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中央環境審議会
21世紀環境立国戦略特別部会(第3回)議事録


日時:
平成19年3月19日(月) 15:00〜17:15
場所:
ホテルフロラシオン青山「ふじ」

<議事次第>

  1. 開会
  2. 議事
    (1)
    21世紀環境立国戦略に盛り込むべき事項について
    (2)
    その他
  3. 閉会

午後3時03分開会

○柴垣大臣官房政策評価広報課長 それでは、定刻を過ぎておりますので、ただいまから中央環境審議会の「21世紀環境立国戦略特別部会」の第3回を開会させていただきます。
 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、委員総数26名のうち17名の委員からご出席という連絡を受けておりまして、ただいま12名でございますけれども、このうち杉山委員それから平野委員、廣野委員は遅れるというご連絡をあらかじめ受けてございます。残りの2名の委員は、間もなく参ることになるというふうに考えております。
 それでは、まずお手元の配付資料の確認ということで、議事次第の下に一覧をつけてございます。それで、資料の2といたしまして、各委員からのご意見、冊子と冊子の下に1枚紙が2枚ほどございます。これは印刷の都合で中に刷新できなかった部分でございます。最後の小宮山委員のものは中に入っておりますが、中に入っているものの差し換えということでございます。よろしくお願いいたします。
 それから、参考資料といたしまして、お手元に置かせていただきますが、参考資料の1は前回もお願いしました、前回の議事次第の確認をしていただくものでございまして、確認していただき次第ホームページの方に公表をさせていただきたいと思っております。
 それから、委員限りでございますが、参考資料の4といたしまして、本日の議論のご参考に前回の配付資料、説明資料の2から10までを置かせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に先立ちまして、若林環境大臣からご挨拶を差し上げます。

○若林環境大臣 若林でございます。
 委員の皆様方におかれましては、本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。21世紀環境立国戦略特別部会におかれましては、第1回、第2回ともに活発なご審議を賜りまして、ありがとうございました。
 前回までは有識者、関係各省より資料説明などにより環境問題と環境政策の現状を補完していただきましたが、今回からは委員からご提出いただいた意見書などをもとに、環境立国戦略の具体的な内容について活発なご審議をいただければと思います。
 私は、昨日までドイツのポツダムにおいて開催されましたG8環境大臣会合に出席してまいりました。概要につきましては、お手元の参考資料2をご覧ください。会合では、気候変動問題等について、主要な先進国及び途上国の環境大臣と率直な意見交換を行い、本年のハイリンゲンダム・サミットでの議論や、今後の国際交渉の方向に関する共通認識が得られたと思っております。また、我が国としては、来年のG8サミットに向けた環境の分野で果たすべき役割の重要性について、思いを一層強くしたところでございます。
 なお、このG8サミット+5、G8+5の議論のテーマの一つに「生物多様性問題」というのがございまして、この地球温暖化の問題と生物多様性の問題とを、今年のドイツでのG8サミットにセットで持ち上げていきたいという議長国ドイツの意向がございまして、これについては、多くの各国からそのような形でG8サミットでこの問題を取り上げるということに支援、指示の意向が示されておりました。
 ぜひ、本日も精力的なご審議を賜り、今後の論点整理に向けて私どもに適切なご意見、ご助言をいただきますようにお願いいたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○柴垣大臣官房政策評価広報課長 それでは、以降の会議の進行は、鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、次第に従いまして、議事に入らせていただきたいと思います。
 前回、各委員の方々に、21世紀環境立国戦略に盛り込むべき事項、これにつきましてご意見をいただくようにお願い申し上げました。お忙しい中、積極的に対応をしていただきまして、ありがとうございました。いただきましたご意見につきましては、事務局によりまして資料1という形で取りまとめてございます。
 まず、それでは事務局から資料1の説明をお願いいたします。

○柴垣大臣官房政策評価広報課長 それでは、私の方から資料の1のご説明をさせていただきます。
 資料の1は、今、部会長からもお話がありましたように、前回、各委員に意見の提出をお願いいたしまして、本日の議論の進行に資するという観点から、前回お願いしました戦略の基本理念、視点という総論的な部分と、それから具体的な施策というふうに前回2つのテーマでお願いをしておりますが、各論的な部分をまず大きく2つに分けまして、さらにそれぞれにつきまして先生方の意見の中で共通事項を項目分けをし、さらに小見出しをつけるなどして整理をさせていただいたものでございます。
 それから、前回にお願いをしました意見書以外に、1回目、2回目、全2回の審議会における各委員からの意見もつけてございます。ちょっと印を違えてございます。
 それから、本日も参考資料の4の中の前回の資料の10ということで、緒方貞子JICA総裁からの意見書の中の意見も、本日のこの整理の中に含めてございます。
 それでは、簡単にこの構成に沿って、まず最初に「戦略の基本理念、視点」という部分でございまして、1ページでございますが、現状の認識ということでございます。気候変動や地球温暖化ということが、21世紀の人類が直面する最大の課題であると。それから、また生物多様性の劣化ですとか自然環境、それから水環境、さらにはエネルギー資源、食料資源、環境資源などにも影響して、そういう意味で生物多様性や循環型社会の構築ということにも問題として共通性があるということでございます。さらには、一番下の部分、危機意識をいかに醸成していくかというようなご意見もいただいてございます。
 それから、2ページ目に参りまして、ここも基本的な考え方の一つの共通項ということで、小見出しで「モデルの提示」ということをつけさせていただいております。我が国の伝統や経験ということから、我が国をミニ地球として、一つのモデルとして、日本モデルとして打ち出していくというようなことが、一つ共通的なご意見としていただいております。
 それから、下の部分で「自然との共生」ということでございますけれども、これも日本の自然共生の知恵というもの、これがまたアジアにも共通する自然観や循環思想というものでありまして、新たな持続可能な社会を作るための共通認識みたいなベースになるのではないかというようなご意見をいただいております。
 それから、3ページに「環境、経済、社会」という小見出しをつけさせていただいておりますけれども、これは環境の取り組みが持続可能な経済成長や地域の活性化ということに結びついていくべきだし、またそういう可能性があるということで、そういった点を重視していくべきではないかというご意見を共通的にいただいております。
 それから、4ページでございますけれども、また小見出しで「アジアや世界との関係」ということで、この部分は日本からアジアや世界を見る内容、さらにアジアの一員として、また東アジアにおける建設的なリーダーシップの発揮というような、アジアの視点ということが一つご意見として共通的にいただいておるものでございます。
 それから、次の5ページに参りまして、「低炭素社会・循環型社会・自然共生社会の統合」という小見出しの部分でございます。これは従来、ともすれば循環型社会の構築それから脱温暖化、低炭素社会を目指してと、さらには自然との共生ということは、ばらばらに論じられていたのを人間社会系と自然系またエネルギーと物質というような観点から、統合させて体系的に論じていく、また戦略化していくべきではないかというようなご意見をある程度共通的にいただいてございます。そういった統合的、総合的な視点が重要ではないかということでございます。
 それから、6ページ、7ページは総論的ご意見のその他の部分ということ、また打ち出し方というような点でいただいたご意見でございます。その中で、最初に「国内、国際社会に向けた強いメッセージ」ということ、それからそういう打ち出し方の点では、終わりの方に「わかりやすいまとめ方」「あきらめ感が蔓延しないように人々を動かすビジョン」というようなまとめ方のご意見をいただいております。それから、ちょっと6ページの終わりと7ページの最初の部分、これはページが分かれておりますが連続しておりまして、6ページの終わり、これは廣野委員のご意見なんですけれども、6ページの終わりが以下の6つの項目の国内対策の世界的な応用導入というようなことでございます。また、その1から6まで独立した意見としてもありますけれども、つながったものということでご理解いただければと思います。
 それから、8ページに参りまして、ここからが具体的な施策ということで各論的なご意見をまとめてございます。それで、まとめ方として、まず国際的な取り組みといいますか、「世界へ展開する取組」というのを最初に持ってきまして、それで大きく2つ目に15ページからの「足元からの取組」ということで大きく2つに分けて、さらに温暖化に関する国際的な取り組みとそれ以外というふうに、世界へ展開する取り組みは2つに大きく分けてございます。
 この温暖化の国際的な取り組みの部分は、委員の共通的な傾向というよりも幾つかの論点を含んでおる部分でございまして、これはまた後ほどじっくりとご議論をいただければと思う部分でございますけれども、大きくいって、一つは1ページの中ほど、3つ目、4つ目ぐらいのところで、気候安定化の大目標、マクロ的な目標と、それを具体的にどう対応するかという具体的な目標といいますか、具体的な対応の問題ということがあるのではないかと。日本がどうすれば世界全体で、そういった大きな目標の達成につながるのかということで、9ページの部分の2つ目、3つ目、真に世界全体が参加する取り組みが解決のためには必要で、日本が先進国と途上国の架け橋となると。さらには中国やインドの参加、それから米国の復帰というようなことに対して、日本がどういうふうに貢献し、そういった土俵を作れるのかということが論点でございます。
 それから、下から3つ目でCDMのポスト京都の枠組みをCDMが継続して大きな事業で取り組まれるためにも、CDMの枠組みを確定すべきだというようなこと。それから、だれが資金を出すのかというような問題、そういったことがあります。
 それから、10ページにいっていただきまして、ここも先ほどの論点と共通で、マクロ的な、もしくは総量削減的な目標と、それから具体的な行動目標、その一つとしての原単位の目標のようなこと、それから下から3つ目には財源論といいますか、革新的な技術開発に向けた予算の傾斜配分というようなご意見もいただいております。
 それから、11ページは「その他の国際的取り組み」ということで、一括して温暖化以外ということでございますが、小見出しで、まず「3R」。これは3Rイニシアティブというのを日本は提唱して、それをテコにリーダーシップの発揮と。それから、11ページから12ページにかけて、アジアの循環型社会の構築ということで、そのためにもアジアの国際循環、東アジアの国際循環の環境保全上望ましい形というようなことが論点として言われております。
 それから、2つ目の小見出しで「生物多様性」ということで、多様性の情報基盤ということでGBOというようなこと、それの日本版の作成と。それから、SATOYAMAコンセプトの発信。これは低炭素社会のモデルにもつながるという、水田など里山文化ということがございます。
 それから、「技術協力等」ということで、その他の国際的取り組みの意見をまとめさせていただいております。この中でも、アジア重視というような人材育成、技術移転というようなことが共通的に言われておるかと思います。
 それから、時間の関係ではしょらさせていただきまして、15ページ「足元からの取組」ということでございます。その中で、まずはエネルギー効率と、それにプラスして資源生産性、資源面での効率の向上ということ。ここは、国際的な取り組みは温暖化部分と共通した論点がまず上げられておりますが、真ん中から少し下の部分で、特にバイオマスエネルギーの開発、普及と。これは新エネ、再生エネルギーであるとともに再生可能な資源ということで、エネルギー効率と資源生産性と両方に関わる取り組みになるということでございます。
 それから、16ページのところで、特に循環の問題として、下から4つ目の地域の、特にバイオマスを中心とした地域の循環の強化とともに、必要なものについては貴金属ですとか、有害物質ですとか広域的、または国際的な循環という階層的な循環システムの意見が出されております。
 それから、17ページ、都市の環境対策ということでくくらせていただいておりますけれども、「負荷の少ない美しい都市」ということで都市づくりの提案がなされております。
 それから、18ページ「自然環境の保全」ということで項目をくくらせておりますが、都市と農村の連携それから森林の問題、それから農業、林業、それがカーボン・ニュートラルな再生可能な生産物の生産活用につながると。そして、一番下の木材やバイオマス資源の生産の場としての里地里山の活用。これは他国の多様性の劣化を軽減し、また吸収源対策さらには再生資源の循環にも寄与するというご意見をいただいております。
 それから、19ページ、20ページのところで「環境教育・環境学習」というところで、人づくりということの重要性と。それで、20ページのところで、国連の持続可能な教育10年というような、ESDの取り組みの強化というようなことをいただいております。
 それから、21ページから最後「社会経済システムの変革その他」ということで、まず市場メカニズムの活用ということで、税などインセンティブ政策の重要性、さらにはCDMの強化といった、その他の提言、ご意見をいただいております。
 一応、各委員からいただいたご意見の全体像とその整理として、とりあえず説明をさせていただきました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまご紹介いただきました先生方のご意見、幾つかのカテゴリーに分けて、ここに記載されておりますが、かなり多様なご意見をいただきながら、かなりまた共通する面が多いことと思います。もちろん立国戦略には、これを全部ホチキスでとめてお出しするというものではありませんので、教科書でもなく、あるいは憲法でもなく、戦術でもなく、戦略として一体何をここに盛り込むかというようなことを、本日そしてまた次回に渡ってご検討いただくと、そういうことになろうかと思います。
 ここに上げていただきましたご意見につきまして、分野が非常に多岐に渡っておりますので、3つに分けてご議論をいただければと思います。
 まず最初に、総論に対応いたしますが、戦略の基本的理念あるいは戦略の視点としてどういうようなものを盛り込むか。この辺に関しまして、25分ぐらいの時間をご議論いただければと思います。
 続きまして、各論の部分につきましては、これもまた非常に幅が広い内容になりますが、特に重要と思われますところは地球温暖化対策、これに対してどういうふうに我が国としての考え方を提示していくか。この辺に関しまして、60分ぐらい時間をとらせていただきたいと思います。
 最後に各論といたしまして、地球温暖化対策以外の分野につきましてのご出席の先生方からのご意見をいただければと、そんなふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、基本的な戦略に盛り込むべき理念あるいは視点に関しまして、ご意見お持ちの方は、恐れ入りますが名札を立てていただけますでしょうか。
 では、まず今お立ていただいた先生方にお願いしたいと思いますが、こちら側から太田委員。

