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中央環境審議会
21世紀環境立国戦略特別部会(第2回)議事録


日時:
平成19年3月8日(木) 13:00〜15:30
場所:
ホテルグランドパレス「チェリー」

<議事次第>

  1. 開会
  2. 議事
    (1)
    有識者からのヒアリング
    1)松下電器産業(株)
    菅野 伸和 環境渉外・企画担当部長
    2)JFEスチール(株)
    関田 貴司 常務執行役員
    飯野 吉嗣 技術企画部理事・環境エネルギー SBUリーダー
    (2)
    関係各省からのヒアリング
    <第1部>
    1)環境省
    谷津 龍太郎 大臣官房審議官
    2)外務省
    西村 六善 気候変動担当政府代表・地球環境問題担当大使
    3)文部科学省
    田中 敏 大臣官房政策課長
    <第2部>
    4)農林水産省
    末松 広行 大臣官房環境政策課長
    5)経済産業省
    伊藤 元 大臣官房審議官
    6)国土交通省
    福本 秀爾 総合政策局次長
    (3)
    討議
    (4)
    その他
  3. 閉会

午後1時00分開会

○柴垣大臣官房政策評価広報課長 それでは、定刻でございますので、ただいまから中央環境審議会の「21世紀環境立国戦略特別部会」の第2回を開会させていただきます。
 お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は委員総数26名のところ現在19名のご出席をいただいております。植田委員、それから関澤委員、萩原委員は少々遅れるということをご連絡いただいておりますので、開会をさせていただきます。
 まず、本日の資料につきましては、お手元の議事次第の裏面に配付資料の一覧がございます。逐一のご紹介は省略いたしますけれども、もし何か不足がございましたら事務局の方にご連絡をお願いいたします。
 それから、1点お願いでございます。参考資料の1ということで委員限りの配付のもので、第1回の正式の議事録をお手元にお配りをさせていただいております。これにつきましては、本日の会議の後にご確認をいただきまして、お手数ですが3月15日までに、何か修正等がございましたら事務局の方までお申しつけをお願いしたいと思います。これは、その後、速やかにホームページの方に公開をさせていただくというものでございます。
 それでは、以降の進行を鈴木部会長の方によろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、次第に従いまして議事に入らせていただきたいと思います。
 第1回の部会におきましては、戦略のイメージについて、そして検討の前提、戦略の取りまとめ方と発信の仕方について、また戦略に盛り込むべき視点について等々の論点につきまして幅広いご意見をいただきました。前回の議論を思い出していただくこと、そしてまた、ご欠席の委員もいらっしゃいましたので、事務局にて資料1−1として取りまとめていただいておりますので、これにつきまして事務局の方から何かございますでしょうか。

○柴垣大臣官房政策評価広報課長 お手元に、枝番で資料の1−2と資料の1−3という冊子がございます。これにつきましては、前回も既存の計画や環境の計画などをお出ししておったんですけれども、委員の方から足りない部分のご照会がございまして、また様式をそろえまして、循環型社会における専門調査会の中間まとめ、それから学術会議の真の循環型社会を求めてという部分をつけ加えて様式を整えております。
 また、そういった既存の計画等の整理、それから審議会でこれまでやられてきたことの整理ということで、資料の1−3として、中央環境審議会におけるこれまでの議論についてということで、環境省発足後の主な答申などを一覧でまとめてございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、早速本題の方に入りたいと思いますが、今日はヒアリングのために、有識者を代表する2社の方々、それから関係省庁から6省おいでいただいております。実際に環境対策に取り組んでおられる方々から現状について、関係の省庁からは環境関連の取り組みについてと、こういうことでお話をいただく予定でございます。国際協力機構、JICAの緒方理事長に対してもご意見を伺うことを考えておりましたが、ご都合が合わないということで、本日は代わりに意見書として資料10というのをいただいております。これはまた後ほどご覧いただければと思います。
 それでは、早速議題1といたしまして有識者からのヒアリング、環境対策に関しまして最先端で取り組んでおられる方、お二方においでいただいております。このお二方の説明の後、まとめてご意見、ご質問を伺いたいと思います。非常に時間がタイトで恐縮なんですが、それぞれ10分ずつを目安にご説明をお願いしたいと思います。
 まず最初に、松下電器産業の環境渉外・企画担当部長の菅野さん、お願いいたします。

○菅野 松下電器産業(株)環境渉外・企画担当部長 ただいまご紹介いただきました松下電器の菅野です。
 それでは、早速ですが、松下電器が挑戦いたしております環境経営についてご報告させていただきます。
 ここに掲げておりますのが、本日お話しさせていただく内容です。
 まず初めに、環境経営の概要についてご説明申し上げます。
 当社では、トップを含めまして、私どもの経済活動が既に地球の許容量を超えてしまっているのではないかという基本的な認識をいたしております。その認識のもと、当社では現在「ユビキタスネットワーク社会の実現」と「地球環境との共存」、この2つを二大ビジョンにして日々経営を推進いたしております。
 次に、会社概要と事業分野について掲げさせていただいておりますが、時間の関係で後ほどご覧いただければ幸いです。
 1−5に、日本における当社のCO排出量を載せております。製造部門から出ていますCOが197万トンなのに対しまして、家庭におきまして私どもの商品が出しておりますCOが、その10倍以上の2,000万トン強ということになっております。このため当社では、家庭において商品を使用していただく時の環境配慮に注力をいたしております。
 それでは、持続可能な「新たなくらし価値創造」についてご説明申し上げます。
 私どもは、家まるごとで、生活の質はどんどん高めていきますが、環境への影響は限りなく減らすという持続可能な活動を、今重点的に推進をしております。まさにこれが経済の発展と環境の両立につながっていくのではないかと考えております。この「新たなくらし価値創造」を一つの形にしましたイーユ−ハウスという家を1軒建てております。このイーユーハウスでは生活の質は2倍にするけれども、環境への影響は0.4倍にしております。2を0.4で割りますと5になりますが、これをファクター5と呼び、この実現を目指しております。
 生活の質は、当社では現在は製品機能の数という形でカウントしております。90年と2010年を比べますと、製品の数では1.4倍、それを機能でカウントしますと2倍になり、生活の質は2倍になったと考えております。それに対して環境への影響は、COの排出量でカウントしております。単体による省エネ、高性能断熱材による省エネ、ユビキタスネットワークによる省エネ、燃料電池、太陽光発電による省エネを、下の式に示しておりますようにバランスよく配置することによって、COの排出量0.4倍を実現しようというものです。
 ここには、当社の省エネ製品の代表例を示しております。日本におきましてはトップランナー方式により省エネを推進しております。この図を見ていただきましたら、50%以上の省エネが既に達成できている製品が多くあるということが、ご理解いただけると思います。環境配慮商品を支えておりますのは、当社ではブラックボックス技術と呼んでおりますが、環境配慮の要素技術です。これが一番重要であります。
 少し具体例を商品で説明いたします。ここに掲げておりますのはプラズマテレビです。この図にありますようないろいろな技術を投入いたしまして、最新のモデルでは1年前のモデルと比べて45%の省エネを既に実現いたしております。
 これはノンフロン冷蔵庫です。地球温暖化係数の大きな代替フロンをノンフロンにかえると同時に、省エネにつきましても3分の1の省エネをこの10年間で行っております。このノンフロン冷蔵庫の省エネを支えております技術ですが、たかが家電製品と思われるかもしれませんが、現在、日本の家電製品には、日本が世界に誇る技術がびっしり詰め込まれています。また当社の冷蔵庫は、魔法瓶のように真空断熱材で全体を覆ったような形にしております。この真空断熱材、非常に効果がありますので、今、いろいろな商品に横展開をいたしておりまして、今年の省エネ大賞では大臣賞もいただいております。
 ここに掲げておりますのは、家庭用の燃料電池コージェネレーションシステムで、21世紀を支えるエネルギーというふうに考えております。家庭で発電をしますので、その時に排出する熱も有効に活用するということで、従来の発電システムの約2倍の効率、COで見ますと半分になる技術であります。また更に、ITにつきましても、COの削減ということで、今後貢献できるものと考えております。
 次に、家電リサイクルによる資源循環についてご報告いたします。
 この家電リサイクルにおきましても、いろいろな技術を開発いたしております。その結果、家電4商品におきましては、有価で再商品化しているものだけでも、ここに示しております64%から82%のリサイクルを既に達成いたしております。当社では、単にリサイクルするだけではなくて、返ってきた家電商品から新たな家電商品を作る材料に使うという形で、「商品から商品へ」というコンセプトで現在リサイクルを進めております。
 次に、グローバル最適地生産の考え方についてご説明いたします。
 この下の方のグラフに、当社における日本でのCOの排出量を示しております。生産高原単位では下がっておりますが、棒グラフに示しておりますように、デバイス事業のCOが増えまして、まことに申し訳ないのですが、COの排出量が増えているというのが現状であります。
 現在、日本が世界に誇りますデジタル家電商品は、半導体を中心とするデバイス産業と、液晶やプラズマなどのフラットパネル産業によって支えられております。ここに書いておりますように、技術の集積と流出防止、またはエネルギー利用効率の高度化のため、日本での物づくりに重きをおいて生産を続けております。その理由ですが、ここに示しておりますように、日本は先進工業国の中では非常にエネルギー効率の高い国でありまして、もし中国へ生産を持っていきますと、途端にCOの排出量が増えます。そういう意味では、日本で生産することがグローバルに見て環境に役に立つのではないかと考えております。
 次に、グローバルに推進をしております環境の取り組みについてご報告いたします。
 ここに示しておりますのは、EUの有害物質使用規制というRoHS指令に対する対応であります。当社では、1年前倒し、全商品対応、全世界対応を目標に取り組んでまいりました。これをするために全世界で1万1,000社のご協力を得ました。国内では6,000社、海外では5,000社であります。全世界からデータを収集する仕組みをインターネットで構築して、132万点の全部品の化学物質の組成を調べております。それと同時に、いろいろな部材において代替化をするために、全世界でテクノスクールを開催いたしまして、約4,000名の従業員のスキルアップを行っております。
 これは、松下電器の工場における廃棄物の発生量とリサイクル率の世界各地のデータであります。世界各地でリサイクル率の向上に努めております。
 これはアジアにおける各国別のリサイクル率の向上を示しています。押しなべて80%以上、工場からの廃棄物はアジアにおいても、高いリサイクル率を達成いたしております。
 次に、環境コミュニケーションについてご報告いたします。
 当社はB to Cの家電製品が中心でありますので、あらゆるステークホルダーに対しましての情報開示とコミュニケーションに注力をしております。また、従業員の環境マインドも高めなければなりませんので、従業員が参加する「地球を愛する市民活動」を展開しております。特徴的な取り組みとして、右のグラフに示していますように、当社では3万7,000名の従業員が環境家計簿をつけております。家計簿をつけた世帯では約2%ぐらい、気づきという形での省エネが進んでいるというデータも得ております。また、私どもの環境の取り組みがひとりよがりにならないようにということで、当社ではスウェーデンのナチュラル・ステップに持続可能性に対するご意見を、7年連続でもらっております。
 それでは、最後に、電機・電子業界として、環境立国に対する提案をさせていただきたいと思います。
 まず、1番目は環境技術における優位性の確保であります。我が国の省エネ製品は、もう既に理論値に近づいているのではないかと言われております。これを打開するために、ここでは一つの例としてシリコンカーバイドを載せておりますが、革新的な技術の開発を産・学・官の連携で推進していきたいと思っております。
 2番目は、CO削減の日本における確実な成果です。今説明いたしましたような省エネとか新エネの製品を日本でさらに普及促進いたしまして、その有効性を世界に発信していかなければならないと考えております。日本の家庭の中には、まだ古くて効率の悪い製品が多く残っております。仮称ですが、国内製品CDMなどによって買い換えの促進をしたいと思っております。また、エコキュートとか太陽光発電はまだまだ普及率が低いので、これも高めていかなければならないと思っております。
 最後に、日本発の環境政策発信です。先進国と途上国の橋渡しとなるような──ここに例を示しておりますが、ポスト京都議定書では中国やインドが参加できる枠組み、またグローバルな環境情報伝達システムを、日本発で構築していくことです。この様なことを通して環境立国を実現していきたいということで、提案をさせていただきました。
 以上、駆け足で申しわけございませんでしたが、報告に換えさせていただきます。どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 非常に短時間で密度の高いご発表をいただいたと思います。
 それでは、続きまして、JFEスチール株式会社の常務執行役員でいらっしゃいます関田さん、お願いいたします。
関田 JFEスチール(株)常務執行役員 JFEスチールの関田でございます。本日は、この中環審の特別委員会で発表の機会をいただきましてありがとうございます。
 座って説明させていただきます。
 JFEスチールでございますが、JFEグループの環境理念というものを左に書かせていただいております。「JFEグループは、地球環境の向上を経営の最重要課題と位置付け、環境と調和した事業活動を推進することにより、豊かな社会づくりをめざします」ということでございます。
 この理念に基づきまして5つの方針を持ってございます。1番目は、すべての事業活動における環境負荷低減、2番目が技術、製品による貢献、3つ目、省資源、省エネルギー事業による貢献、4つ目、社会とのコミュニケーションの推進、5つ目、国際協力の推進でございます。本日は、お時間の関係上、地球環境問題に関連したアイテムにつきまして、この順番にご説明をさせていただきたいと思います。
 1番目の、すべての事業活動における環境負荷低減でございます。このグラフは、左が粗鋼生産量の推移、それから右側がCO排出量の推移でございます。右側、CO排出量の推移でございますが、90年度、5,700万トンでございます。05年度は5,500万トンということで、4%の減でございます。一方、左を見ていただきますと、粗鋼は90年度の2,640万トンが05年度は3,000万トンということで14%伸びてございます。ということで、原単位、鉄を1トン作るときに出るCOの量というのは16%削減したんでございますけれども、排出総量ということでは4%の減にとどまってございます。
 省エネルギー等につきましては、もう昔から取り組んでございますが、左の下に書いてございますようにいわゆるキーワードは連続化でございます。連続鋳造、連続焼鈍、それから熱片挿入というようなキーワード。とにかくエネルギーを無駄にしないで連続化する。それから、真ん中に書いてございますけれども、排熱の回収ということで、高炉の炉頂圧発電とか焼結の排熱回収というのをやってまいりました。90年度から以降でございますけれども、さらにそこの下に書いてございますリジェネバーナーの導入とかがございます。いろいろなテクノロジーを導入しています。この90年度からで約3,600億円の投資をさせていただいております。この例をちょっと2つほどご紹介いたします。
 (スライド表示不具合のため)すみません、資料に戻らせていただきます。5ページ目でございます。高炉でございます。高炉は鉄鉱石とコークスを上から入れて銑鉄を得るんですけれども、その中で、いわゆるコークスの一部の代替として廃プラスチックの利用がございます。ボトル等の容器をこのように加工いたしまして高炉に吹き込む。さらに都市ガスの吹き込み、これも部分的な代替ですけれども、こういうことをやりましてCOの削減に努めてございます。ただ、廃プラスチックは集荷の問題であるとか、やはり都市ガスにつきましては価格が高いというような問題を持ってございます。
 次、6ページ目、今度はパワーポイントの画面が出てございます。これは系列の電炉でやっている事例でございます。電気炉でございますが、左側に書いてございます、これが通常の電気炉で、ふたを開けまして、そこにスクラップを入れてふたを閉めて精錬をするというスタイルであります。ふたを開けることによって熱ロスが出る。それから、環境面では粉じんも出るということで、開発いたしましたのが右側です。その電気炉の上に余熱の塔を立てまして、その中にスクラップを入れて、自らの排熱を利用して省エネをしようということでございます。あわせてダイオキシンが出ないような設備も有してございます。この設備、JFE条鋼姫路で2005年11月に稼働、2基目は今度は仙台に2008年末に稼働予定でございます。電力のセービングが20%から40%ということで進めております。
 さらに、議定書の第1約束期間、さらにはその先までも見越しまして、技術対応といたしまして一番上、シャフト炉の導入がございます。これは冷鉄源をたくさん使おうということで、100億円の設備でございますが、2008年8月稼働で進めております。それから、高炉の中の鉄鉱石の分布を変えることによってコークスを減らしていくというようなことをやっています。それから、エネルギーを使う方ですけれども、リジェネバーナー、今20基装備していますが、これを23基までに増やす。それから、CDQも残っている設備、倉敷に、これも100億円かかりますが、09年3月稼働で準備を進めています。さらに、長期的には革新的製銑プロセス、溶鉱炉の反応温度を下げるということをねらった研究開発、それから、製鉄所で出る中低温の排熱を回収する技術、これらを進めております。さらに京都メカニズムの検討。京都メカニズムのCDMも用意してございまして、フィリピンでの焼結工場の排熱回収及び中国の山西省でのコークス炉ガスからのDME製造等々準備してございます。
 2番目でございますけれども、製品技術による貢献でございます。左上、電磁鋼板でございます。無方向性の電磁鋼板。これは、先ほど松下電器さんからお話がありましたけれども、エアコン、それから冷蔵庫の高効率化には欠かせませんし、ハイブリッドカーの駆動モーターにも欠かせないものでございます。それからトランス用方向性電磁鋼板、高磁束密度低鉄損でございまして、これで電力ロスを減らしているという、こういう材料を供給させていただいています。順番は前後しますが、右下、自動車のハイテンでございます。これは車体重量を軽くして燃費を向上する。それから、さらに厚板のTMCP、これも高張力鋼板で船体を軽くする。これで燃費の向上を図る。それから、左下、低環境負荷鋼ということでクロメートフリーの表面処理鋼板、OA機器等に使われております。リサイクルも可能であります。右上、クリーン・エネルギーということで太陽電池用シリコン、このようなものを当社で製造しております。
 これは鉄連の資料を借用してございますけれども、こういうものが、国内で使われるところにおいて、760万トンのCO削減に寄与しているというふうに考えております。
 これは3Rをイメージしてございます。製鉄所、たくさんのインプットがございますが、例えば真ん中辺に水がございますけれども、循環水、94%は循環しています。6%が排出及び蒸発ということで、かなりのリサイクルと思っております。それから、回収エネルギーにつきましても、69%は所内で燃料として使う。残りは電力、燃料ガス、蒸気として外にも売っております。それから、副生物でございますけれども、スラグ、ダスト、スラッジ、これも場内リサイクルをしていますし、一部は海域・土木用の材料として社会に貢献しているつもりでございます。
 鉄鋼スラグの一例でございますけれども、鉄鋼スラグ、ロードクールというのがございます。これは鉄鋼スラグを利用した製品で、非常に保水性を持った道路ができるということで、雨が降った、その水を保水しておいて、晴れたときに蒸発して冷える。実験データとしては6度から8度の温度低下が可能でございます。
 それからマリンブロック。これは、スラグに炭酸ガスを吸わせまして、こういうブロックをつくります。これは実はサンゴと仲がいいということで、今、石西礁湖及び宮古島等で実験を行っております。この中に着床部をつけまして、サンゴの子供、これが今、粛々と成長しているところでございまして、先日大臣もご覧いただいたと思います。  最後の国際協力でございます。鉄1トン作るのに使うエネルギーですけれども、これも鉄連の資料でございますが、日本を100としますと、例えば中国は大規模で110、全国平均で120でございます。日本が今、約1億トンの鉄を作っている。中国は4億トンということで、もし中国が日本と同じ原単位にしますと、何と1億6,000万トンのCOがセービングできるということでございます。
 そういうことで、当社の国際協力といたしましては、1つ目は鉄鋼連盟でやっております日中鉄鋼業の交流会への参加、それから2つ目には官民でやっていますAPPへの参画。これも3月、来週カルカッタで3回目が行われます。3つ目、当グループとして、先ほど述べましたフィリピンでの焼結排熱回収、それからDME製造等、この3本柱で地球環境改善に貢献しようと思っています。
 以上、JFEスチールといたしましては、自主的な省エネルギー技術の開発・設備導入により、世界トップクラスのエネルギー原単位を今後も維持するとともに、さらなる低減に努力いたします。2番目、最先端の技術で環境負荷低減、3Rの推進、並びに自然・社会において環境負荷低減につながる製品及び技術を供給してまいります。3つ目、地球温暖化問題につきましては、次期枠組みがアメリカ、中国、インドなどの主要排出国が参加する取り組みになるよう、日本国政府のリードを期待いたします。4つ目、エネルギー効率などに優れた日本の技術が地球環境改善に積極的に活用されるよう、例えば先ほど述べましたAPP鉄鋼タスクフォースのようなセクター単位での取り組みなどの制度設計を期待いたします。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのお二方のご説明に関しまして、委員の方々からご質問がありましたら札を立てていただけますでしょうか。
 では、時間は10分しかございませんので、まず今お立てになった4人の方からそれぞれご質問をいただき、まとめてお答えいただくようにしたいと思います。
 では、上路委員。

