■議事録一覧■

環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する
基本方針の作成に向けた懇談会(第3回)会議録
 



○平成16年6月9日10:01〜12:28
○中央合同庁舎5号館5階共用第7会議室


<議事次第>
  1. 開会
     
  2. 意見発表者紹介
     
  3. 議事
    (1) 意見発表及び質疑応答(敬称略)
      阿部  治  「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議運営委員長
      和泉 良司  横浜市教育委員会学校教育部小中学校教育課指導主事
      関  健志  日本ナショナル・トラスト協会事務局長
      (質疑応答)  
    (2) 全体討議
    (3) その他 

  4. 閉会

午前10時01分開会

○渋谷環境教育推進室長 皆さん、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第3回の懇談会を開催したいと思います。
 委員の皆様方、またゲストスピーカーの皆様方、本日はお忙しいところ、また朝早くからご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 委員の方、お1人まだ、来られていませんけれども、間もなく到着すると思います。
 本日は、環境省から、加藤環境副大臣が出席しておりますので、議事に先立ちまして、まず加藤環境副大臣より一言、ごあいさつ申し上げます。よろしくお願いします。

○加藤環境副大臣 皆さん、おはようございます。
 毎回、毎回、この懇談会に参加をいただきまして、本当にありがとうございます。委員の皆様はもとより、右側の席に座っていらっしゃる方につきましても、本当にありがとうございます。心から感謝を申し上げる次第でございます。
 また、きょうはゲストスピーカーで3者の方々に発表をいただいて、それに対する質疑応答ということで、私も期待してございます。
 ただ、私11時の別の会合に行かなければなりませんので、途中で退座をさせていただきたいと思ってございます。
 前回、終わりに当たりまして、あいさつをさせていただいたわけですけれども、その中でも実効性の問題について言及をさせていただきました。やはり、わかりやすい形で1つの数値目標とか、あるいは、それにかかわる改革をしていくべきであるというふうに考えておりまして、また、わかりやすいといえばエコスクール事業を2005年から2014年の10年間に対応した形でどういうふうにつくることが可能であるかということについても、積極的に検討していただきたいなと、このように思ってございます。
 基本方針、私は今、法律の中にあります二十数個の基本法の関係でありますけれども、基本方針とか基本計画について若干目を通してまいりましたけれども、なかなかわかりづらいなと。抽象的に書かれている部分が多いなという、そういう印象が強く持っておりますので、役人の皆さんでないとわからないというような中身では、ちょっと心もとないなと、そう思っておりますので、わかりやすい文言と具体的な展開がなされることが、私は非常に大事であると思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それから実効性の関係では、やはり私は文部省と、あるいはそのほかの全体で5つの主務官庁がかかわってきている法律でありますので、そういった中でNPOなどと連携して、全国の市町村に環境体験学習、そういったものにかかわるコーディネーターを配置すると。そういった中で、学校の先生が簡単に体験学習に関する情報とかプログラム、ノウハウ、そういったものに容易にアクセスできるような、そういった体制をいかにつくりあげていくかという点についても極めて重要であると思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 また、これは法律の23条の2項に当たるというふうに私は理解しておりますけれども、環境保全の意欲の増進等々、そういった面にかかわる情報を積極的に公表するように努めるものとするというふうになっておりまして、国がそういった情報の収集、整理、分析、その結果の提供を行うように努めるものとするというふうに書いておりますので、やはり環境教育の実践、成果、パフォーマンス、そういったものが明確に報告されるようになることが望ましいわけでありますので、年次報告的なものが、環境教育という分野でしっかりと出されるということが、私は期待しております。
 ですから、環境教育と実践成果、年次報告書なんというそういった名前、例えばの話でありますけれども、そういった形でしっかりとつくっていただいて、啓蒙等含めて、効果的に展開し得るようなそういうツールをしっかりとつくっていただければなと、こんなふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 大体そういった中身も含めまして、今後よろしくご検討のほどを、お願いを申し上げたいと思います。
 以上でございます。

○渋谷環境教育推進室長 どうもありがとうございました。
 続きまして、委員の交代がございましたので、ご紹介をしたいと思います。
 高橋秀夫委員が、6月1日付の経団連の人事異動によりまして辞任されまして、新たに経団連の環境技術本部環境グループ長の青山周様が委員として委嘱されましたので、ご報告を申し上げます。

○青山委員 青山でございます。よろしくお願いいたします

○渋谷環境教育推進室長 よろしくお願いいたします。
 続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。配布資料、まず、懇談会の議事次第がございますでしょうか。その1枚目を開いていただきますと、配布資料一覧というのがございまして、まず資料1といたしまして意見発表者についてということでお3人の名前が書いてございます。それから資料2が阿部先生の資料でございまして、3ページから20ページまでと、それから、委員の皆様方の机の上にございますが、青いこのESD−Jの報告書があると思います。それから、資料3として和泉先生の資料で、21ページ、22ページが和泉先生の資料でございます。それから、資料4といたしまして、関先生のものが24ページから30ページまで。それと、パンフレットが2つですね。この2つのパンフレットがお手元に届いていると思います。
 それから、阿部先生の資料で、パワーポイントの資料がございます。これに沿ってご説明いただけるということになって。傍聴の方には、また後ほどお配りいたします。
 以上、何か落丁等ありましたら、事務局の方に申し出ていただきたいと思います。
 それから環境省では、夏の省エネということで、ご案内にも書きましたけれども、きょうはたくさんの傍聴の方もいらっしゃっていまして、部屋もだんだん暑くなってくると思います。軽装でということを心がけておりますので、ぜひ上着を脱いでいただいて、軽装で話を、議事を進めていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは今後の進行は、小澤座長にお願いしたいと思います。では、小澤座長、よろしくお願いいたします。

○小澤座長 皆様、おはようございます。本日は、前回に引き続きまして、現場の具体的な実践に接されていますお3方の方にヒヤリングをお願いしたいと思います。
 資料1に、お3方のお名前と所属組織が記載されておりますけれども、まず発表順にご紹介させていただきたいと思います。なかなか、知っている人に対して改まって言うのもちょっとあれなんですけれども、まず「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議運営委員長の阿部様です。

○阿部氏 おはようございます。

○小澤座長 続きまして、横浜市教育委員会学校教育学部小中学校教育課指導主事の和泉様でございます。

○和泉氏 おはようございます。よろしくお願いします。

○小澤座長 続きまして、日本ナショナル・トラスト協会事務局長の関様でございます。

○関氏 関と申します。よろしくお願いいたします。

○小澤座長 それでは、議事に入りたいと思いますが、阿部先生の準備がちょっと遅れておりますので、和泉先生、申し訳ないんですが、先に和泉先生の方からさせていただけますでしょうか。

○和泉氏 時間は、20分は質疑込みですか。

○小澤座長 いえ、20分、十分お話ししていただいて、お3方のお話ししていただいた後に、質疑応答したいと思います。そして、その後、意見交換をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 最終時間は12時半ということで、めどに進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

