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温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会(第1回)
議事録


平成20年7月2日(水) 15:00〜16:30
虎ノ門パストラル 本館8Fしらかば

○馬場課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第1回温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会を開催いたします。本日の審議は公開としておりますことを御報告申し上げます。
 では配付資料の確認をさせていただきます。表紙と座席表と委員名簿、あと資料1。以上でございます。過不足等ございませんでしょうか。
 会議に先立ちまして、南川環境地球環境局長より挨拶をさせていただきます。

○南川地球環境局長 先生方、お忙しいところありがとうございます。今年の6月、地球温暖化対策推進に関する改正法が通りました。その中で私どもが提案しておりました幾つかの事項の中で、特に今後大きな意味を持ってくるものとしまして、排出抑制等指針というものがございます。資料1をご覧いただきたいんですけれども、今回新たに事業活動に伴う排出抑制等ということで3条ほど加わっております。
 逆にまいりますけれども、二十一条に、前2条に書いたことについて、それが適切かつ有効な実施ができるための指針をつくるんだということになっております。じゃあどんな指針かということがその前に二通り書いてございまして、二十条の五にございますのが、事業者が自らの事業活動に伴って、その事業の用に供する設備について、技術進歩等を十分鑑みた上で、温室効果ガスの排出抑制に資する、と。抑制等といいますのは当然ながらエネルギー転換もあるわけでございますが、そういったものを選択するとともに、できる限り温室効果ガスの排出量を少なくする方法で使用するんだということで、こういう努力義務があるわけでございます。
 それから二十条の六でございます。これは2つに分かれていますが、第一項の方でございます。まずそこをご覧くださいませ。ここでは、事業者が主語なんですが、国民が日常生活において利用する製品または役務の製造・輸入・販売・提供を行うに当たって、その利用に伴う温室効果ガスの排出量がより少ないものの製造等を行うとともに、当該日常用品等の利用に伴う温室効果ガスの排出に関する正確かつ適切な情報提供を行うよう努めなければならない。その上で、そういった製造等を行う事業者は、情報提供を行うに当たっては必要に応じて日常生活における利用に伴って温室効果ガスが排出される製品または役務について、当該排出の量に関する情報収集及び提供を行う団体、その他の国民の日常生活に関する温室効果ガス排出抑制のための措置の実施を支援する役務の提供を行う者の協力を得つつ、効果的にこれを進めるということになっているわけでございます。
 つまり、平たく申しますと、国民が日常生活における温室効果ガスの低減が図れるような協力を、事業者が事業者の責任でやるんだということでございます。もちろん、国民には国民の責任の項が別にございますけれども、事業者には必ずしも国民だけでわからない部分がございますので、事業者が、国民が日常生活における温室効果ガス排出量が減るような、そういったことができるような必要なものの製造、あるいは情報提供等を行うんだということでございます。
 したがいまして、例えばその次の3ページをご覧いただきますと、図にしてございます。2つございまして、最初の指針といいますのが、事業に伴う温室効果ガスの排出抑制のための指針とございまして、ここでは業種ごとに排出抑制の対策メニューでどういう機器あるいは設備を備えるかとか、どういう手法にするか、また、どこまでカバーできるかはこれからの議論でございますけれども、排出原単位の望ましい水準をつくるんだということでございます。これは基本的に、現在の技術の中で考えられることを想定しながら、できるだけ望ましいところにすべての事業者のレベルを上げていくというためのベンチマークであり、その指針だということでございます。
 それから、下にございますのが日常生活に関する排出抑制の指針をどのような形で事業者に取り組んでいただくかということでございます。当然ながら、ここには場違いでございますが、法文上は国民への期待もございますので、その部分も少し入れた形になります。その上で事業者に具体的に期待される製品・サービスの情報提供といったことの指針、また国民の取り組みを支援するサービスの指針、そういったものを決めていくということでございます。これらはいずれも、あくまでも強制ではなくて、自主的に努力いただくことについて政府が行うのは助言でございます。ただ、具体的な助言ができるようなわかりやすい指針をつくっていくということでございまして、大変実は重い内容になるわけでございます。
 私ども法律を提案した者としまして、どのようにこれを進めていくのか、私どもなりに検討はしてきておりますけれども、どういうところから取り組むのが現況からして急ぐかとか、あるいはどういう点に気をつけたらいいかとか、そういったことにつきまして大所高所から御意見をいただければと思っているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○馬場課長補佐 本会議の座長及び委員を紹介させていただきます。一言ずつごあいさつをお願いいたします。まず座長でございますが、安井至先生でございます。

○安井座長 安井でございます。よろしくお願い申し上げます。今南川局長の方から、その重要性に関しましては非常に熱のこもった御発表をいただいたわけでございますが、まさにそのとおりだと考えておりますし、今後この分野は恐らく極めて基本的な対策をなさなければいけないのではないかと思っておりますので、御協力をひとつよろしくお願い申し上げます。

○馬場課長補佐 京都大学の一方井先生でございます。  

○一方井委員 京都大学経済研究所先端政策分析研究センターの一方井でございます。私はこの3年間ほど日本企業の温室効果ガス排出削減行動に関する研究というのをやっていまして、恐らくその関係でお呼びいただいたものと思いますが、御一緒にいろいろと議論させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○馬場課長補佐 日本ビルヂング協会連合会常務理事の岡本様でございます。

○岡本委員 日本ビルヂング協会連合会常務理事の岡本でございます。私は昨年の1月からこちらの団体の方の仕事をしておりまして、1年半くらいになりますけれども、特に昨年の7月くらいからは仕事の大半が地球温暖化問題ということで、いろんな文献等も勉強させていただきまして、しばらくこの分野はやってなかったんですが、かなり勉強させていただきましたので、この委員会の方のお手伝いができればと思っております。よろしくお願いいたします。

○馬場課長補佐 株式会社住環境計画研究所代表取締役所長の中上先生でございます。

○中上委員 住環境計画研究所の中上でございます。幾つも同じような研究会に出てるものですから、あえてまたここであいさつするとダブりますので。もともと専門は、大学院を出てすぐに研究所をつくりまして、民生用エネルギーの需要分析がずっと専門でございましたので、何かお手伝いできるだろうなと思って参加いたしました。よろしくお願いします。

