中央環境審議会第84回企画政策部会会議録

1.日  時  平成12月10月20日(金)10:00~12:00

2.場  所  ホテルフロラシオン青山1階 ふじの間

3.出席者

(部  会  長)森 嶌 昭 夫
(部会長代理)安 原 正
(委      員) 天 野 明 弘
茅    陽 一
佐 和 隆 光
鈴 木 継 美
波多野 敬 雄
松 原 青 美
宮 本 一
村 杉 幸 子
渡 辺 修
江 頭 基 子
佐 竹 五 六
塩 田 澄 夫
中 野 璋 代
星 野 進 保
三 橋 規 宏
村 上 忠 行
和 気 洋 子
 
(特 別 委 員)飯 田 浩 史
横 山 裕 道
廣 野 良 吉
 
(専 門 委 員)河 野 正 男
 
湊   和 夫
 
(環  境  庁)岡田事務次官
太田企画調整局長
廣瀬大気保全局長
青山企画調整局企画調整課長

 松本自然保護局長
 西尾環境保健部長
 小木津企画調整局調査企画室長
長尾水質保全局企画課長
伊藤水質保全局海洋環境・廃棄物対策室長
細谷企画調整局環境計画課長 大林企画調整局環境計画課計画官

4.議  題

(1)環境基本計画見直しについて
(2)その他

5.配付資料

○ 資料1 第82回・第83回企画政策部会議事要旨(案)・会議録(案)
○ 資料2-1 ブロック別ヒアリング意見概要集
○ 資料2-2 ブロック別ヒアリングの概要
○ 資料3 「新環境基本計画中間とりまとめ」に関する意見の概要

6.議  事

【細谷環境計画課長】 時間がまいりましたので、第84回企画政策部会を始めさせていただきたいと存じます。
 開始に先立ちまして、お手元に配付いたしております資料の確認をさせていただきたいと存じます。
 議事次第の下の方に資料の一覧がございますが、本日の提出資料は3種類でございまして、資料1が前回、前々回の議事録と議事要旨、資料2はブロック別ヒアリング関係の資料でございまして、2-1は、意見発表者から提出のありました発言要旨、2-2は、ヒアリングにおける意見発表の要旨と意見交換の概要をとりまとめたものでございます。資料3は、ブロック別ヒアリングで提出されました意見と国民からの意見募集を通じて寄せられました意見を「中間とりまとめ」に沿って整理したものでございます。
 なお、委員の皆様の机の上には、前回までの提出資料のうち、参考になると思われるものを置かせていただいております。
 また、谷田部先生から、ブロック別ヒアリングについての感想と意見に関するものが1枚紙で出されております。
 資料は以上でございますが、もしお手元にそろっておりませんようでしたら、お申し出いただきたいと存じます。
 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。

【森嶌部会長】 おはようございます。早くからお集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから第84回企画政策部会を開催いたします。
 本日は、先月14日に公表しました「中間とりまとめ」に対するパブリックコメント、それから前回4カ所で開催しましたブロック別ヒアリングの結果につきまして、事務局から報告をしていただきまして、その後、このパブリックコメント等に寄せられた意見につきまして、これをどのように計画の中に盛り込むかという対処方針などにつきまして御審議いただきたいと考えております。
 それでは、まず、本日配付の資料につきまして、事務局から説明をお願いします。

