■議事録一覧■

環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する
基本方針の作成に向けた懇談会(第2回)会議録
 



○平成16年5月31日13:00〜15:30
○霞が関東京會舘シルバースタールーム


<議事次第>
  1. 開会
     
  2. 意見発表者紹介
     
  3. 議事
    (1) 意見発表及び質疑応答(敬称略)
      土屋 正忠  武蔵野市長
      小川 雅由  西宮市環境局環境緑化部環境都市推進グループ課長
      (質疑応答)  
      甲斐 徹郎  株式会社チームネット代表取締役
      佐々木 定治  江戸川区立中小岩小学校校長
         全国小中学校環境教育研究会会長
      (質疑応答)  
    (2) 全体討議
    (3) その他 

  4. 閉会

午後 1時00分開会

○渋谷環境教育推進室長 皆さん、こんにちは。定刻になりましたので、環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本方針の作成に向けた懇談会第2回を開会させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、本日は大変お忙しいところ、また非常に暑い中、おいでいただきまして、まことにありがとうございます。
 まず初めに、前回ご都合で来られなかった委員の方のご紹介をさせていただきたいと思います。笹之内委員の代理の長谷川様でございます。

○笹之内委員(代理:長谷川) 長谷川と申します。きょうは代理で出席させていただきました。よろしくお願いします。

○渋谷環境教育推進室長 よろしくお願いいたします。
 田原委員。

○田原委員 よろしくお願いいたします。

○渋谷環境教育推進室長 よろしくお願いいたします。
 それから二瓶委員でございます。

○二瓶委員 二瓶でございます。よろしくお願いいたします。

○渋谷環境教育推進室長 それからもう一人、堀内委員が後ほどまた来られると思いますので、ご紹介したいと思います。
 次に事務的なお話ですけれども、資料のご確認をさせていただきたいと思います。
 配布資料のうち、まず、議事次第の綴じたものの2枚目に、配布資料一覧というものがございます。まず資料1として、意見発表者についてということで、本日のご意見を発表される方の所属等が書いてある紙。それから資料2が土屋氏の資料でございます。資料3が小川様の資料。資料4が甲斐様の資料、資料5が佐々木様の資料でございます。
 それから、これとは別にお手元に、まず、武蔵野市長様のほうのご意見ということで1枚と、セカンドスクール関係の資料、それからゴムで止めたところまでが土屋様の追加資料でございます。それから、輪ゴムで止めた一連の資料が、次に発表されます西宮の小川様の資料でございます。それから最後の1枚、エコロジー住宅市民学校の案内というものが甲斐様の資料でございます。
 以上でございますけれども、落丁とかお手元にないとかいうのは、現在のところございますでしょうか。また、途中でお気づきの点がありましたら、お知らせいただきたいと思います。
 なお、本日少々遅れますけれども、加藤環境副大臣が後ほど出席をするという予定になっております。
 それでは今後の進行につきましては、小澤座長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○小澤座長 皆様こんにちは。お暑いところをどうもご出席ありがとうございました。渋谷課長からご案内がありましたように、本日と次回にはこの懇談会で、現場で具体的に実践を積み重ねていらっしゃる方々からヒアリングを行うようにしていきたいと思います。
 私と事務局の方で、資料1にありますように7人の方を選定させていただきました。本日はこのうち4人の方にお越しいただいておりますので、発表順にご紹介させていただきます。
 まず、武蔵野市市長の土屋様からお願いしたいと思います。

○土屋氏 よろしくお願いします。

○小澤座長 次に兵庫県西宮市環境局環境緑化部環境都市推進グループ課長の小川様。

○小川氏 よろしくお願いします。

○小澤座長 次に株式会社チームネット代表取締役の甲斐様でございます。

○甲斐氏 よろしくお願いします。

○小澤座長 次に東京都江戸川区中小岩小学校校長であり、同時に全国小中学校環境教育研究会の会長をされております佐々木様でございます。

○佐々木氏 よろしくお願いいたします。

○小澤座長 それでは議事に入りたいと思います。まず初めに、地方自治体からのご意見として、土屋様と小川様から発表していただきたいと思います。なお、本日、土屋様がご都合により途中で退席されますので、お二人の発表後に質疑応答の時間を10分程度とらせていただきたいと思います。それから甲斐様と佐々木様から発表をいただきまして、同じく質疑応答の時間をとらせていただきたいと思います。その後、時間の許す限り意見交換を行いたいと思いますが、3時30分には終了したいと思いますので、皆様のご協力方よろしくお願いいたします。
 それではさっそく意見発表をお願いしたいと思います。土屋様よろしくお願いいたします。

○土屋氏 武蔵野市長の土屋でございます。きょうはお招きありがとうございました。このお話があってからまだ2週間ぐらいしかたっていなくて、その間に1度しか打ち合わせができておりませんので、余りこの会の趣旨にうまく沿いますかどうか、多少の齟齬をお許しをいただきたいと存じます。
 私は13万5,000の、人口からいきますと全国3,200の市町村のうちの百八十二、三番目の町であります。面積からいきますと東西6km、南北2kmという、10.75km2という非常に小さな面積で、3,200の市町村のうち、三千百何十番目という小さなところでございますが、そこに住んでおりまして、市長を務めております。
 現場から見た環境教育について、何点か申し上げておきたいと思います。まず最初に、私が申し上げたいことは4点ほどありますけれども、お手元に環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本方針の作成に関する意見という項目があって、1から4項目までありますので、逐次ご報告を申し上げます。
 まず、「地球が危ない−誤てる環境教育」というタイトルでしておりますが、私は現場で小学校や中学校の展覧会などへ行きますと、必ず中学校の場合にはポスターセッションがあります。幾つかのテーマをもとにしてポスターが描かれているわけでありますけれども、その中にこの10年ぐらい、必ずと言っていいほど環境問題に対するポスターがあるわけであります。これを見ますと、地球が危ないとか、非常に将来は真っ暗だみたいな、ごみが溢れている地球などが書いてあったりして、非常に暗い感じを持っています。
 現場の学校教育のカリキュラムの中にどのような環境教育カリキュラムがあるのか、私は現場で教えておりませんので分かりませんが、しかし、こういう考え方をしている限り、子どもたちは非常に後ろ向きの感じになるだろうというふうに思っております。
 同様な考え方を発表している人がおりまして、資料としては日経ビジネスのコピーがありますが、これは藤子不二雄さんという、オバQをはじめ幾つかの漫画を描いていらっしゃる藤子不二雄さんという方が書いていることでございますが、4年ほど前の6月19日号に出ていたペーパーでありますが、一番左の中ごろに、「今の子供たちは未来の夢を描けなくなっていますね。以前、筑波研究学園都市で、小中高生から21世紀の未来図を募集するので審査員になってくれないかと頼まれたことがあったんです。」。そこで子供たちが描いた絵を見てびっくりしたんですが、「中高生は希望的な未来像を描いてきたのに、小学生は、ほとんどの子供たちが、21世紀になると地上はすべて汚染されてしまい、人間が住むところはなくなっているという絵を描いてきたんです。」と。「もう、すべて暗くて、未来に対して何の希望もない絵ばかりで、慄然としました。」というふうに書いてあります。
 つまり、私が感じていることを、非常に夢のある漫画を描く藤子不二雄さんも感じていたと、こういう感じを持っている方はたくさんいらっしゃるのではないかという気がいたします。ドラえもんの漫画なんてなかなか、私はぜひとも欲しいなと思うのは、どこでもドアが欲しいわけでありますけれども、それはともかく、そういう現状がもしあるとすれば、私たちは環境教育を間違ってはいけない。後ろ向きの環境教育をしてはいけない。このようなことを非常に強く感じております。
 したがって、1番目には「誤てる環境教育」というような刺激的なタイトルで恐縮ですが、そのように書きました。武蔵野市も環境教育、環境をテーマにいろいろなことをやっておりますけれども、ネガティブではなくて前向きな、例えば、燃料電池を題材にして話したり、いろいろなことをしております。ここのところはこれからぜひ、皆様方に考えていただきたい第一義のものであります。
 次に2点目として申し上げたいのは、狭義の環境教育は必要なのだろうかということであります。武蔵野市はさまざまな環境施策をやってまいりました。資料2の2ページ目に武蔵野市の環境関連施策年表というのがあります。これらをごらんになっていただきますと分かりますように、事の重大性とかいろいろなことは抜きにして時系列で書いてありますが、例えば、環境庁の補助の第1号でできた電気自動車の導入は昭和62年でございますが、第1号でいただきました。あのころ、ダイハツの車種で電池の固まりみたいな、人を運ぶのか電池を運ぶのかよく分からないような自動車でしたけれども、あれもいただきました。
 そのほかいろいろなことをやっており、例えば、ロシア連邦ハバロフスク市との青少年交流、バードウオッチング、自然体験といったこともやりましたし、一番最初に電動スクーターを1,000台ほどつくった会社がありますが、そのうち9台を導入して、姉妹都市の長野県豊科から武蔵野市まで2泊3日かかりましたけれども、充電しながらバイクで来たり、いろいろなことをやっております。
 エコオフィスの取り組みも一番早かったと、東京都よりも早かったと思っております。例えば、町内での古紙回収なんかも、シュレッダーが余り細かく切りすぎると再生紙ができないものですから、専用のシュレッダーを導入したりしたのも、既に1988年のことであります。太陽光発電もやっておりますし、コミュニティバス「ムーバス」などというのも走らせております。
 とりわけ私たちが気にしているのは、1998年にロシア連邦ハバロフスク地方へ市民植林団を派遣して、ずっと連続してもう20ヘクタールぐらい寒帯林の植林をいたしました。さらに、これに関連して、ロシアの人たちはもういわゆるタイガは無尽蔵にあると思っているところがありますから、そうではないんだということで、今ハバロフスク工科大学に、武蔵野市の寄付講座で環境講座を組んでおります。いわゆる環境派が行ってお説教をするというタイプではなくて、友人として長い付き合いをしておりますので、もう木はあんまり切るななんて言っても向こうは怒りません。そうだななんて言っています。そういうアプローチをしながらやっているところでございます。
 燃料電池も2001年に商工会館をつくったときには、これはいわゆる水素ガスで水素を供給するというやり方でございますけれども、既に4.5キロワット投入をいたしております。
 そのほか、こういうことをずっとやってきているわけでございますけれども、私は何で狭義の環境教育が必要かということで考えてみた場合に、私の世代は昭和17年生まれ、現在62歳でございますけれども、余り環境教育を受けたという意識はございません。ほとんど体系的な環境教育といったようなものは受けてこなかったと言ったほうがいいだろうと思っております。その代わり、私たちのころには周りに自然がたくさんあったし、それからたまたま私はずっと、中学、高校、大学と山登りをしておりましたので、シンプルライフは得意であります。CO2をほとんど使わない生活を長らく自分のライフワークとしてやってきました。同時にそれらのことを通じたり、あるいは自分を振り返ってみると、例えば、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を読んで感激したりとか、あるいはさまざまな詩を読んで感激したり、そんなことがたくさんありました。あるいはヨーロッパの小説などを読んだり、また、自然科学の分野でさまざまな書物を読んだり、私が市会議員になるきっかけになったのは、ローマクラブ・レポートのその後に出ました、「人間に未来はあるか」というイギリスの作家が書いたものでございました。
 ですから私は、自然科学や社会科学、あるいはもっと感性的なもので文学や芸術というものの中から、さまざまなものを体験させたりする、美しい星空を見たりとか、さまざまなそういったようなことが、体系的な知識としての環境教育もさることながら、そういう美しいものを見るとか、あるいは絵を描いて、絵を通して生きとし生けるものを見るとか、こういう作業、今はきわめて知性偏重なところがありますけれども、感性や悟性といったようなものも総動員したようなそういう教育カリキュラムといったようなものが、実は環境教育の根っこなのではないかという気がいたします。
 次に3番目に体験教育の実践例として、セカンドスクールというのを発表いたしたいと思います。お手元にこういうパンフレットがあるかと存じます。この聴診器を当てて、ブナが水を吸い上げる音を聞いているところでありますけれども、もっとも専門家に言わせればあれは水を吸い上げているのではないということなんですけれども、どこが本当なのかちょっと分かりませんが、例えば、このセカンドスクールというのは、中学校1年生と小学校5年生全員を連れていきます。
 これはいわゆる休みにやる林間学校などと根本的に違います。林間学校は希望者だけが行く、いわゆる志願兵だとすれば、これは徴兵であります。ここに行かないと、言ってみれば授業が欠席ということになるわけであります。短いところで6泊7日、長いところで9泊10日、そのコース、場所その他は学校ごとに任せてあります。もちろん事前研修として、これは総合学習の一環と位置づけておりますので、事前に、例えば山形県の遊佐町の鳥海山の麓で生活するグループがあるんですけれども、それは鳥海山の自然から始まって、あるいは町の庄内地方の産業その他事前に調べて行って、その中で体験的な授業をやるわけであります。
 ここに、この授業では、痛い、暑い、寒い、お腹が空いたというものから始まって、自然の営み、あるいは共同生活。もちろんお菓子だとかというものは禁止、パソコンゲームのようなものも一切禁止。持っていっていいのはトランプだとかそういったもの、いわゆる手遊びするもの以外は禁止というふうになっております。
 こういうことをやると非常に子どもが変わります。帰ってきた子どもがお母さんに、お母さん、こんなの残してもったいないよなんて言ったりいたします。もっとも1週間か10日ぐらいするとまたもとに戻るということでありますけれども、しかし、いったん経験したものというのは非常に後々まで影響を与えまして、例えば、最近成人式にアンケート調査をやっておりますけれども、あなたは今までの中で何に感激しましたかとか、あるいは今満20歳になって思って、印象に残っていることは何ですかと書くと、もちろん個人によって、いろいろな出来事によって差があるんですけれども、かなり共通した部分で、何十%かはセカンドスクールと言います。
 ですから、非常に体験教育がもたらす、これは環境という施策だけではなくて、教育という施策から考えて、実はこの後、中教審があって、私も委員なものですからこれも発表するんですけれども、こういう体験教育というものが非常に大事なのではないかということを考えております。
 次に、だんだん時間がなくなりましたが、あと5分でありますので、最後にエコスクールということで、お手元にこういう一枚紙がありますが、ごらんいただきたいと思います。
 これは今度新しくできる大野田小学校というところに、どのような環境を配慮した施策をやっているかということでございますが、ここに書いてありますように、「今武蔵野から始まる自然+人工環境融合型の環境建築」となっており、以下ずっと書いてあります。型枠が少ないとか、それからいわゆるパッシブソーラーの考え方で、自然通風、輻射熱の涼房、冷房ではなくて涼房という考え方を取り入れています。
 また、屋上緑化でヒートアイランド対策、さらに廃棄物の少ない杭計画、30キロワットの太陽光発電、直射光を防ぐバルコニー、リサイクル材・多摩木材の使用、雨水貯留槽で水を循環する、防災井戸による生活用水などなどをやっておりますが、さらに途中から今、東京ガスと組んで、ここに燃料電池を入れる計画をいたしております。
 なお、燃料電池など、技術革新が速いわけでありますので、これらについては将来技術革新を入れたときにバージョンアップをしたり、あるいは機種変更などをできるということを前提に、さまざまな計画を立てているところでございます。
 このように、何といっても子どもたちを含めた、身近にさまざまな環境に関する注目すべき出来事があるということは、非常に大事だろうと思っております。
 なお、この資料2の3枚綴りの3枚目に、武蔵野市公共施設における環境改修ということで、0123吉祥寺へのOMソーラーの設置、これは今から十二、三年前ですけれども、OMソーラーを入れたり、あるいは小学校におけるソーラーパネル、小学校の屋上緑化、あるいは保育園における涼環境の創出。この涼環境というのは、例えば、井戸水を汲み上げて屋根からぶっかけまして温度を下げるとか、あるいは通風をよくして温度を下げるとか、いろいろな仕組みをやっています。南側にオーニングをするとかといったようなことで、冷房より涼と。しかもこの場合には、乳幼児が暑いときは汗をかいて、自分で体温をコントロールするということに力点を置いて、あえて冷房を使わずに涼ということで考えております。
 最近の子どもの中には、暑くなると体温が上がり、寒くなると体温が下がるというような、変温動物みたいなのが出てきたりして、非常に憂慮すべきことなんですけれども、なるたけ若いころにそういう体温調節機能を身につけさせたいと、このように考えているところでございます。
 以下、時間がまいりましたので、また何かあればご質疑の中でお答え申し上げたいと、このように思います。よろしくお願いします。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは続きまして、小川様よろしくお願いいたします。

