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■議事録一覧■

中央環境審議会
21世紀環境立国戦略特別部会(第7回)


平成19年4月26日
環境省大臣官房政策評価広報課
<議事次第>

  1. 開会
  2. 議事
    (1)
    有識者からのヒアリング
    (2)

    「21世紀環境立国戦略」について(生物多様性、3R、その他)

    (3)
    その他
  3. 閉会

午後3時00分開会

○柴垣大臣官房政策評価広報課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会の第7回「21世紀環境立国戦略特別部会」を開会させていただきます。
  お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
  本日は、委員総数26名のうち13名の委員の先生方からご出席のご連絡をいただいております。
  それでは、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
  資料につきましては、お手元の議事次第の下に一覧がございます。資料1にはクリアファイルの別冊で1枚紙がついてございます。それから、資料3にはパンフレットが2つついてございます。それから、本日欠席ではありますけども、関澤委員から追加の意見書の提出がありました。また、嘉田委員から滋賀県のパンフレットの提供がございます。資料の一番下に配付させていただいておりますので、あわせてよろしくお願いいたします。
  資料の不足などございましたら、事務局の方にお申し出いただければと思います。
  それでは、以降の会議の進行を鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、次第に従いまして議事に入らせていただきたいと思います。
  本日は、前回に引き続きまして、審議とあわせてヒアリングを実施しようということになっております。角和夫阪急阪神ホールディングス株式会社代表取締役社長、そして山田政雄DOWAエコシステム株式会社代表取締役社長、吉田正人IUCN日本委員会副会長・江戸川大学社会学部教授、このお三方に来ていただいております。今回も大変時間が短くて恐縮ですが、それぞれ10分程度でご説明いただきまして、その後、10分程度の質疑応答をそれぞれ設けたいと思います。
  それでは早速ですが、角阪急阪神ホールディングス株式会社代表取締役社長に、公共交通とまちづくりについてご説明をお願いいたします。どうぞよろしく。

○角社長 ただいまご紹介いただきました角でございます。よろしくお願いいたします。
  本年3月、地球温暖化対策とまちづくりに関する検討会におきまして、中心市街地の衰退と都市機能の拡散が運輸業務部門の排出量に大きな影響を与えており、公共交通を軸とした拠点集中型の地域・都市構造を構築して二酸化炭素排出量の大幅削減を図るという旨の報告がなされております。これにつきましては、私ども民間鉄道事業者と全く思いを一にすることでございまして、ある意味で感激をしているところでございます。
  さて、私ども昨年10月、村上ファンドに端を発しまして阪神と経営統合をいたしましたが、その中でさらにいい沿線づくりに向かって努力をしているところでございますが、その取組の一端のご紹介をさせていただきたいと思います。
  それでは、2ページをご覧いただきたいと思います。2ページには、いわゆる輸送機関別の旅客輸送人員のシェアの推移というものをグラフであらわしております。昭和45年(1970年)には、このブルーが自家用自動車でございますが、自家用自動車、そして民間鉄道――これは公営交通も含みます――そしてバス、その三者がそれぞれ25%のシェアで拮抗しておりました。ところが、それから30年あまりというこの短い間に、鉄道は20%を切り、バスは10%を切り、一方、車は60%にも迫ろうということでございます。この傾向は、都市部からさらに地方に行けば行くほどひどい状況になっているということでございますので、何とか歯どめをかけなければならないということでございます。
  それでは、3ページをお願いいたします。こちらは関東、関西の同じシェアを見ていただくわけですが、関東につきましては、確かに車は増えておりますけれども、一応35%でとまっております。これは道路事情がもう飽和状態で、車で都心に入っても動けないということではないかと思います。一方、関西につきましては、まだ比較的道路がすいているということもありまして、残念ながら完全に民間鉄道をオーバーする状況になっています。
  この両者、特に問題なのは、やはり僕はバスの衰退が非常に問題ではないかなというふうに思います。地方では絶対的な輸送需要が減少することによってバス経営が成り立たなくなる部分もあると思いますが、都市部におきましては、渋滞によりましてバスの定時制が確保できないということによって、バスが敬遠されてしまっているということでございます。したがいまして、道路整備というものは当然今後も必要であるというふうには認識しますけれども、その道路を都市間の輸送を担う道路整備ではなくて、都市の拠点(核)であります駅へのアクセス改善を図る道路の整備をしていただいたり、あるいは駅前広場の整備といったものに重点を置いていただけないかというふうに思うわけでございます。ただ、こういう状況になっているのはやはり鉄道側にも問題がありまして、2つ問題があると思います。1つはネットワークが不十分であると。特に関西は相互直通も含めてでございます。2点目は、輸送効率が関東に比べて関西は低いので、運賃が割高となって価格抵抗が生じて車に流れるということではないかなと。
  ネットワークにつきましては、1ページにお戻りいただきまして、少し見にくいんですが、赤いラインで西大阪線というのが書いてあります。これが阪神電鉄の西大阪線を難波まで延長するという工事でございます。これによりまして、神戸と奈良が阪神と近鉄で相互直通によって直接結ばれるということになります。
  そして、飛びますが、25ページをお開けいただきたいと思います。この西大阪線の延伸事業と申しますのは、民間鉄道なんですけれども、いわゆる上下分離をやりまして、3セクが鉄道線を保有することによって地下鉄並みの補助を受けています。約50%強でございますが、その補助が受けられるというのは、何も鉄道事業者の経営が楽になるから喜んでいるわけではなくて、運賃というのは当然コストから決まりますので、補助が入れば入るほど資本コストが軽減されるわけですから、運賃が安く設定できます。そのことによって、実際に乗っていただく鉄道ができるというところが最大のメリットでございます。
  そしてそれ以外に、26ページをお開けいただきたいと思います、後ほど北ヤードにつきましてはご説明をさせていただきますけれども、北ヤードの重要な路線といたしまして、ちょっと見にくいんですけれども、三角形になったところがありますけれども、そこから緑色の線が左上の方に走っています。これが西梅田から阪急の十三、そしてそこから赤いラインで新大阪へつながるという路線でございます。これにつきましては、2005年に都市鉄道等利便増進法というのができておりまして、これが先ほど申しました地下鉄並みの補助以上に3分の2の補助が出るというスキームでございます。ただ、この3分の2は、3分の1が国で3分の1が地方でございますので、地方自治体の財政状況によって、この整備が遅れるというリスクがございます。
  そして、ネットワークの内容につきましては、バスの駅へのアクセスということが悪いわけですけれども、それの解消の手だてとして、35ページをお開けいただきたいと思います。駅では駐輪場を整備するということで、一般の駐輪場とコイン式、そしてレンタサイクルという、この3つをやっておりますけれども、特に見ていただきたいのが38ページのレンタサイクルでございます。レンタサイクルの長所といいますのは、1つは資源の節約、むだな自転車を買わなくて済む。そして、駅周辺の限られた用地で効率的な経営ができる。そして家から駅へのアクセスだけではなくて、駅から事業所へのイグレスにも活用できる。あるいは自転車の耐用年数が来たら、それは事業者が責任を持って処分をすると。そういう利点があるわけですけれども、そういった中で私どもは、その料金を見ていただいたらわかりますように、いわゆるオーナー制の自転車よりも、我々が提供する自転車に乗っていただきますと、料金を安く設定をさせていただいています。さらには、いわゆる電動アシスト自転車等も導入しております。したがいまして、要するに自転車を鉄道会社が用意しますので買わないでくださいというメッセージを出しているんですが、残念ながら、まだ普及は十分とは言えない状況にあります。こういった中では、やはりさらにもう一段進んだ価格の差をつけて、さらにそれを進めていただきたいというふうに考えているところです。
  そして、最後になりますけれども、北ヤードにつきまして、14ページをお開けいただきたいと思います。ピンクの中にA、B、Cと書いてありますけれども、これが先行着工区間でございまして、当社を含むコンソーシアムがこれをやらせていただくということが決まりました。そして、いよいよこれから西半分の2期工事についての、いわゆるどういうまちにしていくのかということを議論するところでございますけれども、私の主張は、この西側を例えば70%は緑にしなさいと、公園にしなさいと。A、B、Cの先行区間につきましても、TMOというタウンマネジメントの組織を作りまして、駅前広場を含めまして、いわゆる開発業者がこれを管理してまいります。これは、ですからテナントさんの共益費の中から、このまちを管理するコストを出していくということです。それと同じように、西側の方は70%ぐらいの緑ということを条件にプロポーザルコンぺをやっていただいて、そしてその公園の管理については、横に30%を住宅、コンドミニアムですとか、あるいはしゃれた賃貸住宅にして、そこの家賃の一部を使って、この公園の維持管理をしていくということになりますと、確かに大阪市としては一旦、固定資産税が入る額は減るかもわかりませんが、この大阪のまちの長い将来を考えると、ここに梅田セントラルパークができるということは非常に大阪市にとってもいいことではないかと。問題は、要するにこの北ヤードを処理することによって、いわゆる資金を回収するといいますか、昔の国鉄精算事業団のいわゆる借金の返済といいますか、その額が減ることにはなりますけれども、基本的に東側半分は現在の非常に不動産市況のいい中で、私ども12社はかなりの高額な費用を出しました。そういうことであれば、西側はかなり思い切って緑にしていただきたいと。私どもは大阪を逃げるわけにいきませんので、北ヤード全体について、将来にわたってきちっと管理をさせていただきたいというのが私の主張でございます。
  以上でございます。ちょっと時間をオーバーして申しわけありませんでした。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  ただいまご説明いただきましたことにつきまして、何かご質問、あるいはご意見ございますでしょうか。札を立てていただけますか。
  それでは、森本委員から杉山委員、嘉田委員。

○森本委員 ありがとうございます。森本でございます。最後の北ヤードのお話を聞いていまして、ご参考になるかと思いまして。
  京都では、1990年に、遷都1200年記念で梅小路のヤードの跡地で都市緑化フェアをやって、その後、公園にいたしまして、その一部を自然再生するという、そういう枠組みで開発をしたことがございます。実は昨年、大阪の弁護士会の方がグループで見学に来られて、都市の中の緑化についての意見交換をいたしまして、都市の緑地というのがいわゆるヒートアイランド等の解消で注目されるわけですけれども、ただそれだけではなくて、もともとあった自然の再生だとか、あるいはそこの自然を通しての環境学習であるとか、大変意義があると。いわゆる緑、小ぎれいな緑だけでは賄い切れない、大変大きな意義があるということをご説明したことがございまして、もしご参考になればと思いました。

○鈴木部会長 それでは、杉山委員。

○杉山委員 プレゼンテーションではお触れにならなかったんですが、この42、43にモビリティ・マネジメントのことが書かれております。将来的に人口が減少するという予想の中で、需要をマネージするというのは非常に重要なことだというように思います。実はこれ環境とも大いに関係してくるんですけれども、だれがマネージするのかということが大きく問われるのではなかろうかなと思います。環境問題も多くの人々が環境改善に参加しないと解決が非常に難しいという問題がありますので、このモビリティ・マネジメントを推進するに当たって、何かそこについてのご示唆をいただければ大変ありがたいということです。
  以上です。

○鈴木部会長 後ほど、お三方のご意見を伺ってからと思いますので。
  では、嘉田委員。

○嘉田委員 滋賀県の嘉田でございます。今までちょっと長い間参加できませんでしたが、今日初めて参加させていただきました。
  今、この梅田セントラルパークのアイデアというのは、私はわくわくしながらイメージを膨らませていただいたんですけれども、ここのあたりはもともとが湿地帯で、それこそ近松の悲劇に出てくるような茶屋町なり、あるいは鶴野町というような地名に代表される湿地帯で、きっと琵琶湖からボテジャコやらフナやら、そんな魚たちもここにかつて住まいしていたんだろうなというようなことをイメージしておりますと、100年なり200年の計を考えると、この緑地帯の再生に、かつての葦帯なり、あるいは琵琶湖にいた魚のようなものが淀川とつながっているというイメージができるようなことが、もし同じプランの中に入れていただけましたら、最上流の滋賀県としても、技術的あるいはさまざまなご協力をさせていただけるのではないかと夢を膨らませていただいております。
  勝手なことを申し上げましたが、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは角様、よろしくお願いします。

