めて生活の質が高いという考え方ですので、ここのように経済とか社会の面で質の高いというのとは違うような気がするのです。それで先ほど言い忘れたのは、前文の表の下から2つ目の段ですが、「第3の道は、」というところで、「我々現在世代にとっては、行動に制約を生じ、到達できる物質的な豊かさを減じる」となっているのですが、その後ろに「世代を通じた生活の質を高め」というふうなことを入れれば、我々現在世代も将来世代も高いクオリティ・オブ・ライフを享受することができるというプラスの面が入ってくると思うんですが、そういうことと関連して、14ページの205の表現もお考えいただけたらと思うわけです。

【江頭委員】 22ページの環境教育のところですが、ここは修正ではなくて、前からこうなっていたのかなと今さら反省しているのですが、上から6行目、「環境保全のための取組に重要な役割を担う者」と「次世代を担う年齢相」、この2つを特に書いてあるということは、次が、そのために「環境教育・環境学習の必要性が高く」というふうに感じちゃったんです。そうではなくて、その上の段階から、「各主体の行動の特性を踏まえて効果的に実施するためには、環境教育……」というふうに、そこが限定されちゃったような気がしたので、そこをちょっと考えていただきたいと思います。

【森嶌部会長】 確かにちょっと係り方がわかりにくいところがあるかもしれません。

【江頭委員】 もう1つは、同じ22ページですが、環境教育・環境学習のところの下から5行目、「というプロセスを重視した教育及び学習」と「環境」の文言が抜けちゃっているんです。これでわからないことはないのですが、ここでは「環境教育及び環境学習」というとするならば、その前の段階のところで括弧して注意書きを入れて「(以後「教育及び学習」とする。)」とかと入れておいた方が、上は「環境教育・環境学習」といって、下になったら急に「教育及び学習」になっちゃっているので、ほかのところでもさっき気がついたのですが、いかがでしょうか。

【森嶌部会長】 お気づきの点がありましたらどうぞ。
 後にも申し上げるつもりですが、今日御意見を伺って、修文をしまして、できれば事前にお送りしたいと思いますが、いずれにしても、12月1日には、今日の御意見を踏まえて修文をしたものを御提示して、そこでとりまとめをしていただこうと思っておりますので、今日のところは、ここが問題だ、ここがわからないということだけでも結構ですので、どしどし言っておいていただいた方がありがたいと思います。
 それでは、これもお気づきの点がありましたら後ほど言っていただくことにしまして、第3部に移りたいと思います。第3部の第1章の「戦略的プログラムの展開」のところ、69ページまでのところでいかがでしょうか。

【村杉委員】 追加のパブリックコメントにもあったことなんですが、3カ所出てまいりますが、最初が39ページの※3162というところです。ここは「環境への負荷の少ない交通に向けた取組」というところで、「交通による環境負荷の少ない都市、交通システムの整備」という項目の中に入っている言葉なんですが、6行目に「環状道路やバイパスの整備」というのがあります。この「環状道路やバイパスの整備」という言葉が、あと後半2カ所、合計3カ所に同じ表現で出てまいります。都市部において、交通流の円滑化を図るために、環状道路を新たに造ったり、バイパスを造ったりというようなことを行うというのは、これから作っていく新環境基本計画の精神とは矛盾するのではないかという気がいたします。それは確かに円滑化を図る必要はあるでしょうけれども、だからといって、新たに道を造るということは、20世紀型の開発志向以外の何ものでもないのではないかという気がするわけです。
 道路を造ることについて、この辺でも頭書きで新たに挿入されているのは、「環境負荷が増大しないよう配慮しながら」という表現がありますけれども、絶対に環境負荷が増大しない配慮というのはできないと思うんです。都市の周辺部に道路を新たに造ること自体、その場所の環境破壊であり、例えば生態系とか水系の分断や劣化が起こるでしょう。また、道路建設による土砂の採取をすることで山が半分とられるとか、今まで散々そういうことをやってきたわけですね。だから、そういうことを前提とした道路を造るという表現は、新環境基本計画の精神に矛盾しないかと思っております。道路を造って分散化を図ったとしても、便利以外、また車の増加を促すことになり、それで炭酸ガスが増すということも考えた場合には、やはり最低限度、「環状道路やバイパスの整備を図る」という文面だけは削除していただきたいという気がいたしますが、いかがでしょうか。
 ちなみに、※3162のところのほかには、※3638、※3949のところに同様に「バイパス・環状道路整備」という言葉が入っております。それぞれ都市の場合であったりいろいろですけれども、渋滞を解消するために道路を造るという発想からはもう脱却することが必要ではないかと思った次第です。

【森嶌部会長】 ただいまの御提案につきましては、検討チームがございますので、検討チームのメンバーで御意見ございましょうか。

【太田委員】 今のような点については、今までいろいろな議論がございまして、道路交通の円滑化をして環境負荷を減らすということは確かにあります。ただ、それによって新しい誘発が起こるというのは困るでしょう、自動車交通が余計に増えてしまうという面ですね。その点はおっしゃるとおりで、それでもくみ入れるということで、「環境負荷が増大しないよう」という言葉で、いろいろな意味で議論してきた結果、それをどういうふうに受け止めるかということと、今回のこの表現が、「環境負荷が増大しないよう配慮しながら」というのが後からきていますから、目的が円滑化ということにきているので、また印象が違うのかなという感じがしますけれども、この辺は全体会議の場でまた方向づけをしていただければ、検討したいと思いますが、基本的には、現在のままの道路の状況でずっといっていいのだろうかということではないと思っております。やはり基本的な骨格的な道路がきちんとしていない限りは、渋滞が更に増えていってしまうのではないかと私は思っておりますけれども、これについては皆さんの御意見をお伺いしたいと思います。

【森嶌部会長】 村杉委員の御提案は、削除ということでございますので、クオリフィケーションを付けるとか、そういうことも含めて、この問題について御意見がおありでしたらどうぞ。

【猿田委員】 村杉先生のお話は、一般論としては確かに、今バイパスですかという問題があるかと思いますけれども、太田先生のお話にございましたように、現実に通過交通をどう減少するか、交通流をどう整備していくかということからいきますと、私の経験からしても、バイパスを造ったことによって都市部の交通流が減ったという現象もあるわけです。そういう中で、今、環境アセスメントあるいはSEA(戦略的環境アセスメント)も行われようとしているわけですから、その段階で十分にそのような現状についての論議が行われれば、そのバイパスの必要性とか影響というものが事前にかなり予測もできるわけで、一概にバイパスがいかんと言ってしまうのは、現状からみますと、かなり無理があるのではないか。やはり必要性というのも現実にあるわけでして、そういう中でも環境影響評価とか、そういうところで十分にそういうものをチェックした上で対応すべきだろうと思います。

