中央環境審議会第80回企画政策部会会議録

1.日  時  平成12年6月26日(月) 14:00~17:00

2.場  所  ホテルフロラシオン青山1階「ふじの間」

3.出 席 者

(部 会 長)森 嶌 昭 夫
(部会長代理)安 原   正
(委    員)浅 野 直 人
江 頭 基 子
神 林 章 夫
佐 竹 五 六
塩 田 澄 夫
中 野 璋 代
平 岡 正 勝
藤 井 絢 子
村 上 忠 行
谷田部 雅 嗣
渡 辺   修
池 上   詢
茅   陽 一
幸田シャーミン
佐 和 隆 光
鈴 木 継 美
波多野 敬 雄
福 川 伸 次
星 野 進 保
村 杉 幸 子
和 気 洋 子
(特別委員)飯 田 浩 史
猿 田 勝 美
桝 井 成 夫
太 田 勝 敏
廣 野 良 吉
横 山 裕 道
(専門委員)寺 門 良 二

湊   和 夫
(環 境 庁)岡田事務次官
太田企画調整局長
廣瀬大気保全局長
浜中地球環境部長
小林官房審議官
一方井地球環境部企画課長
竹本地球環境部環境保全対策課長
木村地球環境部研究調査室長
田口地球環境部環境協力室長
細谷企画調整局環境計画課長
大林企画調整局環境計画課計画官
丸山官房長
松本自然保護局長
遠藤水質保全局長
西尾環境保健部長
富田企画調整局企画調整課長

4.議  題

(1)環境基本計画の見直しについて
(地球温暖化対策検討チーム報告・環境における国際的寄与・参加のあり方検討チーム報告等)
(2)その他

5.配 付 資 料

「地球温暖化対策」検討チーム報告書
「環境における国際的寄与・参加のあり方」検討チーム報告書
「環境における国際的寄与・参加のあり方」検討チーム報告書参考資料

6.議  事

【細谷環境計画課長】 それでは、時間がまいっておりますので、第80回企画政策部会を始めさせていただきたいと存じます。
 開会に先立ちまして、お手元に配付いたしております資料につきまして確認させていただきたいと存じます。本日は、地球温暖化検討チームの報告書及びその説明資料、それから環境における国際的寄与・参加のあり方検討チームの報告書及びその参考資料、このほか各検討チームの進捗状況、環境庁が設置いたしました本部会の石委員を座長といたします環境政策における経済的手法活用検討会が先般取りまとめました報告書、各検討チームの本部会への報告の際の議事概要、これらをお配りしております。また、横山委員からのご示唆に基づきまして、「人間としての自覚」に基づく「教育」と「環境」両問題の統合的解決を目指してと題します日本学術会議の声明、これもお配りいたしております。なお、委員の皆さん方の机の上には、前回までの提出資料のうち参考となると思われますもの、ピンク色のファイルでございますが、これを置かせていただいております。
 資料は以上でございますが、もしお手元に揃っておりませんようでしたら、お申し出いただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
 それでは部会長代理、お願いいたします。

【安原部会長代理】 部会長代理の安原でございます。森嶌部会長が間もなくお見えになると思いますので、その間、進行役を務めさせていただきます。
 それでは、ただいまから第80回企画政策部会を開催いたします。
 本日は、前回に引き続きまして環境基本計画見直しの各論的事項につきまして各検討チームでご検討いただいておりましたテーマについて、各検討チームの主査からご報告をいただき、この報告に対する質疑とあわせてご議論いただければと思っております。
 審議に入ります前に、異動がございますのでご報告いたします。岩崎専門員が退任されまして、新たに湊和夫専門委員が本日付で専門委員として任命されましたので、ご報告いたします。よろしくお願いいたします。
 それでは湊委員、一言ごあいさつをいただけますか。

【湊委員】 湊でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【安原部会長代理】 それでは、審議に入らせていただきます。
 本日は、まず地球温暖化対策チームにつきまして、私、安原から報告をさせていただきます。次に、環境における国際的寄与・参加のあり方検討チームにつきまして、廣野委員からご報告をいただく予定でございます。それぞれ報告に対する質疑とあわせてご議論をいただきたいと思います。
 それでは、まず地球温暖化対策検討チームの報告から始めさせていただきます。
 お手元の報告書をごらんいただきたいと思います。
 その2ページ目を開いていただきますと、この検討チームに参画いただきましたメンバー表がございます。多くの委員が熱心に参加をしていただきました。そして、専門的立場から積極的に意見の表明をしていただき、活発な討議が行われたわけでございます。会合といたしましては、そこにございますとおり7回にわたって開かれまして、まず関係省庁のヒアリング、そして委員からの専門の分野にかかわるプレゼンテーション、そして意見交換と進みまして、報告書の取りまとめをしたわけでございます。報告書の取りまとめに当たりましては、事務局に献身的な作業をやっていただきました。
 報告書の構成は、もとへ戻っていただきまして、表紙の次のページに目次がございます。そして、1ページ目に「はじめに」ということで概略が要約としてついております。そこにございますように、まず環境基本計画策定後の動きとしまして、動きを整理いたしまして、それを踏まえて現行計画の評価をいたしております。その上で新しい推進メカニズムを検討する必要があるということで具体的な検討をいたしまして、その上でさらに6%の削減目標を達成しようとすれば、それを法的に担保するということが必要になりますとすれば、目標遵守制度を考える必要があるのではないかということで、これにつきましても検討をしているわけでございます。
 それでは、その報告の中身に入っていただきたいと思います。
 第1章、計画策定後の動きは3ページ以降でございます。ご存じのことが多いと思いますので省略しまして、5ページの〈京都議定書の発効を目指して〉ということで整理している部分をごらんいただきたいと思います。最初のパラグラフでございますが、京都議定書を2002年までに発効させることが日本政府の基本的な方針として打ち出されております。これを実現しようとしますと、COP6において京都議定書を締結可能なものにするように国際交渉を進めることが必要でありますとともに、我が国みずからも2002年までに京都議定書を締結することが可能となるよう、目標を遵守するための国内制度を構築する必要があるという認識を示しております。その5ページの下の方で、97年における二酸化炭素の排出量の動きを記述しておりまして、5ページから6ページにかけてございますが、地球温暖化対策はそれなりに進んではおりますが、議定書の目標をこのままで達成できるとの予測を行うことは困難な状況にあるという評価をしております。そこで、次に第3パラグラフでございますが、京都議定書の締結の承認を国会に求める前提として必要となる国内制度の要件としては、一つは個々の対策に見込まれている削減効果の確実性を高める措置をとる必要があるということと、それから最終的に目標の遵守を担保するための法的な仕組みが必要であると、この2点が必要でございますが、現在の制度はこうした点で不十分と言わざるを得ないということで、一応、環境審議会がこの問題につきまして一応審議を中断している形になっておりますので、審議の再開を期待しているわけでございます。
 その次が個々の現行計画に基づく施策の評価をしておりますが、その前に温室効果ガスの排出状況につきまして、ここでは部門別の排出の状況をまず述べまして、8ページ以降、個々の環境計画の対策項目ごとに、そこにございますように現行基本計画の対策項目ごとに、現行計画に基づく個別の対策がどの程度制度的に確実な削減効果を有するのかという観点から検討を行っております。
 そこで都市地域構造の形成等々ずっと続くわけでございますが、ここは事務当局からの補足説明に譲りたいと思います。8ページ、9ページずっとございます。それから19ページ、全体を通じた評価の手前までが基本計画の対策項目ごとのそういう評価でございます。評価をずっとやっているわけでございます。
 その結果、全体を通じた評価として何点か挙げております。19ページの[1]にございますように、具体的な達成目標を定めていない施策がたくさんあるということ。それから、目標を定めている場合でも、温暖化対策を目的の一つとして明確に位置づけがされていなかったりしまして、関係づけが弱いものが多いということを一つ言っております。それから、[2]は飛ばしまして、[3]でございますが、目標を設定している場合、進捗が芳しくない場合に追加的な措置が必要になるわけでございますが、そういうことをあらかじめ想定している施策は少ないということ。それから、温暖化対策に効果があると見られる施策でも、事業の主たる目的がほかにあることから、なかなか温暖化対策の要請に沿った事業の箇所づけとか事業量の決定がしにくいものが多いということを言っております。
 それが全体的な評価でございますが、それから引き出される結論としましては、第3章の最初にございます第2のパラグラフですが、そこにございますように、当面、地球温暖化対策推進大綱に沿って施策が推進されておりますが、現在の諸制度のもとでは個々の対策による削減量の達成見込みは不透明なものが多いということ。それから、京都議定書の目標の達成のために、それぞれの施策の一層の推進を図るための新しいメカニズムを検討し、各主体の理解を得つつ、それらの推進メカニズムを複合的に活用していくことが必要であるという結論を出しております。
 そこで、その新しい施策の推進メカニズムとしてどういうことを具体的に考えたらいいのかということで、第1節以降、自主的取組以下、検討をしております。21ページでございますが、まず自主的取組としましては、経団連の自主行動計画がございます。これは2010年に産業分門、エネルギー転換部門を合わせまして、二酸化炭素の排出量を1990年以下に抑えるよう努力するというもので、現在、42業種が参加しているものでございます。このフォローアップは、毎年、通産省関係では関係審議会のフォローアップが行われております。先日も第3回目のフォローアップが行われました。
 この自主行動計画に関連しましての議論は、21ページの下から3分の1ぐらいのところの一方から始まります段落からでございますが、アカウンタビリティの確保が最も重要な問題であるということで、そこで目標設定、計画策定のプロセスの透明性が不十分ではないかとか、審議会のフォローアップでいいのかどうか、もう少し第三者機関としてのあり方の工夫がいるのではないかとか、それから、実効性の確保についてどう考えるかというふうなことで問題点の指摘をし、それについての意見を整理しております。22ページにまたがって、目標の水準に関してもいろいろな意見がございました。
 それから、その次が経済的措置でございます。これは温暖化対策のために税を活用する構想でございます。それともう一つ、排出量取引の制度、この二つを経済的措置として検討の対象にいたしました。まず税の方でございますが、そこにございますように、これを政策手法として用いることにつきましては、賛成とする意見が大勢を占めたが一部に強い反対意見があったということで、賛成意見と反対意見、それといわゆる炭素税ないしは環境税以外の税に関する議論と、この三つに整理いたしております。
 賛成する意見につきましては、特にメンションしておきたいのは23ページの真ん中よりちょっと下のところでございますが、「どのような税を選択するにせよ、税を活用してすべての経済主体に対策への参加を促すことなしに6%削減目標を達成する道筋を描くことは困難である。今後は、何らかの形での税の導入も含め、自主的取組等の既存の取り組みも積極的に活用した温暖化対策のポリシーミックスの具体案を早期に作成し、積極的に国民的な議論を行い、産業界や国民の理解を得るべきである。」というのが賛成意見のポイントかと存じます。
 それから、反対する意見が24ページ、25ページにございます。反対する理由が整理されております。特に、最初に言われておりますのは、4行目ですが、税による二酸化炭素削減効果にそもそも疑問があるのではないかという理由も挙げられております。それから、上記以外の税の議論としまして、既存の個別税制のグリーン化を検討すべきだと。特に自動車関連税制のグリーン化について検討すべきだというような意見がございました。
 それから、経済的措置の第2番目の国内排出取引でございますが、これは26ページからでございます。この手法は、市場メカニズムを通じて汚染物質削減費用の低減が図られると。社会全体としての削減費用が最小化できるということが言われております。いろいろあり得るわけですが、典型的な形として、そこにございますようにキャップ・アンド・トレードのやり方が紹介されております。これは国内排出取引制度でございまして、この国内排出取引制度を京都議定書に定められる予定の国際的な排出取引制度とつなげることによって、限界費用が低い国への投資が優先的に行われ、対策費用の総額が低下することが期待されると。つなげていったらどうかという構想でございます。
 具体案として、政策パッケージの一例が紹介されました。「緑の気候計画」というものでございます。これは天野委員の提出資料にあるものでございます。
 一方、排出取引についてもいろいろ問題があるという、問題点の指摘がその後されております。特に経済統制につながるのではないかという意見と、これはそこにございますように、生産量を規制するのではないので経済統制には当たらないという、両方の意見がございました。両論が紹介されております。
 いずれにしましても、そこにございますように排出量取引の利点と欠点に留意しながら、排出量取引の特徴を生かした税制等とのポリシーミックスのあり方についての検討を行う必要があるというのが結論でございます。
 それから、その次が規制的措置でございます。この節におきましては、省エネ法に基づく対策について特に議論が行われまして、省エネ法の工場の熱管理の関係で、第二種エネルギー指定管理工場という制度がございます。それから、住宅の省エネ基準も定められておりますが、この二つの事項につきまして議論がありまして、目標を確実に達成する力が弱いのではないかと。もっと対策の強化を検討してはどうかということ。それから、排出量がふえております交通部門で、特に自動車の燃費基準が省エネ法に基づきましてトップランナー方式で定められておりますが、これが乗用車で言えば2010年の目標になっておりますが、既にその基準に達成する車が販売されておりますので、これをできるだけ早期に普及させていくことが必要ではないかという議論が行われまして、28ページにございますように米国のカリフォルニア州における取り組み等も参考にしながら、何らかの対策の強化を検討すべきではないかという意見が表明されております。
 それから、その次が環境投資の事項でございます。これは総論で他の検討チームから報告がございましたが、ここでは具体的に温暖化対策関連ということで、鉄道、天然ガスパイプライン等の社会資本整備、それからコンバインドサイクル、リパワリング等の電力部門における投資、それから燃料電池、マイクロ・ガスタービンによるコージェネレーションなど民間投資等について具体的にメンションされまして、これらは非常に温室効果ガスの削減可能性が高いのではないかと。こういう大きい事業を特定しまして、当該事業への投資を促進するための方策を検討すべきだという意見でございます。それから、抽象的に環境保全技術の研究開発に対する投資の確保、推進施策の検討も必要であるということ。それから、もう一つ、3番目のパラグラフでございますが、もう既に環境保全技術としてのいい技術がある。しかし、それが生産量が少なく価格が高いので普及してないというのがございますが、これは市場競争力を有するようになるまで、例えば発電なんかにつきましては優遇買取制度とか、これは例でございますが、政策的に積極的な大量普及に向けての支援策を講じることが不可欠であるという意見が表明されております。
 以上の検討を踏まえまして、今後の対策の方向ということで第5節にまとめられておりますが、第1パラグラフでは、京都議定書の削減目標を遵守するための国内制度の検討に当たっては、今申しました自主的取組、経済的措置、規制的措置、環境投資など、有効な政策措置のすべてを有機的に組み合わせるポリシーミックスの検討が重要であるという意見でございました。
 それから、二つほど飛ばしまして4段目のパラグラフでございますが、ポリシーミックスの検討に当たっては、不確実性をできるだけ低減し確実な削減が確保されるよう各種の推進メカニズムを活用するとともに、それでもなお不確実性が残ることを前提として、京都議定書の目標を遵守するための制度的な工夫の検討が必要であるということでございます。
 30ページに行っていただきまして、今、最後に申しました目標を遵守するための基盤的な仕組みが必要ではないかということでございます。そこで、そういう要素としては何かというのが30ページの一番下のパラグラフにございます。一つが排出量削減・吸収量の増大を行うための計画。これがいわば、先ほど申しました施策の新しい推進メカニズム、ポリシーミックスの計画でございます。それを実行に移していくといたしまして、計画の進捗状況のモニタリングをきちっとする必要があるということ。そして、モニタリングの結果を踏まえまして、削減がはかばかしくない場合には対策の強化が発動されるようなメカニズムが必要ではないかと。一連のフィードバックの仕組みをつくり上げる必要があるということでございます。
 次の31ページに図の形で示しております。政策パッケージをつくると。そして、どうしても達成できそうにないときに、遵守するために一番基盤となるメカニズムが働きまして最終調整が行われるということが必要だということでございます。ですから、そこの最終調整、この三つのメカニズムに合わせて最終調整というところが31ページの一番上のパラグラフでございます。ライフスタイルの変更のような施策の場合は、排出量の削減のための制度化がなじまないとかということ等がございます。それから、キャップ・アンド・トレードを考えた場合でも、6ガスすべてを対象にすることがなかなか難しいと。どうしてもこの目標の遵守が最終的に難しくなる場合に、これは例でございますが、政府が国際的な排出量取引を活用しまして、排出枠を市場調達するというようなことが考えられるわけでございます。いずれにしても、そういう最終調整メカニズムが必要であるということを言っております。
 以上のイメージを図示したものが32ページでございます。
 それぞれにつきまして検討課題を整理いたしております。33ページ以降でございます。これは省略させていただきます。
 「おわりに」というところ、37ページをごらんいただきますと、今申しましたことが、一応、もう一度整理する形で結論めいたものとして示されております。
 そこの第2パラグラフですが、京都議定書を締結するためには現行施策のみでは不十分でございまして、確実に目標を達成するための新しい目標遵守制度を構築することが必要であると。それから、その目標遵守制度を構築するという方針を明確にする必要があると。これは遅くとも2002年までにそういう制度を構築するという方針を明確にする必要があるのではないかということでございます。
 それから、二つほど飛ばしまして、目標遵守制度の構築に当たっては二つの要請がございます。政策パッケージと政策パッケージを適切に実施していくための基盤となる仕組み、この二つが必要であると。それぞれ政策パッケージにつきましては、検討に当たって留意すべき事項がそこに示されております。四つの事項でございます。
 それから、基盤となるための仕組みということで、四つのメカニズムからなるということで排出削減の計画、それからモニタリングメカニズム、38ページです、それから対策を強化するためのメカニズム、最終調整メカニズム、こういうことが必要だということでございます。
 今後の検討を企画政策部会の方でお願いしたいということで期待を表明しているわけでございます。
 以上が報告でございますが、若干付言させていただきたいと思います。
 本報告書の作成に当たりまして、多くの委員からいろいろな意見が出まして、意見の分かれる点も多々ございました。そうした点につきましては、そのまま両論併記という形で整理させていただいております。
 これは本文には示してないのですが、一つの意見がございました。この京都議定書の目標達成に向けた我が国の取り組みでございますが、まだ緒についたばかりで、対策の進捗がうまくいくかどうか、これからの評価を待たなければならないのではないかと。不十分と結論づけるのは時期尚早ではないかという意見が一部にはございました。それから、またCOP6が今年の11月に予定されておりますので、その結果を待たずに、議定書の締結に必要となる国内制度の議論を開始することは時期尚早ではないかという理由からの意見も一部にございました。しかし、京都議定書の締結という国際法上の約束を行うためには、約束をきちんと守られるかどうか、あらかじめ制度的に検証する必要がございます。現に制度的にいろいろ現行の施策につきまして検討をしまして、確実な削減効果を確保する上で不十分ではないかというのがこの一応の検討でございます。
 COP6の結果が重要なことは言うまでもございません。また、COP6の結論が出れば、それを踏まえて検討はもちろん必要になるわけでございますが、議定書の2002年の発効を目指すとすれば、検討のための残された時間もわずかでございます。それから、COP6において我が国の真剣な取り組みの姿勢を示すことも重要でございます。
 こういった観点から、この報告書ではその一部の意見は記述いたしておりませんで、京都議定書の目標を遵守するための国内制度のあり方について検討を開始すべき段階に至っているとの認識を示したわけでございます。
 以上でございます。
 この後、事務局より第2章、現行計画の評価を中心にしまして説明を省略しました分につきまして、必要な補足説明をお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。