【細谷環境計画課長】 それでは、資料の説明に入らせていただきます。ブロック別ヒアリングにおける意見及びパブリックコメントを通じて提出されました意見につきまして、資料2、資料3に関係いたしておりますが、全体を整理いたしました資料3によりまして御説明させていただきたいと存じます。
 資料は、「中間とりまとめ」の項目に沿って整理されておりますので、説明も「中間とりまとめ」の第1部から順次主な意見を御紹介しまして、最後に、全体の構成や表現ぶり等に関する意見を御紹介いたしたいと存じます。
 意見につきましては、この資料の構成を御覧になっていただきますと、最初の方にブロック別ヒアリング、一般の意見募集についての数字が挙がっております。一番最初のところにございますように、一般の意見募集につきましては、合計399名の方から意見を提出していただいております。また、募集期間中に行われましたブロック別ヒアリングにおきましては、合計39名、そこにございますように、札幌から広島までそれぞれ10名程度ずつの方から意見発表をいただいたところでございます。
 それらの意見を「新環境基本計画の中間とりまとめ」の構成に則して分類したものが次の四角の中でございます。ばたばたと作りました関係で数字がちょっと違っておりまして、訂正していただきたいのですが、まず1ページ目の上から4つ目に0という数字がございますが、これを10と、次の10を12、26を14と訂正していただきたいと存じます。また、次のページでございますが、上の方からまいりまして、中ほどの「環境のための投資」のあたりに5、1、5というのがございます。その5という数字を6に、次の1を5、最後の5を0に訂正していただきたいと存じます。
 提出いただきました意見、合計は一番下にございますが、1989件でございます。これらにつきまして、それぞれ「中間とりまとめ」の項目に沿って件数を整理いたしますと、その表のとおりになるわけでございます。
 さらにその内訳をまとめたものが資料3の別添でございまして、表形式になったものが全部で60枚ほど付いております。これの構成でございますが、その部分の1ページ目を御覧になっていただきますと、まず番号というのがございますが、これは全体の通し番号を打ったものでございます。今日の御説明のときに番号を申し上げますのは、この番号ということで御理解いただきたいと存じます。
 それから、項目名と申しますのは、「中間とりまとめ」の節より下の項目を項目名として挙げております。
 それから、意見内容は、それぞれの提出意見でございますが、この部分につきましては、全く同種の意見、若干組織票めいた意見もございましたので、これにつきましては、同じ意見であるということで1つのところにまとめるということもさせていただいておりまして、最終的に、これの意見の一番最後のところを御覧になっていただきますと、最後が1160番という数字になっておりまして、先ほどの約2000件の意見を同種の意見を少し括る形で整理いたしまして、約1100件余に落ち着いたわけでございます。
 それから「団体名等」のところにございますのは、個人名が入っておりますのは、ブロック別ヒアリングでいただいた意見は、公開の場でもあったということでございますので、一応ここで名前まで挙げさせていただいております。その他、個人とか、団体役員とか、そのような形で入っておりますのは、パブリックコメントを通じて一般意見としていただいたもの、このように御理解いただければと存じます。
 それでは、中身に入らせていただきたいと存じます。
 まず1ページの第1節「環境の現状」につきましては、主な意見として、通し番号で申して5~8番あたりにございますが、公害問題が完全に過去のものとなったわけではない、そのような認識を計画上明記してほしいという意見が寄せられております。それから21番のところでございますが、通常の事業活動と国民の日常生活を同列に環境問題の原因だとすることは疑問ではないかという意見も寄せられております。
 それから、35~38番のあたりにつきましては、ライフスタイルについての意見が寄せられております。例えば35番につきましては、新しい時代には短期的には利潤が少なくとも、地球規模の利潤を考えなければならない、そのために生活様式を変更しなければいけないという意見でございますし、38番のあたりには、大量消費・大量廃棄型のライフスタイルの原因には、製品の買い替えを促すような経営戦略があるのだという御意見が寄せられたわけでございます。
 次に、3ページから第2節の「環境基本計画策定後における環境政策の進展」の部分につきましては、56番のところでございますが、「健康影響が懸念される」というような表現が随所に目につく、しかしながら実態は「懸念」というレベルを超えているのではないかという御意見が寄せられております。それから66番のところでございますが、計画を通じて政策や計画策定への国民各層の参加を意識した記述があまりみられないのではないかという御指摘もいただいております。それから67番のところには、計画アセスメントについても触れろという御意見もございました。
 なお、意見のかなりの部分が原子力発電の利用の関係でございますが、全体的に整理してみますと、積極的な位置づけを図るべしという意見と、原子力の推進に慎重であるべき、あるいは否定的であるという意見が寄せられているところでございます。これらの御意見につきましては、総体的に部会におきましていろいろ御論議いただいたこととほぼ重なっているのではないかと考えられるところでございます。
 次に、第2部でございますが、6ページから始まっております。第1節の「持続可能な社会を目指して」の部分に関しては、その部分に書いておりました「質の高い生活」についていろいろな議論がございまして、例えば104番では、「質の高い生活」を望むことは今後は不可能ではないかという意見でございますし、106番におきましては、環境、経済、社会の3つの側面の優先順位を明記せよという御意見でございます。105番では、環境、経済、社会の3つの側面を視野に入れた場合には、持続可能な社会の実現は不可能ではないかという御意見もございました。反面、110番でございますが、エネルギー使用の効率化、循環型社会の形成等によって、良好な経済活動と生活環境の両立を追求すべきだという御意見もございますし、115番では、持続可能な社会の構築による経済面、国際競争力への影響を懸念するという御意見も寄せられております。
 次に、117番、119番、122番のあたりに表れておりますが、環境負荷が環境の許容範囲に止まっているというような政策展開にあたっての留意点をいくつか示してあったわけでございますが、これについてさらに具体的な基準を示すべきではないかという御意見もございました。
 また、124番では、経済のグリーン化を推進すべきであるという御意見をいただいております。
 129番では、いわゆるファクター10の考え方を強調されておりますし、141番では、政策協調的な考察に基づく優先的な目標・計画に乏しいのではないか、全体としては戦力的発想に好感が持てるという御評価をいただいておりますが、定量的な目標に欠けているのではないかという御指摘をいただいております。
 また、143番では、「参加」という部分におきまして、本来「意志決定過程への参加」を含むものであるはずだけれども、この計画ではこの視点が欠けているように思われるという御指摘をいただいております。
 次に第2節、146番から始まっておりますが、「持続可能な社会に向けた環境政策」の部分でございますが、まず、147番で、環境倫理についても何らかの記述が欲しいという御指摘をいただいております。
 また、150番におきましては、これは公害関係の方からでございますが、「環境再生」というワードを21世紀の環境行政の柱に据えて、その旨記述してほしいという御意見もございました。
 159番では、中間とりまとめの記載を是認する立場でございますが、持続可能な社会を目指して、統合的な施策を講じてほしいという御意見がございました。
 また、163番では、計画に書きました「エコシステムアプローチ」という考え方に対する意見でございますが、ほぼそれに沿ったことであると思いますが、循環型社会経済システムを構築し、ヒトと自然との共生を目指す際の基本理念として、ヒトが生態系に組み込まれている認識の確立を図る必要があるという御意見をいただいております。
 166番以下につきましては、汚染者負担の原則についていろいろな意見が出ておりまして、例えば166番、169番では、汚染者負担の原則にとどまらず、むしろもう少しEPR(拡大された生産者責任)もこの一連の流れとしてここで押さえておいたらいいのではないかという御意見でございます。ただ、その場合、166番の方は、汚染者負担の原則が大原則である、拡大された生産者責任はやや便宜的な考え方ではないか、このような御指摘がございました。また、168番に出ておりますが、汚染者負担の原則を消費者というよりは生産者の問題であるという理解をされる方が結構多いわけでございまして、ここだけではございませんで、以下随所にこのような主張が出てくるところでございます。
 174番のあたりから「環境効率性」についての意見がいろいろ出ておりますが、「環境効率性」という言葉が非常に新しい言葉でありますので、もう少し定義をきちっと示してほしいという御意見でございました。
 180番以下では、予防的な方策についての意見が出ておりますが、これを前面に出してしっかりやるべきであるという意見が、例えば181番、182番、183番、185番、187番、188番、この辺に表れておりますが、逆にむしろもう少し慎重であるべきであるという意見も、184番、189番のあたりで示されているところでございます。
 193番では、環境上の「負の遺産」という考え方を今度の中間とりまとめで正面から打ち出したわけでございますが、その「負の遺産」を取り上げたこと自体は評価するが、実際の対策をもう少しきちっと書いてほしいというニュアンスの指摘があったわけでございます。
 12ページの228番では、政策手段との関係の議論がいろいろございますが、228番では、直接規制をもう少し前面に押し出すべきではないかという御意見でございます。
 また、231番、232番では、枠組み規制的な手法といわれているものについての意見がございまして、枠組み規制的な手法については、この2件とも概ね評価しておりますが、その際にできるだけ事業者の自主性、創意工夫を最大限引き出せるような制度設計をしてほしいという意見でございます。
 233番から270番までが、経済的な手法についての様々な意見がございまして、さすがに中心的な話題でございますので、意見の数も多くなっております。ここでは、環境税の関係につきましては、積極的にという意見も多かったわけでございますが、反面、経済界に関係が深いと考えられる方々を中心として、慎重に取り組むべきであるという意見も出されているわけでございます。これらにつきましては、概ね部会における審議の議論の範囲内であろうかと思っております。なお、経済的な手法に関しましては、炭素税以外の環境税あるいはデポジット制度、廃棄物の処理手数料についての関心、御意見も示されているところでございます。
 273番から290番のあたりは、自主的取組の関係でございます。ここにおきましても、経済界に関係すると考えられる方を中心として、これを評価して、最大限尊重すべきであるという意見が多かったわけでございますが、取組状況のチェックに関しましては、あまり強くやるべきではないという意見、むしろ逆にしっかりやれという意見がそれぞれあったわけでございます。ただ、自主的取組が非常に重要であるという事柄については、概ね一致しているというふうに拝見いたしたところでございます。
 292番のあたりから、手続的手法のうち、戦略的アセスメントについての期待がかなり強く示されております。292番は、法制化すべきだという意見でございますし、295番、296番、この辺は、市民参加とか、そういう観点からの戦略アセスメントを推進すべきであるという考え方でございます。
 次に305番でございますが、この辺は環境教育の関係でございます。環境教育につきましては、経済社会のグリーン化メカニズムが機能するためにも必要であるという御意見でございます。
 「あらゆる主体の参加」という部分で寄せられております意見としては、NGOの参加が非常に重要であるという御意見が308番、317番のあたりで示されております。また、このような考え方を踏まえて、NGOへの支援策を求める意見が318番で示されております。しかしながら、全体的な環境に対する意識につきましては、例えば326番では、まだ十分ではないのではないか、むしろ自覚がない国民の方が多いという御意見もあったわけでございます。それから、343番のところには、地方公共団体、特に市町村でございますが、これの環境政策の立案の助けになるような指針を環境基本計画に盛り込むべきではないかという御意見もあったわけでございます。
 次に、19ページから第3部の関係の意見でございます。まず第3部の第1章「戦略的プログラム」の部分におきましては、「戦略的プログラム」を掲げたことについては、概ね好意的であったと拝察いたしております。ただ、数値的目標をもう少しちゃんと入れるべきではないかという御意見も多かったわけでございまして、内容に関しては、様々な御意見が寄せられております。
 まず第1節「地球温暖化対策の推進」におきましては、351番のところにございますが、これは現在の計画に対する批判も含めてのことでございますが、環境基本計画が温暖化対策の新しい展開を阻害しないように注意して、先見性のある計画とすべきであるという御意見をいただいております。また、359番のところでございますが、京都議定書の削減目標を上回る目標設定を求める意見もございましたし、361番では、産業界よりむしろ民生・運輸部門が問題であるとしまして、民生・運輸部門に対する規制措置を求める意見もございました。それから、プライオリティづけをした具体的な政策展開をすべきであるということで、364番では、少し具体的な内容を含めての御提言もいただいております。また、原子力関係につきましては、370番以下のところで若干出ておりまして、温暖化対策として積極的に位置づけるべきだとする意見、むしろ温暖化対策からは外すべきではないかという意見の双方が寄せられております。さらに、環境税につきましても、376番以下ぐらいでございますが、積極論と慎重論の双方の意見がございました。
