中央環境審議会水環境・土壌農薬部会 瀬戸内海環境保全小委員会(第27回)議事録

議事次第

開会

議題

 (1)瀬戸内海環境保全基本計画の変更について

 (2)その他

閉会

出席者

委員長 西嶋渉委員長
委員

大久保規子委員、大塚直委員、高村典子委員、中川めぐみ委員、白山義久委員、三浦秀樹委員、池道彦委員、岩崎誠委員、沖陽子委員、岸本直之委員、小谷祐介委員、齋藤光代委員、田中宏明委員、西村修委員、大上和敏委員、古川恵太委員、山田真知子委員、鷲尾圭司委員

オブザーバー

山口県環境政策課水環境班主査

事務局

環境省:水・大気環境局長、水・大気環境局総務課長、総務課政策企画官、水環境課海洋環境室長、海洋環境室長補佐、閉鎖性海域対策室長、閉鎖性海域対策室長補佐、閉鎖性海域対策室審査係長、閉鎖性海域対策室係員

農林水産省:水産庁増殖推進部漁場資源課長補佐、漁港漁場整備部計画課計画官

国土交通省:港湾局海洋・環境課長補佐、水管理・国土保全局海岸室課長補佐、河川環境課長補佐、下水道部流域管理官付課長補佐、下水道部流域管理官付課係長

議事録

午後3時30分開会

○福井係長 定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会水環境・土壌農薬部会第27回瀬戸内海環境保全小委員会を開会いたします。

 私、前回に引き続き、本日の事務局側の司会進行を務めます福井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席をいただき誠にありがとうございます。

 本日の出席状況でございますが、専門委員を含め19名の御出席を予定しております。また、委員及び臨時委員7名中、7名の御出席をいただいており、定足数である過半数を満たし、本小委員会は成立することを御報告いたします。

 また、佐伯委員、神杉委員につきましては、御都合により御欠席との連絡をいただいております。

 なお、オブザーバーとして、山口県環境政策課水環境課の主査、林武男様に御参加いただいております。

 本小委員会は、新型コロナウイルス感染防止の観点からウェブ会議での開催となり、委員の皆様には御不便をおかけいたしますが、御不明な点がございましたら、事務局までお電話によりお知らせください。

 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。

 事前に、昨日午後にメールでお送りした資料を、必要に応じお手元に御準備をお願いいたします。

 画面上に、配付資料一覧を表示いたします。議事次第、名簿、参加者一覧に加えまして、資料2-1、瀬戸内海環境保全基本計画の構成(案)。資料2-2、瀬戸内海環境保全基本計画(案)。

 参考資料1、瀬戸内海環境保全特別措置法(現行)。参考資料2、瀬戸内海環境保全特別措置法(令和3年改正、施行後版)。参考資料3、瀬戸内海環境保全基本計画(平成27年閣議決定)。参考資料4、瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について(答申)(抜粋)。参考資料5、瀬戸内海における特定の海域の環境保全に係る制度の見直しの方向性(意見具申)となっております。

 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただいており、環境省水環境課公式動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行っています。

 議事中、委員長及び発言者以外は基本的にマイクをミュートに設定させていただきます。

 それでは、この後の議事の進行につきましては、西嶋委員長にお願いしたいと思います。西嶋委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○西嶋委員長 西嶋でございます。

 委員の皆様におかれましては、大変御多用の折、御出席いただきまして誠にありがとうございます。

 それでは、早速ですが、議事に入りたいと思います。

 議題の1は、瀬戸内海環境保全基本計画の変更についてということでございます。最初の議題は、瀬戸内海環境保全基本計画の変更についてとなっておりますが、まずは、今回の基本計画の内容につきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。

 それでは、事務局から、資料2-1及び2-2について、御説明をお願いいたします。

○浜名室長補佐 環境省水大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室の室長補佐をしております浜名と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、早速、資料2-1について御説明させていただきます。

 資料2-1は、瀬戸内海環境保全基本計画の構成(案)について、でございます。

 本資料の左側が、前回、第26回小委員会でお示しいたしました構成(案)でございます。前回、構成案や骨子案をお示しし、御説明をさせていただいたところですが、その中で、構成についても多くの御指摘をいただきました。いただきました御意見・御指摘を踏まえまして、右側の案を新たに作成してまいりました。黄色のハッチの部分が前回からの変更点になります。いただきました御意見の概要等と併せまして、変更点について御説明いたします。

 まず、第2のタイトルでございます。もともと、現行計画では、「計画の目標」としているところ、前回、「計画の方向性」と改める案をお示しいたしました。本基本計画を基に関係府県が各府県計画を作成するため、この計画は大方針を記載するというものでございまして、数値目標を想起させるような「目標」という言葉を改めることを考えていたわけでございますが、大久保委員から、数値目標を定めていない計画も多々あるという御指摘もいただきまして、また、本文の記述について、鷲尾委員や白山委員から、SDGsに係る記述も盛り込んではどうかという御提案をいただきました。SDGsというのは、まさに大きな方針でございまして、数値目標ではないゴール、目標というものを記載しているということを踏まえまして、この部分、「計画の目標」に戻すことにいたしました。

 次に、第2の3の部分ですが、ここは「海洋プラスチックごみを含む漂流・漂着・海底ごみへの対応について」というものと、「気候変動等への対応について」というもの二つに分けるというようにしております。前回、いろいろなものを飲み込んだ項目になっていましたが、今般の瀬戸法の改正のポイント四つに沿った構成とすることで、メッセージを明確にしようとするものでございます。

 また、これに併せまして、第3についても、前回3部構成であったところを、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等の除去・発生抑制等、気候変動への対応を含む環境モニタリング、調査研究等の推進というのを独立させまして、基盤的施策の着実な実施と合わせて5部構成に改めております。

 また前回、第2、第3を踏まえて検討としておりました第4の計画の点検についても、今般作成いたしました。後ほど、資料2-2、基本計画案の御説明の中で取り上げさせていただきます。

 資料2-1の説明はここまででございます。

 続きまして、資料2-2、瀬戸内海環境保全基本計画(案)について御説明いたします。

 1ページ目、第1 序説でございます。ここは、前回お示ししました骨子案では、現行計画を踏襲、としておりました。基本的には変わりようがないところかと思いますので、現行計画と同じ記述としております。

 なお、前回の審議会で、この計画の性格等に係る御質問をいただいておりまして、そこに沿った部分を説明させていただきます。

 14行目から17行目、「基本的方向を明示するとともに、諸施策の実施に当たって指針となるべきもの」としております。

 また25行目から27行目のとおり、計画の期間はおおむね10年。策定からおおむね5年ごとに点検を行い、必要に応じて見直しを行うこととされています。

 続きまして、2ページ目でございます。第2 計画の目標の柱書きでございます。こちらは、骨子案の段階で結構しっかり書き込んでおりましたので、こういった場所は、いただいた御意見を踏まえて作成したところを中心に御説明いたします。

 先ほど、資料2-1の中で御紹介いたしましたが、30行目から3ページの1行目にかけまして、SDGsについて新たに記述を追加しております。また、2ページの13行目から19行目、瀬戸内海の環境保全に係る施策同士が相互に関係し合っていることを、より明確になるようにということで記述しております。こちらは、前回、齋藤委員から御指摘をいただいて、それを踏まえた文言となっております。

 続きまして、3ページの5行目から8行目、昨今のコロナ禍による地域への影響と、それから、十分分かっていない気候変動の影響といった視点についても記述しております。こちらは鷲尾委員、齋藤委員、それから会議の後に西村委員からも同様の御指摘をいただいており、それを踏まえた記述となっております。

 続きまして、3ページの10行目からですが、水質の保全及び管理並びに水産資源の持続可能な利用の確保についてです。ここは、今般の法改正の一丁目一番地のようなものですので、骨子案の段階で、かなりしっかり書き込まれていたところでございます。白山委員から、栄養塩類の管理について、順応的な管理の考え方というのをしっかり記述すべきといった御指摘をいただきました。19行目の、「なお」以下が対応する記述でございますが、さらに注釈で、「順応的な栄養塩類の管理」について、追記しております。

 続きまして、4ページ目、9行目からが、沿岸域の環境の保全、再生及び創出、並びに自然景観及び文化的景観の保全についてです。この部分についてですが、骨子案の際にいただきました御意見を踏まえまして、16行目から21行目で、Nature-based Solutionsの考え方ですとか、ブルーカーボンへの期待などについて追記しております。こちらは、大久保委員、三浦委員他からの御意見でございます。

 また、今般の法改正の柱の一つでございます自然海浜保全地区につきまして、審議会後に髙村委員から、新しい視点というものはどういったものであるか、もう少し記述したほうがよいのではないかという御指摘をいただきました。こちらを踏まえまして、27行目から30行目を作成してございます。

 続きまして、4ページ目、32行目以降、海洋プラスチックごみを含む漂流・漂着・海底ごみへの対応について、それから、5ページ目の12行目ですが、気候変動への対応についてということでございます。先ほど、構成案のところで御説明いたしましたが、前回、ひとまとまりになっていたところを、項目を分けて、それぞれ一本立ちさせているところでございます。内容につきましては、いずれも骨子案でお示ししたものを踏襲した記述となってございます。

 6ページ目でございます。第3 基本的な施策の柱書きの部分でございます。こちらも、ポイントとなる記述は骨子案でお示ししているところでございます。古川委員から、科学的なデータの蓄積というのは大事だが、順応的な考え方で前に進めるということがきちんと分かるようにという御指摘をいただきました。生物の応答というのは非常に複雑であるため、ですので、引き続き調査・研究が必要ということになっております。一方で、分かっている範囲で順応的な考え方に基づいて取組を進めるということも重要でございますので、御指摘の趣旨を踏まえまして、18行目から20行目で、その旨を記述しております。