○太田委員 それでは、短くします。
 まず現状認識ですが、これは部会長の話では戦略に入らないということですが、私は現実に起こっている現象についての理解は進んでいると。それから、地球の容量等の問題で問題になってきているんだということは進んでいると思うんですが、その本当の原因の理解というのはなかなか進んでいないんではないか。それは現代文明、地下資源を使う工業化社会ということが基本的なことなんですが、その現代文明の特質から本当は説いていかないといけないということで、この最初の部分に関係するテーマは、むしろ教育のところかもしれませんが、環境教育をもっと深めていくということになると、そのあたりまで気を配らないといけないんではないかなというのが1点でございます。
 それから、2番目に基本的な考え方としましては、やはり持続可能な社会の構築を目指すということ、これはもう共通だろうと思いますが、私は循環型社会というのでいいんではないかと思っております。
 意見は、低炭素社会それから共生社会とか幾つかに分けておりますが、統合するという意味では、やはり持続可能な循環型社会を広くとっていくと、共生なりあるいは自然環境を考えても循環型ということなので、なかなか物質循環を想像してしまうというところで世界的な対応は難しいのかもしれませんが、日本で言われている循環型社会というのを打ち出していいんではないかなと、こういうふうに思っております。
 簡単ですが、その2点でございます。

○鈴木部会長 では、茅委員。

○茅委員 この1番の戦略の基本理念ということの前に質問なんですが、要するに今回の審議は大変短い時間の間に環境立国戦略を作るというんですが、どういう文章をどの程度の長さに作るのか。そして、ここにあるような項目は、言うなれば、それぞれの目次に当たるものなのか、その辺のイメージをちょっと聞かせていただけないかということです。それがないと効率よく意見を言うということができないものですから、できれば、それを伺ってから議論をしていただいた方がやりやすいんではないかと思いますが。

○鈴木部会長 それでは、それにつきましてはどうしましょうか。私が理解して、たしか前回もそういうような面でいろいろご心配もあったと思うんですが、4月の末までに、ともかく骨子をまとめなくてはいけない。骨子、基本構想的なものですね。それで最終的な戦略は6月の末ぐらいでよろしかったですか、6月いっぱいぐらい。したがって、最初の3月末、あともう1回をかけて議論いただくのは、戦略として骨格をどういうものを作るのか。ページ数で言うと、これはどれくらいになるかわかりませんが、例えば5ページ。最終的には15ページか20ページか、あるいは10ページで済むか。そういうような最終的なその辺のものが、骨格としては「骨太の方針」なんかにそれを生かしていただかなくてはいけない。最終的な戦略は、やはり日本政府としてのG8に生かしていくようなものにできないだろうか、そのようなイメージを大体持っております。

○茅委員 ありがとうございました。では、そういうことでちょっと一言だけ意見を申してよろしゅうございますか。
 今の前提を頭の中において、最初の戦略の基本理念のところですが、これはもちろん、いろいろな意見がここの中にも書かれておりますが、私が第1回のときも申し上げたように、やはり「持続可能な社会」というコンセプトを追求するという考え方が、いろいろな形でここにあらわれているような気がいたしますので、やはり全体の理念の中では、そういった基本の社会理念として何をとらえるかということをぜひ書いていただいて、それをベースに後の記述をやっていただくというふうに、ぜひしていただきたいと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 小澤委員。

○小澤委員 私としては、持続可能な社会に対して、この5ページの表であります「低炭素社会・循環型社会・自然共生社会」という3つの軸でとらえて、そして国内、アジア、世界という発信ですか、そこへ例えば技術―イメージとしては、真ん中に円として「持続可能な社会」とあって、そこに低炭素社会、循環型社会、自然共生型社会というくさび型のものがあって、それを取り巻くところに技術的な解決あるいはシステムとか、それから教育とか、そういうものがあって、それぞれクロスしたところに、濃淡が出てくるのではないかと思います。
 例えばアジア向けではどういったところを強調するとか、それから世界に向けてはもう少し2030年、2050年にはどういうふうに削減していくという数値目標を明確にして、そしてそこに対して技術的な側面から、あるいはシステム的な側面からイニシアティブをとっていくとか、そういった構造化ができればいいのかなというふうに思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 田中委員。

○田中委員 ありがとうございます。
 私も循環型社会、サステイナブル・ソサエティーというのを、これが今、その構築が世界の共通目標になっており戦略の基本理念にすべきではないかと思います。
 そのためには、具体的には石油あるいは鉱石などの天然資源の採取量の抑制と、それから環境負荷の低減をする必要があるんですけれども、今の状況を見ますと世界、特に開発途上国の人口が急増し、また急速な経済成長が見込まれるので、トータルで見れば天然資源の採取量の抑制というのはもうほとんど見込みがないと、こういう状況にあります。そこで、せめて実現できること、そして広くG8でも受け入れられるであろうメカニズムを提案する必要があるのではないかと思います。
 日本は、既に3RイニシアティブをG8で提唱し賛同も得ており、また資源生産性、これは天然資源、単位量当たりのGDPのことを言っておりますけれども、この目標を設定することについても、昨年のG8で合意されております。天然資源の消費を抑制する努力を監視し、注意を喚起するメカニズムが必要だと。このように、日本の今までの提唱あるいは政策の提言と一貫して、この3Rイニシアティブあるいは天然資源の生産性の向上、これを押し進めるべきではないかなと思います。各国が資源生産性の目標を設定し、努力することが期待されておりますけれども、日本はみずから資源生産性の目標を設定して、いいモデルを世界に示し、このやり方を広めることが重要ではないかと。
 具体的には、あらゆる層に「もったいないスピリット」を広めて、こういう運動を展開することが必要で、そのことが結果的には廃棄物の発生抑制にもつながるし、温暖化の対策にも効果を発揮するのではないかと、このように考えております。

○鈴木部会長 廣野委員、お願いいたします。

○廣野委員 ありがとうございます。
 私も今までの委員の皆さん方と同じように、やはり基本的には持続可能な社会の構築というのが、この環境立国戦略の基本だと思いますけれども、その場合に、やはり何人かの委員がおっしゃったような格好で、ここに書いてありますような低炭素社会とか循環型社会、自然共生社会のところが重要なんですが、そこで、こういう戦略を出す限り、やはり日本としての特徴を十分に把握した格好で出していただきたいなと。日本としての特徴ということを考えると、3つばかりあるので、その3つは、ぜひこの環境立国戦略の中に入れてほしいなと。
 1つは、何といっても日本自身が今まで歩んできた道の中から出てきたいろいろな経験、そういう中で、一様皆さん方が妥当と考えられているものは、例えばエネルギー効率を高めるためのいろいろな技術の問題であるとか、あるいは里山との共生であるとか自然との共生であるとか、幾つかこの日本の言ってみれば歴史あるいは日本の経済発展の中で皆さん方が、これがやはり日本だなという、そういうようなものを出していただいて、それについての途上国の共感を得るような格好で、それを書いていただくということによって、途上国自身の皆さん方の途上国の方々の、言ってみれば賛同を得るという、これが一つ重要かなと。
 それから2番目には、やはり日本の特徴を考えると、アジアにありますので、何といってもアジアの中での、いわゆる持続可能な社会の構築、これをどうやったらよろしいかということで、これをアジアの中での持続可能な社会の構築という中で、こういう一つのモデルを作っていって、その中で同時にそのためには日本人が指導力を発揮して、こういう格好でやるんだと。それをできれば世界全体に広げていくという、そういうような考え方が必要であると。
 それから3番目には、やはり日本自身の今までの経験の中でたくさんの、言ってみれば負の経験があったわけであって、その負の経験ということを十分に我々が勘案した格好で、将来ほかの国々がそういう負の経験を持たないようにするためにどうしたらよろしいかという、そういうところも基本的な考え方の中に入れて、皆さん方からまさに日本の経験、いろいろな意味での正と負の両方の経験が十分にわかる格好でこれをやっていただくことが、まさに環境立国戦略としての意味があるかなと。
 そのときに、最後にもう一つ申し上げたいのは、そういうことをやるときに、やはり日本、これは最初のときも私申し上げましたけれども、日本として、できるだけ皆さん方がわかる言葉でもって、世界の国々に対してこうすることがよろしいんだというような方向での皆さん方の同意を得るための、幾つかのキーワードと申しますか、そんなものを出していただくということで、ぜひ今回の立国戦略に基づいて、これはまさに戦略としての価値のあるような、そういう方向で持っていくことが重要かと思います。よろしくお願いします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、中村委員。