○上路委員 松下電器さんのご紹介について2つお尋ねしたいんですけれども、1つは、化学物質に関して、RoHSというものに対しての取り組みをご発表いただきました。今後、REACHの方も動いてくるように見えますけれども、それに対する対応というんですか、それをどこまでやれるのか。それで、なおかつそういう化学物質の管理に関して、今どちらかというとEUが主導になっていますので、それに従ってやるのか、あるいは日本が何らかの切り口でやるべきと思っていらっしゃるのか。そういうことについての考え方が1つです。
 もう一つは、どちらかというと私たちも一市民と考えた場合に、松下電器さんは非常にたくさんの従業員を抱えていらっしゃって、いろいろな環境に対する取り組みをやっていらっしゃると思うんです──というお話を伺ったんですが、私たちも研究所でやっているんですけれども、こういう活動に対して、ある目標値を定めてこうやりなさいとか、それを達成したら、インセンティブではないけれども、そういうものを与えているのか。どういう活動を従業員に対してやっていられるのか、もう少し具体的に教えていただければと思います。お願いします。

○鈴木部会長 それでは、須藤委員。

○須藤委員 1つずつ質問させてください。
 まずは、松下電器さんは省エネ家電が非常に進んでいるのはわかったんですが、これがおおむね国民に普及するぐらいにはどのぐらいまでかかるんでしょうかということです。
 それから、JFEスチールさんには、原単位では16%の削減をしているんですが、4%総量だというので、削減していればよろしいんですが、これはどこまでぐらいができますでしょうかということと、それから、今までの環境負荷低減対策がCDMとして利用する点、方法があるんでしょうか。以上です。

○鈴木部会長 それでは、中村委員。

○中村委員 生産部門に関する今の削減の取り組みについては、大変すごいと思ってお聞きしましたが、民生部門のことでちょっとお聞きしたいんです。松下電器さんは33万人の従業員がいて、そのうちのLEファミリーという環境家計簿に取り組んでいるのが3万7,000人、約10%強でしょうか。それが2%の削減に成功というのは、ちょっと少ないんじゃないかなというふうには思うんですが、これだと0.2%ぐらいしかという感じもしないではない。そうすると、従業員の人たちのCO削減への取り組みというのが、例えば何によってこれはしたのか。例えば、そういう効率のいい家電を買うというのがCO削減だというふうにお考えなのか。それとも、自分たちの家をもっと効率のいい、あるいは省エネ型、断熱性、気密性を高めたものにかえるともっと高くなっているはずだと思うんですが、その辺についてはぜひ取り組んでいただきたいというお願いで、これはJFEさんの方も同じです。よろしくお願いします。

○鈴木部会長 廣野委員。

○廣野委員 私は両者に対してご質問があります。全く同じ質問です。
 第1は、環境と経営の両立という視点なんですけれども、膨大なこういうための投資もなされているわけで、企業としての投資効率がどうなっているのか、その点をお聞きしたい。
 それから、第2番目は、やはり中国を含めて途上国に相当環境面でも貢献しているというお話がありました。そういうときに、やはりどういうような問題に途上国ではぶつかっているのか。こういうような非常に効率的なものをやる場合に、どういう問題にぶつかっているのか。そのあたり、途上国としての政府の問題、あるいは企業の問題、あるいは労働者の問題を含めまして、もしありましたらお願いします。

○鈴木部会長 それでは、よろしいでしょうか。では、最初に松下電器さんの方から。

○菅野(株)松下電器産業環境渉外・企画担当部長 そうしましたら、ご質問に順番にお答えしたいと思います。
 まず化学物質の件ですが、化学物質は、私どもの商品はグローバルに展開しておりますので、やはり全製品、全世界で対応せざるを得ないと考えております。例えばEUで決まれば、それを全製品、全世界で展開するという形になります。これからは、やはり日本とEUで相互認証ができるような、そういう仕組みの方が我々としてはありがたいと考えております。
 従業員を巻き込んでどういうふうに取り組んでいるのかということですが、インセンティブというよりは、私どもでは組合とか人事とかまた環境職能とかが連携をして、環境マインドの高い人が中心となった、自主的な取り組みとして展開をいたしております。
 省エネ家電の普及にどのぐらいかかるかということですが、私どもで今考えておりますのは、冷蔵庫とかエアコンが返ってくるのが平均14年です。これから推定をしまして14年より古い商品が大体市場に13%から15%ぐらいあると考えています。これが非常に省エネ効率が低いので、まずこれから先に買い換えていただいたら一番良いのではないかと考えております。
 次に、「地球を愛する市民活動」に参加している従業員の件ですが、この活動は日本で展開しております。33万人は全世界ということで、日本はその半分以下ということなのですが、まだまだ低いので、更に参加が増えるよう活動を推進しております。特に、社内におけるエコマインドの養成を活動の重点に置き、展開をいたしております。
 最後に投資効率のご質問です。省エネ投資は概ね投資したものを十分回収することができますが、その他のものには、なかなか難しいものもあります。しかし、最近は環境配慮が競争力になっていまして、環境配慮が国内でも、またグローバルにでも劣りますと、ビジネスに非常に差し障りが出てきます。このため、競争の中でより環境性能の良いものの普及が進むと考えております。

○鈴木部会長 それでは、JFEの関田さん、お願いします。

○関田 JFEスチール(株)常務執行役員 JFEスチールからお答えします。
 須藤先生の、CO排出量の総量はどこまで減らすのかということですが、これは鉄連の自主行動計画としてエネルギー使用量を10%プラス1.5%削減するというのがございまして、参考までにこれはCO排出量としては9%プラス1.5%削減するというようなことです。第1約束期間につきましては、とにかくこれをターゲットにやるということで、先ほど申し上げた粗鋼量の変動等もございますので、CDMというものも併せてやっていきます。それから先につきましては、今、先ほどご紹介しましたいろいろな新しい研究開発アイテムもございますので、またスタディーしていきたいと思います。
 それから、そういう技術をCDMにしていくのかというご質問ですが、先ほどご紹介しましたフィリピンでの焼結の排熱回収、これはCDMになるべく、今国連で審査中という段階でございます。ぜひ今後とも、そういう我々の培ってきた技術というのが、やはりCDMという形で実っていってほしいと思っています。そういう意味で、APPであるとか、そういうような枠組みを非常に期待している次第でございます。
 それから、中村先生の従業員のモチベーションの点でございますが、我々もクールビズ、それから環境家計簿、それから、量としては些細ですけれども、昼休みは電気を消すとか、そういうものを本社及び製鉄所で徹底してやって、いわゆる従業員のマインドというのも醸成しているつもりでございます。
 それから、廣野先生のご質問の投資効率でございますが、投資効率は、正直言いましてどんどん悪くなっています。場合によっては、案件によってはコストアップというものもあります。ただ、そういうものをよく鑑みながら、自主行動計画目標を目がけて着々と準備をしているところでございます。今日ご紹介しましたシャフト炉というのは、あれは実は投資効果はございません。
 それから、途上国への貢献というのは、先ほどの須藤先生へのお答えと同様でございまして、やはり我々の培ってきた環境省エネ技術というのを、APPの場であるとか日中交流であるとかという中で上手に発展途上国に伝えていく。それが結果としては地球温暖化防止につながるものと思っております。以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。

○廣野委員 ちょっと1つだけよろしいですか。今の最後の点で僕の聞いたのは、どういう問題に直面しているかと。こういうすばらしいものを動かしていくときに、途上国の政府との関係、あるいは途上国における他の企業との関係、それから、特に労働者との関係がもしあったら教えてくださいと、そういうことです。

○関田 JFEスチール(株)常務執行役員 全部を把握しているわけではございませんので断片的ではございますが、そういう環境設備等を入れる場合に、相手国の投資意欲といいますか、関心といいますか、そこら辺の問題はないとは言えないと感じております。よろしいでしょうか。

○鈴木部会長 ありがとうございました。まだまだお聞きしたいことがあるんですが、時間の関係でここまでにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、議題の2といたしまして、関係省からのヒアリングということで、6省おいでいただいておりますが、これを第1部と第2部に分けさせていただきまして、第1部の終了後及び第2部の終了後にそれぞれ一括してご質問、ご意見を伺いたいと思います。
 では、第1部の初めといたしまして、環境省の方から説明をお願いいたします。谷津審議官ですね。