 23行目からが、水質の保全及び管理並びに水産資源の持続可能な利用の確保でございます。(1)から(6)、9ページの5行目までとなってございます。

 まず、(1)水環境管理の観点からの汚濁負荷の低減というところでございます。基本的には現行計画を踏襲しています。骨子案の際に、田中委員から御指摘がございました底層DOの類型指定を進めることの必要性といったものについて、6ページの29行目から32行目で記述してございます。

 7ページ目、(2)下水道等の整備の促進等ということで、こちらも、基本的には現行計画を踏襲したものとなっておりますが、栄養塩類へのニーズというものが海域ごと、季節ごとに異なるということを意識いたしまして、13行目から16行目で、その状況を踏まえた記述としております。

 18行目から(3)湾奥部をはじめとする底層環境等の改善、こちらもポイントとなる記述は骨子案でお示ししたものとなっております。前回の審議会で、田中委員から、エリアや季節によって、更に汚濁負荷対策が必要なところがあるという御指摘をいただきました。海域ごと、季節ごとのきめ細かな対応と、対策の重要性というのは、本年3月の第9次水質総量削減の在り方に係る中央環境審議会の答申でも記載されているところでございまして、これも踏まえまして、28行目から29行目で、その旨、強調しております。

 8ページ、4行目、油等による汚染の防止でございます。前回、現行計画を踏襲というもののみで、本文を全く記載していなかったところですが、以前に比べれば、その大きな事故というものは少なくなっていますが、ひとたび起これば、やはりそのインパクトというのは甚大なものでございますので、この部分は引き続き記載しています。

 15行目の栄養塩類の管理等でございます。今般の法改正も踏まえまして、新たに立てた項目でございます。ポイントとなる記述は骨子案にお示ししたものとなってございます。

 30行目、(6)水産資源を含む生物の生息環境の整備等でございます。ここは、基本的に現行計画を踏襲しているところでございますが、ブルーカーボンに係る記述を追加するなどの更新を行っています。また、前回、鷲尾委員から、レジャーフィッシングについても、地域の関係者として関わってもらうことの重要性というのを御指摘いただきました。地域ごとに関わり方や求められる内容といったものにも違いがあるかと承知しておりますので、9ページ、3行目から5行目の記述としてございます。

 9ページの7行目からですが、沿岸域の環境の保全、再生及び創出、並びに自然景観及び文化的景観の保全でございます。(1)から(6)、11ページ、25行目までとなっております。

 (1)自然海浜の保全等でございます。現行計画の記述を踏襲しつつ、新たな事項、ポイントになる記述については骨子案にお示ししておりますが、そちらに沿って記述しております。また、前回、鷲尾委員から幾つか御指摘いただいていまして、干潟や藻場の再生が現実的でないような場所でも、藻類を活用した対策があるといったお話ですとか、それから、保全策を複数取り入れる、取ることができるような場所については、その保全策の連携というものも重要であるといった御発言をいただきました。22行目の「なお」以降、大阪府が行っているモデル事業などを意識した記述をしておりまして、また、26行目の(ア)の後半の部分も、保全策が複数ある場合の連携が重要だといった考え方を追加してございます。

 また、実際、自然海浜保全地区については、従来は国立公園と重複させないといった考え方を示していたわけですが、今般の法改正を機に、そういう縦割りにもつながりそうなものは廃止するべく、関係者と調整を行っておりまして、このような制度の運用については、この基本計画だけではなくて、施行通知、いずれ改正法の趣旨とかそういったものを環境省から関係府県にお示ししていく文書を作成するのですが、そういったものの中でも記載していこうと考えております。

 10ページ目、9行目、(2)海砂利の採取の抑制についてです。基本的に現行計画を踏襲しております。前回、鷲尾委員から、愛知県でのサンドドレーンにより上流域の堆積土砂を下流側に供給する事例について御紹介いただきました。具体的な工法まで書いてしまいますと、場所ごとに採用できるかできないかというものもございますので、堆積した土砂の有効活用といった観点で、19行目から22行目に追記してございます。

 24行目、(3)埋立てに当たっての環境保全に対する配慮でございます。こちらは現行計画を踏襲した記述でございます。

 37行目、(4)、もうタイトルだけで文章は11ページに行きますが、(4)エコツーリズム等の推進でございます。これも現行計画を踏襲しつつ、前回、中川委員から御質問をいただきました、その漁村の風景や生業といったような、そういったものも含めて、明示的に記載いたしました。

 11ページ、13行目、(5)健全な水循環・物質循環機能の維持・回復、それから22行目、(6)島しょ部の環境の保全です。こちらは、前回、第3の3に位置づけていたのですが、第3の2の内容と親和性が高いということもございまして、今般の構成の変更に合わせて、記載場所の変更を行っております。記述については、現行計画を踏襲してございます。

 11ページ、27行目、ここからは、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等の除去・発生抑制等です。(1)から(3)、13ページの11行目までとなってございます。

 もう御存じのとおりですが、内海という地形の特性上、瀬戸内海地域の海ごみのほとんどが、沿岸や海域で発生しているだけではなく、内陸部を含む瀬戸内海地域で発生して、それが海に到達して、海を漂った後に瀬戸内海のどこかにたどり着くということが分かってきてございます。このことから、内陸部も含めた取組の促進や強化により、状況が大きく改善する可能性というものが示唆されているとも言えまして、今般の法改正の柱の一つにもなっております。前回、構成に係る御意見を多数いただきましたことも踏まえまして、独立して1項目立てることといたしました。

 29行目、(1)海岸漂着物等の除去及び内陸地域を含む漂流ごみ等の除去・発生抑制等について、より具体的に記述してございます。

 12ページの23行目、(2)プラスチックごみ対策の推進でございます。御承知のとおり、プラスチックというのは容易に分解しないため、そもそも流出させないということも併せてですが、積極的に回収したり、代替素材への転換というのを進めたりといったことをしていく必要があるといったことが記述されてございます。

 33行目、(3)循環経済への移行でございます。大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済から、サーキュラーエコノミーへの移行をということで、現行計画の記述を大幅に充実させてございます。

 続きまして13ページ、13行目からです。ここからが気候変動への対応を含む環境モニタリング、調査研究等の推進でございます。(1)から(3)、14ページの11行目までとなってございます。先ほどの海ごみのところと同様、ここの記述も、前回、構成に係る御意見を多数いただきましたことを踏まえまして、独立して1項目立てるということにしてございます。

 15行目が、(1)監視測定の充実、調査研究等の推進です。現行計画の記述を踏襲している部分というのも多いのですが、これまでも説明しておりますとおり、生物の応答というのは様々な要因が複雑に影響した結果でございまして、メカニズム等も含めまして、なお不明な点が多いという状況でございます。ですので、ここの分野は、調査・研究といったもの、モニタリングといったものは引き続き重要と考えております。

 また、今般の法改正においても、気候変動による水温の上昇、その他の環境への影響が瀬戸内海においても生じていること、及びそれが長期にわたり継続するおそれがあることということを踏まえて、この観点を基本理念に盛り込むといった改正を行っておりますので、そのことも意識した記述としてございます。

 14ページの1行目、(2)技術開発の促進でございます。内容は、現行計画の記述というものを踏襲してございます。

 7行目、(3)栄養塩類管理等における、最新の科学的知見に基づく評価でございます。骨子案でお示しした記述をベースにしたものとなってございます。

 14ページ13行目から、こちらが基盤的施策の着実な実施について、でございます。こちらも前回、第3の3でひとくくりにしていたところから独立させております。(1)から(5)、16ページの14行目までとなっております。

 基本的に、現行計画を踏襲した記述としておりますが、(1)の環境保全思想の普及、広域的な連携の強化等においては、14ページの16行目から19行目、それから、15ページの1行目から8行目で、前回、山田委員から御指摘いただいた湾・灘協議会にかかる記述を充実させてございます。

 また、15ページの26行目、(3)の環境教育・環境学習の推進では、鷲尾委員、それから大上委員から、海での子どもたちの体験活動の再構築であるとか、国立公園等の保護区を活用した学習が保護施策への理解を深めること、それから、平成29年の学習指導要領の改訂に係る御指摘をいただき、それらを踏まえた記述としてございます。

 17ページ、18ページが、第4 計画の点検です。昨今の選択と集中といった観点を踏まえて内容を精査いたしまして、現行計画からは項目を絞るということをいたしました。その上で、今般の法改正も踏まえまして、新たにつけ加えた項目を中心に御説明いたします。

 まず、15行目、栄養塩類管理計画策定数、当該計画に基づく栄養塩類増加措置の実施施設数です。海域ごと、季節ごとに、栄養塩類に係るニーズは様々でございますので、多ければ多いほど良いというものではなくて、ニーズがある場所で適切な規模で、という趣旨ですが、今般の法改正に対応した項目として追記してございます。

 19行目、藻場・干潟ビジョン策定件数です。こちらは水産庁と関係府県による施策ということでございますが、これに基づいて、藻場・干潟の保全・再生・創出等を進めていくこととなっております。

 27行目、自然海浜保全地区の新規指定数、箇所数、それから、5年以内の保全状況の点検実施箇所数です。従来から、自然海浜保全地区の箇所数というのは項目に入っていたわけですが、今般の法改正のポイントであること、それから、令和2年3月の瀬戸内海の在り方の答申にも記述されていますが、指定されているというだけではなくて、継続的に点検することと併せて、保全の取組を維持・活性化していくといった観点も重要でございますので、点検の実施についても項目に加えさせていただいております。

 18ページの2行目から5行目、こちらは前回、大塚委員から御指摘をいただきましたが、海ごみに係る項目として新たに加えてございます。

 また、気候変動に係る指標については、8行目、9行目でございます。関係がありそうな項目となってまいりますと、あれこれいろいろ挙がるわけですが、なかなかドンピシャなものが挙げにくく、また、過去から一定程度継続したデータがあって、今後も取りやすいものかどうかといったような観点で考えますと、なかなか難しいという状況がございまして、ここでは、この2項目としているところでございます。

 資料の説明については以上でございます。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまから、今の説明に対しまして御意見・御質問をお受けすることにいたします。ただ、少し長いので、2つに分けて、質問・御意見を受けたいと思います。

