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温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会(第8回)
議事録 


日時:令和3年3月15日(月) 10:00~12:00
場所:三菱総合研究所大会議室D / Web会議

○事務局 本日はお忙しい中、温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。本委員会の事務局を担当しております、三菱総合研究所の池田と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

本日は緊急事態宣言の発令を受け、皆様にWEBでの御参加をお願いしております。御不便をおかけいたしますが、何とぞよろしくお願いいたします。

御発言される際以外は原則マイク・カメラをOFFにしていただき、御発言の際には挙手ボタンにてお知らせいただくか、もしくはミュートを解除して御発言ください。また、御質問、御不明点等がございましたら、随時会議チャットにて御連絡いただければと思います。

なお、本日の委員会は環境省のYouTubeチャンネルにてライブ配信をさせていただいており、一般傍聴が可能となっておりますので、御了承いただきますようお願いいたします。

加えまして、会議の内容は記録のため録音させていただいておりますので、御了承いただければと思います。

それでは会議に先立ち、環境省様より一言御挨拶をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 

○環境省(加藤室長) おはようございます。環境省地球温暖化対策事業室長の加藤でございます。本日は年度末の御多忙の中、温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。心より御礼申し上げます。

本指針は、事業者が温室効果ガス排出抑制に関して適切かつ有効な実施を図るためのガイドラインということになります。本日は、その中でも特に運輸部門について忌憚のない御意見を賜りまして、よりよい指針を作成できればと考えておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。

その上で1点、政府といたしまして、3月2日に、本指針の根拠ともなります地球温暖化対策法の改正案を閣議決定いたしております。

この改正案の中では、パリ協定の目標や2050年カーボンニュートラル宣言を基本理念として法律に位置づけ、脱炭素に向けた取組を推進していくという内容となっております。

今後、国会の御審議を踏まえまして、成立した暁には、その内容も踏まえました検討をさらに積み重ねていきたいと考えております。

本日はまず運輸部門について、現段階で取りまとめた案につきましてぜひ忌憚のない御意見をいただいて、いい指針にしていければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。私の冒頭の挨拶とさせていただきます。

 

○事務局 環境省様、ありがとうございました。続きまして、本委員会の座長をお願いしております、株式会社バックキャストテクノロジー総合研究所特別顧問、東京大学名誉教授、安井様より一言御挨拶をお願いできればと思います。安井様、よろしくお願いいたします。

 

○安井座長 皆様、おはようございます。安井でございます。なかなか、どう挨拶すべきか分からない難しい問題ですが、2050年にカーボンニュートラルを目指すという、そういう国にどうも日本もなったようでございますので、それに向けてどのような対策をとったらいいのか。

よく自分のホームページなんかで恨み言を書いているのですが、日本というのは、特に欧州に比べますと風というものが全然違う国で、風力はその主力の電源になるかどうかと言われると、かなり難しい。特に宮古で風車が全部ぶっ倒れたなんていう、日本でしか起きないようなことが起きてしまう、そういう国ですから、そういったときに一体何が本当に適切な対応なのか、非常に難しいなといつも考えておる次第でございます。

今回はその先の話、要するに排出側の話のようでございます。いろいろな観点から若干の発言をさせていただくかもしれませんが、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 

○事務局 安井座長、ありがとうございました。それでは続きまして、委員の皆様を御紹介させていただきます。資料1の1ページ目に記載させていただいておりますが、この順で一言ずつ御挨拶をお願いできればと思います。 

1番目の東京大学生産技術研究所特任教授、岩船様につきましては、本日御都合により御欠席となっております。

続きまして、早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科教授、草鹿様でございます。草鹿様、よろしくお願いいたします。

 

○草鹿委員 草鹿です。よろしくお願いいたします。専門は機械工学で、特に自動車用のパワートレインが専門です。よろしくお願いします。

 

○事務局 ありがとうございます。続きまして、立命館大学経済学部教授、島田様でございます。よろしくお願いいたします。

 


○島田委員 立命館大学経済学部の島田です。専門は環境エネルギー分野の政策や経済評価です。この委員会には以前に何度か参画させていただきましたけれども、今回また引き続きよろしくお願いいたします。

 

○事務局 ありがとうございます。続きまして、早稲田大学名誉教授、大聖様でございます。大聖様、よろしくお願いいたします。

 

○大聖委員 大聖です。私、草鹿教授と同じところに所属しておりました。現在リタイアしておりますけれども、次世代自動車研究機構の研究所の顧問をしております。環境省、国交省、経済産業省などとは、今後の自動車の排出ガスの今後の在り方ですとか、燃費基準の策定ですとか、自動車NOxPM法などにも関わらせていただいております。よろしくお願いいたします。

 

○事務局 よろしくお願いいたします。続きまして、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会、JILS総合研究所所長、北條様でございますが、遅れての御参加とお伺いしております。

続きまして、国立環境研究所社会環境システム研究センター環境政策研究室室長、松橋様でございます。松橋様、よろしくお願いいたします。

 

○松橋委員 松橋啓介です。低炭素の町づくりについて研究しています。よろしくお願いします。

 

○事務局 よろしくお願いいたします。皆様、ありがとうございました。

それでは続きまして、本日の議事と資料の確認をさせていただきます。

議事次第に記載のとおり、本日の議事は「運輸部門における排出抑制等指針のあり方について」の1点となっております。

また、配付資料は、資料1から資料5-2、参考資料1、参考資料2となっております。事前にメールでも送付させていただきましたが、本日のWEB会議画面にも投影させていただきますので、御確認のほどよろしくお願いいたします。

それでは、以降の議事につきましては安井座長に進行をお願いしたいと思います。安井座長、よろしくお願いいたします。

 

○安井座長 それでは早速でございますが、開催させていただきたいと思います。  まず今日の全体でございますが、配付資料の順番に進めさせていただくことになります。

資料1「温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会について」、資料2「排出抑制等指針」という、この2つでございます。この2件につきまして、環境省から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○環境省 それでは早速ですが、資料1について説明させていただきます。資料1「排出抑制等指針検討委員会について」ですが、これまでの指針の検討状況の流れと今回の議題について御説明させていただきたいと思います。

「1.温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会の開催について」というところでございます。平成20年6月に地球温暖化対策の推進に関する法律が改正されまして、その際に、第23条に「事業者は、温室効果ガスの排出抑制に資するような設備の選択や使用を行うよう努めること」、また、第24条に「国民が日常生活で利用する製品やサービスについて、できるだけ温室効果ガスの排出量が少ないものの製造・提供を行うとともに、その利用に伴う温室効果ガスの排出量について、情報提供を行うよう努めること」、さらには第25条において「主務大臣は、事業者がこうした努力義務を果たす上で講ずべき措置に関して、必要な指針を策定すること」ということが規定されたわけでございます。

この指針の策定に当たりましては、これまで指針に関する考え方や技術的な側面について助言を得るためとして、この検討委員会の場で御議論いただきまして、これまで産業部門(製造業)、業務部門及び廃棄物部門、上水道・工業用水道部門、下水道部門といった指針について策定したところでございます。

今般、運輸部門の指針の策定に当たりましては、検討委員会において既に策定済みの指針も適宜参考にしつつ、運輸部門における指針の在り方について御議論いただくものとしております。

本検討委員会は、環境省地球環境局と国土交通省総合政策局、経済産業省産業技術環境局及び経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部の協力の下、株式会社三菱総合研究所が事務局を運営するものとしております。

続きまして「2.委員」というところでございますが、今回の委員の皆様、先ほど御紹介いただきましたが、お名前と御所属を記載してございます。今回は

安井委員に座長をお願いしているところでございます。

次のページに参りまして、「主な検討事項」というところでございます。今回の検討事項は2点ございます。1点目が、運輸部門における排出抑制等指針の考え方、そしてこれら部門における排出抑制に資する対策メニューというところで、こういったところを主な検討事項として議論していきたいと思っております。

続きまして「4.スケジュール」ございます。今回の委員会で御助言を賜りまして取りまとめた後、政府において現在の指針を告示して指針を改正していきたいと考えております。資料1に関しては以上でございます。 