○小川氏 よろしくお願いします。西宮市の環境都市推進グループの小川と言います。本日ご説明させていただく資料としまして、ちょっとたくさんになってしまったんですが、委員の方々にはレジュメの中でのパワーポイントの資料と併せまして、先ほどご紹介がありましたけれども、輪ゴムで止めたものが資料の中にあると思います。封筒が2つと、それから資料が全部セットになっております。
 まず、ちょっと資料だけ先に説明させていただきますと、後でまたご説明しますが、昨年、西宮市は全国で初めて環境学習都市宣言という宣言を行いました。その都市宣言にあわせて、今後展開していく事業のご案内、それから昨年度の宣言を行うに当たってのシンポジウムの概略をまとめた資料が、封筒外に3つあると思います。
 それからもう一つ、西宮市役所の封筒で中に入れていますのが、市として行っている施策に関するパンフレット等があります。また、これは市の施策のご説明のときに、参考に見ていただいたらと思います。
 それからあと、ネズミ色の新聞古紙100パーセントでつくった封筒があると思いますが、こちらのほうは市が呼びかけ人となって6年前に設立しました、こども環境支援協会というNPO団体のほうが行っている活動についての資料を、まとめて入れさせていただいております。
 以上のものを参考にしながら、ただいまからご説明をさせていただきたいと思います。ちょっとパワーポイントで説明しますので、よろしくお願いいたします。
 先ほど、今回の、略して環境教育推進法の基本方針を今後どうするかということでの、こういう意見を述べる場にお呼びいただいてありがとうございます。西宮市は1990年当時から環境教育についてはいろいろと力を入れてきておりますが、特に1992年、地球ウオッチングクラブという子ども向けの事業を開始し、それから今現在まで約12年間続けてきたものが、昨年度1つ都市宣言として実を結んだと。大体地形的には神戸市と大阪市のちょうど中間で、住宅都市として今現在人口が45万5,000人、そして面積が100平方キロメートルある町でございます。
 1963年に石油コンビナートの建設に反対をする運動がございまして、西宮は酒造りの町ですので、酒造業関係の方と市民がこの石油コンビナート推進派の市長と対立をしまして、結果的に西宮の酒造りというのは六甲山の湧き水を使った、そういう自然を生かした産業ですので、そういったことを優先する市長が通りまして、コンビナートはなくなり、そしてその後文教住宅都市という宣言を行い、町の方向性をつくっております。
 そして1983年には平和非核都市宣言を行い、ちょうど20年の節目になる昨年、環境学習都市宣言を行いました。ちょうどこの同じ年に、環境保全活動・環境教育推進法が10月に施行したわけですが、我々としましてはこの法律の施行される動きは全然理解しておりませんで、たまたまその同じ10月に1つ大きな催しを行うことができたということで、非常に喜んでおります。
 そして私たちはこの環境学習を通じた、次世代を育むまちづくりというのを、持続可能な社会というものに向けた活動だと思っているんですが、持続可能な社会というのは1つのユートピアではなくて、むしろ人々が持っている人間の内在的な問題をクリアしていくというか、止揚していく、そのための活動がまちづくりの原動力になるという点で、持続可能な社会システムというのをつくっていく必要があるのではないかと考えております。
 これはその体系図ですが、今回の環境学習都市宣言というのは、あくまでも1つの理念と行動憲章の表明でありまして、これを市の環境計画、そして総合計画といったところへとつないでいくと。そのためには、市民事業者の参画協働や、持続可能性、共生循環といったキーワードのもとに施策を展開していく必要があります。
 今回この環境学習都市宣言を行うに当たりまして、他都市ではもういろいろやられていると思うんですが、西宮市では初めてですが、この市民、事業者、行政で、そのパートナーシップ組織の環境学習都市推進市民会議というのを設置しまして、この中で主に市民団体の方を中心にこの宣言文をつくっていただきまして、審議会や市議会を経て、そして宣言に至っております。
 昨年10月に行いましたこの宣言記念のシンポジウムでは、炭谷事務次官にもお越しいただきまして、パネルディスカッションや青少年からの発表等を行いました。
 そして3年来お付き合いがあります米国のバーリントン市という、これは持続可能な社会に向けた教育なり、その持続可能な社会づくりということをアメリカでも先進的にやっている都市ですが、こちらの市長さんにもお越しいただきまして、環境教育、環境学習を通じてまちづくりを推進するということについて、相互貢献しましょうということで、共同声明を行いました。この環境学習都市宣言については、お手元に資料を配付しておりますので、また後ほどごらんください。
 行動憲章も5つございますが、これもその資料の中にございます。その中の5つのキーワードに沿って、今からご説明をします。大きく、学びあい、参画・協働、循環、共生、ネットワークの5つをキーにしております。
 まず、学びあいですが、各世代に応じた環境学習システムづくりということが挙げられています。先ほど言いましたけれども、西宮では子どもたちを中心にいろいろ事業を行ってきました。そういう観点から、次の西宮市民は今の子どもたちということになりますので、幼児から小学生、中学生、高校生、大学生、そして一般市民へと、この世代をずっと継続していくその中で、自然体験、生活体験、社会体験といったことが体験的に学べる、そして継続的に学べるような仕組みを社会につくっていく必要があるだろうというふうに思っています。
 その中で、1992年から始めました地球ウオッチングクラブという事業がありますが、この活動が1995年からスタートしたこどもエコクラブの基本モデルとなった事業でございまして、子どもたちを含め市民が自由に活動したことを、年間通じて展開していくという内容です。そして、左上にありますが、1998年からはエコカードといったものを子どもたちに配って活動するという方針に切り替わっております。
 このエコカードは、後で出てきますが、基本的な考え方は、家庭・地域・学校を結ぶ。家庭・地域・学校における環境との出会いの中で、子どもたちの気づきというのを促し、そしてそれをつないでいく。そのことを通じて、子どもたちが地域におっても学校におっても家庭におっても、環境ということについて意識できる、そういう地域社会の風土をつくりたいというふうに考えております。
 カードは1、2年、3、4年、5、6年と3つのパターンに分かれておりまして、小学生2万4,000人全員に5月になったら配布します。そしてそのカードに地域・学校・家庭それぞれの欄がありまして、例えば、学校であれば国語であれ理科であれ総合であれ、そういう事業の中で活動すると先生がはんこを押し、地域では子ども会、ボーイスカウト、ガールスカウト、そしてまた地域の施設では公民館、児童館、あと市内の文具店、スーパーマーケット、こういったところすべて、約1,500人の方にスタンプをお渡しして、子どもたちが活動するとそのカードにはんこを押すという、そういう仕組みです。
 これがそのカードですね。このカードにはんこを10個集めると、学習・地域・お店、バランスよく集めないといけないんですが、そうすると事務局にそのカードを送ればアースレンジャーとして、こどもエコクラブと同じように認定をするという仕組みになっています。そしてアースレンジャー認定書をつけて子どもにカードを返すということです。
 そして、この子どもたちの環境活動は1年生から6年生まで全く同じ内容になります。ただし、年齢に応じて、やはり発展性というのが必要になりますので、1、2年についてはカードが切り取りできるようになっていまして、活動すると親もはんこがもらえるという仕組みになっていて、子どもと親と両方が活動を達成すると、アースレンジャーファミリーとして、ファミリー表彰をやります。
 3、4年生はもう少し世界を広げて地域ということにしています。親を含めた大人3人から、エコメッセージというのを集めてきます。それをクラス全員で集めると、FM放送で自分たちのクラスの活動が紹介できます。
 5、6年生は社会をテーマにしています。この5、6年生については、クラス人数掛ける7個のはんこを全員で集めると、11月に青年会議所から5,000円が渡されます。この5,000円については、環境への取り組みが経済的な効果とつながっている。そしてまた自分たちで資金を稼いで、環境以外でもいいから、社会に意味のある活動にそのお金を使うという形で、総合的な学習の時間が求めている生きる力、そういったものを多面的に展開できるような仕組みをつくっております。
 それからこのEWCのエコカードのシステムを支えていくためには、学びの深めをしないといけません。そういう意味で、学校の先生方からの要請だけではなくてPTAからの要請を、今特に強くアタックしておりまして、PTAの声がけで環境事業を授業中に行っていくという形で、学校のキーパーソンにPTAの方々になっていただくという展開もしております。
 そして、これは小学校6年間の環境学習プログラムということで、環境省からの委託事業でいただいたものですが、子どもたちにさまざまな人々との出会い、またはさまざまな自然との出会い、そしてできるだけ多様な価値観との出会いということを保証する、そのことが子どもたちにとっていろいろなことを吸収できる要素になるのではないかというふうに考えております。
 そして、1年生から6年生まで、これは単年度の中における1年生から6年生ではなくて、1人の子どもにとっての6年間、こういう6年間の学びを継続するということを学校の先生、保護者、そして地域の方と一緒に1つの流れとして、モデル的に組んでみました。
 その中には自然、くらし、いきる、家庭、地域、社会、それぞれに発展していく子どもたちの方向性というのをどうサポートするかということで、支援の仕組みをつくりました。
 1年生であっても、自然とのつながりでごみを学習するとか、鳥獣特別保護区がありますのでそこでの自然観察、これは3、4年生です。あと、5年生は学校の中に田んぼをつくりまして、地域の方と一緒に田植えをしながら、環境のことを学んでいくというようなこともやっています。
 これをやりまして、ことしこの事業の評価に関する委託もいただいているんですが、やはり一番大きな問題は、日常的に学年をつなぐ、地域と子どもをつなぐ、そういうコーディネーターの役割が非常に難しいということが分かりました。
 そして、震災がありましたので、それから以降、世代をつなぐということで、町の歴史、自然、文化をつないでいくための町の語り部養成というのを、大人向けの事業として展開し、この中で育った人たちが教員研修を行ったり、また、子どもたちへの事業も行っております。
 2番の参画・協働ですが、これについては先ほど言いました市民、事業者、行政、専門家による環境学習都市推進市民会議を起こしまして、今後はこれに青年層が加わって、これからの方向性を検討していきます。
 その中で、先ほど言いましたこの子ども環境活動支援協会、このNPOの設置を市が思い切ってやったことで、西宮市の事業は大きく飛躍しております。今現在この協会は会員、個人が190、団体が90、財政規模大体5,000万、常駐が12名ほどおります。持続可能な社会に向けた教育、自然体験活動、企業会員と連携した環境教育、世界の子どもたちの環境活動をつなぐ。こういったことを主な柱としてやっております。
 これは自然体験活動リーダー養成講座で、文科省の力でつくっていただきましたコーンの事業とも連携しながら、指導者養成をやっております。
 あと、これも体験ゼミナールで、これは市内企業の人たちと一緒に、子どもたちが体験学習をするようなセミナーでした。
 こういうエコ文具の普及というのもやっておりまして、グリーン購入大賞の市民部門をいただいております。
 あと、こどもエコクラブの会員手帳も、編集企画をご協力させていただいておりまして、トレーニングメニューであるとか、こういったところにも応援をさせていただいております。
 これは企業がNPOによる環境学習支援ということで、昨年度はプログラムづくりを行いました。企業の方が学校へ行って一方的に環境のことを教えるのではなくて、複数の企業がグループをつくって、その中で子どもたちに通じるような、そういう一つのプログラムを自らつくっていく。そういう学習のプロセスを経て、子どもたちと出会うという仕掛けになっております。子どもたちは企業の方々から本物の学び、生きた学びということを受けて、生活と学習をつなぐ。企業の人たちにとっては、循環構造というのを自分たちの企業活動の中でつくっていきながら、教えることを通じて学びを深めるというような仕組みになっております。
 これは検討委員のメンバーです。
 衣・食・住、エネルギー、ビン、エコ文具の6つの分科会でプログラムをつくって、小学校、中学校で実践を行いました。例えば、ビンの一生ゲームというのでは、ビンの金型をつくるところからカレットの製造、そしてビンの製造というところまでの一連の企業が加わってプログラムづくりをしました。
 こういう実際、体育館でいろいろな模型をつくったりしながら、子どもたちが体験的に学べるようにしています。特にこのカレットをつくる会社では、やはり回収されたビンから異物が入っていると、ビンをつくる際に非常に問題が出てくるということで、子どもたちが家からビンを分別排出する際の注意、こういった、なぜそれが必要かということなんかもじかに学んでおります。
 こういったものを子どもたちだけではなくて、先生方にも体験してもらおうと、バスツアーを組んで、実際に現場をずっと周りながら、先生が子どもに教える際のいろいろなポイントを学んでいただいております。
 循環は、市全体の3RやISOの活動とかありますので、ちょっとここは飛ばします。
 そしてこの西宮は山、川、海があるということで、こういう自然環境を生かした環境教育というのにも力を入れております。
 今回自然系、生活系、歴史・文化系の3つに施設を分けまして、それをつないでいかに環境学習を推進するかということのネットワーク化を考えております。
 こういうふうに市内に点在する施設の職員をまた研修したり、つないだり、それをまた全体として市民に提供する形になっております。
 これは浜の施設です。
 最後のネットワークですが、環境学習を通じた国際交流ということで、今現在1年間の子どもの活動の報告する場として、環境パネル展というのがございます。この中で20カ国からの子どもたちが、いろいろな活動報告をしてくれます。
 そしてこのNPOのほうとも連携して、世界の子どもの環境活動の情報をつなぐホームページも日本語と英語でつくって流しております。そして先ほど言いましたバーリントン市との環境連携です。
 この後ちょっと飛ばしていただいて、環境計画の推進なんですが、このバーリントンとも一緒にやりながら学んだこととして、これからの持続可能な社会に向けて私たちが取り組むべき課題を、環境保全という枠だけではなくて、社会構成、教育、経済、こういったものを包括的に考えていくということが、持続可能な社会に向けた取り組みであり、環境問題というのは人に始まり人とともにということをスローガンとして、これをまちづくりに発展させていきたいというのが、今、西宮市の考えていることでございます。ということで、パワーポイントは終わります。
 最後に意見ということで1分だけお時間をいただきたいんですが、今いろいろとご説明しましたが、私がこの何年間かやってきて一番感じますのは、特に他都市からよく言われるのは、教育委員会と環境部局がなぜそううまく連携できているのかということをよく言われます。
 今EWCのこういうエコカードの事業を進めていく際に、年間に10回ほど、2万4,000人の子ども全部に資料を配りますが、その資料は子どもから親へとつながっていきます。これは全部学校のメールボックスから学校に渡りまして、担任の先生から子どもたちに流れます。今、学校の中にEWC担当教諭というのが、42校全部できております。そういう意味で、教育委員会と連携をして、市長部局が事業を進めることができると、本当に地域全体に活動が広がっていく。そういう点で行政間のつながり合いというのをもう少ししっかりとしていけば、今回の法律もかなり具体的に動き出すのではないかというふうに考えておりますので、ご検討をよろしくお願いします。
 以上です。