○谷津大臣官房審議官 環境省からご説明を申し上げます。
 お手元の資料の4をご覧いただければと思います。
 1枚開けていただきまして、経済活動と地球規模の環境問題の関連図ということでございます。先進国の高度な経済活動、あるいは途上国の人口の急増とか貧困、こういったことを背景にいたしまして、中の四角にございますような地球温暖化を初めとするさまざまな環境問題が生じているわけでございますが、これらを相互に関係をいたしております問題群としてとらえる必要があろうかと思っております。
 次でございますが、21世紀の環境立国日本ということで、考え方の枠組み、コンセプチュアル・フレームワークのようなものを示させていただいております。当然、生態系の恵みに依存しながら人間が生存し経済活動をしているわけでございますが、その過程で物質やエネルギーを使う。そういう経済活動、あるいは日常生活の過程から出てまいります環境の負荷、これが自然の物質循環を損なうということで環境問題が生じているわけでございます。したがいまして、脱温暖化、循環型社会と、こういった観点から低負荷、あるいはローカーボンで、なおかつ成長が可能なような、そういう経済社会の仕組みを作っていく必要があるわけでございます。
 温暖化の問題でございます。左のグラフでございますが、我が国の温室効果ガスの排出量のトレンドを示してございます。1990年を基準といたしまして、2005年の速報値ではプラス8.1%という排出の状況にございます。その一番上のところの斜線でございますが、原発が長期にわたって停止をしております影響の分を別に示してございます。これに対して、2014年を一つの区切りの年といたしましてマイナス6%まで下げていくという点につきまして、3つの対策を考えているわけでございます。国内の排出削減によりまして8.7%、また森林の吸収によりまして3.8%、京都メカニズムによりまして1.6%、こういう計画を作っているわけでございます。
 右下の図でございますが、産業、運輸、業務、家庭、それぞれにつきまして現状と比べてどういった削減が将来必要なのかということを示しております。産業につきましては、なお3,100万トン、業務、オフィスビルなどにおきましては6,900万トン、家庭においては3,800万トン、まだまだ削減を進める必要があるわけでございます。運輸につきましては、近年やや排出量が減少傾向を示しておりまして、目標までの差が700万トンと、こういった状況にございます。
 我が国が閣議決定をいたしました京都議定書目標達成計画でございますけれども、これの進捗状況を見てみますと、今のままの趨勢で対策を進めますと進捗率は約7割にとどまる。これを2倍のスピードに高めて、対策の実施を加速化する必要があるということでございます。
 こうしたことを背景といたしまして、現在、中央環境審議会と産業構造審議会、この合同で京都議定書目標達成計画の定量的な見直しを行っている最中でございます。下のスケジュールをご覧いただきますと、審議会ベースでは今年の年末までに最終的な報告を取りまとめいただき、年明けに新しい計画の閣議決定をしていくと、こういうスケジュールでございます。
 我が国といたしましては、世界をリードするという観点から、低炭素社会(Low Carbon Society)、これに向けてあらゆる努力を傾注する必要があるわけでございます。さまざまなセクターで取り組みが進んでおりますし、我が国が最も得意といたします低炭素技術、こういったものを最大限に活用しながら対策を進める必要があるわけでございますが、下の四角をご覧いただきますと、再生可能エネルギーの導入、また、まちづくり、製品、技術開発、国民の意識・取り組み、こういった観点から社会全体を大きく変えていく必要があると思っております。
 国際的な動きでございますが、現状と問題点のところをご覧いただきたいと思います。ここのバスタブの絵にございますように、今の全世界のCOの排出量でございますけれども、年間の人為的排出量63億トンと書いてございますが、最新のIPCCのデータで、これは72億トンに増加しておりますので、ご訂正願えればと思います。自然の吸収量がそれに対しまして31億トンでございますから、問題ないレベルで温室効果ガスの濃度を安定化しようといたしますと、この自然の吸収量に見合ったところまで排出量をまずどうしても下げる必要があるわけでございます。2つ目の丸ですが、とはいえ、現在の京都議定書に基づく取り組みをしている国は、日本、EUを初め全世界の排出量の30%にすぎませんので、米国、中国などを含む主要排出国、これの最大限の取り組みが必要と、こういう状況にあるわけでございます。
 右をご覧いただきますと、先ほどお話し申し上げました低炭素社会、これのビジョンを作っていく。また、この温暖化問題というのを安全保障の問題としてとらえて対策を進める。下にございます、来年日本が議長国となってG8サミットが開かれるわけでございますが、そういう場を通じまして、次期枠組みの構築に向けたリーダーシップを発揮していく必要があるということでございます。
 地球環境はさまざまな問題を抱えているということでございますが、こういった情報につきまして国際的に情報を共有しながら連携のとれた対策を進める必要があるわけでございます。こうしたことから、アジアを中心に地球環境危機の実態把握、科学的な調査、あるいは研究情報の共有・標準化、情報の提供と対話と、こういった取り組みが必要と思っております。
 循環型社会についての議論でございます。まず、日本といたしましては、世界でも非常に高い水準の資源生産性を誇っているわけでございますけれども、一方で廃棄物の排出状況はさまざまな問題を抱えているわけでございます。今後の施策でございますけれども、循環型社会の構築を一層進める。また、先ほどお話し申し上げましたように、循環型社会と低炭素社会、これの相乗効果を発揮するような方向での取り組みが必要でございます。また、技術システムの高度化、こういったものも世界に向けて取り組んでいく必要があるわけでございます。
 3Rの国際展開ということでございます。2004年のアメリカで開かれましたG8シーアイランドサミットにおきまして、3Rイニシアチブを日本は提唱いたしまして、その後、そこにございますように、閣僚会議などを通じてイニシアチブを発揮してまいったわけでございます。これを来年のサミットに向けてどういった方向で取りまとめ、次のステップに向かっていくかと、こういうことが課題になっております。
 生物多様性の問題でございます。生物多様性、生存の基盤、安全性、有用性ということで、いろいろな恵みを持っているわけでございますけれども、これが人間活動による生態系の劣化、あるいは里地里山への人間の働きかけの後退、また外来種の問題などなど、さまざまな危機的状況にあるわけでございます。
 こうした中で、里地里山を初めとする自然共生の日本のモデルを国内・世界へ発信していく必要があると考えております。生物多様性条約に基づきます取り組みが世界で進んでいるわけでございますけれども、2010年の目標、大半の評価項目で悪化しているということでございまして、この目標自体はなかなか達成が困難という状況にございます。そうした中で我が国においては、生物多様性国家戦略の3度目の策定、あるいは2010年、この生物多様性条約の締約国会議を日本で開催すると、こういったことを通じて国際的なリーダーシップを発揮していく必要があると考えております。
 次が水の問題でございます。21世紀は水の世紀ということでございまして、国際的に水の問題に関心が高まっているわけでございます。こうした中で、今後の施策の方向と課題というところをご覧いただきますと、豊かな水の循環の回復などの取り組み、また、世界の水問題の解決に向けたイニシアチブ、アジア・太平洋水サミット、こういったものも予定されておりますので、しっかりした国際的な対応も必要ということでございます。
 次に、都市の問題でございます。現状と問題点のところでございますが、都市部の大気汚染、依然として問題がございます。COの問題、またヒートアイランド、土壌汚染、さまざまな都市の問題を抱えているわけでございます。こうした中で、コンパクトシティーに向けた取り組み、あるいは公共交通ネットワークを世界に日本モデルとして発信していく、また水と緑のあふれるようなまちづくり、土壌汚染対策が必要になってまいります。
 次は化学物質の問題でございます。先ほども議論になりましたが、化学物質対策につきましても国際的な動きが活発化しております。こうした中で、民・産・学・官の相互理解と協働、国際潮流を踏まえた対策、隙間のない監視体制、こういった取り組みが必要でございます。
 次が横断的な部分でございますけれども、国際協力でございます。環境汚染のないアジアを目指して二国間・多国間協力を推進していく。緒方理事長の意見書の中にもございましたけれども、日本の公害経験・技術・人材を生かした国際的な貢献を進めていく必要があろうかと思います。
 環境と経済の統合でございます。世界最先端の環境技術と環境ビジネスによりまして経済成長の維持と競争力の強化を実現して、地球環境の保全に貢献していくということでございます。今後の施策の方向でございますが、我が国の技術を世界市場を意識して展開していく、あるいは経済全体のグリーン化、税政、金融、あるいは取引、こういったグリーン化が必要でございます。また商品のグリーン化から環境ビジネス、こういったものを育成していくことも大切だと考えております。
 最後でございますが、地域の観点でございます。これも今後の課題のところをご覧いただきますと、地域の活性化、コミュニティーの再生といった観点にいかに環境という視点を取り入れて地域づくりを進めていくかということが今後の施策として必要だろうと思っております。また、環境教育も重要だと思っております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 若干時間がタイトになってまいりましたが、それでは、続きまして外務省の西村大使、お願いいたします。

○西村外務省気候変動担当政府代表・地球環境問題担当大使 ありがとうございます。
 私の観点から、2つの点だけお話をさせていただきたいと思います。
 第1の点は、温暖化交渉といいましょうか、気候変動交渉をめぐります世界の議論に、非常に大きな緊急性といいましょうか、新しいダイナミズムといいましょうか、そういったようなものが生じているということをご報告させていただきたいというふうに思います。その点は決して委員の先生方にとりまして何ら新しいことではないと思うんでございますけれども、私どもも、交渉の過程との関係におきましても、そういう感じをひしひしと感じている次第でございます。
 1つには、温暖化の被害というものにつきましての認識が非常に広く行き渡ってきているといったようなこととか、あるいは、その被害についての科学的な説明が次第次第に明らかになってきているといったような事態があると思います。この点は、数週間前に、IPCCの第4次評価報告書の第1部でございますけれども、それが公表されて以来、世界で議論されております。世界で議論されておりますのは、その第1部についてだけの話でございますので、第2部、第3部の報告書が出てまいりました後で、本当はバランスをとって議論をされるべきことではあるんでございますけれども、とりあえず非常に大きな議論が巻き起こっているといったようなことと、それから、それが示唆しております展望の深刻さといったようなものが非常に背後にあるのではないかと思います。
 もう一つ、非常に重要な展開だと私は個人的に思っておりますことは、米国におきます議論の展開でございます。米国の今までの態度につきましては、もう既にご存じだと思いますが、昨年の11月の中間選挙以来、私どもが目にしておりますようないろいろな議論が米国の中で起きております。ご承知のとおり、米国が参加するか、しないかということが非常に大きなポイントでございまして、先ほど来から米国、中国、インド、その他の主要な開発途上国を参加させた有効な枠組みを将来作るべきだというご意見は全くそのとおりでございますけれども、その基本的な条件は、米国がどのような形でどういうふうに参加するのか、しないのかという点であるわけでございます。その点に関しまして、まだ現在の時点におきまして確たることを申し上げるわけにはいかないと思います。いろいろな論者の方々がいろいろなことを論じておりますし、議会におきましてもさんざんいろいろな議論が起こっております。いつまで、どういう状況で終わるのかといったようなことにつきましても、何も見通しがない状況でございますので、必ずしも確たることは申し上げられないと思いますけれども、新しい議論が始まっているというのは事実だと思います。こういうことが新しいダイナミズムといいましょうか、そういったようなものを生んでいると思います。
 そのほかたくさんあるんでございますけれども、もう一つは、中国の排出が非常に急速な勢いでもって大きな規模になってきているという点でございます。この点も既に専門家の方々が議論しておられた点でございますけれども、次第次第にそのことが明らかになるのみならず、もしかすると数年先倒しになるんではないかといったような動きにすらなっているわけでございます。数日前に中国の全人代におきまして温家宝首相が報告をされたときのかなり大きな部分は環境問題に費やされたといったような状況があったわけでございます。それから、2008年から2012年まででございますけれども、京都議定書の期間というものは2012年に終わるわけでございますが、それに向けまして準備的な議論というものが進んでいるわけでございますけれども、そういったようなことも含めまして、国際的なこの問題についての議論のリズムと強度と、それから深刻さといったようなものが次第次第に強まっているということを第一に申し上げさせていただきたいと思います。
 第2番目としまして、先ほど来からご意見を賜っておりますとおり、それから、もうこの点はほとんど国内的なコンセンサスではないかと思いますが、次期枠組みにおきまして正しい枠組みを何とかしてつくらなければいけないというふうに思いまして、政府として最大の努力をしているわけでございますけれども、もとよりご議論がございましたとおり、アメリカ、中国、インド、その他の主要な排出国は必ず参加してもらわなければいけないというふうに思います。それから、新しい枠組みといいましょうか、次の枠組みは何としても有効なものでなければいけないというふうに思います。この問題の本質的な解決に──期間がございますので、その期間において最大限、気候の安定化といったようなものに実質的に貢献する有効なものでなければいけないというふうに考えております。
 それから、それを行うに当たりまして各国が協力していかなければならないわけでございます。その協力に当たりまして、努力の強さ、弱さというものが明らかに出てくるわけでございますけれども、その負担をする強度につきまして、一定の公平性というものがなければいけないというふうに思います。そうでなければ、この話は5年とか8年とかということではないわけでございまして、非常に長い長い努力を国際社会が一致して協力してやっていかなければいけないということでございますので、明らかに負担の公平さというものが必要であろうというふうに思います。
 そういったようなことを何とかして実現しなければならないという考え方のもとで、関係省庁一致して努力をしているわけでございますけれども、私の個人的な一つの脈絡におきまして、決めていただければ、非常に我が国の存在感と、それから、この問題の解決のために我が国が最も積極的に貢献できることが何かあるとすれば──いろいろあるわけでございますけれども、あるとしますと、やはり日本の自らの座標軸を決めていただく必要があるんではないかというふうに思います。日本は今現在、12億トンから13億トンの排出をしているわけでございますけれども、これが一体これからどうなるのかということを、やはり国民全体で議論をして、どういうふうに持っていくのかということを決めていただく、あるいは見通しを立てていただくといったようなことが必要ではないかと思います。
 ありがとうございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、次に文部科学省、お願いいたします。