○馬場課長補佐 それでは座長、よろしくお願いいたします。

○安井座長 それでは早速議事に入りたいと思います。本日の検討会は1回目でございますが、用意してございます議事としましては、1.排出抑制等指針の検討について、2.その他となっておりまして、比較的単純でございます。本日の進め方でございますけれども、まずは資料1に基づきまして、その検討について我々の委員会のマンデートが何であるかということの御説明をいただきまして、それから御議論いただきたいと思っております。委員の数が極めて限られておりますので、比較的短時間にうまく終わるかな、なんていう気もしておりますので、よろしく御協力のほどお願いしたいと思います。
 それでは事務局から資料1に基づきまして御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○馬場課長補佐 資料1でございます。まず1ページでございますが、先の通常国会において地球温暖化対策推進法が改正されました。改正の中身は[1]から[6]までございまして、この中の「[2]排出抑制等指針の策定」がこの検討会において議論していただく部分でございます。先ほど局長から説明がございましたように、関連する条文については1ページの四角の中に書いてございます。
 2ページでございますが、1ページの条文をもう少しかみ砕いて御説明させていただきたいと思います。表1に示した改正温対法に基づき講ずべき措置が事業者により適切、有効に実施されるための排出抑制等指針が主務大臣により公表されることとなっております。この排出抑制等指針に盛り込むべき具体的な内容としては以下のものが考えられます。
 まず二十条の五でございますけれども、この条文に関しては指針では、まず1番として温室効果ガスの排出抑制等に資する設備の選択、2番として温室効果ガス排出量の少ない使用の2点について事業者が講ずべき措置を示すということでございます。例えば高効率冷暖房機器や、高効率製造設備の導入、運用面でコンピューター等オフィス機器や照明等の使用方法改善といったメニューを示すことが考えられます。こういう対策のリストに加えまして、あわせて温室効果ガス排出原単位の望ましい水準、ここではベンチマークと呼ばせていただきますが、を提示することで事業者が達成すべき水準を明確にすることが考えられます。
 次に二十条の六の第一項でございますが、この条文に関しては指針では、温室効果ガス排出量が少ないものの製造と、製品利用時の温室効果ガス排出量に関する情報提供の2点について事業者が講ずべき措置を示すことが考えられます。例えば高効率な製品の製造、製品の利用時における見える化といったメニューを示すことが考えられますが、非常に定性的な中身になりますので、ここについてはきょうの検討会では議論せずに、最終的に指針を決定する際に確認していただきたいと考えております。なお、製品利用時の排出量の見える化につきましては、きのう開催した、温室効果ガス「見える化」推進戦略会議等の別の場において検討を進めたいと考えております。
 次に二十条の六の第二項でございますが、この条文に関しては指針では、事業者が情報提供を行うに際して協力を得る、国民の温室効果ガス排出抑制のための措置の実施を支援する者の具体例、例えば地球温暖化防止活動推進センターとか、グリーン購入ネットワークなどを定めることが考えられます。これにつきましても、具体例を例示するのが中心の中身となりますので、きょうの検討会では議論をせずに、次回の検討会において確認していただきたいと思っております。したがいまして、本日につきましては第二十条の五に絡む分について御議論いただきたいと考えております。
 次のページ、排出抑制等指針の構成イメージでございますが、上半分が事業活動に伴う温室効果ガス排出抑制のための指針。これは排出抑制のための対策メニューとベンチマークから成ります。ここの部分を本日議論いただきたいと思っております。日常生活に関する排出抑制のための指針ということで、国民に期待される取り組みや事業者に求められる措置として情報提供のあり方や、国民の取り組みを支援するサービス、この部分は次回の検討会で確認していただきたいと思っております。
 次のページでございます。排出抑制等指針の策定に当たって想定される論点は以下のとおりでございます。まず対象業種でございますが、温室効果ガスの中ではエネルギー起源二酸化炭素が全体の9割を占めておりまして、かつ基準年から排出量が増加しております。これは参考1の表の中でございます。エネルギー起源二酸化炭素がプラス12.0%で、全体に占める割合も9割程度となっております。さらに、エネルギー起源二酸化炭素を部門別で見ますと、業務その他部門が基準年比で約4割増加と大きく増加しております。そこで、排出抑制等指針を検討するに当たっては、まずは業務その他部門を中心に検討を行いたいと考えております。排出抑制等指針に盛り込まれる内容は業種特性に大きく依存することから、排出抑制等指針は主に業種に着目して設定されるべきと考えております。例えば、具体的な対象業種を排出量の絶対量が多い業種や、排出量の伸びが大きい業種といった視点から抽出することが考えられますが、ほかに考慮すべき条件があれば御提案いただきたいと思います。ちなみに、排出量の絶対量については参考3、排出量の伸びについては参考4にデータを整理しておりまして、次のページでございます。
 まず参考3でございますが、これはエネルギー消費統計におけるシェアと、算定・報告・公表制度におけるシェアとの相関のグループ分けでございまして、エネルギー消費統計というのは業務部門で7万件程度、裾切りなしで調査したものでございますが、そのエネルギー消費統計における全体のCO2排出量のうちの、それぞれの業務別のシェアをプロットしたものでございます。縦軸は算定・報告・公表制度におけるシェアでございまして、これは省エネ法のエネルギー管理指定工場の対象、大体年間CO2排出量に換算して3000tを超える事業所が対象になっておりまして、それの全量排出量に対するシェアをプロットしたものでございます。全体としてはグループ1、2、3に分かれてございまして、グループ1は両方とも3%を超えるもの、グループ2は1事業所当たりの排出量は小さい事業所が多数存在しているというもののでございます。一方で、グループ3のように、算定・報告・公表制度のみシェアが大きい業種というのは、エネルギー管理指定工場に満たない規模の事業所が少ないということが考えられます。このような中から適切な業種を選定しまして、排出抑制等指針を定めていくことになります。
 次に伸び率の方でございますが、参考4でございます。これは参考3ほど細かい区分ではないのでございますが、大体の用途について増加の傾向をたどっております。事務所ビルについては31.7%、デパート・スーパーについては64.2%、卸・小売で40.2%、飲食店で25.7%、学校のみマイナス2.6%となっておりますが、ホテル・旅館が11.2%、病院が32.7%、娯楽場が47%ということになっております。このような分布になっております。
 次でございますが、対象業種を選定した次は排出抑制対策メニューを定めることになります。さらに、可能であればその効果についても示したいと考えております。(1)で設定した業種ごとに、排出抑制のために用いる対策、設備の選択や使用方法、及びその効果について、まずは網羅的に実態調査を行いたいと考えております。それを行った上で体系的に整理をすることが重要となります。このとき、次のような論点が想定されるが、ほかにはないかということでございます。
 まず1つ目でございますが、適用可能な排出抑制メニューの業種による差違に加えて、さらには新築建物と既築建物によっても導入可能な対策メニューが異なるということで、それを考慮することが必要になるのではないか。2つ目でございますが、テナントビルにおいてはオーナー・テナント間における連携方策についても示す必要があるのではないか。3つ目でございますが、対策後との投資回収期間をどのように考慮していくかということもあるのではないか。4つ目でございますが、同一業種における同一種類の対策についても、例えば対策規模などによって対策効果のばらつきが存在することが想定されます。その場合にどのような方法で対策効果を設定するのが妥当かという点もございます。
 さらに、その対策メニューを講じた場合の望ましい排出原単位の水準ということで、ベンチマークを設定することを検討したいと思っております。その場合の論点については、同一業種であっても、例えばデータセンターの有無等によってさらに細分化すべきではないかというふうな論点があると考えております。
 最後の(4)でございますが、省エネ法など、既存枠組みとの整合性の確保も必要と考えておりまして、エネルギー起源二酸化炭素の抑制につながる省エネルギーの推進については、既に省エネ法に基づく判断基準に見られるとおり既存の枠組みが存在しておりますので、事業者にて混乱を来さないように排出抑制等指針の策定に当たっては既存枠組みや省エネ法改正に基づく検討状況との整合について留意が必要と考えられます。
 今後の作業予定でございますけれども、実態調査票をこれから作成しまして委員の先生方に個別に御相談させていただきたいと思っております。7〜8月に実態調査を行いまして、9月に実態調査結果の取りまとめ、指針への反映の検討。9〜10月に検討会を開催しまして、排出抑制等指針の取りまとめという流れを考えております。
 以上でございます。

