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中央環境審議会
21世紀環境立国戦略特別部会(第1回)議事録


日時:
平成19年2月26日(月) 10:00〜12:15
場所:
KKRホテル東京 「瑞宝の間」

<議事次第>

  1. 開会
  2. 委員等紹介
  3. 環境大臣等挨拶
  4. 議事
    (1)
    特別部会の議事運営について
    (2)
    特別部会における主な検討の視点等について
    (3)
    環境問題の状況等について
    (4)
    その他
  5. 閉会

午前10時00分開会

○柴垣政策評価広報課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会「21世紀環境立国戦略特別部会」の第1回を開会させていただきます。
 本日は委員総数26名のところ現在19名のご出席をいただいております。植田委員と茅委員におかれましても出席という連絡を受けておりますので、あらかじめご報告いたします。
 本日は21世紀環境立国戦略特別部会の設置後の第1回でございます。委員の先生方と事務局の幹部のご紹介をまずさせていただきたいと思います。
 まず、部会長につきましては中央環境審議会令の第6条第3項の規定に基づきまして、鈴木基之会長みずからその任に当たられるということであらかじめ指名がなされております。

○鈴木会長 どうぞよろしく。

○柴垣政策評価広報課長 また、特別部会に所属していただく委員の先生方につきましては、同じく中央環境審議会令第6条第2項の規定に基づきましてお手元の資料にございますとおり、既に会長から指名がなされてございます。
 それでは、委員の先生方をご紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、出席の委員の先生方につきまして、鈴木部会長のお隣から順に名前を呼ばさせていただきます。
 まず、石井一夫委員でございます。

○石井委員 読売新聞の石井といいます。よろしくお願いします。

○柴垣政策評価広報課長 続きまして、上路雅子委員でございます。

○上路委員 農業環境技術研究所の上路です。よろしくお願いします。

○柴垣政策評価広報課長 それから、一人おきまして枝廣淳子委員でございます。

○枝廣委員 枝廣です。よろしくお願いします。

○柴垣政策評価広報課長 太田猛彦委員でございます。

○太田委員 東京農業大学の太田でございます。

○柴垣政策評価広報課長 それからまた一人おきまして、小池勲夫委員でございます。

○小池委員 東京大学海洋研究所の小池です。どうぞよろしく。

○柴垣政策評価広報課長 小澤紀美子委員でございます。

○小澤委員 東京学芸大学の小澤です。よろしくお願いします。

○柴垣政策評価広報課長 杉山雅洋委員でございます。

○杉山委員 早稲田大学の杉山です。よろしくお願いいたします。

○柴垣政策評価広報課長 須藤隆一委員でございます。

○須藤委員 東北工業大学の須藤と申します。どうぞよろしく。

○柴垣政策評価広報課長 関澤秀哲委員でございます。

○関澤委員 新日本製鐵の関澤と申します。よろしくお願いいたします。

○柴垣政策評価広報課長 武内和彦委員でございます。

○武内委員 東京大学の武内です。よろしくお願いします。

○柴垣政策評価広報課長 中村勉委員でございます。

○中村委員 建築家でものつくり大学の中村といいます。

○柴垣政策評価広報課長 田中勝委員でございます。

○田中委員 岡山大学の田中です。どうぞよろしくお願いします。

○柴垣政策評価広報課長 萩原なつ子委員でございます。

○萩原委員 立教大学の萩原です。よろしくお願いいたします。

○柴垣政策評価広報課長 花井圭子委員でございます。

○花井委員 連合の花井と申します。よろしくお願いいたします。

○柴垣政策評価広報課長 平野信行委員でございます。

○平野委員 三菱東京UFJ銀行の平野でございます。よろしくお願いいたします。

○柴垣政策評価広報課長 廣野良吉委員でございます。

○廣野委員 成蹊大学の廣野でございます。

○柴垣政策評価広報課長 村上千里委員でございます。

○村上委員 「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議の村上と申します。よろしくお願いいたします。

○柴垣政策評価広報課長 森本幸裕委員でございます。

○森本委員 京都大学の森本でございます。よろしくお願いします。

○柴垣政策評価広報課長 このほか遅れて、植田和弘委員、それから茅陽一委員が出席の予定でございます。
 それから、都合により欠席ということでございますけれども、このほかに大久保規子委員、嘉田由紀子委員、小宮山宏委員、森地茂委員、養老孟司委員にご参画をいただいております。
 続きまして、環境省の幹部の出席者をご紹介いたします。
 若林環境大臣でございます。
 それから、土屋副大臣は遅れて参ります。
 続きまして、田村環境事務次官でございます。
 以下、座席表のとおりとさせていただきます。
 また、関係省庁からもご出席をいただいております。
 なお、資料につきましては議事次第に資料の一覧をつけてございますので、もし不足などございましたら事務局の方にお申しつけていただきたいと思います。
 それでは、議事に先立ちまして、若林環境大臣からごあいさつを申し上げます。

○若林環境大臣 おはようございます。環境大臣の若林でございます。委員の皆様におかれましてはお忙しい中をお集まりいただき、また平素より環境行政の推進にご支援、ご協力を賜りまことにありがとうございます。
 私は環境大臣を拝命して以来、国民生活、人類存続の基盤である豊かな環境を現在、そして将来の世代が享受できるような経済社会システムを構築していくことが私の責務であると強く実感いたしております。
 特に本年2007年から来年2008年にかけては環境行政にとって極めて重要な年になると考えております。来年は京都議定書の第一約束期間が始まるとともに、日本で開催されるG8サミットにおいて米国、中国、インドを含む主な国々が参加している気候変動対話、いわゆるG20対話の成果が報告されることになっております。
 このような状況の下、去る1月23日、私は安倍総理大臣から呼ばれて地球温暖化問題を中心に現下の環境をめぐる状況についてご説明いたしました。総理からは、国内外あげて取り組むべき環境政策の方向を明示し、今後の世界の枠組み作りへ我が国として貢献できる上での指針として「21世紀環境立国戦略」を6月までに策定するようにとの指示がございました。この点については今般の施政方針演説の中でも明らかにされております。
 これは安倍総理大臣が先の欧州歴訪等において環境問題の重要性が論じられ、地球温暖化への対応として我が国に積極的な国際貢献を果たしてもらいたいとの要請があったことなどを背景に、世界の進むべき道を示すような骨太の方針を打ち出してほしいという思いがあるようにお見受けいたしております。
 総理のご指示を受け、環境省といたしましては特別部会の皆様方のお知恵も十分踏まえつつ、今後の世界の枠組み作りに貢献し、環境立国の実現に向けた中期的かつ戦略的な羅針盤といった戦略にしていきたいと考えております。
 委員の皆様方におかれましては、「21世紀環境立国戦略」が世界に力強いメッセージを送る新しい環境政策の指針となるよう自由闊達に幅広い視点からご議論いただければと考えております。
 ぜひ精力的なご審議を賜り、私どもに適切なご意見、ご提言をいただきますようお願いいたしまして私のあいさつとさせていただきます。

○柴垣政策評価広報課長 それでは、これ以降の会議の進行は鈴木部会長にお願いをさせていただきます。

○鈴木部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 先ほど事務局から紹介いただきましたように、この特別部会の部会長を務めさせていただきます。先生方、各委員のご協力のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、まず本日お手元に議題として1から4まであがっておりますが、第1回目ということもございましていろいろと目下の諸情勢等々につきまして共通の理解を持てるようにということで、いろいろな点につきましての事務局からのご説明が中心となろうかと思いますが、その後先生方からご意見を賜る時間を設けてございます。
 まず、議題1につきましてですが、今月13日に中央環境審議会決定として定めました中央環境審議会「21世紀環境立国戦略特別部会」議事運営規則、これに基づきまして、本特別部会の議事運営は他の部会、ほかの部会に準じて行うこととなっております。したがいまして、本部会におきましても会議は原則として公開。公開した会議の議事録も公開とすることなど、議事運営につきましてはほかの部会と同様に扱わせていただくこととしたいと思います。
 この点につきましてはよろしいでしょうか。

(発言なし)

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、特別部会における主たる検討の視点等につきまして、議題2、それから議題3にあげております特別部会における主な検討の視点、そして議題3といたしまして環境問題の状況等について、この部分につきまして説明を事務局の方からお願いしたいと思います。
 では、柴垣さんの方からでしょうか。

○柴垣政策評価広報課長 はい。政策評価広報課長をしております柴垣と申します。
 それでは、資料1の「21世紀環境立国戦略」の検討についてということで、ご説明をさせていただきます。
 まず、1の検討の背景でございます。これは地球環境は私どもの生活を支える基盤ということでありますけれども、人間の活動によって劣化が懸念されておると。特に地球温暖化の問題につきましてはIPCCの第4次評価報告書などが出されて影響が非常に懸念されておるところでございます。また、限られた資源の大量の採取を通じて、将来の人間活動の基盤が失われ、人間社会の持続性にも影響が及ぶということが生じております。
 このほか、国内問題としても国際問題としても廃棄物・リサイクルや生物多様性、また森林の保全などの問題が山積しておるという状況であります。
 対外的には本年6月のG8サミットに向けてこの3月にG8環境大臣会合が行われ、ホスト国のドイツの強い意向によって気候変動問題と生物多様性問題が二大テーマとして取り上げられるということでございますし、また、来年はG8サミットを我が国で開催するということで、環境問題への対応が大きな関心を集めるというふうに考えられ、そういった世界の枠組み作りに向けた我が国の積極的な対応を表明していくことが非常に重要になってきているという状況でございます。
 そういった状況を踏まえて、1月26日に安倍内閣総理大臣から施政方針演説の中で、そこのゴシックで示してありますように、「国内外あげて取り組むべき環境政策の方向を明示し、今後の世界の枠組み作りへ我が国として貢献する上での指針として、『21世紀環境立国戦略』を6月までに策定します。」ということを明言をされているところでございます。
 2の戦略のねらいでございますけれども、そういった背景を踏まえて国民各界各層からの期待に応え、また世界の枠組み作りへ貢献する「環境立国」の実現に向けた中期的かつ戦略的な環境政策の羅針盤、方向性のビジョン、それから海図、ロードマップを明らかにするということがまず第一のねらいでございます。  それから、2番目といいますか2つ目の○で、特に、繰り返しになりますけれども、来年の我が国で開催されるG8サミットなどを見据えて、今後の世界の枠組み作りへ我が国として貢献する上での指針を示すと。それをG8サミットなどの成果へも反映を目指すということがねらいの大きな点でございます。
 そして、国内外で各界各層の環境保全の取組の輪を広げ、これを強く後押しするというものとしていきたいということでございます。
 おめくりいただきまして、3の検討に当たっての基本的な視点ということでございますけれども、中期的かつ戦略的に取り組むべき重点事項に絞って方向性を明らかにするということで、環境基本計画のような環境政策全体の網羅的な計画というよりもそういった重点的な戦略的な方向性の明示ということ。さらには、世界をリードする環境立国としての新機軸となる取組も含めて幅広く検討を行うということがございます。
 それから、2番目として、温暖化問題の深刻さということで、スピード感を持って取り組むということで、特に今後一、二年で実施に着手すべき温暖化対策を初めとする重点的な取組についても検討を行うということがございます。
 そして、戦略が環境的側面、経済的側面、さらに社会的側面の統合的な向上、経済成長や国際競争力にも寄与し、また地域の活性化というようなことにも寄与していくというようなこと、さらには、国内外の動きを進めていくといったそういった経済成長や地域の活性化への寄与ということについても検討を行っていくというのが基本的な視点の3番目でございます。
 それで、4のところでございますが、まずスケジュール的には3月末ぐらいまでにおおよその骨格を整理し、その後議論が本格化します経済財政諮問会議での議論の流れ、また骨太方針2007をまとめていくそういった議論の流れを踏まえつつ、またG8サミットが6月初めにドイツで開催されますが、その前の5月末までにとりまとめを行うということで、この間経済財政諮問会議などにも適宜報告をしていくということでございます。
 それから、メッセージ性といいますか、2つ目の○でございますが、G8サミットのような国際的な場においても広く配布して、各国の首脳にも読んでいただけるようなコンパクトな分量、また国民一般にも幅広く読まれるような簡潔かつ力強いメッセージということでお願いをしたいと思っております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 今ご説明いただきました点はこの環境立国戦略の検討を進めていく上での切り口といいますか視点の1つということでございまして、これらの点も含めまして今後この部会で整理に当たって議論をしていただくことになろうと思います。
 議論を開始するに当たりましての参考ということでご説明いただきましたが、後でご説明がありますように、非常にタイトなスケジュールで、しかもこれだけのことを検討していただかなくてはならないというようなことで大変厳しいことではございますが、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 何か今の点につきましてのご質問あるいは何かございますでしょうか。
 廣野委員。