続きまして資料2「排出抑制等指針について」というところを御説明させていただきます。そもそも温室効果ガス排出抑制等指針がどういうものかということについて、おさらいにはなりますが、改めて御説明させていただきたいと思います。

まず指針の根拠でございますが、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の規定に基づいて策定するものでございます。現在、既に6部門策定しているところでございます。その性格ですが、事業者が温室効果ガス排出抑制のために講ずべき措置を努力義務という形で部門別に示しているものでございます。

策定状況でございますが、策定済みとしましては業務部門、廃棄物部門、産業部門(製造業)、日常生活部門、上水道・工業水道部門、下水道部門となっております。今後策定する予定のあるものとしましては、エネルギー転換部門、運輸部門、産業部門(非製造業)でございます。今回は運輸部門について策定していきたいと考えてございます。

なお、環境省の冒頭説明にありました温対法の改正案につきましては、全てのステークホルダーに、パリ協定、カーボンニュートラル宣言の達成に向けて取り組んでもらうことになっておりますが、指針についても温対法の中で規定が位置づけられており、パリ協定、カーボンニュートラル宣言の達成の基本理念は同じではございますが、今回の本指針の検討におきましては、まずは事業者の足下で着実に進めていただきたい各種取組の周知に焦点を当てております。

指針に掲載する対策メニューとしましては、実用化の提供可能になった製品や技術を対象にしたいと考えており、実証段階にある技術については実用レベルになれば対策メニューに組み込んでいくという整理で、業界ヒアリング調査を行う更新頻度等を上げる工夫をしながら策定済み指針を常に更新する予定でございます。

続きまして指針の構成ですが、主に3点ございます。1つ目に排出抑制等の適切かつ有効な実施に係る取組で、主に体制整備や温室効果ガス排出量等の把握、PDCA等の取組を掲載しております。2つ目には排出抑制等に係る措置としまして、1は設備の選択、2は設備の使用方法を規定してございます。3つ目が、温室効果ガス排出量の目安につきましては、指針の掲げる措置を講ずることによって、1施設当たりどれくらいのCO2削減量になるのかという目安を示してございます。目安と各事業者の排出実績値を比較することによって、現在の温室効果ガス、温暖化対策の状況を把握いただき、今後の温暖化対策の検討に用いていただくことを想定しております。

過去には、廃棄物部門、下水道部門のみ策定しており、他部門についても検討はしているのですが、横目で一定の目安を設定することは難しく、策定については難航しているところでございます。これについては策定できるものから随時どんどん策定していきたいという形で進めているところでございます。

すみません、足早になりましたが、資料1、2の説明につきましては以上でございます。

 

○安井座長 ありがとうございました。それではただいまの御説明につきまして御意見、あるいは御質問等ございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

 

○草鹿委員 早稲田大学の草鹿でございます。御説明ありがとうございました。とりわけ運輸部門のCO2排出量を考える際には、昨今、電動化の話もございまして、エネルギー転換部門、それからリチウムイオンバッテリーの製造時のCO2など産業部門も重要になってくると思うのですが、この策定予定の部門に関して、2050年に対してはどのぐらいのCO2排出量になるように見込んでいますでしょうか。

2050年からバックキャスティングしていくのに、どういうことを今からやればいいかという観点で御質問したのが1点と、2030年のパリ協定と関連して2050年には温室効果ガスを80%に削減するという話でした。それとカーボンニュートラルの話の関係がちょっと見えないので教えてください。以上2点です。 

 

安井座長 どなたが御回答されるのか。コメントできる方はおられますか。私が答えるべきではないと思うのですが、2050年のカーボンニュートラルというのが何となくぼやっとした方向性であると。それ以上具体的に2050年に何ができるかということは、これからの我々の議論によってつくっていくものだろうと思っていますが、何かそんなところが見えているという方がおられたら御意見をいただきたいと思います。特におられませんでしょうか。

環境省側で何かございましたら歓迎ですけれども、特に発言なしでしょうか。ですから、今は結局、首相が言った2050年のカーボンニュートラルということだけでやるしかないのではないか、というのが私の今の見通しなのですけれども。何か反対の御意見がございましたら、あるいはもっといい御提案がありましたらお願いしたいと思います。ほかの質問はございますでしょうか。 

 

○島田委員 島田から質問してよろしいでしょうか。先ほどの草鹿委員からの御発言とも関連するのですが、温対法の改正案が閣議決定されて、2050年のカーボンニュートラルを目指すということが入って、温対法の中で使われていた用語として「抑制」、この排出抑制指針の「抑制」もその一部だと理解していますが、恐らく「抑制」という言葉の意味するところと、「削減」あるいは「ニュートラル」というのはかなり程度が違うのかなと理解しております。

その上で、冒頭環境省からの御説明があったように、今回の検討会なり指針は、そうは言いつつ、事業者ができる地道な取組を、主に省エネということになるのでしょうか、それを中心にエネルギー転換、エネルギーの燃料の切り替えというものも念頭に置きつつ、かなり地道な省エネの取組を積み重ねていく、そういうリストを示すのだと理解いたしました。1点質問になるのですが、そうは言いつつ、大きく燃料や電源の構成が今後変わっていくことを想定すると、この指針自身も、名前も含めて、あるいはコンセプトも含めて見直していく必要があると思うのですが、この点、そのように順次見直していくという予定があるのかどうか、環境省のほうにお聞きしたいと思います。

 

 

環境省 環境省でございます。御指摘のとおり、現段階では「排出抑制等指針」という名前になっておりますが、温対法の改正に伴いまして、抑制ではなく、位置づけとしてはもう削減だろうという話は中で出ておりまして、名称の改定というところは検討しているところでございます。 

位置づけに関しましては、さらに一歩踏み込んだものになるかというところは、現段階ではまだ検討中というところでございまして、ただ、温対法改正に伴いまして、目的、目標、基本理念というところがカーボンニュートラルとパリ協定というところになりましたので、そういったところでは事業者側により広く取り組んでいただけるように指針のバージョンアップを図っていきたいと思っているところでございます。

 

大聖委員 2人の御指摘のとおりだと思います。運輸部門といってもそれだけでは済まなくて、エネルギー転換部門ですとか産業部門と一緒に、総合的にやっていかなければいけないという側面が非常にこれから大事だと思っております。関連する法律としては、改正省エネ法ですとか、自動車NOxPM法とか、あるいはISO14001ですとか、それに適合できないような中小の企業に対してはグリーン経営認証制度というのがあるんですね。そういったものと実は非常に指針の項目が重複しているような面があると思っています。コメントです。

 

○安井座長 ありがとうございました。環境省から何かレスポンスはございますか。特にいいですか。

 

 環境省 御指摘のとおり、指針というものが他省庁の省エネルギー法や、既に公表されている、地球温暖化対策につながるような事業者の取組の法律というところを参考にしつつ策定しているものでございますので、そういったところで他省庁やほかの事業者に公表している資料というところは随時参考にしつつ策定していきたいという認識でございます。

 

安井座長 ありがとうございました。ほかに、特になければ大体次に移らなければいけない時間となっておりますが、よろしゅうございましょうか。

 

松橋委員 概要の中の第24条で、日常生活の製品やサービスの利用に伴う排出量の見える化とあります。これが本日の運輸部門にも関わってくるのかどうかが少し見えにくいという質問です。日常生活部門というのがあるようですが、旅客サービスとか宅配サービスなどは日常生活で運輸のサービスを受けるということで両方に関連があります。また、排出量の見える化と書いてあるものが、指針の構成の「1.」のほうに入るのか、「3.」のほうに入るのか、教えてください。

 

環境省 御質問と御指摘のところですが、まず排出量の見える化というところですが、こちらについては削減対策メニュー案のところで、1の排出抑制等の適切かつ有効な実施に係る取組というところで規定しているものでございます。

 

松橋委員 ありがとうございます。

 

事務局 御指摘いただいた1点目の内容につきましては、たしかに運輸部門の対策であっても、日常生活部門にも関連するというのはおっしゃるとおりと思います。既に日常生活部門の指針は策定済みではございますが、策定から時間もたっておりますので、そういった他部門との連携で追加すべき事項ところがございましたら、そういったコメントも含めて今後の検討に生かしていきたいと思っております。