○小澤座長 ありがとうございました。この場にも環境省と文科省が一緒のところにあって、また、この会議もそういうことで行われておりますので、ありがとうございます。
 それでは2時まで、2つの自治体から意見をいただきましたことについて、ご質問、ご意見等を伺いたいと思います。どなたでも結構ですので、お願いしたいと思います。
 広瀬委員、お願いします。

○広瀬委員 ホールアースの広瀬と申します。大変お二方の意見発表を興味深く聞かせていただきました。
 私は吉祥寺の生まれで育ちなんですよ。大変、土屋市長の取り組みに非常に関心を持って伺わせていただきましたが、とりわけ、私が今、自然学校という活動を23年間続けておるんですが、セカンドスクールの取り組みなど、非常にすばらしい取り組みなんですが、その中で子どもたちが確かに変わると、これは私も実感しているところです。
 そうした学校の世界とは違う自然の世界、あるいは地域の営みをしている大人たちとのかかわりとか、そういうものと子どもたちが触れ合うという、その教育的な効果というのは大変大きいものだと思います。
 あえてもう一つお願いするとすると、セカンドスクールは学校の先生方が引率されて、学校の仕組みの中で行われているものだと思うんですが、私は子どもというものが学校の中での自分自身、それから家庭の中での自分、友達関係の中の自分、そうしたさまざまな自分という姿を持っていて、もう一つ、それらの日常のどこともつながっていないもう一つの自分というものの世界を持つことによって、子どもの心の中に大変大きな効果が現れるというように思っています。
 そういう意味で、自然体験活動が子どもたちに及ぼす効果をさらに高めるために、親や教師がかかわらない世界、そういうものを、ぜひセカンドスクールなどの取り組みの中にも持っていただけたらと思います。
 それからもう一つ、西宮のほうの活動で大変関心深かったのは、こどもエコクラブなどの先進地なんですが、こちらのほうで、私は特に文部科学省さんにもお願いしたいと思っているんですが、PTA活動が現在非常に全国的に低迷を続けている中で、PTAには交際部だとかいろいろな部がありますけれども、その中に例えば、海外で多く見られるネーチャークラブというものがあるわけですね。西宮さんはこどもエコクラブという形でやっておるんですけれども、いわゆる自然学校的な活動を、小学校すべてにPTA活動として呼びかけられないかというふうに考えています。
 もちろん地域の大人の皆さんがやっていただくということ、それから、より専門的な知見を持っている専門家の自然学校が、できれば市町村ごとに1つぐらいあれば大変いいのではないかと思いますが、そうした子どもたちが学校教育の中とちょっと違う軸で、地域の大人と触れ合って自然体験をすることを恒常的に保証していくような場と機会の提供というのを、ぜひ全国的に進めていけたらどうかというふうに思っています。

○小澤座長 ただいまのはお二方の質問というより、こちらのほうに対するご意見、あるいはこの基本方針に対するご意見という形でいいでしょうかね。

○小川氏 ちょっとよろしいですか。先ほどちょっと紹介しなかったんですが、兵庫県では県下全員の小学5年生が5泊6日で自然体験をするというのが、もう始まって10年以上になりますが、その中でやっぱり子どもたちは普段と違う生活体験をするんですが、今、我々のほうで危惧しているのは、野外で生活はするけれども、本当の自然体験ができているかどうかということと、学校の教育課程の中で行うことなので、教育の流れの中でその体験がどういう意味を持って次へ発展するのかという、自然体験の前と後とのつなぎとか、それを推進するための指導者が非常にやはり、大学生のアルバイトの延長に近いところの要素があって、そういう指導者養成がどうなのか、そういったことがもう少し定着すると、確かに非常に大きな意味を持ってくるのではないかというふうに思います。

○小澤座長 それと多分、今のご質問の中には、自然に入るときに親の枠とか、学校という枠を少し取り除くという意味合いが込められたというように今伺っていたんですが、それでよろしいでしょうか。

○広瀬委員 まさにそのとおりです。ただし、そうした場と機会の提供を、完全に親や学校の影響を取り除いてしまうと、限られた子しか参加できないということがありますので、そういう意味では非常にセカンドスクールにしても、兵庫県の自然学校にしても、大変すばらしい取り組みだと思っています。
 ただし、そこにやはり行った先で完全に子どもだけが自分たちで、自分の時間を持てるような取り組みが加えられると大変いいなというふうに思っております。

○小澤座長 土屋市長、何かありますか。

○土屋氏 貴重なご提言ありがとうございました。時間がなかったので発表しなかったんですけれども、武蔵野市はこれ以外にも、いわゆる学校以外で、例えばジャンボリーなんていって、各地域ごとに2泊3日で、1,600mぐらいの山の中に行ってキャンプするという取り組みもありますし、親子でいろいろな経験もやっております。
 ただ、純粋に子どもたちだけでというようなやり方に、うまくいけるのかどうかということがあるだろうと思っております。大事なことは、私たちがセカンドスクールのようなことを非常に大事にしているのは、どういう時代でも親がわりかし自覚が高くて、そして自分の子どもに手間暇かけていいと思っている親は、10%とか15%とかいるわけですけれども、こういう子どもはどんな状況でも必ずそういう経験をします。
 例えば、私たちはハバロフスクなどのアムール川の川下りなんてやるんですけれども、これなんかも4泊ぐらいですごいところへ行くんですけれども、これは必ず参加する人はいます。だけれども親はいろんな意味でエリートです。自分の子どもを、危険をリスクを冒して10何万の金を払って行かせるというだけの。
 だから、大事なことは、子どもは親を選べないわけですから。そして、国民教育という角度から見れば、どういう親のもとに生まれてもチャンスが与えられると、だから徴兵が大事なんだという感覚でセカンドスクールを私はやっています。ただ、それはベースであって、そこから先、いろんなことに発展していっていいというふうに感じております。
 それから、先ほどちょっと申し上げなかったんですけれども、私は傲慢とかやりっぱなしとかやり放題とか、こういうふうな、ちょっとうまく言えないんですけれども、そういう心的な態度が、結局はむだ使いだとかいろいろな地球環境破壊だとか、そういうことにつながっていくんだろうと思うんです。それと反対の極にある、例えば敬虔な気持ちとか、謙虚な気持ちとか、何か偉大なものに感動するとか、こういうことが、地球環境の持続的な発展というところにつながるんだろうと思うんです。
 ですから、地球が危ないなんていうのは非常に傲慢な言い方で、地球なんかあと40何億年か何か確実にあるわけで、危ないのは、人類が種として果たして生存できるかどうかということがあるわけで、私たちはもうちょっと感性とか悟性とか、そういうことを総動員した、もっと本当の意味のそういう、何かそういうことが必要なのではないかというふうに私は思うんです。
 だから、それが本当の意味の環境教育ということの根っこになければいけないのではないかという気がしています。

○小澤座長 ありがとうございました。
 あと、どなたか。どうぞ、加藤委員。

○加藤三郎委員 お二人とも大変ありがとうございました。
 土屋市長さんにちょっとお伺いします。市長さんは冒頭部分で、最近、小学校の絵を見たら非常に真っ暗ということで、非常にショックを受けたということをおっしゃって、私も多少そういう経験がありまして、問題だなというふうにもちろん思っていますが、いろんな武蔵野市でやっていらっしゃる中で、エコスクールというこの大野田小学校を見ていたら、本当に至れり尽くせり、最近こういうことをやったらいいよとよく言われているものがほとんど出ていると。もう雨水貯留から始まって、もちろん屋上緑化、ソーラーパネル、それから木を使って云々と。あえて探せば、ないものと言ったら、小型風力発電所ぐらいかなと思うぐらい、要は至れり尽くせりなんですが、こういうところで当然、環境教育もいろいろとやっていらっしゃると思うんですが、こういうところで学んだ小学生が、当然ながらここでいろいろな教育も受けながら学んだ子が、市長さんがご心配になったようなそういう真っ暗な絵を書いていくのかどうかと、そういうフォローは多分まだ現時点ではしていらっしゃらないと思うんですが、将来的にやってもらうといいなと。
 それから、武蔵野市の中にもほかにも普通の小学校も多分あると思いますので、そういうところとの比較とか、こういうところで学んだ子が、小学校6年間なら6年間、3年間なら3年間学んだ子がどんなふうになっていくのか、フォローもしていただくと非常に面白いなと思って。