 次に21ページから第2節「物質循環の確保と循環型社会の形成に向けた取組」でございます。ここにおきましては、全体的な傾向を申しますと、拡大生産者責任に対する高い関心が示されておりまして、その徹底を求める意見が相当数寄せられております。また、デポジット制度や一般廃棄物の収集の有料化などを含む経済的手法の活用が必要であるということについてもかなりの御意見をいただいております。また、これは新しい仕組みに対する懸念でございますが、リサイクルが一人歩きして「大量循環型社会」になってしまうことへの懸念も若干みられたところでございます。具体的な話としては、465番におきましては、具体論として、公共関与の産業廃棄物処理に対する期待が示されておりますし、467番におきましては、廃棄物処理場の閉鎖後の取り扱いについてきちんと記載すべきであるという御意見をいただいております。さらに、470番、471番、この辺では、廃棄物・リサイクル問題について環境教育・環境学習が重要であるという御指摘が寄せられております。
 次に第3節「環境への負荷の少ない交通に向けた取組」、474番以下でございますが、ここにおきましては、公害病患者の関係の方から、道路整備が交通量を招いたという御意見が寄せられておりますし、モーダル・シフト的な考え方につきましては、479番で、より鉄道や海運を重視すべきであるという御意見をいただいております。それから481番では、交通対策についても、先般新しい法律ができました廃棄物・リサイクル対策に倣う形で、削減、代替、効率化という形で政策の優先順位をつけたらどうかという御意見をいただいております。また、490番の辺では、先ほどの道路整備との関係でございますが、バイパス整備等は交通環境対策として位置づけるべきではないという御指摘をいただいております。そして、ロードプライシングなどの経済的手法を積極的に活用せよという御意見が相当数みられたところでございます。
 次に27ページの第4節「環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組」の部分につきましては、水循環という視点を取り入れることは大体評価されていると思いますが、具体的な提案として、例えば509番でございますが、水基本法を制定すべきではないかという御意見もございましたし、514番で、雨水利用を強調すべきではないかという御意見をいただいております。また、森林や農地に対する関心もかなり高くございまして、例えば515番では、森林の公益的機能の保全等のための仕組みについての提言が寄せられたところでございます。また、530番では、もう少し広域的な対応が必要だろう、そのための流域単位の取組の仕組みあるいは組織の記述をもう少し計画に具体的に書くべきではないかという御指摘をいただいております。さらに、同じ流れでございますが、531番では、「流域連合」をつくれるようにしたらどうかという御提言もいただいております。
 次に28ページから第5節「化学物質対策の推進」が始まっておりますが、ここでは、536番以下で、予防的方策がこの問題については非常に重要であるという御意見が多数寄せられております。543番におきましては、リスク・コミュニケーションの関係でございますが、「合意形成の方策や手続を検討する」という踏み込んだ記述を行うべきではないかという御意見をいただいております。さらに、546番では、NGOの役割の重要性の指摘をいただいております。また、554番では、化学物質に対するアセス的な枠組みが必要ではないかという御指摘がございました。また、561番、562番では、内分泌かく乱物質に対する懸念が示されております。
 次に第6節「生物多様性の保全のための取組」の部分では、569番でございますが、生息地の減少・分断・劣化防止に関する方策あるいは自然度のランクに応じた対応を指針化すべきではないか、ガイドラインを作るべきではないかという御提言がございました。582番では、生物多様性情報の整備に関する具体的な提言として、「日本動物誌」あるいは「日本植物誌」を作ったらどうかという具体的な提案もございました。583番におきましては、人材養成という場合にやはり就労の場を確保することが重要なのではないかという御意見をいただいております。
 第7節「環境教育・環境学習の推進」では、例えば585番におきましては、これからの社会を担う年齢層への環境教育が重要であるということ、それから606番、これは先ほどの生物多様性のところと似た事柄でございますが、環境教育を職業として成り立たせることが必要であるという御指摘をいただいております。また、教材やプログラムの充実についての御意見を、例えば610番、612番、613番のあたりでいただいております。さらに、614番では、里山、水辺等の環境教育の場としての活用を図るべきであるという御提言をいただいておりますし、617番では、環境教育の専門的施設を充実させるべきではないかという御意見も寄せられております。
 次に第8節の「社会経済のグリーン化メカニズムの構築に向けた取組」では、多かったものは、環境税に関する意見でございまして、これにつきましては、大体積極的にやるべきであるという意見、慎重であるべきであるという意見がございましたが、いずれもほぼ部会の御審議の範囲内の議論であったと拝察しております。また、自主的取組に関する意見も多数寄せられておりますが、これにつきましては、先ほど自主的取組についての考え方は概ね評価するけれども、それをきちっとやっていくための仕組みについては、もっとしっかりやるべきだという御意見、それほど厳密にやると、かえって自主的取組の趣旨を阻害するという御意見が入り交じっておりました。また、644、645番のあたりでは、ライフサイクルアセスメントを普及すべきだという意見、650~655番では、戦略的アセスメントの仕組みをしっかりとつくるべきではないかという御意見が寄せられております。
 次に第9節の「環境投資の推進」では、環境に関する事業を公共事業としてやったらどうかという御意見が、660番、663番のあたりで出されております。また、662番でございますが、環境投資に関して受益と負担が空間的に乖離する場合がある、具体的にいえば、多分森林とか、そういう問題ではないかと思いますが、そういう場合に広域的な調整を行う必要性があるのではないか、その趣旨の記述を行うべきではないかという御意見がございました。665番では、公共工事にライフサイクル・アセスメント的な視点を導入すべきであるという御意見でございますし、674番では、欧米には「社会責任投資」という考え方があるという御指摘が寄せられております。
 第10節の「地域づくりにおける取組の推進」に関しましては、679番のところにございますが、環境面から行う地域づくりの取組が、全国総合開発計画でいっております分散型国土の形成に資するということを明記すべきではないかという御意見がございました。また、698番におきましては、国や都道府県の環境基本計画と市町村の緑の基本計画、こういう計画間の連携が必要であるという御指摘が寄せられております。
 この章の最後の第11節「国際的寄与・参加の推進」に関しましては、702番で、環境への配慮を行わない国が得をしないようなメカニズムが必要ではないかという御意見も寄せられております。
 次に38ページから第3部第2章が始まっておりますが、これも非常に多くの意見が寄せられております。ただ、事柄の性格上かなり細かく具体的な問題にわたるものが多くなっておりますので、主要な点だけ申し上げたいと存じます。
 まず第1節の1の「地球温暖化対策」におきましては、自然エネルギー、新エネルギーを利用することをもっと推進すべきではないか、あるいは原子力発電についての賛否両面の意見、そういうエネルギー関連の意見が非常に多かったのが特徴であろうと思います。
 次に42ページからの2の「大気環境の保全」では、フロンの回収等に関する意見、ディーゼルの改善の可能性を残すべきではないかという意見、ディーゼルの排気ガスの除去装置を推進すべきではないかという意見、あるいは交通量の抑制を正面から取り上げるべきではないかという意見などが寄せられております。
 次に43ページからの「水環境及び土壌・地盤環境の保全」の関係につきましては、例えば具体的な提言として、811番でございますが、土壌・地下水の汚染に関して汚染原因者に浄化対策を義務づける制度をつくるべきではないかという御指摘がありましたし、例えば817番でございますが、河川事業等に自然型工法を積極的に採用すべきだという御意見もございました。また、瀬戸内海の保全についての御意見も、832番、833番にございまして、この辺をもう少し強調すべきではないかという御意見であろうかと思います。また、海洋環境の保全に関する記述を充実すべきではないかという御指摘もございました。さらに、835番でございますが、土壌汚染対策の充実を図るべきであるという御指摘もございました。
 次に45ページからの4の「廃棄物・リサイクル対策」に関しましては、ゴミの処理の有料化の問題、ゴミの分別の問題、ペットボトルの問題、デポジット制度、不法投棄に対する罰則の強化などについての具体的な意見や提案が数多く出されているところでございます。
 次に47ページの5の「化学物質対策」につきましては、遺伝子組み替え食品に対する懸念が897~900番で示されているところでございます。
 同じく47ページで6の「自然環境の保全と自然のふれあいの推進」におきましては、910番で、国土を生態系から見て区分して対応を考えるべきであるという意見、911番で、自然環境保全それ自体を産業化していくことを考えるべきではないかという意見、あるいは921~924番あたりでございますが、里山等の二次的な自然は人間の関与によって維持していくことが必要であるという指摘が出ております。また、農地や森林の維持のための方策を検討することが必要であるという指摘も散見されるところでございます。
 次に第2節、50ページからでございますが、「各種施策の基盤となる施策」に関しましては、環境影響評価を充実強化すべきであるという御意見、また、ちょっと特徴的であるのは、具体的な提言でございますが、980~982番のあたりにございますが、公害関係資料の保存・記録をきちっとやるべきではないかという御指摘がございました。その他、リアルタイムで環境情報を提供する方法を考えるべきだ、あるいは環境情報の公開の促進とアクセスの保障を強化すべきであるという意見、これは983番でございます。それから、公害被害者の救済の継続等についてもう少し立ち入って書けないかという御指摘もございました。
 次に、52ページからの第3節「各主体の自主的・積極的取組に対する支援施策」では、1003番でございますが、NGOの意見をもっと取り入れ、広く国民が地球環境について本気で考え行動できるような仕組みづくりをという御意見がございましたし、環境教育の支援体制を強化すべきではないか、あるいは政府公報を充実すべきではないかという御意見がございました。特に第3節の3の「社会経済の主要な分野における役割」につきましては、かなり具体的な記述が多かったこともございまして、それぞれかなり個別の具体的な御意見が多数寄せられております。
 次に56ページからの第4節「国際的取組に係る施策」におきましては、1082番のあたりでございますが、我が国はアジア太平洋地域の環境政策のイニシアティブをとるべきであるという御意見が寄せられております。
 最後に、58ページからの第4部におきましては、多数いろいろな意見がございますが、省庁間の協力体制をきちっとすべきであるという意見、行政の率先的な取組が重要であるという意見、各種施策を統合的に実施することが重要であるという意見、戦略的アセスメント等によって環境配慮をきちんと行うシステムを構築することが必要であるという意見、予算を確保することが大事なんだという意見がございます。また、1120番でございますが、点検結果を点検しただけに終わらせないための仕組みを導入することが必要であるという御指摘がございました。さらに、それとも関連いたしますが、国の各省庁や地方公共団体における施策の進捗状況の把握と公表が必要なんだという御指摘もあったわけでございます。総じて、新環境基本計画を絵に描いた餅にしないためにはどうしたらいいか、それをしっかりやってくださいという御指摘であったわけでございます。
 最後に、その他・全体に係るものを簡単に申し上げますと、環境問題が非常に緊迫した状況にあるということをもっと強く打ち出すべきではないかという感想、あるいは表記を統一すべきだ、わかりやすい表現にすべきだという記述上の問題、さらに、より具体的な目標を設定できないかという意見、国民・NGOについての記述をもっと増やしてほしいという御意見などが寄せられております。その他、個別に修文を求める具体的な意見につきましても、全体にわたりまして相当数寄せられているところでございます。
 非常に数が多いものですから、概括的な説明になるわけでございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【森嶌部会長】 ありがとうございました。
 今の国民の意見の中に既にブロック別ヒアリングで述べられた意見も入っておりますけれども、ブロック別ヒアリングに御出席になられた先生方がおられますので、ブロック別ヒアリングについての御感想その他コメント等がございましたら、どなたからでも結構でございますので、お願いいたします。
 ないようでしたら、先へ進ませていただきます。先ほども申しましたけれども、このパブリックコメント、ブロック別ヒアリングの結果につきまして、これをどういうふうに取り扱って、あるいは計画の中にどういう考え方で組み込んでいくか、どういうところを組み込むかというような点について御議論いただきたいと思います。一応まとめられておりますので、そのまとめ方に従いまして、まず第1部から始めていきたいと思います。5ページまでの第1部につきまして御意見をいただきたいと思います。

