本文へジャンプ

■議事録一覧■

持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン検討会(第3回)
議事要旨


1.日時

平成19年9月20日(木)14:00〜17:00

2.場所

経済産業省別館10階1012号室

3.出席者
(委員)
廣野座長、安井座長代理、鮎川委員、鵜野委員、神保委員、竹内委員、棚田委員、玉委員、堤委員、浜中委員、俣野委員、宮城委員、則武氏(谷委員代理)、川辺氏(中川委員代理)
(環境省)
西尾総合環境政策局長、小林大臣官房長、石野大臣官房審議官、出江総合環境政策局環境教育推進室長他
検討会は公開で行われた。
俣野委員から資料1「大成建設の環境経営と環境教育」、堤委員から資料2「廃棄物処理業の観点から」、武内委員から資料3「地域コミュニティにおけるESDの取組み:NPOの役割と可能性」に基づいて発表があった。また、事務局から資料4「環境人材増とその育成手法」、資料5「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン論点整理(案)」、資料6「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン論点整理(案)・(意見募集用)」を説明した。
主に、以下のような議論があった。
  • 企業の長期的な発展に向けて環境経営が重要性を増しているため、環境経営を行う環境マネジメント教育や、経営に携わる環境人材の確保が望まれる。
  • 環境配慮型製品を製造する企業の中で求められる資質として、環境配慮をどこまでやるべきかを自分で考え、分析し、十分に理解していることが必要である。自ら考えて必要性を理解していることは、組織のメンバーを説得する大きな力となる。
  • 建設会社では、社員の多くがなんらかの形で環境問題に関連する業務に関わっているため、業務の環境影響に関する常識は、社員全員が持たないといけないと考えている。また、環境アセス等の業務に関するスキルについては、主に社内でのオンザジョブトレーニング(OJT)で人材育成が行われている。
  • 問題解決能力や合意形成能力は環境人材の素養として中核をなすが、どのように教育プログラムに落とし込んでいくかを検討する必要がある。まずは、全ての職業人がみにつけるべき内容を網羅したスタンダードなテキストが必要ではないか。また、それぞれの大学には得意分野と不得意分野があるので、互いに補いあうようなプログラムを開発すべきではないか。
  • 企業が大学に求めることは、分野を問わず、ソリューションを提供できる人材の育成が挙げられる。さらに、プロジェクトを立案、実施できる人材育成が重要である。
  • 企画、予算案の作成、人員の配置、一定の時間的枠組みの中での成果の提示といったプロジェクトマネジメントのスキルは従来の大学内で完結している教育プログラムでは養成できず、企業やNPO等の主体と連携して行う必要があるのではないか。また、論文を書くことに加え、大学内の既存プロジェクトに学生を参加させ、人材育成の一環として位置付けることが重要ではないか。
  • 現実の課題を素材としたNPOと連携した講座への学生のニーズや興味関心は非常に高い。
  • インターンの受け入れ先や外部講師の招聘等に関しては、コーディネーションのコストが非常に大きい。また、大学側からはどのようなNPOを選べば良いかの情報がない。大学と企業やNPO等が連携した環境人材の育成を行うことは重要だが、そのためのマッチング機関が不可欠。
  • 他方、インターンの受入については、どのような学生が来るか分からないという不安もある。受入側の企業やNPO等の負担を極力減らすよう、大学側で一定程度の教育を行い、送り出す学生の質を担保すべき。
  • NPOが大学・地域連携の仲介役・担い手としての可能性を発揮できるよう、適正な委託形態や自治体による支援など、社会的な仕組み作りが重要。
  • 大学において環境人材を幅広く提供していく上で、客観的な人材の素養評価手段として資格取得を盛り込む、あるいは、ビジネス・スクールで環境問題を扱う科目を取り上げるなどの他、環境人材育成プログラムの第3者評価制度などが模索されるべき。
  • アジアの開発途上国では、持続可能性や環境の問題に関して様々な問題があるが、人材や資金等が限られており、全てに取り組むことはできない。そのため、効果的な取組のためには、環境問題の分野間の優先順位付けをする必要がある。以上より、特にアジアの環境人材育成の際には、限られた人数でよいので、各国の条件を勘案して様々な持続可能性や環境に関する問題の中で取組の優先順位付けをする環境人材を育成する必要がある。
  • 教養分野で横断的な知識や技能を身につけるのは限界があるのではないか。各人が専門性を身につけた上で、各分野を横断的に結ぶような方法論が必要ではないか。
  • インターンシップの定着には、評価方法の定型化・標準化やNGOなどによる学生と企業のマッチング・調整機能の導入など、企業が参加しやすい枠組みの整備が有用。
  • 環境人材を育成するには、これまでとは異なるアプローチが必要になるが、大学や企業に対し、産学官連携の環境人材育成に取り組むインセンティブを与える必要がある。
  • 人材育成全体のビジョン(方向性)、各参加者が人材育成に取り組むインセンティブ、知識や情報共有のインフラの三点を満たすことが不可欠。
  • 官民連携のコンソーシアムはいくつもあるが、全てがうまく運営されているわけではない。企業が大学から仕事を押しつけられるようになってはいけない。先行事例を十分調査し、お互いがメリットを感じながら参加できる仕組みを設計することが重要。
  • 特に、官民連携コンソーシアムを効果的に運営するには、運営の担い手の存在が重要。
  • この論点整理案には、なぜ環境を大切にしないといけないかを学ぶ理念、哲学が入っていない。環境人材には、人間は自然に生かされているという根本的な思想や理念、アジア的価値の重要性についても盛り込むべきではないか。
  • 環境保全に取り組む人材を受け入れる組織がないので、そのまま学生NPOに留まる傾向がある。環境人材を育成した後、活用する方策についても検討すべき。その際、受入側として、企業、NPOの他に、シンクタンクも重要な分野になるのではないか。
  • ここに列記されている具体的な環境人材像自体は、環境に興味があるから取り組んでいるというより、儲かるから自然に人材が生まれたのではないか。既に存在する人材像を単に羅列するのではなく、有することが望まれる思想や哲学まで含めて、踏み込んだ環境人材像を描くべきではないか。
第4回検討会は、11月下旬〜12月上旬で開催されることとなった。

(照会先)
環境省総合環境政策局環境教育推進室 03-5521-8231