○土屋氏 実は今、大野田小学校というのは今建てている最中のものでございますのでそのように申し上げましたが、実は今から7年ほど前につくったものに千川小学校というのがあります。ここにあるものは燃料電池などを除いて、ほとんど全部入っております。もう既に屋上緑化なんかも、当時入れております。
 この千川小学校の子どもたちが、ではどういう影響を受けたのかということが、そこの因果関係が非常に難しいわけでありますし、また、きょう行って明日結果が出るというような性格のものではないというふうに思っておりますが、子どもたちと日常的に接していると、何かの機会を、例えば、学芸会とか展覧会とか、いろいろな機会に行きますと、やっぱりこの近くにそういう自然循環のモデルがあるということが言葉の端々に出たりということで、学校というのは一種の場ですから、その中から何を学ぶのかということなんだろうと思いますけれども、積極的に何かを教えていくということよりも、案外感じることが多いのではないかなという気がいたします。
 それからあと、ほかの学校はどうなんだということで、ほかの学校はこれなかなか大変で、もういったん建ててしまいますと、下手に手直しすると全部あちこち手直ししなければならない、建築基準法に合わなくなるとかといったような問題があります。ただ、全校に例えば、ソーラーパネルなどは全部逐次今、やっておりますし、それからビオトープなどももう既に全校は終わりましたし、そういう意味でそれなりに、なるたけです。こんなうまく、最初から仕掛けがうまくいかないわけですけれども、それなりにやっていきたいと、このように思っております。

○小澤座長 ありがとうございました。
 その一番端の。

○宮林委員 市長さんにちょっと関連なんですけれども、今のエコスクールの構造物なんですけれども、木造というのは多分無理だと思いますけれども、子どもたちの机やイスはどう考えていますか。

○土屋氏 木造です。

○宮林委員 木造ですか、さすがですね。私はセカンドスクールにも大変興味を持っているんですけれども、かなり長い期間、農山村の体験ということで受け皿のほうと、それから指導をしている、ついていく先生方の何かちょっといろいろ問題点があるのではないかと思うんですが、その辺が1つどうかということと、同じく西宮市のほうについても、非常にいいシステムがあって、それでなおかつ小学校5年生が5泊6日で入っているといったものが、市の中で具体的なそういう体験に対するこのシステムの中で、どういう形で入り込んでくるのか、その辺があれば、ちょっと教えていただければありがたいなと。
 以上です。

○土屋氏 受け皿は非常に大変です。漁村も一部ありますけれども、農村、漁村の方々にそういう仕組みを、最初から完全にできているわけではありませんけれども、試行錯誤しながらいろいろつくっていっていただきます。その過程の中で、逆に農山漁村も元気になると、こういうことであります。
 それから、派遣する先生方はものすごく大変でした。これは1995年から本格施行を始めて、その前に3年間、いわゆるさっきの基準でいうと徴兵ではなくて志願兵で、夏休み遠野とかで10泊11日とかってやったんですけれども、そのときは100人、小中学生を連れていきました。そのころから3年間助走期間があったので、わりかしスムーズに来たんですけれども、それでも最初は大変でした。教員組合は反対しましたから、ちょうど1995年一斉施行したときには、非常に抵抗がありました。教員もどちらかというと、意識の高い教員が引っぱったという感じになります。
 ちょうど市長選挙の年だったので、こういう乱暴な市長は辞めさせましょうなんていう運動が起こったりして、ちょっと嫌な感じがしましたけれども、何とか生き延びてきておりますけれども、それはともかく、抵抗はありました。労働強化だということであります。
 しかし、やっぱり教師になろうというからには、どっかに教師魂というか赤心があるんですね。そういうものがやっぱりやっていると子どもが変わるから、どんどん、どんどん燃え上がってきて、くたびれているけれどもすごくいいと。
 今はセカンドスクールをやりたいために武蔵野に転勤をしたいというのもいるし、セカンドスクールがあるから武蔵野には行きたくないというの、行きたくないのはどんどん来るなとこう言って、今は良貨が悪貨を駆逐するという状態になっております。

○小澤座長 西宮さんのほうはいかがですか。

○小川氏 これ西宮の場合は、西宮市だけではなくて、兵庫県下全員ですので、当初やはり教職員組合と相当いろいろあったように聞いております。
 当初はやっぱり5泊6日、先生方も初めてですし、その5泊6日を余りにも過密にスケジュールを組みすぎて、子どもたちが疲れて帰ってくるというようなこともあって、それでもう既に10年をはるか超えていますので、だんだんとその間で改善もされていっていますが、やはり先生方はその担当の先生が1週間べたっと張り付くのではなくて、途中でローテーションで変わられるんです。場所も市内にあるわけではなくて、兵庫県の真ん中であったり、日本海側であったりというふうに非常に遠方ですので、その間をまた行き来をする先生方も大変な状態が今も続いております。
 その中で、今やっぱり一番抱えているのはその5泊6日をだれが子どもたちをずっとフォローしているのかということで、プログラムの内容としては子どもたちの自由度を高めていこうということも、一定程度言われていますけれども、やはりそれはリーダーさんに任せられているんですね。そうすると、そこにある程度専門的な知識とか、やっぱり子どもたちの求めるものをうまくフォローできる人たちがおると、どういう場所であってもその自然をうまく使えるんですが、ついつい、子どもたちに受けると、受けたことだけで場を回していくというふうになってくると、自然学校を終わって帰ってくるとテンションだけ上がってしまって、学校へ帰ってからが大変なことになってしまうという、先生とリーダーとの差をつけてしまうような、そういうことも、やっぱり部分的にはあります。
 そういうことから、本当の意味での自然体験を推進するためのリーダーの養成というのをどう考えるかというのも、我々市の立場であり、また、こども環境活動支援協会の立場からもいろいろ考えるんですが、一般的な自然体験ではなくて、教科の中で行うものですから、教育課程との連動をどうするかとか、こういうものをやっぱりもうちょっと整理していかないと、本当の意味で子どもたちの自由度の問題とか、教育の課程の問題とか、安全の問題とか、それとフィールドの問題とかが、ちょっと消化ができていないような気がします。
 以上です。

○宮林委員 大変ありがとうございました。私ちょっとその件につきまして、1つの仕組みというシステムもいいんですけれども、そういう中では武蔵野さんがやられている体験に注視点を当てるというのは重要だと思うんですね。
 では、その体験を何のためにやるかというところが大事で、そのときには体験には3つの要素があって、人と人の体験と、自然との体験と、生産技術との体験と、この3つの基本的なものがあって、それが事をつくったり、物をつくったり、トータルして人をつくっていくというような、この1つの大きな枠組みの中でそれぞれが行われていくというのは、地域づくりみたいな1つの枠組みがこう出てくる、そういうふうに見えたんですけれども、そんなことかなという感じを受けました。
 ありがとうございました。

○小澤座長 ありがとうございました。
 丸田先生、お願いします。

○丸田委員 どうも、市長さんにはいろいろ教えていただいてありがとうございます。
 私は、武蔵野市の環境関連施策の年表というのがございまして、平成6年の「大木・シンボルツリー2000計画」、これについて興味がありまして、多少ご質問させていただきます。
 町の中の大木とか高木について私はずっと研究しております。また、その多くは学校に分布することが多いわけですね。エコスクールというお話がございましたけれども、それ以前に大木というものは校庭にあって、思い出になったり、人間形成に果たす役割は、アンケートをとりますと、はっきり分かります。
 したがいまして、今後ともそのような重みを、町の中の環境教育の重点施策として置きたいと思います。この計画の策定に伴い、新たに大木をふやしていくために、施策を講じられたと思うんですが、その後どうなっているのか、ご質問させていただきます。

○土屋氏 樹齢100年の木を22世紀までに2,000本作ろうという、語呂合わせみたいなものなんですけれども、なかなか大変です。頑張って2000年までにと言ったのが2004年になって、ようやっと指定が終わったという段階であります。もちろんその中には学校の木もあります。
 私は市長になったときに、校庭に1本の大木をというのがスローガンの1つでして、子どもが仰いで見られるような大木があってこそ、やっぱり永遠なものというものに対する気持ちが出てくるのではないかと、こんなふうに考えておりますが、なかなかうまくいかない。敷地がどうしても限定がありますので、そう絵に描いたようなわけにはいかないんですが、これから頑張っていきたいというふうに思っています。

○丸田委員 ありがとうございました。

○小澤座長 ありがとうございました。
 時間が来ているんですが、もうお一方だけ。

○絹谷委員 一言だけ。エコツアーの逆さまというのはないんでしょうか。両市は考えておられませんか。例えば、今都会から出していますね。向こうの子がこっちへ来るというツアーはないんでしょうか。

○土屋氏 あります。武蔵野市は8つの姉妹友好都市をやっていますけれども、アーバンライフということで定期的に来ております。だから、お互いに持っていないものを持てるもので補い合おうと、こういう格好でやっております。

○絹谷委員 例えば、土壌をつくるのも、山の下のほうで土壌はほとんどできないという田舎の事情があると思うんですね。非常に水が汚れている。今、土壌はずっと上ほうでつくっている。山の上のほうでつくっているという、そういう田舎の中の問題点もあると思うんですけれども、そういう交流を。

○土屋氏 非常におっしゃっていることは、そこまで行けばいいなと思っておりますけれども、なかなかおっしゃっているとおりで、はい。

○小澤座長 どうもちょっとお時間をオーバーしましたけれども、どうもありがとうございました。土屋様、それから小川様、ありがとうございました(拍手)。
 それでは引き続きまして後半のほうに移りたいと思いますので、甲斐様よろしくお願いいたします。