○角社長 遷都1200年につきましては、貴重なご示唆をいただきまして、ありがとうございました。また参考にぜひさせていただきたいと思います。
  そしてモビリティ・マネジメントですけれども、これは私ども鉄道事業者ですので、いかにマイカーから鉄道の方へ帰ってきていただけるかと。その一例としてネットワークの重要性ですとか、あるいは、もちろん我々だけではできませんけれども、駅前広場の整備とか、いわゆる自転車とか、そういうことをまずやることが必要です。また、例えばこれからの超高齢社会の中で、いわゆるバリアフリーをどんどん進めるですとか、それから目がご不自由になりますから、いわゆるICカードで運賃を気にせずに後払いで引き落としをするとか、要するにコンビニエンス性といいますか、公共交通機関の利便性をいかに高めることによってモーダルシフトができるのかということを、事業者として前向きに取り組んでいきたいということです。これは事業者だけでやれる問題ではありませんので、先ほど言いましたように、以前では考えられなかったような民間鉄道に地下鉄並みの補助金が入るとか、あるいはもっと既存鉄道を活用して利便性を上げた場合は3分の2まで補助金が出る、こうなると運賃抵抗のない設定ができます。神戸高速鉄道と山陽と阪急阪神を乗り継ぐと非常に運賃が割高になって利用してもらえないというふうなことがあるわけですが、そういったことのない、本当に利用していただけるような鉄道公共交通機関のネットワークの構築に、私が民間会社の社長として非常に前向きにこういうネットワークの形成に手を挙げられるのは、このやはり都市鉄道利便増進法ができたからなんですよね。それプラス、まだ陸海空を合わせて旧運輸省の予算は5,000億ですから、それに対して10倍以上の道路財源があるわけですから、その一部をやはり公共交通機関のネットワークの整備とか、今言いましたバリアフリーとか、いろんなことに、そちらの方へ振り向けていただくことができれば、我々も企業として精いっぱいの努力をしていきたいというところでございます。
  最後の緑につきましては、もう本当に私は、あんなところにこれ以上商業施設を作ったって、そんな売れるようなものを置く店もできませんし、放っておけばもうオフィスとマンションがずっと並ぶわけですよ。そんなまちにしていいんですかということなので、確かに全体を高く売れば、それは資金回収はできるかもわかりませんが、しかし、もう東側でかなり回収はできていますので、もともと国民の土地ですから、それを何とか大阪のあるいは関西の将来のために、そういった形で残してもらえないかという切なる願いということでございます。
  以上です。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。
  それでは、どうもありがとうございました。
  では、続きまして山田DOWAエコシステム株式会社代表取締役社長に、3Rへの取組を中心といたしましたご説明をお願い申し上げます。よろしくお願いします。

○山田社長 DOWAエコシステムの山田でございます。
  昨年の今ごろまでは同和鉱業という非鉄金属の会社の名前でございまして、持ち株制度移行で今みたいな名前になっております。環境部門を担当してございます。
  次のページをお願いいたします。私ども、もともとが非鉄の銅・鉛・亜鉛の鉱山と製錬の会社がそもそもでございますので、昔で言いますと、皆様の年代ですと、子供のころの社会科の教科書に花岡鉱山だとか小坂鉱山だとか、遠くの昔で言いますと石見銀山とか、そういうことをやっておりました会社でございます。
  次のページをお願いいたします。今日のテーマでございますいわゆる希少金属(レアメタル)というのは、ここに書いてございます経済産業省の仕切りでは31種類、中には31番目は希土類、レアアースといいますか、そういうのがいっぱい並んでおりますけども、おおむね30種類ぐらいのターゲットで言っております。そのうちの1番から9番ぐらいまで、ニッケルからタンタルぐらいまでは、おおむね鉄屋さんの鉄を硬くしたりまたは軟らかくしたり、主に鉄の機能を高めていくことに使われている部分でございます。11番から30番目、総称で言いますと、いわゆる電気・電子系の素材に多く使われているものでございます。後でご説明いたしますけれども、白金族、13番目でございますけれども、ここにはプラチナとパラジウムとしか書いてございませんけども、もう1個、最近ではロジウムという金属がございまして、一番身近な例で申し上げれば、万年筆の金の先にちょっと白いのがついていますけども、そういうものによく使われているロジウムというのが今はございますし、ここには載っておりませんが、ルテニウムという金属も、プラズマディスプレイの中にはルテニウムが多く使われております。そうしたものが世の中には多く出回っているということをご理解いただければと思います。
  次のページをお願いいたします。今申し上げたように、レアメタルの用途の一例でございますけれども、一言で言えば、レアメタルは産業のビタミンのようなものでございまして、先ほど申し上げました鉄工関係の添加剤、それから電気・電子機器、それから一番わかりやすい例で申し上げれば、車のマフラーに、先ほど申し上げた白金族系のものが、三元触媒と言っておりますけども、プラチナとパラジウムとロジウムという3つの白金族が、おおむね1グラムから2グラム程度、極めて薄くですけども入ってございます。皆さんの車の中には必ず白金が使われているというふうにご理解いただければと思います。これらはいずれも少量でございますけども、なくてはならないものでございます。
  次のページ、5ページ目をお願いします。私どもが回収している金属は、もともと先ほど申し上げましたように銅・鉛・亜鉛がベースメタルでございますけども、実は銅や鉛や亜鉛を精製してくる過程の中で、そこに書いてございますような金銀だとか白金だとか、それからレアメタル類のセレン、テルル等々、さまざまなレアメタルが実は非鉄の鉱石の中に含有されてございます。それを精製してくる過程の中で、さまざまなレアメタルを回収してくると。一例を挙げますとビスマスというのがございます。ここで、最近では鉛フリーハンダの中で、ハンダ剤に鉛を使うのはだめよとさまざまな規制がございますけれども、実は鉛を作る過程の中で、最終的にバイプロといいますか、鉛鉱石の中にビスマスというのが非常に大きく加えられています。ビスマスの単独鉱石というのはほとんど、ゼロではございませんけども、なかなかないのでございます。鉛を精製する過程の中でビスマスというのが出てくると。そういうのがほとんどでございます。そういうふうなご理解をいただければと思います。
  次のページをお願いします。6ページ目でございますけども、金・銀がわかりやすいのでここに書いてございますけども、例えば携帯電話は右側の上の方に金が約300グラム弱ぐらい、これはいずれも1トン当たりのベースでございますけれども、携帯電話を1トン集めますと、金が大体270〜280グラムぐらい、昔の携帯電話ですともっと入っています。最近のは薄くて軽くて品質がいいものですから、それでも200グラム強ぐらいでございますけれども、携帯電話の中にはこれぐらいのものが入っていると。左端の方に銅原料の平均とございます。我々、非鉄金属業界の平均的な銅の鉱石はせいぜい50グラム弱ぐらいしか入ってないと。そうしますと、いかに携帯電話というのは非鉄の素材からすると優れたものかというのがご理解いただけると思います。ちなみに、ご存じの方も多いかと思いますけれども、世界で一番すぐれた金鉱石は日本にございます。住友金属鉱山さんが持ってらっしゃる鹿児島県の菱刈というところにございます。鹿児島県の北の方でございますけれども。それでさえ1トン当たり平均80グラムぐらいでございます。今申し上げたように、携帯電話というのは世界でも有数な金鉱石だというふうにご理解いただければと思います。
  7ページ目でございます。では、一体世界でどのぐらい、一例を挙げたここに5つのメタルを書いてございますけれども、バージン物とリサイクル物ということで出しておりますけども、金では世界で年間約3,500トンぐらいでございます。それから、銅は1,700万トンぐらい。そのうち日本の方は中身が薄いということで、右側に書いてございますが。インジウムに至りますと、桁が大分違ってまいります。インジウムは、最近は液晶テレビの電極に薄く使われております。足元では、現在の技術では、インジウムがなければ、液晶テレビだとか、皆さんお持ちの携帯電話の液晶もなかなか機能を発揮しないということでございます。年間でリサイクル物も合わせて約500トン強ぐらいしか世界では産出してございません。ほとんど日本と韓国のサムスンあたりが使っておりますけれども、シャープさんだとか、サムスンさんとか、そういう方々がお使いになっておられます。プラチナに至りましてはもっと下がっておりまして、リサイクル物を合わせてもせいぜい200トン強ぐらいでございます。ビスマスは、先ほど申し上げましたように、鉛精錬工程の副産物でございますから、これは比較的量が多いんですが、4,300トンぐらいで、世界中で併せてもこんなものだと。ハンダに使われる鉛の代替物としては、とても足りるものではないというふうな数字でございます。
  8ページ目。ちなみに値段の方でございますけども、代表的な非鉄の銅の値段でございますが、足元では約1トン当たり100万円でございます。つい4、5年前までは20万とか30万ぐらいの値段でございましたけれども、去年の春先ぐらいから急激に値段が上がってございます。これはいろいろ理由があるのでございますが、例えば中国、BRICSの国々は経済発展とともに、例えば電線だとか電化製品だとか、そういうものに必ず銅が使われておりますので、彼らががぶ飲みといいますか、大変な勢いでバージン物もリサイクル物も飲み込んでおります。特に中国でございます。
  次のページをお願いします。これは先ほど申し上げた液晶に使うインジウムでございますけれども、これは1キログラムでございます。単位がいろいろと分かれておりますので、標準的な取引で申し上げますが、これは1キロでございます。ちょっと前まではせいぜい1キロ約2万円ぐらいでございました、ついこの間までは。大体、インジウムは銀の値段と一緒ぐらいでございます。ただ、足元は約10万円ということで、一昔前の約5倍ぐらいの金額になっております。ちなみに銀の値段は足元で1キロ5万円ぐらいでございますので、銀の倍ぐらいが今の値段でございます。
  次のページを。皆様の中では大体金が一番高いんだろうなというふうに思い込んでおられる方もおられるかもわかりませんけども、ロジウムは、先ほど申し上げた万年筆のペン先だとか、最近では車の触媒剤に一番多く使われますけれども、これは1グラム当たり今2万5,000円ぐらいでございます。1グラム。金は今1グラム2,500円ぐらいでございますので、金の約10倍の値段をしていると。後で申し上げますけれども、世界で見ましても非常に偏ったところにしかないということでございます。こういうレアメタルの値段、または非鉄の値段と言っても過言じゃないと思いますけれども、一昔前に比べますと暴騰でございます。いろんな思惑買いだとか、世界の投機資金が流れ込んでいるとか、さまざまな要因がございますけども、現実のマーケットプライスはこういう形で推移してございます。
  次のページを。ここに書いてあるのは、11ページ目は、これはアメリカの地質調査研究所の資料でございますけれども、2005年度時点でございますが、世界的に見て石油の埋蔵量があと10年だとか20年だというのはよくマスコミで報道されてございますけども、同様にメタルの残量年数というのも公表されておりまして、例えば一番上にあるインジウムは約6年弱でございます。それから、金・銀は意外と少なくて、今のペースで掘り進みますと、15、6年から20年の間には、金・銀は、我々人類が掘れる部分はなくなるだろうというふうな足元の調査時点はございます。以下、そこに書いてある数字はいずれも残量年数でございます。あと銅とか亜鉛とか、我々日常に生産しているメタルも、非常にメタル量としては20年とか30年ぐらいしかないだろうと言われております。
  次のページ。ここでは金属リサイクルの重要性ということで、今まで申し上げたように、いずれにしてもメタルの残量年数というのはそんなに多くはないよと。したがいまして、都市にある我々が日常使っているものから金属リサイクルをした方がいいだろうと。我々がそう思っておりまして、1つは世界中、先ほど申し上げたBRICSの国々に代表されるような、非常に旺盛な需要に対する資源が供給できないか。それと、鉱山開発は、これは我々既にやってきたことでございますけれども、採掘に伴う大規模ないわゆる環境に対するインパクトが非常に大きいと。これは熟知してございますけれども、その環境修復のコストも、お金だけでは済まない、大変な時間がかかるということでございます。それから、国内のみならず最終処分場の負荷の軽減にもなるかなと考えております。
  それから、最後のところなんですけれども、私どもの扱っているメタルというのは、資源性ももちろんですけれども、扱い方によっては非常に有害性もございます。これは二律背反といいますか、2つのファクターがございますけれども、鉛なんか一番いい例ですけれども、使い方を間違えると非常なダメージを被ると。そのコントロールが必要だろうということでございます。
  次のページをお願いします。今申し上げたことでございますけども、既に報道されてございますけれども、中国等のインジウムの精錬工場では、廃液をそのまま垂れ流しているところが、表現がちょっと過激でございますけれども、そのまま流していると。その結果、さまざまな環境汚染を引き起し、高濃度のカドミ等々でいろんな問題が引き起こされているやに聞いております。それから、俗にE-Wasteと申し上げていますけれども、電子・電気廃棄物の取り扱い方を間違えますと、例えば金・銀の回収には王水だとかシアンだとか、そうしたものを使って取り出すわけでございますけれども、よくテレビ等々で報道されておりますけども、中国の一部では、こういったものの取り方を間違えたやり方をしますと、環境問題に大きなインパクトを与えてしまうと。もちろんコストがかかりますが、適正なやり方をしないと、大変な結果として環境汚染を引き起こしてしまうということでございます。
  次のページをお願いします。私ども、この中で今やっていることは、これは一例でございますけども、自動車等々から出てくる、先ほど申し上げた車の触媒でございますね。マフラーの中に、普通の車で約1キロぐらいでございますけれども、ハニカムという蜂の巣状のものが入っておりますけれども、そうしたものを日本全国で集めて、主に白金族系のリサイクルをやっております。年間生産量、年間のほとんどの日本国内における白金のリサイクルは、私どもが頂戴しているかなと思ってございます。
  では、次をお願いします。国内だけではなくて、私ども、中国の上海の隣の蘇州というのがございますけども、そこでも2、3年前からリサイクル工場を作りまして、既に始めてございます。中国国内から発生する貴金属類等々を集めまして、主に金・銀でございますけれども、既に集めてございます。中国国内のすべてのライセンスを頂戴して、事業としてやってございます。
  次のページを。お手元の資料には載っておりませんけれども、昨年、バーゼル条約の事務局と環境省のご支援も頂戴して、アジアにおける携帯電話の集荷の仕組み作りというものをスタディしてみようということで始めてございます。なかなか言うのは簡単でやるのは難しいのでございますけれども、携帯電話から、金・銀もそうなんですが、扱い方によっては先ほど申し上げたインジウムとか、場合によっては、先ほど申し上げておりませんけれども、ガリウム砒素というのが中に入っています。半導体に使われておりまして、ガリウムと砒素の化合物半導体がございますけれども、皆様の携帯電話の中には、若干でございますけれども、高機能になればなるほどシリコンの半導体ではなかなか対応しづらくて、ガリウムと砒素の化合物半導体が使われております。砒素は、扱い方をちゃんとしないと、環境にダメージを与えるということでございます。バーゼル条約と環境省のご支援の中で今、集め方を、アジアの中の3国とやっております。
  次のページです。これは今申し上げた漫画のような絵でございますけれども、我々のリカバリーできるところに、かつ安全に対応できるということでございます。
  次のページをお願いいたします。今、大部分を申し上げましたけれども、我々の課題というのは、やはり国内外ともに不透明な処理はやめた方がいいだろうと。金属だけをターゲットにいたしますと、どうしても環境問題というのを引き起こしてしまうと。そうしたしわ寄せというのは、アジアだとかアフリカの国々に行ってしまうと。もう一回翻って、資源という観点からすれば、いい資源かなというふうに考えております。
  以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  それでは、ただいまのご説明に関しましてのご質問、あるいはご意見をお願いします。
  では、こちらからまいりましょうか。須藤委員。

