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■議事録一覧■

持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン検討会(第6回)
議事要旨(案)


1.日時

平成19年2月28日(木)10:00〜12:30

2.場所

東海大学校友会間 富士の間

3.出席者
(委員)
廣野座長、鮎川委員、鵜野委員、竹内委員、堤委員、中川委員、浜中委員、俣野委員、宮城委員
(環境省)
石野大臣官房審議官、後藤総合政策局総務課長、出江総合環境政策局環境教育推進室長他
検討会は公開で行われた。
事務局から資料1「環境人材育成ワークショップ報告」、資料2「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン(案)」、資料3「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン(概要)」、参考資料1「平成20年度環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業」を説明した。
主に、以下のような議論があった。
  • 農薬散布がもたらす環境や健康への悪影響を低減させるには、有機農業を推進することが必要で、そのためには日本国内で啓蒙活動を強化する必要がある。こうした分野で大学教育が果たす役割は大きい。
  • 農薬管理や有機農業といった例で言えば、こうした課題を取り上げる講座やプログラムを作り上げていくことが必要である。
  • アジアの環境劣化や貧困といった現状とそうした課題に対する政策や教育のギャップが存在することや、そうしたギャップを克服することが優先課題であるということをビジョン案の中でもう少し強調してはどうか。
  • 途上国では、身近な環境問題に対して関心はあるものの地球環境問題といった課題に対しては意識が薄い傾向がある。また、資源の枯渇やキャパシティ・ビルディング/能力開発といった課題に関する施策を強化する必要がある。
  • 日本の中で教育・人材育成を国際的な視点で進めていくにあたっては、語学の取り扱いは戦略的考察を要する。
  • メコン川流域管理など、越境型環境管理政策や島嶼国向けの政策などを地形的類似性で取り上げるなど、国レベルだけでなく、小地域や国内地域などに着目し、環境政策や人材育成を検討することが必要である。
  • 発展段階に関わらず共通する素養として、環境倫理といった項目をあげ、日本が貢献しうる分野を強調してはどうか。
  • 環境人材の定義が多義的で、その内容を整理して表現してはどうか。
  • 環境教育とESDの違いをもう少し明確に表現し、それらの取り組みの発展に言及してはどうか。
  • ESDは持続可能な開発に関する教育ではなく、持続可能な開発のための教育であるという点からしても、知識の体得だけではなく、動機付けや問題解決能力の育成などが重要となることになることを明示してはどうか。
  • 企業内教育において、環境教育が取り上げられるようになってきている一方で、その内容は第一次産業、製造業やサービス産業により特徴があることから、そうした点についても現状に関する記述の関連で言及してはどうか。
  • CSRに取り組んでいる企業との連携について言及を加えてはどうか。企業や大学を繋いでいくことが重要で、事業の発展を目指す中小企業側にある可能性を模索すべきではないか。
  • CSRについては、真摯な企業努力に基づくものか、企業イメージの向上だけなのかといった点に留意する必要がある。
  • 環境に関するODAを出すことが新規案件として平成20年度予算案で15億円が提案されており、環境人材育成分野も有力な案件形成素材になるのではないか。その意味では、環境に特化した大学をアジア途上国に設置するようなことも考えうるのではないか。
  • 現在の日本のODAは要請主義に基づいており、先方からプロジェクト案が提出されないと実施できないといった現状や、日本において流動可能性を持っている人材が手薄であるといった日本のシステム上の制約が、環境ODAの枠の活用を妨げている要因になっていないか。
  • コンソーシアムの中に国際機関をメンバー候補として考える可能性を明示してはどうか。
  • 退職者・シニアの人材の活用の可能性を示唆することが有効である。
  • アジアにおいては、気候変動への適応の問題など、環境を越えた分野が政策課題として掲げられており、その意味で人材開発の幅を広げて考えることは必要ではないか。
  • 提案されているコンソーシアムは、現段階では東京に事務局をおき、大学や企業との連携促進を支援する組織を想定しているが、重要なのは、そうした組織を連携のためのプラットフォームとして立ち上げ、動かしていくことの意義に着目することで、長期的な発展を支援していくことである。
  • 環境ビジネスは、環境を守るというよりは、新たなものを作り出すということが重要で、金融機関による理解が重要である。また、初期の段階では経費節減にはつながらないが、それは信頼おける事業を作り出す差別化戦略として位置づけるべき。短期的な収益ではなく、長期的な持続可能性を企業が目指すにあたっては、金融業会の理解、さらには、一層の投資が強く求められる。
  • コンソーシアムという言葉はなじみにくく、プラットフォームといったようなより受け入れやすい語感のある言葉を利用することがよいのではないか。
  • 環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業では、大学からの提案しか受け入れられないような公募になっているが、将来的には、NPOなど大学以外の団体が提案できるような公募形態が検討されることを期待したい。
  • 環境や持続可能性の課題を、大学における金融に関する講座に取り込んでいく必要がある。
  • Adaptation(適応)やResilient Society(対応力ある社会)といった課題には、環境戦略立国にある低炭素社会・循環型社会・自然共生社会といった概念を超える要素が含まれている。途上国における問題の改善と開発を考えた場合、「適応」を考慮することが重要ではないか。
  • 今年4月からアセアン・プラス3の13カ国で、今年4月から環境問題に関する研究会が立ち上げられ、会合が開催されることになっており、この環境人材育成ビジョンの内容をアセアン・プラス3で取り上げていく可能性がありうる。その意味では、コンソーシアムについてはアジア地域を視野に入れ、発展させていくことを検討する必要があるのではないか。
  • アジアの大学の拡大といったような形ではなく、新規の大学を設立するといったような提案を含めてはどうか。
  • 日本はストック・備蓄資源大国であり、また、高いフードマイルに支えられているという現状に留意する必要があるのではないか。
  • ESDの実践事例について、学びあえる場を設けてはどうか。
  • 今年4月からアセアン・プラス3の13カ国で、環境問題に関する研究会が立ち上げられることになっており、コンソーシアムについてはアジア地域を視野に発展させつつ、この環境人材育成ビジョンをアセアン・プラス3で取り上げられるよう作業を進めるべき。
  • アジアを視野に入れたコンソーシアムとは、日本国内の大学・大学院を中核としたコンソーシャムでアジア諸国の環境人材ニーズを充足させるような仕組みを作るということだけでなく、個々のコンソーシアムをアジア各国で創設することを提案し、必要に応じてわが国のODAや民間資金などの活用も考慮すべき。
  • EUのエラスムス・ムンドス大学連携にみられるように、これらアジア諸国のコンソーシャムの相互連携を強化するためには、アジア地域のコンソーシャム全体の事務局の設置が必要となる可能性も念頭におく必要がある。
持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン(案)について、追加的なコメントがあれば、3月4日までに事務局側に伝達して欲しい旨の案内があった。
第7回検討会は、3月12日午後3時より開催することとなった。また、3月24日にはシンポジウムの開催およびビジョンの公表が予定されている旨の案内があった。

(照会先)
環境省総合環境政策局環境教育推進室 03-5521-8231