 まずは、資料2-1と資料2-2の、途中の第3の1、具体的には、9ページ目の上から5行目まで、そこまでと第3の2、それ以降を分けて、御質問・御意見をいただきたいと思います。

 御発言がある委員は、画面右側の挙手ボタンをクリックしていただいて、私から名前を指名させていただきますので、御自分でミュートを解除いただき御発言ください。発言が終わりましたら、再度ミュートを設定するようにお願いいたします。

 それでは、上から、お願いしたいと思います。

 古川委員、よろしくお願いいたします。

○古川委員 ありがとうございます。海辺つくり研究会の古川です。

 では、今の範囲の中で二つ、御指摘、御審議いただきたい点を申し述べたいと思います。

 一つは、資料の2-1で構成案を再度示していただきました。とても分かりやすくなったなと思いますが、第3の基本的な施策の中の5番目が、施策そのものではなくて、施策のための実施のフレームを示しています。それに対応する計画の点検というのが、本文の柱書きのところでは、先駆的な取組について具体的な事業の取組事例の把握などをしますというように、重要であるというような記述があるのですが、この第3の施策の5番目がきちんと実行されているということは、この計画の大きな肝になるし、その一個々々を個別に判断するのではなくて、施策として、全体として評価されるべきものかなと思っています。

 ですから、御提案としては、第4の計画の点検の最後に、明示的にアウトカムの、個々の指標が成立した後のアウトカムの成果ですとか、ベストプラクティスだとかといったものを、やはり定性的というか、文章的に表現することになろうかと思いますが、点検の項目に入れていただくということを、再検討をお願いしたいというように御提案申し上げます。

 もう一つは単純な指摘で、資料2-2の2ページ目の30行目のところ、前回の指摘を受けてSDGsの記載が入りました。今回の計画が、おおむね10年間の計画であるということから、このSDGsに言及するのであれば、このSDGsの目標年次である2030年が、その計画年次の中に入っているということなので、ここのパラグラフも読んでいくと最後に重要な視点であると書かれていて、何かSDGsは、少し外にある大きな目標です、くらいに読めてしまうので、自分たちの計画の中で、このSDGs2030年の目標をきちんと実行するんだというような、もう少し強いコミットメントを示すような言葉、重要なということだけではなく、この実施に寄与することの覚悟を書くような言葉に代えていただいてはいかがかと思います。

 私からは以上です。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 2点いただきましたので、事務局から回答いただけますか。

○浜名室長補佐 環境省、浜名でございます。ありがとうございます。

 この基盤的な施策の着実な実施のところは、場所ごとに特性があるということもあって、なかなか、指標化しづらい部分ではあったのですが、まさに古川委員のおっしゃるとおり、そのベストプラクティスといったものの事例紹介、そして、それを横展開していくといった姿勢は非常に重要だと思っておりますので、本文のほうで書きぶりを工夫してみたいと思います。ありがとうございます。

 それから、SDGsのところです。この計画は、先ほど資料説明の際に申し上げましたとおり、おおむね10年の計画で、おおむね5年ごとに見直しを行うということになってございますが、まさに、この10年目のところにはしっかり重なってくるところでございますので、表現ぶりについて、改めて検討してみたいと思います。

 ありがとうございます。

○西嶋委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、大塚委員、よろしくお願いいたします。

○大塚委員 はい、恐れ入ります、大塚です。

 2点、簡単に申し上げさせていただきたいと思います。各委員の発言について、非常に丁寧に対処していただいて、まず感謝申し上げておきたいと思います。

 1つ目です。資料の2-2の2ページでございますが、23行目のところに、地域循環共生圏の話が出ています。第5次環境基本計画との関係での点検というのも、この部会もまた、そのうちまたやると思いますが、地域循環共生圏は、これからの日本において、地域が自立していくということも含めて、非常に重要な施策だと考えていますが、この瀬戸内海との関係では、岡山県の備前市でカキ殻を使って、土壌改良剤に使っているというようなところとか、いろんな事例が、今までも議論が出ていたと思いますが、簡単にひと言だけ触れているというような感じになっているように思いますので、もう少し詳しく書いていただけると大変有り難いということが第1点でございます。

 それから、第2点でございます。第3の1の最後のところに、多分ぎりぎり入ると思いますが、9ページの2行目のところでございます。他の海域から入り込む魚介類や微生物等が瀬戸内海の特性によりその水質や生態系、水産資源等に大きな影響を及ぼすということで、十分留意するということが2行目に書いてありますが、例えば、ナルトビエイなどについては駆除も必要になってきますので、留意するというと、少しソフトな感じがいたしますが、駆除なども入るということがもし書けたら、書き込んでいただけると大変有り難いということでございます。

 以上でございます。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 では、今の意見について、事務局からお答えください。

○浜名室長補佐 環境省、浜名です。ありがとうございます。

 まず、1点目の地域循環共生圏のところです。環境省の中でも非常に重要な考え方でございますので、決して、そのひと言だけ、何となく触れてみたということではないのですが、そういった部分、もう少し具体性を持って補強できるように、関係課と表現を検討して修正したいと思います。

 それから、今、お話しいただきました9ページの2行目の十分留意するという部分です。先生、具体的にお話しいただいた、そのナルトビエイのお話も含めて、少し水産庁と相談してみたいとは思います。十分留意するだけではなくて、具体的にやっていることもあるので、表現を検討したいと思います。

 ありがとうございます。

○大塚委員 ありがとうございました。

○西嶋委員長 はい、よろしいですかね。

 では、鷲尾委員、よろしくお願いいたします。

○鷲尾委員 すみません、ありがとうございます。

 いろいろ工夫して書き込んでいただきまして、有り難いと思っております。座長から指摘があったところを、少しまたいでしまいますが、自然海浜の保全に関わる話が幾つか出てきているのですが、環境省の別の部署では、海洋保護区の話が出ております。気になったのは、少し範囲を超えるのですが、9ページの2627行目のところです。瀬戸内海の自然景観の核心的な地域は、その態様に応じて保護区として適正な保全を図るという、保護区というキーワードが出てきております。これを今言いましたようなMPAとしての海洋保護区とごっちゃになってしまいますと、もう少し丁寧に書いたほうがいいのではないかと思います。

 恐らく、この文言の中では、自然海浜保全地区を意図して書かれているのだと思いますが、海洋保護区については、水域の10%を現在設定しております。これは、こういった自然海浜保全地区だけではなく、何らかの方法で法的規制がかけられている水域ということで、共同漁業権区域や指定海域等も含まれますので、瀬戸内海の大部分の水域は、現在、既に海洋保護区になっているわけです、我が国においては。

 ですから、その海洋保護区と、ここでうたっている保護区という書きぶりについて、少し定義的に整理する必要があると思います。

 そういう意味で、各所に書かれております、この海域を保全していくくだりのところで、少し混乱が見えるような気がいたしますので、海洋保護区という観点からの整理をお願いしたいと思います。

 それと、もう1点、SDGsについて記載いただいて有り難いと思いますが、これも後ろにはみ出してしまうのですが、基盤的施策の中の思想として、やはり、このSDGsというところをいうこともお願いしたいと思います。

 取りあえず、その2点でお願いします。

○西嶋委員長 はい、ありがとうございました。2点を御指摘いただきました。

 それでは、事務局から御回答をお願いいたします。

○浜名室長補佐 ありがとうございます。

 まず、1点目の、少し後半に入ってしまいますが、この9ページの26行目、(ア)のところです。26行目から27行目の前半のところは、我々の世界の話で、少し伝わりづらいところがあったかもしれませんが、瀬戸内海の自然景観の核心的な地域というので、環境省的に考えているのは、まずは、「国立公園」ということでございます。ただ、国立公園というのはなかなか指定も、関係者との調整がすごく難しいといったこともあるわけで、国立公園にはまだなっていないといったような場所でも、同等の価値を有する、大事なところはいろいろありますよ、ということを意識しまして、27行目の「また」以降、同等な価値を有する場所とか、そういったものも必要な保全策を講ずると記述しています。

 ちょうど、OECMといいまして、地域のその慣習的な方法などによって、事実上保全されている、保護政策ではないが、事実上保全されているという、そういったような場所も保護区相当として扱えないかといったような議論がなされてございまして、そういったことも意識した記述になっております。

 ただ、鷲尾委員のおっしゃっていた海洋保護区という観点での整理というものも、何か工夫できないかなと思いますので、別途、少し考えてみたいと思います。ありがとうございます。

 それから、SDGsのお話が出ましたが、まさに今回、改めて文言を加えていく中で、経済・社会・環境の三側面を不可分なものとして調和させ、統合的に解決を図りながら・・・といった部分、この水質の保全・管理と、それから水産資源、それから自然の保護区と、それから地域のローカルビジネスである観光といったもの、重要なものがいろいろある中で、これが不可分なものであって、一緒に解決していくんだといった、この瀬戸内法の理念とも非常に整合するものですし、後ろのほうの思想の普及といった部分にももちろんかかっております。もう一度読み直して、必要な修正ができないか考えてみたいと思います。

 まずはお礼でございます。ありがとうございます。

○西嶋委員長 情報のところは、少し読む人によって解釈が違うというのは困るので、少しそこは配慮いただいて、書きぶりを検討いただければと思います。

 よろしいでしょうか。鷲尾委員。

○鷲尾委員 ありがとうございます。

○西嶋委員長 はい、ありがとうございます。

 それでは、大久保委員、よろしくお願いいたします。

○大久保委員 はい、ありがとうございます。

 今回、大変きれいにまとめ直していただいて、有り難いと思っておりますが、今回の特徴が、森・里・川・海のつながり、あるいは生態系に着目したものであるという観点から、少し追記をしたほうがいいのではないかと思う点について、意見を申し上げます。