○須藤委員 どうも貴重なお話を伺わせていただきまして、ありがとうございました。2つ質問をさせていただきます。
  1つは、このレアメタルがこれほど枯渇資源だというのは知りませんでしたのですが、バージンでとるのと、それからリサイクルでとるので、例えばエネルギーだとか、そういうコストの点については、含量はこの製品は多いということなんですけれども、単位重量当たりでもよろしいんですが、どのぐらいの違いがあるんでしょうか。もちろん金属によって違うと思いますので、幾つかの例で教えてください。
  それから2番目は、このようなレアメタルは、先ほどもご指摘のようにいろいろ有害性があって、例えば水で言うと、健康項目になっている項目が結構ございます。こういうのが出たときに、これが自然の発生源なのか人為発生源なのかということによって、しょっちゅうこの辺が議論になることがあるんですが、そちらのDOWAさんとして、工場内については排水規制できちっと押さえられるんですけども、外側の問題のこともあるので、どの程度の、どういう配慮をして、自然発生源なのか人為発生源なのかというところの取り扱いを少し広めに考えていただくと、水質保全というような立場からすると大変ありがたいと、こう思っているわけでございます。
  以上2点、お伺いします。

○鈴木部会長 まず、ご質問を。
  では、武内委員。

○武内委員 DOWAさんの先進的な取組については、循環型社会計画部会でも大変詳しいお話を伺っておるわけですけれども、今日は「21世紀環境立国」という観点で、もしつけ加えて何かお話しいただければということで今申し上げますが、私がこの委員会の中で申し上げているのは、地球温暖化対策と、それから循環型社会の政策の間の関連性ですね、そこをやはりきちっと考えていかなきゃいけないんじゃないかということを申し上げているんですが、インジウムの例が非常に私は典型的な例だと思うんですけれども、太陽光発電をこれから広げていかなきゃいけないというと、そういう希少資源の制約がかかってくると思うんですよね。ですから、そこのところを、そちらの方がどんどんどんどん脱温暖化のために非常にいいから普及しろと言っても、それに対して希少資源が追いついていくのかということの議論が、私はあまりされてないように思うんですね。ですから、そういう観点で、いわゆる脱化石燃料型社会に持っていくような今の動向に対して資源が追いついていくのかどうか。特に希少資源ですね、この観点で何かお考えになっているとか、あるいは今のソーラーパネルや何かに対して需要が追いついているとかいないとか、何かそういうふうなお話があったらぜひお聞かせいただきたいというのが1点です。
  それからもう1点は、今日のプレゼンは非常にクリアで、要するに21世紀、日本はリサイクルを中心にして資源大国になろうという、こういう非常に明確なメッセージだと思っておりまして、私はこのこと自体は異存はないんですけれども、他方で、近隣諸国については、確かに今は環境問題を引き起こしていますけれども、すべてこれは日本にやらせろというふうな形でいいのかどうかですね。既に中国に一部技術移転をされているというふうなことですけれども、少し、資源の自国内処理という問題と、それから日本の役割ということで、とにかく日本がリーダーシップを発揮するということはいいにしても、それぞれの国における希少資源回収のメカニズムについて、どういうふうにしていったらいいのかという、とても日本に追いつかないという話なのか、それとも、そういう国でのやはり今後はそういう希少資源を回収するような、それぞれの自国内処理みたいな方向に向いていって、日本は例えば車ではそれぞれの国の現地生産法人みたいな格好にしているような形になるのかどうか、その辺のことについてのお考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。
  以上です。

○鈴木部会長 田中委員。

○田中委員 ありがとうございます。
  日本のペットボトルのリサイクルなんかは、海外に行って、それで日本のリサイクルがうまくいかないというようなことが起こっていますが、金属のリサイクルは逆にうまくいっているように思えるんですけども、その違いと、それから中国で蘇州DOWAを作って共同でやっていますが、これから引き続きうまくいくための何か手だてというんですかね、あるいは心配事とかがあれば、お教えいただきたいと思います。

○鈴木部会長 中村委員。

○中村委員 大変貴重な発表をありがとうございました。
  私たち今、2050年の社会のイメージを考えようというふうにも思っておりますが、先ほどのご発表の中で、回収の比率というのはどのぐらいまで現在行っている状況なのか。今後、これを見ますと40年くらいで枯渇していきそうな予測がありますが、今後の業界の取組を含めてどのように回収計画が考えられるのか、予測されるのか、あるいはまだそこまで行っていないのかということをお話しいただきたいと思います。

○鈴木部会長 若干関連するものもあったと思いますので、まとめてお答えいただければと思います。

○山田社長 すべてのご質問に正確に答えられるかちょっと不安でございますけれども、先ほどの順を追って申し上げますと、レアメタルのバージン物とリサイクル物のコストといいますか、エネルギー等々のあれはどうなんだというご質問に関しまして言いますと、確固たる数字が今あって申し上げているんじゃないんですけども、エネルギーを含むトータルのコストといいますか、先ほど申し上げましたように、鉱山の開発からすべてをやってくると、それとリサイクルのコストというのは、リサイクルの方がはるかに負荷が少ないと思います。ご承知のとおり、どこかで絵があったと思いますけれども、お手元の資料の11ページに小さい写真が、空だか雲だかわからないようなぼやけた写真で恐縮なんですけれども、これはオーストラリアか南米かどちらかだと思いますけど、銅のカッパーの露天掘り鉱山の写真なんでございます。これを載せたというのは、先ほどのトータルコスト、トータル負荷といいますか、これは一目瞭然でございまして、銅の露天掘り鉱山を含めて、こういう負荷が非常に大きいです。さらに例えば金の回収か何かで、昔のゴールドラッシュじゃないんですけども、例えば中南米のアマゾン川流域なんかで砂金を掘っている連中がいっぱいいますけれども、彼らは水銀のアマルガム法で、水銀を使って金をとるんですね。昔は日本でもよくやっていましたけれども、俗にアマルガム法と言っていますけれども、そういう実態もございます。ということを考えますと、既にある設備を使って、既にある方法で安全な対応というのは、リサイクルの方がやりやすいかなと思います。ただ、これは先ほどの田中先生を初め皆さんのご質問に関連するんですけども、1つは、それを集める社会的なシステムでございます。既に自動車リサイクル法だとか、日本国内にはさまざまな資源有効のための法律を環境省を初め各省がお作りでございますけども、それをうまく機能させて、一番適切な形でシステムを作るというのが一番近道なんじゃないかというふうに考えております。
  それから、2つ目の有害性の問題ですけれども、自然なのか人為なのかというのは、プロフェッショナルの皆さんは大体わかりまして、自然のものはやはり自然な形でしか出てこない。人為的なものは、非常に何か手を加えられていますので、本来、自然に存在しないような化合物になったり、またはそれを含む形で水質等に悪影響を及ぼすことになろうかと思います。それはチェックの仕方一つによってすぐわかるかと思います。ちなみに先ほどのレアメタルの中には、例えばセレンという項目がございますけれども、セレンの項目は、非常に日本国内は規制が厳しゅうございます。人間の成長ホルモン等々にダメージを与えるんじゃないかということで規制の対象物でございますけれども、例えば多く使われているのは、ワインの赤い瓶があると思うんですけれども、ワインのガラスの赤い色はセレンの色でございます。意外といろんなところに使われています。セレンだけでなくて、例えば青島ビールの緑色がございますけども、あれはクロムの色だとか、我々、何気なく使っているものの中に、そうした一般廃棄物になって流れていくと。最終的に我々の身近なところにそうしたものがいろいろ使われているという例が多いかと思います。ただそれは、繰り返しになりますけれども、自然なのか人為なのかというのは、チェックの仕方1つによって比較的簡単にわかるかと思っています。
  それと、地球温暖化に関連して、先生のご質問の中に資源が追いつくのかと、資源は大丈夫なのかというご質問がございましたですけれども、今の時点でよくわかりません。これ、正解というのはわかりませんけれども、ただ、私ども先ほど11ページに出したアメリカの地質研究所でございますけれども、この数字も、一般的に言われておりますけれども、可採年数というので出しておりますが、これは公表されている鉱山の埋蔵鉱量と、現在精製している、深く採掘・精製している量とで割り返した数字でございます。ですから、新たな鉱山の発見があれば、ここはまた石油と同じように少しずつ上がったり変化するものかなと思っています。ただ、これは世界中の非鉄等々の精錬業者が感じていることですけれども、どこから数えるかわかりませんが、中国の青銅器時代から約4,000年ぐらいの人類の銅の発掘と精製がなされているわけですけれども、恐らく世界中、我々人類が利用できる非鉄資源等は、ほぼおいしいところは堀り尽くしたかなというのはイメージとして持ってございます。ですから最近、日本国内では銅鉱山はございませんので、鉱山は先ほど申し上げた住友金属鉱山の金鉱山がほぼ唯一の非鉄の鉱山でございます。日本の資源は、99.99%は海外から輸入してございますけれども、その輸入する鉱石が非常に品質が悪くなっています。銅や鉛、亜鉛の鉱石の中に、非常に不純物が多くなっています。不純物は何かといいますと、例えば砒素だとかカドミだとか、忌み嫌われるメタルが入ってございます。その割合がだんだんだんだん悪くなっていくと。いいところはほとんど掘り尽くしたのではないかというぐらいの危機感は抱いております。したがいまして、先生のご質問に正確には答えられないかもわかりませんけれども、数字上は確かにこういう数字がございますけれども、我々、現実に鉱山・精錬に携わっている者としては、資源の枯渇というのはそんなに遠くはないだろうなという思いは感じております。

○鈴木部会長 すみません、なるべく簡潔にお願いいたします。

○山田社長 申しわけございません。そういうことでございます。
  あと、4番目は資源の自国内処理と技術移転ということでございますけれども、その国の技術レベルやインフラに応じてこれはもう既にやってございますので、中国を初め、そういう国々にどんどん渡していくべきだと思います。
  それから、ペットボトルというのは、金属資源、システムでございますけれど、それは先ほど申し上げたようにシステムがやはり一番大事かなと思っております。
  インジウムの回収率アップ等々の予測でございますけれども、限度がございますので、我々の業界としては、回収率のアップにはこれからも努めていかなきゃいけないというふうに思っております。
  以上です。

○鈴木部会長 武内委員、それから田中委員の方のご質問で、国際的な協調というか、国際的な分担というのは、今後将来的にどうなっていくのか。日本がすべて廃棄物を、レアメタル関連のものは日本で全部引き受けるというような形になっていくのか、その辺の将来像はどういうふうにお考えですか。

○山田社長 例えば金・銀等につきましては、既に我々中国とやっておりますけれども、中国は国外持ち出し禁止でございます。それから、ほかの資源も非常に高い関税をかけておりますので、事実上、自国内処理がベースでございますので。

○鈴木部会長 そうしますと、蘇州DOWAみたいな形でいろいろアジアにも展開していかれると。

○山田社長 はい。金、銀などについてはそちらの方がいいかと思っています。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。
  それでは、どうもありがとうございました。時間が少なくて申しわけありません。
  それでは、続きまして吉田正人IUCN副会長に、生物多様性保全への取組につきましてご説明をお願いいたします。