【竹本地球環境部環境保全対策課長】 事務局担当の地球環境部の対策課長でございます。
 お手元の資料の6ページでございますが、第2章の現行環境基本計画の評価について簡単にご説明をしたいと思います。
 ページを繰っていただいた8ページには、第1節、二酸化炭素の排出抑制対策というのがございまして、その第1項、二酸化炭素排出の少ない都市・地域構造の形成がございます。このパートでは、小規模のビルであるとか一般住宅にかかる省エネ基準につきまして、目標達成のための対策強化に向けましたコンセンサスづくりなどにつきまして言及をしております。また地域熱供給の一層の普及のため、都市計画などと連携した早期の導入計画づくりを提言をしております。さらに、燃料電池を用いました家庭用コージェネレーション・システムなどの一層の普及による温室効果ガスの削減可能性についても検討をしております。
 これが10ページまでまいりまして、10ページからは二酸化炭素排出の少ない交通体系の形成でございます。ここは二つのパートに分かれておりまして、第一が自動車の単体対策、そしてその次に自動車単体対策以外の対策ということでございます。単体対策につきましては、低燃費車であるとかクリーンエネルギー車の大量普及を目指して経済的な措置の必要性に言及するとともに、社会インフラの整備を含めた対策の強化について検討を加えております。また、単体対策以外につきましては、物流の効率化などの観点から議論をしてきているわけですが、12ページの方にまいりまして、道路整備が自動車交通需要を増加させ環境負荷を増大させるというポイントと、一方で、円滑な走行を確保することにより環境負荷を減少させるという点におきまして議論の分かれた部分もございます。12ページの真ん中より下のあたりに記述がございます。また、自転車利用の促進でありますとかカーシェアリングなどについての効果についても期待をしておるところであります。
 続きまして、13ページからは二酸化炭素排出の少ない生産構造の形成でございまして、14ページまでわたっておりますが、特に省エネ法の第一種工場についての運用の強化、また第二種工場について進捗が芳しくない場合は、勧告の実施のとどまっているというあたりを指摘しております。産業分野の重要なイニシアティブとして、経団連の自主行動計画の目標と進捗状況を紹介をしております。
 13ページの下の方からが自主行動計画についてでございます。
 14ページの三つ目の段落には、先ほど主査の方からもご紹介がございましたが、自主行動計画について実効性が確保されること、また現行の自主行動計画の進捗やその評価を踏まえつつ、透明性やアカウンタビリティの一層の向上に努めることが求められております。また、産業部門全体からの温室効果ガス排出量については、自主行動計画として90年レベルでの安定化を目標として掲げているのは不十分であり、適切な目標値に変更するとともに、国との協約として不履行の場合に代わりとなる措置を確保すべきとの意見もございました。
 次に14ページの下の方からは、二酸化炭素排出の少ないエネルギー供給構造の形成でございます。16ページまでわたっておりますが、ここのパートにおきましては、エネルギー供給部門における一層の削減可能性が存在することを指摘し、また現状の施策だけでは、供給エネルギー自給見通しに示されました2010年における再生可能エネルギーの導入目標の達成可能性は低いことを指摘しつつ、太陽光発電であるとか風力発電を最大限活用すべきという点を指摘をしております。
 次に16ページの第5項、二酸化炭素排出の少ないライフスタイルの実現が次のページまでございますが、消費者によります商品の選択や国民みずからのライフスタイルの変更が生産や流通を環境保全型に変えていく力を有するということを指摘し、国民のライフスタイルの変更を促すための施策として、教育や情報の普及とあわせて対策コストの適切な分担も提言をしておるところであります。
 次に、他の5ガス対策につきましては、メタン、一酸化二窒素、またHFC等の3ガスについても、自主行動計画に基づく取り組みなどを紹介しつつ、検討した結果を取りまとめておるところでございます。
 最後に18ページの吸収源の整備のところでございますが、吸収源対策の重要性を指摘をするとともに、国内木材資源の一層の活用の必要性などを指摘をしました。あわせて国際的な森林の保全整備についても積極的に取り組むべきことを提言をしておるところでございます。
 以上、簡単でございますが、2章で事務的なフォローアップといいましょうか、補足説明にかえさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【森蔦部会長】 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご報告に関しまして、質疑並びにご意見を伺いたいと思います。どうぞ、どなたからでも結構ですので。
 はい、どうぞ。

【寺門委員】 委員としていろいろ意見を申し上げまして、安原主査を大分悩ませましたけれども、そういう意味で、委員としてもう1回発言の機会をもらいたいと思いますが。一応、入り口の部分のはじめにからと3章までは一応反対意見ということを配慮していただきまして、併記をしていただいたということでは、こういう意見もあったということを皆さんに知っていただくという意味では大変よかったかなというふうに思います。
 私が申し上げたいことは、要するにCOP3のときに、一応国内の方針といいましょうか、それは6%削減というレベルでどういう議論があって、どういうふうにそれぞれの分野でやりましょうということは、多分議論されたというふうにまた理解しておりますし、産業部門におきましても、もちろん意見は幾らあっても構わないわけでありまして、そういう意味では不十分であると。例えば自主行動計画の目標が不十分であるとおっしゃる意見があっても、それは別に書いてもらって結構なわけですけれども、少なくとも私どもは、そのCOP3の以降、現在レベル以下に目標を立ててやるということは、少なくともその中に組み込まれておると。しかし、それが不十分であるというのは、その経過を踏まえて不十分であるとおっしゃっていただくなら、これは構わないわけですけれども、皆様の、今、ここにおいでの方々が不十分だと言うのは、何をもって不十分なのかというところは、必ずしもその前段のところがないわけでございまして、私どもは、少なくとも産業界としてはこのレベルを目標にしてやるということがあの中に組み込まれておって、一つの大きな対策になっていると、こういうふうに理解をしていただきたいということだと思うんですね。しかし、それは状況によって変わってくるのだということについては、これは経過を踏まえて、どういうふうに議論をしていただき、産業界はもう少し頑張れと、こういうことでこういう数値目標を立てましょうと、それが6%達成への一つの途中での評価、そしてそれへのアクションというふうに結びついていくように私は思っておるわけですけれども、今の段階でもう全く不十分なんだと、だからもうあれなんだと言うと、これは非常に自主的取り組みというものの意欲というのは、やはり今のある目標をまず達成するんだと、それを見せていくんだということが全員の取り組みのいわゆるモラルアップといいましょうかね、そういうものになっているというふうに理解しているわけです。
 そういう意味で、それは反対意見があっても、不十分だという評価があっても構わないのですけれども、全体としては、私は、一つの今スタートしたばかりでして、そういう評価というものはまだできてないと。できてない、そしてこれがCOP6においてどういう議論になり、どういうメカニズムが国際間で議論されるのか、そういうことをやはり一つの節目として見ていくということが大事でありましょうし、それから、国内におきます、今議論されておりますエネルギー構造自身も非常に今不透明なわけですね。少なくともCOP3のときには、こういうエネルギー構造というものを前提にしましょうということで進んでいるけれども、それは今必ずしもそういうふうにいってないから、それを今議論されていると。しかし、我々はそのエネルギー構造の中でどう使っていくのかということが片方にあるわけですね。だから、そういうものをやはり一つの評価としていかないと、それは難しい難しい、だからだめなんだと、だからしりたたくと、環境税だと、こういうふうになりますと、環境税にもいろいろの組み合わせがありましょうし、どういう部門にどう限ろうかという議論もあるでしょうし、いろいろそれは複雑なのですけれども、少なくともいろいろな対策は、今、要するに打ち出し始められたということをもう少し時間をかけて評価していただきたいというのが私どものですね、時間はないとおっしゃれば、どの時間かというのは議論させていただきたいと思いますけれども、そういうことをですね、やはり評価というのは非常に体裁的に評価がずっと進んでいるわけでありまして、制度的に不確かだと、こうおっしゃるけれども、例えば自動車でありますと、少なくとも車が7~8年で入れかわるとすれば、今の政策というのは物すごく効果的だし、これはもう極端に言えば規制的な措置以上に効果を発揮するとか、そういうふうに一つ一つ組み立てられておると思いますが、そういう意味で、現在の政策の評価というものについては、もっと慎重にしていただきたいなというのが私の意見を申し上げてきたベースになるわけです。
  ポリシーミックスというのは、今書いてありますいろいろな自主的取り組みから始まりまして規制的措置まであるわけですけれども、そういうポリシーミックスというものはもちろん大事なわけですけれども、少なくともこの日本のエネルギーの削減、あるいは炭酸ガスの削減という目標に向かっていくときには、大きなベースになるいくつかの政策というものがありますね。今のエネルギー政策、どういうエネルギー供給構造をつくるのか、それから、あるいは、私ども産業でありますから、産業の競争力というものもあるわけでありまして、そういうものをやはり含めたミックスということであろかと思うのですが、こういう環境面から見ただけのポリシーミックスというのでは、なかなか国はやっていけないのではないかと思いますので、ポリシーミックスというと、この四つかそこら挙がっておりますけれども、それ以外の環境にかかわる政策というのはいっぱいあるのだろうと思いますが、そういうものもポリシーミックスと言っていただきたいというふうに思うわけです。
 以上です。