○廣野委員 どうもありがとうございました。今環境省の方の事務局の方のご説明でもちろん足りると思いますが、ただ1つだけ申し上げたいのは、やはり今回の安倍総理の環境大臣に対する指示の中にもありますように、今後の世界の枠組み作りというこういうことがあります。それで、実は中央環境審議会において以前から環境国際協力ということでこれが環境省でやってきましたところのこの環境基本計画の1つの柱になっておりますが。この点でいろいろ今までも議論されていきましたけれども、今までの議論を見ているとやはりまだまだリアクション的なものですね。やはりそうじゃなくて、来年G8を日本で行いますのでそういうリアクションではなくて日本から発信するという、よりイノベーティブなそういう革新的なものを発信するというそういうような努力が必要かと思いますので、会長さん、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 また後ほど先生方のご意見につきましてはお伺いする時間を設けてございますので、とりあえずは事務局の方からの説明ということを進めさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、議題3となりますが、環境問題の状況等について、これにつきましても本日が第1回目の会合ということで事務局の方で資料を準備していただいております。資料2、資料3、そして資料4も含めてでしょうか、事務局の方からご説明をまずお願いしたいと思います。

○小林大臣官房長 官房長の小林でございます。それでは、時間が限られてございます。大変はしょった説明になろうかと存じますけれども、資料2、3、4、一括説明させていただきます。
 なお、お手元にカラーコピーがございますけれども、あとパワーポイントの方、向こうの奥の方にも投写されておりますので、そちらの方もご覧いただきながら見ていただければと存じます。
 まず、資料2でございますけれども、資料2は世界の主な環境問題の状況というところでございます。釈迦に説法というところもあろうかと思いますが、しばらく聞いていただければと思います。
 お開きいただきまして2ページ、これは全体の目次になってございます。人口増、経済成長といったようなことを背景にいたしまして資源が大変大きく使われてしまうというようなこと。そして、その結果環境負荷が増えていくというような流れにあろうかと思います。そして、世界の中で生きる日本ということでございますからその影響を受けてくるということでございまして、まずは世界の環境問題の状況ということについて略々スケッチしたものでございます。
 3ページでございますけれども、まず世界人口の急増ということでございます。以下、それぞれ2030年とか50年とかいろいろな年号が入ってございますが、ばらばらとしており大変恐縮でございますが、これによりますと、人口は2050年までに91億人に達するということでございまして、3割ぐらいこれからまだなお増えるということでございます。  また、4ページでございますけれども、一次エネルギーの需要見通しということでございまして。今後2030年までにこれは5割エネルギーの需要というのが増えるだろう。果たして本当にそれだけエネルギーが出てくるかともかくといたしましてそういう予想がされております。
 5ページでございますけれども、その中でも中国、大変大きな位置を占めております。既に2000年から2004年の5年間をとりましても世界の需要増の3分の1を中国が占めていたというようなことで目が離せませんというようなことが書かれてございます。
 また、6ページでございますけれども、その結果といたしましてCOが増えていくということでございます。2030年、もし対策が実施されたとしても現状の2倍程度の排出量となるのではないかといったような予測もございます。対策不十分の場合には3.5倍ということで、大変今後の排出量の増加ということが心配をされるわけでございます。
 また、7ページでございますけれども、この温暖化が進む、そして、雨の降り方が大分変わるという中で水の需要も増えざるを得ないということてございまして、7ページの特にアジアのところを見ていただきますと、これは2025年という予測でございますけれども、5割近い伸びがあるということでございます。この水もまかなえるのかと、こういう問題があろうかと思います。
 そしてまた8ページにまいりますけれども、その中でも大国中国の水需要、これは大変厳しいことに恐らくなるだろうということでございます。
 また、9ページでございますけれども、そうした中、水は単に現地で使うだけではございません。農作物を作るために水が必要だということで、農作物の輸入に伴って間接的に水を輸入しているという見方もできます。日本だけではございませんが、特に農作物の輸入の多い日本について言いますと、そういったことが大きな数字になってございます。ここに書いてございます総輸入量というようなことが書いてございますが、水の輸入量が640億立米ということになっているということでありまして、国内で灌漑に使っている水をもう既に量が落ちているということで、日本の輸入が世界の水需要に大きな影響を与えるというようなことが書かれてございます。
 10ページ以下、必ずしも予測がないものもございますが、まずは循環資源の越境移動ということで、ごみの有効利用も進んでございます。しかし、それが現地で適切に処理されているかどうかわかりませんけれども、日本の電子廃棄物等々の移動といったようなものも増えているわけでございます。
 11ページ、そういった移動、貿易のもとになります廃棄物の発生量そのものでございますけれども、これは今から2050年までの予測がなされておりますが、何と倍増と、これだけのものが地球に収まるのかということでございます。
 次、12ページでございます。酸性雨という形でも、これは古典的な大気汚染が結局空気の中で酸化された雨の中に混じって落ちてくるとこういう話題でございますが、既に日本の酸性物沈着量が増えてきてございます。特に日本海側等々での影響といったものが大きくなってございます。
 また、これも将来予測ではございませんが、黄砂も増えているというようなことが13ページに出てございます。
 14ページ、海洋汚染も広がっているということでございます。
 15ページ、さらに生物多様性も危機に瀕しているということでございまして、15ページの下の右側におきましてこの生物の絶滅の加速化というようなことが予想されてございます。現在の10倍以上の速度で生物が絶滅していくのではないかというふうに言われております。
 また、16ページ、世界の中でやはり戦略的にこの生物多様性を守っていくべき場所というのがあろうかと思いますが、そうした中の1つが日本であると。足元で守らなければいけないということがございます。
 それから、17ページ以下、やはり一番大きな話になろうと思います。地球の気候全体を変えてしまうこの温暖化でございます。もうこれは釈迦に説法でございますが、17ページに下にありますように、CO濃度、ほとんどもう垂直の状況で、この尺度でいきますと伸びているというようなことでございます。気温も上昇している、海水も上がっているというようなことが示されてございます。その影響が既に起こっているということが18ページに書いてございます。
 また、今後の予測でございますけれども、21世紀中を通じまして、19ページに書いてございますが、大体2.4度から6.4度の幅で上昇するのではないか。現在までは0.7度ぐらいでございますから、この先相当大きな影響が出てくるということが言えるかと思います。
 そうしたことから、20ページでございます。やや対策の方にわたります。また次回は対策についてご報告をいたしたいというふうに思っておりますが、今後のことを見通しますと、ここのスターンレポートというのが出ておりますが、20ページ下にだいだい色のところ、不等号で書いてございます。行動を起こさない場合の被害損失が少なくともGDPの5%、最悪の場合20%。しかし、これを防ぐための対策コストは1%ぐらいで済むだろうというようなことが言われております。しかし、対策コストを避けますと大変大きな損失が起きるだろうということでございます。
 また、同じような将来予測がIEAについても行われております。こちらでも左下のところを見ていただきますと、2030年、技術加速シナリオということで、これは実際に2003年比6%増ぐらい、放っておきますと倍増以上のCOになるのをこの程度の増加におさめることもできるといったような可能性が示されてございます。
 こうした中、22ページでございますけれども、私ども世界の新しい地球環境の枠組み作りということをやっていかなきゃならない、そういった節目の年を迎えております。これにつきましては先ほど大臣のごあいさつの方にもありましたし、また柴垣課長の方から説明させていただきました資料の一部にもあったとおりでございますけれども、ここにございますように、2007年にはIPCCのいろいろな報告が出され、これが政策決定に利用されていきますが、2007年3月にはG8の環境大臣会合、そして6月にはG8のドイツサミットというようなことが行われ、さらにその過程はずっと引き継がれて、2008年夏の日本サミットというところで実を結んでいくのかなと。それを踏まえましてCOP14、気候変動枠組条約の第14回締約国会議で京都議定書の見直しの実施といったようなことが進んでいくということになろうかと思います。
 そうした中で、例えばEUサミットあるいはAPPといったいろいろな国が参加している対話の仕組みあるいは協力の仕組み、議論の仕組み、こういったものが動いていくわけでございます。なかんずく左の中ほどに書いてございますが、主要20カ国からなる対話、これは相当大きなシェアを占めておりますが、こういった議論が行われていくということになろうかと思います。こういうことで大きな節目の年になるということでございます。
 続きまして、資料3、それではこういった世界の中に置かれる日本はどうなっているかということで、若干日本の方にスコープを合わせてご説明をさせていただきたいと思います。
 開いていただきますと、今度はちょっと目次がなくて恐縮でございますが。2ページ目、まずマテリアルバランスが書いてございます。世界の各国でもなかなかこういったマテバラが用意されている国はございませんけれども、日本について見ますとここにありますように、19億トンほどの資源の投入があるということで、現在その循環資源が利用されている割合がここに書いてございます。10億4,700万トンということで、まだそう多くはないと。そして、例えばエネルギー消費に伴って約5億トン弱が大気に放出される、あるいは実際に食料として使われるのが1億トン、そして国内にとどまっているものがここにありますように8億トンとかそういったようなマテリアルバランスが書いてございます。これを改良していかないとどうしても地球環境への負荷というのが増えてくるわけでございます。