○和泉氏 では、よろしくお願いいたします。
 私は今、教育委員会というところに勤めておりますが、横浜市内で教員をやっておりました。あと、その後校長を経て、今教育行政という方に来ておりますが、実は、ここに呼んでいただいたのは、どんなことをお話ししたらいいのかなと思っていたんですけれども、私が教員時代、自分の勤めている学校及び教員仲間と、いろいろな環境教育に関して、授業を通してどんなことができるんだろうというようなことをやってきたということが1つありますので、その辺から環境教育というのはどういうふうに進められるのかと。特に学校教育で、環境教育はどのように進めていったらいいのかなということを考えてまいりましたので、その辺について、少し私どもが実践してきた例からお話しをできたらと思います。
 特にこの今回の中では、第9条の学校教育等における環境教育の支援でございますが、この辺にかかわる内容かなというふうに思っております。
 環境教育という言葉は割と前からあるわけなんですが、実際、学校で環境教育やっているのと言われると、ちょっと現場の先生たちは、「どうかな」と首をかしげられるかもしれないんですね。
 1つは、環境教育とは何かというようなことで、なかなか共通理解が得られない。例えば小学校の算数とか中学校で英語、非常にはっきりしていますが、環境教育となりますと、その指導者、先生方によって、考える範囲が違っていることが多いんですね。もちろん、今の文部科学省、文部省でも指導資料等出ておりますけれども、なかなかその辺がほかの教育内容に関して違うところがある。
 ですから、その辺のところを、阿部先生の方からきょうお話があるかもしれませんが、比較的狭い範囲というんでしょうか、環境問題にかかわることで、環境教育ととらえているというのが今まで。それからさらに広い意味での、例えば国際理解教育であるというようなこととかジェンダーとか、それからネイチャーゲームというようなかかわりとか、日常生活におけるリサイクルとか、非常に広い意味での環境教育というふうにとらえ方も変わってきております。そういうのを受けまして、実際学校の中で、どういうようなことが環境教育の範囲なのかなというようなことを明確に示していくと、それはそれでやれるのではないかと。
 それと、やはり我が国の場合は、世界に冠たるナショナルカリキュラムという学習指導要領がございます。これは、例えばイギリスなどから、サッチャー政権の時代ですけれども来た人たちは、非常に羨ましいと言ったと聞いております。というのは、国として一定のレベルを保証していると。聞くところによりますと、イギリスのイングランドとかスコットランドでカリキュラムが違い、アメリカ合衆国などでは州ごとに違うと。かつては、進化論を教えるかどうかというのが州のレベルで違うというような話も聞いたことがございますが、日本はその点、指導要領というものがあるので、ナショナルスタンダードというんでしょうか、学習内容が確保されています。その中で、環境教育が息づいているということが、非常に大事ではないかと思います。
 そこで、問題なのは、実際「今の日本で環境教育って行われるか」というときに、行われていないということはないんですね。ところが、じゃどこでと言われると、その辺がちょっとあやしくなる先生が多いのではないかというようなことが心配ではあります。
 資料を1枚、用意させていただきました。21ページ、資料3でございます。実際、私どもは平成7年あたりから、学校の中でいろいろな教科で環境教育ができるのではないかという考えのもとに、環境教育を実際授業の中でやってみました。環境教育を導入したら、例えば理科が、例えば社会が、その学習の目標に到達しなかったらまずいと。環境教育を取り入れたことで、勉強の中身も豊かになるのではないのというようなことが仮説として考えられました。
 それと、環境教育はどんな内容をやったらいいのかということをはっきり共通理解しておく必要がある。カリキュラムというのは最終的に指導要領を受けて学校でつくっていきますので、学校の中で環境教育のカリキュラムができるのではないかということです。実際、平成7年から始めまして、当初第1期というんでしょうか、5年ほどで、いろいろな授業を70〜80例ぐらいやってみました。
 その中でいろいろなことが浮かび上がってきたんですが、そこで、そこに21ページの資料にあるんですけれども、環境教育の内容例というものがあります。生活環境とか資源・エネルギー、人と自然、人と社会というふうに整理しましたが、これはあくまでも例示ですが、このような内容で教科の中で学習ができるのではないかと。これは、最初1995年に提案したものを、少しずつ少しずつ変えているので、実際は、これ2003年ぐらいのものに少し変わってきてはおりますが、そのころ、当初考えて、いろいろな小中学校の教員の集まりの中で、環境教育のテーマとなるものを皆でKJ法みたいにして出したんですね。その中から出てきたものをもとに考えてきました。
 実際、こういうようなことをやってみますと、いろんな授業をして公開をしていったんですけれども、全部で100以上のテーマがありまして、それをちょっと分類して分析してみたんですね。そうしますと、非常に多かったのが、(3)の人と自然の中の「野生生物とのふれあい」というようなテーマが多かったんですね。その次に多かったのが、「水の汚れ」とか(1)番、それから「ごみの問題」、「リサイクル」というようなところ、それから「自然保護」というようなテーマが比較的多く実践されました。
 どのような教科でやったかというと、基本的には内容をある程度定めた後で、先生方が自分の好きな教科でやってみたらどうか。ということで始めました。教科の内容と環境教育の内容はこの辺でかかわってくるものでやったらどうだということで、やってみました。小学校、または中学校レベルをおおよそ考えて、内容をはっきりさせていく。例えば子どもにとって環境というと、人間環境とか社会的な環境とか非常に広いわけで、それを、環境教育というのはこの辺の範囲だということを示しておくことは、指導者にとってはわかりやすかったということがございます。
 実際、マネジメントは人、物、金と言いますが、学校が学校である1つの大きな存在理由は、カリキュラム、教育課程でございます。その学校がどのように子どもたちに学びを実現していくかというのが教育課程なので、その中に環境教育が位置づいていないということは、実際はなかなか進められない。
 それから、環境教育というと、非常に熱心な先生が地域の方とホタルの保護とか、そういうような例で、思いつきではないんですけれども、その先生がいるときだけできると。いなくなるとやらなくなるということが非常に多い。総合的な学習の時間もそういうところがあるんですけれども、学校がきちんとしたカリキュラムを持っていないと、例えば4年生のごみをどう扱うかということが、位置づいていかないんですね。やはり学校の教育課程、カリキュラムに位置づける方策をとっていくと、それはその学校として受け継がれるし、例えば市単位だとか町の教育委員会単位できちんと押さえるというようなことが言えるのではないかと。
 資料3の裏なんですけれども、(2)なんですが、教育課程にどう位置づけるという、これは当時考えたモデルの図なんですが、要するに国語、社会、算数、理科とこういうような教科の目標に準じて内容がございます。例えば、ここでは読むとか書くとか、理科だったら生物にかかわる、生物と環境とか、もちろん道徳、そして特別活動には学校行事の体験学習とか、修学旅行、運動会なども含まれます。そして、今度取り入れられました総合的な学習の時間というような内容があるんですね。そこに、今ご説明した環境教育の内容例と、裏側のものを関係づけていくと、例えば水というテーマだったら、国語で「教材文」で扱ってもいいし、近くの池が汚れていることについて取材して自分たちで「意見文」を書いてもいいし、ごみの問題を自分たちで話し合うという、「話し合いの活動」に使うこともできると。
 もちろん、教科の中では一番かかわりのあるのは、理科、社会、それから生活科、そして中心的なのは総合的な学習の時間なんですが、ここで1つ問題なのは、総合的な学習の時間が、取り入れられていたんですが、ここは、テーマとしては国際理解であるとか環境教育とか、いろいろなテーマが学習可能なんですが、例えば福祉、または国際理解、英語活動、英語教育ということにその学校のカリキュラムがシフトして、そういうところが膨らんでいる場合、環境教育ということをやらなくてもいいわけですね。それは、これは学校で決めることですから。そうしますと、総合的な学習で環境教育をやらない学校、余りそこで取り上げられない学校は、環境教育という意識は、それほどされないうちに終わってしまう。ただし、では、国語や算数、理科、社会のほかの教科で環境教育は行われていないのかというと、そういうことはないんです。実際は、例えば4年生の社会科では廃棄物の問題でごみであるとか、それから下水というようなことをやっていますし、ここには環境教育の要素が含まれています。また、理科では人の生活と環境であるとか、季節と生き物ということで、地域の自然を活用していくというようなことがあり、環境教育の内容的なものは盛り込まれています。
 または、生活科では生き物とのふれあいとか季節の移り変わりを感じると。さらに家庭科では、やはり自分たちの生活と環境という問題が非常に多いですから、消費者教育ということも含めて、家庭科には環境教育の要素が、内容が多く含まれているんですね。
 ところが実際子どもたちに接する先生たちは、そのことをどのくらい意識してやっているかと。要するに4年のごみの学習だからやるのであって、それが環境教育かと。やはり環境教育としての狙いは、地域のこととか、今回の今後の環境教育の充実強化もありますけれども、自分の周りの環境を自覚したり、責任を持つ行動をとるとか、実際何か自分たちが考えて次のステップで実行できるとか、そういうところが望まれているわけです。頭でごみを捨ててはいけないというのはわかっても、捨てている行動があったのでは何もならないわけですね。その辺が、やはり教科でのねらいと、環境教育のねらいがオーバーラップする部分と、もう少し、こう意識的にやっていく必要があるというところがあると思うんです。
 そういう意味で、こういうような各教科でまずしっかり位置づけておくと。国語、算数、理科、社会というのは内容がはっきりしていて、4年生で何をやる、5年生で何をやる、中学生で何をやるということがわかって明確ですから、そういうところに織り込んでいって意識すると、これは非常に効果的だろうというふうなことが、実際やってみてわかってきました。
 こういう考え方は、クロスカリキュラムとかクロスカリキュラーというような言い方がありまして、例えば、今言われている「13歳のハローワーク」でしょうか、職業教育、キャリア教育、ああいうようなものも取り入れることが可能でしょう。やはり正しい職業観等、自分は何になるのか、自分は何をなすべきかというようなことを考えるときに、職業ということは非常に大きいと思うんですね。例えば進学するにしろ、自分が次のステップに行くのには何をする。そういうときに、いろいろなところで学んでいく必要がある。
 ですから、私は環境科というのを創立するのかという話が前あったときに、それも1つかなと思ったんですけれども、やはり環境教育のようなものは、いろいろな学際的、総合的な内容があるので、教科、道徳、特別活動で学ぶべきです。特別活動の例えば修学旅行であっても、体験活動であっても、そのようなところ、例えば学校のお祭りでも、そのようなところに織り込んでいくというような考えの方が現実的だと。さらに言えば、例えば算数なんかですと、環境教育に余り関係がないのではないかというふうに言われることがあるんですが、そうではないと思うんです。例えば愛媛のミカンと長野のリンゴのデータがあって、グラフにしようといっても、子どもには余りそれは関係ない。実際あるクラスで熱心なごみのことをやっているクラスが、そのことをはっと気づいた先生が5年生の学習で、グラフの勉強なんですけれども、自分の学校から駅までごみを拾ってみようと。そうしたらたばこのごみが357個あったと。紙のごみが幾つあったと書いてわかった。まず、それを表にしてみたんですけれども、わかりにくいというので、そこで、割合を円グラフにしてみたらどうかということで、子どもたちは円グラフに表してみました。すると非常に大人の吸ったたばこのごみの割合が多いと。これは大人の問題じゃないかということになって、算数の勉強が非常にリアルになるし、環境の問題にも非常に意識が高まるというようなことがわかってきました。ですから、同じデータでも、子どもたちのいる地域でほとんどのことができるというようなことがあります。
 例えば、音楽などは、環境に非常に遠いかなと思われる方もいるかもしれませんが、例えば中学年でアンサンブル、要するに自分で考えた曲を短い曲をリコーダーとかでそういうのを演奏するというがあります。そういうときに、例えば地域の川があるなり、森があるなり、出ていってそういうところを感じて帰ってきて、それを今はせせらぎの音を表現するとか、風の音とかというふうにすると、身近な環境に向いていくし、環境教育の1つは、周りの環境に敏感になっていくことが大事なんだろうと思います。
 私どもは関東地方ですけれども、今日は富士山が見えるねと、きょうはよく見えないねとか、あっ、花が咲いたねとか、いや、ここの川、ごみがあって汚いねとか、きれいな環境であれ、汚染されているとか汚れているのを、そういうものを受け止められる環境に敏感になることが大事ではないかということを感じます。
 どちらかというと、電子ゲームに興じてポケットに手を突っ込んで下を向いて学校に行って、それで友達との会話も少なく帰って来て、また電子ゲームに興じるというような傾向が今の子どもたちにあります。やはりもうちょっと上を向いて周りを見て、あっ、この町ってどうしてできたんだろうと。やはり自分たちが生きていくためには、住んでいくためには、町をつくり替えて、場合によっては森を削らなければならない。でも、そのときどうするとより良いのかを、子どもなりに考える必要ではないかと思います。
 あと、この中で非常に1つ大事だなと思われたことは、自然体験とか生き物とのふれあいということが、環境教育の大きなベースになっているというようなことです。例えば公園で、または学校の横の草っ原でバッタがいると。そういうようなことで、こういうところにバッタがいるということは、結局葉っぱというものがあって、そこに虫が来て、鳥が来るんだというような体験をするわけですよね。
 ちょっと抜いた草を校庭の影に置いておくと、そこにコオロギが集まってくるとか、要するにそこは、生産者である植物と消費者である動物がいて、そしてそれにやってくる。田んぼのまわりにはカエルがいて、そうするとヘビが来てワシタカ類が来たりとかというふうな、そういうことを体験していくということは、生産と消費という非常に生態系のベースを体験することです。それから、例えば食物連鎖とか食物網とかいうことがありますね、そういうようなものを自分たちで体験していく。
 やはり一番思うのは、それは生物教育にもかかわるかもしれないんですけれども、生命とか命、命という字を書けて読める。10回書いて書けるようになって読める。それで命という意味が本当にわかったのかということが大事だと思います。
 今回も非常に悲惨なことがあったわけですけれども、やはり自分たちで生き物を飼って触る、そして失敗したら飼っていたものが死んでしまう、腐ってしまう。または、丁寧に育てたトマトが枯れてしまうというようなことがある。そういう経験はやはりしておかないと、リセットできない、戻れない。やはり、そういう生き物なり生命というような知っているという、知識ではなくて体験を通して得られる概念です。体験を通したものを子どものときにやっておくということが、非常に環境教育のベースになる。例えば、ネーチャーゲームというのがありますけれども、そうやってじかに接して、例えば触る、においをかぐ、音を聞くというようなことを、自分の感覚を十分に使って受け止めるということが、特に小学校では大事で、私たちは「10歳までの原体験」というような言葉があるかなと思ったんですけれども、そういうことをいっぱいしておくということが、その上のより論理的な思考であるとか、問題とか関係が見えてくる。
 そういうようなところで、もう1つは、学校だけではできないということがございます。例えば横浜の場合でも行政で、私どもは委員会にいますが、環境保全局であるとか緑政局であるとか下水道局と協力して、ごみのことは環境事業局と一緒に指導資料をつくるとかというように、学校だけではなかなか手に負えない問題であります。ですから、これは地域であれ、それから社会機関であれ、連携が非常に大事であります。
 そういうようなことを考えて、私としては現行の指導要領、ちょっと改正があってバージョンアップという形ですが、こういうような指導要領の中に、明確な形で環境教育が織り込まれていくということは、非常に学校にとっては環境教育を進める上でやりやすいと。それから効果が上がることが期待できる。これは学校の中の話なんですが、そういうようなことが今後さらに取り組まれると、我が国の環境教育として違ったものになってくる。やはり今もやっているんですけれども、さらにそれを意識して、例えば私が免許を取ったときは、シートベルトはしませんでしたけれども、歯磨きもそうかもしれません。今、やっぱり車に乗るときにシートベルトしない、歯磨きしないというのは気持ち悪いと思うんですね。やっぱりゴミを分別するのが当たり前みたいな行動に移るような学習にできるように、カリキュラムもバージョンアップできたらなというふうに思っております
 以上です。

○小澤座長 和泉先生ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして阿部先生からお願いしたいと思います。