○田中文部科学省大臣官房政策課長 文部科学省大臣官房政策課長、田中でございます。よろしくお願い申し上げます。
 お手元に配らせていただいております資料6でございます。若干個別論的なことではございますけれども、現在文部科学省として取り組んでおります環境施策について、概要をご説明申し上げたいと思います。
 1ページ目、目次が出てございますけれども、文部科学省としては、やはり環境ということについては、きちんとしたデータ、あるいはエビデンスベースできちんとした議論をしていただくということが大事だろうというふうに思っております。そういう意味では、環境の問題についての科学技術、あるいは技術開発、そういうことについてのきちんとした取り組みをするということがまず大事だろうというふうに思っています。技術を育て、そしてそれを発信するということについて力を尽くしていきたいというふうに思っております。
 2つ目、ここでいうと3つ目でございますけれども、環境に対してだれがそういうことをやるのかということになると、やはり人の問題が大事だろうというふうに思います。いろいろな技術が出てまいりますにしても、やはりだれがそういう技術を進めていくのか、どういうビヘービアをするのか、人の問題が大事だろうというふうに思います。そのためには、やはり環境教育、環境学習ということについて、文部科学省としてもきちんとした取り組みをしていきたいというふうに思っております。
 それともう一つは、美しい環境をいかにして保存をしていくのか、あるいは、そういうものをきちんとそれぞれの国民が味わえるようにしていくのかということも我々の役目だろうというふうに思っています。
 以上の諸点について、若干個別にご説明を申し上げたいと思います。
 時間が迫っておりますので簡単でございますけれども、まずは環境科学技術分野における取り組みでございます。これまでIPCC等で日本の科学者、研究者たちが大きな貢献をしてきたということは申すまでもありませんけれども、さらに一層その重要性ということが増してくるだろうというふうに思っております。特に現在取り組んでございます宇宙からの観測、あるいは極域まで進んだところでの観測、あるいは海洋の中での観測と、それぞれ文部科学省はやってございますけれども、それぞれをきちんとした格好で進めていきたいというふうに思っております。特に日本でしか持っていない、そういうツールが幾つもございます。ここに書いてございます陸域の観測技術衛星の「だいち」、これは現在運用中でございますけれども、平成20年の夏季にはGOSAT、これは世界で本当に初めて炭酸ガス、温室効果ガスを実際に観測をできる、そういう衛星でございます。そういう衛星をきちんと打ち上げて運用するということについて、我々の責任というのは大きいと思っておりますが、関係府省の方々とも連絡をとり合いながら、そういうことを進めていきたいというふうに思っております。また、シミュレーションということの重要性ということも年々深まってございます。日本には世界に誇る幾つかのコンピューターの拠点、あるいはハードウエア、そしてソフトウエアというのがそろってございますので、地球シミュレータなどを活用した対策ということを進めていきたいというふうに思っております。また、右の方に書いてございますけれども、若干長期的な観点から、基礎的な研究というのを大学、あるいは研究機関を中心にしながら進めていきたいというふうに思っております。
 次のページでございますけれども、特に国家基幹技術の一つとして海洋地球観測探査システムが取り上げられてございます。宇宙からの観測の仕組み、そして実際の現場での観測、そして海洋、あるいは深海底下についての観測・探査の仕組みがそろえてございます。これまでは、それぞれが残念ながら分散的にデータ収集されてきたわけですけれども、この基幹技術の仕組みの中でデータ統合ということが行われて、それぞれのユーザーに使いやすい格好で提供するということに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 次のページでございます。特に21世紀の今後の気候変動ということがどうなるのか、実際なかなかわからないわけですけれども、我々としては、これまで蓄積をされてきましたいろいろな技術ノウハウ、あるいは地球シミュレーターということを使いまして、高精度に、しかも長期的な観点からの予測ということができるように、これも関係府省とよく連絡をしながら進めている状況でございます。
 次のページでございますけれども、こういうような日本における環境・エネルギー技術というのは、世界にやはり誇るものがあるというふうに思っておりまして、これをアジア諸国に向けてきちんとした情報発信をする、あるいは共同で取り上げるということを進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。こういうことによって、アジアの一員としての日本の役割もきちんと果たせるのではないだろうかというふうに思っています。
 次でございますけれども、先ほど申し上げた、環境に対してきちんとした認識を持つこと、あるいはそういう社会としての取り組みを進めるということのためには、環境の教育ということが極めて大事でございます。学校における環境教育、あるいは社会全体としての教育ということについても、我々、全力を挙げているところでございまして、ここに書いてございます学校教育の中での環境問題の取り組み、あるいは実際に豊かな環境ということを子供のうちに体験をして、その環境の重要さということを実感していただくような仕組み、あるいは社会全体として環境への取り組みを支援する仕組みというようなことを進めてまいりたいというふうに思ってございます。
 最後でございます。これもいろいろなところで言っておられる美しい日本の一つでございますけれども、日本には世界的にも優れた文化財が幾つもございます。環境の分野においてもいろいろなものがございますものですから、それをきちんとした格好で保全をし後世に伝える、そういう取り組みを世界に情報発信をしていくということが大事だろうというふうに思っておりまして、この点についても全力を挙げていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの3省からのご説明に関しまして、ご質問、コメントがございますでしょうか。
 それでは、5人の方で止めさせていただきます。じゃ、こちらからまいりましょうか。石井委員、それから小池委員、須藤委員、それから村上委員ですね。よろしいでしょうか。

○石井委員 環境省に伺いたいんですけれども、要するに最近、安倍首相も国会で、まずは京都議定書の約束を守らなければならないということを再三言っているわけです。それは共通理解としてあると思うんですが、先ほど西村大使もおっしゃったように、現実にどうなのかという見通し、この点について、やはり説得力のある説明が必要ではないか。それがないと、今後の何か枠組みとか長期的なものを語っても何の意味も持たないと思うわけです。そこについてどのような考えをお持ちなのか、ぜひ説明していただきたい。

○鈴木部会長 小池委員。

○小池委員 環境省のご説明で1つお伺いしたいことがあるんです。世界をリードする3Rの技術の日本モデルをアジアの方に発信するというご説明でしたけれども、やはりアジアのいろいろな国というのは非常に多様性に富んでいて、必ずしもトップレベルのリサイクル技術がそれにうまく当てはまるということは多分ないと思うんですね。それで、やはりある程度ローテクでもきちんとそこで機能するということもありますので、余り技術でいろいろなところを全部話をしようというような表現のされ方よりは、むしろいろいろな多様性を尊重したというような見方にされた方がいいのではないかというふうに思うんですけれども。

○鈴木部会長 コメントととらせていただいてよろしいですか。  では、須藤委員。

○須藤委員 それでは、外務省の西村大使にご質問、それから環境省にコメントということで、1つずつやらせていただきます。  西村大使には、以前にも私は同じようなお話を伺って感銘を受けたんですが、友好的に、それから公平に今後の枠組みを作っていくのは当然必要だということなんですが、そのときに、日本の存在感ということが大切だとお話を今いただきました。そのためにも、京都議定書というのは必ず遵守した形で、次の枠組みは当然それが進むんだというふうに私は理解をしているんですが、そういうことでよろしいんでしょうかということです。
 それから、環境省には同じ質問です。14.1%下げていくために、2010年までに2倍の速度をもって対策をやる、強化するというお話なんですが、本当に大丈夫なんでしょうねということと、ぜひそうやっていただかないと、先ほどの西村大使の今後の外交の問題についても、要するにうまくリーダーシップがとれないと、こういうふうに考えますので、それはコメントでもよろしいし、お答えしていただけるんでしたらお答えをしてください。お願いします。

○鈴木部会長 それでは、関澤委員。

○関澤委員 コメントと申しますか意見でございます。先ほどのJFEさんの方のご説明の中にあったと思いますが、西村大使のお話の中に、次期枠組みの中に非常に有効なものが必要だと、こういうふうに言われたんですが、私は、やはりそれは日本の優れた技術だろうと、このように思うわけでございます。日中鉄鋼業環境保全省エネ推進技術交流会というのが先ほどのご説明の中にあったと思いますが、これは日本のトップ企業全部勢ぞろいで行きまして、向こうもトップ企業が全部出てきて、本当に技術を中心とした鉄鋼業界のあらゆる工程の省エネ技術を全部さらけ出して、それで、これをぜひ入れてくれと、こういうことを言って交流をしておるわけでございます。やはりそういった技術を何としてもトランスファーしていくということが大事だろうと、このように思います。現在既に実用化されている環境・省エネ技術を世界に広く普及・移転していけば、地球温暖化問題というのはかなりの部分が一気に解決すると、私はこういうふうに考えておりますので、そういったところに軸を置いたらいかがかというのが1点でございます。余り長くなるといけませんから、1つだけにしておきます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 じゃ、村上委員。

○村上委員 私からも外務省のお話に質問というか、コメントになるかもしれないんですけれども、技術的な協力というのはもちろんものすごく大きな日本の力を発揮するべきところだと思うんですが、もう一つ、途上国の人々に基礎教育をもっと広めて、貧しい暮らしをしているがゆえに環境破壊の担い手になり、また環境破壊の被害者になってしまっている、そういう構造を変えていくためにも、もっと基礎教育を広めていくということ。それから、基礎教育の中にESDという概念を入れていくことというのがとても大切だと思っていて、それこそが持続可能な開発のための教育の10年をヨハネスブルグサミットで日本が提案した国際協力としてのESDという視点だと思うんですね。そういうところで日本は5年間で2,500億円という支援をしていくと小泉さんはおっしゃったわけなんですが、それが今、どういうふうに実現されようとしているのかがなかなか見えてこないということで、ぜひそこの点を、この日本の国際貢献という視点から検討していただきたいと思っております。

○鈴木部会長 ちょっとご質問が少なかったようですから、もうお一方、森本委員。

○森本委員 各省庁からのお話で、割合重複した話が実はあるように思いました。例えば、最後の文科省のお話でいいますと、重要文化的景観等の取り組みがある。環境省さんからは里地里山というのを日本モデルで世界に発信する。例えば、こういうことは各省庁連携でやれば、もっと効果的なことができるんではないかと思うんです。
 それから環境教育に関しても、僕は大学で環境教育関係を担当している身にとってみたら、実は大変不満があるわけです。そういったときに、例えば文科省と環境省、あるいは文科省と農水省とか、あるいは文化庁とか、そういう連携した取り組みというのが大変有効であろうと思うんですけれども、そういった取り組みがなされているのかどうかという、それが質問です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、どうしましょうか。環境省から最初に……。

○南川地球環境局長 環境省地球環境局長、南川でございます。
 まず、京都議定書の目標達成の件でございますが、環境省の資料の4ページの棒グラフのところをご覧いただきたいと思います。端的にご説明申し上げます。ぜひそうしたいということで、当然ながら達成したいということでございますが、まず全体としまして、現在8%オーバーをしております。その中で、森林につきましては予算の確保によりまして3.8%の森林吸収源確保対策を守ろうということでございます。京都メカニズムにつきましても、途上国で行った事業について、そのクレジットを予算で購入するということで1.6%の削減を行いたいと考えているところでございます。残すは8.7%でございますが、これにつきまして、原子力につきましては2002年の不祥事以来の停滞がございます。これをぜひ稼働率をかつての84%程度に上げていただいて、それによって2.3%分の対策としていただくことが必要だと思っております。
 残りは6.4%でございます。これにつきまして、その下に箱がございますので、部門別に何をすべきか申し上げます。まず工場等の産業関係でございますが、現在、産構審、中環審、一緒になりまして行動計画について点検をしております。これを見ております中で、相当深くやっていただく業界、また、まだまだ余地がある業界、さまざまでございます。場合によれば余り手がついていない業界もございますので、こういった行動計画を深掘りいたしまして、ぜひその削減をしていただく必要があると思います。
 それから、自動車につきましては、トップランナー方式によりまして自動車の性能がかなりよくなりましたし、また、最近小型化が進んでおります。ぜひバイオエタノールの導入ということで、その削減を今後早急に図っていきたいと考えております。
 それから、業務用のオフィスビル等、それから家庭もございますけれども、この2つにつきましては、一定規模以上のビル、あるいは家庭につきましては、新築については省エネ法によりましてその対応が行われているところでございます。ただし、新築の、しかも一定規模以上でございまして、ごく数%ということに今普及がとどまっております。やはり古いものであっても、例えば太陽光パネルなどを大規模につけていただく、あるいは二重窓にしていただくとか、あるいは家電製品等についても極力新製品に買い換えていただくと、そういったことをぜひ推奨していく必要があると思っております。
 それから、それ以外に、やはり私ども、クールビズ、ウォームビズといった運動もしております。推計でございますけれども、去年1年間だけで260万キロリットルほどの効果も生まれたということでございまして、これ自身は全体の0.2%前後でございますけれども、やはり一定規模以上の企業の3割程度と役所が参加してそれだけになったわけでございますので、ぜひこれもその数字をどんどん積み上げていきたい。国民運動としてやっていくことが全体の対策も進めることになると考えているところでございます。
 それからあと、アジアのローテクについてございましたが、例えば3Rということでございますと、まだまだ中国等におきましてリサイクルが行われる際には、極めて原始的な形でのリサイクルが行われまして効率も悪うございますし、また労働者の健康影響ということも心配されております。私ども、3Rにつきましての中心に、中国、あるいは東アジアの国々との技術についての意見交換というものを頻繁にやっております。そういった中で、その地域に合った、ローテクに合った対応ということをぜひ広めていきたいと考えております。

○西尾総合環境政策局長 環境教育の連携のお話がございました。もとより環境教育と意欲増進の法律がございます。それに基づきまして、関係6省庁により相談をいたしまして基本方針もつくり、あるいは実際の人材認定というようなことをやっておるわけでございます。ただ、そういうことで連携はしておりますと、こういうことでございますけれども、委員のご指摘は、そういう通り一遍のことではなくて、いろいろそういう事柄につきましてもっと中身を充実して、よりいいものを入れていけと、こういうご指摘だと思いますので、またこれはいろいろ個別に伺って、文科省等関係省庁ともよくご相談していきたいというふうに思います。

○鈴木部会長 それでは、西村大使。

○西村外務省気候変動担当政府代表・地球環境問題担当大使 ありがとうございます。須藤先生から、約束を必ず守るという趣旨ではないかというご確認でございますが、私は個人的には、この問題との関係で、非常に日本の国内の民間の方々もそうでございますし、役所におきましてもそうでございますし、外務省の人間としましては、物すごく巨大な努力をしていただいているというふうに思います。政府全体としましては、政府が約束した国際約束でございますので、今、先生がおっしゃられましたように、日本の存在感といいましょうか、リーダーシップといいましょうか、あるいは私の感じでは、日本の言っていることの信憑性とか、そういったようなことで、次によりよいものを作ろうとすれば、なおさらに日本の言っていることに信憑性を与えなければいけないという観点からしましても、ぜひこれは守っていっていかなければいけないと、私は政府の役人としましては、政府が決めたことでございますのでそう思います。個人的には、巨大な努力をなさっておられる方々のご努力に深く深く敬意を表したいと思います。
 関澤先生の技術の移転が有効だというのは、もう全くそのとおりでございます。この点は広く広く我が国の関係者の中に深く深く理解をされていると思いますし、国際的にも広く理解をされていると思います。この問題について全くコンセンサスに欠けるところはないと正直言って思います。鉄鋼セクター産業におきまして、今おっしゃられましたように非常に大きなことをなさっておられることもよく承知しております。それから、さらに特別に、この問題との関係ではちょっとした幾つかの問題があります。知的財産権の扱いとかにつきましても、かなり障害になり得る問題があるわけでございますけれども、鉄鋼業界におきまして、そういった点につきましても非常に寛大な態度をとっていただいているということも承知しております。ですから、ぜひそういったようなことで技術移転がいろいろ躍動的に進むように、何とか一生懸命努力をしたいと思います。
 環境教育の欠如が環境破壊を生んで、それがまたさらに負の循環を拡大するというのは、おっしゃられるとおりだと、正直言ってそう思います。ですから、教育はもちろん大事だと思いますし、それから、例のノーベル賞を取りましたバングラデシュのあの方がやっておられますような、そのほかいろいろあると思いますけれども、例えばああいうふうにして少しずつ貧困を何とかしていくといったようなことも非常に重要だと思います。教育はもとより非常に重要だと思います。必ずしも私の領分ではないのでございますけれども、今現在、ESDがどういう状況になっているかということを、後で事務的にご説明をさせていただきたいと思います。