○中村委員 現在までのCO2の削減がなかなか進まないという原因というのが、やはり今までのライフスタイルなり、今までの流れをそのままフォーキャストしようという中から生まれ、どうしてもそれ以上のCO2削減ができないんではないかというふうに思うんですね。そうすると、むしろやはり2050年とか大きなところに軸を据えて、それに向けて今何をすべきかという、そういう実現のために、あるいは温暖化を阻害しているものは一体何なのかというところを、全体を一回見直してみて、そこからもう一度それに対する方策は何が必要なのかということを考えるという、バックキャスティングの考え方を基本的な軸として据えていただきたいと思うところです。

○鈴木部会長 ありがとうございました。大変いいご意見をいただいたと思います。
 やはり立国戦略として、多分短い文章で、いろいろと発信していかなくてはいけないわけですが、大きな文明がやはり変わっていくといいますか、持続可能性というものは一体何なのかと。有限なキャパシティーの中で、一体どうやって活発な人間社会を継続していく姿があるのか。これはどういう言葉を使うか、持続可能な社会、サステイナブルな社会、循環型社会。中国も「循環経済」なんということを言っていますが、中身がよくわからないんですけれども、循環あるいは低炭素、共生、これはすべてともかく、その辺につながっていくわけで、そういうものに向かって我々としては、廣野先生おっしゃいましたが、これまでのやはり、かなり責任を持った対応をしてきたということはきっちりと自覚をして、プラスの経験そしてマイナスの経験、そしてまたこれから発展しようとしていくアジアの中で、どういう日本モデル、そういうサステイナブルな社会としてのモデルを提示していくか。こういうようなことが重要になってくるのかもしれません。その辺のところを最初の基本理念として明確にしておけば、その後の個別の、特に温暖化の問題であり、あるいは循環型社会、資源生産性の問題であり、いろいろなところにつながっていくのかなと思います。
 基本理念としては、大体そういうところで共通の……

○太田委員 一言よろしいでしょうか。

○鈴木部会長 はい、どうぞ。

○太田委員 「サステイナブル」というのは、やはりもう1980年代から出てきている言葉で、やはりそれをもう一歩進めて先に行っているんだという具体性を見ると、私はやはり「循環型」ということを、もう少し打ち出してもいいのかなと思うんですね。3つの共生とか低炭素社会とか言っていますが、そのあたりも含めて、私は表現できる―ただ、確かに社会、世界に向かってどう説いていくかというのは難しいように思うんですけれども、私は一歩踏み込んだスローガンがあった方がいいんではないかなというのは、やはり取り込む内容はもう先生方の言われるとおりですが、ちょっとそういう感じをいたします。

○鈴木部会長 低炭素、温暖化の問題も、もともと炭素循環の話であるといってしまえば循環型に位置づけることもできるんですが、やはり温度上昇によって自然生態系あるいは社会全体が崩壊していくという問題は、ちょっと「循環型」という言葉だけでは私は抱えきれないんじゃないかと。その辺がなかなか難しいところですね。

○太田委員 私の意見でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。その辺は、また考えなければいけないところかもしれません。
 それでは続きまして、2つ目のところといたしまして、これは大変大きな課題なんですが、各論として大きな割合を占めております。先ほどのご意見の紹介でも何ページかに渡っておりましたが、地球温暖化問題に対する国際的な取り組み、この辺のところで多分いろいろな先生方からご意見をいただけるのではないかと思います。また、名札を。

○茅委員 その前に、全体の議論の仕方について提案してよろしいですか。

○鈴木部会長 はい、どうぞ。

○茅委員 今、太田委員のお話に「循環型」という話があったんですが、先ほどの皆さんのご意見あるいはこの中に書いてあるのを見ますと、「持続可能な社会」という中に、低炭素あるいは脱炭素それから循環、それから自然共生というベースが書いてあるわけですね。言うなれば、私は持続可能な社会というのは、今言ったように3つの要件が基本であると思うんですが、そうだとすると、その後の各論のところはそれぞれのパートについてどうすべきかを議論すると全体の整合性がいいので、例えば国際的取り組みといっても、そうしませんとあっち行ったりこっち行ったりしてしまうので、例えば脱炭素あるいは低炭素の問題であれば、温暖化に集約して皆さんが議論できる。そうでないと、あるところでは3Rに行ってしまったりしますので、ちょっとそこだけ仕分けをしていただいたらいかがかなと思います。

○鈴木部会長 今申し上げましたのは、あくまでも温暖化に関して、最初にご議論いただき、そのほかのご意見を、このお出しいただいたページ数からすると、ちょっと小さい……

○茅委員 それでもちろん結構なんですが、考え方として、そういう最初の基本の理念のところで、その構成要素を分けて、それぞれごとに取り組むよう議論するとやっていただくと、やりやすいのではないかという提案です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 今のご意見のとおりなんですが、とりあえず温暖化についてご意見をいただければと。温暖化といっても、国内的な京都議定書目標達成計画的な話は、これはちょっとまた別の場でいろいろご議論いただけると思いますので、ここはあくまでも環境立国ということを目指して、我が国としてどういう戦略をという、そこのところを中心に据えていただければと思います。
 ご意見おありの方は、ちょっと名札を立てていただきたいんですが。よろしいですか。では6名の方。
 それでは、こちら側から、上路委員。

○上路委員 ありがとうございます。
 地球温暖化防止ということで、いわゆる炭酸ガスの排出削減というものについては先進国のみならず、いわゆる中国やインドを初めとした東南アジアに非常に大切なことだと思っています。それで、そこにはやはり何らかの形で国がいろいろな形で技術移転をするということで、今までもやっているんですけれども、やはりそれには限界があるだろうと。民間の力を借りなくちゃいけないということが考えられます。
 そのときに、民間が一生懸命開発した技術をそのまま渡すというんでなくて、やはり民間ベースのいろいろな技術開発に対して何らかのメリットが得られるような方法、こういうことをきちんと位置づけておく必要があるんじゃないかなと。いわゆるEUなんかでやっているような排出量の取引なんかも一つの例かもしれません。
 それともう一つ、民間が出すときに、いわゆる知的財産の問題があると思うんですけれども、知的財産を東南アジアが非常に使いにくい、途上国が使いにくいということもありますので、それの経費的なもの、あるいは知的財産権を保護するような環境、こういうものをやはり日本としても何らかの形でリードして枠組みづくり、システムづくりを作っていくというようなことも大切なんではないかというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 大久保委員。

○大久保委員 最初に確認させていただきたいんですが、先ほど温暖化に関しては国際的取組に焦点を当ててほしいということでございましたが、日本が自国の目標を達成することが、まず国際的にリーダーシップを発揮するための前提かと思いますけれども、その点の国内対策については、また別途、時間を取るということに……

○鈴木部会長 それはもう、当然のこととして申し上げなかったと。

○大久保委員 そのための施策に関する部分は……

○鈴木部会長 いや、ですから、6%削減達成のための議論は、ここではもう皆さんよくご存じのことでもありますし、京都議定書目標達成計画が既にございますし、それが今、自主行動計画も含めて、いろいろな見直しの時期にありますので、その辺のところはそちらで十分ご議論いただけると思います。ここは、あくまでも二酸化炭素の問題も含め、要するに環境立国戦略を議論していただく。そういう視点で必要であるとお考えでしたら、どうぞおっしゃってください。

○大久保委員 それでは、ちょっと別のところで申し上げることにしたいと思います。すみません。

○太田委員 温暖化の「足元からの取組」も今言っていいですか。それは後ですか。温暖化なら今ですか。

○鈴木部会長 結局、「足元からの取組」は……

○太田委員 最初、温暖化になっていますね。

○鈴木部会長 実は余り十分な時間を、この足元の部分は十分な時間をとっていないんですが、これは「足元からの取組」を、この立国戦略にどこまで組み込むかということになりますと、国内向けの戦略みたいになってしまいまして、やはりそれはそれで立国戦略があって、その後にきちんとした国内戦略を持つという、そういう形になるのかなと、そんなふうに思いますが、いかがでしょうか。その辺もどうぞ、ご自由にご議論ください。
 それでは、ちょっと茅委員。

○太田委員 私、後からですね。

○鈴木部会長 後でまた。

○茅委員 この温暖化の問題に関しては、やはり枠組み条約の第2条の究極目標、これをやはり日本でも考えざるを得ないのではないと考えております。ただ、その場合EUのように、ただ幾らというのではなくて、むしろどういう条件を満たす目標を作るべきかということを最初にきちんと掲げて、それを満たすような目標は、ではどうするかという議論に持っていっていただきたい。
 では、それはどういう条件かといいますと、温暖化を抑えるということは当然のことで、そうなればすべての温室効果ガスを出さないという状況が一番いいに決まっているんですが、そんなことはもちろん実現不可能なわけです。そういった意味からいいますと、まず当然言えることは何らかの意味での実現可能性、全くできもしないことを口先だけで言うのは、やはり意味がないわけですから、実現可能性がある程度保障されるということ。それから2番目には、それにも絡むんですが、発展途上国の何らかの意味での参加が、やはりそこで担保されることという条件が大事かと思います。そして、3番目は、これはそれに何らかの意味での具体的にどうするかという方策を提案すべきだと考えております。
 そういった面で見ますと、EUの提案の場合、確かに2度の温度上昇、そして450ppm前後に安定化させるというのは大変勇ましいんですけれども、まず現実にできるかといった場合、非常に実行が困難です。第2に、途上国にも、ご承知のように、かなりの削減を要請することになるわけですけれども、たとえEUの言うように、それが2020年以降であっても、今の状況では途上国がうんと言う可能性はほとんどございません。そういった意味からしますと、やはり我々の考えるべき目標というものは、EUとは違って、きちんと今のようなポイントを検討して、その上で日本が独自に決めるべきものだというふうに思っております。
 私は私なりに自分の考え方を、既に別の文書で出しておりますので、内容は省略いたしますが、一番重要なポイントは、そのようなきちんとした日本独自の姿勢を打ち出すことだと考えております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 具体的に、例えば温度上昇あるいは排出量に関しては。

○茅委員 私が考えておりますのは、CO2でもGHGでも結局はほぼ同じなんですが、550ppm安定化というのにほぼ近い線で、これはIPCCのシナリオの中のエコシナリオ……

○鈴木部会長 B1。

○茅委員 B1、それにほぼ対応するものだと思います。

○鈴木部会長 また、その辺はまた議論させていただきます。
 では、関澤委員。

○関澤委員 私もこの意見の中でも述べておるんですが、やはりこの温暖化対策という、この問題自体は、やはりグローバルな問題であるということをやはりきちっと認識する。グローバルな解決を図っていくということが非常に大事だと、このように思います。
 我が国の技術、エネルギー効率の高さというものをよく考えますと、やはり技術に焦点を当てて、技術のトランスファーということを、やはりまずもって考えていく必要があるんじゃないかと。例えば鉄鋼業でいきますと、中国の鉄鋼業が仮に日本並みの省エネ技術を備えるとしますと、日本一国のCO2排出量の少なくとも12%を削減できると、こういうことになるわけでして、そういう地球的な規模で考えていく。それで、日本が打ち出していくためには、やはり技術をトランスファーするということに焦点を当てて、ぜひ議論していくべきではないかと、このように思います。
 そのために特段、私は重要なのは、やはりこれはセクター別にきちっとそういう技術比較をするということが非常に大事だと思いますし、そこにやはり主要排出国がきちっと参加して議論していくということが不可欠であろうと、このように思うのでございますが、やはりそういった技術比較できちっと、成功例を作っていくということをまずもってやっていくということが必要だろうと、このように思います。
 そういった意味で、私はAPPで今取り組んでいることというのは、非常にそのヒントになるんではないかと思いますが、この延長線上に何とか日本が打って出る、やはり非常に役割というかメリットというか、そういったものが打ち出せるのではないかと、このように思います。
 以上です。