【森蔦部会長】 ほかにご意見、あるいはご質問ございますか。
 茅委員、どうぞ。

【茅委員】 私は、名前はこの検討チームのメンバーに挙がっているのですが、大変申しわけなかったのですが、1度も出ていないので、あえて質問をさせていただきたいのですが、このここに書いてある内容のことで、書いてあること自身はよくわかるのですけれども、第2章の、要するに現行環境基本計画の評価について、これは対策がずっと書いてありますね。そのことと、その後のインセンティブという意味での、第3章の今ちょっと話に出たような環境税を含めての部分との間のつなぎといいますか、つまり前の方にこういうことについてはこういう対策を打つべきであるということをですね、民生、交通、産業というふうに分けて細かく書いてあるのですが、それとこの第3章の施策の施策のメカニズムという間には、何かこのリンクが全然わからないのですが。つまり第3章をやれば第2章にある結果が実現できるという話になっていると非常によくわかるのですが、何か第2章の話は個別の分野について書いてあって、第3章は単なるメカニズムについて一般的に書いてあるので、この間のつなぎは議論をされたのかどうかということを伺いたいのですが。

【安原部会長代理】 その点は報告書にも書いてございますが、現行施策はできるだけ推進していく、しかし、いろいろ問題がある点については、不十分な点があれば強化していくということでございますが、それだけではまだ不十分と考えられるので、まだ着手をしていない施策でいろいろ考えられる施策がありますので、それを検討してですね、全体として、6%の達成が制度的にできるだけ確実になるような施策を全体として、あらゆる施策を有機的・総合的に組み合わせて、ポリシーミックスとして推進すべきではないかと、そういう立場で、第3章の方はですね、不十分な点の補強策も触れておりますが、例えば税制の活用とか、排出権、排出量取引なんかは、新しい制度を、こういうものを検討したらどうかということで議論し、それについての意見を整理しているというものでございます。

【茅委員】 もう一つよろしいですか。
 今の件に関しては、これはコメント、私としての意見ですけれども、やはり個別の分野ごとに一つの政策がとるインパクトというのは違うわけですね。例えば今問題になっている環境税一つにしても、一つの環境税というのを導入した場合に、民生に対するインパクト、運輸に対するインパクト、産業に対するインパクト、みんな違っているわけです。そうした場合、ただ一般的にメカニズムということを議論して、前の方の各分野においてそれがどれだけ影響するかということについての検討をしないと、全体としての整合性が極めてずれてしまう。したがって、今後でも結構なのですけれども、3章のような施策を行った場合には、それが2章に対してどう跳ね返って、どこが足りないのかとかですね、そういった点の検討を詰めていただくとフィージビリティが上がると思うので、その点はよろしくお願いしたいと思います。

【安原部会長代理】 おっしゃるとおりでございます。この検討チームは、もう限られた時間でございますから、そこまで十分な検討は正直言ってできておりません。一応、議論をいたしまして、それについてのいろいろな意見を整理したということでございまして、今後の企画政策部会における検討の素材を提供するものでございます。今後、企画政策部会等において検討が進められることを期待したいと思います。

【浅野委員】 このチームの報告書は、温暖化対策をここでトータルに全部まとめてしまうという理解をすると、少し気の毒だなという気もいたします。といいますのは、例えばグリーンメカニズムの政策手法の整理のところでも、実は他のチームがやる仕事を横目でにらみながら仕事をしているという面がありますから、例えばあの中で政策手法として自主的取り組みの枠組みというフレームを提示していますけれども、これは明らかに個々の一人一人の消費者レベルの自主的取り組みというのを考えてなくて、ある産業グループとか企業グループとかというところが主体となって取り組むようなもののフレームを専ら取り上げているわけですね。
 ですから、それと同じような意味で見てまいりますと、この中でも、そのグリーン化のメカニズムで出している政策手法の整理枠組みというのがそのまま入り込んでいるような気がするわけです。ですから、それはそれで整合性があるわけですけれども、一方では環境教育のグループが、実際の消費者のところにどう話をおろしていくのかという作業を一方でやっておりますから、それは例えば政策手法の話で言いますと情報的手法というようなところとつながっていって、そこで一つのコーディングケージ ができてくるという構造になっているわけですね。だから、ここの話は多分同じように考えていかないとなかなか理解はしにくいのかなと。後の方の、確かに参考資料のような形で出ておりますところには、民生部門、産業部門、運輸部門と、部門別のこれまでの施策の数字の積み上げも出ておりますから、その話とここの中にあるものとを直結させて考えていくと、ちょっとよくわからないなということになってしまうのですが。多分、最終的に環境基本計画の中にこれをどう具体的にあらわしていくかというときに、そのつなぎ目のところをうまくほかのチームの成果物と合わせながら整理をするという、かなり大変な仕事が残っているとは思いますけれども、そのようにこれは理解していかないといけないのだろうなと思います。

【森蔦部会長】 余り企画政策部会に宿題をたくさん残されても困るわけで、各チームで横にらみして、少し、腰を引くのではなくて、横にらみをして一歩踏み出していただきたいと。
 私は、茅委員がおっしゃったことは、詳細まで詰めることは難しくても、これはグリーンメカニズムのときもそうなのですが、こういう手法がありますといったときに、その手法はこういうところではものすごく力がありますと。こういうところでは、やはり例えばこういうものと組み合わせなければだめでしょうとかですね、数量的なところまでいかなくても、もう少しその辺できめの細かい議論を、私はそれぞれの検討チームがなさったことが、それこそ先ほどの寺門さんではないですけれど、不十分だというようなことを、不十分だからやめろなんていうことを言っているわけではありませんで、これは自主的取り組みも不十分だからやめろと言っているのではなくて、より多くを望むという前提で不十分だということを考えているわけですけれども。
 ぜひですね、一応これでそれぞれの検討チームは、廃棄物を除いては一応終わりになるのですけれども、ぜひともですね、今後、余り、あとは企画政策部会とおっしゃらずに、お考えいただければ大変ありがたいと思います。

【安原部会長代理】 ちょっと浅野委員が言及されました参考資料を触れてなかったのですが、一番最後の排出抑制対策の概要ということで数字が載っておりますが、これは大綱が決められまして、それでその大綱についての削減の見通しを一応試算という形で示したものでございまして、基準は2010年の対策を講じない場合こういう具合に増えていく、増えたところから、いろいろな対策でこのぐらい削減が見込まれるのではないかということで試算したものを示しております。文中にこの数字がリファーされておりますが、一括してこの表にしているわけでございます。これに対して、今まで何年間かやってきて、どこまで進捗しているかどうかという定量的な分析というのは、まだできておりません。

【福川委員】 問題点を整理していただいて、頭の整理になったと思って感謝をしております。
 二、三ちょっと、要望と申しましょうか、コメントなのですが、一つは国際的な分野についてでございまして、ここにもこれまでいろいろと日本が努力をしてきている、あるいは2002年に向けて京都議定書が締結できるように努力するといった目標を掲げてらっしゃるのは、私も大変評価したいと思いますが、現実の動きを見ると、実は特に米国を中心に極めてこの問題については難しい問題がありますし、現在、大統領選挙でもほとんどこの問題は対象になっていないわけであります。今、ハノーバーで万国博覧会、ドイツが大変力を入れて、環境に力を入れておりまして、人間・自然・技術ということでやっておりますが、アメリカは出ないということを決めて、事実出ていないわけでありますが、日本館は非常にそうした中で大変評判もよくて、すばらしいものを出してやって評価を受けていますけれども、実はこの国際的な問題について合意を得るというのは、なかなか難しい問題があって、ここの表現の中にもCOP6は成功させることが不可欠であると書いていらっしゃいます。そのとおりだと思いますが、現実はそんなに簡単ではないと。国際的な動きは簡単ではないので、ひとつ環境庁・環境省も外務省などに任せるのではなくて、やはりこの合意形成に向けて、本当に省を挙げて取り組んでいただきたいということを一つ強くお願いをいたしたいと思います。
 それから2番目の問題は、先ほどこの6%の削減を達成しようという、そういうことで政策が組み立てられているわけでありますけれども、この6%をどう解釈するかなのですが、あの中にはシンクだとか、あるいはCDM等とのメカニズムで、残量部分がかなりあいまいなままになっているところがあるわけで、これをどういうふうにつくるかというのがCOP6の課題になるわけでありますが、そうしたわけでCOP6は非常に重要になるわけですけれども、かなりあいまいというか、まだ合意のできてないメカニズムに依存して6%になっているわけでありますから、ここのところをどういうふうにつくっていくかというのは、これはまたこれからの重要な課題だと思います。この検討チームの問題よりは、あるいはもう少し先の問題まで含んでいるのかもしれませんが、ここのところがきちんとできませんと、では省エネをどうするとか、今、いろいろ茅先生等からもご指摘がございました幾つかの政策手段、特に効果の問題とも絡んでくるので、やはり一つこの問題も、そういった、あそこでまだやや残されたという問題についての枠組みづくりをやはりきちんとするということで、これもまたぜひ環境庁・環境省の方でぜひ取り組んでいただかないと、政策の根底が何となくぐずぐすとしてしまうという、そんな感じがいたしますので、ご検討を賜りたい思います。
 それから三つ目の要望は、実はこの検討チームに入りますときには私もお願いを申し上げましたが、ひとつこういうことをするときには関係省庁を呼んで、十分議論をして成果のあるようにしたらいかがかということを申し上げたと思いますが、この問題は、確かにエネルギーの問題とか交通の問題だとか、あるいはまた最近では情報関連の問題等々がいろいろ出てきておりますので、十分、検討チームでもおやりいただいたと思いますが、やはり関係省庁にぜひやる気になってもらわないと動かないという気がいたしますので、ひとつこの検討チームの中でも、もしまだそうした点で問題があるとすれば、もう少し詰めていただくか、あるいはまた、部会長には申しわけありませんが、ここの部会の問題になるのかわかりませんが、ひとつぜひそこが政府を挙げて、どこの省だなんて言っている時代ではありませんので、ぜひそういう形で、この6%が、内容が実のあるものにし、なおかつ実現可能であるように、ぜひご検討願いたいと思います。
 以上です。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。
 特に第2、第3の点につきましては、後でお諮りをいたしますけれども、一応、この温暖化対策検討チームは一応報告を出されて、ほかと横並びで一応検討を終えていただいているわけですが、元来、中環審では、温暖化対策について検討するということで、去年に一応報告を出しまして、それで温暖化対策推進法をつくるというようなことでですね、その後、少しその活動は、温暖化対策という京都議定書を前提とした検討につきましては、ちょっと一時とまっているものですから、これを今度は部会でもう一度取り上げまして、環境基本計画の策定に必ずしも合わせなくてもいいと思っているのですけれども、検討をする小委員会を設けたいと思っております。これはこの後お願いをいたしますが。その際、今、最後におっしゃった、各省庁にも出ていただいて議論をするということをさせていただきたいと思っております。どうもありがとうございました。
 ほかにどうぞ。はい、どうぞ。

【飯田委員】 第2節の経済的措置についての23ページ、真ん中より下あたりにですね、「国民は、地球温暖化において被害者であるとともに加害者である」と。この書き出しは、反対の方の意見も「国民は、地球温暖化において被害者であるとともに加害者である」と、これは反対の方も賛成の方も一致しているわけです。賛成の方は、川下の方がアナウンスメント効果が高いと。私もそう考えますし、価格の転嫁というのは非常に難しいですね。今の例えばガソリンをとってみると、原油が上がっているのに自動車のガソリン価格が下がっている、あるいは下がらないまでも安いところでとまっていると。こういうことを考えますと、やはり川下でしか考えられないと私は思いますし、反対の方でも、川上は云々だけれども川下ならいいんじゃないかというようなニュアンスの表現になっていますが、川下でかけるということであれば、反対の方もある程度納得されるのではないかと思うのですが、これはいかがでしょう。

【森嶌部会長】 何かご意見ありますか。
 一般的に言うと、川下でやりますと、今度は徴税コストというのがかかって、下手をすると徴税コストの方は上がってくる税金よりもかかると。その意味で、実際に経済的負担をかけられて行動を変えるということだけでしたら、意味があるいはあるかもしれませんけれども、しかし、税という観点から考えると、必ずしも川下でかけることがいいということではないように私は理解しておりますけれども、何か皆さんはありますか。

【安原部会長代理】 川上・川下の議論は、されましたのをできるだけ正確にご紹介しているということでございまして、川下なら課税してもいいと、反対意見の方がそこまでおっしゃっているというわけではないと思います。仮にという場合に、転嫁が難しいということを反対意見の方はおっしゃっておりますが、25ページの反対意見の一番最後でございますが、「転嫁は事実上不可能というのが現実の経済の実態である」ということをおっしゃっておりますが、そういうことからの跳ね返りとして、仮に税を考えた場合は、川下の方がそういう転嫁の問題も生じないし、アナウンスメント効果も大きいということは認識していただいているのではないかなと思います。川下ならいいというほどの強い表明ではないと思います。よろしいでしょうか。
 それから、先ほど福川さんがおっしゃった点に関連しまして、第2点でございますが、京都メカニズムについては、まさにCOP6での合意、関係者が今努力されておるので、それを期待するしかないわけですが、必要な場合にそういうのは利用するにしても、基本は国内対策をやって、どうしても国際的な柔軟性のある措置を活用しなければいかんという場合に、活用できるようにしていくというのが基本ではないかなと思います。しかし、いずれにしても合意が必要だということで、今、関係者に努力していただいているということかと思います。
 それから、第3点目の関係省庁の関係でございますが、冒頭申しましたように、この最初にですね、主要関係省庁に現行施策の実施状況につきましてご説明を一通り伺いました。そういうのを踏まえて検討をいたしました。それから、あと報告書をまとめる段階では、主として委員相互で議論をしましたが、事務局の方からヒアリングをさせていただいた省庁の方に、意見があったらということで一応伺っております。しかし、出た意見は、検討チームの判断としてとるべきものをとらせていただいたということでございます。ですから、まだ関係省庁と調整ができているということではございません。あくまで検討チームの意見としてまとめたということでございます。今後、さらにいろいろ具体化の詰めをやる段階では、さらに関係省庁との調整が重要になってくると。そのとおりだと思います。

