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温室効果ガス「見える化」推進戦略会議
事業者の提供する商品・サービスに係る
温室効果ガスの「見える化」に関する分科会(第2回)

議事録


(1) 研究会の概要

【開催日時】
平成21年3月16日(月) 10時00分~12時00分
【開催場所】
法曹会館 高砂

(2) 出席者

【委員】
安井座長、一方井委員、上妻委員、辻本委員、森口委員、山村委員、山本委員
(欠席:齋藤委員)
【環境省】
徳田地球温暖化対策課長、馬場課長補佐、原田環境経済課課長補佐
【オブザーバ】
君塚環境調和産業推進室長(経済産業省)、中村流通政策課長補佐(経済産業省)、安高地球環境対策室課長補佐(農林水産省)、藤本交通環境・エネルギー対策企画官(国土交通省)、小竹オブザーバ(日本自動車工業会)、長澤オブザーバ(東芝キャリア)
【傍聴者】
全39名(一般: 29名、報道関係: 4名、関係省庁: 6名)

(3) 議事

【開会及び資料確認】

○ 事務局
それでは、定刻となりましたので、ただ今から第2回事業者の提供する商品・サービスに係る温室効果ガスの「見える化」に関する分科会を開催させて頂きたいと思います。
本日の審議は公開としておりますのでご報告させていただきます。
それでは始めに配布資料の方を確認させていただきます。議事次第を見ていただきまして、資料1-1が『事業者の提供する商品・サービスに係る「見える化」について』、それから資料1-2にちょっとタイトルに誤植がありまして、本の計算方法について素案でございます。それから資料1-3が光ディスクの計算方法についての素案、資料2が自工会のエコドライブツールについて、それから資料3が家庭用エアコンエネルギー消費の見える化について、それから資料4がグリーン購入法の概要の資料でございます。それから参考資料といたしまして経済産業省からご提供いただきましたカーボンフットプリント制度の取り組みについてという資料、それから参考資料2がそのカーボンフットプリント制度の在り方の指針でございます。それから参考資料3がフットプリント制度のPCRの策定基準となっております。以上の資料の過不足ございましたら事務局までお申し出下さい。宜しいでしょうか。
それではこれからの議事の進行を安井座長の方にお願いします。

○ 安井座長
 皆様、おはようございます。それでは次に進めさせて頂きたいと思います。お手許に議事がございますように、本日の議題は2つございまして、最初の議題は事業者の提供する商品・サービスに係る見える化のある参考事例ですが、参考事例について見ていこうというような資料でございます。議題の2は、リアルタイム見える化、リアルタイム見える化は3つあるということをこの間申しましたが、そのうちの一つでございます。そのリアルタイム見える化に関しまして、その事例を二つ自動車とエアコンでございますが、それについてのご紹介とあと現状についてのご紹介を頂きたいと思います。そしてその他事例でございます。それでは議題について始めさせて頂きたいと思いますけれども事務局からご説明いただきましてその後、経済産業省から現在のカーボンフットプリントの現状についてのご説明をいただく、そんな感じで進めていきたいと思います。それでは具体的にいくつかご説明を申し上げます。

○ 馬場課長補佐
 それではまず資料1-1でございますけれども、見える化の全体の環境省が今後どういう風に進めていきたいかという大きな考え方を説明させて頂きたいと思います。
資料1-1の1(1)計算方法の階層化でございますが、2行目からありますようにライフサイクル全体の温室効果ガスを事業者が自ら算定するというのが基本的な理想でございますけれども、一方で中小企業など排出量を算定する時間・コスト等が負担できない事業者についても状況に応じて「見える化」をする手法を提供する事が重要であろうと考えております。具体的には、次ですがライフサイクル全体又は一部分について事業者が必要に応じて参考とすべき値というものも示してあげる事によりまして、事業者が自らのCO2排出量を計算する負担を少量化するということが必要ではないかと考えております。従いまして、表の1にありますような3段階のレベル分けを行いまして製品・サービスのライフステージごとにデータの入手状況も踏まえながら、レベル1から3の算定方法を選択するような計算の流れを用意したいと考えております。表の1でございますが、まずレベル1でございますけれども、商品・サービスの排出量参照値を利用するものと、場合によっては、参照値の足し算ということもありうるわけですが、基本的に統計や実測データを基に地域性とか活動特性に応じた参照値を一意に数字を決めてやると、これによって実測を行なわずとも参照値の組み合わせで「見える化」を行う。なお、参照値につきましては、後程ご説明詳細いたしますが、カーボン・オフセット用に保守的に算定した大きく計算した排出量とエコポイントやエコマーク用に平均的な数値として出した2タイプの参照値を用意したいと考えております。
レベル2でございますけれども、排出係数又は活動量の計算にあたって、算定対象活動固有データ、いわゆる自らの自分のデータと又は参照値を組み合わせてやるということで、特に微小排出源や排出量の少ないライフステージの算定やユーザーが入手困難なデータなどにつきまして参照値を使ってそれ以外については自分で計算をするというのがレベル2でございます。
レベル3でございますが、次のページに参りまして、排出係数や活動量の計算にあたって、原則として自らの固有データを用いるというものでございます。以上のレベル3つに分けまして事業者の計算方法のマニュアルのようなもの作っていきたいと考えております。
 その中で参照値がございましたけれども、これにつきまして具体的にどういう決め方をするのかというのは色々な考え方があろうかと思いますが、例えば例示でございますけれども、(2)①でございますが、カーボン・オフセット用の参照値につきましては、例えば収集データからヒストグラムを作成しまして平均値+2σ、σは標準偏差でございますが、これを参照値としたり、それから3EIDですね、国環研の調査実績のものでございますが、3EIDと組み合わせることによって算出した保守的な値をカーボン・オフセット用の参照値として算定する事などが考えられます。
エコポイントやエコマークにつきましては、単純に平均値を設定する事などが考えられます。その他今回の資料のみの話なのでございますけれども、参照事例ということで現時点では測定実績が少なくて参照値の作成に十分でないというものにつきましては、特定参照事例として資料1-2と1-3の中でございますけれども、記載をしている部分が一部ございますのでご留意ください。
具体的な参照値の使い方のイメージでございますが、(3)でございますけれども、まずカーボン・オフセットをどうやって使うかということでございますが、カーボン・オフセットのガイドラインが別途出ておりまして、それにのっとりまして、例えば、旅行で伴う排出量など日常生活で国民の皆さんが自らの排出量を算定してカーボン・オフセットするという場合にはいわゆる参照値レベル1を用いて算定するのでいいのだと思うのですけれども、他方で事業者が自ら提供する商品・サービスについてオフセットする場合に投資家や消費者へのアピールを主目的とするという場合には、相互の比較可能性が必要でございますので、レベル2以上の正確性が求められるのではないかと考えております。
次に3ページに参りまして、エコポイントやエコマークの例でございますけれども、エコポイントでございますが、全ライフサイクル又は一部のライフサイクルを切り出してレベル2以上の算定方法で計算をして、参照値と比較してその結果が上回っているかどうか、下回っているかどうかというのを判断の基準にするというのが考えられます。また、エコマークについては、原則ライフサイクルという風なことになっておりますので、ライフサイクルの排出量を計算して参照値と比較して下回っている場合にというふうなことで、判断基準の一つとすることが考えられます。
以上の点を図にしたものが下の図でございまして、左側が自分で計算するという、A社が具体的に計算する、右側がライフサイクル又はその一部について参照値をそれぞれ準備をするというのが右側でございまして、一番上のエコポイントにつきましては、ライフサイクルの一部について自ら計算した値と参照値とを比較する。エコマークについてはライフサイクル全体について、自ら計算した値と参照値を比較する。オフセットはどちらでもいいのですが、自ら計算した値でもいいし、参照値を用いてもいいし、いずれかの値を用いてオフセットを用いるということでございます。特に今日議論を頂きたい部分の一つとして、参照値についてどういう決め方をするのがいいのかということについて議論をいただければと考えております。
次に4ページに参りまして、対象製品・サービスでございますが、まずはモデルケースとして、本・CD(光ディスク)について対象としたいと考えておりまして、その理由につきましてはそれぞれの下に書いておりますが、基本的にオフセットのニーズが高いということと、いわゆる環境教育的効果ですかね、我々が日常生活でよく触れるということで本とCDを選定しております。尚、電子メールでございますが、先日各委員の先生方にはこれ以外にホテルにつきましても計算方法のガイドラインを作りたいという事でお話をさせていただいておりましたけれども、国土交通省の方で別途ホテルの計算方法のマニュアルがほぼ出来ている状況でございまして、関係省庁での連携が不十分でございましたけれども、ホテルについては国土交通省で定めるということで今回の対象からは落とさせていただいております。
それから本と光ディスクにつきましても後ほど経産省からカーボンフットプリントのご説明があると思いますが、来年度以降いわゆる製品のPCRが出来ていく過程において、本と光ディスクついても整合性を取る形で策定していきたいという風に考えております。
では詳細な計算方法につきまして、資料1-2と資料1-3に基づいて説明させていただきます。

○ 事務局
それでは、今お話がありました本・光ディスクに関しての計算方法について、資料1-2と資料1-3の両方についてご説明申し上げていきたいと思っております。
まず両方に共通することなのですが、今回素案としての作成しております計算方法についてなのですが、目次をご覧いただければと思います。目次の方をご覧いただけますと「1.対象商品・サービスの定義」のところでまず全体像、前提について設定している部分がございます。それから2の各ライフサイクルステージの設定というところ、こちらの方が本論という事になります。
本論の方におきましては、一つは算定方法をどのようにすべきかというところの議論をしている部分と、具体的な参照値、先程ご紹介もありましたが、今回参照値の収集状況がまだまだこれから途上ということですので、一部参照事例、十分なデータが集まっていないので事例として参照してくださいという部分もございますが、その参照値、その2つを主に示すように設定をしてきております。2の方に関しましては原材料調達・生産、それから本と光ディスクとも今回使用・維持はおそらく排出はないだろうということで省いておるのですが、流通・販売、廃棄リサイクルという各ステージをカーボンフットプリントとの平仄も合わせつつセットをしてまいっておるというような状況でございます。

