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■議事録一覧■

中央環境審議会
21世紀環境立国戦略特別部会(第9回)


平成19年5月25日
環境省大臣官房政策評価広報課
<議事次第>

  1. 開会
  2. 議事
    (1)
    「21世紀環境立国戦略の策定に向けた提言」原案について
    (2)
    その他
  3. 閉会

午前10時05分開会

○柴垣政策評価広報課長 おはようございます。それでは、定刻を過ぎておりますので、ただいまから中央環境審議会21世紀環境立国戦略特別部会の第9回の会合を開催させていただきます。本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は議員総数26名のうち、17名のご出席のご連絡をいただいております。多少遅れる委員の方々もおられると思いますが、いずれそろわれるということでございます。
 まず、お手元の配付資料の確認をお願いいたします。配付資料は、議事次第のところに配付資料一覧がございます。資料1が提言の原案とともに今までの意見の集大成であります主な意見の概要、それから参考資料がございます。それから、資料の2が昨日の安倍総理の新提案ということで、「美しい星へのいざない」というものでございます。それから、お手元の参考資料の1といたしまして、前回の議事録を提示させていただいておりまして、これはこれから先生方にご確認いただきまして、6月1日までに事務局の方に何かありましたらお申し出をいただきたいというふうに思っておりまして、確認後、速やかにホームページに公表させていただくものでございますので、よろしくお願いいたします。それから、一番下に森本委員より資料をいただいております。また、ご欠席の廣野委員からも意見書を提出いただいておりますので、お手元に配らせていただいております。資料の不足などがございましたら事務局の方にお申しつけていただければと思います。
 それでは、以降の会議の進行は鈴木部会長の方にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは早速ですが、次第に従いまして、議事に入らせていただきたいと思います。これまで8回にわたりましてご討議をいただいてまいりましたが、その結果を踏まえたものが、この「21世紀環境立国戦略の策定に向けた提言(案)」となっております。これを29日の段階でまとめさせていただく、こういうことにいたしております。本日は、この原案につきましての、原案と申しましてもまだ中に空白部分がございましたり、いろいろ先生方のご意見をいただかなければいけない部分がございますが、これにつきましてご審議いただきたいと思います。提言の形につきましては、いろいろなご意見もございましたが、主な意見・提案の概要、この構成をそのまま生かした形となっております。基本的な考え方、そして、具体的な取組のうちで、骨太のものを抽出して提言本体としてまとめていく。その他のご意見やご提案につきましては、「これまでの主な意見の概要」ということで資料1−2、これは別冊という形で整理する、こういうような形になっております。
 まず、それでは事務局の方から、本日、用意していただきました資料及び昨日、日経新聞が主催されました「アジアの未来」、この国際会議で総理の方からご発言がございました内容につきましてのご説明をお願いしたいと思います。小林官房長。

