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温室効果ガス「見える化」推進戦略会議(第3回)
議事要旨


1.開会

環境省から挨拶、資料の確認が行われた。

2.議事

(1)議題1 日常生活からの温室効果ガス排出量の「見える化」について

環境省から資料1〜資料3に基づき説明が行われた。

(質疑)

-環境家計簿について-
  • 環境家計簿では大枠の排出量を把握できるが、数字だけを見てライフスタイルを変えるのは難しい。最終的にどういうライフスタイルにするかというメッセージ性を込めるなら、輸入品や露地物との違いなどの情報(レベル0)は定性的なマークと併用するのもよい(一方井委員)。
  • お金を使わなければCO2の排出は少ないため、最終的に「お金を使わなければいい」という議論になるのは問題。どういうライフスタイルを提案していきたいかというメッセージが必要。環境家計簿の詳細さを求めるより、資料3のp.2(3)の特に[1]などを実施するほうが建設的(稲葉委員)。
  • 資料1の4つの環境家計簿に共通のデータを入力した際の結果の違いを出してほしい。排出原単位などに違いがでるため踏み込んだ議論ができる(伊坪委員)。
  • 生活のCO2の見える化は、日常生活よりも転居や建替えなどライフイベントの際の削減方法のほうが効果が大きいのではないか。毎日の生活という短期的な面と、一生の生活としてどういう方向性を目指すのかという観点も必要(稲葉委員)。
  • 環境家計簿は物流量と金額と両方の入力項目を考慮できるフォーマットを想定してほしい。(伊坪委員)。
-3EIDに基づいた排出量の算定について-
  • 資料2の最後にある環境家計簿の大きな分類は、どの産地でも果物は一律に同じ排出量になるという考え方になるが、資料2の表1の横表に「国産輸入」という記載があるように、3EIDでは輸入されたものについても標準値が与えられる。海外からの輸入品と国内のものと比較しCO2排出量が多いものについては、環境家計簿では区分を変えることもあり得る。(馬場課長補佐)
  • カーボンフットプリントのような、例えば同じ果物の中でも差別化していくことと、家電と果物の購入それぞれの排出量の寄与度との違いを知ることとは、分けて考えたほうがよい。資料2は後者であり、果物の違いについて意図していないと割り切っていただいたほうがよい(森口委員)。
  • 資料3のp.2(3)は重要だが、実際に実施する場合のポイントとして、例えば省エネ機器の導入、リフォーム、3Rの導入などについて、マテリアルリサイクルするのか、ケミカルリサイクルするのかといった点についても見える化するのかということと、または省エネ機器を購入したことによる効果は個別の議論になる。今回の例示は、平均的なデータを用いた際の一時的な環境負荷を計算するものであって、個別の議論は、一つ一つ取り上げてリファレンスと効果の両者を得て計算していかざるを得ない点にギャップがある。このような議論を診断ツールにどのように導入していくのか、かなり詳細な厳しい議論が必要になるため、その点についてあらかじめ検討していく必要がある(伊坪委員)。
  • 3EIDの計算では、日々の家計支出は全排出量の50%を占めており、一方家を建てるCO2排出量は日本の排出量の1割に満たない事になる。しかし、日々の生活のお金の使い方よりも、家を建てる際のお金の使い方はランニングエネルギーを圧倒的に変える影響はある。このため、家の購入などの30年単位、ボーナス時に大型消費財を買う時、月々の購入という3種類に分けた情報提供が考えられる(森口委員)。
  • 家電製品購入後に、削減行動を促すためには、例えばクーラーがどの程度削減効果があるかといった関連性を示すとよい。家庭における電力のウエイトが高いのであれば、省エネ製品を購入しなければいけないという情報提供も重要(山本委員)。
  • 消費者の直接エネルギー消費に関する情報提供が足りないという見える化以前の問題は別途議論がある。ここでの議論はCO2は大なり小なり排出されることは認めた上で、大雑把に見ればお金の使い方によってCO2排出量の差があるという情報提供が必要(森口委員)。
  • 省エネ機器の導入やリフォームなどお金がかかる事に対して「お金を使うな」というメッセージを提供することはできないが、一方で機器導入費用はかかるが他方でエネルギー費用が下がるというライフサイクルコストのような議論をしなければならない(安井座長)。

(2) 議題2 事業者の提供する商品・サービスに関する「見える化」について

環境省から資料4〜資料5に基づき説明が行われた。

(質疑)