それでは資料1-2の方から詳細に説明をさせていただきます。
それでは本の計算、書籍・雑誌・漫画等の計算方法の素案ということで、資料1-2に沿ってご説明をさせていただきます。
今ご説明差し上げた通りなのですが、まず1章対象商品・サービスの定義というところからでございますが、本ガイドラインで定義する本というものは、ここにも書かれているように紙媒体の出版物のうち、書籍・雑誌・小冊子などの印刷・製本された出版物ということで定義しております。下段に本ガイドラインで用いる参照値の前提設定を書いておりますが、本というのは非常に多様な形態が考えられる、商品に全て各様で異なってくると考えられます。ただ先程ご説明をさせていただいた通り参照値というものを考える上では、ある程度の前提をおいて例えばページ数であるとか、発行部数であるとか、サイズといったところに関してはある程度の前提をおいて、参照値を考えていかざるをえないというところで統計データであるとかあるいは業界団体へのヒアリングを通じまして、いくつか典型的なタイプというものを考えて前提として、これをもとに2章以降の参照値というものの算定を行なっていくということでございます。今回優先的にあげてきた事例というのが、表1に書かれておりますA4版の雑誌です。書籍A5版、書籍A6版これは文庫等をイメージしておりますが、それぞれ色数が単色のものとカラー刷り4色のもの2パターン合計6パターンを前提として今回はモデルを設定していこうというところでございます。それぞれのページ数等につきましては、3ページに詳しく書いてございますが、それぞれ統計データ等、公開データを基に平均的なものに関して設定をさせていただいております。
1ページめくっていただきまして4ページでございますが、上段は一般的な本、書籍、雑誌のライフサイクルおよびそれに投入される資源の概念図ということでその例を示させていただいております。その下に製品に含まれる範囲ということで、今回算定の対象とする製品範囲というものは、商品そのものとして例えば製作・企画にまつわる排出であるとか、店頭で配られるような本であるとかしおりのような付属品に対しては対象には含まないというように製品の範囲を規定しています。以上が1-1-2にございますが、次5ページをご覧いただきまして、各ライフステージの定義と算定範囲とういうことですが、今回の本のガイドラインに関しましては、原材料調達から生産、流通・販売、使用・維持、廃棄・リサイクルに至る全ステージを基本的な製品システム対象というように考えております。その中で例えば原材料であれば、印刷用紙であったり、インキであったり、刷版、版ですね、があったりということでございまして、生産で言えば製版の部分、印刷物の裁断であるとか綴じの部分というところが入ってくるというような設定にしてございます。こちらに関しても、ライフサイクルのフットプリントと整合させていくという状況でございます。
そして6ページでございますが、こちらは算定対象範囲ということで先程少しご説明させていただきましたライフサイクルステージに関しまして、少し細かめの説明をしております。個別の原材料ごとであったり、プロセスごとについて説明をしていきたいということでございます。最後の方に、7ページの後ろの方ですが、算定対象外と書かせていただいておりますが、使用に関しましては本の消費・使用の段階に関しては、目にした本を読書するという活動力を想定されるのですが、これに関しましては屋内の照明の下で読むシーンであったり、電車内で読むシーンであったりと多様なケースが考えられるのと、それから一冊あたりの読書に費やされる時間の点で困難であったり、また消費エネルギーが微少であろうということで今回のガイドラインの中で消費0というものを推定をしているところでございます。
8ページでございますが、それぞれいま各ライフステージのお話をさせていただきましたが、どこをカットオフするかといったことに関して、何らかの指針を示していこうということでこちらで示しておりますが、それを考える前提でライフサイクルの中でどのような部分から排出量が構成されているかを排出量の内訳をモデルケースを設定してご紹介をさせていただいております。今回4タイプを用意しましたが、先程申しました通り例えば印刷部数であったり、あるいは単色刷りなのかカラー刷りなのかというところで大きく排出量内訳が変わってくるという本の性質を鑑みましてこちらに4タイプまずはご準備をさせていただいております。ご覧いただきますと、やはり本の場合、非常に用紙の占めている割合が多いということが見て取れるということでございます。又、印刷と書かれていますが、印刷工程で消費するエネルギーに伴って排出されるCO2発生源も非常に大きい。又、例えば1色刷りが4色刷りになってまいりますと、インキの占める割合というのが非常に大きくなってますし、それに伴って印刷の電力使用量というのも当然大きくなってきます。又、1万5千部と3千部という比較で考えますと、刷版という版の部分なのですけれども、これは1万5千部を刷るのも3千部を刷るのも使う版の枚数が基本的にはあまりかわらない性格がございますので、どうしても3千部の時、少数ロットで印刷をする時などはどうしても刷版の部分が大きくなってくる、というような特徴が見てとれます。現在まだ1事例の算出例ということで内訳のみの記入にさせていただいてさせていただいているのですが、概ね500グラム前後でA5の書籍244ページ、5万部くらい印刷して500グラム前後になるだろうというような算定結果でございます。こちらに関しましては、業界団体であるとか見積り・積算の業者であるとか、あと出版社様にご相談をさせていただきながら、算定してきたということでございます。詳細な使用した排出原単位については9ページ中段に紹介をさせていただいております。以上を考えまして、カットオフ基準と今回考えられるのは、原材料調達ステージの中におけるのりであるとか、針金の製造に関しては、カットオフをしても良いのではないか、というところがまずは考えられます。
以上で、ライフステージの中での排出割合、それからカットオフという話だったのですが、ページをめくっていただきまして10ページのところにシナリオ設定というところで、流通シナリオ、廃棄・リサイクルシナリオ、それから消費のそれぞれに関してシナリオを策定していますが、こちらに関しましても更に今後精査をしていきたいということでございます。
以上が本の排出量算定を考える時の概要と前提条件といったところでございますが、その後に2章に関しましては、先程もお話させていただいた通り、ライフサイクルステージそれぞれの算定の基本的な考え方、基本的には活動量と原単位を掛け合わせるといったところでカーボンフットプリントと同様にしておりますが、それからどのような方法とかどのような正確性のレベルになるかといったような判断をしていく為のデシジョンツリーをお示しさせていただきまして、更にその中でレベル1、2、3という話がございましたが、例えば、原材料調達ステージで言えば12ページの部分から16ページまでそれぞれレベル1、2、3に関しまして、具体的な計算方法が書いてある、という部分でございます。それで一つだけ参照値をご紹介させていただきますが、17ページからでございます。2-1-1の印刷用紙と示してございますが、こちらでまず印刷用紙の排出を考えるべく主要な排出源の例ということで電力起源のもの、化石燃料起源のものそれぞれ紙を生産する上での対象ライフステージごとに整理をした上で、その後にページをまたがって恐縮なのですが、18ページに用紙製造に関するCO2排出量の参照値ということでご紹介させていただいております。こちらの表の上段2段目のところに雑誌、書籍A5、書籍A6という風になってございますが、こちらは先程一番最初に表1でご説明させて頂いた通り雑誌A4の例えば280ページのものであるとか、書籍A5の260ページのものであるというような前提の基で計算をしております。現在カーボン・オフセット用の参照値に関しましては、ただ今算定中でございますが、エコポイント用、いわゆる平均値的な参照値というところに関しましては、先程申し上げましたような平均的なページ数、あるいわ発行部数、紙の種類といったようなものに基づきましてそういった例えばA4の雑誌280ページのものであれば、そこにどのページの紙が使用されるかという重さを総面積とサイズと坪量と言われる平米あたりのグラム数で計算をしております。
そこに日本製紙連合会さんが出していらっしゃるLCIデータをそれぞれの紙のタイプごとに掛け合わせて1冊あたりの二酸化炭素の排出量というものを計算しております。これを排出量の参照値としてエコポイント用ということでご説明をさせていただいておるというような内容でございます。
これがあとインキであるとか刷版であるとか生産ステージなど印刷工程のところからどのようなCO2がでてくるのかというようなところを順番に廃棄リサイクルまで参照値を作っていくというのが今後の取り組みということでございます。
先程もご紹介がございました通り、業界団体のPCRの方も作っていかれるということでこのあたり整合性とれるところは整合性を取って進めてまいりたいと思います。
 続いて光ディスクのご説明をさせていただきます。