○鈴木部会長 はい。では、平野委員。

○平野委員 既にお三方と上路さん、茅さん、それから今、関澤さんからもお話がございましたけれども、私もやはりこの問題を考える上で、まず基本になるところは地球規模、グローバルな取り組みということであろうと思います。
 米国、中国、インドを含む主要排出国の参加なくして、この先の本格的な地球温暖化問題の取り組みというのはあり得ないという基本的な視点というのを、まず政府としても確認をすべきであろうと。その上で、これも今、関澤委員からお話があったとおりでございますけれども、やはり日本らしさということでいかに貢献するかとすれば、それはエネルギー効率をいかに上げるかということ。それから技術革新、これをどう進めるか。今、技術レベルの低い国に日本のすぐれた技術をどうトランスファーするかという視野もあわせて持つべきだろうと。これが実効性につながるんだろうというふうに思っております。
 そういう意味で、2つ具体的な施策ということで触れておきたいと思いますけれども、まず1つは前回も申し上げましたけれども、経済的なインセンティブ、メカニズムをどう組み込むかということでございます。一般的に言って、排出量の削減に関するメカニズムとしては、一つは排出権の取引、それからもう一つはCDM、これは相互に連関ございますけれども―があるわけですが、このCDMという取り組みにつきましては技術の移転を可能ならしめる、かつその技術を開発した主体にとってはメリットがあるという意味で、先進国それから発展途上国、双方にメリットがある仕組みであるというふうに考えております。
 一方、排出権取引につきましては、現在キャップ・アンド・トレードの制度が欧州を中心に取り上げられているわけでございますが、この場で改めて申し上げるまでもないとは思いますが、このキャップ・アンド・トレードに関しては、例えば日本のように、既に高い省エネルギー水準を実現した国と、それからそうでない国々、特にアメリカであるとかロシアであるとかの間の格差をそのまま固定化する、大きな努力なくしてエネルギー効率の悪い国の利益となるという、ややひずんだ面があるということで、このあたりは既に達成している技術基準をどういうふうに盛り込んでいくのか。ポスト京都議定書の経済的なインセンティブづくりの枠組みの中で議論されるべき問題であるというふうに考えております。
 それから、もう1点でありますけれども、これは政府へのお願いでもございますが、途上国への支援策ということでございまして、このあたりは官民の連携による技術であるとか資金支援、環境ODAということも含めて拡充をしていくと、こういった視点も盛り込むべきではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。廣野委員。

○廣野委員 ありがとうございます。  皆さん方のお話と全くほとんど同じでございますけれども、ちょっと若干重複するかと思いますけれども。
 まず第一に、対途上国との関係で環境立国戦略はものすごく重要なことで、皆様方お話あったように、もちろん中国とかインドとか、こういういろいろな国々、特に温室効果ガスの非常に大きな排出をしている国々、こういう国々が参加することは当然必要なんですけれども、ただ途上国という場合、物すごく今分化しております。そんなわけで、一つのルールでもってすべての途上国を吹き込むということは、なかなかこれは難しいと思いますので、かつて私たち、ちょうど貿易のルールを作るときに、かつてWTOのルールを作るその前でありますが、そのときにやったように、やはり途上国の中の分化をはっきり考えて、その途上国、あるグループの途上国にとってはこういうもの、あるグループにとってはこういうものと、途上国の分化をちゃんと考えて、その中である意味での異なったルールというものを作っていくということが重要かなと。だから、これでもって全部やりなさいという格好のルールは到底不可能ですので、そういう格好で、ぜひきめ細かなルールの設定というのを一つ、これが一つ重要だということです。
 それから2番目には、やはり日本の経験ということから考えると、先ほどちょっと申しましたように、日本のエネルギー効率の技術の問題とか、それからまた同時に、最近では環境意識の向上ということでいろいろな努力がなされておりまして、やはりこういう面で本当に日本が今やってきていることが、もっともっと世界的に敷衍させるような努力、これも私自身、いろいろな途上国をしょっちゅう回っておりますので、必ずしも十分でないことはわかっておりますので、そういうものの環境立国戦略の中にはっきりと位置づけるということが重要かなと。
 それから、3番目には、やはりそういう中で、そうは言うものの、やはり途上国自身の貧困削減の問題とか、ほかのいろいろなニーズがかなりありますので、そういう中で私たちが先ほどから言っているような環境立国戦略で掲げるような、そういう循環型社会云々ということになってまいりますと、やはりある程度それは支援をしてやらなくちゃいけないということで、対途上国に対する環境面での支援、これをしっかりやってもらわなくちゃいけない。そのときに、やはりこれから市民社会がだんだん重要になってきておりますので、市民社会が参加した格好でのルールづくりということが重要かなと考えています。
 それから、5番目には、こういうような環境関係の支援をするときに、どうも日本のODAそのものは、もはやもう今だんだん低下してきて、1997年以来低下してきているわけですけれども、こういう中で、そうかといって、ODAの低下をそのまま黙認するんじゃなくて、やはりそろそろ欧米諸国は今ODAをどんどん増額しておりますけれども、そういうものをちゃんとはっきり見た上での日本の今後のODAの増額についても、環境立国戦略をはっきりとやる必要があるかなと。しかし、ODAだけでできないことはわかっておりますので、やはり何らかの格好で、民間の皆さん方のご協力を得るというような格好での環境協力基金のようなものを作るということで、私自身はそういうことをぜひここに入れてほしいなと思っております。
 それから最後に、こういうような環境立国戦略をやる場合に、できれば私たちの方から何らかの格好で環境立国戦略に入る中身のものを用意しますけれども、この用意した中身のものをごく簡単でいいですから、やはりある程度、外国語に訳してもらって、その準備する段階である程度いろいろな方々の意見も聞くという、日本人以外の意見も聞くという、そういうようなメカニズムを作っていただきますと、環境立国戦略が本当に日本だけの言いっ放しじゃなくて、ほかの国々から見てもなるほど、なるほどというようなものになってくるかなと思いますので、そういう点で、ぜひ考慮していただきたいなと思っております。
 どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。それでは、太田委員。

○太田委員 たびたびの発言ですので、短くさせてもらいたいと思いますが、足元からの方かどうかということなんですが、私の自分のレポートの方にも書いてありますけれども、なかなかこの目標を高く掲げると、それに対するそれぞれのセクターの覚悟も要りますし、なかなか合意は難しいだろうと思うんですが、やはりこのご意見の中に書いてありますように、ある程度このバックキャスティングの方法というのですか、ある程度の目標を決めて、それを打ち出すのでないと、戦略にならないような気もいたしております。それは、その論理、先ほど茅委員も言いましたけれども、その論理をきちっとしなきゃいけないんですが、論理をきちっとした上で、バックキャスティングの方法というんでしょうか、そういう形をぜひ取り入れてほしいと、私はそういうふうに思います。
 それは、やはり首相なり環境大臣のリーダーシップであるはずなので、そのあたりがこの戦略といいますか、これになるんではないかということで、ぜひそういう面からの議論もしていただきたいと、こう思います。
 以上です。

○鈴木部会長 具体的な目標としては、ご提案はありますか。

○太田委員 はい。EUのお話それからそれを受けてのブレア首相の話、このあたりのところを、つい1週間前からテレビ等で聞いておる、ブレア首相の話なんか、かなり厳しいので、それをそのままというのは先ほど言ったように、それぞれのセクターの可能性の問題もあろうかと思いますが、やや高目の設定は、やはり日本としてはするべきだろうと、こういうふうに思っております。具体的な数字は、さらに議論していただきたいと思います。

○鈴木部会長 はい。大変、これもまたいいご意見をいただいたと思います。
 目標設定、これがやはり立国戦略ですから目標設定をきちんとしたいと。その目標を、ただどういう形でということになると思うんですが、第3次報告が550ppmだったんでしょうか、多分第4次はもう少し厳しくなるかもしれません。そういうIPCCの議論に沿った形での目標設定をきちんと日本がメンバー国でもありますし、受け入れるかどうか、そういうようなことをやはり考える。ただ、そこも首相、環境大臣とおっしゃられても、これはなかなかエタノール600万キロリットルとか、突如そういう数字が出てこられても、なかなか難しいところもあるので、そこはむしろここである程度、目標を設定するにしても、まさに絵にかいたもちではいけないので、B1シナリオぐらいのところでおさめていくのか、そんなところなんでしょうね。やはりそういうところはあくまでも目標にする。しかしながら、目標にしたからには、そこへどういう形で向かっていくのかという、その具体的な策を余り戦術的なものではなくて、道筋を示しておくということが必要なのかもしれません。
 やはり京都議定書があり、ポスト京都の枠組みを一体どういうものにするのか、そこに対して、我が国が積極的にやはり関わっていくという、そういう態度表明というのがぜひ必要だろうと思いますので、その辺は具体的にどうするということよりは、そういう意思表示をしておくということなのかなというような感じはしておりますが、先ほどの基本理念のところでもありましたように、やはりこれまでの日本の経験、技術開発、そしてまたある意味では失敗の経験のようなものも前提に置いて、そして我々としてはどういう社会を目指すというビジョンといったらいいんでしょうか、将来の達成目標みたいなものがそこへ書き込まれていけばいいのかなというような気もいたします。
 具体的な経済的なメカニズムであるとか、途上国をどういうふうに巻き込んでいくのか、途上国の前に、まず米国、中国、インドのようなところもどうやって巻き込んでいくのか、そういうようなところで、我が国としては、やはりどこに責任を、貢献をしていくのかというようなことをある程度示すことができれば、グローバルなこの温暖化の問題に対して、我々が決してそっぽを向いている、我々だけが何かということではなくて、余り自閉症にならないように気をつけなきゃいけないと思いますが、あくまでも具体的に我が国の特質、メリットを生かせるような、そういう方向を示していく。こういうことになりますと、もう温暖化の問題だけではなくて、まさに外交戦略そのものが問われるようなところがあって、じゃあ日本は、アジア戦略はどういうものを持っているのかと、こう聞かれても、なかなか厳しい面があるわけですね。そういうようなところにも包み込みながら、少なくとも温暖化という問題の重要性、危機意識をきちんと共有して、それに対して我が国がどういうふうに当たっていくかということをここに書き込んでいくと、そういうことなのかなと思います。
 まだ、もう少し時間を、温暖化に関しましてはいただきたいと思いますが。中村委員、それから石井委員。