【村上委員】 進め方なんですが、今日こんな膨大なものを急に言われて、目を通す暇もなくて意見を言えというのはちょっと乱暴なので、今日意見を言える人はいいのですが、私は後でじっくり見たいものですから、次回も言うチャンスをつくっていただきたいと思います。

【森嶌部会長】 これは膨大なものですから、どういう考え方で修文していくかということについて、一般論で結構でございます。もちろん個別にこの点は取り上げるべきではないかというようなことでも結構ですが、いかがでしょうか。実は私も今日初めて見たわけで、ブロック別ヒアリングにも出ましたけれども、フォローしかねております。

【廣野委員】 私は広島での中国・四国・九州・沖縄ブロックのヒアリングに参加したのですが、こういうものをどうまとめていくかということを考えるときに、この中にもところどころそういう意見が出ていましたけれども、環境基本計画の見直しの中で、できるだけ一般の国民大衆が何を考えているかということをある程度反映させてほしいという意見がところどころにありました。そういうのを見ると、国民一般の意見といっても、ある問題ではかなり対立するといいますか、違った意見がありますので、そういう違った意見を考える場合に、あまりそれを何らかの格好で妥協したような考え方で書くのではなくて、違った意見は違った意見として尊重するような格好で書くというやり方が一つの方法かなと。すなわち、例えば本文の中では、こういう意見もあった、ああいう意見もあったと書くのは結構ですが、こういう意見もあった、ああいう意見もあったということだけでは不十分ですので、それについての何らかのより科学的な状況の分析に基づいたようなものを本文の中に入れていく。こういう意見があった、ああいう意見があったというのは、逆に付録的なものに入れていく。そういう格好にしないと、一方で違った意見が十分反映されないということと、もう1つは、違った意見というのは、大変失礼な言い方ですが、ときに思いつき的な意見もあると思いますので、そういうものをちゃんと整理する必要があるかと思います。

【森嶌部会長】 いかがでしょうか。

【河野委員】 22ページの407番の人の意見について気になるところがあります。事務局よりの紹介があったので気がついたのですが、この意見を述べられた人が宇宙船地球号の会の代表者ということで、環境のことをよくわかっている人がこの中間とりまとめを読んで、「大量循環型社会」ができてしまうのではないかと心配しているようです。この中間とりまとめは多分、可能な限り循環型社会をつくるということを強く打ち出しているのだろうと思うのです。この点をよく理解している人が循環型社会を強調したこの中間とりまとめについてかなり懸念を持っているということが気になるといいますか。こういう方向に我々が行こうとしていることに対して、それでいいの?というようなチェックがかかっているということが気になるところです。中間とりまとめの書き方の問題なのか、誤解されているのか、気になります。どういう趣旨の意見だったのでしょうか。

【安原部会長代理】 今の点は、私は広島でのヒアリングに出ましたので、御意見を伺ったのですが、循環型社会の形成というよりは、廃棄物の問題を中心に議論されていました。ですから、リサイクルすれば、それでいいのだということではなくて、廃棄物の絶対量を減らしていく努力をしなければいけないということを強調されて、こういう主張を言われたのだと理解しておりますが。

【森嶌部会長】 私も広島でのヒアリングに出ましたので、そういうふうにお答えしようと思ったのですが、要するにこの方は、循環型というそのアイディアを否定されたのではなくて、今のまま大量生産で大量消費をするということで、それを循環するということになると、結局、大量の廃棄物がまた戻っていくということになるので、最初から物資の利用自身を縮減するような形のものに考えるべきではないかということで、もちろんこの人の御意見はポジティブな御意見であったと思います。

【河野委員】 意見が非常に短くまとめられていたので十分に真意が表現されていなかったということですね。。

【森嶌部会長】 これがちょっと短すぎるのかもしれません。ほかにございませんか。

【江頭委員】 今日これをいただきまして、私も初めて見せていただきました。ただ、ここにもとができているわけですよね。これをもとにこの意見が出ているということは、この意見をもとにどう改善していくかということが目的ではないかと思うんです。そうすると、今日お2人の方が先ほどもおっしゃったように、これから何回かある企画政策部会をどう進めていくかというプロットをまずきちっと立てて、今日はこのこと、次は何をするという明確な目的を持たないで、小さなことでぐちょぐちょ論議することがときどきあって、私もこんがらがって意見を言えなくなってしまうことがあるので、今日はっきりした方がいいかと思います。

【森嶌部会長】 今までも申してまいりましたように、一応中間とりまとめをしまして、国民の意見、ブロック別ヒアリングで御意見を伺って、それを「中間とりまとめ」という形で今までまとめた中に修文していくということであります。その場合に、現在の予定では、12月までに新環境基本計画を全体をとりまとめるということでございますので、現時点で入っているのは、2回でしたか。

【細谷環境計画課長】 今日含めて4回でございます。

【森嶌部会長】 当初の予定で、それぐらいの回数で、今伺ったところでは、もう既にきちっと入れてあるようですが、事務局もこれだけのものをとりまとめるのは大変なので、事前にお配りすることはできなかったわけです。今日こういうものを見ていただいて、これを入れろというようなことではなくて、むしろ、今日を除きますと、あと3回ですので、その中で、どういう方針でこれを組み込んでいくか。先ほどの廣野委員の御意見も1つのお考えだと思います。あれもありました、これもありましたということを書き込むのではなくて、それを前提にして、例えば数値目標で出せるものは入れていく。そして、賛成であれ、反対であれ、それに対応するということを前提にまとめていくけれども、しかし、いろいろな意見を並べていくということはしない方がいいだろうというのが廣野先生の御意見だったと思うのですが、要約の間違いでしょうか。

【天野委員】 パブリックコメントというのは、今まで何度もやっていることだと思うのですが、聞きっ放しということになるのが一番いけないわけですね。従来、この中環審ではどういうやり方をしていて、それはどういういい点があって、どういう欠点があってということがわかれば、おっしゃっていただきたいと思います。これだけの大量の意見ですので、もちろん関心がどの辺にあるかという重点領域というのはよくわかりますし、御意見の中でもちろん賛成論、反対論、両方あって、ただし、両方あるということだけではなくて、分布もある程度わかるわけですね。そういうことを整理した資料をまず作る必要があるのではないかと思うのですが、私は今思いつきで言っているので、これまで何度もパブリックコメントをされているときに、どういう経験とか蓄積があるのか、それをお伺いしたいのです。