【天野委員】 交通流の円滑化を図るというのが1つの目的ですので、それを実現する方法はいろいろあると思うんです。その中でどういうものを選ぶかというので、環状道路を造ったり、バイパスを整備したりするというのは1つの方法であって、例えば、デマンドサイド・マネジメントのようなことをやることも1つの選択肢だと思います。急場には間に合わないかもしれませんけれども、そういうものを含めるとか、そういうことを述べないでいきなり環状道路を造るといってしまうところに問題があるのではないかと私は思います。ですから、こういう物理的な道路を造るということと、車そのものを減らすような交通システムを考えたり、需要側で、その道を通らないでとか、他の交通手段を使うような制度を造るとか、そういうふうなものを含めて環境負荷を下げる努力をすべきだという記述が必要なのではないか。ここは直接、交通流を円滑化するのはこれしかないというふうな言い方になっているんですね。その辺が気になります。

【横山委員】 村杉委員の考え方に全面的に賛成します。というのは、交通混雑を避けるために道路を造るということでいろいろな公害をまき散らすというようなことがあるわけで、まさに20世紀でそういうものはやめてしまって、いかにして交通を少なくするか、車を減らしていくとか、そういう観点で考えるべきではないかと思います。特に、私はいつもそう思うのですが、建設省とか、そういうところでこういう表現が出てくるなら、やむを得ないかなという感じがするのですが、中環審でそういう表現が出てきて、それを見た人がどうかということを考えたら、どちらを向いた環境行政を目指しているのかということからいっても、私は、非常に後ろ向きの表現ではないかと思います。

【森嶌部会長】 これに関してほかにございますか。

【小野委員】 理念としては、村杉委員のおっしゃるとおりだと思うのですが、ここの書き方は、「都市部において」というのが頭にきているのですが、実は具体的にそういうバイパスの問題とか、信号の問題とかいうのは、人口に非常に左右されている部分がありまして、現在そうしないと、恐らくここ10年、20年の間にはもう交通が行き詰まってしまうだろうと思われるところが多々あるわけですから、地方によってという部分があります。これは書き方の問題があるので、いきなりこれを表に「都市部において」云々と書いてしまうと、やらなきゃならないのが気になるのですが、そうではなくて、そういう解決方法もあるという形をとっていただくと、物事がわかりやすくなる。つまりメリハリのきいたそういうやり方をするという表現にしていただくのが私は解決が早いのではないかという感じがしております。

【森嶌部会長】 これに関連してほかにございますか。

【三橋委員】 私も村杉委員の指摘というのはかなり説得力のある発言だったのだろうと思います。1つ、これは自動車が中心になっているわけですが、今ヨーロッパの大きな流れとしては、都市部では、自動車を排除して自転車をもっと流通させるための道を造っていくとか、そういう部分がかなり書き込まれた上で、必要ならというような部分も例外的にやむを得ないのではないかというような流れでないと、世の中の大きな流れから外れちゃっているような感じもするんです。私なんかは、大都市の都市部では、自動車の通る道幅を少なくして、自転車道とか歩道をむしろ広げていくべきではないかという個人的な考え方を持っています。つまり、代替道路についての配慮というものが書かれていないというのは、やや問題かなというような感じがしますし、その点では、全面削除について皆さん議論しても、精神は村杉委員が言ったことに私も共鳴します。

【太田委員】 今いろいろ御意見をいただきました。この趣旨は、一番大きいのは、交通による環境負荷の少ない都市、交通システムという全体の中で考えたいという中で、確かに表現が、最初に整備ということが出ているので、多少そちらを強くいっているかと思いますが、ヨーロッパの経験はいずれにしても、骨格的な施設があるから、中心部についてそれを排除した形でのものができるわけですね。ですから、公共交通をきちんと走らせるために、バスを走らせるためには、ちゃんと2車線道路でなければいかんとか、そういうベースのものがまだ都市部ではできていないというのが私どもの認識です。ですから、そういう意味では、整備が必要だと。ただ、その問題に、道路の整備という言い方と、車道をどうするかというのは、別の話なんですね。道路を造って、その上の使い方をどうするか。そこで場所に応じて制限するところ、住宅地でそれを減らすとか、都市部について代替交通手段があるところはできるだけ徒歩、自動車、公共交通に委ねていく。そういったバランスがどうしても必要だろうと私は思っております。先ほど村杉先生からございましたが、需要マネジメント的なことは後に出ておりまして、これは整備が一番最初にきて、整備が必ず必要かという印象は確かに強く出ているかなと、今読んでいますと、そういうふうに見れないこともないということで、私としては、そういったバランスの中で整備すべき場所があるのだと。ただ、その面でやたらにこれを造るという話では当然ないので、その辺を慎重を期するということで、「環境負荷が増大しないよう配慮しながら」という言葉が、いろいろな議論の末、付け加わったというふうに理解しております。そういう意味で、入れるとすれば、そういう総合的な、私どもは政策パッケージといっておりますが、その中で入れる。その意が伝わるようにもう少し工夫するということかなと思っているのですが、いかがでしょうか。

【江頭委員】 今皆さんがおっしゃったことはすべてもっともだと思うのですが、私はここを初めに読みましたときに、「バイパスの整備」という言葉を、造るということだけにこだわらないで、見直しをして直すことも含まれているかなというふうにとらえていたんです。だから、今言われて、カットするのかどうかとなると、私は、「見直し」というふうに入れた方がいいのかなと思いました。

【森嶌部会長】 これだけ集中して取り上げましたのは、村杉委員の問題提起というのはまさにそのとおりでありますけれども、また、横山委員が「中央環境審議会として」とおっしゃいましたけれども、中央環境審議会は、環境だけを考えるところではなくて、環境に軸足を置いて国の政策を考えるということでございますので、他のファクターを無視してもいいということではございません。ですから、私としては、非常に重要な問題提起を受けて、皆様の御意見も伺いまして、方向性としては、この文章を削除するとか何とかではなくて、バイパスなどを造るということが21世紀に向けての解決でないということは、おっしゃるとおりです。また、太田委員のお話もございましたので、全体の書きぶり、つまりバイパスなどを造るというのは、政策パッケージの1つであるということ、そして、そのことは、書き方の問題はありますけれども、こうやるのだから、交通の渋滞を避けるためには緑なんかぶっ壊してもいいのだ、そういう趣旨では決してないはずですので、例えば、その際はアセスメントをやり、自然環境への配慮をするとか、どういう文章にするかはともかくとしまして、検討チームの責任者でもいらっしゃる太田委員と御相談して、方向性としては、少なくとも初めにバイパスありきという考え方ではないということが、一読してわかるような方向で修文をしたいと思います。せっかく削除のお申し出でしたが、部会長としては、修文を試みますので、次回にまた御検討いただきたいと思います。

