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■議事録一覧■

大気環境・水環境合同部会
公害防止取組促進方策小委員会(第1回)
議事録


午前10時00分 開会

○木村総務課長 
 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第1回の中央環境審議会大気環境・水環境合同部会公害防止取組促進方策小委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様方には、大変お忙しい中ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。
 まず、本日の委員の皆様のご出席の状況でございますが、現在のところ、委員の方11名、説明委員で1名の方にご出席いただいております。ご出席のご返事をいただいている委員の方で遅れていらっしゃる委員もございますので、追って定足数は満たすことになると思います。
 それでは、議事に先立ちまして、環境省水・大気環境局長の鷺坂より一言ご挨拶申し上げます。

○鷲坂水・大気環境局長
 水・大気環境局長の鷲坂でございます。委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、今回の中央環境審議会公害防止取組促進方策小委員会のご審議にご参画いただきまして誠にありがとうございます。また、平素より水環境行政あるいは大気環境行政につきまして、委員の皆様方には日頃からご協力、ご指導を賜っておりますことを、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。
 大気汚染それから水質汚濁対策といった公害防止管理の取組につきましては、人々の安全安心の確保を図る、こういう観点から、環境対策の基盤となるものでございます。しかしながら、昨今、環境問題は、温暖化問題をはじめ多様化してきておりまして、そういった中で、恐らく企業におきましても、あるいは地方公共団体におきましても、かつて公害問題が非常に深刻であった時代を知る職員でありますとか、そういった経験者、豊富な経験を持っている職員の方が職場を去られるなど、公害防止対策を取り巻く環境というものはかなり構造的に変化してきているのではないか、このように考えているところでございます。
 このような状況の中で、昨今、一部企業におきまして、排出データの改ざん等の不適正事案が発覚をしておりまして、事業者あるいは地方公共団体の監視する側、そういった公害防止管理体制について若干心配な面があるのではないか、というような事態が見受けられるところでございます。
 このような状況を踏まえまして、今後の効果的な公害防止の取組促進方策の在り方につきまして、先月、環境大臣の方から中央環境審議会に対しまして諮問をしたところです。本小委員会におきましては、この諮問につきましてご審議をいただきたいと考えているところでございます。
 若干形式的ではございますけれども、小委員会ではございますが、大気汚染防止法・水質汚濁防止法、双方にまたがる問題でございます。中央環境審議会では、今、大気環境部会それから水環境部会ということで分かれていますが、その両方の合同部会のもとにこの小委員会を置かせていただきまして、分野横断的にご検討いただければと考えているところでございます。
 委員の先生方、皆様方には、ぜひさまざまな観点から活発なご議論を賜ることをお願い申し上げまして、簡単ではございますけれども、小委員会の初めの私からのご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

○木村総務課長
 引き続きまして、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思います。
 議事次第の裏に配付資料一覧を載せております。資料1−1は、「今後の効果的な公害防止の取組促進方策の在り方について」諮問文でございます。それから、資料1−2「今後の効果的な公害防止の取組促進方策の在り方について(付議)」でございます。それから、資料2が「中央環境審議会大気環境・水環境合同部会の小委員会の設置について」、資料3が「中央環境審議会大気環境・水環境合同部会の運営方針について」、資料4が「『効果的な公害防止取組促進方策検討会』報告の概要」、資料5が「今後の検討について」、資料6が「検討の進め方について(案)」。
 それから、参考資料が5つございまして、1が「中央環境審議会関係法令等」、2が「大気汚染防止法関係資料」、3が「水質汚濁防止法関係資料」、4が「『事業者向け公害防止ガイドライン』について」、5が「大気汚染防止法・水質汚濁防止法に基づく立入検査マニュアル策定の手引きについて」、以上でございます。
 もしお手元にない資料がございましたら、事務局の方におっしゃっていただければと思います。
 それから、本日、委員の皆様方には、小委員会の所属指名通知書等も封筒に入れて配付させていただいております。
 それから、資料4に添付の「効果的な公害防止取組促進方策検討会」報告につきましては、次回以降もこの会議の中で適宜ご参照いただくこととなると思いますので、もしお持ち帰りにならない委員の方がいらっしゃいましたら、お帰りの際に席上に置いておいていただければ、次回もご用意させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 それから、続きまして、本日は初回でございますので、小委員会の委員の先生方のご紹介を申し上げます。
 まず冒頭ご紹介申し上げますが、後ほどご説明いたします今回の諮問は、先ほど局長からも説明がありましたように、大気環境部会と水環境部会の所掌に係るものであるため、新たに大気環境・水環境合同部会が設置され、部会長には、中央環境審議会令第6条第3項の規定に基づきまして、既に中央環境審議会の鈴木会長から、東洋大学大学院国際地域学研究科教授の松尾先生が部会長として指名を受け、さらに本小委員会にもご参画いただくこととなっておりますので、ご紹介申し上げます。松尾部会長ですが、千代田線の事故で少し遅れてご到着ということでございます。
 それから、本小委員会の委員長につきましては、中央環境審議会議事運営規則第8条第3項の規定に基づきまして、松尾部会長から、坂本委員が小委員長としてご指名を受けておられます。坂本小委員長をご紹介申し上げます。
 次に、本小委員会の委員の先生方につきまして、中央環境審議会議事運営規則第8条第2項の規定に基づきまして、お手元の委員名簿にございますとおり、松尾部会長の方から、本日お集まりの委員の皆様を初めご指名をいただいているところでございます。
 本日ご欠席の先生も含めましてご紹介をさせていただきたいと思います。あいうえお順でご紹介させていただきます。
 初めに、福岡大学法学部教授の浅野委員でございますが、本日はご欠席でございます。それから、次に、全国中小企業団体中央会専務理事の市川委員でいらっしゃいます。それから、愛知県副知事の稲垣委員でいらっしゃいますが、遅れてご到着されると思います。それから、社団法人産業環境管理協会常務理事の指宿委員でいらっしゃいます。それから、社団法人におい・かおり環境協会会長の岩崎委員でいらっしゃいます。横浜国立大学大学院環境情報研究院特任教授の浦野委員でいらっしゃいます。早稲田大学大学院法務研究科教授の大塚委員でいらっしゃいます。それから、社団法人日本化学工業協会環境安全委員会委員長の後藤委員でございますが、本日は代理で石崎説明員がご出席の予定でございます。
 それから、次に、社団法人日本鉄鋼連盟環境・エネルギー政策委員会委員長の進藤委員でございますが、本日は代理で吉田説明員がご出席くださっています。次に、日本製紙連合会副会長の鈴木委員でいらっしゃいます。次に、東北大学大学院工学研究科客員教授の須藤委員でございますが、本日はご欠席でございます。次に、元上智大学大学院地球環境学研究科教授の中杉委員でいらっしゃいます。次に、明治大学法学部専任教授の新美委員でございますが、本日はご欠席でございます。
 それから、NPO法人菜の花プロジェクトネットワーク代表の藤井委員でいらっしゃいます。次に、慶應義塾大学経済学部教授の細田委員でございますが、本日はご欠席でございます。次に、学校法人トキワ松学園理事長の眞柄委員でいらっしゃいます。それから、先ほど松尾部会長をご紹介しました。後ほどいらっしゃると思います。
 次に、北九州市環境局環境モデル都市担当理事の松岡委員でいらっしゃいます。電気事業連合会環境委員会副委員長の宮池委員でいらっしゃいます。北海道大学大学院経済学研究科教授の吉田委員でいらっしゃいます。最後に、千葉県環境生活部次長の和田委員でいらっしゃいます。
 続きまして、環境省側の出席者をご紹介させていただきます。事務次官の小林でございます。先ほど挨拶させていただきました水・大気環境局長の鷺坂でございます。水環境担当審議官の伊藤でございます。私、総務課長の木村でございます。よろしくお願いいたします。
 大気環境課長の山本でございます。水環境課長の森北でございます。大気生活環境室長の土居でございます。総務課課長補佐の庄子でございます。それでは、これ以降の会議の進行は坂本小委員長にお願いいたします。

○坂本小委員長
 皆様方には、お忙しいところご出席いただきまして、ありがとうございます。本日の小委員会でございますが、第1回ということでございますので、まず、小委員会の設置についてご確認いただきます。
 次に、今回の諮問の背景となりました「効果的な公害防止取組促進方策検討会」の報告書について、事務局から説明をいただきます。その後、委員の皆様から今後の検討に関してご意見をいただく予定としております。
 それでは、「議題(1)小委員会の開催について」でございますけれども、資料1から資料1−2、資料2、資料3、これをまとめて事務局から説明をお願いいたします。

○木村総務課長
 それでは、お手元の資料1−1をご覧いただければと思います。資料1−1は諮問文でございます。諮問理由のところだけ読み上げますが、「近年の環境問題の多様化等を背景として、公害防止対策を取り巻く状況は構造的に変化してきており、こうした中で、昨今、基準の遵守の確認等、公害防止対策の適確な実施の必要性が高まっている。このような状況を踏まえ、今後の効果的な公害防止の取組促進方策の在り方について、貴審議会の意見を求めるものである」。
 それから、資料1−2が、この諮問を受けまして、会長の方から松尾合同部会長の方に付議をされたものでございます。
 それから、資料2が、この小委員会の設置についてでございます。「趣旨」のところにもありますが、先ほど諮問文にもありました、近年の環境問題の多様化を背景とし、公害防止対策を取り巻く状況が構造的に変化している。そうした中で、昨今、基準の遵守の確認等、公害防止対策の適確な実施の必要性が高まっているということ。
 これを受けまして、環境省において「効果的な公害防止取組促進方策検討会」を開催し、昨年4月に報告書を取りまとめたところですが、これを踏まえまして、効果的・効率的に公害防止を実施するための方策等に関し、制度的な対応の必要性も含めて、大気環境分野、水環境分野を通じた横断的な検討をさらに進めるために、8月19日付で環境大臣から中環審会長に対し諮問が行われたところでございます。
 その後、合同部会のこと、それから小委員会の設置のことが書かれております。裏に、設置についてということでございますが、1、2はご覧のとおりでございます。3ですが、今回設けましたのは小委員会ですので、この小委員会の決議は、部会長の同意を得て、大気環境・水環境合同部会の決議とすることができるということですので、よろしくお願い申し上げます。
 それから、資料3でございますが、小委員会の運営方針でございます。基本的には、中央環境審議会の小委員会、専門委員会等の運営方針に倣っております。
 一言だけ申し上げますと、1の(2)のところで、代理出席についての記述がございます。「代理出席は認めない」ということですが、「ただし」のところにありますように、「会議が必要と認めた場合には、欠席する委員等の代理の者を説明員として出席させることができる」ということで、本日もそのような形で、委員がご出席いただけない場合に説明員としてご出席をいただいているところでございます。以上でございます。