【森嶌部会長】 私もそれなりに経験はありますけれども、事務局の方で答えられますか。

【細谷環境計画課長】 前回のときには、正式にパブリックコメントの手続的なものはまだなかったわけでございますが、極力御意見を募集するということで、今回の意見に近いぐらいの御意見をいただいておるわけでございます。そのときにたしかやり方としては、個別にこの問題についてはこうというような回答を出すのではなくて、そのときには起草委員会を設けてやったわけでございますが、そこで修文案を整理する。その修文案を整理したものをもって、ある意味でお答えに代えた。そういう扱いにいたしたというふうに理解しております。

【森嶌部会長】 今までは、天野委員がおっしゃるほどサイエンティフィックにはやっておりませんけれども、前回の場合は11ブロックでしたか、今回に比べるとはるかにたくさんの御意見がありました。あのときもファックスか何かで集まったと思うのですが、それを整理したものを前提にして、ここで一度御披露して、自由討議をしていただいた後で、そのときは小委員会をこしらえて、どういうふうに入れ込むかという原案を作っていただいて、全体の部会に出して、こういう修文でどうだろうかということで、もう少し書き込んだらどうかとか、そういう御意見を伺って、最終的にする。今回は、小委員会をつくるというのはなかなか無理ですので、私の今の考えとしては、全体の方針について、あるいは個別でも結構ですが、今日は自由に御意見を伺って、見え消しでわかるような形で修文を事務局といたしまして、また御議論いただくというように進めるのはどうかなと。あまりサイエンティフィックではありませんけれども。

【廣野委員】 1点は、この審議会の委員の皆様方、これもかなりいろいろなセグメントの方を代表している方がたくさんおられて、そういう方々の御意見は御意見なりに重要なものですね。パブリックコメントという場合に、もちろんそれはパブリックですから、パブリックというものの重要性は十分わかっているのですが、それと、こういうようなところの委員の発言のウエートといいますか、こういうことを考えると、パブリックコメントについて私たちが十分に認識して、それをできるだけ個々人の委員の意見の中で考えて、それを集約していくという道が妥当かなと。すなわち、パブリックコメントをそのまま並べておいて、それに対するリスポンスというのはちょっと不適切かなと感じます。それが第1点。
 第2点は、これ自身ものすごく膨大でして、読んでいて、先ほど私が申しましたように、いろいろな点でかなり違った意見を持っている方が多いので、もしできれば、何らかの格好でこれをもう一度やるというのは大変かもしれませんが、事務局でもう少しわかりやすい格好で整理していただく。ここにあるのは、ほとんどすべてある項目についてどういう意見があったかということだけ、ある意味で生のデータがそのまま出ておりますけれども、このデータを再分類して何かやっていただけるとよくわかるかなという感じもするのですが、そこらあたりはいかがでしょうか。

【森嶌部会長】 これは既に分類してかなりまとめたものだというふうに私は理解しております。もとはもっと膨大ですし、ブロック別ヒアリングだけでもこれだけになっていますので、これ以上やるのは、事務局の人権に関わるかと思いますが、基本的には、今までもそういう考え方で、出てきたものをある程度分類してきて、それを読んで、ここではパブリックコメントをどうまとめるかということではなくて、いろいろな検討チームをこしらえて、それの上に立って中間とりまとめをしているわけですので、それに対する意見ですから、我々のやることは、中間とりまとめにどういう修正を加えるか、あるいはもっと踏み込むのかというようなことを御議論いただきたいと思います。

【村杉委員】 中間とりまとめを本当のとりまとめにするために、これは可能ならということで御提案したいと思うのは、これだけ大量の多岐にわたる御意見をいただいて、それを取捨選択して、新たに修文をしていく作業について、かつて中間とりまとめを作る前の段階でいくつかの検討会に分かれてやりました。そういう形で、小委員会さえ無理という部会長さんのお話を聞いて、ちょっと気が重いのですが、可能なら、それぞれの分科会のような形でいくつかに分けて、私どもがそれを分担させていただいて、ある程度の修文をして、それをまた全体会にかけるというのが一番早道ではないかと考えたので、御提案したいと思います。

【森嶌部会長】 小委員会という形でやるのと、前にやった分科会に分けるのと私はほとんど変わらないと思います。むしろ、小委員会の方が全体を小委員でやっていかなくてはならないわけですから、皆さんでぱっぱっと分けて1回でやって、それを1ぺんにまとめることができるとすれば、一般的には委員としての負担が増えますけれども、そういう御提案で、そうすべきだということでしたら、ここで御議論いただいて、そういうことも考えたいと思います。

【横山委員】 これだけの方が意見を寄せていただいたわけで、これを尊重したい、生かしていきたいと思うのですが、その前提として質問なんです。399名はどんな内訳なのか、例えば簡単に男女別とか年齢とか。もう1つは、大綱のときかちょっと記憶が定かではないのですが、前は、例えば原子力推進の方が組織的に意見を寄せたということがあったと聞いていますが、今回はそういう組織的なものがあったのかどうか、その辺のところを簡単に教えていただけませんでしょうか。

【細谷環境計画課長】 この属性を明らかにせよという話でございますが、実はこれはほとんど昨日まで来たものを整理してまとめたものでございますので、そこまで今の段階では作業ができていないということでございます。ただ、最終的には、どういう方からの御意見だということは整理いたしたいと思っておりまして、それをまた必要に応じて提出させていただきたいと存じます。
 もう1点、組織票的なものがあったかどうかということでございますが、何をもって組織票というかというのは、いろいろなあれがあると思いますが、共通の御意見、ほぼ同じではないかと思われる意見、例えば原子力発電の問題とか、そういう問題等いくつかの問題についてあったことは事実でございます。

【横山委員】 例えば100件あるとか、そういうことではないわけですね。

【細谷環境計画課長】 そういう意見はあったわけでございますが、そういうものはこの中に、例えば何々等何件という形で一応入れてはございます。ほとんど同文ではないかと思われる意見につきましては、この上で1件としてカウントさせていただいております。【渡辺委員】 私もずっと考えているのですが、部会長がおっしゃったように、事務局の方で、この中間とりまとめが中心ですから、見え消しでやっていただくというのも1つの有力な案ですし、村杉委員のように、適宜小グループに分けて担当する。例えば物質循環とか生物多様性の関係とか、私が所属した検討チームであれば、1回会合すれば、その部分については結論が出せるのではないかという気がいたしますので、小委員会方式も有力だと思います。しかし大事なことは、この中間とりまとめを長いこと回数多く議論してやってきたわけですから、パブリックコメントでこれまで我々の議論の中で全く気づかなかった点を中心にどう取り扱うかということなのではないか。例えば原子力の話とか、自主的取組の重要性とかたくさんありますけれども、これはもう我々も十分議論してきたわけですから、整理しようと思えば、わりあい簡単にできるような気がします。議論されなかったことをどうするか。この辺は、私はどちらでも結構です。事務局が見え消しで整理して取扱いの案を作って、全体の場で議論するという方向でも結構ですし、適宜分担をして、今までその分野に深く関わってきた少数の方で整理して、そして部会にかけるという村杉委員のような案でも結構かなと。いずれにしても、相当効率的にやらないと無理ではないかと思います。

【三橋委員】 まとめ方についていえば、今、渡辺委員が言ったようなやり方で私もよろしいと思います。ほとんどの問題は議論されていると思うんです。だから、膨大な資料なんだけど、1つ1つ読んでみれば、我々でも相当議論しているということで、我々の議論で欠けている部分をピックアップして、それをどうするかというくみ上げ方でよろしいのではないかと思います。
 私が発言したかったのは、このとりまとめについて、始める前に私は同じようなことを言ったのではないかと思うのですが、広島でのヒアリングでもそういう質問があったので、改めてとりまとめの仕方について意見を言わせていただきたいと思います。それは、前回環境基本計画との連動性の問題です。それができて今6年ぐらいたつ中で、様々な循環型社会を推進するための法律等々もできているわけですよね。そういう環境基本計画ができた後の様々な動きを踏まえて、何が欠けていて、何が達成できたのか。その上で、これから作る環境基本計画にはどういう点を重点にしてやっていくのかというような、第1回の環境基本計画との連動性をもう少しはっきりこの最終的なまとめには盛り込むべきではないかと思うんです。5年たった後、第3次というものを作るかもしれませんけれども、そういう連続性みたいなものが必要だろうと思うんです。そういう点でいうと、この中間とりまとめでの現在の環境基本計画に対する評価とか、何が足りなくて、何が実現できたのか、そういうあたりに対しての記述がもう少し必要なのではないかということを申し上げておきたいと思います。