 

安井座長 御回答、ありがとうございました。時間も過ぎておりまして、次の資料に入らせていただきたいと思います。次の資料でございますが、資料3「運輸部門における温室効果ガス排出状況」と資料4「運輸部門における排出削減の取組状況」ということでございまして、事務局から御説明いただきたいと思います。お願いします。

 

事務局 資料3、資料4につきまして御説明差し上げます。これらの資料の位置づけとしては、指針を策定する背景の情報として、排出の状況と各種の取組の状況の御紹介といった位置づけとなります。

まずは資料3でございますが、1ページ目を御覧いただければと思います。こちらでは我が国の総排出量の概要をお示ししてございますが、総排出量としましては2014年度以降、減少傾向にあるような状況でございます。その中でエネルギー起源CO2排出量は総排出量の約9割を占める最大の排出源となってございます。近年減少傾向にあるものの、引き続きその削減が求められている状況でございます。

2ページ目に参ります。こちらではCO2排出量の部門別の内訳をお示ししてございます。まず左側の円グラフでございますが、2018年度における電気・熱配分の前後それぞれの内訳を示してございます。外側の円で配分後のほうを見ますと、運輸部門は全体の18.5%を占めてございまして、産業部門に次いで排出量が多いような状況となっております。

また、右側の折れ線グラフで経年変化を見ますと、運輸部門の排出量は2001年度以降、減少傾向にあるような状況でございます。ただ、近年では他部門に比べますと減少が緩やかになってございまして、CO2排出量の全体に占める運輸部門の割合は、2014年度以降微増傾向にあるといった状況でございます。

3ページ目に参ります。3ページ目では、2018年度における運輸部門のCO2排出量のモード別の内訳をお示ししてございます。自家用の乗用車が46%、営業用の貨物車がそれに次いで20%、自家用貨物車が全体の16%を占める状況でございます。左右に分けて囲ってございますが、左側、営業用の貨物車やバス、営業用車/タクシー等、こちらについては全て事業者による排出となるようなものでございますが、それが運輸部門の約4割を占める状況となっております。  また、右半分でございますが、この中の自家用貨物車や自家用乗用車等につきましては、その一部は事業者による排出になると理解しているところでございます。

4ページ目にまいります。4ページ目では運輸部門におけるCO2排出量のモード別の内訳の推移をお示ししてございます。総排出量としては減少傾向にありますが、モード別で見ましても、おおむね各モードとも減少傾向にあるといった状況でございます。ただ、営業用の貨物車につきましては2013年度以降、横ばいで推移してございます。結果として、運輸部門に占めるその割合は増加傾向にあるという状況ですので、こういったところを今後どうしていくかというのは重要な課題になってくると認識しているところでございます。

5ページ目に参りますが、排出量推移の背景となる、輸送量の推移をこちらで整理してございます。左側に旅客の輸送量の変化、右側に貨物の輸送量の変化をお示ししてございます。左側のグラフ、旅客について見ていただきますと、鉄道や航空は増加傾向にございますが、他方で自動車はわずかに減少の傾向にございます。また、右側の貨物のグラフを見ていただきますと、こちらについてはいずれの輸送機関ともおおむね横ばいで推移しておりまして、特にこのサービス事業となる輸送量としてはそこまで減ってもいない状況でございます。  まず、資料3の説明としては以上となります。

続きまして資料4で、運輸部門における排出削減の取組状況について御説明を差し上げます。  まず1ページ目でございますが、運輸部門における排出削減に向けた主な取組として、ここでは3つ御紹介をさせていただきます。1つ目が地球温暖化対策計画、2つ目がエネルギーの使用の合理化等に関する法律、省エネ法でございます。3点目が総合物流施策大綱でございます。

2ページ目に参ります。まずは地球温暖化対策計画についての御紹介となります。温対計画はパリ協定の採択を受けて平成28年に閣議決定されたものでございますが、温室効果ガスの排出抑制及び吸収の目標、事業者、国民等が講ずべき措置に関する基本的な事項、目標達成のために国や地方公共団体が講ずべき施策等が記載されてございます。

運輸部門につきましては、下に記載したような事項に取り組むこととされてございます。aからiまで項目が並んでございまして、実際には個別の施策が掲載されているという状況でございます。  aから簡単に御説明いたしますが、産業界の自主的な取組の推進、主要な排出源となる自動車単体の対策、交通流の対策や国民運動の展開、さらには自動車運送事業等のグリーン化、あとは公共交通機関や自転車の利用促進、さらには鉄道・船舶・航空機の対策、物流の低炭素化といった観点から、各種の取組が記載されております。

3ページ目に参りますが、こちらは省エネ法の概要についてまとめたものとなってございます。省エネ法におきましては、事業者に対して省エネの取組を実施する際の目安となるべき判断基準を示しており、エネルギー消費原単位を中長期的に年平均1%以上低減させていくことが目標として決定されております。さらに一定規模以上の事業者に対しては使用状況の報告が義務化されておりまして、取組が不十分な場合には指導・助言や合理化計画の作成指示がされるといった状況でございます。

運輸部門につきましても、この図の赤で囲ったところがございますが、大規模な事業者につきましては特定貨物事業者、特定輸送事業者、特定荷主といった形で規定されており、中長期計画の提出義務等が課せられるといった状況でございます。

4ページ目に参りますが、省エネ法の中で定められている判断基準をここでは御紹介してございます。運輸部門につきましては、貨物輸送事業者、旅客輸送事業者、荷主のそれぞれについて、エネルギー使用の合理化のために取り組むべき事項が判断基準といった形で規定されているところでございます。例えば左上の貨物輸送事業者の場合ですが、1から6までの項目に分かれておりまして、2番ですと、エネルギーの消費量との対比における性能が優れている輸送用機械器具の使用、また、使用の合理化に資するような運転や操縦と。さらには、輸送能力の高い機器の使用、輸送能力の効率的な活用といった、そういった観点から判断基準が設けられております。

旅客につきましても同じような観点で、性能に優れる機械の使用とか、合理化に資するような運転をしていくとか、無駄な走行をなくすといった、そういった観点から判断基準の内容が記載されております。  荷主につきまして、右側のほうにございますが、大口貨物、小口貨物、それぞれ配送効率の向上といったところも記載されているような状況でございます。

5ページ目に参りまして、こちらでは総合物流施策大綱についての内容の御紹介となります。こちらは関係省庁が連携して物流施策を総合的に推進していくといった観点から策定された大綱でございます。現状、2017年度から2020年度の大綱におきましては、今後の方向性の1つとして、災害等のリスク・地球環境問題に対応するサステイナブルな物流の構築というのが掲げられてございます。

下の図のところ、左に囲ったところがございますが、モーダルシフトや共同物流の促進、あるいはICTAIを活用した交通マネジメントの強化といったものも含めて多様な対策の方向性が掲げられている状況でございます。

資料3、資料4の説明としては以上となります。

 

安井座長 ありがとうございました。それではただいまの御説明につきまして御質問、御意見等がございましたらお願いしたいと思います。いかがでございましょう。

 

大聖委員 改正省エネ法では特定事業者というのが設定されていまして、例えば物流のほうですと、200台以上保有している事業者が対象になっており、荷主のほうもここにありますような、3,000万トン以上の取扱いをしている者ということになっているわけですが、ここで言う指針の対象としては、事業者の規模というものは特定しないのでしょうか。

この省エネ法は対象事業者が非常に限定されていまして、実は捕捉率がすごく悪いということが課題だと認識しておりまして、これがもし対象だとすると、今後大幅なCO2の削減を狙うことには極めて不十分だと考えております。

 

事務局 ありがとうございます。今回の指針につきましては、そういった事業者の規模による閾値というのは設けておりません。省エネ法とは異なりまして、今回の指針につきましては広く事業者に取り組んでいただきたい対策を挙げていくといった趣旨でございますので、一部の事業者に限定するというわけではなくて、関連する運輸事業者に幅広くこういった指針を見ていただきたいという、そういった趣旨から、特段そういった規模による閾値は設けずに対象を考えているところでございます。

