< 概 要 > ┌───────────── 本答申の趣旨・背景 ──────────────┐ │ │ │ 環境との直接の接点である最終処分場のあり方を基点として、総合的かつ体系 │ │的な廃棄物対策について検討を行い、今般、以下の事項を答申。 │ │ │ │ 1 最終処分に関する基準の見直し等 │ │ 2 有害物質を含む使用済み製品に起因する環境負荷の削減方策 │ │ 3 総合的・体系的な廃棄物・リサイクル対策の基本的方向 │ └─────────────────────────────────────┘ 第1章 最終処分に関する基準の見直し等 ┌──────────── 最終処分の環境負荷削減 ────────────┐ │ │ │ 環境との直接の接点である廃棄物埋立処分における環境負荷を低減し、埋立処分│ │場に対する国民の信頼を回復するため、最終処分に関する基準の強化が必要。 │ └─────────────────────────────────────┘ ┌────────────最終処分に関する基準の強化等───────────┐ │ │ │<最終処分基準> │ │ ○安定型処分場(遮水工を要しない最終処分場)に処分できる廃棄物を │ │ 汚染の原因となる物質の付着・混入がないものに限定 │ │ ・ガラスくず及び陶磁器くず:ブラウン管、石膏ボード等を除外 │ │ ・建設廃材(コンクリートがら等):分別排出、選別の徹底 │ │ ・廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず等:汚染のおそれのないものに限定│ │ (リサイクルを推進し、処分量最小化を図る) │ │ │ │<最終処分場の構造基準、維持管理基準> │ │ ○安定型処分場: │ │ 搬入される廃棄物の展開検査等による厳格な搬入管理、 │ │ 水質モニタリングの実施 │ │ ○管理型処分場(遮水工を要する最終処分場): │ │ 遮水工の二重化、保護層の設置等遮水機能の強化、放流水水質基準の強化 │ │ ○遮断型処分場(周辺環境から遮断された、有害廃棄物の最終処分場): │ │ 鉄筋コンクリート壁の採用、壁内面被覆等構造の強化 │ │ │ │<最終処分場の廃止基準> │ │ ○最終処分場の廃止にあたり、浸出水の水質、ガスの発生等により環境に悪影響│ │ を及ぼさないことを確認 │ │ │ │<その他> │ │ ・既設処分場についても可能な基準は適用 │ │ ・今後、廃止後の跡地の利用における環境汚染防止のための仕組みについて検討│ └─────────────────────────────────────┘ 第2章 有害物質を含む使用済み製品に起因する環境負荷の削減について ┌────────増大する環境リスクと将来世代への負担の先送り───────┐ │ │ │・鉛、カドミウムなどの有害物質が使用された製品が大量に生産・消費され、いず│ │ れ廃棄されることにより、これらの有害物質が大量に蓄積。 │ │・こうした有害物質の投入・蓄積による様々な環境リスクの増大が懸念される。 │ │ 特に、最終処分場において増大する環境リスクとその管理の負担の将来世代への│ │ 先送りは重大な問題。 │ │ ↓ │ │ こうした環境リスクに対し、最終処分という最下流のみでの対応に依存し続ける│ │ことは不適当であり、上流にまでさかのぼった総合的な環境リスク低減対策が必要│ └─────────────────────────────────────┘ ┌──────────総合的な環境リスク低減対策の基本的方向────────┐ │ │ │○製品中の有害物質の使用量の削減 │ │○使用済み製品に含まれる有害物質の環境保全上適切な回収・リサイクル │ │ −環境保全の観点からの有害物質の回収・リサイクルの水準・方法の設定 │ │ −隙間のない環境汚染防止措置 │ │○有害物質の回収・リサイクルのための社会システム │ │ −消費者による分別排出、製造者によるリサイクルの実施など、関係者の適切な│ │ 役割分担による取組の推進 │ │○積極的な情報開示の推進と環境リスクを定量的に把握・評価するための仕組み │ │○社会全体の取組み目標 │ │○国民意識の醸成 等 │ └─────────────────────────────────────┘ ┌────────────施策の具体化に向けて───────────────┐ │ │ │ ○総合的な環境リスク低減対策の具体化 │ │ −特に、環境汚染のポテンシャルが高いと見込まれるブラウン管の鉛、ニカ │ │ ド電池のカドミウムについては早急な検討が必要。 │ │ │ │ ○情報の定量的把握とその社会的共有の推進 │ │ │ │ ○知見の充実に応じた適切な施策の充実 │ └─────────────────────────────────────┘ 第3章 総合的体系的な廃棄物・リサイクル対策について ┌──────────────一方通行の現代社会──────────────┐ │ │ │・現在の社会経済システムは、多大な資源を必要とするとともに、 │ │ 多量で質的にも自然界では分解することが困難な物質を廃棄物として環境中に │ │ 排出 │ │・最終処分場の残余容量の逼迫、 │ │ 有害物質の検出など最終処分場周辺での環境汚染の懸念 │ │・ワンウエイ化の進行等の発生抑制やリユースの促進に逆行する傾向、 │ │ 市況の悪化等によるリサイクルの停滞 │ │ ↓ │ │ モノの利用に伴う環境汚染への対応を「廃棄物処理」という形で │ │ 最下流にしわ寄せする現在のシステムは既に限界 │ └─────────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────────┐ │ 現在の廃棄物問題を抜本的に解決するためには、 │ │・モノの循環がとぎれなく行われるとともに、 │ │・モノの循環全体にわたり適切な環境保全の対策が講じられている │ │ 廃棄物・リサイクル一体となった隙間のない物質循環の輪を構築することが必要│ │・その際、全ての主体の取組が確保され、創意工夫が活かされる柔軟性のあるシス│ │ テムとなることが必要 │ └─────────────────────────────────────┘ ┌─────── 日本型の物質循環社会形成の方向と課題 ───────┐ │ │ │ ○発生抑制等の上流対策の強化 │ │ ○取組の目標の設定 │ │ ○各主体の取組を促すための情報提供 │ │ ・消費者の行動を促す情報 │ │ ・再生資源の利用を促進する情報 │ │ ○市場を活用しながら物質循環を促進する手法 │ │ ・経済的手法 │ │ ・再生資源利用量義務づけ等の直接的手法 │ │ ・逆流通ルートの活用、デポジット等循環の輪をつなぐ手法 │ │ ○物質の流れの把握 │ │ ○上流対策とセットになった適正処理の確保 │ │ ○再生品等の利用の拡大、リサイクルに際しての環境汚染の防止、 │ │ 技術開発 │ └─────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────┐ │ 廃棄物・リサイクル一体となった │ │ 望ましい物質循環を促進する総合法制の樹立 │ └─────────────────────────────────┘