○中村委員 今、私たちが、日本がアジアに一つのモデルとして何か模範を示すと、あるいは今までの技術を提供するというお話がありましたが、もう一つは、これから今こういう時代になったということを、特にアジアの人たちに知っていただいて、同時に日本でこれからこの社会を乗り切るために、こういうことをしていこうと思うと、あるいは研究をしようと思うと。これに対して世界中でも同じような研究を同時に行っていただいて、それをどこかのサミットで集めようとか、そういう提案というのが私はむしろ世界のいろいろな地域の特性も生かしながら、全体で温暖化の対策を進めるにはいい方法ではないかというふうに思います。
 特に日本の場合には、今までは特に北の寒い地域をモデルにしたことをやってきましたが、これからモンスーン地域を対象とした、いろいろな低炭素の技術を開発する、あるいは社会を作るということを考えるべきだと思いますし、そういうモデルを提示する必要があるだろうと。ですから、そういう意味では、今の時点でできるという可能性のある技術を言うのではなくて、むしろ今年の2月に環境研究所で出した2050年の日本低炭素社会のシナリオ等に基づく、例えば、2050年に70%可能な技術とか、そういう研究をしようではないかというような言い方がいいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木部会長 そうですね。東南アジアの国々に対して70%削減とおっしゃっても、なかなか彼らはあれですから、要するに目標値を大体みんなそろえるところでね。

○中村委員 東南アジアの人たちはそこまではいかないけれども、それぞれのところでそれぞれの目標を持ってやってくださいという言い方ができるのではないかというふうに思います。

○鈴木部会長 私も先週バンコクに行っておりまして、やはり外から、この立国戦略に対する関心が非常に高いのにびっくりしたんですが、まさに余りみっともないものは作れないということもありますし、同時にやはりアジアに対してどういうメッセージを送るのかというようなことは向こう側も期待しているところがあるんですね。その辺もぜひ、これは温暖化だけの問題ではないと思うんですが、環境教育なんかも含めてどういう形で研究提案のような、研究の場を作るというようなことでしょうか、それも考えてもよいかもしれません。
 石井委員、お願いいたします。

○石井委員 意見というより、ちょっと鈴木先生に伺いたいというようなことなんですが、先ほどのお話の中で、目標を設定することはやはり大事だろうというご指摘がありましたけれども、非常に素朴な質問なんですが、何のためにそれが必要なのかなというところを感じる面があるんです。これはやはり環境立国戦略だから、そういったものをしないと形にならないじゃないという考え方もあるかと思います。
 また、それに対する答えとして、今、鈴木先生は東南アジア等行かれてメッセージを送ること自体が非常に大事で、みんな期待していると、その辺もあるのかもしれません。ただ、そういう形でぽんと打ち出すことが本当に実態を伴う、実質的な意味でどういうふうな結果を生んでいくのかというところを、非常にわからない面があるんですね。例えばこの問題、大きな目標を掲げることによって国内的な努力を動員できるという、そういう面はあるのかと思いますが、今回国際的な地球規模の提言をするという意味では、これを出すことによって、肝心の途上国また先ほど話は出ていないですけれども、アメリカとか、どういうふうに乗ってくるのかというところ、この辺の読みも戦略の内容を作っていく上で非常に大事なんじゃないかと。その辺について、どのようにお考えなのかということをちょっと伺いたいです。

○鈴木部会長 先ほど「目標設定」と申し上げましたのは、やはり今、IPCCの第1次作業部会の報告が出て、また4月には第2作業部会、温暖化の影響がどういうふうに及んでくるか、そういうようなことが出てまいりますし、5月の連休のときには第3作業部会の報告が出ると。温暖化に関しては、やはりもうある意味では1年、2年とずるずると引き延ばしていくことができない状況に、かなり厳しいところに追い込まれているというのが多分関連している方々の認識だろうと思うんですね。
 そういうところで、例えばちょっと前のめりになっているというようなご批判があるかもしれませんが、ヨーロッパなんかでは2020年にはどれくらい、2030年にどれくらい、2050年には場所によっては60から80%ぐらいの二酸化炭素を削減しないと、二酸化炭素の濃度が400ppmから500ppmぐらいのところで安定化しない。そうすると温度上昇が起こって、それが水危機にもつながり、あるいは感染症の拡大にもつながり、いろいろなことにつながってくるというような予測が、もう既になされているわけですね。そういうところで、我が国が京都議定書というものがあり、それの6%削減達成に向けて、今一生懸命努力しているわけですが、それだけで終わるわけにはいかない。
 また、さらに、各国と協力して二酸化炭素の発生をいかに抑制していくかというようなところに、我々自身としても、ある意味ではきちんとコミットしていかなくてはいけない。そのための達成目標みたいなものを、目標を設定して、その目標を設定するために、それでは具体的に何が必要なのかというようなバックキャスティングという考え方ですが、そういうことでこれからの施策をきちんと組み立てていくという、そういうことをいたしませんと、現状の問題をその次の予算で解決し、次から次へと、そういうインクリメンタルなことをやっていると、これはもう早晩いろいろな問題が起こってくる、破局に至るというようなことが今一番心配されているんだろうと思うんですね。
 その辺で、目標を設定して、ヨーロッパと同じ形で設定するのがいいかどうか、これはもういろいろな考え方があると思います。やはり日本として、日本独自のといっても、やはりIPCCでいろいろな検討がなされているものを無視して日本が設定するということではないと思いますし、国際的な、ある意味ではデファクトスタンダード的なものは視野に入れながら、やはり我が国としては目標設定し、そしてそれに対して具体的なバックアップをきちんと責任が持てる形で組み、構築していくということを多分考える必要があるんだと。そういうようなことではないかと思うんですが、その辺はどうでしょう。

○石井委員 基本的にIPCCの提示したものとかスターンレビューとか見る限り、もう何か手を打たなければいけないことは間違いないと思うんですね。そのために、どういう手の打ち方が一番効果的なのかというのを我々考えなきゃいけません。
 今回、日本として何か戦略を出すときに、我々もこういうふうにするんだから、皆さんこういうふうに頑張ってくださいというような行き方、それがどれほどの効果があるのか。別にそれを否定しているわけでは全然ありません。ただ、本当に危機の中身を見てみると、一番やらなきゃいけないのは、日本で同じ努力を傾注するのと、途上国及びアメリカとかロシアで、インドで、それだけの努力を傾注して二酸化炭素の削減を抑えるのとどっちが大事なのかという疑問が出てきてしまうんです。

○鈴木部会長 それはしかしながら、では日本はもうしなくていいんだよという話にはならないですね。やはり日本は一体どういう、日本としての、我が国としての覚悟でどういうことをやるというようなことを設定することが、例えばアメリカの政権がどう動いていくかわかりませんが、いろいろな地域においてもそれなりの活動が起こっている、カリフォルニア州なんかもそうですが、そういうところに反映されていくことになるでしょうし、中国、インドの場合には、また多分違う形の日本の協力体制を組んでいかないと、なかなか難しい面もあるかもしれません。そういうものは、もう全方位でやっていかなくてはいけないという、そういう感じを私自身は持っているんです。
 そのためには、やはり日本自身がきちんとした覚悟を示すと、それに向けて具体的な動きも始めていただかなくてはいけないと、これはやはり政策レベルで動かしていただかなくては、文章だけ作ったってしようがないわけですから、そういう形で地球全体が動いていくことを期待するといいますか、そこにコミットするという、そういうことなんじゃないでしょうか。いかがでしょうか、違いますか。

○石井委員 とりあえず、結構です。

○鈴木部会長 では、茅委員。

○茅委員 今の石井委員のご指摘になった点ですが、結局は何か目標を立てたとしても、それがいろいろな世界の国々を考えたときに、果たしてフィージビリティーがあるかという問題だと思います。
 その意味で、やはり一番大きなものは発展途上国で、私が考えておりますのは、発展途上国を野放しにするというのではなくて、発展途上国でもやれることは取り入れてシナリオでものを考えるべきではないかと。ではどういうものかと言えば、いわゆるノーリグレット、あるいは少し負けて最小リグレット方策。具体的に言いますと省エネルギー、それから安い再生可能エネルギーだと思います。こういう方策であれば、彼らにとっても経済的に有利になる可能性がありますので、十分取り入れる可能性が将来は出てくる。したがって、そういうことを取り入れることと同時に、具体的な目標にすると同時に、ターゲットにも今のようなものを考えて入れたら、どのぐらいのシナリオまでだったら実現できるかを検討するべきではないかと思います。
 私がIPCCのB1というのを申し上げたのは、簡単な計算をするとすぐわかるんですけれども、途上国の排出が、いわゆるBAU係数、ビジネス・アズ・ユージュアル係数より10%減ぐらい、これですと大体2050年が1999年に比べて3.3倍ぐらいの排出量なんですね。その線か、あるいはもう少しやってもらって20%減、これだと3.1倍ぐらいになるんでしょうか、このぐらいの程度を仮に実現してもらうとすると、さっき言ったB1というのは先進国にとっても何とかやれるのではないか。先進国の場合には、大体温室効果ガスの90年に比べて2050年で3割から5割ぐらいの削減という線になるわけです、詳細な計算は略しますが。
 ですから、EUの場合のような450ppmのラインになりますと、途上国に相当な負担をかけないと、先進国はそれこそ8割ぐらい削減しなければいけないということになってしまって、これは現実的には不可能に近い、つまり絵にかいたもちになってしまうと。その意味で、私は途上国を含めた実現可能性というのは、今申し上げたようなノーリグレットないしは最小リグレット方策を実行する程度と考えるのが、まだ現実的かなという気がいたしております。それで、B1のシナリオのことを申し上げたわけです。

○鈴木部会長 やはり途上国をどう我々としては位置づけて、どういうふうに対応、対策を考えるのか。昔のように先進技術を持っていけば、それが途上国の開発に役に立つという時代ではないんですね、今。やはり途上国が、きちんと自分たちの発展シナリオを書く、そのプロセスで日本がどういう形で協力をしていくのか。
 そういうようなところで、先ほども平野先生からありましたが、途上国の中でもいろいろカテゴライズできるような状況にもあるのかもしれませんし、一方、日本からの支援といっても、ODAは1%削減を続けて、なかなか頼りない話になっていきますし、また2国間というような形状が本当にいいのかどうかということもあるでしょうし、いろいろ悩みは大きいところですね。
 先ほど、例えば何かファンデーションづくりと、これは廣野先生、前回もおっしゃったんですが、そういうものが本当に今経済的に上向きの日本で、そういう資金づくりができるようなことがあれば、それはまたそれで非常に世界的な貢献につながるようなものになるかもしれませんが、なかなか簡単には書き切れない。ただ、一つ可能なのは、やはり特にアジアの諸国、「モンスーン・アジア」でもいいと思うんですが、発展していったときにどういう国を目指すのかという、その目標となるようなモデルを、やはり日本がこれからの発展の形ではなくて、これまでいろいろな間違いを繰り返してきて、ちゃんと将来の落ち着く場所としてはこういう国になるという、そういうような姿で示すことができるかどうかですね。
 もちろんエネルギーの一人当たりの使用量なんかはかなり違うものになるでしょうし、とはいいながら、やはりどういう国を目指したらいいのか。日本の経済発展と同じようなスタイルを中国とインドが追いかけるだけでも地球がパンクしちゃうわけですから、一体どういう目標を持つことが適正かという、そういう意味での日本モデルを作れるかどうか。これは、なかなかこの戦略で云々できることでもないかもしれませんが、そういう考え方も必要かなと思います。
 いかがでしょうか。まだ、もう少し。廣野委員。