○小林大臣官房長 小林でございます。それでは、事務局の方からお手元の資料の1−1、そして資料の2等を使いながら、今、部会長からご指示ございましたこと、説明をさせていただきます。既に今、部会長の方からお話がありましたように、前回の部会におきまして、我々の編集方針といったようなものもご議論されていたわけでございます。それに沿いまして、また、部会長の指示を受けながら取りまとめたものでございますけれども、まだ仕掛かり品でございます。ぜひ、いいものにまとめていただきたいというふうに考えてございます。
 まず、資料の1−1、提言でございますが、資料の1−2の方に先ほど、部会長からございました、今までご議論していただいて、出していただいた意見はすべておさまっております。ですから、いろいろなアイデアがどこかでなくなってしまったとか、消えてしまったということはございません。少なくとも資料の1−2に保存をされている。そしてまた、これがずっと添付資料といいますか、参考資料としてきちんとついていくんだというふうに理解をしてございます。それを煎じ詰めた内容を資料の1−1の方に持ってきたと、こういう関係になっているわけでございます。幸い、その提言の構造も今まで整理していただきました「主な意見の概要」とほぼパラレルのものになっているということで、本日の説明、少しはしょったものになろうかと思いますけれども、そう今まで議論していただいたことと違いませんので、ご理解いただけるのではないかなというふうに思っております。
 まず、資料の1−1でございますが、はじめにでございます。これは、いきさつを書いたものでございます。いきさつについては、もうご案内のとおりでございますが、一番最後のパラで、この提言の結果出てくる立国戦略を定めさせていただくわけでありますが、それについて、この特別部会としても引き続きフォローアップをして、「環境立国・日本」の実現を後押ししたいということを書き添えさせていただきました。前回の議論に沿ったものでございます。
 また、2ページでございますけれども、地球環境の現状と課題、これももう主な意見のストラクチャーを唱えてございますが、若干、前回と同じところも含めてあらすじだけ申し上げますと、1.(1)の柱書きにおきまして、地球環境問題は人間の安全保障の問題とも密接に関連し、人類が直面する最大の試練と言えようということで、以下、[1]、[2]、[3]ということで、危機を書いてございます。
 [1]地球温暖化の危機ということで、一番最後に書いてございますように、今後の気温上昇に従って、より深刻な悪影響が世界のすべての地域で生じることが予測されている。そして、[2]資源の浪費による危機ということで、人類が環境に排出したのは二酸化炭素だけでなく、いろいろな老廃物を出している、廃棄物を出しているということが書かれてございます。そして、さらに次のページに[3]生態系の危機ということでございまして、第2パラにありますように、生物の生息・生育環境が人間による土地改変、環境汚染などによって損なわれ、この結果、生物の多様性が損なわれて、そして生態系が劣化しているけれども、地球温暖化の影響が加われば、さらにひどいことになるだろうということがここに書かれてございます。そうしたことから、持続可能な社会をつくっていかなければいけないということに当然相なるわけでございます。そのときの注意事項みたいなものが書かれてございます。例えば(2)[1]「持続可能な社会とは」の第2パラ、3ページの真ん中より下でございますけれども、ご議論ございました予防的な取組といったようなこともここに位置づけられてございます。また、3ページの一番下に、いわばその環境負荷の縮小と環境制約の緩和を図るということで、プラスサム、ウィン・ウィンで行こうじゃないか、そういうことも大事だというようなこととか、4ページの頭でございますけれども、環境・エネルギー技術、そして人々のライフスタイル、そして社会のシステムという三つの取組を組み合わせて、人々の創意工夫、社会の活力を最大限に引き出していくことが大事だというような、特に持続可能な社会づくりに向けた方法の重要な方法・留意事項が書かれております。そして、4ページでございますけれども、持続可能な社会、いろいろな書き方がされております。低炭素社会、循環型社会、自然共生社会、こういうことでございますが、絵のちょうど一つ上のパラにありますように、持続可能な社会は、そういったそれぞれの側面を有するんだけれども、縦割りではやっぱりいけないよということが書かれております。目指すべき社会は複数存在するというわけではないと。それぞれの側面の相互関係を踏まえまして、私たち人間も地球という大きな生態系の一部で、地球によって生かされているという認識のもとに統合的な取組を展開していくことが不可欠なんだと。自然との共生を図りながら、炭素を含めた物質循環を自然、そして地球の大きな循環に沿う形で健全なものとして、持続的に成長・発展する社会の実現を図るべきだということが書かれております。さらに、5ページの[3]では、すべての関係者の参加と協働による持続可能な社会づくりということが大事だということで、一番最後に書かれておりますように、国内外の幅広い関係者の参加と協働の下、環境保全を願う気持ちを一つに束ねて、一人一人の取組の輪を広げ、力強く後押ししていくことが今求められているということでございまして、この戦略が果たすべき意味といったものが書かれてございます。
 そして、6ページ以降が中身ということになります。2.(1)「持続可能な社会の「日本モデル」の構築」ということで、かなり最初の段階からこういったご議論をいただいております。持続可能な社会、うたい文句があるわけでありますが、最初の柱書きが一番最初のパラにございますように、いまだ試行錯誤の段階だと、完成品があるわけではないと。そうした中で、日本がいわば「ミニ地球」として持続可能な社会の生きたモデルを創造する絶好の条件を持っているのではないかというのが2パラに書いております。そして、そういうことを生かして、日本としての環境立国に進もうというキーセンテンスが3パラになっているわけでございます。このセンテンスについては前からそう変わっておりませんが、大事なセンテンスですので、また、読ませていただきますと、「我が国の自然共生の智慧と伝統を現代に活かすとともに、世界に誇る環境・エネルギー技術、深刻な公害克服の経験・智慧、意欲と能力あふれる豊富な人材を、環境から拓く経済成長や地域活性化の原動力として幅広い関係者が一致協力し、世界の発展と繁栄に貢献する品格ある「環境立国」を「日本モデル」として創造し、アジア、そして世界へと発信する」、これがキーコンセプトになってくるわけであります。具体的な環境立国の方向、ややダブりますが、今まで申し上げてきたこと、もうちょっと付言して柱建てをしておりますのが6ページの下からでございます。これももういろいろご議論いただいたところでございますが、(2)[1]「自然との共生を図る智慧と伝統を現代に活かした美しい国づくり」というのが一つの重要な方向だというふうに考えてございます。そして、[2]といたしまして、7ページでございますが、「車の両輪として進める環境保全と経済成長・地域活性化」ということが一つございます。そして、3番、日本だけがいいというものではございません。アジア、そして世界とともに発展する日本というのも、今後の大きな持続可能な社会づくり「日本モデル」を構築していく、実際に実現していく上での重要な方向だなというふうに考えております。
 そういった方向を踏まえまして、八つの戦略ということで提案を具体にしておりますのが8ページからでございます。柱書きでございますけれども、このように書かせていただいております。地球温暖化を初めとする環境問題の深刻さにかんがみれば、迅速かつ着実に取組を進めることは必要だと。特に今後一、二年で着手すべき地球温暖化対策等の重点的な環境政策の方向性を八つの戦略として以下のとおり示す。中身でございますが、戦略1から3までにおきましては、温暖化・資源の浪費による危機、生態系の危機もそれぞれに対応した、いわば分野別の戦略、大変重要なテーマでございますので、それを特出しをしていますということ。そして、戦略の4から8までは「環境立国・日本」を実現する上で重点を置くべき、いわば横断的な戦略を提示しているということで、この縦横合わせまして取り組んでいこうということでございます。いずれも明文はございませんけれども、先ほどございました持続可能な社会のモデルとしての日本をつくる上で一番糸口になるというような骨太、先ほど、部会長の方から骨太のものというご指摘がございましたけれども、そういったものをピックアップさせていただいたわけでございます。当然、本日のご議論としては、八つのストラクチャーは変わっておりませんけれども、その八つのストラクチャーの中身として、こういったものが戦略として一番、そのモデルとなる日本づくりに役立つ糸口なのかというようなことをご議論いただくことに相なろうかと思います。そして、戦略の第1、一丁目1番地でございますが、これは気候変動の問題の克服に向けた国際リーダーシップと、こういうことでございます。これに関しましては、先ほど、部会長の方からもご指摘がありましたが、資料の2を見ていただきたいと思います。戦略1は、実は書かれてございません。それに代えまして、資料の2をお席に配付をさせていただいております。この立国部会におきましては、今日は実は参っておりませんが、若林大臣がほぼ毎回、出席をさせていただきまして、議論を拝聴させていただきます。それを背負いまして、官邸での議論、この気候変動問題の克服に向けた国際的リーダーシップ、どうあるべきかという議論をやや先取りでございますけれども、この審議会のご意見を踏まえて、背中にしょって議論をさせてきていただいたわけでございます。そして、最終的にこの戦略全体の発注者であります安倍総理のもとで昨日夜、一応、最終的な決断が下されて、こういうことで日本として世界にその日本の考え方を問うていこうということになったわけでございます。そういう意味で、審議会としての提言とやや性格が違う。それをむしろ時間的に言えば踏まえて、ご決断がなってもしかるべきであったのかもしれませんけれども、同時並行で進んできた部分、本来、そういったご提言をいただいた上で結論を出すべきであったかもしれませんが、時期的にそういうことで同時並行で考えさせていただいた、その総理としての対応と、こういうことになるわけでございます。審議会の立場でこれを受けとめて、どう戦略の中に位置づけていくのかというのは、大変、また、技術のいるところだと思いますけれども、片やスピーチ、片や文章と、こういうことでありますから、直ちにそのままはめるというものではないのかもしれませんが、内容的にはそういった関係にございます。不即不離、一体のものでございますので、ぜひそれをご理解いただきまして、この戦略の中に位置づけていただければ大変ありがたいなと思っております。
 そうした性格のものでございますが、中身を簡単にご紹介させていただきます。本文の方で申し上げたいと思いますが、表紙は要旨でございます。1ページ目は今までのいきさつが書いてございますので省略をさせていただきますが、2ページ目、問題提起ということで、これもこの審議会でいろいろご議論いただいたことをほぼそのまま踏まえさせていただきまして、この地球の中で生かさせていただいているのに、地球の資源を短期間に浪費して地球環境問題を起こしているということが書かれてございます。しかし、頑張れば克服は可能だということで、今ある人々がよく言われるご懸念について3ページから書いておりますが、これは智慧があれば突破できるんだということが書かれております。そして、そのために、じゃあどうすればいいのかというのが4ページに書かれております。これからが、いわばむしろ戦略に当たる部分だろうと思っております。4ページに書いてございますが、「本日、私は2050年の美しい星、地球にご招待申し上げたいと思います。これからお話することは、私が提唱している「21世紀環境立国戦略」の中核にも」位置づけていきたいということになっているわけでございます。中身でございますが、3本柱ということでございまして、一つは、世界全体の温室効果ガスの排出量を削減するための「長期戦略」の提唱、そして、第2の柱は、もっと短期的・中期的な話でございます。この京都議定書以降の、2013年以降の世界の温暖化対策のあり方、そして、第3の柱は、足元のこの京都議定書を達成するんだと。そのためには、みんなが参加するんだというようなことが第3の柱として書かれてございます。
 第1の柱でございますが、詳しいことは5ページ目でございます。排出量と自然界の吸収量のバランスをとると、吸収量と同等のレベルに抑え込むということが必要だと、こういうことで、わかりやすい発想といたしまして、吸収量はなかなか直接はかるのは難しいわけでありますが、排出量、より確からしい排出量を現状に比べて2050年までに半減する。早く半減すればいいに越したことはありません。私どもCOP3等やっていたころ、2100年に半減とかといったような議論もありましたけれども、2050年に半減するんだというようなことをここで申し上げております。そして、この目標をまず国際的に共有すべきだということでございます。ただし、この実現は大変難しいということでありまして、革新的技術の開発と、そして、技術だけではございません、それを使いこなす低炭素社会という社会の側の受け皿も変えていかなきゃいけないということで書かれているところでございます。
 そして、時間の関係でずっと省略させていただきますけれども、中期戦略ということでございまして、6ページ、地球は一つである、空気に国境はないということで、戦略は大事だけれども、地球上のすべての人々がその実現に向けて参加をする必要があるということで、2013年以降の具体的な枠組みを設計するための考え方を三つの原則として提案をしております。第1は、主要排出国がすべて参加し、京都議定書を超えて、世界全体での排出削減になるようなもの、つながるものだということであります。
 「2050年半減」という世界の目標の実現に向けて、2013年以降の温暖化対策の枠組みを、京都議定書よりも大きく前進するものにしないといけないということで、例えば米国、中国、インドなどが参加していただく仕組みということが必要だということでございます。第2は、各国の事情に配慮した柔軟かつ多様性のある枠組みということでございまして、特に途上国等をにらみますと「共通だが差異ある責任と各国の能力」、これは枠組み条約の原則でございますが、この原則のもとに排出削減にそれぞれに取り組むという必要があるということで、中国、インドを考えますと、やはり先進国、途上国の取組は同じである必要はないんだと。また、途上国というグループの中でも新興国とその他の国との間では能力も事情も異なると。そういうことを踏まえて、各国がそれなりに最大限の取組を行うことを可能にするような枠組みを考えるべきだ、こういうことでございます。それから、第3の原則は、省エネなどの技術を生かして、環境保全と経済発展とを両立することだということでございます。世界全体で取り組むためには、各国の今後を期待するような経済発展と両立するような政策ということが大事だということでございまして、ここも智慧が要るわけでありますが、その鍵は、技術開発と普及ではないだろうかということでございます。それを進めていくために、やはり裏打ちは必要だということで、8ページに資金メカニズムの提案といったようなことを書いてございます。途上国の事情にきめ細かく配慮しながら、そういった支援を行っていくということでありますが、8ページ、ただし書きが書いてございまして、こうした支援は、我が国の提案にこたえて、自国の政策を積極的に変えていく途上国に対して行うということで、機械的に支援をするというよりは、日本から政策と協力を提案・発信する新しい形の支援をしていきたいということでございます。また当然、最貧国等、被害にすぐ遭うという国については特に重点的な配慮をしていこうと、こういうことでございます。そのための新しいメカニズム、これは日本だけでできるわけではございませんが、こういったものを提案していきたいというようなことが書かれてございます。そのほか、エネルギーの取組についても、さらに進歩をさせていきますし、そのほかの手法、例えばということで、9ページの最後の方のパラにありますが、途上国の公害対策と温暖化対策との一体的な取組、排出量取引、経済的なインセンティブ等々の手法について、幅広い観点から検討をしていくんだということでございます。
 そして、3番目でございますが、足元の京都議定書、これをきちんとやっていくんだということでありまして、総力を挙げて国民全体で取り組む決意なんだということが10ページに書かれてございます。やはりポイントは、オフィス・家庭といった排出量の伸びが特に著しい分野でございます。ここに対策を追加をいたしまして、本年度中に目標達成計画を見直すこと。そして、政府は率先的に対策を担っていく。そして、国民の皆様が参加できる運動を展開するんだけれども、そのときには単に運動を奨励するだけでなく、制度的な対応も含めて取組を強化したい。そして、わかりやすい呼びかけとして「1人1日1kg」の温室効果ガスを削減したらどうだろうかというような提案をされてございます。
 以上、あと補足資料いろいろついてございますけれども、こういった特別部会のご議論を踏まえて、ずっと官邸での検討が行われてきたわけでございますが、こういったような総理の目から見ますと大事なことということが既に提案をされております。ぜひ、これもひとつうまく戦略の中に、一番重要な部分でございますが、位置づけられるようにお知恵を拝借したいというふうに考えてございます。
 それから、前に戻ります。資料の1−1でございます。戦略の2、「生物多様性の保全による自然の恵みの享受と継承」ということでございます。幾つか資料の1−2と照らし合わせていただきますと、かなり絞り込んでございますが、時間の関係でポイントだけにさせていただきたいと存じますけれども、ここにつきましては、SATOYAMAイニシアティブというようなことを一つ言っております。地域のコミュニティが身近な自然を利用しながら保全していくと。どこかに自然を囲い込んでいる、大事にとっておくというのではなくて、利用しながら保存していくと、保全をしていくというようなアイデアでございます。それを世界に発信しようというようなこととか、洞爺湖サミットを機に、「美しい日本の自然キャンペーン」というようなことで、その自然の美しさというようなことが内外にわかるように大事にしていこうというようなこと。それから9ページの方に参りますが、ネーミングとしてはなかなかおもしろい名前だなと思っているのですが、9ページの真ん中、「いきものにぎわいプロジェクト」。生物多様性というと、なかなか言葉が難しいわけでありますが、それをわかりやすく言い、そして、生物多様性が身近なものとなり、参加できるものになるようにするプロジェクトと、こういうふうに考えておりますが、こういったものの提唱をピックアップさせていただいております。また、生態系ネットワークの構想だとか、きちんとした我が国の生物多様性の「グランドデザイン」をつくっていくというようなことも書かれております。
 10ページでございますが、3R、ここでは一丁目1番地、は「アジアでの循環型社会の構築に向けた取組」ということでございまして、これもこれまで議論されてきたところでございますが、10ページ、やや真ん中より下の方にございますように、「東アジア循環型社会ビジョン」といったようなことで、この資源の循環をアジア内で考えていく、東アジアというところで考えていこうということでございます。
 それから、11ページの方に参りますけれども、例えば『「もったいない」の気持ちを活かす社会経済システムの構築』とかございますが、11ページの方に参りますと、[4]「日本提唱の3RイニシアティブのG8での推進」ということでございまして、ぜひ、この資源生産性の向上ということで、具体的にリーダーシップをG8のレベルでも図っていきたいということでございます。3R推進に関する共通のルールとなり得るような作業というものをもっと進めていこうというようなことがここに書かれてございます。
 12ページ、戦略4でございますが、ここからは横ぐしになってまいります。
 「公害克服の経験と智慧を活かした国際協力」ということでありまして、環境汚染の少ないクリーンアジアというようなことで、アジアをそういうものにしようというターゲットを持ったイニシアティブでやっていったらどうだろうかと、具体的な話といたしまして、いろいろな環境対策のインフラ整備といったことを進めていったことに加えまして、さらにもうちょっと進んだ取組を12ページの[1]の3パラあたりに書かれているところでございます。それから、「人間の安全保障の観点も入れた環境国際協力の推進」ということが大事だということでございます。
 それから、13ページに参りますが、やはり温暖化の進行を考えますと、水が特出しで取り組むべきテーマだろうということで、「中国等との水環境パートナーシップの展開」といったような、かなりこれも戦略でございますから、つまみ食いということになるのかもしれませんが、水を特に取り上げた取組を掲げさせていただいております。
 それから、戦略の5、横ぐしの2番目でございますけれども、「環境・エネルギー技術を中核とした経済成長」ということで、「エコイノベーション」技術を開発するだけでなくて、それを戦略的に社会の中で使っていこう、持続可能な生産システムへの転換とか、ゼロエミッション型社会インフラをつくるとか、そういったところが特色かと思いますが、こういったことをやっていこうということが13ページの一番下のパラグラフに書いてございます。また、国際潮流を踏まえた化学物質対策等々についても14ページに書かれてございます。それから、その技術の向上といったようなことで、14ページに書かれておりますが、バイオマスについては特出しということで、14ページの[3]からそこが書かれております。また、大変ご議論の多かった原子力につきましても[4]ということで、15ページに1パラを設けて詳しく書くという形になってございます。
 それから、戦略6以下でございますが、それぞれ何とかづくりということで、もうちょっと身近に引き寄せて、この環境の戦略的な取組が身近なものになるような切り口が書かれております。戦略6が地域づくり、そして次の戦略7が人づくり、そして戦略8、一番最後のページになりますが、いわば社会的な仕組みづくりということでございます。これは冒頭、ライフスタイルとか技術とか、そういう社会の仕組みとかといったようなのを組み合わせてやっていこうというようなことにも提唱されておりましたが、それに対応するものでございます。地域づくりにつきましては郷(さと)づくりということで、農林水産業との関係もございます。みんなが参加する「手入れ」でふるさとをつなごうというようなことが書かれております。
 16ページには、都市(まち)ということで、これもかなり分量を割かさせていただいております。コンパクトシティ、世界最先端の環境モデル都市、そして環境汚染のない安心して暮らせる都市づくりということでございます。
 それから、16ページの水辺という切り口で、里海も含め、豊かな水循環を再生して、水のある暮らしや風景を復元していこうということが17ページにわたって書かれており、そして、17ページの特にまた森林(もり)づくりということについても特出しをさせていただいております。
 18ページ、戦略7、人づくりでございますが、AAAプランというのが出てきます。いつでも、どこでも、だれでもということで、環境教育を実践するんだと、こういうことが書かれてございます。また、アジアで環境保全の取組をこれから実際的にしていくわけでありますが、そのリーダーをつくっていくというようなことを、特に日本の貢献できる人材として取り上げてございます。それから、国民による実際に参加する取組を展開していこう。先ほどの総理のお話もあったところでございます。
 それから、19ページ、仕組みづくりということでございます。温暖化のところで、既に総理のイニシアティブの中で書かれていることもございますが、それはちゃんと書こうと思っておりますが、そういうことがあるほか、既にここでご議論されておりますような環境金融の関係の話、そういったようなこともここに重要だというふうに考えてございます。それから、実際に対策を確実に進めるためのいろいろな取組ということが、また19ページに書いてございます。やはり予算的な手当等々についてもあるわけでございますが、こういったようなことが19ページの最後に書かれている。
 全体、大変はしょった説明でございますが、資料の1−1、そして、まだその部分になっておりませんが、資料の2についての説明でございました。よろしくご議論のほどをお願いいたします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。大変短い時間で的確にご説明をいただいたと思いますが、ごらんいただきましたように、いろいろなことを若干、八方美人的に盛り込んでいるところもあると言いながら、やはり環境立国でありますので、総合的に我が国の将来像を描いていくということが必要でありますので、今日、今ここでご説明いただきました立国戦略の策定に向けた提言につきまして、前回同様に三つの部分に分けて、ご議論をいただきたいと思います。29日に最終案をまとめるということでございますので、その辺に向けて、ぜひ建設的にご議論いただければと思います。
 まず最初は総論の部分、それからその次に、先ほど、総理イニシアティブということでご説明がありました各論の温暖化の部分、提言1ですね。それから、その他の各論の部分、この三つに分けて、ご議論いただきたいと思います。最初に総論部分について、ご意見がございましたらお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。2ページから7ページまでということになるでしょうか。では、5人の方にお願いいたします。では、向こうから中村委員。