それでは資料1-3の方をご覧いただければと思いますが、光ディスクの計算方法についての内容についてご紹介してまいりたいと思います。
基本的な構造であるとか、考え方に関しては、先程の本の方とほぼ一緒ということになります。
まず、ページをめくっていただきまして2ページ目から見て頂きたいのですが、今回対象製品として定義をしておりますのが、市販の時に予めコンテンツ情報、音楽であるとか映像であるとかそういったものが予め書き込まれているプレス版の光ディスクを対象としております。ですので、記録メディア、記録用の空きメディアというのはこのガイドラインから、今ちょっと横に置かせていただいているという状況になります。
それから同じく2ページ、1-1-2の製品の範囲というところになりますが、こちらに関しましては光ディスクCD・DVD・ブルーレイディスク(BD)といったものになりますが、光ディスクの本体、それを収納するケース、コンテンツ入りの場合にはブックレットと言いますか、本・冊子が中に入っておったり、それから表にカードが付いておったりするのですが、そういった印刷物、それから更にそれをシュリンク包装なり、キャラメル包装なりで包装する外装、こういったところが製品の対象・範囲ということになるかと思っております。
それから参照値を設定するモデルケースに関しましては、CD・DVD・ブルーレイディスクこの3パターンになりますが、単層式のプレス版、予めコンテンツが書かれているものを想定して今作業を進めている最中ということでございます。
それから3ページ目以降にライフサイクルステージの定義、範囲を書かせていただいておりますが、図を見ていただいた方が分かりやすいかもしれませんので、5ページ目の方をみていただければと思います。今回対象としています光ディスクに関しましては、原材料調達の部分で光ディスク本体の樹脂であるとか大半がポリカーボネードという樹脂になるのですが、といったもの、それからケースの材料、こちらも樹脂材料になります。それから表紙・冊子、これも先程1-2で紹介のあった本の方と一緒なんですが、紙やインキが必要になったり、それからCDの外装フィルムも必要になります。それからちょっと先程紹介し忘れましたが、梱包材に関しましても、製品システムの範囲として入れていこうという事でダンボール等の梱包材についても原材料ということで設定をしております。
それから生産の段階に入っていきますと、光ディスク自身はいわゆるスタンパーといわれる金型を作って、その金型を利用して光ディスクの射出成形、成型をしていくということが主な中身になってきております。それからケースの製造、冊子製造、そういったところで物作りをして、更にそれを組立て加工、包装・梱包していく、それが生産のライフサイクルステージかと思います。
次に流通・販売のところに入ってきますと、商品輸送から店頭販売、それから更にそれが視聴者の手元に渡って、使用・維持ライフサイクルステージでは視聴ということで、そして最終的に廃棄・リサイクルというような流れになるかと思います。
LCAの考え方から言いますと、この原材料も含めて全体が製品システム、そして点線で書かせていただいておりますけれども、今回特にフォアグラウンドデータといいますか、自前でデータを出来るだけ整備しようというところをシステム境界で生産以降ということで区分けをしております。ちなみに4ページ目の下にもございますが、使用・維持ステージにいては、通常、視聴機器、オーディオ機器等を使うことになるかと思っております。ただ、光ディスクの視聴方法は非常に多様化をしてきておりまして、携帯できる視聴機へのロードをしてやっていくとか、パソコンに落として聞くとか色んなパターンがあること、それから視聴機器のエネルギー使用量、排出量自身は視聴機器に属するべきものであろうということで今回このガイドラインからは外していくという事になります。
それでは次に6ページ目、7ページ目を見ていただければと思います。こちらの方に関しましては、光ディスクのライフサイクルステージにおけるCO2排出量、これは先程もあったように実は参照事例として見て頂きたいのですが、事例数が非常に少ないものですから、参照事例として現段階では見ていただければと思っておりますが、まず左上の円グラフからいきますとこういったバランスになっております。特に廃棄・リサイクルが多く、これを更にもうちょっと細かく見ていきますとケースの燃焼、今回焼却を想定しているのですが、ケース焼却においての排出というのは非常に割合を多く占めるという状況になってきております。
それから7ページ目の方を見ていただきますと、これもあくまでも参照事例ということで今回は見ていただければと思いますが、各ステージごとに細かく排出量、それからステージの中での割合、それから全体の中での割合ということで右側の方に数字を入れてきております。原材料調達が大体4分の1、製造で4分の1、流通・販売はパーセンテージとしてはなくて、2%程度、廃棄・リサイクルが45%程度、合計で量の方で見ますと全体のライフサイクルステージ合計600前後という事で事例がでてきております。それから8ページ目、9ページ目の方に移ってまいりますと、これらはシナリオ設定、光ディスクに関しましては、廃棄・リサイクルのみを今対象としておりますけれども、廃棄やリサイクルがどのように行なわれるであろうかという標準的なシナリオの想定をしております。
まず、①の光ディスク本体、ケース・ジャケット冊子に関しましては、一度購入されて使われだすとしばらく使われていくものになるのですが、光ディスクのリサイクルというものに関しましては一般消費者さんに対しては普及ができていないのかなということで全量焼却処理されるのではないかと、ケースやジャケット、冊子も光ディスクと同時に処理されるのではないかということで、全量焼却処理されるのではないかというシナリオに設定しております。
それから外装ケース、これは開封時に処理が決まってくるということになるのですが、日本包装リサイクル協会さんの提供されるホームページ上で公開されているデータに基づきまして、半々でリサイクル・焼却処理というシナリオにしております。
それからダンボールケース、後程お話もあるかと思いますが、輸送が基本的にはメーカーから一時物流拠点へ、一時物流拠点から全国の店舗へというような2段階での配送されていまして、基本的には販売店舗までの役割という事になって、消費者のところには行かないということになります。こちらも全量リサイクルかという想定をしております。
ここまでがまず概要です。次の10ページ目から各ライフサイクルステージの設定の詳細になるのですが、構成に関しては先程の資料1-2の方と一緒ということになります。各ステージごとに、(1)として算定式の基本的な考え方、それからどういうデータからのどういう計算ができますよというデシジョンツリーの構成をした上で、11ページ目からレベル1、レベル2、レベル3に対しての計算方法、それから、レベル1に関しては参照値を示すということで記載をしてきております。
レベル1に関しましては、中段のあたりに少し太字になっておりますが参照値を示させていただいております。ここではCDのみということで書かせていただいておりますが、エコポイント用、平均的な参照値としては152グラム弱ということで現在のところは出てきております。また色々なデータを収集しつつ補正をされていくものと思います。
カーボン・オフセット用に関しては事例が余りに少ない為に、保守的な値がなかなか取れないということで、現段階では空白にしております。この152グラム弱の中身なのですが、少し後ろの方にページをめくっていただきまして、レベル2、レベル3とありまして、16ページ目あたりからその中身、原材料の小分けした区分の中での説明をさせていただいております。16ページ目では、まず光ディスク本体の原材料どんなものかどのように使用されているかということを明示させていただいた上で、17ページ目の方ではそれの参照値、参照事例を示しております。またその参照値を算定した時に使いました原単位データ、このあたりもしかするとレベル2を計算されたいという事業者さんが使うことができるかなというのもあるのですが参照データ、次の18ページ目の方では使用重量のデータ、こちらも今事例が少ないものですからほぼ一つということになりますが、データを原単位と活動量というところでのデータのご提示ができればという趣旨で作らせていただいております。
19ページ目以降、同じようにケースの設定をさせていただいております。ちょっと飛ばし気味で行きますと、21ページ目から外装フィルム、23ページ目からブックレット、それから梱包放送に関しても25ページのところで取り扱っております。27ページ、すいませんちょっとページ番号がかぶって消えておりますが、以降も基本的には一緒の構成ということで、生産ステージの話が27以降またレベル1、2、3の概説から入りまして、33ページあたりからはその詳細が記載されているということになってきております。
よろしいでしょうか。それでは、それがずっとまたきまして、後は同じような形になりますが、同様にページ番号だけ申し上げていきますと38ページ目の方から流通・販売、それからページ番号だけ同じく申し上げていきますと51ページ目からが廃棄・リサイクルということで設定をさせていただいております。私の方からの説明は以上でございます。

○ 安井座長
 はい、ありがとうございました。それでは、続きまして経済産業省の方からカーボンフットプリントの方のいまの進捗についてご説明頂きたいと思いますが、マイクをお願いします。