【佐竹委員】 65ページの※3508、「地域内資源の活用と地域内循環の尊重」の部分ですが、この地域づくりにつきましては小生も関与しておりまして、今こういう発言をするのはちょっといかがかと思うのですが、65ページに、風、氷雪、地熱と並んで、最後に森林が出てきています。これは森林経営者からいいますと、いささか白々しい感じがする意見ではないか。つまり、これだけ外材が流入して材価が低迷し、山林が荒廃しているのに、こういう表現を使われるということについては、しかも何か具体的な施策があるならいいのですが、実際に経済のグローバル化が進んでいる中で、政策としては、これを予見として考えざるを得ないだろうと思うわけです。これは非常に大きな問題。
 細かい表現なんですが、さらに突き詰めてまいりますと、今日修正のあった部分、3ページの※113に「大量に輸入した食料品、肥料、飼料」云々という表現がございます。これは私も比較的早い時期にこの問題を提起して、森嶌先生から「では、どういうふうにお考えですか」と言われて、「実は答えがないんです」というお答えをした記憶があるのですが、こうはっきり書かれているわけです。これを書くことは、事実ですし、私も賛成なんですが、それでは、手が打てるのか。さらに突き詰めて言いますと、大量生産、大量消費、大量廃棄というシステムは捨てなければならないということを一方で書いてあるわけです。しかし、捨てるということは、まさにこれをどうするかという問題にもつながってくるわけで、必ずそういう御意見をお持ちの方も出てこられるだろうと思います。そこまで問題をさかのぼらせるとちょっと収拾がつきませんが、ここに森林を入れることが果たしていいかどうか。前の風、氷雪、地熱というのは、確かにわかりやすいし、まさにこういう動きが現実にもありますからよろしいのですが、森林を書くことは、私は書いてほしいという気もありますし、また逆に、書いて、実際の森林経営者からは、「何を今時そういうことを言っているのか。今の林業の現実を一体知っているのか」というような反論も予想されるので、ちょっと悩ましいところなんですが、一応申し上げるだけ申し上げておきたいと思います。

【森嶌部会長】 誠に申し訳ないのですが、伺うだけ伺うのは構わないのですが、今の話はどうしたらいいのでしょうか。入れたらいいのか、入れない方がいいのか。それはまさに委員のお悩みのところなんですが、それを突きつけられると、ちょっと……。

【藤井委員】 私は入れる派で申し上げたいと思います。ここのところは、再生可能エネルギーと置き換えれば、そこの地域資源でいえば、これはバイオマスエネルギーとして、まさに私ども滋賀県でも森に目を向けて、森林を材としてだけではなくて、どう生かしていくかということの中に、エネルギーを今考えようとしていますので、私は、積極的に森を、後の文言とのつながりでいえば、「最大限循環的に利用していく」ということでいえば、有効利用は新たな21世紀の使い方だと思っています。

【森嶌部会長】 今までやっていなかったから、今さら何を言うのだと言ったら、これからそうしようではないか、そういうふうにお答えいただければと思います。
 ほかの問題でどうぞ。それから、先ほどから資料1だけに目を配っておられるようですが、今日は資料2を前提として、資料3の方をどう組み込むかということもお伺いしていますので、どうぞよろしくお考えください。

【天野委員】 細かい言葉の問題で恐縮ですが、61ページの※3469に「社会的責任投資」という言葉が英語で書いてありますが、「Socially」ではないかと思います。

【森嶌部会長】 ほかにございませんでしょうか。

【藤井委員】 パブリックコメントの中にもたびたび出てまいりますが、29ページの原子力の開発利用のところで意見を申し上げたいと思います。※3056の最後ですが、文言でいえば、「国民の理解を得つつ」が「得ながら」に変わっておりますが、基本的には、現状としてこういう状況をつくってきたというふうには思えません。「国民の理解を得ながら進められている」という現状ではない中で、ここを新環境基本計画に載せるというのは、パブリックコメントを見ても、非常に問題があるところで、基本方針で議論したようなことをまたここで議論をするつもりはありませんが、国民の立場からみると、新環境基本計画にこの4行を入れることは非常に大きな問題があるのではないかと考えます。

【森嶌部会長】 ほかに御指摘ございましょうか。
 それでは、とりあえず先へ進ませていただきます。第3部の第2章、70ページから109ページまでのところでいかがでしょうか。

【安原部会長代理】 資料3の10ページに、資料1の88ページの※3762に関連して、「戦略的環境アセスの制度化の必要性を明記してはどうか」という提案が出ておりますが、先ほど計画課長からも言及がありましたが、57ページの※3420のところに戦略アセスの項文があって、制度化を検討するということになっております。したがって、57ページの項で制度化の検討と表現されているので、その上で、さらに公共事業のところで制度化について言及する必要があるかどうか。私は原案で足りているのではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。

【村杉委員】 実は、今、安原委員から御指摘いただいたのは私が書いたものではないかと思っております。※3420のところに新たに環境影響評価を入れていただいたことに関しては、大変ありがたく思います。この部分は、社会経済のグリーン化メカニズムという中の部分なんです。そこでせっかく戦略的環境影響評価という部分が入ったのであれば、88ページの※3762も、同じ文面ではなくてもいいでしょうが、「戦略プログラム」という表現で書かれているのを「戦略的環境影響評価」のような文言をここにも入れられないのかなと思っているところです。「戦略的プログラム」という言葉が、戦略的環境影響評価も含まれるものだというふうな理解であれば、これでもいいのかなと思っています。その辺はそういうふうに理解していいのでしょうか。

【細谷環境計画課長】 基本的に、第1章の戦略的プログラムは、いわば全体の中の重点事項ということでございますので、当然、この後ろの方にも影響がある、そういう御理解でよろしいと思います。

【小早川委員】 私は、このままでも、前の方で、公共事業も含めて広い対象についての戦略的環境アセスを掲げていますので、これで理屈の上では足りていると思うのです。ただ、せっかく公共事業のところで、88ページの記述がありますので、そこでもし生かすとすれば、ここに戦略的環境アセスをもってくると、横の概念の関係がどうかというややこしい議論になると思いますので、例えば88ページの※3762に「計画段階からその実施が」とありますが、現行の環境事業アセスよりももう一歩進めたという意味で、「計画の早い段階から」というような表現にしておくのも一つの手かなと思います。