○中村委員 ありがとうございます。私、二つ、指摘をしたいと思っているのですが、この前段の特に4ページの統合的取組の展開のところが一つの、これの書き方ですが、何々に向けた取組が必要であるという書き方になっていますが、ここにその三つの社会を目指して、これこれを目標とするという何か目標値をここに出してみると、その後ろの八つの戦略が、この三つの目標のもとに八つの戦略が動いていくんだという構造が見えてくるんじゃないかというふうに思いました。
 それから、6ページのところの「日本モデル」の構築の中ですが、ここの絵の中にさまざまな技術ということが書いてありますけど、今、私たちがこれから求められているところは、点的な技術あるいはそれを線的なものにつくっていく努力、さらに、これからはそれを面に広げていくということが戦略として必要だろうと思いますが、その辺の面へのパラダイムシフトというか、考え方を変えていくことが必要だということが強調されていったらどうかというふうに提案したいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。須藤委員。

○須藤委員 ありがとうございます。総論、大変よくできていると思うのですが、一つだけ、7ページの[3]になるのでしょうか、アジアの問題なのですが、後で具体的なところは各論のところで申し上げたいと思うのですが、ここにアジア諸国の公害が終わるどころでなく、まだまだ進んでいるんだというようなことをここで示しておいた方が後の問題につながるので、総論の中にもそのことを入れていただきたいと。それだけでございます。

○鈴木部会長 これは大事だと思います。杉山委員。

○杉山委員 総論、それから次の各論も、私は分量がこれでマックスだと思います。これから追加されるところを含めまして、何かご意見があったら、今度はそれに対応するような削減部分もあっていいんじゃないかなというように思います。
 それから、文章を読ませていただきますと、これを英文にする場合に困るんじゃないか。というのは主語がないんですね。多分、それは我々とか日本はということになろうかと思うんですけれども、その際には、やっぱり我々日本はということに対しては、国民がここの提言を理解して、そして、それを実践に移すということが大前提とされるものですから、これは盛り込めというふうには申し上げませんけれども、部会長が記者会見等々をされる際には、ご検討の材料にしていただければというように思います。以上です。

○鈴木部会長 これは英文版を考えるときには、そこは問題になりますね。大体受け身的な形で漠として書かれるというのは。いいご指摘をいただいたと思います。太田委員。

○太田委員 私も総論全体として、特に問題あると思っておりません。一つだけ、3ページ、じゃない、こちらは前ので見ていますのでちょっとわかりませんけれども、持続可能な社会の条件ですが、今度は変わっていますね。三つをてこにというところですけれども、少し文章が変わっておりますけれども、このあたりのところで、人々の創意工夫や社会の活力を最大に引き出していくことということなのですが、このあたりは、やっぱり適切なというか、適当なインセンティブなどを与えるなどして早急にというような、もう少し進めていくというのが強調されている方がいいかなと思っております。前の文章でちょっと見ておりますので、うまく文章がつながりませんけれども、そういうふうに思います。
 あとは、小さなことですけれども、読んでいて気になったのは、1.8℃とか、ああいう数字が出てきますが、あれは現在よりでしょうか。工業化以前とか、いろいろ話が出てきたので、約1.8℃上昇とか、1.5℃というのは、ちょっと基準が入っていた方がいいかなということです。
 それからもう一つ、細かいことですけれども、循環資源の利用というのがございますけれども、循環資源の利用だけではなくて、新たに採取する資源をできるだけで少なくしたり、あるいは採取した資源は循環利用するということで、循環資源を利用するということと循環利用するということと両方あるんじゃないかなというふうに思いました。ちょっと細かいところでございますが、全体としては大変よくできたと、こういうふうに思っております。以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。大久保委員。

○大久保委員 私も細かいところなんですが、6ページ目の2段落目の下から3行目でございます。
 「また、」というところからなんですが、「官民協調による取組が着実な経済成長に寄与していたことにみられるように」という部分なんですけれども、これは国際的に見ますと、これだけとりますと、日本でさんざん日本特殊論ということで批判をされました護送船団方式を思い浮かべるのではないかと思います。これは協働ということを言うのであれば、この部分は要らないので削除した方が誤解がなくていい。それから、経済成長と環境との両立ということを言いたいのであれば、これは参加と協働とは別個の話として文章を分けて、その公害克服と、それからエコビジネスの展開というもので両立を図ることができたというような形で、別の問題として書き込むべきではないかと思います。以上です。

○鈴木部会長 枝廣委員。

○枝廣委員 ありがとうございます。どこに入るべきか、もしくは表現の問題というよりも、この全体の話にかかわるかと思います。中村委員がおっしゃったことと重なるんですが、例えば6ページの「日本モデルの創造・発信」という図を見ても、智慧と伝統があり、技術があり、人材があり、経験がありと。こういったものがあるというのと、実際にそれを使って物事を進めていくというのは別個の話なので、これがあった上で、どうやって人々や企業やそのほかのさまざまな主体の行動を変えていくかと。いわゆる技術的なイノベーションではなくて、ソーシャル・イノベーションと言われる。そこには、例えば経済的な手法も入りますでしょうし、実際にどうやってこれを原動力、何を原動力として、こういった個々の既にあるもの、もしくはこれからつくっていくものを動かしていくか、そこのところが全体的に欠けているような気がします。ここを入れていかないと、いろいろなものがあるけれども、じゃあどうやってそれを広げて進めていくのというところで、止まってしまいそうな気がしますので、一言。

○鈴木部会長 では、植田委員。

○植田委員 6ページのところに多分、関係すると思います。6ページのところですね。書いてあるといえば書いてあるかもしれないんですが、「日本モデル」ということなんですけれども、これはこの環境立国の議論の一番中核に位置するものの一つだと思うんですけれども、その内容がこのとおり、日本の強みを原動力にするということは当然だし、大変大事なことだと思うんですけれども、ちょっとイメージが、この日本のモデルをつくって、それをアジアとか世界へ発信するというふうになっていまして、それ自体は間違いじゃないと思うんですが、先ほどの総理の発言の中にもありましたけれども、例えばアジアに資金のメカニズムを入れて支援をするというようなことも入り込んでいまして、私は「日本モデル」自体が一種、アジアというのを例えば例に挙げますと、アジアで共同でつくるという、つまり例えば私は大学におりますが、大学の若い人たちがアジアの若い人たちと一緒にその環境を配慮した発展のあり方とか技術のあり方について共同作業すると。そういうこと自体が日本のモデルとしてやっぱり提示すべき内容に含まれているんじゃないかと思いますので、そういう意味で何か、もう少し開かれた「日本モデル」というような内容をここに入れた方がいいんじゃないかなと、そういう気を少し思いました。以上です。

○鈴木部会長 そうですね、それをどこに組み込むか。ちょっとこの「日本モデル」を、これだけ見ますと、何かすべていいことばかりで、じゃあ何が問題だったんだという印象を与えますね。その辺をもう少し、今、おっしゃられたアジアとともに何をどうするかというあたりをどこかに埋め込んでおく必要があろうかと思います。この7ページの[3]のあたりなんでしょうかね。アジア、そして世界とともにという。ありがとうございました。森本委員、村上委員、平野委員。

○森本委員 すみません、ちょっと出すのが遅れまして。読めないこともないんですけれども、最初の三つの危機についての記載なんですけれども、特に生態系の危機についてですけど、一応、環境に適応し、進化してきて、バランスを維持しているという、そういう書き方で、被害者としての意味合いが結構書いてあるんですけども、実は環境そのものをつくってきたという側面があって、今、炭酸ガスが全然、非常に少ないというのは生物の働きでそうなっているわけでして、資源の浪費と、それからもう一つは、生物活性の高い水辺だとか、いろいろ地表面、人間の活動している分野をだめにしてきたという、生物のその働きをだめにしてきたということが地球環境の危機の負担を不安定なものにしていて、逆にそれがまた温暖化に影響を及ぼす可能性もあるという、その何というんですか、フィードバックの関係があるわけですね。だもんで、生物多様性というのは何か被害者だけじゃなくて、本来は環境をつくってきたんだけども、現在、その働きが人間のちょっとまずいデザインと資源の浪費によってうまく機能しないことによって、危機がどんどん危機的に雪だるま式に行く可能性があるというふうな、それは実は非常に明らかな話じゃないんだけども、いわゆる地球自立的な環境をつくってきたという、いわゆるガイア論みたいなのがありますけど、そういったものを踏まえて、何かもうちょっと記載の仕方があろうかなと思いました。
 それから、今の「日本モデル」についてですけど、自給率についての課題というのは全然やっぱり出てこないというのが、いわゆるエコロジカル・フットプリントというのですか、そういったことを配慮していないので、こういう今さっきの議論が起こってくるのかなと思いました。以上です。

○鈴木部会長 生態系そのものが人間の生存を支えてきたという、そこの部分ですね。では、村上委員。

○村上委員 小さな表現の問題なので、一つだけ。3ページの「持続可能な社会とは」の表現のところなんですけれども、4行目、「それらを通じて私たち一人一人が幸せを実感できる生活」と書いてあるんですけれども、環境立国のペーパーなので環境の視点が大きく取り上げられているのは当然だと思うんですが、世界の貧困の問題だとか平和の問題ですとか、持続可能な社会の中にはそういう視点もすごく大きな重点的なポイントとして指摘されていると思いますので、「私たち一人一人が」というところを例えば「世界じゅうの人々が」というような、世界への視野というのを表現できるようにすればいいのではないかなと思います。今のままでも恐らくそういう意味合いを入れているのだとは思いますけれども、表現として世界の人々というふうなことを入れていただければと思いました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。平野委員。

○平野委員 若干の感想でございますが、まず、今回の総論のところ、大変によくまとめていただけたというふうに思っております。例えば4ページのところの統合的な取組の展開ということで、当初はこの三つの構成要素というのが何となくばらばらに提示されているような感じがございましたけれども、これでようやくうまく皆さんに理解していただけるような形でまとまったなという感じがいたしております。
 それからあと、6ページのところの「日本モデル」も、「日本モデル」って一体何なんだという議論が当初からあったわけですけれども、先ほど、ご説明いただいた上から三つ目のパラグラフの中にはキーワードがたっぷり埋め込まれていまして、これもここだけ読めばよくわかるようになったというふうに思います。確かに枝廣委員からご指摘があったように、このHOWの部分がちょっと欠けているというところがございますし、植田先生のご指摘も誠にもっともだと思いますけれども、こういう整理の仕方でいいんではないかなというふうに思います。ただ、確かにHOWをどうするかというのは大事でありまして、個別の施策についてはこの後出てくるわけですけれども、やはり一つ大きなのは、社会経済メカニズムをどうするかということで、ここは4ページの一番上のところで3点セットで技術、ライフスタイル、それから社会経済システムということになっていまして、この整理の仕方でいいと思うんですけど、確かにここはいろいろと課題が多いのも事実なので、そこの課題認識は、賛成・反対いろいろあるのはよく知っていますけれども、課題認識はしっかりやっていく必要があるなというふうに思います。
 それともう一つ、大きな枠組みとしては、これもやや各論に入っちゃうんですけど、資金拠出というか資金援助、ODAというふうに従来とらえられていた部分が日本としてはやっぱりある。経済力を生かしていくという課題は当然あるわけで、それについては今回の「Cool Earth 50」と、とてもいいタイトルだと僕は思うんですけど、その中で総理のイニシアティブでODAとは別の枠組みで拠出の枠組みをつくるんだと。国際金融機関の方も協力してやるぞというのがはっきり出たのはとてもよかったというふうに思っておりまして、この辺も先ほどのご指摘にこたえていくような要素になるんだろうなというふうに思っております。
 という中で一つ、ちょっと注文的なところでありますけれども、実はこの審議会においては、当初から長期的な課題の設定とか削減目標を温暖化のところでやるかどうかというのが大きな問題になっていたわけですが、冒頭ご説明いただいた昨日の首相のスピーチの中で、2050年というのがはっきり出てきたということで、世界全体のというアプローチ、これも賛否両論あるとは思いますけれども、いずれにせよ、こういう形で明確な長期的ビジョンが出てきたということは大変評価すべきことだと思っておりますし、それをやっぱりこのペーパーのどこかに入れなきゃいけなくて、3の各論のところというのは、今後一、二年で着手なので長期的な観点がないとは言いませんけど、そうは言っても、やや足元という観点があるので、総論のところにやっぱり長期的な観点からの取組が大事なんだということを、もうこの際やっぱり入れた方がいいんじゃないかというふうに考えております。以上です。