○甲斐氏 甲斐でございます、よろしくお願いします。私のはパワーポイントを使って参照させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 最初にお話しさせていただきますのは、環境共生型コーポラティブ住宅というもので、「経堂の杜」という、そういった事例を少しご説明させていただきます。
 最初の事例は、実はこれは私が住んでいる自宅でもあるんですね。実はきょう話す提言の大元になっているのは、実はここでの実際の生活の体験がもとになっているということで、少しその辺の話からさせていただきたいと思います。
 まず、この「経堂の杜」というのはどこにあるかというと、世田谷のほぼど真ん中と言ってもいいところですね。世田谷の区役所にも割と近いところで、小田急線の経堂から歩いて10分の場所です。周りは豊かな、住宅地が結構密集していますけれども、割と雑木林だとか屋敷林があるというようなところが、世田谷の特徴を残してある場所です。
 ここにはもともと樹齢100年を超えるような大きなけやきの木が5本あったんですね。人の大きさとこのけやきの木を比べれば、その大きさが分かると思います。ちょっと暗いですけれども、建物が実際にできまして、実はこういった樹木がある環境の力でどうやって生かすかというのがここでのプロジェクトの目的だったわけです。12家族が集まって、その趣旨に賛同して、世田谷に杜をつくって住もうということで始まったプロジェクトです。
 2000年の4月にでき上がりまして、これは去年の夏の風景です。屋上は緑化をされていまして、そこには各個人に対して区画されました1坪単位の畑があるというようなものです。
 ここでの暮らしのポイントを少し確認しますけれども、特に熱環境がすごく重要なテーマになっていまして、いかに外の環境をうまく活用することで室内環境を快適にするかということを進めているわけです。
 それで、例えばこれを見ていただきますと、敷地内と敷地外で随分温度が違うということが分かると思います。このことをうまく理解すると、実は意図的にこの小さな敷地の中に、非常に快適な環境をつくることが可能になります。
 特に注目してほしいのは、この樹木の下の空気なんですね。ここの空気の温度をずっと測定してみますと、外部の温度と比べて大体5度から7度も低い温度がたまっているという状況が実は確認できておりまして、その状況をちょっと詳しく説明いたしますと、実は大きな木がある場合には、ここに独特な環境ができる、気候ができるんだということがどうも分かっているということです。
 どういうふうな原理かと言いますと、実はこの大きな木の日なた側では空気が温められまして、空気が軽くなるという傾向があるわけですね。ですからここに上昇気流が発生するということです。
 さらにもっと詳しく言うと、そのときに地下水が汲み上げられて葉っぱから蒸散活動を活発化させますので、そのときに蒸散したその水蒸気はこちら側に放出されるわけですけれども、そのときに加湿された空気というのは、実は軽くなるんですね。H2Oという水分子というのは、実は非常に小さい単位でございまして、18という分子を持っていますけれども、O2だとかNO2だとかCO2という分子量に比べて非常に小さいものですから、そういったことで構成されている空気の中に、水分子量がふえればふえるほど、実は軽くなるということですね。
 ですので、ここではそういった傾向で、温度が上がるということと加湿されるということで、上昇気流が生まれます。上昇気流が生まれれば必ずそれを打ち消すような下降気流が生まれまして、それはどこに起きるかというと、それは基本的にはこの樹木の北側に起きやすいということですね。それはこことこことを比べると、温度差はこちらのほうが低いということで、空気は重たくなっているわけです。ですから、この木の周りにはこういう空気の流れができているということです。そのときに、ここで蒸散したときに、周辺の空気の温度を下げた、気化熱によって下がった空気はどこに行くかというと、こちらのほうに寄せられましてこう下がってきます。
 それから上空付近と地表付近では、上空付近のほうが温度は低いという傾向がありますので、この下降気流が実はここに冷気を集めているんだということが分かったわけです。
 そういうことを考えれば、建物の北側に大きな木があった場合には、この木がつくる冷気をうまくここにためてあげて、あとはここの建物をこの冷気とつなぐようにデザインをしてあげるということですね。
 さらにはここの中にたまっている熱を逃がしてあげるようなそういったルートをつくってあげれば、この家にとって樹木は空調装置として働くということです。実際にこの「経堂の杜」の場合を確認してみますと、大きなけやきの木が北側にあって、これが冷気をつくり、その空気を各家に配るように最初から建物をデザインしているわけです。
 さらにもう一つ重要なのは、実は南側と北側の木は役割が違うんですね。北側の木はどういう役割かというと、先ほど言いましたとおり冷気を供給します。一方で南側の木は、外から押し寄せてくる熱に対しての防波堤をつくります。具体的な熱はどこにあるかというと、それは例えば、こういった道路から放射される輻射熱という熱線なんですね。その熱線はもしここに緑がなければ、多少離れていても、直接的に横殴りにその熱は放射されまして、その熱をまず窓が吸収します。さらに暖まった窓から室内にまた放射されると。カーテンを閉めてもカーテンがまた熱を吸収してまた放射するということで、閉めても閉めてもずっと追ってくるといったしぶとい熱が輻射熱です。
 その輻射熱をコントロールするために何がいいかというと、実は水なんですね。水の固まりがここにある、要するに、濡れた何かがあればそこでピタッと止まります。
 そういうことの役割として一番重要なのが、実はこの植物が持っている水、要するに水の壁をここでつくり上げることで、この熱はここで遮ることができるわけですね。さらに屋上緑化も同じようなことで、敷地全体を水の壁で覆ってあげることで、異常に高くなっている都会での熱線、輻射熱の影響からきっちりと区分けしてあげて、さらに、ここで独自に冷気をつくる仕掛けをつくってあげれば、この小さな単位で小さな気候をつくることができるということです。
 さらに我々が入居しながらやることは、その傾向をさらに高めるために、こういったことを5月にやります。これはへちまやひょうたんを5月に植えている風景ですけれども、これが30株を植えているわけです。これはここの住人が協力し合って植えていまして、これが5月ですけれども、夏になりますとこういう風景に変わります。
 さらにこれが次の年は、では2階まで行ったんなら3階まで行けるのではないかということで、3階まで紐を伸ばした様子ですけれども、それがこのように変わります。
 このように水の膜をうまく利用しながらやるわけです。例えばこれはへちまですね。西瓜なども初年度に植えてみましたけれども、これは実は間違いでございまして、西瓜は決して上には上がりません。分からずに植えました。ただし、この写真をちょっと出したかったので用意しましたけれども、食べましたということです。
 実際にこれが2階の風景でございまして、バルコニーの内側に入りますと、非常に快適な環境ができ上がっていまして見るからにも涼しい、実際に涼しくなります。家の中に入りますとこういった状況ですね。これですごく勉強になったのは、実はこのすだれをかけたところと緑を使ったところでは、実は外側に日射遮蔽をしていますから、実はこれとこれは同じ効果かなというふうに我々は考えていましたけれども、実際に生活してみるとこちらは暑いんですよ。
 なぜ暑いかというと、すだれ自体は水分を含んでいませんから、ですからすだれ自身は40度近くまで温まっています。その熱がこの窓面を温めているんですね。ですから、ここにいるともあっと暑くなりますけれども、こちらに立っていると全く暑さを感じないどころか、逆にひやっとした状況を感じることができるわけです。
 実際に温度的にそういう評価をしてみますと、今の家がこのOさんという家なんですけれども、外気温が36度のときに家の中が28度で、クーラーが全くなしで生活できていると。これは28度というのは決して温度は低くないように感じますけれども、実は外から押し寄せてくるいろいろな熱をきっちりと制御してあげれば、扇風機1台だけ回すだけで28度で実はクーラー以上に快適だという状況が実際に生まれています。
 この後、少しビデオを見ていただきます。10分間にまとめたビデオで、今話した内容を、これは特別なコーポラティブとしてつくった事例を説明しましたけれども、一般の民間のディベロッパーと組みまして、54世帯の住宅に対してきちんとしたこういった内容を実現できるように、ずっとサポートした経緯をちょっとまとめたものがありますので、どうぞごらんください。
 では、お願いいたします。
 見るからに普通のマンションなんです。ここでいろいろなモニターをやりました。
(ビデオ上映)

○甲斐氏 今ごらんいただきました、ザ・ステーツ平和台という54世帯のマンションですけれども、その後の様子をちょっとご説明いたします。
 実はあのセミナーというか、そういうモニターがきっかけになりまして、あの4人の人たちが中心になってマンションのNPOを立ち上げました。マンション用NPOグリーンクラブというのが立ち上がりまして、ああいう価値をマンション全体で広めていこうという運動になっていまして、これが先ほどのイシカワさんの家ですけれども、今はこのように変化を遂げていまして、こういう状況に変わっております。
 それで、毎年毎年お宅訪問会をしながら、みんなで自分たちのベランダの見せ比べっこをしていると、そういった活動が広がってきています。さらに、このイシカワさんという方は、実は小学校の先生でいらして、この経験を自分の小学校に生かそうということで、ここに大きな緑のカーテンづくりを小学生のカリキュラムとしてやりまして、そういったような形で自分の生活体験がこういう教育に広がっているということが生まれています。
 重要なのは、実はあるレベルの高い価値を知ってしまうと心のスイッチが入ってしまうんだと。入ってしまった人たちはどんどんどんどんいろいろな働きかけをするんだということが、実はこのマンションでのフォローを通じて分かったわけです。
 これは学校のその教育の風景ですけれども、ちょっとまとめてみますと、これからちょっと提言しようと思っていますのは、実は環境は守るものからさらに使う環境へという、そういった提言をしたいと思っています。もう少し具体的に言いますと、実は家をつくるというのは、あくまでも個人の得を高めるために家をつくるわけですけれども、手段として環境をうまく使いこなせば、このような家づくりよりも、実はうまく環境を使いこなしたほうが、個人の得はこちらよりもこちらのほうがレベルが高いものが得られるんだということを、どうやったら広げていけるのかということが重要だというふうに思います。
 逆に個人の得に関係なくに、逆に環境を目的化すると、環境運動という位置づけになるかと思います。これは決して否定するものではなくて、非常に重要だと思うんですけれども、ただし、ちょっと考えなくてはいけないのは、ここで参加しているこういう運動をしてきた人が家に帰ってくるとここに帰ってきてしまうということが今の状況だというのが問題なんだろうと。いかにこの個人の得を環境を使って高められるかということだと思います。
 実はこういう得をきっちりするために町ができ上がってきた経緯というのは、いろいろな集落を見るとたくさんあります。これは沖縄の集落ですけれども、これは道があって街路樹のように見えますけれども、実はこれは街路樹ではございません。これは単なる左側の家の生垣が見えるだけで、こちらは右側の生垣がありまして、それが300個つながっています。その300個がつながるとこういう風景が生まれます。要するに、これは何のために植えているかというと、それは台風から身を守るためで、ちょっとした風が吹いてもこの中にいると全くその風を感じないような、豊かな環境が生まれてきています。というように、環境は使っているわけですね。
 ところが、環境はいったん使わなくなると沖縄でこういうような町並みが生まれています。これは台風の備えが全く必要ないぐらいな強固なコンクリート住宅ができ上がっていまして、さらにそこに空調装置が入ってくると外の環境は要らなくなるわけですね。そういうようなことが可能だというか、そういうことが逆に、使わなくなった瞬間に出てくると。
 結局、自分が得するまちづくりということを、実はそういう環境教育といった主眼に入れることはできるのではないのかというのが実はテーマでございまして、例えば、これは左側の住戸はお屋敷ですけれども、右側の住戸は一般のマンションです。このマンションの状況をちょっと解説すると、左側は非常に豊かな涼しい環境に溢れていますけれども、一方で右側は自分の建物自体が熱の固まりになっています。これが町の環境を悪くしていると。このときに、ここの家の窓を開けたときにどうなるかと言いますと、この風は決して入ってこなくて、ここにたまっている熱い空気が入ってくるだけですけれども、自分が得をするという観点でいくと、実はこのように少し変えてあげると、この空気はすべて窓を開けた瞬間に入ってくるわけですね。
 というように、環境は身近なところで使えるということです。応用問題をちょっと考えますと、近くに豊かな公園があったときに、この家は一番どうすれば得をするかというと、公園の一部になるように自分の家を位置づけるということです。ということは、今まで公園と建物は全く別個のものとして存在していたものを、一たび公園の一部になってくるというようなものが自分の得だということをきっちりと分かってもらう、それを実現して、その心のスイッチが入った人たちが町中に溢れてくると、その行為が町全体の環境を変える可能性があるのではないかということです。
 結局、得の連鎖反応によってもう一度町を変えていく、そういうような環境教育の取り組みというのは必要ではないかと。
 最後の言葉ですけれども、結局、お宅からお得へというのを、最後の言葉にして終わりたいと思います。ありがとうございます。

○小澤座長 どうもありがとうございました。
 それでは引き続きまして、佐々木様からお願いしたいと、よろしくお願いします。

○佐々木氏 私は江戸川区立中小岩小学校の校長の佐々木でございます。また、全国小中学校環境教育研究会の会長を務めさせていただいておりまして、私どもの会員が大体250から300おりまして、なぜそんな50の差があるかと言いますと、異動によりまして、今ちょうどその状況を把握中でございますので50の差があるということでございます。
 250から300ということでございますので、それが250校、300ということでございますので、そこから派生する、私どもが指導させていただいております小中学校の児童、生徒でございますので、人数にすればかなりの所帯の人数がいるということになろうかというふうに思います。
 この研究会の中では、全国小中学校環境教育研究大会というのを毎年開催させていただいておりまして、例えば、その大会が東京で開催される場合には、その下に東京都小中学校環境教育研究会がございますので、同時開催ということで、研究大会を開催させていただいていることになります。
 今度はちょうど1月21日でございますけれども、エコスクールであります江戸川区の東葛西小学校で第36回の全国大会をやらせていただくことになっております。そして東京都のほうは第40回の研究発表会を開催させていただくことになっております。
 きょうの発表は私の話よりも、実際に私の学校でやっている環境のことについての、子どもの実践を見ていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それではビデオのほう、よろしくお願いいたします。
 これがちょうど全国大会のときの荒川中土手での、外での発表でございます。前任校の大杉小学校で開催させていただきました。ちょうど水質検査をしているところでございます。ごみの収集もいたしました。荒川中土手でございます。
 実際の全国大会でもお教室ではなくて、外での発表もこのときにいたしました。これが教室での発表でございます。
 これが現在の私の学校でございます。省エネ共和国を平成10年度に建国いたしました。私が一応大統領という名前がついておりましてね。この作品は11月26日に地域で発表するときにつくったものでございます。国民数が810名でございます。こういう承認証を省エネルギーセンターからいただくことになっております。
 なるべくエネルギーを使わないようにしようということでございます。私の校長室です。ここで子どもたちと話し合いをします。この子たちは既に卒業をした、当時の6年生です。何か校長室のソファに座るのが大変うれしいみたいでしてね。
 この子は今5年生です。持っているのは環境家計簿ですね。現在メンバーは50人ほどおります。こまめに消しましょう、スイッチにこれを張って、子どもたちがかなり努力をして消しています。これが省エネ隊のメンバーです。ちょうど昨年、60周年を迎えましたので、そのときの看板です。これはリサイクル看板と言いまして、現在はよその学校でリサイクルされて使われています。
 1度つくったものをさらに利用しようと、リユーズでしょうかね。これは新聞や、学校から出ました廃品の捨てる紙を使った展覧会の作品でございます。画用紙だとか新聞だとかを使っての作品です。
 雨水ミニダムは1基50万円もするんですね。ちょうど、体育館の雨樋を伝わってきます雨水でございます。花壇に利用しています。私の学校にこれは2基あります。それから屋上には風力発電システム時計ですね。ちょうど校庭のところにあります時計をこの風車で電気を起こして動かしているということでございます。これが100万なんですね。ただ、85%の補助がありますので、お金が国のほうから戻ってまいりました。
 これは私の前任校の大杉小学校でございます。
 省エネナビというもので、電力を記録しているところでございます。今の電気料はどのぐらいなのかということを、ボタンを押すことによって計測ができる機械です。
 これは先ほど出ました荒川中土手の水質検査です。こんな雨の日も出かけるんですよね。総合的学習の時間の時間帯でございます。
 これは省エネナビの記録をしましょうという時間帯です。
 これがちょうど学校の花壇に、雨水ミニダムからの水ということでございますね。こういうふうに1カ月の一覧表が出てきます。
 これはあなたは普段の暮らしの中でどんなことをしていますかという質問に対しての、子どもの答えですね。
 これは幼稚園児に中小岩の省エネ隊がごみの分別のことについて教えに行っているところでございます。やっぱりこうして幼小の連携をとりつつ、小さいうちにごみのことについても学習をしましょうということでございます。
 子どもはそれぞれ総合的学習の課題を持っていますものですから、数人の子が幼稚園に。
 これは担任と栄養士が食に関する授業をしているところでございます。
 これは江戸川区長が環境のことについて、区民ニュースの部分です。
 私の学校にクスノキがございまして、これが総合的学習の時間のシンボルツリーになっております。そのクスノキ、ちょうど開校50周年のときに、この木でございますけれども、作詞、作曲を子どもがいたしまして、たまたま私が教頭と校長をこの学校で一緒にやらせていただいているわけでございまして、10年前に教頭時代に、そして10年後に校長でもう一度中小岩小学校に着任させていただいて、このクスノキの歌を今年度の60周年でも歌ったわけでございます。
 ありがとうございました。私はやっぱり環境教育というのは、先ほども何人かの方がお話ししてくださいましたのですけれども、人の暮らしを自分自身で振り返るということが大変大事なことなのかなというふうに思います。
 リサイクルをするとか、それからリユースをするとかということは、やっぱり人の暮らしの振り返りをすることによって、私どもの体の中に息づいていくものではないのかなと、そんなふうに思って、今精一杯一生懸命頑張っているところでございます。
 ありがとうございました。