 

安井座長 御回答ありがとうございました。大聖先生、これでよろしいでしょうか。

 

大聖委員 結構ですが、これを解釈する事業者側にとっては、すごくいろいろなメニューがこの後紹介されると思うのですが、どれをどういうふうに受け止めていくかということに関して、迷うのではないかと思うんですね。これは老婆心ながら申し上げているだけです。

 

事務局 ありがとうございます。詳細については後ほどの資料5でも議論があるかもしれませんが、御指摘いただいたような懸念はごもっともと認識してございます。指針は策定して終わりではなくて、その後、周知の活動をどうしていくかも重要な論点と認識してございまして、御指摘のとおり、ここに掲げられたようなメニューを全事業者が取り組めるかというと、なかなか難しいところもあると思いますので、濃淡をつけて、より分かりやすいように周知していくところも次の重要な論点と認識しております。 

 

安井座長 ありがとうございました。ほかに何か御質問はございますでしょうか。

 

草鹿委員 大聖先生の御質問と関連すると、冒頭申し上げましたけれども、カーボンニュートラルということになってくると、小規模事業者に対しても徹底するというような方向が必要になってくるかなと思います。  もう1点は4ページになりますが、これも最初の質問と関連しますけれども、2番目に「エネルギー消費量との対比における性能が優れている輸送機器の使用」というのがあるのですが、使用過程では確かに優れていると。ただし、例えば製造部門のCO2が排出されてしまう、あるいはエネルギー転換部門のところでCO2が排出されてしまう、こういうような機器があるとすると、2番の範囲というのは、バウンダリーですね。どこまでを考えればいいかということを御質問したいと思います。

 

○環境省(加藤室長) 草鹿先生、御質問ありがとうございます。今の段階では、ここの部分、LCCO2のところまで行っておりませんで、使用段階での優れているものということで今回は判断基準を示させていただいております。

 

草鹿委員 今大事なのは日本全体でCO2をどう削減していくかということであって、冒頭で述べた通り、セクターごとに減らせばいいという、という時代でもないのでトータルで改善を図る必要があります。

 

環境省(加藤室長) 御指摘を踏まえて、セクター横断的なものをどうしていくのかというところをさらに考えていかないといけないと思っておりますが、本日の範囲では、すみません、運輸部門におけるということで御議論いただきまして、今先生にいただいた御指摘はごもっともだと思いますので、その部分のセクター横断的に減らしていくものをどうするのかというところはさらに検討を積み重ねさせていただければと思っております。

 

草鹿委員 さらに上の段階でセクター間のCO2排出については御検討いただくということで了解しました。

 

安井座長 そういう回答でしょうがないのかと思いますが、いずれにしても、いろいろと未来技術もないわけではないので、少しは未来技術みたいなものを、例えばアンモニアで船が動くかどうかとか、いろいろあることはあるので、そういうことまで少し議論をさせていただくほうが本当はいいのかなという気もしないではないですね。ありがとうございました。

それではここで次に行きますか。よろしいですかね。次に進ませていただきたいと思います。資料5-15-2の御説明をお願いします。

 

事務局 そうしましたら、こちら事務局のほうから資料5-15-2のほうの御説明をさせていただきます。

資料5-1が、今回策定しております運輸部門における排出抑制等指針の案というところについて御説明する資料になっております。まず冒頭ですが、運輸部門においてはこれまでも省エネ・省CO2に向けた取組というところ、様々行われてきているところでございますが、先ほど資料3のほうでも御説明したとおり、近年、我が国の温室効果ガス総排出量に占める運輸部門の割合が微増傾向にあるというところもございまして、今後一層の取組を促進する必要があると考えてございます。

このような状況も踏まえて、環境省様のほうでは、平成21年度より運輸部門の指針策定に向けた検討を開始し、1つとしては、まず基準に適合していない車種の使用規制等による窒素酸化物の排出量抑制を目的とした自動車のNOxPM法、それから、先ほど資料4のほうでも御紹介させていただいた、省エネ法といったところで事業者に対して求められている判断基準を参考にしつつ、対策のメニュー案というものを作成しているところでございます。以降も毎年文献調査であるとか、有識者へのヒアリングによって内容のブラッシュアップを図ってきたところでございます。また、今年度の調査においても、この作成した指針案について、鉄道、自動車、船舶、航空の各業界団体、事業者といったところに対して意見照会を実施しておりまして、内容の見直しを行っているところでございます。

今般の運輸部門における指針については、下の四角囲いで記載しております考え方に基づき策定したいと考えているところでございます。  まず1点目に記載しておりますが、運輸部門における排出抑制等指針の対象事業者というところでございます。こちらについては委員の先生方から事前説明の際にもいろいろと御指摘をいただきまして、改めて明確化を図ったところになっております。

まず、そもそも今回対象とする運輸部門は、日本全体としてのエネルギー消費を考えていく際の運輸部門の定義として、自動車、船舶、航空機、鉄道、そういった輸送機器の移動に伴うエネルギー消費全てを対象にしているものでございます。ですので、今回の対象とする事業者は、こういった輸送機器を使用する幅広い事業者全てを基本的には対象に含めたいというところが考えとしてございます。

具体的に今回の対象事業者ということで、省エネ法の定義も少し参考にさせていただきまして、大きく3つです。荷主等、貨物輸送事業者、旅客輸送事業者、この3点を対象事業者としたいと考えております。具体的に省エネ法におけるこれらの定義というところは、下のほうに参考でつけさせていただいておりますが、まずこの荷主等というところは、省エネ法における荷主、準荷主という両方を対象に含めるような形で整理させていただいております。

荷主というのは、輸送事業者に対して自らの荷物を運ばせるといったプレイヤーになりますが、一方で準荷主というのは、定義上、荷主には該当しないのですが、そういった荷物の輸送に関して、輸送方法であるとか、輸送の日時をある程度決めることができるような主体というところが規定されておりますので、こういったところも対象に含めて整理させていただいております。

また、貨物輸送事業者については、こちらも省エネ法の定義において、他人または自らの貨物の輸送を行う者と定義されておりますので、単に他者の貨物を業として担うというだけではなくて、自社の荷物を輸送する場合にも、この貨物輸送事業者に含まれるという整理になっているところでございます。

最後、旅客輸送事業者ですが、これも日本国内において発着する旅客の輸送を行う者というところで、こういったところをこの指針の対象事業者に含めて、幅広い観点で指針を策定したいと考えているところでございます。  続いて、指針の構成について、でございます。先ほども環境省様のほうから御説明がありましたが、指針については既に他部門においても策定されているところでございます。そういった既存の指針においては、基本的に(1)排出の抑制等の適切かつ有効な実施に係る取組、(2)排出の抑制等に係る措置、(3)排出の抑制等の措置を通じた温室効果ガス排出量の目安、この3部からなる構成で対策メニューを記載しているところでございます。

一方で、今回策定する運輸部門においては、荷主、貨物輸送事業者、旅客輸送事業者といった、その業種によって対策の観点や内容が異なってくるということで、この(1)から(3)の構成だけではなくて、その対象とする業種別に対策メニューを記載するということにさせていただいております。具体的に(1)から(3)の内容について下に記載させていただいております。

まず(1)適切かつ有効な実施に係る取組というところですが、これは既存の部門の指針において、排出抑制等に関する体制の整備、この排出抑制の推進について重要性の周知を行う、(2)で記載しているような設備の選択及び使用方法について将来的な見通し、計画性を持った適切な実施といったところを示しているところでございます。これはソフト面の対策として記載させていただいておりますが、こちらについては各部門、部門に関わらず重要であることから、今回、運輸部門における対策についてもこれらの既存の指針に倣って策定することとさせていただいております。