【森嶌部会長】 「戦略的プログラム」というのは、ここでは戦略アセスとは全然違う意味で使っていますので、88ページのところは、やるのだったら、第2部第○章に示したといった方が何となく紛らわしくなくていいのではないかでしょうか。そして、今、小早川委員のおっしゃったような「早い時期から」というふうにした方が……。村杉委員の御発言を伺っても、どっちのことになるのか。たしか村杉委員も戦略的環境アセスのことをおっしゃるときに、プログラムとか何とか、ちょっと口がすべったように思うんです。その意味では、これはちょっとわかりにくいですから、「戦略的プログラムに示したように」というよりも、「第○部第○章に示したように」と書いた方が混乱が起きないかもしれません。その上で、今の小早川委員のおっしゃったような修文を考慮してみます。

【谷田部委員】 細かいところになってしまうかもしれませんが、73ページぐらいから生活にある程度密着した部分の記述がいろいろあります。例えば、75ページの※3649のおしまいの方に「ヒートアイランド現象、光害などの新たな問題も生じている」ということですが、この時点ですと、新たな問題というより、深刻化しつつあるという状況だと思います。
 それから、(ウ)のスパイクタイヤ粉じん対策、どの項目も基本的にちょっと似ているのですが、随分前から対策をしていて、例えば10年前でもこういった書き方でよかったのではないかというところ、仕方がないのかなと思うのですが、いずれにしても、(5)のところは少し書きかえた方がいいのではないかと思います。

【森嶌部会長】 ここは前の環境基本計画を置いて、戦略的プログラムでこれから進めていくもの、残ったものというので、前のものを見ながら書いていますので、一応事務局としては最大限注意をして現在の時点にアップデートしているはずなんですが、何となく確かにありますので、今の谷田部委員の御指摘も含めて、もう一回その辺のところを見てみます。

【猿田委員】 先ほど村杉委員からバイパス云々という問題があってお話がございました※3162ですが、74ページの※3634の「大都市圏等への負荷の集積による問題への対策」というところに自動車排出ガス対策が掲げられております。この中で、※3638のところでも「バイパス・環状道路等の整備、交差点改良」と、前の※3162のところと同じような表現があるわけです。この辺も先ほどの議論と併せて検討していただきたいと思います。

【宮本委員】 パブリックコメントに対する意見の一番最後のところで、これは多分私の意見だと思うのですが、環境データの収集の迅速化とデータの分析能力の向上というのは非常に重要なことだと思うんです。今でも1年遅れとか2年遅れとかで出てきたら、それからやったのではもう遅いわけですね。我々がずっとデータを見ていて、環境のデータがまだ不十分だというのが1つと、それがものすごく遅い。これは役所は大体遅いですが、特にそういうのが感じられる。そういうことをどこに書いてあるかと考えますと、91ページに「環境情報の体系的な整備」という項がありまして、次の92ページに「環境情報の国民等への提供」というのがあります。その中の(イ)の環境情報提供システムで、「環境情報に係る国民等からの照会に対して迅速、的確に対応するシステム」と書いてあります。確かに国民に情報を提供することも必要ですけれども、早いデータをとって、それをみんなが分析しなければならないと思うんです。だから、的確なものを早くとれということをどこかに書かないといけない。そういう点が1つあって、この辺を体系的な整備の中に入れていただくことが必要だと思います。
 そういう観点からいくと、一番最後の110ページの「計画の効果的実施」というところに、例えば「各主体の連携と推進体制の強化」というところあたりに、データの迅速化と分析能力の向上ということが入ってきた方がいいのではないか。これはたくさん書いてありますけれども、非常に重要な点で、それをパブリックコメントで言った人がかなりいるわけです。私はそれに共鳴したので、ちょっと書かせていただいたのです。

【森嶌部会長】 実を申しますと、これは前々から言われていたのですが、今回その意味ではきちんとした形で書き込まれておりませんので、ぜひそれは必要です。前に温暖化のときにも、出てくるデータが2年前という。今どうするかということを話しているときに、2年前これだけ増えているとか、そういう話ではだめじゃないかということもありましたので、この点につきましては、きちっと対応するようにいたします。確かに政策を効果的にやる場合でも、最新のデータをちゃんと分析して、だから、早くこれをやらなければならないということを言わなくてはならない部分もあるでしょうし、おっしゃるとおりだと思います。

【宮本委員】 それともう1つ、データの分析能力の向上というのも非常に重要だと思うんです。単純な分析だけと違って、いろいろな相関分析とか、そういうことによって高度な対策が打てると思うんです。その辺も記述していただければどうかなと思います。

【森嶌部会長】 予算要求の根拠となるようなお話まで出ました。

【横山委員】 全体的なことですが、これは前もって送られてきて、ざっと目を通した感じで非常にびっくりしたのは、委員からの意見はかなり取り入れられているのですが、パブリックコメントはほとんどないんですね。

【森嶌部会長】 冒頭に申し上げました。この資料1は、まだパブリックコメントが集まらないうちですので、そこで、資料1については、前回、つまりパブリックコメントを出す前にここで議論したときに指摘されたことの宿題と、パブリックコメントの中で用語の指摘で、平易にした方がいいというものを資料1には入れております。資料3は、資料2を踏まえて、これをぼかんとここへ出すというわけにいきませんので、そこで、検討チームの主査にとりまとめをお願いして、それが資料3となっているわけです。その意味では、資料3の方は、資料1にはもともと時間的に入っていないものなんです。

【横山委員】 ということは、今後はどんどん出てくるということですか。

【森嶌部会長】 今後というか、今日皆さんに御意見を聞いて、資料1となっているところへ組み込んでいくということですので、先ほどから申しておりますのは、何を組み込んだらいいか、ぜひ御指摘いただきたいというのは、そういうことです。

【藤井委員】 75ページの※3644、ディーゼル排気粒子対策のところで、「緊急的なディーゼル排気粒子対策として、装着可能な」というのですぐDPFにいってしまうのですが、何回か前かの部会で申し上げましたが、軽油の硫黄分の削減ということをぜひ入れていただきたくて、そこに現状の500ppmから50ppmという数値を入れるかどうかは別としても、そこのところが抜けると、DPFをいくらつけてもこの対策にはならないと思いますので、ぜひ硫黄分のところも言及していただきたいと思います。

【鈴木委員】 75ページのところ、例えば、これは大気に絡んで、「多様な有害物質による健康影響の防止」というのがありますね。水環境、土壌環境絡みでもトリハロメタンの揚水の問題が出たりするわけですが、あちこちにある、これはみんな有害化学物質絡みの話になるわけですが、それが82ページの4の「化学物質対策」という部分とどんな関係になるのかが読めないわけです。片方で、極めて体系的にやるといっているわけです。「多様な有害物質による健康影響の防止」に関していえば、モニタリングを始めとして、体系的な取組を進めると片方で書いていて、こっち側でも体系的と、それぞれが別のシステムに向かって運営されるような形になり、読んでいる方としても非常に錯乱するんですね。どうなっているのだろうと。化学物質対策の全体の姿形が見えないではないかということになるのではないかと思います。これは対策のところに入って、実は今の大気局、水局というふうに分けて考えていくような構造になっていくものですから、化学物質対策として一元的に全体が見えないということが起こるのではないかと思うのですが、ここはどうしたらいいのかなと。