 それを資源のGDP比の消費ということで考えてみますと、3ページのとおりでございまして、日本については効率がいい、かつ改善をしているというようなことが見てとれるかと思います。
 4ページでございますが、その中身をもう少し細かく見たものでございます。生活から出てきます一般廃棄物、これについてはほぼ高どまり、やや微減といったようなところかと思います。産業廃棄物につきましても排出量自体はほぼ横ばいで推移しているということでございますが、ただ、先ほど申し上げましたような循環利用、リサイクルといったようなことで最終処分量については減ってきているということでございます。
 6ページ、それではその循環利用、リサイクルということになりますとどうなのかというのをもの別に見たものでございます。左下に折れ線グラフございますけれども、例えばスチール缶とかアルミ缶とか大変いい成績をおさめてございます。一般廃棄物につきましては大体、文章にございますように、17.6%のリサイクル率というふうにされております。そうした中、残念ながら不法投棄の問題というのがまだまだ起きております。多少減っておりますけれども、ここにございますような分布になっているということです。  それから、8ページでございますが、今後のリサイクルの焦点の1つとして、特に温暖化対策ということを考えますとバイオマス利用というのが一石二鳥ということであります。少し細かくなりますけれども、8ページ、現在利用されてない、例えば下の方から見ていただきますと、農作物の食べられない部分だとか林地残材、こういったようもなのはまだまだ未利用だというようなことが示されてございます。
 9ページは、先ほど地球全体の話として申し上げました温暖化の問題でございます。日本につきまして言いますと、現在90年比プラス8.1%というような増加になってございます。これを右にありますような段取りでマイナス6%までもっていくということが政府の計画となってございます。
 その中身を見ますと、10ページでございますけれども、ここに下を見ていただきますと、2005年の速報値が真ん中に書いてございます。目標までの削減量ということで、量的に多いのはなんとビル、商店等々の業務部門ということで、ここにございますように6,900万トン。そして、工場とか家庭が同じぐらいの大体3,000万トンといったようなオーダーの削減をこれからしていかなければいけない、大変厳しい状況でございます。
 それから、11ページでございますが、それをもう少し大きな目で世界との比較で見たものでございます。これはOECD諸国、先進諸国との中でございます。日本の経済は全体として付加価値額としてはOECDのここにございますが17%強をかせぎ出しているということでございますが、温室効果ガスが9.2%ということで、その裏側で出る副作用の方は少ないということでございますが。このSOx、NOxで見ますと対策をずっと取ってきたということではるかに少ないOECD諸国の中でのシェアということになってございます。世界にこの部分では冠たる公害対策先進国ということになっているのかなというふうに思っております。
 それから、12ページ。そういった目でSOx、NOxを見ますと、しかし部分的にはいろいろ問題があるということでございまして、例えば二酸化窒素で見ますと特に大都市地域が中心に対策がまだ迫られる状況でございます。
 中身を見ますと、13ページでございますけれども、これはたまたま同じような市の広さ、そして同じような人口の2つの町を比べたわけでありますが、一人当たりのCOの排出量が右の高知では0.87、左で1.21ということで、相当違い、倍違うとは申し上げませんが、違うということでありまして。やはり都市のいろいろな工場あるいは交通施設の分布といったものがこういったCOに影響を与えているということが言えるかと思います。
 また、COだけではございません、14ページにこれは廃熱、そして熱のこもり方、蓄熱といったようなことから見ますとヒートアイランド現象がどんどん進んでいるということでございます。これに対して、これも取組の話にややわたりますが、環境に配慮したまち作りといったような動きも出てきております。
 水については16ページでございます。環境基準の達成率とか、これは実際の数値そのものではややよくなってはきてございますけれども、これは上にいくほどいいものでございますが、遅々とした動きであるということも言えようかと思います。
 また、17ページには土壌汚染の問題でございます。環境基準を超えた土壌汚染が発見される事例が増えてきているということが書かれてございます。
 さらに、しかしそういう中で18ページ、日本には誇るべき美しい自然もあるということ。そして、19ページ、日本の生物多様性についても危機は迫っているわけではございますけれども、大変固有種も多い貴重な、先ほどもホットスポットとありましたけれども、生物多様性の高い場所になっていると、こういうことでございます。
 そこに迫っている危機が20ページに書いてございます。私ども3種類の危機があるのかなというふうに考えてございます。
 そうした結果、現在絶滅の危機ということが迫っている部分のここの数字に書いてございます、脊椎動物について言いますと例えば18%に絶滅危惧種というのが及んでいるということが書かれてございます。
 22ページ、さらに過疎化で里地、里山が維持されにくくなっているということで、耕作放棄地の写真などが掲げてございます。そうした中で、人と鳥獣の軋轢も増えているというところもご案内のとおりでございます。分布域の拡大、あるいは鳥獣による被害、イノシシ、サルといったようなことで被害がたくさん起きているということでございます。
 そういう中で日本の資産として、しかし自然との共生を旨とする日本人の伝統的な価値観もまだ生きているます。そしてまた企業の取組といったものも盛んだということが25ページに書かれてございます。ここを見ますと、これはCOベースでございますけれども、この90年比、たった短い期間ではございますが、随分企業のシェアといいますか活動ぐあいが大きく変わってきてございます。例えばやはりそういう部分が世界から期待されるということでございましょう。電気、電子といったような機械、これ真ん中下から4番目でございますが、58%増といったようなことで大きく排出を伸ばしてございます。それに対しまして鉄鋼とかはマイナス6.9%、自動車マイナス24.3%といったようなことでございまして、産業の地図もCOの目から見ましても変わってきているということでございます。
 さらに将来的には環境ポーションというのももっと進んでいくだろうということで、26ページでございますが、環境ビジネスと少し広く取り上げておりますが。例えば雇用にしてもここにございます106万人が倍増以上の222万人といったようなことで環境に取り組む方が増えてくるのかなということでございます。
 例えば27ページにございますように、太陽光発電、そしてハイブリッド自動車とかいろいろな最先端の環境技術が出てきているということが言えると思います。
 28ページには余り知られておりませんけれども希少金属の回収・リサイクルといったようなことも書かれてございます。
 そういうことで、29ページ、太陽光発電などは日本がトップシェアでございますが、風力発電機のような、実はちょっと国を挙げた取組というのを行ってくるのが遅かったというふうに言われておりますが、こういった部分については残念ながらシェアは確保できておりません。
 こういうことで環境への投資、そういうものへ取り組む人たちが増え、資本もいく、技術も集中する、発展するということが大事でございます。こういったことに対する期待というのが高まっているということが30ページでございます。
 そうしたことに応えまして、国民の側もやはり足元で対策をとっていかなければいけないということでございますが、世帯におきます人員の減少といったようなことがどうしても固定的な環境負荷を生んでいるというようなことが31ページに書かれてございます。
 しかし、国民の気持ちとしてはなるべく環境にやさしい暮らしをしたいなと、物質的な豊かさよりは心の豊かさだというのが長い不況にもかかわらず大変強い傾向がございます。32ページでございます。
 そして、社会貢献も熱心だということで、環境関係のNPO法人増えてございます。また、エコツーリズムなども盛んになってきております。
 また、日本が今後活用できる環境問題と言うのかどうかわかりませんが、アセットといたしましては、公害克服の経験とノウハウといったようなものがあるんだろうということで、35ページ。
 そして、それをにらみました団塊世代への期待が36ページに書いてございます。
 大変雑駁な話で申しわけございません。
 資料4でございますが、環境政策に関する主な構想ということでございまして。これも見ていただいたとおりでございます。ちょっととじ方が悪いところがもしかしたらあるかもしれませんが。
 見ていただきますと、日本で具体的にとられた提唱されたいろいろなイニシアチブ、そしてEUあるいはフランス、ドイツといった諸外国がとりました国家的な環境のイニシアチブ、戦略といったものが一覧になってございます。
 ついででございますが、参考資料1では既存の環境関係の計画というようなことで、今回の総理マターということではございませんけれども、いろいろな専門的な計画が現在立てられて公表されているということが参考資料1に。
 また、環境につきましては何も環境そのものの計画というだけでなく、いろいろな経済社会の計画の中に埋め込まれております。大変重要な決定がその場でも行われております。これについては参考資料2に一覧をさせていただいております。
 以上が、簡単、大変はしょった説明でございますが、ご案内いたします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。大変内容豊富なものを非常に短時間でご説明いただきました。
 本日は第1回ということでこれからご自由に委員の方々のご意見をお伺いしたいと思いますが、時間も大変限られているということもございまして、ご発言ご希望の方はちょっと名札を立てていただく。私の方に名前が見えるようにぜひお願いいたします。
 今日、それから次回につきましては環境問題の取組の状況について関係府省の方からご説明をいただくというような計画もございます。1回目、2回目のご意見をいただき、可能であれば第3回あたりに、大変先走ったお話で恐縮ですが、どういう骨格でこの環境立国戦略を考えていくかというようなところを詰めるためのたたき台を出していただければと思っております。
 それでは、よろしいでしょうか。では、あちらの方からまいりましょう。廣野先生、先ほどご発言がありましたが、よろしいですか。では、短い時間で。