○鈴木部会長 最後の部分はちょっと私も気になっていたんですが、ここの現状と課題のところに入れ込んでしまうのというのは、ちょっと何か全体として余りにも具体的過ぎるかなと思います。その辺ちょっと検討させていただくということにしたいと思います。総論につきましては、よろしいでしょうか。今、いただきましたご意見、そしてまた、平野委員からも、それから造園学会の方からはもう少し具体的なところでしょうか。平野委員からは危機感が不足しているという、これはそれもまた同感される方も多いと思います。その辺も含めて、エラボレイトさせていただくということにしたいと思います。
 それでは、続きまして各論の部分の、今もお話がありましたが温暖化部分につきまして、この総理提案、総理イニシアティブの部分、これにつきまして、ご意見いただけますでしょうか。では、今度はこちらから参りましょうか、小池委員から。

○小池委員 ありがとうございます。今、この直前にお話いただきましたけれども、この総理提案の中での一番の目玉というのは、2050年までに排出量を半減するというのが一番大きな目玉だと思うんですけれども、この書き方で、それを実現するために革新的技術の開発と、それから低炭素という二つの提案をしていて、その次に来る中期戦略の話と、その辺の整合性がこれで本当にいいのかなというのが、ちょっと疑問なところがあります。それは、その提案の2のところで書かれていることというのは、三つほど書かれていますけれども、原則が、これは言ってみれば非常に当たり前なことで、すべての国が参加しなければいけないとか、それから、それぞれの国の事情に配慮したことをしなければいけない等々書かれていますけれども、これで本当に2050年半減ということができるかどうかというのが、かなりこの間の話にギャップがあるような印象を受けるんですね。ですから、これを今書かれているように、同じレベルで並べてしまうと何か非常にちぐはぐで、その2050年というのが非常に大きな課題で、そのためにはどういうふうに中期目標を設定したらいいかという筋になっていないと、ちょっと読んでいて違和感があるという印象があります。
 それとあと、達成のための技術がここに三つほど例示されていますけれども、恐らくこれ以外にもかなりたくさんあって、かなりそこで挙げられている技術というのが、世界的なレベルでこれが達成するのか、それとも日本としてこれを考えてるのかというのがちょっとはっきりしないというところがあります。ですから、この場合は世界として2050年まで半減ということでは、世界全体としてそれが達成されるような技術というものを、やはり例示の中に入れていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。以上です。

○鈴木部会長 では、杉山委員。

○杉山委員 簡単に申し上げます。一、二年で重点的に着手のできていることからいたしますと、地球環境問題が全世界的なものだということの中でも、むしろ実際にすぐやれる、働きかけられるという点からいたしますと、この提言書のトーンからいきますと、アジアに重点的に、アジア諸国に、例えば中国とかインドに働きかけるということにウエートを置いたらいかがかなというふうに思います。以上です。

○鈴木部会長 須藤委員。

○須藤委員 ありがとうございます。二つ申し上げますが、今の問われているのは地球環境問題、温暖化問題なのですが、戦略1から8までのところの下に構成として一、二行、ねらいをそれぞれ書いたらいかがでしょうか。前の整理ではずっと視点が書いてあったのが全部抜けているんですね。それなので、先ほど、杉山先生からももっと増やすんじゃないとおっしゃっておられたんだけど、ほかを削ってでも、ここにねらいをちょっと2行ぐらい入れて、それぞれ八つのところにねらいを書いたらいかがでございましょうかというのが、これは提案です。
 それから次には、総理の「美しい星へのいざない」ですが、一つは環境省へ質問をしたいんですが、私は総理、大臣がきちんとおっしゃられているから総理もそういう視点でやられているので特に違和感はないんですが、長期・中期はいいんですが、京都議定書のとにかく来年へ向けての決意が、やはりここがしっかりしていないと、いつも申し上げているんですけど、中期・長期はしっかりやるけど、手前は勘弁してくれよというのではちょっと具合が悪いんで、しっかり書いてほしいんですが、「1人1日1kg」という具体的な数字も出しているんだけれども、私が記憶違いかもしれませんが、全体の温室効果ガスの2割が家庭なんですね。ここ国民運動と書いてあるから、国民というのは企業の人も企業の中でも電力会社でも、みんなそうだと言えばそれっきりなんだけども、一応、国民運動というと、家庭の排出を主に、あるいは車の排出を主に念頭に置くと思うんですが、全体の2割ですよね。そして、それで1キロ、それを削減するといったら、家庭の部分は恐らく30%ぐらい削減しなくちゃ、あるいは25%ぐらい削減しなければいけないと思うんですが、この考え方は環境省としての事務局として、今、私が申し上げたんですけども、本当に大丈夫ですかという、特に京都議定書の部分ですね。第3の問題、ここだけはちょっと、質問としても伺いたいと思います。以上です。

○鈴木部会長 これは後でちょっとお伺いいただくことにしたいと思います。それでは、武内委員。

○武内委員 2050年までに世界全体でCO2を半減するというのは、さまざまな問題を残していることは当然、皆さん、ご存じの上でこういうことを言っておられるわけで、私はそういうことが数字として出されたこと自体に非常に大きな意味があると思っています。したがって、そのことについては、ぜひ、この報告書の中にも数値として書き込んでいただきたいと思いますけれども、新聞や何かで言われていますように、そういう中でやっぱり日本はどうするのかというのは、これもまた言い出すといろいろな議論が出て、できるのできないのというような話になりますけれども、最低でも、これ世界に半分と言っているわけですから、日本はそれより以下ということは、その論理上、そういう説得力のない表現というのはあり得ないので、我が国が当然のことながら、そう言う以上は、それよりもさらに強い数字でもって削減に努めていくという類の書き方というのは多分できるんではないかと思いますので、この中に入れていただくような努力をしていただくと大変意味があるものになるのではないかと。その際に、先ほどの総理の文章を見せていただきましたけれども、技術と、それから個人が頑張れという、その二つが余りに強調されていて、実はCO2半減社会の非常に重要なのは、社会システムを変えるということなんですね。そのためには少し時間がかかるから、一年や二年じゃできないよと。そこを皆さん、納得してやってくださいねということで、例えば都市の構造を変えて、コンパクトシティにするとか、それから、農業については農産物の輸入を、例えば飼料を大量にアメリカから輸入しているというのは現状が問題だとか、そういうふうなところにつながっていったり、あるいは交通システムというのが果たして現状でいいのかというふうな話になって、そして、それぞれの社会システムの変革を支えている技術というものが、より望ましい技術に置きかわってくるとすれば、結果として、例えば東京のCO2というのは半減できるんだというふうな論理になっていくので、そこのところは余り飛ばさないような、やはりここは議論をしていただきたいと思います。
 それと、日本の場合に、2050年、仮に議論の対象にするとすると、これは明らかに人口減少社会との議論の整合性が絶対必要ですね。2050年に今、人口は何人になるかというのはちょっと頭に入っていませんけども、多分8,000万とか9,000万。要するに日本は、そういう意味で、ちょっと世界とそこは違ってくるんですね。ですから、ちょっと書きぶりとしては「日本モデル」というふうに言ったときには、そこは例えば中国やインドを考えたときには、中国やインドが将来、もっと先に向かうであろう人口安定社会というものに日本がモデルとして適用できるようなお手本を今から用意しようというふうな多分ストーリーになって、当面の中国なんかでは、やっぱり石炭を使うしかないわけだから、その石炭の場合だと、CCSですか、そういうふうなものとセットで中国で技術開発を進めていくというようなことに対して、我が国も協力していかないといけないというのは、そこは少し時間がずれて、そして、それぞれの適用技術の内容も変わってくるというような、そんなことになるんではないかと思います。ですから、その辺を少しきちんとした形で書いていただくということでなりませんと、このスピーチのままにここに入っちゃうと、非常にバランスの、余り総理の発言を「バランスの悪い」などというのは大変不謹慎な発言かもしれませんが、私はそう思います。

○鈴木部会長 特に温暖化のところが一番大きいかもしれませんが、やっぱり中長期的なところをこの戦略でどう入れ込むかですね。各論のところが、今後一、二年だと、頭出しをしてしまっているものですから、その辺がちょっと工夫が必要かもしれません。
 ありがとうございました。では、中村委員。

○中村委員 基本的に私も同じことを言いたかったのですが、今の2050年、50%削減というものが、今のこの中では戦略1の中にしか入っていないというところが、ちょっと構造的に不自然だというふうに見ているのですが、そういう大きな目標をもっと前の段階、長期的な目標として立てた上に、それぞれ戦略1については、国際的な関係について、戦略2が生物多様性、そういうふうな各論が、その戦略1・2から8までに書かれるべきだろうというふうに思います。

○平野委員 先ほども申し上げたことと一部重複するのですが、この2050年半減目標、世界規模でやりますというのは、実は、私もこの場で、日本とは条件の異なる欧州の取組に、我々が引きずられることはないと、こういうことを申し上げたことがあります。やはりこれも議論されてきたことですけれども、すべての主要排出国の参加。当然それを可能ならしめるためには、各国の事情に配慮をした多様な取組が共用されなければいけないということを十分踏まえられた上で、今回、この2050年グローバルベースでの削減という目標をお出しになったということで、これは大変高く評価したいというふうに思います。
 ただ一方で、今、武内先生、それから中村先生からもお話があったんですけれども、そこへ行く過程のところというのの議論は、やはりもうちょっと必要なところは確かにある。それについては、国民運動に確かに一気に飛んでしまうようなところもあるし、これだけでこの問題が解決できるわけではない。
 それからもう一つ、先ほどもちょっと申し上げたんですが、今回出てきている中で非常に重要なのは、資金拠出メカニズムだと思うのですが、これは当然、国民の負担を伴うことになります。それを国民に理解してもらうためにも、やはりこの問題の持っている構造的な姿というのをグローバルなベース、それからあと、日本の社会をつくり変えていかなければいけないという、そういう基本的なところを理解させるためにも、してもらえるようにするためにも、やはり低炭素社会づくりの中身をもう少しわかりやすく打ち出していく必要があるのではないかなというふうに思います。以上です。

○村上委員 先ほどの武内委員がおっしゃった、日本の目標はどうなっているのか、それから社会の構図を変えていくというところが余り表現されていないのではないかという意見に、とても賛成しています。
 あと、私からは2点、これまで両論併記されていたところで、片方の意見に絞り込まれているところがありまして、そこについて、私なりの意見を申し上げたいと思います。
 1つは、原子力利用の利用拡大と国際的な取組への貢献ということなんですが、環境NGOといたしましては、原子力自体、今、日本の中ですぐやめるというのは不可能だと思いますし、これからも安全に、かつ平和的に利用していくということが大前提で、国の中でどう活用していくかというような議論があるところだと思いますけれども、方向性としては、やはり廃棄物の問題、それから安全保障の問題等々ございますので、方向性として脱原発の方に向けていきたい。特に環境戦略としては、脱原発という方向を出していきたいと願っておりますので、ここに原子力を積極的な推進、また国際的にもそれを輸出していくということに関しては、賛同できないという意見を表明させていただきたいと思います。
 もう1点、両論併記されていて、今回落ちている視点として、環境税等の経済的な仕組みづくりという視点が反映されていないと思います。これは国民運動等を呼びかけるだけで本当に動くのかという疑問は、どなたも、あらゆる方が感じられると思うのですけれども、そういう省エネ、低炭素社会へのインセンティブとして、制度を考えるということはとても重要で、この場ですぐに環境税を導入するということを書けないことは理解しているつもりですけれども、継続的に検討して、そういう経済的な仕組みづくりをしていくということは、やはり重要であると思いますので、そういう意見を述べさせていただきたいと思います。