○安井座長 ありがとうございました。御説明を一通りいただきましたが、簡単といえば比較的単純なマンデートなんでございますが、いろいろ考え出すと切りがないようなところもなきにしもあらずでございます。要するに設備の選択であるとか、望ましい水準、その2つがきょうの大きな、対策のメニューとベンチマークというのが2つの非常に大きなキーワードということでございます。そこで本日の具体的な議論としましては、6ページにございますように、メニューに関してはいろいろと考えることがあるんじゃないかということで、「・」が4つほど挙げられているということでございます。これについてもう少し何かございませんかと。具体的には、7〜8月に網羅的な実態調査というのを行って体系的に整理をしたいと。そのときの実態調査のやり方等について、その注意事項がこんなことかな、ということが4つの「・」でございます。ベンチマークに関しては1個しか「・」がございませんが、データセンターの有無云々といった項目が挙げられておりますが、場合によってはもう少しあるのかもしれないということでございます。その基本的な考え方として、同じ努力をすれば同じように効果が出るべきであろうということでございまして、非常に不利な条件、非常に有利な条件等があればそれは考えなきゃいけないということでございます。
 というようなことでございますが、この議論に当たりまして、最後の方に既存の枠組み及び省エネ法改正云々の話がございますが、そことの絡みで何か、今これからやる議論の中で具体的に注意していかなきゃいけないことがもしあれば、あらかじめ事務局側から何か一言二言御説明をいただければありがたいと思いますが。

○馬場課長補佐 この場では省エネ法の領域がここ、温対法の領域がここというふうな区分は特にせずに自由に御発言いただければと思っております。本日は経済産業省さんの方からも傍聴に来ていただいておりますし、中身については適宜選択した上で省エネ法の部分と温対法の部分に適宜対応したいと思っております。

○安井座長 わかりました。ということでございますので、ほかの省庁の枠組みは余り考えないで、とにかく何でもあり得ることはということでございますので、自由にお願いしたいと思います。何せ私を含めて4人しかおりませんので、一周りしゃべって、それで2巡しゃべるみたいな感じかなと思うんですが。いきなりこういうもんだよとやってしまうとすぐ終わってしまいそうな気もいたしますが、こういうものを考えるに当たって原理原則のようなことを含めまして何か御発言いただければと思います。順番としてはこう、こう、こうでいきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○一方井委員 最初に単純な質問からしてよろしゅうございますか。最終的に主務大臣が公表するということになっておりますが、主務大臣というのは環境大臣でしょうか。それとも経済産業大臣とかも含まれるのでしょうか。

○馬場課長補佐 環境大臣と経済産業大臣と、その他所管大臣ということになります。

○一方井委員 先ほどの南川局長の御説明で大体クリアになっていると思いますが、基本的に今回の考え方というのは、経団連の環境自主行動計画のように事業者が自主的に努力をされることに対して国が、助言をする、後押しをするというものですから、国が新たな規制を作って、それをやらないと罰則を課するというような世界とは全然違う。したがって、罰則などはないような、そういうたぐいの指針だという理解でよろしいですね。
 もう一つの質問ですが、ベンチマークを提示するというのはなかなかすごいことだと思うんですけれども、例えば省エネ法なんかは改善率という考え方ですよね。ただ、こちらの方は、この業種はここくらいまでとか、絶対値までを提示されるおつもりなのか、それとも改善率のような指針なのか、そのあたりのお考えがもしあればお聞かせいただければと思います。  

○馬場課長補佐 絶対値の方がベターかとは思うんですが、実態調査の結果等を踏まえまして適切に検討してまいりたいと思います。

○一方井委員 あと一つだけコメントよろしいでしょうか。以上の質問へのお答えで大体、今回のマンデートは私なりに理解いたしました。ただ、これから2050年に向けて非常に厳しい排出削減をやっていかなければいけないということを考えると、すべての情報を集めて、すべての業種の人たちの指針を決めるというのは率直に言ってほぼ不可能だと思うんですね。これは私の意見ですから反対の方もおられるかもしれませんけれども、これからはマーケットの中でいろんな選択、意思決定をしていくということが必要なんだろうと思いますけれども、今の段階では日本はそういうようなメカニズムがきちっとできておりません。したがって、そういうメカニズムが将来できることも頭には置きつつ、こういう補助的な施策を打っていくという全体的な位置づけなんだろうと理解してございます。以上でございます。