-分科会での検討対象について-
  • スーパーや百貨店での冷房の使用については、生産工場を出た後の流通に関わる部分とを別立てにすることで、売り方の工夫により排出量を差別化していくことも考えられる(森口委員)。
  • 原単位kg/万円とあるものは3EIDの中での項目の選択の話。実際の使用量は事業者のサービス側として冷房の使用量などを出してもらうことになり、3EIDとは別の議論になる(安井座長)。
  • 資料5(2)は、4類型に区分されているが、使用段階でエネルギーが使用されるものは衣類や商品などとひとくくりにせず、乗用車や電機製品などは別立てとして考える必要がある。排出量の量的な寄与度は分けて、丁寧に議論する必要がある(森口委員)。
  • 見える化の目標は消費行動を変えることにあるため、消費する際に何を選択すればよいのかという選択肢について検討する場が必要(麹谷委員)。
  • 実際の計算において、モニタリングはコストがかからず精度が高い手法を検討してほしい(山本委員)。
  • 家計の中でお金を支出する順番を根拠とすることに違和感がある。どのようなものであれば消費者がCO2に気づくかという観点で見える化を実施すべき(稲葉委員)。
  • 検討会全体の議論が、計算方法や数字を出す側の議論が中心になっている。積み上げ方式も産業連関表も理論的には大きな違いはないため、その違いをここで議論するのは生産的ではない(森口委員)。
  • 消費者が何を見たいかという当事者の議論が欠けている。お金の使い方を工夫しCO2削減につなげる事は意義があるものの限界がある。よって、事業者による削減ポテンシャルがある部分を見える化することで、消費者が事業者に省エネ製品を作ってほしいという働きかるツール・接点を求めていくべきではないか(森口委員)。
  • 炭素税や排出量取引などが導入されれば、生産する際により合理的なものを選択するようになり、消費者もより炭素税がかからないようガソリンの使用を減らすなどの効果がでてくる。よって将来必要な施策が構築されれば見える化も見直す必要がでてくる(一方井委員)。
  • CO2の見える化の議論からはずれるかもしれないが、どう選択する事が得かという費用についての補足情報も消費者の求めるものだろう(一方井委員)。
  • ライフサイクルコスティングのような話は、車では簡易だが冷蔵庫やテレビなど劣化するものについては難しい(安井座長)。
  • 運輸部門については、交通分野での排出量を見える化することはよいが、目標達成計画以上の削減努力に向かわせる事について、方向性を明確にしていただきたい(国交省)。
  • 見える化により消費者の意識を変え、更に事業者の意識が同様の方向に向かい、消費者にフィードバックされるというループを作るという目的は明確(安井座長)。
  • 何を買うかに加え、郊外型ショッピングセンターなどどこで買うかという、お金と時間の使い方という切り口が考えられる(森口委員)。
-レベル1〜3の算定について-
  • レベル1〜3を一緒に実施するのは基本的に反対。産業連関表のデータは扱いやすいものの、他人に説明するのは難しい。一方、プロセスを積み上げるという概念は、数え方は一つの方法だけれども、場合によっては落差があるという説明ができる。そもそも数え方が違うというのは反対(稲葉委員)。
  • メニューでカレーと肉じゃがを比較して消費者のCO2抑制を事業者が誘導するとは思えない。むしろ、材料の調達の際、旬のものを調理し使うことについて表示するほうが事業者が使いやすい(農水省)。
  • CO2だけではなく、GHGを含める場合、メタンの影響でランキングが変化する。排出量が多い重要項目を抜き出すのであれば、CO2換算にしたほうが説明しやすい(伊坪委員)。
  • エネルギー起源CO2が9割を占めることを考えると、主眼はCO2の見える化によるエネルギー削減ではないか(山本委員)。
  • 原則として、温室効果ガスも含むべきだが、実際のデータは環境省のガイドラインにある原単位を使うしかなく、現段階では難しいだろう(齋藤委員)。
-カーボンフットプリントとの関係について-
  • 経産省のカーボンフットプリントと区別するために、店頭で販売し消費に回るものと、使用で負荷がかかるものとの議論を分けたほうがよい。経産省のカーボンフットプリントと環境省の分科会の連携をうまくやらないと、企業も消費者も困ることになる(須田委員)。
  • 前回は、産業連関表を用いたおおよその排出量の表示かと思っていたが、LCA的な各企業間の差別化を行う場合、経産省との違いについて明確にしてほしい(経産省)。

(3) 議題3分科会の設置について

-カーボン・オフセットとの関係について-
  • カーボン・オフセットについてWGで議論する具体的内容について説明がほしい(稲葉委員)。
  • 商品・サービスについては、オフセットの要素が強いため、オフセット事業者を加えてほしい。また、事業者が購入したものを商品にどのようにアロケーションするのか、オフセットと見える化との関係についても検討項目に入れてほしい(稲葉委員)。
  • オフセットするための植林や自然エネルギーの使用について、間伐やバイオマス発電でのエネルギーを消費する点も含めて削減効果をネットで出すことをガイドラインに含めることを想像していた。これを含めるとテーマとして重いため、検討方針が聞きたい(伊坪委員)。
  • イベントに関わる部分が今回は抜けているが、算定の対象にならないのか。イベントは移動を含む場合、特に航空関係の割合が大きいため、今回の結果を元にイベントの排出量が小さいと結論付けるのは早い。また、大人数が一同に集まり環境情報を共有するため、環境効果・意識啓発として重要なメリットがある(伊坪委員)。
-排出量の算定について-
  • 2つの分科会で算定を一律に行い実施レベルにできるかが心配。原単位を求めるには時間がかかるため、レベル3については、算定作業を考慮した上で項目をピックアップせざるを得ない。よって、サーベイや他省庁の情報を事前に調べ、網羅性を持った上で、抜け落ちたものを重点的に調査することを検討いただきたい(伊坪委員)。
  • 経産省の話にもあったように、分科会は各省の連携でかぶりのないようお願いしたい(農水省)
-分科会メンバーについて-
メンバーは座長一任とさせていただく(安井座長)。

以上