(2)が排出の抑制等に係る措置ということで、こちらが部門ごとの具体的な取組といった位置づけになっております。運輸部門の排出の抑制に係る措置としては、エネルギー起源CO2の排出抑制に関する対策ということで挙げております。こちら、先ほど御説明をしましたとおり、他部門においては設備の選択、設備の使用方法という分類で対策を記載しているところでございますが、運輸部門においては、例えば他事業者との連携であるとか、取引条件の見直しといったような、設備に直接関連しないような対策も考えられるということで、今回、荷主等、貨物輸送事業者、旅客輸送事業者というそれぞれにおいて、この設備の選択、設備の使用方法にとらわれず、排出抑制に有効と考えられる対策メニューを記載しているところでございます。

こちらの対策メニューの選定については、先ほども述べさせていただきましたが、他の法令において定められている事業者の判断基準に掲げられている対策に加えまして、過去の調査において実施した有識者、事業者のヒアリング調査、業界動向調査の成果から抽出した対策を追加させていただいております。なお、こちらの(2)の項目として記載させていただいている対策は、既に実用化済みで、事業者が足下で取り組むことが可能であり、かつ今後普及が期待されるものという観点に基づいて選定しているところでございます。委員の先生方から、まだ実用化されていなくても将来的に期待されるような技術を追加することはどうかという御意見も賜っているところでございますが、今回は他部門との策定状況というところも少し見据えまして、こういった統一的な考え方で指針を策定しているところでございます。冒頭に環境省様からもお話がありましたけれども、今後、指針自体見直しを検討されていくというところで、そちらについて将来的な技術等についても今後検討を進めていきたいと考えているところでございます。

最後、(3)温室効果ガス排出量の目安というところでございますが、こちらについてはこれまでも運輸部門において設計に向けた検討は進めてきたところでございますが、既存の統計等から目安の設定に必要なデータを得ることが現時点では困難であろうという判断で、今回の時点では設定しないことにさせていただいております。  以上、運輸部門の指針案を検討する上での考え方について御説明させていただきました。以降は具体的な運輸部門の対策メニュー案というところを少し御紹介させていただければと思いますが、こちらについては資料5-2を使いまして御説明させていただきたいと思います。

資料5-2は、今回策定している対策メニューに対して、それがどういった出典から参考として策定しているものなのか、自動車NOxPM法、省エネ法、それから事業者であるとか有識者へのヒアリングといったところについて記載させていただいております。数が多いですので、幾つか抜粋しながら御説明させていただきます。まず一番初めが荷主等の対策メニューになっております。まず大項目として、排出削減に資する輸送方法の選択ということで、具体のメニューとしては、モーダルシフトの推進、サードパーティーロジスティクスの活用といったところを挙げております。

大項目の2つ目としては、輸送効率向上のための措置ということで、具体には、例えば積載率の向上ということで、積み合わせ輸送、混載便の活用。  それから、輸送距離の短縮・輸送機器の大型化というところで、適正な輸送ルートの選択といったところを挙げております。貨物輸送事業者及び着荷主との連携という項目の中では、自家用貨物車を営業用貨物車に転換する自営転換の推進であるとか、16番の緊急輸送の回避、23番、輸送事業者の帰り荷確保への協力、それから26番以降、昨今も話題になっておりますが、再配達の削減に向けた取組というところで、輸送事業者等と連携したような取組として書かせていただいております。

項目としては、輸送効率を考慮した商品の開発又は荷姿の設計等、物流拠点の整備等、標準化及び情報化の推進といったところで記載しております。具体の項目としては、トラック予約受付システムの導入であるとか、標準化のところでいきますと、このユニットロード化の促進、38番、共同輸配送の実施といったところを荷主の対策メニューとして記載しているところでございます。

続いて(2)が貨物輸送事業者の対策メニューでございます。こちらも大項目で幾つか分かれておりまして、まず1点目が燃費性能の優れた輸送用機器の使用というところで、こちらは輸送モード別に、輸送事業者のほうについては対策を記載しております。例えば自動車でいきますと8番のところで、トップランナー燃費基準達成車・ハイブリッド車・天然ガス車・電気自動車、燃料電池自動車等の温室効果ガス低排出車の導入といったところや、船舶であればスーパーエコシップ等の低燃費船舶の導入といったところを挙げております。排出削減に資する運転又は操縦ということで、こういった輸送機器の使い方に関する取組ですが、例えば鉄道でいくと、惰行運転ということで、動力の慣性を使ったような運行方法の促進であるとか、自動車でいくと21番のところで、最適な輸送経路の選択、GPSVICS等の活用といったところを挙げております。

大項目としては輸送機器の大型化というところを挙げておりまして、こちらは事業者のヒアリングの中で出てきた取組でございますが、自動車に関して34番、ダブル連結トラックの導入といったところで、1度に運べる量を増やしていくような取組も書かせていただいております。次の項目として輸送能力の効率的な活用というところで、こちらは輸送モードごとにかなり共通した書きぶりになっておりますが、積載率の向上、帰り荷の確保といったところを挙げております。

最後に、その他排出削減というところで幅広い取組を挙げておりますが、まず共通してある取組としまして46番、バイオ燃料等低炭素燃料、再エネ電力の導入活用量の開示であるとか、47番、輸送機器燃料・電源の脱炭素化といった、各輸送モードに共通の取組というところも挙げております。

次の3ページ目に参りまして、こちらも自動車の部分で、こちらは荷主の取組と少し共通する部分もあるのですが、62番の共同輸配送実施であるとか、63番以降の再配達の削減に向けたような取組というところを挙げております。  輸送事業者の取組については、事業者が自ら取り組む対策のほかに、委託先であるとか商品の購入など、そういった間接的な排出を削減するような取組ということで、Scope3と呼ばれておりますが、こういった関連の対策についても記載しているところでございます。

4ページ目に参りまして、最後、(3)旅客輸送事業者の対策メニューでございます。こちらも大項目レベルでは貨物輸送事業者と共通している部分がございますが、旅客輸送にフォーカスした取組ということで記載しております。例えば、まず燃費性能の優れた輸送用機器の活用というところでいきますと、自動車のところ、13番、14番にグリーンスローモビリティというところで記載しておりますが、こちらは国交省様と環境省様のほうでも推進されているような、低燃費かつコミュニティでの利用が期待されているモビリティというところで、こういった温室効果ガスの低排出車の導入といったところを記載しております。

次の項目として、排出削減に資する運転又は操縦というところで、旅客輸送に関連したところでいきますと、例えば鉄道の22番、冷暖房設定温度の適正化であるとか、自動車に関しても25番のエコドライブの促進といったところを取組として挙げております。旅客を乗せないで走行し、又は航行する距離の縮減というところで、自動車の36番でいきますと、回送の運行距離を最小限にするような車両の運用、37番で、GPS等を活用した効率的な配車ですね。こちらはタクシー等の事業者に関連するような対策になりますが、こういったところを挙げております。

最後、その他排出削減というところで、こちらも旅客と同様に共通の取組としては、導入活用量の開示であるとか、燃料・電源の脱炭素化というところも挙げております。  こちらの旅客分野においての考え方の1つとして、そもそも自動車の輸送から公共交通への転換というところも1つ題目としてございますので、例えば鉄道の45番のところ、排出原単位の低い輸送手段として、利用者へのアピールであるとか、46番で、ICカードシステム等の導入によって、鉄道の利用を促進するといったところを挙げているところが特徴としてございます。

続いて最後の5ページ目に参りまして、こちらも同様です。自動車においても、バスの事業者、自家用車からバスへの転換といったような観点で、利用者へのアピールであるとか、ICカードシステム、バスロケーションシステムといったところでの利便性の改善、バスの利用促進といったところを項目として挙げております。  最後、Scope3関連の対策については、貨物とも共通するような取組として記載させていただいているところでございます。

指針案としては、資料の御説明は以上ですが、あわせて参考資料のほうも簡単に御説明させていただきます。参考資料1は、こちらの指針というものが実際に告示される文書としてどういった形になるかということで、今既に公表されているものを参考としておつけしております。少し量が多いですので、もし御関心がございましたら御覧いただければと思います。

参考資料2は、今年度実施した事業者へのヒアリングの結果になっております。今回ヒアリングを行った主な内容・目的としましては、設問1というところが、今回策定している対策メニューのうち、落とすべきと考える項目があればということで御意見をいただいたところでございます。観点として、既に対策としては陳腐化している対策であるとか、事業者の実態として対策が難しいような項目が入っていないかといった観点で御意見をいただいたところでございます。