○ 君塚オブザーバ(経済産業省)
 どうもありがとうございます。経済産業省環境調和産業推進室長の君塚でございます。それでは、お手許に参考資料1ということでパワーポイントの資料で、カーボンフットプリント制度の実用化と普及推進ということで、今の状況をご説明したいと思います。ちょっと資料が多くて恐縮なのですけれども、1ページのところですね、以前にもこちらの会議でご説明いたしましたとおり、低炭素社会づくり行動計画が昨年の7月に閣議決定がございまして、ここでカーボンフットプリント制度を実施する、ガイドラインを取り纏めて来年度から試行事業、試行的な導入実験ということで位置づけられている。それから、昨年12月に温対法の方の指針の方で、カーボンフットプリント制度の実施に努めるということで、情報の提供を行うように努めるということで明記されたところでございます。このように政府が一体となって、実施をするということで位置づけられています。2ページのカーボンフットプリント制度の概要でございますが、これはご案内の通りでございますけれども、まさにライフサイクル全般のCO2、温室効果ガスをCO2で表したものということで、この原材料調達から廃棄・リサイクルまでのサプライチェーン全体での見える化をするということで、事業者にとっては事業者単位を超えた一体的な削減対策に取り組むことが出来る、消費者にとってはCO2排出量を把握することが出来るということで、双方の削減努力を促すという主旨でございます。
 次の3ページでございますが、政策上の意義と致しましては、まさに日本企業の環境の強みを更に伸ばして、競争力強化につなげていく。特に国際標準、いまISO規格化の議論がされていますが、我が国が各国ともに共同提案者となってございますので、その議論をリードしていくという意味がございます。それから、事業者にとっては今申し上げたとおり、自らの地球温暖化防止の対策を消費者にアピールしていくということですね。それから国際標準化においてもわが国にとって有意義な、日本にメリットがある国際規格にしていくべく意見を反映していくというところも意義がある。消費者にとっては、まさに排出量のより低い商品の購買を選択するという行動につながるというところでございます。
 4ページの方で、今年度の取組でございますけれども、昨年6月から研究会を立ち上げ、また7月にルール検討会ということでその両輪で進めておりまして、この研究会の方、上の研究会の方は昨年12月にエコプロダクツ展2008というのがございましたけれども、こちらに試作品のカーボンフットプリント掲載商品の展示をされる30社の企業の方が集まっていただいて、その準備を進めて頂きました。この富士通が一社ございますが、こちらはエコリーフの実施企業ということで入っていただいたという形になっていますけれどもカーボンフットプリントの試作品の準備と言いますか、するための研究会ということで進めていただいた。それから、ルール検討会の方は今日お手許に参考資料の方でもお配りしてございますけれども、指針ですね、カーボンフットプリントの指針とそれからPCR策定基準、こちらの検討を進めてきたということでこの3月に公表したと、3月3日ですけれども公表したという形になっております。この両方で進めてきたわけでございますけれども、昨年の10月にはパブリックコメントをかけた、指針の方ですね、というわけでございまして、統一マークも昨年11月に、この秤マークですね、こちらを公募で選定をしてエコプロ展用のものとして発表したという形でございます。それから、PCR策定基準についても検討を進めてパブリックコメントを昨年から今年にかけて実施をして取り纏めたという状況でございます。来年度からは、試行事業ということで実施をしていくということでございます。
 それから5ページの方ですが、こちらのルール検討会の方では稲葉座長のもとで、有識者の方に集まっていただいて、指針とPCR基準を発表したという状況でございます。指針については、制度の定義・目的、それから導入分野としては、日用品・食品だけではなくて耐久消費財やサービス部門にも拡大していくと、それから算定、表示方法と信頼性確保のあり方等について議論をしているということでございます。
 それから、6ページの方でこれは統一マークの方でございますが、大林監督と太田さんというのは非常口の有名なマークを考案された方でございまして、ビジュアルコミュニケーションデザイナーですね、それから稲葉教授、この3者で選んでいただいたというところでございます。この統一マークが最優秀賞というとことで、この最優秀賞を採択したということでございます。
 それから、7ページの方で福田前総理、福田ビジョンということで最初にカーボンフットプリントを提言いただいたということで、実際に来ていただいてこの試作品をご覧になったという形になってございます。それで、30社、これは日用品、食品中心でございますけれども、展示ということで、あわせて消費者アンケートも行ったわけでございまして、8ページの方に結果がございます。カーボンフットプリントの認知度もかなり高いという状況でございまして、GHG温室効果ガス削減にも役立つという意見が大半でございます。それから、カーボンフットプリント表示商品については、同じ値段かもしくは高い値段であっても買う、優先購入するという方がかなりいらっしゃる。それから段階別の排出量についても知りたいという方がかなり多かった状況でございます。
 9ページの方で、今年度のエコプロ後に消費者の意向を更に互換的に把握するために市場調査ということで実施をしているということで、イオンさん、埼玉コープさん、サッポロビールさんそれぞれ期間限定、場所限定で実施をされて、また経産省の事業と致しましてもこの3月にいまも進めておりますけれども、西友、トップ、アピタ、ファミリーマート、ローソンですね、エコプロ展に出展した商品、11社19商品ということで、店頭アンケート共に試験販売を行っているという状況でございます。
 10ページの方で、いままさに来年度からPCRの策定という形の試行事業を進めるに当って、ワーキンググループということで自主的に各業界でもう立ち上げ、提案したりしておりますので、左にございますとおりそのリーダーの方への研修といいますか、コンサルティングという形で今年度前倒し的に支援をしている。また、事業者に対する説明会も随時、右にございますというような形で行っているという状況でございます。
 11ページの海外事例につきましては、前回も上妻先生から詳しいご説明がありましたので省略致しますけれども、やはりイギリスが先行して、まさにパイロットプロジェクトとしては先行しているということで、PAS2050という規格も作っておるということで、我が国もまさに先程申し上げた指針、PCR基準ですね、また来年度の試行事業という形で政官別の動きにも協調しながら、またISO規格化については12ページにございますとおり、昨年の6月のISOのTC207ボゴタ会合で共同提案という形になります。我が国も、イギリスらと共に共同提案ということで、これがNWIPといいますけれどもこれを提案して、これが採択されましたので作業が開始されたと、この1月のマレーシアでワーキンググループが設置されていま議論が進められているという状況でございます。ISO規格化は最大3年間くらいの作業期間ということでございまして、国内対応委員会も昨年7月に設けまして、業界の意見も反映するようにという形でこういう体制を組んで進めているという状況でございます。
 今後の進め方ということでございます13ページですね、やはり先程来環境省さんもおっしゃっていただいておりますけれども、このカーボンフットプリントと連携して、関係省庁が連携して実証していくということで、今年度の取組もオブザーバとしてそれぞれ環境省さん、農水省さん、国交省さんにご参加いただいておりまして、随時ご相談させていただくということでございます。来年度はやはり試行事業と言うことで、関係省庁が連携したPCR委員会というのを設けまして、これで試行PCRの原案について協会で策定したものを提出いただいて、それを審査させていただくと、認定・更改を経て、PCRが出来ましたら各企業からカーボンフットプリントを算定いただいてまたPCR委員会で検証して、マークを付与していくという形でございます。このPCR策定については、国の予算の方でも試行PCR策定等への支援という予算を組んでおりますけれども、予算に限界はございますが業界については特に限界をしておりませんので、全ての業界の方は自主的にPCRを策定いただいてこれを申請いただければ、これを承認というスキームに乗っかっていただくという形になります。今年度指針とPCR基準を作りましたけれども、これをまた精査していくということで、まだ試行期間でございますので試行事業の中でいろいろと課題が出てきましたら、また精緻化を図っていくという形で更に精査していきたいと考えております。ISOがだいたい3年間ぐらいということですので、試行期間もそれに合わせた形でやっていくのはどうかと考えております。ISOの議論にも対応していくということと、またCO2排出量の原単位ですね、やはりデータが充実していくことが、皆さんの取組にとって重要でございますので、こちらも精査していくという形でございます。また、やはり消費者の皆様、事業者の皆様に理解をしていただくための、啓発のための説明会の開催であるとか、あるいは民間の方でカーボンフットプリントフォーラムという動きもございますので、官民合わせてそういった普及に努めていくという形でございます。それで、指針の方は先程申し上げましたとおり、導入が期待される分野としてはあらゆる財・サービスに適用可能であるという、当面日用品あるいは食品ということでエコプロ展に展示いたしておりますけれども、また来年度耐久消費財、あるいはサービス分野というところにもまた色々進めていければという風に思っております。制度の目的は、事業者、消費者の削減努力を促すということで先程申し上げた通りでございます。
 次の15ページの方で、算定方法としては温室効果ガス、いわゆる京都議定書の6ガスが対象となっている。算定式は活動量×原単位という形になっています。算定範囲としてはライフサイクルの5段階ということで、次の一次データと二次データですね、これ基本的には信頼性のあるものということで、一次データというのはまさに生データでございまして、これをとった形で正確なデータを策定するということが原則でございますけれども、もちろん収集が困難なケースも多々あるわけでございまして、その場合は二次データを利用していただくということで、こういう形で全ての商品において取り組めるような制度にしていければという具合に思います。また、先程シナリオなりカットオフという話もございましたけれども、シナリオの設定についても特に流通・販売・使用・維持については様々なケースがあるのでシナリオをおくという形になります。それからアロケーションとしては、複数商品が混在するような場合にどういう重量比で配分していくとか、その辺の方法についても策定していく。カットオフも先程話がございましたけれども、これは5%以内というようなかたちで、これはやはりCO2排出量の大きいところから順番に計算をしていって最後残った5%のところですね、手間がかかるわりに排出量が少なければカットが出来るというような形にしております。
 それから17ページに採り上げている2点でございますが、複数サプライヤーから調達を行っている場合に、一時データの収集が困難な場合にはそれが50%以上であれば他のサプライヤーを二次データとして使用しても良いというような規定を置いております。それからPCRについては、先程申し上げた通りでございます。
 それから表示方法につきましても定めてございまして、統一ラベルを使用するということとあと単位の話と、あと選択的措置と書いてございますけれども、追加情報ということでライフサイクルのグラム数を表示するのですけれどもたとえば削減率であるとか、算定の部品別の表示であるとか、団体別の表示であるとかそういったことを認めていると。CO2に関する追加情報を認めるという風な制度になってございます。
 それから19ページ、最後のところ、信頼性担保のための第三者検証の仕組みを検討していくというところですね。それからこれは先程の1枚上にもございましたけれども、これはやはり認証、PCR委員会というものを運営していくという中で、認証スキームのあり方についても精査していくという形になります。それから制度の課題と他の制度、カーボン・オフセットですね、先程もご紹介ございましたけれども、カーボン・オフセットへの適用可能性についてもまたご紹介していく。環境家計簿ですね、環境省が取り組んでいらっしゃるものにも活用いただく。それから、国際ルールとの整合性を図るということでございまして、いま申し上げましたとおり指針とPCR基準を作成致しまして、来年度から試行事業を進めるということですので、環境省さん、農水省さん、国交省さんそれぞれの見える化の取組とも連携をして、またカーボンフットプリントそのものについても連携をして、国全体として有意義な制度にしていきたいという具合に思っております。先程ご説明がございましたシナリオなり、カットオフということがございましてまさにカーボンフットプリントの制度と整合性をとっていただくという主旨だと思いますけれども、これはカーボンフットプリント制度のスキームのなかで、PCRを策定いただいたものを審査いただいてそれをカーボンフットプリントの制度として運用されるというのが先程おっしゃった整合性の骨子というのであれば、まさに事業者、消費者にとっては一体的な形になると思うのですけれども、その辺の私がお伺いしていた整合性を取る先程何回もおっしゃっていただいて、まさに私共もそう進めさせて頂きたいと思いますけれども、その部分ですね、まさに先程ご説明いただいた内容がPCRの策定そのものであろうかなと思っておりまして、これをもし国の公的なものとして数字を使われるということであればカーボンフットプリントにたとえば申請いただいてそれを数字として出していただいて、それをベースにしてカーボン・オフセットなり、あるいはエコポイントに活用いただくと。一方で、参照値といいますか標準値みたいなところにも取り組まれていらっしゃると思いますが、それはおそらく個別の商品の排出量のライフサイクルの算出と比較をして標準値という形で、これはまさに環境省さんが取り組まれていると思いますけれども、各商品、サービスごとのライフサイクルの排出量という形でありますと、これはカーボンフットプリントに一元化することが事業者、消費者の方にとってはわかりやすいということかなと思いますので、ちょっとその辺もあわせてご質問とともに、ご紹介させて頂ければと思います。ありがとうございます。

○ 安井座長
 はい、ありがとうございました。ちょっと時間遅れておりますが、まだ30分弱ぐらい議論させて頂きたいと思います。今、実に色々なことが問題点としてあるかと思いますが、ご議論頂く方向性としては、LCAの算定方法の細かいところに関しましてはここで議論してもしょうがないですので、そのあたりはある程度前提を置いて、そうなりますと今経産省の方から御座いましたように、私自身も使う側から見たときに一本化出来てないのはまずいなというのが一つでございますが、一方でその使い方は一個じゃないというのもありますよね。例えば環境省さんからのレベル1,2,3がそれに近のかもしれませんけれども、まあ要するにカーボン・オフセット用というのはおそらく例えば自分たちの商品の優位性を主張するための指標でなくたって構わないということになります。例えばある商品50gと51gをゴリゴリ議論するわけではたぶん無い。
 それからエコポイント・エコマークが同じかどうか、これまた議論いただかなくてはいけないところなのですけども、エコマークはどうも自己主張型のような気もしないでもないなという気はするのですけどね。それからあと、実施したいが大企業の場合と中小企業の場合も考えて差し上げないと、中小企業はコストばっかりかかっちゃって、ということになりかねない。ですからそれくらいのところをうまく妥協案を作り上げた上で、外から見えると1本、中見るとちょっといくつかに分かれているというあたりが落としどころじゃないかと思うのですが、そんな方向性で何かご議論頂ければと思います。では上妻先生。あれでしたら札を立てて置いてください, 次お話の方。

○ 上妻委員
いいでしょうか。選ばれている本とDVDというのは、なんで選ばれているのかよく分からないですが。

○ 安井座長
理由が無いわけではないので後で。

○ 上妻委員
なぜかというと、基本的にカーボンフットプリントを算定して表示するという考え方の裏には、気候変動政策があって、気候変動の影響を緩和するために消費行動を誘導していこうという意識があるのだと思います。そうするときに重要なことというのは、あるカーボンフットプリントが表示されているレンジの商品の中でフットプリントが軽いものと重いものがあって、軽いもののほうに消費行動が誘導できるということが大事だと思うのですけれど、食品なんかだったらそういうことが非常に可能だと思うのですが、本のようなものというのは読みたい本があって、その本がカーボンフットプリントの軽いものと重いものが出されているわけではないので、著しく効果が薄いですよね。しかもこのカーボンフットプリントのライフサイクルベースで見たステージで見る限り、用紙が一番著しく重くて、これだと紙の本を読むなということになってくるのだと思います。それからもう一つはですね、DVDの方だとすると、廃棄とリサイクルのところが大きいですから、そしたら包装しないDVDがあるのかということになるのだと思います。そこのところやはり非常にその、目的のことを考えたときにサンプルの選び方が適切だったかどうか非常に大きな問題だと思います。
それからもう一つは、オフセットを前提に考えているのですけれども、今の時代にオフセットをして気候変動対策をしようという考え方が在ること自体が非常に大きな問題で、ヨーロッパの気候変動政策の中でも、特にEUなんかそうなのですけれども、オフセットの比率はもう一定限度以下に抑えようと、つまり実効性があまり上がって行かないので、それは避けていこうという方向にあるときに、それしか使えないような形でのフットプリントの表示というのはいかがなものなのかなという気がいたします。その辺のところで、対象とするような商品の選択をもう少し考えたほうが良いのじゃないのかなと思います。