○坂本小委員長 
 ありがとうございました。ただいま説明をいただきましたが、何かご質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。質問等ございませんようでしたら、今後、これらの運営方針に則って本小委員会の審議を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、議題(2)「『効果的な公害防止取組促進方策検討会』の報告書について」です。
 先ほど事務局から説明がありましたように、今回の諮問は、環境省の「効果的な公害防止取組促進方策検討会」の報告を背景としておりまして、9月3日の大気環境部会及び9月15日の水環境部会において、そのポイントについて説明があったところでございます。改めて事務局から、検討会報告の概要について説明をお願いしたいと思います。それでは、事務局よろしくお願いします。

○庄子総務課長補佐
 それでは、「効果的な公害防止取組促進方策検討会」報告書のご説明をいたしたいと思いますが、まず初めに、この検討の前提となります大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の概要と施行状況についてご説明いたします。参考資料の2と3をご用意いただければと思います。

○山本大気環境課長
 まず、参考資料2で大気汚染防止法関係をご説明いたします。2.の「制度の概要」のところにございますように、環境基本法に基づいた望ましい基準として環境基準が設定されているわけでありますが、この環境基準を達成することを目標に、大気汚染防止法に基づいて規制を実施しているという構造になっております。
 物質の種類ごと、また施設の種類・規模ごとに排出基準等を定めて、これらの排出者はこの基準を守らなければならないという構造で動いております。
 まず、ばい煙の排出規制でございますが、これにつきましては、ばい煙の排出基準、一般排出基準、また、特別排出基準という特に深刻な地域において新設される場合について適用されるもの、あるいは、都道府県の条例によって定める上乗せのもの、あるいは、総量規制ということで、施設ごとの規制ではなかなか環境基準の確保が困難な場合は、工場ごと基準を設けるというやり方をしております。
 それぞれ方法論でありますが、まず(1)の排出制限ということで、排出者に対してその排出を禁止し、故意・過失を問わず違反者に対しては刑罰を科すという方法。
 また2番目として、改善命令・使用停止命令ということで、そういうおそれがある場合には命令することができること。
 3番目として、設置・変更の届出、また計画変更命令ということで、事前届出を受けた中で、何らか審査をした上で、適合しないという場合には、計画の変更または廃止を命ずることができるというものであります。
 また、(4)として、測定義務、立入検査でございます。これが今回のデータ改ざんの問題につながったところでございますが、いずれにしましても、そのばい煙量またはばい煙濃度を測定して、その結果を記録しなければならないとされております。また、都道府県職員は、それらを遵守しているかどうかを調査するために、立入の検査、あるいは必要な報告を求めることができるという規定がございます。
 5番目として、事故時の措置ということで、個別の施設で何らかの事故が生じたときには通報しなければならないとされ、また、排出者に対して必要な措置をとるように命ずることができるという規定がございます。
 (6)緊急時の措置として、大気汚染が深刻な状態ということで、政令で定めるレベルを超えたときに関しては、知事は、ばい煙排出者に対して排出量の削減を要請することになっております。
 続きまして、揮発性の有機化合物の排出規制についてです。これにつきましては、平成18年4月から施行されていますが、一つのポイントとしては、揮発性有機化合物の排出の規制に加え、事業者が自主的に行う揮発性有機化合物の排出及び飛散の抑制のための取組とを適切に組み合わせるという、ベストミックスという表現を用いており、これが揮発性有機化合物の排出抑制の一つの方法のポイントでございます。
 これにつきましては、まず(1)として、それを受けた基準遵守義務というものを課した上で、改善命令・使用停止命令を行えるようになっております。
 3ページでございますが、ここから後は、ばい煙と同様でありますが、設置・変更の届出、そして計画変更の命令を行うことができる。また、あるいは測定義務がありまして、立入検査を行える。また、(4)として、緊急時の措置が同様に行えるようになっています。
 続きまして、粉じんの排出規制であります。これにつきましては、一般粉じんに係る規制と特定粉じん、石綿でありますが、に係る規制に分けた形で、ここで発生施設というのがございますが、平成19年末では発生施設はゼロになっております。ですから、石綿に関しては、排出等作業における場合が課題となっているわけであります。
 これにつきましては、(1)基準遵守、そして基準適合命令・使用停止命令、また(2)で届出、そして計画変更命令ができるという枠組みがつくられております。
 続きまして4ページでありますが、測定義務、そして立入検査というものが規定されております。
 最後に、有害大気汚染物質の対策の推進でございますが、これにつきましては、有害大気汚染物質、定義としては、低濃度であっても長期的な摂取により健康影響が生ずるおそれのある物質ということで、該当するものとして234種類の物質、そのうち特に優先的に対策に取り組むべき物質として22種類がリストアップされているわけでありますが、こちらにつきましては、各主体の責務として、国では、科学的知見の充実、健康リスク評価の公表等、地方公共団体の施策としては汚染状況の把握、また情報の提供等、事業者の責務として排出状況の把握、排出抑制等、また国民の努力としては排出抑制等を責務とした上で、排出抑制基準というものを定めております。
 5ページのところに今ご説明いたしました内容を体系として整理しております。
 その次のページの6ページに、ばい煙に係る排出基準の遵守義務等について、法律の条項を抜粋しております。
 最後に7ページのところでございます。大気汚染防止法に係る施行状況といたしまして、ばい煙発生施設がありますが、「届出状況」のところにございますように、施設についてはほぼ横ばいという状態でございます。
 最後に9ページでございます。「規制事務実施状況」でありますが、立入検査につきましては、15年度からの統計でございますが、18年度までは毎年減ってきておりましたが、こういった不適正な事案を受けた形で各都道府県に要請したこともありまして、19年度は数が増えている状況でございます。
 また、法律違反の告発、そして行政処分でございますが、計画変更命令施設は過去5年間ゼロ、また、改善命令または一時停止命令施設につきましては、平成15年度4件、16は3、17は1、以降18年度、19年度はゼロになっております。
 一方、勧告その他の行政指導でございますが、これにつきましては、季節による燃料使用基準適合勧告施設についてはずっとゼロでございますが、SOXに関する部分は15年度に3件ございます。
 一方、その他の行政指導件数でありますが、だんだん減少傾向にございましたが、19年度、先ほどの不適正事例を受けて立入検査した結果、行政指導件数が増えている状況になっております。
 以上でございます。

○森北水環境課長 
 続きまして、水質汚濁防止法関係についてご説明を申し上げます。参考資料3をご覧いただきたいと思います。
 まず、目的でございますけれども、公共用水域、地下水の水質汚濁の防止を図るということで、国民の健康の保護、生活環境の保全を図るということを目的といたしております。
 法律の概要でございますけれども、環境基本法に基づき環境基準が設定 されておりますが、その環境基準を達成するということを目標に、水質汚濁防止法に基づきまして、排水規制、生活排水対策等を推進しているものでございます。
 3.のところに規制の概要を書いてございますが、水質汚濁防止法では、特定施設を有する事業場、特定事業場と申しておりますが、そこから排出される水につきまして、排水基準以下の濃度で排水することを義務づけております。
 この排水基準により規定される物質は大きく二つございまして、有害物質と生活環境項目というものでございます。有害物質につきましては、27の項目について基準が設定されております。有害物質を排出するすべての特定事業場で基準が適用されています。生活環境項目につきましては、15項目基準が設定されております。1日の平均的排水量50m3以上の特定事業場に適用されております。
 規制基準を大別いたしますと三つでございますが、全国一律の排水基準、そして、都道府県が条例等によりまして、一律の排水基準だけでなく、さらに厳しい基準を設ける上乗せ排水基準、これには50m3未満の事業場に基準を適用するようなものもございます。総量規制基準ということで、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海におきまして、一定規模以上の事業場から排出される排出水の汚濁負荷量の許容限度として適用される基準、これはCOD、窒素、燐というものでございますが、そういった基準がございます。
 めくっていただきまして、2ページのところ、具体的な内容でございますが、これにつきましては、先ほどの大気汚染防止法と基本的には考え方は同じでございます。(1)のところに排出制限ということで、基準に適合しない排出水の排出を禁止する。違反をすると刑罰が科せられるということでございます。
 また、排出基準に適合しない排出水を排出するおそれのある事業場に対しては、改善命令、一時停止命令をすることができるとなっております。
 また、特定施設を新たに設置または構造を変更するという場合には、その設置、変更について都道府県知事に届出をしないといけない。また、基準に適合しないと認められるときは、その計画の変更を命令することができるというようになっております。
 (4)でございますが、事業者は、排出水の汚濁負荷量を測定し、また、その結果を記録しておかなければならない。都道府県職員は、基準を遵守しているかどうか調査するために立入検査を行うことができることとなっております。
 (5)で、事故時の措置でございますが、事故等が発生して、有害物質もしくは油を含む水が排出され、被害が生じるおそれがあるというときには、応急の措置を講ずるとともに、また、事故の状況、措置を行った概要について都道府県知事に届けなければならないということになっています。また、都道府県知事は、事故時の措置を講じていないと認められたときは、応急の措置を講じるべきことを命じることができるというようになっています。
 6点目に、緊急時の措置ということで、異常な渇水時に水質の汚濁が著しくなったときは、都道府県知事が、期間を定めて、排出量の減少、必要な措置をとることを命じることができるというようになっております。
 今申し上げました内容が3ページのところに、フローの形で、法の体系という形で整理をさせていただいております。
 4ページですが、排水基準の遵守義務の内容、今申し上げましたような内容でございますが、それに伴う罰則の規定について整理をさせていただいております。
 最後に5ページでございますが、施行状況でございます。まず、特定事業場の数の届出は28万事業場ということになっております。立入検査、平成19年度で4万7,000件行っています。排水基準違反は19年度で10件の違反ということでございます。行政処分といたしましては、改善命令または一時使用停止命令件数としまして、19年度は28件程度、行政指導は大体8,000件程度、19年度は8,000件余りという施行状況でございます。以上、簡単ではございますが、終わらせていただきます。