○廣野委員 ありがとうございました。これから本当にたくさんの問題がありますので、私もいろいろな点で発言させていただきますが。3点ありますけれども、短くやります。
 第1点は、やはり我が国における環境問題の状況という紹介がありましたけれども、こういう事実が、あるいは我が国における環境政策そのものがやはり国際的に必ずしも十分に認知されていないということで、そういうふうに国際的に認知されることがやはり非常に重要かなと思います。その点、これからのご努力、いろいろまた私も問題点を指摘しますけれども、よろしくお願いします。
 それから、第2番目は、世界の主要な環境問題の状況、資料2でございますけれども、これについていろいろ的確に書いてありますので特にコメントありませんが。
 ただ、3番目に、資料4の方に移りますけれども、環境政策についていろいろ書いてあるペーパーが確かあったんですけれども。そうですね、最近の環境政策に関する主な構想、これについて、やはりこれを見ると日本の政府の具体的行動1から3というのが書いてあるんですが、この点についてはやはり我々今後の検討もちろんこれからもやるわけですけれども、この点についてもかなり日本の国内でもいろいろな検討が行われ、研究が行われておりまして、それについての発信も必ずしも十分ではないなと思っております。
 それから、2の最近の環境政策に関する主な構想でEUですけれども、やはりいろいろな最近、先週1週間ほぼEU諸国を回ってまいりましたけれども、やはりこういうのを回ってきてわかるのは、向こうの方々は結構自分たちの将来の希望とかあるいは将来の方向とか目標とかというものを果たしてそれが実現できるかどうかわからないけれども、早い段階でそれを発表しちゃうと。ところが、日本の場合にはどうしても発表するということはコミットメントだからやはりちゃんと実現できなくちゃいけない。実現できなくちゃいけないからなかなか発表できないという。だから、EU方式を見ると実現できるかできないかわからないんだけれども、この方向が正しいと思えば発表しちゃうと。その発表にまた引きずられるところがありますので。やはり日本もそういう点でもっともっと、余りそれが実現できるかどうかということを非常に綿密に計算しながらその後ようやく発表するんじゃなくて、かなりEUに対抗するためにはそういうこともどんどん発表していってほしいと思います。
 そういう意味でも、先ほどちょっと申しましたけれども、世界におけるところの我が国の環境立国としての戦略を書く際にそういうイノベーションというかなり先導的な役割を果たすのがいいのではないか。そうしないと何かやはり日本の場合いろいろな統計を見ても、あるいは世界銀行の統計を見てもいろいろな統計を見ても何か日本は環境で遅れているという印象が非常にあって、私はそうでない面がたくさんあると思いますので。ぜひその点を今後の検討会の中で明らかにさせていただければと思います。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、中村委員。

○中村委員 前回といいますかこの間の中央環境審議会のヒアリングを受けたときにもお話しいたしましたが、現在とこれからは、私は第5世代と言ってますけれども、総合化の技術の時代だというふうに思っておりまして、それで幾つかの提案をこの間させていただきました。
 1つは、建築と設備その他が総合化して設計をしていくということが現実的になる時代。それから、今CASBEEとかいうことがありますが、総合的評価が実際に実現する時代。それから、地域として特にこれからの2050年をにらんでどういう都市を再生していくのかということを考えなくてはならない時代。そして、それらを環境については特に幅広く教育についてしなくてはいけないという環境教育の問題。それから、実際の建物あるいは建材に1つ1つの環境の履歴性能をしっかりとラベリングするということが必要だというふうにこの間お話ししたわけですが。
 それを受けて、こういう今度の戦略というふうな考え方で考えますと、どこかに例えば1つの小さな都市であるとかそういう都市そのものが1つの環境の総合的なものとしてここまで都市はよくなれるんだということを見せるようなそういうことができないかと。あるいはそこに今私たち少しずつですけれども、環境計画に関する専門家として派遣されて監修をしたりして少しずつ各自治体の中での公共建築をよくしていこうということをやり始めていますけれども。もっと昔、建設省の時代に街並み街作り事業という形で例えば専門家の派遣事業みたいなのがありましたが、そういうものを各建物、できれば公共建築すべてに専門家を派遣するというようなことができないものかというふうに思ったりします。
 それは同じように民間の会社、ディベロッパーや建設会社にも同じように、環境をすべての点で良くしていくということを、例えば予防福祉みたいな考え方になるかもしれませんが、そういう環境の専門家がひっくるめて会社全体あるいはディベロッパー全体を見るということができないものかというふうに今思っているところです。

○鈴木部会長 また都市あるいは建築につきましての適切な場でその辺を議論いただくとよろしいかと思います。
 田中委員。

○田中委員 ありがとうございます。それでは、2点だけ。経済財政諮問会議に報告するということですので、経済財政諮問会議の中に循環型経済社会に関する専門調査会を設けて検討して、その中間とりまとめが2001年11月に提出されております。そこの中では循環型経済社会のビジョンとシナリオを作成し、サブタイトルが「ごみを資源、エネルギーに、環境にやさしく美しい日本を次世代へ」とこういうサブタイトルですけれども。小宮山先生、植田先生らと検討してまいりました。これもぜひ活用していただきたいなと思います。この中には情報ヘッドクォーターの創設とかが提案されております。
 それから、2点目は、資料1のところに戦略のねらいの3つ目で、これが非常に大事かなと思っているんですけれども、各界各層の取組の輪を広げ、力強く後押しするものにならなくてはならないと、同感ですが、2004年6月のG8のシーアイランドサミットで日本が提唱した3Rイニシアチブ、これはもったいないスピリットとともに世界に広がりつつあると思うんですよね。地球に限られた資源あるいは環境を守るために世界の一人一人がどこのセクターにいようが一緒になって取り組むと、こういう動きをしていかなくてはならない。それがものを大切に、すなわち資源を大切に、環境を大切に。それはごみ問題だけじゃなくて地球温暖化の問題にも解決につながると、こんなふうに思って。これを展開するようなメッセージあるいは提言にすればいいなとそういう気がします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 武内委員。

○武内委員 幾つか申し上げたいと思います。1つは、非常に短い期間で議論をして、しかも非常に大事な議論をするわけですから、ゼロから議論しようとしないで今までもう既にいろいろな部会で議論をしておりますし、国際社会にも我が国なりに、例えば先ほどお話のあった3Rのように発信しておりますので、その成果をやはり活用しながら要領よく議論をまとめていくということが必要だと思うんですが。
 そういう観点から、私日ごろより申し上げていて、こういういい機会ですのであえて同じことを申し上げたいんですが。脱温暖化社会あるいは低炭素社会という議論と、それから循環型社会という議論と、それから生物多様性に立脚した自然共生型社会という、この3つがどちらかというとばらばらに今まで議論されてきているわけで。私これをぜひ統合して、1つには自然と人間という関係としてすべてをとらえるということ。それから、脱温暖化社会と循環型社会はそれぞれエネルギーとそれから物質という形で整理すれば1つの人間自然系という中に包含できると。そういうことをこの委員会では要領よくまとめるということができるのではないか。それを通して一種の持続可能な社会というものをここで骨太に提案してみたらどうかというのが第1点目でございます。
 それから、第2点目としては環境立国戦略ということですので、日本を中心としながら、しかし世界にも当然のことながら配慮していくということは必要だと思います。そういう点であえて申し上げますと、むしろ日本を1つのモデルとして、いわば地球をイメージしたときの1つのミニ地球というふうなものとして日本というのを考えていったらどうかというのが私の提案でございます。
 そういう日本モデルというのは確かに中国やインドのような成長型のモデルにはなりませんけれども、しかしこれを改善型のモデルだというふうにとらえますと、中国やインドも日本のように少なくともならなければ地球全体がまずいわけですから。日本ももちろんもっと努力する必要があると思いますけれども、とにかく日本というものにこだわって、そしてそのこだわった結果をモデルとして世界に発信するというふうな立場だとこの議論がかなり明確になるのではないかということです。
 それから、議論としては深刻な問題はもちろんあるわけですけれども、むしろ先ほど言いました改善につながるような、ミレニアム生態系評価の言い方で言いますとプロアクティブなものの考え方、あるいは予防原則に立ったものの考え方というものをこの議論の中で前面に出したらどうかというふうに思います。やたら分析をしただけではいろいろな悲観的な結果が出てくるということはやむを得ないんですけれども、やはりこれは希望を示す戦略でなくてはいけないのではないか。
 それから、最後ですけれども、こうしたことの重要性は専門家の間では認識されていてもなかなか社会に広まっていないというような問題があります。政治やマスコミの力というのが極めて重要であるのに対して、そこにどうもうまくつながっていないというそういうことが問題だと思います。市民のイマジネーションというか想像力をかき立てるようなそういうわかりやすいまとめ方と、やはり政治の世界、マスコミの世界への積極的な働きかけというものをこの戦略策定と対でやっていかないといけないのではないかなというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、関澤委員。

○関澤委員 二、三申し上げたいと思います。まず、基本的な考え方でございますが、環境問題、とりわけ地球温暖化対策の問題、これにつきましては言うまでもございませんけれども、国境を越えた問題でございます。国境にとらわれた枠組みではなくて、やはり真に世界全体が参加する、そういった取組でないと解決できないということでございますので。日本は2013年以降の枠組みについてやはりこうした意味で世界のすべての国々が参加して実効ある削減を行うというためにこの戦略を示していって、先進国と途上国のかけ橋としてやはりリーダーシップを発揮していくことを期待したいと思います。
 ちょっと鉄鋼業の例で恐縮でございますが、京都議定書が締結されました1997年、中国の粗鋼生産量と日本の粗鋼生産量は大体同じ1億トンちょっとでございました。それから、たった10年、10年たってどうなっているかということでございますが、今中国は4.2億トン、日本の約4倍に膨れ上がっております。いまや世界ナンバーワンの鉄鋼大国でございます。にもかかわらず、COの削減に義務は負っていない、環境対策も大幅に遅れております。中国鉄鋼業だけで日本のCO排出量の70%以上になると。
 このように、世界がこの10年で本当に激変しているんだと。97年の状況とは全く異なっている状況にあるということをこの問題を考えていく上で特に強く認識して日本は発信していく必要があるだろうというのが第1点でございます。
 それから、第2点は、CO削減目標と経済成長、この関係でございます。アメリカ、中国、インド等々その他多くの途上国が京都議定書の削減義務を受け入れていないと、この大きな理由はまさにこのCO削減目標と経済成長との両立が困難だというこういうことでございます。この問題を解決するためのやはり戦略を示していかない限り、参加国はいつまでたっても増えないのではないかとこのように思う次第でございます。
 先ほど来お話が出ておりますが、日本型のモデルというようなお話も出ておりますが、日本の技術をやはりベースにトランスファーしていくということがこの戦略の基本であるべきだろうと、このように思います。
 日本の場合は省エネ等を、先ほどの資料の中にも出ておりましたけれども、いろいろ進めてきておりまして、本当に血のにじむような産業界の努力によって日本の製造業のエネルギー効率というのはほとんどすべての製造業において世界トップでございます。こういったことをぜひ生かして、新しい戦略を打ち出していくべきだろうと。
 すなわち、日本の場合は経済成長を行いながら、こういった省エネ、環境問題、こういうものに対応してきたと、こういった方法をベースに各国の事情に応じた柔軟な目標設定を認めていくということも必要ではないか。
 それから、アメリカ初め途上国でございますが、私もこれ去年出たんですが、APP、アジア太平洋パートナーシップという会議の中では、アメリカ、豪州は主導しておりまして、中国、インド、韓国、もちろん日本も入ってみんなで6カ国で今対応しておるわけでございますが。こういった中でやはりセクターごとの技術を中心とした解決を目指していこうというこういう動きもちょっと出てきておりますので、私は世界が参加する機運というのは非常にあるのではないかと、このように思うわけでございます。
 いずれにしましても日本は京都議定書を作ったときと同じようにやはり大胆なリーダーシップを発揮して、現行の枠組みを発展的に見直していく。参加国が飛躍的に増大するような枠組み、それから技術、セクター別アプローチ、それから省エネ対策を軸とした枠組み作りに挑戦していくのが大事ではないかなとこのように思います。
 それから、もう1点は先ほど来お話が出ておりますので省略しますが。やはり日本の場合、省エネ技術と同時に非常にこれ産業界で特徴がありますのは、省資源技術でございますので、3Rイニシアチブ等につきましてはぜひこれは日本のそういった技術をベースにやはりこれも主導的な役割を果たしていくべきだと、このように思います。
 とりあえず。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 須藤委員。