○鈴木部会長 文科省の方はよろしいですか。

○田中文部科学省大臣官房政策課長 いろいろ府省連携で一生懸命努めているところでございます。ただ、現場としてぎくしゃくさを感じるというようなことがまだまだおありになるというようなことでございますから、きちんとそういう現場の声ということをお聞きしながら、関係府省の方々とこれからも詰めていきたいというふうに思っております。そういう取り組みは随分やっておりますけれども、まだまだ現場では難しいということを今日お聞きしましたし、我々もそう承知いたしましたので、特にこの点について頭に入れて進めていきたいというふうに思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 特に府省連携に関しましては、やはり環境問題に関しまして非常に多くのところにかかわっているわけですので、今後とも多様な面で潤滑に進めていくことが必要だと思います。
 それでは、時間も押しておりますので、第2部の方に入らせていただきたいと思います。農林水産省と、それから経済産業省、国土交通省にお願いいたします。
 では、まず農林水産省の方から末松課長、お願いいたします。

○末松農林水産省大臣官房環境政策課長 農林水産省でございます。  お手元に資料がございます。ページをめくっていただきまして、1ページのところに農林水産省における環境政策の取り組みと展開方向と書いてございます。真ん中のところを見ていただきたいんですが、今後の展開方向ということで、私たちは地球環境対策、地球温暖化対策の強化、それから生物多様性の保全の推進ということを進める中で、再生可能であり、また我が国の自然の恵みで再生されるバイオマス資源の活用というのを一つのキーワードとして取り組みを進めてまいりたいと考えております。バイオマスの利活用については、風力ですとか太陽光ですとか水力ですとか、そういう自然エネルギーと同じようにカーボンニュートラルという性格がございまして、また日本で活用できる資源だというふうに考えております。
 ページをめくっていただきまして、3ページを見ていただけますでしょうか。
 そういう中での国産バイオマスの利用拡大と世界最先端の技術でバイオマス先進国へということでございます。我が国、石油とか鉄鉱石とか、そういう資源については少ないということが言われますが、バイオマスについては、まだまだ使えるバイオマス資源というのはあるというふうに考えております。国産のバイオマスの利用をさらに加速化するということが大切だと思っています。また、このバイオマスの活用に際しては、できるだけ地域のバイオマスを地域で利用するという地産地消的なことの方が、さらに環境に優しいバイオマス利用ということだと考えております。したがいまして、下の方にございますが、バイオマスは薄く広く存在しておりますので、変換施設は小さな規模で分散するというようなことを考え、また、そういう技術を開発して、世界の土地資源の効率的な利用ということにも貢献していきたいというふうに考えております。
 ページをめくっていただきまして、4ページでございます。
 国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けてということで書いてございます。先月27日に安倍総理のところに、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けての工程表というのをご説明いたしました。技術開発がなされれば、2030年ごろには国産バイオ燃料の大幅な生産拡大が可能であるということでございます。これは農林水産省と経済産業省、環境省、国土交通省、文部科学省、関係省庁と一緒に検討させていただいたということでございます。
 そのポイントでございますが、やはり技術開発があればできるということでございまして、3点ございます。
 下からいきますと、エタノール変換効率の向上ということで、今までは糖分とかデンプン質からエタノールを作るということでございましたが、それを稲わらや間伐材などからもきちんと作るということができるようになると、見える範囲の資源というのが非常に増えるということでございます。
 それから、エタノールを大量に生産できる作物の開発というのも重要だということでございます。これまで我が国は、おいしい農産物、高付加価値をつけるために、できるだけ品質のいいものを少なく、手間をかけて作るということでございまして、食料生産についてはそれでいいわけでございますが、エタノールとかこういうものについては、逆に大量に生産できる、コストをかけない、そういうことの技術開発もしていく必要があるということでございます。
 あと、[1]のところにありますように、日本で一番これから課題になりますのが、山から木を安く卸すとか、稲わらを効率よく集めるとか、そういう収集・運搬コストの低減だと考えております。そういうことがきちんとできると、2030年ごろは大幅な生産拡大、農林水産省の試算だと600万キロリットルということができるのではないかということでございまして、関係省庁とともに研究開発とか制度の検討とか、そういうことを進めていきたいと考えております。
 これについて1点ございますのは、食料の自給率とかが低い中でバイオ燃料ということなんですが、ほかの産業もそうだと思いますが、農業においても技術を人に伝えていくということが将来に向かって非常に大切でございます。農業は、それに加えて農地を維持していくということが非常に重要でございまして、きちんと維持した上で、いざというときにも備えるということのためにこういうことを進めていきたいと思っております。
 一方、大幅な生産拡大ができる前の直近のことでございますが、大幅な技術開発ができるまで何もしないというわけにはいかないと思いますので、現在においてもサトウキビの糖蜜ですとかデンプン質、北海道のテンサイとか規格外の小麦とか、そういうものを活用して、頑張ってバイオ燃料の生産を始めたいというふうに考えております。ただ、なかなかこれは実際は苦戦しておりまして、どうしても日本で作るということには、いろいろなコストが高い要因、販売先がいい値段でうまくいかないというのがありますが、技術開発ができるまで何もしなくて、2030年ごろいきなりバイオマスが利活用できるということにはなりませんので、今からできることを進めていきたいというふうに考えております。
 それから、5ページのところにバイオマスタウンという話があります。これも関連省庁と一緒にバイオマスタウンという制度を作ってございます。見ていただきますとわかりますが、家畜の排せつ物ですとか農作物の残渣とか、地域にはいろいろなバイオマス資源があります。日本全体で見ますと、食料の自給率もエネルギーの自給率も非常に低うございますが、地域においてはこういう資源を活用することによって自給率を上げていくこともできると思います。BDFの利用ですとか木質バイオマスの利用ですとかメタンガスの利用ということで、地域によって、その地域の特徴を生かしたユニークな取り組みがだんだんできているということでございまして、こういうことを支援していきたいと思っています。しかし、実際はこういう取り組みも苦戦しているところがございまして、日本における農地がそれほどないということで、メタン発酵ですと、その消化液をどこに流したらいいのかという話ですとか、または、せっかくできたエネルギー、電力とか、そういうガスをどういうふうに売ったらいいのかというようなことで、なかなか苦戦しているというのが実態でございます。
 今度は、ページをめくっていただきまして7ページを見ていただけますでしょうか。
 生物多様性保全に向けた課題ということでございまして、我が国、森林、里地里山、里海、海洋、いろいろなことがございます。今、里地里山の話が出ましたが、耕作放棄地の増加というようなことによって特有の自然環境というのが荒廃していくという現状があります。それから、これは農業活動がなされないことによっての問題なんですが、当然農業活動も悪いことをしている場合がございまして、農薬・肥料の不適切な使用など、農業生産活動による多様な動植物の生育環境の減少というのがあります。こういうことをきちんと踏まえて、これから対応していきたいということを考えております。
 それの対応の方法というのは8ページのところに書いてございますが、ちょっと時間の関係で次に行って、9ページを見ていただけますでしょうか。美しい森林づくりということでございます。
 先ほどからお話がありますように、森林吸収源というのは、京都議定書森林吸収目標1,300万炭素トンの達成をするために非常に重要でございまして、このために美しい森づくり推進運動というのを進めていきたいというふうに考えております。
 具体的な内容ですが、11ページを見ていただきますと、森林を美しくするための国民運動ということで、国産材利用を通じた適切な森林整備ですとか、森林を支える生き生きとした担い手・地域づくりですとか、都市住民、企業など幅広い森林づくりへの参画などを総合的に推進していきたいと思います。特に今、不在の森林の所有者の方とか、そういう方もいらっしゃって、いろいろなことをこれから進めていくことが効果があるんではないかと思います。
 以下、参考資料がございますが、地球温暖化は日本の農業にいろいろな影響を及ぼすということで、1ページのところに水稲への影響とあります。暖かくなればプラスもあるとかいう話もあるんですが、実際、今の水稲にしても田んぼにしても、かんがい排水とか、そういういろいろな投資は、今の気候、今の気温を前提にして行っていますので、気候変動が日本の農業に及ぼす影響というのは甚大なものがあると考えておりまして、地球温暖化にはもう真剣に対応していかなくてはいけないと考えております。
 どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、続きまして経済産業省、伊藤審議官、お願いいたします。

○伊藤経済産業省大臣官房審議官 経済産業省でございます。
 お手元の資料8、環境政策の現状と課題という資料に基づきまして、経済産業省の環境関係の取り組みについてご説明したいと思います。時間の関係もございますし、既に触れられた論点もございますので、そうしたところは省かせていただきます。
 まず1ページ目でございますが、私どもの政策の基本的方向の第1は環境と経済の両立でございます。今後日本が直面をするさまざまな国民生活上の課題を解決するためにも、やはり持続的な成長を維持していくことが必要です。雇用問題に対応する観点からも、しっかりとした産業ベースというものを国に持つことが重要であると思います。そうした中で、いかに環境制約に対応していくかというところが最も難しい課題であると認識しております。
 他方、環境制約は、見方を変えますと、我が国の優れた環境省エネ技術を活用するということで初めて解決できることであり、かつ、その取り組みが日本の国際競争力の強化にも貢献をするというふうに考えております。私どもの課題は、まさに環境と経済の両立ということを、言葉だけではなく経済のあらゆる面において、具体的にどういうふうに施策として展開するのかということであると認識しております。その辺はまた後ほど触れさせていただきますが、その最大の鍵になるのは、やはり革新的な技術の開発であると認識しておりますし、これは単に技術だけではなくて、それを使って社会構造をどのように改革をしていくかという経営ビジネス、あるいは社会システムの改革と連動したものであると認識をしております。
 2番目の政策の方向でございますが、国際貢献でございます。これについては、京都議定書、それからアジアにおける環境協力ということで、皆様お触れになっていらっしゃいますので省略させていただきます。
 それから、3ページ目は、これも先ほど谷津さんの方からご紹介がございましたので省略させていただきます。
 4ページ目にございますとおり、現在の目達計画に基づいて、関係省庁、なかんずく環境省と連携をして一生懸命取り組んでおります。それから、京都メカニズム、先ほど谷津さんの方から1.6%というご紹介がございましたが、このシステムも現実に動き始めております。そうした中で今後の課題がどこにあるかということでございますが、やはり一言で申し上げれば、業務の部門については、左の表にある医療保健、教育研究ということではないかと思っております。また、家庭部門では、ここにあります暖房、冷房、照明ということでございます。これは、大変世帯数が多い中で砂を積むような感じもあるわけですけれども、ただ、皆さんが1つ白熱電灯を蛍光灯にかえるだけで非常に大きな効果が出てまいります。また、冷房温度、暖房温度を1度変えるだけで非常に大きな効果が出てきます。こうしたものをまさに国民にはっきりと問いかけていくというプロセスを、関係省庁と連携をとりながら進めていきたいというふうに考えております。
 それから、5ページ目が産業界の自主行動計画でございます。これも先ほどの企業のご説明の中にありましたので省略をさせていただきますが、まだこれだけではさらなる努力が必要であると思っております。下にございますとおり、目標達成業種などに対する目標引き上げの促進、それから、業務部門対策の重要性に鑑み自主行動計画のサービス部門への適用拡大ということを、関係省庁と連携をして進めていきたいと思っております。
 それから、6ページ目は省エネルギー対策でございます。これについて1点だけご紹介をさせていただきますと、省エネ法に基づく措置という2番目でございますが、先ほどもご紹介がありましたトップランナー方式による機器の効率の向上と、この省エネの取り組みということについては、欧米を含め世界で大変高く評価をされている次第でございます。注にもございますが、例えば電気冷蔵庫をとりますと、この5年間で実に55%、エネルギー効率が改善をしているということでございます。
 それから、7ページ目でございます。
 ここも新エネルギー対策の推進ということで、さまざまな新技術の研究開発・導入、それからRPSという形での電力を通じた新エネルギーの導入普及という制度を積極的に進めているところでございます。
 それから、8ページ目でございますが、当然のことながら、安全性に十分配慮しつつ、環境対策として原子力をやはり推進していく必要があるというふうに認識をしております。先ほども南川局長からありましたとおり、安全を十分確保しながら稼働率を上げていくという取り組みから、地球温暖化に大きく貢献をしていきたいと考えている次第でございます。
 9ページ目でございます。
 ここはグラフをファクツとしてご紹介するにとどめたいと思いますが、左側の円グラフにございますとおり、世界全体のCOの排出量の22%はアメリカが占めております。中国は18%を占めております。この両カ国は、現在の京都議定書では義務を負っておりません。ちなみに日本は5%でございます。そういう状況で、右にございますが、日本、EU等の義務を負っている国が完全に義務を達成した場合でも、1990年比でマイナス2%しか世界の排出量は減りません。その一方で、離脱をした米・豪、さらには義務を負っていない途上国の排出が多い中で、結果として2010年時点で地球全体では4割、COの排出量が増えているというのが現状でございます。
 こうした中で、10ページ目でございますけれども、私どもの基本的認識は、次期枠組みについては、米国、中国、インド等すべての主要排出国が参加し、その能力に応じた最大限の削減努力を促すべきであること、削減目標は、これまでの各国によるエネルギー効率改善の努力を反映した公平なものであるべきことというふうに考えております。産業界も必要な貢献をすることについては全く異論はないと思います。要は、正直者がばかを見ない枠組みを作ってほしいということではないかと認識をしております。これを中長期的に解決するためには、やはり抜本的な技術革新が必要であると思います。同時に、知財等の問題はございますが、積極的に途上国に日本の強みである省エネ技術等を移転していくことが必要であるというふうに思っております。
 こうした取り組みを実践する場としてAPP、下にございますが、6カ国で構成されている枠組みを推進しております。国の数が少のうございますけれども、下にございますとおり、世界の総排出量の約5割を占める枠組みでございます。こういう中で、先ほども委員からご指摘がございましたが、多様性を認識しつつ、まずは自分たちで何ができるかというメルクマールをつくり、ベストプラクティスを抽出し、それに沿って各国が自らできるところをエンカレッジしていく。そして、みんなでそれを評価をしていく。またさらにエンカレッジをしていくという枠組みを実践をしていきたいというふうに考えております。
 11ページは技術革新の重要性を書いたものでございますので、省略させていただきます。
 12ページ以降は、若干論点が変わりますが、いわゆる3Rの推進でございます。これにつきましては、13ページをお開きいただきたいと存じますけれども、今後の3R推進というものは、単に下流部門の、いわゆる使用が済んだものをどうリサイクルするかということではなくて、最初に製品を設計する段階から、さらにはそれを製造する段階まで視野に入れた一気通貫の政策を考えていかなければならないと考えております。例えば、製造段階でも、日本の産業界というのは、非常に部品なり製品をすばらしいものに仕上げるという点では優れているわけでございますけれども、それを製造する段階でできるだけ端材等を出さないような、新しい製造技術における革新というのが必要ではないかと思います。まさに少ないエネルギー、少ない資源ですばらしいものをたくさん作っていくという、中長期的には産業構造のあり方を変えていくという視点も必要ではないかというふうに認識をしております。
 それから、13ページ目の下でございますが、国際的視点が重要であるということでございます。
 それから、14ページ目は、私どもが取り組んでいる一つの大きな柱でございますが、公害防止対策の推進でございます。国内のさまざまな問題について環境コンプライアンスを強めていくと同時に、これは、環境問題に悩んでいるアジアの国々についての、まさに先行事例として大変注目をされております。アジアへの協力の一つの柱としても位置づけていきたいと思っております。
 最後になりますけれども、化学物質管理でございます。先ほども委員からご指摘ございましたとおり、RoHS、あるいはREACHという国際的な動きがある中で、いかに国際的なハーモナイゼーションをしていくか。これもEU型、日本型、それぞれプラスマイナスがございます。そういう中でアジアの国々と連携しながら、できれば日本がイニシアチブをとりながら国際的なハーモナイゼーションを進めていきたいと思っております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、国土交通省、福本次長、お願いいたします。