皆様からいただいた御意見を一覧にしておりますが、少しオレンジ色で色をつけているところは、事業者の皆様からの意見を踏まえてメニューの書きぶりを修正した内容でございます。下のほうに参りまして、水色で幾つか色をつけているところがございますが、こちらについては当該部門、例えば鉄道事業者、自動車の輸送事業者の取組としては不適切、現実的ではないといった御意見をいただいたところにつきまして、一部の対策については記載から落としたところでございます。  その他の白くなっているところの御意見については、御意見としては賜っているところでございますが、今回の対策メニューとしては残すという形で判断させていただいた内容になってございます。

設問1が2ページ目までございます。3ページ目、設問2というところが、もともと対策メニューには入っていなかった項目の中で追加すべきではないかというところで御意見をいただいた内容でございます。こちらについても色を分けておりまして、オレンジ色で記載している項目については、事業者の御意見を踏まえて、今回対策メニューに追加・反映した項目になっております。一方で水色の項目については、今回の時点では対策メニューの追加は見送らせていただいたところになっておりまして、見送りとした理由としましては、先ほども少し御説明をしたような、まだ実用段階でない技術であるとか、十分に当該業界団体等の御意見を踏まえられていないといったステータスで、今回は少し見送りとさせていただいた項目があるところでございます。こちらも御参考までに御覧いただければと思います。

最後の4ページ目のところに、その他、指針全般について御意見があればというところでいただいた御意見を記載しております。こちらも後ほど詳しく御覧いただければと思いますが、例えば御意見としまして、こういった対策メニューを示したときに、その対策メニューの実現自体が目的化してしまう傾向があるといった御意見がございました。あくまでも目的は温室効果ガスの排出抑制、排出削減であるので、そういった目的に照らして手段を適切に選んでいくといったところを周知することが必要ではないかという御意見をいただいております。一番下のところでございますが、先ほど委員の先生方からも御指摘がありましたが、こちらは対策メニューとしてかなり数が多くなっておりまして、事業者にとってどこを特に中心的に見ていけばいいのか、どの取組から優先的に手をつけていけばいいのか、こういったところについて明確化することが重要ではないかという御指摘も賜っておりますので、こちらについては指針の策定後、その周知であるとか、公表の方法については引き続き検討させていただきたいと考えているところでございます。

長くなってしまったのですが、事務局からの説明は以上になります。

 

安井座長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御質問、御意見等をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

 

大聖委員 前書きのところの1行目で、「省エネ」の次に「省CO2」とあるのですが、「省CO2」ってあまり言わないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。それから、「運輸部門において」という、ここで読点が要ると思うんですね。読点がないところがぽつぽつ見かけられますので、その辺、気をつけていただきたいと思います。

それから5行目、自動車NOxPM法と書かれているのですが、その説明書きで、窒素酸化物だけではなくて粒子状物質も含まれますので、それも書いておかないといけないのと、元来、自動車NOxPM法は省エネとあまり関係がなくて、地域を限定して排出ガスを下げるということが目的の法律なので、その辺は誤解のないような書きぶりになっているとよろしいかなと思います。とりあえず以上です。

 

事務局 大聖先生、ありがとうございます。今御指摘いただいた部分については、こちらの資料を公表させていただく際に、少し書きぶり等は見直させていただければと思います。すみません、省CO2の部分と自動車NOxPM法のところは承ったのですが、2点目に御指摘いただいた部分がちょっと聞き取れませんで、もう1度いただいてもよろしいでしょうか。

 

大聖委員 書き方の問題ですが、読点を入れて読みやすくしてくださいということです。例えば「運輸部門においては」で、ここで読点を入れたほうがいいですよね。

 

事務局 失礼いたしました。

 

大聖委員 ちょっと細かい点ですが、そういうところがぽつぽつありますので御注意ください。

 

事務局 御指摘ありがとうございます。その点も修正させていただければと思います。

 

安井座長 ありがとうございました。ほかに何か御意見等ございましたらお願いします。

 

草鹿委員 ありがとうございました。事前にディスカッションをしたり、学術団体を通してコメントしたのを反映していただいて、どうもありがとうございます。それで、先ほどの説明を聞いていてまた混乱してしまったのですが、資料5-1の7ページの上の「共通」のところですが、先ほどのお話ですと、今回、他のセクターに関する部門は含まれませんということになっていたのですが、47の電源の脱炭素化というのが、これは運送事業者さんなんかには取り組みづらい。先ほどのバウンダリーの話だとここは入らないということになろうかと思うのですが、ここは先ほどの御回答と併せていかがですか。

 

環境省(加藤室長) 草鹿先生、ありがとうございます。電源の脱炭素化のところは、輸送事業者さんであっても電力の購入のメニューを選ぶとか、自分の施設に再エネをつけるとかということが物理的に可能になってきておりますので、今回、事業者さんが選択できるオプションということで記載させていただきました。

 

○草鹿委員 電力供給会社を選べるということですか。

 

環境省(加藤室長) そうです。購入者として。

 

草鹿委員 なるほど。分かりました。だとすると、これが入ってくると、省エネデバイスを購入するときに、製造部門のCO2も下げるような省エネデバイスも入れなければいけないと思いました。要するに、境界を外に持っていっていいということになると、それはエネルギー転換部門の話、製造部門の話も今後考慮する必要があると思います。

 

環境省(加藤室長) おっしゃるとおりかと思います。ただ、製造業についてのLCCO2評価というのがこれからという状況なので、どの製造事業者さんがどういうCO2を排出しているのかということについて、一般的にすぐに選べるようなところにまでまだ達していないという理解でございまして、他方で、自分で再エネを設置するとか、電力については各電力会社さんがいろいろなメニューを出されているので、一般的に……

 

草鹿委員 進んでいるということですね。

 

環境省(加藤室長) はい。購入しようと思った場合に、そのサイト等で比較して検討、購入が可能であるということで、今回、一般的に事業者さんが利用可能なものということで記載させていただきました。

 

草鹿委員 そうすると燃料というのが、現状多くは軽油、それからガソリンですが、バイオ燃料というのも将来的にはあるんだけど、これもでもそんなに明らかではないけれども、47に入ってきていますよね。だから何がバウンダリーを決めるのに定義されているかという、その定義がものによって変わってしまっている印象を受けました。この辺りはいかがですか。

 

環境省(加藤室長) 燃料については、どこまで一般的かというのはあるのですが、バイオディーゼルとかの取組をされている方もいらっしゃるので、ここで特段、取組として排除するものではないかなということで記載させていただきましたが、本日の御議論を踏まえて、まだそんなに一般的でないということであれば検討したいと思います。

 

草鹿委員 分かりました。御検討をよろしくお願いします。

 

安井座長 ほかに何か御意見はございますか。

 

島田委員 先ほど、大聖委員から省CO2という文言に関して御指摘がありましたけれども、これに関連して、恐らく省エネに対比して燃料の転換とか、動力源の選択とか、あるいは冷媒の選択とか、そういったところが省エネ法の範疇以外のところ、ガスでいうとメタンとか、それ以外のFガスと言われるようなところもここの指針の範囲に入るというところが省エネ法上の指針との違いかなと理解いたしました。

 一方で、先ほど議論のございました、LCA的と言うのでしょうか、あるいは少しバウンダリーを広げた見方というのは、8ページとか11ページにあるScope3というところの対策が該当するのかなと思いました。恐らく貨物事業者や旅客事業者、あるいは荷主にとってのScope3というのはかなり広いと思うのですが、そのうちの非常に限定された部分を、あるいは足下でできる部分をピックアップしたのかなと理解いたしましたが、それにしても、どういう視点でこのScope3の対策を抽出して、そしてここに掲げたのかということは一言何かあったほうが、先ほどの委員からの御指摘、草鹿先生からの御指摘とも関連して誤解を招かないかなと思いますので、この点、御検討をお願いしたいと思います。

 