○ 森口委員
4点ばかり申し上げようと思ったのですが、今の先生のご意見を聞いておりますと、もうそういう細かい意見を言うよりも、やはり対象を見直したほうが良いということであれば、私の申し上げることは意味が無いかもしれませんが、私も多少同じような印象は持っております。さりながらですね、本やDVD・CDといった消費者の目に触れるものを通じてそういうものを表示していくということによってですね、何らかの訴求効果的なものを期待しておられるのではないかなと思いますので、その観点からいくつか申し上げたいと思います。
まず一点目は、そうであればこそバウンダリをどう取るのかということでありまして、これは本にもCD・DVDにも共通するのですが、今の計算方法だといかにも物のかたまりとしてだけ計算をしている。本に何故価値があるかというと、そこにある種の付加価値というか中身・読みたいものが入っているからこそであり、DVD・CDだってやはりコンテンツがあるからこそですよね。ですからもし下げられるとすれば、もしくは訴求効果があるとすれば、そこの部分をどうやって作ったか、CO2の排出量としては大したことないとしてもそこをどうしたかということに関してやはり何か踏み込まないと、やはり物のかたまりとして本やCD・DVDを売っているということですので、やはりそこにある種の知的なものをつぎ込んでおられるアーティストあるいは作家の方々に対しても、やや失礼な計算方法になるのではないかなといったところが1点目の主なことです。それと若干関係するのですが、それではじゃあ紙の本は読むなと、それではデジタルで読めばいいのか、ということとCD・DVDのバウンダリの話に関係するわけですが、書かれている通り確かにDVDの使用方法は非常に多様だと思います。しかしながら、それを大画面のテレビで観ればそれなりのエネルギー消費量があるわけで、むしろそういったものとのリンクを考えてもらうことの方が大事ではないか、積極的にリンクがあるところを断ち切ってしまうような考え方になっているような気がいたしまして、それが非常に気になりました。
2点目は本ですけれども、仮にもし硬い物としての本のカーボンフットプリントを計算するのだとすれば、当然これは再生紙の問題が避けて通れないだろう、あるいは再生紙ではなくてバージンパルプから作った本をどう計算するのか、特にそこの木材の生育段階のカーボンバランスをどのように計算するのかというところは非常に重要だと思いますので、やはりそこに踏み込まざるを得ないかなと。ちょっとそのあたりが今は既存の数字をそのまま使いますという形になっておりましたので、そこのところが若干気になりました。
3点目はDVDは視聴段階も含めるべきだと、表示に含めるのではなくて何らかの形でそこに関係しているのだということを訴えて頂きたいということがポイントだったのですが、1点目に一緒に申し上げました。
4点目は非常に細かいことなのですが、いくつか特にCD・DVDの方の資料で3EID、国環研の資料を参照いただいているのですが、その出典の書き方が誤解を招くのかなと。我々決してこういう細かいものに関して、ここまでの精度をもって原単位を保証してわけではなくて、おそらく事務局の方で何らかの換算をされたのだと思いますね。それで換算した数値が一人歩きすると困るということは親委員会のほうで申し上げたはずで、これはちょっと事務局内部でそこのところ十分徹底して頂きたいと思います。こういう公表の資料の中に銀がいくらといった数字が出てまいりますと、これがまた一人歩きしてしまいますし、またこれもおそらく換算ミスがあると思いますので、そういった点十分ご注意頂きたいなと思います。むしろ3EIDをどういったところで使って頂きたいかというと、さっき申し上げた普通だと算定できないような、例えば企画・編集にいくらかかっているのだとか、レコーディングにいくらかかっているのだとか、むしろ普通だと計算しないようなところの計算に使って頂きたいなと思っておりまして、あまり細かい原材料のところに使うのは不向きであるということはちょっとご注意頂きたいと思います。

○ 安井座長
ありがとうございました。やはりLCAのやり方に若干のあれもございますが、ここに出ております様に4桁の精度もあるような数値では全然無いと私も認識をしておりますので、4桁で出すのはちょっと常識を疑われる。それ以外に何か。一方井先生、どちらが先かちょっとわかりませんですけれども、山本さんお先ですが、それではどうぞ。

○ 山本委員
2点ありまして、1点目はちょっと細かいのですけれども、本を例にしますと基本的に原材料からずっと積み上げてきて最終的に製品になってそれから廃棄すると、積み上げるときはそれぞれの段階で原材料とかのCO2は出てくると思うのですが、最終的に製品になったら例えばカラーインクを使ったものは非常に廃棄リサイクルがしにくいとか、そういった廃棄するときは逆に一編に過去のいろいろ積み上げたものを処理しないといけないというような問題が発生して、基本的にCO2だけを議論するのかということもありますが、私は廃棄物リサイクル法とか法律に基づいてきちんと処理が出来るという前提で、CO2を考えれば、そういった環境のほかの要因にも配慮したということになりますので、ここで廃棄・リサイクルが0になっているというのは、逆にちょっと意外な、きちんとここも色々な本の種類によってやはりカラーの多いものはリサイクルにCO2を大量に出すということであれば、選択につながるのかなという風に思います。廃棄・リサイクルを0にするというのは問題があるのではないかと思います。
 あとは、資料1-1で見える化についてか書かれているのですけれども、やはりいま二人の委員の方が申されたように位置付けをきちんと書いて、どういう位置付けでこれをやるのかとか商品・サービスに関る温室効果ガスというのが他の全体の中でどういう位置づけにあるのかというのを明確にされた方がいいと思います。急に計算方法に入っているのですね。基本的な考え方をもう少しきちんと示したほうがいい。それから、レベル1のところでカーボン・オフセットというのがまた急に入っているのですけれども、カーボン・オフセット自体はまたちょっと違う概念で、見える化の中でまず見える化してそれでオフセットの対象を何にするのかというのは対象をきちんと明確にしなければならないので、単に見える化したものを全てオフセットするというわけではないので、ちょっと概念が違うので、それはきちんと識別して使ったほうがいいという風に思います。以上です。

○ 安井座長
一方井委員どうぞ。

○ 一方井委員
第1回目をちょっと欠席しておりまして、既に議論がなされているものだったらご容赦頂きたいのですが、そもそも論みたいなところまでさかのぼってお話させていただてもよさそうなので、ちょっと一言言いたいと思います。こういう見える化の事業というのは重要といいますか、まず色々なことを認識して、その次の行動に移すという意味で大変意義があると私も思っております。ただ、今日のお話を伺っても、世の中には物凄いたくさんの商品・サービスがあって、それを正確にやろうと思えば思うほど物凄い労力がかかって、こういうものを将来的に強制的に表示を義務付けるという方向に行くのか、それともなんというのかそういうほうに行くのがいいのか、いま市場で二酸化炭素の価格がきっちり付いておりませんけれども、そういうマクロ的な手法でもって全体をコントロールしていくのがいいのかということはもう一回考えたほうがいいのでは、これはバランスなのですがこれがいけないといっているわけではないのです、バランスを考える必要があるのかなという感じをちょっと持ちました。
 それから、一番最初に上妻先生がおっしゃった、わたしもいろいろと同じような感じを持ちまして、もともとこういう表示をしてそれがいろいろな用途に使われるわけですけれども、消費者や事業者にとってはそのために削減しようというところに働くのが一番のポイントだろうと思います。ただ、消費者にとっては、これがただ表示されていたとしてもそれがどういう意味を持つのかというのがなかなかわかりづらいので、最低限消費者としてこれが標準より低いのか、高いのかというぐらいは知りたいなというものだろうというのが少し思いました。
それから3つ目はちょっと違う観点、意見なのですが、先程経産省のフットプリントは非常に一歩進んでいると思うのですけれども、国際的ないま規格をずっと作っておられるプロセスに入っておられると思うのですけれども、確かにこの中で日本が有利になるような行動をとっていくことは非常に大事だと思うのですけれども、どのあたりを一番ポイントにおいておられるのかというのをもしお聞かせいただければと思います。というのが、長くて恐縮なのですが、いまEUなり排出量取引をやっていて将来的にEUの製品なりよそのものと比較して、それ以外のところをハンディキャップをつけようという話ですよね。そういうのに対する対抗処置のようなこととしても考えているのかどうか、そのあたりをお聞きしたいなと思いました。

○ 安井座長
ありがとうございました。君塚さん以外どなたもご発言が無いようなので君塚さん宜しくお願いします。

○ 君塚オブザーバ
ありがとうございます。いまご質問あった件ですが、まさにISOの議論のなかで国内対応委員会を昨年7月に設置を致しました。そちらで、あらゆる業界の方に参加いただいて、逐次ISOの議論をまず報告しつつ、それに対して各業界としてどういった懸念があるのかというところを、懸念なりあるいはこれは日本の企業にとっては不利になるというような話ですよね、それを議論し、今後ともそれを続けていきたいと思っております。また、今時点で例えばイギリスであればPAS2050という規格を作って、彼ら独自の規格を作って、私どもはいまルール作りの中で指針をまた精緻化していくということでございまして、これは具体的にどのポイントというのはもう少し議論が進んでからということになるかと思いますけれども、やはりCO2の算定方法の部分ですね、これは例えばイギリスの方がやや規格をもっていろいろ議論していく中で、いままでの議論の中でもかなりこのISOのTC207というのはやはりヨーロッパ仕様になっているという部分が多ございますので、その辺の一つ一つのルール設定、例えばバウンダリの問題であるとか、あるいは先程のカットオフの問題であるとか、まだもう少し具体化していく中でおそらく業界としてのこういう部分が特にという話をもう少し国内対応委員会の場でも増やしていこうという具合に思っておりまして、やはり算定方法の部分ですね、まだLCAというのは必ずしも一つのものとして確立しているわけではございませんので、いろいろな国がどういうものを範囲として入れていくのか議論が尽きないというところがございまして、そういう中で業界の意見をしっかりと把握していきたいというところが、いまのまさに国内対応委員会の場で業界の意見を集約していきたいというところが今の状況でございます。