○庄子総務課長補佐
 それでは、引き続きまして、昨年4月に取りまとめました「効果的な公害防止促進方策検討会報告」本体について、ご説明申し上げます。
 資料4をご用意ください。カラーの1枚紙で概要とございまして、冊子の報告書本体がございます。冊子の方でご説明申し上げたいと思います。
 まず、今回の検討の背景でございます。2ページをお開きください。こちらに、大気汚染防止法、水質汚濁防止法の近年の状況ということで、先ほど申し上げましたデータを紹介してございます。ここで挙げてございますのは、公害防止業務の構造的変化ということでございます。
 2ページに、大気汚染防止法、水質汚濁防止法の対象施設数が挙げてございますが、こちらの施設数は横ばいの傾向にございます。
 他方、立入検査の件数でございますが、先ほどもご紹介申し上げましたように、大気汚染防止法、水質汚濁防止法の立入検査件数は、ともに減少傾向にあります。その要因といたしましては、行財政改革による人員や予算の減少による影響が考えられるのではないかということでございます。
 それから、公害防止法令を担当する職員数でございますが、環境関連の業務が、地球温暖化あるいは循環型社会の構築といったように多様化する中で、こうした公害防止法令の施行に当たる職員数が減少しているのではないかということでございます。4ページにグラフがございますが、大気、水質それぞれ公害防止法令を所管する職員数の動向ということで、減少あるいは横ばいと挙げている自治体が多うございます。横ばいとされている場合にも、業務の増加により実質的に減少していると考えられるというようにされてございます。
 こうした中で、4ページ、5ページでございますが、一部の大企業におきまして、昨今、公害防止法令に基づく排出基準の超過や測定データの改ざんなどの不適正事案が発生しているということでございます。
 6ページ、表2−4でございますが、近年の不適正事案の概要というのがございます。A社、B社とございますが、まず、平成17年2月、A社、鉄鋼メーカーでございますが、水質汚濁防止法に基づく測定データの改ざんが判明したということでございます。これを契機に各企業に対する立入検査等を強化した結果、B社、C社、D社においても、データの改ざんもしくは測定を実施していないという事実が明らかになったということでございます。
 それから、大気の分野におきましても、平成18年の2月に、E社でございますが、データの改ざんが見られた。それから、同じ年の5月には、F社において排出基準の超過、改ざんが発覚したということでございます。
 さらに、複数の電力事業者においてダムのデータ改ざんなどが続いたことから、原子力安全・保安院の方で一斉点検の指示があったということでございまして、その結果が表2−5、7ページでございますが、複数の会社において排出データの改ざん、手続の不備等が見られたということでございます。
 それから、8ページ、表2−6でございますが、平成19年の7月に大手の製紙工場において排出基準違反が判明したということで、製紙業者各社において自主点検が実施されるとともに、自治体に立入検査の実施を求めたところ、測定結果の改ざんの事例が5社9工場で確認をされたということでございます。
 9ページにこうした不適正事案の分析というものがございます。この報告書の中では大気汚染防止法に係る事案を中心に分析を行いまして、排出基準の超過、それから測定データの記録改ざんについて、不適正な対応の原因、それから事業者による不適正事案防止方策、その取組を促進するための課題を整理したということでございます。
 10ページ、11ページ、横長の資料になりますが、不適正事案の分析ということで資料がございます。
 まず、不適正な事案の原因としては、事業者における操業優先の意識や環境意識の低下、それから環境法令に対する理解の不足、そして、負荷変動や機器の不具合に対する管理・点検体制の不備などがこうした原因として認められたということでございます。
 こうした問題に対しまして、事業者において各種の防止方策をとっているというのが「事業者による防止方策」に掲げられているところでございまして、このような取組を支援するために、環境省それから経済産業省と共同で、事業者向けガイドラインというのを19年の3月に策定をいたしました。こちらは参考資料4に概要を添付していますが、現在、その周知と普及を図っているところでございます。
 それから、表2−7にございます「取組を促進するための課題」がまさに報告書の中で取組促進方策として掲げられているものでございます。
 10ページが排出基準超過、11ページが記録改ざんの事案の分析でございますが、重複して書かれている事項もございますので、主に11ページの記録の改ざんの方でご紹介申し上げますと、取組を促進するための課題といたしまして、事業者の公害防止管理体制整備の促進、測定データの管理体制等ということでございます。それから、排出測定データの公表・開示の促進、改ざんに対する厳正な対処、自治体による立入検査や報告徴収などの効果的な実施、測定データ管理体制等の確認というものもございます。それから、自主的な改善を促進する仕組みの検討というものが挙げられてございます。
 こちらの報告書の中では、こうした課題を、9ページにお戻りいただきまして、最後の段落でございますが、事業者の公害防止管理体制整備の促進など、事業者の取組を直接促す事項、自治体による立入検査の効果的な実施など自治体の取組の促進を通じて事業者の取組を促す事項、測定方法や運用等の明確化と周知徹底など、事業者、自治体にまたがって公害防止管理を促進する事項が含まれるということで、それぞれの項目に沿って促進方策の整理を行っているということでございます。
 資料をおめくりいただいて、12ページにおきましては、こうした公害防止の取組強化に向けた基本的な考え方というものを整理してございます。
 先ほどご紹介申し上げましたように、地球温暖化問題あるいは廃棄物リサイクル問題と、環境問題が多様化してきているという状況を背景といたしまして、事業者・自治体の双方において公害防止業務の割合が相対的に低下をしてきているのではないかということでございます。それから、事業者あるいは行政の立場からエキスパートとして取り組んできた経験豊富な熟達されている職員の方々も退職期を迎えていて、公害防止業務の執行力がますます制約を受けざるを得ないのではないかという問題意識、検討の背景でございます。
 それで(1)は、まず、法令の規定そのものから運用レベルまで、各種の取組促進方策を適確に組み合わせて、総合的に実施していくことが重要ではないかというのが一つ目の考え方です。
 (2)でございますが、事業者、自治体における自主的な取組の促進を図るという観点から、公害防止管理体制の整備、各種規制事務の効果的な実施を促進するための方策を講ずるべきではないかということでございます。この中では、事業者と自治体との間で十分なコミュニケーションを図っていくことを促進すべきというようにされております。さらに、自主的・積極的な取組を行う事業者が報われることとする一方、改ざん等の不正を行う事業者には厳しく対処をしていくことが重要ではないかということでございます。
 それから、(3)の考え方といたしましては、これまでの事業者及び行政間での管理といったものから、社会的な情報共有による、透明性のあるできるだけオープンな管理手法への移行を図っていくことが重要ではないかということをうたってございます。
 そうした考え方に基づきまして、14ページ以降でございます。資料4、カラー紙の1枚紙がございますが、こちらで項目が列記されてございますので、これをご覧いただきながら、こちらの報告書の方もご覧いただければと思います。
 3つに分かれていまして、事業者における取組の促進、それから自治体における取組の促進、それから横断的な方策ということで整理がなされております。
 まず、事業者における取組の促進の一つ目でございますが、公害防止管理体制整備の促進というものを挙げてございます。一つ目に、公害防止法令に基づく届出機会の活用ということでございまして、大気汚染防止法・水質汚濁防止法、それぞれ施設の設置等に際して自治体への届出が規定されていまして、こうした機会というのは、事業者と自治体とのコミュニケーションを持つ重要な機会として機能しているのではないかということで、こうした機会を活用いたしまして、事業者における自主的な公害防止管理体制の整備や確認を行うきっかけとしていってはどうかということでございます。具体的には、届出事項にこうした公害防止管理体制の整備に関する情報も加えてはどうかということでございます。
 それから、14ページ下の方に書いてございますのは、公害防止組織整備法という法律がございますが、この法律に基づく公害防止管理者制度の一層の活用、それから、ISO14001などの環境管理システムとの連携が有効ではないかということでございます。
 それから、15ページでございます。[2]といたしまして、「排出測定データの未記録・改ざんに対する罰則創設の検討」というものがございます。公害防止法令における排出データ測定の記録というのは、事業者の自主的管理のために行われるものでありまして、それと同時に、自治体による報告徴収、立入検査においても重要な資料になるものでございます。さらに、事業者の適正な操業を社会的に示す上でもその重要性は高まっているのではないかということでございまして、こうした排出データ測定の意義を改めて見直しまして、効果、影響などを見極めた上で、排出測定データの未記録・改ざんに対して罰則を設けて抑止力を働かせることを検討することが必要ではないかということでございます。
 それから、おめくりいただきまして、16ページ[3]でございます。「事業者の自主的な取組が報われる仕組みの検討」ということでございまして、事業者の公害防止管理に向けた自主的な取組を引き出し、促進していくためには、こうした自主的・積極的な取組に対するインセンティブを働かせることも重要ではないかということでございまして、例えば表彰制度なども考えられるのではないかということでございますが、さらに、法令違反への対応も含めて、事業者が自主的に積極的かつ適確な対応を行った場合に、何らかのメリットが事業者に生ずるような仕組みについても検討を進めていくことが適当ではないかということでございます。
 それから、17ページ[4]でございます。不適正事案への対応に当たって技術的な要因も考慮する必要があるのではないかということでございまして、例えば大気分野において、燃料で廃棄物等に由来する燃料を用いた場合に品質的にばらつきがあるということで、こうした技術的な観点からの取組の促進というのも考えていくべきではないかということでございます。
 それから、18ページでございます。二つ目の柱で、「自治体における取組の促進」ということでございます。
 まず、自治体における立入検査の効果的な実施促進ということでございまして、自治体の立入検査が、先ほど申し上げましたように、件数も減少傾向にある。それから、担当職員の人員、経験年数も十分でなくなってきつつあるのではないかということで、ノウハウが弱体化しつつあるということ、そういった観点から、立入検査のマニュアルの整備促進を図るべきではないかということでございまして、こちらも参考資料でつけてございます。参考資料5にございますが、大気汚染防止法・水質汚濁防止法の立入検査マニュアル策定の手引き、こういったものを環境省の方で策定をしているということもございます。
 それから、19ページ、優良事例ということで、公害防止業務の優良事例の共有の推進を図ってはどうかということでございます。
 それから、20ページにございますが、先ほどご紹介申し上げました公害防止組織整備法に基づきます公害防止管理者制度と公害防止法令との連携促進を図ってはどうかということでございます。
 それから、21ページ[2]でございますが、国・自治体間での情報交換と教育・ノウハウ継承の促進ということでございまして、22ページに書いてございますのは、国それから自治体間における連絡会議のようなものを地域ブロックごとに開催してはどうかといったこととか、インターネットを活用した情報共有システムの構築を図ってはどうかということでございます。
 それから、23ページからは、三つ目の横断的な方策ということでございまして、[1]に挙げてございますのは、排出基準などの明確化、浸透ということでございまして、一部の事業者において、こうした排出基準、それから法令につきまして理解が不十分である、他方、自治体においても、自治体間において解釈の違いがあることなどが指摘をされているということで、こうした法令の運用についてできるだけ明確化を図るべきではないかということでございます。
 23ページ下の方に挙げてございますのは、大気汚染防止法・水質汚濁防止法に基づく通知類の整理統合であるとか、こうした法令の法令集の編集、改訂、それから解釈の統一といったこと、それから、24ページには、照会・相談窓口を設置してはどうかというふうなことが挙げられてございます。
 それから、24ページから25ページにかけては、大気汚染防止法・水質汚濁防止法それぞれに関しまして、具体的な検討を行うべきと考えられる事項というのが挙げられてございます。
 大気汚染防止法に関しましては、通知の再整理であるとか、自主的測定結果の取り扱い等について明確化することが適当ではないか。25ページの上の方には、プラントの立ち上げ時や非定常時における規制基準の適用などの取り扱いを検討すべきではないか、あるいは、合理的な平均化時間の設定方法等についても検討すべきではないかということでございます。
 それから、水質汚濁防止法に関しては、現在、排出水の測定項目、頻度について定めがないということでございまして、先ほどご紹介いたしましたデータの未記録・改ざんに対する罰則を創設する場合には、こういった測定項目、頻度についての検討も必要ではないかということでございます。
 それから、おめくりいただきまして、26ページでございますが、[2]といたしまして、「排出測定データの公表、開示等」というのがございます。事業者のCSRに対する関心の高まりとも相まって、我が国におきましても、化学物質排出把握管理促進法であるとか、地球温暖化対策推進法等において公表、開示が進められているということでございまして、27ページにございます報告、公表、開示の仕組みの検討ということで、大気汚染防止法・水質汚濁防止法においては現在こういった規定はございませんが、こういった排出測定データ等の報告、公表、開示の推進について、効果や負担等の観点にも留意して検討を行っていくことが必要ではないかということでございます。
 それから、28ページでは、こうした排出測定データの公表等の検討に当たっては、リスク・コミュニケーションの推進を図っていくことが必要ではないかということでございます。
 それから、29ページには、事業者や自治体の公害防止担当者の教育・研修の機会の拡充が必要ではないか。
 それから、30ページの方には、継続的な公害防止管理の実態把握による制度運用の改善が必要ではないかということが提言されておるところでございます。以上でございます。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。ただいま資料4−1と4−2につきましてご説明をいただきましたけれども、これにつきましてご質問等ございましたら、お願いいたします。
 なお、ご意見につきましては、後ほど意見交換をする時間をとる予定でございますので、そちらでお願いをしたいと思います。まずは、今資料をもって説明したところにつきまして、質問等ございましたら、お願いいたします。
 大気の分野と水の分野ということで、大防法と水濁法で相当な違いの部分もあろうと思います。おいでの委員の方々も、それぞれの専門分野が違うという点から何かご質問等ございましたら、どんな点でも結構でございますので、お願いをいたしますが、いかがでございましょうか。それでは、まず浦野委員、お願いします。