○阿部氏 どうもみなさん、おはようございます。本来私からのはずなんですが、私の準備が手間取ってしまいまして、すみませんでした。
 私は、ここにいらっしゃる委員の方々、あるいは傍聴の方々、いっぱい知っている方がいらっしゃるんですが、隣の和泉先生とも、この期間、今ずっと会合やりながら、基礎資料づくりをやっております。
 そういう意味で長年環境教育を小澤委員長と同じようにやってきております。そういう中で、ただ、きょうは私の役割は、そういった環境教育へのコメントだけではなくて、「持続可能な開発のための教育の10年」、これが日本のNGOと政府の提案で国連で取り上げられて、来年の1月から始まります。
 私は、これはまさに広い意味での環境教育だというふうにとらえておりまして、従来から私が提案していたようなそういった広い環境教育がこれを機会に始まっていくのかというふうに、いつも思っています。
 そういった意味で、この推進会議からということで、環境省から依頼されておりますので、その話をちょっとやりながら、私のこの長年の中での思ったことも含めて、お話ししたいと思っております。
 今回、環境教育推進法、仮称ですが、仮称というか略称、これができまして、私自身は、当初これをつくる際には、非常に懐疑的でした、率直に言って。というのは、長年、環境庁の環境教育の推進に私自身取り組んできまして、それが環境基本法の中で、環境教育学習が触れ込まれて、そしてその環境教育、学習を、これは環境基本計画の中で具体化するということで、ずっとやってきたわけです。私自身、これにずっとかかわってきました。
 しかし、その大もとの環境基本法の中に、環境教育保持、学習の推進が入っていながら、その具体化の中での基本計画づくりになってきますと、どんどん骨抜きになっていくんですね。これが、これは小澤座長が委員長をされて私も委員でかかわりました、1999年の中央環境審議会の答申、これは私自身それまでの思いをかなり入れ込ませていただきました。これは、まさに今始まるこの持続可能な開発のための教育、長いので略称ESDというふうに、Education for Sustainable Developmentの略でESDと言ってますが、まさにこのESDの先取りだったわけです。
 そういう意味で非常に画期的なものであったにもかかわらず、これが基本計画づくりになっていく中で、どんどん骨抜きになっていくと。それはやはり縦割り行政の弊害ではないかと私は思っています。それをまともにやれないのに、それでこの環境教育推進法ができるんだろうかという、そういったことで思っておったんですが、ただ一方で、この推進法に対する期待はすごくありました。ですから、私としては、つくるのであれば、しっかりとした環境教育をまさに生涯学習として進めていく実効性のあるものにしなければいけない。これは冒頭、加藤副大臣がおっしゃってくださいましたが、まさにそういう中身であれば、それはつくる価値があるだろうというふうに思っていました。
 結果として、できたものについては、これはその基本法の第25条の個別法、閣法としての意味合いを持っているということで、そういった視点では評価しますが、ただ、多くは努力目標であるということですね。ただ、これについては、この推進法をつくる段階で、多くの市民団体から教育が押しつけに、上からのトップダウンになじまないという意見も確かにありました。しかし、そういう中で、しかし政府がやるべきことというのは、実はあるだろうと。それは努力目標ではないだろうということなんですね。そういうことで、その辺のことも含めてお話しをしたいと思います。
 まず最初に、このESD−Jの宣伝をしないと私は怒られてしまいますので、それをしますが、皆様、お手元にこの青い報告書が行っているかと思います。これは傍聴の方には、ちょっと冊数がそんなに余りありませんので、有料で私ども販売しておりますので、ぜひ買っていただきたいんですが、これ一部を抜粋して、皆様にはお手元には渡してあります。これを見ていただくとおわかりになりますが、パンフレットも別途送ってありますので、後ほどお配りしていただきます。
 このESD−Jという、この「持続可能な開発教育のための教育の10年」推進会議という、これは、ヨハネスブルクのサミット、2002年ですね。このサミットの準備のためにつくられたNGOの団体、連合体がありまして、そこを契機に、この持続可能な開発のための教育の10年というのが定義され、そして、それを受けてそれを推進していくための日本の関連するNGOの連合体として、昨年つくりました。このESD−Jの目標、いわゆるミッションですが、これは目指すものですね。ここに書いてありますように、来年から始まるこのESD−Jの10年を契機に、政府や自治体、企業、教育関係機関のカウンターパートとなっています。そして、日本国内のNGO、NPO、これは環境から、保健という字が間違っていますが、こういった持続可能性にかかわるあらゆる団体組織を巻き込んでいくんだと。そして、具体的目標としては、ここに掲げたようなことをやっていくんだというようなことで、私どもつくりました。
 実際、ここに至る経緯なんですが、環境教育という言葉、これはお手元の資料の方にもお渡ししておきましたが、環境教育の短く私が紹介した文章があります。そこにもありますように、例えばこの言葉自体は、1948年のIUCNの国際自然保護連合の設立総会で、Environmental Educationという言葉が使われたというのが最初だと。しかしその前に欧米で、あるいはアメリカやヨーロッパで行われていた環境保全にかかるさまざまな活動、あるいは都市づくり、まちづくり、そういったものが結果として、この言葉になってきたんだと。
 しかし、当初はこの環境教育の扱う範囲、非常にこれ狭かったです。環境汚染や環境問題、そういった狭い意味での環境問題でした。しかし、それがこういう時間の経緯とともに、あるいはそのグローバリゼーションとともに、どんどん環境問題の範囲が広がっていく。そして、他の課題と重なり合っていく。そういった流れの中でこの環境教育の扱う範囲が、どんどん広がっていくんだと。そして、この環境教育の国際的な批判等は、今ここに挙げたような流れの中でつくられてきております。
 そしてとりわけ1980年代、これは地球環境問題が顕在化していくわけですが、説明するまでもなく、この地球環境問題というのは環境問題だけではなくて、貧困や平和やあるいはジェンダーやあらゆる課題がかかわり合っております。こういった中で、従来から行われていた狭い意味での環境教育やあるいは平和教育、開発教育といった地球的課題をテーマとした教育、これが互いに近づいてきます。つまり環境教育も開発教育も平和教育も重なる部分があるんだというんですね。そして、このような中で、狭義の狭い環境教育、あるいは平和教育から、より広義の重なり合う活動といいますか、これが持続可能な開発のための教育とか、あるいは持続可能な未来のための教育とか、そんな形でイワイしております。
 これが80年代、とりわけヨーロッパのNGO、あるいは研究者等がこういった視点を出してきたんですが、それが、80年代後半の持続可能な開発という概念が世界的に定義されていく中で、ますますこの動きが促進されていくと。そしてそのことは、92年の地球サミットでこの動きが国際的に認知されてくる。とりわけ、この地球サミットの中でもアジェンダ21、第36項が教育部分にかかわる項なんですが、ここにおいては、ここに挙げたような環境、人口、開発教育というそういった視点で環境教育がとらえ、再定義されてまいりました。そして、このアジェンダ21の第36項、これのフォローアップ機関であるユネスコが、1998年の国連のCSDでその報告をする際に、97年にそのための国際会合を開きました。これはギリシャのテサロニキというところで開かれまして、その地名を取りましてテサロニキ会合というふうに呼ばれておりますが、そこにおいて環境教育を持続可能性のための教育と言ってもいいんだという、そういうことを言い出すわけです。これ以降、ここに掲げました持続可能な未来に向けた教育とか、持続可能性に向けた教育、持続可能な社会に向けた教育、こんなふうな形で従来の環境教育が言われるようになったわけです。
 そういった背景の中で、例えば日本の環境教育を見てみますとどうなのか。ここでは、従来から行われていたいわゆる持続可能な地域や社会にかかわる活動、これを広い意味での環境教育ととらえて、それがどんなふうに位置づくのかという、それを図示してみました。これは2本の軸で、1つは自然から社会、もう1つは地域から地球規模という2つの軸で構成されたグラフ上に活動を落としてみました。
 ここにあるように、従来大きく地域における自然にかかわる活動、さらに地域における人間社会にかかわる活動、そして、地球規模の活動と従来大きく3つに分かれ、活動が行われていたと。しかし、こういうような活動は、相互にかかわり合うことなく推移してきました。それは例えば自然観察をやる人は、途上国の開発問題、貧困問題には関心を示さない。そんな形でそれぞれバラバラになってしまった。長い間これが続いてきました。
 しかし、それがようやく90年代終わりぐらいになりますと、これらの活動が互いに重なるようになってきました。すなわちよく言われる地球規模で考えて、足元から行動していこうということですね。そして地球環境問題がどんどん深刻になるに従って、自分の身近な生活がそういった問題とかかわっていくんだと。あるいは自然とのふれあいも、温暖化の問題がかかわっているんだと。そういった形でどんどん重なりあってくる。これは環の国くらし会議で温暖化に向けたさまざまな活動をしておりますが、温暖化防止に向けた活動をしておりますが、その中で自然体験活動も温暖化防止に役立つんだというようなことが出ております。
 こういったことも含めて、どんどん重なり合ってくる。それが、この図なんですけれども、互いに近づいてくる。そして、この重なる部分が違うんです。この重なる部分というのは、新たに総合系の環境教育というふうに私は名付けておりますが、まさに地域において持続可能な自分自身や、持続可能な地域や社会をどう具体化していくかですね。当然、それは世界とのつながりの中で具体化していくのであって、そういった活動です。
 そしてこの中には、ここに挙げたような、具体的には、先ほど和泉委員さんが紹介された総合的な学習の時間、あるいはさまざまな持続可能な地域づくりの活動が入ってきます。あるいは、企業のCSRなどもここに入ってくるでしょう。すなわち、ですから、まさに自然やあるいは地球や生活を総合化して、そして、それらを足元から具体化していこうではないかという活動です。
 ここに挙げた総合系の環境教育というのは、これは私自身諸外国の環境教育、それなりに知っておるつもりですが、これはヒオイするその日本の特徴を世界に発信する成功事例として出していけるものではないかなと思っています。
 そういう中で、日本における環境教育はどうなんだということなんですが、これは従来から行われてきた狭い意味での環境教育、すなわち環境問題だけを対象にしていくというものから、よりこう広がってきている。しかし、例えば学校現場などにおいては、先ほどお話があったように、まだまだ従来の狭い環境教育、そういった枠を脱しきれていない場面も多くあります。
 しかし、ここに挙げたように、環境教育をつながり教育、あるいは関係性教育として取り上げていく。すなわち人と人、人と自然、人と社会という、そういう関係を改善していくんだと。つまり今つながりがどんどん希薄化していく、見えにくくなってきている。これはグローバリゼーションに逆行しながらそういうふうに、逆に身近な関係が見えなくなってきている。その結果、さまざまな問題が起きてきているのではないかというんですね。
 では、ですからこの環境教育のまさに目的というのは、新たな今のままでは持続し得ない関係を、新たな関係につくり替えていくんだということですね。そのためのイマジネーションとクリエイティビティーを育んでいくことが環境教育なんだと。実際、これをESDと関連するとどうなのかということなんですが、これは従来の環境教育とESD、これを比較したものなんですが、これは私自身両方一緒だと思いますけれども、従来の環境教育が個人に焦点を当てていたのが、いくら個人が知識、技術を学んでも、行動に出て社会を変化していかないと意味がないんだと。つまり社会経済行動とライフスタイルの変化、これに焦点を当てていくんだと。あるいはトップダウンからボトムアップに変えていくんだ。いろんな意味でこの狭い意味での狭義の環境教育から、広義の環境教育へは若干ステップアップがあるんだということです。
 そういう中で例えば、ではESDというのは、環境教育の視点でどうとらえるかということなんですが、ここにESDのエッセンスと挙げておきました。ここにさまざまな何とか教育というのを書きまして、その重なる部分、これを私どもエッセンスというふうに名付けております。そこにおいてはESDで実行していく価値観、あるいは学習方法、さらにESDで育みたい力と、こういったことを目指していこうではないかと。そうして環境教育は、これら全てをやっていくんですが、やはり環境教育の場合は、生態学的持続性といった自然というのをやはりベースに1つ置くんだろうと思うんですね。このESDに関しては、今ユネスコがさまざま国際計画を進めておりますので、またそれは後ほどお読みください。
 そして、これはESDを進めていくための課題なんですが、こういったことがあるだろうと。
 最後に、この基本方針策定のコメントなんですが、ここに挙げたように、今まで話してきましたけれども、日本の環境教育の現状、これをやはり踏まえてほしいということですね。これについては、もう皆さんご存じでしょうが、平成11年度にこの環境基本計画の見直しのために、環境教育の総合的推進に関する調査というのをやっております。これはまさに今の日本の環境教育を、総合的に見ています。学校や地域や企業、あらゆるものを見ています。そして、グッドイグザンプルをあらゆる視点から網羅しています。これを委員の皆様方は、ぜひ熟読してほしいと思います。
 それから第2点なんですが、これは環境教育というのをこの法律で掲げているような狭いものではなくて、ここでは法律では非常に狭く扱っておりますが、この基本方針の中ではより広く扱ってほしいと。
 それから3点目ですね。これは人材養成というのが登録制度となっておりますが、この人材養成に関しては、最も大事なのはコディネーターです。これは地域においても全国においてもコーディネーターが最も必要です。その際に、これは学校においても必要です。コーディネーターの養成を最優先課題として取り組んでいただきたいと。
 次4点目として、これはやはり教員や行政職員、あるいは企業の社員、あるいはあらゆる方を含めて再研修の実施です。これは今も若干、教員の再研修をやられておりますが、ごくごくわずかな方がごく短時間やっただけです。ほとんど実効性がありません。これをしっかりとやっていただきたい。
 それから、縦割り行政の枠を超えた拠点の整備。これは既存の拠点が地域においていっぱいあります。社会教育センターや公民館、いっぱいあります。そういったまず既存のこういったものを最大限に生かすということです。その際にはネットワーク化し、あるいは、内地システムといいますか、内地ネットワーク、そういったことを使いながら、まず既存の施設を最大限生かすんだと。その際、垣根を越える。まずその視点を持っていただきたい。そして相互乗り入れですね。そして、民間、これは行政が施設をつくる。当然これは結構でしょう。しかし、これは、なかなかこれも今財政難の中では、単独の省庁では難しいです。もしこれをつくるのならば乗り合ってほしい。またこれは、行政がそれをマネジメントしていくのではなくて、民間に任せてほしい。または、民間がさまざまな施設をつくっています。それを逆に行政が支援してほしい。そういった積極的な支援策をお願いしたいと。
 さらにその中では、大事なことは、今まで行われてきた環境教育の評価とか、あるいは研修の実施、あるいは教材の開発、これらを進めていくための組織は必要であろうと思います。実際に、例えばアメリカでつくられているプロジェクト・ワイルドとかさまざまなアメリカの教材が日本に紹介されています。しかし、それはあくまでもアメリカで使えるんです。アメリカでは莫大なお金をかけてつくっています。日本でもしっかりしたそういったものが必要だろう。またきょう何冊か持ってきましたが、ユネスコはこのESD、環境教育のための教員をテキストでつくっています。これは膨大な量です。こういったものを、例えばこれをユネスコは各国でその国のものにしてほしい。つまりこれをどんどん、どんどん改訂してそうしてほしいと言っております。私、翻訳しましたが、こういったものをちゃんと腰を据えてつくっていく。そして、やったことを評価していく。そういった組織をつくってほしい。これは既存の組織の当然活用できます。
 次はこの市民養成企業、あらゆるステークホルダーがかかわった推進母体を、今回設置してほしいということです。恒常的な推進母体です。今回は懇談会ですが、これは時間が来ればなくなります。これではなくて恒常的な懇談会、あらゆるステークホルダーを巻き込んだ懇談会をつくっていってほしい。そのことは、今後ESDの10年を進めていく上で非常に役立つだろうと思っています。
 以上、ちょっと最後早口になってしまいましたが、私の思いです。よろしくお願いします。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは引き続きまして、ナショナル・トラストの関さんにお願いいたします。