 今の事務局とのやり取りとも関係しますが、最初の2ページの27行目に、「自然協約」という言葉が突然出てきて、これがどういうつながりがあるのかがなかなか分かりにくいのではないかと思います。この自然協約の中には、理念としてnature-positiveでありますとか、Nature-based Solutionsという本計画と大変関わりの強いキーワードが出てくるとともに、具体的な目標といたしましては、OECMsの活用を含む「30by30」の話が出てきますので、このことが分かるような記述に本文、または、少なくとも注記をして、明記したほうがいいのではないかというのが1点目です。

 それから2点目も、つながりに関わることですが、今回、湾・灘ごとのより細やかな対策ということについては、かなり書き込みがなされたと思いますが、他方で、今年1月の意見具申に書かれていた広域課題についての連携に関しましては、6ページの16行目、17行目に、各地域の相互連携を強めて一つの海としていくということが書かれてはいますが、協議の場の設定等も例示されていた意見具申の内容と比べますと、かなりトーンダウンした内容になっているように思われます。

 湾・灘ごとのそれぞれ違った施策というものが、広域的に理解されないと、瀬戸内海の一体性というものが共有されないですし、また、広域的な協議が必要になることも、後で土砂の話で、後半部分の質問のところで少し意見を述べたいと思いますが、あると思いますので、そうした観点で、広域連携をもう少し強化した記述にしていただけないかということです。

 最後は大変細かい点ですが、9ページの4行目から5行目に、遊漁者の役割という言葉が出てまいります。この遊漁者の役割というのは、分かる人には分かるのでしょうが、特出ししてある割には、何のことを指しているのか、わかりにくい。特に当事者に伝わらないと意味がないと思いますので、この点は少し例示をすることも含めて、表現ぶりを工夫していただければと思います。

 以上、3点です。

○西嶋委員長 はい、ありがとうございました。

 それでは、今の3点につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○浜名室長補佐 環境省、浜名です。ありがとうございます。

 まず、2ページの自然協約の部分、確かに唐突感があって、おっしゃるとおりでございます。分かりやすくなるように、少し工夫をしてみたいと思います。

 一方、あまりにここの柱書きが長くなると頭でっかち感が出てしまう可能性もあるので、注釈というのも選択肢の一つとして考えながら、もう一度検討してみたいと思います。ありがとうございます。

 それから、6ページのところで、広域連携の話が少し弱いのではないかということでございまして、まず、後ほど、また御意見をいただけそうな予感もありますが、一応第3の5の中で、湾・灘協議会の部分、湾・灘協議会だけが解決策ではないのですが、広域的な連携というものを少し強めに記述したつもりではあるのですが、第3の頭のほうか、柱書きのほうでも、もう少しということでの御意見ですので、全体を見た上で、少し考えてみたいと思っております。

 それから、遊漁者の部分ですが、確かに、その分かりにくいという部分もあるかと思いつつ、一方で、ここ、最初の古川委員の御指摘のとおり、まさに、そのベストプラクティスを例示しながら、周りにも展開していくといった取組が必要な部分でして、それこそ、遊漁者の方々と漁業関係者が良好な関係にある場所なのか、決してそうではない場所なのかといったものとか、こういった役割をして欲しいということがある程度明確になっているのか、そうでないのかとか、場所ごとにいろいろと状況が違う部分もあります。この場合、あまり明確に書き過ぎると、「基本計画に書いてあるのだからやれ」みたいな、そういう、何か対立構造をあおるような原因になってしまってもよろしくないとも考えます。

 実は、事前に少し鷲尾委員に、ここの表現について御相談いたしまして、こういった内容であっても書いてあれば、地域の関係者として輪に入ってもらえるきっかけになれば、まずはいいのではないか、という御示唆をいただいたところでございます。

 すみません、名前を出してしまって恐縮ですが、鷲尾委員、補足等ございましたらよろしくお願いいたします。

○鷲尾委員 非常に機微に関わる問題もありますが、遊漁者というのは、のどかに釣りをしていらっしゃるというよりも、今、実際の自然利用の点で言うとかなりの割合を、もう占めてしまっています。実際の漁業者というのは、新たな漁業法によりまして資源管理の、漁獲データの報告義務で管理されていますが、遊漁者は、それに入っていないということ。

 瀬戸内海ではないですが、東北のほうではマグロに関して、遊漁者にもそういう資源管理の割当てをという動きが出てきております。瀬戸内海のタイの水揚げ量は、果たして漁師か、遊漁者か、どっちが多いかというような話まで出てきているぐらいですので、プレーヤーの一つとして挙げておく必要があるのではないかと考えた次第です。

○浜名室長補佐 すみません、ありがとうございます。

○西嶋委員長 よろしいですか、なかなか表現が難しいというところで、今のような表現に落ち着いたということですが、大久保委員、いかがでしょうか。

○大久保委員 はい、議事録でテイクノートしていただけば、どういう趣旨であるかが伝わるので、例示も難しいということであれば、この議事録の限りでも構いません。ありがとうございます。

○西嶋委員長 ありがとうございます。

 それでは、田中委員、よろしくお願いいたします。

○田中委員 はい、どうもありがとうございます。

 全体構成、非常に分かりやすくなって、特にこれからの研究開発とかモニタリングの話が引き立つようにしていただいて、非常にいいと思います。

 私、2点、今の範囲の中で意見がありまして、一つは5ページ目のところの気候変動への対応のところの記述で、ここで読めないわけではないと思いますが、以前から議論されている中で、瀬戸内の海そのものと、それから陸域側との問題が、やはり、その両方を考えないといけないという視点、議論があるわけです。後ろのほう、モニタリングの中でも、これにも関係してくると思いますが、特に陸域側からどれぐらい、どういうものが流れてきて、どう海側のほうに流入し、循環して、影響してきているのかという視点が、これまでも、やはり十分まだ分かってないところがあります。

 特に、この気候変動に伴う問題としては、水温が直接的に水質とか生物の生息環境に与える影響も当然あるわけですが、その背景にあるのが、海域の背後地にある陸域から、一体どういうものが流れてきて、この気候変動に伴う流量の変化とか、あるいは降雨量の変化とか、そういうものがどう影響を与えているのかということが、やはり長期的には非常に今後大きな問題になると思います。

 その視点が、この文章では少し読みにくいのかなと。恐らく、これはバックグラウンドなので、そこのところがあまりはっきり書かれてないと思いますが、実は、後ろのほうの先ほど言ったようなところに引き出すために、4項目の中に何が問題を持っているかというところを少し切り出すために、そういう記述が要るのではないか。

 例えば、19行目、20行目ぐらいのところになると思いますが、気候変動の影響というところの前に、例えば、海域だけではなくて陸域からの流出も含めたとかというような言葉を少し加えて、視点が広がっているということを何らかの形で明示していただいたほうがいいのではないかという点が1点です。

 あともう1点は、7ページ目のところです。栄養塩類管理、それから水質管理の問題で、順応的管理をしっかりやっていくということを書いていただいたのは非常にいいことだと思います。それは目標設定にも関わってくるのですが、実は、ここの記述いただいた下水道の整備の促進等のところで、新たに加えたところの季節別の運転部分が、技術的に、運転はできるのですが、様々な環境規制の問題から、簡単にいかないというのが現場で起こっています。

 これは、例えば、放流水のBODはトータルBODをどうしても、守らないといけないというような下水道法の事情や、あるいは、消毒そのものの問題とか、いろんな問題があるわけですが、ここの記述の15行目、16行目が、必要な地域において、地域合意を踏まえて、環境基準の達成状況に配意しつつ、施設の季節別運転管理を行うものとすると。ここはもう決まったら、もうそれでやりますになっていますよね。

 しかし、実際の現場のほうでは、そう簡単にいかないところがあって、やろうとしてもできない、うまくいかないというケースが発生し始めていると聞いています。したがって、ここでの記述についても、運転管理のところの、例えば、今の表現の中でも、いきなり運転管理を行うではなくて、運転管理についての順応的管理を行うものとする。要するに、順応的管理の目標設定、あるいは、それの評価というプログラムの中に、この季節運転そのものをそういう視点で入れていただくのがいいのではないかと思いました。

 この2点、御検討をお願いいたします。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 それでは、事務局から御回答ください。

○浜名室長補佐 はい、環境省、浜名です。ありがとうございます。

 1点目の気候変動の部分、具体的な御提案もいただき、ありがとうございます。第9次の総量の答申なんかも改めて読み直しながら、適切な表現を探してみたいと思います。ありがとうございます。

 それから、2点目の下水道の部分ですが、先生御指摘のような問題点があるといったようなのは我々も新聞報道等で目にしたことがございますし、実際、技術的にかなり高度なことをやっているといったお話も伺っているところでございます。表現ぶり等、国交省とも相談してみたいと思います。ありがとうございます。

○田中委員 よろしくお願いします。

○西嶋委員長 よろしいでしょうか。

 今、手が挙がっているのが以上の方になりますが、ほかの委員、よろしいでしょうか。

 はい、よろしければ、後半に移っていきたいと思います。

 後半は、ただいままで意見をいただきました9ページの5行目から後、第3のほうの2、沿岸域の環境の保全云々のところです。ここから後半のところについて、また御意見と御質問を受けたいと思います。

 それでは、沖委員が手挙がっています。沖委員、よろしくお願いいたします。

○沖委員 はい、ありがとうございます。前回お休みさせていただきましたので、なかなかついていけないところもございますが、私も、気候変動への対応というのが、拝見したときには少し弱い口調のように思っておりました。それで、今、田中委員がおっしゃってくださっていたこと、私も全く同意でございまして、そこに関係するのが最後の18ページのところのモニタリング等に関する指標、点検項目。これがなかなか難しいとは思いますが、水温だけで終わってしまうという、ここのところが、もったいないといいますか、せっかくなら、もう少しほかの要因も入れていただきたいと思っておりました。

 先ほど、田中委員から降雨等々の話が出ました。私も植物を扱っておりまして、やはりこの今の雨の降り方、頻度、それから降雨量、降雨強度、これによってかなり水位が変動してまいります。それによって、植物がかなり傷められて、例年の生態系とは少し異なるようなことが一、二年見られているようなこともございますので、できれば、降雨というのは結構気象観測で簡単に得られるデータでございますので、何かこの辺のところを入れていただきたいということでございます。