【福川委員】 ちょっと補足させていただきますが、もちろん関係省庁との関係はこれからもいろいろしていかなければいけないと思うので、ぜひそれは引き続きお願いしたいと思います。
 今のCOP6のCDMその他の関係ですけれども、6%の中でのかなりの比率のものが、そういうふうにやや新しい制度に依存しているところがございまして、したがって、この6%をするときに、国内の関係者をいろいろ説得をする、あるいは制度をつくるときに関係者の合意を得るというときに、やはり国際的なものが一切だめになってしまったのだけれども国内だけやるんだというのでは、なかなか国内で納得が得られにくいので、したがって、やはりそれはどういうふうな制度になるんだということですし、それも今ここにもご指摘のあったように、それなりに合理性のある排出権取引なんかがあるわけですから、やはり国内対策が重要だということはわかりますけれども、そういうものなしで、ただ省エネだけこれだけやれとか、エネルギーをこれだけ節約しろとか、あるいはこういうわけで何かこういう制度を入れるんだというのですと、なかなか国内の合意が得られにくくなるだろうというふうなことを懸念をいたすものですから、ひとつその辺もぜひきちんとやっていただいた方が全体としていいのではないかと。
 それで、また今そうでなくても、例えばアメリカもそうですし、ロシアも余り熱心ではありませんけど、発展途上国の中では、まあできればなくなってもいいよと思うようなことを言うような感じさえする国もないわけでもありませんので、やはりこれが崩れだしますと本当に崩れてしまいますので、ひとつそうならないように、ぜひ関係者でご尽力を願いたいと、こういうことでございます。

【森蔦部会長】 それでは、ほかに。
 なお、ちょっとあれですけれど、今のに関連しますと、こういう京都メカニズムに依存するのも、例えばシンクなんかは、今、京都プロトコルの中に出ている計算では、日本がシンクでこれだけ削減の計算をいたしますというのはならないんですね。ですから、京都メカニズムの議論をして達成をまずしなければいけないというのは、福川委員のおっしゃるとおりですけれども、では京都メカニズムで出ているものをそのままやったら、では6%までぴしゃっと来るかというと、私のあれですと、3%以上はちょっと余り根拠のないというか、一種のウィッシュフル・シンキングといいますか、そういうあれがありますので、いろいろなシナリオを考えながらこちらとしてはやらなければならないのではないかというふうに思っておりますが。
 では佐和委員、どうぞ。

【佐和委員】 幾つか申し上げたいのですが、一つは茅先生がおっしゃったですね、こういう経済的措置等を導入したときに、それが産業・民生・運輸等の各部門のCO2排出をどの程度抑制するのか、あるいはどういう影響があるのかということをちゃんと議論すべきであるというふうにおっしゃいました。全くそのとおりだと思うのですが、私も余り出席率がよくなかったのですが、私が記憶する限りでも、チームの討論の中では十分に討論されました。例えば炭素税にしても、果たして税収が一般財源に組み入れられる場合とか、あるいは目的税になる場合、あるいはいわゆる増減税同額ということでですね、同額の所得税減税をやって税収を中立にするといったような場合について、やはり影響というのは相当それぞれまた違ってくるというようなことですね。そういうことで、議論は私は十分尽くしたわけですけれども。しかも影響というのは、この報告書のどこかに書かれてましたように、マクロの影響よりもむしろミクロの影響の方が重要といいますか、重要である。マクロについては、炭素税を導入してもおおむね中立的であろうと、やや長い目で見ればと。それに対してミクロの方の影響が、例えばエネルギー多消費型の輸出産業の国際競争力を損なうといったようなネガティブな影響が予想されると。それに対してではどうすればいいかといったら、例えばそういうエネルギー多消費型の輸出産業については免税にするとかですね、そういう措置を講じればいいではないかといったようなですね、しかし、それはフェアネスとの観点からどうなのかといったような議論は十分行ったつもりでおります。ただ、これだけの報告書の中に、そういった細かい議論は割愛せざるを得なかったということではなかったかというように私は思っております。
 それから、福川さんのおっしゃった国際制度のいいますか、京都メカニズム等々に関してでございますが、私もこれはちょっと報告書のどこに書いてあったかということがなかなかページを繰っても見当たらないのですけれど、どこかに補足的ということが書かれていましたよね。つまり一つのこのチーム全体の多数派の意見としては、やはり京都議定書には補足的と書かれているから、だからあれを最初から頼りにして国内対策を考えるのではなくて、国内対策は国内対策として詰めてみようじゃないかというようなことで議論したというふうに記憶しております。
 そして、あえてつけ加えて申し上げれば、私は、やはり日本にとってもアメリカにとっても、最も使いやすいといいますか、安い費用で削減、つまり費用対効果という点で非常に有利に展開できるのは、クリーン開発メカニズムだと思うんですね。共同実施ないし排出権取引ではなくて。それで、恐らく今度のCOP6におきましても、排出権取引とか共同実施に関しては、ある程度までの大筋における合意は成立すると思うのですが、クリーン開発メカニズムは途上国が絡むということとですね、ある一つの共同プロジェクトが行われたときに、その共同プロジェクトをCDMと見なすかどうかということのその基準について、けんけんがくがくといいますか、非常に意見が多いわけですね。そして、ですからなかなかCDMについてはですね、恐らく私は、さらに今後の検討にゆだねるという形でごく部分的にしか枠組みは決まらないと思います。そのときに、いずれにせよそういう意味で、ここ1両年の間にこういった国際メカニズムというものがですね、例えば排出権取引の価格が一体どのぐらいになるのかと、あるいは、そしてCDMによってどの程度のクレジットを獲得できるかということについての見通しはなかなか立ちにくいと、COP6がかなりうまくいったとしてもですね。というふうに思っておりますので、私はあえてこの中ではですね、補足的というところにこだわって議論を進めたというふうに記憶いたしております。

【森蔦部会長】 それでは、どうぞほかにご意見。
 はい、どうぞ廣野委員。

【廣野委員】 この22ページ、経済的措置についてということで、第1項、税についてということが書いてあって、そこに「賛成とする意見が大勢を占めたが、一部に強い反対意見があった」ということで、この両論併記というふうになっているわけですが、それはそれでもちろん結構ですけれども、ちょっと税の活用に反対する意見というところの意見がですね、何か本当に税に反対する意見として、私たちがこれを見て「ああ、そうだな」と納得するような意見ではないところにちょっと疑問があるものですから、ぜひ、この点を指摘したいんですね。
 それはどういうことかというと、まず、我が国においては過去2回の石油危機に伴うエネルギー価格上昇云々と書いてありますが、これは実は二つの大きなことがこの中に全然入ってないんですね。それが入ってないためにこういう書き方がしてある。一つは、この石油危機が起こったときの、つまり1973年から74年、日本の高度成長の末期のことですけれども、それから79年から80年、これは調整経済の調整過程におけるところの事件ですけれども、ともに経済成長がかなり高い成長時代であると。そういう意味では非常にエネルギー需要が大きなときのものであって、そのときにエネルギー価格の上昇にかかわるエネルギー需要が伸びたというのは、ある意味では当たり前のことであってですね、というのは、同時にそこには大抵十分な引き合いがなかったということも考えられるでしょうし、あるいはまたその間に何年か過ぎておりますので、その間に価格が上がることによって供給の面での相当のエネルギーの供給が増えて、その結果、価格の言ってみれば引き上げに対する引き上げの効果の限定と申しますか、そういう意味では、この需要の増大というのは、それだけ価格の引き上げの抑制という中で働いたということで、どうもこういう当時の日本経済あるいは社会経済が行った事実の中から引き出して、そして、だから現在でも云々というような、ちょっと現在と当時とは非常に状況が違いますので、当時の状況を引き合いに出して、現在これだから反対だというのは、ちょっと私はおかしいなと。だから、これはぜひもうちょっと検討してほしいと。
 それから2番目に、ノルウェーとかイタリアとかドイツのように、温室効果ガスの抑制を目的とする云々と書いてありますが、これは実はノルウェーにしてもすべてですね、何をやったかというと、政府そのものがこういう温室効果ガスをやるということに対して、もちろんそのときに、しかし税収中立でいくという、こういうようなことを発表しておいて、それでもなおかつ前者をとったということですね。だから、そういう意味では、ここに得られた税収を所得減税や社会保障費削減に充てている場合が多い。これは当たり前であってですね、最初からそういうことを言って、国民がそういう選択をしたということですね。だから、それは何ら反対する理由にならないものですから、反対する理由がもしあったら、もうちょっときっちりした経済的な議論をしていただきたいと。これが私の意見です。
 どうもありがとうございました。

【森蔦部会長】 はい、寺門委員。

【寺門委員】 反対意見はここまで拡大していただいたというふうに思いますけれども、前段がもちろんあるわけで、今のいわゆる、これは意見はいろいろとあると思いますけれど、環境税の導入というのは、どちらかというとヨーロッパのEC国内にあるわけですね。経済の構造そのものということから、だから議論しましょうよという話もあったのですけれども、要するに日本の経済の実情というのをどういうふうに認識するかと。EUは今少なくとも統一通貨であり、ほとんど国が一つになりつつあるような雰囲気の中で物事が進んでいっていると。それから、かなりEUは資源国でもあるわけですし農業大国でもあるわけです。そういう中で、日本はそれではどういう国なのでしょうかと、経済的に成り立った国なのでしょうかという議論をしたいと思っているわけですけれど、これは本当に国そのものの大きな議論だと思いますが、少なくとも日本は資源はほとんど100%近く輸入していると。農産物におきましても食糧におきましても、もう6割以上を輸入していると。それをどういうもので日本は成り立っているのかというと、20%強の製造業によって支えられて、そして国民は海外にも千数百万人が出ていくと、そういうことによって今日本は成り立っておるのだと。そこで、ではどういうふうに産業政策として考えますかと。エネルギーの消費構造を変えていくということについて、どう両立させますかという議論がなくしてですね、EU全体としてこういうふうにみんな各国が導入してきたから日本も同じですよというだけでは、私は納得できないということを言っているわけです。
 この前段のところというのは、証明したかしないかというのは、これは非常に意見が別れると思いますが、少なくとも過去の問題というのはこういうふうにありましょうし、それでは逆に言うと今環境税をガソリンのところに上げたらどうなりますかと。1年、2年で本当に効果がありますかという議論だってないわけです。今、もう既にこの1年で20円も上がっているわけですね。ガソリンというのは、20円も消費者にとっては上がっていると。それが1円、2円で本当に効果があるというのはどうなのですかというところは、アナウンスメントの効果ですと、こうおっしゃる。それなら、そのアナウンスメント効果というのは、なぜもっと今の時代でもやらないのでしょうかと。環境としてはもっとアナウンスメント効果されたらどうですかと。2円、1円上げるからアナウンスメント効果があって、今の20円上がったことについては何もアナウンスメントをしないと。エネルギー問題というのはこんな大きな問題ですよということはなぜ言わないのだろうかと。そこら辺が反対の意見というか、現実論としてどういうふうにそれを理解するのかという議論はなくて、過去のことをこういうふうに、少なくとも数字として出ていることについて言ってということなのですが。
 以上です。

【森蔦部会長】 一応、よろしいですか。
 ここで議論し始めると、私が議論しても、もう専門家になるとこれはエンドレスになりますので。ちょうど谷田部委員が手を挙げられておりますので、一応、今回はこれぐらいにして。
 はい、どうぞ。

【谷田部委員】 大ぐくりな地球温暖化対策としていかに二酸化炭素の排出量を少なくするかというのはわかるのですけれども、16ページに第5項としてライフスタイルの実現というようなことで記述がされているわけですけれども、この報告書全体がいわば排出の少ないライフスタイルの実現のための方策ということだと思うのですけれども、あえてこの第5項を設けられた理由とですね、ここでどんな議論が行われたのかというようなことですね、やはり国民にとって身近な記述の部分というのはこのぐらいしかないと思うので、これがどういうふうな議論の中で生まれてきたことなのかなということを知りたいのですけれども。

【安原部会長代理】 第2章のところの冒頭に書いてございますように、この事項の立て方は、現在の環境基本計画の対策項目がこういう立て方になっておりますので、その対策項目に則して、具体的な施策が制度的に確実に効果を持つかどうかという観点から検討したものでございます。これはたしかライフスタイル云々というのは、この基本計画の前につくられました地球温暖化対策行動計画においてもそういう立て方になっていたと思いますが、それを踏襲して検討したということです。

【浅野委員】 このチーム報告書の中で、これまで議論されてこなかった、あるいは直接的にこういう形ではっきりと言葉にあらわされてこなかった新しい提案があるのが、32ページ以下の目標遵守制度のイメージ、ここだと思うんですね。削減・吸収計画をはっきりすると。そして、それについて、実はモニタリング・メカニズムが先だろうと思うのですが、それがあって、それをフィードバックさせる形で対策強化メカニズムが動くと、こういう構造の提示は非常に重要な提示ではないかと思うんですね。それで、その中では恐らく、国の計画と書かれている33ページのところで、はっきりと言葉に出てないのですが、これが読み取れるのは、やはりセクター別に、あるいはさらにそれをもっとブレークダウンする形での目標を決めていかなければいけないというはっきりしたメッセージが出ています。これが現計画の、つまりまだなお生きていると思うのですが、政府の行動計画ですね。ちょっとそこら辺は、実はその後いろいろ出ているので、あれはどういう運命になったのか正直なところよくわからないので、後で事務局に説明していただきたい気もしますが、現計画は確かに行動計画を踏まえてそこにあるメニューを並べたわけです。ですから、セクター別という整理の仕方で言うと、やや入り乱れがあって、これは当時考えられていたメニューでありますから、これをもう1回、今度の基本計画の段階では、そっくり踏襲するのではなくて、どういう形で整理するのかと。しかし、セクターに切ってしまえない問題があるし、手法にしてみても、ここで問題になっている税手法というのは、多分セクター別にはどのセクターにでもきいてくる可能性があると。しかし、並んでいるものの中には、明らかに産業部門のあるところにきくというようなものもあるわけですね。ですから、計画づくりの段階で、今のような形のシナリオを書きながらそれにこれを入れ込むのか、それとももう1回、今度の計画では今までの過去の計画の中にあったシナリオを全部入れかえるかという議論をしなければいけないと思うのですが、私は、どちらかというともうこれにこだわらずにですね、状況に合わせてシナリオを書き直した方がいいのではないかという気がするのですが。この辺はチームとしてはどんなご見解だったのでしょうか。何かその辺についての議論がありましたでしょうか。つまり計画の中にこれをおろしていくときには、現計画はこうであるから、それをこういう形でレビューして、ここに問題があるという指摘はわかったのですけれども、それで、では次の計画のときには私はもうあのシナリオにはこだわらない、それで新しい基本計画のシナリオはかなりのものが全部温暖化対策にきいてくるようなものが並んでいますね。ですから、それでいいのだろうと思うのですけれども。