○浦野委員
 意見は後でということですが、この資料で、違反というか、不適正事案が幾つか出ているわけですが、それに対して情報の公開ということが改善の方法の一つとして出ているわけですが、違反というか、不適正な事案の場合に、情報公開をどの程度していたのか、していなかったのかというのは把握されているのでしょうか。その点について、追加のご説明があれば。

○坂本小委員長
 事務局の方から、まずこれについてお願いいたします。大気と水と両方、それぞれあろうかと思いますが。

○山本大気環境課長
 本日は今のご質問に適切にお答えできる情報を用意していませんので、次回その点をお答えさせていただきたいと思います。

○坂本小委員長 
 水も同様ということでよろしいでしょうかね。ありがとうございます。そうしましたら、吉田説明員、お願いします。

○吉田説明員
 今のご説明で非常によくわかったのですが、今の浦野委員の質問と似ているのですけれども、こういう不適切な事案があって、ガイドライン等を作って取組をしてきたわけです。特に19年度は、立入検査マニュアルが運用されて、検査がかなりしっかりやられるようになったというように理解していますので、20年度の不適切な事案がどういうように発生しているのかに非常に関心があります。今まで我々もいろいろ取組を行っていますが、結果としてどういう状況なのかということについて、20年度の情報についても教えていただければと思います。

○坂本小委員長
 事務局の方から、今どの辺まで集計が出ているかわかりませんけれども、現状でわかる範囲で。

○山本大気環境課長
 まだ集計中ということで、出ていないと思います。

○坂本小委員長
 そうすると、これは、例年ですと例えばいつ頃までに集計されるのか。それから、今のお話のように、今回それがどういう状況になっているかというのは、今後の検討をする上で重要な情報となりますので、例えばあるところまでだったらいつ頃それが出るかとか、そういったところでお話しいただければと思います。

○山本大気環境課長
 大体、例年12月頃にデータが集計できるという状況になっています。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。できれば、今のご意見にあったように、幾つかの条件の中で、こういったものがその後どうなったかというのが、今後の検討をする上で非常に重要な情報になりますので、いつもは12月であるかもしれませんけれども、また最後にこの委員会の進め方、全体の日程等説明を申し上げますが、そういう中で、その情報が整理されて、それをも含めた検討ができるようにしていただければと思います。

○伊藤審議官
 水担当審議官でございますけれども、この報告書の6ページにあります不適正事案は、毎年ある一定の時点でまとめているということはございません。ただ、ご承知と思いますけれども、今年度におきましても、製紙工場でデータ改ざんが行われたという事例がございます。これもいずれご紹介する機会があると思いますけれども、残念ながら、我々として、こういう事案が皆無になったというように自信を持って言えるような状況にはないという状況でございます。

○坂本小委員長
 大塚委員、お願いします。

○大塚委員
 ありがとうございます。この会議に参加させていただいていますので、一般的なことをお伺いするのはどうかというのもありますが、これからの議論の土台になると思いますので、1点お伺いしておきたいと思います。
 全体の流れとして、最近の傾向として、こういう記録の改ざん等についての問題をきっかけにしてどうするかという議論で、そういうトーンでいいと思うのですが、1点確認しておきたいのは、大気汚染防止法とか水質汚濁防止法を最初につくったときに、測定記録義務をちゃんと明確にしていないところとか、あるいは義務違反について罰則がかかっていないというのはあちこちにあるわけですし、さらに、水の場合には、測定頻度に関してそもそも明確に書かれていないというところがあるわけですけれども、当時はどういうふうに考えてこういう規定の仕方をしていたのかというのは、一応確認しておいた方がいいのかなと思います。ちょっと微妙な質問で申し訳ないのですが、ただ、これから議論していく上では大事なところかなと思います。
 私の、この会議に参加させていただいた感触だと、一つは、自治体の方がきっちり監督をしているというのが前提だったので、それでもよかったということなのかなという気もしないでもないですが、はっきりものを出さずに済ましてしまうということは、残念ながら人間はそういうことをすることは一般的な傾向としてないとは言えないということは、法律をつくるときには多分わかっていたと思いますので、そういう観点からすると、どういう考え方でこういう規定の仕方をしていたのかというのは、一応ちょっと確認はしておいた方がいいのかなというふうに思いますので、お答えいただければありがたいと思います。

○坂本小委員長
 ありがとうございます。今の点につきましては、その当時そこまで思いが至らなかったのか、それとも、ある考えのもとにそういう形をとったのか、もしその辺について現在答えられるところで何かあれば、お願いしたいということです。

○伊藤審議官
 特に水濁法のことをおっしゃられているのだと思いますが、法制定時には、今の法令の規定から考えれば、当然、国の方で測定頻度なりもしっかりと、これは大気の場合でもそうですけれど、最低年何回とか、そういったことを規定すべきであったのだろうと思いますが、その点について、法立法時には当然そういったことは想定していたというふうに考えますが、それ以降、総量規制は定めておりますけど、それ以外には定めていないという状況があるということは先生のおっしゃるとおりで、いろんな先生がおっしゃられたような事情があったのかもわからないというように考えております。その点は、しっかり見直すべきは見直す必要があるだろうというように考えております。

○大塚委員
 測定記録義務とか、義務違反の罰則について、そもそもなかったのはなぜかという方はどうでしょう。すみません。

○伊藤審議官
 そこは立法当時の議論を再度、調べられるかどうかわかりませんが、調べてみたいと思います。そこまでやる必要はなかったのだろうということだったのかもしれませんが、ただ、実際そういった不適正な事例が生じてきているということを考えて、今どうしていくべきかということはしっかり考えていく必要があるのではないかと思っております。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。浦野委員、どうぞ。

○浦野委員
 今のご意見に関連あるのですが、項目はあるけれども、そこの事業所あるいは特定施設では出るわけがないという物質もあるわけですね。そういう場合は、初期はちょっと試験させ、その後、自治体と企業、事業者が合意して、測定を免除するようなことも行われているわけですね。そういうのがあいまいになると、どこがやるべきで、どこがやらなくて良いのかというのが、かなり行政側も事業者側もあいまいになってくる。そうすると、実質的に随時やっている部分と、本当に規制管理しなくてはいけないものの境界が非常に不明確になっているというのが実態じゃないか。
 ですから、こういう不適正な事例というのは、ここに挙げてあるのは本当に氷山の一角で、かなりたくさんある。典型的なのは、例えば中小の廃棄物焼却施設でダイオキシン測定がまだされていないところがかなりあるとか、いろいろな事情があるわけで、その辺はやっぱりきちんと整理して、どうあるべきか。何もかもすべてを、全部頻繁に測りなさいというと、結局それはできないので違法ともなる。実態をよく把握して、その辺の指針を明確にする必要があるのではないかという気がします。

○坂本小委員長
 ただ今いただきました意見は、そろそろ意見も実は入っているかなということでございまして、今日、この後の進め方としては、皆様方からそれぞれご意見をいただく場の方を設けてございますので、議題の3の方に進めさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 また再度、浦野委員にも関連するところでご発言をいただく予定でございますけれども、議題(3)で、今後の効果的な公害防止の取組促進方策の在り方ということでございます。
 今申し上げましたように、この検討につきましては、委員の皆様方から自由にご意見を伺いたいと思う次第でございます。そうはいっても、何かこのような形でというものがないとなかなか意見も出しにくいかもしれませんので、私自身は大気の方が専門で、水の方については詳しいわけではございませんが、今回の報告書を見まして、このようなものではなかろうかという形で、材料としてリストアップさせていただいたものが資料5でございますので、簡単に説明をさせていただきたいと思います。
 まず、「今後の検討について」と書いてございますが、先ほど来事務局の方から説明を申し上げましたけれども、公害対策を取り巻く状況、これがこれまでの激甚公害であったものが、事業者・自治体の努力によってかなり克服されてきたということは評価されるべきところです。
 その一方では、環境問題が、非常にさまざまな問題がございまして、広がりを見せ、自治体・事業者の公害防止の取組が相対的に縮小してきたということ。それからもう一つ重要なところは、そういった問題が大きかった頃に、非常に意識の高い方々が職員としてそういったところへ入っていかれました。そのような方々が退職されるところに至っているために、環境に対する意識だとか技術の継承という点についてもいろいろ考えなければいけない問題が出てきているであろうということ。
 そういった中で、ここ数年、一部の企業においてデータ改ざんなどの問題が相次いで出てきたというのが現状でございます。
 そして、検討の視点といたしましては、データ改ざんなどの問題は、厳しい規制を組み込んでいる公害防止法令の実効性が、時代の変遷とともに実質的に弱まってきていると考えられる。当時の法を制定したときの状況と、また、一部については、少しやるべきことを厳密に決めていなかったというような部分もあろうかと思います。
 それから、こうした観点から、より確実に公害防止のための制度が機能し、業種や規模を問わず事業者全体による取組が継続的に実施され、そして、こういったものが継続的にやれるだけではなくて、一番重要なのは、そういったことを続けていくことによって、環境の負荷が低減していくのだと、そういったことが担保されるようにするにはどうしたらいいだろうか。こういったところが今後検討していくことになろうということでございます。
 そして、検討報告書を踏まえた検討事項の例として申し上げますと、先ほど来出てございますが、事業者による法令遵守の確実な実施。これは例えば大気の方ですと、かなりのものが自動モニタリングされていますから、それをきちんと記録していけばいいわけですが、一方、水の方については、測定の頻度だとか項目等々がまだきちんと決まっていないような部分もあって、そことの整合性の問題もあるかと思います。
 それから、[2]といたしまして、事業者の自主的かつ継続的な公害防止の取組に対してメリットが生ずる仕組みも考えていいのではないだろうかと思います。なぜかと申しますと、こういったモニタリングなり排出基準なりがちゃんと満たされているということは、非常に簡単なことのように思いますけれども、これが継続的にやられていて、そして、かつ、その数値が下がっているかどうか、そういったところを考えた場合には、きちんと整理されるということが重要で、それに対して長期的にわたってきちんとやったところに対しては何らか奨励するような形に持っていかなければいけないだろうと。
 それから、[3]といたしましては、社会的な情報共有によるオープンな公害防止管理の促進と環境負荷の低減ということでございますけれども、これにつきましては、測定結果、モニタリング結果が公表され、例えば企業としても、こういった形で、ここは非常に積極的にこういったことをやっているよということが社会的にも公表されるということは、[2]の、逆に今度は別のところでのメリットのところにもつながるような話にもなるのではないかというように思う次第でございます。
 それから、[4]といたしましては、事業者及び自治体における公害防止管理体制の高度化。これは先ほど、団塊の世代の定年によって、さまざまな知識や技術、経験、そういったものが継承されないおそれがあるということを申し上げましたけれども、ここにつきましては、やはり教育・研修のようなものを含めてこういったことをやる必要があるのではなかろうかということ。
 それから、[5]といたしまして、基準超過時や事故時における自治体の機動的な対応の確保ということで、ここにつきましても、大気汚染防止法の方では、ある程度測定項目、どういったものが出そうだという形で、こんなものは測らなければいけないだろうというようなものがあらかじめ挙げてあるわけです。それに対して、水の方についてはそういったものがない。その一方で、こういったものをあまりにも項目を多く挙げ過ぎると、また別の問題も生ずるところもございますので、そういった点について、判断基準も含めて、いろんな形が、事故時に対して非意図的なものが当然出る可能性がございますので、そういったときの対応をどうするかということを考えておく必要があるだろう。
 それから、[6]として、大防法とそれから水濁法のところでやや違いがございますが、公害防止法令に基づく事務手続の合理化をして、それぞれ、企業も、それから地方自治体も、人員が多くない中で効率的な業務をどうやっていくかというような点を考えていく必要があろうということで、今日、にわか勉強でちょっと項目を整理させていただきました。
 今申し上げました項目が、かなり私個人としては重要なところというように考えてございますが、今紹介した項目に限らず、今後の検討に関してそれぞれの委員の皆様方からご意見を自由に頂戴したいと思っております。
 今日ご出席の人数を考えますと、大変恐縮ですが1人3分ぐらいでお願いします。今日この場で意見が尽くせなかった方は、メモで事務局の方へお出しいただくことも考えさせていただくようにしたいと思いますので、この会議では、大変恐縮でございますけれども3分以内でそれぞれのご意見をご発言いただきたいと思います。
 指名をして恐縮でございますけれども、名簿順ということで、まず市川委員からご意見をいただければと思います。お願いいたします。