○福本国土交通省総合政策局次長 国土交通省でございます。
 お手元の資料9によりまして、国土交通省の環境施策についてご説明申し上げます。右下にページ数を打ってございますので、ご参照いただきたいと思います。  1ページでございます。
 国土交通省は、平成16年6月に策定をいたしました環境行動計画に基づきまして、環境の保全・再生・創造といったものが国土交通行政の本来的使命であるときちんと位置づけをいたしまして、行政のあらゆる局面におきまして環境負荷の低減に努めておるところでございます。
 2ページでございます。
 本日は、地球温暖化対策、それから自然環境の保全、循環型社会構築と、この3分野におきます私どもの取り組みにつきましてご説明申し上げます。
 3ページ、地球温暖化対策でございます。
 4ページ、先ほどもございましたが、部門別の二酸化炭素の排出量に関しまして、運輸部門、それから住宅・建築物が関係いたします業務部門及び家庭部門というものを私どもは主に担当をいたしておるということでございます。2005年の速報値を見ますと、いずれも大幅増という状況になってございます。
 5ページでございますが、その中で運輸部門につきましては、先ほどもご紹介がございましたが、2001年度をピークに減少傾向に転じてはございますが、2010年度の目標達成に向けまして、さらなる対策の実施というものが求められておるというところでございます。
 6ページでございます。
 私どもの地球温暖化対策は、運輸部門、それから住宅・建築物を含みます民生部門等の、いわゆるそういった削減対策とあわせまして、吸収源対策といったものもやってございます。
 7ページでございます。
 初めに、自動車の単体対策でございますが、エコドライブの推進といったもののほか、大型トラックにつきましてスピードリミッターを装着をさせるといったようなこと、あるいは自動車グリーン税制や次世代の低公害車の導入促進と、こういったことで推進をいたしてございます。さらに、バイオ燃料につきましても、E10対応の自動車の技術基準の整備といったことで、その推進に努めておるというところでございます。
 それから、8ページでございます。
 中でも自動車につきましては、トップランナー基準による自動車の燃費改善、これを強力に進めておるところでございます。1999年に導入いたしましたこの基準では、もう既に22%の燃費改善が達成されております。さらに2005年度末には経産省さんと共同で、世界で初めて、いわゆる重量車の燃費基準というものを策定をいたしまして、2015年度には約12%の燃費改善が図られるものと期待をいたしております。さらに、この7月を目標にいたしておりますが、乗用車につきまして2015年度を目標といたしました厳しい燃費基準を導入をいたす予定でございます。23.5%という燃費改善を予定をいたしておるところでございます。
 それから、9ページでございますが、燃費だけではございませんで、自動車の排ガスをクリーンにするということにつきましても、世界で最も厳しい排ガス基準というものを導入をいたしております。今後ともその推進に努めてまいるところでございます。
 11ページでございますが、物流につきましては、その効率化に取り組んでおりまして、荷主企業と物流事業者が連携・協働してCO削減に取り組む場としてのグリーン物流パートナーシップ会議と、こういったものを運用いたしておりまして、モーダルシフト等の環境負荷の小さい物流の構築を目指しておるところでございます。
 12ページでございますが、船舶につきましても自動車と同様に、いわゆる燃費基準というものを設定をしたいということで勉強いたしておるところでございます。
 それから、13ページでございますが、公共交通機関の利用促進ということで、先般開業いたしましたつくばエクスプレスのような鉄道新線の整備でございましたり、右の方に写真をつけてございますが、鉄道とバスが対面で乗りかえができるといったような乗り継ぎの利便性の向上と、こういうようなことで公共交通機関の利用促進、さらには自家用自動車からの転換というものを図ってまいるところでございます。さらには、通勤バスを導入いたして、職場での通勤手段に関するコミュニケーション等を通じまして従業員の方々の通勤手段をマイカーから公共交通機関へ転換をしていただくというような、通勤交通マネジメントというようなことも実施をいたしておるところでございます。
 14ページでございますが、省エネ法の改正関係でございます。18年4月からもう既に導入されておりますが、運送事業者に対します省エネ計画の作成、あるいはエネルギー使用量の報告の義務づけというものは、世界的にも全く新しい仕組みでございますが、さらに今年からは荷主の方々にもそういう計画の策定等が義務づけられるということで、荷主と輸送業者がタイアップをいたしまして大幅なエネルギー使用の効率を図っていこうと、こういう取り組みを進めておるというところでございます。
 それから、16ページでございますが、同じく省エネ法でございます。住宅・建築物分野につきましても昨年の4月から義務づけられてございますけれども、外壁、あるいは窓の断熱化といったような省エネ措置の届け出の義務づけといったようなものを一定の共同住宅に拡大をするということをやっておりまして、住宅の省エネ性能の向上を図っておるところでございます。
 それから、17ページでございますが、その辺をきちんと評価をするという意味で、建築の分野におきまして産・官・学の連携をいただきまして、建築物の総合的な環境性能をわかりやすく評価、あるいは表示するという手法の開発を取り組んでおるということでございます。
 それから、飛びまして19ページをご覧いただきますと、都市緑化等でございますが、大変その重要性を私どもは認識をいたしてございまして、国民一人一人の行動から政府による支援施策まで、多様な主体による幅広い取り組みが必要ではないかということで、大都市部での森づくりといったようなことの国民運動の展開に取り組んでおるところでございます。
 20ページでございます。
 交通環境分野における国際連携につきまして、これまでG8、あるいはCOP/MOP等のグローバルな取り組み、枠組みの中で進めてまいっておりますが、それ以外の場合でもいろいろな形で取り組んでおりまして、今後とも諸外国との連携というものをさらに深めてまいりたいと思っております。
 それから、細かい話で21ページでございますが、船舶版アイドリングストップの推進といったようなことです。ご案内のとおり、自動車は今、アイドリングストップ運動というようなことで、信号等で止まりますときにエンジンを止めるわけでございますが、船につきましても、いわばエンジンを止めて陸電を取るというようなことを義務づけるというような方向で、今検討を進めておるということでございます。
 それから、23ページでございますが、地球温暖化の観測・監視ということで、私どもは気象庁を抱えておりますので、十分な観測・監視体制をとってまいりたいということでございます。
 それから、24ページで、環境的に持続可能な交通(EST)ということで、これは環境省さんと進めておる事業のご紹介でございます。
 それから、25ページで、今国会に、私どもは地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案というものを提出いたしてございまして、関係者との連携のもとに地域の公共交通の活性化を図るということで、地域の環境負荷の低減というものを、これも環境省さんとご一緒に進めてまいるということでございます。
 それから、28ページが良好な自然環境の保全等々でございます。
 29ページをご覧いただきますと、都市内の緑地・里地里山の保全再生を図ってまいりたい、あるいは30ページでございますが、自然と共生する社会の実現に向けた河川・海岸における取り組み、こういった細かい取り組みも進めております。同様に、海あるいは河川の周辺での藻場とか干潟、こんなものの再生・創出、あるいは32ページでございますが、海洋汚染対策といったようなものを進めてございます。
 それから、33ページ、水・物質循環システムの健全化プログラムを推進して、水問題の解消といったようなことにも取り組んでおります。
 同様に、36ページでございますが、先ほどもご紹介いただきました世界水フォーラムの開催等々、国際的な連携も図っておるところでございます。
 それから、38ページでございますが、環境教育ということで、私どももこういう細かな施策に取り組んでおるところでございます。
 それから、39ページでございますが、最後に循環型社会構築のための私どもの取り組みということで、建設副産物のリサイクルと、こういうものを進めております。
 41ページでございますが、その簡単なご説明をしております。現在、さらにこの対策を進めるべく、私どもの審議会の方でご議論をいただいております。
 それから、43ページに飛びますが、下水道施設を活用いたしました資源エネルギー循環システムというものを構築してまいりたい。さらには、国内・国際における循環資源物流システム、こういうものを構築して、我が国だけではなく、やはり諸外国との循環を図ってまいろうと、こういった取り組みでございます。
 以上、ちょっと駆け足で申しわけございません。雑駁な資料で申しわけございませんが、ご説明でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 時間的なスケジュールが大変タイトで申しわけありませんでしたが、第2部の3省からのご説明に関しましてご質問、あるいはコメントがございましたら──じゃ、そこまでにいたしましょう。上路委員の方から。

○上路委員 各省庁でのいろいろな取り組みを見せていただきました。特に国土交通省なんかは、非常に私たちの生活に密着するようないろいろな取り組みをやられているのがわかりました。だけれども、私が一市民として見た場合に、こういう取り組みがどういう形で行われているというのが、我々のところに伝わってきていないんじゃないかと思いました。そうすると、環境問題を考えるとき、やはり国民がみんなで協力して環境問題に対して対応しようとする場合に、施策が十分に伝わらないというところが一番の大きな問題じゃないかなという……。せっかくやっていても、どういうふうに伝えたらいいのかということに、どんなご努力をしているのかというのをお願いしたいと思います。

○鈴木部会長 小池委員。

○小池委員 今のコメントとも関係するんですが、各中央省庁でいろいろな環境に関する施策をやられているのはよくわかるんですけれども、実際にそれをいろいろな東京とかそれぞれのところでやるときに、基本的に地方公共団体がやはりかなり大事な役割を果たしていると思うんです。こういう中央の施策と地方公共団体との関係は、一体どういうふうになっているかというもののご説明を、どなたかにしていただければありがたいんですけれども。

○鈴木部会長 小澤委員。

○小澤委員 2つの省庁にお願いしたいと思います。
 1つは農林水産省さんですね。新しいバイオ燃料等々は、それはそれでわかるんですが、技術的にできることと、それから、やはりまた環境へのマイナスですね。特にエタノールの場合は水の処理の問題等々がありますけれども、新たな負の遺産を巻き起こすということもあり得るかなと思いますので、そういったあたりがどういうふうに配慮されているのかなということ。それとまた、日本国内でできないと、結局海外のエタノールに依存するわけですね。そうすると、新たな別の国で今と同じ構造を引き起こすのではないかということ。
 それから、日本での自給率が、非常に食料自給率等々も低いんですけれども、森のことについてだけちょっと今回伺いたいと思います。やはり農林従事者がいないんですね。減ってきているわけですから、そういう雇用、若者をどういうふうに育てていくのか。森林インストラクターですかね、森林教育をやっていらっしゃいますけれども、それが本当にこういった温暖化問題に追いついていくのかどうなのかというあたりが懸念されます。
 それから、国交省さんにつきましては、今日も午前中やってきましたので、私も社会資本整備審議会の委員をやっておりますので見えるところはあるんですが、1つ根本的なことです。例えば交通問題等々、地域公共交通の活性化、あるいはヒートアイランドの問題があるんですが、これだけ東京に一極集中することの弊害が出てくるのではないかと、根本的な問題として私はとらえているんですね。やはり地方もバランスよく活性化してこそ温暖化問題に対応できるのではないかと思うんですが、どうしてもまだ首都圏に集中してくる。そうすると、ほかが疲弊しちゃって、そして地方の公共交通がやはり経済的に成り立っていかないという悪の循環も招きかねないので、その辺の都市再生のあり方みたいなところが、どうもまだ私にも見えてくるのが一極集中過ぎないかということで、これは大きな検討課題かと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 須藤委員。

○須藤委員 まず農林水産省にお伺いします。バイオ燃料がこれからのエネルギーの一つの決め手になっていくというのには私も同感なんですが、その中でバイオマスタウン構想があって、300ぐらいを指定するということで、これ、あまり進んでいないように受けとめているんですが、その見通しをもう少しお伺いしたいと思います。それが1点目。
 2点目は国土交通省ですね。モーダルシフトとか公共交通機関の利用というのは目標達成計画にも入っていますよね。それなのにもかかわらず、これもほとんど進んでいないのではないかと、こう思うんですが、その辺の見通しについてお伺いしたいと思います。  以上です。

○鈴木部会長 関澤委員。

○関澤委員 先ほど経産省さんの方からちょっと話が出ましたので、私もちょっと言い足りなかった点を申し上げたいと思うんですが、1つは、やはり革新的な技術開発でございます。これはやはり技術のトランスファーと申し上げましたけれども、それと同時に並行して、中長期的な観点から、やはり革新的な技術開発について、懸命に今からもう取り組んでいく必要があるんだろうと思います。これは鉄鋼業界に国際鉄鋼協会というのがありまして、そこでIISI・COブレークスループログラムというのがあって、これは実は世界で今一緒になって協力して──例えば日本は今、水素製造、あるいはCCSとか、ヨーロッパの方は高炉ガスの回収だとか循環だとか、そういういろいろなことをやっておるわけでございますが、ぜひこれは要望としては、やはり先進国間でこういう技術については協力して、徹底的に開発を今から進めていただきたい。これは相当時間がかかるわけだと思いますので、今から進める必要があるだろうと、このように思います。
 それから、もう一つお願いは民生関係でございますが、これは文科省さんなのか、各省庁がぜひ一致協力して進めていただきたいのが、やはり国民運動でございます。民生に対する国民運動。これ、実は産業界としても、こういったことをぜひ進めなければいかんということで、例えば鉄鋼業界なら鉄鋼業界の中で何ができるか。環境家計簿だ何だって一生懸命やっておるんですが、これ、各業種の話を聞きますと、みんなばらばらというか、いろいろそれぞれの考え方でやっておるわけでございます。これ、今非常に産業界の方も機運がございますので、ぜひこれは政府の方でリーダーシップを発揮していただいて、こういうことをやろうじゃないかと国民運動として盛り上げていただきたいと、こういうことをお願いしておきたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 中村委員。