○森本委員 低炭素社会2050年のイメージということで、4つの頭出しがありまして、武内委員がおっしゃったように、社会システムの問題が欠けているので、もうひとつ具体的なイメージがないというのは私も同感でございまして、ただ、これは今後一、二年で着手するべき8つの戦略の中に、なかなかきっちり書き込むことが多分なかなか難しい面もあろうかと思いますので、要するに、プランニングとデザインを、これ、グランドデザインと言うのですか。これを早急に、いろんな方のいろんな専門家の知識を集めて、国民の合意形成を図るような運動ないし大きな研究を進めていくというか、イニシアティブ、やるというか、そういう書き方が1つあろうかなと思いますので、この前来られた嘉田知事のところでは、具体的にそういうことをやっておられるわけですし、そういうことを日本の国としてやるというような、そういうような書き方もあろうかなと思いました。

○太田委員 出し遅れましたけれども、2050年半減という、世界なのか、日本なのかということですが、まず半減という言葉、やっぱり50%なのか、ハーフなのか、50%なのか、大変印象が違うように思います。総理はこれでいいかもしれませんけれど、ここではどのくらいなのかという議論をするのでしょうか。そういう数字、特に日本はどういう目標にするというのは、どういう形におさまるのでしょう。もうあと1回しかありませんけれど、ちょっとその辺がよくわからないところです。
 それから次に、京都議定書の次の枠組みはさらに前進させるという総理の発言でございますけれども、その後、それぞれの国が受け入れるような、すべてが参加される仕組みというふうに出てきてまいります。ここでの議論でも、アメリカが入ってこないようなものではうまくいかないというのは依然としてありましたけれども、京都議定書はやっぱり数字を出して前進しているわけで、そこにどうしてもアメリカに入ってもらいたいという説得だと思いますが、このくだりは、どういう形でそういうふうに考えて、これ、内閣は出されたのかというのを、もし事務局等わかっておりましたら、お尋ねしたいと思っております。以上です。

○大久保委員 私の方からは、村上委員からご指摘がありました中で、原子力の部分なんですけれども、戦略5の[4]のところで申し上げようかとも思ったんですけれども、今、その話が出ましたので、申し上げたいと思います。
 前回、花井委員の方から、原子力の活用に関しましては、国民合意でありますとか、あるいはコンプライアンス体制の確保ということがなければいけないというご指摘があったと思いますけれども、ここでは安全の確保と核不拡散ということは入っているのですけれども、社会合意あるいは国民合意、コンプライアンスの確保ということが抜けております。これはそんなに長い文章でもありませんので、ぜひ入れ込んでいただきたい部分であるというふうに思います。
 それで、これは、安全の確保や核不拡散というのは、これは世界共通の問題かと思いますけれども、コンプライアンス体制の確保ということに関しては、かなり特殊日本的な事情もあるかと思います。先日、パブリックコメントで、電力業界から原子力の活用というパブコメも幾つか出ておりましたが、その中で、それを進めるに当たって、みずからのコンプライアンスをどう向上していくのかということに関する言及が全くなかったことを読みまして、私はかえって大変危機感を持ちまして、そういう自覚を促す上でも、ぜひそれは入れていただきたい部分であると思います。
 一たび原子力に余り頼り過ぎますと、一たび何かトラブルが起こった場合に、件数がポンと上がってしまって、むしろ目標達成が全くできなくなってしまうという、この間の経緯を見ましても、そのようなリスクを背負うことは、安全という部分とは別に、社会的なリスクを背負うことはできないと思いますので、まずそこをしっかり書き込むということは、最低限お願いしたいと思います。以上です。

○枝廣委員 エネルギー、原子力については、また後ほど述べたいと思いますが、この総理が出されたことについて一言申し述べると、ほかの委員の先生方からも出ていますが、やはりこれを出されたというのは、G8サミット、来年のサミットも含め、世界の中でリーダーシップをとろうという日本のポジショニングをされているのだと思います。尊敬を得るリーダーシップをとるということを考えたときに、この出し方だと、武内委員もおっしゃっていたように、やはり日本はどうなんだと、まず一言目に皆さんから返されると思います。
 「ほかの国の世話をやく前に日本はどうなのだ」というふうに言われることは、もう火を見るより明らかなので、そこのところをちゃんと腹を決めないと、こうなったらいいねという形でしか出していないというのは、かえってマイナスではないかと心配します。
 世界半減というからには、そのためのロードマップも、やはりもう少し出されないと、例えばこういう資金を出しますとか、これを検討しますというのはありますが、かなり漠然とした形になってしまっている。そして京都議定書についても、ほかの委員からありましたが、やはりここの、例えば提案3のところですが、目達を見直すとか、行動の加速化を促すと。それを具体的にどうやって達成に持っていくのだという、やはりここはHOWの部分が余りにも欠けている。加速化を促すといって加速するのだったら、これは楽なわけですが、実際にはそうではなくて、今、危うくなっているわけですから、具体的にどうするということが出てこないと、やはり論拠として弱いであろうと。
 もう一つ、国民運動、かなり力を入れていますし、それは大事なことですが、一方で、国民運動だけに頼り過ぎると、これは国民の側に実はコンプレックスというか、自信喪失が今広がっています。例えば、自分たちは一生懸命頑張ってやっているのに、でも、例えばリサイクル率にしても、再生可能エネルギーにしても、進んだ国に比べるとなかなかいかないと。それは国民意識がやっぱりまずいのですか、自分たちが悪いのですかという人たちも出てきている。そうではなくて、例えばリサイクルしたくなるような、せざるを得ないようなデポジットの制度であるとか、再生可能エネルギーを導入しやすいような買い取り制度であるとか、そういう仕組みがあってこそ、やはり高い国民の行動なり意識につながっていく。そこのところを置いて、国民の意識だけ啓発しようとしても、やはり実効性が伴わないと思いますので、このあたりはもう少ししっかり入れ込んでいただきたいと思います。以上です。

○植田委員 2つだけ。1つは、総理のお話をなされた場所が、アジアの未来という、そういうことを考える場であったということから、重点が、例えば資金メカニズムのようなところが重点的にもなっているという、そういう理解をしているわけですが、大事な点は、戦略1との関係では、国際的なリーダーシップという話は、やはり国内をどのようにするかということと無関係にあり得ないということだと思います。その点で、一応、この提言に向けては、生活、ライフスタイルの話と技術の話と、それから社会経済システムの話を、3つを進めていくということを確認しているということからしますと、やはり総理の発言の中でも、やや社会経済システムの問題がやや弱いことになっていると思うんですね。ですから、私は、総理の発言も受けながら、発展させた提言にするという意味では、環境立国のための社会経済システムの構造改革といいますか、そういう構造改革プランが要るということをはっきり提示すべきだと思います。やはり社会経済システムの構造自体に従来問題があったことは確かなので、その構造改革のあり方をどうするのかということが大事な点なので、手段は、その構造改革をどういうふうにするかと関わって手段の問題があるということかと思うのですが、手段もまた後でちょっと出てくるみたいですけれど、そういうことを明確に打ち出すような形にした方がいいというのが1点ですね。
 それからもう1点は、総理の発言の中もそうなんですけれども、実は、国際的リーダーシップという場合に、議定書以降の問題を考えますと、アメリカの問題、それから中国、インドとか、こういうふうに社会全体を扱う問題と、それから同時に、中心的には、例えば資金メカニズムのあたりは、中心的にはアジアのことを念頭に置いているような部分があって、そうするとやはり、世界全体に向けた国際的リーダーシップの話と、例えばアジアを初めとする発展途上の国々との関係において、どういうリーダーシップを発揮するかということについて、多少整理をして提示した方が明確になるのではないかなというような気がいたしました。そういうことです。

○鈴木部会長 総理のペーパーについて、いろいろとご意見を、なかなか申し上げにくいところもあることは確かなんですが、2050年までに半減というのは、これはIPCCのカーボンバランスを考えた上で、地球全体からの排出量、今はもう50%以下にしなければいけないわけですね。72億トンに対して、自然での固定が30億トンちょっとと、そういうところですから、それはそれとして、大体半分には減らさなければいけない。こういうことで、日本が別にオリジナルな、ということよりは、それを世界全体として認めた上で、どう進みましょうかと、こういうことなんだろうと思いますが、それはそれとして、これを全世界のコンセンサスにするために、あるいは今度のG8で、全体の合意にするために、多分、今、外務省あるいは環境省、そのほかいろいろなところで国際的な根回しを始められるんだと思うのですが、そういうことになれば、今、ご指摘があったとおり、必ず、じゃあ日本はどうするのという話が出てくるわけですね。そのときに、この三原則なんていうのじゃあしようがないので、やはり日本はそれを目指してどうするかと。
 したがって、ここで多分想定しておられるのは、文章には出てきていませんが、ともかく半減するということになると、そのときの人口が100億人に到達しているかもしれない。そうすれば、1人当たりの排出量というのは、当然のことながら0.3トンという、そういう数字が出てきちゃうわけですね。今、日本が2トン排出しているわけですから、そこから0.3トンに日本は目標を絞りますということを言外ににおわせておられるというふうに理解していいのかどうかですね。そこの覚悟があって、これをおっしゃっているとすれば、私はすばらしいことだと思うんですが、その辺はあまり伺ってもお答えになりにくいだろうと思いますし、少なくとも、世界に呼びかけるからには、それくらいの覚悟が多分なくてはいけないんだろうというようなことがあります。しかしながら、そういうことを目標にして、それでは国民運動でと言われても、それだけではもちろんできないので、今、ご指摘がありましたように、例えば低炭素社会づくりに向けてのビジョンをきちんとこれから描いていくぐらいのことしか、多分ここには盛り込めないのではないだろうかと。そこなのかなという感じがいたします。ですから、長期的な社会システムをどう考えていくのか。そして、それとともに、国内はそういう形で動くとして、対アジアあるいは対世界に対して、日本は資金メカニズムといっても、これは簡単なことでは多分ないんだろうと思うんですね。今までの要請主義のODAではとても動かないものですから、どういう形で日本がきちんとアジアの志を持った国というような言い方がどこかにありましたが、そういう判断をして、何をどうしていくのかというのは、非常に難しい問題なのです。しかしながら、やはりこういうことが出てきたことに意味があって、ここを全否定してしまったら、もうどうしようもないわけですから、やはりこういうことをバックアップしていくという。それと表裏一体でこの環境立国戦略をつくっていくというようなことが重要なんだろうと思います。
 この三原則の方は、あくまでも次の枠組みをつくるときに考えていくべき原則ということで、この原則だけがあれば、次の枠組みができるわけではない。そこがまた非常に難しいところだろうと思いますが、少なくとも総理がこういう決意表明をしていただいたということで、これをぜひ、この環境立国戦略と齟齬がないような形で進めさせていただくということになろうかと思います。
 「1人1日1kg」というのは、これは何か環境省の方で。