○市川委員
 全国中小企業団体中央会の専務理事をいたしております市川でございます。まず、私どもの団体について若干ご説明をしておきたいのですが、組織名の中に「団体」という文字がございますように、個々の中小企業を組織化・連携化することによって中小企業を支援していこう、あるいは国の施策を普及啓発していこう、というような仕事もやっているわけでございますが、各県にも中央会がございまして、全国レベルで取りまとめているのが私どもの団体と、こういうことでございます。
 今回の公害防止取組につきましても、国の施策の一つというとらえ方ができると思いますので、ぜひこの組合をうまく活用して、何らかのお役に立てればというふうに一般論としては考えているところでございます。
 中小企業は現在420万社ございます。私どもの事業協同組合を中心とします組合組織がございますが、私どもの傘下に入っておりますのは約3万組合でございます。1組合、平均しますと大体100社程度がその組合に参加をしていまして、300万強の中小企業が組合を介して私どもの団体につながっているということでございます。420万のうち約300万が私どもの組織下にあるということで、約7割の組織率というようなことになりますが、こうした私どもの団体の特徴をうまく活用して、組合を通した活動というものも考えられると思っているところでございます。
 しかし、さはさりながらというところもございまして、冒頭の局長からのお話、それから報告書のご説明の中にもございましたように、かつて公害防止に第一線で取り組んでいました方々が一線を退くというようなことで、最近の若い従業員は、必ずしも公害防止取組に積極的ではないというようなところも見られるところでございます。そういったところが一つ悩みの種かと思っております。そのためにも、先ほどの小委員長のお話にもございましたが、教育あるいは普及啓発、そういった面においても組合組織をうまく活用できるのではないかなと思っているところでございます。
 それから、さはさりながらの2点目でございますが、中小企業は現在、製造業でいいますと、従業員300人までというところでございます。そういう中規模のところもございますし、1桁の従業員しかいない非常に零細なところもございます。いろいろ事情もございますので、そういった中小企業の実態を踏まえた形で進めていっていただけたらなと思っているところでございます。
 それから3点目に、最近の不況の中で中小企業は苦しんでおります。仕事がない、仕事が去年に比べて半分しかないというような状況でございますので、そういった状況の中でどの程度のことができるのかということも一つ考えていく必要があると思っています。以上でございます。

○坂本小委員長 
 ありがとうございました。指宿委員、お願いします。

○指宿委員
 私どもの協会は、今回の話の中で特に公害防止管理者の制度、国家試験を施行したり、そういう意味で非常に関わっているかなと思いますが、今までの経緯を見ると、一昨年でしたか、事業者向けの公害防止ガイドラインというのができて、それをいろんな業種の企業あるいは事業所に普及していくということが一つ重要な観点だったと思いますが、その辺のフォローアップを経済産業省の方で毎年やっているわけですけれども、なかなかすべての業種、企業にそのガイドラインが上手に活用されているという状況にはないのではないかと思います。そういう意味で、公害防止ガイドラインをいかに実効的に企業で使っていくか、その辺の方策をやはり深めていく必要があるだろうというのが一つの私の意見です。
 もう一つは、公害防止管理者が試験を受けて資格を取るのですが、私どもの記録を見ると、例えば20年前に取った方が、その間ほとんど公害防止の業務をしないで、先ほど出たように、退職の方が増えて、20年間何もそういう意味では勉強してこなかった方が突然公害防止管理者になる。企業の中ではそういうことを避けるように一生懸命やられているとは思いますけれども、そういう意味で、公害防止管理者の資格を持っている方の教育や再教育が非常に重要だと思っています。
 私どもの協会で、一昨年から、そういうリフレッシュ研修ということで教育を開始しているのですが、なかなか人数的にも2,000人にも達していませんので、いかに人数を増やしていくか、何か方策がないものだろうかというふうに考えています。その辺のところを検討していったらどうかというふうに思っています。以上です。

○坂本小委員長 
 ありがとうございました。岩崎委員、お願いします。

○岩崎委員 
 幾つか問題点あると思うのですが、私自身は地方自治体を経験していますので、地方自治体の方の視点からいいますと、昔からこういうデータの改ざんや何かというのは当たり前のことで、今起きたことではないだろうと。要するに、20万も施設があれば、1%や2%のところはそういうところが出てくるだろうと。そういうのを実際にいっぱい経験していますし、もちろん、大半のところはまじめにしっかりやっているところも多いですが、それをどうやって見抜いていくかとか、一緒になっていい方向に向けていくかということが一番問題だろうと思います。
 地方自治体が、報告にもあるように、ポテンシャルがどんどん落ちてきていると。スタッフもいなくなってきていれば、予算も少なくなってきている。分析自身が、測定が委託になってしまって、委託が悪いというわけではないのですが、やはり委託での仕事というのは、どうしても限界があって、それ以上のものは見抜けないというところがあるわけですね。特に今、工場に行って、中央制御室でデータを見ても、いいデータが全部出ていますし、デジタル化で数字が出ているだけですから、それを見るだけでは、立入の方もなかなか難しい。
 測定器のところへ行って、本当にアナログのデータを見ないと、どういうふうに動いているのか、これはどういうふうに操作されているのかというのはわからないところがあるわけですね。そこまでのプロ的な人たちが少なくなってきて、委託業務のために、その部分がどうも不十分になっているなという気がしております。
 これからは、そういう意味で、分析の部分は、どちらかというと地環研、地方の環境研究所が担っていた部分があるんですけど、その部分が近年相当ポテンシャルが落ちてきてしまったと。非常に残念なんですけれども。その辺をどういうふうにテコ入れしていくかというのが、ここにも研修だとかいろんなことで指摘されていて、すごく大事なことだろうと思っています。
 最後にこれをどうしていくかということを考えると、一つは、地環研を初め地方の分析能力を高めていくことも一つの大きな課題で、進めていくべきだと思いますけれども、大きな課題として、私は昔から思っているのですが、これは、今日は法律関係の先生もいらっしゃいますので、濃度規制というのが非常に大きな役割を担ってきたんですけれども、測定をして出すというのは、どうも規制業務からいうと、なかなか限界も出てきているかなと。
 例えば、ご承知のように、JIS Z 8808でも、粉じんの測定でも、測定してデータを出すために、準備するまでに、水分を測ったり、温度を測ったり、相当時間がかかってしまうと。測定のフランジ自身もついていない工場もあれば、径が違うところもある。測定する前に相当準備が要る。私の経験では、木屑ボイラーなんかだと、焼却炉を減らしちゃうことぐらい幾らでもできるわけですよね。
 ですから、今後、濃度規制を別の形で、構造基準だとか、施設基準だとか、管理基準だとか、そういうものに移せるものがあったら、これは行政の方、地方自治体の方は、そういうものをどういうふうに管理しているか、電気集塵機はついているのか、バグフィルターはついているのか、そういうことを確認しておくとか、そういうことでの進め方の方が楽かなと。これはすぐできることじゃないと思いますけれども、そういうことも含めて将来考えていただければ。以上でございます。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。浦野委員、お願いします。

○浦野委員
 先ほどお話ししたので、手短にいきますけれども、まず、平常時の対応と事故時の対応はきちっと分けて物事を考えていった方がいいというのが1点。
 それから、もう一つ、情報の公開についても、日常のデータをこういうふうになっていますと環境報告書等に書く公開と、不適切な事案、事例が社内あるいは外部から指摘されて、わかったときの公表の仕方というのは、別にきちっと分けて考える必要がある。これは皆さんそう思っていると思いますが、その辺を混同しないで議論する必要がある。
 それからもう一つは、今回の不適切な事例というのは、ほかにもかなりあるとは思うんですけれども、一つは、管理も含めて技術的な問題点を放置していたために超過をしてしまった、それを出したくなくて改ざんその他をしたというのと、もう一つは測定数が不足しているのを改ざんしたとか、そういう事例に大きく二つに分かれると思うんですね。
 技術的な問題点を放置したのは、これはいろいろな改善、管理をしっかりしてもらうということで、例の公害防止管理者その他のことで何とかなる、あるいはしなきゃいけないと思っているのですが、測定数の不足というのは、先ほどの自治体の負担その他も含めて、事業者側がやるものと委託業者がやるものと両方あると思うのですが、私は、これを施設基準等に持っていくというのも一つですが、基準を超えているか超えていないかだけの判定を簡易にできる測定方法も導入すべきだと思うんですね。
 正確な数字を公定法で全部やるとしたら、すごく負担になる。しかも、測定項目も、例えば、チウラムとか、シマジンとか、全く取扱のない農薬なんか測らされるんです。簡易な方法を一つは導入するということと、もう一つは、必要以上の測定を免除するようなルールをしっかりつくる。それを徹底することは、行政にとっても事業者にとっても負担軽減になる。
 そのかわり、いきなり行って測る、立入での測定が準備をしっかりしないとできないと、工場側も準備して立入をするということになる。ですから、基準違反かどうかだけを簡単に見る方法も、もっと導入して、判断すべきだと思います。簡易法が導入されると市民参加もしやすくなります。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。大塚委員、お願いします。