○関氏 ただいまご紹介いただきました社団法人の日本ナショナル・トラスト協会の事務局長の関と申します。
 まずこのような意見を述べさせていただくような機会をつくっていただきまして、大変ありがとうございます。意見に入ります前に、若干社団法人日本ナショナル・トラスト協会のご紹介をさせていただきたいと思いますけれども、私の方の資料といたしましては、冒頭室長からご紹介がありましたけれども、まずは2点、ナショナル・トラスト協会のパンフレットを配布させていただいております。
 ナショナル・トラストという言葉は、ご存じの方は大変多いと思うんですけれども、もともとはイギリスで生まれた運動の思想ですが、貴重な自然環境、または貴重な歴史的な建造物等を国民広く一般からの浄財といいますか、寄付金で次の世代、また未来永劫そういった自然や歴史的建造物を残していきたいと、そういった思いから進められた民間運動の運動です。
 日本におきましても、そういったイギリスで生まれた運動思想ですけれども、そういった運動方法をもとに日本なりのナショナル・トラスト運動というものが今現在各地で行われているのが現状です。そういった運動をより進める、または調査等して、より一層自然や歴史的建造物が守れるような活動をしているのが、ナショナルセンターとしての、私どもの社団法人日本ナショナル・トラスト協会ということになります。
 それでは意見を述べさせていただきますけれども、23ページから、同じものをパワーポイントでお示ししながらご説明させていただきますけれども、私の方からは今回は2点に絞って意見を述べさせていただこうと思っております。
 まず1点目は、特に1条から3条、目的とか定義、または理念といったようなところになりますけれども、こういった共通認識として持たなければいけないところ、いけない部分を、より基本計画の中で具体的に、そしてまた、これも副大臣からお話がありましたけれども、よりわかりやすくご説明する必要があるのではなかろうかといったことで、1点前半に意見を述べさせていただきます。
 後半は、特に20条と22条にかかわることですけれども、ここはナショナル・トラストとも多少関係してくる部分でありますが、環境教育を行う場としての部分、これが20条の部分になります。そして、22条の部分になりますと、その場を提供する方たちにとっての件、または場を使って環境教育を行っていくセクター、そういったところへの支援等に関して意見を述べさせていただこうかと思います。より具体的には本論の中でも出てきますけれども、財政や税制の部分での支援策といったものが、どういったことで考えられるんだろうかというようなことを、意見としてご説明差し上げたいと思っております。
 それでは1点目になりますけれども、実は私、今、日本ナショナル・トラスト協会の事務局長の立場で参っておりますけれども、この席を就いたのはことしからでありまして、財団法人日本生態系協会の事務局長ということで、設立当初から現在でもそちらの方の任務を受けております。
 今回使っている資料は、生態系協会の方から使わせてもらっているものも幾つかあるということを、まず初めにご紹介したいと思うんですけれども、1つ目は、ここで右上に書かれましたけれども、第1条に環境教育推進法の目的という項目がありますけれども、ここでは法的には持続可能な社会といったものの定義づけというようなものがなされている項目だと思います。
 今、阿部先生からもお話が出ましたとおり、サスティナブル・デベロップメントと、持続可能な発展といいましょうか、そういったキーワードというのは1992年の地球サミットで中心的な課題となりました。そして翌年の環境基本法の中でも、第4条にこの持続可能な社会という項目が出てきておるわけですけれども、それからこれもう10年以上たっている中で、もう一度この定義をここで目的として掲げて、今回の法律につきましては、この持続可能な社会を構築するためにこの環境教育の推進法があるんだと、こういうことから始まるわけですけれども、それでは持続可能な社会ということが、この法律の1条から国民広く意味がわかるんだろうかということを、まず意見として述べさせていただきたいと思うわけですけれども、とかく文字で書かれた文言になりますと、皆さん、持続可能な社会といっても、バラバラなことを考えるのではなかろうかということで、まずここで広く国民にということである以上は、よりわかりやすく持続可能な社会とはどういったことなのかということを議論していただいて、それを国民に広く提示していただきたいなと思っております。
 ここでは、ポンチ絵を使わせていただいたんですけれども、まず一番上にある我々の生活というものが、産業でここでは分けてあるわけですけれども、下の左の下には一次産業、農業とか林業とか水産業が書いてある。右側に二次産業がある。その上に乗っかる三次産業。絵としてはいろいろ異論があるんでしょうけれども、その上に我々の豊かな生活があると。そして特に一次産業は遺伝子資源、直接的にその野生生物等を使う産業であったり、または野生生物を品種改良して使う農業、林業等があるわけですけれども、そういった産業は持続的に今産業として成り立っているんだろうか。
 右側の絵になりますと、これは直接わかりやすいんですけれども、化石燃料を使いながら行う産業として、これも今現在IT等大変急成長している産業等でもよく言われているように、レアメタルというものに関しては、もう採掘年数がはっきり提示されている。または歴史的にこう言われているものに関しましては、エネルギーの基盤となっています石油エネルギー、これに関しても世界共通採掘年数は毎年毎年発表で更新して、あと数十年で限界となる。
 こういったことが言われている中で、今回この基本方針の中では再認識して、ここを文章というよりも、もっとわかりやすいさまざまな媒体を通じた形で国民にアピールしていく必要があるのかなと。そういった上に我々の生活は今現在成り立っているというところから始まるのかなと。
 環境問題のこれは原点になるかと思うんですけれども、我々の生活が成り立っているものは、そういった自然環境を使って成り立つということと、もう1つは、そこから出てくるさまざまなごみ、これが二酸化炭素であったり、オゾン層を破壊するフロンであったり、または物質的な問題のごみだったり、これはもっとひどく言いますと、環境白書等でも毎年書かれておりますけれども、日本はそもそも海外から毎年、毎年7億トンものものを入れて1億トンしか外へ出していない。こういう国が必然的には、毎年6億トンのごみが日本の中にたまっていく状況になっております。その中で、ごみ拾い運動であるとか、そういったことを教育していって、解決策として国民に対してそれは理解を求めることができるんだろうか。もっと求められないことであるんだったのであれば、その問題点を解決できるセクターに発信する必要があると。そういった意味では問題解決できるセクターをきちんと分ける。行政であるのか、議会であるのか、または企業に申し上げる必要があるのか。そういったことも、この1条の目的の中を引っ張った形での基本計画には明確に提示していただくようなことが必要ではなかろうかというような感じはしております。持続可能な社会のあり方というものが、この基本方針で出てくるわけですから、ここは重々お願いしたいと思っております。
 ここは自然に対する共通認識の整理になりますけれども、自然環境保全ということですけれども、環境教育の推進に当たって一体何を考える。頭の中で想像しながらそれを皆さんにわかっていただくんだろうかというところの共通認識をまず持つ必要があるのではなかろうかと。第3条の基本理念のところに、自然に対する共通認識の推進と。これは基本的にはここ左上に絵を描かせて絵を持ってきていますけれども、まず、日本の今の現状として自然とは何かという問いをしたときに、この絵に象徴されるような答えが帰ってきていると。これは、私どもの友好団体の自然保護団体が小学校を中心に自然を大切にしようというポスターを描いていただいた8,000通を集めたポスターの中の8割が、この絵のようなものになっております。ここで何が言いたいかといいますと、自然ではないけれども、自然に近いものを自然だと思い込んでいると。この絵は決して道徳的には間違った絵を書いているわけではありませんけれども、自然とは一体何なのか、わからない中で自然環境を大切にしましょうということを話をしても、それ以上のことがなかなか行動に移ったときに具体化すると、自然を守る結果になっていかないという現状があります。
 チューリップの絵の下は、これはヤギではなくて鶏を書いてもらったんですけれども、自然ではない農業、自然よりもっと身近だと思った家畜の絵を書いていただいても、よくこれも報道で出ますけれども、我々も実験として実際描いていただくと、鶏であっても4本足の鶏がたくさんこう描かれる現状があります。
 右側の絵は、これも盛んにこの関係者の方たちには何度も目につく絵になっているかと思うんですけれども、これも自然環境とはそれでは一体何なのかと。これは大変古くて環境基本法より古い自然環境保全法の基本方針の中でもしっかりうたわれて、昭和40年代の終わりですけれどもうたわれているものとして、自然生態系、エコシステムというのは、さまざまな遺伝子や生物とそれを支える土壌と、それとそれを取り巻く大気と水と太陽だと。5要素をもって自然環境というんだということは、法文中にも基本計画の中にも出てくるわけですけれども、そういったものの中に何を崩したことが自然破壊というのかということを、1条から3条の間の部分をより明確に基本方針としては提示していただきたいということを考えております。
 もうちょっと続けて例を見ていただきますけれども、まず左上のものは、これは花いっぱい活動といわれるものですけれども、これもとかく環境保全活動だと。広く言えばそういったことも、ある部分としては、一段階としてはあり得るのかなという部分もあるにしても、何十年も続けてずっとこういったことで自然保護活動ということとして使われております。
 今回、ちょうど先月になりますけれども、衆議院を通過した外来種対策法も日本でいよいよ成立したということになっておりますけれども、そもそも自然とは何かと。これはコスモスというのはメキシコの花ですけれども、メキシコの花を日本でたくさんまくことが、本当に自然保護の活動になっているのか。なかなかこれは善意で行われていることですので、今まで大変指摘しにくい自然保護活動というのはたくさんあるわけですけれども、よりそこは明確に。特に、大人がこれは声を大きくして話をしていかないと、全くわからない子どもたちが、チューリップはオランダの花なのにこの花をたくさんまくことが、日本の自然環境保全にとって役立っていると。こういう間違った環境教育のあり方もあるわけですから、より自然環境保全のための事業といった場合には、こういったことがないような事業をしていただきたい。そういった意味では、初めにこの基本方針の中では、何度も申し上げますが、よりわかりやすくどういう形で提示できるかという議論が必要ではなかろうかと思っております。
 右下の絵になりますけれども、これも大変苦慮している部分ではあるんですけれども、左側は農業と林業の絵が描いてあります。特に日本の場合は、農林業については環境への加害者という意識が全くない。全くと言いますと怒られるかもしれませんけれども、大変環境保全に役立っている産業であるというとらえ方があるわけですけれども、この絵を見ていただくとおわかりのとおりですが、まず自然にとっては加害者であるという原点から出発しなければいけない認識であると思います。
 しかしながらその農業というのは大変重要な産業ではあるわけですし、農業を否定することでは全くありません。農業体験というのは大変重要なことではあるんですけれども、自然保護、または環境保全活動といった場合に農業活動がどんなふうに関係してくるのかというところは、十分これは大人の中で整理して、またそれを伝える側にもわかりやすく説明をする必要があるのではなかろうか。これは、特に注目されるのは、最近、貿易問題で、農業も1つの産業ですから、WTOの問題になってくると、果たして今の日本の農業が、環境に対してどのぐらい配慮しているのか。配慮していないものに関して、どれだけ貿易障害をつくっていいんだろうか。これは欧米の考え方、農業のとらえ方と、日本の農業のとらえ方が大変ギャップが大きくなっているところですので、この辺につきましても、今回の法律を受けた基本計画の中では明確にあらわしていただきたい部分かなと思います。
 そもそも平成7年の生物多様性国家戦略においては、この農業問題も取り上げておりまして、かなりのページを使って、今の農村または農業の方法に関しましては、自然環境に対してかなりのあつれきを生んでいると。これを配慮をかなりするようにという文言も出てきますし、受けた形ですけれども、平成11年、食糧農業農村基本法でも24条に、環境との調和に配慮するという文言が出てきたり、13年の土地改良法の改正、これに当たっては1条の目的の部分に、今までの土地改良については、生産性を経済性一辺倒で行ってきた土地改良事業であったけれども、今後に関しましては基本法に合わせた形ではありますけれども、環境への調和と配慮するということが項目でうたわれております。
 OECDのレビュー、または先ほど申し上げましたWTO等での議論を踏まえた形で、日本の中でも農業と自然環境、または林業、水産業と自然環境というものをきちんと分けた形で、どこがリファレンスポイントといいますか、どういったことが自然としての基準で、今どういう状況に農地というのはなっているのか。この農法はどういう形で今、基準から離れているのか。そういったことを、ここでも教育の中で細かいことではありますけれども、あらわしていっていただきたいと思っております。
 しつこく自然保護といいますか、環境保全活動のちょっと誤っているのではなかろうかというものが続いてしまいますけれども、これも先ほど申し上げました外来種に対しての法律で議論されている部分の1つでもあるわけですけれども、これも善意で行われている。特に内水面に関しましては漁業の放流。もうルーチンになっていて、毎年、毎年放流している。何かとてもいいことのように見えるわけですけれども、本当にいいことなんだろうかということを発信するところが、大変少ない状況だと思います。
 ただし、これは我々もそうですけれども、国外から来られる人が、日本のこの放流活動、特に学校教育の中で行われている放流活動を見ると、大変驚きます。特に生物多様性条約以降、国家戦略の中でも、この部分に関しましては明記されているにもかかわらず、なかなかこの放流事業の勢いというのは止まらない。外来種に関する法律の中でも出てきましたけれども、外から、海外からの生き物を日本に放すというのは、先ほど申し述べたような点で問題だということはわかりますけれども、日本国内の中であれば、移動しても構わないだろうと。もう東京ではメダカがほとんどいなくなってきた。ですから、九州のメダカを日本に持ってきて放して、それで環境教育をしようという考え方が、果たしていいかどうか。
 これは自然保護といいますか、環境問題に関しましては大変大きな問題があると。もちろん遺伝系統が違う。亜種レベルではないにせよ、地方型の遺伝資源の汚染になってしまって、生物多様性の観点からは、これを遺伝子汚染というふうに呼んでいるわけです。これは、国際的にも当然認知された考え方として、それぞれの種はそれぞれの地域で守る。または、それぞれの遺伝系もそれぞれの地域でそれぞれの進化でもってきたものを、しっかり守っていくと。そういったことがいわれているわけですから、こういった種の中の遺伝子的レベルのところも、きちんと認識をしていただけるようなことにしていただきたいなと思っております。
 ここからは20条、または22条に関連することが出てきますけれども、20条のまず、環境教育を行う場について、1つ目はこれは例ですから、今回は学校敷地の中で環境教育がどんなふうにできるのかと。2点目が公共地、公共用地の中での環境教育がどのように推進できるのか。それと3つ目が企業の民間の持っている土地で環境教育というのがどんなふうなことができる可能性があるのかというようなことを、ちょっとお話しさせていただければと思っております。
 1つ目は学校ビオトープを、ここで例に引かせていただいておりますけれども、これは名前のとおりでありますけれども、ドイツで始まったものです。我々もといいますか、このナショナル・トラスト協会の立場ではありませんが、生態系協会の立場で環境教育、またはここでは学校の敷地を場として調査したことがあります。欧米の環境教育を調査するに当たって、学校はどんなふうに変化していくのか。これも大変驚いたわけですけれども、アメリカに関してもヨーロッパに関しても、学校の校庭というのは時代の変化とともにどんどん変化させていると。日本を考えてみますと、私が小さかったころもグランドはグランドのままですし、花壇を見ますと園芸種があってツツジがあってモミジがあってというようなことが随分長く続いてはおったわけですけれども、アメリカ、ヨーロッパの学校を見させていただくと、時代の流れとともに、学校の校庭というのは教えたいことによって変化させていくんだということがいわれていました。実際目にもしてきております。ドイツにつきましては、この環境問題というのを進めるに当たって、まずその地域の自然というものを、もう一度再現させてみようという取り組みが、この学校ビオトープの取り組みです。
 ちょっとこれは印象的な絵になりますけれども、学校の敷地内を少しでも表土を出して自然をもう一度つくり直す。
 これはドイツの場合、連邦自然保護法の改正が2002年にありまして、1条に自然環境を保全していくだけではなくて、可能な限りという言葉が入っていますけれども、可能な限り復元をするということで、学校教育の中ではその復元というところで、少しでも学校の敷地の中を自然化していくというような事業が進められております。
 これは皆ドイツの事業ですけれども、実は日本の中でも学校ビオトープ事業というのは、はじまっております。先ほど文部省のエコスクール事業ということも出ましたけれども、エコスクールの中でも1つの項目として学校ビオトープというものを取り上げていただいておりますけれども、全国各地で今、学校ビオトープ事業というのもはじまっています。
 ちょっと時間の関係上で飛ばしますけれども、学校ビオトープの評価の点。評価の点は書いてあるとおりなんですけれども、課題としては、では全くうまくいっているかというと、そういうことではなくて、誤ったこのビオトープのとらえ方、本来その地域にある自然をそこで回復して、そこの地域に自然をハビタット回復するとそれに乗っかってくる生き物は、その地域の生き物は帰ってくると。当然生き物ですから、学校の中では敷地だけでは解決するものではなくて、地域へ飛んで行くと、動いて行くと。そうすると各地域の自然環境を、子どもたちが街路樹のあり方であるとか、公園のあり方であるとか、そういったものも学校の校庭と同じように本来の地域の自然でもう1回つくり直してほしいというようなことも、今、学校ビオトープをつくったところからの話はあるんですけれども、パックになっているような一律のハビタットをつくるということになりますと、そうはいかないというような問題も出てきております。
 これは公共の場になりますけれども、ここでは川を使っておりますが、これも時間の関係上読んでいただくことになってしまいますけれども、川の里親制度、日本でもアダプト・プロジェクトとかというのが道路であるとか、河川であるとかといったところで今、取り組み始められているものであります。こういった考え方といいますか、公共の場所を、どこのセクターが担ってそこを管理していくのか。そこで環境教育というのが、どんなふうな形で行われていくのか。日本では特に自治会がアダプトしていく事例が多いわけですけれども、このセクターとしてNPOや学校がこれを支えていくということも、海外の事例としてはあるように見受けられます。
 このアダプタープログラムにつきましても、問題点、またその活動の効果等を書かせていただいております。
 ちょっと時間の関係で進めましたけれども、ここからは昨年度環境省からの委託事業で、我々企業の遊休地といいますか、企業地を使った調査をさせていただいております。これに関しましてはここでも述べさせていただいておりますけれども、内容はともあれ、企業として環境教育の場として遊休地を使っているということ、または使っていきたいという関心の高さというのは、大変大きくあらわれておりました。ただし、いろいろ問題があるわけですけれども、1つのここではメリットとして社会貢献活動への貢献ができると。または地域社会との連携が強化できる。社会的な評価が向上するということを、アンケート調査の中から読み取ることができます。
 反面、企業敷地の活用が抱える課題点ということも多々あるわけですけれども、法律の22条に関することが出てくるわけですが、企業が私有地として民間地として土地を開放する、提供するデメリットということに関しましては、管理責任が大変大きくなって負担だと。ですから、実際環境教育を今行っていると言いつつも、従業員や顧客を中心としたものであって、一般市民をどうぞというようなことには、なかなか踏み切れないというところが多くありました。または、業務量が増大すると。これに関しては、毎日、毎日いつでもどうぞということではなくて、年に1回、2回という程度の使用頻度になっております。
 3番目が維持管理のためのコスト。これは積極的な活用を躊躇している大変な理由ですけれども、コストがかかるということです。管理していくには大変コストがかかるということがいわれておりました。開放や提供をしやすい条件として、税制の優遇措置が受けられるということであるとか、提供するのみで直接的な運営にはかかわらない。ほかのセクターが管理していただけないだろうかというようなことであるとか、多少でも利益が生まれるような方法が何かないだろうかということがあります。
 ちょっと時間が来ましたので早口になりますけれども、今、一方で土地を提供する、土地の税制、企業側の話をさせていただいておりますけれども、そちらの方では1つ、税制上の優遇措置ということが出てきまして、22条の中では、そういった支援体勢の中で、財政、税制の問題が出てきておりますが、一方、ではこの企業の遊休地を使って環境教育を推進していくNPO側の体勢はどうかといいますと、この表の真ん中になりますけれども、さまざまな今NPOという言葉は法律上も国立公園法にも森林法にも、または都市緑地保全法等にもNPOという位置づけは法的には認知されて、日本の幾つかのセクターの中でも、NPOの存在意義は認知されていますが、現実そういったNPO、NGOが管理できるかといいますと、財政面での優遇措置が不充分の為活動も充分できてない現状です。例えば認定NPO法人制度というものはあるにしても、現在わずかまだ24団体しかそれが取れていない。ハードルの高さがいろいろあるわけで、その辺もちょっと詳しくは時間の関係上きょう申し上げることはできませんけれども、そういった状況があるということです。そういった意味では土地を提供する側、またその土地を使って活動できるセクターを支援する、財政的にも税制的にも支援できるような体制を22条を使った形で、具体的にでは基本方針としてはどんなことが考えられるのかと、そういったことが書き込まれると大変ありがたい。現状でも各個別法の中では、そういった協定を結んで管理できるという例もあります。これは環境省の自然公園法の中でもありますけれども、まだまだ負担が大変多いと思われます。この辺も1つ、一歩こまを進められるようなことが基本方針の中に書き込みが入ればと、そんなふうに思っています。
 以上です。失礼いたしました。