【安原部会長代理】 現行計画の評価のところで、この対策項目に則してやったということでございまして、今後の新しい計画をどうするかという観点から、こうあるべきだという余り突っ込んだ議論はしておりません。いずれにしましても、ここにございますように、自主的な取り組みとか経済的措置とか規制的措置、それから環境投資、こういった切り口でポリシーミックスを形成しなければいけないという議論をしましたけれども、そこからさらに突っ込んだ対象セクターをどういう具合に立てるかというところまでの議論には至っておりません。

【浅野委員】 モニタリング・メカニズムというのは非常に大事な指摘だろうと思います。ここではまだ問題提起にとどまっていますが。ただ、計画の中でその中身を詰めて書くということができないかもしれませんけれども、こういう発想法を今後重要視していくということは、多分、事ごとに大事だろうと思いますので、私はチームの報告の中のかなりの部分は重要な指摘をいただいたと思っております。

【森蔦部会長】 従来の基本計画に対する点検で、結局、実施のメカニズムができてないのではないかということは問題で、今度の環境基本計画をつくるに当たってはどういう形で立てた計画を実施していくのか、その意味では、モニタリングとか評価、見直しということは当然入ってくると思います。どの程度ここで述べられていることが盛り込めるかはわかりませんけれども。
 そこで、大変、これはまだご意見はおありかと思いますけれど、次の報告もありますのでこの辺にしたいと思いますが、いろいろご議論伺って、なかなかこれは企画政策部会としては大変なものを背負いこんでいるなという感じはいたします。と申しますのは、検討チームのご報告ならば両論併記というので済むのですけれども、まさか基本計画をですね、これもありますけれどもそうでない意見もありますよというわけにはいきませんので、やはりここで、これもおいおいとドラフティングをしていくわけですけれども、ここでご議論をいただく際に、この検討チームの報告とは違った観点からいろいろ分析をしていただいたわけですけれども、我々はではそれを基本計画の中にどう組み込むかという作業をこれからいたしますので、また大変なご議論をお願いすることになりますけれども、あらかじめよろしくお願いをいたします。
 それでは、まだおありかと思いますけれども、また基本計画の議論のときに十分ご議論いただけると思いますので、一応、この検討チームのご報告はこの辺で終わらせていただきまして、10分休憩をとりまして、次に廣野先生の方から国際協力の話をお願いいたします。それでは、10分ほど休憩をいたします。40分まで休憩いたします。
 

【森嶌部会長】 では、再開をさせていただきます。
 続きまして、環境における国際的寄与・参加のあり方検討チームのご報告に移らせていただきます。
 主査の廣野委員、どうぞよろしくお願いをいたします。

【廣野委員】 ありがとうございました。
 私たちに与えられたテーマは、「環境における国際的寄与・参加のあり方」ということです。この環境における国際的寄与・参加のあり方というのを、私たちは国際協力という観点からこれを見てみようということで、国際的寄与及び参加というものを国際協力という、そういう形でもって絞って考えました。
 お手元にありますこの本報告書と、それから参考資料として1から7までそこに出ております。
 この検討チームは、お手元の報告書の1ページのところに、そこにありますように、私以下、ここに書いてあるような方々、名前は読みませんけれども、こういう方々の積極的なご参加を得まして、かつまた積極的な寄与がありまして、こういうような議論ができましたことを大変喜んでおります。同時に、また事務局の方も真剣に私たちのいろいろな話、討論を側面から支援してくださいまして、多々、私たちも勉強する機会を与えられたことを喜んでおります。
 まず、私の方からは報告書の要点について申し上げて、あとは事務局の方からよろしくお願いいたします。
 報告書の要点に入る前に一言だけ申し上げたいのですが、この最初の目次というところにありますように、私たちとしてはこの環境基本計画策定以後の「国際的取組の推進」の総括と、ほかのチームでもすべてそういうもので始まりましたけれども、私たちも同じようにそういうところから始まってですね、それから、そこにありますように枠組みづくり、途上地域の環境保全への支援と、それから研究・技術開発・モニタリング分野、最後に国内体制の整備と、こういうような項目を立てまして、我が国の国際協力のあり方について、21世紀の地球環境保全への貢献ということでまとめました。
 皆さん方は2ページを開いていただきたいのですけれども、2ページのところにその要点が出ております。括弧で書いたところが私たちの要点の重要な点でありまして、第1が国際協力における知的貢献とそのための戦略づくりの強化、2番目がアジア・太平洋の総合的モニタリング・アセスメントと環境管理の共働推進、3番目が国内体制の整備と。
 なぜこういう三つに私たちは報告書の要点をまとめたかと申しますと、基本的には21世紀というものがこれから知的集約社会である、あるいは知的集約な経済であると。そういう知的集約な経済においては、これは大変、英語で失礼ですけれども、私たちのこういうような分野でいろいろ議論している連中の中で、いわゆるスーパースター・ダイナミクスという言葉があります。この中には、英語はできるだけ排除するということで、スーパースター・ダイナミクスというのは書いてありませんけれども、スーパースター・ダイナミクスということはどういうことかというと、最初にその分野に入った者が勝ちという、そういう意味です。そういうところからですね、知識集約経済ということになってまいりますと、まさに我が国はその方向に向かって早く入らなくてはいけないと。国際協力においては、そういう面で戦略づくりを強化して、できるだけ我が国が世界のリーダーとなっていくことが重要であるというような観点から、スーパースター・ダイナミクスの考え方に従ってこういうようなことをまとめたということです。
 それから2番目には、何といってもやはり我が国は国際協力ということを考えると、これは地球環境分野だけでなくてほかの分野でもそうですけれども、何といってもアジア太平洋というのが我々の地域であって、そういうアジア太平洋地域というものを中心にこれからも国際協力が進んでいくものと考えられると。もちろんアジア太平洋地域だけでなくて、第1回、第2回のこのアフリカ開発東京国際会議があったようにですね、アフリカとかその他のことも重要ですけれども、しかし主力はやはり何といってもアジア太平洋地域であるということで、それが書いてあります。
 それから3番目は、こういう、たとえ我々が、そういう方向で知識集約社会あるいは経済におけるところの国際的な貢献というものに我々が一生懸命やるにしても、国内の体制が整備されなくてはどうしようもないということで、国内体制の整備ということを強く打ち出しております。
 以上のような観点から、国際協力における地域貢献とそのための戦略づくりということでそこにいろいろ書いてありますが、特に分野におきましてはですね、化学物質、海洋環境、淡水資源、森林の国際的枠組みの強化と書いてますが、これはあくまでも単に京都議定書だけでなくて、地球温暖化という問題については、今、先ほど議論をいただきました地球温暖化対策検討チームがいろいろやっておりますので、そういうようなことと重複しないようにということと同時に、我々としては余り国際的な枠組みづくりがまだ進んでない分野ですね、そういう分野を中心に置いてこういうような国際的枠組みを強化していこうじゃないかということです。そういう意味では、決して地球温暖化の面での国際的枠組みが十分行われたということを言っているのではなくて、それは一つのチームがほかのチームをやるということと同時に、ある程度、そこでは進んで京都メカニズムも出てまいりましたし、進んできたということで、今申しましたようなこの四つのですね、ほかの重要な地球環境の分野を設定いたしました。
 それから同時に、2番目にありますように、条約体系間の共通した分野のための連携の強化、シナジーという問題ですけれども、やはり現在余りにもたくさんの条約体系がありまして、その条約体系がすべてそれぞれ事務局を別個に持っております。そういうような中で、やはり我々としては共通施策というものを推進していく必要がある、そのための連携の強化というのが必要ではないかということでいろいろ議論されていきました。その点についても、かなり積極的に発言をしております。
 それから、3番目には情報技術、ITを活用した参加・開放型政策形成・実施の環境整備ということですけれども、この点についてもですね、最近、ITに関する国際的な会議でいろいろな議論が方々で行われておりますけれども、こういうようなITというものと地球環境の整備というものとを結びつけるという格好で議論をされております。ここにはちょっとそこまで書きませんでしたけれども、現在、国連に提出されているところの専門家の報告書、これも既に今週あたりに出ると思いますが、その報告書の中には、私がアドバンスコピーで見た限りは、地球温暖化を進めている途上国に対してはITの援助を優先するということまで書いてあるんですね。地球温暖化と言いながら、その地球温暖化防止を進めている途上国に対してはITの面での援助を優先するというようなことまで勧告に書いてありますので、そういう意味では、これからITと地球温暖化というのはかなり結びついてくる、こういう可能性はこれから国際社会では出てくると思います。
 それから、2番目にはグローバリゼーションの時代と持続可能な開発支援の強化ということですけれども、私たちはグローバリゼーションというものが、もちろんプラスの面が貿易自由化、投資の自由化、金融の自由化、規制緩和、いろいろな面であるわけですけれども、同時にマイナスの面もあるわけであって、また同時にそのマイナス面に特に目を向けた市民社会の台頭、NGOの台頭というものがあるわけですので、そういう両面を見ながらですね、国際協力における環境と開発の政策等に向けた戦略づくりが重要であるということを強く指摘しております。その場合には、あくまでも環境、この地球環境に関する戦略アセスメントということで、計画段階からのアセスメントの重要性、それから評価の重要性を訴えております。それから同時に、各国それぞれ発展段階その他が違いますので、そういう各国の特性、これに対する配慮が重要だということをうたっております。それから同時にですね、開発途上国の自立取組の促進ということが、何しろこれは自主的な取り組みを彼らがやるのがまさに重要であって、それを私たちが側面から支援するという格好で書いてありまして、多元的なパートナーシップづくり、今、しきりに議論されておりますパートナーシップでございますけれども、途上国の国内でのNGO、自治体、事業者等のそういうような多元的なパートナーシップだけでなくて、国際的なそういうパートーシップも重要であるということであります。
 それから、2番目には環境産業の育成と。産業の環境化だけなくて、環境の産業化と。そういう意味での環境産業の育成ということも強く訴えております。それから、環境教育、環境学習。これも当然ながら、途上国でこれからもっともっとやらなくてはいけない課題であるということは、環境教育検討チームの方からも出ておりました。
 それから、3番目としまして地球環境の調査研究・モニタリングの戦略性の強化、地域貢献の基礎づくりですが、ここにかなり私たちは重要性を置いております。先ほど申しましたように、やはりこれからの地域集約社会においては、私たちがある程度戦略性を持って、まさにスーパー・ダイナミクスしていかなくてはいけないというところから、こういうような調査研究・モニタリングというところが非常に重要で、こういう基礎的なものがないと、やはりその戦略は崩れてしまうという意味で、基礎的なものをしっかりやるということ。それから、環境保全型の技術開発評価、こういうことを本格化することの必要性を解いております。
 それから、2番目にアジア太平洋地域の総合的モニタリング・アセスメント、環境管理の共働推進ですけれども、これについては、上に書いてあります2、3ですね。グローバリゼーションの時代の持続可能な開発支援の強化と、それから地球環境の調査研究・モニタリングの戦略性の強化、この二つではアジアについて見た場合にどんなふうにやるかというような形でもって書いてありますが、特にその中では具体的に環境、技術、衛生情報等、モデリングの問題、あるいはまた革新的な戦略オプションの評価、政策立案の支援ということを強く訴えております。特にこのASEANにおきましては、地域協力の枠組みづくりでもう既にASEANの中にもそういうものができておりますが、しかし、例えば北東アジアにはこういうものはありませんし、そういう意味では、エコアジアはもちろんアジア全体としてありますけれども、これから我々はますます地域協力の枠組みづくりというものを大切にしていかなくてはいけないのではないかということ。それから、そういう中でのODAをどう活用していくかという、ODAの活用でございます。これは特に我が国のODAのチャーターが環境重視というのが第一に書いてありますので、そういうものを十分に発揮していくということが重要ではないかということです。
 それから、3番目には環境政策対話とプロジェクト形成機能の強化ということで、ご存じのように、この環境政策対話というのは、ようやくこの5~6年強化されてまいりましたけれども、これからもっともっと強化しなくてはいけない点が多々あるわけであって、ようやく今、日本とほかの国とのいろいろな政策対話の中で、環境という問題がより重要になってきたということが各国自身から生まれてくるプロジェクトの中からも出てまいりましたので、そういうものを側面からできるだけ支援していくと。いわゆる、単なる相手国の言うところのODAを、我々がそれを受けて足すというだけではなくて、そういう意味では要請主義ということだけでなくて、こちらの方から積極的に政策内容を通じて環境の面での強化を図っていくという、こういうことが重要だということをここで訴えております。例として、ESCAP、あるいは日・中・韓国、三国間のこういうようなことにも触れております。
 それから、最後に国内体制の整備ということですが、ここでは特に今までも何回かほかのチームでも議論になりましたけれども、やはり私たちいろいろな国際協力をする上において、国内の体制を整備しないとどうしようもないということで、国内体制の整備、ここにありますような四つの点に絞って書いてあります。一つは、国際会議を通じた合意形成。先ほど京都議定書の締結、あるいは2002年の発効というものについて、かなり厳しい状況にあるということも先ほど委員からお話がありましたけれども、私たちはそういうことを十分に踏まえた上で、しかし、国際会議を通じてできるだけ合意形成をしていくと、そういう努力をしなくてはいけない。しかし、そのためには、大変残念ながら、まだまだ日本の専門家の養成が足りないということで、専門家の養成・活用ということ、また同時に民間にはたくさんの専門家がおりますから、そういう民間の方々を利用して活用させていただく、あるいは学者の活用、いろいろなことを通じて我々が国際的な世論の形成を訴えていくというような国内の体制を整備しなくてはいけないのではないかと、こういうことであります。
 若干、この事例としてちょっと触れておきたいのですけれども、現在、日本の国立大学を中心としまして、なかなか先生方が海外へ出ていって国際的な場でもって世論形成に参加するということについて、必ずしも自由な立場でできない状況がまだ現在日本にはありまして、なかなかですね、例えば海外出張年4回に絞るとか、そういう格好でいろいろあるものですから、そんなわけで、できるだけこういうことがないように、専門家の養成・活用、それから政策基盤の強化というのが必要ではないかということです。
 それから、2番目には情報基盤の整備ということで、ここでもITの活用のところの情報基盤の整備が訴えられております。それから、参加・開放型政策形成・実施とNGO、特にNGOがいろいろな面で、特に環境の面では特にプロジェクト形成の分野、あるいは地域的な環境、地球環境全体についてもNGOが非常に方々で出てまいっておりますので、国際的なNGO、あるいは地域の、途上国のNGOとの協力を強化するためには、我が国自身のNGOがより強化されなくてはならないということで、我が国のNGOに対する支援も強化していくべきだということが書いてあります。
 最後に、国際機関への邦人職員の派遣・勤務の支援ということです。大変残念ながら、現在、国連本部でも100名をついに下回った日本人の邦人職員の派遣でして、国際機関全体を含めても約500名しかおりません。それに対してアメリカは、国連だけでも500名、それから国際機関では5,000名です。そういう意味で、非常にもうアメリカと日本は大きな差があるわけであって、そういうわけで我々は、何とかしてもっと日本人がこういう国際機関に出ていくことが重要ですので、ある意味では顔の見える援助ということもこういうところから生まれるくるわけですので、国際機関への邦人の職員の派遣、あるいは勤務に対してもっともっと積極的に支援していくと。特に環境面でのこういう職員の派遣、勤務の支援というものを訴えております。
 以上、私の方から簡単にこの報告書の要点について申し上げましたので、あとは事務局の方、よろしくお願いします。