○中村委員 まず農水省の方に、先ほど農地維持の──もちろんこれが一番大事だとはいえ、今、郊外と都市との間の関係というものについてお聞きしたいんですが、郊外の農地がどんどん荒れていることとか、後継者が不足して未利用農地が多くなっているとか、そういう問題があると思います。それに対して都市の人たちが、例えばクラインガルテンだとかエコビレッジだとか、そういう形で農地を利用しようとしても、それは農地法の関係でできない。かなり問題が多い、難しい問題があるということがありますので、この辺について今後どう考えるかをお聞きしたいと思います。
 もう一点、国土交通省の方で、やはり民生部門の一番重要なところを国土交通省が担っているわけですが、この15、16ページのところでは、この辺の方策では大分不十分ではないかという気がいたします。そういう基準を強化するということと、強化するのもまだまだ不十分だというふうにも思いますし、さらにインセンティブを与えるということとのバランスをどう作るのかということを今後どう考えられるのかをお聞きしたいと思います。

○鈴木部会長 廣野委員。

○廣野委員 私から2つあります。これはどちらも経産省の方に対する質問です。
 まず第1は、10ページのところで、次期枠組みに不可欠な要件ということで2つ掲げてあります。ぜひお聞きしたいのは、ちょうど今、外務省の方が帰っちゃったからちょっとあれですけれども、2012年以降のこの枠組みに関する──これは中国を考えているんですけれども、中国自身は2012年以降について、かなり柔軟な考え方を持っているというのを私は聞いております。そのとき柔軟な考え方を満たすための中国の要件というのは、基本的に中国の国内の地方自治体、それから中国の中の国営企業を含めてですが、特に民間企業、こういうものが必ずしもこれに対して積極的に対応してこないということで、それに対する何らかの格好の、例えば日本を含めて先進国、そういう国の支援があれば、やはり中国自身も2012年以降においては、拘束力を持ったこういうものに対してはかなり柔軟に考えているということを私も聞いております。そういうことで、そういう面で2008年から新規の円借款がなくなるわけですね。そういう中で、この問題について経産省がどう考えているのか、これをぜひお聞きしたい。これが第1点。
 それから、第2点ですけれども、やはり経産省の方で、その次の11ページのところに革新的技術開発の推進という中で3つのことを書いてあります。それで、特に社会システムの改革というところ、これについて特に言及がなかったんです。この点について、もちろん言及していただければありがたいんですけれども、一言だけちょっと申し上げたいんです。これは鈴木部会長さんに対する質問かもしれませんけれども、この問題については、実は財務省が物すごく関係してくるんですね。今回、財務省の方はだれも出ていないんですけれども、それはなぜかといいますと、今日の新聞でもご存じのように、日本の現在の数字を見ると、こういう数字が書いてあるんですね。現在、日本で2億円以上の所得のある方が株の売買によって昨年得た利益が1兆2,000億円と、こういう数字が出てくる。株の売買だけですね。その方々は2,000人だそうです。それから、100億円以上の所得があった方、7人なんですけれども、その方によるところの株の売買で得た利益が2,800億円と、これは昨年1年間の株の売買の利益だけですね。こういう膨大なお金を今、富を持っている皆さん方は生んでいるんですね。アメリカの場合ですと、これがコーポレート・ファウンデーションという格好で、ファウンデーションがどんどんできていって、企業がそういう格好で、例えばビジネスの面、ビル・ゲイツとかロックフェラーもそうですが、そういう方がどんどんファウンデーションを作っていって、それがかなりこういう問題に大きな貢献をしているんですね。だから、日本でもやはりそういうことを社会システムで考えてやらないと、単なる技術を開発するだけ、あるいはビジネスモデルを作るだけではだめじゃないかと。だから、そういう点について、もし何かお考えがあったらお願いします。

○鈴木部会長 村上委員。

○村上委員 経済産業省さんにお伺いしたいと思います。資料の7ページと8ページなんですけれども、地球温暖化に対応する努力として新エネルギーの推進と原子力の推進の両方が挙がっています。私は個人的に、ぜひこの7ページの新エネルギーの推進の方にたくさん力を注いでいただきたいと考える立場の者なんですが、実際にはどれぐらいの力配分でこれらを促進されているのかというのを知りたいと思います。具体的には、ここに書かれてある促進の対策に対して、それぞれどれぐらいの予算が使われているのか。特に8ページの立地推進のための予算などはかなり膨大だと耳にするんですが、全然現状を私は存じ上げませんので、7ページと8ページの力配分について、ぜひお教えいただきたいと思います。

○鈴木部会長 多様なご質問が出まして、各省に対するご質問というよりは政治の方の問題もあろうかと思いますが、お答えいただける範囲でお願いいたします。

○末松農林水産省大臣官房環境政策課長 じゃ、まず農林水産省の方からお答えさせていただきます。
 新しいバイオ燃料を作るということについては、今、開発すべき技術を整理して、これから実際に作ってみるということでございますが、当然、そのマイナスの面がないように進めていくとともに、そういうことでマイナスであれば、進めていくのを途中で見合わせるということにもなるんだと思います。私たちは、国内でのバイオマス資源がまだまだ活用できるということで、こういうこと──国内のバイオマス資源はまだまだ活用できるというのは農水省だけが言っているのではなくて、関係省庁みんなで活用していこうということになっております。
 それから、海外での活用でございますが、当然今、バイオ燃料は世界各地でつくられておるわけでございまして、そういう中で、日本で環境にさらに負荷のない技術とか、そういうものを海外にも貢献するということはあり得ると思いますが、それが海外の環境をさらに悪くする方向で行くというようなことは避けなくてはいけないと思っております。  それから、森の話でございます。緑の雇用とか、いろいろな森林の雇用に対する政策はとっているところでございますが、今まで基本的に林業が余り盛んでなかったこと、それから、間伐等をするための費用が出る場所がなかったということで、なかなか技術者がいないという状況でございました。今、森林インストラクター、先生がお話になったことを含め、森林での雇用、森林で働いていただく方々に働きかけとかというのをしておりまして、結構反応はいいということでございますが、今回、また補正とかで間伐等の事業ができましたので、そういうものをうまく活用して、森できちんと仕事があって、またそれで生活できるような仕組みを早く作っていきたいというふうに考えております。間に合うのかということについては、頑張って急ぎたいということでお答えさせていただきたいと思います。
 それから、バイオマスタウンでございますが、今、300を目標ということでございまして、現在は65でございます。先月も5つほど増えました。始めてから市町村の方々の関心は非常に高いと私たちは思っているんですが、一方で全く関心のない地域とかも地域的にありまして、これからこういうことで地域ごとにバイオマス事業に生かしていただくということを、いろいろご説明させていただきたいと思っております。
 それから、都会の人々が郊外の農地を使っていただくということは、都市・農村の対流・共生ということで非常に重要だということで、そのための施策は進めているつもりでございます。農地法の規制につきましては、今、都市の方々が郊外で農業体験ができるというようなことについては配慮しているつもりでございますが、さらに配慮していくべきことについては配慮していきたいと考えております。ただ、今逆に問題になっておりますのが、そういう名を借りて農地が単なる資材置き場になりましたり、一旦荒れたりいろいろなものができたものが原状回復がなかなか難しいという点がございますので、そういうところも配慮しながら、本来の意味で都市の人々が農村・農地をうまく活用して、安らぎとかいろいろなものを得ていただくようなために何が必要かをさらに検討したいと思っています。
 以上でございます。

○鈴木部会長 では経産省、どうぞ。

○伊藤経済産業省大臣官房審議官 経済産業省でございます。
 まず、枠組み交渉においての中国でございますけれども、私どもの実感を申し上げれば、環境という切り口で中国と話をすると、やはり依然として堅い。ただ、その一方で、中国のまさに産業界、あるいは地元というのは、エネルギーのセキュリティーの問題ということを非常に深刻な問題として受けとめているので、エネルギーという切り口に対しては、ある意味で非常に真剣に聞いてくれる。そういう意味で、先般もエネルギー効率の向上ということについては自らプレッジをするというところまで来ているのではないかと思っております。G8のプロセスでも、2005年のブレア首相がホストをした回から、エネルギーと環境というのは表裏一体であるということでございますので、この点、外務省とよく連携をして、両面から取り組んでいきたいというふうに思っております。
 それから、革新的技術開発の中での社会システムをどうするかということでございます。ここに挙げられている例ではないですけれども、わかりやすい例を1つ申し上げると、今、自動車分野で最も期待があるのがプラグインハイブリッドという技術で、充電を深夜、まさに電源に差し込んで、それで電気自動車を中心としたハイブリッド車を使うということでございます。ただ、これについては、一般の生活の中での車の走行をどう考えるかということになるわけです。卑近な例で私の例をとれば、ほとんど300日というか、週末だけですけれども、近くのスーパーに買い物に行くというぐらいでございますので、そうしたところはまさにそうした車を使い、一方で、たまに例えばどこかに1泊2日で行くときにはレンタカーを使うとか、そういう意味での社会のシステムを変えることによって技術が生かされていくということではないかと思います。同時に、ここにありますとおり、どれだけエネルギーが使われているのかと併せて、どれだけ環境に負荷があるのかという、まさにデータをお示しするということに対しては、日本の国民の皆さんは敏感に反応していただけるのではないかというふうに思っております。
 それから、資金のところについて、おっしゃるとおり、いろいろな財政的な制約の中でお金が厳しいことは事実でございます。どこからお金を取るか、いろいろな議論があると思いますが、さまざまな工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、新エネと原子力ということでございますけれども、これは両方とも一生懸命やっております。ただ、1点ご理解いただきたいのは、全体の電力供給におけるベースとしては、やはり原子力のウエートというのは相当大きなものであるというふうには認識をしてございます。予算面でございますけれども、原子力関係での交付金は約1,000億円でございます。その一方で新エネルギーにつきましては、例えば燃料電池の開発につきましては、これはまだ予算案ベースでございますけれども300億円強、それからバイオマスについての、まさにエタノールを導入するプロセスには100億円強の予算等を使ってございます。今のは代表的な例でございます。手元に総計がございませんので、その点はお許しいただきたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、国土交通省、お願いします。

○福本国土交通省総合政策局次長 国土交通省でございます。
 まず初めに、国民へのPR等々が不足しておるんではないかと、こういうようなご意見でございました。それにつきまして、私ども、先ほどご説明がございましたように、極めて地元密着型の事業が多うございまして、交通問題でございましたり、あるいは水循環、あるいは良好な自然環境の確保といったようなものは密着をいたしておりますので、地元で協議会等を立ち上げまして、住民の方々、NPOの方々、あるいはもちろん地方公共団体も一緒になりまして事業を展開をしておるということでございます。あるいは、その事業の内容につきましてはホームページ等々で公開をするといったような多面的な取り組みもいたしておるということでございます。そういうことで、地方公共団体とは基本的には同じ方向で一緒にやっておるというようなことでご理解いただければと思います。
 それから、東京一極集中といったような問題でございます。確かにそういう面がございまして、東京、それから近畿、中部といったところだけが活況を呈しておって、地方が大変厳しい状況にあるんではないか。いわば格差問題というようなことも含めましてご議論がございます。そういう中で、私どもも国土形成計画というものを今度策定をする方向で進めておりまして、それは地域といいますか、ブロック単位で物事を考えていく。九州地域の力というものはオランダ一国に相当するとか、いわばそういうような経済力があるわけでございますので、地域のブロックでひとり立ちをしていくというようなことを今後考えていこうということで取り組んでおるところでございます。
 それから、モーダルシフトがなかなか進んでいないんではないかと、こういうご指摘でございます。私ども、経産省さんとグリーン物流パートナーシップというようなことで、荷主の方々と物流事業者とが連携をして一緒に考えていく。ある意味、荷主の方々にもそういうご負担というか、COの削減についてのご努力をお願いをするということで進めております。ただ、ご案内のとおり、昨今燃料費が大変高騰いたしております。特に船舶の燃料でございます重油関係はほぼ3倍になったということで、ガソリン、軽油の値上がりに比べてさらに大幅な値上がりが来ておりまして、海運関係が今大変厳しい状況になっております。さはさりながら、私どももこの目標達成に向けて、助成措置も含めいろいろ知恵を出していきたいと、こういうことで考えております。
 それから、住宅の省エネにつきましては課長の方からご説明いたします。

○松田国土交通省総合政策局国土環境・調整課長 建築物・住宅の省エネについてでございますが、民生部門で施策の一つというふうになっておりますけれども、京都目達計画における民生部門での削減の全体量のうち、約3分の1が住宅・建築物の省エネ対策によって達成するということになっておりまして、そのほかについては機器の効率の向上、省エネ機器への買い換え促進ということで達成するということになっております。民生部門の約3分の1が住宅・建築物の対策ということになっております。この目達計画につきましては、例えば建築物については、省エネ法の対象となっている建築物の74%が2004年で既に適合しておりまして、2010年で8割を目標にしておりますので、目達の達成に向けて着々と取り組んでおりまして、達成は十分できるというふうに見込んでいるところです。
 ところで、建築・住宅の省エネとは、基本は断熱性の向上ということでございます。例えば、家庭のエネルギー消費がどんなところでなされているかというのが経産省の表でございましたけれども、冷暖房が約3割、給湯が約3割、それから残りが動力等ということになっております。住宅・建築物の断熱性能の向上で効いてくるのは、この約3割の冷暖房のところの消費についてでございます。これについて、建築物と暖房機器の効率化ということによって取り組んでいくということになります。近年、極めて消費が増えているというところが顕著なものは、例えば大型テレビをお買いになる、あるいは温水便座というのが新たに急激に普及してきている。また、乾燥機つきの洗濯機というのが普及してきているというところがございます。こういうところについては、残念ながら断熱性の向上というところの外で増えてきているということになると思いますので、エネルギー効率のいい機器への買い換えということの対応になるかというふうに思います。
 また、業務につきましても、断熱性等の向上で対応できるというところもございますが、近年増えてきているのは、例えば大型スーパーがどんどんできていくというようなことですとか、24時間営業しているコンビニが増えてきております。コンビニは24時間、照明を明るくして冷房をガンガンかけると、店全体がいわば冷蔵庫のような形でやっているわけですので、このようなことにつきましては、ある意味で国民の生活の利便性の向上というようなところで増えてきているということ。原因はそういうところにあるということかと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 大変多様なご質問に対しまして、またお答えいただきました。
 1つだけ、小池委員の方から、各省庁の施策において地方公共団体とのかかわりはというようなこともありましたが。