○吉田教授 IUCN日本委員会の副会長をしております江戸川大学の吉田と申します。
  IUCNは1948年に設立された国際NGOで、日本からはNGO21団体、それから政府機関として環境省、国家会員の窓口として外務省が加盟しております。組織については、お手元にIUCNのパンフレットを置かせていただきましたので、それをご覧いただきたいと存じます。
  IUCNは生物多様性条約の設立から関わってまいりましたので、本日は、この立場から生物多様性の問題の最近の動向、並びに我が国との関わりについてお話しさせていただきます。
  次、お願いします。まず、生物多様性とはどういうことかということなんですけれども、生物学的多様性、バイオロジカル・ダイバーシティという言葉は、1960年代ぐらいから生物学の中で使われていたんですが、バイオ・ダイバーシティと縮めて生物多様性という言葉が生まれたのは1980年代、全米科学アカデミーなどがシンポジウムを行いまして、これを自然保護の新しいキーワードにしていこうということになってからだと思います。この会議の参加者でもあり、バイオ・ダイバーシティという言葉を作った一人であるウィルソンは、この生物多様性を遺伝子から生物種、生態系に至るすべてのレベルに及ぶ生命の多様性であるというふうに定義しております。このうちで生物種の多様性というのが一番わかりやすいと思うんですけれども、地球上には昆虫95万種、植物28万種を初め、150から170万種ぐらい生物が識別されているわけですけれども、昆虫学者は少なくとも3,000万種以上生物種が生息しているだろうと推定しております。ということは、私どもは地球上の生物の10分の1も識別していない段階でたくさんの生物を絶滅に追いやっていると。自然の速度の1,000倍以上の速度で絶滅していると言われております。
  IUCNは、1966年に絶滅のおそれのある哺乳類のレッドデータブックというのを刊行いたしまして、それ以来、生物種の保全に取り組んでまいりました。2004年には、哺乳類、鳥類に続いて、両生類ほぼ全種を評価しておりまして、グローバル生物種評価を出版いたしました。それによりますと両生類の32%、3種に1種が絶滅のおそれのある状態となっておりまして、哺乳類や鳥類よりも危険な状態となっていることがわかったわけです。生物種の絶滅危惧の要因を分析いたしますと、第1位が生息地の破壊でございまして、これは哺乳類、両生類、鳥類に共通しております。第2位が、密猟・盗掘等でございまして、これは哺乳類や鳥類など商取引の対象となるものが多いわけでございます。第3位が侵略的外来種でございまして、これは島に生息する鳥類のように外来種に弱いものが絶滅に瀕しております。また、カエルなどの両生類の場合は、環境汚染やツボカビ病のような病気が絶滅危惧の原因となっております。これは地球上の絶滅危惧種の分布を示したものでございますけれども、絶滅危惧種の分布は、陸地の分布とは異なりまして、赤道周辺に集中しています。これは絶滅危惧の大きな要因が熱帯雨林の伐採やサンゴ礁の破壊などによるものであることを示していると思います。
  次に生物種よりも下のレベル、種内の多様性について述べます。種内の多様性には遺伝子の多様性などが含まれますが、ここではゲンジボタルの種内の多様性についてです。ゲンジボタルには西日本型と東日本型があり、西日本型が2秒間隔、東日本型が4秒間隔と、発光間隔が異なることが知られているわけです。日本の東西でゲンジボタルが別々の種に進化していく途中ということなんですけれども、これを自然再生のようなときに西日本のものを東日本に持ってくるというようなことをいたしますと、3秒間隔で発光する中間型のゲンジボタルが誕生してしまうそうです。ということで、種内の遺伝的な違いというものも重要視しなければいけないということです。
  生物種や遺伝子は環境から独立して存在しているわけではなく、生態系や景観といった、より上のレベルの生物多様性の中で育まれております。これは日本の里山と里海を模式図で示したものです。里山は、農耕地を中心に堆肥や薪炭を供給する雑木林、水を供給するため池や小川など、多様な生態系のモザイクで構成されております。また里海には、漁村の地先に広がる浜や干潟を中心として、アマモ場、アシ原など、やはり多様な生態系がございます。このような多様な生態系のモザイクで構成された景観が、かつての日本の豊かな生物多様性を支えていたわけです。
  ここで生物多様性の階層構造を整理しますと、景観の多様性の上に生態系の多様性があり、その中に多様な生物種が生息・成育しているわけです。絶滅危惧種を動物園や植物園で繁殖するという場合もありますが、野生復帰をするときにはやはり生態系の中に放つわけですので、すべての生物多様性や景観や生態系の多様性の中で育まれていると言っても過言ではないと思います。
  ここでもう1つ別の生物多様性の階層構造をご説明します。これは新生物多様性国家戦略における生物多様性保全の4つの理念を模式化したものです。人間の生活の安全は、森林・土壌・河川などの人間の生存基盤の上に成り立っています。そういった条件のもとに、農作物・燃料などの人間にとって有用な生物資源が生み出され、地域の特性に合わせた豊かな文化が育まれてきました。その人間の生存基盤を整えているのが生物多様性によって提供される生態系サービスです。
  2000年に、国連事務総長の呼びかけによって、95カ国から1,360人の専門家が参加して、ミレニアム生態系評価というプロジェクトが始まりました。これは生物多様性が提供する生態系サービスに着目して、過去50年の変化と今後の傾向を明らかにして政策決定者に対して未来の選択肢を示すという目的で行われまして、2005年にこれらの報告書が発表されました。
  ミレニアム生態系評価は、生物多様性が提供する生態系サービスが、安全、健康、生活資源、社会関係などの人類の福祉にどのように貢献し、あるいは影響を与えるかに着目して行われました。
  生態系サービスには、食糧・燃料・水など生活に必要な物資を提供する提供サービス、気候変動・洪水・病気などを抑制する調整サービス、レクリエーションや心の豊かさを育む文化サービスの3つに大別されます。ミレニアム生態系評価は、これらの生態系サービスがさまざまな生態系において過去50年間にどのように変化し、今後、どのように変化するかに注目して実施されました。
  地球上の生態系は、過去50年から100年の間、さまざまな人為的なインパクトにさらされてきました。ここで赤い色に塗られていたものが過去の人為インパクトが強い生態系を示しています。まず、熱帯林や温帯草原、それから陸水域・沿岸域は生息地改変の影響を強く受けております。島嶼生態系は外来種、海洋生態系は過剰利用、陸水・沿岸の生態系は環境汚染の影響を強く受けました。また、図の中の矢印は、今世紀に生態系に対するインパクトがどのように変化するかをあらわしています。ここで黄色で囲んだものは今世紀にインパクトが強まると予想されたもので、気候変動、外来種、環境汚染のインパクトは、ほとんどの生態系で強まると予想されています。
  生態系サービスは、一部を除いてはただで手に入るものと考えられ、経済的に正当な評価をされてきませんでした。しかし、2004年のスマトラ沖地震による津波は、マングローブが海岸防護にとって非常に重要な役割を持っていることを私たちに教えてくれました。80年代から90年代、東南アジアではマングローブがエビ養殖池に転換され、大きく減少しました。なぜなら、マングローブは木材資源として使うと1ヘクタール当たり90ドルにしかなりませんが、エビ養殖池に転換すると純利益で2,000ドルにもなるからです。しかし、これにはマングローブが提供する生態系サービスの価値は評価されていません。稚魚の養育や海岸防護の価値を加えると、マングローブの生態系サービスの価値は1,000から3,600ドルぐらいになります。それに対して転換のための補助金、水質汚染、自然再生の外部費用を差し引けば、エビ養殖池の価値は多く見積もっても200ドル、少ない見積もりではマイナス5,400ドルになってしまいます。ミレニアム生態系評価は、これまで経済的に評価されなかった生態系サービスを正当に評価し、下流域の住民が上流域の生態系サービスに支払いを行い、生態系を保全するような社会的仕組みを作ることを提案しています。
  また、ミレニアム生態系評価は、50年後の社会がどのようなものになるか、4つのシナリオをもとに生態系に与えるインパクトを予測しています。50年後の社会がグローバル化するか、地域化するか、生態系のあり方が予防的になるか、後手後手に対処するかによって、国際協調、テクノガーデン、力による秩序、順応的モザイクの4つのシナリオを考えました。現在の社会は環境問題に後手に対応しているので、国際協調によって南北格差をなくすか、地域化によって貧富の差が激化するかの2つしかありませんが、環境問題に対して予防的に対処することができるようになれば、技術を共有することで格差をなくすテクノガーデン、流域レベルの生態系管理による持続可能な社会を目指す順応的モザイクなどのシナリオが考えられます。わかりやすく申し上げれば、第5回の本部会において、西岡先生が示されたドラえもん型未来選択と、サツキとメイ型未来選択と言いかえることができるんじゃないかと思います。このシナリオによりますと、順応的モザイク、つまりサツキとメイ型未来選択が、50年後には供給サービス、調整サービス、文化サービスのどれをとっても向上すると予測されています。
  最後に、来年のG8サミットや2010年の生物多様性条約会議に向けて日本は世界に何を発信すべきでしょうか。多くの途上国は、日本に対してドラえもん型未来選択による環境問題解決の旗頭となることを期待していると思います。これに対しては、ハイブリッドカーや燃料電池自動車などの技術に隠れてしまいがちですが、我が国は生物多様性のモニタリングに関して、緑の国勢調査や河川・水辺の国勢調査、モニタリング1000など、市民参加を含めた生物多様性の調査の経験を多く有しています。また、保護地域をつなぐ緑の回廊などの生態系ネットワークの経験も有しております。省庁の壁を超えて、これらの情報を共有するクリアリングハウスメカニズムを作り、この経験を途上国に伝えることが重要なのではないかと思います。また、サツキとメイ型未来選択では、里山・里海における循環型社会の経験を我が国は有しております。例えば農村漁村の構造変化・高齢化によって里山・里海の存続が危ぶまれていますが、それを克服して、本部会の報告にも書いておりますけれども、世界にサトヤマを持続可能な共生社会のモデルとして提案できるようにすべきではないでしょうか。それには、農山村における鳥獣被害の克服が欠かせません。これについては、鳥獣法の捕獲規制緩和などで解決できません。鳥獣被害を防いで、野生生物と人が共生できる地域社会を支える人材の育成と配置が不可欠ではないかと思います。ここに載せた写真は、2005年に愛知万博が開かれました瀬戸市海上の森の写真です。2010年に愛知県で開かれる予定の生物多様性条約締約会議は、このようなモデルを提案する絶好の機会と言えるのではないでしょうか。
  以上で発表を終わります。ありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  それでは、ただいまのご説明に関しまして、質問あるいはご意見ありますでしょうか。
  では、こちらから、太田委員。

○太田委員 実は、1つは本番の議論のときにお話ししようと思ったんですけれども、あまり取り上げられそうもない意見というふうに自分も感じておりますので、ここで吉田先生の意見をお聞きしたいと思っているんですが、生態系サービスという言葉で言われておりますけれども、ここで話をしている自然と地域、人間の共生とか一体感とか、あるいは日本的な考え方というのは、生態系サービスという考え方と相入れないのではないかと。生態系がサービスする、だから生態系を保全するというのは、我々人類と生態系を分けて、そしてどうするというので、まさに西欧型の考え方で、それが統一されているのではないかと。だから私は、同じことをやっていくにしても、日本モデルというのは生態系サービス、サービスという言葉の英語の本当のネイティブな意味というのを本心から私わかっているわけではありませんけれども、西欧から来た、この生態系サービスという形でとらえるというのは、日本モデルには合わないのではないかと。やることは同じだと思いますが、そんなふうに感じております。私の感想といいますか、ずっとそう考えてきたんですが、そういう発言を今までどなたからも聞いたことがないので、ちょっとここで発言してみましたが、先生はどう思っているかということ。
  それからもう1点は、私はこの前の会議に出なかったので、やはりこういう発表があったと思いますが、聞いてないんですが、こういう里地里山で一体でやるんだという話ではなくて、むしろレッドデータブックに書いてあるようなものを保全していくという、そういう考え方について、例えば先生のところのIUCNとか、あるいはWWFとかで、日本はどういうイニシアティブをとっているのか。どうも生態系とかそうなると、エコボートでぶつかってくるじゃありませんけど、西欧の方が何か激しいような感じがするんですが、そんなやり方がいいわけではないんですが、日本は世界の中でどういうイニシアティブをとっているのかということをちょっと教えていただきたいと思います。
  2点です。

○鈴木部会長 嘉田委員。

○嘉田委員 今の太田さんの質問と関わりながら、1つコメント、プラス質問なんですけれども、まさに生物多様性という90年代から始まった議論を、今、供給プラス調整プラス文化という形で、生態系サービスとして多面化したというところは大変価値があると思うんです。まさにバイオロジカル・ダイバーシティからカルチュアル・ダイバーシティがセットになって、これは特に日本型あるいはアジア型の生態系との関わりというところがうまく見える、その整理をしてくださったというところで、大変わかりやすいと思います。
  そういう中で、今の太田さんとの共通の質問なんですけど、これ、生態系サービスというと、いかにも確かに与えるものと与えられるものという二項対立的な概念になるんですけど、私は、これは生態系バリューではないかと。つまり価値ですね。生態系の本来的に持っているバリューという、価値というものが、物の価値、水を飲む・飲まない、暮らしの資源になり、そしてその水を使う、入会の仕組みなんかを書いていただいていますけれども、社会的なつながり、社会関係の価値、そしてそれを例えば水を崇めるというような形での文化的価値を含めて言葉を少し整理をして、日常の私たちの考えにつなげていくと、ここはある程度私たちの日本人的な文化・生態セットの仕組みに合うのかなと思っております。そんなところで、サービスをバリューというふうに言いかえる、それからあとは、今の明らかに物の仕組みに大変特化してきた生態学あるいは行政の対策に対して社会関係を入れ込み、そしてそこに精神なり文化をあえて見せるようにするという、このあたりが国家戦略の中で日本が国際的にも貢献できることではないかと思っております。特に水というところ、あるいはアジアの風土から考えますと、モンスーン気候の中での水、あるいは生物多様性と文化の問題ですね、これはそれこそ和辻哲郎に戻るわけではありませんけれども、欧米の牧畜文化と随分違う仕組みがございますので、このあたりが、今まで既に議論がなされているかもしれないですけれども、1つ特徴として主張できることではないかと思っております。
  ちょっと長くなりましたけれども、コメントプラス質問でございます。

