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持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン検討会(第4回)
議事要旨


1.日時

平成19年11月22日(木)10:00〜12:30

2.場所

法曹会館 会議室

3.出席者
(委員)
廣野座長、安井座長代理、鮎川委員、鵜野委員、竹内委員、谷委員、玉委員、堤委員、長谷川委員、浜中委員、俣野委員、味埜委員、宮城委員
(参考人)
北橋みどり氏、佐藤真久氏
(環境省)
石野大臣官房審議官、出江総合環境政策局環境教育推進室長他
検討会は公開で行われた。
本検討委員会初参加である長谷川委員の紹介が行われた。
長谷川委員から資料1「企業の環境人材育成:トヨタの事例」、佐藤参考人から資料2「参加型高等教育の現状と環境人材育成に向けた提案」、北橋参考人から資料3「エコ・リーグ(全国青年環境連盟)」、宮城委員から「実践的アプローチによるリーダー育成の取組みについて」に基づいて発表があった。また、事務局から資料5「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン論点整理への意見公募結果のとりまとめ(案)」、資料6「論点整理(案)への意見公募および実施中の調査について」、資料7「実施中の海外調査について」を説明した。国連大学高等研究所から、国連大学が進める環境大学院国際ネットワークについて報告があった。
主に、以下のような議論があった。
  • 持続可能なアジアというテーマに沿う形で、途上国の持続可能性という視点を本検討会の人材育成ビジョンの中に取り込んでいく配慮が必要である。
  • 持続可能なグローバルコミュニティーづくりに際しては、経済の規模や資源の有無のみに注目するべきではなく、アジア太平洋の多様な価値観の中に教育を通じて持続可能性を根付かせていく、という考えを持つ必要がある。
  • 企業による途上国の大学教育・研究活動への支援事業については、企業が持つ技術や経営手法などを共有するなどといった優良事例が認められており、今後の発展も期待されている。
  • 持続可能なアジアのための人材育成のために追加的に大学が何をすべきか、という議論に関しては、大学側の実施体制や優先課題を念頭に大学は人材育成のどこを担当し、どこを大学以外に任せるか、といった議論が必要となる。
  • 持続可能性学を学内で進めるにあたっては、縦割り型の組織文化を改め、横の連携を円滑にする方途を模索すること、優先的に取り組むべきところとそうでないところを明らかにすること、そして社会との連携を進めた教員が学内で評価されるような配慮を形にすること、などが必要である。
  • 大学で何かをすすめるには学長のリーダーシップが特に重要であり、米国のように各大学の学長が連携してリーダーシップを図っていくことで取り組みを促す、というような支援もあり得るのではないか。
  • 国際的な大学間ネットワークを通じた持続可能な開発に関するカリキュラム開発については、調整機能やその担い手となる組織運営、資金調達などの面で対応について、さらなる情報収集を行うことが有益である。
  • 国連大学が推進する環境大学院国際ネットワークの動きは今後も参考情報として共有されることが有益である。
  • アジア太平洋地域の現実を考えると多様な考えとさまざまな制約が存在するので、環境人材の育成を促進していく際には、各国のイニシアチブに依拠するだけでなく、国際協力の視点でこれにあたり、日本政府の支援体制を構築する必要があると考える。
  • 米国では早くから援助庁がODAの資金を大学に提供しており、わが国でも近年そのようなことを実施しているが、現在まだ小規模である。環境教育や環境人材育成のために開発援助の資金を導入して、途上国の学生を今後一層受けいれることが望ましい。
  • 環境教育やインターンシップの実施などで、複数組織間の調整機能を持ついわゆるコーディネート機関を設置したり強化したりしていくことは重要で、それは環境人材育成を支援するコンソーシアムの中核的な組織にもなりうる。ただし、どこがどういう資金によって組織を運営するかについては検討の必要がある。
  • インターンシップに関し、企業などの受け入れ機関と応募する学生のマッチングについては、双方が自律的に自己決定していくことが、インターンシップを効果的に実施するために重要と考えられる。
  • 日本国内においてもある企業がインターンシップへの助成制度を設けており、NGOなどはそれを活用してインターンシップを受け入れて便益を得ている。日本国内で環境分野におけるインターンシップを実施していくには、そうした助成制度の運用やその成果などを参考に施策を模索することが必要である。
  • 日本国内においても企業がインターンシップへの助成制度を設けており、NGOなどはそれを活用してインターンシップを受け入れて便益を得ているが、環境NGOでのインターンシップ経験は、就職活動の際に評価対象とされない場合が多いため、日本国内で環境分野におけるインターンシップを実施・発展させていくには、こうした実経験が学生の成績や就職の際の評価対象とされるような仕組みづくりを模索することが必要である。
  • アメリカなどではインターンの受け入れ先が企業・学会・研究機関など幅広く裾野が広がっていること、さらにインターンシップを通じた単位取得が制度化されていることなどは、今後のシステム作りに際して参考にすべき点である。
  • インターンシップを地場産業やベンチャービジネス育成と関連させて成果を挙げている事例が参考になる。
  • 客観的なペーパーテストや学内での座学が日本では重視されがちだが、インターンシップや現場実習などの体験的な教育を推進するためには、それらの教育活動を積極的に推進し評価できるシステムの構築が必要となる。現在のように、特定の教授の個人的負担に任せていたのでは、インターシップによる現場実習は育たない。
  • 大学の既存の組織の制約に対応するための組織改革を大学側が自主的に進めるにあたっては、更なる時間が要されると予想されることから、連携推進・調整機能を個別大学密着型のNPOに委ねるといった方策についても検討することは有益である。
  • 米国では、NPO本体の制度的支援を含めてNPO活動の包括支援を初期の3年間行うということがなされており、NPOの自立に向けてフレキシビリティーのあるこの支援の事例は参考になる。
  • 企業の社会的責任(CSR)活動については、社会貢献に加えて本業での貢献が問われていることから、企業における本業の視点から環境人材育成への支援を考えるべきである。
  • 環境分野での取り組みを進める学生団体は、有益な活動を進めているが、卒業等により学生の入れ替わっていくなかで、プログラムの制度化、および参加学生の長期的関与や活動資金の確保が課題となっている。

(照会先)
環境省総合環境政策局環境教育推進室 03-5521-8231