【森嶌部会長】 私は、御専門である鈴木委員に全体を見ていただいて、多様な体系ではなくて、場所としては分けてあっても、考え方として体系的にするようにしたいと思います。

【鈴木委員】 私が考えるのもいいのですが、問題は、日本の環境行政の中で化学物質対策というものをまとめて、全体としてどう展開していくのかという青写真の問題も裏になければいけないわけですね。それがはっきりしないと、実は考えようがないんですね。

【森嶌部会長】 こんなことを申してはあれですが、本来、鈴木先生のところあたりでできているのではないですか。環境庁は化学物質対策について一体何をしているのですかね。修文などという問題ではありませんので、関係の部局とも相談をして、この基本計画の中でどういう形で扱うかということについては、鈴木先生のお知恵も拝借して、ばらばらのままこれが出てしまうというのではなくて、ちゃんとした青写真がないならば、いずれは青写真が引けるだろう程度の方向性をもってまとめていただけますか。この点については、言い出しっぺだからというつもりはありませんけれども、よろしくお願いいたします。

【小早川委員】 第1章に戻ってよろしいでしょうか。

【森嶌部会長】 結構です。

【小早川委員】 遅れたのは、文章がよくわからなかったので、ずっと考えていたのですが、66ページの※3516、「推進メカニズムの構築」というところ、今回だけではなくて、前から読んではいたのですが、よく意味がとれなかったのです。しかし、よく読んでみたら、これは大変重要なことが書いてあって、まず、地方公共団体は自分の出す計画に環境配慮を織り込むと。それから、他の事業者がやる事業について環境影響評価をきちんとやらせると。そして、国においては、地方公共団体の定める指針によって、国の側の事業なり施策なりのチェックを自ら行うと。多分そういう意味だろうと思うんです。だとしますと、これは従来の国と地方の関係を逆転させるような、非常に大胆で興味のある提言だということになると思うのですが、そういう読み方でいいのかどうか。もしそう読むのであれば、もっと楽に読めるようにしたい。

【森嶌部会長】 最後におっしゃったところが私の理解と違っていたような気がするのですが、国においてはというところ、もう一度小早川委員の御理解を聞かせてください。

【小早川委員】 国においては、この文章ですと、「地方公共団体等の定める『地域づくり環境配慮指針』等によって地域づくりに関する各種計画における環境配慮をチェックする仕組みの検討を行う。」とあります。このチェックするというのは、国が地方公共団体のやることをチェックするのではなくて、国自らやることを地方公共団体は指針に則してチェックするという意味であろう。そうではなくて、逆だとしますと、これは地方分権の趣旨に真っ向から反する話でありますので、多分そうではないだろうというのが私の意見です。

【森嶌部会長】 お話の筋はよくわかりましたが、そういう趣旨ではなくて、地方分権に反するような趣旨を考えていたのではないですか。つまり、地方公共団体が主体的に行う地域づくりを支援するというのが前半ですね。そして、支援するけれども、うまくいっているかどうかをチェックするという、国のやっていることでその地域に関わることを地方がチェックするという、それを認める文章ですか。

【細谷環境計画課長】 小早川先生の方の、こういうことはないだろうということに近いことでございますが、基本的に、「地域づくり環境配慮指針」というようなものを地方公共団体が決めていく。例えば、地方公共団体であれば、基本構想とか基本的な計画をいろいろ持っているわけでございますが、そこで、そういう地域で自分の地域はこういうことをこういう方針で臨むんだ、そういうことを決める。それが「地域づくり環境配慮指針」だろうと。それはいろいろな形で決められると思いますが、それに沿って、地方公共団体が自分のところの地域づくりというものをいろいろチェックしていく。必ずしも環境だけではありませんので、いろいろな開発をするときにもそういう指針は当然効いてくる。そういうことをイメージしまして、それを全体として応援していきたい、そういう趣旨であったわけでございます。

【森嶌部会長】 わかりました。私の話よりはもうちょっと地方自治体寄りなんですね。つまり、地方自治体が指針を作って、地方自治体がいろいろなことをやる、そしてチェックをする、その仕組みの大枠を国においては検討する、そういう意味ですか。私は、「国においては、」というのがありますので、地域づくりに関する各種計画における環境配慮を国がチェックするという趣旨かなと。それは文章がちょっと変だなという感じがしていたのですが、今、小早川委員に言われて。

【小早川委員】 そういうことでしたら、私の期待は外れましたけれども、特に反対はしませんが、表現をもう少しわかりやすくした方がいいのではないかと思います。

【森嶌部会長】 そうですね。私のように読んだら、まさに小早川委員のおっしゃっていることと逆のことですが、必ずしも、小早川委員が先ほど解釈されたように、地方が国をチェックするという趣旨でないまでも、少なくとも地方が自分でやっていることをどういうふうにうまくいくか、それを検討したり支援する、そういう趣旨に明確になるようにということです。

【佐竹委員】 先ほど鈴木委員から環境庁に化学物質対策の青写真がなければ、というお話がございました。非常にごもっともな御指摘だと思うのですが、私もかつて関与していた者として、行政は、問題が起これば、全体の体系が見えなくても、とにかく何か措置を講じなければならない、そういう場に立たされているということも御理解いただきたいと思います。環境庁の諸君はそれは言えないでしょうけれども、私もかつて水質保全局長になったときに、PCBだけ環境基準があったわけですね。我々は素人ですが多少勉強すると、有機塩素系の化合物というのは五万とある、なんでPCBだけなのか。結局、それを局内でも聞いても、だれも説明できないわけです。無理もないので、それは要するにカネミ油症事件があったからそうなったということで、それはまたやむを得ない面があると思うんです。社会的な不安が起きたら、それに対して即座に、全体が見えなくも何らかの対応をしていかなければいけないということがございますから。ただ、確かに御指摘はごもっともな点もあるのですが、新聞に書かれなくなると、それでは、体系化の努力をしているかというと、大変忙しいせいもあって、次々とホットイシューに追い回されているという面があることは事実だろうと思います。そういう点もひとつ行政に対して御理解いただきたい。

【森嶌部会長】 理解することと、せっかく基本計画を作るわけですから、御理解だけして、では、ばらばらで適当にというわけにいかないので、まだできていないとしても、先ほど申し上げたのは、そこへ結びつくような指針をぜひ環境基本計画の中で示していただきたいということです。