○鈴木部会長 では、須藤委員。

○須藤委員 先生のご発表に特に異論があるわけではございませんで、全面的に賛成ですが、二、三お伺いしたいと思います。
  1つは、絶滅危惧の問題を多様性の中で考えるとき、どちらかというと我々が日常見える大きな動物なり植物を対象にしているわけですが、それを支える餌になるような、例えばプランクトンやら下等な無脊椎動物やら、この辺の取り扱いはこういう中でどうされているんでしょうかというのが1点目。
  それから2点目は、ホタルの4秒・2秒の話も私十分承知はしているんですが、最近では中部地区に3秒のホタルが随分あらわれているやに伺っています。それで、種内の多様性となったときに、じゃあ2秒もいます、3秒もいます、4秒もいますということになったときに、種の多様性というのは逆に言うと上がるわけですけども、これは、こういうことは交雑してそうなるんだろうと思うんですけど、どういう評価をしたらよろしいでしょうかというのが2番目。
  それから3番目は、里山の問題というのは私も大変賛成で、立国の中で取り上げていただきたいということは常に申し上げているんですが、その中で、先生のところは里海が書いてあるんですけれど、同じように湖を書いて里湖(サトウミ)とも言いますよね。それから里川というのがありますね。そういう連続性を持たせた意味で、あまり並べ立てるのはよくないのかもしれませんけれども、里山・里川・里湖・里海というような概念で、我々の二次的な自然の生物多様性を考えていく必要があろうと思いますが、先生のお考えをお聞かせください。
  以上です。

○鈴木部会長 それでは、まとめてお願いいたします。

○吉田教授 まず、太田先生の最初のご指摘と嘉田先生からのコメントと、共通したご指摘であり、私も全く同感でございます。そのまま翻訳してお伝えするのは非常に心苦しいとは思ってはいたんですけれども、一応、現在の動向ということで、生態系サービスという言葉で申し上げました。確かに本当はサービスというよりはバリュー、価値そのものをわかっていただくのが一番いいわけでございます。私のプリントの中の12という番号がふってあるところをご覧ください。どうして生物多様性が価値があるかということを理解していただくために、今までもいろんな工夫をしてまいりました。生物資源の大事さというのはもうどなたでもわかるわけですけれども、その生物資源のバックグラウンドにあるのが生物多様性です。例えば本屋さんにベストセラーとかそういったものしか並んでないけれども、図書館にある普段はあまり読まない本はいらないのかというと、そういうことではないと。生物多様性と生物資源の関係はそういうようなものではないかと思うんです。ところが、生物資源というのはお金になるために比較的理解しやすいわけですけれども、生物多様性がもたらす恵みはあまりお金として評価されない。そういったものをきちっと評価していこうということで、サービスという言葉を持ち出したのではないかと私は思っております。そういう意味で、我が国ではもう少しわかりやすい、いい言葉ができれば、そちらの方がいいんじゃないかと思います。先ほど太田先生、嘉田先生がおっしゃったような、生物多様性が持っている本質的な価値とか、それから文化的な価値とか、そちらは本来生物多様性とここに書いてあるところの中が持っているものではないかと思うんですね。それが人間の方に利益をもたらすときにどういう形でもたらされるかというと、物という形でもたらされる場合と、そこから生み出されるサービスというふうに提供されるものと、両方あるんだと。今回の国連のこのミレニアム生態系評価の方では、今まで物についてはきちっと経済的に評価されましたけれども、水や空気やそういったさまざまな物に見えない物、そういったものをきちっと経済的にも評価していこうという考え方ではないかと思いまして、それがわかりやすいのではないかなというふうに思っております。
  あとレッドデータブックに関するご質問が太田先生、須藤先生からございました。日本としては、国内で法制化して守るというだけではなくて、国際的にも保全活動に対して支援していくという方法があるわけです。そのときに日本のとり得る立場というのは、絶対にとってはいけないーー物によっては繁殖率が非常に低くて、やはりとることを禁止しなければ守れないものもございますーーというだけでなく、持続的に利用しながら守れるというものもございます。日本は比較的降水量も多くて生物的にも豊かだということもあり、モンスーン型文化ということもあって、そういった経験がございます。そういった経験を生かして、お伝えしていくことができるんじゃないかなというふうに思っております。また、絶滅危惧種に関しては、環境省の方でレッドデータブックを次々と作っております。最初のころは鳥や哺乳類といった大きなものでしたけれども、現在では、昆虫ですとか、蘚苔類まで含めて、比較的小さなものまでカバーされるようになってきているのではないかと思います。
  また、ホタルの問題は、自然に交雑して新しいものができる、これは自然でございますけれども、人間が、例えば西日本のホタルを東日本に持ってきてということになりますと、人為的に変えてしまう。ですから、人為的に変えてしまうのか、自然に増えていくのかということが大きな分かれ道ではないかなというふうに思っております。よく外来種が来ると種の多様性が増えるという誤解もございますが。自然の障壁を超えて持ってきたものというものについては、数が増えたとしても、やはりそれは自然の生物多様性ではないと考えるべきではないかと思います。
  里山に関しては、里海・里川、人間が関わりを持って維持してきた二次的資源は、そういうふうに考えとして広げていっていいのではないかと思いますけ。ただ、その所有形態ですとか管理形態によって、おのずと多少違いはあるとは思います。いずれにしても、農林水産業などと関わりを持って、農林水産業が元気でなければ維持できないという部分がございますので、そこらあたりが一番の課題ではないかなと思っております。
  以上でございます。

○鈴木部会長 ちょっと先ほど村上委員のご質問を言い落としてしまいまして、申しわけありません。

○村上委員 申しわけありません、後から立ててしまったもので。ありがとうございます、チャンスを与えていただきまして。
  最後に先生がおっしゃいました、農林水産業が元気じゃなければというところととても関連する質問だと思うんですけれども、里海・里山、自然との共生をベースにした暮らし方というのを世界に発信していくというのは、とてもいいことだと思うんですが、そういう暮らし方が今の日本で失われつつある、それをどう取り返していくのかということとセットでないと、なかなか世界に発信しても説得力がないというふうに思います。国内施策として、そういう暮らし方を取り戻すために、既に今何かいい施策が打たれてあるのであれば、それとセットで発信していくということが大切だと思いますが、もし打たれていないのであれば、それに取り組んでいくということも重要だと思います。吉田先生の視点から、そういう日本で世界に発信できるいい施策というのがあるのかどうか、あれば、それをぜひ教えていただきたいというのと、もしないのであれば、何をするべきかということがもしおありであれば教えていただければと思います。

○吉田教授 里山・里海が維持できるような元気な農林水産業にするというのは非常に難しいことです。国レベルでもいろんな試みが行われておりますけれども、地域レベルで事例はたくさんあると思うんです。最近、五木寛之さんの「林住期」なんていうのもはやりになっていますけれども、そういった世代の方が里山に住むような生活を望んできているということがいえます。それから、私は埼玉県に住んでおりますけれども、農協で直売で出しているものなんかも物すごく人気で、すぐに午前中に売り切れてしまう。安全な食品だとか、新鮮なものを求める機運というのがすごく高まっているところだと思うんですね。それを応援するようなやり方というのが、これから求められているのではないかなと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  ちょっと私1つお伺いしたいのですが、先生がおっしゃいましたように、日本の生態系というのはある意味では特殊というか、非常に恵まれた形でこれまで進んできていますが、国連のミレニアム・エコシステム・アセスメントも、どちらかというとこういうところを相手にするよりは、もっと生態系という面から非常にプアな、ヨーロッパなんかもそうですね、そういうところ、あるいは途上国において生態系を認識してもらうために、ある意味では生態系サービス的な考え方も導入されてきているだろうと理解しているんですが、一体、今度、生物多様性のCOP10でしたでしょうか、日本に招致したときに、一体、日本が国際的な基準のところに発信できるものというのは本当に何だろうと考え、里山とおっしゃっても、じゃあ東南アジアに里山という概念を果たしてどこまで浸透させることができるのか、あるいはアフリカ、あるいはヨーロッパにどういう意味を持つのか、その辺のところはどういうふうにお考えでしょうか。むしろかなり先進的なことは日本はこれから進められると思うんですが、それをどういうふうに国際的に広めていく必要があるのか、その辺はいかがでしょうか。

○吉田教授 実はCOP10を誘致するに当たって、日本で欠けている点はどういうことなのかとか、それから日本ですぐれている点はどうなのか。海外の方もお招きしてシンポジウムをやったときにいろんなご意見が出ました。モニタリング調査なども含めて、技術的な問題に関しては非常に期待が高かったわけでございます。逆に海洋の保護だとか、それから具体的な目標値を定めて、それを達成するようにするとか、そういったあたりはヨーロッパなどに比べてまだ遅れているというところがあって、これをどういうふうにしてギャップを埋めていくかということです。国として今、生物多様性国家戦略の改定に取り組まれていますが、生物多様性が失われるというのは、いきなり国全体から失われるわけではなくて、地域から失われていくわけですので、同時に都道府県レベルで取り組むというようなことをこれからやっていくことで、COP10のときに国と地方の協力関係のモデルが提示できるといいのではないかなと私は思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  よろしいでしょうか。
  それでは、どうもお三方、角さんはお戻りになられましたが、ありがとうございました。
  じゃあ、もう1つ、武内委員からコメントが。

○武内委員 すみません、今の鈴木部会長のお話なんですけれども、私は日本の現在の里山が必ずしも世界に誇る状態にあるとは思いませんけれども、しかし、かつての伝統的な、人間と自然がうまくつき合った結果として、生産が一方で確保され、他方で生物の多様性が維持されているという、この仕組みそのものの価値というのは世界に発信できると思うんですね。私も東南アジアでいろんなフィールドの調査をしていますけれども、最大の問題は今の点なんですね。本来ならば、里山的な利用のもとで生産と環境がうまく調和しているところを、生産だけで押してくるというふうな形の農業とか近代化というのがあることが、例えば土壌浸食を引き起こしたりだとか、生物の多様性が減少したりというようなことで危機をもたらしているので、そういう意味で私たちは、かつての私たちのやってきたことが世界普遍的な価値を持っているということを再認識すると同時に、そういう観点から見たときに、今の日本の里山は問題じゃないかというふうに問題を提起するというふうな方向で考えるべきだというのが私の意見です。

○鈴木部会長 異論はございません。
  それでは、ありがとうございました。
  議題の2番目に入らせていただきたいと思います。総論及び各論についての主な意見、提案の概要についてということで、前回は各論の温暖化部分についてご討議いただきましたが、本日は各論の中で温暖化以外の部分につきましてご討議いただきたいと思います。
  事務局の方で、これまでの主な意見、提案の概要についてまとめた資料を作成していただいております。関連部分の参考資料もございます。これらの資料につきまして、小林官房長の方からご説明をお願いいたします。