○安井座長 ありがとうございました。岡本委員、お願いいたします。

○岡本委員 私どもはこの6月4日に、ビルエネルギー運用管理ガイドラインというガイドラインを作成しまして、私どもの会員は全国で1400社、東京で330社おりますけれども、会長名でそれらの会員企業に、このガイドラインに沿って地球温暖化対策についての自主的な取り組みを一層加速するようにということで要請文書を出したところでございます。このガイドラインにつきましては私どもの会員だけでなく、環境省さん、経済産業省さん、国土交通省さん、さらに各都道府県政令指定市、日本経団連さん、全国の県庁所在都市の商工会議所等にお配りしてございまして、2500部印刷したんですけれども、あっという間にさばけてしまいまして、今増刷を準備しているところでございます。この問題についての関係者の関心がいかに高いかということを身をもって実感したところでございます。
 このガイドラインは230ページほどの冊子でございますが、この中で、今回のテーマでございます排出抑制等指針の、具体的に排出抑制のために講じるような個別の対策、これを100項目まとめておりまして、カテゴリーでいいますと、設備機器の運用の仕方を改善するという項目が36項目、設備機器等を高効率型のものに更新していくというのが25項目、設備のシステムそのものを変えていく、あるいは建物の更新のときにやるべき対策が39項目、合わせて100項目でございます。余り数多くのシミュレーションはできなかったんですけれども、私どもビルの実態調査ということでいろいろ統計をとっているわけですが、その中で規模等、大体平均的なビルはこんなもんじゃないかということで、1990年代に竣工した東京近郊の大都市の大規模ビルと、1960年代に竣工した東京区部の中小ビル、その2つについてシミュレーションをやってみたわけでございます。そうしますと、90年代竣工のビルの場合、省エネセンターさんの方のシミュレーションプログラムで計算できるのが、100項目のうち大体50項目程度なんですが、それで分析しますと、90年代竣工の大規模ビルで、まだやっていない対策、50項目のうち15項目前後だったかと思うんですが、それを全部やった場合には30%程度のCO2削減が可能だと。それから、60年代竣工の中小ビルについても35%削減が可能だということで、平均的なビルを、物理的には平均的だと言えるようなビルを選んだつもりですけれども、CO2排出削減に向けて取り組む余地がある程度あるなと思った次第でございます。
 運用の改善だけでどちらも10%程度のCO2削減が可能でございまして、これは余り時間を置かないでその気になれば2〜3年の間にできることですし、費用もさほどかからないということですので、京都議定書の約束期間の中できっちり対応すればある程度の成果が、運用改善というだけでもかなり出るのかなと思います。
 設備の更新とかシステムの変更とかいうのは設備投資を伴いますので、かなりの金額がかかります。そこで金額がどれくらいかかるか、それによってエネルギーコストの削減が年間どれくらいかというようなことの分析もしているわけでございますが、大体12〜15年くらいでエネルギーコストの削減によって回収可能な投資額くらいではないかという数字が出ておりまして、コストパフォーマンスとしてもそれほど無理な水準のものではないのではないかなということで、私どもが提案しましたガイドラインについて、経済合理性も考えた上での妥当性としてはある程度大丈夫じゃないかなというふうに考えているところでございます。
 ただ、そういった設備の更新とかシステムの変更とかいうのも、ビルのそれぞれの中長期修繕計画の中で位置づけて、それぞれのビル経営の観点からの投資行動をどうするかという経営判断を伴いますので、3〜15年くらいの間に逐次進めていくということになろうかと思いますので、先ほど30〜35%削減が可能と申し上げましたけれども、それなりに時間はかかるということはあるのかなと思っております。
 ポスト京都議定書の中期目標の時期を2020年とか2025年とかその辺の時期に置いたときに、私どものシミュレーションでは15年後くらいには大体30%程度の削減は可能ということですので、中長期的な観点からもそれなりの効果というのが出せるのではないかなと考えております。その意味で、環境省さんにこのガイドラインをお届けしてございますので、ぜひこれも横目でにらんでいただきながら御検討いただければと思います。
 特に私ども、この種のマニュアル的なものが結構あるんですけれども、費用対効果ということを考えてメニューを選んだつもりでございます。省エネあるいは省CO2効果がどれくらい期待できるかということと、投資の回収年数がどれくらいか、その両面からそれぞれ4段階に区分してマークをつけて、費用対効果についてお知らせをしてあり、この辺が特徴かなと思っているところでございます。このガイドラインはつくったばかりでこれからなんでございますが、経団連さんの方とも連携しながら、テナントビルだけでなく、自社ビルの対策としてもお使いいただけるように、連携協力のもとにこの普及に取り組んでいきたいと思っております。
 それから、ちょっと時間をいただいちゃって恐縮なんですが、意見に当たる部分について申し上げたいと思います。ベンチマークの設定につきましては、省エネ法の方でもおやりになるということで、ぜひ両者の密接な連携のもとで御検討を進めていただきたいと思っておりますが、その際に、気温等の外的条件が変化したときに、それに対するアローアンスをどの程度あらかじめ見ておくのかということが基本的に重要でございましょうし、ビルの場合で申しますと空室率をどの程度と見込むのか。東京の方はビル市況がかなりいいものですから空室率3〜5%というあたりでおさまっておりますが、東京以外はビル市況がようやく回復してきたか、あるいはまだ回復にも至っていないという、特に地方都市なんかはなかなか大変な状況でございまして、空室率が10%を超える地域も相当ございます。その意味で、ベンチマークを考えていくときに、ビルを経営する立場からすると空室率0を目指すというのが本来の経営の基本姿勢でなければならないわけでございますので、現状の空室率を出発点にしてベンチマークを考えると、一生懸命経営努力した結果としてCO2がその分だけふえるというのに対して、それ自体が望ましくないということになると、これはなかなか大変なのではないかなというあたりの課題があるのかなと思っております。
 それから、東京都さんの気候変動対策について、私どもも東京都の地球温暖化対策計画書の分析をかなりやらせていただきました。それを見ておりますと、用途、業種、あるいは業種が同じでも企業によってCO2の排出原単位が本当に多様でございまして、そのあたりのところをどのように考えながらベンチマークの作成を進めていくか、これは大変難しい課題でして、環境省さんも経済産業省さんも大変な難題にチャレンジされるんだなと思っております。例えば官公庁だけ見ても、これはいろんなところで話しまくってるんですが、厚生労働省、環境省さんの入っておられる庁舎は90kg/m2台前半くらいの水準だったかと思いますが、経済産業省の庁舎ですと70kg/m2台前半から半ばくらいだったでしょうか。同じ官公庁のビルでもそれだけの差がございますし、とりわけ総理官邸は130kg/m2くらいの水準になっているかと思うんですね。建物を建てたときの省エネの水準によってそういう差が出ている面もありますけれども、それ以上に、例えば官邸では危機管理の関係のいろんな仕事をされていますので、そういった面でエネルギーをかなり使われるような面もあるんじゃないかなと思われるわけです。ということで、同じ官公庁だけ見てもそれだけの差がございますので、ベンチマーク、望ましい水準ということを設定するときに、どういう考え方でどう整理するのかというのはよく検討しなければなかなか難しい課題だと思っておりまして、その際にできるだけ用途とか業種を細かく区分する、できるだけ細区分していくということがポイントになってくるんじゃないかと思っております。
 それと、データセンターのことも書かれておりますけれども、東京都のビルの場合、1棟丸ごとデータセンターがテナントとして借りているケースでは、大体500kg/m2前後くらいのCO2排出原単位になっておりまして、通常のビルのレベルに比べれば4〜5倍という水準でございますので、そういった特別な要素を考える必要があります。三越の本館と新館でもかなりCO2排出原単位が違います。これは省エネの差かなと思ったんですけれども、設計とか施工の関係の方にお伺いすると、三越さんの場合は本館の方に食料品売場があって、新館の方にはないということで、食料品売場を置いているがためにその分CO2排出原単位が高くなってしまうという面があるんじゃないかということも伺っております。そういう点も含めてかなり細かな分析をやっていただきながら、基本的には業種、用途を可能な限り細区分し、それらを組み合わせた結果として1棟の建物のCO2排出原単位が結果として決まってくるというアプローチの仕方をやっていただくのがよろしいのではないかなと思っております。
 あと、もろもろの関係資料、私どもが分析したものがございますので、必要であれば御提供いたしたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

○安井座長 ありがとうございました。いろいろと御提案いただきまして。中上委員、お願いします。  

○中上委員 今の岡本さんのお話の中で若干私が気にかかった点がありますので、それを一点確認したいと思いますけれども、投資回収年が12〜15年で30%という、通常の経営者は投資回収が12〜15年という投資はやらないんですね。大体2〜3年で投資回収できないと投資をしないというのが経済社会の原則のようでございます。私はESCOをやってるものですから、ESCOというのはそれをもっと長期間で投資回収しようというビジネスモデルでありまして、単純回収が12〜15年ということは恐らく金利等を入れると20〜30年近くに及んでしまう、30年は行き過ぎかもしれませんが、そういうモデルになってしまうわけですから、それは一例でございますけれども、コスト解析というのは現実を見据えながらやっていく必要があるというのが一点でございます。
 それから、省エネ法との兼ね合いでございますが、私はそちらの方も担当していた関係で、今経済産業省の方では細部を詰める作業に入ったところでございますので、ぜひそことの整合性は十分連絡をよくとってやっていただきたいと思います。私自身も政策小委員会で決めたときに、ベンチマークという言葉はなかなかいいんだけれども中身は難しいだろうなというのは最初から考えておりました。私どもの委員会の委員の中で家電メーカーの専務さんが御出席なさっておられまして、我が社は扇風機から冷蔵庫からエアコンからいろんなのつくってますけども、何をもってベンチマークのときの原単位にするんでしょうかと言われまして、はたと困ってしまいまして。鉄なんかだと比較的イメージしやすいんですけれども、そういうメーカーであってもなかなか難しいところはあるなと思いました。今岡本さんからお話がありましたけれども、よく出す例で、飲食店とくくってありますけれども、お寿司屋さんと中華料理屋さんでは圧倒的に原単位が違うわけですから、できるだけ細分化するというのはそのくらいのイメージをしていただきたい。民生を業務と家庭というふうに一くくりにすること自体が間違いでありまして、業務というのはそれぞれがみんな独立しているわけですから、結果としてまとめて業務ということはいいんですけれども、中身を詰めるときには全部ブレークダウンしたところでやらないとほとんど意味がない。ベンチマークをつくっても、自分のところとどういう関係にあるのかすらわからないというものをつくっても意味がないわけですから、余り拙速に物事を進めない方がいいんじゃないかと思っております。
 実態調査と書いてありますが、実態調査なるものをこれだけの短期間で何をやるんだろうかと。これはとてもできた相談ではないなと私は見てたんですけれども、恐らく相当の蓄積がおありになるのでこういうことをお書きになったんだろうと思いますけれども、実態調査の中身をもう少し聞いてみたいというのが一点でございます。
 それから、これまで議論してきたことは、京都議定書を含めてですけれども、エネルギーエフィシェンシーをベースに置いて議論してきたわけですが、これから問われるのはエネルギーセービングでありまして、いかにエネルギーを使ったか、実績値が問われるわけでありますから、効率で機器がこうであったという議論だけでは済まない。したがって、現場でどのような使い方をして、どのようなエネルギー消費になったかというデータがないと、結果としてエネルギーセービングにつながってきません。すなわち、CO2の排出はそこでチェックされることになるわけですから。計算上はこうなってるけれども実態はそうじゃないというのは結構多いわけです。一番皆さんがわかりやすいのは車のテンモードでありまして、テンモードの数字でお買いになってもあのとおりに運転する人はほとんどいないわけでして、大抵はあれより悪い燃費になるはずです。それがあらゆる複雑化、多機能化した機器ではいろんな場面で起きてくるわけですから、そういったことを含めて評価するということになると、これまた相当緻密な作業をやらなきゃいけない。今までは机上の議論で済みましたけれども、これからは現場の議論になるわけですから、そういう意味でも実態調査というものの持つ意味が大変変わってくる。だから、余り拙速におやりになりますとほとんど役に立たないものになってしまいかねないし、かえって誤解を招くことになりますから、せっかく両省でおやりになろうとするならば、それなりの分担を決めながら細かにおやりになった方がいいんじゃないかというのが私の感想でございます。実態調査について少し御説明いただければと思います。