【佐竹委員】 全くおっしゃるとおりでございまして、いい機会ですから、この際、個々別々に講じられた施策をもう1ぺん見直すという意味で、御指摘は非常にごもっともだと思います。私も森嶌先生の御意見に賛成でございます。

【森嶌部会長】 不幸にして検討チームをつくっておりませんでしたので、この際、検討チームをお一人で一騎当千ということでやっていただいて、至急に事務局の方に指示をしていただければ大変ありがたいと思います。

【天野委員】 パブリックコメントの追加分をいただいて、全体を拝見したのですが、かなりまとまったコメント、1つのペーパーになるようなコメントが出ているように思います。しかし、ここでは「『中間とりまとめ』に関する意見の概要」という形で、個々のアイテムは飛ばして採用されている。これはこれで整理されて見やすいのですが、もしできたら、まとまった形でペーパーが出ているのであれば、それを我々も見たいなという気がするんです。
 つまり、NGOというのは、海外なんかでもそうですけれども、力をつけてくると、かなりの分析力を発揮するようになるんですね。そういうところから出てきているペーパーというのは、政策問題に関してはかなり貴重な助言になる可能性があるわけで、海外では普通のアカデミックな研究者も参考にするような資料がいっぱい出てきているわけです。それから、例えば環境保護庁などがそういうところに調査を依頼するとかいうこともありますし、そういうのをエンカレッジする意味で、少しまとまったペーパーが出ていれば、それを我々にお送りいただけるような配慮もいただけたらと思います。そういうことを続けていれば、日本でもNGOの分析能力が上がってくるのではないか。先ほど宮本委員が分析能力が大事だということをおっしゃいまして、私も環境庁の中に、あるいは国立環境研究所のような機関としてそういうのがあって、分析能力が高まることも大事だと思いますけれども、とてもそれだけではやりきれないぐらい問題は大きいですから、NGOをエンカレッジするという意味でも、そういうことをしていただければ、我々としてもありがたいという感じがいたします。

【森嶌部会長】 今のお話は、どう盛り込むかということのほかに、寄せられた意見の中で、事務局が、これはいい意見、これは悪い意見と選別はできないでしょうから、やるとすれば、意見の要約ではなくて、もとの意見を集めて、それを何らかの形でプリントして全体に公表するのかどうかはともかくとして、とりあえずそれを作れという御指摘ですか。

【天野委員】 つまり、アイテムごとに見るのではなくて、具体的な意見、全般的な考えが入っているはずですね。そういうのがばらばらにすると消えてしまうおそれがあるんです。ですから、まとまった形で出たものをまとまった形で我々に見えるようにしておく。

【森嶌部会長】 もとのものをということだと思うのですが、その辺、今のところ、どういう処理をするのでしょうか。

【細谷環境計画課長】 想定しておりませんでしたが、むしろ分析しておりましたので、必要がございましたら、そのものはございますので、お届けしたいと思います。

【森嶌部会長】 ほかでもやったことがあるのですが、ほかは、要約するのと別に、もとをばさっと全部あれして、これは大変お金がかかる。そこまでやるかどうかはあれですが、天野先生のおっしゃることもごもっともですし、かといって、こっちで役に立つのはきちっと公表するけれども、そうでないのは、そのままだよというのもあれですので、ちょっと検討させてください。
 それでは、第4部まで含めて全般にわたってどうぞ。特にパブリックコメントのこれを入れてこういうふうに修正するということよりも、資料2にあるようなものの中で、事務局によって、あるいは主査によって見捨てられたので、これは入れておくべきだということがございましたらどうぞ御指摘いただきたいと思います。

【廣野委員】 104ページのところに関して、現在のパブリックコメントの方は、私が見たところ、特になかったのですが、しかし、資料2の方にはたくさんいろいろ指摘がしてありまして、なるほどなと思うものが多々ありました。そういうことで、104ページの※3962は、ある意味で全般的なことを言っているわけですが、※3962の第4パラグラフ、「政府以外の主体の」から始まるところですが、これは私からみると、誤解を生ずるような言葉だと思っておりますので、こんなふうに変えていただいたら、まさに資料2の議論にも合ってくるかと思います。それは何かというと、現在書いてあるところを見ると、政府以外の主体の重要性が交渉過程において増大している、それを認識して、その後に「世界的な政策形成とその実施に、多様な主体の参加が促進されるよう、ITを活用した」と、ITを活用するためにこれが重要だというような文章の読み方になりますので、ここの趣旨はそうではなくて、資料2で何人かの方がおっしゃっているように、文章を2つに切りまして、「世界的な政策形成とその実施に、多様な主体の参加が促進されるよう努める。」という格好で切りまして、「なお、その場合に、ITを活用した環境整備を進める。」という格好で、ITを活用した環境整備が主体ではなくて、そういう諸々の主体が参加できるような方向でやるということが重要ではないか。この点が非常に重要だと思いますので、ぜひそういう方向で直していただきたい。
 同じくその第5パラグラフのところですが、今までの議論の中で何回か皆さん方からも指摘されましたけれども、戦略的環境影響評価というものは今度のこれでも非常に重要になってきているわけです。そういう意味も含めて、第5パラグラフの2行目に「各種の開発プロジェクトにおける環境配慮が徹底されるように」と書いてあるのですが、これをもう少し強化していただいて、「各種の開発プロジェクトにおける環境配慮が計画段階から徹底されるように」と、「計画段階から」を入れることによって、戦略的なアセスの問題についても、前に議論したことがそのままここで生きてくるというふうに考えますので、そこをよろしくお願いします。
 それから、105ページの※3971ですが、これは資料2の何人かの方が言っていることで、これをばっと読んで私も感じたのですが、※3971のところで「国際機関等を通じた貢献」ということが書いてあるのですが、ここのところは「開発途上国地域の持続可能な開発を資金面から支援するため」と資金面だけに限定しているんですね。今特にODAで重要になってきているのは、単なる資金の問題ではなくて、もちろん資金も重要ですが、だんだん民間資金も多くなってきていますので、ODAという点から考えると、資金だけではなくて、これから政策支援というのがますます強くなってきますので、「政策・技術・資金面から支援する」という格好にしていただくといいのではないか。その後の諸々の技術移転センターを通じて云々、これはまさに技術移転の問題だけですので、政策とか技術とか資金というところから支援するというふうにここを書き直していただくことが重要ではないかと思います。
 それから、※3968のところで、これは誤解をもたらすような言葉ですので、これは特にパブリックコメントあるいは皆さん方の意見にはないのですが、私は後から見て、気がつかなかったなと今思っているんです。同じく105ページの※3968のところの第3パラグラフなんですが、「協力対象をプロジェクトではなくセクターとし」とあります。おっしゃろうとしていることは、その次につなぐためにいっていると思うのですが、ただ、この文章をこのまま読みますと、協力対象をプロジェクトではなくセクターにすることがいいようだ、そういうふうに読めるんです。そうではなくて、今まで日本も一生懸命やってきましたプロジェクト援助というものがあるわけですが、そういうこと以外に云々という格好でこれを書き直していただいた方がいいのではないか。そうしないと、協力対象をプロジェクトでなくセクター(分野)とし、」云々という格好で、あたかもそれがすべての世界的な方向であるかのような書き方になっておりますが、そうではなくて、わが国としてはプロジェクト援助をこれからどんどんやっていくわけですので、必ずしもすべてセクターとか、あるいはコモン・ファンドと書いてありませんけれども、そういう方向だけではありませんので、ぜひプロジェクト援助の重要性を十分認識した上での書き方にしていただくようお願いいたします。