○小澤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、あと15分ぐらいまずお3方の発表に対しましてご質問等をやりたいと思います。その後、協議議題の2の方に全体討議の方に移っていきたいと思います。
 それではどなたかご質問等々、いかがでしょうか。

○宮林委員 大変、示唆に満ちたと言いますか、ご報告ありがとうございました。環境教育そのものということで、全体枠をとらえますと、お3方が大体共通しておっしゃっていたのは、総合的にものを見ていく視点といいますか、それからもう1つは、本来のものといいますか、先ほどのもので自然とは何かといったようなところにあるんですけれども、そういったときの枠組みを考えたときに、一体どう整理していったらいいのか。例えば、21世紀における投資の仕方なのかですね。よく投資には目的投資と責任投資というような考え方があると。今までは、やっぱり目的投資でどんどん進んできたんだけれども、やや社会的責任投資というようなことも出てきていますけれども、そんな形で大きな枠組みを変えていくというようなところに視点があるのかなというような気も受けたんですけれども、その辺についてのご意見といいますか、お考えがもしあれば、お3方にお聞きしたいということなんですけれども。

○小澤座長 いかがでしょうか。どなたからでも結構だと思いますが。
 阿部先生からどうぞ。

○阿部氏 今のご質問の意図はあれですか。直接、21世紀に向けて、今、負担があっても何だかの担保を、それをしなければいけない場合には投資すべきだと、そういうふうなことの意味なんですか。直接投資の。

○宮林委員 直接投資の問題は、当然僕は環境教育そのものも地域づくりというところが基本的にはあるだろうと。その先には、やっぱり次の時代を担う若者たちを育てるというようなところにも入ってくるだろうと。総合的なものがあると。そうすると、20世紀型の直接投資というのも、産業システムとしてはやむを得ないところがあるけれども、ただそれだけではなくて、そこに責任投資と言いますか、例えば環境に配慮していくような投資の仕方、先ほど林業とか農業の場合も出ましたけれども、実は農学とか林学というの中には、自然破壊の問題をしてはいけないという問題があるんですけれども、これがインダストリーになってくると、やっぱり投資の仕方を間違えてきていると。それを新たに枠組みの中で投資の仕方というところに少し変えていく必要があるのではないかというふうなことで、ちょっと今思ったわけですけれども、そういう意味なんです。

○阿部氏 それは社会的責任投資と言いますか、そんなふうな意味なんですか。それは当然あるでしょうね。もうそれをやっていかないと、企業は成り立っていかないと思いますし、それはだから企業だけではなくて、投資家ですよね。投資家としてのそういった視点を持つべきで、それはやはり環境教育推進法の中にはそこまで広く、つまり投資家までも視野に入れて、その人たちがどういう行動をとっていくかですね。そこのあたりまで、行動を変えていければいいのではないか、誘導していけばいいんではないかと私は思っていますけれどもね。

○宮林委員 ありがとうございます。

○小澤座長 そのほか。関さん、お願いします。

○関氏 直接的なことになるかどうかわかりませんけれども、まず物差しが20世紀型と21世紀型のその年の物差しというものは、異なるんだろうなと。正しいか、正しくないかの倫理の物差しというのは、いろんな分野で今出てきているかとは思うんですけれども、冒頭これ、この法律がつくられた経緯もあるとおり、21世紀に向かっては持続可能かどうか、持続性があるかどうかという物差しが大変重要な物差しになるのかなと思ってます。そういった意味では、よく農業分野でも議論をするわけですけれども、生産性が上がったというわけですけれども、労働生産性が上がるような土地改良はしてきたけれども、エネルギー生産性を見た場合には、これは下がっていると。太陽の恵みでエネルギーがあった1以上のものが今までは採れているのが農業でしたけれども、1入れたって0.0幾つかしか採れないと。そういうものであれば、持続的ではないといえます。しかし、労働生産性から見たら大変落ちる産業が、果たして日本でこのグローバル社会の中でできるかどうか。
 少なくともクローズされた中での、物差しというのは、現代においては持続可能かどうかという物差しが大変重要ではなかろうかと思います。

○阿部氏 今、補足したいんですが、今、例えば学校教育でも、投資教育というのが今始まりつつありますよね。これは経済産業省が学校教育の場でそれを入れていこうということで、子どものときから、投資を、株を、株は悪いものではないんだという。だからそういう教育も始まりつつあるんですが、実際、大方の投資家というのは、やはり目先のことを考えますよね。もうけてやろうということで投資するわけで、あくまでも長い目で、これは社会貢献で投資しようという人は非常に少ないわけですよね。ただ、そういう中でもエコファンドとか幾つかのものはありますが、ただ、それが本当に周りがそんなだったら皆投資しないはずですよね。
 だから、そういうことを考えていくと、やはり今の投資の問題と同時に、消費者教育的な、投資だけではなくて消費という、投資と消費、消費とリンクしますから、その消費という中で、環境、あるいは環境だけではなくて、社会的公平性、公正、そういったものを意識した消費というものを考えていく。そういうことが、この中でやっていったらいいのではないかと思うんですけれどもね。それは当然未来の投資に、責任投資につながっていくんだと思いますけれども。

○小澤座長 ありがとうございます。そのほか、ご質問。
 お願いいたします。

○加藤委員 沼とか川にブラックバスですとかブルーギルというのがどんどんはびこってきますと、従来型の魚が壊滅してしまうという意味で、非常に生態系を壊してしまうんですけれども、先ほどの関先生のお話の中で、コスモスとか、コスモスであっても、地域全体の生態系を壊さない外国の植物であれば、それを栽培することによって、地域全体がきれいになると。それでみなさんが喜んで自然を愛していこうということになるならば、それほど差し支えないんではなかろうかなと思ったりもするんですけれども、その辺は伝統的な固有の植物だけではなくて、生態系を壊さないものであるならば、外国品種でも大事にしていってもいいのではなかろうかなというふうに素朴に思うんですけれども、いかがでしょうか。

○小澤座長 どうぞ、お願いします。

○関氏 もっともだと思います。私が問題にしているのは、それが自然環境としてどうとらえていくのか。自然保護活動として、そういったことがやられていることはいいことかどうか。ですから、景観とかアメニティーということは、またもう1つ別の物差しであるわけですけれども、そういった景観やアメニティーや潤いとかという物差しにした場合に、きれいだという感覚があるというのは当然のことだと思います。
 しかし、ここでバッティングするのは、それをでは自然界にまいていくということです。自分のお庭でそういった活動をするのと、公共地である例えば河川敷であるとか、もっと言えば国立公園の中にもそういった外来種をたくさん今積極的に出しているという事例もあって、これが環境保全活動ということの名目での事業化されているということに対しての警笛ということもあるかと思います。
 もう1つは、アメニティーという物差しは、WTOでの認識では少なくとも主観であって、世界的な共通認識になり得ないという物差しでありますので、今アメニティーという物差しが消えつつあって、ここでは生態系の基本概念である生物多様性というものを物差しとして使うようになってきておるというのも現状で、これは日本の中でとやかくということではなくて、世界的な認識として物差しをアメニティーよりもどうも生物多様性という視点が、有効であるということは出てきているというのも事実だと思います。

○小澤座長 よろしいですか。そのほかいかがでしょうか。
 広瀬さんから。その次に二瓶さん、お願いしたいと思います。

○広瀬委員 和泉さんにお伺いなんですが、学校というのは、いわゆる閉鎖的な社会というようによく言われているわけなんですが、学校教育の現場におきまして環境教育を推進していくということを考えてみた場合に、地域社会とのさまざまなコラボレーションというのが欠かせない要件になると。今回、教科学習の面でご報告いただいているんですが、そのほかに例えば学校教育を通して子どもに対しての教育を通して、地域社会に対しての教育を発展的に行っていくんだとか、あるいは直接地域の中での体験的な学習を取り入れて、学校と地域とが垣根を取り払うような関係をつくっていくんだとか、そういうような取り組みについてはどのようにお考えなんでしょうか。