○廣野委員 ちょっと前提のことで申し上げたいんですけれども、何人かの方々から、我々が発信する目標について、途上国がそこまで達成できないんではないかというお話があったんですが、それはあくまで目標をどこに設定するかによりますよね。先ほどから議論が出ていますように、やはり途上国は途上国なりの目標を今、現に立てているわけであって、だからできるだけ途上国自身が立てているところの目標、これに沿った格好でこれをやっていくことが重要かなと私は思っております。
 例えば中国の第11次5カ年計画でもそうですけれども、やはり少なくともこういう状況の中で、ようやく第11次5カ年計画でそこまで達したわけですから、すなわちそういうような重要性について理解し始めたわけですから、せっかくそういうような格好で理解し始めた、そういうような国々に対して、やはりそれを側面から支援するような格好でやっていくことが基本的な方法かなと私は思っております。
 だから、先ほど何人かの方がおっしゃっているように、やはりもともと目標を設定した場合に、もう到底達成できないような目標だったら、これは意味がない、全くそのとおりですね。そういう意味で、やはり各国が直面しているところ、それぞれの国が違いますけれども、そういう中で彼ら自身が持っているところの目標、今いろいろな国が目標を立てつつありますけれども、そういう目標を私は十分に認識した上で、ではその目標を達成するためにどうしたらいいかというのが、環境立国戦略の大きな重要な一つの課題だと思います。
 それから、日本がEUのような格好で目標を立てて、それでもってこれをもう全世界に云々というんじゃなくて、やはり日本は、かつて日本自身も途上国であったし、いろいろな日本の苦い経験もありましたから、そういうことを十分に認識した上で途上国が持っているところの目標、それを達成するためには日本がどう支援したらよろしいかという、やはりそういうようなところをきちんとやっていくことが重要かなと。ただし、その場合でも、途上国自身によっては、国によってはこういうようなもの、地球温暖化のような問題に対しては温度差がありますので、そういうときには当然、地球温暖化がもたらすところの被害ということについて、途上国の方々にも十分に認識してほしいので、そういう面での環境教育なり、そういうこともしっかりやってもらって、できるだけ途上国が設定するところの目標が必ずしも十分でない場合には、その目標値をもう少し上げてもらおうという、そういうような努力を、いわゆる政策協議とか、そういうのを続けてやっていくことが重要ではないかというように思っております。
 現に、私自身幾つかの国をずっと、よくしょっちゅう回っているわけですけれども、結構勝手に日本が目標を作って、それを守ってくれというんだったら嫌だと。だけれども、自分たちが一生懸命考えた目標があって、その目標について日本が理解してくれて、それに対してもうちょっと上げたらいい、もう少しこうしたらいいという格好でやるんだったら賛成しますという、そういう方もたくさんいるんです、そういう国はたくさんあるんですね。
 だから、決して途上国だから、もう彼らは地球温暖化の問題に全然関心ないというんじゃなくて、ベルリンマンデートがあるものですから、ああいう京都議定書の中であったものですから、そういう意味で特に幾つかの国々から大きな反対があって、ああいうことになったわけですけれども、少なくとも現段階ではベルリンマンデートを作ったあの時代と違って、現段階ではかなりの途上国が地球温暖化についてだんだんわかってきていると。わかってきているから、自分たち自身もそれに何らか参画していきたいと。その参画するときに、当然彼らも目標数値を作っているわけですから、そういう格好で彼らのやっていることを側面から支援するという格好で、環境立国日本戦略というものを出していくことが重要かなと。
 そうすれば、僕はアジアの中におけるところの、いわゆる日本のリーダーシップというのは確保できるし、そういうやり方をやることによって、例えばEUが今度、ご存じのように東ヨーロッパ、それからできれば中央アジアというようなことを言っていますけれども、あるいは中近東と言っていますが、そういうところに彼らの目標値をいろいろ考えていくときに、やはりアジアでもって日本がそういう格好で、できるだけ途上国の状況を十分認識した上での目標設定をやり、新たな協議をした上でやっていくことをやれば、それが一つのモデルになって、ほかの地域においても先進国と途上国が話し合いによって、そういうことをやっていくんじゃないかと。そういう意味でのモデルを日本が示すということが重要かなと思いますので、ぜひそういうことで、日本が勝手に何か目標を作って、「これが環境立国戦略だ」ということでやるんではないという格好でやっていただきたいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。太田委員。

○太田委員 部会長が言われること、今のお話のとおりだと思うんですが、当然、日本自身の目標と、それから途上国を含めた世界がやってもらいたい目標というのは分けて考えるべきだろうと思います。どなたかの意見に、このメモの中にあるわけですけれども、京都の約束の形ではアメリカとか中国とかが入ってこなかった、入らないだろうということを書いてあるんですが、京都議定書のような枠組みも、もちろんそれをもっと進化しますけれども、そういうものであっても中国や、あるいは米国が入ってくると、来ざるを得ないという状況がIPCCの第4次の報告だろうと思うんですね。そのあたりを含めて考えて、やはり一歩前進した議論をしないといけないんじゃないかなというふうに思います。
 ちょっと先ほど申し遅れましたが、以上でございます。

○鈴木部会長 大体、目標をどういう形で設定するかという、大変難しいところですが、骨子の段階では余り具体的な数字を出すというよりは、そういう方向でというようなことでよろしいんでしょうね。

○太田委員 出せるんですか。数値出せるんですか。

○鈴木部会長 ただ何もなくて努力しましょうでは、わかりましたで済んじゃうわけで、やはりどういう決意表明をするかということが問われていると思うんですね。

○太田委員 出したいですよ。

○鈴木部会長 それは骨子の段階がいいのか、あるいは最終的な、5月末ぐらいでしょうか―の段階かがあると思いますが、ただやはり、きちんとした態度表明をしなくてはいけないということは、私は今のこの環境立国戦略を作る限りは、まさに必要なことだろうと思っております。
 そんなところで温暖化対策に関しましては、特に世界に対して、あるいはアジアに対して、我が国がどういう形でコミットしていくことになるかという点に関しては、大体共通の理解ができていると考えてよろしいんでしょうか。やはり日本として得意な―得意なというか、得意な部分と不得意な部分と両方きちんと見据えて、特に途上国に対してもどういう形の支援をしていくのか。この辺で、ここで立国戦略で訴え上げると、それがきちんと予算化されてくれるようなことになるといいんですけれども、これはどうなんでしょうね。それはまたそれで、次の段階があることだろうと思います。
 それでは、温暖化に関しましては、こんなところでよろしいでしょうか。また次回、具体的なところでご議論いただけるかと思いますが、それでは温暖化以外の部分につきまして、各論のところでの3Rあるいは自然共生、そしてまた国内の我が国における対策等も含めてご議論いただきたいと思いますが。よろしいでしょうか。ちょっと、こちらに名前が見えるようにお立ていただけますか。
 それでは、今度は向こうから参りましょうか、花井委員の方から。

○花井委員 私の方からは、今、温暖化のこととも絡むと思うんですが、森林の整備の重要性をぜひ強調していただけたらというふうに考えております。世界的な途上国における伐採それから日本国内におきましても、相当森が荒れているということがありまして、そのことは地球温暖化対策にも通じるものでありますし、それから水を作るという意味でも大変重要だというふうに考えておりますので、そのことをぜひ強調すべきではないかというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、萩原委員。

○萩原委員 環境教育も含めてよろしいんでしょうか。

○鈴木部会長 はい、どうぞ。

○萩原委員 まず最初に自然環境の方でいきたいと思いますが、やはり自然環境というのは非常に重要なんですが、国内における、いわゆる開発の問題というのが非常にここに大きく関わってくると思いますので、特に前も申し上げたんですが「観光立国戦略」というのと「環境立国戦略」というのが矛盾をしないようにしていただきたいというのは大きい点だと思います。というのは、国内におきましても「プチバブル」と言われている開発が進んでいる地域もありまして、そこでは本来ならば自然環境を守っていかなきゃいけないところが、逆に破壊をされていくというふうなことも起こってきますので、そういった意味での政策というものをきちんと整合性を持ったものにしていくべきである。
 それから、自然環境の保全に関しては、地域の人々の知恵、経験値というものをきちっと取り入れていくということが重要であろうと思いますので、そういったものを具体的施策の中に入れていくということが重要かと思います。
 それから、環境教育に関しましてですが、今3月というのは学期末、学年末で、いろいろなものが捨てられている状況にあるように思います。環境教育、個々人の生徒に対する教育も必要なんですが、組織として環境というものをどういうふうにとらえるのかということを組織ぐるみで取り組むような施策が必要だろうというふうに思います。具体的に言うと、基準が変わったからといってボールが捨てられてしまうとか、そういったこともあるように聞いております。
 それから、体験教育、環境教育というと、どうしても体験学習というのがとても重視されてくるんですが、体験学習に行って汚れた靴を1回限りで捨ててしまうような、そういうふうなこともあるように聞いております。となると、やはりカリキュラムの中に環境教育というものが入ってきても、いわゆる隠れたカリキュラムと言われている、教える側の大人ですね。この意見書の中にも、やはり「大人の環境教育の必要性」ということが出ておりますけれども、やはり学校の中における教職員の隠れたカリキュラム、その人たち一人一人の持っている環境意識の向上というものを含めて、環境教育というものをとらえていく必要があるのではないかというふうに思います。
 それから最後になりますが、教育基本法が大きく改正されまして、その中に環境の保全、そういう自然環境の問題をしっかりと学んでいこうということが入ると思いますが、文科省のみならず政府として、日本として、この問題をどういうふうにとらえていくのか、どういうふうな施策を進めていくのかということをきっちりと出していくということも、この戦略の中で重要ではないかというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、中村委員。

○中村委員 私は環境理想都市づくりという研究を、非常にスピードを上げてやって、こういうことを全世界に同じ研究をやろうということを投げかけていくというのが大事かなというふうに、ここで提案をさせていただきました。特に、今までの環境、省資源化、CO2の削減ということは、建築単体あるいは各パーツごとだったわけですけれども、これをどうやって、それからエリア全体ではどうなのかということを考えていかないと、とても一つ段階を上がったところの目標を達成することは不可能だというふうに思います。そのために、あるエリアを完全に、すべての知恵を集めて、そこでどういうことが可能なのかという環境理想都市というようなものを作ることの研究を至急やったらどうかという提案をさせていただいています。全国10カ所程度、さまざまな都市レベルあるいは里地里山等まで含めた、さまざまな市町村を対象にしてシミュレーションを行って、市民とともにそれも行っていこうということです。
 そのために、現在これからの少子化も含めた都市のあり方、CO2だけではない、さまざまなライフスタイルを含めた都市のあり方を考えるということも、ここでは提案したいというふうに考えています。これが、先ほど言いましたバックキャスティングの考え方で、今まで何気なく過ごしていた意識から、どういうふうに自分たちの制度や社会の仕組みみたいなものも含めて、それを考え直すことによって、ここまでできるんだということが提案ができるのではないかというふうに思います。