【一方井地球環境部企画課長】 地球環境部の企画課長でございます。
 ただいま廣野主査の方から、この報告の提言部分を詳しくご説明いただきましたので、私の方からは3ページ以下の「国際的取組の推進」の総括のところを中心に、あと若干後ろの補足をさせていただきます。
 まず、国際社会の主要な動向のところでございます。グローバリゼーションの進展がございますけれども、これはプラスの面・マイナスの面、環境の面から見まして、両方の方向がございます。それを記述しております。また、政府以外の主体の意識の高まり・役割が増大してきたと。これは国際分野だけではございませんけれども、国際の分野でも政府以外のNGO、民間企業、地方公共団体といったところの役割が大きくなっていると。また、開発途上国といっても非常に多様化しておりまして、例えば中国一つをとっても、沿岸部の都市と内陸とでは全く対応は異なってきているというような状況はございます。また、国によっても発展段階が随分違ってきております、また、情報化の進展、こちらの方もプラスの影響・マイナスの影響、両方ございますし、また政策という面から考えても、情報の入手が世界的に非常に早くなってきているというような質的な変化もあるということが記述されてございます。総じて、[5]にございますように、地球環境自体、いろいろやってはきているわけですけれども、地球環境の悪化は今でも進んでいるというのがここの部分の大きな評価でございます。
 それから、二つ目の国際的な連携の確保・枠組みづくりでございます。世界的に見れば、京都議定書、ロッテルダム条約、バイオセイフティ議定書といったような、また新しい分野での環境条約議定書といった作成が進展をしていると。ただ、一方でつくった後の遵守や実施についての関心が高まっていること。あるいは主査の方からもご説明ありましたように、条約体制の間、国際機関の間の連携・協力が若干足りないのではないかといったような状況も生まれてきていると。4ページの方にまいりまして、あるいは国際会議が大変今増加しておりますけれども、特に途上国などではもうなかなか全部に対処することは難しいといったような状況になってきていると。我が国としても、今後、課題設定能力、リーダーシップを一層強化していくことが課題となっているというところがございます。また、地域的な状況のところでは、世界的枠組みづくりは当然一方で進むわけですけれども、地域的取組みが重要になってきていて、アジア、我が国の周りでは、日中韓、3カ国環境大臣会合といったようものも、これは環境共同体意識をつくろうというようなところから始まってきていると。こういう取り組みも始まってきているということが紹介されております。
 その次、下の方に(3)で開発途上地域の環境保全の支援の状況というところがございます。二つ目の「・」にありますように、我が国の環境ODAは、質量ともに充実はしてきていると。また、単なる要請主義だけではなくて、我が国の支援政策を反映する共同形成主義もかなり進んではきていると。あるいは、対処能力(キャパシティビルディング)を進めるために、具体的には例えば環境研修センターをつくるといったようなことも進んでおります。5ページの方にまいりますが、ただし、ODAの国際機関等との連携などについては一方で改善の余地があったり、あるいは内外のNGO等との活動に対する政府の支援措置、こういったものも拡大をしているわけですけれども、こういう動きも進んできていると。
 それから、(4)の国際協力等における環境配慮の方でありますけれども、政府の開発援助にODAについては、これまで政府開発援助に関する中期政策等でアセスメントの実施等が既に明確に位置づけられております。また、国際協力銀行が行う円借款、国際協力事業団の行う開発等、主要なODAにおける環境配慮手続も定められてきていると。輸出信用貿易保険を含むこういう分野におきましても、今、環境配慮の試みが始められつつあると。国際協力銀行においても、環境配慮ガイドラインを今運用しておりますし、その改善に取り組んでいると。民間においても、経団連等で自主的取組がなされているといったような状況が書かれております。
 また、地球環境研究につきましては、世界気候研究計画とか地球圏-生物圏国際共同研究計画といったような、国際的なレベルで地球環境研究を推進するプログラムの活動が盛んになってきております。我が国も気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などには積極的に参加をしておりますし、また国内的には地球環境研究予算が大きく伸びておりまして、多くの省庁がその環境技術開発を推進していると。さらに最近では、6ページの上にありますように、地球環境政略研究機関といったような新しい機関も始動をしているということがございます。
 ただし、全体的な総括として、研究課題の固定化、人材面の制限などにより、必ずしも新たにニーズに対応できていないと。あるいは、我が国の環境、地球環境研究やモニタリング全体を俯瞰した総合的な評価等の取り組みが行われておらず、明確な戦略や相互間の連携が十分でないといったような問題があるというふうに指摘をされております。さらに地球環境技術の評価体制の整備がおくれているという指摘もいただいております。
 以上が、国際的取組の推進の総括のところでございます。
 以下は、主査の方のご説明と重ならない程度にちょっと部分的にピックアップをさせていただきますが、7ページの一番下のところから8ページにかけては、分野というのが書いてありますけれども、これは今後、世界的な枠組みをつくっていくべき分野を論じたところでございます。化学物質以下、海洋環境、淡水資源の保全、森林と四つ挙げておりますけれども、これらは例えばUNEPが昨年明らかにしたGEO2000といったような、21世紀にどういう問題がこれから大きくなっていくだろうかというような資料も参考にしながら、このチームでピックアップをしていただいたものでございます。もとより気候変動とか生物の多様性とか砂漠化とか、重要な問題はあるわけですけれども、そちらの方はとにもかくにも一応枠組みづくりが始まっているという評価でありますので、それは除いてございます。
 それから、10ページの開発途上地域の環境保全への支援のところでございます。最初の地球規模及びアジア地域の取り組みの積極的貢献のところでは、例えば三つ目にクリーン開発メカニズムというのが入れてありますように、地球温暖化の関係の国際的側面についてはここで言及をしております。ただし、先ほど前半のところでご報告ありましたように、地球温暖化対策の国内対策の関係は、ここからは全く除いてございます。
 それから、11ページをごらんいただきたいと思います。(3)で開発途上国の持続可能な開発への支援戦略づくりと。これがこれまで必ずしも政府部内において十分な調整がなされてきてなかったのではないかという反省のもとに、今後、我が国の開発途上国に対するあらゆる協力分野に関して、持続可能な開発のための支援のあり方を中央環境審議会等の場において調査検討したらどうかというようなご提言もいただいております。さらに、下の(4)のところで環境ODAの事業評価の充実及び評価手法の開発とございますけれども、これは各ODAを行っていく際に、事前・中間・事後の一環した評価を適切に行う必要があるということで、その評価のための客観的な手法を開発をすべきだというご提言をいただいております。
 それで、あと13ページにちょっと飛んでいただきまして、研究・技術開発・モニタリング分野でございます。ここではまず(1)のところで戦略的な地球環境の調査研究・モニタリングの推進ということで、これも中長期的観点からの環境保全の戦略策定につながるような調査研究や、その基盤となるべき地球環境の現状の正確かつ総合的なモニタリング等を今後一層充実していくというところがポイントでございます。また、(2)のアジア・太平洋地域における環境戦略の構築と環境管理の共働推進のところでありますけれども、今後、モニタリングなどで得られたデータをきちんと整理した後、それを踏まえて環境戦略オプションを評価をして、その結果を踏まえ、具体的な国際協力プロジェクトなどを通じて共働して地域の環境管理を推進すると。この環境戦略オプションを評価するときに、我が国だけではなくて関係諸国や関係諸国の研究機関と共働してやっていくというところが一つのポイントかと思います。
 あと15ページは国内体制の整備ということでございますが、特に(3)の参加・開放型政策形成・実施とNGO支援の強化というところでは、最後のところのパラグラフですけれども、我が国の知的貢献を高めるため、NGO、学術研究機関・団体、産業界等と協力して、特に環境政策の基礎となる政策研究を強化するべきではないかというご提言をいただいています。
 以上、事務局の方から補足をさせていただきました。

【森蔦部会長】 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの廣野主査と事務局のご報告に関しまして、従来と同じように質疑とあわせてご意見をいただきたいと思います。
 どうぞ、どなたからでも結構ですので。
 検討チームのメンバーの方で、何かこの点は特に重要でないかというようなこ指摘ございますか。何か入学試験前に、これからベルが鳴る前のように森閑として紙の音だけがしているという感じですが、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ谷田部委員。

【谷田部委員】 単純にご質問したいことがあるというだけなのですが、11ページの、今、ちょうど先ほどご説明のあった(4)の評価手法の開発ということなのですけれど、これはODAということになると、内容はもちろんですけれど、お金の使い方とかですね、そういった意味での評価というのもあると思うのですけれども、これはあくまでも環境に対して実効があるかどうかという評価ということでよろしいのでしょうか。

【一方井地球環境部企画課長】 おっしゃるとおり全く環境面からということで、お金の使い方といったODAそのもののところまでは必ずしも踏み込んでおりません。

【森蔦部会長】 これを見ますと環境改善効果を含めたと書いてありますが。

【廣野委員】 ちょっとつけ加えてよろしいでしょうか。
 まさに今、部会長がご指摘になったように、環境改善効果を含めた評価のための客観的ということでございますから、まさに環境改善効果、インパクトですね、これを評価しなくてはいけないと。だから、通常のいわゆる行政効果的なものとか、あるいは会計的な側面とかというではなくて、もっと効果そのものに対して焦点を当てていこうという、そういうことで環境庁自身でも現在、一生懸命その評価手法の研究をやっている最中ですけれども、こういうものをより高めていこうと。それから同時に、今までどうしても私たち、ODAについてはプロジェクト評価というのが中心であったわけですが、これから、この前の外務省のODA評価に関する新しい検討委員会の報告書がありますように、できるだけこれからはセクター評価とかプログラム評価、あるいはまた政策評価というところまで入っていこうということで、そのための手法開発ということを今各省庁で始めておりますけれども、そういう面もこれから強化していこうと、こういうことでございます。

【森蔦部会長】 よろしゅうございましょうか。
 ほかに。では、浅野委員。

【浅野委員】 11ページのところの途上国の開発計画への環境保全の統合への支援というところですね。ここに戦略的アセスメントの導入と、こういうことが書かれていますが、先ほど廣野先生のご指摘の最初のサンプルメントのところにも、ごめんなさい、ここにもあるのですが、ちょっと11ページのところの書きぶりですけれども、この11ページのところでは、上位計画の段階から代替案の検討を進めることが戦略的アセスメントの導入であるという書き方になっているのですけれども、戦略的アセスメントというのは必ずしもこういう限定された場面だけではないので、その点は若干、これは誤解を与えるかなという気がします。もちろん代替案の検討というのは物差しがない、基準があってこれを達成しなければいけないというレベルで議論をすることができない領域で、比較をするということが何より有力なツールであるというところから代替案の検討というのが出てくるわけですから、その文脈の中でこれを読み取っていくとしますと、むしろ「など」というのが前にあった方がいいということがありますので、これは少しコメントをさせていただきたいと思いました。
 それから15ページのところで、4の(3)のところであります。これは重要なご指摘をいただいていると思いますし、特に我が国のNGOの強化という、極めて重要なご指摘をいただいていると思います。ここで書かれていることの中には、我が国における環境政策の形成と実施について、これは必ずしも国際的な寄与と参加ということにかかる環境政策に限らず、環境政策全般についてこういうことをまずやって、その結果を国際的な寄与の場に生かせというご趣旨だろうと思いますので、これも非常に重要なご指摘だろうと思います。現行計画は、どちらかというと、この国際の、つまり第5条にかかわる部分は専ら外向きのことしか書いてないんですね。これが現計画、あるいは環境基本法の構造そのものの持っている若干の問題点かと。つまり今の基本計画は、国内の話はもう全部前で片づけておいて、あとの国際というところはもう外に出る話だけですと、こういう構造になっているので非常につなぎが悪かったのですが、今回の、多分、廣野先生のグループがこういうことをお書きになっているのは、そこをもっと国内とのつなぎ目をしっかりしろという意図でこれをお書きになっていると思うのですが、多分、こういう話はこの部分だけに入れておくのはもったいない話で、もうちょっとこのパーツは全面的にどこかに持っていってもいいのかなと思いましたが、計画をつくるときの視点として、今までのものとは違った形のものを提示しておられるというふうには理解できると思いました。
 何かコメントいただければと思います。