○小林大臣官房長 時間も押しておりますので、少しはしょった説明になろうかと思いますけれども、説明をさせていただきます。
  お手元資料の4、そして参考資料の1ということで、所々、もし参考資料をご覧になることがございましたら、リファレンスがございますので、見ていただければと思っております。
  この論点整理、この部分、各論の最後の方でございますけれども、生物多様性以下のところ、議論をさせていただくのは、3回前の3月29日のこの立国部会の議論以来でございますが、それ以降頂戴したご意見、そういったものを当時の論点整理に加えてございます。さらに基本的な考え方に関する意見ということと、そうした具体的な取組についてのご提言というような二分法で、総論的なことと、そして具体的な提言、2つに分けて全体を編集してございます。そういったことで、構造はそういうふうになってございますが、かいつまんで、特に新らしく追加させていただいた点をご紹介申し上げたいと存じます。
  まず1ページでございますけれども、最初のテーマが健全で豊かな自然環境の保全に向けた取組の展開ということでございます。生物多様性という言葉をもう少しわかりやすく表示をさせていただきました。この中身は従前と変わっておりませんが、三本柱でございます。1ページに日本型自然共生システムの提示がございます。そして3ページには、生物多様性条約に基づきます次期世界目標の設定に向けた対応。そして4ページには、100年先を見通した我が国の健全で豊かな自然環境の保全というようなことで、3つの柱で立ててございます。
  その中身をまた見ていただきますと、[1]のところ、日本型自然共生システムの提示でございますが、今、ご議論ありました、もともと人間が自然の中に住んで、そして共同で手入れをしていた、そういった日本型モデルをこれから発信していこうと、こういうことでございますが、それに加えましていろんな議論がございました点、特にこの基本的な考え方の方ですと、下の方で里地里山・里川・里海、先ほども議論がありましたけれども、こういったものと一体で構成されているのではないかというご指摘がありました。こういったことを加えてございます。
  また、2ページにまいりますと、下の2つ、環境保全型農業といったようなこと、あるいは持続可能な森林経営、こういったようなことも触れていくべきではないかというご提言があったわけでございます。
  それから3ページでございますけれども、2つ目の柱、生物多様性に基づく世界目標ということでございますが、この3ページの具体的な取組の下の方、上2つを除きまして、下の方全部が新しいご提案を追加したものでございます。例えば生態系の総合監視システム、あるいは、真ん中の方にまいりますけれども、野鳥の渡りルートの解明とか、そういった渡り鳥の話等々具体的なお話が追加をされてございます。
  4ページにまいります。100年先を見通した我が国の健全で豊かな自然環境の保全と、こういうことでございます。基本的な考え方もわかりやすく書き直してございますが、具体的な提案ということで申し上げますと、上から5つ目ぐらいに農林水産行政との連携、あるいは多様な主体の参加とかというようなことが書かれてございます。また、4ページの下の方に行きますと、貴重な森林を「保護林」とするとか、あるいは「緑の回廊」の設定、あるいは都市の緑も大事じゃないかというような議論もされております。
  また、5ページもすべて新しいことでございますが、動植物の標本収集・整備とか、光害ですね、そういったことも問題ではないか。それから、自然再生のリーディングプロジェクトを展開していくべきではないかといったご意見を頂戴しております。
  それから6ページが3R、個別のテーマの3つ目、前回、ご議論いただきました温暖化を初めとして、3Rということで3つの大きなテーマを取り上げてございますが、これについては四本柱になってございます。最初に、6ページに循環型社会の日本モデルのアジアを中心とした展開、そして8ページには3Rの技術とシステムの高度化、今の技術に安住しないで、さらに高度化するという話でございます。そして、9ページは3Rを通じて地球温暖化対策に貢献していくんだということが書かれてございます。そして、9ページでございます、下の方に3Rイニシアティブを国際的に推進していく。この構成は変わってございません。
  6ページに戻りますけれども、基本的な考え方につきましては、循環型社会日本モデルをアジアを中心に展開していくんだとか、脱物質社会、これは部会長からそういったお言葉があったと思いますが、こういったようなことが、この2つ目、3つ目の・に書かれてございます。また、具体的な取組といたしましては、6ページの上から3つ目、4つ目あたり、例えばアジアを初めとしますところの研究協力とか、あるいはE−Wasteの不法輸出入防止対策とか、あるいは、7ページにまいりますけれども、ライフサイクル全体を視野に入れた電気・電子製品の環境配慮についての国際基準・企画を作ったらどうだろうかといったような具体的な提案がございます。
  また、8ページにまいりますけれども、3Rということで、今度はこれをさらに高度化していくということでございます。基本的な枠組み、今日も大変タイムリーなお話があったと思いますが、ご助言をいただいたところも踏まえていかなければいけないと思いますが、例えば基本的な考え方では、3つ目に量だけではなくて質も大事じゃないかというようなことも言われておりますし、基本的な考え方の最後には、生活者の関わりというのも大事じゃないか、参加も大事じゃないかということが書かれてございます。
  8ページの今度は下の方でございます。具体的な取組ということになりますと、後半はほぼ全部新しいご指摘を頂戴しております。リサイクルポートの話だとか、商店街と連携をしてやったらどうか、あるいはもっと高度なリサイクルの促進というようなこと、今日もお話があったようなことでございます。あるいは経済的インセンティブをリサイクルにもっと導入したらどうかといったことが加わってございます。
  また、9ページでございますけれども、地球温暖化対策への貢献ということで、熱回収の話というようなことが基本的な考え方にも入ってございます。また、具体的な取組では中低温の熱輸送といったようなことについても加わってございます。これは全部新しいご意見だというふうに承知をしております。
  それから、4本目の3Rイニシアティブの国際的推進というところでは、具体的な取組につきまして、例えば3つ目の・、UNEP、天然資源の持続可能な利用に関するパネルの設立への関与とか、あるいは、最後の・でございますけれども、東アジア循環型社会ビジョンを作ったらといったようなご意見も頂戴をしているところでございます。
  次に11ページにまいりたいと存じます。環境・エネルギー技術と経済成長ということでございます。ここからは横串でございます。国際的な視野を持って横串ということで、まず環境・エネルギー技術と経済成長と。ここは三本柱になってございます。環境技術・環境ビジネスを展開していくということが大事だということと、これも発想は同じでございますが、エネルギー効率をなお一層改善していこうじゃないかという話が二本柱、13ページでございます。そして14ページにまいりますと、バイオマスが特出しになっておりまして、バイオマス等の新エネルギーの利用推進をしようと。こういうことでございます。
  11ページに戻らせていただきますが、もともと基本的な考え方として、3番目の・にありますような環境ビジネスによって経済成長の維持と競争力の強化をし、地球環境保全に貢献しようと、こういうことでございますが、国際標準化をもっと追求していこうというような意見を追加させていただいております。また、具体的な取組でもかなり新しいご意見を頂戴しております。エコイノベーションだとかコミュニティビジネスとかというようなことを書かれてございますが、そういったことがここに加わってございます。
  また、12ページにまいりますと、これも新しいご意見でございますが、隙間のない化学物質リスク監視体制を作っていったらどうかといったようなご意見がございます。
  エネルギー効率の一層の改善というところについて申し上げますと、基本的な考え方としては、ある一定のところでそれを総合的に組み合わせることが大事だということが3・に書いてございます。追加をさせていただいております。また、具体的な取組に関してもいろんなご指摘がございます。特に下の方は、ほぼ新しいご指摘でございます。下から3つ目、原子力の着実な推進だとか、あるいは原子力についての次世代技術の開発、あるいは石炭のクリーン利用といったようなご指摘がございます。
  14ページ、バイオマス等については、これはバイオマス先進国になろうというのがもともとの発想でございますが、その場合、海外資源との競合を避けるために、国産バイオマスの利活用をまず考えるべきだといったようなことのご指摘があったわけでございます。そういったことを追加をさせていただいております。また、そのバイオマスを進める上でのいろんなご意見、具体的な取組として、これもほとんど新しいものと思いますが、例えばE10にしたらどうかというようなことが真ん中ぐらいにございますし、あるいは一番最後の・でございますが、自然にもともと存在するエネルギーをパッシブな形でもっと使ったらいいじゃないかというようなことが言われております。
  それから15ページでございますが、国際的な横串ということで、4番目、実効ある国際貢献ということで、ここは二本柱になってございます。アジアや世界への環境エネルギー技術を展開ということでございまして、こちらも実は新しい話がいろいろ出てございます。
  時間の関係であまり紹介できませんが、16ページの方に書かれておりますことは、ほぼ全部前回なかったもので、ご意見をいただいたものを追加をしていったものでございます。科学研究等々でのアジア等の連携、アジアの大学との連携、違法伐採対策等々のご指摘をいただいております。
  それから17ページでございますが、ここの特に実効ある国際貢献ということで、やはりテーマとしては特出しで水がこれから危ないだろうと、こういうことでございます。水についてのご指摘もいろいろありましたけれども、17ページの下、具体的な取組に関するご意見がたくさんございます。国際衛生年との連携、あるいは3つ目の・にありますアジアを中心とした水質モニタリングと。あるいは4つ目ですが、中国との関係を水環境協力とか、いろんなことが指摘をされております。
  18ページ以下は、今度は日本の足元の取組を縦割りにとらわれずに具体的に書いております。5番目が地域づくり、そして6番目が人づくり、7番目が社会の仕組みづくりと、こういうことでございます。この最初の地域づくりは、全体が四本柱になっておりまして、変わっておりませんが、郷づくり、都市づくり、そして水辺づくりというのが22ページ、そして森林づくりが23ページになると、こういう構成でございます。ここも具体的な意見をたくさんいただいておりますけれども、いちいちの紹介はちょっと省略させていただきますが、例えば20ページからの後段、それから21ページあたりはほとんど新しくいただいた細かい意見でございます。具体的な提案を大変賜っております。ありがとうございます。
  それから水辺づくりにつきましても、22ページでございますが、例えば具体的な取組といたしまして統合的な流域管理という視点が大事じゃないかというようなこと、あるいは地球温暖化と水との関係をもっと見ていくべきではないかというようなことも追加をさせていただいております。
  また、森づくりでございますけれども、23ページ、特に具体的な取組に関して言いますと、国産材の活用ということでたくさんご意見を頂戴しております。それから、(6)人づくりでございます。ここは機会を多様化していくという柱が1つと、そして機会だけでなく実際の取組を展開していくんだという2つの柱から成ってございます。基本的な考え方についてご意見をいただいておりますが、24ページの具体的な取組に関する意見につきましても、アジアでの環境教育を行っている企業への支援等々、具体的なご意見をたくさんいただいております。また、25ページもほとんど全部新しくいただいたご意見でございます。例えば自然のすばらしさや、上から4つ目ぐらいの・ですか、環境保全の重要性を謳った日本ならではの暮らしの言葉の名文等を環境教育に活用できないかとか、環境教育施設への税制上の優遇措置はできないかというようなご意見がございました。
  それから、27ページでございます。仕組みづくりでございます。長くなって恐縮です。最後でございますが、これに関しても、基本的な考え方についていろいろご意見をいただいております。これは従前なかったことですが、一応立てて、全部いただいております。具体的な税制措置についてのご提案もたくさんいただいているところでございます。28ページにまいりますと、断熱改修の優遇税制とか、個々のかなり具体的な意見をいただいております。
  29ページには、各種対策を推進するための国の取組ということで、基本的な考え方についてのご指摘をいただいたことを書かせていただいております。これは全く新しいことだというふうに思っております。
  そういったようなことで、29ページも含めまして、全体をリバイスさせていただいたところでございます。今日のご意見を踏まえて、また発展をさせていただいたらと思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  それでは、皆様のご意見をいただきたいと思いますが、大変大部にわたっておりますので、まず(1)の健全で豊かな自然環境(生物多様性)の保全に向けた取組の展開、それから(2)の3Rを通じた適正な資源循環の確保、この2つの部分につきまして先にご意見をいただき、その後で(3)の環境・エネルギー技術と経済成長から(7)の環境保全対策を推進する仕組みづくり、こういうところまでのご意見をいただくことにしたいと思います。
  前回、須藤委員の方から滋賀県のご紹介をいただきまして、今日、ご予定をつけていただきまして、嘉田知事にもおいでいただいておりますので、ちょっと最初に嘉田委員に一言ご発言をお願いできればと思います。

○嘉田委員 貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。
  先回、23日だったでしょうか、滋賀県の、今まだ芽が出始めているというか、種をまいて芽が出始めているところなんですけれども、持続可能社会の実現に向けた滋賀シナリオという資料を本日皆様にお配りさせていただいております。これはまだまだ全体として政策の中にうまく取り込む段階にはなっていないんですけれども、方向といたしましては、2030年の持続可能な滋賀の姿を描き、その実現に必要な政策や措置をバックキャスティングするという手法を用いて提案をしております。これを見ていきますと、このシナリオ実現のためには、いわばエネルギー利用など50%ほどCO2的には削減しなければいけないという、大変厳しい険しいことを定量的に示したものでございます。そのためには、今、私たちは何をしなくてはいけないのか、あるいはしてはいけないのかという課題を、県民一人一人が自分の問題にして、そしてそれを実践する、その方向を考えようというものでございます。
  以前、ここでサツキとメイとドラえもんモデルが示されたということですけれども、まさにそのドラえもんモデル、サツキとメイモデル、両方を見据えながら、どうしても政策というのは三人称で語られるんです。これは必要とか、あるいは推進とか。しかし、三人称で語られている限り、実は政策はなかなか実現にいかないというのが、私どもの過去30年、40年の琵琶湖の経験でございます。例えば30年前、石けん運動、あれだけ盛り上がりました。それは三人称ではなくて一人称「私が」、あるいは二人称「私たちが」という、まさに当事者性を確保することで、結果としてリンを削減、あるいはリンを含まない合成洗剤の製造というところまで運動を盛り上げることができました。この一人称性、二人称性を温暖化問題に持っていくのは大変難しい、これが今私たちが頭を抱えているところですけれども、そのための1つのステップとして、こういうシナリオを作っていこうということでございます。この後、どう展開していくのかが、まだ私知事を拝命いたしまして8カ月しかございませんで、この一人称、二人称をどう入れ込んでいくか、これはもう実は今日の資料を読み、全体もそうなんですけれども、大変三人称的で、いいことが書いているんですけど、本当にこれどうするのというときに、一人称、二人称のいわば立場というのがなかなか盛り込めません。そこのところが多分提言から実践へという道筋で大事なところだろうと思っております。
  そんなところで、お時間をいただいたので課題を申し上げました。この課題の中で、日本型、資料4に関わるところの意見を1つ言わせていただきたいんですが、先ほどからこの日本型共生システム、片仮名でサトヤマというものは、アジア、アフリカの問題にどう応用できるのかということがございますけれども、この里山、あるいは自然共生システムも、三人称的で語ると美しいことばかなりなんですけど、琵琶湖、滋賀県で経験してきたこと、現場の一人称、二人称で語っていきますと、やはり昭和30年代、あの時代、例えば竹のざるよりもプラスチックの方がきらびやかに見えたわけです。黒い木の家よりも、アメリカ製の青い芝生に白い家がモダンに見えたわけです。今、途上国がまさに、私もずっとアフリカの村に入り込んでおりますけれども、目の前の魚よりは肉の方が豊かに見えるし、電気というものは大変なあこがれですし、そういうところを現実で考えていくことも含み込んでいかないと、まさに絵にかいた美しい里山物語になるわけで、やっぱり当事者は何を思っているのか、何を望んでいるのかという、一人称、二人称のバリューの仕組みを入れ込んでいくことが、日本から発信する大変大事なところではないかと。私たちは、ある意味で里山を壊し、里川も壊し、嫌だ嫌だと言ってドラえもんの世界を求めたという精神の歴史があるわけですから、その精神史のところも確実に見据えながら、アジア、アフリカの今と手を結んでいくことが大事ではないかと。
  少し抽象的な話ですが、それは3Rの話、あるいはいろんなほかのレベルにも関わってくる、繰り返しになりますが、一人称、二人称の思いなり、あるいは動機づけということも入れ込んでいくことが大事ではないかと思います。
  少し長くなりましたが、コメントでございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  このシナリオも大変すばらしいことが、2030年までに50%削減ということですので、この背景には大変ないろいろな作業があるものと。また機会を見てお話を伺いできればと思います。
  それでは、先ほどの小林官房長の方からご紹介いただきました資料4の(1)の健全で豊かな自然環境、そして(2)の3R、この部分につきまして、ご意見がおありの方は札をお立てください。
  それでは、向こうからまいりましょう。中村委員。