○鈴木部会長 田中委員。

○田中委員 ありがとうございます。
 私は、戦略が開発途上国において、環境や特に廃棄物マネジメントのプライオリティーが、今は非常に低いのを高めることにつながればいいなと、このように思います。循環型社会を作るというものには資源の保全と環境負荷の低減ということ、2つの両輪ですけれども、身近な問題として、廃棄物というのは世界で140億トン1年間に発生、排出されておりますけれども、半分近い量はそのまま捨てられるというオープンダンピング。しかも野焼きがされていると、こういう状況で、そこで多くのスキャベンジャーという資源を回収する人たちが、そこで生活の糧を得ております。そういう人たちが定期的に崩壊するごみに埋まって死んでいると、こういう実態がフィリピンやインドネシアであって、こういう状況を解決したい。それを解決するためには、外国からもっとプライオリティーを上げて、廃棄物の分野のレベルを上げる、これがもっと非常に重要なんだと、こういうふうにそれぞれの国の専門家は言います。こういうところをお手伝いできるということで、廃棄物の適正な焼却処理などに移行する、推進することによって大気汚染の問題を解決する、水汚染を解決する、メタンガスの発生を抑制することということで、最も目に見えた形で効果が上がるのではないかと、このように思います。
 日本では、豊島廃棄物問題というのを経験して、ああいう状態が開発途上国の処分場があのまま、あれが日本では不法投棄だとか不適性処理ということで修復するのに莫大なお金をつぎ込みましたけれども、ああいう状態が今なっているんだと、すべて処分場が。それを解決する、それが温暖化の防止抑制にもつながると思います。
 具体的にどんなことをしたらいいかということですけれども、私は国立公衆衛生院に25年ぐらいいましたけれども、昭和13年にアメリカのロックフェラー財団が公衆衛生のレベルを向上するために開発途上国である日本に寄附をしていただいたと。そういうことが、日本が開発途上国にやるべきことではないかなと。循環型社会研究員、アカデミー・オブ・サステイナブル・ソサエティーとか、そういうようなものを創設する、そういう施設を整備してあげる。こういうことをしてあげて、今言ったような廃棄物のレベルを向上させる、不法投棄のような状態を改善する、そこに合ったような焼却技術などの技術を開発する、そんなことをやる場、それからそこの分野に関わっている人たちの教育、人材育成をやる。そんなことであらゆるレベルのネットワークを作って研究や、あるいは人材育成をするということが非常に緊急な課題ではないかと思っております。

○鈴木部会長 それでは、小澤委員。

○小澤委員 大きく3つの点を申し上げます。
 まずは環境教育についてですけれども、私は実はメモを出していなかったんですが、皆さんがとても環境学習、環境教育のことを心配してくだって、いろいろとコメントをいただいてありますけれども、学会としてはとてもありがたいと思っていますが、環境教育につきましては、やはりすそ野を広げていくということと、それから、質的に向上させるということで、特に底辺にある学習レベルを上げていくというところがあるだろうと思います。
 そういう意味で、世界に誇れるのは、やはり世界で初めて日本は環境教育推進法を作ったわけですから、そこのところをもう少し国外に向けてアピールしていきたいということと同時に、省庁間の連携でこの法律は成り立っていますので、そこのところが法律ができたおかげで、いろいろ地域で推進されるお金がおりるようになってきているわけですね。それで地域のNPO、それから学校と連携しながら進めているということが行われていますので、そこのところをきちんと強調していきたいなというふうに思います。アメリカですと、時限立法で10年、その後どうなったかというのがないわけですけれども、そこのところをやりたいという、ぜひアピールしていきたいと。それから、学校教育だけではなく、生涯学習として実施するということをきちんと国内向けに書いていただきたい。
 それから3番目に、やはり高等教育において環境学は行われているんですが、環境教育の視点というのが欠けているのではないかと思います。それぞれの専門分野では非常に精鋭的にやっていらっしゃると思いますが、自分のやっている分野がどういうふうに他分野と連動しているのかという、そういう思考、訓練が日本の高等教育の内容では行われていないのではないかと思います。そういった視点をぜひ入れてほしいと。
 特に、中学から大学生にかけて、小学校レベルまでは、まだ自然に対する感受性とか物事を感じ取る力というんでしょうか、それから意欲をはぐくむということがあります。ところが、子供たち自身も、とても何か気候がおかしくなってきて、どうしたんだろう、それでこまめにスイッチを消しましょうのレベルでは、何で大人のやってきた負担を子供に押しつけるのかということになりますから、日本の自然の生態系のすばらしさを地域の方たちときちんと学習していくという、そういうところが大事で、実際にはそれぞれの地域で行われておりまして、東京だけで考えるのは少し環境教育のレベルを考えると酷かなと思いますし、総合的な学習の時間ができただけで、相当ないろいろな取り組みが進んでおりますので、その認識をやっていただきたいし、中国の環境教育の教科書等々などを読んでおりましても日本の総合学習、それから素質教育をやるということがうたわれているわけですね。それは日本でもやっていることで、日本の事例が紹介されておりますので、そこの認識を持ってほしいと。
 それからもう一つ、やはり私たちは日本のこの生態系、自然の仕組みをきちんと環境教育の内容として知ってもらうということが大事なのかなと思います。言葉としては里地里山、それから里海ということで出てきておりますけれども、日本の場合には森と、それから川と海、そしてそこをつなぐ土と水という、この循環の仕組みの中で、私たちは自然の恵みをいただいてきたわけですけれども、それが今途切れてしまっちゃっているわけですね。そこのところをもう一度つないでいくという営みが、環境教育とはちょっと別な視点からやっていかなければいけないと思います。そこのところをきちんとやる。そのためには、私はやはり農業をきちんと復活していく必要があると思います。
 昨日も首都圏というのか、山梨県の山の中におりましたけれども、本当に70歳以上の高齢者の方たちが、もう農業を放棄せざるを得ないという状況の中に、東京の学生が何とか自分たちが開墾から始めて、もう一度農業地域を再生していくという取り組みをしているわけですけれども、そこを見させていただきましたけれども、そういった、国ではなかなかできないところもやっているという事例を、あるいは情報を共有化し、そしてそこを皆で進めていくという、そしてそれが地産地消の考え方にも結びつき、よその国の水とか、あるいは畑とか、そういうものを使わなくても、そして食材を日本に入れるためには温暖化に結びついているという、そういう仕組みですね。人間の活動が環境に与える影響というんでしょうか、そういったところも学習してほしいなと思います。
 そして、どうやったら人間と環境が関わっていったらいいのか。それはビジョンをきちんと持つ。そして、先達が作ってきた日本と日本人の自然観なり、あるいは環境との関わり方の歴史文化を正しく学ぶという、それが環境教育の質を上げていくことに大事なのではないかというふうに思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 環境教育は、何らかの形で取り上げていかなきゃいけない大事な問題なんですが、今おっしゃった環境教育そのものについては、環境教育学会はもうちょっとイニシアティブをとって、しっかりと作り上げていただく必要があるんじゃないでしょうか。学校で何が教えられているのかなんというのは、なかなか我々はわかりにくいところがあると。
 では、太田委員。

○太田委員 たびたびですが、簡単に申し上げます。
 まず国民に向かってということになりますと、今の環境教育と一体かもしれませんけれども、やはり民生、生活部門の省エネルギーといいますか、さらにこれはセクターもそうですが、運輸部門、これは国民生活もかなり影響すると思いますので、そのあたりの省エネルギー対策といいますか、それをやはり、かなりしっかり打ち出す必要があるのではないかなというのが1点でございます。
 それから2番目に環境教育ですが、今、小澤委員がおっしゃったのはもっともなんですけれども、やはり環境教育というと生態系のすばらしさ、あるいは大切さ、あるいはそれを現場でということなんですけれども、やはり例えばこの前から出ています地球環境等に無頓着な人々、これは大人もいるわけですが、そのあたりに対して本当に今厳しい地球環境問題になっているんだということは、地球システムあるいはそれを私の言葉で言えば、地球史と人類史をつなげて、そして今、現代文明というのはこういうものなので、こういう状態なので大変な問題になっているんだということを、レベルの高い環境教育に入れていかないと、そういう現代文明の特質を分析して環境教育の中に入れていくと、そういう面も必要なんではないかなというふうに感じております。
 それから、3点目ですが、皆さんのご意見の中で、いろいろな省庁を超えてヘッドクオーターとか、あるいは有機的な連携と適切なリーダーシップを担う組織の存在とか、国民会議とか特別委員会とかいうのが上がっておりますけれども、こういう少し横断的な組織をどうするのかということ。ESDの推進も含めまして、もっと大きな力でやっていかないと、なかなかこの地球環境問題に対応できないんではないかというふうに思っておりますので、こういう部分をどうするのかということを、ぜひ6月までで結構ですけれども議論をしていただければと思います。
 それから、もう少々、私の足元の方の問題なんですけれども、「カーボン・ニュートラルな光合成生産物の活用」というふうに私、書かせていただきましたけれども、いわゆるバイオマスを使うということですが、自然エネルギー、バイオマスを使うということですけれども、「バイオマス」ということの言い方をしますと、今はそういう言い方になっていますけれども、実は「光合成生産物」なんですね。光合成生産物だから、太陽エネルギーを使うことだから、カーボン・ニュートラルなんですね。太陽エネルギーでも古い太陽エネルギーでしたら、地下資源をまた地上に出して、地下資源というのを地上に出してくるというのは、地下資源というのは前に地表にあった、あるいは大気にあったものが地下へ入ったものですから、これが地球進化の方向ですから、地下資源を取り出すというのは逆の方向だと、学術会議のレポートはそういうふうに議論したわけですね。そういう部分を含めて考えますと、現在の太陽エネルギーの資源、それは「光合成」という言葉はこのごろ余り使われないんですが、バイオマスというよりも光合成が重要なんです。それが取り入れられる唯一の安全なエネルギーなんですね。そういうことを環境教育も関係しますけれども、関係していきますと、やはり自然エネルギー、それからバイオマスエネルギーが非常に重要だということになろうかと思いますので、ぜひこの辺も議論をしていただきたいと思います。
 それから、最後ですけれども、これももっと私の方に関係するんですが、非常に身近な問題、京都議定書をどう達成するかの話はないという座長のお話でしたけれども、森林が吸収するというのは、今、日本の森林は成長途中と書きましたけれども、今吸収するというのは日本の森林は奥山を除いて、今成長途中なんですね。成長途中だということは、一遍なくなったということなんですね、日本は。日本の森林がなくなったのは江戸時代から明治時代なんですね。だから、成長途中なんですよ。だから、実は京都議定書に関係なく、日本の森林はほとんどのところで成長しているんですね。ですけれども、これは成長しきってしまいますと、これはCDMぐらい使って、外にやった方が有効になってくるということもありますので、実は非常に身近な、私の足元の状況なんですけれども、そこのところを考えますと森林吸収源対策というのは、一番最初に即効性がある対策として、ぜひお考えいただきたいと。
 大変コメントばかりで申しわけありませんけれども、何点か申し上げました。以上です。