【森嶌部会長】 これをとりまとめる前に、皆さんに御意見を伺いまして、従来のものが最初ということもありまして、平板であって、実施に当たっても有機的な関連性が欠けていたのではないかという反省に立ち、かつ、今、三橋委員がおっしゃったような新たな問題が出てきたということもありまして、それにつきましては、中間とりまとめの第2部に書いてございます。また、名前がいいかどうかはともかくとしまして、「戦略的プログラム」というのを挙げましたのは、6年間の経験の中で、どういう問題をより重点的に取り上げなければならないかということで取り上げたということでございますので、今の御指摘の点は、最初からそういうふうに考えてスタートしたはずですけれども、文章においてその点が明確でないということであれば、それについても今の御指摘の観点からもう一回見直しまして、そこがはっきり出るように考えたいと思っております。

【波多野委員】 これは要旨を丹念にとりまとめていただいて、膨大な資料を作っていただいたことは評価いたしますが、要旨をとりまとめると、事務局からの御説明の中にもしばしば出てきましたけれども、結局、この部会の討論の範囲内の問題でしたということになってしまうのだと思うんです。我々も、何も地方で考えておられることとそうかけ離れたことを議論しているつもりもないので。そうすると、我々が考えつかなかったような問題が地方で発言されたかどうかということで、要旨をとりまとめるということよりも、地方の発言の中に「えっ、こんなことがあったのか」ということを特記していただく資料の方が必要なのであって、要旨をとりまとめると、結局、「なるほど、そうだな。しかし、これも議論したな」ということで終わってしまうのではないだろうかという感じがいたします。

【中野委員】 私も今おっしゃったそのとおりのことだと思います。このような膨大な資料をまとめてくださったのは大変うれしいと思いますし、これ全体を読ませていただいた上でのとりまとめというのは、全部読んでいって、それから各地域でこれというようなものを入れていったらいいと思います。そして、中間とりまとめが一応できていますので、そこに何点か新しい皆さんの思いも入れていったらいいと思いますので、このようなことをまとめていただいて大変うれしいと思います。

【佐竹委員】 渡辺委員以下皆さんがおっしゃったことと同意見なんです。これだけの意見を出していただいた方々は真剣に書いていただいたと思いますので、それに対する一種のオブリゲーションを感ずるわけですが、形式的な扱い方の問題ではないのだろうと思うんです。渡辺委員、波多野委員、三橋委員もおっしゃいましたけれども、我々が気づかなかったような新しい観点、新しい事実が出たことに対して、既存の考え方の枠組みを少し変えて、それを組み込んで、新しい論理なり考え方を構築するということに意味があるので、形式的には、これだけの整理をされていれば十分ではないか。これ以上事務局に負担をかけるというのは、私の行政経験からいいましても、こういう手続はかつては全然なかったことであって、大変な労力だろうと思うんです。そのことは、結局、ものを考える時間を奪うことになるわけですね。これだけのものをワープロを打って整理して、かなり機械化されていますけれども、非常に時間がとられて、環境庁の環境計画課の仕事としても形式的に意見を処理することは、かえって実質的にはそういう方々に対する誠実な答え方ではないような感じもいたしますので、これ以上あまり事務局に負担がかかるような取扱いはすべきではないし、それで決して意見を出していただいた方に不誠実な対応をしたわけではないと思うので、むしろ今、波多野委員が言われたような観点から問題を取り上げることが大切だと思います。

【天野委員】 この部会でどういう処理をするかという点については、私は皆さんのおっしゃっていることに賛成いたします。パブリックコメントを出された側の視点に立ちますと、中環審がこういうパブリックコメントをやって、どんな意見が集まっただろうか、それと中間とりまとめとの比較をしてみたいということを考えていらっしゃる方が多いのではないかと思うのですが、私は、今日おまとめいただいたこの資料は、かなりの量ですが、これを適当なセクションに分けて、インターネットのホームページで公開するという形をすれば、関心のある方はそこにアクセスできるわけですから、少なくともその程度のお返しはすべきではないかと思います。

【和気委員】 このパブリックコメントをこの部会でどう扱うかについては、各委員の皆さん方のお話の中で出てきた方向で私もよろしいかと思います。あまり具体的ないいアイディアも私自身ないのですが、ただ1つちょっと皮肉めいた言い方をさせていただきますと、IT革命あるいは電子メールなど非常にアクセスしやすい環境になった中で、399名という人の数を多数とみるか、意外に少ないなとみるかというのは、これから環境政策を展開していく中で、いかにボトムアップの情報を政策反映させていくか、そういう長期の政策決定のプロセスの中で情報をどうとらえていくかというのは、非常に重要な課題だと思います。特に環境政策の中では、個々の国民一人一人がどう環境意識を持つか、そういうことをうたっている以上、どれだけのたくさんのパブリックコメントをいただくかということが一つのバロメーターでもあるかとは思うんです。意見の内容そのものは、もちろん専門家の方もいらっしゃるし、そうでない方もいらっしゃいますから、それは種々こもごもあるかと思うのですが、むしろ、どれだけ多くの方が環境基本計画に対して興味を持つ、関心を持ってアクセスするかというところも含めて、ぜひ考えていかなきゃならないのではないだろうか。事務局の御負担も大変だという部分も非常によくわかりますけれども、多分、電子メールでどんどん来るようになれば、編集も簡単になるでしょうし、その種のIT革命をどうとらえるかも含めて、ぜひこの399名というアクセスの部分について少し評価させていただきたいと思っております。

【森嶌部会長】 大ざっぱで結構ですが、電子メールとファックスはどれぐらいの割合ですか。存外まだIT革命が及んでいないのではないかと思うので。

【細谷環境計画課長】 集計はしておりませんが、紙の方が多うございます。

【森嶌部会長】 少なくとも環境基本計画に関心を持つ層と、私の感じでは、少し層のずれがあって、Eメールを使っている方がおられるとすれば、一般的に探し歩いていて、これを掘り当ててアクセスしてきたというよりも、多分そういう組織があって、そういうものを使える場合だと思いますので、今の和気委員のおっしゃるのは誠にごもっともですが、まだもうちょっと距離がありそうな感じがいたします。

【村上委員】 この部会での議論の仕方は、私は村杉委員がおっしゃったような形で議論すればいいかなと思っているのですが、パブリックコメントは大切にしなきゃいけないと思います。これは中央省庁等改革のための審議会の中で、相当今後の民意を反映させる行政、審議会、こういうものについて、開かれた社会をつくっていくことは大変重要だということで、このパブリックコメントの制度をつくられたわけですね。新しいことをやるわけですから、少々手間はかかると思いますけれども、寄せられたパブリックコメントというのは、大切に扱って、我々は議論したかもしれませんけれども、議論した中身をお返しすればいいわけですし、また、気がつかない点については、議論して取捨選択すればいいのだろうと思っています。ただ、どちらにしても、せっかく意見をいただいた方々にきちんとそれなりのお答えを返すということがパブリックコメントの基本だと、私は制度をつくるために一生懸命やった立場ですからそう思っておりますので、その趣旨だけは外さないでいただきたいということをお願いしておきます。

【佐和委員】 私は全然違うことを言う感じになるかと思うのですが、私はこの資料をながめていると、大変面白い、大変いろいろな貴重な意見が多数あると思うんです。最初に部会長がおっしゃったように、まず第1部について、これで5ページまでについてというように順々にやっていけば、例えば第1部に関しても、ふと気がついた25番の意見で、「『生活様式の結果であること』を『社会経済構造の結果であること』に書き改めるべきである」。私もそのとおりだと思います。大量生産・大量消費・大量廃棄の生活様式の結果であるというのは、少なくとも「大量生産」という言葉が入っている限り、「生活様式」というのはおかしいわけで、「社会経済構造」といった方がいいでしょうということで、そこで修文ということになりますね。見ていけば、その中には、例えば50番のように、「COP3議長国として京都議定書の批准をすべきである」というのは、1つの意見であって、別に批准するとも、しないとも書いてないわけですし、こんなのは、失礼な言い方ですが、取るに足りないということです。また、67番で「計画アセスに対する取組も記載すべきである」とか、75番のように「『アカウンタビリティ』、『パブリックコメント』の意味を知らない人が多い」とか、全くもっともな意見なわけですね。だから、そういうことで、例えば「アカウンタビリティ」だったら、その後ろに括弧して「説明責任」という言葉を付けるというようなことで、どんどん修文の話が進むと思うんです。今日入れて4回おやりになるとおっしゃいましたね。だから、1回に20ページ分ずつぐらいやれば、これだけ多数の委員がいて、自分の関心事というのはそれぞれ違うし、御専門も違うということで、自分に関連のあるところに当然目がいきますよね。そうすると、網羅的に、しかも、パラグラフごとに番号が打たれていて、これはどのパラグラフか、どのパラグラフにものすごく意見が多いんだなというようなことがすぐわかるのです。ですから、最初からこの資料が悪いという議論をするのは、なぜそういう議論をなさるのか。非常によく整理されているという気がするのです。もともとの中間とりまとめが、パラグラフごとに番号を付けていて、こういう書き方でなさったというのは非常にうまくいっているなという感じがするんです。ですから、どんどん議論を進めればいいと思うんです。さっきも部会長が「5ページまでの第1部について意見いかがですか」と言ったときに、突然とんだ意見をおっしゃる方がいたりするから議論が混乱するんですね。