○中村委員 ありがとうございます。
  今の嘉田委員のお話、大変感銘を受けておりますが、私が最初にお話ししようと思ったのも今のようなことでして、こういう自然共生システム、あるいは里地里山を美しくしていこうという話が、例えば自分自身の食卓とどういうふうに関係しているのかとか、自分の食卓と、それから先ほどのマングローブの林がなくなっていって、私たちはエビをたっぷり食べているけれども、それがどういうふうな影響を受けているのかということが、実際の私たち普通の一般の人たちもなかなか知らないのではないかと思うんですね。これをしっかりと伝えるようなことがこの中に書かれるべきではないかというふうに思います。

○鈴木部会長 田中委員。

○田中委員 ありがとうございます。
  3Rに関するところですけれども、基本的な考え方のところに、3Rというとリデュース・リユース・リサイクルで、適正処理が往々に入っていない考えがあるんですけれども、この3Rイニシアティブにもつながるここの中には、減量化・リサイクル、プラス適切な処理の推進を入れた概念でまとめた方がいいような気がします。それで、アジアの多くは野焼きの状態とか、あるいは処分場がないので川やあるいはあらゆるところに捨てられると、こういう状況を改善していくという、そういうことに日本が貢献する。それから、日本的なモデルのところで、市民参加あるいは協働とかということでやって、計画づくり、それから集団回収とか、そういうのもこの中で読み取れるように入れていただければと思います。

○鈴木部会長 では、武内委員。

○武内委員 私も嘉田さんの意見によく似ているんですけれども、何となく最初の出だしが古き良き日本に戻れみたい話になっているんですけれども、1つは、やはり里山と言っている意味というのは、公でもなくて私でもなくて共であるという、まさにコモンズという、そういう空間のあり方についてこれからどう考えていくのかという問題提起ではないかと思うんですね。それで、コモンズはご承知のようにコモンズの悲劇というのがあって、里山といえども明治期の一時期は入会権の全部放棄をするような動きがあって、それでだれでもそこに入っていいというようなことを政府が進めた結果、はげ山の文化が生まれたというか、はげ山がいろんなところに出現したというようなことがあるわけですから、そこでやっぱり必要なのは共有地をどうやって管理していくのかというルール作りだと思うんですよね。
  例えば私は何かいろんなものをつなげと今一生懸命言っているわけですけれども、バイオマス利用をきちっと考えないと、里山でバイオマスというと、はげ山にしちゃうということだって当然あり得るわけで、多分、どこかでバイオマス利用等をした方が里山にとってはいい。だけども、し過ぎるとだめだという、そういう最適解があると思うんですね。そういう最適解に向けてどの程度バイオマス利用ができるのか、そして、その結果として生物多様性というのはどういうふうにかつてのように復元できるのかということを明確に発信していくというふうなこと。それから、例えば戦後拡大造林をして人工林を増やしてきたわけですけれども、これは要するに造林地というのは必要でないということは当然ないわけですけれども、そのときに木材を100%自給するといったときに、じゃあ、今の拡大造林をどういうふうに評価したら、今のままでいいところと、それから天然林に戻したらいいというところが結びついてきて、そして天然林に戻していいというところは、まさにさっきの生態系サービスみたいなものがある場所であるとすると、そこは自然に戻すことによって、その価値がより高まるとか、そういう組み合わせでもって国土の将来の最適解を、少なくとも生物多様性とか農林業とかというところでは言っていかなきゃいけないと思うんですけれども、これを文章化するのだと、ちょっとそういうところが弱いのではないかなというふうに私は思います。また農業のことはいずれお話しいただけるのだろうと思うんですけれども、この部分に関しても、もう少しそういう観点で、これからどうしていくんだということについての明確なメッセージをやっぱり出していくべきではないかと。その際に、私が考えるには、コモンズという考えですね、共という考え、これを日本の社会の中でどういうふうにして取り戻していくかということそのものが、実は物理的な存在としての里山をどう守るかということよりも、もっと大事なことなんじゃないかなというふうに思っております。

○鈴木部会長 では、須藤委員。

○須藤委員 大体は書いてあると思いますが、生物多様性への問題を、やはり地球温暖化防止と非常に密接してつなげていただいた論理を作った方がよろしいんじゃないかなという気がいたします。というのは、やはり今一番大切なのは、ずっといろいろ挙げていっても、温暖化対策ですよね。それと、この生物多様性が、前からいろんな先生がおっしゃってくださってはいるんですけれども、何となく開きがあるような気がいたします。
  例えばで言いますと、生物を守る、ホタルでもよろしいんですが、エネルギーを、要するに光なんか当てちゃったらホタルもコミュニケーションとれなくなるよというのは、例えば子供への教育なんていったら、それが一番効きますよね。それで節電になるというようなこともあるので、やはり生物多様性の問題を温暖化といかに密接につなげるかということの論理を構築していくとよろしいのではないかと、こういうふうに考えています。

○鈴木部会長 では、太田委員。

○太田委員 里地里山というのは、もともとは農業生産と、それを支えるコミュニティフォレストというか、そういうものですので、そういうシステムと、それから、これから考えていく里地里山というか、今までのそういうものとは違うんだと思うんですね。その農業生産があって、それで里山があったという、そういう使い方を本当にもしやっていくなら、それは今までのようなモデルになると思いますけれども、そういうふうになかなかならないとすると、例えば里地は農業生産をうまくやる、農業の多面的機能をきちんと出す、それは生態系とかそういう多様性まで入っている。あるいは森林の多面的機能をきちっと出す、その中には生態系も入っていると。こういうようなことにつながるので、ちょっと私も整理できませんけれども、ただ里山というのではなくて、もう少しそういう実態と合わせて何か作文していかないといけないのではないかなという、そういう感じがいたします。それが1点です。
  それから、もう1点は、やはり先ほど生態系のサービスという話をしたんですけれども、確かに生産物という話と、それにつられてそうでないサービスといって生態系というのは貢献しているんだよという、そういう説明のために生態系サービスという言葉が出てきたということ、それはよくわかるんですけれども、どうも海外でそういう話をすると、それをうのみにして、そのまま使って、何か海外から来たいい言葉だというふうな感じを受け取っているような気がしてしようがないんですね。そうでなくて、やっぱりアジアというのは、今の里地里山というのは生態系と人間と一体で両方ともうまく生き延びていくというか、やっていかなきゃいけないんだということを出さなきゃいけないというふうにちょっと思っていますので、そのあたりが、この里地里山、日本型共生システムを提示するという根底じゃないかなという気がしております。
  ちょっと抽象的ですが、以上でございます。

○鈴木部会長 では、森本委員。

○森本委員 ありがとうございます。
  1つは、統合的なアプローチというのがやっぱり必要だということをちょっと強調したいと思います。いろいろ環境関連で、例えばバイオマス利用だとか、あるいは環境汚染だとか、いろいろ対策をとるときに、技術革新で何か1つの問題を解決すればいいんだというふうなことで進みやすいわけですけれども、実は琵琶湖にやさしい無リン洗剤をというか、石けんをやったら、途上国の熱帯林がなくなっていたと。天然林がなくなって、油ヤシのプランテーションになっていたという、そういう課題が見えなくなるとまずいので、必ず統合的なアプローチが必要で、そのためには何かうまい指標を開発する必要があると思うんですね。そのときに例えば汚染だとか、公害関連だと割合数値目標というのは立てやすいんですが、生態系というのはなかなか数値目標というのは立てにくいわけですけれども、うまくこれを開発していくというのが、これから生物多様性に関するいろんな取組をする上で欠かせない課題だと思っております。それが1つ。
  もう1つ、やっぱり全体として危機感に欠けると申しますか、IPCCのこの前のレポートを見ても、本当に滋賀県さんみたいにちゃんと目標を立ててやるという、一応、できるできないにしても、ちょっとバックキャスティングしてみるという、そういう姿勢があるわけですけれども、いろいろ皆さん大変いいことをおっしゃっていて、それなりに私もみんな賛成のことが多いんですけれども、もうちょっと全体として危機感を持って、何かこれをやりますという、その辺が全体であればいいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  最後の点なんかも非常に重要なんですが、これは全体に通じることだと思いますし、今日は各論のところに入っておりますので、自然共生、それから3R、前回の温暖化、これをまた3つに切り分けてしまうと、何となく問題が矮小化してしまって、またここに具体的な提案等がずらっと入ってきますと、何がなんだかというわけではないんですが、わかりにくくなると。あくまでも立国戦略としては、この最初の基本的な考え方というところにまとめていただいているような部分が多分全体としてまとまってきて、そして、この具体的な取組はアネックスのような形でその裏にあるという、そういうようなまとめ方になろうかなと思いますが、温暖化の方は、まだ基本的な考え方なんかがきちんと分けられておりませんけれど、そこは例えば滋賀県の場合は知事の多分ご決断で2030年に50%というような、これはすごい目標ですね。これはやはりその辺の大きな問題の原点のようなところは、やはり4大臣会合か、あるいは安倍総理にぜひ決断をしていただかないと、なかなかこちらの方も議論がしにくいというような、そういうものを受けた上で、先ほどありましたようにバイオマスの利用と自然共生なんかも絡んでくるわけですし、温暖化と自然共生なんかも、ある意味では全体的なやはりリンクというものをこの中にきっちりと生かしていくという、そういうことになるのかなと思っております。
  それでは、後半の部分についてご意見をお伺いしたいと思いますが、環境・エネルギー技術と経済成長以降の部分、11ページ以降の部分についていかがでしょうか。
  それでは、大久保委員からまいりましょう。

○大久保委員 それでは、(3)、(6)、(7)につきまして、1点ずつ申し上げたいと思います。
  まず、(3)の環境ビジネス全体なんですけれども、これ、私、物づくりの現場を見て歩くのが好きで、リサイクルサイトも見にいったんですけれども、大変、日本の技術者の方々あるいは事業者の方々とお話をすると、CO2も廃棄物もまだまだ減ります、幾らでも減りますという元気のいい事業者さんがいっぱいいらっしゃいます。そういうところが本当に環境技術を持ったところだと思いますので、そういう事業者さんが実際に活躍できるような枠組みを作ることが大事だろうと思います。他方、具体的な取組の上から4番目の丸・なんですけれども、アジア地域までを視野に入れた適用段階の環境技術の普及という点ですけれども、これも大変重要な視点で、日本で最適最新の技術が必ずしもアジア地域で常に最適、現在において最適とは限らず、例えば水で言えば高度処理よりももっと安価な技術でいろんなことができるという場合もありますので、そういうその地域に最適の技術の適用ということも日本は上手な部分じゃないかと思いますので、そういうものを推進していくために、具体策としては、例えば市場メカニズムで必ずしも簡単に動かないようなものであれば、アジア環境ファンドのようなものを創設して、そういうものを支援していくという枠組みも重要かなと思います。それが(3)でございます。
  それから(6)についてなんですけれども、(6)の仕組みづくりの方なんですが、26ページなんですけれども、参加・協働の推進は大変重要な点であると思うんですけれども、26ページの下から3番目の丸・のオーフス条約を書いていただいているんですが、これ今、EU諸国がほとんど批准国なんですけれども、アジアでも大変関心が高まっているところでございまして、これ、日本が初めて批准をアジアでしたということになりますと、国際的リーダーシップを発揮できるということが確実な分野ですので、ぜひ頑張りたいというふうに思います。
  それから、その2つ上ですけれども、ツールの部分なんですが、今度国内なんですけれども、さまざまな参加・協働のツールが最近充実してきておりますけれども、例えば今後の展開の1つといたしましては、最近、自治体レベルでは市民協働提案を進めていくために、市民提案の事業につきましては、行政と提案団体とが共同事業契約というのを結びまして、従来の請負とか委託とは違った枠組みで共同事業を推進していこうというようなことをやっております。そういうようなものがきちんと法的にも位置づけられるようにしていくことが重要ではないかと思います。
  それから最後、(7)に関連してなんですけれども、参加・協働が重要といいましても、それ自体が自己目的化してしまってはしようがないわけで、その参加・目的自体が本当に環境が改善される、あるいは合意が推進されるということにつながらなければいけないと思います。そういう意味で、例えば国土交通省ではPIのガイドラインでありますとか、あるいは特に河川の分野では淀川あるいは釧路といった分野で大変先進的な取組がなされていると思います。その取組をさらに推進していく上で、29ページにちょっと1行だけ書いてあるんですけれども、下から4行目に戦略的環境アセスメントの推進とありますが、これのガイドラインが策定されたということ、そしてまた、その推進が予定されているということは大変重要なことであるかと思います。これと、こういう意思決定支援ツールと組み合わせることによりまして、より有効で効率的な政策決定のグリーン化が図れるものと考えます。その際の3つポイントを、これ、1行だけだと寂しいので申し上げたいんですけれども、1つは、SEAの段階では文献調査が中心になりますので、やはり環境情報の収集・構築ですね、情報システムの構築ということが重要ではないかと思います。これが第1点。それから、第2点目なんですけれども、それだけですと科学的なデータだけなんですけれども、そういったものと地域の文化なりあるいは地域の価値観なりというものが結びついた形でいかないと、何が地域で重要な環境目標であり、守るべきものであり、あるいは創造すべきものであるのかというものが曖昧になってしまうのではないかと思います。そこで、やはりコミュニティレベルで地域の環境目標なり土地利用の仕方といったものを参加・協働のもとに作り上げて、地域の環境計画のようなものの中に位置づけていくことが重要かと思います。例えば私の実家のところに安茂里という地域があるんですが、安心の安に茂るに里と書くんですけれども、アンズの里で大変きれいな地域なんですが、地元の人は必ずしも安茂里がきれいな名前でアンズの花がきれいだというふうには必ずしもすぐには認識しないわけで、地域の環境の創造・発見という仕組みといたしまして、そういう作業を進めておけば、新たなSEAが適用されるような事業の際に、合意形成が促進されるのではないかと考えられます。
  最後、3点目なんですけれども、そういう環境的な地域の計画と、それから都市計画というもののリンケージが図られると、その有効性が確保されるのかなと思います。具体的には、国土形成計画や社会資本重点整備計画の段階では、環境基本計画との調和ということが法律上も書き込まれて、この点、非常に進展があった分野だと思っております。ところが都市計画なんかになりますとそういうものがまだ書き込まれておりませんので、書き込まれることによって、土地利用と、そういう環境調和ということが図られ、それがまた地域のコミュニティレベルのサステナビリティにつながるのではないかと思いますので、このようなことも書き込んでいただければと思います。
  以上、早口になりましたが、以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
  太田委員。