○小澤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、今続けてお二方に発表していただきましたけれども、ご質問、ご意見を受けたいと思います。よろしくお願いします。
 どうぞ、鈴木委員お願いいたします。

○鈴木委員 中小岩小学校さんのお取り組み、大変すばらしいと思いました。その中で幼小の連携ということも今お話に出ましたけれども、地域社会との連携といいますか、地域の参画ということにつきまして、具体的事例がありましたらお話しいただきたいと思います。もしなければ、どういうふうにお考え、展開されるかということもお話しいただければと思います。

○佐々木氏 今、総合的学習というのは3、4年生は105時間、5、6年生は110時間もあるんですよね。この中で、地域の皆さんにお出でいただかないと、この学習が本当に今成り立たないんですね。したがって、どこの学校でも地域と連携をとりつつ、総合的学習の時間を遂行しているということでございます。
 例えば、詳しいことを言いますと、先ほど荒川中土手の水質検査がございましたね。この中には例えば、水グループ、鳥グループ、それから空気、植物など、さまざまな自分の課題を持っております。この課題をクリアするためには、自分1人では、あるいは自分のグループだけでは到底課題解決に結びつかないわけでございまして、そのためには地域にやっぱり、鳥のことについても、水のことについても、空気のことについても、かなり堪能な方が必ずいらっしゃるんですよね。
 そんなわけで学習の中に、また、江戸川区ではボランティ支援ということで、人材についても、それから多少のボランティア料金ですね、有料で、そんな措置もできておりますものですから、地域の方も入って学習を進めているところでございます。

○鈴木委員 ありがとうございました。

○小澤座長 そのほかいかがでしょうか。
 どうぞお願いします、田原委員。

○田原委員 先ほどの小川さんのお話で、私も兵庫県におりますので、自然学校のお話があったんですが、実際にそのプログラム自体がどういうふうにつくるかという話の中に、コーディネーターのあり方が結局それを左右してしまうという問題があって、どうも学校における環境教育、環境学習でもいいんですが、それも同じようなことがいえるのかなというふうに常々思っております。
 私は博物館に勤めておりますので、いろいろな学校団体が来るんですけれども、本音を言いますと我々は、学校の先生方向けのプログラムをもっとやりたいというのがあるんですけれども、学校の先生方が連れてこられても、なかなかむしろこちらのほうにいろいろなことをしてほしいというふうにおっしゃって、もちろんそれは非常にある意味では必要なことなんですけれども、そもそも学校教育という1つの枠組みの中で、やはり教員の方が果たす、いわゆる環境学習のリーダーとして果たす役割というのがあるだろうと思うんですね。
 大変すばらしい試みをなさっている学校というふうに拝見しましたので、そういう教員に対してどういう形でこういうプログラムの中で自分の資質を伸ばしていくという、そういう工夫があるのかということが、もし、何かそういうことをなさっているようでしたら、ご紹介いただけたらと思います。

○小澤座長 それではお願いします。

○佐々木氏 私でよろしいですか。やっぱり私は全国の小中学校環境教育研究会の会長を拝命させていただいているものですから、やっぱり校長がリーダーシップをとるべきだと思います。これは、私にはこんなことができる、ちょっとオーバーですけれども、自分ができなければ、こんな人を知っている、存じ上げている、したがってそのことについては相談も幾らでもできますので、ぜひ学習を進める上には私に相談してくれと、そんなふうに言います。
 そうしますと、例えば、それは職員会議のときなんかも私、これは職員会議は毎月1回あるわけでございますけれども、必ず校長情報として我が職員に提示をいたします。そうすると職員会議を終わりますと必ず、こんな学習をしたいんだけれども、どういうふうに進めたらいいですかということを職員は確認にまいりますので、自分の土俵に取り入れてしまうということですよね。
 少しでも足元から環境を見つめるということを、私は校長がそういう努力をする必要があるだろうなというふうに思っているところでございます。

○小澤座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 先生、もう少し校内研修のこととか、そういうことをお話しなさらなくてよろしいですか。

○佐々木氏 もう総合的学習がスタートいたしましてから4年たちますよね。今さんざん言われていることが基礎基本に戻れということなんですよ。
 しかしながら、私は総合的学習と基礎基本とは両輪だというふうに思っているんです。子どもが学びたいという気持ちは、やはり私は総合的学習ができましてから、非常に子どもの学び、意欲が強くなったような気がするんですよね。
 したがって、かつて4年前には総合的学習はほとんど環境教育でございました。ところが、そのことが定着しつつある中で、校内研修で今例えば、全国的に総合的学習の中で進めている今年度あたりは基礎基本、国語、算数ですね、かなり多くなってきたような気がいたします。
 もう一度繰り返しますけれども、総合的学習、例えば環境、そういう分野と国語の基礎基本、算数の基礎基本、これは私は両輪だというふうに思っていますので、例えば、基礎基本の算数をやったとしても、国語をやったとしても、この環境学習にかかわる総合的学習の時間は、大きなウエートを占めるだろうというふうに思うわけです。

○小澤座長 ありがとうございます。越権的にちょっと校内研修という言葉を使いましたけれども、カリキュラムデザインを校長先生はもちろんリーダーシップでもおやりになるんですが、結構皆さんたちが、その学校の先生たちが、例えば小学校であれば低学年、中学年、高学年、こういうので模擬授業をやって、それを先生たちは見ながらつくり上げていくというところが割とあるんですね。
 そういったところが、余り世の中には知られていないのではないかと思いますので、そういう中で力をつけていく、若い先生もつけていくというプロセスがあるかなと。もちろん、すべてそれでやっているとは限らないところもありますということを前提にお話。

○田原委員 さらに先ほどの小川さんにもお聞きしたい部分が実はありまして、いい事例を見ておりますと、本当にため息が出てしまうんですね。すばらしい。ところが、実際にはそういうことをなさるだけの仕組みがあるわけですね。仕組みをどうやってつくったら。
 本当は一番重要なのはその仕組みをつくる仕組みといいますか、その仕組みをどういうふうにおつくりになったかというあたりが、それはかなり移転可能な知恵だというふうに思うんですけれども、いわゆる見本、こういうことができたということ自体は、なかなか案外移転しにくいというか、そういうものではないかと思うんですね。
 そういう意味で今し方の教員研修の話も何かそこに秘密がありそうだなということがあったんですが、ちょっと今、甲斐さんと佐々木さんということで、ちょっと小川さんにお聞きするのはルール違反かもしれませんけれども、両方とも同じ根っこなので、それについてお伺いしたいんですけれども、先ほど、行政の連携がとても重要だ、特に異なった部局のという話がありまして、私は常々本当に、みんなそこで悩んでいる部分なんですね。そこの部分というのは、言ってみれば各自で、それぞれのケースに応じて工夫しなさいということだと思うんですけれども、一言では言えないと思うんですけれども、それをあえて一言で言うとすると、どういう仕組みで、その仕組みをつくる仕組みですね。そこを何かヒントのようなものがあったらお聞かせいただけたらなと思うんですが。
 佐々木先生にも、その教員研修に何かありそうだなという話をお聞きしたんですけれども、それを一言で言うとすれば何か、要するにちょっとアドバイス可能な何かそういうものがあれば、ちょっと教えていただきたいと思うんですが。

○小澤座長 それでは、小川さんからお願いいたします。

○小川氏 まず1つは、やっぱり時間はかかるということが前提ですね。私も最初、環境部局から教育委員会のほうに足を運んだときは全くゼロの段階です。ですから、学校に文書を流すのも全部教育委員会経由のはんこを押さないと、ボックスにも放り込めませんし、学校へものを届けるということができない状態でした。
 それをやはり何度か繰り返すことと、あともう一つは教育委員会窓口と、それから小学校、中学校にそれぞれ、例えば、当時であれば理科の教科と研究会というのがありまして、それの理科部会とか、社会科部会という専科の先生たちが集まられる場がありますので、そういうところでまず事業の説明をする。そしてまた今度は校長会、教頭会というようなところでも事業の説明をする。教育委員会の学校教育担当の方々ともミーティングをするという、こういったものを、それぞれレベルレベルがございますので、そのレベルに応じたお話をやっぱり何度か繰り返しながら、やはり事業そのものを認知していただくということが1つは必要になってきます。
 そういうことを繰り返しながら環境部局のほうから流れてくる情報が、自分たちの学校にとって何らかのプラスになってくるということをご理解いただけた時点で、比較的いろいろな事業が連携していくということが可能になります。
 それと、当時やっぱり環境教育を学校でもやりたいということがございましたので、お呼びがかかれば本当にどこへでも行くという形で、学校に出向くということもやりました。あとその中に市民ボランティの方にかかわっていただくという形で、行政以外の人たちにもかかわっていただくことへの道を開くというのを、その次のステップでやりまして、今現在は学校への環境教育の現場指導は、コーディネーター役はNPO法人のこども環境活動支援協会が行っていますが、このときに少し教育委員会との間で問題が起こったのは、行政がボランティアを連れて学校に入ってくるのまではオッケーだ。ところが、任意団体が市の委託を受けたといっても、学校に入ってくると、ほかの任意団体との関係でいろいろとトラブルが出てくる可能性があるので、それはちょっとまずいというお話もありまして、それを1つクリアするために、こども環境活動支援協会の理事の中に環境局長は当然入っておりましたけれども、学校教育担当の教育次長にも理事に入っていただいて、NPOの運営をするという形で、それをクリアした部分もあります。
 今現在もうこれだけいろいろな地域の力を取り入れるということになっていますから、10年……6年、7年前に比べたら少しはましにはなっていると思いますが、そういう1つ1つの壁をクリアにしていって、それで初めて学校のほうもこの事業について受け入れてくださる。その間には6年間、先生方とのお付き合いも当然生まれていますから、お互いがやろうとすることへの目標の認知と、協力し合おうということで、教育行政方針の中に載せていただくとか、そういう積み上げが、最終的にはやっぱり力になってきているというふうに思います。

○小澤座長 ありがとうございました。
 佐々木校長先生、お願いできますか。

○佐々木氏 江戸川区の場合には区長方針がとにかく環境方針を出しておりますものですから、それが行政を通して学校にきちんと流れてまいります。そしてこの4月から江戸川エコセンターという、ちょうどホームページにも出ておりますけれども、江戸川エコセンターが設立をいたしました。
 私もその中の理事の1人になっておりまして、学校教育とのかかわりはどういうことかと言いますと、江戸川エコセンターに1本電話を入れることによって、人材を派遣してくれることもございますし、それから、ここの学校ではこんな環境教育をしていますよということを、エコセンターに電話1本入れることによって、その実際の実践を提供することもできるようになっております。
 それから、江戸川区の場合では幼稚園、小学校、中学校、すべてが資源循環型学校づくりの学校目標をそれぞれ独自で持っておりますので、その資源循環型学校づくりのその目標に向けてそれぞれの学校が努力しているという、ちょっと細かいことまで説明できませんのですけれども、行政と学校が区長方針のもとに1本になって、環境教育を進めているというところでございます。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは甲斐さんに、広瀬委員。

○広瀬委員 甲斐さんにちょっとお聞きしたいんですが、建物を通した環境共生型あるいは自立型共生というコンセプトの建物の中で、都市といういわば大きな環境への負荷をかけている固まりをできる限り環境共生化していこうということの取り組みなんですが、別の視点で、現在住宅などは、学校は特にコンクリート型の公社が非常にふえてきた結果、子どもたちのさまざまな情感や情緒に影響を与えているというような研究が指摘されていると思うんですが、そういう中で、木造型にまた戻していくというような動きがあると思うんです。
 先ほどの小川さんのお話にもそういうのがありましたが、そうしたそこに住む人の情緒とか情感に対して、どういう効果、影響を与えているのかという研究はなされたんでしょうか。