【森嶌部会長】 本来私が申し上げるべきかもしれませんが、そうすると、議長の専横などと言われても困りますし。本日、そんなに時間はありませんけれども、私としては、そういう形で、細かい点はまた後にして、ざっと見ていっていただければと思ったのですが、今日突然だということであれば、1つの方法としては、各検討チームの議論に基づいて、各パラグラフも大体それに対応していますので、村杉委員がおっしゃるように、これは委員には負担になりますけれども、今日少しやってみますが、場合によっては、それぞれの検討チームで、自分の担当のところを中心にこれを見ていただいて、中間とりまとめの中で修文あるいは追加すべきことがあるのかどうかということを一度、これもフルにメンバーでなくても、場合によっても2~3人でもいいと思うのですが、一斉にやっていただいて、それを事務局にいただいて、事務局の方でプリントしてここへ出すということも、先ほどの村杉委員の御発言で思いつきました。私の当初の考えは、ここで御意見を伺って、それを実は私と事務局で議論することになっていまして、時間もとってあるのですが、それを私のところでやろうかなと。もちろん安原委員にもお願いしてと思っていましたけれども、もしも皆様の方で、これだけのパブリックコメントを大切にする、そのためには委員としては時間と知恵とを提供すべきだ、そういう義務があるというふうにお考えならば、そういう方法もとれると思います。まず、その点の感触をお伺いしたいと思いますが、そういう方法でいかがでしょうか。

【廣野委員】 その点は、今、部会長がおっしゃったことでいいと思います。すなわち、それぞれ検討チームで担当した方がいるわけですから、そういう方が担当したところをまず最初に見ていただいて、それについてもし新しい意見がこのパブリックコメントの中に出てきていたら、それをどういう格好で反映するかを考えて、事務局の方に提出するというお考えでよろしいと思います。それはそれでいいのですが、先ほど村上委員のおっしゃった点は私は非常に重要だと思っていますので、その点だけ言わせていただきます。
 パブリックコメントという制度が導入されて、私はこれは非常にいい制度だと思いますので、この制度をこれからどう我々が考えていくかというときに、せっかくパブリックコメント、たった300数十名ですが、そういう方々が下さったものについては、非常に大切なものとして、特に事務局の方では考えていただいて、何らかの格好で、先ほど天野委員のおっしゃったような格好でホームページに載せてやるというやり方もあるでしょうが、実際に見る方も、これだけのものをホームページに載せられて見るのも大変なんですね。そんなわけで、これはITですと簡単にできますので、何らかのリクラシフィケーションをして、簡単にホームページに載せてあげるということをやれば、時間は10分か15分でできますので、そういう格好でやっていただいて、できるだけパブリックコメントをやってくださった方々に対して、こちらのアカウンタビリティと申しますか、それを全うすることが重要かと思います。
 実は世界銀行が例のCDFという新しい総裁が3年前にいろいろ話し合ったときに、これからどうするかという中で、2年前からパブリックコメントを彼らは要請して、世界中からものすごくたくさんのパブリックコメントが来たわけです。それに対して1週間以内に彼らは必ず答えを出しているんです。そういう格好でものすごい何万何千というのが来ているのを1週間以内にぼんぼん出せるというシステムが簡単にできているわけですので、そういう格好でできるだけパブリックコメントを下さった方に対しては、政府の方がアカウンタビリティの点からきちんと応対するという考え方が私は必要かなと思っております。これはこれにどう反映するかということが問題です。

【安原部会長代理】 中間とりまとめの修文のやり方でございますが、今までの皆様の議論の方向で結構だと思うのですが、渡辺さんがおっしゃったように、我々が気がつかなかったものについて取り上げていくというのは、少なくとも必要でございますし、今、佐和さんがおっしゃった点も重要かと思います。それをどういうふうにやるのか。あまり作業量をかけないで、予定したスケジュールに乗せて作業ができるようにしなきゃいけないわけですが、それだと、せっかく今日いただきましたので、それぞれの委員が持ち帰ってざっと目を通して、どうしても自分はこの意見を踏まえてこういう修文をしたらどうかと思うというような案を事務局に出していただいて、そういうのが集まって、それを材料にして、小委員会なら小委員会で議論していただいて固めるというようなことはいかがかと思いますが、どうでしょうか。

【江頭委員】 村杉先生が初めおっしゃったときに、最後の仕上げになると思うので、丁寧で一番いいことかなと思って聞いておりましたら、渡辺先生が次におっしゃって、時間も短縮されると言われたので、それもいいなとちょっと迷っていたのですが、私が考えましたのは、部会は一応関わっていますので、部会で検討する、そして加除訂正など修文する。そして、小委員会で全体を通していただいて、全体会でやるのがいいかなと思ったのですが、最終的に、森嶌先生がおっしゃったようなことが一番いいかと。時間も短縮されるし、内容的にも丁寧になるかなと思うのですが、部会の場合、ダブって入っていますよね。だから、どちらかを選ぶと1回で済むかなと。

【森嶌部会長】 後で御提案しようと思うのですが、あまり大がかりなものは大変だと思いますので、とりあえず検討チームの主査の方が招集なさって、その方が責任をもって担当部分の修文をしていただく。それを、どちらにしても、今、江頭先生がおっしゃったように、最終的にはここに全部かけて、ここで議論いたしますので、私が最初に申しましたのは、そのための案といいますか、修文のたたき台を作るということでしたけれども、村杉先生のいいアイディアもありましたので、また、先ほど私が申し上げたところ、少なくともそういうことはやるべきではないという御意見は今のところ出ておりませんので、最も効果的で、かつコストパフォーマンスのいいということであれば、申し訳ないですが、検討チームの主査の方の責任においてとりまとめていただく。もちろんそれとは別個に、全体的に御意見があれば、今、安原代理がおっしゃったように、ダイレクトに事務局に出していただいても結構ですので、ここ1週間ぐらいのうちにその作業をしてしまって、そして私のところでとりまとめて、次回はいつでしたか。

【細谷環境計画課長】 次は11月9日でございます。

【森嶌部会長】 そうしますと、ここ1週間か10日ぐらいのうちに作業をやっていただかないと間に合わないと思います。それでこの次のときには、もちろん部会でまたもう少しこれを入れろ、あれを入れろというのは構いませんけれども、ともかくここで議論する素材を各検討チームでやっていただきたい。そして、その主査がそれについてアレンジから、場合によっては主査お二人でということもあるかもしれない。あとはEメールでやりとりをするということかもしれませんが、そういうことでやり方としてはよろしゅうございましょうか。

【江頭委員】 最後は、佐和先生がおっしゃったように、1回目はここまで、2回目はここまでというふうに分けてね。

【森嶌部会長】 それはまたやってまいりますが。

【塩田委員】 これからの進め方については、安原委員が今提案されたことで賛成ですが、個々のコメントを作るときに、このパブリックコメントを採用する場合は、今の手続で十分だと思うのですが、採用できない意見に対してはどういう対応をしていくべきかというのがよくわからないのですが。特別の問題について1つの提案はあるけれども、それは適当でないという問題もあると思うんです。先ほど佐和先生が、1つのテーマ、京都議定書の批准をすぐすべきだ、それはコメントができないだろうと思うのですが、そういうようなもの、あるいは指摘がこの審議会として適切でないと判断するものもあると思うんです。そういうものに対しては、こういう理由で採用できないということを言ってあげるのかどうか、その点だけは決めておかれた方がいいのではないかと思います。

【森嶌部会長】 パブリックコメントの場合には、最終的にとりまとめということで、そこで対応する。それに対応できなかったものについて一々回答を出すというところまでは私はやらなくてもいいのではないかと思っておりますけれども、村上委員はパブリックコメントの創始者だそうですから。パブリックコメントというのは、こちらが政府の委員会なり提案者が出したものですから、それに対して、こうだ、ああだ、あれはこうという御指摘で、それは尊重してやりますけれども、中で議論した結果を、コメントに対して、先ほど廣野委員は、世界銀行では全部回答すると言いましたけれども、その仕組みまでは私はとらなくてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 〔「賛成」との声あり〕