【森蔦部会長】 今のはご意見として承っておけばよろしいですね。
 はい、どうぞ。

【廣野委員】 全くそのとおりでございます。そういう意味で、私たちとしてはやはり国際的な寄与とかあるいは国際的貢献とか言われますけれども、あるいは参加と言われますが、やはりそういうものをやる場合に国内の体制が整備してないとどうしようもないということで、よく言われるように、かけたはしごは外されてしまうというですね、そういうことが出てくるわけですので、どうしても国内の体制を整備するということが重要だと。これがもうないと実は国際的な寄与もできないのだという、そういうところで強く出すために、我々としては、4として国内体制の整備、これを特に我々の重要な課題として設定いたしました。

【森蔦部会長】 それでは、ほかに。
 どうぞ、横山委員。

【横山委員】 国内体制の整備の問題と関係してくると思うのですけれども、国際交渉の場で、よく日本の例えば外務省とか環境庁の担当者が簡単に変わってしまうと、数年ぐらいで変わってですね、もうだれも前の例を知っている人がいないとか、その辺を指摘されることが多いと思うのですが、その辺の議論はあったのかですね。それから、環境庁なんかそういう問題についてどうお考えになっているのかですね。人事異動の面で、数年で変わらなければいけないというのはある程度わかるのですが、国際交渉で他国はみんな前の会議から出ていて全部経過を知っているのに、日本は新たな人が来るとか、そういう問題をどうお考えになっているか教えていただけますか。

【森蔦部会長】 どうお考えでしょうかね。

【廣野委員】 実は我々のこの検討チームの中に、外務省の元国連大使の波多野委員もおられまして、全くその点を強調しておられました。そんなわけで日本の各省庁、それぞれ対外交渉をしている省庁は、何も環境庁、外務省だけでなくて、通産、大蔵、いろいろな省庁、皆さん同じような問題を抱えているというわけだと思います。ただ、この問題に私たちが、この中で特に環境というですね、何か環境における国際的寄与、参加のあり方という中で入るには、ちょっと余りにも難しい問題でですね、一応、私たちとしては、ここに書いてありますように、あくまでもこの(1)と(2)と(4)というところがある程度それをにおわせて書いたわけですけれども、その程度にとどめておくと。それ以上はなかなか入ることが難しいかなということで、現在、これにとどめてありますが、環境庁の方から、また何かご意見があったらどうぞ。

【森蔦部会長】 ほかの省庁はいざ知らず、環境庁はどうだというお話ですが。
 どうぞ、何かありますか。

【事務局(官房長)】 まれに先生おっしゃるような問題点ございますが、こと環境に関しましては、最初に担当したプロジェクトについては最後まで面倒を見るということがかなりやられておりまして、仕事が変わっても最初に手がけたプロジェクトについては、ある意味で最後まで面倒を見るということが随分進んでいるところでございます。往々にして、新しいテーマ等について必ずしも、特に職員の数の問題がございまして、たくさんのテーマを抱える面もございます。できるだけ各職員がある意味で分散してテーマを抱え、なおかつそれを最後までフォローできるように、今後とも見守ってまいりたいと考えております。

【事務局(事務次官)】 一言だけ追加させてください。今、官房長が申し上げたことは何も間違っているわけではないのですが、私どもの組織は非常に小さな組織で人数が少ないものですから、逆に言うと、ある意味では立派な組織にでき上がったところとは違って、ある程度弾力的に融通無碍にやらないと機能しないという点でありまして、結果的に今、官房長が申し上げたようになっているという面が多々あります。
 それからまた、例えば一つの例で申し上げますと、地球部長がいますね、地球部長が今何年地球部長をやっているかというのは、地球部長は5年やっておりまして、地球環境部長はもう渉外関係の仕事をずっと一手に引き受けているように、環境庁はちょっと違う役所であることは確かなのでありますが、これは必ずしも褒めたことなのかどうなのか、例えば人数が少ないために融通無碍にやっているという面とか、あるいは、では後継者の育成が大分足りないのではないかとか、そういった課題も抱えていることも事実であります。

【森蔦部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ちょっと余計なことを申しますと、最近はマスメディアもどんどん2年ぐらいで変わりまして、昔のように環境記者というのを長年やっておられる人がいないものですから、一から説明をしないと分かってもらえないというのがありますが、どうぞそちらの方もお考えいただければと思います。
 どうぞ、佐和委員。

【佐和委員】 まず10ページの(1)の三つ目の○のところに、クリーン開発メカニズムというのが書いてあります。これを見ますと、CDMは民間資金・技術の誘導手法として重要であると、確かにそのとおりなんですね。ただし、政府が主体的に行うCDMも当然あり得ることだと思うんですね。そこで問題になってくるのは、要するにODAとのかかわりなんですね。それで、4ページに戻っていただくと、(3)の二つ目の・のところに、環境ODAのことがかなり長く書かれてですね、最近では要請主義にとどまることなく、共同形成主義が進みつつあるというようなことも書かれているわけですが、先ほどもちょっと触れましたが、ある共同プロジェクト、共同事業をCDMというふうに認定するか否かということの基準の一つとして、フィナンシャル・アディショナリティといいまして、要するに、つまり京都議定書がなくてもといいますか、京都メカニズムがなくても行われるような共同事業というのはCDMと見なさないという考え方が非常に強くなっているわけですね。そうしますと、ODAというのは、これは毎年1兆円ずつあるとすればですね、放っておいてもなされる、そのODAの予算の枠内でなされるような事業というのは、幾らCO2の排出削減をもたらすにせよですね、それをCDMと見なさないというようなことになれば、この環境ODAというのは一体、これはですから制度的なことで、私はむしろ質問で教えていただきたいのですが、つまりODAと環境ODAとの関係というのはどうなっているのかということですね。つまり、先ほど申し上げたことの繰り返しになるわけですが、ODAでなされる事業というのはCDMというふうに認知しないというふうなことがCOP6で仮に決まったとすれば、環境ODAというのはどういう扱いになるのかと。あるいは別枠に、そういうCDMのための予算みたいなものがつくられることになるのか、その辺について何かおわかりのことがあったら教えていただきたいと思います。

【竹本地球環境部環境保全対策課長】 今ご指摘の点は、まさに国際会議で交渉しているところでございまして、環境ODAとODAとの関係については後でまた補足していただきますが、今、先生ご指摘のとおり、CDMに対してODAをどのように使うのか、また使うことの是非についていろいろ議論のあるところでございます。COP6の結果を踏まえないと、また次の、先ほど言われましたその後どうするのかという点は、まだ今のところとしては具体的に考えられない問題でありますが、我が国とすれば、できるだけ途上国でのこういうCDMのようなアレンジが積極的に進めるように、できるだけこのODAなんかも活用していきたいというような立場で今相談をしておるところですが、なお国際的にはいろいろご議論があるところでございます。

【森蔦部会長】 ほかに、どうぞ。

【一方井地球環境部企画課長】 先ほどの佐和先生の環境ODAとODAとの関係というご質問でございますが、環境ODAとは何かという定義自体は、国際的に合意されたものは今ございません。我が国の分類でありますけれども、居住環境改善、森林保全、公害対策、防災、その他と、こういう分野に資するものを統計上環境ODAと定義をしているということでございます。

【廣野委員】 ごく最近の動きをお伝えいたしますけれども、おっしゃるように、現在COP6の中で、いわゆるCDMとODAというのはどんなふうな関係になるかということはもちろん議論をこれからされるわけですけれども、少なくとも、今行われていることだけをちょっと申しますと、現在は、この環境関係に関するもろもろの開発調査というのがあります。開発調査、これはODAでやっております。ですから、開発調査というのはODAで、これはあらゆる分野での開発調査、農業あるいはその他IT関係も含めますけれども、そういう開発調査の一環として、そこに環境というものが入ってくるという格好での開発調査は現在ありますし、そういう中で、その国の環境整備のために、例えばその開発調査の中で、ではCDMをどう利用したらいいかとか、そういうところまで入り込むことができるわけですね。その現在の開発調査の中でも。ただ問題は、それについてはこれからCOP6でやろうということですから、今やっている事柄については必ずしも大々的に言っておりませんけれども、現に開発調査の中で、例えば日本の対中国に対する開発調査の中で環境問題について議論するときには、当然、何らかの格好でCDMに触れざるを得ないと。しかし、CDMの細かいことについて、あるいはCDMをどうやってやったらいいかとか、あるいはCDMで実際の実施におけるところのお金をどうするかとか、そういうことは、当然調査の段階では、私たちは開発調査ではできますけれども、実際に実行の段階になると、これはもうもちろんここに書いてあるように民間の資金、民間の技術を利用するということが今のところの前提ではないでしょうか。これはあくまでも一つの私の個人的な経験から申しましたが。

【森蔦部会長】 それでは、ほかにございましょうか。
 はい、どうぞ波多野委員。

【波多野委員】 これは廣野先生がご説明になり、事務局が補足説明されたことに尽きるのですけれども、私の感じでは、やはり一番重要な問題、この国際的寄与・参加のあり方において一番重要な問題点は、やはり国内体制の整備の問題ではないだろうかという感じを国連にいるときにずっと持っておりました。
 環境庁は、確かに地球環境部長を5年やっておられまして、もう国際的にも名が通っているし、人脈もあるし、非常に環境庁としてはこの点努力しておられるのでしょうけれども、やはり国際的寄与・参加のあり方という問題になりますと、大蔵省もあり、通産省もあり、外務省もあり、農水省もあり、その他ありということになってしまって、その他の省庁が必ずしも環境庁と同じような体制をとっているとは限らない。そして問題は、やはり環境庁がそれほど強くないというところにあるのではないですかね。環境庁がリーダーシップをとるような立場に何となくないと。環境庁はいいことを言われるのですけれどね、いいことを言われるのですけれども、ほかの省庁に押し切られてしまうというところに問題があるので、その問題が問題になりまして、もっとこれへ書き込もうかという話もあったのだと思うのですけれども、やはりこれはこれから環境省ができるところであり、環境省のあり方自体の問題でもあるから、余りこのペーパーにそこまで手を突っ込んで書くのはちょっと書き過ぎではないのだろうかということで、深くは書いてないけれども、しかし何となくそこで議論の底流にあったのは、「環境庁よ、もうちょっと強くなって、リーダーシップをとれるようなものになってもらったらいいんじゃないだろうかな」という感じでございました。

【森蔦部会長】 どうもありがとうございました。
 大分応援団も出てきて、小規模で弱い環境庁が、小規模ながら強い環境省へということだと思うのですが。
 もしも現時点でご意見がなければ、まだもう少しご意見を伺いたいところがありますので、この議題につきましてはこれぐらいにさせていただきたいと思います。よろしゅうざいましょうか。
 それでは次の問題、一応、検討チームについてはこれでおしまいにしまして、環境基本計画の見直しの進め方でございますけれども、前回申し上げましたように、今後、環境基本計画小委員会という委員会を設置をさせていただくという話は前にいたしましたが、その小委員会で論点を整理をして、中間まとめ案のたたき台を作成をしていただくということにしたいと思っております。これは今まで時々基礎委員会というものをつくりましたけれど、それは本当に文章を取りまとめということでございまして、クローズドにしたこともございましたけれども、これはいわばこれだけの大所帯でやるとなかなかたたき台ができにくいので、少し絞った委員でご議論いただくということでございまして、基本的にはこれはこの企画政策部会のいわば今までの検討チームと同じようにその一環というふうに考えておりまして、ここの出店というか、あるいは下請けということではございません。したがって、審議等も公開し、そして資料等も公開するというやり方で行いますけれども、一応、たたき台をつくっていただくということにしております。これはもうかなり急いでやっていただくということになりますが、これを1カ月ちょっとの間で集中的におやりいただきまして、8月上旬をめどにしまして全体の部会を再開をしまして、そのたたき台に基づいて部会でご審議いただきたいというふうに思っております。当面は、部会はこの小委員会の審議中はお休みということの、もちろんその小委員会に属される委員は、これはまた別でございますが、一応、全体としてはお休みでございますので、本日、多少時間をとりまして、この小委員会に対するご注文等がございましたら、きょうの段階で、思いつきでも結構でございますけれども、出していただきたいと思います。そのきょうのご議論に従って小委員会も進めていただきたいと思いますので、この点、今まで部会でご提出いただいた、あるいはこちらから出しました資料について、参考になりそうなものを配ってございますが、何か事務局等で説明はありますか。よろしいですか。
 これでしょうか。このファイルのなっているものであります。
 なお、この小委員会で配られるものにつきましては、委員の皆様方全員にお配りをいたします。また、従って小委員会の委員でない委員の方々もご意見等がございましたら、事務局へご提出いただければ、それをまた小委員会でご議論いただくという形をとりたいと思いますが、この環境基本計画小委員会での審議につきまして、何かございましょうか。
 結構、先ほども申しましたけれども、どうも検討チームで消極的権限争いをしたわけではないのでしょうけれども、割合に、全体をまとめてやっていく場合に、穴があるところもございますし、それから重複している場合でも、ほかを眺めて割合書きぶりが踏み込んでないというところも散見をいたしますが。
 どうぞ、何かご意見ございましょうか。はい、どうぞ塩田委員。

【塩田委員】 地球温暖化の問題についてでよろしいですか。

【森嶌委員】 どうぞ。何でも結構でございます。

【塩田委員】 これは一つの例として申し上げるつもりですけれど、地球温暖化の問題については、先ほどこの部会でも検討チームの結論について一区切りをつけられたと思いますが、その問題を今度環境計画に移すときに、先ほど安原主査からお話がございましたように、京都議定書の実施ができるかどうかという、6%を維持できるかどうかという問題は、今の段階では具体的な評価ができてないと、こういうお話でございました。これをそういうそれは事実として受けとめて、これから作業を進めていくときに、具体的な評価というのは、この新しくつくる基本計画で具体的な評価を進める手続をつくると、こういうふうに考えたらいいのかと。そして、そこで手続をつくって、その手続に従って具体的な評価をすると、ここから先のどこかの段階で6%が実施できるかどうかがみんなにわかってくると、こんなふうに考えてよろしいのかと。
 そこでもう一つお伺いしたいのは、浅野委員が先ほどおっしゃった、今までの計画というものはこの際やり直しをしてもいいのかという趣旨のお話が先ほどあったと思いますけれど、そのお話というのは、参考資料についているあのみんなの分担関係をこの際見直すということを意味するのか、おっしゃったその計画の見直しというのはどういうことを意味しているのか、その辺をちょっとお伺いをしたいと思うわけです。

