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■議事録一覧■

持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン検討会(第2回)
議事要旨


1.日時

平成19年8月27日(月)14:00〜17:00

2.場所

経済産業省別館10階1012号室

3.出席者
(委員)
廣野座長、鮎川委員、竹内委員、谷委員、玉委員、堤委員、浜中委員、俣野委員、味埜委員、伊藤氏(宮城委員の代理)、鵜野氏(参考人)
(環境省)
石野大臣官房審議官、出江総合環境政策局環境教育推進室長、中島総合環境政策局環境教育推進室長補佐、白石総合環境政策局環境教育推進室係長他
検討会は公開で行われた。
事務局から資料1「環境人材育成を実践している大学・大学院の具体例」の説明を行った。
玉委員から、資料2「持続可能な社会のための教養教育の再構築:岩手大学・学びの銀河プロジェクト」の説明を行った。
味埜委員から、資料3「サステイナビリティ学連携研究機構―IR3Sにおけるサステイナビリティ学教育」の説明を行った。
鵜野氏から、資料4「持続可能な開発のための国際的共同カリキュラム」の説明を行った。
谷委員から、資料5「リコーグループの環境経営の実践と人材育成」の説明を行った。
事務局から、資料6「ビジョン骨子・中間とりまとめ作成に向けて」と資料7「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン骨子案」の説明を行った。
主に、以下のような議論があった。
  • 一般教養が改組された共通教育科目や、大学教育向上重点化の中で「持続可能な開発の教育(ESD)」や「持続可能性学(SS, Sustainability Study)」は多面的・学際的な問題解決能力向上と人材育成を促進させる重要な枠組みを提供しているが、教員・大学側の一層の意識・制度的改革、財政基盤の充実、優先的政策課題としての位置づけ、概念整理や教授法の発展、教材の取り扱いなど様々な課題が存在するため、現存する問題点を明らかにしつつ、そうした課題への取組みを強化していくことが求められる。
  • ESDやSSを進めるにあたって、 “Development”を「開発」と表現していくことに限界があり、「持続可能な社会づくり」あるいは「社会のダイナミズムを学ぶ」などといったように、ESDの概念をより具体的なものとしていく必要がある。
  • ESD・SSは、新しい学問分野を作るのではなく、既存の専門・学科を持続可能性という概念・視点で深化かつ統合していくという学際・ネットワーク型の学問として理解されるべきである。
  • ESD・SSを大学だけで完結させようとするのでなく、大学が企業、NGO、地域社会、自治体などとの連携を進めることによって、あらゆる主体の経済・社会・環境的持続性を高めていく必要がある。
  • 規模が小さいNPOであっても、例えば途上国支援など継続的に進めている事業があれば、大学や自治体と協力できる部分があると考える。
  • 国際的な合同カリキュラムは、ESD/SSを限られた予算の中で参加大学の専門教員を共有することで、高い費用対効果を目指すに有用な方式である。具体的には、現在進行中の研究プロジェクトを取り上げてマルチメディアの視覚映像を用いるなどして、教材や講義内容の可視化・理解の促進を図っている。但し、情報通信技術網の開発に関する初期投資は大学によっては費用・労力の面で大きな負担となる場合があり、既存のものを共有化するなど、対策を講じる必要がある。
  • 国際社会の幸福指数の向上と環境影響の低減の実現を目指し、ライフサイクル評価の下での循環型経済やゼロ・エミッションを進めていくために、企業における環境経営は重要である。
  • 企業と大学の連携は進みつつある。しかし、新卒社員はまず企業の事業活動を幅広く理解・実践することからキャリアを開始し、一定年数経過した後に環境部などに配属されることが多いというのが一般的な採用と配属の慣行である。
  • インターンの受け入れなどを通じた大学との連携、社員のボランティア活動への参加や退職者の活用などを通じて、社会との連携の分野や社会貢献などで着実な成果を挙げている事例がある。
  • 企業に入ってくる人材ができれば何らかの環境教育を受けてきていて、その中でさらに環境に関する専門教育を受けている人が一部いるというのが望ましい状況ではないか。
  • 環境人材育成ビジョンを描いていくにあたっては、持続可能な社会の実現に向け、「ひとづくり」、「ものづくり」、「しくみづくり」に取り組む人材育成を想定し、環境センス、環境リテラシー、分野別専門性などを拡充させていくための様々な方途を具体的に提示していくことが重要である。
  • 求められる人材の素養に、知識の習得・深化を明示しておくことが必須である。また、環境のみを強調するのではなく、経済との関連性や多様な分野を勘案する複眼的分析能力や均衡(バランス)能力、対立が起きたときに平和的に解決していける能力が求められる。
  • 問題解決能力という表現は、伝統的な学問体系での対応を意味する傾向があるので、それよりも問題を包含するような次の新しいシステムを模索し提案していける能力といったほうがより本質に合致するのではないか。
  • 産業別分析を行う場合、第3次産業では、運輸と観光は加えておくべき。
  • 環境システムや国連の慣行などを勘案すれば、「アジア」というよりは「アジア・太平洋」という記載で地域を規定していくことが望ましい。
座長から、鵜野氏の検討委員への就任が発議され、全会一致で承認された。
第3回検討会は、9月20日午後(14:00-17:00)に開催する予定となった。

(照会先)
環境省総合環境政策局環境教育推進室 03-5521-8231