○和泉氏 おっしゃるとおり、やはり学校というのは敷居が高いということをよく感じます。構造的にもそうなんでしょうけれども、大学を出て我々教員になった場合、なかなか頭を下げることを知りませんし、お子さんを預かっていて保護者の方から先生、先生と言われている。そういうところで、なかなか地域というものが目に見えないと、閉鎖的になってしまったということはあるんだろうと思います。
 ただし、ここで非常に教育は変わってきておりまして、例えばいろいろな問題があったときも、学校だけではどうにもならないということは、やっと学校も気がついているんですね。それで、きょうは多少伝統的な教科である国語、算数、理科、社会のことを言いましたけれども、本来総合的な学習というのは、その辺が突破口になるわけでして、やはり学校と地域と一緒にやるというのは非常に活発に行われています。
 それで1つは、いろいろな形で子どもたちの要求に応じて、外から外部講師として呼ぶというようなことはもちろんありますが、それでいろいろな方と子どもたちが直接かかわるということは、実に大事なことです。というのは、例えば子どもたちが自分たちの課題で、どうしても、お米のことについて地域の人に聞きたいんだと。電話をかけるというときに、電話ひとつかけるんでも、ちゃんと勉強して練習して原稿を書くとか、例えばどこかの会社があって、そこが来てくれると。そこの会社は環境について非常に先進的な会社でソーラーパネルをつくって、それを取材したいというときも、やはりルールがあってそういうことを学ぶという。企業ともありますし、それは地域ですけれども、地域にある企業、または家庭とか、さまざまな連携というのは常に行われているわけでして、それは今後期待されるし、やっぱり学校がそういうところで開いていかないと。ただそれはハード的にはいろんな問題があるので、閉めたりなんかしますけれども、気持ちの上で開いていくということが非常に大事で、実にそれは効果がある。例えば、お年寄りの人なんか来てみると、学校は余りお金のないところなんですけれども、一緒にやること自体が、非常に地域の方にとっても嬉しいという話をうかがいます。やはりそこには子どもがかかわっている。新しい町ではお父さん、お母さん、僕と私と4人と。2世代ぐらいなんですね。ところが、おじいちゃん、おばあちゃんと直接触れないというようなことがあったりするときに、やはり昔遊びを教えてくれるというようなかかわりもあるし、公園についていろいろ勉強していくと、あそこの公園なんか階段ばっかりで、隣のおじいちゃんが行くのにすごい苦労しているよと。で、行政と掛け合って話をして、公園直すときにスロープがつくとか、そういう例も実際ありますし、やっぱりそうやって子どもが町にいてかかわっていくと。それを地域が支えるということは、やはりちょっと前の日本ならごく普通のことだったと思います。ごみ拾いなさいよというような。今は何か、別にコンビニの悪口を言う気はないですが、そういういろいろなお店ができて、ごみがやたらとふえたりしてだれも怒らなくなってしまったりして、やはりそれは地域の力だとは思うんですね。
 その辺の時間はきょうはありませんでしたけれども、総合的な学習を通して、地域と学校もエンパワーメントというのでしょうかね、元気になるし地域も元気になるという事例は、最近非常にふえてきて、それは大いに期待するところであります。

○小澤座長 ありがとうございます。

○二瓶委員 関連する質問になってくるんですけれども、例えば小学校で環境の教育というか、いろんな教科の中で環境にかかわるような教育をされているという、非常にありがたいんですけれども、例えば学年を上級生、下級生を一緒にそのグループとして活動するような、あるいは近隣の小学校でしたら中学生に入ってもらうような、そういったつながりのある教育のような活動の芽というのはあるんでしょうか。
 実は、関先生からのご紹介のあったビオトープの活動というのは、歴代小学校の5年生、6年生あたりがそういう活動をやって、卒業していった先輩が、ときどき見に来てどうなっているか心配になって来るとかいう、そういうつながりができているという話は、先だっての発表会で私も伺ったんですけれども、そういうような時間の流れによる連携といいますか、こういったものも必要ではないかなということを感じながら今、ちょっと先生に伺うんですけれども。

○和泉氏 例えば学年を超えてということは、非常にこれは盛んです。というのは、子どもたちが少子化してこじんまりとしているという現状もありますけれども、学校でいうと特別活動というところになるんですが、例えば具体的には、6年生が地域の自然公園に、自分たちで楽しいコースを設定して、5年生から4年生が6年の考えをコースの行きたいところへ行って楽しむというような取り組みがあります。6年生は3〜4人のチームで地域の面白いところ、池とか、水辺とか、崖で崖のぼりをやれるところとかやる。いろんなことを調べてきて低学年にプレゼンをします。1年生から5年生は好きなところへ行って一緒にやります。また、3年生がごみのこと始めて4年生が勉強でやって、それを集会で発表し、全校で取り組むとか、そういうような活動は非常に最近盛んです。やはりいつもクラスの小集団だけではなくて、例えば4年なら4年の全クラスで横にかかわるとか、または個別支援学級と交流しながら取り組む。そういうようなところの子どもたちと一緒に活動するというようなことは、非常に参加になってきて、それは効果がある。
 さらに、例えば同じ学区で、今までごみ拾いをやっていたりするんでしょうが、中学は中学で生徒会活動でやっていて、小学校が前の日に地域清掃をやって、中学校が行ったらごみがなくなってしまったというようなことがありました。実際、どうしたらいいかと中学校の生徒会長さんと児童会の会長が集まって話し合いをします。結局町内会に行ってごみのことを聞いたら、いついつがいいよということになって、では町の人も一緒に3者でやろうということで、春と秋に2回やったというようなこともありました。小学校の子どもは何か近くの中学校って怖いのかなと、何となく思っている。でも、なんだあのお兄ちゃん、すごい親切でごみを一緒に拾ったと、こういう関係ができてくる。環境を通して、地域とつながりができ、こういうことはやるべきことだと思います。

○小澤座長 ありがとうございました。

○小関委員 関さんのお話の中で、特に後半部分でパワーポイントを通じて生物多様性というお話が出たと思うんですけれども、その中でビオトープは確かに地域の自然をすべてがありのままに学校のなかに再現するということでの有効性は、都会や地方を問わずできるかと思うんですね。その対極になるのかな、学校の校庭の芝生化という動きもまた一方にあるんですね。温暖化防止効果もヒートアイランドに対する一定の効果もあると。けがをしないとか、子どもが外へ出て活動しやすいとかという面で、相当の経費をかけながらも違った動きがありますよね。これは今話題になっているこの環境教育という自然保護というような立場から見てお考えが、もしあったらお聞かせ願いたい。

○関氏 先ほどのところと重なるかもしれませんけれども、物差しの違うものを同時に両立するのは大変難しいだろうということです。一方で芝生化のメリットというのはたくさんあると。もちろんサッカーをしやすいとか、けがをしないようにまたは温暖化の問題等々あるというのは重々承知の上ですし、そういったことの重要性というのはあります。
 しかし、芝生化を環境教育として見た場合にどうかという視点は、またちょっと違う物差しで見た方がいいと思います。
 1つの統一した環境教育という物差しを当てた場合、どちらがいいのかということを考えますと、私としましては、基本的には今の事例ですと、そもそもそこにあった地域の自然を子どもたちに見せていくことの重要性。または、それに携わって子どもたちがその地域の自然環境というのを理解を深めていくという方向の方が、環境教育にとってはよりいいのかなと考えます。

○小関委員 あれかこれかという択一論では物事進まないと思うんですね。学校の校庭というのは、一定の限りあるスペースでもあるし、校庭でない場所にビオトープということは十分できる話ですよね。ですから、そういう物差しはいろいろな場面を想定すれば両立するのではないかなと。ただ、一番下には、当然農薬なり何なり、ゴルフ場にあるような問題が付随してきますから、気をつけなくてはいけないと思うんですけれども、私は芝生を植えるよりもその後の維持の方が大変だという話を聞くんです。メンテナンスの経費とか。これをむしろ子どもたち自身が雑草抜いたりやったり、場合によっては地域の親御さんや一般の方と一緒になって、そのメンテに協力することが、先ほどからどなたかもおっしゃっていた、学校から地域へ広がるひとつの断面にもなるのかなと。ビオトープも確かに効果があると私も思っているし、広がっているんですけれども、やはり芝生を否定しない両立するような生き方もあるのかなと、今思ったものですから。

○関氏 おっしゃるとおりだと思います。両立できるゾーニングの仕方があれば、こしたことないと思います。

○和泉氏 横浜でもここのところ芝生を植えている学校もありますが、確かに芝生自体はいいんですけれども、やっぱりオーバーユースというか、子どもの数が多いと、どうしても今度は維持する前にはげてしまうんですね。やはり、運動でばーっと使うと、人間の圧力が大きいですから。その辺のバランスというのは、ゴルフ場のようなわけにはやっぱりいかない。
 もう1つ、校庭の端っこなんかですとオオバコとかスズメノカタビラとかビンボウグサと子どもは呼びますけれどもハルジョオンとか、ああいう雑草が生えていて、それでも適当に踏んでいると、まあ草地っぽくなりますよね。ちょっとほかの地域の野球場なんかの周りなんかだと、芝生が植わってなくても草があって、適当に踏み跡で、そういうのでもいいのではないかと気もしますが、確かに芝生だけではないし、ビオトープだけではないと思う。
 横浜は今小学校が350、最大の委員会なんですけれども、中学校を入れると500近いんですけれども、ビオトープが68ほどありますが、そういうのを見てみますと、いわゆる池をつくってトンボ池だけではないと。ちょっと校舎の影のところに、地面をほじくって蛙池だったり、雑草が積んであってコオロギのいるところがあったり、いろんなものが積んであって、そういうところにカナヘビがいるとか、そういういろいろなデコボコしたり、多孔質というような言葉もありますけれども、いろんなところを学校につくっておくと、地域の生き物が、学校に寄ってくるというようなところがあります。例えば植物を植えるのでも、カイヅカイブキとか園芸品だけずらっと植えておかないで、ミカン科のものを植えると、自然に外からアゲハが来る。花もある、実もなるような木も植えておけば、野鳥も来るよというようなことで、学校のほんの2〜3メートルのフェンスのところでも自然を豊かにできるだろうと思います。
 横浜はそんなことを考えて、ビオトープと少し似ていますけれども、「エコアップ」というような言葉があります。それはエコ、生態的な、質の向上アップというような意味です。どちらかというと子どもたちと一緒にやりながら、もともと地域にある環境を整えて、場合によっては見たところ草ぼうぼうみたいなんですけれども、バッタのレストランとか、ここをちゃんと大事なところですよと地域にも伝える。あれはいい加減に草刈りしていないところではなくて、勉強に大事なところですというふうに言う。生き物が寄ってきて触れ合える場所ですよと。そのようなことを考えると、ビオトープというようなものも非常に広くとらえられて、そんなにお金をかけなくても、環境をある程度整えられるということはあると思います。

○小澤座長 ありがとうございました。それでは、先生。

○青木委員 主に横浜市の和泉さんにお願いしたいんですけれども、横浜市の教育委員会さんとか、あるいは前回の武蔵野市さんのように環境教育を熱心にやっているところでは、非常に多くの学校で取り組まれているということなんですが、どのような環境教育をどの程度やるかというのは、基本的には現在は各学校の主体性に任されている部分がありまして、そういった学校の多様性を踏まえて、環境教育の取り組みを促すために、各学校に環境教育を実施することへのインセンティブを意識してもらうと。そういった施策が必要かなと思うんですが、例えば学校でいいますと、学校評価というのがございますね。環境教育をどれだけやったかというのが、どの程度学校評価につながるかというような視点。あるいは、学校評議員制度というのがございますので、そういった評議員の中に環境教育の知識や経験のある人をお願いすることによって、環境教育を広めると。
 そういった制度的なシステムがあると、必ずしもトップの方が積極的でなくても、そういった環境教育というのは広がっていくんだろうなと思うんですが、そういったところの工夫等があればお聞かせいただければと思います。

○和泉氏 確かにおっしゃるとおり、今横浜市では民間度チェックというようなことがありまして、学校では外部評価としてやっています。
 ただそのときに、環境についてという視点が明確だったかというと、そうでもないと思います。今のご意見は学校評価、外部評価なんかで非常にいい視点だと思われます。今インセンティブとおっしゃいましたけれども、ある。
 今はまず横浜市内にさっきも申し上げたような内容をいろいろな研究してきて教科とか総合でできるよということを指導資料を作成し委員会としても整えていきましょうということです。環境教育の基本方針を策定し、市の他の行政機関と協力しながら、進めています。
 ですから、やはり学校評価していくときに、いかに地域の人にとってオープンであるか、環境について、どう取り組んでいるか、そのようなことを項目に加えていくというのは、非常に有効な視点だと思うんですね。
 今の話はどちらかと言うと私どもも参考になるようなお話で、確かに外部評価にそういうことを入れていくということは、非常に学校にとっては、はっと気がつく。例えばアンケート1つ取っても、そういうアンケートが来ると、あっ、そうだ、これは大事な視点だよなと思うので、それは非常に私どもとしても、参考になります。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは、よろしいですか。短くお願いいたします。