○甲斐氏 特別、研究という位置づけで対応はしているわけではないんですけれども、基本的に根本的な話をすると、実は大きく言うと、僕は便利なものと豊かなものというのは違うんだということをきっちりと認識して、豊かなものを発見するというのが実は環境教育の重要なポイントだというふうに総括できると思っているんですよ。 
 どういうことかというと、今の世の中というのは、ほとんど便利なものがだれでも手に入ることができるようにという形で、いろいろな産業だとか社会のシステムというのが、かなりの勢いで完成してきたというのが今日だというふうに思うわけですね。
 その前までは実は便利なものというのはすごく少なかった。だから、すごく不便な状況を補うために、実は環境というのは、実は資源として環境ぐらいしか使うものがなかったんですね。自分たちの生活を成り立たせるためにですね。
 環境を使うということはもっと何かというと、実はそれは自分たちの生活を外だとか、今言ったように情感だとか五感すべてがつながっていくということなんですよね。そういうつながっていくということの中で、そういう豊かさというものを味わっていたし、逆にそのつながるという行為そのものが、まちづくりそのものになっていたという、だから非常に安定した環境があったわけですけれども、それが便利なものを追求するという今の状況というのは、すべてのシステムがそういうふうにでき上がってきていて、それを固定したパラダイムをつくっているというふうに考えるわけですね。
 そうすると、便利なものでいいではないかという、要するにここまで来たというのは我々の世代の到達点だよと、価値だよというふうなことをすごくアピールしてきたと。どうしてもその価値観というのはもうどっぷりその便利さというものに浸っていて、それで例えば電車の中でいうと、本当に怖い状況がありますよね。
 みんな電車の中ではどうでしょう。2割か3割ぐらいはみんなパソコンの携帯電話で眺めていて、挙げ句の果てはヘッドホンステレオを聞いて、外とは完璧に外界から遮断して、自分の世界の中でその便利さだけを享受しているという。その中で全くつながりだとかそういったものは見えてこない。もっと言うと便利さというのは、その分断する技術が高まってきたから便利なものを工場生産によってだれもが手に入れることができるようになってきたということで、その豊かさとつながるための豊かさ、つながることで生まれる豊かさということと、分断することで生まれる便利さというのは対極にあるんですよね。
 そういったすごく大きな価値観が蔓延している中で、もう一度つながることの豊かさというのをどうやって見つけてくるのということが、実は重要なんだというふうに思うんですね。
 そういった中で、実は便利な価値観から豊かな価値観へというのは、これは完全にパラダイムの違いだと思うんですよ。それははっきり言って、便利なものというのは説得するとこっちがいいよねという話は分かりやすいんですね。豊かなものというのは説得できないんですよね。それよりも、何かそこに行って実際に自分が体験したりとか、参加して、そこで心のスイッチが入ってしまえば、さっきのビデオのように、とことん自分の生きがいそのものが変わってしまって、自分の自由空間が変わって、さらにその自由空間をマンションの周りの人たちにも伝える側になってしまって、さらにはそこを飛び出して学校の教育、そうやって生徒たちの生活に対しても影響を示すというような、そういう教員が生まれるような、そういったものって実際にもう周りで起こってきているんですね。
 ですから、その木造にすることの価値がどうだということの直接的な話ではないんですけれども、もっと大局的に、そういった木造の持っているものというのは便利とは違った豊かな価値として何なのよということを、もっともっと味わえるというようなことが重要だということと、それから環境共生という言葉が一方で変なような状況に僕はなっていると思っていまして、太陽光パネルをつけて、風力発電をつけて、ビオトープをつけて、それで一方でその自由空間とか一番多く滞在しているところの環境とは隔離されているという状況が実際にたくさん見受けられるんですね。マンションでもそうだし、下手すると小学校だとかでもそういう傾向になるのではないかというふうに危惧しているんですね。そうではなくて、それが日常的に常にそことつながりがあって、それをふっと感じたときに豊かだなということをどれだけ多く感じられるかということが重要だと。そういった位置づけでもう一度その校舎のハード面だとか設備面だとか校庭の自然だとか、さらに校庭の自然がさらに町とつながっているとか、そういったことを考えることが重要だろうなというふうに思います。

○小澤座長 ありがとうございます。そのほかいらっしゃいますか。
 すみません、こちらの小関委員のほうから、その後お願いいたします。

○小関委員 今日お伺いした中では、武蔵野市にしても、西宮にしても、小岩、江戸川区にしても、その自治体のトップの相当強いリーダーシップというものが共通してあると思うわけですね。それだけではないと思うけれども、その幅広いいろいろな活動をしていくためには、当然そういうリーダーシップが不可欠だということはよく分かるんですが、ここでちょっと佐々木先生にお聞きしたいのは、先生が会長をされている環境教育研究会、これは学校教育サイドという迫り方というか、基本スタンスですよね。全国に非常にたくさん分布している。250から300。それらのその学校の多くが、今日お伺いしたような自治体とは違うのではないかと思うんです。必ずしもそういうネットワークなりリーダーシップなり、総合的な活動の体系ができ上がっているところはむしろ少ないのではないかと思うわけで、その中で、今日は先生の学校が直接、先生が経験されたことをビデオその他でお伺いしたんですが、この研究会という全体的な場で、学校教育サイドにあえて限定してもよろしいかと思うんですが、総合的学習が中身が変わってきているということも含めて、カリキュラムの問題とか教師の姿勢の問題とか研修とかいろいろなことがあるかと思うので、余りうまくいっていない、ないしはその課題が大きい、進みにくいというような、今日は非常にこの前向きな話ばっかり聞いたんだけれども、そうでない部分というのは相当私はあるのではないかという気がするんです。その総合的学習の90%が環境をとり上げているとは言っても、その内容なり方法論というのは、かなり試行錯誤でそう簡単ではないのではないかという気がするので、そういう課題のようなことはどういうことが挙げられているんでしょうかねということをお教えいただけたらと思う。

○佐々木氏 きょうの映像もさらりと何か美しいなというふうに見てくださったかもしれませんけれども、実はあの映像はほんの1現象でありまして、泥まみれになって水の中に入る、それからそこまで連れていくのに40分以上子どもたちが歩いているんですね。学校からその川に行くまで、雨が降ろうが風が吹こうが、余りひどいときには私はストップさせますけれども、40分以上歩いて、最初は親が、何でこんな重いものを持ちながら行くのって、今から5年ぐらい前は言っておりましたのですけれども、そのうちに親がやっぱりはまるんですね。子どもが変わるし、変わる内容はやっぱり、自分が課題を持って、その課題に対してどういうふうに解決していこうかという子どもの悩みですよね。教師はそういう意味では助けません。助けていい部分と、助けてはならない部分がありますので、そういう意味で、きょうの映像はもしかしたらきれいに見えたかもしれませんけれども、その裏には私ども教師が悩んで、行きたくないって泣き騒ぐ子もいますしね、そういう部分もたくさんあることを、ぜひご理解いただければありがたいなというふうに思います。
 また、先ほど冒頭でも申し上げましたのですけれども、環境教育にかかわっての子どもの学習する様子を授業で実際に展開する場面もございますので、それが1月21日、江戸川区の東葛西小学校で展開させていただいて、そして全国の発表も午後に開催いたしますので、そのときなんかも教師の悩みがいっぱい出てまいります。
 例えば、一番大きな悩みは何かと言いますと、時間が本当に足りないですよね。川の調査のときなんかも、子どもが自分の課題をクリアするためには、授業時間中、その110時間の中では到底川だけを110時間やることはできませんのでありますので、したがって土曜日、日曜日、実際出かけていくことも多いわけでございまして、どこの学校でもやっているようでありながらも、その学校の子どもの実態がありますし、地域の特性がありますものですから、私の学校でやったことが即よその学校でできるとは、全くそういうことは言い切れませんので、それぞれのたくさんの悩みを抱えながら、進めさせていただいているところでございます。

○小澤座長 ありがとうございました。
 それでは二瓶委員、お願いいたします。

○二瓶委員 きょう伺った例というのは大体成功例だと思うんですが、これから環境教育という視点で、何かやりたいことを考える場と、ですから教育をしたいというグループ、集団と、それを提供できる集団、受け皿ですね、受け皿側の構築。それをつなぐ役割のまたグループ。何かそういう3つの、分けることはちょっと適切ではないのかもしれませんが、教育をしたいけれども適当な場所がないと。
 具体的に先ほどの土屋武蔵野市長さんのお話の中で、パンフレットを見ましたら、長野県と山形県ですか、幾つか提携先といいますか、実施場所が決まっているような感じがしていまして、こういう場所を見つけることすらもちょっと大変なのではないかと思うんですね。
 これからやはり考えていかなければいけないのは、そういうネットワークづくりではないかというふうなことを、きょう成功例を、お話を伺いながら、恐らく皆さんやりたいけれども、こういうことができない学校が多いんだろうと思います。
 ということで、民間にいた私の立場で申し上げますと、製紙会社にいたものですから、製紙会社って社有林が結構ありまして、私がいました日本製紙という会社は、北は北海道阿寒から、分収林ですけれど西表島まで全国に社有林があるんですが、その中で経済活動をやっているところは北海道と九州だけなんですけれども、その他いっぱい社有林があるんですけれども、どうやって皆さんに場として提供できるかなということを考えながら、結局できませんでした。
 理由はやはりこういう場として提供しようとすると、当然何らかの費用が発生するわけですね。受けてもいいですけれども、受ける側の安全の問題ですとか、あるいはガイドの役割をしなければいけない立場の人間を常時配置しなければいけない問題ですとか、そういう場はあるんすけれども、皆さん方に提供できないと。それでも何とかしようではないかということを考えながら、私はリタイヤしてしまったんですけれども、何かその辺をうまくつなぐような仕組みといいますか、これが必要なのではないかというふうに、お話を伺っていて痛切に感じたんですが、その辺、きょう発表された皆さんはどういうふうにお考えでしょうか。

○小澤座長 それでは小川委員、お願いいたします。

○小川氏 まず、ちょっと何点かあるんですが、今のご質問の分で、どういうところへ行ってどういうことが学べるかというのは、1つの自治体の中でも見えていない部分ていうのはたくさんあるんです。
 きょうお手元に配ったこのパンフレットですが、封筒の中とは別に入れている分ですけれども、これは今回私たちも初めて市の中の施設を、この中をめくっていただいたら自然のことが学べる施設と、生活のことが学べる施設、歴史、文化のことが学べる施設、フィールドというふうにやっていますが、別にこれは特別に新たにつくったものではないんです。
 町の中そのものも実は非常に学ぶことのたくさんあるものです。それは自然系であれ、生活的なごみリサイクルであれ、また歴史、文化であれ、これは全部環境を学ぶ上で必要なことになっています。こういうことを行政のほうか、だれかが一度まとめないと、掘り起こさないと、全体像が見えないというのがまず1つ、今おっしゃられたネットワークの部分です。
 今私たちは環境学習都市宣言をして、まず、やっぱりこれをしっかりやろうというのがあります。それともう一つは、これをこの施設の職員がそのプレゼンテーターになるのではなくて、その市民の方々の中で、ここを私たちに任せてくださいという方をつくっていくというのが2つ目に大事なことだということと、施設の職員がそのためのコーディネーターになれる力量を持つということですね。こういうことをしないと、せっかくある施設、フィールドが、もう全く使われないということになっています。
 もう一つは、では小学校がこれを利用できかというと、利用できないもう一つの部分は移動手段です。これはバスを借りたらお金が当然要りますし、電車で連れていくとなったらまたこれも大変な労力が要りますので、教育委員会とその市の公用バスを持っているところと話をしまして、年に2回、山と海の活動をするときに、市のバスを無料で貸すから、こういうところで自然体験をやってくださいというような行政の制度の中の融通を利かせるということも、実は今回やっています。
 そういう幾つかある資源をつなげていくことと、行政の施策の中でリンクできることをつないでいくことと、こういうことをちょっと整理しておかないと、なかなか定着するのは難しいだろう。ましてやそれを同じ県内であっても、県外ではもっともっと難しくなってくるんですね。
 この施設の中には、これ実は公の施設だけではなくて、民間の工場とか、それからスーパーマーケットとか、そういったものも全部含めています。ですから官と民の両方の施設、それからそういう森林も含めたものをどう、こういう場で使えるようにするかということを、やっぱりきっちり掘り起こすことが、今すごく求められているのではないかな。
 あと、先ほど、成功事例というふうなお話もあったんですが、私が考えているのはこういう成功したというよりも、形ができた、システムができたことによって、それが持続的に転がっていくのかどうかということがすごい大事だと思っているんです。今私たちの例えばこのエコカードの部分も、市内の小学生2万4,000人にこれを配っていますけれども、では毎年アースレンジャーに子はどのぐらいいるかといったら1割なんです。2,000人から2,400ですね。1割の子がこの目標を達成するんですけれども、これは決して学校には強制しないようにしているんです。先生方には、これはもうどんどんやってくださいとは言わないで、やっぱり、これは先生自身がこれを使うことの意味を見つけてくれたときに本当に動き出しますし、地域の方とか団体とかスーパーマーケットとか文具店がこれをやることによって、子どもたちが来る、親が来る、環境のことに対して逆に自覚をしてもらえると自分が思えたときに、もっと一生懸命具体的な仕組みを逆に考えてくれるんですね。
 そういう親であり、子どもであり、教師であり、地域であり、企業であり、それぞれの人たちが思いを持ったときに力が働いて、また1つ転がると。ですから止まらない。弱くてもいいから止まらない。そういうシステムを持っておかないと、だれか頑張ってやったけれども、頑張った人がいなくなったら転ぶというような、こういうのが今までのやり方だと思うんですね。
 あともう一つはやっぱり、行政がやるべきことと、それから学校がやるべきことと、それから市民がやるべきこととやっぱり違うということをもうちょっと整理しないと、行政が市民団体のやっているようなイベントをどんどんやって人を何人集めたといっても、やっぱりこれは続かないと思うんです。やっぱり仕組みをつくるのが行政ですし、そういう地域を活性化するのが市民団体ですし、そういう役割をもうちょっと整理して政策を打たないと、この20年近くの年月は何だったのかなというような気がします。