【森嶌部会長】 そういうふうにさせていただきたいと思います。しかし、出してくださった方については、最終のものについては個別にお送りするぐらいのことはやらなくてはいけないと思います。そして、「コメントいただいてありがとうございました」と。「あなたのこれはこれ」と書かなくても、「いただいた御意見を検討して、このようなものでまとまりました」と、それぐらいはせめてしなくてはいけないと思いますけれども、それ以上はいいと私は思っておりますが、よろしゅうございましょうか。

【村上委員】 こういうことを議論したけれども、ホームページぐらいで開示してやるぐらいの丁寧さは欲しいです。

【森嶌部会長】 ホームページで開示するというのは、例えば「この人の意見について、こういう理由で入れませんでした」と、そこまで……。

【村上委員】 他の審議会でやっているところはありますよ。

【森嶌部会長】 私は、この審議会としてやらなければならないかどうかということをお伺いしているのですが。

【村上委員】 私はぜひお願いしたいと思います。

【森嶌部会長】 それはまた後で検討いたします。

【天野委員】 言葉がわからないという御意見が随分ありますね。それから、自分はわかっているのだけれども、こういう意味を御存じない方が多いという御意見も結構あると思います。私は前に一度、用語集を作ったらどうかという提案をしました。例えばカナダの環境省が非常に丁寧に用語集を作ったりしているんです。かなり専門語がたくさん入ったり、英語の言葉そのものをカタカナで書いたり、そういう文章を作っているものですから、それをちゃんとわかって読んでいただきたいと思いますので、わからない人を放ったらかしということではなくて、ちょっと努力は要ると思いますけれども、ごく簡単な用語集を後ろに付けるという提案をしたいと思います。

【森嶌部会長】 これもぜひそういう意識で見ていただきたいと思いますが、わりあい書いてあるのは、「アカウンタビリティ」などと英語を使っているけれども、そんなのでは何を意味するのかわからないという、用語集の問題というよりも、むしろ一般の人にわからないような言葉で書いてもらっては困る、そういう御指摘が多いように思います。今の御意見も検討していただいて、用語集を作った方がよいということであれば、そういうふうにさせていただきたいと思います。
 村上委員の今のお話につきましては、最後までやりまして、検討いただいて、修文をして、最後の案を作るところで、では、コメントに対して、この最終案からどういうふうに説明するのか、しないでもよいのかということについては、留保させていただきたいと思います。
 もう少し時間がありますので、何ページということでなくても、お気づきのところで結構ですので、今お気づきの点がありましたらお願いします。
 ブロック別ヒアリングでは、数値目標を書き込めというのがありまして、これは今まで検討していただいて、無理だろうと思うのです。それから、NGOの参加についても、実施の参加というのはあるけれども、政策に対する参加ということが書いてないではないかとか、地方公共団体におけるNGOの政策決定への参加ということが一言も触れていないという御意見がありました。これはどういうふうに書くかどうかは別として、検討した上で最終案をまとめた方がいいのではないかと思います。ほかの点は、先ほど私は、一々返事する必要はないのではないかと申し上げたのは、思いつきのようなものもありますし、基本計画ということにあまりなじまない、非常に細かい提案などがありまして、少なくともブロック別ヒアリングの中の御意見は、かなりの程度でここで議論した問題と、ここで全く議論しなかったものの、かなりのものは非常に個別で、基本計画の中にとても盛り込むことは不可能あるいは適当でないというものが多かったように思うんです。ですから、ここで検討しなければならないかと思ったのは、数値目標がいろいろなところで出てまいりましたし、参加の意味合いについてもう少し検討した方がいいかなと。あとは、ここにも出ておりますように、こういうふうに文章を改めろというのも結構ございました。

【宮本委員】 今の部会長の件とはちょっと離れるのですが、先ほどパブリックコメントでどのぐらいのEメールとファックスがあるかというお話があったのですが、私はそれに関連して、これはホームページに載せられたわけですね。そうすると、必ずアクセスがあるわけです。そのアクセスがどのぐらいあったか。その中で、どれぐらい出てきているかというのが非常に重要なんです。今一番問題なのは、環境に対して関心を持ってもらうということだと思うんです。今インターネットの普及率が約20%になってまいりましたから、2,000万~3,000万近い人間がインターネットを使っているわけですね。にもかかわらず、399というのは、それがすべてとしても、ものすごく少ないですね。和気先生が先ほどおっしゃったように、それからいうと、非常に低いと思うんです。しかも、かなり関心のある人ですから、関係団体とかNGOの人たちが出しているわけです。そうすると、一般の人というのはものすごく低いと思うんです。そのためには、今後こういうようなホームページをどんどん出しながら、国民の関心を上げていくことが重要だと思うんです。その意味からも、アクセスがどうなってきているのか、そこら辺はものすごく重要ですし、さらに、環境教育をやった結果、これがどのように変化していくかというのも、環境教育の効果測定にとっては非常に重要なことだと思うので、その辺も含めて、今後、環境庁さんが関心を持っていただくことが重要ではないかと思います。

【森嶌部会長】 ヒット数というのはわかるのですか。

【細谷環境計画課長】 ホームページに対するヒット数はわかるのですが、個別のページについてのそれがどの程度あるかというのは、わかるかどうかは担当の者に聞かないとわかりません。

【森嶌部会長】 環境庁のホームページ全体のヒット数はわかるけれども、この基本計画についてのヒット数はわかるかわからないかは今のところお分かりにならないですね。【細谷環境計画課長】 パブリックコメントなり、環境基本計画を載せたページについての数字があるかもしれませんが、今わかりませんので。

【森嶌部会長】 宮本委員のおっしゃるように、その点は非常に重要ですね。

【横山委員】 パブリックコメントが少なかったのは、私は、文章が非常に長くて、しかも非常に難しかったというのが大きいのではないかと思います。

【森嶌部会長】 それから、非常に短い時間であったということも。

【横山委員】 ですから、これからもう少しやさしい表現でやる必要があるのではないかと思います。
 もう1つは、これは今言ってもしょうがないのですが、前文を読んで、こういう世界を目指しているのだとか、それがあれば、じゃあ、しんどいけれども最後まで読んでいこうという気になったと思うのですが、前文がなかったというのは、かなりの意味でまずかったのではないかと思っています。

【森嶌部会長】 それでは、まだ多少時間はございますけれども、もう一度まとめますと、すべての委員におかれましては、今日の資料について、こういう点は入れるべきではないかという御意見がございましたら、もちろんこういうふうに修文しろということでなくても結構です。こういうことは入れるべきではないかということで結構ですが、これにつきましては、来週中ぐらいに事務局に御連絡いただきたいと思います。
 それから、今日おいででないかもしれませんが、検討チームの主査に連絡をとって、検討チームを改めて開催するというよりも、検討チームの主査の下で、適宜、検討チームの方と連絡をとって、御自分の関係のところについて、どういう修文をするかという形で御検討いただきたい。なお、検討チームは、これで申しますと、「戦略的プログラム」の後になります。また、あとのものは入っておりません。それから、「戦略的プログラム」の前も入っておりませんので、関係部分については、検討チームの担当のテーマに関わることは、ほかのところも見ていただいて、これも修文案を出していただきたいと思います。これもできれば来週中ぐらいが望ましいのですが、それをいただいた上で、私どもの方でそれの全体のとりまとめと、全体を通じての修正を考えたい。そして、次の部会までには修正の案をお示ししたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【飯田委員】 遅くなって申し訳ないのですが、今さっと全部に目を通しましたら、所属団体あるいは業界団体の方の御意見というのは、読まないでも、こうおっしゃるだろうなと大体わかるのです。それに比べて個人の方の意見の中にはなかなか鋭いのがあるなという気がしました。具体的にいいますと、92番の個人の男の方、31歳。この原文の中で、ああ、そうだなと思ったのは、我々はどうも格好のいいビジョンを提案しているような気がするんです。確かにこの方のおっしゃるように、実際にいつまで、これは数値目標のことも入っているのでしょうが、どこまで減らすか、そういったもう少し具体性をもった計画にしてくれと。全体の計画を見ていて、これを今特に感じました。修文というと、どこどこということではなくて、トーンをそうしていただくとありがたいと思います。

【森嶌部会長】 ぜひ修文の際には御提案をいただければと思います。
 それでは、本日はこれで終了させていただきますが、これに一通り目を通していただいて、ぜひ御意見を事前にいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 次回の日程でございますが、事務局から御連絡がまいっていると思いますが、11月9日の午後1時から、場所は飯田橋レインボービルの大会議室ということでございますので、よろしくお願いいたします。
 本日はこれにて閉会いたします。どうもありがとうございました。

<以 上>