○田原委員 和泉先生にちょっとお尋ねしたいことがあるんですが、自然体験とか生き物のふれあいが環境教育のベースになるというのは、私も確かにそう思いまして、そのときに、10歳までの原体験がとても重要であるというさらにご指摘がありまして、当然学校だけではできないので、地域だということで、その辺は広瀬委員のご質問でもちょっと重なりますので、その辺の話はわかったんですけれども、ただ、実際にそこをだれが担うかという話になって、そのときに、例えば家庭教育というふうに言ってしまうと非常に簡単なんですけれども、実際に家庭教育がそれだけのもう能力がない。あるいは、社会的環境として子どもを社会的にそういう環境に置くことができないというような、そういうのが多少現実だと思うんですが、例えばプレーパークとか、そういう公園を使ってというような工夫はいろんなところでなされたりするんですけれども、やはり10歳までと言っても、やっぱり学校に期待されるものはかなり、1年生から4年生まで、かなりあるだろうと思うんですね。
 もちろん学校だけではできないんですけれども、その中で一番問題になるのが、総合教育の時間が限られているというような話だろうと思うんですけれども、何か、私既に博物館に勤めておりますので、社会教育施設も、一方子どもを扱うのを、つまり10歳以下の子どもを扱うのを逃げているようなところがありまして、やっぱりその10歳までの原体験というのをかなり真剣に考えざるを得ないとすれば、学校でできることは一体何で、学校以外に期待するものは何かというのが、なかなかこちらも学校とよく話すことはあるんですけれども、見えてこないというのがあるんですけれども、何かその辺で実際体験を通じて、何かご意見いただければありがたいと思うんですが。

○和泉氏 中学校の場合は理科は、ご自分のご専門でやっている先生がおられます。でも小学校の場合は全教科を教えるので、生き物に積極的にかかわりたくないという方も多いわけですね。ですから、やはりそういうときに、1つは、指導者の教育ということがあります。社会教育機関、例えば博物館とかそういう方と一緒に研修をするとか、教員どうしで研修する方法もあります。
 例えば名前を知らなくてもちゃんとできると。それよりも触って自分なりにこの草何と言ったら、これは○○草だよとか、これは名前は何でもいいんだよと。自分で感じたのを名前としてつける。この草、においかいでみた、何だ、キュウリみたいなにおいがするねと。そうなんだ、これは実はこれキュウリ草という名前がちゃんとついているんだよとか、そういうような体験を過ごした授業ができるといい。都市部でも、目をちょっと下げて子どもの目から見ると自然はけっこうあるんですね。そういうところになかなか指導者も気がつかないという、指導できないという面はございます。
 そこでやはり大変期待するところは、専門家のおられる博物館であるとか、または外部団体と協力しながら、研修を進めることが望まれます。
 または必要に応じて子どもと一緒に外部講師として来ていただいて、先生も子どもと一緒に学ぶというようなチャンスというのは、今後非常に大事です。
 やはり、子どもと接する時間が非常に教員って長いんですね。パパ、ママ、先生という何かコマーシャルがありましたけれども、一番近い他人なんて話もあるので、やはり指導者の資質と能力の一層の向上というのは非常に大事で、そこにかかわっていただけると。学校もそういうことをよく考えていくということは、大事だなと思っております。

○小澤座長 ありがとうございます。お時間よろしいでしょうか。恐れ入ります。
 それでは、協議のところの2の全体会議に入りたいと思いますが、その前に、きょう初めてご参画していただきました青山委員と、それから笹之内委員から、一言ずついただきたいと思います。簡単な自己紹介と意見表明を、それぞれ5分程度でお願いできたらありがたいのですが。
 それでは青山委員から、お願いします。

○青山委員 経団連、青山と申します。経団連の環境問題を担当して3年余りになります。
 1つだけ、本日お伺いしまして、感じたことがありまして、環境教育非常に重要で、この法律の法案が作成されたときも、非常に私どもお話があったとき、こうしたことは企業、産業界としてもいいことなんだという受け止め方でございました。
 企業の方の取り組み、ちょうど私ども経団連でも、環境問題、国際戦略ワーキンググループの座長さんをしておられる笹之内部長からご紹介、お話しいただけると思うんですが、1つだけ皆様、環境をやっておられる方、環境教育法に携わっておられる方、本日ご来席の先生方も非常に立派な先生方で問題意識が非常に明確で、いいことをされているんですが、その中でやはり大事なことは、社会がどうやって受け止めていただけるのかなと。教育であれば、お子さんがいらっしゃいまして親御さんもおられますし、その中であるいは周りの社会の方々がおられる。環境問題になりますと、私どももいつも言われていますのは、企業の活動が広く社会の方々に、ステークホルダーの方に理解していただくということが非常に重要で、いくらいいことをしても、それがわかってもらえる方々、企業であれば消費者の方々が実際に手にとって買っていただけなければ成果につながらない。
 それと同じことを実は、環境省の方々も、前におられるので恐縮なんですが、基本方針、いいものをつくっていただいても文章がたくさんできただけではしようがないので、社会にどれだけ認知をしていただけるのかというところが、今、まさにそういう意味では非常に消費者の方々、国民の皆様がどれだけ理解をして、それを受け止めていただけるのかが、各省庁における競争力なのかなというふうに受け止めております。それが1点。
 もう1つ、私も環境の関係で、企業の方々、役所の方々といろいろ議論をする機会がございますが、NGOの方も含めてなんですが、非常にまじめにやっておられる方は理想に燃えていますので、自分の理想がございます。ある意味で、たとえは悪いんですが、私の専門でございます中国では、中国共産党は非常に明るいんです。理想にめがけて頑張って、国民に向けて海外に向けてプロパガンダを発していると。中身を見ますと、悪いことは1つも書いていないんです。ところが使命感に燃えていますと、どうもそれに共鳴しない方から見ると、非常にしらけるというか、もう1つは共鳴しない場合は非常に暗いものに映ってしまうんですね。環境問題を扱っておられるNGOの方は、おれはいいことをやっているんだという方は多いんですが、もうちょっと、私毎日6時半に起きると、朝J−WAVEを聞くんですが、LOHAS MORNINGを聞いて出かけます。やはり健康と環境は今を生きる人たちのキーワードだと。そこでいろんな話が、実体験に基づいたお話がいろいろ出てくるわけなんです。もう少し皆様が明るく暮らしの中で楽しく溶け込んで、これやってみようかなと。きょうも、その後のLOHAS MORNINGの次なんですけれども、GOOD MORNING TOKYOは、やはりスタバのコーヒーの豆殻でつくったTシャツ、その後、スターバックスに行って2,800円でちょっと高いので買わなかったんですが、実際環境にいいことって、自分たちが飲食しているもの、もとを正すと何なのか。そこで、身近な環境問題として消費行動にどう移したらいいのかなとか、そういう難しいことを考えるわけではないんですが、楽しく環境や健康のことを取り入れていくというのが、やはり国民にとって1つのキーワードではないかなというふうに感じたわけです。
 やはり、この基本方針、国の政策もマーケティングが重要かなというふうに、電通や博報堂の人たちの仕事も、皆様、彼らは広告で1つの産業としてやっているというふうに見ないで、やはり社会に対するアプローチというものを、ひとつ真剣に考えていただければなと思っています。
 長くなりました。失礼しました。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは笹之内委員、よろしくお願いいたします。

○笹之内委員 トヨタ自動車の笹之内と申します。きょう3人の先生方のお話を聞いて、むしろ私が委員になるより、先生方に委員になっていただいた方がいいのかなと思いながら伺っておりました。
 前回欠席しまして申し訳ありませんでした。きょうは、そういう意味では初めてなものですから、2点、私どもの会社というか、産業界としての取り組みと、この環境教育というものをどうしていくかということに対する、政策に対するお願いを申し上げたいと思います。
 まず1は、私どもの会社の取り組みですけれども、教育なんていうのはおこがましいものですから、学習と言っていますけれども、まず1つは、社員の学習ということで、環境研修をやっております。そのために教科書をつくっております。その中で一般教養、環境とは何ぞやというものを学ぶ。それから、私どもの会社がつくる製品の環境配慮性がどうあるべきかというようなことを学んでもらっております。
 そのほかには環境月間ということで、今6月がまさにそうで、環境省の方にも講演に来ていただいたりとか、そういうことを実施しております。
 それからもう1つは、環境に関する社会貢献なんですけれども、産業界はどこでもそうなんですけれども、ものづくりは人づくりというのが日本の産業文化のいいところでして、やはり人をつくるという意味で幅広くそういう面で社会にも貢献しようということで、私どもでは環境教育というか、環境学習に特化して、毎年そういう分野で一生懸命やっていただいているNGOに対して、約1億から1億2,000万円ぐらい支援させていただいています。
 それからもう1つは、場を提供するということで来年開校予定なんですけれども、白河に自然学校を作っています。これは運営もNGOにお任せして、私どもは場所と年間の運営費を負担するというようなことです。それからもう1つは、里山づくりについていろいろやっております。
 もう1つ大事なのは広報ということで、一番有名なのは「宇宙船地球号」。大変好評いただいておりますけれどもあれをやっておったり、講演とか、学校で講師をしたりとかいうことにも積極的に取り組む。これは特に私どもの会社ではなくて、今の産業界は、互いにこういう面で非常に熱心に協力をさせていただいておるのではないかと思っています。
 次に、ではこの委員会のアウトプットに期待するというか、お願いなんですけれども、1つは、やはり産業界から見ると、これと並行してというか、最近終了したんですけれども、環境と経済の好循環の専門委員会というのがございました。これのアウトプットともぜひ連携をしていただきたい。すなわち、環境コストを社会全体で負担するんだという思想を、やはり盛り込んでほしい。要するに、ちょっとこんなこと私が言うのは僣越なんですけれども、人間は初め衣食住に費用というかある負担をしてきたんですが、その後エネルギーというものに負担を平気でするようになった。その後、余暇にも負担を躊躇なくするようになった。最近では情報とか通信、これにもどんどんお金を使うと。その次に、警備保障会社が民間の一般の家庭までやるように、安全にもお金を払う。だから、将来やっぱり環境にも社会全体がきちんと費用負担できるような、そういう考え方をきちんと皆で学ぶ必要があるのではないか。
 それからもう1つ、これは環境だけではなくて、やはりなぜ、なぜという概念ですね。私どもの会社でいくと、問題解決のときに5回なぜを繰り返すというのが入社のときから言われているんですけれども、やはりどうも今の学校の中で自分の子どもを含め、なぜを何回も繰り返して物事を考えるということが余りないんですね。だから、環境の場合は、ぜひそれをやっていただきたいなというふうに思います。
 それから最後に、きょうもお話がありましたけれども、ミスリードをしないということが大切。きょうも一部例がございましたけれども、やっぱり環境というのは境で相互関係なものですから、自分がやったことがよそにいかに影響を及ぼすかというそういうことで、自分がいいと思っていても、結果的によそには非常に迷惑がかかっているというようなことがございます。そういう意味で、産業界で言えばLCAで物事を考えるというようなことが大事だと。
 最後に、やっぱり先ほどの費用負担の話、そのなぜを追求する考え方、ミスリードをしない。こういうことを入れていただいて、今回の何かこういう環境教育の方針ができるんですけれども、そういうことをやはりプラン・ドゥ・チェック・アクションをやはり2年とか5年とか、どういうタイミングがいいか、PDCAを回すようなことも含めた計画を立てていただきたいというふうに思っています。
 以上でございます。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは全体討議と申し上げたいところなんですが、時間が押しておりますけれども、あと20分近く皆様からご意見をいただけたらと。特に基本方針ということで、前回の議論も踏まえてお願いできたらと思います。

○加藤委員 先ほどの青山委員の考えとも関連いたしますけれども、何々してはならない、何々をすべきだという道徳的、倫理的な行動というのはどうしても疲れますし、長続きしません。環境教育で、いろいろやっぱり何々してはならないというところで終わるものもあろうかと思うんですけれども、さらにそこを突き抜けて、もっと積極的にやると楽しくなるという分野もあるのかなと。先ほどのビオトープですとか、草、牧草地とか芝生に変わるという話もございましたけれども、ごみの投棄をやめて、ごみを除去し、そこに追加的に投棄をしないようにしていった空間を緑地にするですとか、あるいは遊び場にするとか、道路のごみを片づけてそこに花を植えて、その町自体が今度はなかなかごみも捨てづらくなって、楽しくなると。あるいは、水をきれいにして、そこに魚が泳ぐと楽しいと。伊豆の松崎なんかもっと違った面があるんだと思うんですけれども、今の環境教育の中で、さらに突き抜けて楽しくできる部分というものを知恵を出して、なるべく多勢の人が、疲れないで楽しい世界で結果的に環境がキープできると。そういったところは、個別の課題ごとに考えて、こんな楽しみ方がある、こんなふうになれば町の人が皆喜ぶといったところの可能性を追求して、その方法論を、その地域の人がどのように選択するかというのは、そこはお任せするにしても、そういった選択肢を幾つか考えていくと疲れないし、無理しないでできる。
 義務的にどうしてもやらざるを得ないところというのはまた考えるにしましても、そういった工夫というのが今後は必要なのかなと。コストの問題も当然出てまいりますけれども、そういった現状を確認しながら、次のステップの楽しいことを考えていくという工夫が必要かなと、思います。