○須藤委員 どうもありがとうございます。簡単に3点ほど申し上げたいと思います。
 1点目は、つい先だってまでは環境基本計画でいろいろ網羅的に議論をやったと思いますが、ほとんどの問題ここに書いてあるような気がするので、環境基本計画との相違というのはその中から重要課題あるいは国際的に通用する戦略的な問題を取り上げるというようなことでよろしいんでしょうかというのが1点目。これは質問です。
 それから、2点目は水の問題でございますが。水の問題は、特に国際的な問題、中国を初めとして水資源の枯渇の問題が述べられているので私もそのとおりだと思いますが、非常に質が悪くて安全な飲料水すら飲めないというような状況もかなりあるわけでございますので、その問題と。
 それと、水の再利用の問題、この辺の公害対策あるいは水の対応の問題というのは技術者としては、ちょうど今の定年で退職されるぐらいの方々が非常に多いわけですね、技術を持っている。ですから、人材は日本には非常に豊富であると。それをいかに、先ほどスピード感というお話がありましたので、その技術、人材、これを国際的に提供できるという姿勢が私も1つはあるのではないかなとこういうふうに思います。
 2点目は地球温暖化の問題でありますが、これはもう本当に世界共通の問題で先ほどからお話が出ているんですが、バイオマスの活用とか水処理してまたエネルギーがいるということになるのでバイオマスの活用等新しい技術の導入は必要なんですけれども。なにせ日本が京都議定書の目標値すら達成するどころかますます増大しているところ、やはり模範を示さなくちゃいけないわけですね、国際的には。そのためにはいまや地球環境部会でやっている追加強化対策を含めて海外にこの程度できるんだということを示していかないといけない。そのためには国民にきちっともっと情報を提供することと、マスコミに情報提供して意識の啓発をやっていくという前提でこれを申し上げて、環境立国の中で重点課題にしていただきたい、こういうふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 それでは、小澤委員。

○小澤委員 3点から申し上げたいと思います。1つは廣野委員もおっしゃったような国際的な枠組みの中で日本がやはり余り発言してこなかったということが私も非常に感じますので、そこのところについて。
 そして、その中でも特に東あるいは南アジアとの関係をどうしていくかということで、私は政治的な背景はともかくも、環境でどうやっていく、特に中国の問題等々考えますと大変な問題を我々日本国も影響を受けているわけですから、そこの枠組みを武内委員のようなモデル的な日本モデルを作っていくのかどうか、きちんと議論していただければと思います。
 もう1つは技術の問題ですけれども、公害問題の反省で、あのときも環境省が計算してきちんと対応しておけばお金はかからなかったという、補償問題とかそういうことも含めて。今回の資料の中にもスターンレポートから書かれていますけれども。やはりそこのところをきちんと対応を、メッセージを出していくという、日本型モデルを示していくべきではないかと思います。
 そのことは技術的な移転の問題にかかわってくると思いますので、そこをどうアジアのところに対応していくかということは、これは日本の役割として重要な位置を占めるのではないかと思います。
 それからもう1つは教育の問題で日本の場合余り報道されておりませんけれども、地域あるいは人から対応していくということで教育の問題があって、問題というより非常に日本の場合は教育をきちんとやっていると思うんですね。法律も作り、5つの省庁で今回作りましたし、また小泉さんもヨハネスブルグで持続可能な開発のための教育ということを提言してきているわけですから。そこのところをやはり日本も提案していくということで。特に学校だけではなく地域あるいは専門家を巻き込みながらやっているところを1つの日本型モデルとして提言していくような形で進めていただければというふうに思います。
 ありがとうございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、小池委員。

○小池委員 すみません、後出しで。地球の温暖化の観点から2点お話ししたいと思いますけれども。1つは、この21世紀の環境立国戦略というのがどこに向けてのメッセージかというので大分話は違ってきて。それで、これ世界に向けてのメッセージ、先ほど両方行うというようなことのご説明ありましたけれども、世界に向けてのメッセージと、それからやはり国内に向けてのメッセージというのはかなりニュアンスが違ってくるような気がいたします。
 それで、世界に向けてはやはり日本が環境問題で世界をリードしていくというメッセージが必要ですし、日本の場合は温暖化でいきますとやはり温暖化問題が非常に深刻なので、それに対して各それぞれの地域あるいは個々の家庭それぞれがこれだけの努力をしていただきたいというようなかなり強いメッセージを出す必要がある。ですから、その辺のバランスが必要で。
 あともう1つ、世界に向けてのメッセージの中に、やはり日本の場合東南アジア、それからアジア地域に対する日本の貢献というものは非常に大事です。実際今でもそういうものは行われていますので、それが日本としてはっきり出るような形でのメッセージが必要だというふうに思います。
 それからあともう1つ、私は環境立国というその立国というのがどういう意味を持つのかというのがあるんですけれども。どちらかというと今までのご発言にもありましたように、やはり立国というとそれで日本の産業あるいは日本の成長を支えていくという色彩がかなり強いような気がいたしますけれども。環境問題の場合というのはそことのバランスというのが非常に大事で、環境を通じて、もちろん産業の育成も必要ですけれども、今の持続的な地球環境を保つためにはみんなの生き方を変えるというところのメッセージも非常に強く出ないと、なかなかこの環境立国の戦略というものにはならないのではないかということなので、その点に関しては留意していただきたいというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、茅委員。

○茅委員 今回環境立国戦略という題で、世界に日本の立場を示したいということなんだと思いますが。そういう意味から言いますと、この戦略には総合性と具体性という2つの側面できちんと書かれる必要があるというふうに考えております。
 総合性という点ではこの問題は幾つも細かい点を言う前に、まずサステイナブルソサイエティの実現という人類の基本の方向を最初に据えて、そのもとで説明をすべきであろう。この点は先ほど武内委員がおっしゃった意見と同じでございます。そういった全体をきちんと踏まえた姿勢を示すというのが第1点だろうと思います。
 第2点は具体性でございます。日本の場合、今までの環境政策、特に温暖化対策などを見てみますと、ややもすると数字ばかりが先走りして具体的な対策に乏しいというのが問題であったと思います。現在、京都議定書の目標実現で苦労しているのもそういう側面があったという気がするわけです。
 そういった意味で言いますと、やはり我々としては具体的にどういうことを行うのかといった具体策を提示して、そして実行していく。単純に総量目標だけを示してあとは国民の自主行動に任せるといった無責任な考え方はやめるべきだと思います。
 先ほど廣野委員の方からEUがあまり具体性を考えないでいろいろな思い切った数字を発表してくるというお話がございましたが、私はあの姿勢に沿うことは大変まずいと。むしろその考え方ではなくて、具体的にこういうことをやるべきだということを主張し、マクロの目標はそれについてくるという考え方をとる方が筋だろうと思います。そういった意味で日本の場合にはもう少し具体的な政策、具体的なアクション、これを表に出すべきであるというふうに考えております。具体的な内容は2回目以降の議論の中で申し上げたいと思います。
 あともう1つだけ申し上げたいのは、やはり日本の独自性ということを示すためには日本はアジアの中の一員であるということを強く出すべきだと思います。先ほど関澤委員のお話にもありましたが、アジアでのエネルギー消費、二酸化炭素の排出は大変なものでございまして、これをどのようにして抑えていくかというのには日本の技術力、経済力が非常に重要なわけです。その意味で、アジアのエネルギー効率化に全力を尽くすという姿勢を日本としても大きな声をあげていくことがこういった外部に対しての発信では大変重要ではないかと考えております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 太田委員。

○太田委員 太田でございます。この最初の大臣のお言葉、それから廣野委員あるいは今、茅委員が言われましたような総合性あるいは海外を意識すると、こういったときにやはり全体の枠組みとして日本がどういうふうにしゃべるかという総合的なスローガンといいますかそれが非常に僕は重要ではないかと思っております。
 実は田中委員が今までにもいろいろなものを出しているのでそれを参照したらいかがかという話がありましたけれども、実は学術会議で「真の循環型社会を求めて」というレポートを二、三年前に出しております。これは46億年の地球史あるいは4億年の陸上、陸域史、そして人類史をつなげて、この文明の社会というのはその地球環境の進化の方向に少し逆行しているのではないかという言い方をして、それを人類と地球環境系の共進化をもっと前に持続可能な生き残れる方向にやっていったらどうではないかというようなことをそこで話しております。
 学術会議も1つの政府の組織だろうと思いますけれども、なかなか話題にあがってないんですが、その中では非常に総合的な絵を書かせてもらっています。私も関係しておりますけれども。そういうものがまさにこの戦略の位置付けにとっては非常に有効な議論を私はしていると思っております。ぜひ参照していただきたい、こういうふうに思います。
 そして、その中でそういう先頭に立っていくんだというスローガン、これが日本というものが技術的ないろいろなところで、先ほどから言ってますように非常に先進しているということですけれども、それがもう一歩世界に響かないという、もったいないという言葉を使われてしまいましたけれども、そういうものとしてこういうものも考えていったらどうかというようなレポートがあります。まさにこれは今、茅委員が言われたような具体的なところには乏しい。これは学術会議でございますからそういうものですけれども、しかしそういう方向性については、学術会議が大きな1つのシンクタンクだと思っておりますので、そういうところの情報も取り入れていくというのはどうかなというふうに思っております。
 その中ではやはり総合化されております循環型社会、あるいは武内委員がいろいろ言われましたけれども、3つの部門を2つあるいはそれを総合していったらどうかということですが、たった1枚の絵ですけれども、それなりに全部入っております。そういう絵も出ております。そういうことですので、環境省の中でどういう議論をされているかということは私はつぶさには知らないんですけれども、ぜひそういう形で大臣が世界に向かってスローガンを言えると、そういうことも先ほどからの話の1つにはあるのではないかということで。
 廣野委員もそういうふうに言っておられましたけれども、そんなことで具体的個別の話はまた2回以降にさせていただきたいと思いますが、ぜひそういうところもこの議論の中あるいは構想の中に取り入れてやっていったらどうかなと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 枝廣委員。