○安井座長 ありがとうございました。私も何か発言をしなくちゃいけないと思うんでありますが、例えば対策メニューのところを拝見しますと、設備の選択、使用方法云々なんでございますけれども、一つ重要な観点は、これは一体そもそも何年分のベンチマークをつくるのかというところが結構大きいかなという気がするんですね。というのは、例えば家庭用のエアコンというのはかなりCOPなんかどんどんよくなってきたんですけど、建物用の業務用なんていうのはあんまり進歩してないような気もするんですよ。あんまり売れないものは電機屋さんもサボってるんじゃないかなという気がするんですね。そういうことになりますと、そこでどういうベンチマークをこちらが決めるか。例えば5年後は物すごく厳しくすると機器もついてくるけれど、緩くすると買おうと思ってもいい機器すらないみたいな状況ができてしまって、その辺の今後の動向等をこちらが半分くらい決めるような感じもあって、ですからどういう視野で決めるかというのは非常に難しいかなと思っているわけでございます。確かに、新築の建物ですと建築基準法なんかの問題は非常に大きいなという気がするんですが、それはここであんまりさわれないとなると、今申しましたような設備機器に対するある種のガイドライン的なもので頑張らなきゃしょうがないのかなという気がしております。
 それから、既存建物の改善策でございますが、あんまりいいのがないといいますか、もう少し新しいアイデアがないと、これも枯渇ぎみかなという気がしてて、やたらお金だけかかるけど効果がないのとかいろいろあって、本当に既築建物については新しい抑制メニューを新たにつくるような方向性を誘導するといったような考え方が必要なのかなという気がしております。
 あとは、もう一つの委員会の方で見える化なんていうのもやってるんでありますが、この業務の方でももっと徹底的な見える化みたいなものも考えなくちゃいけなくて、先ほど南川局長と雑談してたんですけど、昔は温暖化対策だといろんなグッズを配ってるなんていうことがあったんですけど、こういう委員会に出てくる人間は、胸に全員温度計を着けるというくらいにならなきゃいけないんじゃないか。ここに着いてますけど、これ28℃って書いてありますけど、これが液晶で動いて28℃かどうか出るというくらいの機器を着けるくらいにならないといけないんじゃないかと。今多分28℃くらいだと思いますけれども、非常に寒ければそれがわかるといったような、極めて業務寄りでもなく、中で使っている社員そのもの、大体今吹き出し口で管理してますから、その真下は寒いけど外れるとどうこうという話があって、外れた人を一番快適にするように設定されてるような気がするんですが、その辺を含めてきめ細かい対策ができるような格好にしていかなきゃいけないかなという気がしてるんですね。
 あとは、家庭の方ですとホームエネルギーマネージメントシステムがいいのがないんですが、ビルディングの場合のエネルギーマネージメントシステムで、中で住んでる人間の感性までちゃんと入ったようなやつもひょっとしたらないのかなみたいな気がしてまして、そういうようなものもつくっていかなければいけないのかなという気がしております。
 それから、ベンチマークは先ほど申しましたことと繰り返しになりますけれども、今はこうだけど5年後はこうなのよというあたりが、5年後はこうなのよという数字をどこに設定するかというのは意外と大きいのかなという気がしてまして、今回ベンチマークをどういう形で、一本どんと示して終わりなのか、それとも、かなりアンビシャスなターゲットをどんと示して、これは5年後の目標よと言うのか、その辺の出し方も結構重要だなと思っていますが、まだ余りその辺を議論していないような気がするということでございます。
 それから、実態調査に関しましては中上委員のおっしゃるとおりで、これは結構大変だと思うんでありますが、それは今の状況だとそんなに予算がいっぱいとれてるとも思えないので、この予算の範囲内でどういうことを一番効率的に、それこそ投資回収効果が高い実態調査をどうやってやるかということを考えるために、ここで個別の相談ということになっておりますが、ぜひ御専門の岡本・中上両委員には御協力いただきまして、なるべくよい実態調査ができるようにしていかなくてはいけないかなと考えている次第でございます。
 とりあえずはそんなところかなという気がいたします。というわけで、全体的にはそんな感じかと思うんでありますけれども、あと何か、きょういろいろと御意見を、また二周り目が果たして何をしゃべるのかということはあるかもしれませんが、きょうのアウトカムとしては資料1の6ページあたりの「・」が少し改善されていけばきょうはそれでよろしいのかなと思います。先ほど岡本委員からは、空室率のようなものをしっかり考慮せよとか、中上委員を含めて、同じ料理屋をやってても中華料理屋と寿司屋じゃ違うぞという話もいただいておりますので、その辺は全部加えた形でいけたらと。私が申しましたように、年次的な推移をどう考えるかは結構重要であるとか、そんなようなことでございますが、そろそろ2巡目を回したいと思います。よろしくお願いします。