○小澤座長 ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。
 それでは堀内委員。

○堀内委員 先ほど和泉先生の方から、環境教育を盛んにしていくためには、何が環境教育であるのか、何を教えればいいかということを、できるだけ具体的に明らかにしていくことが広がるきっかけになる。私自身は全くそれに反対でも何でもないし、そうだろうと思うわけですけれども、前回もちょっとお話しいたしましたけれども、全ての学校が全て同じように全て盛んに環境教育をやることが望ましいという、この場ですから当然そう考えなければいけないんですけれども、実際はそうではないだろうというふうに思うんですよね。いろんな課題がいろんなふうに学校へ提供されてきて、学校のある地域も違ってきている中で、私の学校にとってふさわしいものは何なんだろうかといったときに、では環境教育というところを軸にしながら子どもたちを育てていこうよというようなことを中心に置いていくことが、最終的に環境教育が広がり、そして1人1人子どもたちを成長させることができるのではないかと思うんです。
 どういうことかと言うと、もちろん、基本はですから各教科の中で、ああ、それを指導するということは、環境教育にかかわりがあるのかということは、これは教育委員会なり、いろんな立場から先生方にしっかり指導させなければいけないですけれども、それをまず踏まえた上で、そこから先進んでいくかどうかということは、やっぱり地域性、その他に任せる必要があるのではないか。その中から先生が個人的に動いていくという場合もあるし、それが学校全体のものになっていく場合もあるでしょうし、都会のど真ん中でやる環境教育のあり方と、あるいは学校の周辺が公園の中にある学校のやり方と、あるいは農村地域にあるやり方とではもうまるっきり違ってくるのではないか。そんなふうに私自身は考えているわけですけれども、どうでしょうか。全部がやらなければだめなんだと言い切ってしまうとつらいのではないか。

○小澤座長 では、和泉先生お願いします。

○和泉氏 もうおっしゃるとおりで、私がさっき挙げたのは例でして、例えば近くに川のある学校と、ちょっと住宅地でカラスとごみの問題が起きている学校があったりしました。そういうときに、たまたま港北ニュータウンで研究所が多い。いわゆるコンサルの会社のところが、地域と一緒に指導者を派遣しますよというようなことを区役所に持ち込んでしまったら、たまたま野鳥の専門家を呼んでカラスの行動のことを学んだと。その学校は住宅地なんですね。特に特別な自然とかって公園とかある。やっぱりそこは子どもなりにごみとカラスの問題が非常に気になっているというようなことがあった。
 もう1つは、近くに大きな川があって、いつも子どもたちが鴨に観察したりなんかでかかわっていて、河川事務所が親水公園を考えているときがあって、その近くの学校の情報があって、子どもと一緒に話したら、やっぱりその学校の近くに親水公園をつくると。そうすると、どこでもよかったんですけれども、帷子川という小さな川ですけれども、そこで学校の近くで子どもたち、地域とかかわっているのならそこにやろうと。
 ですから、おっしゃるように私は共通のカリキュラムがある必要は全くないですし、少なくとも私たちが国語とか算数とか基本的に共通にやるところと環境教育の考え方は非常に違うと思うんです。これは多様性と同一性ともいうべき問題で、いろんな葉っぱがあって、丸い葉っぱや細い葉っぱや1枚の葉っぱがあったらいっぱいあるけれども、でも皆葉っぱとしての機能は緑色で光合成をしていると。非常に生物界は多様であるけれども、そこに同一性がある。ダイバスティもあるというときに、いろんなところがあって、環境教育も例えばその地域、その地域で学校といろいろな問題がある。そういう中でそれを地域と場合によっては企業がかかわることもありますし、社会教育機関とか行政。それのかかわり方は非常に多様です。
 例えばその中で統一性として、いろんな対応の中に持続可能な社会をつくっていくんだというようなことが、1つのコアになるかもしれない。そういうところから、非常にいろいろな多彩に取り組まれるというのが、やはりそれぞれの取り組みに対応できるようなカリキュラムを、それは学校の努力もいるわけだと思います。自分たちの地域の方たちと一緒にやって、さっきもおっしゃったようにこんな例がありました。学校でアルミ缶集めるのがいいんだというようなことになって、今の時代ではないんですけれども、ちょっと前、最初はアルミ缶集めればやるのなんて、お父さん、ちゃんと瓶ビールで飲んでいたんですよね。でも、アルミ缶で、お母さんが、学校で何か集めているんだから缶ビールにしなさいよみたいなことで、それは違うでしょいと。子どもはいいことをやっていて、思っていて、なんだけれども、瓶ビール飲んでいたら、そっちの方がずっと環境に優しかったわけで、おっしゃっていたように、やっぱりその辺、学校も視野が狭いですから、思い上がってはいけないところがありますし、地域と一緒に、それからそれぞれの特色に応じてやるということは全くおっしゃるとおりで、その辺は、ほかの国語、算数、理科、社会のように共有して共通してやっていく中身とは、非常に違ったところがあると。これははっきりしているように思います。

○小澤座長 ありがとうございました。
 阿部さん。

○阿部氏 特に今に関連して一言なんですが、私はESDの宣伝ということでESDの話を中心にしたために、学校の話はほとんどしなかったんですけれども、だから本当に狭い意味での環境教育という、それは当然1つの教科の中に入ってきますから、だから、それだけでなくてまさにつながりで考えていったら全てが入ってくるんです。だから、環境も福祉も人権も皆入ってくるわけです。
 だから、そういう意味で持続可能性ということは、やはり持続可能性といった中での概念、1世代前の構成、世代間の構成とか、あるいは人と他の生物種との間に構成というように言ったら全部入ってくるわけですよ。ですから、そういったつながりをやっていくんだと。当然、だから広い意味での環境教育になっていくわけです。ですから、狭い意味での環境教育をこうやれと言ったときに、今先生がおっしゃるようなことになるんですが、そうではなくて広い意味で考えたら全部つながっていくということですね。つまり、だから本来のリッチなセチュリとしての国語、算数、理科、社会から、あるいは、その地域との関係、あるいは国際的な課題、全部つながっていくんだと思うんですね。そんなふうに見ていただければいいと思うんですけれども。

○小澤座長 ありがとうございます。
 そのほか。広瀬委員。

○広瀬委員 今の阿部先生のお話にあったように、私もこの委員会、この法律の略称、環境教育推進法と今、皆さん呼んでますが、持続可能な社会推進法のような形で言えば、より意味が明確になるのではないかなというふうに最初にお話しましたけれども、やはりきょうESDのお話をしていただいたんですが、持続可能な社会に向けて我々は何をなすべきなのか。そして、それぞれの役割はどうなのかということを、基本方針においてはより具体的に出していく必要があるのではないか。現在環境教育という視点でもちろん、この法律の名称ですから、そういう取り組みはなされているわけなんですが、環境教育という名称を、とりあえず現在使っていないさまざまな活動とかセクターの皆さんが、例えば21条の協働取組などにおいて、いろいろな役割を果たしていくようなことを求めていくと。そういう形で、より幅広い概念をこの法律の中で明確に打ち出してやっていただけたらというふうに思います。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは岡島委員。

○岡島委員 3人の方、ご苦労さまでした。遅れてきて申し訳ありませんでした。
 ちょっと大変かもしれませんけれども、いろんな意見もある中で、そろそろ5年後の改定というのも目に視野に入れながら、環境教育といわれているものの全体像というのを、もう少しきちんと洗い直してみる作業が必要なのではないかと思うですね。例えばNGOにとっても、私も最近本当にちょっと残念なんですけれども、野鳥の会が4万8,000人になって、自然保護協会が1万6,000人になってきた。これだけ環境が言われているのにどんどん減っているんですね。一体どういうことなのかと。野鳥の会なんか年寄りばかりで年寄りが亡くなっていくから減っていって、新しい人が入ってこないといっているわけですね。
 そういうことで、アメリカでは簡単に言って、多ければいいというものではないんでしょうけれども、1,400〜1,500万の人が環境保護団体にはポケットマネーでお金を出している。我が国ではもう本当30万人いるかどうかというような状況ですね。ですから、環境教育が大事だとかいろんなことを我々言っていながら、ほとんど効き目がないんですね。ですから、伊勢丹の前を歩いているお兄ちゃん、お姉ちゃんたちも、ほとんど知らないわけですね。ですから、先ほど青山さんがちょっとおっしゃったように、我々の環境をやっている者の方の発信の力が、どうもずれてしまっているような感じも、自己満足に入ってしまったり、それから細かい点でつつき合ったりすることが多くて、国民全体の中の環境なんか知らないよという人が86%ぐらいいると思うんですけれども、そういう方々に対する1つの理解を高めるという作業も、かなり大事だと思うです。どうしても先っ方の方だけ走っていってしまうと。環境を一生懸命やっている人は、自分の分野がかわいいですから、そればかりに行って、それに合わないと腹を立てるということになってしまうので、そういうことも全部含めて、例えば阿部先生が書いていらしたこの日本における環境教育の現在ESDと書いてあるんですけれども、こういうものの中で、この中で1つ取っても、非常に複雑ですよね。
 私は自然体験というのをちょっと長くいろいろ各保護団体と一緒になっていろんなことを考えていますけれども、自然体験をどうやってやっていこうかということだけでも、ものすごく50団体、100団体の意見を皆で言い合うことだけでも2年かかる。そういうような形で、実際に物事をやっていくには、この1つの1つの事柄がものすごく大変なことですね。ですから、それを全部一応プロットして、全体像がお互いにわかるということを、ひとつ努力してやっていって、今度10月までにできることと、それから将来こうあってほしいと。こうあったらいいのではないか。日本の社会は環境教育とかNGOとかいろんなことに関しても、こういうような税制も含めて、NGOの環境保護団体には大体500万人ぐらいほしいとか、何でもいいんですけれども、いろんな意味のことを少しプロットしてやっていかないと、人材でずっと進んでいるところもあれば、ごみやこっちのいろんな部分では人材はこうだとか、いろいろ人材1個取っても、それぞれの分野では現状は違うわけですね。
 ですから、そういったようなものもほとんど全部網羅するような見取図というか、大きなものを少しつくって、ここはちょっと大変な作業ですけれども、この分野はこの部分が進んでいるけれども、この部分はもうちょっと補てんしてこうした方がいいのではないかとか、そういった全体像を少しつくらないと難しい。環境と教育が両方くっついてしまっているわけですから、環境というのは全てが環境ですし、教育もまた全て入っているわけで、その辺のところを少し整理して環境教育、ESDはESDでいいですけれども、ESDでなければいけない、環境教育はよくないとそういう言葉の遊びではなくて、ギゲンとしてやっていく。ですから、環境教育法は法律の名前は環境教育法だけれども、実際の施行のところでは、ESD的な持続可能なことは、きちんととらまえていますよというのは、きちんと書かなくてはいけないだろうし、そういったようなことで調整していけばいいと思うんです。
 メディアもそうですね。メディアも余り触れられていませんけれども、メディアも非常に大きな要素があります。企業もある、NGOもある、学校教育もある、行政もある、地域社会もある、そういうものとここにある阿部さんの書いてあるようないろんな自然系があり石油系がありいろんなものがある。それは、全部クロスオーバーしてやっているわけですね。
 ですから、その辺のところが非常に複雑なので、そこら辺の現状とありたい姿みたいなことを対比するとか、何か要するにこっちに座っている人がこっちのことだけしか言わない。こっちに座っている人がこっちのことだけ言わないではないて、全員が全部がある程度見えた上で議論すると。そういったようなことが、ちょっと必要ではないか。これは国民全体がある程度わかっていないんですね。混乱しているのではないかと思うんですね。ですから、その辺のところを少し整理するという作業がかなり大事ではないかなというふうに思われますので、お役所の方にはちょっと大変ですけれども、そんなことはどうかなと提案させていただきました。

○小澤座長 どうもありがとうございました。何か大きな宿題が向こうの方に行った感じですね。

○岡島委員 一緒にやらなきゃだめですね、皆でね。

○小澤座長 そうですね。もうそろそろ時間がまいりましたので、きょうの全体協議はこれで終わりにしたいと思いますが、きょう、お3方の方、ありがとうございました。(拍手)
 そこで出てきたところの、基本的に環境保全活動とか環境教育の質をどうしていくかというところが、この法律を生かしていこうということだったと思います。その中で幾つかご意見があって、発信の仕方ということもありますし、それからつながりということもありましたし、それから今、全体像を見直すということで、阿部先生の方からもこれは平成11年度というのは、この11年度の報告書というのは3年間、環境省さんとそれから文部省、その当時の文部省でやってきて、3年目がちょうど全体像をある程度見通し図をつくったものなんですね。もちろんOECDからもいろんな指摘もありますので、そういったものを踏まえながら次回につなげていきたいと思います。
 きょうはどうもありがとうございました。
 それでは、私の役割はここで終わります。その他のところについて、事務局からお話しをお願いしたいと思います。

○渋谷環境教育推進室長 どうも委員の皆様方、またプレゼンテーターの皆様、長時間の議論、ありがとうございました。
 次回の第4回の懇談会でございますが、7月になろうかと思います。今、大変重い宿題をいただきましたが、原案のようなものをお示しして、ご議論いただければというふうに考えております。
 次回以降の日程については、また後日ご連絡をして皆様方の日程調整をさせていただきたいというふうに思っております。
 それから、あと追加で、教育の10年のためのパンフレットと、それから今、私どもが進めております学校のエコ校舎の改修と周辺の地域との環境教育の授業を考えておりまして、その記者発表資料を追加でお配りいたしましたので、後ほど目を通していただければと。こういうことを環境省も考えているということをご理解いただければというふうに思っております。
 以上で、第3回の懇談会を終了いたしたいと思います。本当に長時間のご議論、ありがとうございました。

午後 0時28分閉会