○田村環境事務次官 今、部会長からお話しされたことに尽きるんですが、若干、質問にお答えする形で、この総理のイニシアティブのところの関連のところをもう一度紹介させていただきたいと思いますが、ご意見のところは別として、ご質問あった、大きく3点あったと思います。
 1つは、長期目標、そしてその長期目標とこの短中期との関係、あるいは全体の位置づけといったようなことでございます。
 資料2の中の提案の全体像という4ページのところで、まず、総理ご自身が、「本日、私は皆様を2050年の美しい星にご招待申し上げたい」と言った後すぐ、「これからお話することは、私が提唱している21世紀環境立国戦略の中核にもしていきます」という総理のご決意を述べられております。そして、長期目標のところは、「何よりもポイントは、この5ページの前半部分でございますけれども、世界全体の排出量を自然界の吸収量と同等なレベルに押さえ込む必要がある」と。そして、「このため、世界全体の排出量を現状に比して、2050年までに半減するという長期目標を全世界に共通する目標とすることを提案します」と。1行飛ばして、「まず、この目標を国際的に共有すべきです」と書いてございます。総理のお気持ちは、まずこの目標を国際的に共有する。そして共有して、その前提に立って、その後、この中期戦略ということも考えていく。まず国際的に共有することが大事なのではないかということでございますし、また、7ページの中期戦略のところの第1の原則のところでも、そのように書いてございました。第1の原則は、主要排出国はすべて参加し、世界全体の排出削減につなげることというところにも、そのすぐ下に、2050年半減という世界の目標の実現に向けて、13年以降の温暖化対策の枠組みを現行の京都議定書よりもっと大きく前進するものにしなければいけないという問題意識をここで繰り重ねて述べられておりまして、その中で、やはりアメリカ、中国、インド、主要な排出国がすべて参加する枠組みを構築しなければならないと、そういう論理につながっております。
 また、第2の原則のところも、柔軟かつ多様性のある枠組みとするというところは、そのすぐ後に、「すべての国には共通だが、差異ある責任と各国の能力の原則のもとで排出削減に取り組む義務がある」と。そして、一番最後の行ですが、「各国が最大限の取組を行うことを可能とするよう、柔軟かつ多様性のある取組とすべきである」というようにつなげられているわけでありまして、長期と中長期の連絡をこのように考えられているということでございます。
 また、もう一つ、マイナス6%の京都議定書のまず当面のこの目標について、どう考えているのだということにつきましては、10ページでございますけれども、10ページの一番最初のところに、「日本が約束した6%削減目標を確実に達成するため、総力を挙げて国民全体で取り組む決意です」と、はっきり決意をお述べになっておりました。そして、その後に、「特に排出量の伸びが著しいオフィスや家庭を中心に云々」ということにつながりますので、6%削減目標を達成すること、これはもう大前提でございまして、確実に達成するという決意をお述べになっております。
 また、それに向けての議論といたしましては、中環審、産構審、合同で、今まさに6%目標をどうやってやっていくか。この京都議定書の目標達成計画をいかに実現していくかという見直しを今徹底的に議論をしているところでございまして、中間論点整理もいたしました。中間見直しもして、これからまさに年度末に向けて、きちんとマイナス6%を達成するための見直しをきちんとやっていこうというのが、今の政府のスタンスでございます。
 それから、社会づくりのところでございます。確かにHOWというところ、特に社会づくりのところについて、なかなか全体の分量もこの程度でございますから、あれでございますが、これにつきましても、6ページの上から4行目でございますが、低炭素社会づくり、これについては、生活の豊かさの実感と二酸化炭素の排出削減が同時に達成できる社会の実現を目指すと。そして具体的には、先ほど武内委員等もご指摘になりましたけれども、公共交通等の効率的な移動システム、あるいはコンパクトなまちづくりなど、生活様式や社会システムの変革にまで踏み込んだ改革を打ち出してきました。さらっとしかお触れになっておりませんが、これについては、まさにこの立国戦略の中で、冒頭、官房長からもご説明いたしましたように、まさにコンパクトなまちづくり云々については入れております。
 また、実際の中長期的な取り扱いにつきましても、今日はちょっとご説明ができませんでしたけれども、資料1−2には、まさに各委員がずっとご議論されたことを大体網羅しておりますけれども、特に戦略1の部分については、もうさまざまなご意見をまさにいただいておりますので、戦略1を見ていただきますと、資料1−2の9ページ以降でございますが、この中にも、まず、いわば総理の今回のご提言といわば対応するような形で、まず世界全体での温室効果ガスの濃度の安定化についてのご意見をいろいろお伺いしたところでございました。そして、その濃度の安定化の後、国際約束としての京都議定書の目標をどうやって達成するのだと。達成のところについても、さまざまな具体的な取組に関する意見、提案をいただきました。
 そしてまた、次期枠組みづくりということを[3]として、13ページでございますが、まさにいろいろご異論をいただいた。ここら辺をいわば三原則ということになっておりますけれども、まさにご意見をいただいたし、さらにもう一つ、将来の枠組みづくりに向けて、我が国としてどういうことを取り組むのかということで、低炭素社会づくりとか、あるいは言葉はあれですが、技術、革新的技術のようなことを触れ、最後に17ページに、アジア地域を中心とした途上国支援等というのも、実はこの特別部会でいろいろご議論いただいたところでございまして、こういうふうなことも踏まえて取り入れたということで、冒頭の私どもからの説明につながっていくものでございます。
 十分なお答えになったかどうかわかりませんけれど、とりあえず私から。
 それからもう一つ、国民運動のところをちょっとご説明を申し上げます。

○梶原地球環境局総務課長 地球環境局の梶原でございます。総理のこの資料の2、全体の一番最後のページから2枚目のページに、国民運動の件について書いてございます。この中でもごらんになってわかるように、国民運動につきましては、1人1日1kgを目指してということになりますが、現在、これ、こういう形をやっても、トータルとして4,700万トンという形になります。現在、目標達成計画におきます家庭部門の削減目標量、これは非常に多うございますけれども、目標達成計画の達成のためには、この分野で、これの数字だけで到底達成できるものではないと。あるいは、その他の分野、交通、産業、業務、そういったものが当然必要だというのは、ご理解していただけるものと思っております。
 また、総理の提案そのものの中におきましても、ページでは10ページになりますが、先ほど次官の方からご説明申し上げましたとおり、この全体としましては、一番頭にあるように、総力を挙げてまずやるのですということで、その後には、さらには、例えば自治体や主要な業務部門の計画後の雇用を通じて、構造の加速化を図りたいとか、ほかの分野もずっと書いてございまして、さらには国民運動ということで、1人1日1kgという個人の生活といったようなところをベースにしたものがさらに書いてあるということで、ここだけが当然ということならとんでもございませんで、全体をやるということでございます。
 また、この点につきましては、当然ながら6%の達成目標のためには、いろんな形、すべてのところを点検しなくてはいけないということで、今、中環審地球環境部会等あるいはほかの産構審等々の合同部会の中でも、全体を見直して、どういう形で共感ができるかとか、あるいは対策の追加ができないだろうかといったような検討もしております。
 説明になったかどうかはあれでございますけれども、以上でございます。

○鈴木部会長 今ご説明いただきましたように、非常に総理のプレゼンテーションは簡潔に文章化されておりますが、その中身は、実は私たちのここで議論したものがかなりの部分、反映されていると、そういうふうにお考えいただければよろしいかと思います。
 この部分をそうしますと、ある意味では、また適当な形に、これをそのままここへ仕込みますと、ページ数が大変なことになりますから、戦略1に盛り込んでいただくと。この最初の部分の総論の部分の地球温暖化の危機のところに、「半減」というのはもう入れ込んでしまっておく方がいいかもしれませんね。どういう形になるかは別にしまして。
 それでは、ちょっと長くなりましたが、各論の温暖化の部分につきましては、以上とさせていただきたいと思いますが、各論のその他の部分が、戦略の2以降がございます。ここにつきまして、いろいろとご議論ございましたらお願いしたいと思います。
 では、こちらからにいたしましょうか。上路委員。

○上路委員 幾つかありますけれども、まず最初に、15ページのところです。自然の恵みを生かした活力あふれる地域づくりというところで、農林水産業ということがきちんとこの中で取り入れられたということはよかったと思います。その中で、農業の中で、やはり農業自体が多面的機能を持っているということを明確に。確かにいろんな保全とか、あるいは活性化とかいう言葉が出ていますけれども、多面的機能というような言葉が入っているという方がいいのではないかと思います。
 それともう一つ、やはり農産物の生産というところに、今よく安全・安心というような言葉が出てきていますので、農林水産業の活性化の第1行目のところに、「消費者ニーズにも対応した安全な」という言葉を入れていただければ、もっと具体的に農林水産業の役割というものが見えると思います。
 それともう一つ、後ろの方の一番最後の戦略7のところですけれども、やはり環境を感じ、考え、行動する人づくりというところで、総論としては、ライフスタイルの変革ということが出ております。先ほど来、国民運動の展開ということもありますけれども、どこに言葉を入れたらいいのか、ちょっとあれで、むしろ戦略7のすぐ下のところに、「私たちのいわゆるライフスタイルを見直しましょう」というようなことをやはり1行入れていただくと、よりわかりやすくなるのではないかなと思います。
 そういう全体の、いわゆる国民運動の展開の中で、先ほど地球温暖化の問題が出てきましたけれども、それ以外に、いわゆる、例えばいきものにぎわいプロジェクトとか、あといろんな運動のキャッチフレーズみたいなところがあります。それが文章の中に入り込んでいて、非常に一般の国民にはわかりにくくなっているので、このペーパーの中に入れるかどうかは別として、そういういろんな取組というものが、どこかでわかるような形で示されていくといいのではないかなというふうに思います。以上です。

○枝廣委員 私は、13ページにあります戦略5に絞ってコメントをさせていただきたいと思います。
 ここは先ほどの温暖化ともかなり重なる部分ですが、エネルギーと経済成長を語っているところです。エネルギーと経済成長を語っているところの項目を見ますと、技術開発、エネルギー効率の改善、再生可能エネルギーの推進、そして原子力の利用と、この4項目が挙がっています。どういう項目を挙げるかによって、日本がこの問題をどのように考えているかが伝わっていくと思っています。エネルギー自体は目的ではありませんで、経済を動かすためにエネルギーが必要だという位置づけは、もちろんそのとおり、皆さんの異論のあるところではないと思っています。
 世界的に見たときに、今、経済成長を単に盲目的に増える需要に対応する、それを成長とするのではなく、スマート・グロースという考え方が少しずつ広がってきており、先進的なところでは取り入れている。つまり、必要なところに、必要な種類の、必要な量の成長をしていこうと。盲目的に需要増に対応するのが経済成長ではないという考え方です。
 ですから、日本も環境立国として戦略を出すからには、そういった経済成長そのものをどういうふうに考えていくかということも、もう少し考えて入れる必要があるのではないかと。つまり経済というのは、国民の幸せのためであって、国民の幸せに役に立っていない、例えば不必要な快適さや不必要な便利さをやめると。本当の幸せは何なのだと。そういったことまで踏み込んでいく必要があるのではないかと思っています。つまりエフィシェンシー、効率を上げるということだけではなくて、サフィシェンシー、足るを知る。こちらも日本の昔からのすばらしい言葉ですが、世界に発信する上でも重要ではないかと思っています。
 そういうふうに考えていったときに、今の化石燃料を再生可能エネルギーで置きかえていくことはとても大事だと思っています。例えばバイオマスを推進すれば、国土の保全につながりますし、再生可能エネルギーはほとんどが分散型ですから、地域振興につながる。そういった点で考えると、今の需要を牽制することなく、原子力を増やすという、こちらの位置づけについて、かなり国民の感情なり、国際世論に逆行する可能性があるというふうに思っています。安全性や世界の平和について、いろいろと考えるところ、もしくは感じるところがある人が多い中で、それを前提とするというふうには書いてありますが、今、前提とできないので問題となっているわけで、それを大前提とするから推進しましょうという、ここはほかのところに比べて、かなりトーンが強いというふうに思っています。村上委員がおっしゃったように、原子力をゼロにすることがすぐに可能ではありませんし、現実的でもありませんが、しかし、ここだけが突出したイメージを与えてしまうのは、受け取り手として、国民もしくは国際世論的にマイナスではないかと思いますので、トーンをそろえる意味でも一言述べたいと思います。以上です。

○鈴木部会長 今、すみません、具体的には、どこを。前例とするというのは。

○枝廣委員 15ページのところです。この安全の確保等を大前提とした原子力の利用ということで、大前提というのは書いてありますが、ここのところが大前提という仮定のもとに、かなり積極的に具体的なものも挙げつつ、原子力を推進していくぞと、その言質をとるぞというようなトーンにも受けとりかねないというところです。