○一方井委員 先ほど岡本委員と中上委員のお話を聞いてなるほどと思ったんですけれども、私もこの3年ほど日本企業を中心に、温室効果ガスの削減に関して、どれほどの費用をかけて、どういう手段で、どういう動機で皆さん方が行動されてるんだろうかということを調べてきましたが、これに関してお二人の話を聞いて整合してる点がありました。その一つは、よく日本はぞうきんを絞り切った状況であるということを言われますけれども、実態調査をしますと決してそんなことはなくて、さっき中上委員が言われたように、日本の場合には設備投資の回収年限がなかなか厳しくて、3年くらいで回収できないとやらないと。それが省エネ設備であってもそんなもんなんです、実は。岡本委員が言われましたように、それを回収年限を延ばすだけでも相当これは省エネの余地はあるんですよね。
 それから、ベンチマークということを考えるときに、国が出すものですから、ある業種には厳しく当たって、ある業種には緩く当たるということじゃいけないと思うんですね。ただ、その判断基準はどこに置くべきかということなんですけれども、一つの考え方は、限界削減費用です。これは業種によって二酸化炭素なり温室効果ガスを1単位減らすのに幾らかかるのかという経済学的な概念ですけれども、それが比較的そろっているというのが公平であるという考え方がありますね。ところが、この限界削減費用を出すというのがものすごく大変でありまして、日本の場合にはそれぞれの会社でいろんな試みをされてるんですけれども、計算のモデル式がどこにもないものですから、みんなばらばらにいろんなことをやっておられる。我々研究者も一生懸命データを集めて何とかかんとか推計をするんですけれども、そういう限界削減費用の推計のようなアプローチでもってもし何かベンチマークの実態調査をされるようなことになると、なかなか難しいだろうなという感じがいたします。
 それから最後に一つ、ベンチマークの議論というのはEUの方でもありました。EUは、2005年から排出量取引を導入しましたが、第1期間は無償配分で、かなり政治的な影響も受けながら配分をして、それが非常に批判されました。その批判の最大の理由というのは不公平じゃないかと。一生懸命やったところが少ししか配分されなくて、何もしなくてほっといたようなところが多く配分されてよいのかというようなことだったので、EUもかなりベンチマーク方式で配分の公平を期せないかということ検討していた節があるんですが、これは話を細かくすればするほど複雑になってわからなくなってくるんですね。それでEUは今、2013年以降どうしようかというときに、そういうベンチマーク式のやり方ではなく、オークション方式にすると、要る分だけ企業が判断してくださいという方式に一挙に動こうとしてるんですね。したがって、さっき座長がおっしゃった、何年後のベンチマークを決めるというような話との関連でいうと、これは日本が排出量取引なり経済的措置をどう入れるかにかかってきてる話なので、そういうのが入ってきたら今やられているような話は見直すという前提の話かなと思っています。
 以上です。

○安井座長 ありがとうございました。どうぞ。

○岡本委員 先ほど中上先生から御指摘のあった点ですけれども、投資回収に単純計算でいえば12〜15年くらいかかるだろうなと申し上げたわけでございますが、実際は省エネだけのために設備の更新をするわけじゃないわけですね。テナントに対するサービスを向上するとか、自社ビルの場合でもみずからの執務環境を改善するという動機から設備の更新がされますので、そこらは設備の耐用年数との関係で更新時期にきてるものは当然更新するわけです。ですから単純計算上はそうですけれども、実質的には省エネのためだけでなく別の観点からもそれなりの投資コストをかけてやっていく要素がありますので、私どもの会員の、特に大手のビル経営をされているような企業の皆さんは、それなりの意識でこれくらいの投資回収年数のもとでいろいろ対策を実行されるでしょうし、またその方向でやっていただきたいというのが私どもの団体の基本的な考え方でございます。ただ、ESCOについては御指摘ありましたように、もう少し仕組みの改善とか、国・地方公共団体からの支援、特に金融面でのスキームとESCOの事業というのは必ずしもうまくマッチングしてないようなことがありますので、そのあたりはぜひ経済産業省さん、環境省さん、御一緒にいろんな支援策を前向きに御検討いただければなと思う次第でございます。
 それから、先ほどシミュレーションのことで申し忘れたんですが、2000年以降に竣工したような東京の都心とか副都心の大規模ビルについては、新築の時点でかなり高度な省エネ措置がされておりますし、あるいはビルエネルギー管理についてもかなりきめ細かな対応をされていますので、その意味では先ほど申し上げた数字のような効果というのは期待できない面があるということはお忘れいただかない方がいいかなと思います。
 東京都の地球温暖化対策計画書から分析したものなんですが、例えば2003年に竣工した六本木エリアの極めて有名なビルといえば御想像つくと思うんですが、そのビルのCO2排出原単位が152kg/m2でございます。経済産業省さん等の関係の外郭団体の方がかつてよく使われていた、経済産業省のすぐ近くにあるビル、今建てかえに入っていますが、そのビルは1960年に竣工したビルなんですが、CO2排出原単位が大体75kg/m2くらいということで、両者を比較すると原単位でいうと倍半分なんですね。ところが実際にどういう省エネ措置をやってきたのかという対策を分析すると、六本木エリアの有名なビルの方は、今考えられる最新鋭の対策メニューを大体取り入れているんですね。経済産業省の近くにあるビルの場合、熱源の更新とかいろいろやるべきことはきっちりやり、建てかえがそれなりに近い時期だったにもかかわらず、かなり熱心に取り組まれてはきているんですけれども、対策の中身を見ると六本木エリアのビルに比べればかなりレベルは下かなと思うんですね。そういう意味で、原単位を見るときも中身の分析というのが非常に重要でありまして、とりわけテナントの特性が全く違うんですね。外資系の企業とか、金融投資関連、情報関連が多く入るような稼働時間の長いビルとそうでないビル、飲食店なんかも、中にある飲食店が深夜までやっているようなものと、経済産業省の近くにあるビルなんかの場合は8〜9時くらいには大体店が閉まっているようなことが多かったと思うんですけれども、その辺の違いというのもありますので、そこは原単位と実際にとられている対策との関係性みたいなものを冷静に分析していく必要があるんじゃないかなと思います。
 個別の対策との関係で分析できるのは、東京都の場合はたまたま地球温暖化対策計画書制度でかなり詳しい情報を各事業者が出されているものですから、それを見ればかなりのことはわかると思うんですが、東京以外は、たしか京都市くらいでしょうか、類似の制度を持っているのは。全国的にそういう分析をしようと思ってもデータそのものがないということがあるんじゃないかなと思うんですね。そのあたりはエネ庁さんの方の調査とか、経済産業省の関係団体の方でやってらっしゃる調査とか、いろいろお使いにならないとできないんじゃないかと思いますので、特に経済産業省との連携は密にして、その辺のデータ分析をしっかりやっていただく必要があるのではないかなと思います。