○大塚委員
 ありがとうございます。3つほど申し上げたいと思います。
 第1点は、今、浦野委員がおっしゃったこととかなり近いので心強く思っているんですけれども、一つは、先ほどからご議論があるように、事業者さんの方も、自治体の方も、熟練した人が退職をしてきているという状況がある。
 もう一つは、90年代から行政手続法などが制定されたこともありますが、行政指導を、今でも続けて頂いていいし、もちろん意義があると思いますけれども、行政指導の強力さですね、強さというのが昔に比べるとちょっと変わってきているというところがありますので、何がしなければならないことで、何がしてはいけないことかということについて明確にするという要請が特に強くなっているのではないかと思います。
 これは、測定記録をすることについてもそうですし、測定頻度についてもそうだと思いますけれども、その際に、先ほどからご議論があるように、何でもかんでも細かくやればいいとか、短期間にやればいいとかということではもちろんないので、何が合理的な対応かということについて、割と事細かに定めることが必要になってきているのではないかというふうに思います。
 今までは行政指導で、その場その場で個別的に対応してきたわけですけれども、今後ともそれはある程度続けざるを得ないとは思いますが、何をしなければいけなくて、何をしてはいけないかということは、きっちり、かなりの点について明確にしておくことが、事業者さんにとっても、自治体さんにとっても重要になってきているということであろうと思います。それが第1点でございます。
 それから第2点ですが、自主的な違反の申告という問題については、前のこの検討会の議論でもありますように、なかなか、自分で自分の不利益なことを言うわけですから、普通の人間からするとやっぱりハードルが高いわけで、それをしてもらわないと、しかし、行政の方は情報を把握できないので、何も対応できないというようなことになってしまう。周りの住民の人もよくわからないということになってしまうことがございますので、自主的な違反の申告に対して、それを促進するための何らかのメリットを与えるということも考えていく必要があると。この辺については、現在の法律は残念ながらあまり細かいフォローをしていないというところがございますので、同時にこれも考えていく必要があるということだと思います。
 それから第3点でございますが、公害防止管理について別の法律があるわけでして、この公害防止管理者についての法律をもう少し充実させる必要があるということがあると思います。これは既に前の検討会でも指摘したところでもあるんですけれども、公害防止管理者が企業の中でどのぐらいの発言権を持っているかというと、どうもほとんどないというか、あまりないらしいということは伺っていて、きっちり発言ができるようにするということがかなり必要ではないかと思います。
 例えばドイツなんかでは、公害防止管理者にあたる者について、発言とかそういう活動をした結果、解任されたりしないというような、身分保障のような規定が法律の中に入ったりしています。そういうようなこともちょっと考えた方がいいのではないか。そういうことをしないと、結局、長期的には企業の利益になることをなさっているわけですけれども、あまり一生懸命やり過ぎて会社の中でにらまれるというようなことになってしまっても困るということもあると思われます。その人自身がそういう行動をすると、結局、会社の中では立場が悪くなるということでは、ちょっと先行きうまくいかないということになってしまうので、そういうことについては検討する必要があるのではないかということ。以上3点でございます。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。今の予定でいきますと、5分ほど超過する可能性がございますが、ちょっと皆様方に時間をお許しいただければと思います。引き続き石崎説明員、お願いします。

○石崎説明員
 今日は、千代田線がストップしましたので30分遅れました。実は千代田線が火事を起こしまして、列車の後部から火が出ているために日比谷の駅でストップしたという事故であります。これは基本的にいいますと内部点検をしていなかったということですね。点検をしていないという問題が実はどこか問題がある。まだ原因がはっきりしているわけではありませんけれども、この公害防止のところでも実はその問題が出てきます。30年間同じ設備でやるとこの問題が出てくる。
 そうすると、管理の責任者という立場の人は、お金はつぎ込んでもらえないのに責務だけ重いという格好の中で世代交代が起こっているということでございますので、これをどうしたらいいのかというのは、各先生方がおっしゃられたように、自治体も問題かもしれないし、事業者も実は問題なんです。
 実は今、若い人は管理者になりたくないんですね。なると責任を負わされるために、管理者にならない。管理者になるなら会社をやめたいという人間が非常に多くなってきた。これを何とかしないとやっぱり夢がないので、それに対しての今回の検討会であるというふうに私は認識しておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。吉田説明員、お願いします。

○吉田説明員
 鉄鋼業界の状況等も後日お話しできる機会があればと思っています。私ども産業で生産に携わっていますので、環境保全は当然やるべきことなんですけれども、先ほど来ありますように、公害防止管理者が不遇な目に遭ったりとか、本来あってはいけないことが起こっているのはなぜなんだろうと思います。
 先ほど、産業環境管理協会の指宿委員からもお話がありましたけれども、私も、産環協のリフレッシュ講座等に協力をさせていただいています。そういう経験からしますと、先ほど受講者が2,000人というお話がありましたが、公害防止管理者だけでも届け出されている人は2万人ほどいるわけですね。1年間で2,000人ぐらいしかリフレッシュ教育を受けられず、リフレッシュするのに10年かかるわけです。
 また、先ほど、不適切な事案が今年もあったというお話がありましたけれども、そういう自治体では行政の方が参加を促しますので、そういうところはたくさん来られます。ただ、景気の悪いところでは来ていない。やはり受講費用が高いということも影響しています。本来ならばそういうリフレッシュ教育に参加させるべきなんですが、できていない。資料5にもありますように、継続的に取組を実施するにはどうすべきなのかをよく考える必要があると思います。あまり息苦しくしても効果的ではないので、トップランナーを走らせるよりも、ベースの人たちを支援していくということが非常に重要だと思います。そういうところで問題が起こっていると思うので、ベースの向上を促進して行くことが非常に重要と思います。
 したがって、今の教育の議論、今日はここだけお話ししますけれども、公害防止管理者が今の法律はどうなっているんだということを確認する場と考えると、リフレッシュ講座にどんどん出られるような状況にならないと今のままでは不安に感じます。
 そういう中で、先ほどありましたように、リフレッシュ教育でガイドラインも説明します。こういう普及活動、あるいは今どういうことが起こっているのかをしっかりと伝えることから始めていくことが重要です。知らないということが問題なので、理解活動を地道にやっていかないと、効果がないと思います。したがって、伝達や教育をどのように進めていくかということを検討していただければというふうに思います。以上です。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。鈴木委員、お願いいたします。

○鈴木委員
 基本的に、坂本委員長がお示しになった資料5の認識というところに、基本的な今の問題点と課題が網羅されているように私は感じております。そこのところをどう肉づけをしていくのかというのが今後の課題なんだろうと思いますが、いろんな問題点というのが、今まで各先生方がおっしゃった中にほとんど話が出てきていると感じています。
 あえて一つ、二つ付け加えさせていただきますと、やはり技術・技能の継承というのが、技術・技能の継承だけにとどまってしまい、先輩たちが非常に公害問題の克服に苦労した、そういう意識の面、それから、いかに周りの人たちにご迷惑をかけるかという根本的な倫理観といったもの自体が継承されていなかったのではないかということを、こういう事例を見ていると深く感ずる次第です。それは教育の点で、再三各委員の方おっしゃっていますように、公害防止管理者の資格のリフレッシュもそうですけど、資格の取得自体、まさに若い人がなかなか受けたがらないとか、講習に行くのもなかなか行きたがらないとか、そういう状況が結構見られます。全体に人が少ないとか、予算が削減されているとか、そういう問題もありますけれども、意識の点で、もう環境問題というのが公害と切り離されてきてしまっているんじゃないかというのは非常に危惧を持っている次第です。
 個別の問題について一つちょっと言わせていただくと、これも意識の問題に関わってくるのですけれども、定常的な状態というのは、水にしても、大気にしても、少しづつ改善はしているんじゃないのかなと。特に事業者からの排出源なんかについてはですね。そこにどちらかというと安住をしているんではないかと。自分の業界を思い返してみてもそうなんですけれども、環境報告書のデータなんかをずっと見ていますと、定常的なデータというものについては改善をしています。だから自分たちの環境負荷に対する取組というのはそれでいいんだというふうに、どちらかというとちょっと慢心している部分もあるのではないかと。
 そうすると、非定常的な問題、いろんな事故のところ、あるいは改ざんというのはあってはならないような事例ですけれども、そういうようなものに対してきちんと対応できていないということについて対策を立て切れていないんじゃないかなと、私はずっとこの報告を伺っていて感じた次第です。
 それを、皆さん、これからのいろんな議論の中で出てくると思いますが、一つ強調しておきたいのは、個別の問題というものについて非常に難しいものがあるだろうと。測定の問題について、先ほどから出ていますように、すべての項目について、全国一律にある頻度でもって測れということについては、事業者側にとってももちろん大変な負荷ですけれども、自治体にとっても、我々直接接している自治体との話の中では、大変な負荷になるということは見えていますので、その辺のところを、実情をよくご配慮いただきたいということが一番申し上げておきたいと思っております。
 以上です。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。中杉委員、お願いします。

○中杉委員
 何点か手短にいきますけれども、まず、今全体として環境行政というのは規制から自主管理に動いている。その流れはそのとおりでよろしいと思うのですが、自主管理でいこうということをやる上で、事業者の信頼性というのが非常に重要な柱になってくるわけですね。
 そういう意味で、委員長が2番目のところでメリットを生ずる仕組みと言われていますけれども、こういうことをやっておくとデメリットになる、自主管理じゃだめだよという話になるということが非常に重要なポイントだろうと思います。そこら辺のところをどう認識していただくかということが非常に重要なんですけれども、そういうことが一つあるので、これをどうしていくか。
 ただ、今回の話の中で、記録の改ざんだとか、それから測定ミスと、そういうものだけを議論するのかどうかというのが一つの問題点だろうというふうに思います。全体の中でどういうふうに管理していくかということを少し考える必要があるのか。そこまでやるのかどうかというのは一つここで整理をしておいていただければというふうに思います。
 それから、もう一つの視点として、これは大防法と水濁法だけをやっていますけれども、先ほど浦野先生の方からお話がありましたダイ特法のお話もありますし、あるいは土対法とか廃掃法もあります。そういうものとどういうふうに関連をしていくのか。大防法と水濁法で全部押さえてしまえば、それはそれでいいんだという話になるんですけれども、必ずしもそうはいかないので、それもにらみながら議論しなきゃいけないだろうという。
 もう一つ、取組方策検討会に私も参加させていただいて、そこでも申し上げたんですが、基準を一瞬でも超えたら大変だという認識が、基準が絶対という話をどこかで払拭していかなきゃいけない。これは、一時的に基準を超えても、そうなると本当に深刻な健康被害が起こるのかどうかという話は、そこら辺のところのいわゆる化学物質のリスク・コミュニケーションの話ですけれども、そういうものをこういうものについて必要だろうと。それは、実際に企業の方で虚偽記載をされる方も、そこら辺のところは十分わかっておられないだろうという話です。
 それから、もう一つだけ申し上げますと、残念なことに、今回の不適正事案が発覚しているのは、見てみると大企業が中心だろうと思うんですが、中小の企業と大企業で一律には多分いかないだろうと。そうすると、そこら辺をどういうふうにしたらいいのかということをしっかり考えておかないと、これはまた不適正な事例がいつまでたっても減らないことになるのではないか。これは、事業者がやる部分と行政がやる部分と仕分けが必要になってくるだろうというふうに考えています。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。続きまして、藤井委員、お願いいたします。