 よろしくお願いいたします。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 それでは、御回答ください。

○浜名室長補佐 環境省、浜名でございます。ありがとうございます。

 まさに我々も、この気候変動の関連の指標のところは非常に悩んでいたところでございまして、先ほど、説明の際にもあれこれ申し上げましたが、今の降雨の話、もちろん水温もそうですが、年によって変動が大きいということですので、この計画の期間の10年とか5年という範囲で見ていくことだけでは、とても何かはっきりしたことが言えるわけではないということもあります。沖委員のおっしゃるとおり、降雨は比較的入手しやすいデータでございますので、何か考えたいと思っております。

 ただ、一方で、その局所的な豪雨があっても、瀬戸内海全体で多い、少ないという話とは異なるものですから、どういった切り口で見ていくかというのは結構難しい問題だなと思っております。後にこの基本計画を踏まえて各府県において、関係府県それぞれの計画を作成するわけですが、そこで何かこう役に立てるように、降雨についてもモニタリング項目に入れておけというだけですと、関係府県も困ってしまうのでどのように対応できるか考えてみたいと思っております。

 入れたくないと言っているわけではないのですが、どうやったら役に立つかなというのが非常に難しいところだなというので、悩んでいるというのが正直なところでございます。

 すみません。答えになっていなくて申し訳ないですけども、以上でございます。

○沖委員 ありがとうございます。悩んでいらっしゃるのはよくよく分かっております。

 今もおっしゃったように、地域性というのが非常に重要になってくるんですよね。

 例えば、岡山は、やはり北のほう少し豪雨が危のうございますが、南のほうはそれほど降雨が激しいということはございません。ところが、広島になりますと、すごい豪雨が多いですよね。

 やはり各県が環境省の指導の下に、指標や点検項目を扱うというような、そういう御指導をいただければ有り難いと思います。

○浜名室長補佐 ありがとうございます。

○西嶋委員長 沖委員、ありがとうございました。

 それでは、古川委員、よろしくお願いいたします。

○古川委員 2回目の発言で失礼します。2点ほど、本文の中身について御指摘申し上げたいと思います。

 1点目は非常に単純です。9ページの22行目のところにある表現について、再考をお願いしたい。「人工物の多い沿岸域」という言葉が出てきます。その前の文脈からいくと、何か人工物の多い沿岸域が悪いみたいな言い方になっていないかなということで、沿岸域自体は非常に幅広い領域のものですから、何か人工物が多いという表現がなじまないかなと思います。「人工的に改変された海岸線を持つ沿岸域」と、少し長くなりますが、きちんと御説明いただいたほうがよろしいかと思います。

 もう1点は、今の沖委員からの御指摘もあった、前の委員からの御指摘とも関連して、海面、気候変動に関することですが、13ページ目の30行目から36行目のパラグラフの中で、気候変動についての説明が入っていますが、このパラグラフの最後に、「その際、海洋の酸性化による生態系への影響も懸念されていることに留意」ということで、海洋の酸性化だけ特出しされています。

 海洋、気候変動の影響については、今般、IPCCからの報告書も出ていますが、水温の上昇による生態系への影響のほかに、海面上昇による被害の甚大化とか、そういうのも含めた上での海洋の酸性化ではないかなと思います。

 ですから、提案としては、この最後に括弧のこの留意というのをつけるのではなくて、例えば、その「地球規模の気候変動がもたらす」という、31行目のところの注釈、そこへの注釈として、今申し上げたような水温の話、降雨被害の甚大化の話、海面上昇の話、それに酸性化も、というようなそういうニュートラルに記述をしないと、なぜか酸性化だけが物すごくクローズアップされているような印象を受けましたので、御検討いただければと思います。

 以上です。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 では、2点いただきましたが、御回答ください。

○浜名室長補佐 環境省、浜名です。ありがとうございます。

 人工物の部分、ニュアンスを理解していただいた上で、具体的な御提案をいただきまして、本当にありがとうございます。もう一度練ってみますが、いただいた文言をほぼ使わせていただこうかと思っております。ありがとうございます。

 それで、13ページのほうのことも、海水温の上昇ですとか、海水面の上昇といったものも盛り込めるように、表現、工夫したいと思います。ありがとうございます。

○西嶋委員長 よろしいですか。

○古川委員 はい。

○西嶋委員長 それでは、岩崎委員、よろしくお願いいたします。

○岩崎委員 はい、岩崎です。よろしくお願いします。

 私からは少し印象的なものですが、12ページを御覧ください。12ページの17行目から21行目の、この「国際的側面」という言葉がある。これは、書いてあることはごもっともですが、瀬戸内海の環境保全を考えるときに、この「二国間協力」とか、「国際協力」というのが少し立派なこと、立派な大事なことなのですが、少し大げさに過ぎるかなと。

 具体的にどういうことをやろうと、やってほしいというのが若干読み取りにくいので、ここはある意味で、もう少し絞りぎみでもいいのかなという気がします。

 同じようなことが、このページの最後の33行目、循環経済への移行、次のページにもまたがっておりますが、これも大切な視点であると思いますが、次のページの13ページの3から4、5と「事業活動の持続可能性を高めるとともに、企業の中長期的な競争力の源泉としていく」、これも少し大げさというか、風呂敷を広げ過ぎかなと。

 それで、個別の企業活動への注文ということになると、この政府文書としても若干そのとおりですが、事業者が読んだときに、これ、少し踏み込み過ぎと曲解されることもないとも言えませんので、ここももう少し整理をしてもいいのかなという印象を持ちました。

 文案はお任せいたします。

 それと、全然話が違って、私から最後に、最後の計画の点検のモニタリングの指標のところです。ここで、海洋プラスチックの項目が17ページの終わりから18ページに出てきますが、ここに、今までの研究者が注目しているマイクロプラスチックの調査というのは、これは盛り込まれないのでしょうか。御返答いただければと思います。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 では、御回答ください。

○浜名室長補佐 環境省、浜名です。いつもありがとうございます。

 まず、12ページ目から13ページ目のプラスチック関連の部分で、少し風呂敷広げ過ぎじゃないといった御意見だったかと思っております。

 まず、国際連携の話です。前大臣ということになってしまいましたが、この瀬戸内海の法律の改正に係る国会審議の場面等で小泉前大臣が常々おっしゃっていたのが、瀬戸内海というのは、内陸も含めて13府県という、すごく大きい関係者たちでやらなければいけないことで、かなり広い面積があると。

 こういった場所で成功事例をつくれば、それをもって国際社会に優良事例として取組を紹介して、日本がこの分野のリーダーシップを取ることも考えて良いのではないかと。そういったような強い御意見をお持ちだったもので、我々もその熱意を基に、案を作成した部分でございまして、ついついちょっと前のめってしまったかもしれません。

 表現は改めて冷静に精査してみたいと思いますが、いずれにしても、瀬戸内海をモデルにして、世界に発信したいという思いが込められているということで、一定の御理解をいただけると有り難いなと思っております。

 マイクロプラスチックのお話、指標の中のこの項目に入るのかということで、今ここに書いてあるのは回収量ということで、マイクロプラスチックになってしまうと回収がなかなか難しいというのがあるので、今のこの2つの項目の中には入っていないわけですが、何か示せるものはないのかといったものも、担当者ともう一度相談をしてみたいと思います。

○岩崎委員 はい、よろしくお願いします。

○西嶋委員長 よろしいですかね。

 それでは、大久保委員、よろしくお願いいたします。

○大久保委員 2点ございまして、1点目は先ほど少し申し上げた広域連携に関してですが、湾・灘ごとだけではなくて、瀬戸内海としての一体性という観点と同時に、内陸部との連携というのも重要ではないかと思っております。

 淀川流域圏で言いますと、琵琶湖に関しましては、琵琶湖の保全再生法がありまして、琵琶湖から海につながるところまでの一体的な取組を進めるということが重要になってきております。

 森・里・川・海のつながりという観点で、もう少し広域連携の強化ということを書き込めないかという意見でございます。

 例えばですが、具体的には、10ページの18行目では、先ほどの説明で土砂の部分について鷲尾委員の御意見ですか、前回の御意見に対応して、砂利のマッチングの話を入れましたという御説明がありました。

 それには全く異論がありませんが、それに加えまして、例えば、淀川の河川整備計画ですと、土砂移動の連続性という形で、既存ダムからの土砂供給というものを下流への環境影響を十分配慮しつつ検討するといったような文言が河川整備計画側にも入っておりますので、そうした土砂移動の連続性というもともとの土砂の供給というもののつながりを配慮していくということも入れるというような形で、広域連携部分を表現強化できないかということでございます。

 もう1点目は、最後の18ページの指標に関しましては、先ほど指摘がありましたように、最後の12行目に「地域の実情に応じて」と書かれているところがもう一つの肝となっていると思います。ここも、地域の実情に応じるわけですので、この中に具体的に、これとこれとこれの中からメニューを示して選びなさいという形は、当然適切ではないと思っておりますが、他方で、どんなものが例えばあり得るのかという例示のようなものが何らかの形で示されないと、少しイメージが伝わりにくいのではないかと思いますので、この中、あるいはそのほかの方法で、どのようなものがあり得るかという情報が伝わるようにしていただければと思います。

 また、同じ指標で、気候変動に関しましては、この本文の中で示されておりますように、Nature-based Solutionsでありますとか、Eco-DRRという観点もございますので、グリーンインフラも含めまして、そういうものを活用している箇所、防災・減災という観点から、活用している箇所といったようなものも場合によってはあり得るかもしれないと思いますので、御検討いただければ幸いです。

 以上です。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 いかがでしょうか。

○浜名室長補佐 環境省、浜名です。ありがとうございます。

 まず1点目の、森・里・川・海とか、そういった広域連携の話、非常に重要だと思っておりまして、そこが見えづらくなっていないか、見えづらくなっていたとしたらどのように直せばいいかといったことも改めて考えたいと思います。