○安井座長 ありがとうございました。中上委員、2巡目でございます。

○中上委員 何かもう全部言ったような気がしますけれども、ESCOモデルについては、ESCOというのはやっと名前が知られかかった程度でありまして、なかなか現場のESCOの事業者は苦戦しているようでありますから、この辺でもう少し後押しがあってもいいかなと。最大の難点は、アメリカにおいては金融機関がちゃんとローンを提供するわけでありますけれども、日本の金融機関は基本的にはこういったビジネスに融資をしかねると。メインはリース会社と子会社が持ってる金融機関を通じてやっているような状況でございまして、本格的に金融機関が乗ってこない。集まって議論したことがあるんですけれども、2億、3億の投資にやってられるかと、10年、15年の投資回収でですね。彼らはけたが2けたくらい違うのをもっと短い間で回してるわけですから、そういう意味では国策的な金融の支援が必要かもしれません。そういう意味では、経済産業省が中小企業あてに補助金をつけていただいていますが、補助金というのはそれなりに限度があるわけですから、もう少し社会のシステム全体として回るようなことを考えていただけるとブレークする可能性はあると思います。
 それから、大都市と地方都市とは違うというのを時々こういう会に出ていると感じるわけですが、霞が関とか丸の内界隈にあるオフィスビルと地方にあるオフィスビルと、そうそう性能は変わらなくても家賃は圧倒的に差があるわけでありまして、ということは逆に言うと光熱費の比重は地方都市の方がはるかに大きいんじゃないかと思うんですね。全部東京発でやってるのが大体ですけれども、逆にこういった問題は地方都市の中核ビルあたりを対象にした方がおもしろい反応があるのではないかなという気がしないでもないんですが、こういう会議は常に東京でやりまして、東京中心のデータしかありませんから、なかなか見えてこない。
 もう一点は、ベンチマークと似てるんですが若干違う見方は、ラベリングの話がありまして、特に岡本さんなんかの協会は苦労なさってると思いますが、オーナーとテナントは違うわけでして、外資系の話がありましたけど、最近お聞きするところによると、外資系の進んだ企業は建物の省エネ性が高いかどうかということも一つの判断基準にするやに聞いておりますから、そういう意味では、ビルにラベリングをするということですね。入居者自体がそういうことを評価するということになれば、オーナーの方も投資がもっと積極的にやりやすいわけでありますが、昔、私の友人で、親から受け継いだ土地があるのでビルを建てたいというので省エネの相談に見えまして、あれこれ入れようというのでいろんな技術を入れたんですが、建築費が高くなってしまいまして、これを賃貸に出そうとすると周辺の賃貸料じゃとても元がとれないというので、非常に熱心だったんですが結局あきらめてしまったということがありました。要は、そういう土壌、一般的に受け取り方ですから、オーナーとしてなかなかインセンティブが働かないということがございましたので、ベンチマークも重要ですが、ラベリングという手法もこういう枠の中に入ってくるのかなという気がいたしました。
 ちなみに、我々ESCOの業界の団体を預かっているような仕事をしているんですけれども、過去の実績からいきますと、CO2 1t当たりどのくらい投資されたかというのは皆さん余り御存じないと思いますが、平均でいきますと16万円/tです。東京都はいろんな形で省エネの政策を打っておりますけれども、50万円の罰金を払った方が、こういう場で言うべきじゃないでしょうが、はるかに得です。けたが違ってきます。そのくらい省エネ投資というのはかかるんですね。それは何らかの形で後押しをする、そういう方たちに何らかのインセンティブを与えてあげるということをしないと、意識の高い方ですら二の足を踏んでしまうという状況があるのではないかと思います。
 それから、岡本さんが盛んにビルの何kg/m2とおっしゃいましたが、皆さん方ここにいらっしゃる方も含めて、住宅は大体年間40kg/m2くらいですから。100m2としますと4tくらい出してますから、大体40kg/m2というのが住宅の場合ですから。この辺でいいなと言ってるのが住宅の倍くらいで、悪いのは3〜4倍あるなという感じで私はお聞きしましたので、御参考までに。

○安井座長 ありがとうございました。私が申し上げたいことの2番目でございますけれども、先ほどのベンチマークで年次の云々という話を申し上げましたけど、ベンチマークというのは我々が考えているのは何kg/m2みたいな話だと思うんでありますが、中上委員がおっしゃったラベリングというのはちょっと違うものではあるんだけれども、例えば、これとこれとこういう設備を入れなさいよということで、入ってる入ってないというのだってベンチマークの一つではあるわけですよね。先ほど話題の六本木某ビルはたしかコジェネまで入ってるはずでありまして、そういったコジェネが入っているかどうか、場合によっては換気システムに熱交換システムが入ってるかとか、ガラスが複層化になってるかなんていうのは当たり前の話かもしれませんけれども、そんなような話がずっとできていて、それで何項目満足なんてなってベンチマークの一つかなという気がしますから、先ほど100項目とおっしゃいましたっけ、その100項目を全部採用できるかわかりませんけれども、そういった形で、うちのビルは98点まで入ってるとか、そんなものだって十分なベンチマークにはなるのかなという気もするんですよね。ですから、ベンチマークの実態として一体何を考えるのか。数値の話もそうだし、何分の何とかいうのだってベンチマークかもしれないという気がしております。
 そんなことで、いろいろ考えることがあり過ぎて、そう単純じゃないかなという気がしますので、実態調査のときに一体どういう調査にいくのか、これは決定的ですから、それまでにどれを調べるかというのがかなり重要で、それには再び岡本・中上両委員の御協力をぜひ仰いでいただきたいということでございます。
 あと、これは半分冗談でございますが、金融機関のどういうところにお金を出したか、どういうところに投資をしたかということも実を言うとベンチマークやらないとだめかもしれない。低炭素ベンチマーク、これは業務の重要なベンチマークじゃないかという気がするんですが、そういうことまでやっていただくと多少改善されるかと思います。
 というわけで、2巡いたしましたので大体お話をいただいたのかもしれないと思いますので、3巡目は任意でいきたいと思いますが、いかがでございますか。どうぞ。

○岡本委員 これまでは大規模事業所という単位で省エネ法のエネルギー管理の話も温対法の方もございましたので、どうしても物理的に大きな建物という前提で物事を考えやすかったと思います。今回省エネ法、温対法の改正で企業単位ということになってまいりますと、これまでエネルギー管理の対象でなかった中小ビルにたまたまチェーン店として入っているようなテナントさんとか、あるいは銀行の支店とか営業所とか、そういうテナントさんがたまたま入っていらっしゃるというときに、テナントサイドでエネルギー管理とかCO2排出量の管理をするということになってきますので、オーナーサイドからも、中小ビルの場合でもきちっと情報提供ができるような体制とか仕組みをつくってくださいということでいろいろ働きかけているところでございます。この種の話をするときに一番前提になるのはCO2の排出量、その前提となるエネルギー消費量をきっちり把握できるかどうかということが一番ポイントでございまして、私どものガイドラインの中でも指摘をしたんですけども、設計の段階で計測器とか計測センサーといったものを必要なところに必要なだけ設置していないようなケースがままあるんですよね。設計の段階でそういう手当てがきちっとされていないと、後で計量器とか計測センサーとかを設けていくというのはなかなか大変なことでございまして、そこらの対策を促進するようなことも施策の一環としてお考えいただく必要があるんじゃないかなと思います。まずは実態を把握するということで、中小ビルの皆さんというのはもともとCO2排出量をどう計算したらいいかということすら御存じでないというオーナーの方が多いんですね。そこで私ども、中小ビルの経営者でかなり先駆的な考え方を持っていらっしゃるリーダーの方がいらっしゃって、その方が、電力消費量、ガス、熱、油、それぞれどのくらいつかっているかということをメーターで毎日測定して、それを日報でつければ自動的に、CO2の排出係数を中に入れておいて、ExcelでCO2排出量がアウトプットでさっと出るという簡単なプログラムをつくって、それを皆さんに提供して、まずそこから始めてくださいよということまでやっているわけです。CO2排出量をきっちり把握するというところがまず大前提だということ、そこはしっかり押さえていただきたいと思います。
 それから、私どもの方でCO2の見える化ということで、これも中小ビルの皆さんの方がむしろ提案されたんですが、Excelでの自動計算システムを使って毎日CO2排出量を算定して、昨日のこのビルのCO2排出量が幾らであったかということをプレートで表示するというようなことを始めようということで、とりあえず都心エリアの中小ビル30棟くらいからスタートするんですけれども、そんなことも広げていきたい、大手の方でも一部やってみようかというところも出てきていますので、そういったことをやっていこうと思っております。
 それから、私は実はたまたま個人的な立場で、団体の代表ということじゃなくて、財務省さんの国有財産の有識者会議の委員をやっておりまして、都市計画とかまちづくりの専門家ということで入らせていただいているんですが、そちらの方で庁舎の地球温暖化対策についての報告書をこの前まとめています。その中で、霞が関の各官庁も昨日のCO2排出量が幾らであったかというのを電子サイン板で表示するようなことをやっていただこうということを提唱してありまして、その方向で財務省さん、各省と相談しながらやるとおっしゃっていますので、そんなようなことを見える化運動として官庁も率先してやっていただければと思っております。  