○枝廣委員 ありがとうございます。戦略の内容と発信と、その2つの面から少しお話をさせていただきたいと思います。
 内容についてなんですが、やはり人々を動かすビジョンを出すということを考えたときに、積み上げ方式とかこれまでの延長線だけではなくてやはりいわゆるバックキャスティング的な形で、では日本は30年後、50年後どういう国を作ろうとしているのか、それを打ち出す形をぜひ出していただきたいというふうに思います。
 例えば6%減らすのに苦労しているというのは現状ではありますが、でも2050年には70%減らすことだってできるんだと、そこに向かって日本は進んでいくというような、例えばですね、形も今ではできるのではないかというふうに思っています。
 それから、いろいろな提言とか宣言とかこういう部会の報告が出ていると思うんですが、今回のが掛け声で、もしくはスローガンだけで終わらないように、では実際にそれをどのように実行して評価をして継続的に改善して日本が環境立国に向かって、それは一度で終わる話ではないと思うので、その道筋も、もしくはその仕組みも、マネジメントシステムとして入れ込んだ形で作っていく必要があるのではないかというふうに思います。
 特に国民や業界に何々せよというだけではなくて、政府みずからが自分たちの持ってる例えば法律や税制という政策的な手段を使ってどのような国作りをするつもりなのか。特に一番環境問題で難しい経済との両立。もう少し言うと、環境あっての経済だというところをどのように国の仕組みとして形にしていくか、それをぜひ入れていただきたいなというふうに思っています。
 もう1つ発信の面ですが、私はアル・ゴアさんの書かれた『不都合な真実』の本を翻訳しました。その後たくさんの人たちから手紙やメールをもらったり、あとラジオ番組で一般の方々と温暖化をめぐって話をする機会をたくさん作っていただいているんですが、一般の人々の感じは、問題があるのはわかっていると。ただ、何をしたらいいかわからない、この声が一番多いです。国は何も方向を出していないからわからないという声もよく聞きます。そういった点で今回のこの方針を戦略をきちんと国民にわかるような形で伝えていくことが大事だと。これはほかの委員の方々も言ってらっしゃる。
 特に、昨日もそうだったんですが、子ども向けにもよくワークショップをやりますが、子どもたちもこのままではどうなってしまうかという不安を抱きつつ、自分たちは何をしたらいいかということを必ず問いかけてきます。子ども向けにも発信することができればと思います。
 あと皆さんもおっしゃっている世界への発信ですが、私自身ジャパン・フォー・サステイナビリティという日本の環境や持続可能性の取組を世界に発信するNGOを立ち上げて5年ほど活動しています。今189カ国に情報を届けていて、一番たくさん登録者がいるのはアメリカです。そのあとヨーロッパの国々、あと中国とアジアもたくさん登録をされています。毎月何十本もそういった世界の方々からメールをいただくんですが、日本への期待はとても高いです。既に日本にある技術とか取組、これを伝えるだけでも十分たくさんの方に役に立つし、さらに日本がもっとどこへ向かっているかという方向を出すことは人々を勇気づけるし、とても役に立つというふうに思っています。
 最後に、これから残念ながら状況は悪化していくというふうに思います。残念ながら一般の人々の中でもあきらめ始めている人も出ています。そういった中でやはり取組を続けていくために手応えのあるようなそういった仕掛けを作っていく必要があると思っています。
 例えば先ほど茅委員がおっしゃった具体性ということにも重なりますが、オーストラリアでは白熱灯を法律で禁止しようかという動きが出ていますが、例えばそういった具体的な取組で国としての決意を示すことができる。
 この手応えとわかりやすさ、具体性、そしてバックキャスティング、そしていろいろなところへの発信ということをぜひ考えていきたいと思っています。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、上路委員。ちょっと後出しの方は後でまた。

○上路委員 どうもありがとうございます。上路です。今多くの先生方からいろいろな形でご提案がありました。全体の中で見てみますと、一番初めに人口が増えてくると、これはもう今後ともに2050年までに随分増えるだろうという予測もあります。その中でどうしても食料の確保ということが重要です。地球温暖化を始めとしていろいろな形で環境が悪化することによって、中国も、そのほかの東南アジアの国々も決していい食料の確保、食料を作っていくだけの環境が保たれていない、できていない、むしろ悪化していくというようなことがあると思います。例えば砂漠化だったりあるいは水の質の問題だったり、そういうことで食料生産環境は決していい状況ではないというふうに思います。
 そのところに対して、日本の農業生産の技術というのは大したものですから、それを活用していただきたいということもあります。一方、農業生産の現場からもかなり地球温暖化に対してマイナスの、地球温暖化の原因になるようなこともやっています。それに対する対策も国内でいろいろなことが考えられておりますので、それについてもやはり海外に技術移転できればというふうに思います。
 今のはどちらかというと外国に対して何をするのかということをきちんとこの戦略の中に入れていただきたいということです。
 それと、国内向けについては、やはりわかりやすくみんなが努力できるような目標が達成できればというふうに思います。随分、里地里山とかそういうものに国民が癒しというんですか、そういう癒しを感じるというようなアンケート調査の結果も出ております。しかし、里地里山というのがだんだん農業の崩壊とともに大分荒れてきています。そういう食料確保の場所、あるいは里地里山の整備というようなことも含めて入っていけばいいのではないかというふうに思います。
 私としてはやはり食料生産ということも含めた形での総合的な環境保全あるいは環境の持続的な活用の方法というようなことに、農業ということもきちんと位置付けていただくというのが望ましいと考えます。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、後から出された萩原委員から。

○萩原委員 すみません、後出しで申しわけございません。3点ほど。
 1つは総合性というお話もありましたけれども、1つには例えばこの中にもエコツーリズムのことが出ておりますが、エコツーリズムは今完全にマス化してきているというふうに思いますし、いわゆる非常に美しい自然を残しているところが開発が今進められております。そうなってくると、観光、環境といったものの両立をどうしていくかといったときに、やはり環境の主流化ということすべての、今日、各省庁もいらっしゃっていると思いますが、すべての政策にあるいは施策にこの環境というものを入れていかないと矛盾が起きてしまったり整合性が図られないところがありますので、そこをきちっとここの中でメッセージを示していくということが必要ではないかというふうに思っています。
 それから、もう1つはやはり何度も出ておりますけれども、情報ということだと思うんですが、一人一人の人たちがやはりライフスタイルを変えなきゃいけないということは何度も言われていますが、情報を出せば出すほどあきらめてしまうようなことにならないように、先ほど希望という話も出てまいりましたけれども。やはり具体的な行動の変革を起こしていく、やってみようというふうに、できれば環境情報の提供。
 それからもっと大事なのはトップダウンの情報だけではなくて、地域の人たちが持っている、地元の人たちが持っている知恵、そういう情報あるいは情勢。若者、そして子ども、そういう人たちが持っている情報との交流の中で人々の行動が変革していくようなそういう情報提供ということは、いわゆる環境コミュニケーションですね、これもきちっと入れていくべきではないかというふうに思います。
 それからもう1つは、NPO、NGOの話が必ずいろいろなところで出てくるんですけれども、やってますではなくて、もう既にいろいろなさまざまなところで行政、企業、NPO、それから市民、そして地元の自治会、町内会、ボランティア団体との共同によってさまざまな成果が出ているわけですので。その共同、連携、連携とか協力とかさまざまなそういうものを、具体的にしましょうではなくて、これもほかの、例えば内閣府の市民活動を促進している部署であるとかそういったところと横の連携ですね、そうしながら進めていくというそういうネットワーク的なもので施策を展開していくようなそういうメッセージもぜひ盛り込んでいっていただきたいなというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、ちょっと向こうへ移ったついでと言っては恐縮ですが、森本委員と村上委員にお願いいたします。

○森本委員 すみません、森本です。既に大変重要な視点が出されておりますし、立派な資料がありますのであえてつけ加えることは少ないんですけれども、大事だと思う点だけ繰り返させていただきます。
 その1つは、統合的あるいは総合的なアプローチということでございます。これそう言ったら皆さん反対は何もしないんですけれども、大体環境問題というのは部分、最適、全体に矛盾を先送りするという形で発生してきたものでございまして、実は環境技術についてもそういう面がなきにしもあらずでございます。
 そういったときに、現実にどういう社会を目指してどういう形を目指してどういうふうにプログラムを立ててやっていくかということを実際に適用していくためには人材の教育が欠かせないと思います。そのための仕組みというのはやはりまだ日本ではきちんとできていないと思います。
 私ども京大にちっぽけな大学院を5年前に作りまして、地球環境学ということをテーマにして、文理融合なんですね。こういった観点はなかなか評価されにくいわけでございますけれども、あえて文理融合をとって。現地の、途上国も含む、日本各地で問題のあるところで大学院の学生を長期にインターンに派遣して、大学ではその対応をサポートする。現地と共同でサポートするというような仕組みを作りました。非常にちっぽけな大学ですのでできることわずかなんですけれども。こういったところで人作りを日本の環境を考える上でどう作っていくかというのが大変大事な課題だと思っております。
 それから、問題を先送りするときに、最後にどうしてもいっちゃうのが自然環境と申しますか生物多様性だとかわけのわからない、聞いたことのない名前の虫とか鳥とか獣とかこれ何の役に立つのだという、そういうことにいっちゃう可能性があるんですね。矛盾を先送りされる最後のとりでという形で僕は生物多様性というのを捉えておりまして。広く問題点を把握しつつ、現実にも対応できるそういったことを考えられる人材を作るということは大変大事な課題かと思っております。
 そのときゴールを示すあるいはわかりやすい目標を示すというのがバックキャスティングという手法の大事さであると考えます。それで、モデルというお話が武内委員からもございました。そのとき日本というのはすごくいいモデルだと思います。確かに江戸時代等はそれなりにモデルになり得ると思います。ただ、いわゆる鎖国という形で外部からは何も入ってこない状態だったわけです。現在はそうじゃないわけですね。そういったときに、日本でモデルを考えるというときに、日本だけで完結するモデルというのではなくて、水の話が資料にもございました。森林についてもそうでございます。日本の内需は18%ですかね、エネルギーに至っては4%ですね。そういったことを含めた統一、総合的に考えるというならば、日本型モデルというものを考えるときにはそういったことを含めた、特にアジアに目を向けた枠組みでのモデルというのを作っていくという、それを宣言するというのが大変大事な視点かなと思います。
 この2点つけ加えさせていただきます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 村上委員。