○ 安井座長
ありがとうございました。

○ 事務局
事務局からちょっと補足説明をさせていただければと思います。資料1-1の3ページの図を見ていただければと思うのですが、先程何人かの委員がおっしゃった何のために、どう使うのかというところで、本、CDがあまりいい事例ではなかったのでなかったという指摘もあったので、ちょっと補足説明をさせていただければと思います。まず本事業ですと例えば参照値ですとか、算定結果自身を商品に表示しようということでこの算定方法、ガイドラインを作ったのではなくて、むしろ政策目的に応じて数字をきちんと出すというのが重要だということでございましたので、エコポイントとかエコマーク、オフセットのマークを与えるときの規準ですとか、オフセットするときの数字をなるべく簡単に計算できるようにということで、様々な目的に応じて算定方法を選択していただけるような基礎となるような方法論を提供しようというのがそもそもの目的でございまして、それで図1を見ていただければと思うのですが、ライフサイクル全体の数字を表示するということではなくてライフサイクル全体の参照値といいますか、もし計算するのが大変であったらこういう数字があるので、これで全体でオフセットしたい人はしてください、あるいはエコマークをつけるときの基準にこういう数字も参考にしてください。エコポイントもいま現状ですと一部分の環境にやさしい取組を採り上げてポイントを与えるというのが多いので、例えばホテルの場合ですとアメニティを減らしたりリネンを減らしたりするので環境にやさしいホテルということになりますので、そこの部分で排出量がどれだけ減ったかというのを計算できるようにガイドラインなり参照値を提供しようということでございます。
なぜこの本と光ディスクなのかというのは最後のページに実は選んだ理由も含めて書いておるのですけれども、カーボン・オフセットにかなり注目を浴びて取組が進んでおりまして、日本で370件くらいの取組があるのですけれども、その主な取組が200件くらいがその商品・サービスに排出量のクレジットをつけるということになっておりまして、大きいものが自動車とか旅行とか、IT、サーバーとかパソコン関係になっています。それに一部ニーズの高い移動の排出量とかは既にガイドラインが提供さているのですけれども、次にニーズが高いといわれているのが本とか光ディスクの部分でございます。これは主に、商品を提供する、特にミュージシャンの方とか本を書く著作者の方とか作者の方が自分の出版物をオフセットして出したいというニーズが高いというように聞いておりまして、そのニーズに合わせてまずはこの2つを取り出していこうということでございます。
 それから、先程森口委員からも色々とご指摘あったのですけれども消費段階のテレビの排出ですとかは別途日常生活分科会の方で議論していますどういう風なところで排出量が多いのかというのを市民に対して情報提供していくというところでございますので、敢えてこのオフセットするとかエコポイントを与えるという観点では特に重要ではないのではないかということで、今回省略しているような形になっています。ですから、フットプリントのように本にCO2を何百グラムとつけるのではなくてオフセットしたい人、あるいはエコポイントを与えるときに光ディスプレイそういう商品が出るのかどうかはわかりませんけれども、エコマークをつけるあるいはエコポイントを与えるような光ディスクの商品にはどういう風な計算方法が良いのかというのでこれをお出ししているということでございます。以上です。

○ 安井座長
他にどなたかご意見ございますか。上妻先生どうぞ。

○ 上妻委員
計算方法、算定方法を確立するために、今回の2つの材料を使っておられるという話だったかと思うのですけれども、算定方法についてきちっとしたものをお作りになるということであれば、出来ればもう少し省庁間で連携をとって頂きたいと思います。なぜかというと、経済産業省のプロトコルでは原則的に一次データを使い、それが使えないときには二次データを使うという考え方だと思うのですけれども、今回のこの3段階方式と若干ずれているような気がします。どちらがいいとかということも含めて、少しこの辺も連携をとっていただければなと思います。それから、この2つの品目を選ばれたということがオフセットに絡めて需要が高いということなのですけれども、もともと日本は伝統的に企業の環境マネジメントが非常に進んでいて、企業の自助努力でかなり生産側からの環境対策が進んできたのだと思います。ところが、アメリカのように、そういうことが全く出来なかったところが、オフセットの技術を使って一種のgreenwashみたいなことをやってきたのですが、それについてはアメリカ国内でも非常に批判があります。また、EUの気候変動政策では2020年までに90年比20%削減するという目標を立てていますが、削減手段の20%までしかオフセット、CDMは使えないという制約を設けていますさらに、去年、イギリスのカーボントラスト社が、カーボンマネジメントの認証規格を作りましたが、この中では原則オフセットは禁止されています。フランスでも、ルクレールとカジノがカーボンラベルの実験を行っていますが、フランスでも食品に関するオフセットは禁止だと聞いています。オフセットによるニュートラル化は、削減努力をした後の最後の手段なのであって、それが万能であるような取り扱いは国際的な整合性の観点からは、著しく離れているように思うのです。ですから、算定方法について精緻化するためにこの2つの例を今回取り上げたということに異論は無いのですけれども、なぜこの見える化をやっているのかという目的を少し良く考えて、政策的な整合性をきちっと取りながらもう少し先に進めていかれたらいいのではないかという風に思います。以上です。

○ 安井座長
わかりました。それでは、辻本委員どうぞ。

○ 辻本委員
すいません。ちょっと3点ほどございまして、最初の1点は重なる部分もあるのですが、いま上妻先生がおっしゃったように目的何にするかのというところと絡む話なのですけれども、例えば今回算定方法の方で光ディスクの方で廃棄が非常に多いと、これ森口先生からもお話あったところと関連するところなのですけれども、例えばこれ廃棄ではなくリサイクルをするように勧めましょうとか、もしくはDVDを視聴される際に大画面では見なくてパーソナルテレビで見ましょうとか、よりCO2削減であるとかエネルギー使用量削減の方に消費者の方の行動として結びつけていけるような、何かそういうような目的で使える、使う方法というのも考えたほうがいいのかなと思います。いま使い方として具体的に示されているのは、エコポイント、エコマーク、オフセットこの3点ですので、いま申し上げたような点というのもあったほうがいいのかなという風に思います。
 それから2点目にいまの話とも絡むのですが、これを単純に参照値として数値を出していただいているところがあると思うのですけれども、これを単に表示をするということも認める。認める、認めないという問題ではないのかもしれないですが、そういうものもあってもいいのかなというふうに思います。参照値だけを表示してどうするのか、商品選択にはあまり関係ないのではないかというような話もあるのかなと思うのですけれども、同じ本同士を比較するという意味では、参照値が同じになりますので意味がないのですが、例えば余暇を楽しむという風に考えた際に、本と雑誌なのか、本とDVDを見るなのか、映画を見に行くなのか、こういうのがあった際にCO2があくまでも標準値としてでも表示をされていることによって、少しは行動の方に影響がでてきたりする可能性もあるのかなと。あと、それから我々カーボン・オフセットのプロバイダーの団体ですけれども、事業者さんのニーズとして単純に情報の表示をしていきたいとこういう話もありますので、そういうところもあったらいいのかなという風に思います。
 あと、3点目は非常に細かい話なのですけれども、本の方の算定のなかでいくつか、3パターンですね、雑誌A4版、書籍A5版、A6版と3つ算定の方法論というのが参照値出していただいているかと思うのですが、これに加えてステージごとに、たとえば印刷の段階、何が申し上げたいのかというとページあたり大体何kgのCO2であるとか、書籍の中身以外の部分で一冊あたり何kgとか、パーツごとの原単位的なものがあると、おそらく事業者さんとしては取り組みがしやすいと思うので、まるまった3パターンだけではなくてそういう原単位的なものもあるといいのじゃないかなと思います。以上です。

○ 安井座長
はい、ありがとうございました。あまり時間がないのですけど、短めに山本委員。それから君塚委員、私しゃべってないのですけど、以上。

○ 山本委員
先程、上妻委員から言われたカーボン・オフセットに関して、ちょっと私は反対の意見を持っていまして、私はカーボン・オフセットをやる意味はカーボン・オフセットを通じてお金を国内にまわすと、そして国内の排出削減をすすめるというための手段としてカーボン・オフセットでやるということであれば、どんどんカーボン・オフセットは進めるべきだという風に思っております。やはり、目的次第だと思いますので、基本的にオフセットは、私はどんどんやって出来る限り国内の排出削減が進むように持って行く一手段として活用していくべきだと思います。
 それから、あと一点、君塚室長にお伺いしたいのですけれども、ご説明された資料の3ページで事業者にとっての意義で自らの地球温暖化防止対策を消費者等にアピールというところなのですが、これはカーボンフットプリントのCO2を表示することのみならず、従来品よりもこれだけの対策を行ったとか、標準的なものよりもこれだけ削減を行ったというようなこともあわせてアピールをされるということなのでしょうか。ということで、以上です。

○ 君塚オブザーバ
今の山本委員のご質問にお答え致します。基本的にはカーボンフットプリントは、ライフサイクルのグラム数を表示するということでございますけれども、先程も指針の方でご説明致しましたけれども、追加的表示というところのCO2に関する追加表示という形で制度として認めているという状況でございまして、これは例えば削減率ですとか場合によったら標準値が設定されるなら、それとの比較というようなこともあろうかと思いますが、基本的には商品やサービスの客観的な数字、ただそれだけでは消費者にアピールという意味ではわかりづらい、不十分なところもあるので、一つはそういった追加表示を認めていくというところで、これはこれから色々なケースが出てくると思いますけれども、例えば削減率ですとか標準値との関係、消費者にわかりやすい削減につながるような表示もあわせて制度の中に入っているということでございまして、また、その内容については精査していくという形になろうかと思いますし、また実例も来年の試行事業を通じて増やしていくべきだと思います。
 それから私からは、先程上妻先生からもお話があった整合性を取るべきということで、また環境省さんも何度もそういうことをおっしゃっていただいたわけですけれども、これは表示をするかしないかということではなくて、もし国の認める商品やサービスのライフサイクルの排出量ということで使われるということであれば、やはり一元化するということが事業者、消費者にとってはわかりやすいということですね。それで、さきほどまさに私ご説明を聞いている中では、これはまさにカーボンフットプリントのPCRの考え方に沿って例えば5%のカットオフを全てそうしていただいているということで、これがまさに例えば環境省さんがこういった本やCDのカーボンフットプリントをむしろ環境省さんの行政の中で主体的に環境省さん自ら取り組まれて、業界に場合によっては働きかけながらカーボンフットプリントのPCRという形でご申請いただくということでまたそれを承認させていただく、これは承認はPCR委員会は省庁連携ですので承認させていただくというスキームであれば非常に一体化していくことだと思います。それで、先程上妻先生が考え方が若干違うのではないかとおっしゃったことがあるわけでございまして、一つは一次データを原則としつつ二次データを認めるということですね。ただそれが、基本的には一次データがとれないという前提をまずチェックをさせていただいて、それが無理な場合は二次データということで、つまり全ての事業者、業界の方に取り組めるような内容になっております。これは非常にカーボンフットプリントがすごい高度で、なかなか皆さん取り組めないというようなイメージを持たれているのですが、そうではないのであり、かつもし仮にそういう要素があるのでしたらまさに試行事業の中で精査していくべきだと思います。一方で、消費者に信頼性の高い数字を出す必要がありますので、そういう意味では正確なデータを取るということと、かつ負担が無くといいますか事業者に取り組めるような、一見トレードオフの両者の整合性を取る形の制度としていきたいということで、そのご相談をしていきたいと思いますし、いま私が申し上げたような本とかCDの取組が、そういう意味でカーボンフットプリントと整合性を取っていただくという形であれば宜しいのかという具合に思います。