○鈴木部会長 大久保委員。

○大久保委員 私の方からは、日本はアジアにおける技術支援によってリーダーシップを発揮すべきであるという点について申し上げたいと思います。
 私は今「技術支援」と申しましたけれども、この意味は何かといいますと、今日のお話を聞いておりますと、技術支援の主な焦点は、科学技術的な技術支援にあったように思いますけれども、それともう一つ、両輪に立つものとして社会経済の変革、すなわちさまざまな科学技術をきちんと、うまく使っていくための政策的な意思決定の仕組みを作る技術、つまり環境に大きな影響を及ぼす、あらゆる意思決定過程に環境配慮をきちんと行い、それをさまざまな主体の参画、協働によって実現できるような社会の仕組みを作るための技術支援、これを日本はアジアの中でリーダーシップをとってやっていくべきではないかと思います。
 この点につきましては、日本は一番最初の環境基本計画のときから、あらゆる主体の参加の実現ということを柱に置き、またあらゆる政策段階での環境配慮ということも環境基本法にうたってやってまいりました。もちろんそれが理想的な形で実現しているわけでは現在までのところないかもしれませんが、それなりのノウハウの蓄積がございます。それをそれぞれのアジアの国の文化を生かした形でどう支援していけるか。また日本もよりこの方向を伸ばしていくためにどうしていけるかということをともに考えながら、リーダーシップを発揮していくべきではないかと考えております。具体的には、現在法律の分野はアジアにおける法制度支援ということをいろいろな分野においてやっておりますけれども、その中に環境法の整備支援、例えばSEAの整備支援のようなものをきちんと位置づけていくということがあるのではないかと思います。
 それからもう一つは、実はアジアの国は制度だけ見ますと、日本よりも、もう立派な法律を持っている国が結構いっぱいあるわけですけれども、問題はそれが全然動いていない、執行がなされていないと、十分な実施がなされていないということにあります。これはなぜかというと、一つはそれを動かせるだけの人が、十分理解できる人がいないという部分がありまして、それはまさに環境教育といった人づくりかと思いますけれども、その人づくりと両輪の輪といたしまして、それを動かしていけるような、あらゆる主体が参加していけるような意思決定の仕組み、参加の仕組みというものを環境教育と両輪でセットで位置づけていくということが重要ではないかと思います。
 EUを見ましても、EUは旧来からのEU構成国に加えて、さまざまな旧東欧諸国がEUの構成国に入ってきているわけですけれども、その中で同じような環境水準を達成していくためには、やはり意思決定の仕組みそのものを変えていかなければならないということで、例えばオーフス条約と呼ばれるような意思決定の民主化のための条約を環境分野において作りまして、さまざまな東欧諸国の支援をすることによって、実質的に環境政策の実効性を確保していくということをやっております。
 日本ももしアジアにおいて、そのようなリーダーシップをとることができるのであれば、EUを初めとして他の先進国にも顔の見える形での貢献が可能ではないかと思いますので、そのような社会技術支援ということについても、ぜひ入れていただきたい。その場合には環境教育と両輪のものとして、参加の仕組みの支援ということを具体的には提案したいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、上路委員。

○上路委員 ありがとうございます。幾つか簡単に。
 一つは、農業に関してでございます。農業は、いわゆる食料の生産だけではなくて水源の涵養とか、あるいは土砂崩壊防止とか、あるいは景観、あるいは生態系の保全というようなことで非常に大きな役割を担っています。先ほどお話がありましたけれども、非常に農業の形態が大分変わってきておりまして、非常に耕作放棄地が増えているような状況ですので、いわゆる都市住民が求めているような里地里山というものも崩壊してしまう、下手すると崩壊する可能性がある。そういうことに対してのきちんとした対応が必要かと思います。
 それで、国内的にはそうなんですけれども、開発途上国にしてみますと非常に人口が増えていって、それでさらに中国にしてもインドにしても、いろいろ食料の質を向上させようとすれば、そこに家畜を入れたり、そういうどちらかというと環境に対して非常に影響を及ぼすような農業形態を作ってしまっている。いわゆる開発途上国自体が農業をすることによって、さらに砂漠化や、あるいは水質の悪化とか、いろいろな問題を起こしているということもあります。ですから、一番初めに言いましたけれども、そういう国に対する農業技術の支援というのも考えていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思います。それが一つです。
 それともう一つ、バイオマス、先ほど太田委員から話がありましたけれども、「バイオマス・日本総合戦略」というのが出ました。これに関しては、あちらこちらのいろいろな省がいろいろな形で研究に携わっていくことになりますけれども、やはり横断的な問題でございます有機的な取り組みが必要じゃないかというふうに思います。
 それと3つ目ですけれども―これで終わりです―いわゆる環境教育に関係するんですけれども、国民一人一人が何をすべきなのか、目標を非常にNPOとかNGOが非常に活発に動いていますけれども、国民一人一人が何をするのか。何をしたら環境に対する負荷が抑制されるのかというようなことを、もう少し家庭の中から、学校だけじゃなくて家庭の中からも意識向上ができるような目標ができればというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 また3つ、札が上がっておりますが、ちょっと時間が大変厳しくなってまいりましたので、簡潔にお願いいたします。村上委員、平野委員そして杉山委員。

○村上委員 ありがとうございます。
 鈴木部会長がおっしゃった将来の落ち着く場所として、どういう形を日本が見せられるのかという言葉に、すごく共感を覚えました。これまでの開発が行ってきた日本の中での自然破壊や公害や第一次産業の弱体化とその疲弊、コミュニティーの崩壊など、今、日本社会が抱えている問題を私たちも実感していまして、その上でどんな社会にしたらいいんだろうというのを皆さん考え直している段階だと思います。いろいろな意見を聞いていると、スローな社会だとかスモールな社会というようなことがキーワードに上がってきて、エネルギーや食の地産地消というようなことも、関心の高まりがあると思います。
 今、スウェーデンは「持続可能なスウェーデンビジョン」というのを数年前に作成しましたけれども、日本も市民参加で多くの人たちがステークホルダーが関わる形で「持続可能な日本ビジョン」というものを作っていくときではないかと。そのプロセスで環境問題の大切さだとかそれへの対策、私たちが本当にどんな暮らしをしたいのか、どんな社会を作りたいのかということを、多くの人々の参画のもとに描いていくことがとても重要ではないかと思います。なので、この立国戦略にすぐ間に合うものではないんだけれども、そういうことをやっていくということを戦略に盛り込むということが大切ではないかと思いました。そのプロセス自体がESD、持続可能な開発のための教育のプロセスそのものになるのではないかと思っております。
 ありがとうございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。平野委員。

○平野委員 2点申し上げます。
 まず1点目は、先ほどから教育の話が出ておりますけれども、そもそも国民的な合意というのは、この問題について本当に腹に落ちる形で形成されているのだろうかという点を、私は強く感じております。前々回もご説明をいただいたように、基準年度比のエネルギー起源の二酸化炭素排出量の増加というのは、家庭部門である意味で一番大きいという状況も踏まえてみると、教育に入る前の段階として、この問題に対する国民的な取り組み、その合意形成をやはり政治のレベルでやるべきであろうというのが1点であります。
 それから2点目、これは「見える化」ということであります。これは前回も申し上げたんですけれども、これは仕組みということでありますけれども、やはり効果を見せる、それからあと何をやっているかということを開示する、これが非常に重要であろうというふうに思います。これは今、SOX404条のディスクロージャーというのを私ども今取り組んでおりますけれども、これの効果というのは、やはり今、何をやっているかということを自分自身が点検することで自分自身の問題が明らかになる。それから、人に開示することによって人からの批判を仰ぐ、これができるようになります。ですから、ディスクロージャーの取り組みというのは、ぜひ1項目として取り上げていただきたいというふうに考えております。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。杉山委員。

○杉山委員 委員の先生方及び環境省の皆様方と、国民との間で相当情報ギャップがあるなということを私は痛感しております。とりわけ社会科学系の学生に長年接している経験からいたしますと、例えば大気汚染でも地球温暖化とNOx・PMに代表される地域の大気汚染、この本質的な差が一体どこにあるんだということがわからない学生が相当おります。ドイツ、フランスではディーゼル車シフトになっているけれども、これはどういうことなんですかという素朴な質問が決して珍しくありません。したがいまして、大所高所からのご議論、大変結構だと思うんですけれども、国民の一人でも多くの人々に基本認識を徹底するということを、ぜひ出発点としてお考えいただきたいというように思います。
 それからもう1点は、ここでもし目標が設定されるとしたならば、先ほど来いろいろな先生方から出されておりますように長期目標、短期目標、もし分かれるとしたならば、私は短期目標に関しては実行可能性のあるもの、これを念頭に置いていただきたいというように思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 各先生方から、いわば思いのたけのようなものをお伺いいたしまして、それぞれの個別の分野に関するいろいろな問題点、これもいろいろなところで生かしていかなくてはいけない問題と思いますが、この立国戦略に関しましては、やはり我が国として長期的なものと短期的なものと、ある意味では階層化しなきゃいけないと思いますが、そういうものに対するしっかりとした具体的な意志をあらわしながら、なおかつをそれを受けて短期戦略あるいは戦術的なものは、また何かアネックスのようなものでまとめておかなきゃいけないのかなと。これだけいろいろな思いがありますと、どういう形で、ただそれがまた第3次環境基本計画の、また同じようなものができてもしようがないので、その辺のところはちょっとうまく住み分けをしていかなくてはいけないかと思います。しかしながら、大変いいご意見をたくさんいただいていると思います。
 もう繰り返すと時間があれですが、やはり一番大きいのは、もうともかく、先ほど太田委員からもありましたが、やはりサステイナビリティーか、あるいは有限な資源あるいは有限な環境容量ということもありますが、そこで一体どうやって生きていくのか。それに関して我々自身が、国民自身がやはり考え方を変えていかなきゃいけない時代に入っているんだろうと。パラダイムシフトといっていいんでしょうか、そういうようなことを、やはりきちんと認識して進んでいくという、そういうことをひとつ決意としてあらわしていく必要があるのかなと、そんなふうに感じました。
 個別の問題については、どこまでこの戦略に書き込んでいけるかというようなことは、また検討させていただくといたしまして、今日はこの各委員からいただきましたご意見、そしてそれにまた加えて、今日いただいたご意見、この辺をベースにさせていただいて、次回までにどういうことになりますでしょうか。甚だいろいろな可能性があるといいますか、フレキシブルな感じではありますが、何らかの骨子案というような形で次回は提出させていただく。そして、それはそれといたしまして、5月の末ぐらいまでに、さらにその論点整理を踏まえて戦略につないでいくと、こんなようなことになろうかと思います。
 そんなところで、今日は大体予定しておりますことは以上でございますが、事務局の方からどうでしょうか。何か連絡事項等いただきたいと思いますが。

○柴垣大臣官房政策評価広報課長 次回の日程等についてご連絡といいますか、次回は3月29日、来週の木曜日3時からということでございます。
 それで論点の整理ということで、先生方からの意見書、それから今日のご議論、さらには前回のご説明のあった各省からのご説明なども踏まえての論点の整理ということで考えさせていただきたいと思います。
 それから、4月以降もさらに5月の末に向けまして、5回程度また日程調整させていただきまして、部会を開催させていただければというふうに思っております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、ただいまご説明がありましたように、5月中におおよその取りまとめを行うということで、次回は本日までご議論いただきました内容や、意見書でいただきました内容に関しましての論点整理のような形での整理をお示しさせていただければと思っております。場所は来週はグリーンパレス。市ヶ谷、麹町にあるところです。

○鈴木部会長 では、来週は29日の3時から、麹町のグリーンパレスホテルです。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の会議を終了させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

午後5時11分閉会