 1点、御提案いただいていた、淀川の部分ですが、これは国交省とも相談になりますが、淀川のような大河川が瀬戸内海のほかの地域にどのぐらいあるのかということを考えますと、少し淀川は特殊性があるのかなという気もしまして、なので、淀川を例示してしまうと、ほかがついてこられなくなってしまう可能性があるのかなというのも、少し心配はしているところです。

 いずれにしても、もう少し考えてみたいと思います。

 それから、指標のところで、その地域の実情に応じての部分で、何か各府県にうまく伝えられるようにということで、工夫してみたいと思います。

 ありがとうございます。

○西嶋委員長 よろしいでしょうか。

○大久保委員 はい。ありがとうございます。

 前半部分の土砂の話は、淀川の話を入れてほしいという趣旨ではなくて、キーワードとして、土砂移動の連続性といった形の自然の土砂の連続性といった観点も、例示であれば並べて例示できるのではないかという趣旨でございましたので、誤解のないように、一応申し上げておきます。

 ありがとうございます。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 それでは、中川委員、よろしくお願いいたします。

○中川委員 ウオーの中川です。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 前回の発言など入れていただいて、ありがとうございます。

 今回2点、意見をさせていただきたいのですが、まず1つ目が、15ページ目の広報の部分になります。10行目からの「情報提供、広報の充実」というところで、こちらにぜひ未来図を描いて共有するというのを入れるのはいかがかなと思いました。

 こちらに書かれているように、歴史ですとか文化ですとかはすごく重要な財産であり、材料なので、こちらもぜひ積極的に共有するべきと思っているのですが、最近だと未来図を絵などにして示したり、それこそ住民を含め、いろんな参加者さんを含めて描き示すことで、あえて余白がある部分などを見せ、自分たちだったら何ができるかと具体的に思い浮かべて行動につなげるという方法が盛んになっております。今までの歴史などを伝えながらも、みんなが自らできること、関わりたくなるようなそういった広報戦略を立てることが重要かなと思いました。

 この基本計画の中で、どこまで書けるかというのが分からないのですが、もしこちらに書くのが難しい場合に、ぜひ実践の中でそうした進め方を少し御検討いただけるとうれしく思います。

 あともう1点が、ページで申し上げて17ページにあります、こちらの計画点検の中の指標についてです。一つ目の持続可能な利用の確保なのか、二つ目の沿岸の環境の保全などになるかが分からないのですが、この中の指標として、漁業就業者の数というのを入れるのはいかがかなという質問というか、意見でございます。

 というのが、やはり漁業者というのは資源から環境保全まですごく幅広い視点で重要なプレーヤーだと思いますが、皆様御存じのとおり、今漁業者が物すごい勢いで減っておりまして、水産庁側で見ていてもやはり様々な管理が難しくなってきています。例えば、漁師さんだけでなく、全体的な漁業者が激減しているために漁協の合併促進とか、そういうものも進められております。

 環境省側からの視点から見ても、漁業者の数が足りているのか足りていないのか、その人口や、状況に対してどれくらいそこに関われるプレーヤーがいるかというので、様々な取組の仕方も変わってくるのかなと思いましたので、彼らの状況を何かしら把握できるような、もしかしたら漁業者の就業数ではないかもしれませんが、そういった指標を入れるのもあるのかなと思って、意見とさせていただきます。

 以上です。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 2点いただきましたので、御回答ください。

○浜名室長補佐 環境省、浜名でございます。ありがとうございます。

 まず1点目についてからでございますが、実は法改正のベースになっている令和2年3月の中央環境審議会の答申の中でも関連する記述がございますので、一部分読み上げさせていただきますが、「湾・灘ごと、さらには湾・灘内の特定の水域ごとの実情に応じた対策が必要な状況であるため、これらの方策は、これまで以上に地域が主体となって、あるべき地域の海の姿を具体的に描き、これを実現するため、地域の関係者のみならず、国をはじめとする様々な主体が積極的に参加した上で」、という記述がございまして、まさに中川委員おっしゃるとおり、具体的に描くという部分、それが大事だということが答申の中でも書かれているところですので、少しこういった部分を参考にしながら、何か表現を追加できないか検討したいと思います。

 もう1点目の漁業の就業者、あるいはそれに代わるものといった御提案でございますが、例えば、香川県などがそうですが、海ごみなんかを回収するときなどに、まさに漁業者の方々の御協力といったものがすごく大きな力を発揮しているという実態もありまして、まさにその水質とか水産資源だけじゃなくて、プレーヤーの一人になっていただいているという実態もございますので、具体的な数値として押さえるのは何が適切かというのも含めて、いただいた観点で検討させていただこうと思っております。

 ありがとうございます。

○中川委員 ありがとうございます。

○西嶋委員長 それでは、白山委員、お願いいたします。

○白山委員 白山でございます。ありがとうございます。

 私も幾つかコメントさせていただきたいのですが、まず、その13ページの気候変動に関わるところで、今までいろいろな方からいろいろな御指摘がありましたが、二つ大きく重要な視点が欠けていると思っておりまして、一つはやはり生物多様性を保全するのだということがもう少ししっかりと記述されるべきではないかと思います。

 何となく生物多様性の確保の観点からとかいうように書いてありますが、もう少し強い、それが一丁目一番地に近いのではないかというような書きぶりに少し直していただけるといいかなと思います。

 それから、先ほど、森・里・川・海の連関というキーワード、重要だと思っております。それが出てきて大変よかったと思いますが、もう一つ、統合的沿岸管理という概念がありまして、やはり集水域からの環境、あるいは人間活動のある程度の施策を含めた様々な視点を、最終的に海洋沿岸、海洋の環境保全に役立てるというような考え方ですが、その統合的沿岸管理というキーワードをどこかに入れるほうがよろしいのではないかと思います。

 それから、気候変動の問題について、もう少し丁寧に、沿岸域でどういう問題があり得るかというの、先ほど古川委員から少しコメントがありましたが、丁寧に記述をされるとよろしいのではないかと。

 例えば、その水温が上がるというようなことで、何が起きるかということについて、海面の上昇とか、あるいは海洋の貧酸素化なんかも、やはり水温の上昇に伴って起きる環境の問題であり、生物多様性保全の問題ですので、そのあたり、様々な側面が含まれるということについて、丁寧な記述をされるほうがよろしいのではないかと思います。

 それから、海洋の酸性化というのは、これは二つ重要なポイントがあって、一つはもちろんその大気中の二酸化炭素濃度が上がることによる酸性化ですが、もう一つ、やはり沿岸域ですと、陸上からの有機物、あるいは富栄養化による有機物の分解が海洋の酸性化に大きく影響しますので、気候変動、大気の二酸化炭素上昇だけでなくて、沿岸域の人間活動による海洋酸性化というようなことも、視点として入れていただくほうがよろしいと思います。

 それから、最後に、指標に関するところでございますが、水温だけというのはあまりにも足りないのではないかと思います。環境に関する、上のほうの、前のページに出ているリストを拝見しますと、いろんなものがありまして、特に、例えば、底生生物の出現種数、個体数などというのは、これはまさに生物多様性を反映しているデータですので、これを気候変動に関わる重要な要素として取り上げたらよろしいのではないかと。

 それから、例えば、海面上昇に関わることにつきましては、国交省の取っているデータかもしれませんが、港湾で潮位を非常に精密に長年にわたって観測されていらっしゃって、データの公開もされていると思います。その辺りから、海面上昇というものに関する指標を考えることができるのではないかと思います。

 貧酸素の問題につきましても、海底の、底層のDOというのは新しく指標に入ってきておりますが、それは海洋の貧酸素化という側面からも評価できるのではないかと思ったりしますので、ほかのいろんな事業で取られているデータもフル活用して、気候変動に関する評価をしていただけるようにお願いをしたいと。

 最終的に、昨年度の末に、瀬戸内海の将来環境に関するモデルの御報告があったと思うのですが、あのようなものが常にアップデートされるというようになるとよろしいのではないかと思います。

 少し長くなりました。以上でございます。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 それでは、気候変動に関しては、大分いろいろな意見をいただいているのですが、事務局で御回答ください。

○浜名室長補佐 環境省、浜名でございます。本当にたくさんの視点からの御指摘いただきまして、本当にありがとうございます。

 特に気候変動の部分とか、改めてもう一度私も勉強し直して、文言も加えてまいりたいと思っております。

 また、指標のところも、いただいた御意見も踏まえまして、再度検討してみたいと思っております。

 白山委員以外の方からも、その指標の部分は御意見いただいておりますので、併せての回答でございますが、貴重な御意見いただき、ありがとうございます。

○西嶋委員長 すみません。一つ々々はちょっとお答えにくい、全て答えることは今できないようですが、御意見を反映させてということでございますので、その方向で修正いただければと思います。

 それでは、齋藤委員、よろしくお願いいたします。

○齋藤委員 岡山大学の齋藤です。

 まず、前回より大幅に改良いただいたことに御礼申し上げます。

 先ほど、白山委員、さらに他にも多数の委員が御発言、御指摘されましたが、この気候変動の対応、4つ目のところに関して、やはり多様なその要素がまだまだあると思います。

 田中委員も御発言されましたが、やはり陸域からの影響というのも大きく変わってくると思いますので、その点検の、最後の指標の部分、これも既に多数の御意見が出ましたが、例えば、塩分、pH、濁度、SS、栄養塩など、そういった項目も、可能であれば加えていただくように、少し御検討をいただけないかなと思いました。

 さらに、栄養塩に関しては、その前のページの水質の保全や水産資源の持続可能な利用の確保などにも関わってくると思いますので、それも含めて御検討いただければ有り難いと考えました。

 よろしくお願いいたします。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 では、御回答ください。

○浜名室長補佐 ありがとうございます。環境省、浜名でございます。

 御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、環境省は関係府県と協力してですが、広域総合水質調査というものを1980年頃からずっとやっていって、継続したデータがあると。