○ 安井座長
はい、ありがとうございました。それでは最後に今の議論まとめるというわけではございませんが、ちょっと追加をさせて頂きたいと思います。ひとつLCAのやり方として、先程森口委員がおっしゃったようにこれが公的な資料として出て行く場合には、やはりかなり注意をして出して頂きたいというのがひとつございます。有効数字の件なんかもそうなのですが、例えば紙のライフサイクルステージのGHGの排出量イコール電力消費量かける排出係数、それから化石燃料使用量かけるどうのこうのというこれだけではだめなのは明らかなのですよね。紙の場合には、炭酸カルシウムという別のCO2というのを持っているわけです。ですからそういうところまで、ちゃんと注意してやって頂きたい。もう少し勉強してください。
それから、あと本とかDVDをやることの意義でございますけれども、私はそれほど意義が無くは無いなと思っていましてですね、これらいずれも情報というものを自分が獲得する手段ですよね。手段であれば色々な手段というものを社会的横断的に見ていくという風にやっぱりそれぞれ個々に作らなければ、それはやっぱりそっちの方がいいかということが見られない、そのためには一つずつやるのもひとつかなと、というそのぐらいの観点でいいのかなというのも一つは思っております。例えば本も全部印刷をしたものを買うのではなくて、本当にオーダーでプリントして購入するという方法にそのうちなってくるような気がするのですが、そういった形の中でベースのデータを作っておく。光ディスクも買うのか、そうじゃなくてインターネットでダウンロードして見るのか、その辺も色々ありますから、そういういろいろな方法の一つのやり方としてサービスの提供の一つのやり方として見ておくという方法論。要するにこの間も申し上げたのですけれども、同じサービスを、ものを変えて提供されていくことを想定するためには少し感覚的に植えつけるためにはこういうデータもないとだめかなという気がしております。それぞれについても若干効果があると思っています。
容リ法で容器・包装っていうのは少ないほうがいいと決まっているんですが、従いまして色々とリサイクルする云々があったのですが、決定的に変わったのはやっぱり容器が軽くなったことなのですよ。これはペットボトルだと重さ半分になりましたよね。ですから、まあそれはコストの面も色々あるわけでございますが、例えば光ディスクのケースは実を言うと容リ法に引っかかってないのですよ。あれは本体なのですよ。だけど、我々から見るとあれはなんで容リ法に入らないんだくらいにちょっと思っているのだけれども、ああいったものの簡易包装化みたいなものをいまの現状の容リ法のスキームで進めるにはやっぱりこういうのが一つの方法かなと思いますね。本の方も似たりよったりなところが無きにしも非ずで、何でもかんでも物凄く重い特効紙だらけの雑誌がいいのかどうかあたりを少し反省していただくとかですね、大体重さで決まりますからね。そういうようなことも含めて重くすればそれは輸送にも関るし、そんなこともありますから全く意味がないわけではないなというような感じがしております。
 最後に整合性でございますが、方法論の整合性に関しまして、実を言いますと経産省が言っておられる一次データ、二次データあたりの方がLCA屋にとってはわかりやすいです。これにどのように用途別の、例えば環境省的なものはやはりエコポイント、あるいはこれが自己主張型だから、何をどういう風に考えるかということで使い方に関しても、PCRにどのように反映すべきかというのは是非ちゃんと案を作って、それで整合性のある案といいますか、式をお作りいただければと思う次第でございます。というようなところで、宜しゅうございましょうか。
 だいぶ時間が押しておりますが、次に行かせて頂きたいと思います。本日はオブザーバということで、議題の2でございますけれども、リアルタイム見える化の話でいくつか例が出ているということでございますので、それでは日本自動車工業会の方からお越しいただいておりますので、ご発表いただきたいと思います。宜しくお願い致します。

○ 小竹オブザーバ
自動車工業会の小竹といいます。よろしくお願い致します。われわれエコドライブツールということで、燃費計について今回ご紹介させていただきます。
 まず、それについてのわれわれのスタンスということですけど、われわれ自工会、それから加盟メーカー各社は、エコドライブにもちろん推進に賛同して、その普及に努めているということで、燃費計の装着というのもかなりがんばっているのですけれど、PR活動としても4省庁のエコドライブ推進協議会というところで、団体として加盟して色々モーターショーとかエコライフフェアといったイベントでPR活動、それから雑誌、広告などでも積極的にやっております。その理由としては、ご存知の通りCO2が削減できること。それからそのためのコストがかからない。燃費計にしても数千円くらいでつけられますので、そういうこともあります。当然今の経済状況ですから燃料代も節約できるということで、実施することで10%や20%は削減することが可能です。次に燃費計のいろいろ資料についてご紹介をいたします。①の平均燃費計ということで、左面になりますけど、走行時の平均燃費を表示するということで、ある区間を走った場合の平均燃費を表示できます。それから瞬間燃費計ということで、リアルタイムにデジタルに表示できると。メリットとしてはエコドライブの定量的効果がわかるということで、エコドライブをやったときの張り合い、目安になる、デメリットとしてはやはり意識して使わないと実際に効果が無いので、これはエコドライブのやり方までは教えてくれないということです。
 それから、次③エコインジケータ、④エコランプということでこれは燃費計、燃費の状況ですね、表示ということで瞬間の燃費表示になりますけど、データであったりランプであったりしてそれを知らせるということで、これはメリットとしては自然に目に入って、エコドライブを意識することが出来ます。デメリットとしては、エコドライブ効果、数値表示でないため効果がわからないということがあります。次に、ナビの燃費計ということで、これはカーナビの画面に燃費を表示することが出来ます。これは平均燃費、瞬間燃費両方表示できるわけでして、ここはナビが付いていれば大体付いている。デメリットとしては、燃費計を表示させるための操作がやはり必要になってくるということです。
 次は、かなり進化したエコドライブ関連製品ということなのですけど、これはティーチングと運転制御ができるということで、エコドライブの表示もさながらそういう状況を、例えば一番上がアンビエントメーターというのですが、60と書いてありますけれども今どういうドライブの状況になっているかというのも、その下にもecoガイドというのもありますけど、そちらでも情報で表示ということになります。それからエコアシストということで、実際にボタンを押すとエアコンとかの制御状態、それから車のパワー志向からエコドライブなんかはあまりパワーを出さないとか、アイドリングストップの制御などハード的にサポートする機構も付いています。最終的にはアドバイスということで、後でこういうところが良かった、悪かったみたいなところまで情報として、そういうことでかなりエコドライブに役立つ様々な情報が網羅されているというのがメリットでして、デメリットとしてはかなり大幅な燃費改善を狙った新しい技術なのですけれども、まだ1車種ですね、ホンダのインサイトにしか付いていません。ということで、これを使ってどれだけ多く変わったかという検証もまだそんなに十分出来ていないという話があります。
 次に、エコドライブツールの普及現状ということなのですが、いまある新車で販売されている乗用車のうちの73%の車種にドライブツールが搭載されています。車種というか車名として考えていただければ結構です。それで、すでに全車種に搭載すると宣言したメーカーもありますし、いま急速に普及が進んでおりますので、2年前に同じような調査をしたのですけれどそのときは大体50%くらいだったのですけれど、いま70%強ということでかなりユーザーの関心も高まっていると思いますし、これからどんどん普及が進むということが予想されます。
 次に4として、エコドライブツールの認定の課題についてですけれども、これはグリーン購入法の適用の話なのですけれども、このエコドライブツールは便利でありますけれども、必要条件でも十分条件でもないということで、極端な話このツールを活用しなくてもエコドライブは出来るという状況です。それから今ご紹介しましたようにいろいろなタイプがありますので、どれが良い悪いというなかなか優劣がつきづらいということです。そういうことでタイプを絞るということも難しいと。いま急速に先程ご紹介しましたとおり普及中ですので、装着車種の把握も難しいところもあります。
 最後まとめになりますが、色々なタイプがあるというお話ですね。われわれはこの燃費計の普及に積極的に取り組んできて、今後も普及が進みますと。しかしながら、エコドライブの実施はドライバーにあくまでも委ねられていると。グリーン購入法に関しましては、そういった面もありますので、われわれとしては配慮項目にすることが適当じゃないかという風に思っています。以上、ありがとうございました。