○鈴木部会長 これは、先ほどの総理イニシアティブとも絡んでくるわけですね。それでは、大久保委員。

○大久保委員 私の方からは、細かい点を4点ですけれども、まず、戦略3の10ページ目で、廃棄物の広域処理の話、リサイクル、広域処理の話が出てくるのですが、主な意見の方では、E-waste等の不法輸出入対策等が明記されていたと思うんですけれども、これもそんなに長い言葉ではありませんので、やはり不法輸出入対策の実効性の確保というのが、まず前提にあるということを言わないと、ここはちょっと誤解を呼びかねないと思いますので、それは入れていただければと思います。
 それから、戦略5の14ページですけれども、化学物質対策がきちんと位置づけられたということは評価したいと思います。特に我が国としては、既存化学物質対策と、それからここの2段目にも書いてありますように、そういう化学物質の影響を受けやすい人たち。特に子供などへの対策というものの充実が求められると思いますので、ここもきちんと既存化学物質対策、それからここに書いてあるようなことを位置づけていただければと思います。
 それから、18ページ目で、戦略の7ですけれども、[2]の国民による取組の展開のところの最初の国民運動の全国的な展開と世界への発信のところですけれども、これはもちろんいいと思うんですけれども、どのように世界へ発信していくのか、あるいはどのように個々の取組をネットワーク化して、全国に広げていくのかということの具体的なイメージが若干欠けているかと思います。もし、そこはもう少し明確化するといたしますと、例示といたしましては、例えば日本にはGEIC・EPOというような国連と共同しての地球環境パートナーシップオフィス・プラザのようなものがあるということが一つの特徴ですので、そういうもの、あるいは地方EPOというものをネットワークづくりに活用していきながらとか、例示でいいと思いますけれども、配慮と日本の特徴というのが出るかと思います。
 あとは戦略8の市場メカニズムの活用の[1]の19ページですけれども、今の空白になっている部分につきましては、社会経済システムの変革という部分が出なければいけないという、先ほどからの植田委員を初めとするご指摘に賛同いたします。ここにきちんとその点を書き込むということを意見として申し上げたいと思います。以上です。

○太田委員 まず、9ページでしょうか。百年先を見通した我が国の生物多様性の部分の2番目の、優れた自然環境をつなぐ生態系ネットワークの部分でございますけれども、保護林や緑の回廊の設定、それから多自然川づくりの推進とありまして、次、森林・河川・海洋とありますけれども、例えばコウノトリは田んぼにいるわけですので、実はいつも森林・河川・海洋なのですが、農地ですね。やっぱり農耕地も連続していると。都市までを入れると、これはまたわからなくなってしまいますけれども、自然の豊かな農耕地というのは、やはりここに入れておいて、それに対応するとしては、例えば環境保全型農業の推進ということで、農耕地も鳥にとっても安全だと。そういう形で、農耕地まで入れておく必要があるんじゃないかなと、こういうふうに思います。
 それから、その次の元気な里山ということなんですけれど、ここは里山は4割あると。その4割のうち、こういうところを中心にしてやっていくんだということですが、そんなに大きいパーセントをこれは占めませんので、やっぱりそのほかの農業とか、そのあたりのところが非常に重要になってくるということの認識がやはり必要なんだろうと思います。
 それから、その次の農林水産業における生物多様性の総合戦略の策定というところでございますけれども、ここは生物多様性を高めるという、そういう戦略の2に対応していますから、生物多様性保全に貢献する農林水産業の実現を図ると、こういう書き方になっていますけれども、やはり農林水産というのは生業でやっておりますので、農林水産分野における生物多様性保全に向けた取組を推進するための総合戦略を策定し、それらを踏まえた農林水産業の活性化により、国土の生物多様性保全を図るという形の方が、やはり統合的というときにはいいのではないかなと、こういうふうに思います。
 それから次に、関連しまして、15ページになりますけれども、人と自然が元気な里づくりのところですが、環境に反した農林水産業ということなんですが、やはりここに、あるいは多面的機能に配慮した農林水産業と。その中に環境も入っているし、多面的機能はもっといろいろあるんですが、そういうものを両方入れておいて、多面的機能という形で、農林はやっておりますので、そのあたりは両方を含めて書いておいた方がよろしいのかなというふうに思います。
 それから、16ページのコンパクトシティのところですが、2番目のパラグラフ、これもやっぱり統合ということを考えていきますと、この環境の問題と、それから防災の問題が一体になっているはずですので、その防災の対応も含めて、こういう取組をやっていくんだという、そういう統合性も出したらいいのではないかなと、こういうふうに思います。以上でございます。

○鈴木部会長 戦略6と、先ほどの戦略の2なども、少し整理が必要なのかもしれませんね。

○小池委員 私も今、似たような意見なんですけれども、戦略の2の生物多様性の話と、それから戦略6の自然の恵みを生かした活性あふれる地域づくりというのが、かなり言っていることがダブっておりまして、それで、多分これ、キーワードが自然共生社会という言葉を多分キーワードにして両方書かれているので、どうしても内容が似通ってしまうのですね。ですから、これはやはり生物多様性の保全ということを非常に強く言う場合には、やはり生物多様性というのはどういうものであってということをまず言っておかないと、多分、これ、見ていて非常に6との違いがわかりにくいという印象を受けました。それで、その書き方にしても、例えば条約締結国会議の誘致とか、そういうものが書いてあるのは、これはやはりちょっと幾らなんでも行き過ぎではないのかなと。ですから、やはり全体のトーンが、ここの2の書き方と、ほかのところの書き方が、大分ちょっと違っているような印象を受けるので、私はやはり、かなり一般的なことを書かれて、余りスペシフィックなことはなるべくこういうところから外した方がいいのではないかというふうに感じます。
 ですから、ちょっと戦略2のところに関して、もう少し戦略6との住み分けをきちんとさせていただきたいというふうに思います。以上です。

○杉山委員 今、小池先生のお考えと重複するのですけれども、この提言そのものは、やはり考え方を中心に出すべきものであって、その考え方をできる限り具体的に反映していただくというのが、私は行政の仕事だと思いますので、そこの住み分けを考えるべきではないかなというように思います。
 それからもう1点は、戦略2で、SATOYAMAイニシアティブということが書かれておりまして、私が読んだ新聞によりますと、かなりこれが中心的に新聞などで扱われているように思います。ところが、里地里山って一体何なんだろうかと。ごくごく簡単には書いております。また、この委員会の先生方にとっては周知のことなのですけれども、若者はほとんど知りません。私、教室で里地里山知っていますかと聞いたら、知らないと。中には初めて聞いたという人がいる。ですから、恐らくここの表現ではわからない、若者には。ただ、私は先ほど来から、もう分量を増やすなというように言っておりますので、ここは増やすということは要求いたしません。ですから環境省には、ぜひ環境白書等々で、里地里山というのはこういうことなんだということを具体的に、若者にわかるような、そういう広報活動をやっていただければというように思います。以上です。

○須藤委員 2つ申し上げます。1つは、前段の総論のときに申し上げました、アジアの公害がまだ深刻であるということに対応する12ページの環境汚染のないというか、克服するアジアへの構想というのは、これは1つにまとめていただいて大変よろしいと思うんですが、ここを読んでみますと、どちらかというと、モニタリングだとか、ネットワークだとか、観測システムとか、やや環境省よりのというか、環境省主体の施策が非常に多く目立つので、実際には各省庁全体としての構想にしていただいた方がよろしいので、政府全体として実効のある構想として提案をしてほしいというのが1点目でございます。
 それから2点目は、どこに入れていいかよくわかりませんが、先ほど大久保先生はコンプライアンス関係のお話をしていたのですが、原子力のお話をしていたのですが、前、余り意見出ていなかったと思うんですが、やはり最近、大企業でさえ、環境汚染物質の排出データが改ざんされるなどということもあって、環境立国としては恥ずかしいというか、そういうこともあるわけなので、環境規制のコンプライアンスが大前提であるということがございますので、ISO14001や公害防止管理者制度などというのが進んでいることもよく知っておりますので、こういうことを徹底して、ぜひ、そういう取組が戦略の中に生きてほしいと、こういうふうに思いますので、コンプライアンス関係を環境規制の中で取り上げてほしいと、こう思います。
 以上、2点であります。

○関澤委員 今の戦略4のところの意見でございますが、公害克服の経験と智慧を生かすということでございますが、鉄鋼業界に私はおりますが、ここの書きぶりが、外から与えていくという感じが非常に強いと思います。途上国自体が、公害問題がみずからの経済発展とか国の成り立ちにいかに悪い影響を与えるかということを、本当に自覚して、その上で先進国が支援していくということが大事じゃないかと、思います。すなわち、途上国が公害問題について、自分の国の問題として、真剣に取り組む姿勢を示すことが支援の前提である、ということをうまく入れられるといいと、思います。
 それから、今日遅れて来て誠に申しわけございませんが、総理のスピーチのことで、ちょっと一言だけ言わせていただきたいんですが、この特別部会で議論してきた大切なこと、基本的な考え方が見事に織り込まれていると、このように思います。すなわちグローバルな視点、それから日本の立場を中心に、欧米、途上国に働きかけるという、そういう日本の立場。そのためには技術を中心にやっていかなければいけないということでございまして、これは我々の議論と大きなところで基本方向が一致していると思いました。したがって、まとめもこの総理のスピーチと齟齬のないようにすべきであると思います。

○武内委員 先ほど小池先生からお話のあった、生物多様性の国際条約の締約国会議を誘致するというのは、確かにこれ、唐突に出ていると思いますけれども、私がこの条約を日本に誘致することの意義というのは非常に大きいと思っているんですね。それはなぜかというと、これまで温暖化対策については、もともと国際的な議論から始まっていますから、最初から国際的な議論であるということを視野において対応してきている。
 それから、循環型社会については、3Rイニシアティブを通して、むしろ日本は前に出るんだということは、これは明確になっているのですけれども、残念ながら、この生物多様性の議論は、非常に議論が内向きで、そして日本の中で議論をしていて、なかなか例えば締約国会議に関連した専門家会合にきちんとした研究者が行っていないとか。それと例えば、ミレニアム生態系評価と日本の生物多様性国家戦略が余り関係がないとか、そういうことを余り言い過ぎると、ちょっと怒られるかもしれませんけれども、とにかくそういう意味で、この締約国会議を日本に誘致するということを通して、日本が本格的に内なる生物多様性施策と、それから国際的な生物多様性施策をつなげていくという方向に舵を切るために、非常に重要な契機になると思っていますので、こういうふうに特出ししないで、つまり日本における生物多様性についての基本的なスタンスをより国際的なシェアを獲得するということに対して、この締約国会議誘致を利用しながら促進していくというふうな形の書きぶりにやはり変えて、私としては、ぜひ、これは残す方向でご検討いただければいいなというふうに思っております。
 2番目に、先ほど来、自然共生社会について、生物多様性の議論と、それから地域づくりの議論が、やや分離された形で書かれていると。私もそのとおりだと思うんですけれども、そこはまたいろいろ議論を工夫していただくとして、やはり農業についても、食糧自給率の問題といったことについて、十分触れられていないとか、林業についても、木材自給率の問題について、促進するなどという言葉があるのですけれども、十分議論されていないというあたりを、私としてはもう少し踏み込んで、仮に数値が難しいとしても、いわば持続可能な社会を支える農林水産業という形で、それぞれの自国内の生産を基本とするような、そういうスタンスへの変革が求められるというふうな書き方がどこかであるといいなと思っております。
 そのことに関係して、水産資源というのは、これもやはり持続可能性に関しては、非常に今大きな問題になっていますね。世界の漁業資源の争奪が始まっているという中で、私たちはこれをどういうふうにして、持続的な海洋資源を保全していくのかということについては、ちょっと何かあった方がいいのかなというふうに思います。
 それから、全く違う話ですけれども、教育についての話がありました。ここでの教育についての議論というのは、戦略7、環境教育・環境学習と、こういうところで大体頭はそろえておられるんですけれども、一方で、日本は持続可能な開発のための教育に対して、これはリーダーシップを発揮しているという、あるいはリーダーシップを発揮してやっていこうという意思があるわけですね。これはユネスコなどに対して、日本がむしろ主導して、今いろんな提言をしているという、一方で状況があるのですけれども、環境ということよりももう少し広く、経済社会と環境保全の両立を考える持続可能な社会の形成を目指し、かつ、先進国だけに注目するのではなくて、途上国の問題、人間の安全保障も含めた、そういう意味でのサスティナブル・ディベロップメントに関する教育というものをより普及させていくという方向に、私はやや少し方向性を変えるというよりも、広げていくということが望ましいのではないかと思うのですね。
 ここで18ページですか、真ん中に「持続可能な開発なための教育研究を政府を挙げて展開していくため」と、こういう文章が入っていますけれども、私としては、どこかに、頭に、そういうものをむしろ出していくと。その中に環境教育というようなものもむしろ入れていくというふうな、逆の構造にしていくような方策も考えていいのではないかというふうに思っておりまして、できれば、これはたしか文科省が今やっている政策だと思いますけれども、その辺と協議をされて、うまく入れば、入れていただきたいと思います。