○太田委員 それでは、実効ある国際貢献、[1]のところの環境・エネルギーというのは、これはあまり自然環境は入っておりませんので、[2]に水問題を特出ししているんですが、やはりできたら[3]に自然環境、熱帯林の保全とか、あるいは緑化とか、あるいは湖沼の保全とか、そういう自然生態系といいますか、生物多様性の保全みたいなところにも、やはりかなり日本は実績もありますし、やるというのを、[3]を出してもいいのかなという感じがしております。そのときに、単なる人間だけではなくていわゆる生物多様性、先ほど吉田先生にお聞きしたんですが、ちょっと質問の意味が、私がうまく説明できなかったんですが、吉田先生が例えば国際自然保護連合の中で日本はどのぐらいのリーダーシップをとっているのかというのをちょっと聞きたかったわけですね。あるいはWWFで日本の出身の人たちはどういうイニシアティブをとれているのかと。本当はそういうものについても日本がイニシアティブをとっていくというのが環境立国の日本らしいので、そういうことを含めて、その辺を[3]として特出ししてもいいのではないかなというのが1点です。
  それから、あとは簡単にいたしますけれども、次の(5)の中の[4]で、18ページですが、この人と自然が元気な「郷」づくりというところですけども、これは書いてはあるんですが、やはりもう少し地域主導というか、そういうようにぽつで書いて、地域がやっぱりやらなきゃいけないということを、いわずもがなですが、書いた方がいいのではないかと。
  それから、やはりこの中にあまりうまく出てきていませんけれど、先ほどもちょっと申し上げましたように、自然、あるいは森林、あるいは農業、あるいは水産業の多面的機能を持続可能に発揮させるということを農水省等はやっているわけなんですけども、そのあたりをやっていくことが、これに対応していくというふうに思っておりますが、その辺の連携もうまく書き込んでいただければいいかなと思います。
  最後に(6)の環境のところですが、これも文科省が中心で、教育ですからやっていいとは思いますが、国土交通省の河川、あるいは森林、農地、あるいは海、全部それぞれで体験とかやっているんですが、統一がとれておりませんね。それぞれでやっていますよね。そのあたりももう少し連携をこの際きちっとやっていくということと、それから、地球倫理とか、世代間倫理とか、あるいは環境倫理ということをきちっともう少し教えるということも書いていただければ、あるいは取り上げていただければと思います。
  以上です。

○鈴木部会長 それでは、須藤委員。

○須藤委員 バイオマスは新エネルギーとして大変私有効であろうと思いますが、これは地産地消でやるべきであって、現在の日本の考え方は輸入までしてやろうと考えているようです。そういう意味で、耕作放棄地やら、あるいは休耕田やらを使って、バイオマスになる原料は生産されるべきだと、こういうふうに思います。
  それから、2番目は水の問題、これは特出しして書いていただいても、それはそれでよろしいんですが、何となく飲料水を確保する、水をきれいにするという、水処理技術のようなことが前面に出るようなんですが、やはりこれをやると日本のようになってしまうので、やはり先ほどの生物多様性の問題と抱き合わせで、これは水問題の解決に向けていただきたい。
  それから、3番目は豊かな水辺づくりのところですが、ここにも異論はないんですけれども、私は時々小学校へ行って授業をするんですけども、子供に聞きますと、どういう水が欲しいのと言ったら、やはり水の中で遊びたい、水の中へ入って魚をとりたい、これに尽きますね。なので、そういうことで水との触れ合いができる、そういう水辺を作っていただきたいというようなことを、これは海外向けになるか日本向けになるかわかりませんが、ぜひ提案をしておきたいと思います。

○鈴木部会長 中村委員。

○中村委員 2つお話ししたいと思います。
  1つは20ページ、都市づくりということで、私がここで提案したことを書いていただいていますが、先ほど嘉田委員の方の滋賀県で2030年バックキャスティングということで、私は2050年からの70%削減バックキャスティングというのを書いていたんですが、この辺にその辺の量的な数字的なものがないのが気になるんですが、その辺、できるだけ数字をきちっと入れるような、目標として入れるようなことが必要ではないかというふうに思います。
  それから、24ページのところで環境教育についてですが、この環境教育に関しても、一番最後のところに、私はエネルギー消費の削減という環境教育についてぜひ入れていただきたいということで、ここに書いていただいたんですが、これも頭の主な意見のところには少しその辺が弱くなっていて、持続可能な社会というような話で終わっているのかなと。ここに住環境に関する教育であるとか、省エネルギーの教育であるとか、その辺もきちっと書いていただいた方がはっきりしてくるのではないかと思います。

○鈴木部会長 村上委員。

○村上委員 私も3点発言させていただきたいと思います。
  1つは24ページから始まる環境教育のところなんですけれども、まず、新しく追加されたと紹介もされました、日本ならではの暮らし言葉を環境教育で推進していってはどうかというアイデアに賛同します。ただ、その言葉が実感できるような暮らしぶりが、やはり先ほどの里地里山と同じようになくなってきているということが問題で、例えば夕涼みという言葉も、ヒートアイランドの都会ではもうほとんど死語になっている、そういう言葉を伝えると同時に、その暮らしぶりや自然環境を一緒に伝えていくということがとても大切だと思います。そのやり方として、例えば水俣に始まった地元学、地域に暮らしているお年寄りや先人の方々に、昔からの自然との共生してきた知恵などを聞き出して掘り起こしていくといったような、そういう活動をもっともっと広げていけるようなことができればいいのではないかなというふうに思いました。
  2点目は、地域のそういうさまざまな取組をしている人がつながっていくためのコーディネーターが必要だという発言を25ページに取り上げていただいておりますが、こういうコーディネーターを育成して配置していくということが、先ほどどなたかが指摘されました、ばらばらに行われている環境教育をつなげていく上でもとても大切だと思っています。そのためには、環境教育やESDを進めていくための関係省庁が例えば共同プロジェクトを起こすような、そういう取組をしてはいかがかなというふうに思います。環境教育、ESD推進のための関係省庁共同推進本部のようなものを作って、そこで共同で進めていくと、効果的な施策を作って、それを実施していく、それを評価していくというふうな、総合的なアプローチができるような体制を作っていただきたいと思います。そういうことを、可能であれば24ページの基本的な考え方のところにお入れいただければいいのではないかなというふうに考えております。
  最後、3点目なんですけれども、NPOへの期待というか、26ページにも協働ということがキーワードとして挙げていただいておりますけれど、これ、地域で実際にじゃあそれがどのように動いているかということで申しますと、行政の環境教育事業やまちづくり事業の担い手として、やはりNPOもかなり力を発揮してきているんですけれども、これらのソフト力や人のネットワーク力が問われる事業に関しましても、競争入札という仕組みがどんどんと持ち込まれておりまして、地域の中で価格破壊が起こり、まともな仕事ができなくなっているというふうな課題もあります。こういう企画で作りちゃんと作り上げていかなければいけないような事業は、価格で競争するのではなくて、企画の質であるとか、多くの市民を巻き込むための実施能力であるとか、そういうところでちゃんと正当に評価できるような仕組みですとか、行政マンの能力開発というものが必要ではないかと思います。また、先ほど大久保委員がおっしゃられたような、共同事業提案及び契約という仕組みもとても魅力があると思いますので、そういう協働を推進していくための仕組みについても実現化していければいいなというふうに思いました。

○鈴木部会長 では、森本委員。

○森本委員 じゃあ1つだけ、すみません。
  豊かな水辺づくりのところで、基本的にこれ、ちゃんと書かれているとは思うんですけれども、キーワードとして、氾濫原が第一の危機で都市化してなくなって、あるいは農地に変わって、かろうじて二次的自然の農地が持続可能な形で営まれている間は水辺の生き物もいたと。それがまずくなったところに第三の危機で外来種も来て、致命的に劣化しているというのが日本の現状だとしますと、豊かな水辺づくりというときに、氾濫原、トータルの自然の再生というのを1つ大きな目標として持っておいて、そこでどういうぐあいに土地利用の適正化を図っていくかという視点が大事だと思いまして、そういう意味で、キーワードとして氾濫原がなくなったということが、そういう認識がいるんだと思うんです。でないと、やっぱり非常に個々に料理されて、例えばセーヌ川みたいなところで水があればいいですねとか、あるいは子供が単に水遊びできたらいいですねという話に矮小化されやすいと思うんですね。ですから、これはさっきの統合的なアプローチとも関わるんですけども、例えば国交省が河川で何かやれば、いわゆる国交省が管理している河川の中で多自然型をやればいいとか、あるいは港湾は海岸だけでやればいいという話になりますので、トータルな自然が持っていた生態系サービスというのを考えると、もう少し広い視野というのかな、それがいるのかと思います。ぜひそれを書き込んでいただけたらと思います。

○鈴木部会長 いろいろなご意見をいただきましたが、大きな共通する問題として、やはり環境教育というのが、どうなんですか、文部科学省においでいただいていますけれど、文科省の中で本当に環境教育というのは何なのかという議論をされたことがあるのかなんていうのは、私も大学の人間としてあれなんですが、今後、やはりここで提案されていますように、やはりオール関係省庁ぐらいのESD推進本部みたいなものは考えられてもいいかもしれませんし、環境教育学会、今日、小澤さんがおられなくて、おられれば何か一言あったかもしれませんが、環境教育学会なんかもう少し頑張ってもらわないといけないという、そういうところもあるかもしれませんね。
  それから、もう1つやはり共通する問題としては、地域といいますか、いろんな問題がやっぱり個別に議論されるのではなくて、これもいろんな省庁にまたがる問題をどうやって統合的に考えていくのかと。そういう意味では、地域・自治体がある意味では非常に力を発揮しなければいけないところでもあるかもしれません。バイオマスであり、農と自然共生の問題もあり、そして住民と協働で事を進めていく。結局のところ、環境立国というのは、そういう意味での総合的な国づくりなんですね。ですから、各省からおいでいただいていますので、本当にこれをいい機会に、それぞれのところでそれぞれの役割分担をしながら、どうやって連携・調整を図り、全体像を明らかにしていくかと。そういうある種の決意表明をこの立国戦略で上げていくことができればということなのかなと思います。今日いただいたご意見も、これにつけ加えていくと、ますます発散していくわけですね。それは最後の段階で少し戦略としてはすっきりしたものにしなくてはいけないと思っておりますので、また、その際にはよろしくお願いしたいと思います。
  それでは、事務局の方で。

○柴垣評価広報課長 今後の日程といいますか、参考資料の1枚紙でございますけれども、ご覧いただければと思います。それで、次回は連休明け、5月10日の3時からということで、また今日も少し議論になりました環境保全型農業などのヒアリングをさせていただいて、その後に総論・各論、全体を通じた議論ということでお願いをしたいと思っております。
  それから、その次が9回、10回ということで、まだ日程は予定でございますが、25日と、それから29日ぐらいに提言の原案、それから取りまとめということで、まとめの方向で予定をさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 よろしいですか。
  それでは、予定の時間を15分もオーバーしてしまいましたが、進行役の不手際をおわびしたいと思います。
  それでは、本日の会議を終了させていただきます。ありがとうございました。

午後5時28分閉会