○村上委員 私からも2点お話しさせていただければと思います。1つ目は萩原委員のご指摘とかなり重なっているところがあるんですが。小池委員が環境、持続可能な社会を作るためには生き方を変えるという点も必要ではないかというふうにおっしゃいましたけれども。確かに日本の暮らし方というのを変えないとどんどん一人暮らしの方が多くなっていって、1つ1つのCOの排出量というのは減っていっても世帯数が増えることでそれを上回る伸びを示しているという状況があるように、暮らし方ですとか地域のあり方というのを問い直す必要があると思います。
 でも、それはこうしなさいというふうに国が方針を出したからといって変わるものでは決してないと思っていて、地域に暮らす人々がどのような暮らし方がもっと私たちの地域作りにはいいんだろうかということを考えて、自分たちのまち作り、地域作りに参画していく、そういうコミュニティ作りだとか市民参加というところにつながっていく必要があると思っています。
 環境教育というキーワードが何人もの先生から出されましたけれども、人と自然のつながりを回復すると同時に、人と人のつながりを回復するというのが環境教育の大きな目標になってますけれども、そういう視点から教育活動、主に生涯学習と地域作りや市民参加をつないでいく、そういう視点が大切なのではないかと思います。
 もう1点は、ちょっと私がここで指摘するほどそこの分野に対する専門性がないので、問題提起としてぜひその分野に明るい先生方からもご意見を伺いたいと思っているんですけれども。グローバル経済との関係をどうしていくのか。環境問題をやっていてNGOの方々と一緒に活動していると、大きな原因の1つに行き過ぎたグローバル経済というのがその原因として挙げられてきます。例えばバイオマスの戦略も国内の未利用資源をバイオマスのエネルギーに生かしていくというのはとても重要なことだと思うんですけれども、海外からバイオエネルギー、エタノールだとかバイオプランの原料を輸入するというのはアマゾンの森を破壊しながら作られているコーンだとか大豆だとかそういうものを利用することになってしまうというような視点があって。それはやはりグローバル経済とのつき合い方じゃないかなというふうに思います。
 あと、上路委員から食料のことも指摘されましたけれども、第一次産業というのを日本の中でもっともっと大切にして、自分たちの食べるものは自分たちでまかなえるように、そういうふうな社会を作っていくことも必要だと思うんですが、それもグローバル経済との関係でなかなか難しい状況にあると。そういう部分にももし切り込んでいくことができたらすばらしいのではないかと思います。
 どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 それでは、こちらにマイクをお願いします。石井委員、植田委員の順で。

○石井委員 私は最も大事だなと思うのは、今回の特別部会が一体どういう意味で設立されたのか。特別部会に求められているのは一体何なのかということであります。環境のさまざまな分野で地道で長期的な取組というのはいろいろな審議会、また部会が作られてとり行われているところなわけです。そこへもってきて今回特別部会ということで、屋上屋を架すようなことがあってはいけないだろうと。
 そしてまた、今回先ほど説明資料の中にもありましたけれども、何らかの方向性、新機軸打ち出してほしい。特に重要なのは、中期的な戦略だというふうに書いてあるわけですね。これ長期的なものは既にいろいろな場面で議論されているわけで、中期的かつ多くの委員の方たちがおっしゃられていましたけれども、具体的な戦略を打ち出す必要があると。具体的というのは言い換えれば実現可能性ということではないかと。説明資料の中に一、二年で実施に着手すべき対策等をというふうにあります。そのぐらいのタームで実現していくことができるような対策。そうした場合、当然世界への発信ということを考えると、理念ももちろん必要になるわけですけれども、それよりも重要なのはより具体的な個別な政策ではないかと考えるわけです。それを経済財政諮問会議の骨太方針の中に反映してもらわなきゃいけない。またはそこで反映されるようなものとして打ち出さなければいけないというふうに考えるわけです。
 それを考えた場合、ここから先は次回の会合以降の話かとは思いますが、私が気になるのは安倍首相みずからがやはり経済成長戦略というのを打ち出しているというところは大事にした方がいいんじゃないのかなと考えるわけです。そうなると、具体的な戦略として何を提示していくかという点については、関澤さんが先ほどおっしゃられたような経済成長と両立し得るような、経済成長を行いながら対応できていくような戦略、そういったものを1つ提示していくというのも非常に実現可能性があることではないのかと考えます。

○鈴木部会長 植田委員。

○植田委員 3点ほど申し上げたいと思いますが。1つは、茅委員を初め何人かの委員の皆さんがご指摘された点ですけれども。ご説明いただいた環境問題も非常に多種多様というか、それぞれ大問題だという面を持っているわけなので、それぞれに実は戦略が必要というそういう面があると思うんですけれども。今回はここは国の形みたいなことで環境に取り組むんですね、そういうことを明らかにしないといけないので、それらをまさに総合、統合的に打ち出す必要があるということになると思いますので。やはりその共通理念といいますか、貫く理念がある意味で重要になって、それを反映した具体的内容というかそういうものが見えないといけないということになると思います。
 そういう意味で私も茅委員がおっしゃったサステイナブルソサイエティというのは1つのそういうことを貫く理念の少なくとも基調に置かれるべき内容ではないかというふうに思うんですが。そのときにどういう単位のサステイナビリティを考えるかというのは割と重要で、私はグローバルなサステイナビリティの問題と、ある意味でローカルとかあるいは先ほどありましたようなコミュニティとかそういういろいろな単位の実はサステイナビリティがあって、それをどういうふうに全体として考えていくかというあたりに知恵が1つ必要かなというふうなことを1つ思っております。これが第1点です。
 第2点目は、やはり国の形を、環境に関する取り組み方の形を示すということですので、やはり一種のグローバル戦略はどうしても欠かせないというふうに思います。そのときにもちろん重要なのはやはり経済の問題であるし、国際関係の問題、経済関係であり国際関係の問題であると思いますので、実際に環境問題もそういう関係の中で起こっている問題という面を持っているので。つまり、グローバルな中における関係をどういうふうに持つのかという、そこに理念がいるというふうに思います。
 どういう関係を持つのかということと、そのこととのかかわりでよく使われる貢献とか協力とか、あるいは地域単位では実はコラボレーションというような用語も使われますが、そういうどういうものをどういう貢献とか協力とか共同とかそういうものを作っていくのかという意味での理念ですね、これもやはり必要になっているかというふうに考えます。
 それから、3点目は、これも国内と国際の問題の関係をどういうふうに整合的な理念として打ち出せるか、関係として打ち出せるか、この点も留意しておく必要があるのではないかというふうに思います。つまり、一種の働き方とか暮らし方とかいうところ、それからあるいは社会経済構造を改革するとか、そういう内容が国の内部としては非常に大事な内容を持つものとしてあると思うんですが、そのこととどういう国際関係を持っていくかということはやはり非常に深い関係を持つものなので、それらについて何らかの意味で整合ということでしょうね、そういう理念でないと浸透する理念にならないというか発信力のある理念にならないというような気がいたしました。
 以上、3点です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 全体をまとめていただいたような形でもありますが。
 ご発言なさいますか。では、後々出しの方々を3人。平野委員、花井委員、杉山委員、お願いいたします。

○平野委員 後々出しでまことに申しわけございません。私からはお願いが1点ございます。先ほどからも話題になっております本部会の統合的アプローチという趣旨に照らして、金融をぜひ本特別部会の検討課題としていただきたいということでございます。金融機関自体の事業所活動というのは必ずしも環境負荷が高くないものであるということから、金融業と環境との関係というのはこれまで必ずしも十分注目されてこなかったのではないかというふうに思います。しかしながら、視点を変えて見てみますと、金融というのはいわゆる経済、産業の血流と呼ばれるように、経済産業活動の背後には、あるいは経済産業活動を進めていく上ではその背後には必ずお金の流れがあるということでございます。
 実際、昨年4月から7月まで7回にわたりまして環境省の主催で環境と金融に関する懇談会というのが開催されまして報告書もまとめられているところでございますけれども。簡単に申し上げると2つぐらいの側面があるというふうに考えております。まずその1つは、金融機関の投融資活動における環境とのかかわりということでございます。これもまた中身を2つに分けることができると思うんですが。
 その1つは、環境価値の毀損を防止するという側面でございます。これは金融機関が投融資活動をする際に、その対象となる例えばプロジェクトファイナンスあるいはプロジェクトに対する金融をつける場合に、当該プロジェクトが一定の基準を守るというガバナンスあるいは抑止力を働かせることによって環境に対する貢献を行うということでございます。
 例えば2003年、国際金融公社、IFCというふうに言っておりますけれども、が中心となりまして国際的な金融機関10行がとりまとめました赤道原則というのは、発展途上国におけるプロジェクトファイナンスを行うに際して環境あるいは社会への配慮を行うことを条件づけるといった内容となっております。
 それから、もう1つ積極的な環境改善への試みに対するファイナンスの面からのバックアップというのがございます。例えば私ども三菱東京UFJ銀行では2005年から2007年の3年間に約1,000億ほどの環境関連のファイナンスに対する融資を金利の優遇あるいは期間の長期化等によってサポートしようというような試みを行っているところでございます。
 それからもう1つ、CDM、クリーンデベロップメントメカニズム、これも発展途上国におけるプロジェクト、省エネルギー関係のプロジェクトに関する国際的な取組の1つのスキームでございまして、私ども金融機関としてこれに対するコンサルテーションあるいはファイナンスを活発化させようというふうに考えております。
 それからもう1つの大きな側面というのは、金融仲介業務としての側面でございまして。典型的にはSRIファンド、社会的責任投資というふうに呼ばれておりますけれども。2006年5月には国連が策定いたしました責任投資原則に日本の金融機関も数多く参加をしている。これは金融機関が受託して基金を運用する際に、その基金に組み入れる例えば株式あるいは社債を発行している企業がESG、環境、社会、ガバナンスに対して十分な配慮を行っているかどうかということをきちんとチェックしてやっていこうと、こういった考え方でございます。
 以上、簡単に申し上げましたけれども、さまざまな側面から金融あるいは金融機関が環境に対してそれを守り、あるいは積極的に貢献していくという役割を果たすことができるというふうに私ども考えておりまして、これをぜひ取り込んでいただきたいということでございます。

○鈴木部会長 花井委員。

○花井委員 すみません。短く意見を述べたいと思います。2つあります。1つは先ほどから出ております情報発信の問題でございます。環境問題にかかわって初めて物事が世界と結びついて動いているということを知るのですが、それ以外人たちにはほとんど届いていないという危機を持っております。IPCCの報告あるいはスターンレビューが出たということをもう少し国民にわかりやすく。もう1つ、同時に日本の科学者のアピールも出ているのですが、これらを含めまして情報発信の工夫が必要ではないか、そのことをもう少し意識しなければいけないのではないかということと。
 この特別部会の役割は国際的にアピールするということがありますが、そうしますと必ずでは日本は何をするんだということが問われることになります。ぜひ生活を変える具体的なものを国内的な情報発信と合わせて提起できないかというふうに思います。米国ゴア前副大統領の映画を若い人が大勢見ております。ところが、ではそれを見て自分たちの生活をどう変えていくのかというのが一番難しいところで、そこに対する具体的な対策としての提案が非常に少ないのではないかという私どもの反省も含めてあります。そういうことも盛り込めたらというふうに考えているということです。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、杉山委員。