【森嶌部会長】 今の点について、浅野委員からのご発言がありましたけれど、これは浅野委員がお決めになることではなくてこの部会が決めることでございますので、一応、私の考え方を申しますので、ご意見を伺えればと思いますが。
 最初の点につきましては、実質的に今のこの時点でこうやれば6%になりますということよりも、6%であるかどうかまだ確実でないわけですけれども、そういう具体化されたときに、きちっとそれをフォローしてやっていけるような仕組みづくりということが、先ほど安原検討チームの主査さんのご示唆だと思います。もちろんそういう手続だけつくっておけばいいというものではありませんけれども、これも環境基本計画ではむしろ具体的なそうしたチェックをしていく仕組みづくり、それから見直しも含めてどうやっていくかということを私としては、計画ですので、そういう点をきちっと今後詰めていただければというふうに思っておりますけれども、もちろんそれの手続だけではなくて、どういう手段を、手法を使うかなどということについてももちろんご議論いただいた方がいいと思うのですけれども。ただ、その手法を使ってもですね、先生おっしゃるように、どの時点でどういうどれだけのものができるのかということは、今の時点ではわかっておりませんので、それに対応できるような仕組みをつくっておくということだろうと思います。先ほどの、今までの環境基本計画に書かれている形では、これはもう今まで我々3回点検をやりまして、今の環境基本計画もいろいろあって、各省庁いろいろやっておられるけれども有機的なつながりがないということでございますし、それから温暖化の問題についても、その当時の知見を反映いたしまして、余りきっちりとしたプロセスが書かれていないので、そういうことを余り、もとの環境基本計画が前提として書いていたようなものをもう一度見直してですね、現在の知見と申しますか、現在の状況のもとで検討チームがご検討になったような形で展開していくのでいいのではないかというふうに私自身は考えておりますけれども。
 そこで浅野委員、そういう部会の方針についてご意見があれば承ります。

【浅野委員】 ということです。要するに私が申し上げたのは、今の環境基本計画の地球温暖化対策という項目のところに並んでいるシナリオは、多分、もう1回見直さなければいけないということを申し上げたわけです。そして、むしろ今回重点項目として掲げているものが、一つ一つばらばらではなくて、全部一つのストーリー性を持っているということを申し上げているのは、どれ一つをとっても、やはり究極のところ温暖化の話につながっていくような共通の根を持っているので、そういう一つ一つの重点項目をしっかり書いていくことによってですね、新しい21世紀の10年間ぐらいのシナリオが書けるのではないかと。とすると、温暖化対策というところで書くことは、多分、前のようにあれもやりますこれもやりますということをずっと並べるような形ではないものになるだろうということを申し上げたと。部会長の言うとおりでございます。

【森嶌部会長】 それでは、ほかにご注文。
 はい、どうぞ。

【塩田委員】 大変ありがとうございました。
 もう一つそれに関連してお伺いしたいのですけれども、先ほど茅委員がご指摘になった問題とも関連すると思うのですが、第2章、先ほどの問題に、地球温暖化の問題について考えると、具体的な項目ごとに検討して、それで対策については非常に一般的な対策が書かれているということは、多分、今のご指摘の現状の分析が十分できてないから、そういうふうな一般的なアプローチをして、そういう全体のこれからの作業をする枠組みをつくって、その枠組みで点検しながら進んでいくという、こういうような大きなシナリオを描いておられると、こういうふうに一応解してよろしいのでしょうか。

【森嶌部会長】 はい。先ほども申しましたけれども、現在やっております環境基本計画の見直しの作業と並行して、しかし、それとは別にですね、温暖化対策のあり方についてというのは、去年ぐらいまでやってちょっと中断しているのがありますので、これを先ほど安原主査もおっしゃいましたけれども、そこをきちっとやるようにということですので、もちろんサブスタンスについては、そこも含めてご検討をいただく、そして環境基本計画はそういうフレームワークづくりを考えると。環境基本計画の中に、この分野についてはこれをどうこうするということを細かく書き込む場ではないだろうというふうに考えております。

【塩田委員】 どうもありがとうございました。

【森嶌部会長】 ほかにございましょうか。時間が余りありませんので、いつも終わりごろになると、もうこの辺でと言うと三つも四つも手が挙がって困りますので、今のうちにどうぞ挙げておっしゃってください。ございませんでしょうか。
 今までかなりそれぞれの検討チームのご報告の際にご意見を承っておりますので、環境基本計画小委員会という形では伺っておりませんでしたけれども、そこでの今までのご議論も小委員会でご検討いただきたいというふうに考えております。
 ご意見がなければ、そのようにさせていただきますけれども、よろしゅうございましょうか。
 どうぞ。

【池上委員】 今、一番最後の基本計画の策定といいますか、各段階の話とちょっと違いまして、全般的な話、きょうお伺いしました地球温暖化の話でございます。

【森嶌部会長】 はい、結構でございます。

【池上委員】 それから、先ほど国際対応につきましても、ちょっとやはり環境省あるいは環境庁のスタンスが少し抜けているのではないかというふうに思いました。はっきり言いますと、実は先ほど赤い綴じた中に、基本計画見直しの基本的方向というのが11年3月、私、まだ委員ではなかったのですが、そのときに書いてありまして、一番最後のページにリスク論的アプローチの強化というふうなことが書いてあります。ということは、これはまさに環境を担当される部署の仕事ではないかと。それを反映した格好で温暖化対策なり国際貢献をするというふうな、その基礎が少し欠けてなかったかなというふうに思いましたので、これは当然、それは含まれているのだとおっしゃればそれまでですが、そこのところを忘れないように書いていただければありがたいというふうに感じたものですから、ちょっと発言させてもらいました。

【森嶌部会長】 ちょっと先生のご指摘と違う観点から書いたのではないかと思いますけれど、ご意見は承っておきまして、今後の審議に反映させていただきます。
 それでは、先ほどちょっと申しましたけれども、中環審で地球温暖化に関しまして、大分前のことになるのですが、平成9年の12月に今後の地球温暖化防止対策のあり方についてという諮問を受けまして、翌年の10年の3月に中間答申をしております。これは温暖化対策推進法、当時まだそんな名称はあれでしたけれども、そういうものをどうつくっていくかということで、基本的な方針ということでご議論いただいたわけでございますが、その際、中間答申では、本審議会としても京都議定書の履行を担保し得る制度のあり方について引き続き審議を進めるということになっておりますが、その後、幾つかのスケジュールが入ってまいりまして、一応、中間報告の段階でとまっているところでありますが、先ほどから安原委員のご報告にもありますように、COP5で京都議定書を2002年までに発効すべきだということを、我が国の方針としてCOP5の際に表明しておりまして、先ほど福川委員のお話もありましたけれども、なかなか見通しが厳しい中をですね、何とかCOP6に向けて京都メカニズム等を詰めていきたいということでございます。そして、先ほどからご指摘がございますように、まだその意味では6%の削減ということが、削減するという義務は負っておりますけれども、6%で削減いたしますということは、京都議定書が発効していないので、形式的といいますか、法的な義務は負っていないということになりますけれども、2002年に京都議定書が発効するということになりますと、その時点で慌てるというわけにはいかないわけでございますので、従来、一応中間報告のところでとまっておりました審議を再開をしたいというふうに考えております。もっとも温暖化が中心ではありますけれども、環境基本計画の見直しという大きな問題を抱えておりますので、その意味では同時並行にやらざるを得ないということになります。そして多分、見直しの作業が今年度末には終わらせないといけないと思っておりますけれども、終わった段階で、これからお話しいたします委員会で検討いただいて、あちこち委員会がありまして、委員会、委員会というのはどの委員会だとなりますが、それこそ先ほど事務次官の話ではないですけれど、所帯が狭いといっても小さいといってもこれだけいますけれども、中環審でいろいろなことをやるものですから、幾つも小委員会だとか検討チームとかというのをつくらなければなりませんけれども、ちょうどこの温暖化に関する検討チームの検討が一応終了しておりますので、今までご検討いただいたチームを中心に、しかしそれだけではございませんけれども、チームを中核として、地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会という、先ほどの環境基本計画の小委員会とはまた別に小委員会を立てまして今後検討を続けて、そしてそこでの検討を、多少、環境基本計画のめどがついたところぐらいで部会に上げていただくという、そういうことを考えております。
 メンバーを具体的にどうするか、これは今の段階で私は温暖化の検討チームの方、せっかくここまでお勉強いただいたわけですから、省エネのためにもですね、その方々を中心にした方がコストパフォーマンスがよかろうと、エフェクティブネスがよかろうというふうに考えておりますけれども、今の検討チームをそのままというふうには考えておりません。そして、またどのような方法で、特に基本計画との調整もございますので、その点もこれから、少し検討を始めておりますけれども、これから検討をいたしまして、部会の方にこういう方針でこの温暖化の方の小委員会を進めたいというご報告をさせていただきたいと思います。
 きょうのところは、幾つも幾つも小委員会をつくってどうするんだというお話もあるかもしれませんけれども、いろいろな仕事を同時に手をつけていかなければなりませんので、こちらの方にも小委員会を設けたいということをご了承いただきたいと思いますけれども、いかがなものでしょうか。
 並行してと申しましたけれども、それでは基本計画でも、今までお話がありましたように温暖化も、しかも先ほどの浅野委員ではありませんけれども、多分、温暖化がすべてのチームのご検討のいわばそれをつなぐ底辺のところに存在することになりますので、この温暖化防止対策のあり方に関する小委員会というのが全く基本計画と無関係にあるというのでは、これもまたエフェクティブネスが、コストエフェクティブネスが悪うございますので、小委員会での検討は関係する限りで、部会のこれから一応もう一つの小委員会が出していただいたたたき台を検討していく過程で反映をさせていただければというふうに思います。
 よろしゅうございましょうか。余り幾つもつくって、特にそこの委員にはめ込まれる方の負担が非常にふえると思いますけれども、よろしくお願いをいたしたいと思います。何か、はい、どうぞ。

【寺門委員】 今まで地球温暖化チームで検討してきたからあれなのですけれど、先ほど福川委員がおっしゃられたように、ここから先というのは非常に広いですね。そこら辺をやると、また何かタコつぼにはまりそうなので、もう少し議論が広く広がるような、そういう組み合わせというのは、先ほど福川委員から提案のあったようなことはあり得るのでしょうか。

【森嶌部会長】 ちょっと今、福川先生のご提案になったどの部分ですか。

【寺門委員】 例えばもっといろいろな、この問題を深めていく場合のですね…。

【森嶌部会長】 各省庁なんかと議論すると、そういうお話ですか。

【寺門委員】 そういう議論がないとですね、今までの議論のあれだとポリシーミックスしか残ってないと、極端に言うとそういうことになりかねないんですね。また同じ議論をせざるを得ないと。私の立場としては、やはりそこら辺をよくにらんでやってもらいたいということしかなくなってしまうわけでして、そういうことで、並行してあり方というのを議論するというときに、どういうことをどう議論していくのかというのが余り頭の中に浮かばないものですから。

【森嶌部会長】 今の段階でこれはこっちこれはあっちということではございませんけれども、あくまでも検討チームでご検討いただいたのは、環境基本計画の中にどういう問題を、どういうエレメントを持ち込むかということでございます。そこで、具体的な手法・施策についても、環境基本計画の中で議論するために議論をしていただいたとは思うのですけれども、個別の対策そのものをご議論いただくということが目的でなかったと思うんですね。ただ、何もなしにポリシーミックスというわけにいきませんから、どういうのがあるということでしたけれども。これに対して、一応、温暖化防止対策のあり方についてという諮問を受けておりまして、今まで出したのは中間報告ということでございますから、いつそれを最終報告を出すのかということは、COP6とかその他の動きも見ていかなければならないと思いますけれども、そのあり方について企画政策部会が議論する場合には、これは当然かなり詳細にわたった議論をいただかなければならないと思いますし、それをするためには、先ほど福川委員がご指摘のように、環境庁だけがこれだと言ったって動くわけではありませんから、動くようなやり方をしなければなりません。そうすれば、各省庁ももちろんですし、それから産業界もそうでしょうし、NGOとか、そういうようなところともディスカッションをしながらやっていくということにならざるを得ないと思いますけれども、とりあえず中間報告以後、どういう変動があってどういうことが考えられるかということをこの小委員会においてご検討いただきたいというふうに思っておりますけれども、一応、役割分担としては、環境基本計画というのはほかのいろいろなテーマがございまして、それの中で温暖化対策というのを位置づけていくということでありますけれども、今、私が申し上げた小委員会というのは、諮問に対してこういう対策を立てていくべきではないかということの答申であります。ただ、今の時点で、では具体的に両者がどこがどれだけ違ったものができるかということについては、むしろご審議いただく過程で考えていきたいと、あるいは決まっていくことは多いというふうに思っております。寺門委員のご懸念といいますか、ご不安は十分に理解をしておりますので、これはまたむしろ全体の部会の中でご検討いただきたいというふうに思っております。
 それでは、時間もまいりましたので本日の審議を終了させていただきますが、二つの小委員会の運営方針、あるいはきょうの二つの検討チームのご報告等につきまして、本日お述べにならなかったご意見がございましたら、事務局まで文書で伝えていただきたいと思います。
 先ほど申しましたように、企画政策部会としてはしばらくお休みをいただくことにいたしまして、8月上旬ぐらいまでということは、お盆休みに働くことになるかもしれませんけれども、いつするかということにつきましては、環境基本計画小委員会での審議の状況を見まして、後日、ご連絡をいたします。
 ほかに、事務局よろしいですか。
 それでは、本日はこれにて閉会をいたします。どうも長時間にわたってありがとうございました。

 <以 上>