○鈴木部会長 なかなか注文がたくさん出てくる。大変ですね。生物多様性についても、本当はどこかでやはりきちんと、一度詰めておかなければいけないような気もするのですが、里地里山というような、人間活動と生物多様性、生態系との一つのシステム化された仕組みを一方で謳いながら、バイオダイバーシティ、GBOみたいな話をしてきますと、なかなかそこの整合性をどうとるのかというあたりも非常に難しいところもありますね。ただ、そこはどこかで、やはりきちんと日本としてのやり方を詰めておかなければいけないところもあるのかもしれません。
 農林水産そのものの立国戦略をここで書き込むというのはなかなか難しいので、そこはうまく両立するような形にしましょう。
 ESDもヨハネスブルグ以来、小泉前総理のイニシアティブでスタートしたんですけれども、その後どうなっているのか。

○武内委員 余り社会では知られていないんです。

○鈴木部会長 ええ。文科省だけではないのですよね。環境省の方もいろいろ、ESDの中身をいろいろと議論しているはずですし。切りがありませんので、お伺いしておくことにしまして、中村委員。

○中村委員 簡単にですが、4つ、ちょっとお話ししたいと思います。
 14ページのバイオマス等の再生可能エネルギー利用という書き方ですが、ここのところは、バイオマスエネルギーのところに重点が置かれて書かれているような書き方になっていまして、自然エネルギー利用がちょっとトーンダウンしている気がします。特に太陽光等、最近補助金もカットされて、大分弱くなってきているのではないかという心配があります。太陽光、風力、しかも地中熱というのもここに加えていただきたいというふうに思います。
 2番目は16ページ、ここは私の専門ですが、世界最先端の環境モデル都市づくりの中で、最初のところに、「シミュレーションをした結果」という前に、「必要かを社会システムの変革も含め」というのを一言入れていただくと、先ほどの話とつながってくるかと思います。
 それから、地区単位というのが、ともすれば小さな団地ぐらいしか考えられないというふうな気がしますので、もう少し県との連携も含めて、市町村単位でというぐらいにしっかり、特に首長さんたちに非常に意欲をうまくかき立てるような書き方にしていただきたい。
 それから、目標や基準、これもできれば、先ほどの話のような数値目標をここにも何%削減に向けてということを入れていただければと思います。
 次に、17ページの下の方ですが、国産材利用に関するところで、これも「身近な空間に」と一言、2行目にありますが、ここに「学校福祉施設などの」というような項目が入っていたら、わかりやすいと思います。
 4番目は、18ページの環境教育の中の国民運動の話ですが、ここに省エネ製品の買いかえというような、ここに幾つかの例がありますが、やはり大事なことは、生活、オフィス等の住環境の省エネ回収というのが必要だと思いますので、これに関する項目も入れていただきたい。この下の方に、「省エネ」と一言ありますが、これだけではちょっと幅が広過ぎて、意味がわかりにくくなっているだろうというふうに思います。以上です。

○花井委員 3点述べさせていただきたいと思います。
 1点目は、15ページの原子力発電の問題で、先ほど来、意見が出ておりますが、やはり「コンプライアンス体制の確立」ですとか、「徹底した情報の公開」という言葉を入れていただきたいと思います。
 それから2つ目は、18ページの国民運動の全国的な展開のところですが、前段の方で、循環型社会を維持・構築していくために3つのことが必要だということで、その中に、ライフスタイルの変革が挙げられています、国民による取組の展開の中に、そのことが強調されていないので、一番最初にライフスタイルの変革が必要であるということを強調していただきたいということです。それから総理の発言の中にありましたが、生活の豊かさの実感と、それからCO2の排出・削減が同時に達成できる社会の実現ということがあります。それ自体は大変すばらしいと思うのですが、生活の豊かさとは何かというのが、非常にこれから大きく問われていくのではないかと考えております。利便性を求め過ぎる、あるいは快適性を求め過ぎているがゆえに、CO2が非常に増えているという面もあるわけです。ここの中では多分書き込めないとは思いますが、例えば1人1日1kgの温室効果ガスの削減というのは、一体具体的にどういうことなのかというのがなかなかイメージできません。先ほど、里山里地の話も出ましたが、ライフスタイルを変えるという言葉もそうですが、例えば若い人たちが朝シャンをやめることなのか、ごみをどのぐらい減らすことなのかとか、生活の中の何をどういうふうに変えるのかというイメージしにくい部分があります。それをここで書き込むというのは難しいと思うので、次の課題として、ぜひともどういう社会で、具体的にどういう生活のあり方になっていくんだということを示していただきたい。2050年の50%削減した社会というのは、一体ごみがどのぐらいあるのかとか、水の使い方をどうするのか、細かい話なのですが、そういうことがもう少し具体的に示されないと、国民による取組の展開と言われても、実感ができないのではないか。この部会自体が、国民に対してもメッセージを発していくということであれば、そういうことを今後みんなで考えていくことを、ここの[2]に取り入れていただけないかと思います。
 そしてもう一つ、最後ですが、その他各種対策というところに、政府の取組がこれだけでいいのかなという不安があります。政府として主体的にどうしていくのか、国民に対して何を発信していくのかということを書き込めないかなと。前のときに幾つか具体的に、政府としてはにこういうことをやっていくべきだということが出ていたような気がするのですが、そのこともぜひ検討いただければと思います。以上です。

○平野委員 では、手短に1点だけ。今、最後のところで、花井委員からもお話出たのですが、戦略8の[2]、これはきのうの首相スピーチの9ページの(その他の手法の検討)というところに照応する部分で、これについては、日経の社説に、検討するとしか述べていなくて、政治や行政の要望で検討は何もしない先送りのことをされる、と書いてあるのですが、これはちょっと皮肉な書き方ですが、これは大変に難しい問題なんです。ですから、この場でやる、やらないと決めるのは難しい。ただ、これは真剣に検討しないといけないテーマだということを、書いてあることを繰り返しても意味はないのかもしれませんが、改めて申し上げたいと思います。

○村上委員 1点目は、エネルギーのところ、先ほど申し述べましたので、手短に。
 枝廣委員もおっしゃっていただいたように、この強いトーンでは、私はやはり世界の動きにも、また環境NGOの考え方にも逆行すると思いますので、再考をいただきたいと思います。
 それからもう一つは、ESDのことを武内委員がご指摘いただきましたけれども、ESDの方向性に広げていくという、環境教育の表現をもし可能であれば記入していただければというのは、私も賛同いたします。ここで学校教育だけではなくて、生涯学習としての位置づけをきっちり出されたことは、とてもいいと思います。それの前にある地域づくりやまちづくり、森づくり、そういうすべてにやはり大人が積極的にかかわっていく。そのきっかけとして、環境学習が生涯学習の中で実践されていくということをぜひ進めていきたいというふうに思います。
 それを実現するためにも、アジアの環境リーダーのイニシアティブのところで、各省連携のことを書かれてありますけれども、これは国際的な貢献の視点だけではなくて、ぜひ、国内での人材育成にも視野を広げて、この各省の連携というのを位置づけていただきたいと思います。
 そういう意味では、文章の中で、このイニシアティブの展開の下から3行目に、国際的に活躍できる環境リーダー育成イニシアティブというふうに書かれてありますが、これは国際的だけではなくて、地域の中でも、もちろんこれは日本国内だけではなくて、途上国の国内で、そういうイニシアティブをとっていけるリーダーを育成するという表現に広げていただければと思いました。以上です。

○植田委員 2つだけなのですが、戦略の5のところでございますけれども、ちょっと私、もう少しすっきりさせた方がいいんじゃないかというふうに思いましたんですが、これ、タイトルそれ自体が「環境・エネルギー技術を中核した経済成長」と、「経済成長」が最後に来るんですね。でも、戦略の目的はそうじゃなくて、エコイノベーションじゃないかなと、全体的には。ですから、むしろプラスサムも実現のためのエコイノベーションというか、そちらの方が戦略の意味がはっきりする。最初の方にプラスサムというふうにお書きになっていて、WIN-WINという意味合いだと思うのですね、これは。そのためにイノベーションが、私はそれが中核だと思いますが、そういう形で整理した方がはっきりすると思います。
 イノベーションの内容は、先ほどもありましたように、技術的な側面と経営の側面がありますね。環境ビジネスの支援と書いていますが、これは経営イノベーションに近いと思うのですが、それとソーシャルイノベーションというか、そういう3本柱をはっきりさせると、非常にはっきり、すっきりするのではないかと、こういうふうに思いました。これが1点です。
 それから、最後の戦略8のところなんですが、これはやはり、私は仕組みづくりというふうに言っているので、社会経済システムを環境立国のために、一種の構造改革を推進するということをはっきり宣言した方がいいと思うんですが、その内容は、私はかなり多様じゃないかと思うのですね。つまり社会システムというふうに言うと、例えば先ほどから議論がありましたような、参加とか合意の仕組みづくりとか、そういうのも大変大事な、参加、合意、それから人材づくりといいますか、そのための仕組みづくりというのが、環境立国を支えるためにはどうしても必要なので、そういう仕組みづくりというのも1本柱を掲げた方がいいというふうに思いました。
 それから、何人かの方がご指摘なされたように、公的部門がどうするかという問題、大変大事な話で、例えば公的資金が、例えば研究開発がエコイノベーションをもっと推進するようにするとか、そういうことは大変大事なことだと思いますし、それから、多くの方がおっしゃっておられた政策の統合ですね。これをどういうふうに推進するかということもあると思います。
 これは要するに、この提言の最初で掲げている統合的取組を実現できるための仕組みづくりということがどうしても必要になると思いますので、その点、公的部門における進め方の問題をやはり明確に打ち出す必要があるのではないか。今の1例ですけれども。
 それで、最後が、やはり何といっても、私は一貫して、統合するわけですから、あまねく人間の活動にかかわっている部分に、何らかの持続可能な社会へ向けたシグナルが出る必要があるわけですね、明確に。それはやっぱり私は、市場のメカニズムをつくり直されるという、私はリメイクというふうに言っているわけですが、そういう市場のリメイクみたいなことが必要で、環境を配慮された市場。ここには、市場で適正に評価される仕組みづくりというふうになっておりますが、そういうことで、例えばカーボンだけに限っても、カーボンオフセットの動きだとかいろいろあるわけで、そういう新しい動きも含めまして、少し大きく書いた上で、事例みたいなものがあるというか、そういうことをちょっと明示していただけたらと。仕組みづくりはそういう意味で、社会システムにかかわる部門と、公的部門と、経済活動全般を支える市場を中心とした部分と、その全般をすべて仕組みを改革するというふうにはっきり打ち出した方がいいというふうに思います。以上です。

○鈴木部会長 そうですね。環境立国戦略というからには、やはりきちんとしたその辺のまさに仕組みづくりを国がどうするのかと。これが本当は問われている。なおかつ、やはりいろいろとありましたが、やっぱり重要なのは、価値観を変えていくあたりのところまできちんと訴えられるといいんでしょうが、残念ながら、総理イニシアティブのある程度、余りこれから踏み出してもいけないでしょうし、今後のフォローアップのところでいろいろと考えていくということになるのかもしれません。
 大変たくさんいろいろといいことをおっしゃっていただいて、これをこれから週末に事務局が大いに楽しんでいただくということになろうかと思うんですが、すべてに十分に取り入れられるかどうかはいろいろと問題があろうかと思いますが、限られた文字数の中で、ぜひ先生方にご検討いただいたことを十分にその趣旨を生かせるような形の立国戦略に向けた提言とさせていただければと思います。
 やはり煮詰まってきまして、大変いろいろと有益なといいますか、意義のあるお話をお伺いできたと思いますので、来週の火曜日に最終回、この段階での最終的な報告をまとめさせていただきたいと思いますので、それをまた楽しみに、ぜひおいでいただければと思います。
 ちょっと予定の時間をオーバーしてしまって、申しわけありませんでしたが、こんなところでよろしいですか。
 事務局の方から、それでは。

○柴垣政策評価広報課長 参考資料の2で、今、部会長からもありましたけれども、第10回の特別部会、来週の火曜日、5月29日、10時からということで、場所がまた変わりますが、九段下のホテルグランドパレスということでございますので、よろしくお願いします。

○鈴木部会長 それでは、これで本日の特別部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

午後12時20分閉会