○安井座長 一方井委員、どうぞ。

○一方井委員 これからいろんな対策を企業なり家庭なりで打っていかなければいけないんですけど、どんな対策も費用がかかるんですよね。現状は私の理解では、ESCO事業みたいなのが成り立っていることでわかるように、それはやっても事業者にとっても一応ペイするという範囲のものが残っているものですから、そういうものをベンチマークみたいなもので誘導していって、やれるものは全部つぶしましょうというのは非常に合理的だと思っています。ただ、ものによってはうんとお金がかかるものもあるわけです。そういうものも全部リストアップして、これがやれれば望ましいといって、ただし、それは事業者の方々の負担でやってくださいということにして、それが実行されれば温室校ガスの派出は劇的に減るだろうと思います。ただ、その場合は経済学的観点からいくと限界削減費用がみなばらばらになってしまい、同じ減らすのに、社会全体からみて不必要に高いコストがかかるおそれがあります。その問題を改善するために排出量取引の活用という話が入ってきます。ここは排出量取引の検討の場ではありませんのでこれ以上議論しませんけれども、排出量取引もきちんとしたキャップがかかった排出量取引と、ベースラインアンドクレジットというような、場合によってはしり抜けになってしまうような排出量取引と2通りあると私は思っています。もしキャップがきちっとかかってるものであれば、それは排出量取引をすることによって同じ削減が一番安い費用で実現できることになります。そのためには売買というのが当然あるんですけれども、私はそれが悪いことだとは思いません。経済学的には非常に合理的な手法です。ただし、そこはきちっとしたキャップがかかるかどうかというところが大事なポイントで、そうでないような排出量取引であれば、座長が心配されるような全く意味のない排出量取引になってしまう可能性はございます。

○中上委員 これから調査されると、同じ業種の中で比較しても少ないところと多いところが出てくると思うんですが、説明変数をきちっと同時につけて説明しないと。ある例を申し上げますと、流通の方の実施行動計画を面倒見たりしてるものですから、そこでの議論にあったんですが、小売業で多いものから少ないものまで並べてみますと、トップランナーというのは非常に少ないわけです、平均に比べると。多いのと比べると3分の1くらいになるわけですね。じゃあトップランナーをやって一番少ないようにすればいいじゃないかってだれかが発言しましたら、ちょっと待ってくださいと。この店はこの辺にある店で、うちのお店でしょうと。つぶれかかってますと。一番使ってるときはえらくもうかってはやってる店なんですよってありますから。そういう意味では、角をためて牛を殺すことにならないようにしなきゃいけないので、十分な説明変数を押さえてやっていかなきゃいけないということですね。

○岡本委員 ちょっと一点よろしいですか。さきほど、東京と地方のことについて触れさせていただいたんですが、データで見ると、業務部門のCO2排出の伸び率、これは90年比で全国が45%ほどに対して東京都は33%なんですね。CO2排出削減の問題を東京都が非常に熱心におやりになっていますけれども、相対的には地方についてかなりしっかり対策を打っていかないと実を結ばないんじゃないかと思うんですね。東京の方は私どものビル業界の方でもこの問題についての意識は高いですし、まだまだやるべきことは残っているかとは思うんですけれども、現実の取り組みもかなりやっておられます。私ども全国で20の協会がございまして、東京の協会はそのうち最大の有力団体なんですけれども、東京と東京以外の協会の意識や取り組みには随分格差がございます。その点はよく認識をして、全国で適用可能なベンチマークというのがどうあるべきなのかということをしっかり吟味していく必要があるんじゃないかなと思っております。
 排出権取引については、きょうはそういうことを議論する場ではないと思っていますので余り申し上げませんが、一点だけ私なりの考え方を申し上げておけば、これは釈迦に説法ですけれども、もともと排出権取引の経済学的な原理というのは、技術開発力格差というものが存在して、技術開発力を持っているところがむしろ持っていないところにかわってCO2削減をやった方が社会全体としてのコストを最小にできる、そのかわり取引を介在させるということではないかなと思っているわけです。その意味で申し上げれば、非製造業分野のようにみずから技術開発力をそもそも持っていない産業、存在する技術をアセンブルするとか、投資をするかしないかという判断は当然しますけれども、そもそも技術開発力を内在化していないような産業から見れば、その中で排出権取引をやったとしても、それは単なるコスト移転であって、社会全体のコストを下げるものではないというふうに思っています。その意味で、今回東京都さんが環境確保条例改正で導入されようとしている排出権取引なるものは、少し基本原理の問題としていかがなものかなという認識を私どもとしては強く持っているところでございます。

○安井座長 それでは、私も最後にさせていただきたいと思いますけれども、いろいろと御意見をいただきまして、こういう場でアイデアがいろいろいただくと出てくるものでございまして。先ほど非常に細かく、例えば中華料理屋、寿司屋等々でやっていくという話からの延長線上でものを考えてたんですけど、どうやら建物のそもそもの設計その他が悪いゆえにどうしても排出が多くなってしまうというものと、そうじゃなくて、十分な設備が入っていないゆえにどうしても排出が多くなってしまうというものを、場合によると区別をする方法論というのがあった方がいいのかなと。何を申し上げたいかというと、こういうビルでこういうものとこういうものを入れて理想的な状態にしたって極限ここまでしかいかないよこのビルは、場合によってはつぶせというようなことまでわかっても本当はいいのかなというのがベンチマークとしてどうだろうという気がします。東京都が管理してますけど、東京国際フォーラムなんていうのがどうなのかなというのが一つの興味なんですけどね、例えばですね。
 そういうような形で、中華料理屋補正係数、寿司屋補正係数みたいなのを掛けていくと、非常にスタンダードな、24時間オペレートしてるビルと8時間しか動いてないビルじゃ全然違いますから、そういうことまで全部標準的な条件に換算係数を掛けてぱっぱっぱっぱってやっていくと、最終的にビルの性能が出てくるなんていうベンチマークだと結構怖くていいかなというような気がいたしました。
 ということで、私の言いたいことは大体終わったようでございます。時間もあと5分くらいでいいところなんですけど、どうしましょうか。

○馬場課長補佐 調査につきましては、温対法の算定・報告・公表制度がございますので、あれで開示請求をしまして、対象事業所は全部で5000軒ほどあるんですが、それを対象に調査を行おうと思っております。その調査の細かさについては、まさに今さまざまいただいたアドバイスを踏まえて、一度調査票をつくった上で先生方に御確認いただきたいと思っております。

○安井座長 ということだそうでございますので、各委員におかれましてはぜひ御協力をお願いしたいと思います。4人くらいの委員ですと効果的に審議が進むものでございまして、あと数分ございますが、よろしいですか。ということでございまして、次回以降に関しましては9月、10月になるようでございますので、そのときにはまたよろしくお願いしたいと思います。個々にいろいろとコンタクトをされるということでございますので、またひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それでは閉会とさせていただきたいと思います。皆様どうもありがとうございました。

(終了)