○ 安井座長
はい、ありがとうございました。それでは続きまして、東芝キャリアさんからエアコンにおけるリアルタイム見える化の話を頂きたいと思います。

○ 長澤オブザーバ
東芝キャリアの長澤と申します。宜しくお願いします。今日は工業会の代表ではなく、一メーカーとしての代表としてお話申し上げますので、後半若干コマーシャルめいた話が入っておりますのでお許し下さい。
 家庭用エアコン、いま年間750万台の市場でございまして、その中の壁掛けエアコンについてお話を申し上げていきます。世帯あたりのエネルギー用途ですけれども、これはガスを除いて府県別のエネルギーでございまして、家庭の中で消費される中で、冷房と暖房が一番多いという中身でございまして、28%を占める。ここをどうやって電力消費能力を下げるかというところに大きなポイントがございます。そこで、われわれ実は2001年から大清快という機種で、PDRという高級機種の壁掛けのエアコンなのですけれども、リモコンで教えてボタンというのを2001年に搭載いたしました。もちろん運転時間と使った電気代が停止時にわかると、あとお部屋の温度と外の温度がわかる、お部屋の湿度がわかる、こういうような取組をしてまいりました。次の段階としまして、われわれエアコンの消費電力料金と消費電力、これを検証をしないといけないだろうと常々考えていました。ただCO2排出量も考えなければいけないだろうと並行で考えておったんですけれども、ユーザーさんに直接訴えかけられるものはなにかと常々考えてきて、今回の商品化にたどり着いております。
これの内容について電気代のお知らせはエネルギーの抑制は、電気代のお知らせはエアコン使用後のお知らせであり、エネルギー抑制は期待薄という判断をいたしました。エアコンを使って停止時に電気代をお知らせすると、あるいは運転し始めからいまこの段階でどのくらいこれを使ったかというような表示でございまして、やはりリアルタイムに消費電力を示さないとお客様に先程のエコドライブではないですけれども、お知らせしないと使い方の方の啓発にならないだろうということで、本体表示に踏み切った次第です。本体にエネルギーモニターという形でワット表示を今年のPDR機種というシリーズで搭載をしました。本体の右中間にワット表示をしております。従いまして、だんだん、もちろんエアコンですので使い始めはエネルギーが多くかかって安定時にだんだんエネルギーが減っていくというような形で表示をしております。従いまして、これからどういうような使い方が起きるかということを想定して、電気代を表示するという形にしました。このエネルギーモニターを搭載してどういうような省エネの使い方の目的になるかというところなのですけれども、例えばですけれども、例えばカーテンを閉めると冬場消費電力の量が小さくなり、省エネ運転に気づく。これ夏も冬もですね。あるいは扉が開くと消費電力量が急に大きくなり無駄な運転に気づくと。トイレ行ったときに戸を閉めてくださいとうことです。温度を弱めに、要するに設定温度を下げたり上げたりすることによって、消費電力がつぶさに小さくなったりすることがわかります。それで消費電力に気づくというところで、ワット表示というところがユーザーさんにわかるかどうかが非常に社内で論議になったのですけれども、踏み切った次第でございます。その本体ですけれども、どのような表示になるかということで、その本体表示をこのように示しておりまして、実はワット表示だけではユーザーさんにわかりえない場合もあるというところで、リモコンによって選ぶことが出来ます。積算電気代、あるいはパワーモニター、デュアル動画はお遊びでございますけれどもそれと消費電力表示。これを切り替えによって選ぶことができます。いままで、消費者の反応を見ますとワット表示が非常にいいというお客様とワット表示がわかりにくくて電気代に切り替えたというお客様、今のところ両方の声がございます。
 もちろん、省エネを参加してもらって消費者に省エネ運転をしてもらうというのもあるのですけれども、われわれはやはり基本部分である省エネ施策を色々テクニカルに打ってございます。細かい説明は今回しませんけれども、このような3つ4つの細工をしています。一点だけコマーシャルをさせていただきます。コンプレッサーですね、実はエアコンの心臓部でございまして、われわれはツインロータリーコンプレッサーと言いまして、シリンダーが二つございます。これをですねシリンダーを二つと一つと切り替えることによって一番効率のいいカーブを描くことが出来るようにしました。これは業界初でございまして、車でも六気筒エンジンと三気筒エンジンを切り替える、お休み運転が出来るようなものがございます。それと同様にわれわれも、ロータリーコンプレッサー、シリンダーを切り替える方式で効率のいいカーブを描くことができます。特に、これから高気密、高断熱住宅になりまして、小負荷側、低負荷側の効率を上げるということがかなりの命題でございまして、これを今回のデュアルポンプというもので搭載致しまして、消費電力を下げようという取組をしております。
 結果、省エネ大賞をいただきまして今年の夏場のシーズンの大きな原動力になるというように思っております。以上でございます。

○ 安井座長
はい、ありがとうございました。ご質問、今日はちょっと後にしていただきまして、2番目になりますけれども今回お願い致しましたのも、グリーン購入法との関係をどう考えるかということでございますので、環境省の環境経済課の原田課長補佐から若干のグリーン購入法のご説明をいただきます。

○ 原田課長補佐
はい、それでは資料4をご覧下さい。グリーン購入法は平成12年に制定された法律でございまして、循環関連の5法案と同時に成立をされてございます。環境負荷の提言に資する物品や役務、サービスなどについて国等の公共部門における調達を推進し、マーケットにも連絡をして市場の転換を図っていこうという考え方で、先程他の5法案と一緒にという話をさせていただいたとおり、当初はリサイクル製品をいかにうまく定着をさせていくかというところを念頭に作られた法案でございます。
 実際に左側中段を見て頂きたいですが、国等における調達の推進というところがございますが、基本方針というものを策定いたしまして、この基本方針の中に普及活動の推進に当っての基本的な考え方、それからルールを定めてきちんと各所に実施をしていただくために特定調達品目というものを定めまして、実施をしているということでございます。
 訂正をして頂きたいのですが、平成21年2月に閣議決定を行いまして、現在19分野、246品目において取組を進めております。この基本方針に従いまして国等の各機関、調達方針を、毎年度作成をしていただきまして、公表をする。その調達方針に従って、実施をし、結果についても公表をするという仕組みをとってございますので、非常高い支持率を保っている法律でございます。3つ目に移っていただきまして、第10条になりますが、地方公共団体、独立行政法人等についても国に準じた取組をしていただく努力義務がございます。同時に、環境物品等の情報の提供についても下の段にありますが、規定をしてございます。
 2ページ目以降になりますが、基本方針の抜粋をお持ちしてござます。本日紹介があったエアコンディショナー等については、現在のところ効率について規定をさせていただいてございます。その他ノンフロンであるとかそういう点にも配慮してございます。
 それから12ページになりますが、自動車計については排ガス規制及び燃費について基準を設け、普及の推進を図っていこうと。先程、自動車のところで紹介がございましたが、このグリーン購入法、判断の基準と呼ばれる守るべき義務とそれから出来るだけ努めて頂きたいということで設定をさせていただいている配慮項目の2つの基準に分けて、事業者の取組を推進させながら少しずつ技術の向上に合わせて基準を見直してございます。本日ご提案のあった内容についても、きちんと効果が上がるのであれば検討を行って取り組んで普及させていきたいと考えてございます。説明は以上です。

○ 安井座長
はい、ありがとうございました。若干のご質問いただける時間がございますが、どなたかございますでしょうか。はい、山本先生。

○ 山本委員
自工会の方にお伺いしたいのですけど、エコドライブツールのなかでティーチングと運転制御ツールというのは大体いくらくらいなのかということと、後付、最初に純正で付いてなくて後付というのが可能なのかと、それと最近リース会社がカーボン・オフセットとかでユーザーが運転しているときの排出量をオフセットするというようなことのサービスを行ってますが、そういうリース会社へのエコドライブツールの装着状況はどういう状況なのかということがわかれば教えて頂きたいと思います。

○ 小竹オブザーバ
さっきのイーコンモードのティーチング機能ということなのですけれども、これホンダのインサイトという新しいハイブリッドに付いているってことなので、私は知りませんけれども、企業秘密なので教えてくれないのじゃないかと思います。わかりません。それから、普通の燃費計の後付というのは当然あるのですけれども、これの後付は当然無くてですね、後付もちょっと今価格はわかりません。あとリース会社でどのくらい付いていついているかということなのですけれども、これもちょっと調査した結果が無いので、大変申し訳ないのですけれども、わからない状況です。

○ 安井座長
結構ガソリンの消費量測るのは難しくて、後付は無理ですね。実際にはどのくらい一滴一滴を叩き込んだかを読んでるみたいですけれど。
 ちょっとこれはいま私の個人的な意見なので、ちょっとお聞き頂きたいと思いますけれども、リアルタイムにはドライブツールというよりグリーン購入法的にみるとやはり燃費計みたいな形になると思っているのですね。燃費計はドライバーが確かに使うか使わないかはもちろんそうなのですけれど、一応それが参照になるのでないか。燃費計が瞬間型、ほんとにその瞬間と積分して平均的に出すものがありますが、いまある機種だと私の車のプリウスあたりだと各5分の積分値が出てきていくというのはなかなか良くできているなと思います。それに加えて、あれはガソリンを入れるとリセットされちゃう仕組みになっている。長期の積分型と、もし家庭用のエアコンなんかであれば、1日とか1ヶ月の消費電力が出るのがいいのかなと。それと車であればさらにエンジンオンしてからオフにするまで間の燃費みたいな格好でやはり、積分平均型というのも色々お考えを頂きたいなと思う次第でございます。森口委員。

○ 森口委員
エコドライブの方に話が集中してますが、私もそこに関して質問というよりコメントなのですが、今、安井先生おっしゃったこととほぼ同じなのですが、ガイダンスのツールというよりはまず燃費計、確かにどう意識して使わないと効果がないとか、どうすれば教えてくれないというのは確かにそのとおりなのですが、やはりあればかなり意識すると思いますし、それの効果というのは非常に大きいと考えております。必要条件でも十分条件でも厳密には無いかもしれませんが、かなり必要条件で、かなり十分条件ではないかなと思いますので、やはり燃費計を標準的につける方向に進めばましになるのではないかと考えております。
 ただ、グリーン購入法の判断基準とするかどうかは別の意味でちょっと微妙かなと思っていまして、付けた結果、実は例えばカタログ燃費と非常に乖離が大きいものであったというようなことがわかった場合には、それがやはり対象品目にあがっているのは変だなということになるわけです。そういうデータを積み重ねる意味でも、燃費計を付けていくというのは大事だと思いますし、やはり現在のいわゆるカタログ燃費と実燃費の間のかなり乖離があることって車種によって相当乖離の仕方に違いがあるというのは私共でも研究しておりますので、そういった意味でも実態把握、実燃費の登場というのがやはり最終的な目標かと思いますので、そういう意味で普及はして頂きたい。但し、付いているだけで対象品目とするかどうかということについては、別の面から慎重にお考え頂いたほうがいいかなと思います。

○ 安井座長
はい、そのように考えて頂きたいと思います、というお答えがこれからあると思いますが。いまの実燃費とカタログ燃費の乖離が大きいということに関しましては国土交通省さんなにかございますか、特にございませんか、ご発言。特にございませんか。燃費基準も間もなく変わって、少しコールドのデータも入ってきますから少しずつは良くはなるかとは思いますが。
 何か他にございませんでしょうか。宜しければそれでは大体、本日の議事はこれで終わったようでございます。特に今の件でございますが、グリーン購入法の位置付けに関しましてはこれから検討して頂きたいと思います。宜しくお願いします。
 それでは、事務局にマイクをお返しして連絡事項等ございましたら、お願いします。

○ 事務局
最初に、自工会のネームプレートが魚住様になっていましたが、小竹様の誤りでございまして、どうもすみませんでした。
 本日の議事概要につきましては、事務局で取り纏め数日中に委員の皆様に配布して確認していただければと思います。1週間くらいで環境省のホームページに掲載する予定でございますので、ご協力のほどお願いします。1週間過ぎてもご意見あれば順次反映させていただきますので、宜しくお願いします。次回の検討会でございますが、いろいろ関係省庁調整の件もございますので、改めてご連絡させていただければと思います。それでは、座長、宜しくお願いいたします。

○ 安井座長
それではこれにて閉会とさせて頂きたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

以上