○杉山委員 2点ほど申し上げさせていただきます。この会議、部会は広く省庁横断的な、そして多方面の先生方を集めておられるということから、私なりには国民参加型の戦略を問うというように解釈しております。その点で2つほど考えていることを申し上げたいと思います。
 1つは、国民の理解を得られるためにはどういうことが必要なのかということで。環境保全のためにどういう基本戦略があるのか。経済理論的に言いますと、汚染者に補助金をということもあり得るんですけれども、恐らくこの戦略を出すと経済学者以外にはなかなか理解が得られないのではないだろうかなというように思います。
 国民が理解を得られるという点からいたしますと、やはり環境優等生、環境問題に大いにコントリビュートしているところあるいは人たちに何らかのインセンティブを与える。いくら一生懸命やっても次から次へとまた削減を要求されるということであればインセンティブが削がれる懸念がありますので、そこを1つ考えるべきではないだろうかなというように思います。
 もう1つは、その国民の協力の点でございますが、資料3の32ページにLOHAS、ライフスタイルオブヘルスアンドサステイナビリティということがありますけれども。これをより一層国民の間に浸透させるためにはどういう具体的戦略が必要なのか。こういうことをやればこういうコントリビューションができますよというような形での具体化、観念論ではなくして具体論を展開するというところに大きなヒントがあるのではないかなというように考えているものですから、そこを申し上げさせていただきました。
 以上です。ありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 先生方から大変多様なご意見をいただき、ある意味ではほとんどのことを網羅していただいたのではないかと思いますが。いろいろご意見が、あるいは一部ご質問もございましたが、先生方それぞれ多様な背景を持っておられるということもあって意見の分布がある程度あったのではないかと思っております。
 しかしながら、やはり極めて重要なのは一体この立国戦略といいますか環境立国というものは一体何なのか、環境立国戦略というのは一体何を目指すのか、そういうことについては少なくとも共通の意識を持たなければいけないと思いますが。一体だれに向けて、どこに向けてそれを発信するのか。これはもう極めて明快でありまして、骨太の戦略を通じてやはり国内をどう動かしていくのかという極めて焦眉の急といいますか短期的な目標を課せられている。それから、G8というようなものを通じて一連のこの国際的な動きを通じて、やはり世界に対して日本の立ち位置を明確にするという、これはもうはっきりしていることであります。日本の立ち位置というときに、やはりアジアにおける日本というものをどういうふうに考えていくのか、そういうようなことをしっかりとここで取り上げることが必要だと思いますが。
 いろいろご意見いただきましたようなすべてのことをここへ盛り込んで第2の環境基本計画を作るなんていうつもりは全くございませんので。環境基本計画、昨年4月にいろいろな意見をいただいてしっかりしたものができております。したがって、そこをベースにして一体我が国としてはどうこういうメッセージを作り上げていくのかということが重要だろうと思いますが。もちろん、昨年の4月以降の国際的ないろいろ展開等々もそこには考えていかなくてはいけないことかと思いますが。
 メッセージを発信する以前に、日本の場合には1つ問題がありまして、センスオブアージェンシーというんでしょうか、やはり環境に対する危機意識が非常に欠けている。これはいろいろございますが、市民の方々も意識は持っていてもどう動いていいかわからない。これは日本の、特に政治の場では全くと言っていいほどそういうセンスオブアージェンシーがないと。こう申し上げるとここに副大臣もお出でいただきましたので大変失礼かと存じますが、ぜひこれから頑張っていただかなくてはいけないというようなところかと思います。
 そういうところで、国の形というお話も出ましたが、やはり茅委員、植田委員、武内委員、いろいろお話がありましたように、やはり目標とするのはサステイナビリティ、ジャパンフォーサステイナビリティがお考えになっている、まさにそのサステイナビリティを世界のレベル、アジアのレベル、日本のレベル、そして我々が暮らしているその地域のレベル、あるいは国、もっと小さい単位であってもいいかもしれませんが、クライメートセキュリティだけではなく、マテリアルセキュリティ、そしてフードセキュリティのお話まで出ましたが、そこまでこれが踏み込むかどうかということは別にしましても、やはりそのセキュリティという意味では今我々は非常に追い込まれているというそういう危機意識をしっかりと下敷きにしていろいろなことをメッセージを積み上げていくことが必要だろうと思います。
 具体的に幾つかの具体的な政策提案というようなものもございましたので、それにつきましてはまたまとめて整理をさせていただくことになろうかと思います。
 とても全体をまとめるというようなことは私現時点では難しいんですが、やはり日本モデルというお話がありましたが、高度成長モデルからこれからは成熟した社会というような社会をどういう形で作っていくのかということをモデルとして示す上では、日本は幸いなことに資源もなければエネルギーも外に依存している。食料はもう40%しか自給率がない。動物の飼料に至っては15%ぐらいなんでしょうか。そういう国であるという、そういうところが一体どうやって生き延びていくのかというモデルを作るという意味では極めて恵まれた、ある意味条件を整えた国ですから、そういうことも視野に入れながら進めていくことができればと思います。
 大体、ほかにも大変有益なことをいろいろといただきましたので、次回までにそれをとりまとめさせていただければと思っておりますが。
 事務局の方から、小林官房長。

○小林大臣官房長 事務局の方でございます。ありがとうございます。初回からご意見をたくさんいただきまして、大変ありがとうございます。議長の方から大変的確なサミングアップしていただきましてありがとうございます。
 意見に関しては特に事務方からどうこう申し上げることはございませんけれども、1点、質問事項がございましたのでお答えしようかなと思いましたが、これも実はもう鈴木部会長の方からお答えがありましたので補足は必要ないと思いますけれども。小池先生から国内向け、世界向け、どっちに向いているのか。また、須藤先生の方から、基本計画との違いというご質問ありました。今、鈴木部会長の方からお答えあったと思いますが、若干補足的に申し上げますと。基本計画はやはり5年ごとに大変網羅的に作るということでございますが、今回その世界の枠組み作りにも使うということでございますので、使い勝手も違いますし、タイムスケールも少しもっと長いということもございます。それから、重点的だというところも違うわけでございまして。こういった基本計画等とのご議論を踏まえて、さらにこういった新しい高いレベルでの使用といったことに向けてご討議を賜れればというふうに思ってございます。
 それからあと1点、これは質問事項ではございませんけれども、97年、京都議定書がまとまったころとは大分状況が違う、中国、アメリカについてのご指摘がございました。実は配布資料にそのことも触れてあったんですが時間の関係ではしょってしまいましたので、大変恐縮でございました。資料4のところで、7ページにはアメリカの最近の動きということで、ブッシュ大統領も任期はもうわずかでございますが、COに言及し始めているということのほか、8ページには米国議会で新しい温暖化対策関係の法案の提出の動きがあるということで。1例を挙げますと8ページの下から2番目、マケイン・リーバーマン法では2050年に90年比60%削減とか、その上の法律もそうでございますが、大変先まで見た大変大きな目標を掲げる、例えば一番下も80%とかいうことで、数字がいいかどうか別といたしまして、こういった画期的な動きもアメリカで起きてきてございます。
 また、9ページでございますが、一番右側に中国の、これは2006年に発表されたものでございますが、第十一次五カ年計画ということが書いてございまして、この[5]でございますが、資源節約型・環境友好型社会というのがうたわれてございます。この中身を書いてなくて恐縮でございましたが、あえて触れさせていただきますと、GDP当たりのエネルギー使用量を2010年までに20%原単位をよくする。それから、SO2とCODについてはその総量を2010年まで同じく10%、これはそれぞれ06年度比でありますが、改善していくといった具体的な数量的な目標を立てて中国も取り組み始めたということでございます。そういったような状況、変化があるということについてご紹介遅れまして申しわけございませんでした。
 事務的にはそれだけです。何かありますか。
 あと柴垣の方から補足させていただきます。

○柴垣政策評価広報課長 今後の予定といいますか日程的なことで連絡事項ということでございます。資料1の別紙にもつけてございますけれども、次回は3月5日の週とありますが、3月8日、木曜日の午後1時から予定をさせていただきたいというふうに思っております。政府における取組の現状と課題ということで、環境省初め今日出席していただきました各府省からの説明、それから有識者のヒアリングということで考えております。
 それから、3月末までにあと次回を含め3回ほど、第3回が19日の週ということ、それから第4回が最終週、3月25日の週ということで、29日か30日ぐらいを予定させていただいて、3月までに骨格のようなものをとりまとめいただいて、さらに4月、5月のそれの肉付けみたいなことで議論を進めていただければというふうに考えております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 先ほど資料4の最後のページ、9ページのところに各国における環境計画の策定状況というのがありましたが。左側の日本のところを見ますと上の部分が真っ白に抜けております。これが問題なんですね。ここの部分をもちろんこのわずか数週間で短期的に作るものが埋めるということではないと思いますが、理念としてここに対応するようなものをきちんとメッセージとして組み上げていければと、そういうことかと思いますので、ぜひどうぞオールジャパンで考えていかなくてはいけない、そういうことでございます。
 それでは、今日はありがとうございました。委員の先生方に、多分まだあれを言いたかった、これをおっしゃりたかったというフラストレーションがたまっておられると思いますが、また次回以降、その辺をお伺いできればと思っております。
 今日は先ほどまで若林大臣がいらっしゃいましたが、今、土屋副大臣がこちらにお出でいただいております。最後にちょっとごあいさつをお願いいたします。

○土屋副大臣 ただいまご紹介に預かりました土屋でございます。委員の皆様には日ごろ環境行政に大変にご理解と多大なるご協力をいただいておりますことを御礼申し上げます。
 今、鈴木部会長さんからもお話がありましたけれども、政治家の意識がもう少し重要ではないかということでございますけれども、まさにこの戦略を作ることによって政治家が国内外において発信する道具となるようなものができればいいかなと思っております。やはり大変ご意見が出ていた具体的なことがメッセージとして発信できれば、日本の力というのも外国に示すことができますし。また地域においては一人一人の国民が行動に移すことができると思います。その点が私は一番大切だと考えておりますので、委員の皆様には6月まで大変厳しいスケジュールと思いますけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 今日はありがとうございます。

○鈴木部会長 それでは、事務局の方、よろしいですね。
 それでは、これをもちまして第1回の特別部会を終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。

午後0時00分閉会