 その中には、今お話しいただいたそのpHもそうですし、窒素濃度やリンの濃度などもいろいろ入っていまして、その調査項目を全部並べますと、こんなことをやっています、というリストにはなるのですが、それではメッセージ性があるリストにはならないのでどうしようかなというのが悩んでいるところではあるのですが、本日いただいた皆様からの御意見も踏まえて、もう一度考えてみたいと思います。

 今回、資料説明の際、お話しいたしましたとおり、関係がありそうなものというのをずらっと羅列するとすごいことになってしまうので、少し絞ろうといった観点もあったものですから、その全体の考え方の中でというのも含めて、もう一度よく考えてみたいと思います。

 御意見、ありがとうございました。

○行木室長 1点、補足させていただきます。閉鎖性海域対策室長、行木でございます。

 今の齋藤先生の御指摘の点、水質調査関連の指標を色々加えるべきということよりも、例えば、気候変動の影響で出ている陸域からの影響を把握できるような指標、例えば陸域からの淡水の増加などを反映できるような指標を入れられるのではないかということがまず一つで、それから、栄養塩類管理が今回その法改正の大きなポイントでございますので、それにつながるような窒素、リンの指標を検討してはという御指摘だったと思います。

 浜名が申しましたとおり、全体指標の数が多くなりすぎようにという配慮もいたしますが、御指摘を踏まえて、どのような指標が、考慮すべき事象に対して、一番代表性がありそうかということも含め、検討させていただきたいと思います。

 以上です。

○西嶋委員長 ありがとうございます。

○齋藤委員 ありがとうございました。

○西嶋委員長 どうしても項目ごとに、それだけを見ているわけでは多分ないので、関連するものが、先ほど少し白山委員から、気候変動のところで底生の話が少し関係するのではないかというお話もあったのですが、その辺、どのように書いていくか、読んでいただくかというところもあるとは思うので、少しそこも御検討いただければと思います。

 それでは、田中委員、よろしくお願いいたします。

○田中委員 どうもありがとうございます。

 大きくは、4の気候変動への対応を含む環境モニタリング調査研究等の推進の部分と、それから、今議論になっているその指標のところです。

 簡単な指標からで、意見を1点。

 私も、その気候変動のところの、先ほど、白山先生とか何人かの方が言われているように、底層の溶存酸素、ここの中でも今度強化して書いていただいたそのことを指標として入れるべきだと思います。

 その際に、底層DOの環境基準の達成率のゴールは100%達成ではなくて、達成率のゴールをその地域、地域によって決めていくという形になっているので、溶存酸素の絶対値を何らかの数字で示すべきだと思います。

 それを使わないとその変化が見えないだろうと思うので、ここのところは、せっかくいろんなデータ、これからお金かけて底層DOの値を、取られるわけですから、それを瀬戸内の中でも有効に使えるように、見える形にしていただきたいと思います。

 13ページ目から14ページ目の、環境モニタリングと調査研究等の推進のところですが、タイトルを大きく入れていただいたのは結構だったと思いますが、幾つかやはりまだ混乱があるのかなと思います。

 その一つは、まず、1、2、3と、こう分けてありますが、調査研究とそれから次の技術開発、それから3番目の栄養塩の管理における知見に基づく評価というところがまたがっていたり、あるいはこちらだけで書かれていていいのかなと、気になっている点が幾つかあります。

 具体的に言うと、まず、13ページ目の22行目のところで、「より効率的な排水処理技術の開発」、ここは開発の話が入っています。

 多分、イメージ的には、もうこの調査研究等、もうでき上がった技術で、それをどのようにうまく動かすか、コストを下げるかという視点では、確かにもうでき上がっている技術ですが、先ほど少し御説明したように、特に季節運転等については、現場でいろいろ困っています。

 それは、いろんなその目標設定が、栄養塩を上げるというだけではなくて、ほかの環境、従来の環境要素の対応が必要です。具体的に言うと、季節運転の際に、先ほどお話ししたような、トータルBODどうするのか、それから新たに環境基準や排水基準に加わってくる大腸菌の消毒、どうするのか。ここら辺とすごく関係してきていて、新たな技術開発が必要になるかもしれません。

 それから、さらにそれらを含めたエネルギー削減、コスト削減みたいな問題が出てくると思います。

 そういう部分は、実は技術開発の部分に関わっているような問題になると思います。

 それから、そこの(1)の先ほどからお話が出ている気候変動のところですが、これは、先ほどからいろんな御意見が出ているように、いろんなことを調べないといけなくて、特に私は先ほどお話しした視点から見ると、気候の変動に伴う陸域からの降雨を含めた際の栄養塩とか有機物などの流出のモニタリングが必要だと思います。

 ただ、これは、今すぐに環境省だけではできないと思います。どうしてかというと、河川は低水量付近での水質は測られていますが、降水時のデータがありません。流量については国土交通省などの河川側がが取られて、幾つかの主要河川で取られていますが、そこでも常時、水質のモニタリングしているわけではありません。

 さらには、実は土砂の、先ほど大久保先生からもお話がありましたが、土砂って意外とこの今のこの問題に重要だと私は考えていて、それは、底質の変化がこれからどう変わっていくのかというところの非常に重要なファクターになるはずです。それは、流域全体でどういう土砂がどう動いてきていて、どこにたまってくるのかと。

 この辺になると、現状の省庁でのデータをかき集めるぐらいでは多分できなくて、新たな何か横断的なモニタリング、これが必要だと思います。

 この辺になると、恐らく、現状でできる範囲の調査研究の延長線ではなくて、先ほど述べたような(2)技術開発の促進部分にもっとこの部分を書き込まないといけないのではないかと考えます。

 その次のページの3番目、最後のところですが、2番目と3番目、両方に絡むのかもしれません。

 最初のところで、ブルーカーボンの話が出ていたと思います。ブルーカーボンは、干潟や浅場における非常に重要な固定源であることが徐々に認識されてきて、定量化が始まっていると。

 この視点での話というのは、実は、幾つか研究は始まったが、地域、地域でどうなっているのか。瀬戸内の一部のエリアは、既に研究者によってデータが確認され始めているわけですが、もう少しきちんとデータをこれから取っていかないといけないという視点と、それから、さらに最近分かり始めてきていることは、浅場あるいは干潟以外に、内湾の中での栄養がある程度あって、有機物がやや低いところについては、そこでの生産そのものがカーボンの固定の役割をするかもしれない、そういう研究も出始めているわけです。

 これは、気候変動に対応する影響という視点と同時に、緩和策としてもこの機能をどう評価するかという問題であり、瀬戸内だけの話ではないかもしれませんが、そのカーボンがどのように動いてきて、どのように固定しているのか。これを、全体を理解した上で、例えばモデルを構築して、生物にどれくらい、上位にあるものに触るというモデルを確認していくのかということになると思います。

 したがって、そういうことをやるという視点から見ると、カーボンとか栄養塩、そういうものの陸域と海域、全体を含めたモニタリング計画、あるいはそれの評価基準みたいなものを今後は考える必要があります。

 その辺を、2番、3番をうまく組み合わせながら、書いていただける部分があれば書いていただけると、非常に前向きに今後対応できるのではないかと思います。

 よろしくお願いします。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 かなり大きな宿題というか、御指摘だったと思いますが、今答えられる範囲でどうぞお答えください。

○浜名室長補佐 本当に大所高所から、まさに正しい御指摘だと思っております。

 大事なことだと思っている一方で、ここ、瀬戸内海環境保全小委員会という枠をかなり飛び越えそうな部分ですので、ここの文言が云々というよりはもう少し高い場面での御議論が必要な内容なのかなという気もしつつ、一方で、ここで書くことというのが中環審の答申につながっていく部分でもあるので、御意見、御指摘いただいた部分をよく検討しまして、また何か考えたいと思っております。

 瀬戸内海を大きく飛び越えた、本当に大所高所からの御指摘な部分がかなり多いなと思っていまして、この場で、このように対応しますと言いづらいところではありますが、まずはいただいた御意見を踏まえて、よく考えたいと思います。

○田中委員 よろしくお願いします。

 だから、調査、開発、技術開発というような部分であれば、瀬戸内を例にしてということの最初のステップになると思います。

 だから、どこを具体的にどこまで書けるか分かりませんが、そういう方向性のあるような視点を前の流れの中で書ける部分は書いてもらう。

 そういうことで、検討をお願いします。

○行木室長 1点、補足させていただきます。閉鎖性海域対策室長、行木でございます。

 御指摘、ありがとうございました。今の御指摘踏まえまして、今のこの基本計画の案としましては、追記あるいは修文できるよう、まず検討させていただきたいと思います。

 その上で、ここまでのお話にもありましたが御指摘は、瀬戸を例示としつつも、ほかの水域にも関係するような大きな視点からの問題提起と思います。もちろん今いただいた御発言は瀬戸内海の基本計画に関するものとして、議事録にもテイクノートされるわけでございます。加えて、環境省の研究開発につながる他の施策の中でも、御指摘を踏まえて何かできないかということも含めて、検討させていただきます。ありがとうございました。

○西嶋委員長 前半部分、1番のほうに技術開発が入ったり、というような部分は少し整理をいただいて、修正していただければと思います。

 それでは、三浦委員、よろしくお願いいたします。

○三浦委員 全漁連の三浦でございます。

 私からは、12ページ、特に5行目からのところで、海岸漂着物等々については、法律に基づいて策定した基本計画に基づき、円滑な回収・処理、効果的な発生抑制対策等を関係府県等と連携して促進していくということで、漂流、海底ごみについても同じように行っていくというところでございます。特に海底のごみにつきましては、物理的にも底引き網漁業等の漁業者による回収というものが中心となってくると思うわけでございます。こうした中で、環境省の補助事業で、海岸漂着物と地域対策推進事業の活用というものが期待をされているところでございますが、漁連、漁協に聞き取り等を行いますと、その事業の存在自体も知らないような漁連、漁協というものも数多く存在している中で、あまりこの辺のところが府県等から認知されていないというか、県等からそういうような働きかけもないような状況なのかなと思っているところでございます。