○藤井委員
 地域住民というか国民の立場、国民の立場というのはおかしい、地域住民の立場で参加している多分唯一の委員だと思います。ずっと資料を、送っていただいたものを読みながら、そして今日のご意見も伺いながら、本当に国民の安全安心が図られるのか、保障されるのかと、大分不安になってきていると同時に、この報告書の13ページに、「事業者、地方自治体による管理から社会的な情報共有によるオープンな管理へ」、ここの項目にかなり着目しています。
 先ほど来、事業者も自治体も専門家がどんどん退職しているということは、逆に地域でいえば、宝がどんどんおりてきたということです。その力の持ち腐れになっていて、私の周辺でも、本当に企業で専門家がたくさんいらっしゃいますが、地域にそういう方たちが発揮するシステムが全くない。企業と自治体が社会の仕組みをつくる一つのセクターとすれば、地域の仕組みをつくるというところをやらないと、企業内のスキルアップ、自治体内のスキルアップだけではもたないのではないかなという気がしています。
 ただし、今そういう仕組みがありませんし、例えばPRTRにしても、情報はどんどん公開していますといっても、市民がそのまま読めるわけではない。そうすると、浦野先生たちがなさっているTウォッチのような翻訳者も必要、それから、情報のマネジメントをして市民に伝えるという、そういうことも必要ですが、多分そういう社会の仕組みがもう一つ本当は必要なんだろうと思います。
 本当にもったいないような宝がたくさんいるんですが、何も発揮できないんですね。自治体の掃除のときしか出てこない。そんなもったいないのは。ここの企業で何かが起きたというと、この方はこういう専門家だったというほどものすごいたくさんの情報を持ってお話しくださる。そこをどういうふうにしていくかというのは、地域のシステムづくりをぜひここの中で検討課題の一つに挙げていただきたいと思っています。以上です。

○坂本小委員長
 どうもありがとうございました。眞柄委員、お願いします。

○眞柄委員
 私も、公害防止管理者というのは、今後の方策を考える上で非常に重要なツールと申し上げてよろしいかと思います。もともと公害防止管理者ができたときの私の認識は、地方自治体が事業所に入っていろいろなことができるほどポテンシャルがなかったという意味で、ある意味ではみなし公務員的な役割を公害防止管理者に持っていただこうというのがそもそもの趣旨で、その趣旨で当時の通産省、環境庁関連の省庁でそういう理解のもとで始まったというふうに認識をしております。そういう意味で、改めて公害防止管理者、今1級からいろいろありますが、数と、どういう事業所にどれぐらい配置をされており、その方がどれぐらいの経験を持っておられるかというようなことについて、指宿委員がいらっしゃいますので、一度出していただいて、これを今後どう活用していくかということを検討していただきたいと思います。
 それから、昨日から今朝にかけて報道されておりますが、岐阜の武儀川の魚の大量変死のことですが、それに対して情報がないということですが、今回の議論と同じように、あのような事例が起きたときにどうするかということになると、行き過ぎると、すべての事業所に、陰膳と同じように、排出するサンプルを何日間か保存しろというような制度までいきかねません。
 ですから、そういうことがいかないようにするために、どういうシステムが必要かということを、やはり我々はそれなりに環境分野の科学技術を持っているわけですから、当時の、今から40年前の技術ではなくて、今日の環境分野で持っている科学技術水準を、いわば環境監視、排出監視にどう生かすかということを、仕組みだけじゃなくて、科学的なベースに基づいて検討していただきたいと思います。
 それから、もう一点ですが、少なくとも旧水質保全二法から今の水環境管理体制に戻ったときに、国全体としてどういう仕組みをつくるかというふうに今変わったわけです。それをもう一度、それぞれの事業所、あるいはそれぞれの流域ごとに規制の仕組みをつくろうということは、確かに地方分権ですから、実質的に不可能だと思います。そういう意味では、今の体制をどう維持しながら、地方の、あるいは工場の特性を考えていくかということも、科学技術的な今日のレベルを配慮して検討していただきたいと思います。
 加えて、そのことは、総量規制、NP等で今後検討される排出権取引、これはお金です。お金と、我々が今検討していることとリンクさせるようなことも考えておくべきだと思います。以上です。

○坂本小委員長
 どうもありがとうございました。続きまして、松尾委員、お願いいたします。

○松尾委員
 私も千代田線の遅れに引っかかって遅れまして、失礼しました。最初の方のお話を聞いていないので、ちょっとダブってしまうかもしれませんけれども、皆さん意見を言われている中でもっともなことばかりだというふうに思います。
 特に資料5では、激甚な公害を克服した、環境はよくなったというのが、ある意味で経験的な事実なんですね。そこで安心してしまった部分が、世の中、住民自体も、あるいは企業の方もあるんじゃないかというのが、改めて今心配になってきているところじゃないかというような感じを持ちます。そういう意味で意識とか技術の継承がうまくいっていない。その中で、ある意味ではシステムがマンネリ化したり、気が緩んできたり、リストラでもって忙しくなったとか、そういう状況がこういう事情を出現させている。
 だけど、そういう不適切なものが動き出すもとは、意図的にやろうとしていることはまずなくて、何か突発的に起きたことを、隠すつもりもないけれども、結果として不適切な状況が続いちゃうというのが、現象的なことからいえば実態ではないかと思うんですが、その辺の、浦野先生がちょっと言われたけれど、事故的なものと、日常的にあるというものを区分けしながら、事故で起きたことは、中の管理の不行き届きであろうが何だろうが、ある意味で、その段階でとめられるというのが一番早い道なんだろうと思うんですね。その辺が、ある種のシステム的にそういうのをどうカバーしていくのかということがあるのではないかという気がして、伺っていました。
 それから、もう一つは、今皆さんの中で、公害防止管理者というのは非常に重要だというのは、そのとおりなんですが、企業の中に入ったときは、やっぱり生産する方が強いんですよ。だから、私は実は工場長が公害防止管理者であるべきだというふうに思っていて、そういう意味では、生産をする側が、生産をストップする権限を持っている人が公害防止をあわせて責任を持ってくれないと、公害防止管理者だけが幾ら言っても、今ちょっととめられないとか、今とめたら何億円の損だとか、こういう話になった途端に、とめてくれといえないですよね。ですから私は、社会的な仕掛けとして、生産をする側が環境問題まで責任を持つという、その意識を持ってもらう必要があるし、企業はそういうシステムを持つべきだというふうにも思えるし、それをサポートするような社会的な仕掛けが必要なんじゃないか、こういうふうに思います。
 それからもう一つは、専門家の教育ということを今言われましたが、私はやっぱり、社会的な関心をこういう問題にもっと向けなきゃいけない。昔は、そういう意味では、激甚な公害があったから、いわゆる水質汚濁とか大気汚染に関する社会的関心が非常に強くて、すぐに住民運動とかが起きたわけですね。今は、CO2の問題とかごみの分類というと非常に関心を持たれるけれども、どちらかというと水質汚濁と大気汚染はよくなったという認識の中で、少し薄くなってきているんじゃないかと。そういう意味で、専門家の教育もそうだけれど、社会的な関心をもう一遍、ローカルな環境問題、基本的な環境問題に向ける方向がなくちゃいけないんじゃないか。
 そういう意味では、防災の日とか、消防の立入検査とか、そういう意味では、私はもっと環境管理の日とかというのを決めて、1年に一遍でいいから、各企業は全部自分の環境管理について見直す日とか、社会的にそれをサポートする日とか、そういうような社会的な運動にしないと、恐らく個別のところだけでは解決できなくて、ぜひ国民運動、社会運動としての改めてのベーシックな環境問題への対応というのをアピールする必要があるんじゃないかという意味で、専門家の教育を越えて、もう少し国民的な活動として、改めてローカルな環境問題への関心を高める必要があるんじゃないかということを申し上げておきたいと思っています。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。続きまして、松岡委員、お願いします。

○松岡委員
 北九州でございますが、今、松尾先生の方から社会的関心というお話がございましたが、まさに地域の方では、この関心というのが行政も企業も市民も含めて希薄化しているというのが私どもの実感であります。例えば私どもの組織の中でも、循環型社会とか、低炭素社会については組織は増えても、現実に、ではどこから削っていくのかというと従来型の公害から削っていくとか、それから産業界の中でも、以前は環境管理室というすばらしい組織があった。それが最近は、エネルギー部門とかいろんな部門と統合化されて、その中の一つになっている。これは現実的には改善されたという事実はあるんでしょうが、現実としてそういった関心は薄まっているという前提があると思います。
 その中で、北九州の場合は、幸いなことにというか、過去にひどい公害がございましたので、そこの辺りはまだ過去の遺産として、そこに緊張感と、それから、行政と住民と、それから企業間とのパートナーシップという部分はまだかろうじて保たれております。そこはしっかりとやっているわけなんですけれども。
 ただ、私は非常に危惧感を覚えているのは、そうしたところを支えている人たちがもう退職されているということです。名物の企業のあの方がいれば大丈夫という方がいらっしゃらない。
 私自身が実は公害体験世代ではありません、もう既に。そのときに行政の中で、こういった実感を持って、そこの深刻さであるとか対策の必要性を、やっぱり実体験をした人じゃないとわからない部分というのはあると思うんですね。そこをもって、だから前提が変わってきたんじゃないか、今こういった対策を打っていく上での。そういった中で、今後、今回の前提が違うという条件の中で、例えば報告とか、こんなあってはならない事例、それが起こらないためにどういったことをしなきゃいけないのか。
 また、先ほど藤井先生の方からの地域のマネジメントというやり方のような導入であるとか、そういった新しい仕組みというものが、抜本的に見直す必要の時期にちょうど差しかかっているんではないかなと。従来型の延長線上の中では前提というものが変わってきたのではないかなというふうなところが今私どもの考えているところでございまして。
 私どもも、今の環境モデル都市で低炭素社会をやっているんですけれども、そこに成り立つ基盤としては、住民の健康というものが守られている、それが前提であるということをいま一度見直そうというふうな、内部でもちょっと議論を始めているところでございます。