【森嶌部会長】 ありがとうございました。
 全体にわたって、最初の方でも結構ですのでどうぞ。

【江頭委員】 97ページですが、小さなことかもしれないし、私の記憶がおぼろげかもしれませんが、「教科書」と書いてありますね。「教科書」という言葉を一般的にみんな使っていますが、学校教育法には「教科用図書」と書いてあったような気がしますので、文部省に確かめていただけたらと思います。
 それから、「国が作成している一部の教科書」と書いてあるのですが、今、国定教科書というのはあるのかなと思ったので、ここの文章を私はこういうふうにした方がいいかと思います。「なお、国は、リサイクル等への理解を深めるきっかけとするために、教科用図書について」と、「一部」とか「作成している」という言葉はない方がいいのではないかと思ったりしました。

【天野委員】 先ほどから戦略的環境影響評価の話が出ていまして、今頃こんなことを申し上げるのは無責任なんですが、少しいろいろなものを読んでおりますと、最近は、累積的影響評価(CumulativeImpactAssessment)というのが戦略的環境影響評価と同じぐらい重視されているのですが、その辺は環境庁の方ではどのように考えていらっしゃるかお聞きできればと思います。

【寺田環境保健部保健企画課長】 ただいま御指摘いただきましたCumulativeImpactAssessmentでございますが、我々のとらえておりますSEA(戦略環境影響評価)の大きな要素の1つがいわゆる累積的環境影響評価でございまして、諸外国におきましても、SEAの大きな目的のうちの1つが、従来の個別事業のアセスではとらえられなかった累積的影響をとらえるということを大きくうたっておりますので、SEAの中の一部分ととらえております。

【天野委員】 戦略的というのをどういうふうに考えるか。今みたいに広くとらえるとおっしゃるけれども、当然そう思うのですが、戦略的というのは、要するに計画アセスですよという説明がよくありますね。これですと、レベルでどこでやるかと聞くと、どういう早い段階からやるかというふうにとられるんですね。プロジェクトがたくさんあって、それを個々にやっていたらわからないけれども、全体を見ると、別にそれを計画アセスでやらなくても、新しい問題があって、それを評価する必要があるんですよということが消えてしまうような気がするので、今おっしゃったように、戦略的というのを非常に広く、縦からも横からも時間も全部入れてとらえるというのであれば、おっしゃるとおりだと思いますけれども、果たして今まで日本で言われていた戦略的アセスの概念がそういうものであったのかというのがちょっと気になりまして、言葉の問題ですから、これ以上は結構ですが、はっきり表に出して議論する必要があるのではないかと思います。

【寺田環境保健部保健企画課長】 実は、先生のおっしゃいますような従来の日本での考え方というのは、いわゆる計画アセスメントと呼ばれてきたものがそういう考え方でございまして、戦略アセスメントというのは、従来の時間的に早いという意味での計画アセスメント・プラス、個別事業よりもっと広い範囲での様々な事業がその中に入ってくるようなものをとらえて戦略的といっております。そういう意味で、環境影響評価制度のときの答申の際に、あえて従来の「計画アセスメント」という言葉を使わずに「SEA」という用語を使った、こういう経緯になっております。

【森嶌部会長】 ほかでもやったように、「……である」という形容詞を「戦略アセス」の前につけるか、あるいは、それだと形容句の方が長くなりますので、計画アセスはこういうものであるが、これについてというようなことで少し説明をされた方がいいと思いますね。私もどちらかといえば、計画アセスの方に引っ張られて、確かにそういうキュムラティブというのはあることは知っていましたけれども、環境庁が今まで議論しておられるのは多分、計画アセスのことだけなんだろうと思っておりましたので、この言葉を少し説明するという形で入れておきたいと思います。

【波多野委員】 国際的問題が、67ページの「国際的寄与・参加の推進」というところと、103ページの「国際的取組に係る施策」というところと2つあるのですが、「国際的取組に係る施策」の方は別として、67ページの「国際的寄与・参加の推進」という節については、多分、外人からみれば、日本が国際的寄与・参加の推進をする最も重要なことというのは、日本自らが自らの責任を国内で果たすことだと思うんです。ここには、海外に対して何をするかということばかり書いてあって、自分の国が何をすることが国際的寄与・参加の推進になるかということがひとつも書いてないですね。これは知った上で、忘れているわけではないと思うのですが、いかにも国際的寄与・参加の推進はODAであり、途上国を助けることで、国際的機関がどうだと書いてあるのですが、やはりどこかに自らの責任を果たすということが明確に書いてないとちょっと変だと思います。

【塩田委員】 もう一度交通の問題に関連して1~2お伺いしたい点と意見でもよろしいですか。

【森嶌部会長】 はい、どうぞ。

【塩田委員】 自分でよくわからなくなっておりますのは、1つは、38ページの「環境への負荷の少ない交通に向けた取組」、先ほど村杉委員から御指摘があった※3162の部分ですが、交通に関しての総合的な戦略的プログラムの1つということで特記されている、こういう理解でいいと思うのですが、その後、各論的にいろいろな施策を後の方でいろいろな角度から取り上げられていますけれども、これは相互に整合性をもとらえている格好だということ、一応そういうことを範囲とされたのかどうかということが質問の1点です。
 「環境への負荷の少ない交通」という場合に、私は一度、交通問題として取り上げるならば、地球温暖化の問題というのは別に取り組んだ方がいいのではないかと申し上げたことがあるのですが、その点はどういうふうに整理されたかなと思っていましたところ、今度、38ページの※3156の「目標」のところで、「温室効果ガスについては、」という部分がここに書き加えられましたね。したがって、環境への負荷の少ない交通の中には地球温暖化の問題も併せて取り上げるということになったわけです。私はそれの方がいいのかどうかというのはよくわからないと思うわけです。なぜかといいますと、地球温暖化の対策としては、総合的にポリシー・ミックスでやるということで言っておられまして、必ずしも交通の分野だけが特記して出ていないというふうに理解しておりますので、地球温暖化の問題はそこでまとめて処理した方がわかりやすいのではないか、というのが私の問題提起です。ただ、あまり強い意見ではございませんが。
 それから、対策の手法として、通常の環境問題と地球温暖化というのは、対策のアプローチの仕方が違うのだろうと思いますので、切り離した方が理解されやすいのではないかということを申し上げたいと思います。だけど、これは新たに付け加えられましたので、その辺はどういうふうに考えておられるかということ。
 先ほど村杉委員から環状道路・バイパスの整備に関連して御意見がございまして、その問題はほかのところにもいろいろ記述があるという御指摘もありましたけれども、それはそれぞれテーマがございますので、みんなそのテーマに沿って、その面から記述されていると思うのですが、全体の平仄が合っているのかどうかというのは、よくわからない。1つのところには、非常に総合的に書いているし、1つのところには、その一部しか書かれていない。というのは、1つずつ検討した結果でそうなっているのかどうかということを整理していく必要があるのではないかというのが私の意見です。