事務局 島田先生、御指摘ありがとうございます。こちら、Scope3の関連の対策というところですが、資料5-2のほうに、幾つかこの出典ということで書かせていただいておりまして、こちらのScope3の対策については、環境省様のほうで策定されている「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」のScope3関連の記載のところを参考にさせていただいております。実際には、今回対策として記載しているところは、物流業界におけるScope3の取組という、そのガイドラインを参照してこの対策ということを挙げさせていただいているのですが、今先生から御指摘いただいたような、もう少し幅広い視点での取組というところも場合によっては出てくる、これで網羅的でないという可能性もあるかなと思いますので、そちらについてはまた改めて確認させていただいて、必要であれば追加というところも検討させていただければと思います。

 

安井座長 そういった回答でございますが、よろしゅうございましょうか。ほかに何か御意見がございましたらお願いいたします。

 

大聖委員 追加的なコメントをよろしいでしょうか。例えば隊列走行なんかは入ってこないでしょうか。トラックが3台、プラトゥーン走行とも言いますが、どこかにありましたか。

 

事務局 こちらは昨年度の有識者へのヒアリング等の際にも、こういった隊列走行であるとか自動運転みたいな、そういった技術についてどうかという御指摘はいただいていたところですが。

 

大聖委員 まだ実用化というところまでは行っていませんけどね。

 

事務局 そうですね。まさにおっしゃるとおりで、隊列走行、実証実験とか、そういったレベルで今検討が進んでいるところは承知しているところですが、現段階で事業者がそういったメニューを選択できるかというと、その段階まで進んでいないというところですので、今回の取組としては見送らせていただいたという経緯になってございます。

 

大聖委員 分かりました。それから別の件ですが、パーキングエリアとかサービスエリアで、トラックなどに外部電源から電源を供給するというようなシステムもあると思うのですが、それは冷凍車ですとか、あるいは長時間、ドライバーが休んだりというときに、アイドリングを続けてしまうのですね。それを防ぐための電源インフラの整備というのがどこかにあってもいいのではないかと思います。船舶などでも停泊中の排出ガス対策と省エネということで、外部電源を提供するというようなシステムも利用されていますけれども、それはどこかにありましたか。

 

事務局 ありがとうございます。御指摘いただいたとおり、船舶とかですと、停泊中のエネルギー使用の合理化みたいな形で少し近いような記載はあるのですが、自動車に関して、アイドリングを抑制するような外部電源の提供とか、そういったところは、今対策としては入っておりませんでしたので、少しその辺りについてはメニューのほうも見直させていただければと思います。確かに事業者のほうからも、そういった停車中、トラック等が荷待ちをしている間のアイドリングを抑制するような対策というのも有効ではないかといった御意見もいただいておりましたので、改めて検討させていただければと思います。ありがとうございます。

 

大聖委員 よろしくお願いします。

 

安井座長 ありがとうございました。ほかに何か御質問等ございますか。

 

松橋委員 資料5-1の5ページ、表3の辺りです。排出量の把握ですとか、抑制の効果の把握といったことが書いてありますが、それ以上に見える化といいますか、情報を示すということも、もう少し明示的に示すということもあったほうがいいのかなと思いました。ほかの主体がどれだけ排出しているかということを認識した上で事業者を選ぶということが重要になってくるかなと思います。あと、情報化に関して、そういったものがどんどん進んでくると、サービス単位でのCO2の排出量というのも分かってくる可能性もあるかなと思います。できればそういうサービス当たりの排出量なども、見える化して提示していくようなことも進んでできるようになるといいかなと思いました。

 

安井座長 ありがとうございました。事務局から特に何かございますか。

 

事務局 御意見ありがとうございます。松橋先生から事前の御説明の際にもそういった排出量の見える化とか、公表みたいなところを盛り込んではどうかという御指摘を賜っていたかと思います。今、この表3に書いているところとしては、この排出量の量、並びにその状況を適切に把握するというところまでは記載がございまして、これは各部門共通なのですが、おっしゃるとおり、それを外に見せていくとか、公表していくというところまではまだ踏み込んだ記載になっていないというところが実情でございますので、他部門との兼ね合い等も踏まえながら、そういったところも検討させていただければと考えております。ありがとうございます。

 

安井座長 という回答でございます。いろいろ活発に御議論いただいていますが、ここからはリモートなものですから、全ての委員の方から何か御質問をいただいたかどうか分かっていないという状況ですが、まだ御質問をいただいていない委員の方、いかがでしょうか。事務局から、皆さんから御質問をいただいたということだそうでございます。

個人的な意見で恐縮ですが、どうも今、特に自動車関係はヨーロッパですね。本当に次の議論ばかりやっているんですね。それに対して日本は次の議論があまりできていないような気がして、その辺りというのはこういった運輸部門の対策、CO2、たぶん決定的に効いてしまうという、そういうものであるような気がするんですね。運輸部門、例えば船舶なんかだと日本は割と先進的で、アンモニアで船を動かしたりしようということがありますが、殊自動車に関しては割と保守的で、その辺りに関して何か各先生から、もう少し日本、こんなところで頑張れよみたいな話がいただけると、今回の委員会にとっては付録になってしまうのですが、とにかく日本のこういった運輸部門における未来像みたいなものが、もう少し明るい未来像になったほうがいいなと個人的には思っているのですが、何かそういった御発言をいただければ。今日、幸いにしてまだ若干時間があるものですから、そんなことをお願いしている次第でございますが、いかがでございましょうか。

 

草鹿委員 安井座長、どうもありがとうございます。冒頭で述べさせていただきましたように、自動車関連の技術というのは、もう単体の燃費対策というのは、自動車メーカーの努力もあって、ものすごい勢いで実行して、確実に燃費規制も達成している状況であります。ところが実際は、今後の自動車についていうと、運輸部門のセクターを超えて、エネルギー転換部門と製造部門ですね。この話が日本トータルの話では入ってくるのですが、電源のカーボンニュートラル化も含めて、必ずできると私は思っています。明るい話かどうか分からないですが。

ですから逆に、製造部門も先ほどちょっとお話ししたのですが、そこも含めて国民を啓蒙していくような、下からボトムアップでやっていくような取組というのがあって良いのではと思います。製造部門における2030年のパリ協定削減目標値は2030年に6.5%ぐらいの削減量となっています。主な業界が、たしか鉄鋼と化学工業と、あとは順番でいうと機械製造業も入っていたと思います。そこは日本の経済の中心でもあるのですが、それは電源のカーボンニュートラル化と伴って、2050年に向かって運輸部門も必ず達成できると思っています。コメントです。

 

安井座長 ありがとうございました。今挙げていただきました鉄屋さん辺りは、世界的に見ても、本当に未来的な、鉄鋼業のある姿をちゃんとイメージした上でやっていますね。日本でもやり始めていますから。かなりほかのところは先を見ているなという感じがするのですが、この交通で見ると、本当にはっきり言って今重要なので、そういうことになるのかもしれませんが、未来像を若干絡めた格好での議論もやったほうがいいのかなという気がしまして、余分なことですが、ちょっと発言をさせていただきました。  ほかに何か御発言いただくことはございませんでしょうか。と言っておりますのは、もう実を言うと、これで終わってしまえるような感じでいいのでしょうかということなのですが。

 

島田委員 よろしいでしょうか。断片的には入っているアプローチかもしれないのですが、シェアリングエコノミーとか、空き容量をうまく活用するとか、あるいは、昨今、コロナの影響で人流というか、旅客がかなりスカスカになっている、空きがある中で、そこに貨物も詰め込んでいくとか、そういった新しい動きなんかが、CO2の削減にうまくつながるのかどうかはよく検証しないといけないかもしれませんが、今たくさんあるメニューの中に目出しがされているのか、あるいはまだ検証ができないから、そういうのは見送っているのか、その辺り、いかがかなと思いまして確認したいと思います。

 