○坂本小委員長
 どうもありがとうございました。続きまして、宮池委員、お願いいたします。

○宮池委員
 宮池でございます。電気事業者といたしまして、3点ほどお願いをしておきたいと思います。
 今までに比べまして少し細かいお話になりますが、まず第1点に、先ほど報告にございましたように、国、地方自治体、それから事業者が横断的に取り組む課題として、排出基準、測定方法、運用等の明確化と浸透促進ということが示されておりましたけれども、法令の運用解釈上大変に不明確な点、それから運用実態を踏まえて明確にしていただきたいというようなことを考えております。
 例えばの話でございますが、大気汚染防止法における排出基準について、発電用のボイラー起動時における適用除外の範囲が、これが自治体によって随分解釈が異なるというような例もございます。この辺を明確にしていただきたい。
 それから第2点でございますが、先ほどの報告にもございましたけれども、排出測定データの未記録、改ざんに対する罰則創設を検討するということでございます。これについてお願いしたいのですが、罰則創設に当たっては慎重な議論をされることをお願いしたいと思います。
 例えば転記ミスでありますとか、非意図的な行為によって、未記録やデータ間違いになった場合、これを改ざんとどのように区別をするのかということなど、罰則の適用には十分な検討が必要であるのではないかと考えております。
 それから第3点でございますが、事業者における公害防止管理体制整備の促進策ということでございます。先ほどもお話がございましたが、中小企業の皆さんにおかれましては、人的あるいは経済的な理由によって、環境管理体制の構築が必ずしも十分できない場合があると思います。ついては、中小企業等に対して国の支援を積極的に行うなど、大所高所に立った視点からの促進策を検討することも必要ではないかと、そんなふうに考えております。以上でございます。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。続きまして、吉田委員、お願いいたします。

○吉田委員
 簡単に申し上げたいと思います。私は、昔の公害問題のころから多少関わっていて、日本の今のレベルというのは、藤井さんもおっしゃったように、企業と政府・自治体と、それから住民ですね、この三者が力を合わせてここまでやってきたというのは非常に大事だと思うんですね。これはほかの、例えば中国のことなんかを考えた場合も、これは日本の一つの成果だということをはっきりさせる必要があると思うんです。
 その上で問題になっているのは、先ほどからご議論が出ているように、こうした環境問題の対処能力の構築と維持ですね。まさに持続可能な体制へどうやって持っていくかというところが今問われているわけです。
 その点で、一つは、大塚さんもおっしゃったのですが、法制度の問題で、先ほどから罰則の問題が幾つか、明確にしていなくて、はっきりしていないところも含めてどうするかというのをこの時点で考えなくてはいけない点があるというのと、それから、先ほどから出ている公害防止管理者の問題も含めて、人の問題ですね。これはトップのリーダーシップやボトムアップの問題、それから管理者の問題、それからもう一つ大事なのは、情報公開も含めて周辺住民とのいろんな交流ですね。これを積極的に位置づけていくということが、私は日本の公害問題の歴史を振り返って非常に大事だと。日本のレベルは私は世界でも非常にトップレベルだと思うんだけれども、これを維持して持続させていく点でかなり困難が出てきているというふうに問題を見るべきではないかというふうに思っております。
 その点では、いろんないい事例があって、ベストプラクティスになるような事例が日本でも随分ありまして、個々の事例を申し上げて恐縮ですけれども、イタイイタイ病の発生源になった神岡なんかは、ほぼ自然のレベルまで水質が、カドミウム汚染がほぼなくなりつつある。30年間、40年間もずっと住民と企業とそういうレベルまでずっとやってきたわけですね。そういうことについて、どうしてそれが可能になったかとか、そういうベストプラクティスの事例を、技術や人の育成とか住民との関係なんかで積極的に調べていくということも必要じゃないかというふうに思います。
 とりあえず以上です。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。続きまして、和田委員、お願いいたします。

○和田委員
 自治体の立場ということでお話をさせていただきたいと思いますが、今回のデータ改ざんとか違反といったものの発端になったのが私どもの県ということで、非常に重要な問題だというふうに考えているところでございます。
 先ほどから自治体の委員の方からお話が出ていますけれども、全くそのとおりでございまして、私どもも、大気汚染防止法の特定施設だとか、水濁法の特定事業場というものが数千あるわけですけれども、そういったものについて、年間、全部はできないですけれども、千数百というような立入検査を実施しているというような状況があります。ただ、残念ながら、そういったデータ改ざん等について見抜けなかった、非常に残念だったというふうに我々も思っているわけでございます。
 立入検査の中身というのが、排出基準に適合しているかどうかというようなことを中心に検査を行うというようなことで、今回改ざんの事件があってからは、例えば測定チャートから全部チェックをする、あるいは野帳を全部チェックするというような立入検査も実際実施をいたしました。ただ、そういうことをやることは、非常に時間がかかります。
 そういうことで、一方では数を確保しなくてはいけない、一方は質を維持しなくてはいけないということで、トレードオフの関係があって、非常に難しい場面になるんですけれども、先ほどから出ているように、自治体の人員削減あるいは経験者が退職するとかということで弱体化をしております。
 特に、先ほど岩崎委員がおっしゃっていましたけれども、地方の研究機関が非常に弱体化してしまっているということがあります。本来、測定の技術的な中核なり、立入検査の技術的な中核を成していたような部分が、公害問題から環境問題へと質的に変化していく中で、予算もつかない、人員も配置されないというようなことで、非常に弱体化しているという現状があって、そういうチェックが難しくなってきているというのがあります。それでは一挙に予算を配分し、あるいは人員を配置できるかというと、今の自治体の財政状況からいくとなかなか難しいというような状況があります。
 そういった中で、少しやはり考えなくてはいけないのは、徹底した情報公開、それから社会的な情報の共有ということがここにも書かれていましたけれども、そういうオープンな管理、その手法を考えていかないと、確かに、改ざん事件があって、刑事罰が下ってという中で、事業者も数年間は非常に緊張感があるんですけれども、だんだん緊張感というのが薄らいでくるというようなことがあろうかと思います。その中でそういうオープンな管理というものを基本的には考えていかないと、緊張関係を常に保っていくということは難しいんじゃないかなという気がいたします。
 立入検査の仕方だとか、法令の関係とかというのはありますけれども、そういったことの前に、こういう管理の方法を少し根本的に考え直す時期なのかなというふうに思います。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。一通りご意見をお伺いしたのですが、特に全体のこれまでの報告書の中で、ややもすると抜けていたようなところ、住民等を巻き込んでどうするかというようなところ、住民に対していろいろな情報をわかりやすく伝えていくかというようなところ等々で貴重なご意見をいただいたというように思います。
 まだご意見があろうかと思いますけれども、大変恐縮でございますけれども、冒頭で申し上げましたように、今、各委員からいただいた意見以外で、例えばこんなところもやはり考えていくべきだよというようなことがございましたら、事務局の方へお寄せいただいて、それも含めて事務局の方と相談をして整理して、議論をするような資料とさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、時間の関係もございますので、こういう状況もございますけれども、次の議題の「(4)その他」に入らせていただきます。事務局から、今後の進め方について説明をお願いします。

○木村総務課長
 それでは、資料6をご覧ください。「検討の進め方について(案)」という紙でございます。
 本日第1回でございまして、第2回以降でございますけれども、10月16日金曜日に第2回、第3回は10月28日水曜日ということで、事前に委員の皆様方のご都合をお伺いし、できるだけたくさんの委員がご出席いただける日ということで設定をさせていただきました。
 次回、第2回については、関係者からのヒアリングということで、企業の側、これについては、大企業それから中小の企業の両方のお立場からヒアリングをさせていただいたらどうかと。それから地方自治体。これも都道府県、政令指定都市がございますので、そういったようなところから、それから、日常的に企業、工場の環境管理についてコンサルティングなどをなさっている有識者の方、こういったような方からヒアリングをさせていただいたらいかがかというふうに考えております。
 それから、第3回ですが、本日のご議論、それから2回目のヒアリングの結果なども踏まえまして、課題・論点の整理、それから、どういう方策をとっていくべきかというようなご検討をお願いできればというふうに考えております。
 さらに、この後に2回程度この小委員会を開催させていただきまして、可能であれば、年内を目途に答申の取りまとめをお願いできればというふうに考えている次第でございます。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。今、説明をいただきましたように、次回ヒアリングを行い、そして、今日いただいた意見とヒアリング等で出たものをまとめまして、第3回に、ここに書いてございますような課題・論点を整理して、皆様方からご意見をいただいて、必要な方策をまとめていくというような順序でございます。
 大変タイトなこの後の日程になってございますけれども、また引き続きご協力をいただければと思います。特に何かご質問等ございますでしょうか。どうぞ、大塚委員。

○大塚委員
 簡単なことですみません。ヒアリングをするときに事業者さんから来ていただく中に、公害防止管理者の人も、全員じゃなくてもちろんいいのですが、少しは入れていただけると、いろんな状況が聞きやすいのかと思いますので、意見ですので、どうぞご考慮いただければありがたいという程度のことでございます。

○坂本小委員長
 ありがとうございました。多分、今のところは、それ以外にも、先ほど藤井委員から出ましたようなNPOというか、住民とか、そういうような方のところもやや必要な部分もあるのかなというような感じもいたします。

○石崎説明員
 すみません。ちょっと質問させていただきたいんですが、資料3のところで、会議の出席、1の(2)代理出席という格好で出席は認めない。ただ、ただし書きで、欠席する人間等の代理者は説明員として出席させることができると。この「説明員」という資格が、説明だけなのでしょうかね。私どもからご質問はさせていただけないのでしょうかね。

○坂本小委員長
 今日も具体的に、実は説明だけではなくて意見もいただいてございます。ただし、最終的な議決を要するようになった場合に議決権がないということでご理解をいただければ。

○石崎説明員
 わかりました。これは説明だけで、それ以外のことは全くできないように読めたものですから、その確認だけでございます。

○坂本小委員長
 今日お願いしましたような形でご意見を言っていただくことをむしろお願いをしたいという形で今までやってございます。よろしくお願いいたします。

○石崎説明員
 それと、このページ、それをちょっと引っかかったものですから、見ていたのですが、2の(1)が「発言内容を精確に」と、「せい」が「精密」の「精」になっておるので、ちょっと違うんじゃないかと思ったんですけど、いかがでしょうか。

○木村総務課長
 この運営方針につきましては、中央審議会の定めております運営方針に倣って作成をしておりまして、もとのものがこういう字を使っておりますので、それに倣わせていただきました。

○坂本小委員長
 アキュラシーとプレシジョンの両方を兼ねた書き方になっているかと思います。その他、ございませんでしょうか。よろしければ、事務局の方へ進行をお返ししたいと思います。

○木村総務課長
 本日は大変ご熱心にご議論いただき、大変ありがとうございました。先ほどもお話ありましたが、本日の議事要旨、それから議事録につきましては、委員の皆様方にご確認いただいた上で公開することとさせていただきたいと思います。それでは、第1回の小委員会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

午後0時07分 閉会