 そうした中、18ページのところで、計画の点検のところの2行目、3行目等に、漂着・漂流・海底ごみの回収量ですとか、そのうちのプラスチックごみの回収量、1人当たりの回収量や、陸域の回収量等が出ているわけでございますが、このような事業を活用、利用した漁協等も含めた民間団体がどれぐらい関わっているか、それから、どれぐらいの人数が関わっているか等、こういうことを指標とすることによって、海ごみを皆でなくすという考え方がどれぐらい普及をしてきたか、ということを見る指標にもなるのではないかと思いますので、ぜひそのような指標を入れていただきたいと思います。

 以上です。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 では、事務局から御回答ください。

○浜名室長補佐 ありがとうございます。

 特に今日、海洋環境室からも参加しておりますが、我々の補助金が十分現場で認知されていないという御指摘もいただいたところですので、改めて周知というのも含めて、きちんとやっていかなければいけないと思いました。

 また、指標の部分ですが、民間の関わり、あるいはその人数、そういったものがしっかり見えるとよいといった御指摘、大変ありがとうございます。

 先ほどの中川委員からの御指摘も合わせて考えたいと思いますが、まさにその漁業者の方というのはプレーヤーとして、しっかり我々も受け止めているわけでございますので、そこら辺が指標の中にも表れてくるように、何か考えたいと思っております。

 山下室長、何か追加でコメント等ございましたら、よろしくお願いいたします。

○山下室長 皆様、どうもありがとうございます。海洋環境室の山下でございます。

 海ごみ補助金のその漁業者との連携による部分について、周知がされていないのではないかという御指摘でございます。ありがとうございます。

 この辺につきましては、水産庁とも連携をしつつ周知を進め、今この中でもやってきたところでありますので、不十分ということで、再度また相談をさせていただきつつ、進めていきたいと思います。

 その際には、いろいろとまた御協力をお願いすることもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

 いずれにしましても、漁業者の協力によるごみ回収につきましては、進めていくということははっきりしておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 それでは、髙村委員、よろしくお願いいたします。

○髙村委員 ありがとうございます。

 いい計画ができつつあるので、期待しています。指標のところ、5年後、10年後に何をもって達成状況を評価するかは、この最後の指標のところが大事になるのではないかなと思います。

 それで、今この指標ですが、「自然環境の状況を示す指標」と、「人間活動ですとか施策についての状況を示す指標」がごっちゃに入って、分かりにくくなっているので、構造化、例えば、自然環境の状況を示す、それに関連するその施策とか人間活動を分けて、構造化して表記していただけると分かりやすくなるのではないかなと。数が増えても理解しやすくなるのではないかなと思いました。

 また、項目ごとに使用する指標を分けて記述されていますが、藻場・干潟ビジョン策定件数と藻場・干潟・砂浜などの湿地面積というのは、二つの項目に分かれていますが、関連するので、その指標ごとの関連性を考え、どこを強化していけば自然環境が改善されるのか、努力しても改善が見えないのかなど、見直しをするときに分かるような、そういう指標の作り方を最初からしておくといいのではないかなと感じました。

 質問ですが、漁業生産量というのは漁獲量とは違うのでしょうか。それがよく分からなかったです。

 それとあと、森林整備(造林)実施面積と書いてありますが、これは沿岸域の造林の実施面積を指すのかなと。それがどこのものを指しているのかというのが少し分かりにくかったです。

 漁獲量の場合は、前の見直しのときも水産資源が減っているかどうかということは漁獲量だけでは分からないので、漁獲努力量が少しでも分かるような、何かそういう指標を使って議論をしていかないと、科学的になかなか分からないので、その辺もきっと関連する水産庁の研究機関とかがあると思いますので、その辺で少し考えていただければ有り難いなと思います。

 以上です。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 御意見と御質問がございましたので、こちら、事務局からお答えください。

○浜名室長補佐 環境省、浜名です。ありがとうございます。

 指標として並べた項目の並び順については、すみません、あまり深く考えずに前例を踏襲したのと、あとはどこの部局、あるいは省庁が集めているかというのがちらつく並び順になっていたので、そこは御指摘いただいた趣旨に沿って、もう一度並び方も考えてみたいと思います。まさにその藻場・干潟というのは、水質と水産資源、それから自然環境、両方に関わってくるわけですし、さらに申しますと気候変動の影響ももちろん受けますし、といった多方面に関わってくる内容であるので、ある程度、この項目2と、この第2の1、2、3、4と、ある程度整合を図る分類というのは必要だとは思っていますが、他にも当然関わっているということで、それが分かりやすくなるような工夫というのは考えていきたいと思っております。

 御質問いただいていた森林整備の造林の実施面積の部分です。これ、まさにその森・里・川・海という観点で考えておりまして、上流域も含めて、森林のきちんと手を入れているということが分かる指標ということで入れているので、決して沿岸域に限定したものではないということでございます。漁業生産量の方につきましては、お調べいたしまして、後日、事務局から個別に回答させていただきます。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 あと、岸本先生、岸本委員、手が挙がっています。よろしくお願いいたします。

○岸本委員 時間が参っておりますので、手短に一つだけ。

 11ページの13行目、(5)の健全な水循環・物質循環機能の維持・回復というところでございますが、ここでいう健全な水循環とか物質循環には、恐らく、意味合いが二つあると思います。

 一つは陸域と海域といったような地点間での物質の流れという意味での物質循環。

 それからもう一つは、生態系の中で、生態系のニッチ間の物質の流れという意味での物質循環です。

 ここでは恐らく、中を見ると、藻場・干潟の環境保全だとか、そういったことが書いてあるので、生態系の中での物質循環も考えているし、もちろん海域と陸域の連続性に留意して、と書いてあるので、その地点間での物質循環の両方を考えておられるのだと思いますが、ここの文章全体を読むと、海域と陸域の連続性に留意して整備を図るものとするであって、また、流域を単位とした関係者間の連携の強化に努めるものとするということで、軽く読むと、地点間の物質移動だけに着目しているのではないかという印象を持ってしまいがちなので、どうしていいのか分かりませんが、例えば、その文章の最初に、例えば、流域や生態系における健全な水循環、物質循環機能の維持・回復を図るためとか、そういったような形で、要は、生態系の中の物質の循環というのにもきちんと留意をしているということが分かるような表現にしていただいたほうがいいのかなと。

 と言いますのが、例えば、生態系の中で、量として十分な生物生産があっても、それが特定の生物種とかに偏っていると、その生態系の中で生産された物質がきちんと循環しませんし、その余剰の有機物が底にたまってしまって、底泥のヘドロ化とか、そういったようなものにつながってしまうということがありますので、やはりその生態系の中の物質循環にも当然留意しているということが分かるような表現にしていただけるといいのかなと思いました。

 以上です。

○西嶋委員長 ありがとうございました。

 では、簡潔にお答えください。

○浜名室長補佐 はい、ありがとうございます。

 御指摘を踏まえて、適切な表現に修正したいと思います。

○岸本委員 よろしくお願いします。

○西嶋委員長 一応、今お手が挙がっているところはここまでで、少し時間も超過してきましたので、ここまでにしたいと思いますが、最後、髙村先生から、指標の構造化みたいな話が出ていて、状態指標と、何をやったかみたいなものが混在しているので、もう少し整理が必要ではないかという指摘もございましたので、そこも併せて御検討いただければと思います。

 それでは、時間も参っておりますので、資料2-2につきまして、非常にたくさんの御意見、有益な御助言をいただきましたので、それを踏まえて事務局において必要な作業を進めていただきたいと思います。

 その修正を入れた基本計画案としてパブリックコメントを実施することとなりますので、次回、小委員会準備よろしくお願いしたいと思います。

 もう少し言い足りない、指摘し足りないというようなこともあったかと思います。

 今後の基本計画案につきましては、追加で御意見がある場合につきましては、週末までに御意見を事務局にお寄せいただければ、そこも含めて反映させていくということにさせていただきたいと思います。

 いただいた御意見の取扱いにつきましては、委員長に一任をいただきまして、事務局において作業をするという形を取りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」との声あり)

○西嶋委員長 すみません。ウェブだとなかなか全員が異議あるかどうかというのを確認はできないのですが、お認めいただいたということにさせてください。

 それでは、追加で御意見がある場合には、日曜日まで、期間内に事務局に御提出いただき、その取扱いについては委員長に一任させていただくということにさせていただきます。

 議題(2)はその他でございますが、事務局から何かございますか。

○福井係長 事務局でございます。

 特段ございません。

○西嶋委員長 はい。特にないということでございます。

 議題については以上となりますが、少し時間も押してしまいましたが、全体を通じて何かこれだけは言っておきたいということがあれば、ぜひよろしくお願いいたします。あれば挙手ボタンを押してください。

 よろしいですか。あるかもしれませんが、直接事務局にまた御意見いただければと思います。

 それでは、以上で議題全て終了となりますので、事務局に進行をお返ししたいと思います。

 ありがとうございました。

○福井係長 委員長、議事進行いただきまして、ありがとうございました。

 委員の先生方におかれましては、活発な御審議をいただき、ありがとうございました。

 先ほど西嶋委員長からも少しお話がありましたけれども、本日お示しした資料につきまして追加での御意見等ございましたら、10月10日日曜日中に事務局まで御連絡いただきますように、お願いいたします。

 パブリックコメント実施後に、次回の小委員会を開催したいと考えております。

 次回については、委員長と御相談の上、日程調整の御連絡をさせていただきたいと思います。

 本日の議事録につきましては、委員の皆様には、速記がまとまり次第、お送りさせていただきますので、御確認をお願いしたいと思います。御確認いただいた議事録は、環境省のウェブサイトで公開いたします。

 それでは、以上をもちまして、第27回の小委員会を閉会とさせていただきます。

 本日はどうもありがとうございました。

午後5時35分閉会