○小林大臣官房長 すみません。環境省官房長でございますけれども、時間が押しておりますので、今すぐ答弁ということは差し控えさせていただきますが、基本的には公害等の分野におきましては地方の権限、そして予算は大変大きいわけでございますけれども、事が温暖化対策となりますと新しい行政分野でございます。今、関澤委員からございましたような民生部門の対策といったようなことになりますと、地方自治体の動きは大変重要でございます。いろいろこれはチャレンジし出しているというところが現状だと思いますが、これにつきましては、また次回、機会がありましたら生の声でご報告をさせていただき、ご議論を賜れればというふうに思っております。
 もう一点、国民運動のお話もありましたが、お時間も押しているようですので、またそれについても次回に譲らせていただきます。

○鈴木部会長 実は、ご説明、いろいろご意見をいただきました後で討議の時間がとってあったんですが、討議をしていただく余裕がなくなってまいりました。しかしながら、極めて短時間にはなりますが、今、ご発言のなかった方に限って一言ずつお願いできればと思います。
 では、平野委員。

○平野委員 今日お話を伺っておりまして、大変に多様な施策が各省庁によって講じられていて、あとはこれをどうやって実現するのか。先ほども西村大使からもお話がございましたけれども、実効性をどう確保するのかというのが今後の課題なんだろうなというふうに思います。そういった意味で、私からは、市場のメカニズムをこのプロジェクトにどう組み込むかということについて2点ほどお話をしたいと思います。
 まず1点は、ディスクロージャーでございます。ディスクロージャー、一般的に言えば財務の内容の開示ということでございますけれども、私ども企業が活動する上で、その企業活動の内容を投資家、あるいは利用者、あるいは社会に向かって発信するのがディスクロージャーでございます。これを行うことで企業活動を投資家の方々などにご理解いただくということ、それを通して我々に対するまたさまざまなお声、批判をちょうだいして、そこでコミュニケーションが成立する。また我々自身もそこに反省があると、こういうことでございます。残念ながら、現状、こういった環境に対する取り組みというのが十分ディスクロージャーの方に取り込まれていないということがございます。今後、とりわけ企業活動における環境への配慮、環境への貢献ということを一層自発的に推し進める意味でも、こういったディスクロージャーの取り組みが非常に重要であるというふうに思います。

○鈴木部会長 すみません、なるべく簡潔にお願いいたします。

○平野委員 はい。それが1点。例えば環境会計等をどういうふうに取り込むかというのが1つでございます。
 2番目、経済的なインセンティブという意味で、これは先ほどから一部話題になっておりますけれども、CDM等への取り組みというのが非常に重要であろうというふうに思います。日本の環境技術、これをどう活用するかというのがとりわけアジアとの連携では大事になるわけでございますけれども、その場合の実現のメカニズムの極めて有力なものとして、今CDMがあるということでございますが、残念ながらポスト京都ということでの位置づけがまだ決まっていないということで、私ども、今、ファイナンス面でも取り組んでおりますけれども、なかなか足の長い案件への取り組みが難しいという現状がございます。このあたり、早くこの先の仕組みを作っていただいて、各経済主体が前向きに取り組めるようにしていただければということを申し上げたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 それでは、萩原委員。

○萩原委員 ありがとうございます。
 1つ、環境教育というところでお話をさせていただきたいんですけれども、環境省の方で、高等教育機関における環境人材育成支援というのは非常に重要だというふうに思っております。ただし、文科省との連携というところで、ここはしっかりとやっていく必要があるだろうと思います。文科省の方に対してなんですけれども、先ほどちょっと出し遅れちゃったので質問できなかったんですが、やはり職業柄、高校の教科書というのを見る機会があるんですが、教科書段階で環境に関する記述というのが非常に減ってきているんじゃないか。逆に選択制になってきているんじゃないかというふうなことがあります。ですから、小学校、中学校に関しては総合学習の機会というのがあると思うんですが、高校における環境教育というものをさらに充実していく必要があるんではないかというふうに思います。
 それから、第1回目のときに申し上げたんですが、各省庁の環境政策、そういったものの主流化。今日お話を聞いた限りではかなり進んできているというふうに思っておりますが、例えばコンパクトシティー、あるいは里山里地づくり、それから環境に負荷を与えない地域づくりとか、それぞれの省庁で地域ということがかなり重視されてきているんですが、そういったところとの連携というものを、やはりもっと進めていくべきだろう。その際に、縦割りのものを横につなげていく、NPOとの連携、それを進めていくことが重要だと思います。
 それから、経済産業省に関しては、今回環境コミュニティービジネス推進というのは一切出てきていなかったんですが、やはり非常に重要です。実際にもう5年目に今度入るんですが、それにかかわっているからわざわざ言っているんですけれども、成果を上げつつあると思います。ところが、先ほど財務省の話が出てきましたが、もう5年やったからいいだろうとか、そういう話ではなくて、成果が上がっているものに対してきちんと評価をして支援をしていくということが現場というところで効果を上げていく非常に重要なところだと思います。
 それから、最後、もう一つ。現場のとらえ方はやはりまちまちではないかというふうに思いますので、このあたりをきちんとしていく必要があるかなというふうに思います。
 以上です。ありがとうございました。

○鈴木部会長 では、枝廣委員。

○枝廣委員 ありがとうございます。
 いろいろな省庁のお考えや取り組みを聞かせていただいて、本当にあちこちで一生懸命進めていることがよくわかりました。私の方のコメントは、今回の特別部会が戦略を作るための部会だという観点からコメントを差し上げたいと思っています。つまり、各省庁が担当されている各論に入る前に、戦略を立てる上で何が必要かということになります。
 皆さん、もうよくご承知のとおりだとは思っておりますが、1つ、自分自身も国際会議によく出ますし、世界に情報発信している立場で、世界から日本がどのように見られているか、日々メールやいろいろなやりとりで感じている。その立場から言いますと、特に今回のこの戦略が、国際的なリーダーシップをとるためという一つの目的を持っているわけです。では、今世界で、この環境の分野でリーダーシップをとっているのはどこだろうかというふうに思ったときに、恐らく多くの人が、一つはイギリス、ブレア首相。スターン・レビューを出して、ああいった形でリードしている。そしてもう一つは、これは政治と言っていいかどうかわかりませんが、アル・ゴアさんの「不都合な真実」で世界を動かしている様子だろうと思います。このようなリーダーシップが世界にある中で、日本もリーダーシップを発揮していくためには、個々の施策の寄せ集めではなくて、例えば富士山のようにそびえ立つものをやはり前面に出していく必要がある。その富士山を作っている個々の石とか木とか、それももちろん大切なんですが、では全体としてどうなのかということだと思います。
 そのときに必要なのは、まず基本的な認識ではないかと思います。日本が環境問題、温暖化でもそうですが、どのように認識しているのか。例えば、2度未満でなければならないという、そのような基本的な認識、これはG8のホストであるドイツも同じような認識をしているわけですが、その認識にのっとった上で、では日本はどのぐらい減らすつもりがあるのかという、今度は決意になってくると思います。ある意味、これは腹を決める必要があるのではないか。積み上げ式ではなくて、たとえこれが大きな目標であったとしても、例えば2050年には70%減らすとか、昨年、2年前ですか、スウェーデンが脱石油社会になるという宣言を出しましたが、そのぐらいアウトリーチングな目標であったとしても決意を出す必要があると思います。
 もう一つ、各省庁のさまざまな取り組みをお聞きしていて、さらに強く思ったんですが、多分総合的なプロデューサー、もしくはディレクターの立場でコーディネートをしながら全体を見ていく、そのような役柄がないとなかなか難しいのではないかなというふうに思いました。それぞれの省庁、もしくは民間、地域を含めて、自分たちの範囲の中での個別最適化は図っていますが、それが例えば全体最適化につながらない場合も多々あるわけで、ある対策が別の対策の障害になったり別の問題を起こしたりということはあるわけです。ですから、今回の環境立国という国のレベルでの戦略は、各省庁では全体のコーディネートまでは難しいわけですが、今回の戦略づくりがあるチャンスではないかと思います。
 最後に、そのときに国際的なリーダーとして、日本だけよければという考えではなくて、世界の全体を見た上でのやはり戦略、もしくはオーケストラの指揮者のような立場を日本がとるべきではないかと思います。再三話題に出ていますバイオ燃料にしても、日本が二酸化炭素の削減をするために世界からバイオ燃料を買うような事態になりますと、そうでなくても今、バイオ燃料を作るためのアマゾンの森林破壊が進んだり、もしくはトウモロコシや砂糖などでそうなりつつありますが、食料価格が値上がりして貧困層がさらに困る。そういった全体を見て統合していくような形で戦略を作ることができればというふうに思っています。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、植田委員。

○植田委員 今日は各省庁のお話がお伺いできて大変勉強になったんですけれども、全体としての戦略を打ち出すという点では、今もお話があったような対外的な発信のことがあるんですけれども、前回の議論の続きから言うと、日本にどういうモデルがあるのかということについて、もう少し精査する必要があるんじゃないかというふうに思いました。今日はどうしても現状と課題というようなことでお話しいただいたので、すごく総合的に全部お話しになるということになりまして、一体何が私たちにあるのかということについて余り明確でなかったように思われます。それは、私はいろいろコミュニティーでの取り組みであってもいいし、それから、都市というレベルでもいいし、あるいは農業・農村でもいいと思いますし、流域という単位でもいいと思いますし、もちろん企業モデルでもいいと思うんですが、そういういろいろあり得る、あるいは社会の仕組みがそういうモデル性を持っていても当然いいと思うんですけれども、そういういろいろな可能性がある中の何が──全体として施策を引き上げるということは、各省庁の仕事として大変重要なので、ぜひやっていただかないといけないんですけれども、ここで議論する場合は、やはり何を私たちが日本として、例えば世界的な新しい標準を主導する内容を持っているのかとか、日本らしい経験を踏まえた先進的な取り組みが何なのかとか、そういう点について、もう少し厳密な検討を踏まえた提示が必要じゃないかなと、感想ですけれどもそんなふうに思いました。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 今日は6つの省から環境に対する取り組みの現状、あるいは今後の見通しのお話を伺うということで、こういうものを踏まえて今後、環境立国とは何かというようなことをこちらの方で議論を深めさせていただきたいと思っておりますが、それにしましても、大変各省、精力的に環境にかかわるお仕事をおやりになっていながら、繰り返し出てきますように、余り連携がとれているとは言いがたい。その辺をぜひこれから深めていかなくてはいけないんだろうと思います。例えば、国土形成計画なんていうのは、まさに環境が主要なパートを占めていくことになるでしょうし、環境立国というのは結局のところは、一体いかなる国を我々が作っていくのか、それを将来の世代にきちんと引き渡せる国というのは何かというようなところをベースに置いて、そして世界に日本の姿を発信していくということではないかと思いますので、今後、今日のお話等もいろいろと参考にさせていただきながら、あと非常に数が少ないんですが、この特別部会を継続させていかなくてはいけないと思っております。
 最後に、若林大臣が今度、環境大臣サミットでドイツの方にいらっしゃいますので、それに関連しまして、ちょっと一言お願いいたします。

○若林環境大臣 本日は、お忙しいそれぞれの委員の皆さん方、熱心に各省庁、さらには松下電器さん、JFEスチールさんのお話も聞いていただいて、いろいろご質問、意見交換をいただきました。ありがとうございました。
 実は今、国会の方は来年度予算の審議、衆議院が終わって参議院に移っているところでございますけれども、国会の予算委員会の場におきましても、この地球温暖化を初めとする環境課題に対して与野党ともどもから大変強い関心、意見が開陳されております。そのこと自身は私は大変心強く受けとめておりまして、真摯に対応し、答弁をしているところでございますけれども、今、部会長からお話がありましたが、来週ドイツでG8の環境大臣会合が開かれることになっており、国会の承認が得られれば、出席するとともに、G8プラス5の中国やブラジルなどを含めました主要な国を含めた環境担当の大臣も入りましての気候変動枠組みに対するトップの意見交換、さらに生物多様性の問題についての意見交換をする予定となっております。
  それから、4月には中国の首相が来られますけれども、日中の首脳間のお話も、いろいろなお話があるでしょうけれども、やはり環境問題が大きな関心事になるだろうというふうに言われておりますし、もちろん、今年の夏のドイツで行われますG8サミットは、この環境問題が大きなテーマになるというふうに各国ともども認識いたしておりまして、事前の課題の整理、取り組みというようなことに手をかけているところでございます。
 そして、それらの流れを受けまして、来年は日本が議長国となってサミットを開きます。ここでは、まさに今までの検討結果の報告を受け、そして特に2012年、2013年以降、次期枠組みにどう取り組むかということが主要な議題になってまいります。それだけに日本の責任は大きいわけでありまして、今ここで皆さんにご協議をいただいております我が国の環境立国戦略の骨太の、そしてまた方向性を示すような羅針盤としての方向づけをはっきりさせておかなければならない。こんなふうに思いますので、どうか短期間、短時間で恐縮でございますけれども、なお一層のご協議を賜り、ご指導をいただきたくお願いを申し上げる次第でございます。

○鈴木部会長 どうもありがとうございました。
 予定の時間を過ぎておりますので、そろそろ締めさせていただきたいと思いますが、それでは、事務局の方からお願い事等がございます。

○柴垣大臣官房政策評価広報課長 それでは、次回の日程についてでございますけれども、3月中にもう2回ほど開会をさせていただきたいと思っておりまして、次回は3月19日の月曜日、3時からということでございます。それから、その次が3月29日の木曜日、同じく3時からということでお願いいたします。
 それから、参考資料の2ということでお配りさせていただいておりますけれども、次回のご議論に向けて、委員の先生方からの戦略の基本的理念、視点ですとか盛り込むべき観点などについて、恐縮でありますけれどもメモをお出しいただきたいということで、次回に整理して資料として取りまとめる都合上、来週の火曜日、13日までに、最大2ページ以内ということで、簡潔なものでメッセージやキーワードなども盛り込んでいただければというものでございまして、非常に短期間で申しわけございませんが、来週の火曜日、13日までに提出をいただければということでお願いをさせていただきます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 この会議におきまして、十分にご発言いただく時間がございませんでしたので、この意見提出ということで、簡潔に、なおかつ格調高いものをぜひお願いしたいと思っております。
 それでは、お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございました。特に松下電器さん、そしてJFEスチールさん、今日はありがとうございました。6省の方々にも御礼申し上げます。
 それでは、これをもちまして今日の特別部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

午後3時42分閉会