○小澤座長 ありがとうございました。
 時間をオーバーしてご意見をいただいて、そしてそれに質疑をやってきました。ちょっと甲斐さんのご意見、発表に余りなかったんですが、ちょっと1つだけ、私は甲斐さんの会社の仕組みをこれで3度伺って、イシカワ先生にもお会いしてご意見を伺って、目からうろこと。本当は住宅のことは、日本のもともとの農家の仕組みにちゃんとあったんですね。
 先ほど、パラダイム転換とおっしゃいましたけれども、パラダイム転換はもちろんあると思いますが、なぜ居住者があそこまでやったか。やはり科学的にちゃんとデータを見せてというところが私はあるのではないか。納得しているというところが非常に大きいのではないかと思うんですね。
 今までは幾ら農家のほう、昔のやり方はこうだったのよと言っても、なかなか納得できなかったわけですね。そしてその本当に温度と数値を自分で体感しながら、では変えてみるという。
 それは私実は建築学会のほうで同じようなところをやっていて、甲斐さんのチームの方にもビデオを見せていただいたりとか、別の住まいの研究会でご発表いただいたんですけれども、みんな専門家ができなかったんですね。甲斐さんという別のプロフェッショナルの方が、そこを分かるようにしてくださったというところが、目からうろこというんでしょうか、すばらしいなというふうに思っております。ありがとうございました。
 それで、非常に時間をオーバーしているんですが、前回4人の方がご欠席だったんですが、きょう出席いただいておりますので、お一人ずつご紹介と、それからこの懇談会に対する取り組みのご意見を伺えたらなというふうに思っております。
 それでまず、田原様よりお願いできたらと思いますが、いかがですか。

○田原委員 私は小川さんから先ほどご紹介がありました、同じ兵庫県の中にあります、兵庫県立の人と自然の博物館というところの研究員をやっております。
 実は私どものところもいろいろな博物館の、最近は博物館もただ惰性でやっていくと、もう5年後が見えないような時代になりましたので、いろいろな意味でも博物館としてのミッションを見直すというような作業をやっているんですけれども、その中でやっぱりここで話題になっております環境教育ですね、私どもは環境学習という言い方をしておりますけれども、そこを将来の博物館の1つの柱にしたいというのがありまして、それについてはどうしようかなというふうに常々考えながらいろいろなことをやっております。
 そういう中で、非常にありがたい勉強の機会を与えられたというようにも感じておりますし、また、それがいろいろな形で博物館の実践の中に、実践的にそれを検証できるような立場で、ちょっと議論に参加できればいいなというふうに思っています。
 ここで何をやるべきかということに関しては、ちょっと私はまだ様子を見ている段階ですので、また追々発言させていただきます。

○小澤座長 ありがとうございました。
 続きまして二瓶委員、お願いいたします。

○二瓶委員 私は日本製紙連合会に、この5月10日付けで日本製紙を退社しましてそちらに転籍しております。製紙業界全体を束ねています業界団体でございまして、先ほど、若干ご紹介しましたけれども、製紙会社というのは全国に社有林を持って、一部経済活動をしながら、ほとんどは赤字で森林を維持しております。現実に原料はほとんど7割近くを海外に依存している、そういう業界なんです。
 せっかくある社有林をやっぱり有効に皆さんに活用していただけるのではあるまいかと思いながら、さっき申し上げましたように手がなくて、どうしたらいいかというように悩んでたということで、とりあえずは、前の会社にいたときに私は環境部長という立場だったものですから、各工場に環境監査で行くたびに、近くにある社有林で見学者を受け入れられるところを必ずつくりなさいということをずっと言って歩きまして、だんだんそういう体制ができつつあります。そのうち、担当者をそこに配置しながら、恐らく教育をしたいという方の受け皿にできるのではないかなというふうなことを考えながらおりました。
 それから、当然製紙工場というところは非常にいい環境教育の場でございます。例えば古紙のリサイクルはどうあるべきかとか、どういうふうに紙がつくられているかとかというのは、非常に身近な紙という素材をつくっている生々しい現場でございまして、いろいろな意味で勉強になる場でございますので、これはいつでも受け付けておりますので、見学者大歓迎ということで受けていますけれども。
 ぜひ生きた環境教育を製紙業界でお手伝いできるのではないかという、そういう視点で、今回私委員をやれということでございましたので、参加させていただきました。これからもよろしくお願いいたします。

○小澤座長 ありがとうございました。
 続きまして堀内委員、お願いいたします。

○堀内委員 跡見学園女子大学の堀内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私はきょう、ここの委員という形でここへ参加させていただいて、学校教育だけではなくて、企業の方、行政の方、いろいろな人たちが集まってネットワークをつくろうというような話をさせていただいていること、それを聞かせていただいていることを、大変うれしく思っております。
 私自身はずっと中学校の教師、あるいは行政におりまして、ここにいらっしゃる小関先生や小澤先生なんかと、文科省の初めての環境教育指導資料をつくった1人でありますし、文科省の中のエコスクールをどうつくるかということの委員として、いろいろな提言をさせていただいている1人でございます。
 今から10年ぐらい前は、環境教育というのは何か、みんなやっているのに何が環境教育なのか、自分のやっていることをそれは環境教育ではないかと言うと、そうか、では僕も環境教育をやっているんだなというやっぱり意識の時代。今それが指導資料ができることによって、環境教育というは、ああこの範囲をいうのかという認識ができ、もう一つは総合的な学習ができることによって、それぞれの教科で学んでいることをここでまとめる、そのときのまとめる1つの柱として環境教育というのがあるんだな、そんなふうな認識がされてきている中で、こんな会ができ、ここで私が発言できることをうれしく思っております。
 1つだけ私のスタンスは、皆さん学校教育をもっとしっかりしてくれば、環境教育がもっと行くんであろうというふうにお思いですが、今日本銀行は金銭教育をやめて、金融庁と一緒になって、金融教育を進めなければいけない。農水省は食の教育だぞ。それから性教育をもっとやらなければいけない。すべてのところの省庁が、自分のところのやっている施策が一番いい施策、足りない、不足している施策として、学校へ全部押し寄せてきております。学校の立場になったらどうであろうか。
 さっきございました環境に関するポスターその他、ポスター募集は年間30種類ぐらいのポスターを学校で描いてくれって言われているのが今、学校です。そうすると、この場でやらなければいけないことは、ちょっと余計なことまで言いますと、すべての学校が教科指導を通して取り組まなければいけない環境教育、これだけはすべての子どもがやる。それと行政がバックアップしてくれたり、さっき武蔵野みたいに、4泊5日の費用を出してくれるところだっていろいろなことができるわけですね。
 そういうところのバックアップをしながら、私は行政区域の中ではこのことを中心になってやろうという方策だとか、企業がバックアップしてくれるとか、そういうようなものを進めていく。その2面からやっぱり行かないと、今の環境教育は進まないのではないかと、そんなふうに思っております。ちょっと長くなりました。

○小澤座長 ありがとうございました。
 もうお一方、長谷川様がご欠席だったんですが、きょう代理の笹之内さんがいらっしゃるんですが、ちょっとご紹介は遠慮なさるということですので、ご紹介はここで終わらせていただきます。
 まだまだいろいろご意見があるかと思いますけれども、きょう4人の方にご紹介いただき、そしてまだまだご質問をしたい方、意見を言いたい方、いらっしゃると思いますが、次回もうお三方にご意見を伺って、それでまた意見交流をして、4回目に基本的な方針をまとめていくということにしたいと思いますので、議事要録も出ると思いますので、皆さんはまた次回に少し議論の方向を、きょう少しありましたけれども、そういったことをまた次回までお持ちいただいて、議論を深めていけたらというふうに思っております。
 きょうご意見をいただきましたお三方、どうもありがとうございました。ここで私の役割は終わらせていただきたいと思います。
 では、事務局にお返ししますので、お願いします。

○渋谷環境教育推進室長 どうもありがとうございました。
 事務的なお話でございますが、次回の懇談会でございますが、一応6月9日の水曜日の午前中10時から12時半、環境省の入っております合同庁舎5号館5階の共用第7会議室で開催をいたしたいというふうに思っております。正式な通知あるいは地図をまた後ほどご郵送します。
 それから、次回は今お話がありましたように、「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議運営委員長の阿部様、それから横浜市教育委員会指導主事の和泉様、日本ナショナル・トラスト協会事務局長の関様よりのお三人から意見を伺うという予定にしておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、閉会に際しまして加藤環境副大臣より一言ごあいさつを申し上げたいと。よろしくお願いします。

○加藤環境副大臣 それでは終わりに当たりまして一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 第1回目のときにも話が出ておりましたけれども、やはりこの基本方針の実効性の関係、これは極めて重要な点でありますので、ぜひこの辺については十分議論を推し進めていただきたいと思います。
 きょうは第2回目で意見発表ということで、土屋市長、小川課長、甲斐社長、佐々木校長、以上の4人の方に意見発表ということで、非常に有益な話を承ったなという強い感動の気持ちが私もございます。こういう形で進めていくことが非常に大事だなという点についても感じた次第でございます。
 先だって、実は私は群馬県の植樹祭に参加してまいりました。1,200の木を植えたわけでありますけれども、お子さんと一緒に植えたわけでありまして、非常に感激しながら子どもたちが一生懸命やっている。中には土をかけ合ったりしてけんかしている子どもたちもいましたけれども、しかし非常に体感するというか、そういったことを通しながら感動するという光景を見るにつけて、こういったことが非常に大事だなということを、またさらに確認をさせていただいたわけでございます。
 私としては、先ほどの基本方針の実効性の関係では、やはり副大臣会議でも徹底をしていかなければいけないということで、申し合わせをさせていただきましたエコスクールの関係でございますが、これは省庁が連携してやっていかなければいけない。今までは農水省、文科省、それから経済産業省と3省でございましたけれども、これはやはり拡大していく。単に縦割りの中でやるということではなくして、やはり連携を強化して拡充していく方向でしっかりとやっていかなければいけないなと、こんなふうに考えてございます。
 そういった中で、ちょっと差し出がましい話なんですけれども、教育委員会のエコスクールの導入マニュアル的なこと、あるいはエコスクールの環境教育推進のガイドマニュアル的なことについてもやはり準備をしていかなければいけないのかなと、そんなふうにも思ったりもしておりますし、あるいはさらに、先ほども話に出てまいりましたけれども、地域との連携をいかにつくり上げていくかという、こういった視点も極めて重要なことではないかなと、そう思っています。
 またさらに、持続可能な開発のための教育の10年、これは明年度から始まるわけでありますけれども、この10年間に対応した形でいかに環境教育のロードマップといいますか、そういったものをどうつくり上げていくか。そういう仕組みというのを、それがまさに実効性のある仕組みとして地域に展開し得るような、学校教育の中に展開し得るような、そういうものについてもやはり、積極的に対応していかなければいけないのではないかなと、このように思ってございます。その中には当然、教育資源データベースをどう構築していくか、それもしかもワンストップ型に集約できるようなそういったチャンスをどうつくり上げていくかという点も、私は大事ではないかなと、そう思っています。
 それから、環境教育がどれだけ進捗したかというのはなかなかこれは計測評価するというのは難しいかもしれませんが、そういう評価のあり方、チェックのあり方、あるいはその目標数値というのはどんな形で出てくるのかちょっと私は分かりませんが、こういったこともやはり実効性をいかに担保するかという観点からは、極めて大切なアプローチでないかなと、こんなふうに考えてございます。
 また、2002年の南アフリカ連邦共和国で開催されました地球サミットの関係でありますけれども、この2002年のときにウブントゥ宣言がなされました。世界の教育関係、例えば国連大学、あるいはユネスコ等々を含めて11の機関がウブントゥ宣言をされておりますけれども、その中で地球憲章の支援決議もされてございます。
 また、昨年の10月にはユネスコも地球憲章の支援決議をされているというふうに伺っております。こういった地球憲章の中身については、極めて大きな理念という話になっておりますけれども、こういうことについてどれだけ我が国におきましても、支援をしていける仕組みをどうつくることができるか、そういった議論も、なかなか重要でないかなと私自身は考えているところでございます。
 今後また皆さんに大変なご協力、お世話になるわけでございますけれども、どうかより一層実効性が担保できる基本方針ということについても、私も本当に強く関心を持っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 本日はまことに皆さんありがとうございました。

○渋谷環境教育推進室長 どうもありがとうございました。
 ヒアリングをしていただいた先生方、また、委員の先生方ありがとうございました。また、小澤座長には大変お世話になりました。
 これにて第2回目の懇談会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

午後 3時42分閉会