【森嶌部会長】 この時点で出てまいりますと、私としてはどう処理しようかという感じがいたしますが、御趣旨はわかりましたので、先ほどのバイパスの問題と一緒に交通問題のところで考えたいと思います。趣旨としましては、温暖化のところから自動車から出るCO2の問題を外したということではないわけですが、温暖化のところのCO2排出の中のかなりの起源が自動車であるということから、むしろ、浮遊粒子状物質とか、その他のローカルな問題も含めて、ここで交通の面からどうアプローチするかということでやっていただいたものだというふうに私は理解しております。ここにだけ特化してというよりも、むしろ温暖化の問題の中から交通に関わることをこちらで取り上げていただくというふうに考えております。
 それから、第1の御質問ですが、事務局の方で答えられますか。

【細谷環境計画課長】 前の記述と後ろの記述ということでございますが、これにつきましては、関係する省庁も目を通しておりまして、一応整合性がとれているという御判断をいただいております。

【塩田委員】 1つの場所にある記述と別の場所にある記述が違うというのは、いろいろな検討が加わえられた結果、取捨選択が行われた結果だというふうに考えてよろしいのですか。

【細谷環境計画課長】 かなり細かい意見がいろいろございまして、それを整理した結果、こういうふうな形になっております。最後にまた見直してみたいと思います。

【森嶌部会長】 具体的に、塩田先生の方で、これは食い違うのではないかということがございますか。私も、そういうふうに判断したというのですが、少なくともここでは前と後とで取り扱っている問題が、前の方は重点的に取り扱っているところがありますから、カバーされるスコープは違うかもしれないけれども、取り扱った限りでは、前と後ろで違ってはいけないものだと思っておりましたけれども、何か整合性のないものが具体的にございますでしょうか。

【塩田委員】 私も今きちっと整理して申し上げられないので、整理して、できたらメモにして出したいと思います。

【森嶌部会長】 そうしていただければ、事務局の方もそれに対応していってもらいたいと思います。

【江頭委員】 環境教育のことばかりで恐縮ですが、97ページの下の(イ)の「社会教育」というのは、最近あまり使わないような気がするのですが。その中に「国際社会との連携や開発途上国の環境教育・環境学習の支援に努める。」と書いてあるのですが、「国際的寄与・参加の推進」の方には「環境教育・環境学習」という言葉がない。あったのかもしれませんが、私が見落としているかもしれないのですが、ちょっと気がつかないんです。最近は、社会教育というよりも学校教育の協力を求めてこられるんですね。開発途上国とかから、一緒にやってください、協力してくださいと。そういう姿勢だし、東アジア酸性雨モニタリングネットワークの中で、実際に学校教育でどうやって酸性雨の授業をしていますかということで、私は北京まで話し合いに行ったのですが、先生たちがものすごく熱心に来ているんです。だから、「国際的寄与・参加の推進」のところにも「環境教育・環境学習の支援」というのを入れていただければと思います。

【森嶌部会長】 それでは、もう少し落ち着いてお読みになったら、ボロボロ出てくるかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、スケジュールとしては、次回に修正してまとめたものをお示しして、こういうことでいいかどうかということを次回に確認して、最終回はありますけれども、次回でまとめてまいりたいと思います。そこで、今日御提案あるいは御指摘いただいた点につきましては、事務局とも検討いたしまして、どういう形で盛り込むかということをやりますが、同時に、ここでは御発言にならなかったけれども、こういう点があるということがありましたら、恐れ入りますけれども、あと1週間ぐらい、そうなると後のスケジュールが大変ですか。

【細谷環境計画課長】 できましたら、週内か、週明け程度にはお願いできればと思っております。

【森嶌部会長】 できればなるべく早くということですが、週末のお楽しみということでやっていただいて、遅くとも週明け早々ぐらいには御意見をお送りいただきましたら、それをまとめたいと思います。
 それから、これをです・ます調にしたらどうだろうという御提案をしたいと思います。「です・ます」にしたらわかりやすくなるというものでもないのですが、以前に幸田委員などからもそういうお話がありまして、実は事務局の方で全く機械的に一部やってみたのですが、読みますと、中身は全く変わらないのですが、受ける感じが違います。そして、機械的にやってみましても、そんなにおかしくはない。それで次回に御提出するときには、です・ます調に転換したもの、ワープロで単純にやるというつもりはありませんけれども、中身を全く変えるというのはちょっと難しいのですが、です・ます調にしたらどうかと思っておりますけれども、いかがでしょうか。少なくとも事務局が試験的にやったものを読んでみると、変えたってどうということはないだろうと思ったのですが、受ける感じが非常に違うということは確かです。要するに、読む側にとって、これはおためごかしかもしれませんけれども、何となく親切に書いてあるような感じがします。「……である」というと、やっぱりお役所だなという感じがしますけれども、「です・ます」で、中身は硬いですから、お役所でなくなって民活になったかというと、そうもいかないのですが、少なくとも「である」よりはいいのではないかと思いますので、そういう提案をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 語尾が変わっただけではないかということになるかもしれませんが、少なくとも悪くはならないということは私の段階で保証できます。どれだけよくなるかというのは別にしまして。
 それでは、次回は、御指摘のあったものを修文すると同時に、です・ます調に直すということにさせていただきます。
 そういうことで、次回にもう一度御議論いただいて、できれば実質的な議論は次回でとりまとめてしまうということにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次回ですが、事務局から御連絡がいっていると思いますけれども、12月1日(金)の午前10時から、場所は三田共用会議所の講堂ということになっております。次回が実質言い納めということになりますので、ぜひ御参加いただくようにお願いいたします。
 特に何か御発言ございますか。
 なければ、本日はこれで閉会にさせていただきます。長時間にわたりましてどうもありがとうございました。

 

<以 上>