事務局 島田先生、ありがとうございます。今御指摘いただいたようなところで、例えばシェアリングエコノミーと言えるのかちょっと分からないのですが、そういった共有化みたいな、そういった観点では、物流に関しては共同輸配送であるとか、そういったところについては少し盛り込んでいる部分もございます。一方で、直近のコロナによる人流の減少、そういったところで物流をあえて貨客混載であるとか、タクシーでそういった貨物を運ぶといったような取組も昨今されていますけれども、そういった直近の動きについては、現時点でまだメニューの中には十分反映できていないところと考えております。こちらについてはコロナの影響が一時的なものなのか、中長期的に残って社会の変化として反映されていくものなのかというところを少し見極めながら、今後の見直しのタイミング等にそういったところも検討に含めていければと考えております。事務局としては以上ですが、環境省様から何かもしあればお願いいたします。

 

安井座長 何か環境省側から御発言があれば。今のところ満足されているようでございます。ほかに何か御意見はございませんか。そろそろ終わってしまいそうな気配が漂っているのですが。

 

大聖委員 この指針の在り方検討会のアウトプットとして、今後検討すべき課題みたいなものを挙げてはどうかと思うのですが。例えば、さっきから議論がありますような、他部門と関連するLCACO2的な議論もどこかでしなければいけないとか、さっきの自動運転だとか、隊列走行だとか、今御指摘があった、いろいろな新しい働き方に係る移動の状態が変わってくるというようなことですとか、そういったことは起こり得ることだと思うんですね。そういうことは、行く行くは検討して、具体的に取り入れられるものは取り込んでいくんだという、そういう具体的な記述をぜひ入れていただくと、今後検討するときに参考になるのではないかと思いました。

 

安井座長 ありがとうございます。おっしゃるとおりかと思います。私も特に一生懸命調べているわけではないのですが、例えばドイツとスウェーデンだったか、高速道路に電動の架線をやって、その架線から電気を取って走っているトラックがいるとか、確かにCO2はその電源次第ではありますけれども、確かに直接は出していないというようなこともあるようですので、何かこの委員会の付録資料として、世界における先端事例みたいなものをつくったほうがいいのではないかという気もするんですけどね。ちょっと大変かもしれませんけれども。そんな気分で今日は司会をやらせていただいておりました。  まだ時間はありますが、御意見、言い足りないと思われている先生方がおられましたらどうぞ。1分間、静寂が続くとこれで終わってしまいますけれども、いかがでしょうか。

 

大聖委員 それではちょっと蛇足で恐縮です。この指針は指針として、それを事業者なりが受け止めて実行するときに、それではどうしたらいいのというので、例えば国土交通省が指導しているグリーン経営認証制度というのがあるのですが、これなんかですと、いろいろな技術だとか取組のやり方というのが選択肢として与えられていて、それを事業者が選んでいけばいいようになって、それで全体として環境改善ができていますねという、そういう表計算ができるようなフォーマットがあるんですね。そういうところまで面倒を見ないと、特に中小の事業者というのは、やり方が分からなくて迷ってしまうと思うんですね。そういうところまでおやりになるとは思うのですが。

それともう1つは、取り組んだ効果をどうやって評価するかとか、その評価法を開発していかなければいけないし、それを一般にも広げていかなければいけないという課題もあると思っていまして、この検討会の課題ではないのですが、指針を実行に移すときに、そういう細かい問題もきめ細かく解決していかないといけないなと思っております。

 

安井座長 ありがとうございました。日本流の行政というのはそういうことを求められてしまうのですが、そこをどこまで本当にやるべきかというのはいろいろ意見があるところかと思います。もし余裕があれば、やれるに越したことはないのであります。ほかに何か御意見はございませんか。

 

島田委員 地道ではありますが、今できるメニューを並べたということです。先ほどの大聖先生の御意見にもありましたし、冒頭、いかに普及していくかという視点が大切だという発言もありました。その中で政府、とりわけ環境省が持っている様々な低炭素・脱炭素系の技術開発とか、あるいは事業者向けの補助金とか、あるいは地域での取組への様々な支援メニューがあると思うのですが、そういうところにこういうメニューを取り入れることが望まれるというか、そういった参照基準として、そういう資金ツールと連動させるというようなことも検討に値するのかなと思いますので、これは環境省のほうの課題になろうかと思いますが、少し御検討いただければと思います。

 

安井座長 ありがとうございました。何か環境省側から「やる」とか、そういう御意見はございますか。

 

環境省(加藤室長) ありがとうございます。今の島田先生の御発言のとおりかと思いますので、これそのものというよりは、これをもうちょっと分かりやすくした上で、どうやって支援メニューなどとも組み合わせて分かりやすくお伝えできるかということだと思いますので、指針、ちょっと網羅的になって分かりにくいものを、どのような形で分かりやすく伝えていくか。大聖先生の御発言にもございました、中小の方とか、地域の方にどのように効果的に伝えていくかというところは、今日の御指摘を踏まえてよく検討していきたいと思います。ありがとうございます。

 

安井座長 ありがとうございました。ほかに何か御指摘、委員の先生方からいかがでございましょうか。今、実を言いますと、手元にあります議事の進め方によりますと、「1140分をめどに終わる」と書いてあるので、そろそろ終わる時間でもよろしいのですが、いかがいたしましょう。最後にぜひという委員の方がおられれば、最後の御発言、いかがでございましょうか。あと30秒ほど待って、なければ終わってしまうということでよろしいでしょうか。

なさそうな感じですね。30秒たっておりませんが、それでは、本日、活発な御意見をいただきましてありがとうございました。全体を通しまして、例えばこれから先、どういうような方向に本当はやったらよろしいかということは、今日いろいろと御意見をいただきましていろいろ分かったのですが、私的には、こういった運輸部門というのは、世界的な動向を見据えた上で少し日本を見たほうがいいかなという、今日拝聴させていただきながら、そういう気がいたしました。

日本の場合だと、本当に細かいところまで官庁が面倒を見ちゃうのですが、それゆえに、ある意味で市民レベルの哲学が生まれないと毎回言っているのですが、面倒見が良過ぎる。もっと市民レベルの哲学のよしあしを議論して、「それは考えていないじゃないか」というような社会にならないと、本当いうと日本もよくないのかな、なんて思っているんですけどね。なかなか難しいことではあるのですが。

いずれにいたしましても、本日、いろいろと委員の先生方には御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。ということで、最後に事務局から事務連絡で終わってしまってよろしいでしょうか。よろしいようですから、それでは事務局から事務連絡等ございましたらお願いします。

 

事務局 安井座長、ありがとうございました。委員の皆様、活発な御議論をありがとうございました。本日皆様よりいただきました御意見を踏まえまして、運輸部門の指針策定に向けて引き続き検討を進めてまいりたいと思います。また、事務局にて本日の議事録を作成の上、皆様に御確認をお願いできればと思いますので、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

 

安井座長 ということで、何かございますか。それでは加藤さんからどうぞ。

 

環境省(加藤室長) 本日は委員の皆様の活発な御意見をありがとうございました。運輸部門、特に自動車については100年に1度の転換期というところもありまして、足下の着実な対策をどう進めるかというところと、安井座長おっしゃるとおり、大きく方向性は変わっていく局面という、この2つの事象が同時に来ている事態になっておるかと思いまして、そこのところにつきましては本日いただいた御意見も踏まえて、先般事例をどう紹介していくかとか、評価方法を中小の皆様へ、着実にできる対策をどう示していくかという地に足がついたところと、大きく方向性を示していくところというものを今後検討していく必要があるということを改めて認識させていただきました。

電動化というところがございまして、セクターを超えた取組も出てくるかと思います。そのようなものを今後どうまとめていくかということについては、本日の御意見を踏まえてさらに検討させていただきたいと思っております。

本日いただいた御意見を踏まえまして、今後の予定でございますが、告示案というものを作成いたしまして、パブリックコメントなどを経まして、告示の改正というものを行うよう準備を進めていきたいと思っております。本日いただいた御意見を踏まえて修正等ございましたら、個別に委員の皆様に御相談差し上げる場面が出てくるかと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。

 

安井座長 加藤室長、ありがとうございました。それでは、これをもちまして「第8回 温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会」を閉会とさせていただきます。委員の先生方、本日は誠にありがとうございました。

(了) 


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